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特許7349802CO2ウルトラファインバブル含有化粧料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】CO2ウルトラファインバブル含有化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/19 20060101AFI20230915BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20230915BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20230915BHJP
   A61Q 9/02 20060101ALI20230915BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20230915BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20230915BHJP
【FI】
A61K8/19
A61Q19/00
A61Q5/00
A61Q9/02
A61Q11/00
A61Q19/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019045794
(22)【出願日】2019-03-13
(65)【公開番号】P2020147520
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】591107034
【氏名又は名称】日本液炭株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100182305
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【弁理士】
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【弁理士】
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100221958
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 真希恵
(74)【代理人】
【識別番号】100192441
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 仁
(72)【発明者】
【氏名】杉原 圭彦
(72)【発明者】
【氏名】村上 裕之
【審査官】相田 元
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/031459(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0177737(US,A1)
【文献】特開2011-244728(JP,A)
【文献】国際公開第2018/097019(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の測定法D1での測定値で2千万個/mL以上のウルトラファインバブルを含有する化粧料であって、前記ウルトラファインバブルが、CO含有率が3重量%以上のCO ハイドレートを化粧料に含有させたことにより生じたウルトラファインバブルである、
前記化粧料。
(測定法D1)
化粧料中のウルトラファインバブルの濃度(個/mL)を、レーザー回折・散乱法又はナノトラッキング法で測定する。
【請求項2】
25℃における粘度が3~6500mPa・sである請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
化粧料が、肌用化粧料、頭髪用化粧料、洗浄料、シェービングフォーム、口中化粧料及び手指消毒液からなる群から選択される請求項1又は2に記載の化粧料。
【請求項4】
ウルトラファインバブルの濃度(個/mL)をレーザー回折・散乱法で測定することが、ウルトラファインバブルの濃度(個/mL)を島津製作所社製 SALD-7500 ウルトラファインバブル計測システムで測定することであり、ウルトラファインバブルの濃度(個/mL)をナノトラッキング法で測定することが、ウルトラファインバブルの濃度(個/mL)をMalvern社製 ナノサイト NS300で測定することである請求項1~のいずれかに記載の化粧料。
【請求項5】
容器に収容されている請求項1~のいずれかに記載の化粧料。
【請求項6】
容器のゲージ圧が、0MPaより高く1MPa以下である請求項に記載の化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2千万個/mL以上のウルトラファインバブル(Ultra Fine Bubble:UFB)を含有する化粧料(UFB高含有化粧料)等に関する。
【背景技術】
【0002】
(炭酸ガス含有化粧料)
近年、美容分野では、炭酸ガスの血流促進効果、温熱効果及び洗浄効果が注目されており、炭酸ガスを配合した化粧料(美容液、洗顔料、パック、マスク材等)が実際に市販されている。
【0003】
例えば、特許文献1、2、3には炭酸ガスを配合した泡状の化粧料(すなわち、エアゾール化粧料)が開示されている。しかし、エアゾール化粧料は、耐圧容器と炭酸ガスの噴射剤が必須であり、消費者が手軽に取り扱える一方で、製品価格が高いという問題や、缶容器の耐圧性や安全面から充填量が制限される等の問題があった。
【0004】
また、例えば特許文献4には、ソーダ灰や重炭酸ナトリウム等の炭酸塩を含有する組成物と、クエン酸等の酸性成分を含有する組成物の少なくとも2種の独立した組成物とを構成要素とする化粧料が開示されており、実際の市場でも、炭酸塩と酸の組み合わせによって炭酸ガスを発生させる化粧料(パック等)が販売されている。しかし、炭酸塩と酸を用いる化粧料には、塩が発生して肌に負担をかけることや、十分な炭酸ガス量を得るには大量の炭酸塩を使用する必要があること等の問題があった。
【0005】
この他に、泡立てポンプ容器や、手動による撹拌や、ガスボンベを用いたバブリングにより、化粧料に炭酸ガスを含有させるという方法も知られている。これらのうち、泡立てポンプ容器による泡立ては、泡立てポンプ容器の入手が比較的容易であり、また、比較的簡便に化粧料に泡を含有させることができるというメリットもあるものの、得られる泡が荒いという問題や、泡中の炭酸ガス濃度が極めて低いという問題があった。また、手動による撹拌については、金銭的には低コストであるというメリットがあるものの、泡立てに必要な労力が大きいという問題や、泡中の炭酸ガス濃度が極めて低いという問題があった。また、ガスボンベを用いたバブリングについては、泡立てに手動による労力を必要としないというメリットがあるものの、ガスボンベが必要であるという問題や、得られる泡が荒く、持続しないという問題があった。
【0006】
以上のように、炭酸泡を含有する従来の化粧料にはそれぞれ問題があり、炭酸泡を含有する新たな態様の化粧料が求められていた。
【0007】
(ウルトラファインバブル)
一方、常圧下の水などの溶媒中での直径が1000nm以下の微細気泡は、「ウルトラファインバブル」とも称される。かかるウルトラファインバブルは、直径が1mm以上である通常の気泡と比較して、(1)気泡界面表面積が著しく大きいこと、(2)気泡泡内圧力が大きいこと、(3)気体溶解効率が高いこと、(4)気泡上昇速度が遅いこと、などの優れた特質を有することから、例えば半導体の洗浄処理、水浄化処理や殺菌処理、牡蠣や貝の養殖等で有用であると考えられている。このようなウルトラファインバブルの生成方法としては、これまでに種々の方法が提案されていると共に実施もされている(特許文献5、6、7)。しかし、これらの生成方法は、ウルトラファインバブル発生装置が必須であるため、ウルトラファインバブルの使用環境が制限され、消費者が手軽に取り扱えない等の問題を有していた。
【0008】
(COハイドレート)
ところで、CO含有率の高い氷の一種として、COハイドレート(二酸化炭素ハイドレート)という物質が知られている。COハイドレートとは、水分子の結晶体の空寸に二酸化炭素分子を閉じ込めた包接化合物をいう。結晶体を形成する水分子は「ホスト分子」、水分子の結晶体の空寸に閉じ込められている分子は「ゲスト分子」または「ゲスト物質」と呼ばれる。COハイドレートは、融解するとCO(二酸化炭素)と水に分解するため、融解時にCOを発生させる。COハイドレートは、COと水を、低温、かつ、高圧のCO分圧という条件にすることにより製造することができ、例えば、ある温度であること、及び、その温度におけるCOハイドレートの平衡圧力よりもCO分圧が高いことを含む条件(以下、「COハイドレート生成条件」とも表示する。)において製造することができる。COハイドレートのCO含有率は、COハイドレートの製法にもよるが、約3~28重量%程度とすることができ、炭酸水のCO含有率(約0.5重量%程度)と比較して顕著に高い。
【0009】
COハイドレートの用途として、COハイドレートを飲料に添加、混合することが知られている。例えば特許文献8には、COハイドレートを飲料に混合することにより、その飲料に炭酸を付与して、炭酸飲料を製造することが、特許文献9には、COハイドレートを氷で覆って形成した炭酸補充媒体を飲料に添加することによって、ぬるくなった飲料を冷却すると共に、気が抜けた飲料に炭酸ガスを補充することが開示されている。
【0010】
しかしながら、CO含有率が3重量%以上の氷(好ましくはCOハイドレート)を化粧料に添加して、COウルトラファインバブルを高い濃度で含有する化粧料を得ることは知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特表2005-506325号公報
【文献】特開2011-93877号公報
【文献】特開2017-114915号公報
【文献】特開2017-178884号公報
【文献】特開2008-149209号公報
【文献】特開2004-330050号公報
【文献】特開2007-275893号公報
【文献】特開2005-224146号公報
【文献】特許第4969683公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、ウルトラファインバブルを高濃度で含有する化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討する中で、市販のウルトラファインバブル発生装置を用いて、化粧水等の化粧料中に高濃度のウルトラファインバブルを発生させようと試みた。しかし、水よりも高い粘度を有し、かつ、様々な成分が含まれている化粧水等の化粧料に対しては、ウルトラファインバブルを高濃度で発生させることができないことを本発明者らは見いだした。
【0014】
本発明者らは、上記課題を解決すべくさらに検討を進める中で、CO含有率が3重量%以上の氷(好ましくはCOハイドレート)を化粧料に含有させることにより、COウルトラファインバブルを高濃度で含有する化粧料を簡便かつ低コストで製造できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち、本発明は、
(1)2千万個/mL以上のウルトラファインバブルを含有する化粧料;
(2)以下の測定法D1での測定値で2千万個/mL以上のウルトラファインバブルを含有する上記(1)に記載の化粧料;
(測定法D1)
化粧料中のウルトラファインバブルの濃度(個/mL)を、レーザー回折・散乱法又はナノトラッキング法で測定する;
(3)25℃における粘度が3~6500mPa・sである上記(1)又は(2)に記載の化粧料;
(4)化粧料が、肌用化粧料、頭髪用化粧料、洗浄料、シェービングフォーム、口中化粧料及び手指消毒液からなる群から選択される上記(1)~(3)のいずれかに記載の化粧料;
(5)ウルトラファインバブルの濃度(個/mL)をレーザー回折・散乱法で測定することが、ウルトラファインバブルの濃度(個/mL)を島津製作所社製 SALD-7500 ウルトラファインバブル計測システムで測定することであり、ウルトラファインバブルの濃度(個/mL)をナノトラッキング法で測定することが、ウルトラファインバブルの濃度(個/mL)をMalvern社製 ナノサイト NS300で測定することである上記(1)~(4)のいずれかに記載の化粧料;又は、
(6)容器に収容されている上記(1)~(5)のいずれかに記載の化粧料;
(7)容器のゲージ圧が、0MPaより高く1MPa以下である上記(6)に記載の化粧料;
に関する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ウルトラファインバブルを高濃度で含有する化粧料を簡便かつ低コストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1の上パネル:COハイドレートを添加した極潤希釈液中のウルトラファインバブルを、島津製作所社製 SALD-7500 ウルトラファインバブル計測システムで測定した結果を示す図である。横軸は、バブルの粒子径(μm)を表し、縦軸はバブルの濃度(個/mL)を表す。図1下パネル:COハイドレートに代えて、それと同重量の水を添加した極潤希釈液中のウルトラファインバブルを、島津製作所社製 SALD-7500 ウルトラファインバブル計測システムで測定した結果を示す図である。横軸は、バブルの粒子径(μm)を表し、縦軸はバブルの濃度(個/mL)を表す。
図2図2は、「肌ラボ 極潤 ヒアルロン液」の希釈液中のウルトラファインバブル濃度(億個/mL)を示す図である。一番右の棒グラフは、上記希釈液にCOハイドレートを添加して得られた希釈液中のウルトラファインバブル濃度を表す。右から2番目の棒グラフは、一番右の棒グラフの測定コントロール(バックグラウンド)に相当する結果であり、COハイドレートに代えて、それと同重量の水を上記希釈液に添加して得られた希釈液中のウルトラファインバブル濃度を表す。左から2番目の棒グラフは、上記希釈液に対してウルトラファインバブル発生装置を作動させて得られた希釈液中のウルトラファインバブル濃度を表す。一番左の棒グラフは、左から2番目の棒グラフの測定コントロール(バックグラウンド)に相当する結果であり、前述の希釈液に対してウルトラファインバブル発生装置を作動させるのではなく、単にそのウルトラファインバブル発生装置内を循環させた希釈液中のウルトラファインバブル濃度を表す。
図3図3は、「肌ラボ 極潤 ヒアルロン液」の希釈液中に発生したウルトラファインバブル量(億個/mL)を表す図である。右の棒グラフは、COハイドレートを添加することにより発生したウルトラファインバブル量(億個/mL)を表しており、図2の一番右側の棒グラフの測定値から、右から2番目の棒グラフの測定値を差し引いた値を表す。左の棒グラフは、ウルトラファインバブル発生装置を作動することにより発生したウルトラファインバブル量(億個/mL)を表しており、図2の左から2番目の棒グラフの測定値から、一番左の棒グラフの測定値を差し引いた値を表す。
図4図4は、COハイドレートを2種類の化粧料に添加したときの、ウルトラファインバブル濃度の比較を表す図である。一番右の棒グラフは、「ちふれ 化粧水 とてもしっとりタイプ」の原液にCOハイドレートを添加して得られた溶液中のウルトラファインバブル濃度を表す。右から2番目の棒グラフは、一番右の棒グラフの測定コントロール(バックグラウンド)に相当する結果であり、COハイドレートに代えて、それと同重量の水を上記ちふれ原液に添加して得られた溶液中のウルトラファインバブル濃度を表す。左から2番目の棒グラフは、一番右の棒グラフは、「肌ラボ 極潤 ヒアルロン液」の希釈液にCOハイドレートを添加して得られた希釈液中のウルトラファインバブル濃度を表す。一番左の棒グラフは、左から2番目の棒グラフの測定コントロール(バックグラウンド)に相当する結果であり、COハイドレートに代えて、それと同重量の水を上記希釈液に添加して得られた希釈液中のウルトラファインバブル濃度を表す。
図5図5は、COハイドレートを2種類の化粧料又は水に添加したときの、ウルトラファインバブル発生量(億個/mL)の比較を表す図である。右の棒グラフは、「肌ラボ 極潤 ヒアルロン液」の希釈液にCOハイドレートを添加することにより発生したウルトラファインバブル発生量(億個/mL)を表す。中央の棒グラフは、「ちふれ 化粧水 とてもしっとりタイプ」の原液にCOハイドレートを添加することにより発生したウルトラファインバブル発生量(億個/mL)を表す。左の棒グラフは、水にCOハイドレートを添加することにより発生したウルトラファインバブル発生量(億個/mL)を表す。
図6図6は、ウルトラファインバブルの安定性確認試験の結果を示す図である。かかる安定性確認試験は、2種類の化粧料又は水にCOハイドレートを添加してから、それらの溶液を凍結し、その後、融解し、凍結前の溶液中のウルトラファインバブルに対して、どの程度の割合のウルトラファインバブルが残存するか(「凍結融解後残存率(%)」)を計測して行った。右の棒グラフは、溶液として、水を用いた場合のウルトラファインバブルの凍結融解後残存率(%)を表す。中央の棒グラフは、溶液として、「ちふれ 化粧水 とてもしっとりタイプ」の原液を用いた場合のウルトラファインバブルの凍結融解後残存率(%)を表す。右の棒グラフは、溶液として、「肌ラボ 極潤 ヒアルロン液」の希釈液を用いた場合のウルトラファインバブルの凍結融解後残存率(%)を表す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<本発明の化粧料>
本発明の化粧料は、2千万個/mL以上のウルトラファインバブルを含有する化粧料である限り特に制限されない。
【0019】
本発明において、化粧料中のウルトラファインバブルの濃度(個/mL)の値は、ウルトラファインバブルの濃度を測定することができる、いかなる測定法の測定値であってもよいが、以下の測定法D1での測定値であることが好ましい。
(測定法D1)
化粧料中のウルトラファインバブルの濃度(個/mL)を、レーザー回折・散乱法(好ましくは定量レーザー回折・散乱法)又はナノトラッキング法で測定する。
【0020】
上記の測定法D1における化粧料としては、液温が20~30℃の化粧料であることが好ましい。
【0021】
本明細書において、ウルトラファインバブルの濃度をレーザー回折・散乱法で測定することとしては、ウルトラファインバブルの濃度を島津製作所社製 SALD-7500 ウルトラファインバブル計測システムで測定することが好ましく挙げられる。なお、SALD-7500 ウルトラファインバブル計測システムは、定量レーザー回折・散乱法による測定装置である。また、本明細書において、ウルトラファインバブルの濃度をナノトラッキング法で測定することとしては、ウルトラファインバブルの濃度をMalvern社製 ナノサイト NS300で測定することが好ましく挙げられる。
【0022】
(本発明におけるウルトラファインバブル)
本発明におけるウルトラファインバブル(UFB)とは、常圧下の化粧料中において、直径が1000nm以下の微細気泡を意味する。本発明のウルトラファインバブルとしては、CO含有率が3重量%以上の氷(以下、「CO高含有氷」とも表示する。)(好ましくはCOハイドレート、より好ましくは圧密化COハイドレート)を化粧料に含有させることにより生じるCOウルトラファインバブルが好ましく挙げられる。
【0023】
(本発明の化粧料中のUFB濃度)
本発明の化粧料におけるUFB濃度(個/mL)としては、2千万個/mL以上である限り特に制限されないが、好ましくは4千万個/mL以上、より好ましくは8千万個/mL以上、さらに好ましくは1億個/mL以上、より好ましくは3億個/mL以上、さらに好ましくは5億個/mL以上であることが挙げられる。本発明の化粧料におけるUFB濃度の上限としては特に制限されないが、50億個/mL以下、40億個/mL以下、30億個/mL以下が挙げられる。本発明の化粧料におけるUFB濃度としてより具体的には、2千万~50億個/mL、4千万~50億個/mL、8千万~50億個/mL、1億~50億個/mL、3億~50億個/mL、5億~50億個/mL、2千万~40億個/mL、4千万~40億個/mL、8千万~40億個/mL、1億~40億個/mL、3億~40億個/mL、5億~40億個/mL、2千万~30億個/mL、4千万~30億個/mL、8千万~30億個/mL、1億~30億個/mL、3億~30億個/mL、5億~30億個/mL等が挙げられる。
【0024】
(本発明の化粧料の粘度)
本発明の化粧料としては、25℃条件下で液体である化粧料である限り特に制限されないが、特定の粘度の化粧料であることが好ましい。かかる「特定の粘度の化粧料」としては、25℃条件下における粘度が3~6500mPa・sである化粧料が挙げられ、中でも、25℃条件下における粘度が以下のいずれかである化粧料が好ましく挙げられる。
4~6500mPa・s、6~6500mPa・s、8~6500mPa・s、3~5000mPa・s、4~5000mPa・s、6~5000mPa・s、8~5000mPa・s、3~4000mPa・s、4~4000mPa・s、6~4000mPa・s、8~4000mPa・s、3~3000mPa・s、4~3000mPa・s、6~3000mPa・s、8~3000mPa・s、3~2000mPa・s、4~2000mPa・s、6~2000mPa・s、8~2000mPa・s、3~1000mPa・s、4~1000mPa・s、6~1000mPa・s、8~1000mPa・s、3~500mPa・s、4~500mPa・s、6~500mPa・s、8~500mPa・s、3~250mPa・s、4~250mPa・s、6~250mPa・s、8~250mPa・s、3~100mPa・s、4~100mPa・s、6~100mPa・s、8~100mPa・s;
【0025】
化粧料の粘度は市販の粘度計を用いて測定することができ、好適な測定方法として、英弘精機社製の「精密回転粘度計RST-CC 二重円筒モデル」を使用し、スピンドルNo.25、化粧料16.8mL溶液を用いて測定する方法を挙げることができる。
【0026】
(本発明の化粧料の種類)
本発明における化粧料の種類は、25℃条件下で液体である限り特に制限されず、肌用化粧料、頭髪用化粧料、洗浄料、シェービングフォーム、手指消毒液、口中化粧料等が挙げられる。上記肌用化粧料としては、化粧品、化粧水、乳液、美容液、クリーム、フェイスパック、ファンデーション、脱毛剤等が挙げられ、上記頭髪用化粧料としては、ヘアリンス、コンディショナー、トリートメント、ヘアカラー、ヘアカラートリートメント、育毛剤、整髪料、ヘアローション等が挙げられ、上記洗浄料としては、洗顔料、クレンジング料、毛髪洗浄剤、身体洗浄剤等が挙げられ、上記口中化粧料としては、歯磨き剤、うがい薬、洗口剤等が挙げられる。
【0027】
(本発明の化粧料の成分)
本発明における化粧料の成分としては、25℃条件下で液体であるである限り特に制限されず、通常化粧料に用いられる成分が挙げられる。かかる成分としては、油剤、粉体(顔料、色素、樹脂)、界面活性剤、粘剤、樹脂、防腐剤、香料、紫外線吸収剤(有機系、無機系を含む。UV-A、Bのいずれに対応していても構わない)、溶媒(エタノール、多価アルコール等)、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分、アミノ酸類、保湿剤、美白剤、血行促進剤、抗炎症剤、殺菌剤、冷感剤、制汗剤、塩類、酸化防止剤、皮膚賦活剤、色素、ビタミン類、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤等の成分が挙げられる。なお、これらの各剤は、各剤としての用途に限られず、目的に応じて他の用途として転用、例えば、ビタミン類を抗酸化防止剤として使用したり、他の用途との兼用、例えば、保湿剤と防腐剤としての効果を奏するものとして使用したりすることもできる。
【0028】
油剤としては、通常化粧料に用いられる揮発性及び不揮発性の油剤、溶剤、並びに樹脂等が挙げられ、常温で液体、ペースト、固体のいずれであっても構わない。油剤の例としては、例えばセタノール等の高級アルコール;イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分岐の高級アルコール;イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸;イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、ジステアリン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリル、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリル、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、安息香酸アルキル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等のエステル類;流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、スクワラン、スクワレン等の炭化水素;ラノリン、還元ラノリン、液状ラノリン、カルナバロウ、キャンデリラロウ、セレシン、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス等のロウ;ミンク油、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ホホバ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油、マカデミアナッツ油、アボガド油等の油脂;ポリエチレンワックス、エチレン・α-オレフィン・コオリゴマー、エチレンプロピレンポリマー等;が挙げられる。
【0029】
粉体の例としては、赤色104号、赤色102号、赤色226号、赤色201号、赤色202号、黄色4号、黒色401号等の色素、青色1号アルミニウムレーキ、黄色4号アルミニウムレーキ、黄色5号アルミニウムレーキ、黄色203号バリウムレーキ等のレーキ色素;ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子;黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料;タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、板状硫酸バリウム等の体質顔料;雲母チタン等のパール顔料;硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩;シリカ、アルミナ等の無機粉体;ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等が挙げられ、またこれらを従来公知の表面処理、例えば、N-アシル化リジン処理、アミノ酸処理、親水性高分子処理、油剤処理、シリコーン処理、金属石鹸処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等を施したものを使用することも可能である。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)に特に制限はない。粉体の大きさとしては、5nm~100μmの範囲に入るものが好ましく、さらに好ましくは10nm~25μmである。これらの粉体は単独で処理しても、混合物を形成し、それをまとめて処理しても構わない。また、混合物の色を肌色等に調整したものを処理することも可能である。さらに、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等の紫外線散乱成分を使用することで紫外線防御機能を有する処理粉体とすることも可能である。
【0030】
界面活性剤としては、例えばアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤を用いることができる。より詳しくは脂肪酸石鹸、α-アシルスルホン酸塩、N-アシルアミノ酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテル、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルリン酸、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、スルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸、パーフルオロアルキルリン酸エステル、アルキル硫酸エステル、アルキルエーテル硫酸エステル、ラウリン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、アシルサルコシン、アシルサルコシン塩、等のアニオン性界面活性剤;塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤;ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ラウリン酸アルカノールアミド、POE脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POE脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POEソルビトール脂肪酸エステル、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、POEコレスタノールエーテル、POEフィトスタノールエーテル、POEフィトステロースエーテル、POEコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン等のノニオン性界面活性剤、カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型等の両性界面活性剤;が挙げられる。また、サポニン、糖系界面活性剤等の天然系界面活性剤を用いることもできる。
【0031】
粘剤、樹脂の例としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸/アクリル酸アルキルコポリマー、セルロースエーテル、アルギン酸カルシウム、エチレン/アクリル酸共重合体、ビニルピロリドン系ポリマー、ビニルアルコール/ビニルピロリドン共重合体、窒素置換アクリルアミド系ポリマー、カチオン化グァーガム等のカチオン系ポリマー、ジメチルアクリルアンモニウム系ポリマー、POE/POP共重合体、ポリビニルアルコール、プルラン、デオキシリボ核酸及びその塩、コンドロイチン硫酸等の酸性ムコ多糖類及びその塩、タマリンド種子多糖類、寒天、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、グァーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、ヒアルロン酸及びその塩、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレンイミン、高重合ポリエチレングリコール、合成ラテックス、カードラン、カルボキシメチルキチン、キトサン等が挙げられる。上記のナノ化された素材も挙げられる。
【0032】
防腐剤としては、例えば安息香酸、安息香酸ナトリウム、ウンデシレン酸、サリチル酸、ソルビン酸又はその塩、デヒドロ酢酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸ベンジル等の有機酸及びその誘導体、イソプロピルメチルフェノール、グルコン酸クロルヘキシジン、クレゾール、チモール、パラクロロフェノール、フェニルエチルアルコール、フェニルフェノール、フェニルフェノールナトリウム、フェノキシエタノール、フェノキシジグリコール、フェノール、ベンジルアルコール等のフェノール類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化メチルベンゼトニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化アルキルイソキノリウム、臭化ドミフェノン等の4級アンモニウム塩、茶エキス、ヒノキチオール、リンゴエキス等の植物抽出液、また、クロラミンT、クロルヘキシジン、ジンクピリチオン等を挙げることができる。
【0033】
有機系紫外線吸収剤の例としては、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、パラジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-硫酸、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、p-メトキシハイドロケイ皮酸 ジエタノールアミン塩、パラアミノ安息香酸(以後、PABAと略す)、サリチル酸ホモメンチル、メチル-O-アミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、オクチルジメチルPABA、サリチル酸オクチル、2-フェニル-ベンズイミダゾール-5-硫酸、サリチル酸トリエタノールアミン、3-(4-メチルベンジリデン)カンフル、2,4-ジヒドロキシベンゾフェニン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-N-オクトキシベンゾフェノン、4-イソプロピルジベンゾイルメタン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、4-(3,4-ジメトキシフェニルメチレン)-2,5-ジオキソ-1-イミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル等が挙げられる。
【0034】
溶媒の例としては、精製水、環状シリコーン、エタノール、軽質流動イソパラフィン、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン類、N-メチルピロリドン、フルオロアルコール、次世代フロン等が挙げられる。
【0035】
天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分の例としては、アシタバエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ライチエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0036】
アミノ酸類の例としては、グリシン、アラニン、バリン、グルタミン酸等を挙げることができる。
【0037】
(本発明の化粧料の容器)
本発明の化粧料は、容器に収容されていなくてもよいが、容器に収容されていることが好ましい。容器の形状や材質は特に制限されないが、容器の形状としては、略直方体状、略立方体状、略円柱形状、袋状などが挙げられ、容器の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ガラス;アルミニウム等の金属;などが好ましく挙げられる。また、容器としては、耐圧容器でなくてもよいが、容器に内圧がかかっている状態にする場合は、耐圧容器であることが好ましい。かかる耐圧容器としては、エアゾール容器などが挙げられる。
【0038】
(本発明の化粧料の容器の内圧)
本発明の化粧料が容器に収容されている場合、その容器の内圧は0MPa(すなわち、容器内の圧力が容器外の大気圧と同じ)であってもよいが、0MPaより高くてもよく、例えば0.2MPa以上や0.4MPa以上であってもよい。容器の内圧としては、例えば、35℃におけるゲージ圧力(容器内の圧力と容器外の大気圧との差)が0MPaより高く1MPa以下、0MPaより高く0.8MPa以下、0.2~1MPa、0.2~0.8MPa、0.4~1MPa、0.4~0.8MPaなどが挙げられる。なお、容器内が加圧された状態(ゲージ圧力が正の状態)であると、CO高含有氷を化粧料に添加した際のウルトラファインバブル生成効率が向上する(すなわち、ウルトラファインバブルがより高濃度で発生する)点で好ましい。
【0039】
(本発明の化粧料の使用方法)
本発明の化粧料の使用方法は特に制限されず、その化粧料の種類に応じた通常の使用方法を採用することができる。本発明の化粧料の使用方法として、かかる化粧料を皮膚に接触させることを含む方法が好ましく挙げられる。
【0040】
(本発明の化粧料の製造方法)
本発明の化粧料の製造方法としては、CO高含有氷(好ましくはCOハイドレート、より好ましくは圧密化COハイドレート)を化粧料に含有させる工程を含むこと以外は、化粧料を製造する通常の方法が挙げられる。本明細書において「CO高含有氷を化粧料に含有させること」には、CO高含有氷を化粧料に投入(すなわち、添加)することの他、CO高含有氷と化粧料が接触するような状態にする限り、化粧料をCO高含有氷に投入すること等も便宜上含まれるが、ウルトラファインバブルをより高濃度で含有する化粧料を得る観点から、CO高含有氷を化粧料に投入に投入することが好ましく含まれる。また、容器に収容されている本発明の化粧料を製造する方法としては、例えば、本発明の化粧料を容器内に入れ、その容器内にCO高含有氷を添加する方法が好ましく挙げられ、また、正のゲージ圧力を有する、容器入りの本発明の化粧料を製造する方法としては、例えば、本発明の化粧料を容器(好ましくは耐圧容器)内に入れ、その容器内にCO高含有氷を添加した後、その容器を密栓する方法がこのましく挙げられる。
【0041】
本発明の化粧料を製造する際に、CO高含有氷を含有させる化粧料としては、市販の化粧料を用いてもよいし、公知の製造方法により自ら製造した化粧料を用いてもよい。また、CO高含有氷を含有させる化粧料は、必要に応じて、25℃における粘度を調整してもよい。化粧料の粘度の調整方法としては、化粧料に増粘剤を添加して粘度を増加させる方法や、化粧料を水で希釈して粘度を低下させる方法が挙げられる。
【0042】
CO高含有氷を含有させる際の化粧料の液温としては特に制限されず、例えば0~50℃の範囲内が挙げられる。
【0043】
化粧料にCO高含有氷を含有させる量は、該化粧料にウルトラファインバブルを付与して、本発明の化粧料を調製することができる限り特に制限されず、当業者であれば、本願明細書を参照することにより、CO高含有氷(好ましくはCOハイドレート)の含有量や、該CO高含有氷(好ましくはCOハイドレート)のCO含有率や、どの程度の濃度のウルトラファインバブルを求めるか等に応じて、CO高含有氷の使用量を調整することができる。
【0044】
CO高含有氷を化粧料に含有させる量の具体例として、例えば0.05~10g/mLの範囲内、好ましくは0.1~10g/mL、より好ましくは0.1~3.0g/mL、さらに好ましくは0.1~2.0g/mL、より好ましくは0.1~1.0g/mL、さらに好ましくは0.1~0.8g/mLの範囲内、より好ましくは0.1~0.5g/mLの範囲内が挙げられる。なお、CO高含有氷を化粧料に含有させる量についてのこれらの数値範囲は、CO高含有氷がCOハイドレートであり、しかもそのCOハイドレートのCO含有率が3~28重量%、好ましくは5~28重量%、より好ましくは7~28重量%、さらに好ましくは10~28重量%、より好ましくは13~28重量%、さらに好ましくは16~28重量%、より好ましくは19~28重量%、さらに好ましくは22~28重量%である場合に特に好ましく用いることができる。
【0045】
(本発明におけるCO高含有氷)
本発明におけるCO高含有氷としては、CO含有率が3重量%以上の氷である限り特に制限されない。かかるCO高含有氷は、COハイドレートではないCO高含有氷であってもよいが、ウルトラファインバブルをより高濃度で含有する化粧料を得る観点から、COハイドレートであることが好ましく、圧密化COハイドレートであることがより好ましい。また、本発明におけるCO高含有氷として、COハイドレートではないCO高含有氷、COハイドレート、及び、圧密化COハイドレートからなる群から選択される2種又は3種を併用してもよい。
【0046】
COハイドレートは、水分子の結晶体の空寸に二酸化炭素分子を閉じ込めた固体の包接化合物である。COハイドレートは、通常、氷状の結晶体であり、例えば標準気圧条件下で、かつ、氷が融解するような温度条件下に置くと、融解しながらCOを放出する。
【0047】
本発明におけるCO高含有氷としては、以下の測定法D2で測定した場合のウルトラファインバブルの濃度(個/mL)で、好ましくは5百万個/mL以上、より好ましくは1千万個/mL以上、さらに好ましくは2千万個/mL以上、より好ましくは2千5百万個/mL以上、さらに好ましくは3千万個/mL以上、より好ましくは3千5百万個/mL以上、さらに好ましくは5千万個/mL以上、より好ましくは7千5百万個/mL以上、さらに好ましくは1億個/mL以上、より好ましくは1億5千万個/mL以上、さらに好ましくは2億個/mL以上、より好ましくは2億5千万個/mL以上のウルトラファインバブルを水の中に発生させることができるCO高含有氷を好適に挙げることができる。本発明におけるCO高含有氷が、水の中に発生させることができるウルトラファインバブルの濃度の上限としては、特に制限されないが、前述の測定法D2で測定した場合のウルトラファインバブルの濃度が、例えば100億個/mL以下、10億個/mL以下であることが挙げられる。
(測定法D2)
20~30℃の水に、-80~0℃であり、かつ、CO含有率が3重量%以上である氷を333mg/mL添加し、25℃条件下で1時間静置した後、水中のウルトラファインバブルの濃度(個/mL)を、レーザー回折・散乱法又はナノトラッキング法で測定する。
【0048】
本発明におけるCO高含有氷として、より具体的には、前述の測定法D2で測定した場合のウルトラファインバブルの濃度(個/mL)で、5百万~100億個/mL、1千万~100億個/mL、2千万~100億個/mL、2千5百~100億個/mL、3千万~100億個/mL、3千5百万~100億個/mL、5千万~100億個/mL、7千5百万~100億個/mL、1億~100億個/mL、1億5千万~100億個/mL、2億~100億個/mL、2億5千万個/mL~100億個/mL、5百万~10億個/mL、1千万~10億個/mL、2千万~10億個/mL、2千5百~10億個/mL、3千万~10億個/mL、3千5百万~10億個/mL、5千万~10億個/mL、7千5百万~10億個/mL、1億~10億個/mL、1億5千万~10億個/mL、2億~10億個/mL、又は、2億5千万個/mL~10億個/mLなどが好ましく挙げられる。
【0049】
本発明におけるCO高含有氷(好ましくはCOハイドレート、より好ましくは圧密化COハイドレート)のCO含有率としては、3重量%以上である限り特に制限されないが、ウルトラファインバブルをより高濃度で含有する化粧料を得る観点から、好ましくは5重量%以上、より好ましくは7重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上、より好ましくは13重量%以上、さらに好ましくは16重量%以上、より好ましくは19重量%以上、さらに好ましくは22重量%以上であることが挙げられ、CO含有率の上限として例えば、28重量%以下、26重量%以下であることが挙げられる。本発明におけるCO高含有氷のCO含有率として、より具体的には、3~28重量%、5~28重量%、7~28重量%、10~28重量%、13~28重量%、16~28重量%、19~28重量%、22~28重量%、3~26重量%、5~26重量%、7~26重量%、10~26重量%、13~26重量%、16~26重量%、19~26重量%、22~26重量%などが好ましく挙げられる。
【0050】
本発明におけるCO高含有氷のCO含有率は、本発明におけるCO高含有氷を製造する際の「CO分圧の高低」などにより調整することができ、例えばCO分圧を高くすると、CO高含有氷のCO含有率を高くすることができる。また、本発明におけるCO高含有氷がCOハイドレートである場合は、COハイドレートを製造する際の「CO分圧の高低」、「脱水処理の程度」、「圧縮処理を行うか否か」、「圧縮処理する場合の圧縮の圧力の高低」などにより調整することができる。例えば、COハイドレートを製造する際の「CO分圧を高くし」、「脱水処理の程度を上げ」、「圧縮処理を行い」、「圧縮処理する場合の圧縮の圧力を高くする」と、COハイドレートのCO含有率を高くすることができる。なお、COハイドレート等のCO高含有氷が融解すると、該CO高含有氷に含まれていたCOが放出され、放出されたCOの分の重量が減少する。したがって、CO高含有氷のCO含有率は、例えば、CO高含有氷を常温で融解させた際の重量変化から、下記式を用いて算出する事ができる。
(CO含有率)=(融解前のサンプル重量-融解後のサンプル重量)/融解前のサンプル重量
【0051】
本発明におけるCO高含有氷(好ましくはCOハイドレート)の形状としては、適宜設定することができ、例えば、略球状;略楕円体状;略直方体形状等の略多面体形状;あるいは、これらの形状にさらに凹凸を備えた形状;などが挙げられる。また、本発明におけるCO高含有氷(好ましくはCOハイドレート)は、CO高含有氷(好ましくはCOハイドレート)の塊を適宜破砕して得られる様々な形状の破砕片(塊)であってもよい。
【0052】
本発明におけるCO高含有氷(好ましくはCOハイドレート)の大きさとしては、適宜設定することができるが、最大長の下限として、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上、さらに好ましくは10mm以上が挙げられ、最大長の上限として150mm以下、100mm以下、80mm以下、60mm以下が挙げられ、より具体的には3mm以上150mm以下、3mm以上100mm以下、3mm以上80mm以下、3mm以上60mm以下や、5mm以上150mm以下、5mm以上100mm以下、5mm以上80mm以下、5mm以上60mm以下、10mm以上150mm以下、10mm以上100mm以下、10mm以上80mm以下、10mm以上60mm以下などが挙げられる。CO高含有氷(好ましくはCOハイドレート)の最大長が3mm未満の大きさであると、かかるCO高含有氷を化粧料に含有させた際に、生じる泡沫部分(泡の部分)内にCO高含有氷が取り込まれて、泡立ちが荒くなり、好ましい美観の化粧料が得られない場合がある。
【0053】
本明細書において「CO高含有氷の最大長」とは、CO高含有氷のその塊の表面の2点を結び、かつ、その塊の重心を通る線分のうち、最も長い線分の長さを意味する。なお、CO高含有氷が例えば略楕円体状である場合は、前記最大長は長径(最も長い直径)を表し、略球状である場合は、前記最大長は直径を表し、略直方体形状である場合は、対角線の中で最も長い対角線の長さを表す。また、本明細書において「CO高含有氷の最小長」とは、CO高含有氷(好ましくはCOハイドレート)のその塊の表面の2点を結び、かつ、その塊の重心を通る線分のうち、最も短い線分の長さを意味する。かかる最大長や最小長は、市販の画像解析式粒度分布測定装置などを用いて測定することもできるし、CO高含有氷(好ましくはCOハイドレート)の塊に定規をあてて測定することもできる。
【0054】
本発明におけるCO高含有氷(好ましくはCOハイドレート)の好適な態様として、アスペクト比(最大長/最小長)が好ましくは1~5の範囲内、より好ましくは1~4の範囲内、さらに好ましくは1~3の範囲内であるCO高含有氷(好ましくはCOハイドレート)が挙げられる。
【0055】
本発明において、特定の大きさ(例えば、最大長が3mm以上)のCO高含有氷(好ましくはCOハイドレート)を用いる場合、用いるCO高含有氷(好ましくはCOハイドレート)のすべてが、特定の大きさであることが好ましいが、本発明の効果が得られる範囲において、特定の大きさ以外の大きさ(例えば、最大長が3mm未満)のCO高含有氷(好ましくはCOハイドレート)も含有していてもよい。本発明におけるCO高含有氷(好ましくはCOハイドレート)のうち、最大長が3mm未満又は5mm未満の大きさのCO高含有氷(好ましくはCOハイドレート)の割合(重量%)は、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。
【0056】
本発明において、特定の大きさ(例えば、最大長が3mm以上)のCO高含有氷(好ましくはCOハイドレート)を用いる場合、その大きさは以下の方法で調整することができる。例えば、COハイドレートではないCO高含有氷の最大長は、かかるCO高含有氷を製造する際の型の最大長を調整したり、製造後のCO高含有氷を破砕する際の破砕の程度を調整したりすることによって調整することができる。また、COハイドレートの最大長は、COハイドレートを圧縮成型する際に用いる型の最大長を調整したり、圧縮成型した後のCOハイドレートを破砕する際の破砕の程度を調整したりすることによって、調整することができる。また、最小長については、型の最小長を調整したり、製造後のCO高含有氷を破砕する際の程度を調整したりすることによって調整することができる。
【0057】
(本発明におけるCO高含有氷の製造方法)
本発明におけるCO高含有氷の製造方法としては、CO含有率が3重量%以上の氷を製造できる限り特に制限されない。COハイドレートではないCO高含有氷の製造方法としては、COハイドレート生成条件を充たさない条件下で原料水中にCOを吹き込みながら原料水を冷凍する方法が挙げられる。また、COハイドレートの製造方法としては、COハイドレート生成条件を充たす条件下で原料水中にCOを吹き込みながら原料水を攪拌する気液攪拌方式や、COハイドレート生成条件を充たす条件下でCO中に原料水をスプレーする水スプレー方式等の常法を用いることができる。これらの方式で生成されるCOハイドレートは、通常、COハイドレートの微粒子が、未反応の水と混合しているスラリー状であるため、COハイドレートの濃度を高めるために、脱水処理を行うことが好ましい。脱水処理によって含水率が比較的低くなったCOハイドレート(すなわち、CO含有率が比較的高いCOハイドレート)は、ペレット成型機で一定の形状(例えば球状や直方体状)に圧縮成型することが好ましい。圧縮成型したCOハイドレートは、そのまま本発明に用いてもよいし、必要に応じてさらに破砕等したものを用いてもよい。なお、COハイドレートの製造方法としては、前述のように、原料水を用いる方法が比較的広く用いられているが、水(原料水)の代わりに微細な氷(原料氷)をCOと、低温、かつ、低圧のCO分圧という条件下で反応させてCOハイドレートを製造する方法を用いることもできる。
【0058】
上記の「COハイドレート生成条件」とは、前述したように、ある温度であること、及び、その温度におけるCOハイドレートの平衡圧力よりCO分圧(CO圧力)が高い条件である。上記の「COハイドレートの平衡圧力よりもCO分圧が高いことを含む条件」は、J. Chem. Eng. Data (1991) 36, 68-71のFigure 2.や、J. Chem. Eng. Data (2008), 53, 2182-2188のFigure 7.やFigure 15.に開示されているCOハイドレートの平衡圧力曲線(例えば縦軸がCO圧力、横軸が温度を表す)において、かかる曲線の高圧側(COハイドレートの平衡圧力曲線において、例えば縦軸がCO圧力、横軸が温度を表す場合は、該曲線の上方)の領域内のCO圧力と温度の組合せの条件として表される。COハイドレート生成条件の具体例として、「-20~4℃の範囲内」と「二酸化炭素圧力1.8~4MPaの範囲内」の組合せの条件や、「-20~-4℃の範囲内」と「二酸化炭素圧力1.3~1.8MPaの範囲内」の組合せの条件が挙げられる。
【0059】
本発明において「圧密化COハイドレート」とは、COハイドレート率が40~90%(好ましくは50~90%、より好ましくは60~90%)であるCOハイドレートを意味する。COハイドレート率とは、COハイドレートの塊の重量に対するCOハイドレートの重量の割合(%)を意味する。かかるCOハイドレート率は、以下の式(2)により算出することができる。
COハイドレート率(%)={(融解前のサンプル重量-融解後のサンプル重量)+(融解前のサンプル重量-融解後のサンプル重量)÷44×5.75×18}×100÷融解前のサンプル重量 式(2)
式(2)を以下に説明する。(融解前のサンプル重量-融解後のサンプル重量)は、包蔵されるCOガス重量となる。COガスをハイドレートとして包接するために必要な水量は、理論水和数5.75、COの分子量44、水の分子量18を用いて算出し、それ以外の水は、ハイドレートを構成しない付着水とみなしている。
【0060】
本発明における好適な圧密化COハイドレートとしては、前述の測定法D2で測定した場合のウルトラファインバブルの濃度で5千万~100億個/mL、7千5百万~100億個/mL、1億~100億個/mL、1億5千万~100億個/mL、2億~100億個/mL、2億5千万個/mL~100億個/mL、5千万~10億個/mL、7千5百万~10億個/mL、1億~10億個/mL、1億5千万~10億個/mL、2億~10億個/mL、又は、2億5千万個/mL~10億個/mLのウルトラファインバブルを水の中に発生させることができるCOハイドレートが挙げられる。
【0061】
また、本発明における好適な圧密化COハイドレートのCO含有率としては、ウルトラファインバブルをより高濃度で得る観点から、好ましくは7重量%以上、より好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは13重量%以上、より好ましくは16重量%以上、さらに好ましくは19重量%以上、より好ましくは22重量%以上であるCOハイドレートが挙げられる。また、上限値としては特に制限されないが、28重量%や、26重量%が挙げられる。本発明における好適な圧密化COハイドレートのCO含有率として、より具体的には、7~28重量%、10~28重量%、13~28重量%、16~28重量%、19~28重量%、22~28重量%、7~26重量%、10~26重量%、13~26重量%、16~26重量%、19~26重量%、又は、22~26重量%であるCOハイドレートが挙げられる。なお、本発明において特に好適な圧密化COハイドレートとしては、そのウルトラファインバブル濃度が本段落の一つ前の段落に挙げられたいずれかの数値範囲であって、かつ、CO含有率本段落に挙げられたいずれかの数値範囲であるCOハイドレートが挙げられる。
【0062】
本発明における圧密化COハイドレートの製造方法は特に制限されないが、例えば以下の製造方法を好ましく挙げることができる。
COハイドレート生成条件を充たす条件下で原料水中にCOを吹き込みながら原料水を攪拌する気液攪拌方式や、COハイドレート生成条件を充たす条件下でCO中に原料水をスプレーする水スプレー方式等の常法を用いることができる。これらの方式で生成されるCOハイドレートは、通常、COハイドレートの微粒子が、未反応の水と混合しているスラリー状である。かかるスラリーについて脱水処理及び圧縮処理を行うことにより、圧密化COハイドレートを製造することができる。COハイドレート粒子と水を含むスラリーの脱水処理及び圧縮処理は、例えば、スラリーの脱水処理を行った後、COハイドレート粒子の圧縮処理を行うなど、脱水処理と圧縮処理を別々に順次行ってもよいし、あるいは、スラリー中の水が排出され得る状況下でスラリーを圧縮処理するなどして、脱水処理と圧縮処理を同時に行ってもよいが、ウルトラファインバブルをより高濃度で得る観点から、脱水処理と圧縮処理を同時に行うことが好ましく、中でも、COハイドレート生成条件下で脱水処理と圧縮処理を同時に行うことがより好ましい。COハイドレート粒子の圧縮処理や、スラリーの圧縮処理は、市販の圧密成形機等を用いて行うことができる。圧縮処理の際の圧力としては、例えば1~100Mpa、1~50Mpa、1~30Mpa、1~15Mpa、1~10Mpa、1~9MPa、1.5~8Mpa、1.5~6Mpaなどを挙げることができる。なお、前述のスラリーについて、十分な脱水処理を行うと、COハイドレート率は通常約40%となり、十分な脱水処理後に2.5MpaでCOハイドレート粒子の圧縮処理を行うとCOハイドレート率は通常約60%となり、脱水処理後に9MpaでCOハイドレート粒子の圧縮処理を行うとCOハイドレート率は通常約90%となるとされている。
【0063】
(本発明の化粧料におけるウルトラファインバブルの安定性向上)
本発明の化粧料におけるウルトラファインバブルは、水におけるウルトラファインバブルよりも安定性が向上していることが好ましい。本発明において、「ウルトラファインバブルの安定性」が高いことには、ウルトラファインバブルを含む化粧料を凍結及び融解させたときに、凍結前の化粧料のウルトラファインバブル濃度に対する、融解後の化粧料のウルトラファインバブル濃度の割合(%)が、ウルトラファインバブルを含む水を凍結及び融解させたときに、凍結前の水のウルトラファインバブル濃度に対する、融解後の水のウルトラファインバブル濃度の割合(%)よりも高いことが好適に含まれる。かかる割合を算出する方法としては、後述の実施例の試験8に記載の方法が好ましく挙げられる。
【0064】
(本発明の化粧料がウルトラファインバブルを含有することにより期待される効果)
炭酸ガス(CO)が溶解した炭酸泉は皮膚に接触すると皮膚の血管を拡張し、皮膚の血行を促進する効果を有することが知られている。また、炭酸泡を含む化粧料は、皮膚ターンオーバーの正常化効果、皮膚のキメを整える効果、皮膚の角質を柔らかくする効果、皮膚の血色を改善する効果、美白効果、シミの低減効果、くすみの低減効果、皮膚の水分保持力の向上効果、小じわ改善効果、化粧のり向上効果、皮膚の弾力向上効果などを有すると言われている。また、ウルトラファインバブル等の微細な気泡は、より大きい気泡よりも毛穴の奥まで浸透することができることも知られている。これらのことから、微細なCOウルトラファインバブルを高濃度(2千万個/mL以上)で含有する本発明の化粧料は、炭酸泡を含む既存の化粧料について知られる前述の効果が向上していることが期待される。
【0065】
以下に、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例
【0066】
試験1.[化粧水の選定]
後の試験において、化粧水にCOハイドレートを含有させた後、かかる化粧水中のウルトラファインバブル濃度の測定を行う。そこで、かかる測定に適した化粧水の選定を行った。COハイドレート由来のウルトラファインバブル濃度を測定するのに適している化粧水は、透明な化粧水であること、及び、化粧水の当初の成分にμmオーダーの粒子がある程度少ない化粧水である。これらの条件を満たし、さらに、ある程度の粘性を有する化粧水として、「肌ラボ 極潤 ヒアルロン液」(ロート製薬社製)もしくは「ちふれ 化粧水 とてもしっとりタイプ」(ちふれ化粧品社製)を選択し、後の試験に使用することとした。
【0067】
なお、上記の「肌ラボ 極潤 ヒアルロン液」の成分は以下のとおりである。
水、BG(1,3-ブチレングリコール)、グリセリン、加水分解ヒアルロン酸、アセチルヒアルロン酸Na、ヒアルロン酸Na、PPG-10メチルグルコース、コハク酸2Na、ヒドロキシエチルセルロース、コハク酸、メチルパラベン
【0068】
また、上記の「ちふれ 化粧水 とてもしっとりタイプ」の成分は以下のとおりである。
グリセリン、BG、DPG(ジプロピレングリコール)、メチルグルセス-10、エリスリトール、PEG(ポリエチレングリコール)/PPG(ポリプロピレングリコール)/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン、PEG-75、トレハロース、ヒアルロン酸Na、クエン酸Na、クエン酸、メチルパラベン、フェノキシエタノール
【0069】
試験2.[COハイドレートの調製]
4Lの水にCOガスを3MPaとなるように吹き込み、撹拌をしながら1℃でCOハイドレート生成反応を進行させた。
COハイドレート粒子が水中に懸濁している「COハイドレートスラリー」をシリンダー式の圧密成形機へ流し込み、圧密成形機内と脱水ドレンとの差圧(1MPa以内)により脱水してCOハイドレート粒子の結晶を濃縮した。次いで、そのCOハイドレート粒子の結晶を2MPaの圧搾圧で3分間圧縮した。その後、-20℃まで冷却して、圧密成形機からCOハイドレートの円筒状の塊を回収した後、かかる円筒状の塊を破砕した。最大長が3mm以上60mm以下の多面体形状のCOハイドレートを選択して回収し、以降の実験で用いた。なお、このCOハイドレートは、圧密化COハイドレートであり、CO含有率は24%で、COハイドレート率は約60%であった。なお、以降のすべての試験において、かかるCOハイドレートをCOハイドレートとして用いた。
【0070】
試験3.[COハイドレートを化粧水に含有させることによるウルトラファインバブル生成の確認 その1]
COハイドレートを化粧水に含有させることによって、ウルトラファインバブルが生成するか、生成するとしてどの程度の濃度で生成するかを確認するために、以下の実験を行った。なお、コントロールとして、ウルトラファインバブル発生装置により化粧水にウルトラファインバブルが生成するか等の確認を行った。
【0071】
(1)COハイドレートによるウルトラファインバブルの生成
「肌ラボ 極潤 ヒアルロン液」を2倍希釈した溶液(以下、「極潤希釈液」とも表示する。)(粘度11.8mPa・s)を用意した。なお、本試験(試験3)及びそれ以降の試験において、化粧水の粘度は、英弘精機社製の「精密回転粘度計RST-CC 二重円筒モデル」を使用し、スピンドルNo.25、化粧料16.8mL溶液を用いて測定する方法にて測定した。
【0072】
10mLの極潤希釈液をガラス製のバイアル瓶に添加した。かかる極潤希釈液10mLに対して、上記試験2で調製したCOハイドレートを3gの割合で添加した後、COハイドレートが融解し終わるまでしばらく放置し、その後、バイアル瓶を密封して4℃で一晩静置した。この極潤希釈液(25℃)中のウルトラファインバブル濃度を、島津製作所社製 SALD-7500 ウルトラファインバブル計測システムで測定した(図1の上段)。なお、その測定コントロール(バックグラウンドに相当)として、前述の極潤希釈液10mLに対して、ハイドレートを添加するのではなく、水を3gの割合で添加した極潤希釈液(25℃)についても、前述の計測システムでウルトラファインバブル濃度を測定した(図1の下段)。COハイドレートを添加した極潤希釈液のウルトラファインバブル濃度を図2の一番右の棒グラフに示す。また、前述の測定コントロールのウルトラファインバブル濃度を図2の右から2番目の棒グラフに示す。また、図2に示されるような、COハイドレートを添加したときのウルトラファインバブル濃度の測定値から、前述の測定コントロールのウルトラファインバブル濃度の測定値を差し引いた測定値を、COハイドレートが発生させたウルトラファインバブル濃度として、図3の右側の棒グラフに示す。
【0073】
(2)ウルトラファインバブル発生装置によるウルトラファインバブルの生成
「肌ラボ 極潤 ヒアルロン液」を10倍希釈した溶液(粘度4.4mPa・s)を10L用意した。かかる希釈液に対して、旋回流式のウルトラファインバブル発生装置を10分間作動させてバブルを発生させた後、ガラス製のバイアル瓶に入れて4℃で一晩静置した。この希釈液(25℃)中のウルトラファインバブル濃度を、島津製作所社製 SALD-7500 ウルトラファインバブル計測システムで測定した。なお、その測定コントロールとして、前述の希釈液に対して前述のウルトラファインバブル発生装置を作動させるのではなく、単にそのウルトラファインバブル発生装置内を循環させた希釈液(25℃)についても、前述の計測システムでウルトラファインバブル濃度を測定した。ウルトラファインバブル発生装置を作動させた希釈液のウルトラファインバブル濃度を図2の左から2番目の棒グラフに示す。また、その測定コントロール(バックグラウンドに相当)のウルトラファインバブル濃度を図2の一番左の棒グラフに示す。また、図2に示されるような、ウルトラファインバブル発生装置を作動させたときのウルトラファインバブル濃度の測定値から、前述の測定コントロールのウルトラファインバブル濃度の測定値を差し引いた測定値を、ウルトラファインバブル発生装置が発生させたウルトラファインバブル濃度として、図3の左側の棒グラフに示す。
【0074】
(3)結果
図1図3(特に図3)の結果から分かるように、ウルトラファインバブル発生装置を用いた場合はウルトラファインバブルを約1千万個/mLでしか発生させることができなかったのに対し、COハイドレートを用いた場合はウルトラファインバブルを約25.5億個/mLという非常に高濃度で発生させることができることが示された。
【0075】
試験4.[COハイドレートを化粧水に含有させることによるウルトラファインバブル生成の確認 その2]
上記試験3で用いた化粧水とは異なる成分の化粧水であっても、COハイドレートの添加によりウルトラファインバブルを高濃度で発生させることができるかを確認するために、以下の実験を行った。
【0076】
(1)COハイドレートによるウルトラファインバブルの生成
上記試験3では「肌ラボ 極潤 ヒアルロン液」の希釈液を用いたが、今回の試験では、「ちふれ 化粧水 とてもしっとりタイプ」の原液(粘度8.7mPa・s)を用いた。極潤の希釈液に代えて、ちふれ原液を用いたこと以外は、上記試験3の(1)に記載の方法と同じ方法で、上記図2に関する試験と同じ試験を行った。ちふれ原液にCOハイドレートを添加したときのウルトラファインバブル濃度を図4の一番右の棒グラフに示し、その測定コントロール(バックグラウンド)のウルトラファインバブル濃度を図4の右から2番目の棒グラフに示す。また、極潤とちふれ化粧水との結果を比較するために、図2の右の2つの棒グラフの結果(極潤についての結果)を、図4の左の2つの棒グラフに示す。
【0077】
(2)結果
図4の結果から分かるように、2種類の化粧水のいずれの場合であっても、COハイドレートの添加によりウルトラファインバブルを高濃度で発生させることができることが示された。ただし、生じたウルトラファインバブルの濃度は極潤の希釈液では約25.5億個/mLであったのに対し、ちふれ原液では約4.4億個/mL(測定コントロールの値を差し引いた値)であった。このことから、COハイドレートの添加により生じるウルトラファインバブルの濃度は、化粧水の種類によって変化することも示された。
【0078】
試験5.[COハイドレートを様々な粘度の化粧水に含有させることによるウルトラファインバブル生成の確認]
上記試験3や試験4で用いた化粧水とは異なる粘度の化粧水においても、COハイドレートの添加によりウルトラファインバブルを高濃度で発生させることができるかを確認するために、以下の実験を行った。
【0079】
(1)COハイドレートによるウルトラファインバブルの生成
化粧水によく用いられる成分として、グリセリン、ヒアルロン酸ナトリウムなどが知られている。そこで、脱イオン水(「ミリQ水」)、グリセリン、及び、ヒアルロン酸ナトリウム(自然化粧品研究所製)を、後述の表1の割合で混合して、様々な粘度の化粧水を合計5種類作製した。極潤の希釈液に代えて、5種類の化粧水のいずれか1種類を用いたこと以外は、上記試験3の(1)に記載の方法と同じ方法で、COハイドレート含有化粧水を作製し、4℃で一晩静置後の各化粧水中のウルトラファインバブル濃度を測定した。これらのウルトラファインバブル濃度(測定コントロールの測定値で調整済)の結果を表1にそれぞれ示す。
【0080】
【表1】
【0081】
(2)結果
表1の結果から分かるように、8.5mPa/s程度の粘度の化粧水においてだけでなく、100mPa/s程度の高粘度の化粧水においても、COハイドレートを添加することによってウルトラファインバブルを高濃度で発生させることができることが示された。
【0082】
試験6.[加圧条件下での、ウルトラファインバブル生成の確認]
上記の試験3~5では、ガラス製のバイアル瓶に入れた化粧水中に、上記試験2で調製したCOハイドレートを添加し、COハイドレートが融解し終わるまでしばらく放置し、その後、そのバイアル瓶を密封して4℃で1晩静置した後、ウルトラファインバブル濃度を測定した。そこで、化粧水入りの容器内にCOハイドレートを添加した後すぐにその容器を密封し、容器内で加圧条件となっても、ウルトラファインバブルが発生するかを確認するために、以下の実験を行った。
【0083】
(1)COハイドレートによるウルトラファインバブルの生成
「極潤希釈液」(「肌ラボ 極潤 ヒアルロン液」を2倍希釈した溶液(粘度11.8mPa・s))を、耐圧性ペットボトルに入れた。この耐圧性ペットボトル内に、極潤希釈液に対して30重量%のCOハイドレートを添加した後、直ちに耐圧性ペットボトルに密栓をして、耐圧性ペットボトル内でウルトラファインバブルを発生させた。この密閉系の耐圧性ペットボトル内では、COハイドレートから発生する二酸化炭素によって、速やかに、約0.4MPa(ゲージ圧力)以上の加圧条件となった。この密閉系の耐圧性ペットボトルを4℃で一晩静置した後、極潤希釈液中のウルトラファインバブル濃度を測定した(「圧力+」)。なお、測定コントロール(バックグラウンドに相当)として、COハイドレートを添加した後も耐圧性ペットボトルの栓をしなかったこと以外は同じ方法で、耐圧性ペットボトル(開放系)内の極潤希釈液中のウルトラファインバブル濃度(億個/mL)及びバブルのメディアン粒子径(nm)を測定した(「圧力-」)。
【0084】
また、極潤希釈液に代えて水を用いたこと以外は同じ方法で、耐圧性ペットボトル内の水中のウルトラファインバブル濃度(億個/mL)及びバブルのメディアン粒子径(nm)を測定した(「圧力+」、「圧力-」)。
【0085】
これらの結果をそれぞれ表2に示す。
【0086】
【表2】
【0087】
(2)結果
表2の結果から分かるように、加圧条件下においても、COハイドレートを化粧水に添加することによって、ウルトラファインバブルを高濃度で発生させることができることが示された。また、加圧条件下の極潤希釈液(サンプルNO.9)では、大気圧条件下(開放系)の極潤希釈液(サンプルNO.8)に対して、約3倍もの濃度でウルトラファインバブルを発生させることができることが示された。このことから、耐圧容器内において、大気圧より高圧となる条件下で、ウルトラファインバブルを発生させると、ウルトラファインバブルの生成効率が高まることが示された。また、これらのことから、本発明のウルトラファインバブル含有化粧料は、一般的な炭酸泡化粧料の製品で頻繁に使用されているエアゾール缶のような容器においても提供できることが示された。
なお、加圧条件下での水(サンプルNO.7)では、大気圧条件下(開放系)の水(サンプルNO.6)に対して、約1.5倍の濃度でウルトラファインバブルを発生させることができることが示された。
【0088】
試験7.[COハイドレートを水に含有させることによるウルトラファインバブル生成の確認]
COハイドレートを化粧水に添加した場合と水に添加した場合とで、発生するウルトラファインバブルの濃度に違いがあるかを確認するために、以下の実験を行った。
【0089】
(1)COハイドレートによるウルトラファインバブルの生成
極潤の希釈液に代えて、水を用いたこと以外は、上記試験3の(1)に記載の方法と同じ方法で、ウルトラファインバブルの濃度を測定する試験を行った。COハイドレートを水に添加して発生したウルトラファインバブルの濃度(測定コントロールの値を差し引いた値)を、図5の一番左の棒グラフに示す。また、COハイドレートを化粧水に添加して発生したウルトラファインバブルの濃度の結果として、図5の中央の棒グラフには、上記試験4で得られた、ちふれ原液におけるウルトラファインバブルの濃度(測定コントロールの値を差し引いた値)を示し、図5の右側の棒グラフには、上記試験3で得られた、極潤希釈液におけるウルトラファインバブルの濃度(測定コントロールの値を差し引いた値)を示す。
【0090】
(2)結果
図5の結果から分かるように、COハイドレートを化粧水に添加した場合は、COハイドレートを水に添加した場合よりも、ウルトラファインバブルがより高濃度で生じることが示された。具体的には、COハイドレートを水に添加した場合は、ウルトラファインバブルは約3億個/mLであったのに対し、ちふれ原液では約4.4億個/mLであり、極潤希釈液では25.5億個/mLであった。
【0091】
試験8.[ウルトラファインバブルの安定性の確認]
COハイドレートを水に添加した場合と、化粧水に添加した場合とで、発生するウルトラファインバブルの安定性に違いが生じるかを確認するために、以下の実験を行った。
【0092】
(1)ウルトラファインバブルの安定性確認試験
微細気泡を含む溶液を凍結した後、融解すると、その微細気泡の一部が破壊されることが知られている。そこで、ウルトラファインバブルの安定性を確認するために、ウルトラファインバブルを含有する溶液を凍結した後、融解し、凍結前の溶液中のウルトラファインバブルのうち、どの程度の割合のウルトラファインバブルが残存するかを調べることとした。
【0093】
上記試験3の(1)に記載の方法と同じ方法で、極潤希釈液にCOハイドレートを添加し、ウルトラファインバブルを含有する極潤希釈液を調製した。また、上記試験4の(1)に記載の方法と同じ方法で、ちふれ原液にCOハイドレートを添加し、ウルトラファインバブルを含有するちふれ原液を調製した。また、上記試験7の(1)に記載の方法と同じ方法で、水にCOハイドレートを添加し、ウルトラファインバブルを含有する水を調製した。調製したこれら3種類の溶液に含まれるウルトラファインバブルの濃度を島津製作所社製 SALD-7500 ウルトラファインバブル計測システムで測定した。
【0094】
調製したこれら3種類の溶液をガラス製のバイアル瓶にそれぞれ入れた後、それらのバイアル瓶を-20℃の冷凍庫内に入れて一晩凍結した。それらのバイアル瓶を冷凍庫から取り出し、常温(25℃)下に24時間置いて凍結した溶液を融解させた。融解させたこれら3種類の溶液に含まれるウルトラファインバブルの濃度を島津製作所社製 SALD-7500 ウルトラファインバブル計測システムで測定した。
【0095】
3種の各溶液について、凍結前のウルトラファインバブル濃度に対する、融解後のウルトラファインバブル濃度の割合(%)(「凍結融解後残存率」)をそれぞれ算出した。それらの結果を図6に示す。
【0096】
(2)結果
図6から分かるように、水の場合は、ウルトラファインバブルの凍結融解後残存率は約40%ほどであったのに対し、極潤では約64%、ちふれ原液では約98.5%であった。このことから、化粧水中では、水中よりも、ウルトラファインバブルの安定性が向上していることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明によれば、ウルトラファインバブルを高濃度で含有する化粧料を簡便かつ低コストで提供することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6