(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】凍結調味液と冷凍麺を含む冷凍麺セット
(51)【国際特許分類】
A23L 7/109 20160101AFI20230915BHJP
F25C 1/00 20060101ALI20230915BHJP
F25C 1/12 20060101ALI20230915BHJP
F25C 1/142 20180101ALI20230915BHJP
A23L 3/36 20060101ALN20230915BHJP
【FI】
A23L7/109 C
F25C1/00 A
F25C1/00 B
F25C1/12 Z
F25C1/142 A
A23L3/36 A
(21)【出願番号】P 2018175363
(22)【出願日】2018-09-19
【審査請求日】2021-08-10
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】714004734
【氏名又は名称】テーブルマーク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100107386
【氏名又は名称】泉谷 玲子
(72)【発明者】
【氏名】山田 晃紀
(72)【発明者】
【氏名】松岡 千晶
【審査官】高山 敏充
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-031935(JP,A)
【文献】特開2002-360199(JP,A)
【文献】特開平01-023866(JP,A)
【文献】特開平08-029032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
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(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーク状の凍結調味液と冷凍麺とを含む冷凍麺セットであって、
当該フレーク状の凍結調味液が、
厚さが5mm以下であり、そして、長径が10mm以下のフレークである、または、
厚さが5mm以下であり、そして、長径が20mm以下のフレークからなる混合物であって、厚さが5mm以下であり、そして、長径が10mm以下のフレークを含む前記混合物である、
当該フレーク状の凍結調味液が、以下の(i)-(iii)
の特性を具備する、
(i)凍結濃縮が生じていない;
(ii)均一な塩分濃度を有する;
および
(iii)一定の均一な厚さを有する、
容器中において、当該冷凍麺が当該凍結調味液よりも上に配置されている、
そして、
当該冷凍麺は、電子レンジ、湯煎、自然解凍、スチームコンベクションオーブンによる加熱、および蒸し加熱からなる群から選択される1以上の手段により、凍結調味液とともに、解凍される、
前記冷凍麺セット。
【請求項2】
フレーク状の凍結調味液が、厚さが5mm以下であり、そして、長径が10mm以下のフレークである、請求項1に記載の冷凍麺セット。
【請求項3】
フレーク状の凍結調味液の厚さが4mm以下である、請求項1または2に記載の冷凍麺セット。
【請求項4】
フレーク状の凍結調味液の厚さが3mm以下である、請求項1-3のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
【請求項5】
フレーク状の凍結調味液が、均一な成分濃度を有する、請求項1-4のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
【請求項6】
フレーク状の凍結調味液が、
長径が5mm以上10mm以下のフレークである、あるいは、
長径が20mm以下のフレークからなり、かつ、長径が5mm以上10mm以下のフレークを含む混合物である、
請求項1、3-5のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
【請求項7】
冷凍麺は、電子レンジにより、凍結調味液とともに解凍される、請求項1-6のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
【請求項8】
請求項1-7のいずれか1項に記載の冷凍麺セットの製造方法であって、
(1)表面温度が-10℃以下の製氷面に調味液を吹き付け、そして、生成した凍結物を割氷および/または製氷面から剥離させる、工程を含む方法によって、凍結調味液を調製し、
(2)(1)で調製された凍結調味液と冷凍麺とを組み合わせる、
ことを含む、前記製造方法。
【請求項9】
請求項1-7のいずれか1項に記載の冷凍麺セットの製造方法であって、
(1)調味液を装填した装置内に設置したドラム状のシリンダーを、-10℃以下に冷却して回転し、そして、生成した凍結物を割氷および/または製氷面から剥離させる、工程を含む方法によって、凍結調味液を調製し、
(2)(1)で調製された凍結調味液と冷凍麺とを組み合わせる、
ことを含む、前記製造方法。
【請求項10】
さらに具材を含む、請求項1-7のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
【請求項11】
容器中に、上から以下の(a)、(d)、(h)、(i)のいずれかの順で配置されている、請求項1-7および10のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
(a)冷凍麺-凍結調味液:
(d)具材-冷凍麺-凍結調味液;
(h)冷凍麺-凍結調味液-具材;または
(i)冷凍麺-具材-凍結調味液
【請求項12】
フレーク状でない凍結調味液と冷凍麺とを含む冷凍麺セットと比較して、解凍がより均一に行われる、請求項1-7および10-11のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
【請求項13】
フレーク状でない凍結調味液と冷凍麺とを含む冷凍麺セットと比較して、解凍時のフレーク状の凍結調味液の容器内の塩分濃度の差が小さい、請求項1-7または10-12のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
【請求項14】
フレーク状でない凍結調味液と冷凍麺とを含む冷凍麺セットと比較して、解凍時のフレーク状の凍結調味液の容器内の温度の差が小さい、請求項1-7または10-13のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
【請求項15】
解凍時のフレーク状の凍結調味液の容器内の塩分濃度の差が0.1容量%以内である、請求項1-7または10-14のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
【請求項16】
解凍時のフレーク状の凍結調味液の容器内の温度の差が20℃以下である、請求項1-7または10-15のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
【請求項17】
冷凍麺が、中華麺、パスタ、うどんおよびそばからなる群から選択される、請求項1-7または10-16のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
【請求項18】
以下の(i)-(iii)
の特性を具備する、
(i)凍結濃縮が生じていない;
(ii)均一な塩分濃度を有する;
および
(iii)一定の均一な厚さを有する、
フレーク状の凍結調味液の、請求項8または9に記載の冷凍麺セットの製造方法のための使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結調味液と冷凍麺を含む冷凍麺セットに関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍麺は、解凍により手軽に食することのできる便利な食品である。麺の味付けとして食塩、水産物、畜産物又は野菜などから抽出された出汁、化学調味料、香辛料などによって作られている調味液が必要である。調味液は、濃縮状態や粉末状態で流通し、食する前に適当な濃度に希釈、または溶解されるのが通常である。調味液は、一般には、温めた状態で麺にかけたり、麺をつけたりして食されている。冷凍麺の場合に調味液をどのように製造、流通、使用すれば、食感の良い麺料理を食することができるのかが、課題である。
【0003】
実用新案登録第3167408号(特許文献1)は、容器内に収容した冷凍麺と冷凍だしをお湯により解凍して冷やし麺として食することができるようにした容器入り冷凍麺を記載している。特許文献1に記載の冷凍麺は、容器の底部に載置した冷凍麺の上に冷凍だしを配置し、前記冷凍麺と前記冷凍だしと前記お湯の重量比率について所定割合に構成することにより、喫食時に喫水線まで満たされた所定量のお湯によって短い調理時間で前記冷凍麺がほぐれるとともに、前記冷凍だしを崩しながら溶かすことにより喫食品温が略均一の低温状態の冷やし麺になることを特徴とする。
【0004】
特開2003-310189(特許文献2)は、麺と具材類とを一体的に凍結してなる具材類一体化冷凍麺の製造方法を記載している。特許文献2に記載の製造方法は、具材類凍結容器内で上記具材類を凍結する具材類凍結工程Aと、凍結された上記具材類より大きい形状と容積を有する成型容器内に麺を充填する麺充填工程Bと、上記成型容器内の麺上に上記凍結具材類を添加する具材類添加工程Cと、上記麺を上記凍結具材類とともに凍結して一体化する麺・具材類凍結一体化工程Dと、上記麺・具材類一体化凍結体を上下反転させた成型容器の底に衝撃を与えながら成型容器から取り出す麺・具材類一体化凍結体取り出し工程Eと、上記麺・具材類一体化凍結体を包装して冷凍保存する冷凍保存工程Fとを有することを特徴とする。当該方法は、成型容器から麺・具材類一体化凍結体を取り出す際に成型容器の底部に適度の衝撃を与えても、凍結具材類が割れることがなく、従来法よりも効率的な衝撃付加法によって成型容器から麺・具材類一体化凍結体を取り出すことができる、という効果が得られるものである。
【0005】
特開2014-31935(特許文献3)は、塩分濃度が0.3質量%以上の調味液を、製氷面に吹き付け、急速に冷凍し、生成物を割氷及び/又は製氷面から剥落させることを特徴とする凍結調味液の製造方法、及び得られた凍結調味液凍結調味液を、温かい麺と混ぜ、凍結調味液の解凍と麺の冷却を同時に行うことにより得られる冷やし麺、を記載している。
【0006】
しかしながら、冷凍麺の場合に調味液をどのように製造、流通、調理に使用すれば、食感の良い麺料理を食することができるのか、については不明であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】実用新案登録第3167408号
【文献】特開2003-310189
【文献】特開2014-31935
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、解凍し食するときに麺の食感の良い冷凍麺を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記問題を解決するために、鋭意研究に努めた結果、フレーク状の凍結調味液と冷凍麺とを含む冷凍麺セットは、解凍し食する場合に食感の良い麺が提供できることを見出し、本発明を想到した。特に、当該、フレーク状の凍結調味液は、以下の(i)-(iii)の1以上の特性を具備することが好ましい。
【0010】
(i)凍結濃縮が生じていない;
(ii)均一な塩分濃度を有する;または
(iii)一定の均一な厚さを有する
限定されるわけではないが、本発明は以下の態様を含む。
[態様1]
フレーク状の凍結調味液と冷凍麺とを含む冷凍麺セットであって、
当該フレーク状の凍結調味液が、以下の(i)-(iii)の1以上の特性を具備する、
(i)凍結濃縮が生じていない;
(ii)均一な塩分濃度を有する;または
(iii)一定の均一な厚さを有する
前記冷凍麺セット。
[態様2]
フレーク状の凍結調味液の厚さが5mm以下である、態様1に記載の冷凍麺セット。[態様3]
フレーク状の凍結調味液の厚さが3mm以下である、態様1または2に記載の冷凍麺セット。
[態様4]
フレーク状の凍結調味液が、均一な成分濃度を有する、態様1-3のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
[態様5]
フレーク状の凍結調味液が、長径が20mm以下のフレークである、あるいは、長径が20mm以下のフレークを含む混合物である、態様1-4
のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
[態様6]
凍結調味液が、表面温度が-10℃以下の製氷面に調味液を吹き付け、そして、生成した凍結物を割氷および/または製氷面から剥離させる、工程を含む方法によって得られる、態様1-5のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
[態様7]
凍結調味液が、調味液を装填した装置内に設置したドラム状のシリンダーを、-10℃以下に冷却して回転し、そして、生成した凍結物を割氷および/または製氷面から剥離させる、工程を含む方法によって得られる、態様1-5のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
[態様8]
さらに具材を含む、態様1-7のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
[態様9]
容器中に、上から以下の(a)-(i)のいずれかの順で配置されている、態様1-8のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
【0011】
(a)冷凍麺-凍結調味液:
(b)凍結調味液-冷凍麺;
(c)凍結調味液-冷凍麺-凍結調味液;
(d)具材-冷凍麺-凍結調味液;
(e)具材-凍結調味液-冷凍麺;
(f)凍結調味液-冷凍麺-具材;
(g)凍結調味液-具材-冷凍麺;
(h)冷凍麺-凍結調味液-具材;または
(i)冷凍麺-具材-凍結調味液
[態様10]
フレーク状でない凍結調味液と冷凍麺とを含む冷凍麺セットと比較して、解凍がより均一に行われる、態様1-9のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
[態様11]
フレーク状でない凍結調味液と冷凍麺とを含む冷凍麺セットと比較して、解凍時のフレーク状の凍結調味液の容器内の塩分濃度の差が小さい、態様1-10のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
[態様12]
フレーク状でない凍結調味液と冷凍麺とを含む冷凍麺セットと比較して、解凍時のフレーク状の凍結調味液の容器内の温度の差が小さい、態様1-11のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
[態様13]
解凍時のフレーク状の凍結調味液の容器内の塩分濃度の差が0.1容量%以内である、態様1-12のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
[態様14]
解凍時のフレーク状の凍結調味液の容器内の温度の差が20℃以下である、態様1-13のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
[態様15]
冷凍麺が、中華麺、パスタ、うどんおよびそばからなる群から選択される、態様1-14のいずれか1項に記載の冷凍麺セット。
[態様16]
以下の(i)-(iii)の1以上の特性を具備する、
(i)凍結濃縮が生じていない;
(ii)均一な塩分濃度を有する;または
(iii)一定の均一な厚さを有する、
フレーク状の凍結調味液の冷凍麺セットの製造のための使用。
【発明の効果】
【0012】
本発明の冷凍麺セットは、解凍後、硬さ、粘り、つるり感などが良好な、好ましい食感の麺料理を提供することが可能である。さらに、一態様において、凍結麺、凍結調味液、及び含まれる場合には具材、の各材料を配置する順序を調整することにより、麺(及び具材)の食感をさらに好みに調整することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、篩い分けした種々のサイズのフレーク状の凍結調味液、及びその混合物の写真図である。
【
図2】
図2は、実施例4で使用した凍結調味液と冷凍麺の配置を示す模式図である。
【
図3】
図3は、実施例5で使用した凍結調味液と冷凍麺の配置を示す模式図である。
【
図4】
図4は、実施例5および実施例6における温度および塩分濃度の容器内の測定箇所を上から見た図である。
【
図5】
図5は、実施例7で使用した凍結調味液と冷凍麺の配置を示す模式図である。
【
図6】
図6は、フレーク状の凍結調味液を解凍した際の冷凍麺の破断曲線である。
【
図7】
図7は、プレート状の凍結調味液を解凍した際の冷凍麺の破断曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、フレーク状の凍結調味液と冷凍麺とを含む冷凍麺セットに関する。当該、フレーク状の凍結調味液は、以下の(i)-(iii)の1以上の特性を具備する、
(i)凍結濃縮が生じていない;
(ii)均一な塩分濃度を有する;または
(iii)一定の均一な厚さを有する。
【0015】
(1)フレーク状の凍結調味液
「調味液」は、麺類などに添加して麺とともに食する食用の液状物であれば、特に限定されない。非限定的に、食塩、水産物、畜産物又は野菜などから抽出された出汁、調味料(塩、砂糖、醤油、みりん、胡椒、酵母エキス、ケチャップ、マヨネーズ等)、香辛料、油分、水分などを含む。調味液としては、非限定的に、ラーメンスープ、タンメンスープ、麺つゆ、パスタソース、ちゃんぽんスープ、鍋つゆなどが挙げられる。
【0016】
ラーメンは、中華麺とスープを主とし、種々の具(野菜、チャーシュー、玉子等)を組み合わせてもよい麺料理である。ラーメンスープは一般にタレを出汁(ダシ)で割って調製する。出汁はガラスープとも呼称され、スープの素となるものであり、水産物、畜産物又は野菜などの複数の素材から抽出することが多く、調味料で味を調える。タレは、かえしとも呼称され、液状のみでなく、ペースト状(例えば味噌)、粉末状(例えば塩)ものもある。油分(香味油)により、コクや旨味を調製してもよい。
【0017】
タンメンは、茹でた中華麺にモヤシ、キャベツ、ニンジン等の野菜類、豚肉等の肉類などを炒めたものをのせ、塩味に調製した鶏ガラスープを加えた麺料理である。タンメンスープとは、塩味に調製した鶏ガラスープである。
【0018】
麺つゆとしては、うどん、そば、そう麺、冷麦などの麺類と一緒に食するつゆであり、カツオ節を代表とする各種節類、昆布、煮干しなどに含まれる旨味を主体とする出汁に、醤油、みりん等の調味料を加えたものが挙げられる。
【0019】
パスタソースとしては、茹でたスパゲッティーやマカロニ等のパスタと和えてパスタ料理に仕上げるためのソースが挙げられ、特に冷製パスタのソースに用いられるトマトベースのパスタソースや、バジルベースのパスタソースが挙げられる。
【0020】
冷凍麺セットを構成する調味液は、フレーク状の凍結調味液である。「フレーク状」とは、薄片状、即ち、薄く平たい形状のものである。「フレーク状の凍結調味液」とは、調味液を凍結させる段階で、薄い状態で凍結させたものを意味する。調味液を薄くない状態、例えば、プレート状で凍結させ、その後に破砕、スライス等により薄くしたものは、本明細書におけるフレーク状の凍結調味液に含まない。
【0021】
フレーク状の凍結調味液は、以下の(i)-(iii)の1以上の特性を具備する。
(i)凍結濃縮が生じていない;
(ii)均一な塩分濃度を有する;または
(iii)一定の均一な厚さを有する。
【0022】
一態様において、フレーク状の凍結調味液は、その製造工程において凍結濃縮が生じていない。「凍結濃縮」とは、一般に、液状の食品の温度を下げて氷を作らせ、その氷を除去することにより成分を濃縮することを意味する。冷却により液体を冷やしていくと、先ず純粋な水の部分が氷となり、それに伴い液体として残る部分の成分が濃縮される。凍結濃縮が生じると、最終的に全ての成分を凍結させた際に、凍結品の箇所により成分の濃度差(ムラ)ができる。一態様において、凍結調味液の製造過程において、調味液を徐々に凍結させるのではなく、瞬間的に凍結させることにより、その製造工程において凍結濃縮が生じないようにすることが可能である。
【0023】
フレーク状の凍結調味液が、凍結濃縮が生じていないことは、例えば、以下のような方法により確認できる。
一態様において、フレーク状の凍結調味液は、均一な塩分濃度を有する。均一な塩分濃度を有するとは、フレーク状の凍結調味液の部分において、塩分濃度差が実質的になく、均一な状態であることを意味する。一態様において、フレーク状でない凍結調味液内における塩分濃度差と比較して、塩分濃度差が小さいことを意味する。一態様において、フレーク状の凍結調味液内において塩分濃度差が0.2重量%以内、0.15重量%以内、0.1重量%以内、0.08重量%以内、0.07重量%以内である。非限定的に、均一な塩分濃度を有するは、凍結濃縮が生じていない、および/または、厚さが5mm以下である、凍結調味液を製造することにより、調製可能である。
【0024】
一態様において、フレーク状の凍結調味液は、均一な成分濃度を有する。フレーク状の凍結調味液は、塩分濃度と同様に、その他の構成成分についても、フレーク状の凍結調味液の部分において、実質的に差がなく、均一な状態であることを意味する。非限定的に、均一な成分濃度を有するは、凍結濃縮が生じていない、および/または、厚さが5mm以下である、凍結調味液を製造することにより、調製可能である。「成分」とは、調味液を構成する任意の成分で特に限定されない。食塩以外にも、出汁、調味料、香辛料、油分等を含む。
【0025】
一態様において、フレーク状の凍結調味液は、一定の均一な厚さを有し、好ましくは、厚さが5mm以下である。「一定の均一な厚さを有する」とは、一態様において、フレーク状の凍結調味液の最も厚い部分のと薄い部分の厚さの差が厚い部分の厚さの20%以下、15%以下、10%以下、8%以下、5%以下、3%以下、2%以下、1%以下であることを意味する。薄片状の凍結調味液を調製することにより、凍結濃縮が生じていない、均一な塩分濃度を有する。凍結調味液を調製することが可能である。一態様において、フレーク状の凍結調味液は、厚さが4mm以下、3mm以下、2mm以下である。
【0026】
また、現在の後述する装置の場合には、調味液を凍結面に凍結させるように上記の薄片状の凍結調味料を作成しているが、その薄片を数層重なることにより、あるいは、液をより瞬間的に凍結させることにより、一定の厚さでも均一な成分の凍結調味料を調製することも可能であり、それらの場合にも同様の効果が得られるものと考えられる。
【0027】
一態様において、フレーク状の凍結調味液は、(i)凍結濃縮が生じていない、(ii)均一な塩分濃度を有する、または、(iii)一定の均一な厚さを有する、の3つの特性のうち、好ましくは、2以上、3以上の特性を具備する。
【0028】
非限定的に、フレーク状の凍結調味液は、長径(フレークの最も長い箇所の長さ)が20mm以下のフレークである。あるいは、非限定的に、フレーク状の凍結調味液は、長径が20mm以下のフレークを含む混合物である。一態様において、フレーク状の凍結調味液は、長径が15mm以下、10mm以下、7mm以下、5mm以下のフレーク、あるいはこれらの混合物である。非限定的に、フレーク状の凍結調味液は、長径が0.5mm以上、1mm以上、3mm以上、5mm以上である。
【0029】
フレーク状の凍結調味液のサイズが小さくなるにつれて、添加量が同様でも、嵩高さが低くなり、容器内にコンパクトに収納されうる、という利点を有する。また、サイズが小さい凍結調味液と冷凍麺を含むセットの方が、解凍した際に、冷凍麺が硬さを有する。例えば、本明細書の実施例では、10mm以下のフレーク状の凍結調味を用いた場合、冷凍麺は適度な硬さであり、コシがあった。
【0030】
(2)フレーク状の凍結調味液の調製方法
フレーク状の凍結調味液が、(i)凍結濃縮が生じていない、(ii)均一な塩分濃度を有する、または、(iii)一定の均一な厚さを有する、の3つの特性のうち、1以上の特性を具備するものであれば、その調製方法は特に限定されない。
【0031】
一態様として、フレーク状の凍結調味液は、凍結調味液が、製氷面に調味液を吹き付け、そして、生成した凍結物を割氷および/または製氷面から剥離させる、工程を含む方法によって調製される。調味液を吹き付ける製氷面は、吹き付けられた調味液を急速に冷凍できる温度、例えば、-10℃以下に冷却されていることが好ましい。具体的には-60℃~-10℃、好ましくは-50℃~-20℃、特に-45℃~-30℃であることが好ましい。一態様において、フレーク状の凍結調味液の調製方法は、凍結調味液が、表面温度が-10℃以下の製氷面に調味液を吹き付け、そして、生成した凍結物を割氷および/または製氷面から剥離させる、工程を含む方法によって得られる、上記製氷面を冷却するために用いる冷媒は、一般的な凍結サイクルに用いられる公知の媒体を用いることができる。
【0032】
製氷面に吹き付ける調味液の量は、製氷面に厚さ0.1mm~5mmの薄い生成物が形成できる量に任意に調整することができる。
あるいは、その凍結工程を連続的または断続的に繰り返すことにより、その生成物(凍結調味液)の厚みを調整することができる。そのため、その厚さは特に限定されることはなく、取り扱い時に破壊されなければ、前記の0.1mm~5mm以外の厚さの生成物についても作成しうる。
【0033】
理論に限定されるわけではないが、製氷麺を吹き付けられた調味液を急速に冷凍できる温度にまで冷却しておくことにより、大きな塊の氷を作らず、吹き付けた調味液を瞬間的に凍結させることで調味液の成分と水分が均一に分散した状態のまま凍結させることができると考えられる。
【0034】
製氷面に調味液を吹き付け、そして、生成した凍結物を割氷および/または製氷面から剥離させる、工程は、調味液の吹きつけ冷却する製氷面を有する、任意の公知の製氷機を用いて行うことが可能である。例えば、非限定的に、ジェネグラス社製のF90SW、アイスマン株式会社社製のWB-100S等の製氷機を用いることが可能である。
【0035】
一態様において、製氷面に調味液を吹き付け、そして、生成した凍結物を割氷および/または製氷面から剥離させる、工程は、例えば、特開2014-31935に記載の方法によって行うことができる。
【0036】
あるいは、別の一態様として、フレーク状の凍結調味液は、調味液を装填した装置容器内に設置されたドラム状のシリンダーを、氷点下の温度まで冷却して回転し、そして、シリンダーの表面に生成した凍結物を割氷および/または製氷面から剥離させる、工程を含む方法によって調製してもよい。シリンンダーは、装填した調味液を急速に冷凍できる温度、例えば、-10℃以下に冷却されていることが好ましい。具体的には-60℃~-10℃、好ましくは-50℃~-20℃、特に-45℃~-30℃であることが好ましい。一態様において、フレーク状の凍結調味液は、調味液を装填した装置内に設置したドラム状のシリンダーを、-10℃以下に冷却して回転し、そして、生成した凍結物を割氷および/または製氷面から剥離させる、工程を含む方法によって調製される。上記シリンダーを冷却するために用いる冷媒は、一般的な凍結サイクルに用いられる公知の媒体を用いることができる。
【0037】
理論に限定されるわけではないが、調味液を装填した、調味液を急速に冷凍できる温度にまで冷却されたドラム状のシリンダーを回転することにより、大きな塊の氷を作らず、調味液をシリンダー表面上(製氷面)に瞬間的に凍結させることで調味液の成分と水分が均一に分散した状態のまま凍結させることができると考えられる。シリンダーの回転速度、回転時間は装置に応じて適宜調整可能である。
【0038】
調味液を装填した容器内で、ドラム状のシリンダーを冷却して回転し、そして、シリンダー表面に生成した凍結物を割氷および/または製氷面から剥離させる、工程は、調味液を装填し、冷却して回転するシリンダーを有する、任意の公知の製氷機を用いて行うことが可能である。例えば、非限定的に、MAJA社製のMAJA Flace Ice Machine RVE 1702 S saltwater等の製氷機を用いることが可能である。
【0039】
形成された薄い生成物(凍結調味液)速に冷却し、生成物を割氷及び/又は製氷面から剥離させる。「剥離」には、氷が剥がれ落ちる態様の剥落、氷面を剥ぎ取る態様の剥ぎ取り、氷面をそのまま破壊後、落下させ捕集する等、氷を製氷面から剥がすあらゆる態様を含む。
【0040】
割氷には、例えば、ドリルやエンドミル、リーマ等を用いることができる。また、製氷面からの剥離には、スクレーパー等を用いることができる。本発明において、割氷と製氷面からの剥離は、両方行ってもよいし、どちらか一方のみでもよい。
【0041】
非限定的に、割氷及び/又は製氷面から剥離した凍結調味液を、さらに、破砕してよりサイズの小さなフレーク状の凍結調味液としてもよい。フレーク状の凍結調味液の好ましいサイズは上述した通りである。凍結調味液の破砕は、ハンマー、ミキサー、ニーダー等で叩く、その他の物理的衝撃を与える任意の方法により行うことが可能である。
【0042】
(3)冷凍麺
冷凍麺セットに含まれる冷凍麺の麺は、冷凍可能な麺であれば種類は特に限定されない。麺は、非限定的に、中華麺、パスタ、うどん、そば、春雨、ライスヌードル、マカロニ、きしめん、ほうとう、ちゃんぽん麺等を含む。一態様において、冷凍麺は、中華麺、パスタ、うどんおよびそばからなる群から選択される。
【0043】
冷凍麺セットにおいて、冷凍麺は、凍結調味液とともに、解凍されて食される。一態様において、麺は温麺または熱麺の状態で食される。冷凍麺および凍結調味液を含む冷凍麺セットの解凍の仕方は特に限定されない。電子レンジ、湯煎、自然解凍、鍋に投入後の加熱、スチームコンベクションオーブンによる加熱、蒸し加熱等の公知の手段を用いて解凍されうる。一態様において、解凍は電子レンジによって行う。当業者は冷凍麺の種類、量、凍結調味液の量、構成成分等に応じて、適宜適切な解凍方法、解凍条件を採用しうる。
【0044】
(4)具材
冷凍麺セットは、さらに具材を含んでもよい。具材の種類は、冷凍麺セットを構成する麺、調味液とともに食することが可能であるものであれば特に限定されない。好ましくは、凍結、解凍が可能な具材である。一態様において、具材は凍結された状態で、冷凍麺、凍結調味液とともに同一の容器中に入れられており、冷凍麺、凍結調味液とともに解凍される。あるいは、具材は、冷凍麺セットを構成するが、冷凍麺、凍結調味液とは別の容器に入れられていても良い。冷凍麺、凍結調味液とは別の容器に入れられている具材は、冷凍麺、冷凍調味液と同時に、あるいは別途に解凍されうる。あるいは、冷凍麺、凍結調味液とは別の容器に入れられている具材は、冷凍麺、冷凍調味液とは別に調製方法で食に供されるような状態でセットを構成してもよい。例えば、フリーズドライの具材を別容器で含むセットなどが含まれる。
【0045】
具材は、例えば、野菜類(モヤシ、キャベツ、コーン、ハクサイ、ネギ、ニラ、ショウガ、ニンジン、ダイコン、ホウレンソウ、ブロッコリ、カリフラワー、アスパラガス、ナス、ポテト等)、肉類(鶏肉、豚肉、牛肉、チャーシュー、ハム等)、水産物(ノリ、ワカメ、モズク、サケ、エビ、イカ、タコ、アサリ、ホタテ等)、玉子(煮卵、味付け玉子等、生卵等)等、麺類と食することが可能なものであれば、特に限定されない。油揚げ、蒲鉾、天ぷら等の加工品も含む。
【0046】
(5)配置
冷凍麺と凍結調味液のセット、あるいは、冷凍麺、凍結調味液及び具材のセットを容易に配置する順序は特に限定されない。凍結調味液の一部を分割して、冷凍麺、具材の上下に配置してもよい。冷凍麺の一部を分割して、凍結調味液、具材の上下に配置してもよい。具材一部を分割して、冷凍麺、凍結調味液の上下に配置してもよい。
【0047】
一態様において、冷凍麺セットにおいて、冷凍麺、凍結調味液、具材は容器中に、上から以下の(a)-(i)のいずれかの順で配置されている。
(a)冷凍麺-凍結調味液:
(b)凍結調味液-冷凍麺;
(c)凍結調味液-冷凍麺-凍結調味液;
(d)具材-冷凍麺-凍結調味液;
(e)具材-凍結調味液-冷凍麺;
(f)凍結調味液-冷凍麺-具材;
(g)凍結調味液-具材-冷凍麺;
(h)冷凍麺-凍結調味液-具材;または
(i)冷凍麺-具材-凍結調味液
本発明のフレーク形状の凍結調味液と冷凍麺の組み合わせの場合に、麺の下に凍結調味液を置いた場合と麺の上に凍結調味液を置いた場合のいずれも、解凍した冷凍麺は、硬さ、粘り、つるり感ともに良好に感じられ、バランスの良い食感のものが得られる。ただし、凍結調味液、冷凍麺、具材の配置を調整することにより食感を、好ましい良好な範囲内において、麺(および具材)を好みの状態に調整できる。
【0048】
(6)冷凍麺セットの特徴
一態様において、冷凍麺セットは、フレーク状でない凍結調味液と冷凍麺とを含む冷凍麺セットと比較して、解凍がより均一に行われる、という特徴を有する。
【0049】
「フレーク状でない凍結調味液」とは、「(i)凍結濃縮が生じていない、(ii)均一な塩分濃度を有する、または、(iii)一定の均一な厚さを有する、の(i)-(iii)の1以上の特性を具備する、フレーク状の凍結調味液」以外の凍結調味液である。解凍がより均一に行われる、とは、解凍の際、解凍された調味液の成分の濃度が容器内でバラツキが小さく、解凍がムラなく行われることを意味する。あるいは、同じ成分の調味液を用いた場合に、試料間でバラツキが小さいことを意味する。
【0050】
一態様において、冷凍麺セットは、フレーク状でない凍結調味液と冷凍麺とを含む冷凍麺セットと比較して、解凍時のフレーク状の凍結調味液の容器内の塩分濃度の差が小さい。一態様において、冷凍麺セットは、フレーク状でない凍結調味液と冷凍麺とを含む冷凍麺セットと比較して、解凍時のフレーク状の凍結調味液の容器内の成分濃度の差が小さい。
【0051】
一態様において、フレーク状でない凍結調味液と冷凍麺とを含む冷凍麺セットと比較して、解凍時のフレーク状の凍結調味液の容器内の温度の差が小さい。例えば、一態様において、凍結調味液の解凍が生じ始めてから1~2分程度(例えば、電子レンジで600W、約3分)における容器内の調味液の温度差が、フレーク状でない凍結調味液と冷凍麺とを含む冷凍麺セットと比較して、少なくとも5℃以上、7℃以上、10℃以上、15℃以上小さい。
【0052】
一態様において、解凍時のフレーク状の凍結調味液の容器内の塩分濃度の差が、0.3容量%未満、0.25容量%以内、0.2容量%以内、0.1容量%以内、0.07容量%、0.05容量%未満である。一態様において、解凍時のフレーク状の凍結調味液の容器内の塩分濃度の差が、0.1容量%以内である。
【0053】
一態様において、解凍時のフレーク状の凍結調味液の容器内の温度の差が20℃以下である。例えば、一態様において、凍結調味液の解凍が生じ始めてから1~2分程度(例えば、電子レンジで600W、約3分)における容器内の調味液の温度差が20℃以内、15℃以内、12℃以内である。
【0054】
本発明はまた、フレーク状の凍結調味液の冷凍麺セットの製造のための使用に関する。フレーク状の凍結調味液は、以下の(i)-(iii)の1以上の特性を具備する、
(i)凍結濃縮が生じていない;
(ii)均一な塩分濃度を有する;または
(iii)一定の均一な厚さを有する。
【0055】
各用語の定義は、フレーク状の凍結調味液の冷凍麺セットに関して上述した通りである。
【実施例】
【0056】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。当業者は本明細書の記載に基づいて容易に本発明に修飾・変更を加えることができ、それらは本発明の技術的範囲に含まれる。
【0057】
試験例1 醤油味ラーメンスープの製造方法
以下の方法により、醤油味ラーメンスープを製造した。
(ガラスープの製造)
表1の通り、水20kgにチキン&ポークだしパック(富士食品工業株式会社製)と適当なサイズにカットした野菜を入れ沸騰させた。弱火にしてさらに3時間煮込み、放冷し、ガラスープを製造した。
【0058】
【0059】
(醤油ラーメンスープの製造)
調製したガラスープを用い、さらに、表2の組成で含む醤油ラーメンスープを混合した。混合物を攪拌、沸騰するまで加熱し、その後、放冷して以下の試験に供した。
【0060】
【0061】
実施例1 フレーク状凍結調味液の製造(標品1-1)
本実施例では、調味液を氷点下に冷却した製氷機の製氷面に吹きつけて瞬間的に凍結させ、得られた薄層調味液を剥落させる方法により、フレーク状の形状を有する凍結調味液を製造した。
【0062】
具体的には、試験例1で製造した醤油ラーメンスープ(調味液)を、-60℃から-10℃に冷却した製氷機(ジェネグラス社製、F90SW)の製氷面に吹きかけることにより、調味液が瞬間的に凍結し、3mm程度の薄層の凍結調味液が得られた。これを該製氷機に備え付けられたスクレーパーで製氷面から剥落させた。その後、その冷凍調味液をさらにハンマーを用いて砕き、大きさ3mm(厚さ)×3~20mm×3~20mmのフレーク状冷凍調味液(標品1-1)を得た。
【0063】
製氷面に吹きつける本実施例の方法により、均一な塩分濃度の凍結調味液を調製できる(特開2014-31935)。
実施例2 フレーク状凍結調味液の製造(標品1-2)
本実施例では、調味液中で冷却ドラム状シリンダーを回転させることにより、冷却ドラム表面に作成した薄層凍結調味液を、スクレーパーにより掻き取る方法により、フレーク状の形状を有する凍結調味液を製造した。
【0064】
具体的には、試験例1で製造した醤油ラーメンスープ(調味液)の一定量を製氷機(MAJA社、MAJA Flace Ice Machine RVE 1702 S saltwater)に充填した。充填した調味液中で、-20℃まで冷却したドラム状のシリンダーを回転させ、シリンダーの表面に厚さ3mmの凍結調味液の薄層を作成した。さらに、該製氷機に備え付けられたスクレーパーでその薄層凍結調味液を掻き取った。その冷凍調味液をさらに、ハンマーを用いて砕き、大きさ3mm×3~20mm×3~20mmのフレーク状にし標品1-2を得た。
【0065】
実施例3 フレーク状凍結調味液の製造(標品1-3)
本実施例では、調味液中で冷却ドラム状シリンダーを回転させることにより、冷却ドラム表面に作成した薄層凍結調味液を、掻き取る方法により、フレーク状の形状を有する凍結調味液を製造した。
【0066】
具体的には、試験例1で製造した醤油ラーメンスープ(調味液)の一定量を製氷機(MAJA社、MAJA Flace Ice Machine RVE 1702 S saltwater)に充填した。充填した調味液中で、-20℃まで冷却したドラム状のシリンダーを回転させ、シリンダーの表面に厚さ3mmの凍結調味液の薄層を作成した。さらに、該製氷機に備え付けられたスクレーパーでその薄層冷凍調味液を掻き取った。その凍結調味液をさらに、ニーダー内で物理的衝撃を1分程度与えることにより、大きさが20mm以下となるように粉砕し、フレーク状の凍結調味液(標品1-3)を得た。
【0067】
比較例1 プレート状の凍結調味液の調製
本実施例では、調味液を氷点下の冷凍庫に静置することにより凍結する方法で凍結した、プレート状の形状を有する凍結調味液を製造した。
【0068】
冷凍用の容器(上面135mmφ×底面110mmφ×高さ85mm)に300gの試験例1で製造した醤油ラーメンスープ(調味液)を入れ、あらかじめ-40℃に設定したショックフリーザー(Panasonic社製)に2時間静置し、急速凍結させ円柱形のプレート状の凍結調味液(標品2)を得た。
【0069】
比較例2 プレート状の凍結調味液を粉砕した破片状の凍結調味液の調製
比較例1の方法により調製したプレート状の凍結調味液を、ハンマーを用いて、大きさ3~20mm×3~20mm×3~20mmに破砕することにより、破片状の凍結調味液(標品3)を調製した。
【0070】
実施例4 フレーク状の凍結調味液を冷凍麺と組み合わせた場合の凍結調味液のサイズと解凍特性との相関
本実施例では、フレーク状の凍結調味液を冷凍麺と組み合わせた場合の凍結調味液のサイズと解凍特性との相関を検討した。
【0071】
凍結調味液としては、調味液を氷点下に冷却した製氷機の製氷面に吹きつけて瞬間的に凍結させ、得られた薄層調味液を剥落させる方法により製造した、フレーク状凍結調味液(標品1-1)を使用した。先ず、標品1-1のフレーク状の形状を有する凍結調味液を、篩に掛けることにより20mm以上、10mm~20mm程度、5mm~10mm程度、5mm以下と4種類の異なるサイズになるように選別した。各々サイズのみのフレーク状の凍結調味液と、すべてのサイズのフレーク状の凍結調味液を略等量ずつ混合した凍結調味液の5種類の凍結調味液を調製した(
図1)。凍結調味液の厚さは3mmであった。
【0072】
また、冷凍麺としては、細さ1.45mmの中華麺を、冷凍したものを使用した。
容器(上面135mmφ×底面110mmφ×高さ85mm)内に下から調製したフレーク状の凍結調味液300gを入れ、その際の凍結調味液の高さを測定した。さらに、その上に麺150gをいれることにより、凍結調味液入りの冷凍麺を調製した(
図2)。その冷凍麺を-13℃で3時間放置した後に、600W、9分のレンジ加熱調理を行ったものを、訓練されたパネラー5名で官能評価を行った。さらに、レンジ加熱終了後のスープの温度も測定した。
【0073】
官能評価は以下の基準で判断した。それぞれの評価において、5点が通常のラーメンとして適している状態である。
麺の硬さ
5点:コシがあり好ましい硬さである。(中華生麺を2分程度茹で上げた直後と同様の硬さ)
4点:硬さがあるが、少し柔らかい。
【0074】
3点:硬さがある程度保持されている。
2点:かなり柔らかい。
1点:柔らかすぎる。
【0075】
麺の粘り
5点:しっかりと粘りがあり、かなりモチモチしている。
4点:粘りがあり、モチモチしている。
【0076】
3点:やや粘りがあり、ややモチモチしている。
2点:わずかに粘りがあり、ややプツンときれる。
1点:粘りがなく、プツンときれる。
【0077】
麺のつるり感
5点:つるりとのどごしがかなり良い。
4点:つるりとのどごしが良い。
【0078】
3点:ややつるりとしていてのどごしが良い。
2点:ややつるりとしていてややのどごしが良い。
1点:つるりとしていない。
【0079】
各サイズのフレーク状凍結調味液を用いた場合の高さ、温度、官能評価の結果を表3に示す。
【0080】
【0081】
フレーク状の凍結調味液のサイズが小さくなるにつれて、添加量が同様であるにも関わらず、嵩高さが低くなり、容器内にコンパクトに収納された。又、レンジ加熱終了後のスープの温度も凍結調味液のサイズが小さくなるに従って、600W、9分のレンジ加熱調理を行った時点での温度が低くなっていた。一般に、凍結調味液のサイズが小さくなることにより、表面積が増し、電子レンジの加熱により解凍しやすいのではとも考えられるが、本実験結果は、サイズが小さいほうがむしろ昇温しにくく、解凍効率が悪いことが明らかになった。理論に縛られるわけではないが、フレーク氷のサイズを小さくする事によって、その表面積が増す事により冷却効果が増加し、昇温しにくくなっていることが示唆された。
【0082】
次に、官能評価結果について検討する。まず、つるり感はフレーク状の凍結調味液のサイズには影響しないのに対し、硬さや粘りについてはサイズが大きくなると失われ、小さなものほど維持された。5~10mmの大きさの凍結調味液のものにはコシがあり、噛んだ時に硬さを感じた。また5mm以下の場合には、さらに5~10mmのものより硬さを有していた。さらに、全てのサイズを混合したもの、10~20mm、および20mm以上では柔らかめであり、適度な硬さは残っていなかった。この結果より、サイズが小さい凍結調味液の方が硬さを有しており、10mm以下のものを用いることにより、適度な硬さであり、コシが残ることが明らかになった。
【0083】
以下の実施例では、5~20mmの種々のサイズのフレーク状の凍結調味液を混合した凍結調味液を使用した。
実施例5 凍結調味液を冷凍麺と組み合わせた場合の解凍特性(温度変化)
塩分を含んだ調味液などを凍結した場合には、再凍結などにより塩分の部分的な濃縮が起きるために、塩分濃度の偏りが起こり、そのために均一に解凍し難いことが知られている。そのため、本発明のフレーク形状の凍結調味液と、比較例の通常方法で凍結しその後に粉砕した破片状の凍結調味液について、冷凍麺と組み合わせた場合の解凍特性について検討した。本実施例では解凍特性のうち凍結調味液の温度変化について検討した。
【0084】
実施例3で調製した、塩分を均一に分散できるとされる、瞬間的に凍結、薄く製氷したフレーク状の凍結調味液をニーダー内で物理的衝撃を1分程度与えることにより、大きさが20mm以下となるように粉砕したフレーク状の凍結調味液(標品1-3)と、通常の冷凍庫内に静置する方法で作成したプレート状の凍結調味液を破砕した破片状の凍結調味液(標品3)について、解凍特性を比較した。
【0085】
容器(ジップロック・コンテナー、内容量1100ml、縦156mm×横156mm×高さ83mm)内に、下からフレーク状または破片状の凍結調味液(標品1-3、または標品3)300g、実施例4と同様の冷凍麺(中華麺)150gの順に入れ、冷凍ラーメンを調製した(
図3)。この冷凍ラーメンを-20℃で1週間程度保存したものを、600Wで電子レンジ調理し、解凍させた。電子レンジ加熱後3分、4分、5分の際に、容器内の熱分布を、
図4の1~4の4面からそれぞれサーモグラフィー(TESTO社製)を用いて可視化した。その容器内の四面の幅の中央部の上部(上端からほぼ1cm)と下部(下端からほぼ1cm)計8か所の温度については、サーモグラフィーから温度を読み取った。
【0086】
本発明の標品1-3の結果を表4に、比較例の標品3の結果を表5に示す。
【0087】
【0088】
【0089】
比較例の標品3の場合には、部位ごと、試料ごとに解凍の度合いが異なっており、温度差が大きく生じていることが示された(表5)。4か所の上部と下部の温度の比較を行ったところ、3分では最大で27.9℃の差があった。加熱時間を長くしていくと温度の差は小さくなっていくが、5分解凍時でも最大7.7℃の温度差を有しており、均一には解凍できず、また、試料によって温度差があることが示された。
【0090】
一方、本発明の標品1-3のフレーク形状の凍結調味液を用いた場合に、容器内4か所の上部と下部で比較を行ったところ、3分では最大11.6℃、4分では最大6.9℃、5分では6.4℃となっており、部分間、試料間の温度差が少なく、均一に昇温、解凍できることが示された(表4)。
【0091】
本実施例により、本発明のフレーク形状の凍結調味液では解凍時の温度差が小さいことが示された。
試験例2 タンメン用スープの製造方法
試験例1で調製したガラスープを用い、さらに、表6の組成で含むタンメン用スープを混合した。混合物を攪拌、沸騰するまで加熱し、その後、放冷することによりタンメン用スープを製造した。
【0092】
【0093】
実施例6 凍結調味液の解凍特性(塩分濃度の分散)
本実施例では、本発明のフレーク形状の凍結調味液と、比較例の通常方法で凍結しその後に粉砕した破片状の凍結調味液について、解凍特性(塩分濃度の分散)について検討した。
【0094】
試験例2で製造したタンメンスープ(調味液)を用い、実施例3と同様の方法により、20mm以下のフレーク状の凍結調味液(標品1-4)を得た。また、試験例2で製造したタンメンスープ(調味液)を、実施例2と同様に通常の冷凍庫内に静置する方法で作成したプレート状の凍結調味液をハンマーを用いて20mm以下に粉砕した凍結調味料(標品4)を比較例として使用した。
【0095】
容器(ジップロック・コンテナー、内容量1100ml、縦156mm×横156mm×高さ83mm)内に下から凍結調味液(標品1-4、または標品4)300gを入れた。-15℃で3時間程度保存したものを、600W、電子レンジで所定の時間処理した。解凍され、溶出した液を
図4の1~5の5箇所より分取し、塩分計(株式会社アタゴ)により測定した。
【0096】
本発明の標品1-4の結果を表7に、比較例の標品4の結果を表8に示す。
【0097】
【0098】
【0099】
通常の冷凍庫内への静置により調製したプレート状の凍結調味液(標品4)を用いた場合の塩分濃度の分布は、部分的に解凍され測定可能になる加熱調理後2分30秒では、測定した4か所で塩分濃度の最大で0.3容量%と差がみられる。加熱調理後3分から3分30秒の加熱においては、差は小さくなるものの、3分30秒では最大で0.15容量%の塩濃度の差があった(表8)。
【0100】
一方、本発明である標品1-4のフレーク形状の凍結調味液を用いた場合には、測定可能になる2分30秒時で塩分濃度差が0.03容量%であり、標品4の凍結調味液のものより塩分濃度差が小さいことが示された(表7)。また、3分から3分30秒と、解凍を進めた場合でも、3分30秒解凍時でも最大で0.07容量%の塩濃度差しかなく、従来の方法で作成したプレート状凍結調味液よりも商品中の塩分濃度の差が少ないことが示された。
【0101】
本実施例により、本発明のフレーク形状の凍結調味液では塩分のばらつきが少ないことが示された。理論に縛られるわけではないが、塩分濃度のばらつきの小ささが、実施例5で示しれた通り解凍時の温度差が小さいことと関連すると解される。
【0102】
実施例7 凍結調味液と冷凍麺の配置の検討
本実施例では凍結調味液と冷凍麺の配置の検討を行った。
実施例5及び6において、フレーク形状の凍結調味液を用いることによって、凍結調味液を均一に解凍できることが示唆された。その現象が麺の物性への改善効果を有するかについて検証した。
【0103】
凍結調味液は、実施例3で作成した標品1-3を300gと、実施例4で使用した冷凍麺(細さ1.45mmの中華麺)を用い、
図5のように配置して検討を行った。
(1)容器内に下からフレーク状凍結スープ300g、冷凍麺150gの順に配置。
【0104】
(2)容器内に下から冷凍麺150g、フレーク状凍結スープ300gの順に配置。
(3)容器内に下からフレーク状凍結スープ150g、冷凍麺150g、フレーク状凍結スープ150gの順に配置。
【0105】
(4)容器内に下からフレーク状凍結スープ200g、冷凍麺150g、フレーク状凍結スープ100gの順に配置。
また、比較例として、プレート状の凍結調味液(標品2)を用い、上記の(1)-(4)の各々に相当するように配置した。
【0106】
容器内にフレーク状凍結調味液(標品1-3)と麺とを充填した後、-15℃で3時間保存した。600W、9分の電子レンジ調理により解凍したものを訓練されたパネラー5名で官能評価を行った。官能評価は、麺の食感について硬さ、粘り、つるり感について評価し、実施例4と同様の基準を用いて検証した。
【0107】
比較例の標品2の結果を表9に、本発明の標品1-3の結果を表10に示す。
【0108】
【0109】
【0110】
比較例としてプレート状の凍結調味液(標品2)と冷凍麺と組み合わせた場合、凍結調味液と冷凍麺の配置に関わらず、解凍後の麺は全体的に、硬さ、粘りを有さず、コシが有していなかった。これに対し、本発明のフレーク状の凍結調味液(標品1-3)では、硬さと粘りを有しておりコシがある食感を有していた。また、つるり感においても、フレーク状の凍結調味料を用いた場合の方が高い評価であった。
【0111】
また、プレート状の凍結調味料を用いた場合には、麺の上に凍結調味料を置いた場合は、下においた場合と比較して、硬さ、粘りを失っており、こしがなくなっているのに対し、本発明のフレーク状の凍結調味液と冷凍麺の組み合わせの場合に、麺の下に凍結調味液を置いた場合と麺の上に凍結調味液を置いた場合のいずれも、硬さ、粘り、つるり感ともに良好に感じられ、バランスの良い食感となった。
【0112】
さらに、麺の上下に凍結調味液を置いた場合では、粘りが少し弱くなっていたが、硬さやつるり感は上下一方に配置した場合と比較して良好であった。以上の結果は本発明の凍結調味液を用いた場合、凍結調味液と冷凍麺の配置により食感を調整できることを示唆している。
【0113】
実施例8 フレーク状の凍結調味液を用いた場合の麺の物性変化
本実施例では、フレーク状の凍結調味液を用いた場合の麺の物性変化を機器分析によって測定した。
【0114】
試験例2で製造したタンメンスープ(調味液)を用い、実施例2と同様の方法により、20mm以下のフレーク状の凍結調味液(標品1-4)を得た。標品1-4の300gを容器内に入れ、さらに上に実施例4と同様の冷凍の中華麺180gをのせ、さらにその上に冷凍もやし56gを乗せ、冷凍ラーメンを調製した。当該冷凍ラーメンを-18℃6日間保存したものを、家庭での貯蔵を想定し、-13℃、3時間保存したのちに、600W、10分で解凍した。解凍した後に中華麺を5本回収し、それぞれの荷重をくさび形の治具を装着したテクスチャーアナライザー(Stable Micro Systems製)を用い、測定速度2mm/秒で100%破断時まで測定した。比較例として、試験例2で製造したタンメンスープ(調味液)を、実施例2と同様に、通常の冷凍庫内に静置する方法で作成したプレート状の凍結調味液(標品4)を用い、破断時の荷重を測定した。
【0115】
本発明の標品1-4の結果を
図6に、比較例の標品4の結果を
図7に示す。
プレート状の凍結調味液(標品4)を用いた場合には、単に麺に直線的に荷重が加わっており、100%破断時に最大荷重が得られた。これに対し、フレーク状の凍結調味液(標品1-4)を用いた場合には、一旦、90~98%のところで最大荷重がえられ、その後緩やかに荷重が低下していることが分かる。プレート状の凍結調味液(標品4)を用いた場合では、麺の平均最大荷重が159.6g重であり、176.4~130.8g重のばらつきであった。これに対し、フレーク状の凍結調味液(標品1-4)を用いた場合は、麺の平均最大荷重は171.3g重であり、213.3~129.9g重とばらつきはあるものの、より高い最大荷重を有する、すなわち麺の硬さを有することが示唆された。また、プレート状の凍結調味液(標品4)では、直線的な挙動を示すのに対し、フレーク状の凍結調味液(標品1-4)では、最大荷重の後にも一定の荷重を示しており、フレーク状の凍結調味液(標品1-4)の方が粘りやつるり感を保持していることが、機器分析によっても明らかになった。この結果は、実施例4の官能評価と一致しており、官能検査での麺の物性と機器分析の結果が一致した。
【0116】
試験例3 とんこつ味ラーメンスープの製造
水20kgにカットした野菜(玉ねぎ、にんじん、ネギ、にんにく、各1個)、ポークだしパック(富士食品工業株式会社製)2kg、豚ロース1kg、背油3kgをいれ、沸騰させた後、さらに弱火で3時間煮込んだ。その後、野菜、豚ロース、背油を取り出し、ポークだしパックのみで1時間煮込み、放冷することによりとんこつ味ラーメンスープを製造した。
【0117】
実施例9 具入りラーメンの大人数による官能検査評価
本実施例では、凍結調味液を具材入りのラーメンに添加し、大人数による官能検査評価を行った。
【0118】
試験例3で製造したとんこつ味ラーメンスープ(調味液)を用い、実施例3と同様の方法により、20mm以下のフレーク状の凍結調味液(標品1-5)を得た。標品1-5を300g、実施例4で用いた冷凍中華麺を150g、具材に冷凍のもやし50gを用いた。容器内に下から凍結調味液、冷凍麺、もやしの順に配置して、凍結調味液、具付きの冷凍麺を作成した。-15℃の冷凍庫に1週間保存後、野菜ラーメンを1500W、4分の条件で電子レンジで調理した。
【0119】
得られた具材入りラーメンの中華麺を、訓練されたパネラー13名による官能検査に供した。比較例として、試験例3で製造したとんこつ味ラーメンスープ(調味液)を、実施例2と同様に、通常の冷凍庫内に静置する方法で作成したプレート状の凍結調味液(標品5)を用いた。
【0120】
結果を表11に示す。
【0121】
【0122】
プレート状の凍結調味液(標品5)を用いたラーメンでは、全体的に麺の硬さや粘り、つるり感を有さず、こしが感じられないのに対し、フレーク状の凍結調味液(標品1-5)を用いたラーメンでは、麺の硬さを感じ、粘りやつるり感を有しており、こしを持った状態で食することができることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明の冷凍麺セットは、解凍後、硬さ、粘り、つるり感などが良好な、好ましい食感の麺料理を提供される。