(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】仕事マッチングシステム、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20230915BHJP
【FI】
G06Q10/06
(21)【出願番号】P 2019160352
(22)【出願日】2019-09-03
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】519320561
【氏名又は名称】PiNE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】高見 栄造
(72)【発明者】
【氏名】石垣 祥次郎
(72)【発明者】
【氏名】長田 知也
【審査官】石田 紀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-128490(JP,A)
【文献】特開2003-085625(JP,A)
【文献】特開2015-121975(JP,A)
【文献】特開2015-118632(JP,A)
【文献】特開2002-073933(JP,A)
【文献】国際公開第2014/075144(WO,A2)
【文献】池田 和史 ほか,働き方改革とそれを支えるICT,電子情報通信学会誌,一般社団法人電子情報通信学会,2018年05月01日,第101巻 第5号,第469-474ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置と、サーバ端末装置とを含む仕事マッチングシステムであって、
前記端末装置は、
仕事情報の要求を前記サーバ端末装置へ送信する手段と、
前記サーバ端末装置から、応募可能な仕事についての識別情報と前記仕事の内容と実行場所と期限と報酬ポイントとを含む前記仕事情報を受信する手段と、
前記仕事
情報の一覧を表示する
手段と、
前記仕事
情報の選択を受け付ける
手段と、
選択された前記仕事情報の前記識別情報を前記サーバ端末装置に送信する手段と、
前記識別情報に係る前記仕事の依頼が可能か否かの判断結果を前記サーバ端末装置から受信する手段と、
前記判断結果が前記仕事の依頼が可能である場合に、前記仕事を実行する
手段と、
前記仕事の実行結果を
前記サーバ端末装置へ送信する
手段と、
前記サーバ端末装置から、前記仕事の実行結果についての検収処理の結果を受信する手段と、
を備え
、
前記サーバ端末装置は、
前記応募可能な仕事についての前記仕事情報の一覧を前記端末装置へ送信する手段と、
前記仕事情報の一覧から選択された前記仕事情報の前記識別情報を受信する手段と、
前記端末装置から受信した前記識別情報に係る前記仕事を前記端末装置のユーザに依頼することが可能か否かを判断する手段と、
前記判断の結果を前記端末装置へ送信する手段と、
前記仕事の実行結果を前記端末装置から受信する手段と、
前記仕事の実行結果が、所定の基準を満たすか否かを判定することにより前記検収処理を行う手段と、
前記検収処理の結果を前記端末装置へ送信する手段と、
前記検収処理の結果、前記仕事の実行結果が前記所定の基準を満たすと判定された場合、前記仕事の実行に対する前記報酬ポイントを前記端末装置のユーザに付与する手段と、
を備える、
仕事マッチングシステム。
【請求項2】
前記仕事情報の要求を前記サーバ端末装置へ送信する手段は、前記仕事情報の要求に加えて自装置の位置情報を前記サーバ端末装置へ送信し、
前記仕事情報の一覧を前記端末装置へ送信する手段は、前記位置情報が示す位置を含む所定の範囲で実行される前記応募可能な仕事についての前記仕事情報の一覧を前記端末装置へ送信し、
前記表示する手段は、地図情報の前記仕事の実行場所に所定の印を表示することにより、前記仕事
情報の一覧を表示する、
請求項1に記載の
仕事マッチングシステム。
【請求項3】
前記端末装置は、
過去に前記ユーザが仕事を実行した地区を表示する手段と、
前記地区のうちの何れかの選択を受け付ける手段と、
前記仕事情報の要求とともに選択された前記地区の情報を前記サーバ端末装置へ送信する手段と、を備え、
前記サーバ端末装置は、
選択された前記地区で実行される前記応募可能な仕事についての前記仕事情報の一覧を前記端末装置へ送信する手段、を備える、
請求項1または請求項2に記載の
仕事マッチングシステム。
【請求項4】
前記端末装置は、
過去の前記端末装置の位置情報に基づいて、前記端末装置の移動範囲を設定する手段と、
前記仕事情報の要求とともに前記移動範囲の情報を前記サーバ端末装置へ送信する手段と、を備え、
前記サーバ端末装置は、
前記移動範囲で実行される前記応募可能な仕事についての前記仕事情報の一覧を前記端末装置へ送信する手段、を備える、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の
仕事マッチングシステム。
【請求項5】
前記端末装置では、
前記実行する手段が、前記端末装置が備える撮像機能または通信機能を駆動して前記仕事を実行し、
前記サーバ端末装置では、
前記仕事情報の一覧を前記端末装置へ送信する手段が、
前記端末装置が前記撮像機能と前記通信機能を備える場合、前記撮像機能または前記通信機能を駆動して実行する前記応募可能な仕事についての前記仕事情報の一覧を前記端末装置へ送信し、
前記端末装置が前記通信機能を備えない場合、前記通信機能を駆動して実行する前記応募可能な仕事についての前記仕事情報の一覧を前記端末装置へ送信せず、
前記端末装置が前記撮像機能を備えない場合、前記撮像機能を駆動して実行する前記応募可能な仕事についての前記仕事情報の一覧を前記端末装置へ送信しない、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の
仕事マッチングシステム。
【請求項6】
前記判断する手段は、前記識別情報に係る前記仕事について何れの前記端末装置も依頼が可能と判断されていない状況において、第1の前記端末装置から前記仕事の識別情報を受信した時刻が最も早ければ第1の前記端末装置への前記識別情報に係る前記仕事の依頼が可能と判断し、第1の前記端末装置から前記仕事の識別情報を受信した時刻よりも第2の前記端末装置から前記仕事の識別情報を受信した時刻のほうが早ければ第1の前記端末装置への前記識別情報に係る前記仕事の依頼は不可能と判断する、または、第1の前記端末装置の位置情報が、選択された前記仕事の場所に最も近ければ第1の前記端末装置への前記識別情報に係る前記仕事の依頼が可能と判断し、第1の前記端末装置よりも第2の前記端末装置の位置情報が、選択された前記仕事の場所に近ければ第1の前記端末装置への前記識別情報に係る前記仕事の依頼は不可能と判断する、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の
仕事マッチングシステム。
【請求項7】
前記判断する手段は、前記識別情報に係る前記仕事について何れの前記端末装置も依頼が可能と判断されていない状況において、第1の前記端末装置の前記ユーザに付与された前記報酬ポイントが最も高ければ第1の前記端末装置への前記仕事の依頼が可能と判断し、第1の前記端末装置の前記ユーザに付与された前記報酬ポイントよりも第2の前記端末装置の前記ユーザに付与された前記報酬ポイントのほうが高ければ第1の前記端末装置への前記仕事の依頼は不可能と判断する、
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の仕事マッチングシステム。
【請求項8】
前記付与する手段は、前記検収処理の結果、前記仕事の実行結果が前記所定の基準を満たすと判定された確率が所定の閾値以上の前記ユーザに付与する前記報酬ポイントを、そうでない前記ユーザに付与する前記報酬ポイントに比べて上昇させる、
請求項1から請求項7の何れか1項に記載の仕事マッチングシステム。
【請求項9】
前記検収処理を行う手段は、前記仕事が画像を撮影して送信することであれば、前記仕事の実行結果として送信された画像のメタデータに含まれる撮影位置が前記仕事情報に含まれる撮影位置と一致するかどうか、前記画像のタイムスタンプが基準を満たすかどうか、送信された前記画像を画像処理してフォーカスがあっているかどうか、前記画像の所定範囲に対象が写っているかどうかを解析することによって前記画像が所定の基準を満たしているかどうかを判定し、前記仕事が在庫データの取得であれば、前記仕事の実行結果として送信されたデータに含まれる前記在庫データの取得対象装置の識別情報、在庫データのタイムスタンプおよびデータフォーマットを所定の正しい値と比較することによって前記画像が所定の基準を満たしているかどうかを判定する、
請求項1から請求項8の何れか1項に記載の仕事マッチングシステム。
【請求項10】
前記端末装置は、
前記検収処理の結果が、前記仕事の実行結果が前記所定の基準を満たさないことを示す場合、前記仕事の再実行を促す表示を行う手段、を備える、
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の仕事マッチングシステム。
【請求項11】
端末装置と、サーバ端末装置とを含む仕事マッチングシステムの制御方法であって、
前記端末装置に、
仕事情報の要求を前記サーバ端末装置へ送信させ、
前記サーバ端末装置に、
応募可能な仕事についての前記仕事情報の一覧を前記端末装置へ送信させ、
前記端末装置に、
前記サーバ端末装置から、前記応募可能な仕事についての識別情報と前記仕事の内容と実行場所と期限と報酬ポイントとを含む前記仕事情報を受信させ、
前記仕事情報の一覧を表示させ、
前記仕事情報の選択を受け付けさせ、
選択された前記仕事情報の前記識別情報を前記サーバ端末装置に送信させ、
前記サーバ端末装置に、
前記仕事情報の一覧から選択された前記仕事情報の前記識別情報を受信させ、
前記端末装置から受信した前記識別情報に係る前記仕事を前記端末装置のユーザに依頼することが可能か否かを判断させ、
前記判断の結果を前記端末装置へ送信させ、
前記端末装置に、
前記識別情報に係る前記仕事の依頼が可能か否かの判断結果を前記サーバ端末装置から受信させ、
前記判断結果が前記仕事の依頼が可能である場合に、前記仕事を実行させ、
前記仕事の実行結果を前記サーバ端末装置へ送信させ、
前記サーバ端末装置に、
前記仕事の実行結果を前記端末装置から受信させ、
前記仕事の実行結果が、所定の基準を満たすか否かを判定することにより検収処理を行わせ、
前記検収処理の結果を前記端末装置へ送信させ、
前記検収処理の結果、前記仕事の実行結果が前記所定の基準を満たすと判定された場合、前記仕事の実行に対する前記報酬ポイントを前記端末装置のユーザに付与させ、
前記端末装置に、
前記仕事の実行結果についての検収処理の結果を受信させる、
制御方法。
【請求項12】
端末装置と、サーバ端末装置とを含む仕事マッチングシステムについて、
前記端末装置のコンピュータを、
仕事情報の要求を前記サーバ端末装置へ送信する手段、
前記サーバ端末装置から、応募可能な仕事についての識別情報と前記仕事の内容と実行場所と期限と報酬ポイントとを含む前記仕事情報を受信する手段、
前記仕事情報の一覧を表示する手段、
前記仕事情報の選択を受け付ける手段、
選択された前記仕事情報の前記識別情報を前記サーバ端末装置に送信する手段、
前記識別情報に係る前記仕事の依頼が可能か否かの判断結果を前記サーバ端末装置から受信する手段、
前記判断結果が前記仕事の依頼が可能である場合に、前記仕事を実行する手段、
前記仕事の実行結果を前記サーバ端末装置へ送信する手段、
前記サーバ端末装置から、前記仕事の実行結果についての検収処理の結果を受信する手段、
として機能させ、
前記サーバ端末装置のコンピュータを、
前記応募可能な仕事についての前記仕事情報の一覧を前記端末装置へ送信する手段、
前記仕事情報の一覧から選択された前記仕事情報の前記識別情報を受信する手段、
前記端末装置から受信した前記識別情報に係る前記仕事を前記端末装置のユーザに依頼することが可能か否かを判断する手段、
前記判断の結果を前記端末装置へ送信する手段、
前記仕事の実行結果を前記端末装置から受信する手段、
前記仕事の実行結果が、所定の基準を満たすか否かを判定することにより前記検収処理を行う手段、
前記検収処理の結果を前記端末装置へ送信する手段、
前記検収処理の結果、前記仕事の実行結果が前記所定の基準を満たすと判定された場合、前記仕事の実行に対する前記報酬ポイントを前記端末装置のユーザに付与する手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕事マッチングシステム、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ICTやIoT等のテクノロジーの浸透により、企業では、業務の自動化や効率化が進んでいる。しかし、単純な作業であっても完全に無人化することが難しい業務が依然として存在する。企業は、人手不足やコスト削減の要請などから、これらの業務の実行に課題を有している。
【0003】
一方、社会の多様化に伴い、都合のよい時間や場所を選んで仕事を行うような働き方へのニーズが存在する。また、スマートフォン等の携帯端末の高機能化により、特にスキルを有しない一般人でもスマートフォン等の簡単な操作を行うだけで、一定の役務を提供することが可能になっている。
【0004】
特許文献1には、役務の提供者がウェブページ上に自らが提供できるスキルを登録すると、スキルに合った役務の依頼があったときに役務の提供者の端末へ役務提供の依頼があったことを通知し、役務の提供者が役務を行った結果の成果物を、その端末から取得する役務授受支援システムが開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、依頼者からタスクと希望完了日情報を受け付けると、タスクを小タスクに分割して、分割後の小タスクの実行に必要な時間を算出し、タスク実行者のスキルおよびスケジュールに応じて、実行可能な実行者へ小タスクを割り当てるタスク管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2017-91006号公報
【文献】特開2018-206092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般の人が、携帯端末を利用するだけで企業がアウトソーシングした仕事を自分の都合に合わせて実行することができれば、企業、役務を提供する者の双方にメリットがある。
【0008】
そこでこの発明は、上述した解題を解決する仕事マッチングシステム、制御方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、仕事マッチングシステムは、端末装置と、サーバ端末装置とを含む仕事マッチングシステムであって、前記端末装置は、仕事情報の要求を前記サーバ端末装置へ送信する手段と、前記サーバ端末装置から、応募可能な仕事についての識別情報と仕事の内容と実行場所と期限と報酬ポイントとを含む前記仕事情報を受信する手段と、前記仕事情報の一覧を表示する手段と、前記仕事情報の選択を受け付ける手段と、選択された前記仕事情報の前記識別情報を前記サーバ端末装置に送信する手段と、前記識別情報に係る仕事の依頼が可能か否かの判断結果を前記サーバ端末装置から受信する手段と、前記判断結果が前記仕事の依頼が可能である場合に、前記仕事を実行する手段と、前記仕事の実行結果を前記サーバ端末装置へ送信する手段と、前記サーバ端末装置から、前記仕事の実行結果についての検収処理の結果を受信する手段と、を備え、前記サーバ端末装置は、前記応募可能な仕事についての前記仕事情報の一覧を前記端末装置へ送信する手段と、前記仕事情報の一覧から選択された前記仕事情報の前記識別情報を受信する手段と、前記端末装置から受信した前記識別情報に係る前記仕事を前記端末装置のユーザに依頼することが可能か否かを判断する手段と、前記判断の結果を前記端末装置へ送信する手段と、前記仕事の実行結果を前記端末装置から受信する手段と、前記仕事の実行結果が、所定の基準を満たすか否かを判定することにより前記検収処理を行う手段と、前記検収処理の結果を前記端末装置へ送信する手段と、前記検収処理の結果、前記仕事の実行結果が前記所定の基準を満たすと判定された場合、前記仕事の実行に対する前記報酬ポイントを前記端末装置のユーザに付与する手段と、を備える。
【0010】
本発明の一態様によれば、前記仕事マッチングシステムは、前記仕事情報の要求を前記サーバ端末装置へ送信する手段は、前記仕事情報の要求に加えて自装置の位置情報を前記サーバ端末装置へ送信し、前記仕事情報の一覧を前記端末装置へ送信する手段は、前記位置情報が示す位置を含む所定の範囲で実行される前記応募可能な仕事についての前記仕事情報の一覧を前記端末装置へ送信し、前記表示する手段は、地図情報の前記仕事の実行場所に所定の印を表示することにより、前記仕事の一覧を表示する。
【0011】
本発明の一態様によれば、前記判断する手段は、前記識別情報に係る前記仕事について何れの前記端末装置も依頼が可能と判断されていない状況において、第1の前記端末装置から前記仕事の識別情報を受信した時刻が最も早ければ第1の前記端末装置への前記識別情報に係る前記仕事の依頼が可能と判断し、第1の前記端末装置から前記仕事の識別情報を受信した時刻よりも第2の前記端末装置から前記仕事の識別情報を受信した時刻のほうが早ければ第1の前記端末装置への前記識別情報に係る前記仕事の依頼は不可能と判断する、または、第1の前記端末装置の位置情報が、選択された前記仕事の場所に最も近ければ第1の前記端末装置への前記識別情報に係る前記仕事の依頼が可能と判断し、第1の前記端末装置よりも第2の前記端末装置の位置情報が、選択された前記仕事の場所に近ければ第1の前記端末装置への前記識別情報に係る前記仕事の依頼は不可能と判断する。
【0012】
本発明の一態様によれば、制御方法は、端末装置と、サーバ端末装置とを含む仕事マッチングシステムの制御方法であって、前記端末装置に、仕事情報の要求を前記サーバ端末装置へ送信させ、前記サーバ端末装置に、応募可能な仕事についての前記仕事情報の一覧を前記端末装置へ送信させ、前記端末装置に、前記サーバ端末装置から、応募可能な仕事についての識別情報と仕事の内容と実行場所と期限と報酬ポイントとを含む前記仕事情報を受信させ、前記仕事情報の一覧を表示させ、前記仕事情報の選択を受け付けさせ、選択された前記仕事情報の前記識別情報を前記サーバ端末装置に送信させ、前記サーバ端末装置に、前記仕事情報の一覧から選択された前記仕事情報の前記識別情報を受信させ、前記端末装置から受信した前記識別情報に係る前記仕事を前記端末装置のユーザに依頼することが可能か否かを判断させ、前記判断の結果を前記端末装置へ送信させ、前記端末装置に、前記識別情報に係る仕事の依頼が可能か否かの判断結果を前記サーバ端末装置から受信させ、前記判断結果が前記仕事の依頼が可能である場合に、前記仕事を実行させ、前記仕事の実行結果を前記サーバ端末装置へ送信させ、前記サーバ端末装置に、前記仕事の実行結果を前記端末装置から受信させ、前記仕事の実行結果が、所定の基準を満たすか否かを判定することにより検収処理を行わせ、前記検収処理の結果を前記端末装置へ送信させ、前記検収処理の結果、前記仕事の実行結果が前記所定の基準を満たすと判定された場合、前記仕事の実行に対する前記報酬ポイントを前記端末装置のユーザに付与させ、前記端末装置に、前記仕事の実行結果についての検収処理の結果を受信させる。
【0013】
本発明の一態様によれば、プログラムは、端末装置と、サーバ端末装置とを含む仕事マッチングシステムについて、前記端末装置のコンピュータを、仕事情報の要求を前記サーバ端末装置へ送信する手段、前記サーバ端末装置から、応募可能な仕事についての識別情報と仕事の内容と実行場所と期限と報酬ポイントとを含む前記仕事情報を受信する手段、前記仕事情報の一覧を表示する手段、前記仕事情報の選択を受け付ける手段、選択された前記仕事情報の前記識別情報を前記サーバ端末装置に送信する手段、前記識別情報に係る仕事の依頼が可能か否かの判断結果を前記サーバ端末装置から受信する手段、前記判断結果が前記仕事の依頼が可能である場合に、前記仕事を実行する手段、前記仕事の実行結果を前記サーバ端末装置へ送信する手段、前記サーバ端末装置から、前記仕事の実行結果についての検収処理の結果を受信する手段、として機能させ、前記サーバ端末装置のコンピュータを、応募可能な仕事についての前記仕事情報の一覧を前記端末装置へ送信する手段、前記仕事情報の一覧から選択された前記仕事情報の前記識別情報を受信する手段、前記端末装置から受信した前記識別情報に係る前記仕事を前記端末装置のユーザに依頼することが可能か否かを判断する手段、前記判断の結果を前記端末装置へ送信する手段、前記仕事の実行結果を前記端末装置から受信する手段、前記仕事の実行結果が、所定の基準を満たすか否かを判定することにより前記検収処理を行う手段、前記検収処理の結果を前記端末装置へ送信する手段、前記検収処理の結果、前記仕事の実行結果が前記所定の基準を満たすと判定された場合、前記仕事の実行に対する前記報酬ポイントを前記端末装置のユーザに付与する手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、特にスキルを有しない人でも、端末装置を使用して仕事を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態における仕事マッチングシステムの機能ブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態における端末装置の画面の一例を示す第1の図である。
【
図3】本発明の一実施形態における端末装置の画面の一例を示す第2の図である。
【
図4】本発明の一実施形態における端末装置の画面の一例を示す第3の図である。
【
図5】本発明の一実施形態における処理の一例を示す第1の図である。
【
図6】本発明の一実施形態における処理の一例を示す第2の図である。
【
図7】本発明の一実施形態における処理の一例を示す第3の図である。
【
図8】本発明の一実施形態における仕事マッチングシステムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態>
以下、本発明の一実施形態による仕事マッチングシステムを
図1~
図8を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態における仕事マッチングシステムの機能ブロック図である。
【0017】
(システム構成)
仕事マッチングシステム1は、特別なスキルを必要とせず、端末装置20の機能を利用することにより実行可能な仕事の斡旋を行うシステムである。
図1に示す通り、仕事マッチングシステム1は、管理サーバ装置10と、端末装置20、企業システム30、ポイントシステム40とを含んで構成される。管理サーバ装置10と、端末装置20とはネットワークを介して通信可能に接続されている。管理サーバ装置10と、企業システム30およびポイントシステム40とはネットワークを介して通信可能に接続されている。また、端末装置20とポイントシステム40とはネットワークを介して通信可能に接続されている。管理サーバ装置10は、1台または複数台のサーバ端末装置などのコンピュータによって構成され、例えば、データセンタに設置される。端末装置20は、例えば、コンピュータを備えたスマートフォンなどの携帯端末装置である。また、企業システム30は、企業が、仕事の依頼や納品物の受領に使用するコンピュータシステムである。以下、仕事の依頼者を企業、仕事を実行する者をユーザと記載する。ポイントシステム40は、例えば、ポイントカードを所有するユーザに対して、商品やサービスの購入額と連動したポイントを払い出す一般的なポイントシステムである。本実施形態では、一例として、ユーザが実行した仕事に対する報酬を所定のポイントに換算してユーザに払い出す。現在、様々な企業によって複数のポイントサービスが提供されているが、ユーザが自分の利用しているポイントサービスを選択できるように、管理サーバ装置10が複数のポイントシステム40と連携するように構成されていてもよい。
【0018】
管理サーバ装置10は、企業から仕事の依頼を受け、その仕事を行うユーザの募集、仕事とユーザのマッチング、仕事の成果物の受領・検収、ユーザが実行した仕事への報酬に相当する値の登録などを行う。端末装置20は、ユーザが仕事を実行するうえで必要な機能を提供する。例えば、ユーザは、端末装置20を用いて、管理サーバ装置10から募集中の仕事の一覧情報を取得する。また、端末装置20は、一覧情報の中から選択した仕事を実行する。企業システム30は、管理サーバ装置10へ依頼する仕事の情報を送信したり、管理サーバ装置10から納品物データを受信したりする。ポイントシステム40は、管理サーバ装置10が登録したユーザの仕事に対する報酬を、所定のポイントに換算してユーザへ払い出す。
【0019】
なお、企業システム30、ポイントシステム40は、仕事マッチングシステム1において必須の構成ではない。また、企業システム30が存在する場合でも、必ずしも管理サーバ装置10と通信可能に構成されている必要はない。例えば、企業側の担当者が依頼する仕事の情報を管理サーバ装置10の担当者へ伝え、その担当者が依頼を受けた仕事の情報を管理サーバ装置10へ登録してもよい。また、管理サーバ装置10の担当者が、納品物をDVD等の電子媒体に記録して企業側の担当者へ渡し、企業の担当者が目視により、あるいは、管理サーバ装置10と通信不可能なコンピュータ(企業システム30)を利用して納品物の確認を行うといった実施形態でもよい。また、ポイントシステム40についても、ユーザの仕事に対する報酬はポイントとして払い出す形式に限らず、現金によって支払われたり、仕事を依頼した企業の商品券などによって支払われたりしてもよい。
【0020】
(管理サーバ装置の機能)
管理サーバ装置10は、プラットフォーム部11と、記憶部12と、通信部13と、を備える。
プラットフォーム部11は、企業とユーザを仲介し、仕事の依頼の受付、仕事とユーザのマッチング、ユーザへの仕事の依頼、成果物の受領等、仕事の発生から完了までを管理する機能を有するソフトウェアである。プラットフォーム部11は、仕事情報登録部111と、マッチング部112と、検収処理部113と、報酬管理部114と、ユーザ管理部115とを備える。
【0021】
仕事情報登録部111は、企業から依頼された仕事に関する情報(以下、仕事情報と記載する。)の入力を受け付け、入力された仕事情報を記憶部12に登録する。仕事情報には、仕事の内容、仕事を行う場所、期限、報酬ポイントなどの情報が含まれる。仕事情報登録部111が登録する仕事の一つ一つは、端末装置20に備わる機能を使用することで誰もが実行できるものである。管理サーバ装置10には、端末装置20のリソースの活用によって実行可能な仕事の仕事情報が集積される。
【0022】
マッチング部112は、仕事情報登録部111によって登録された仕事情報のうち、ユーザへ紹介する仕事を抽出し、抽出した仕事情報を端末装置20へ通知する。例えば、マッチング部112は、端末装置20の現在または所定期間における位置情報に基づいて、端末装置20の移動範囲を設定し、その範囲で募集がある仕事情報を抽出する。また、マッチング部112は、ユーザから仕事への応募があったときにそのユーザに仕事を依頼するか否かの判断を行い、依頼すると判断した場合は仕事に、その仕事を依頼するユーザを割り当てる、換言すれば、仕事に依頼先ユーザの端末装置20を割り当てる制御(マッチング)を行う。なお、ユーザと端末装置20の対応関係は、例えば、仕事マッチングシステム1の利用開始時に管理サーバ装置10に登録されるため既知である。例えば、マッチング部112は、ある仕事Aに対して最も早く応募があったユーザの端末装置20を、仕事Aに割り当てる。あるいは、マッチング部112は、仕事Aを行う場所に対して、最も近距離から応募があった端末装置20を、仕事Aに割り当ててもよい。あるいは、マッチング部112は、最も多くのポイントを保有するユーザの端末装置20を、仕事Aに割り当ててもよい。ある端末装置20に仕事Aを割り当てると、マッチング部112は、仕事Aを応募可能な仕事から除外する。また、一度割り当てた仕事Aに対して、ユーザが端末装置20を操作することにより、仕事Aをキャンセルすることができる。その場合、マッチング部112は、端末装置20への仕事Aの割り当てを取り消す。また、マッチング部112は、端末装置20を、仕事Aに割りあててから所定時間が経過しても仕事の結果が送信されてこない場合、端末装置20への仕事Aの割り当てを取り消してもよい。仕事Aの割り当てを取り消すと、マッチング部112は、仕事Aを再び応募可能な仕事として抽出する。
【0023】
検収処理部113は、端末装置20から送信された仕事の実行結果である成果物の受領確認、検収、検収済み成果物の企業への納品等の処理を行う。例えば、仕事の内容が、ある場所で画像を撮影して送信することであれば、検収処理部113は、送信された画像のメタデータに含まれる撮影位置を確認し、仕事情報に含まれる撮影場所と一致するかどうかを判定する。あるいは、検収処理部113は、所定の画像処理によって、送信された画像のフォーカスが合っているか、ぶれているか等の判定を行う。検収処理部113は、これらの判定の結果問題が無ければ、成果物を納品物として企業システム30へ送信する。判定の結果、基準を満たさないようであれば、検収処理部113は、端末装置20へ仕事の再実行を指示する。
【0024】
報酬管理部114は、ユーザの仕事に対する報酬ポイントの算出、登録を行う。例えば、報酬管理部114は、画像の撮影および送信を要求する仕事Aについて、画像1枚につき10ポイントを付与する。ここで「付与」とは、具体的に商品やサービスと交換可能なポイントとして払い出すことではなく、ユーザに対して与えるポイントの値をユーザと対応付けて記憶部12に登録することをいう。また、報酬管理部114は、仕事Aの期限が迫っている場合や、ユーザの募集を行っても募集が無いような地域等について画像1枚につき20ポイントを付与してもよい。また、報酬管理部114は、ユーザが所有するポイントに基づいて、所定値以上のポイントを有しているユーザの端末装置20から送信された画像については、画像1枚につき20ポイントを付与してもよい。
【0025】
なお、報酬管理部114が付与する報酬ポイントは、他の企業等が提供するポイントサービスのポイント、商品、サービス、現金と交換可能であってもよい。報酬ポイントが、商品等に使用された場合、報酬管理部114は、使用された報酬ポイントを、記憶部12に登録されたそのユーザが保有する報酬ポイントの残高から減算する。
【0026】
ユーザ管理部115は、端末装置20のユーザの情報を管理する。例えば、ユーザ管理部115は、ユーザの氏名、年齢、住所、電話番号などのユーザ情報を端末装置20から取得し、記憶部12に登録する。また、ユーザ管理部115は、ユーザごとに、そのユーザが実行した仕事の実績情報、ユーザが保有するポイント等の情報を記憶部12に登録する。
【0027】
記憶部12は、仕事情報やユーザの情報、ユーザが使用する端末装置20の情報など種々の情報を記憶する。例えば、記憶部12には、ユーザの識別情報と、端末装置20の識別情報と、ユーザが報酬によって得た報酬ポイントと、ユーザの仕事の実績情報とが対応付けて登録されている。
通信部13は、ネットワークを介して端末装置20、企業システム30と通信を行う。
【0028】
(端末装置の機能)
端末装置20は、アプリケーション部21と、表示部22と、入力受付部23と、撮影部24と、データ取得部25と、位置情報推定部26と、記憶部27と、通信部28とを備える。これらのうち、アプリケーション部21以外は、例えば、ユーザが端末装置20を購入したときに既に端末装置20が備える構成である。また、端末装置20は、これらの機能以外にもマイク、加速度センサ、傾きセンサなどを購入時に備えていてもよい。
【0029】
アプリケーション部21は、ユーザによる仕事の実行を支援する各種機能を有するソフトウェアである。アプリケーション部21の機能については後述する。
表示部22は、端末装置20の表示画面である。例えば、表示部22は、ディスプレイとタッチパネルが一体に組み合わされたもので表示機能と入力機能を兼ね備えている。
入力受付部23は、ユーザによる不図示のハードウェアボタンや表示部22のタッチパネルへの操作によって端末装置20へ入力された情報を取得する。
撮影部24は、カメラおよびカメラの制御プログラムである。
データ取得部25は、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、Wifi(登録商標)等の通信機能である。
位置情報推定部26は、衛星からのGPS信号や基地局との距離に基づいて、現在位置を推定する。
記憶部27は、アプリケーション部21等のプログラムや各種情報を記憶する。
通信部28は、Wifi(登録商標)や、LTE(Long Term Evolution)等の無線通信回線を利用して通信するための通信機能である。
【0030】
アプリケーション部21は、制御部211と、第1プログラム212と、第2プログラム213と、第3プログラム214とを備える。
制御部211は、ユーザによる仕事の実行に必要な処理を制御する。例えば、制御部211は、ユーザの個人情報を入力する画面を生成し、ユーザが個人情報を入力すると、入力された情報を管理サーバ装置10へ送信する。例えば、制御部211は、応募可能な仕事情報の一覧を表示し、ユーザが仕事を選択すると、選択された仕事の識別情報を管理サーバ装置10へ送信する。また、制御部211は、ユーザが担当する仕事の実行手順の案内を表示したり、次に説明する第1プログラム212等の実行により仕事を実行する。また、制御部211は、管理サーバ装置10から仕事に対する報酬ポイントを取得し、獲得した報酬ポイントを表示する等の制御を行う。
【0031】
第1プログラム212~第3プログラム214は、それぞれ、仕事の内容に応じて作成された仕事の実行プログラムである。
例えば、第1プログラム212は、店舗等の棚割写真を撮影する仕事用に作成されたプログラムである。例えば、ユーザが、棚割写真を撮影する仕事を選択すると、制御部211は、第1プログラム212を起動する。第1プログラム212は、撮影部24と連携して、撮影対象を表示部22へ表示する。ユーザが、撮影指示を行うと、第1プログラム212は、撮影部24を駆動して対象を撮影し、通信部28へ撮影した画像の送信指示を行う。このとき第1プログラム212は、撮影した画像を暗号化したり、撮影した画像を解析して人の顔が写っていたらその部分をぼかしたりマスキングを行う等の処理を行ってもよい。なお、撮影部24が撮影する画像は、静止画でも動画でもよい。また、通信部28が画像を送信した後、第1プログラム212は、店舗の棚割り画像の不正使用や流出を防止するため、撮影した画像を削除してもよい。
【0032】
また、例えば、第2プログラム213は、自動販売機の在庫データを取得する仕事用に作成されたプログラムである。例えば、ユーザが、自動販売機の在庫データを取得する仕事を選択すると、制御部211は、在庫データの取得方法を実行する手順を表示部22へ表示する。例えば、ユーザが、その手順に従って端末装置20を、自動販売機の通信インタフェースへ向けてデータ取得の開始を指示する操作を行うと、制御部211は、第2プログラム213を起動する。第2プログラム213は、データ取得部25と連携して、自動販売機のコントローラと通信し、在庫情報を取得する。第2プログラム213は、通信部28へ在庫情報の送信を指示する。第2プログラム213は、在庫データの送信が完了すると、在庫データを端末装置20から削除してもよい。
【0033】
また、他の例として、第2プログラム213は次のような動作を行うよう構成されていてもよい。例えば、ユーザが自動販売機で商品を購入すると、自動販売機は、商品の購入後の在庫情報を含んだQRコード(登録商標)を自動販売機が備える表示部に表示するように構成されている。また、第2プログラム213は、QRコード(登録商標)を読み取る機能を有している。
ユーザが自動販売機の在庫データを取得する仕事を選択すると、制御部211が表示部22に、商品の購入と、その後表示されるQRコード(登録商標)の読み取りを案内する情報や、QRコード(登録商標)読み取りの操作方法を示した情報を表示する。また、制御部211は、第2プログラム213を起動する。ユーザが、案内に従って商品を購入し、自動販売機が表示するQRコード(登録商標)に向けて端末装置20を構えると、第2プログラム213は、撮影部24と連携して、QRコード(登録商標)を読み取り、QRコード(登録商標)に含まれる在庫情報を取得する。第2プログラム213は、通信部28へ取得した在庫情報の送信を指示し、通信部28が在庫情報を管理サーバ装置10へ送信する。
【0034】
また、例えば、第3プログラム214は、枝が掛かっている電線の様子を撮影して報告する仕事用に作成されたプログラムである。例えば、ユーザが、枝が掛かっている電線を発見し、端末装置20に所定の操作を行うと、制御部211は、第3プログラム214を起動する。第3プログラム214は、撮影部24と連携して、撮影対象を表示部22へ表示する。ユーザが、撮影指示を行うと、第3プログラム214は、撮影部24を駆動して対象を撮影し、通信部28へ撮影した画像の送信指示を行う。第3プログラム214は、画像とともに撮影位置の位置情報の送信を指示してもよい。
【0035】
なお、第1プログラム212~第3プログラム214は、一例であって、アプリケーション部21は、仕事の種類の数だけ各仕事用プログラムを備えていてもよい。
仕事の他の例として、例えば、電気、ガス、水道等の検針、コインパーキングの制御装置からのデータ受信、騒音の計測、地面や建物の傾きの計測、コインランドリの洗濯機や乾燥機等の多数の人が利用する設備のインフラ管理(設備に異常発生していたら画像を撮影し送信する)などが挙げられる。電気、ガス、水道等の検針の場合、端末装置20は、データ取得部25を介して各種計測機器と通信を行って電気等の使用量を取得する。騒音の計測の場合、端末装置20は、自機が備えるマイクが収音した音声データを解析して騒音を算出する。地面等の傾き計測の場合、端末装置20は、自機が備える加速度センサが計測したデータを解析して、端末装置20を置いた場所の傾きを算出する。各プログラムは、これらの処理を実行し、計測結果を管理サーバ装置10へ送信する。
【0036】
また、アプリケーション部21は、ユーザが実行する仕事に関するプログラムのみを備えていてもよい。例えば、アプリケーション部21のインストール時にユーザは、自分が行う仕事に関連するプログラムのみをインストールするよう選択することができる。例えば、自動販売機の在庫データ取得の仕事だけを行いたいユーザの端末装置20には、第2プログラム213のみインストールされる。
【0037】
次にアプリケーション部21の制御部211が生成する画面の一例について、
図2~
図4を参照して説明する。
図2は、本発明の一実施形態における端末装置の画面の一例を示す第1の図である。
図2(a)は、応募可能な仕事の一覧を表示する画面である。表示部22には、地図情報が表示され、仕事がある位置にP1~P5、Q1~Q3、R1~R2で例示する印が表示されている。P~、Q~、R~の印はそれぞれ異なる仕事を表している。例えば、P1~P5が自動販売機のデータ取得、Q1~Q3が店舗棚割り写真の撮影、R1~R2がコインランドリのインフラ管理の仕事である。表示される地図情報および仕事情報は、例えば、端末装置20の現在位置を中心とする所定範囲のものが表示される。例えば、ユーザがP1を選択すると、制御部211は、P1の仕事内容や獲得できる報酬ポイントを表示してもよい。また、
図2(a)に例示する画面上で、ユーザが所定の操作を行うと、自分が担当したい仕事を選択することができる。選択できる仕事の数に上限を設け、ユーザが選択した仕事の数が上限を超えると、制御部211は、エラーメッセージを表示してもよい。ユーザが、画面上でP1とQ1を選択すると、制御部211は、P1とQ1が選択されたことを示す情報を管理サーバ装置10へ送信する。管理サーバ装置10では、マッチング部112が、例えば、同時刻に他にP1、Q1を選択したユーザが存在しないならば、ユーザの端末装置20の識別情報にP1が示す仕事の識別情報とQ1が示す仕事の識別情報を割り当てる。
【0038】
図2(b)は、ユーザに割り当てられた仕事P1の実行を支援する画面である。制御部211は、ユーザが正しく特定の外部機器と通信を確立させ、在庫データの受信が可能なように、画面で操作を促し、送受信状況や完了状況について画面の表示や音で案内を行う。例えば、ユーザが仕事P1を実行する場所に到着し、その場所でアプリケーション部21を起動し、所定のメニュー画面から「自動販売機のデータ取得」を選択する。すると、制御部211は、例えば、
図2(b)に例示する画面を表示する。あるいは、制御部211は、ユーザが正しく在庫データの取得ができるように、仕事の手順を、テキストや動画で案内したり、端末装置20が備えるスピーカを用いて音声による案内を行ったりしてもよい。そしてユーザが
図2(b)に例示する画面で「接続する」を押下すると、第2プログラム213が実行され、データ取得部25は、自動販売機から在庫データの取得を開始する。
【0039】
図3は、本発明の一実施形態における端末装置の画面の一例を示す第2の図である。
図3(c)は、在庫データの受信中に表示される画面である。第2プログラム213は、自動販売機と通信を行って、取得した在庫データを記憶部27へ記録する。制御部211は、在庫データの取得度合いに応じて、
図3(c)に例示する画面を生成し、表示部22に表示する。在庫データの取得処理が終了すると、第2プログラム213は、在庫データを管理サーバ装置10へ送信するよう通信部28へ指示する。在庫データの送信が完了すると、第2プログラム213は、取得した在庫データを記憶部27から削除する。在庫データの削除が完了すると、第2プログラム213は終了する。また、在庫データの送信完了時に、制御部211は、仕事が完了したことをユーザに表示部22の表示や音で通知する。
【0040】
図3(d)は、今回の仕事に対して付与された報酬ポイントを表示する画面である。制御部211は、在庫データの送信後、管理サーバ装置10から今回獲得した報酬ポイント(100ポイント)を取得し、
図3(d)に例示する画面を生成し、表示部22に表示する。
【0041】
図4は、本発明の一実施形態における端末装置の画面の一例を示す第3の図である。
図2、
図3では、自動販売機から在庫データを取得する仕事の場合を例に説明を行ったが、例えば、商品の棚割りやインフラ設備の保全状況等の特定の箇所や状態管理のために画像を撮影する仕事の場合にも、制御部211は、ユーザが、正しく仕事を実行できるよう仕事の実施の仕方を表示したり、音声による案内を行ったりする。例えば、制御部211は、表示部22に撮影された画像の好ましい例を表示し、その例に倣って画像を撮影するよう促す。あるいは、制御部211は、スピーカを使い音による案内を行ってもよい。さらに制御部211は、撮影対象を表示部22に表示しているときに、AR(Augmented Reality)を活用して、棚割り商品の画像であれば、表示部22に撮影した商品が写ってほしい範囲を示すガイドを重ね合わせて表示したり(
図4の領域41)、端末装置20が備える水平器や加速度センサを使い水平な撮影を促したりしてもよい(
図4の領域42)。また、制御部211は、位置情報推定部26が推定する位置に基づいて、ユーザを正しい撮影場所にユーザを案内するような表示を行ってもよい。
また、制御部211は、画像の撮影完了時や送信完了時に、それらの処理ステータスを表示部22の表示や音でユーザへ通知する。
【0042】
次に仕事マッチングシステム1の処理について説明する。まず、
図5を用いてユーザ情報の管理サーバ装置への登録処理について説明する。
図5は、本発明の一実施形態における処理の一例を示す第1の図である。
例えば、ユーザの操作により、端末装置20は、管理サーバ装置10からアプリケーションをダウンロードして(ステップS1)、自機にインストールする(ステップS2)。なお、アプリケーションのダウンロードは、端末装置20のプラットフォーム(Operating Systemなど)に対応する専用のダウンロードサイト(例えばGoogle Playストア等)から行ってもよい。また、このとき、ユーザは、自分が行う仕事の種類を選択できてもよい。インストーラは、選択された仕事に応じて、第1プログラム212~第3プログラム214の何れかをインストールする。インストールされたアプリケーションは、アプリケーション部21である。インストールが完了すると、制御部211が、ユーザの氏名、住所などのユーザの個人情報の入力を求める画面を表示部22に表示する。ユーザは、これらの情報を入力する。制御部211は、通信部28を介してユーザ情報を管理サーバ装置10へ送信する(ステップS3)。管理サーバ装置10では、ユーザ管理部115が、通信部13を介してユーザの個人情報を受信する。ユーザ管理部115は、ユーザの識別情報と個人情報とを対応付けて記憶部12へ登録する(ステップS4)。また、ユーザ情報の送信とともに、制御部211は、端末装置20の識別情報や機種情報、搭載されているハードウェアやソフトウェアの情報を管理サーバ装置10へ送信する。管理サーバ装置10では、ユーザ管理部115が、端末装置20の機能に関するこれらの情報をユーザ情報と対応付けて記憶部12へ登録する。
【0043】
次に仕事の登録からマッチング、仕事の実行、納品までの処理について
図6、
図7を用いて説明する。
図6は、本発明の一実施形態における処理の一例を示す第2の図である。
まず、企業が、端末装置20の機能の利用により実行可能な仕事を管理サーバ装置10へ登録する。例えば、企業システム30が、仕事情報を管理サーバ装置10へ送信する(ステップS10)。仕事情報には、仕事の識別情報、仕事の種類(例えば、「商品の棚割り画像の撮影」、「自動販売機から在庫データの取得」等)、仕事の場所、仕事の実行期限などが含まれる。管理サーバ装置10では、仕事情報登録部111が、通信部13を介して仕事情報を取得し、送信された仕事情報を記憶部12へ登録する(ステップS11)。なお、仕事情報は、企業システム30から管理サーバ装置10へ送信される実施形態に限らない。例えば、企業システム30と管理サーバ装置10が通信可能に接続されていない場合など、担当者が、管理サーバ装置10に仕事情報を直接入力し、仕事情報登録部111が入力された仕事情報を記憶部12へ登録してもよい。
また、報酬管理部114が、登録された各仕事について報酬ポイントを設定する。例えば、仕事を依頼した企業からの対価に応じて付与される報酬ポイントが予め定められていて、報酬管理部114は、定められた報酬ポイントを各仕事の識別情報に対応付けて記憶部12に登録する。
【0044】
次にユーザは、端末装置20を操作し、アプリケーション部21を起動する。例えば、ユーザが、不図示のメニュー画面から「仕事一覧」を押下する。すると、制御部211が、通信部28を介して、管理サーバ装置10へ仕事情報を要求する(ステップS12)。あるいは、アプリケーション部21の起動時に、起動をトリガとして制御部211が管理サーバ装置10へ仕事情報の要求を行う。このとき、制御部211は、端末装置20の現在の位置情報を送信する。
【0045】
管理サーバ装置10では、マッチング部112が仕事情報の要求と位置情報とを取得し、記憶部12に登録された仕事情報の中から、送信された位置情報の周辺の仕事情報であって、未だどの端末装置20にも割り当てられていない仕事情報を抽出して読み出す(ステップS13)。マッチング部112は、抽出した仕事情報を端末装置20へ送信する(ステップS14)。仕事情報には、識別情報、仕事の内容、実行場所、期限、報酬ポイントが含まれる。
【0046】
端末装置20では、制御部211が、仕事情報を取得し、
図2(a)に例示する仕事一覧画面を表示する(ステップS15)。例えば、制御部211は、仕事の実行期限が迫っているものを他とは異なる色で表示してもよい。また、
図2(a)に例示する画面は、ユーザが指定する種類の仕事だけを表示したり、ユーザが指定する報酬ポイント以上の仕事だけを表示したりといったフィルタ機能を備えていてもよい。
【0047】
仕事一覧画面でユーザが仕事を選択すると、入力受付部23は、その選択を受け付ける(ステップS16)。次に制御部211は、選択された仕事の識別情報を管理サーバ装置10へ送信する(ステップS17)。
【0048】
管理サーバ装置10では、マッチング部112が選択された仕事の識別情報を取得し、ユーザへの仕事の依頼が可能か否かを判断する(ステップS18)。例えば、ほぼ同時刻に他の端末装置20Bから同じ仕事に対する応募がなされた場合、端末装置20Bから仕事の識別情報を受信した時刻の方が早ければマッチング部112は仕事の依頼はできないと判断し、端末装置20Bからの受信時刻の方が遅ければ、マッチング部112は仕事の依頼は可能と判断する。また、例えば、端末装置20Bの方が仕事場所に近ければ、マッチング部112は仕事の依頼はできないと判断し、端末装置20Bの方が仕事場所から遠ければ、マッチング部112は仕事の依頼は可能と判断してもよい。また、例えば、端末装置20Bのユーザの方が多くの報酬ポイントを獲得していれば、マッチング部112は仕事の依頼はできないと判断し、端末装置20Bのユーザの方が獲得した報酬ポイントが少なければ、マッチング部112は仕事の依頼は可能と判断してもよい。
【0049】
マッチング部112は、判断の結果などを端末装置20へ送信する(ステップS19)。具体的には、マッチング部112は、仕事の依頼が可能な場合には判断結果とともに仕事の実行方法を端末装置20へ送信する。仕事の依頼が可能な場合も、依頼が不可の場合も制御部211は、判断結果に応じた表示を行う。依頼不可と判断された場合、ユーザは、再び仕事の選択を行う。また、マッチング部112は、仕事情報を更新する(ステップS20)。例えば、マッチング部112は、ユーザが選択した仕事の識別情報と、その仕事を依頼した端末装置20の識別情報とを対応付けて記憶部12へ登録する。これにより、ユーザが選択した仕事は、応募できなくなる。
【0050】
図7は、本発明の一実施形態における処理の一例を示す第3の図である。
選択した仕事が依頼可能と判断された場合、ユーザは、端末装置20を用いて仕事を実行する。例えば、制御部211は、「自動販売機から在庫データを取得する」、「商品の棚割り画像の撮影」等のボタンを表示した画面を表示部22に表示する。そして、ユーザが、自分が選択した仕事の種類に応じたボタンを押下する。すると、制御部211は、操作などを案内する表示や音声出力を行う(
図2(b)、
図4)。ユーザが、その案内に従って仕事の実行準備を整え、実行指示を端末装置20へ入力する。すると、制御部211が、各仕事用のプログラム(第1プログラム212など)を実行して、仕事を実行する(ステップS21)。第1プログラム212等は、仕事を実行すると、成果物(画像や在庫データなど)を管理サーバ装置10へ送信する(ステップS22)。
【0051】
管理サーバ装置10では、検収処理部113が仕事の成果物を取得する。検収処理部113は、成果物の検収処理を行う(ステップS23)。例えば、仕事の実行結果が画像の場合、検収処理部113は、機械学習により構築された学習済みモデルや所定の画像処理に基づき、画像の所定範囲に対象が写っているかどうかを判定したり、フォーカス、撮影場所の位置情報、タイムスタンプ、画素値のヒストグラム等の属性情報をそれぞれの基準値と比較する。検収処理部113は、基準を満たしていれば検収成功と判定し、基準を満たさない場合、検収失敗と判定する。
【0052】
また、仕事の実行結果が在庫データなどの場合、検収処理部113は、データに含まれるデータ取得対象装置(例えば、自動販売機)の識別情報や、タイムスタンプ、データフォーマット、データ受信時のユーザの位置情報等を正しい値と比較し、各情報が正しければ検収成功と判定する。検収処理部113は、検収結果をユーザ管理部115へ出力する。ユーザ管理部115は、ユーザの識別情報と、仕事情報と、検収結果(仕事の実績情報)とを対応付けて記憶部12へ登録する。
なお、成果物の検収処理は、管理サーバ装置10に画像や在庫情報を表示させ、担当者が目視によって確認してもよい。
【0053】
また、検収処理部113は、通信部13を介して、検収結果を端末装置20へ送信する(ステップS24)。端末装置20では、制御部211が、検収結果を取得する。検収結果が失敗の場合、制御部211は、仕事の再実行を促す表示等を行う。
また、ステップS22において成果物を企業システム30へ送信し、企業システム30の担当者が目視などにより成果物の検収を行ってもよい。あるいは、企業システム30が、ステップS23で説明した検収処理を行ってもよい。この場合、ステップS24では、企業システム30から管理サーバ装置10へ検収結果を送信し、管理サーバ装置10が企業システム30から受信した検収結果を端末装置20へ送信する。
【0054】
検収処理に成功した場合、報酬管理部114は、報酬ポイントを登録する(ステップS25)。報酬管理部114は、仕事と対応付けて定めておいた報酬ポイントを、その仕事に割り当てられた端末装置20のユーザに付与する。例えば、ユーザ管理部115は、報酬管理部114から付与されるポイントの情報を取得して、記憶部12が記憶するユーザの報酬ポイントに、付与されたポイントを加算して加算後のポイントを記憶部12に登録する。
ユーザ管理部115は、今回付与された報酬ポイントの値と、付与後の報酬ポイントの残高を、端末装置20へ送信する(ステップS26)。
【0055】
端末装置20では、制御部211が、報酬ポイントの情報を取得する。制御部211は、ユーザに報酬ポイントが付与されたことを表示や音によって通知する。例えば、制御部211は、
図3(d)に例示する画面を表示する。また、ユーザの操作により、制御部211は、ユーザが保有している報酬ポイントの残高を表示部22へ表示する(ステップS27)。
【0056】
また、ステップS23で検収結果が成功の場合、制御部211は、成果物を納品物として、企業システム30へ送信する(ステップS28)。なお、納品物については、担当者が、端末装置20から受信した成果物に対して、更に所定の処理を行って企業と契約した形式に整形する(例えば、一定量をまとめて納品する)等の処理を行ってもよい。
さらに納品方法は、管理サーバ装置10から企業システム30への送信に限らず、端末装置20から直接、企業システム30へ成果物を送信することによって行われてもよいし、管理サーバ装置10へ送信された成果物を電子媒体に記録して、その電子媒体を企業へ納品するような方法であってもよい。
【0057】
次にユーザの操作により、端末装置20が管理サーバ装置10へ報酬ポイントの払い出しを要求する(ステップS29)。すると、管理サーバ装置10では、ユーザ管理部115が、端末装置20に紐づけられたユーザに付与された報酬ポイントを読み出して、ポイントシステム40に読み出した報酬ポイント分のポイントをユーザに払い出すよう指示する(ステップS30)。ポイントシステム40は、指示された分のポイントをユーザへ払い出す(ステップS31)。
【0058】
(効果)
上記した処理によれば、ユーザは、端末装置20を操作することにより、自分の都合に合う時間や場所の仕事を選び、仕事を実行することができる。換言すれば、自分が所有するスマートフォン等の機能を企業側へシェアすることで対価を得ることができる。
また、企業は、端末装置20の機能によって補完できる自社の仕事については、仕事マッチングシステム1を利用することで、アウトソーシングすることができる。これにより、専任者の雇用、端末装置20を購入するコストを削減することができる。
【0059】
例えば、自動販売機の在庫データの取得の場合、一般にドライバが車両を運転して自動販売機を回って在庫を確認したり、自動販売機に通信装置を搭載して在庫データを送信させたりすることで在庫管理を行うことが多い。仕事マッチングシステム1によれば、例えば、自動販売機に飲料を購入してきたユーザに、在庫データの取得および送信を実行してもらうことで自動販売機の在庫管理が可能になる。これにより、飲料メーカは、人員コストや通信コストを削減することができる。また、在庫データの取得により、自動販売機の在庫を効率よく補い、販売機会の逸失を防ぐことができる。また、在庫データ取得のために自動販売機へ立ち寄ったユーザが、自動販売機で飲料を購入する効果が期待できる。
【0060】
また、アプリケーション部21によれば、仕事の実行から管理サーバ装置10への成果物の送信までを一貫して実行するので、ユーザが成果物に手を加えたり、成果物が外部へ流出することを防ぐことができる。企業は、安心して仕事マッチングシステム1へ仕事を依頼することができる。
【0061】
(他の実施例)
なお、企業が仕事を依頼するときに、各仕事に、その仕事を実行するユーザに関する条件を指定してもよい。例えば、企業は、過去に仕事マッチングシステム1を所定回数以上利用して仕事を行った実績や、検収成功の確率が90%以上であることや、獲得した報酬ポイントが所定値以上であること等を条件として仕事を依頼することができる。ステップS13では、マッチング部112が、仕事情報を要求した端末装置20の位置情報のほか、これらの条件に応じて仕事情報を抽出する。
【0062】
また、ステップS11、S25について、報酬管理部114は、報酬ポイントに使用期限を設定することができる。報酬ポイントに期限が設定されている場合、報酬管理部114は、期限が到来するとポイントを消滅させる。具体的には、報酬管理部114は、消滅するポイントの値を減算するようユーザ管理部115に指示し、ユーザ管理部115が、記憶部12に登録されたユーザの報酬ポイントの残高から、消滅対象のポイント値を減算する処理を行う。
【0063】
また、ステップS12について、ユーザが、仕事を実行したい地区の情報を端末装置20へ入力し、制御部211が、入力された地区の情報を送信してもよい。この場合、ステップS13でマッチング部112は、指定された地区の仕事のうち、他の端末装置20に割り当てられていない仕事情報を抽出する。
【0064】
また、ステップS12について、制御部211は、過去にユーザが仕事を実行した地区を提示し、ユーザがこの中から仕事を行う地区を選択し、仕事情報の要求とともに選択した地区の情報を管理サーバ装置10へ送信してもよい。また、制御部211が、過去の端末装置20の位置情報に基づいて、端末装置20の移動範囲を設定し、設定した移動範囲の情報を仕事情報の要求とともに管理サーバ装置10へ送信してもよい。マッチング部112は、端末装置20から受信した地区の情報や移動範囲の情報に基づいて仕事情報の抽出を行う。
【0065】
また、ステップS13について、マッチング部112は、仕事情報を要求した端末装置20で実行可能な仕事のみを抽出してもよい。例えば、ある企業の自動販売機の在庫データ取得に用いる通信機能を備えていない端末装置20に対して、マッチング部112は、その企業の自動販売機の在庫データ取得の仕事情報を提供しないようにしてもよい。また、端末装置20が備えるカメラの解像度が所定の基準を満たさない場合、マッチング部112は、その端末装置20に対して画像撮影の仕事情報を提供しないようにしてもよい。
【0066】
また、ステップS23について、成果物の検収処理によって、仕事の不正が検出された場合や、ユーザが規約に違反した場合、報酬管理部114は、その仕事の報酬ポイントを消滅させたり、そのユーザの報酬ポイント残高から所定の値を削減したりしてもよい。例えば、検収処理部113が、タイムスタンプや位置情報の改ざん、画像やデータの改ざんなどをチェックするようにし、それらが検出された場合、報酬ポイントの減算を行ってもよい。
【0067】
また、ステップS25について、報酬管理部114は、仕事の期限に応じて、付与する報酬ポイントを変更してもよい。例えば、仕事の期限までの期間が所定の期間内となると、報酬管理部114は、該仕事の実行に対して付与される報酬ポイントを所定値だけ上昇させる。これにより、仕事への応募を促進し、企業から依頼された仕事の達成率を向上することができる。
【0068】
また、ステップS25について、報酬管理部114は、仕事の質が高いユーザ(例えば、検収成功率が所定の閾値以上のユーザ)に対して付与する報酬ポイントを上昇させてもよい。これにより、質の高いユーザを確保し、仕事マッチングシステム1の信頼性を高めることができる。
【0069】
また、ステップS28について、例えば、画像を納品する場合、所定の画像処理により画像内に写った人を検出し、顔画像にぼかしを入れる等の処理を行ってもよい。これにより、個人情報の流出や悪用を防止することができる。
【0070】
(ハードウェアの構成)
図8は、本発明の一実施形態における仕事マッチングシステムのハードウェア構成の一例を示す図である。
コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、入出力インタフェース904、通信インタフェース905を備える、例えば、スマートフォンなどのモバイル端末装置、PC(Personal Computer)、サーバ端末装置などである。上述の管理サーバ装置10、端末装置20、企業システム30の各々は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各処理は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、記憶領域を主記憶装置902に確保する。また、CPU901は、プログラムに従って、処理中のデータを記憶する記憶領域を補助記憶装置903に確保する。
【0071】
なお、少なくとも1つの実施形態において、補助記憶装置903は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、入出力インタフェース904を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行しても良い。また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置903に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0072】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
なお、アプリケーション部21は実行部の一例である。通信部28は端末装置の送信部の一例である。通信部13はサーバ端末装置の送信部の一例である。検収処理部113は取得部および検収部の一例である。QRコード(登録商標)は二次元コードの一例である。
【符号の説明】
【0073】
1・・・仕事マッチングシステム
10・・・管理サーバ装置
11・・・プラットフォーム部
111・・・仕事情報登録部
112・・・マッチング部
113・・・検収処理部
114・・・報酬管理部
115・・・ユーザ管理部
12・・・記憶部
13・・・通信部
20・・・端末装置
21・・・アプリケーション部
211・・・制御部
212・・・第1プログラム
213・・・第2プログラム
214・・・第3プログラム
22・・・表示部
23・・・入力受付部
24・・・撮影部
25・・・データ取得部
26・・・位置情報推定部
27・・・記憶部
28・・・通信部
30・・・企業システム
900・・・コンピュータ
901・・・CPU
902・・・主記憶装置
903・・・補助記憶装置
904・・・入出力インタフェース
905・・・通信インタフェース