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特許7349758射出成形解析システム {Injection molding analysis system}
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】射出成形解析システム {Injection molding analysis system}
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/76 20060101AFI20230915BHJP
   B29C 45/73 20060101ALI20230915BHJP
【FI】
B29C45/76
B29C45/73
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022150174
(22)【出願日】2022-09-21
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】10-2022-0038335
(32)【優先日】2022-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522373736
【氏名又は名称】エイチ デイ ソリューションズ 株式会社
【氏名又は名称原語表記】HD Solutions Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100199004
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 洋
(72)【発明者】
【氏名】ヤン スンイル
【審査官】北澤 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-277320(JP,A)
【文献】特開2018-073329(JP,A)
【文献】特開平08-011181(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0067562(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00-45/76
G06F 30/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが各種情報を入力し、製品成形に対する解析結果が出力される端末機;
前記端末機と連動して各種情報を記憶及び演算処理するサーバー; を含み、
前記端末機によりプロジェクト生成が選択され、製品成形を解析しようとする図面のCADファイルが選択されると、前記CADファイルを前記端末機に呼び出す第1段階;
前記サーバーで前記CADファイルのメッシュを生成して格納する第2段階;
前記サーバーにおいて、前記CADファイルと同じ製品に対する射出機、樹脂、プロセス設定値を含む金型データのリストを前記サーバーから呼び出して端末機に出力する第3段階;
前記端末機で前記金型データが選択されると、前記サーバーで該当する前記金型データの射出機、樹脂、プロセス設定値を前記CADファイルに適用する第4段階;
前記端末機で冷却ラインの呼び出しが選択され、冷却ラインに対するファイルが選択される第5段階;
前記端末機で前記冷却ラインのチャンネル、バッフル、ホースの直径値が入力され、チャンネル生成が選択され、前記CADファイルに前記冷却ラインが適用される第6段階;
前記サーバーで前記CADファイルと同じ製品に対するランナー設定値を含む前記金型データのリストを前記サーバーから呼び出して端末機に出力する第7段階;
前記端末機で前記金型データが選択されると、サーバーにおいて該当する金型データのランナー設定値を前記CADファイルに適用する第8段階;
前記端末機によりノードが選択されてゲートの位置が選択され、ランナーシステム生成が選択されると、前記サーバーにおいて前記CADファイルのランナーシステムを前記端末機に出力する第9段階; を実行することを特徴とする射出成形解析システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記CADファイルの名称は製品名称とし、
サーバーに格納された前記金型データの名称は、会社名と製品名を含み、
前記第4段階と前記第8段階で、前記CADファイルの製品名と同じ前記金型データを含むリストを前記サーバーから呼び出すことを特徴とする射出成形解析システム。
【請求項3】
請求項1において、
前記端末機で前記金型データの条件範囲が選択され、設定された間隔で該当条件に対する解析結果を前記端末機に出力する第10段階; をさらに実行し、
前記第10段階において、
前記サーバーは、解析結果に対する要約を前記端末機に出力するように実行することを特徴とする射出成形解析システム。
【請求項4】
請求項3において、
前記第10段階で
条件範囲が変更された前記金型データを前記サーバーに格納するように実行することを特徴とする射出成形解析システム。
【請求項5】
請求項1において、
前記端末機でレポートが選択され、CADファイルに対するレポート出力が選択されると、前記サーバーでレポートを前記端末機に出力する第11段階; をさらに実行し、
前記レポートは、検証項目に対する結果値を含むことを特徴とする射出成形解析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は射出成形解析システムに関するもので、より詳しくは、分析過程を簡素化した射出成形解析システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
射出成形は、プラスチック製品を量産するための代表的な生産技術である。射出成形において最も多く使用される材料は熱可塑性樹脂であるが、熱硬化性樹脂、ガラス、セラミック、金属などの材料が適用されることもある。熱可塑性樹脂の射出成形工程では、材料を溶融してこれを金型に急速に注入した後、材料の冷却による固化が完了すると、金型を開いて製品を得るという過程を繰り返す。射出成形工程では様々な現象が発生するため、解析のために別途のプログラムが必要とされる。
従来はモールドフローというプログラムを使用しており、モールドフローを実行して解析しようとする図面であるCADファイルを呼び出してメッシュを直接設定し、各種ランナー値や樹脂データを直接入力しなければならず、時間が過度にかかるという問題点があった。
【文献】韓国公開特許公報 10-2016-0093474
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した問題点を解決するためのもので、既存のモールドフロープログラムを簡素化してメッシュ生成、樹脂及びプロセスセッティング、ランナーシステムの自動生成、解析結果報告書の作成を自動的に行う射出成形解析システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した目的を達成するためのもので、本発明である射出成形解析システムは、ユーザーが各種情報を入力し、製品の成形に関する解析結果が出力される端末機; 前記端末機と連動して各種情報を記憶及び演算処理するサーバー; を含み、前記端末機によりプロジェクト生成が選択されて製品の成形を解析しようとする図面のCADファイルが選択された場合にCADファイルを前記端末機に呼び出す第1段階; 前記サーバーで前記CADファイルのメッシュを作成して格納する第2段階; 前記サーバーにおいて、前記CADファイルと同一の製品に対する射出機、樹脂、プロセス設定値を含む金型データのリストをサーバーから呼び出して前記端末機に出力する第3段階; 前記端末機によって前記金型データが選択された場合、前記サーバーにおいて該当する金型データの射出機、樹脂、プロセス設定値をCADファイルに適用する第4段階; 前記端末機によって冷却ラインの呼び出しが選択されて、冷却ラインに対するファイルが選択される第5段階; 前記端末機によって冷却ラインのチャンネル、バッフル、ホース直径値が入力され、チャンネル生成が選択されて、前記CADファイルに前記冷却ラインを適用する第6段階; 前記サーバーにおいて前記CADファイルと同一の製品に対するランナー設定値を含む前記金型データのリストを前記サーバーから呼び出して前記端末機に出力する第7段階; 前記端末機によって金型データが選択されると、前記サーバー上で対応する金型データのランナー設定値を前記CADファイルに適用する第8段階; 前記端末機によりノーが選択されてゲートの位置が選択され、ランナシステム生成が選択された場合、前記サーバーにおいてキャドファイルのランナシステムを前記端末機に出力する第9段階; を実行することを特徴とする。
前記CADファイルの名称は製品名とし、前記サーバーに格納された前記金型データの名称は会社名と製品名を含み、前記第四段階及び前記第8段階で前記CADファイルの製品名と同一の前記金型データを含むリストを前記サーバーから呼び出すことを特徴とする。
前記端末機によって前記金型データの条件範囲が選択されて設定された間隔で、該当条件に対する解析結果を前記端末機に出力する第10段階; をさらに実行し、
前記第10段階において、前記サーバーは、解析結果の要約を前記端末機に出力するように実行することを特徴とする。
前記第10段階で条件の範囲が変更された前記金型データを前記サーバーに格納するように実行することを特徴とする。
前記端末機において報告書が選択され、前記CADファイルに対するレポートの出力が選択される場合、前記サーバーから報告書を前記端末機に出力する第11段階; をさらに実行し、前記報告書は検証項目に対する結果値を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明による射出成形解析システムには、次のような効果がある。
作業時間を短縮でき、反復作業を最小限に抑えることによって、作業効率を増大させることができるという効果がある。
また、関連の金型データを継続して蓄積することができ、技術力が向上し、資産としての活用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本発明による射出成形解析システムの設置方法を示した図である。
図2図2は、 本発明による射出成形解析システムの第1段階を示した図である。
図3図3は、本発明による射出成形解析システムのメッシュ生成の設定方法を示した図である。
図4図4は、本発明による射出成形解析システムにおけるメッシュ生成の設定方法を示した図である。
図5図5は、本発明による射出成形解析システムにおけるメッシュファイルのコピー方法を示した図である。
図6図6は、本発明による射出成形解析システムの第3段階を示した図である。
図7図7は、本発明による射出成形解析システムの第5段階を示した図である。
図8図8は、本発明による射出成形解析システムの第6段階を示した図である。
図9図9は、本発明による射出成形解析システムの第6段階を示した図である。
図10図10は、本発明による射出成形解析システムの第7段階及び第9段階を示した図である。
図11図11は、本発明による射出成形解析システムの第10段階を示した図である。
図12図12は、本発明による射出成形解析システムの第10段階を示した図である。
図13図13は、本発明による射出成形解析システムの第11段階を示した図である。
図14図14は、本発明による射出成形解析システムの第11段階を示した図である。
図15図15は、本発明による射出成形解析システムの第11段階を示した図である。
図16図16は、本発明による射出成形解析システムの構成図である。
図17図17は、本発明による射出成形解析システムのフローチャートである。
図18図18は 本発明による射出成形解析システムの結果の要約表である。
図19図19は 本発明による射出成形解析システムの射出条件表である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明による射出成形解析システムの好ましい一実施形態を含む図面を参照して詳細に説明する。
本発明である射出成形解析システムは、ユーザーが各種情報を入力し、製品の成形に対する解析結果が出力される端末機100と、前記端末機100と連動して各種情報を記憶及び演算処理するサーバー200を含み、前記端末機100でプロジェクト生成が選択され、製品の成形を解析しようとする図面のCADファイルが選択されると前記CADファイルを前記端末機100に呼び出す第1段階、前記サーバー200において前記CADファイルのメッシュを生成して記憶する第2段階、前記サーバー200において、前記CADファイルと同一製品に対する射出機、樹脂、プロセスセッティング値を含む金型データリストを前記サーバー200から呼び出して前記端末100に出力する第3段階、前記端末機100で前記金型データが選択されると、前記サーバー200において該当する前記金型データの射出機、樹脂、プロセス設定値を前記CADファイルに適用する第4段階、前記端末機100により冷却ラインの呼び出しが選択されて、冷却ラインに対するファイルが選択される第5段階、前記端末機100において前記冷却ラインのチャンネル、バッフル、ホースの直径値が入力され、チャンネル生成が選択されて、前記CADファイルに前記冷却ラインを適用する第6段階、前記サーバー200において前記CADファイルと同一の製品に対するランナー設定値を含む前記金型データリストを前記サーバー200から呼び出して前記端末100に出力する第7段階、前記端末機100によって前記金型データが選択された場合、前記サーバー200において該当する前記金型データのランナー設定値を前記CADファイルに適用する第8段階、上記端末機100によってノードが選択されてゲートの位置が選択され、ランナーシステム生成が選択された場合、前記サーバー200で前記CADファイルのランナーシステムを端末機100に出力する第9ステップを実行する。
【0008】
まず、端末100が設けられる。前記端末機100は、ユーザーが各種情報を入力し、前記ユーザーが端末機100によって解析結果を確認する。具体的には、前記ユーザーが前記端末機100によって製品成形を解析しようとする図面のCADファイルを選択することができ、前記CADファイルと同一の製品の射出機、樹脂、プロセスセッティング値、ランナーセッティング値に対する金型データを選択することができる。また、前記CADファイルに冷却ラインを適用することができる。
前記端末機100には、スマートフォン、ノートブック、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末機だけでなく、PC (Personal Computer) などの有線通信が可能な端末機も含むことができる。
【0009】
そして、前記端末機100と連動してサーバー200が設けられる。サーバー200は、前記端末機100と連動して多数のデータベースを含むことができ、前記サーバー200は前記端末100と連動して各種情報を演算処理することができる。
前記サーバー200は、製品の成形を解釈しようとする図面のCADファイルを記憶する。そして、前記サーバー200には金型データを格納する。ここで、前記金型データは、各製品の形状に応じた前記射出機、前記樹脂、前記プロセス設定値、前記ランナー設定値を含めたものである。そして、前記サーバー200には、前記CADファイルに適用しようとする冷却ラインに対するファイルを格納する。
そして、前記金型データにおいて、前記射出機、前記樹脂、前記プロセス設定値、前記ランナー設定値などの条件範囲が変更または追加された場合、これを前記サーバー200に格納することができる。
ここで、前記サーバー200は、前記端末機100とネットワークを介して接続されて、情報を送受信することができる。
【0010】
以下、射出成形解析システムの作用について説明する。
まず、プログラムをインストールする。図1に示すように、アイコンにマウスを載せて右クリックし、管理者権限で実行してインストールする。そして、前記端末機100を介して本発明であるシステムのプログラムを駆動すると、図2に示すように、新規プロジェクト生成に関する画面が表示される。
第1段階は、前記端末機100で本発明のシステムに含まれるモールドフロー(Moldflow) を実行する。図2に示すように、前記ユーザーが前記端末機100でプロジェクト生成を選択すると、前記端末機100にCADファイルのリストが出力されて、選択できるようになる。この時、プロジェクト生成を選択すると、プロジェクトフォルダが生成される。
前記ユーザーが前記CADファイルのリストのうち所望する前記CADファイルを選択する。ここで、前記CADファイルとは、製品の製品成形を解析しようとする図面である。そして、前記CADファイルの名称は様々に格納することができ、製品名で格納することが好ましい。
前記CADファイルが選択されると、自動的にモールドフロー(Moldflow)のプロジェクトが生成され、前記サーバー200からCADファイルが呼び出される。
本発明のシステムに含まれるモールドフローで格納されたファイルを呼び出す場合、プロジェクト生成の右側にある「プロジェクトを開く」を選択して所望のファイルを呼び出すことができる。この時、前記CADファイルを呼び出す場合、前記プロジェクトフォルダの下段に前記CADファイルに対するフォルダが作成される。
そして、ホームタブにあるモデル回転アイコンを選択し、前記CADファイルを所望する方向に回転させることができる。
【0011】
第2段階は、前記サーバー上で前記CADファイルのメッシュを生成して格納する。具体的には、呼び出された前記CADファイルは、前記端末機に設定されたメッシュの長さとメッシュのサイズに応じて、自動的にデュアルドメインメッシュと3Dメッシュを生成する。デュアルドメインメッシュ設定を実行した後、3Dメッシュ設定を実行することができる。この時、前記キャッシュファイルに対するフォルダの下段にデュアルドメインメッシュと3Dメッシュに対するメッシュファイルが生成される。
前記サーバー200において自動的に生成されたメッシュを変更したい場合や、前記CADファイルなどの問題によりメッシュ生成おいてエラーが発生する場合、前記ユーザーが直接デュアルドメインメッシュと3Dメッシュを変更することができる。すなわち、図3及び図4のように、前記呼び出したキャッシュファイルに対するフォルダを選択し、設定においてメッシュ生成を選択すると、デュアルドメイン及び3Dのためのメッシュを変更することができる。
まず、デュアルドメインメッシュの設定を変更することができる。図3に示すように、前記ユーザーが前記端末機100において、設定でメッシュ生成(Mesh)を選択すると、デュアルドメインメッシュ生成のためのウィンドウが出力される。この時、前記ユーザーが前記端末機100によって前記CADファイルの解析に適したメッシュの形態とサイズを入力する。具体的には、メッシュ長さとメッシュサイズなどを直接入力することができ、メッシュ診断を通じて設定されたメッシュ長さとメッシュサイズが適切であることを確認することができる。そして、下段にある更新(メッシュ)を選択して、変更された値でデュアルドメインメッシュを生成することができる。
【0012】
そして、3Dメッシュ設定を変更することができる。図4に示すように、前記ユーザーが前記端末機100による設定でメッシュ生成(Mesh)を選択すると、3Dメッシュ生成に対するウィンドウが出力される。この時、前記ユーザーは、前記端末機100により前記CADファイルの解析に適したメッシュ形態とサイズを入力する。具体的には、Tetra Layersの個数とGate Remeshを設定することができる。そして、下段で更新(メッシュ)を選択し、変更された値により3Dメッシュを生成することができる。
そして、メッシュ設定が完了すると、図5に示すように、前記CADファイルの製品に対するメッシュファイルが生成される。図5の1番のように、前記CADファイルに対するフォルダを選択した後、2番の+を選択すると、メッシュファイルをコピーすることができる。具体的に、デュアルドメインメッシュ、または3Dメッシュに対するメッシュファイルを選択してコピーすることができる。
第3段階は、前記サーバー200において、前記CADファイルと同一製品に対する射出機、樹脂、プロセス設定値を含む金型データのリストを呼び出す。前記CADファイルの製品と同じ会社の製品がある場合は、関連する金型データを直接呼び出すようになり、同じ会社の製品がない場合は、他社の同じ製品に対する金型データを呼び出すようになる。
特に、前記金型データが同一である会社の同一製品がある場合には、一つの金型データのみを表示し、作業者がすぐに確認して選択できるようにし、前記金型データが同一の製品はあるが、他社の製品に対する金型データのみがある場合には、それぞれの金型データをすべて出力してユーザーが選択できるようにする。
【0013】
そして、前記CADファイルと同じ製品の金型データがない場合は、前記端末機100を介して、関連する金型データがないことを通知する。将来、前記サーバー200に格納されていない製品に対する金型データが生成される場合、前記サーバー200に自動的に格納され、今後の作業時に活用できるようになる。
そして、前記CADファイルと同じ製品に対する金型データがない場合には、ユーザーが所望する値を入力することができ、前記ユーザーが値を変更し、前記金型データのうち一部の値を変更したい場合には、変更することもできる。
そして、条件範囲が変更された前記金型データのうち、既存の前記サーバー200に格納されていない前記金型データは、前記サーバー200に格納される。この時、前記金型データの名称に関して、オプションは、解析時に生成されたデータであることが明確になるように、別々に表記することが好ましい。
前記新しく格納された金型データはサーバー200に格納され、今後の作業時に活用できるようになる。
【0014】
より具体的には、図6に示すように、前記ユーザーが前記端末機100によってプロセスを選択する。 プロセスが選択されると、射出機、樹脂、プロセス設定値を選択することができる。
まず、前記射出機を選択する。前記ユーザーが前記端末機100によって射出機設定を選択すると、DBリストのように、前記CADファイルと同じ製品に対する射出機設定値の前記金型データリストが呼び出される。ここで、前記金型データを選択すると、前記射出機設定値を確認することができる。そして、前記射出機設定値は、最大射出ストローク、最大射出率、スクリュー直径、射出機の最大射出圧力などを含む。
そして、前記樹脂を選択する。前記ユーザーが前記端末機100で樹脂選択を選択すると、DBリストのように、前記CADファイルと同じ製品に対する樹脂に関する前記金型データのリストが呼び出される。
そして、前記プロセス設定値を選択する。前記ユーザーが前記端末機100でプロセスを選択すると、DBリストなどの前記CADファイルと同じ製に対する前記プロセス設定値の前記金型データリストが呼び出される。ここで、前記金型データを選択すると、前記プロセス設定値を確認することができる。そして、前記プロセス設定値は、図6に示すように、樹脂データにするもので、冷却時間、溶融温度、金型の温度、流量、圧力などを含む。
前記サーバー200に格納された金型データのファイル名は、会社名と製品名を含む。具体的には、前記金型データの名称は、会社名/製品名称/オプションで構成することができる。これは、上述したように、前記サーバー200において、金型データを呼び出す時に関連するファイルを効率的に読み込むためである。
ここで、前記オプションは、前記ユーザーが設定可能なものであり、特異事項に関する内容を入力することができる。
【0015】
第4段階は、前記端末機100によって前記金型データが選択されると、前記サーバー200において該当する金型データの前記射出機、樹脂、プロセス設定値を前記CADファイルに自動的に適用する。
第5段階では、前記端末機100によって冷却ラインの呼び出しが選択され、冷却ラインに対するファイルが選択される。具体的には、前記CADファイルに適用される冷却ラインを追加するために、図7に示すように、前記ユーザーが前記端末機100によってクール(Cool)を選択する。そして、図7の1番のように、冷却チャンネルを選択し、2番のように所望の冷却ラインに対する図面を選択してから、「開く」を選択する。ここで、前記冷却ラインは、チャンネル、バッフル、ホースから構成される。
第6段階では、前記端末機により冷却ラインに対する図面が選択されると、図8の右側のように、冷却ラインであるチャンネル、バッフル、ホースに対する新しいレイヤーが生成される。そして、前記端末機により冷却ラインであるチャンネル、バッフル、ホースをそれぞれ該当するレイヤーに割り当て、製品の成形を解析しようとする図面の前記CADファイルに前記冷却ラインを適用する。
図8の1番と冷却ラインの図面が示された状態で、図8の1番のように、前記冷却ラインに対する図面のうちバッフルに対する図面を選択した後、2番のようにバッフルに該当するレイヤーを選択し、3番のようなアイコンを選択して前記バッフルをレイヤーに割り当てる。そして、チャンネルとホースに対しても同じ方法で実行して、レイヤーに割り当てる。
そして、図9の左図のように、前記チャンネル、バッフル、ホースの直径値を入力する。 そして、図9の1番のように冷却チャンネル生成を押して、2番のようにCoolant inletを設置すると、製品の成形を解析しようとする図面の前記CADファイルに冷却ラインが適用される。
【0016】
第7段階は、前記サーバー200において、CADファイルと同じ製品に対するランナー設定値を含む金型データのリストを呼び出す。前記CADファイルの製品と同じ会社の製品がある場合は、関連する金型データを直接呼び出すようになり、同じ会社の製品がない場合は、他の会社の同じ製品に対する金型データが読み込まれるようになる。
特に、前記金型データが同一である会社の同一製品がある場合には、一つの金型データのみを示し、作業者が直ちに確認して選択できるようにし、前記金型データが同一の製品はあるが、他社の製品に対する金型データのみがある場合には、それぞれの金型データをすべて出力して、ユーザーが選択できるようにする。
そして、前記CADファイルと同じ製品に対する金型データがない場合は、前記端末機100を介して関連する金型データがないことを通知する。今後、前記サーバー200に保存されていない製品に対する金型データが生成されると、サーバー200に自動的に保存され、今後の作業時に利用できるようになる。
また、前記CADファイルと同じ製品に対する金型データがない場合には、ユーザーが所望の値を入力することができ、前記ユーザーが値を変更して、前記金型データの一部の値を変更したい場合には、変更することもできる。
そして、条件範囲が変更された前記金型データのうち、既存で前記サーバー200に格納されていない前記金型データは、前記サーバー200に格納される。この時、前記金型データの名称において、オプションは解析時に生成されたデータであることが明確であるように、別々に表記することが望ましい。
前記新たに格納された金型データはサーバー200に格納され、今後の作業時に利用できるようになる。
【0017】
より詳しくは、図7の上段に示すように、前記ユーザーが前記端末機100によりランナーを選択する。ランナーが選択されると、図10のDBリストのように、CADファイルと同じ製品に対する前記ランナー設定値の前記金型データのリストが呼び出される。ここで、前記金型データを選択して、前記ランナーの設定値を確認することができる。そして、前記ランナーの設定値は、図10に示すようにランナーの値に関するもので、ゲートの長さと面積と類型、ランナーの直径と面積と類型、スプルーの長さと面積を含む。
前記サーバー200に保存されている前記金型データのファイル名には、会社名と製品の名称が含まれている。具体的には、前記金型データの名称は、会社名/製品名/オプションにより構成することができる。これは上述したように、前記サーバー200から金型データを呼び出す時に、関連するファイルを効率的に呼び出すためである。
ここで、前記オプションは前記ユーザーが設定可能であり、特異事項に対する内容を入力することができる。
【0018】
第8段階は、前記端末機100で前記金型データが選択されると、前記サーバー200に該当する前記金型データの前記ランナーの設定値を前記CADファイルに自動的に適用する。
第9段階は、前記端末機100としてノードが選択され、ゲートの位置が選択されて、ランナーシステムの生成が選択されると、前記サーバーにおいて前記CADファイルのランナーシステムを前記端末機100に出力する。
図10に示すように、前記ユーザーがピンノートを選択し、サイドノートを選択して、ピンゲートとサイドゲートに該当するノードを選択する。そして、ランナーシステムの生成を選択すると、前記サーバー200において前記CADファイルのランナーシステムを前記端末機100に出力する。ここで、前記ランナーシステムは、溶融樹脂の流れを示す図である。
第10段階は、前記端末機100によって前記金型データの条件範囲が選択され、設定された間隔で当該条件に対する解析結果を前記端末機100に出力する。
図11に示すように、前記ユーザーが前記端末機100で、設定においてケース(マルチケース)を選択し、前記金型データの前記ランナー設定値と前記射出機、樹脂、プロセス設定値のうち目的の値に対する条件範囲を選択する。ここで、前記ユーザーが希望する間隔で条件範囲を選択することができる。
つまり、前記金型データから出力される基本的なプロパティ値を基準として、ゲートの長さ、面積、及び類型に対し、一定の範囲の分だけ拡張するか、ランナーの直径と面積と類型に範囲を置くか、樹脂の種類を変えるか、冷却時間、溶融温度、金型の温度、流量、圧力、及びホットゲートバルブに対する範囲を置いて、様々な結果物を導き出し、最適な金型の条件をユーザーが探すことができるようにする。
【0019】
つまり、図12に示すように、前記ユーザーが前記端末機100によってレポートを選択すると、前記サーバー200では、該当条件に対する解析結果を前記端子機100に出力する。
解析結果に対する要約には検証項目のすべての結果値が含まれ、前記ユーザーが選択した値が表示される。 ここで、検証項目は、回路冷却水の温度、回路流量、回路圧力、射出温度への到達時間を含むことができる。
そして、前記第10段階では、条件範囲が変更された前記金型データのうち、既存で前記サーバー200に記憶されていない前記金型データは、前記サーバー200に記憶される。 この時、前記金型データの名称において、オプションは解析する時に生成されたデータであることが明確になるように、別々に表記することが好ましい。
前記新たに記憶された金型データはサーバー200に格納され、今後の作業時に利用できるようになる。
【0020】
第11段階は、前記端末機100においてレポートが選択され、CADファイルに対するレポート出力が選択されると、サーバー200からレポートを前記端末機100に出力する。図13のように、前記ユーザーが前記端末機100によりレポートを選択し、所望の結果値を選択した後、レポート出力を選択すると、図14のようなレポートを前記端末機100により出力する。
図14のように、前記レポートは図面を含むことができ、前記ユーザーが端末機100により所望の角度で表示されるようにすることができる。また、全ての解析結果を含むことができ、解析結果は圧力、型締力、流動先端温度、冷却温度、金型温度を含むことができる。
また、前記レポートは、検証項目に対する結果値を含み、回路冷却水の温度、回路流量、回路圧力、射出温度到達時間などの検討結果を確認し、検証項目が適切かどうかを確認することができる。ここで、結果値の判定のための基準値は、図4に示すように、設定を選択した後、結果判定設定と冷却効率設定において値を入力することができる。
図13のように、前記ユーザーが前記端末機100によりレポートを選択し、所望の結果値を選択した後、レポート出力を選択すると、図18のように、解析した製品に対する結果値をエクセルで出力する。
そして、図15のように、レポート作成のための基本設定である設定値を変更または確認することができる。射出機情報とV/P切換時点、V/P切換時点を入力すると、前記射出条件表は、解析が完了した結果を基準として射出機に入力することができる成形条件を計算し、表にして出力する。図15の上段から射出条件表を選択すると、図19のような射出条件表が出力される。
【0021】
本明細書に記載の様々な実施形態は、例えばソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせを利用してコンピュータまたは同様の装置により読み取ることができる媒体内で実装することができる。
ハードウェア的な実装によると、本明細書に記載された実施例は、ASICs (application specific integrated circuits), DSPs (digital signal processors), DSPDs (digital signal processing devices), PLDs (programmable logic devices), FPGAs (field programmable gate arrays, プロセッサー(processors), 制御器(controllers), マイクロコントローラー (micro-controllers), マイクロプロセッサー(microprocessors), その他の機能を実行するための電気ユニットのうち少なくとも1つを利用して実装することができる。場合によっては、本明細書に記載の実施例は、管理サーバー及びシステム自体で実装することができる。
ソフトウェア的な実装によれば、本明細書に記載された手順及び機能などの実施形態は、別のソフトウェアモジュールで実装することができる。前記ソフトウェアモジュールの各々は、本明細書に記載された1つ以上の機能及び動作を実行することができる。適切なプログラム言語で書かれたソフトウェアアプリケーションにより、ソフトウェアコードを実装することができる。前記ソフトウェアコードは管理サーバー及び/またはデータベースに格納され、アプリによって実行されることもある。
【0022】
一方、本明細書に提示された様々な実施形態は、方法、装置、または標準的なプログラミング及び/またはエンジニアリング技術を使用した製造物品によって実装することができる。『製造物品』という用語は、任意のコンピュータ可読装置からアクセス可能なコンピュータープログラム、キャリア、または媒体を含む。例えば、コンピュータ可読媒体は、磁気記憶装置(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップなど)、光ディスク(例えば、CD、DVDなど)、スマートカード、及びフラッシュメモリ装置 (例えば、EEPROM、カード、スティック、キードライブなど)が含まれるが、これらに限定されない。また、本明細書に提示される様々な記憶媒体は、情報を格納するための1つまたは複数の装置及び/または他の機械・可読媒体を含む。『機械・可読媒体』という用語は、命令及び/またはデータを格納、保持、及び/または伝達することができる無線チャンネル及び様々な他の媒体を含むが、これらに限定されない。
提示された実施形態に対する説明は、任意の本発明の技術分野において通常の知識を有する者が本発明を利用または実施することができるように提供される。これらの実施形態に対する様々な変形は、本発明の技術分野において通常の知識を有する者に明らかであり、本明細書で定義されている一般的な原理は、本発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用することができる。したがって、本発明は本明細書に提示された実施形態に限定されるものではなく、本明細書に提示される原理及び新規の特徴の数々と一貫する最広義の範囲で解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0023】
100:端末機 200:サーバー
【要約】      (修正有)
【課題】射出成形解析システムに関するもので、分析過程を簡素化した射出成形解析システムを提供する。
【解決手段】製品成形を解析しようとするCADファイルを端末機に呼び出す第1段階;メッシュを生成して格納する第2段階;射出機、樹脂、プロセス設定値を含む金型データのリストを出力する第3段階;該当する金型データの射出機、樹脂、プロセス設定値を前記CADファイルに適用する第4段階;冷却ラインに対するファイルが選択される第5段階;前記CADファイルに前記冷却ラインを適用する第6段階;金型データのリストを前記サーバーから呼び出す第7段階;前記金型データが選択されると、該当する前記金型データのランナー設定値を前記CADファイルに適用する第8段階;ノードが選択されてゲートの位置が選択され、ランナーシステム生成が選択されると、前記CADファイルのランナーシステムを前記端末機に出力する第9段階;を実行する。
【選択図】図17
図1
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