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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】玄関前構造物
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/00 20060101AFI20230915BHJP
   E06B 11/02 20060101ALI20230915BHJP
   H04M 1/11 20060101ALI20230915BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20230915BHJP
【FI】
E04B1/00 503
E06B11/02 Q
H04M1/11 Z
H04M1/02 G
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020006149
(22)【出願日】2020-01-17
(65)【公開番号】P2021113429
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 恭
(72)【発明者】
【氏名】柏 貴夫
【審査官】沖原 有里奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-196416(JP,A)
【文献】特開2007-217888(JP,A)
【文献】特開2010-196415(JP,A)
【文献】特開2001-237937(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/00
E06B 11/02
H04M 1/02-1/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
玄関前構造物本体と、玄関前構造物本体に取付けられるインターホンと、インターホンを玄関前構造物本体に取り付けるための取付部材を備え、
玄関前構造物本体は、インターホンが配置される表面を有するとともに、表面には開口部が設けられており、
取付部材は、インターホンを玄関前構造物本体に取り付けるためのインターホン取付部と、取付部材を玄関前構造物本体に固定するための固定部とを有しており、玄関前構造物本体に対する固定の向きを表裏反転することで玄関前構造物本体の表面に対する取付部材の取付部の前後方向の位置が変更する玄関前構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の玄関の前に設けられる玄関ポール等の玄関前構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターホンを有する玄関ポール等の玄関前構造物が知られている。(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-196415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のインターホンが設けられた玄関ポールは、玄関前の所望の位置に設置することで、適宜インターホンを配置することができる。
近年、大きさやデザインが様々なインターホンが開発されており、また、玄関ポールに対するインターホンの取付けについても、さまざまな要望が出てきた。
【0005】
本発明は、玄関ポールに対するインターホンの取付けを容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、玄関前構造物本体と、玄関前構造物本体に取付けられるインターホンと、インターホンを玄関前構造物本体に取り付けるための取付部材を備え、 玄関前構造物本体は、インターホンが配置される表面を有するとともに、表面には開口部が設けられており、取付部材は、インターホンを玄関前構造物本体に取り付けるためのインターホン取付部と、取付部材を玄関前構造物本体に固定するための固定部とを有しており、玄関前構造物本体に対する固定の向きを表裏反転することで玄関前構造物本体の表面に対する取付部材の取付部の前後方向の位置が変更する玄関前構造物である。
【発明の効果】
【0007】
本実施形態によれば、さまざまなインターホンの取付けに対応できる玄関ポール等の玄関前構造物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る玄関前構造物の外観図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図であり、(c)は背面図である。
図2】本発明の実施形態に係る玄関前構造物を構成する正面板の図であり、(a)はインターホンを取り付ける部分の竪断面図であり、(b)は平面図であり、(c)はインターホンを取り付ける部分を背面側から見た図である。
図3】本発明の実施形態に係る玄関前構造物を構成する部材を説明する図であり、(a)はインターホンを取り付ける部分の一部竪断面図であり、(b)は一部平面図であり、(c)は補強部材の断面図である。
図4】本発明の実施形態に係る玄関前構造物を構成する部材を説明する図であり、(a)は台座取付部材の横断面図であり、(b)は台座取付部材を背面側から見た図であり、(c)は台座取付部材を取り付けた部分の横断面図であり、(d)は台座取付部材を取り付ける部分の一部横断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る玄関前構造物を構成する部材を説明する図であり、(a)はインターホンを取り付ける部分の竪断面図であり、(b)はインターホンを取り付ける部分を背面側から見た図である。
図6】本発明の実施形態に係る玄関前構造物を構成するインターホン取付台座の図であり、(a)は正面図であり、(b)は竪断面図であり、(c)はインターホンを固定した状態の側面図であり、(d)は他の正面図であり、(e)は他の側面図である。
図7】本発明の実施形態に係る玄関前構造物に内蔵取付けでインターホンを取り付ける状態を説明する図であり、(a)は玄関前構造物にインターホンを取り付けるときの図であり、(b)は玄関前構造物にインターホンを取り付けるときの一部竪断面図であり、(c)は玄関前構造物にインターホンを取り付けた状態の一部竪断面図であり、(d)は玄関前構造物にインターホンを取り付けた他の状態の一部竪断面図である。
図8】本発明の実施形態に係る玄関前構造物を構成する部材を説明する図であり、(a)はインターホンを取り付ける部分の一部竪断面図であり、(b)はインターホンを取り付ける部分を背面側から見た図であり、(c)は一部平面図である。
図9】本発明の実施形態に係る玄関前構造物に外付けでインターホンを取り付ける状態を説明する図であり、(a)は玄関前構造物にインターホン取付台座を取り付けるときの図であり、(b)は玄関前構造物にインターホン取付台座を取り付けるときの一部竪断面図であり、(c)(d)は玄関前構造物にインターホン取付台座を取り付けた状態の一部竪断面図である。
図10】本発明の実施形態に係る玄関前構造物に外付けでインターホンを取り付ける状態を説明する図であり、(a)は玄関前構造物にインターホンを取り付けるときの図であり、(b)は玄関前構造物にインターホンを取り付けるときの一部竪断面図であり、(c)は玄関前構造物にインターホンを取り付けた状態の一部竪断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態の玄関前構造物について、正面にインターホンが設けられた玄関ポールの例をあげ、図面を参考にして説明する。
なお、本実施形態の説明において、建物の玄関の前に立設された玄関ポールの反建物側を正面側といい、建物側を背面側という。また、玄関ポールの中心に向かう側を内側といい、中心から離れていく側を外側という。
【0010】
(全体の構成)
図1に示すように、本実施形態の玄関ポール1は、正面と、背面と、左右両側面を有する断面矩形上の支柱状物であり、玄関ポール1の正面から上面を構成する正面板11と、両側面を構成する左右の側面板12,12と、背面を構成する背面板13を有している。
【0011】
玄関ポール1は、例えば上から照明装置と、インターホン5と、ポスト等が配置されており、玄関ポール1の正面には、照明部分Aと、インターホン5の操作面Bと、ポストの投函口Cが設けられるとともに、玄関ポール1の背面には、ポストの取り出し口Dが設けられている。
【0012】
玄関ポール1に配置された照明装置は、建物内に配置された電源との間で配線等されて接続されており、建物内のスイッチもしくは明るさセンサー等によって点灯する。
また、玄関ポール1に配置されたインターホン5は、建物内に配置された電源及び親機との間で配線等されて接続されており、インターホン5を操作することでチャイムを鳴らしたり、建物内の親機と通信したりできる。
【0013】
以上のように、玄関ポール1には、各種の機能装置が設けられるが、該機能装置は、必ずしも当該玄関ポール1専用の装置ではなく、顧客の希望によってはさまざまな寸法や外形を有する装置を設けられることが好ましい。
特に、インターホン5に関しては、その寸法、外形等が様々で、玄関ポール1は、それら様々な寸法、外形を有するインターホンの取付けが可能であることが好ましい。
本実施形態の玄関ポール1は、種々のインターホンの取付けを可能にしている。
【0014】
(インターホンの第1の取付例)
本実施形態の玄関ポール1における第1の取付例では、玄関ポール1はインターホン5を内蔵して取付けており、正面板11に設けられた開口部111aから、インターホン5の操作面Bが操作可能に露出している。
以下、インターホン5を内蔵して取付けるための構成について説明する。
【0015】
本実施形態の玄関ポール1においては、インターホン5は、正面板11の左右両側の背面位置に高さ方向に沿って配置される長尺部材である補強部材2,2と、正面板11の開口部111aの上下位置に配置され、補強部材2,2と正面板11との間に挟まれて固定される上下の台座取付部材3,3と、上、下の台座取付部材3,3に固定されインターホン5を固定するインターホン台座4によって玄関ポール1の正面板11に取付けられる。
【0016】
(正面板)
玄関ポール1の正面板11は、例えばアルミ形材からなり、図2(a),(b),(c)に示すように、玄関ポール1の正面を形成する正面板本体111と、正面板本体111の左右両端に設けられ左右の側面板12,12の正面側端縁が当接される凹部112,112と、正面板本体111の背面側に長手方向に沿って設けられる断面略L字状の2条の取付リブ113,113を有している。
【0017】
正面板11の正面板本体111の所定の位置には、インターホン5の操作面Bが露出するインターホン切欠き部(開口部)111aが形成されており、開口部111aの周りには、クッション材111bが両面テープ等によって取り付けられている。
そして、取付リブ113,113は、インターホン5が配置される位置において、切り欠かれている。
【0018】
(補強部材)
正面板11の背面側の左右両側位置に、図3(a),(b)に示すように、正面板11の長手方向に沿って補強部材2,2が配置されている。左右の補強部材2,2は、正面板11の長手方向の長さとほぼ同じ長さを有する断面中空形状の長尺部材により形成されており、正面板11の凹部112,112に当接される側面板12,12に対して、図示しないネジ等の固定手段によって固定されている。なお、図3(a)においては、側面板12は省略されている。
【0019】
補強部材2,2は、アルミ合金等の金属材料からなり、図3(c)に示すように、中空部21と、中空部21の内側背面側端部より背面方向に延びる片22を有しており、中空部21の内側正面側の角部をへこませて正面側面21bと内側面21cとからなる段部21aが設けられている。
補強部材2,2は、正面板本体111の取付リブ113,113よりも左右外側に配置されている。
【0020】
(台座取付部材)
正面板11の背面側で開口部111aの上下位置には、インターホン台座4を固定するための台座取付部材3、3が設けられる。
台座取付部材3は、アルミ合金等の金属材料からなり、開口部111aよりも大きな幅寸法を有し、高さ方向に短い短尺部材として形成されている。
【0021】
台座取付部材3は、図4(a),(b)に示すように、インターホン台座4を取り付けるための平板状の台座取付部31と、台座取付部31の左右両端から背面方向に突出する側壁部32,32と、台座取付部31の左右両側から延びて側壁部32,32からさらに左右方向に延設された取付片部33,33と、台座取付部31の正面側左右位置に正面方向に延設されたリブ部34,34を有している。
【0022】
台座取付部31の左右両側には、それぞれ上下方向に一つの長孔31aと、2つのネジ孔31b,31cが形成されており、取付片部33には、ネジ孔33aが形成されている。また、必要に応じて、側壁部32にネジ孔を形成してもよい。
【0023】
台座取付部材3は、図4(c),(d)に示すように、取付片部33,33の背面側を側面板12,12に固定された補強部材2,2の正面側面21bに当接させ、ネジ孔33a,33aを介して補強部材2,2の段部21aの正面側面21bにネジ等の固定手段b1によって固定される。
【0024】
補強部材2,2に台座取付部材3を固定した後に、正面板11を、図4(c)の矢印xに示すように、玄関ポール1の正面及び上面を覆うように嵌め込んで、裏面側から正面板11の取付リブ113,113に対して台座取付部材3,3の台座取付部31に形成した長孔31a,31aを介してビス等の固定手段b2によって固定する。
補強部材2,2及び正面板11に固定された台座取付部材3,3は、図5(b)に示すように、正面板11の開口部111aの上下位置に配置され、図5(a)に示すように、正面板11の背面から前後方向で距離t1だけ離れた位置に台座取付部31が配置される。
【0025】
(インターホン台座)
正面板11の背面側で開口部111aの上下位置に形成された台座取付部材3,3に、インターホン台座4が取付けられる。
インターホン台座(取付部材)4は、例えばスチール等の金属材料からなり、図6(a),(b)に示すように、インターホン5が取り付けられるインターホン取付部41と、玄関ポール1に固定された台座取付部材3,3の台座取付部31,31に固定される上固定部42及び下固定部43と、インターホン取付部41と上固定部42及び下固定部43とを連結する上連結部421及び下連結部431が一体的に形成されている。
【0026】
インターホン取付部41と上固定部42及び下固定部43は、それぞれ平行な面で形成されており、玄関ポール1に取付けた際に、正面板11の表面に直交する方向で位置がずれるように形成されている。
【0027】
インターホン取付部41には、適宜位置にインターホン5等を取り付けるための取付孔41aが形成されており、適宜配線を通す孔等が形成されている。また、上固定部42には、左右端部近傍にビス等の固定手段b3を挿通する挿通孔42a,42aが形成されており、下固定部43には、左右端部近傍にビス等の固定手段b3を挿通する挿通溝43a,43aが下固定部43の下端から切欠かれて形成されている。
【0028】
インターホン5を玄関ポール1に対して内蔵取付けする際には、図6(c)に示すように、インターホン台座4は、インターホン取付部41の上固定部42及び下固定部43が存在する側の面に、インターホン5がビス等の固定手段により取り付けられている。
【0029】
インターホン5が取付けられたインターホン台座4、すなわちインターホン台座4が取付けられたインターホン5は、図7(a)に示すように、背面板13が外された、玄関ポール1の背面より、インターホン取付部41が背面側に位置し、上、下固定部42,43が正面側に位置する状態で挿入され、図7(b)に示すように、正面板11の開口部111aの周りに配置されたクッション材111bに対してインターホン5の正面側が当接するまで挿入される。
【0030】
インターホン5が取付けられたインターホン台座4は、図7(c)に示すように、インターホン5の正面側がクッション材111bに当接した状態で、上固定部42及び下固定部43と台座取付部材3,3の台座取付部31,31を固定するビス等の固定手段b3を締め付けることで、インターホン5は、クッション材に圧接して正面板11の背面とインターホン台座4によって挟持され、安定した取付けを行うことができる。
【0031】
具体的には、インターホン台座4は、図8(a),(b),(c)に示すように、上固定部42に形成された挿通孔42a,42aを通したビス等の固定手段b3を開口部111aの上側に固定された台座取付部材3の台座取付部31のネジ孔31bもしくはネジ孔31cに螺合するとともに、下固定部43に形成された挿通溝43a,43aを通したビス等の固定手段b3を開口部111aの下側に固定された台座取付部材3の台座取付部31のネジ孔31bもしくはネジ孔31cに螺合することで取り付けられる。
なお、図8においては、インターホン5を省略して記載しているが、実際には、図8(a),(c)に示すスペースSにインターホンが配置されることとなる。
【0032】
なお、本実施形態の玄関ポール1において、厚み寸法が小さいインターホン5を内蔵取付けする場合には、図7(d)に示すように、例えば長さの異なるネジ等の固定手段b4を用いて固定することで対応することができ、玄関ポール1を構成する部材を変更することなく、さまざまな厚み寸法を有するインターホン5を取り付けることができる。
【0033】
上記のように、玄関ポール1に対してインターホン5を取り付けるに際して、玄関ポールの長手方向に沿って配置した補強部材2,2に固定された上下の台座取付部材3,3およびインターホン台座4を介して取り付けることで、強度の高い取付が可能であり、台座取付部材3,3をインターホン5が露出する開口部の上下位置のみに配置することで、幅の小さい玄関ポール1に対してインターホン5の安定した取付けが可能である。
【0034】
(インターホンの第2の取付例)
本実施形態の玄関ポール1は、第1の取付例で使用した各部材を変更することなく、インターホン5を玄関ポール1の正面に外付けすることができる。したがって、第2の取付例によれば、外形が意匠的に優れているインターホン5を、玄関ポール1に外形を露出させた状態で取り付けることができる。
以下、インターホン5を外付するための構成について説明する。
なお、インターホン5を外付けするための補強部材2、台座取付部材3、インターホン台座4は、インターホン5を内蔵取付けするときに使用するものと共通であるので、その具体的な形状等の説明は省略する。
【0035】
(インターホン台座)
インターホン5を外付けする場合においても、正面板11の背面側で開口部111aの上下位置に固定された台座取付部材3の台座取付部31に対して、ビス等の固定手段b3によってインターホン台座4が取付けられる。ただし、インターホン5を玄関ポール1に外付けするに際しては、インターホン5は予めインターホン台座4に取付けられてはおらず、正面板11に対してインターホン台座4を反転させて取り付ける。
【0036】
具体的には、図9(a)に示すように、インターホン5が取り付けられていないインターホン台座4が、インターホン取付部41が正面側に位置し、上、下固定部42,43が背面側に位置する状態で、玄関ポール1の背面から玄関ポール1内に挿入される。
【0037】
玄関ポール1内に挿入されたインターホン台座4は、図9(b),(c)に示すように、インターホン取付部41の上、下固定部42,43が存在する側の反対側(ここでは、正面側)の面が正面板11の開口部111aの周りに配置されたクッション材111bに当接するとともに、上、下固定部42,43のインターホン取付部41が存在する側(ここでは、正面側)の面が台座取付部材3,3の台座取付部31に当接する。
すなわち、インターホン台座4の上、下連結部421,431の幅寸法t2が、正面板11の背面から台座取付部31までの距離t1と同程度に形成されていることが好ましい。
【0038】
そして、インターホン台座4は、図9(c)に示すように、上、下固定部42,43の正面側が台座取付部材3,3の台座取付部31に当接した状態で、ビス等の固定手段b3が締め付けられることで、図10(a)に示すように、インターホン取付部41の上、下固定部42,43が存在する側の反対側の面が正面板11の開口部111aから露出するように玄関ポール1に固定される。
【0039】
玄関ポール1に外付けされるインターホン5は、ベース52とインターホン本体51とを有し、図10(a),(b)に示すように、正面板11の開口部111aから露出したインターホン台座4のインターホン取付部41の上、下固定部42,43が存在する側の反対側の面に対してベース52がビス等の固定手段b5及び取付孔41a,41aによって固定され、インターホン本体51が係合等適宜の方法でベース52に対して固定されることで、図10(c)に示すように、玄関ポール1の正面板11の正面側にインターホン5を外付けすることができる。
【0040】
(その他の実施形態)
本実施形態のインターホン取付構造は、玄関ポール1にインターホン5をとりつけない場合にも対応できる。
具体的には、図6(d),(e)に示す、インターホン台座4を、インターホン取付部41に目隠し材45を張り付けた目隠しカバー材として使用する。そして、玄関ポール1にインターホン5を外付けするときのインターホン台座4の取り付け方法と同様に、目隠しカバー材(インターホン取付台座)4を玄関ポール1に取付ける。
【0041】
なお、目隠し材45は、開口部111aと同程度の寸法を有し、インターホン台座4のインターホン取付部41において、正面板11の開口部111aから露出する部分に両面テープ45a等によって張り付ければよい。
【0042】
玄関ポール1に固定された目隠しカバー材(インターホン取付台座)4は、図9(d)に示すように、目隠し材45が開口部111a部分に配置されることで、玄関ポール1の正面側をスムーズに見せることができる。
【0043】
また、上記のインターホンの第2の取付例においては、インターホン台座4を反転させて、インターホン5を玄関ポール1に外付けする場合の説明をしているが、インターホン5の厚さが図7(d)に示すインターホン5よりもさらに小さい場合などには、インターホン台座4を反転させたうえでインターホン5を内蔵して取り付けることもできる。
例えば、図9(b),(c)に示す固定手段b3のネジの長さを長くすることで、インターホン取付部41と正面板11との間にインターホンを配置する空間を形成し、幅の小さいインターホン5を内蔵するようにしてもよい。
【0044】
(実施形態の効果)
以上のように、本実施形態の玄関ポールは、インターホンの固定に、インターホンを固定するインターホン取付部と玄関ポールに固定するための固定部をインターホンの正面に直交する方向にずらして形成したインターホン取付台座を用い、インターホン取付部の両面にインターホンを固定可能にして反転させて玄関ポールに取付けできるようにすることで、共通の固定部品を用いて、玄関ポールに対してインターホンを内蔵取付けと外付けの両方に対応できる。また、厚みの異なるインターホンの取付けに対して柔軟に対応することができる。
【0045】
つまり、玄関ポールに対するインターホンの内蔵取付けと外付けもしくは厚みの異なるインターホンの取付けを同一の部品で兼用して行うことができるので、部品管理が良好であるとともに、穴あけ等の加工が不要であり、施工を容易にすることができる。
【0046】
その他、以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることは言うまでもない。
例えば、本発明の玄関前構造物は、一般的にインターホンが設けられる位置が玄関前であることから玄関前構造物との名称を採用しているが、玄関前構造物は玄関ポールに限定されるものではなく、インターホンが取付けられる門柱等の構造物でもよいし、さらには玄関以外の出入り口の近傍に設けられる構造物であってもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 :玄関ポール(玄関前構造物)
11 :正面板
111a :開口部
2 :補強部材
3 :台座取付部材
4 :インターホン台座(取付部材)
41 :インターホン取付部
42 :上固定部
43 :下固定部
5 :インターホン

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10