(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】掲示物およびそれを用いた掲示の変更方法
(51)【国際特許分類】
G09F 15/00 20060101AFI20230915BHJP
G09F 3/10 20060101ALI20230915BHJP
C09J 7/29 20180101ALI20230915BHJP
【FI】
G09F15/00 Z
G09F3/10 J
C09J7/29
(21)【出願番号】P 2020020280
(22)【出願日】2020-02-10
【審査請求日】2022-08-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)大正駅、平成31年3月5日 (2)大住駅、令和1年9月14日 (3)2019年度施設関係業務研究発表会、令和1年9月10日 (4)令和元年度建築技術会、令和1年10月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】500587610
【氏名又は名称】株式会社ジェイアール西日本ビルト
(74)【代理人】
【識別番号】100109472
【氏名又は名称】森本 直之
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 康介
【審査官】飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-157264(JP,A)
【文献】特開2005-114846(JP,A)
【文献】特開2002-287641(JP,A)
【文献】特開2003-136863(JP,A)
【文献】特開平09-114384(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 15/00
G09F 3/10
C09J 7/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
新表示が表示された新表示板と、
旧表示が表示され、上記新表示板の表示面に対して剥離可能な第1仮貼粘着層で粘着された旧表示シートと、
上記旧表示シートを剥離するための第1フック手段が設けられ、上記旧表示シートの表面または粘着面に粘着された第1剥離用テープとを備え
、
上記新表示板の表示面に錯誤防止案内シートが粘着され、上記錯誤防止案内シートの上に、上記旧表示シートが粘着されている
ことを特徴とする掲示物。
【請求項2】
上記第1剥離用テープは、上記旧表示シートの上記表面に対し、上記
第1仮貼粘着層より強い粘着力で粘着されている
請求項1記載の掲示物。
【請求項3】
上記錯誤防止案内シートは、剥離可能な第2仮貼粘着層で粘着され、上記錯誤防止案内シートを剥離するための第2フック手段が設けられた第2剥離用テープが、上記錯誤防止案内シートの表面または粘着面に粘着されている
請求項
1記載の掲示物。
【請求項4】
上記第1剥離用テープが透明であり、上記旧表示シートの表面に粘着されている
請求項1~
3のいずれか一項に記載の掲示物。
【請求項5】
上記第2剥離用テープが透明であり、上記錯誤防止案内シートの表面に粘着されている
請求項
3記載の掲示物。
【請求項6】
上記第1剥離用テープの両端のうち少なくともいずれかに、上記第1フック手段が設けられている
請求項1~
5のいずれか一項に記載の掲示物。
【請求項7】
上記第2剥離用テープの両端のうち少なくともいずれかに、上記第2フック手段が設けられている
請求項
3記載の掲示物。
【請求項8】
新表示が表示された新表示板の表示面に
錯誤防止案内シートが粘着され、上記錯誤防止案内シートの上に、旧表示が表示された旧表示シートを剥離可能な第1仮貼粘着層で粘着し、
上記旧表示シートを剥離するための第1フック手段が設けられた第1剥離用テープを、上記旧表示シートの表面または粘着面に粘着し、
上記第1フック手段を利用して、上記新表示板の表示面に粘着された上記旧表示シートを剥離して上記新表示を露呈させる
ことを特徴とする掲示の変更方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掲示内容の変更が容易な掲示物およびそれを用いた掲示の変更方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道の駅などには、当該駅から目的とする駅までの運賃が表示された運賃表が掲示される。その多くは近郊の路線図が描かれ、路線図上の各駅に対応するよう所要の運賃が記載されたものが用いられる。このような運賃表は、乗車券の販売機が並んだその上部に掲示されることが多い。当然の傾向として、利用者の多い駅ほど大型になる。また、経年的に使用されるため、耐久性や対候性を満足する素材を用いる必要がある。具体的には樹脂パネル等が用いられる。
【0003】
運賃の改定が行われるときは、上記のような運賃表を、各駅で交換することになる。運賃表の交換は、鉄道会社の都合による運賃改定だけでなく、消費税率の改定などの要因でも行わなければならない。
【0004】
運賃表の交換は、従前の運賃表を掲示から外して降ろし、新しい運賃表を持ち上げて掲示する。このような作業は、駅員が日常業務の片手間でできるものではなく、専用の作業員を派遣して行わなければならない。利用者が多い駅ほど運賃表も大型になり、作業員も増員しなければならない。
【0005】
しかも、運賃表の交換は、すべての駅で一斉に行う必要がある。Y年M月D日からの改訂であれば、Y年M月D日の午前0時にそれを行う。決まった日の午前0時に、たとえば山手線をはじめとした各駅で、一斉に作業を行うのである。ひと晩限りの一斉作業のために、各駅ごとに最低でも数人以上が必要となる作業員を確保し、派遣しなければならない。
【0006】
このように、運賃表の交換には、利用者にはうかがい知れない多大なコストがかかっている。したがって、掲示内容を省力で素早く容易に変更し、コストを低減しうる技術の開発が望まれていた。
【0007】
本出願人は、運賃表のような表示物の掲示に関する先行技術文献として、下記の特許文献1および2を把握している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2010-281987号公報
【文献】特許第2871664号公報
【0009】
上記特許文献1には、下記の記載がある。
[0005]
本発明らは鋭意検討した結果、セルロース系シートを特定の再剥離性両面差異粘着テープで貼れば、セルロース系シートにでんぷん糊で表示物を貼ることができ、屋外に置いても表示物が剥がれることがなく、且つプラスチック製板状基板を簡単に再使用できることを見出し、本発明に到達した。
[0006]
すなわち、請求項1の発明は、プラスチック製板状基板の表面に下記再剥離性両面粘着テープでセルロース系シートを貼り、該セルロース系シートの上にでんぷん糊で表示物を貼る掲示方法である。
再剥離性両面粘着テープ:プラスチック製板状基板に対する粘着力がセルロース系シートに対する粘着力未満である再剥離性両面粘着テープ
[0007]
請求項1の発明によれば、プラスチック製板状基板にセルロース系シートが貼ってあるので、プラスチック製板状基板にでんぷん糊で表示物を貼ることができ、屋外に置いても表示物が剥がれることがない。また、再剥離性両面粘着テープのプラスチック製板状基板に対する粘着力がセルロース系シートに対する粘着力未満であるので、表示期間終了後に表示物の貼ってあるセルロース系シートを剥がせば、該粘着テープまたはその粘着剤がプラスチック製板状基板に残ることがないので、簡単にプラスチック製板状基板を元の状態に復元できる。そして、プラスチック製板状基板は、概して耐水性、耐候性が良いので繰り返し使用することができる。
【0010】
上記特許文献2には、下記の記載がある。
[0003]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、このような布製幕は、相当の重量を有するために、その張設、取り外し作業は一人ではできずに複数人を要し、かつ作業も面倒で多くの労力と時間を要するために作業性が悪く、また、相当重量のために取扱い上においても難があった。
[0004]
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、張設、取り外し作業が一人で簡単にして、かつ速やかにできるとともに、その取扱いも容易である壁等に粘着張設する装飾用シートを提供することにある。
[0005]
[課題を解決するための手段]
この目的を達成するため、本発明は、例えば、イベント会場における壁面等に一時的に粘着張設されて使用され、使用後においては剥離廃棄される使い捨ての長尺装飾用シートであって、長尺の帯状粘着テープ体と、該粘着テープ体の粘着面の下部部位に粘着面の大半部分を残してその上端縁部が粘着された長尺シート体とを含み、該長尺シート体は、張設会場の雰囲気に似合った例えば、紅白模様や白黒模様、各種意匠等が印刷表示されてなり、前記粘着テープ体の粘着面が壁面等に粘着せられて前記シート体が垂設されるとともに、該シート体の下端縁が部分的に粘着テープ体等の止着部材にて止着されて張設される構成を特徴とするものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記特許文献1は、プラスチック製基板5に対し、再剥離性両面粘着テープ9を介してセルロースシート6を貼り付けることを開示する。セルロース系シート6を剥がすと、粘着テープ9がセルロース系シート6に粘着して剥がれ、プラスチック製基板5に残らない。プラスチック製基板5が元の状態に復元されてリサイクルできるものである。
このように上記特許文献1の技術は、プラスチック製基板5のリサイクルにポイントが置かれ、上述したような省力で素早く容易に掲示内容を変更するという課題を解決しうるものではない。
【0012】
上記特許文献2は、長尺の帯状粘着テープ体10の下半分に、模様などが印刷された長尺シート体20の上端縁部が粘着され、上記粘着テープ体10の上半分を壁などに粘着させて上記シート体20を吊り下げ、上記シート体20の下端縁を部分的に粘着テープで止める技術を開示する。
上記特許文献2の技術も、上述したような省力で素早く容易に掲示内容を変更するという課題を解決しうるものではない。
【0013】
本発明は、上記問題を解決するため、つぎの目的をもってなされたものである。
省力で素早く容易に掲示内容を変更することができる掲示物およびそれを用いた掲示の変更方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1記載の掲示物は、上記目的を達成するため、つぎの構成を採用した。
新表示が表示された新表示板と、
旧表示が表示され、上記新表示板の表示面に対して剥離可能な第1仮貼粘着層で粘着された旧表示シートと、
上記旧表示シートを剥離するための第1フック手段が設けられ、上記旧表示シートの表面または粘着面に粘着された第1剥離用テープとを備え、
上記新表示板の表示面に錯誤防止案内シートが粘着され、上記錯誤防止案内シートの上に、上記旧表示シートが粘着されている。
【0015】
請求項2記載の掲示物は、請求項1記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記第1剥離用テープは、上記旧表示シートの上記表面に対し、上記第1仮貼粘着層より強い粘着力で粘着されている。
【0017】
請求項3記載の掲示物は、請求項1記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記錯誤防止案内シートは、剥離可能な第2仮貼粘着層で粘着され、上記錯誤防止案内シートを剥離するための第2フック手段が設けられた第2剥離用テープが、上記錯誤防止案内シートの表面または粘着面に粘着されている。
【0018】
請求項4記載の掲示物は、請求項1~3のいずれか一項に記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記第1剥離用テープが透明であり、上記旧表示シートの表面に粘着されている。
【0019】
請求項5記載の掲示物は、請求項3記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記第2剥離用テープが透明であり、上記錯誤防止案内シートの表面に粘着されている。
【0020】
請求項6記載の掲示物は、1~5のいずれか一項に記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記第1剥離用テープの両端のうち少なくともいずれかに、上記第1フック手段が設けられている。
【0021】
請求項7記載の掲示物は、3記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記第2剥離用テープの両端のうち少なくともいずれかに、上記第2フック手段が設けられている。
【0022】
請求項8記載の掲示の変更方法は、上記目的を達成するため、つぎの構成を採用した。
新表示が表示された新表示板の表示面に錯誤防止案内シートが粘着され、上記錯誤防止案内シートの上に、旧表示が表示された旧表示シートを剥離可能な第1仮貼粘着層で粘着し、
上記旧表示シートを剥離するための第1フック手段が設けられた第1剥離用テープを、上記旧表示シートの表面または粘着面に粘着し、
上記第1フック手段を利用して、上記新表示板の表示面に粘着された上記旧表示シートを剥離して上記新表示を露呈させる。
【発明の効果】
【0023】
請求項1記載の掲示物は、新表示が表示された新表示板と、旧表示が表示された旧表示シートと、第1剥離用テープとを備えている。上記旧表示シートは、上記新表示板の表示面に対して剥離可能な第1仮貼粘着層で粘着されている。上記第1剥離用テープは、上記旧表示シートの表面または粘着面に粘着され、上記旧表示シートを剥離するための第1フック手段が設けられている。
このため、上記第1フック手段を利用して上記第1剥離用テープを引き剥がせば、上記第1剥離用テープが表面または粘着面に粘着された上記旧表示シートを一緒に引き剥がすことができる。こうして上記新表示板の表示面に粘着された上記旧表示シートを剥離すれば、上記新表示を露呈させることができる。つまり、上記第1フック手段を利用して上記第1剥離用テープを引き剥がすというワンアクションで、旧表示から新表示への変更が終了し、省力で素早く容易に掲示内容を変更することができる。
たとえば上述した駅の運賃表に適用する場合、一斉改定の日程に間に合うよう、計画的に準備を進め、各駅の運賃表を本発明の掲示物を適用したものにあらかじめ交換しておく。そして、改定日が到来したらその日時に各駅で一斉に上述した作業を行い、運賃の掲示内容を変更することができる。上述した上記第1フック手段を利用して上記第1剥離用テープを引き剥がすというワンアクションの作業は、そのとき勤務している駅員だけでも対応できる程度である。このため、従来の、各駅に数人以上の作業員を派遣して一斉作業を行うのに比べると、大幅にコストを低減することができるし、変更作業の計画立案やその実行も、極めて行いやすい。
また、上記新表示板の表示面に錯誤防止案内シートが粘着され、上記錯誤防止案内シートの上に、上記旧表示シートが粘着されている。このため、上記錯誤防止案内シートには、たとえば「M月D日から変更後の内容です」のような錯誤の防止を案内する情報を表示することができる。このようにすることにより、何かのアクシデントで、上記M月D日の変更日が到来する前に旧表示シートが剥がれてしまっても、掲示内容を見る利用者の錯誤を防止できる。
【0024】
請求項2記載の掲示物は、上記第1剥離用テープが、上記旧表示シートの上記表面に対し、上記仮貼粘着層より強い粘着力で粘着されている。
このため、上記第1フック手段を利用して上記第1剥離用テープを引き剥がせば、上記第1剥離用テープが表面に粘着した上記旧表示シートは、上記強い粘着力で上記第1剥離用テープと一緒に剥がれてくる。
【0026】
請求項3記載の掲示物は、上記錯誤防止案内シートが剥離可能な第2仮貼粘着層で粘着される。そして、上記錯誤防止案内シートを剥離するための第2剥離用テープが、上記錯誤防止案内シートの表面または粘着面に粘着されている。上記第2剥離用テープには第2フック手段が設けられている。
このため、上述した掲示内容の変更作業のあと用済みとなった上記錯誤防止案内シートは、上記第2フック手段を利用して上記第2剥離用テープを引き剥がせば、一緒に剥離することができる。
【0027】
請求項4記載の掲示物は、上記第1剥離用テープが透明であり、上記旧表示シートの表面に粘着されている。
上記第1剥離用テープが透明なので、旧表示シートに表示された旧表示は、上記旧表示シートの表面に粘着した第1剥離用テープを通して支障なく利用者が見ることができる。
【0028】
請求項5記載の掲示物は、上記第2剥離用テープが透明であり、上記錯誤防止案内シートの表面に粘着されている。
上記第2剥離用テープが透明なので、上記錯誤防止案内シートに表示された錯誤防止案内は、上記錯誤防止案内シートの表面に粘着した第2剥離用テープを通して支障なく利用者が見ることができる。
【0029】
請求項6記載の掲示物は、上記第1剥離用テープの両端のうち少なくともいずれかに、上記第1フック手段が設けられている。
上記第1フック手段を利用して上記第1剥離用テープを引き剥がすというワンアクションの作業が極めて行いやすい。
【0030】
請求項7記載の掲示物は、上記第2剥離用テープの両端のうち少なくともいずれかに、上記第2フック手段が設けられている。
上記第2フック手段を利用して上記第2剥離用テープを引き剥がすというワンアクションの作業が極めて行いやすい。
【0031】
請求項8記載の掲示の変更方法は、まず、新表示が表示された新表示板の表示面に、旧表示が表示された旧表示シートを剥離可能な第1仮貼粘着層で粘着する。ついで、上記旧表示シートを剥離するための第1フック手段が設けられた第1剥離用テープを、上記旧表示シートの表面または粘着面に粘着する。そして、上記第1フック手段を利用して、上記新表示板の表示面に粘着された上記旧表示シートを剥離して上記新表示を露呈させる。
このため、上記第1フック手段を利用して上記第1剥離用テープを引き剥がせば、上記第1剥離用テープが表面または粘着面に粘着された上記旧表示シートを一緒に引き剥がすことができる。こうして上記新表示板の表示面に粘着された上記旧表示シートを剥離すれば、上記新表示を露呈させることができる。つまり、上記第1フック手段を利用して上記第1剥離用テープを引き剥がすというワンアクションで、旧表示から新表示への変更が終了し、省力で素早く容易に掲示内容を変更することができる。
たとえば上述した駅の運賃表に適用する場合、一斉改定の日程に間に合うよう、計画的に準備を進め、各駅の運賃表を本発明の掲示物を適用したものにあらかじめ交換しておく。そして、改定日が到来したらその日時に各駅で一斉に上述した作業を行い、運賃の掲示内容を変更することができる。上述した上記第1フック手段を利用して上記第1剥離用テープを引き剥がすというワンアクションの作業は、そのとき勤務している駅員だけでも対応できる程度である。このため、従来の、各駅に数人以上の作業員を派遣して一斉作業を行うのに比べると、大幅にコストを低減することができるし、変更作業の計画立案やその実行も、極めて行いやすい。
また、上記新表示板の表示面に錯誤防止案内シートを粘着し、上記錯誤防止案内シートの上に、上記旧表示シートを粘着している。このため、上記錯誤防止案内シートには、たとえば「M月D日から変更後の内容です」のような錯誤の防止を案内する情報を表示することができる。このようにすることにより、何かのアクシデントで、上記M月D日の変更日が到来する前に旧表示シートが剥がれてしまっても、掲示内容を見る利用者の錯誤を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明を適用した掲示物の実施形態を示す図である。
【
図6】本発明を適用した掲示の変更方法の実施形態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
つぎに、本発明を実施するための形態を説明する。
【0034】
図1は、本発明を適用した掲示物の実施形態を示す図である。以下に示す実施形態は、たとえば本発明を、鉄道駅に掲示する運賃表に適用した例である。
【0035】
〔全体構成〕
この掲示物は、旧表示から新表示への変更がワンアクションで終了し、省力で素早く容易に掲示内容を変更しうるものであり、新表示板10、旧表示シート20、第1剥離用テープ30、錯誤防止案内シート40、第2剥離用テープ50を備えて構成されている。
【0036】
〔新表示板10〕
図2は、上記新表示板10の一例を示す図である。上記新表示板10は、例えばアクリル板等の樹脂パネルで形成することができ、アルミニウム等からなるフレーム11に取り付けられる。上記新表示板10の表面には、設置する当該駅から目的とする駅までの運賃が表示された運賃表が表面に描かれる(図示していない)。上記新表示板10には、新表示が表示される。たとえば運賃改定が行われる場合であれば、改定後の運賃が表示された新運賃表である。このような運賃表は、乗車券の販売機が並んだその上部に掲示することができる。
【0037】
新表示が表示された新表示板10の表面を、旧表示が表示された旧表示シート20で覆っておき、所定の変更タイミングが到来したときに、上記旧表示シート20を剥がして上記新表示板10の新表示を露呈させ、新表示から旧表示へ掲示内容を変更する。
【0038】
〔錯誤防止案内シート40〕
図3は、上記錯誤防止案内シート40の一例を示す図である。上記錯誤防止案内シート40は、上記新表示板10の表示面に粘着される。上記錯誤防止案内シート40は、たとえば樹脂シートから形成することができ、この例では上記新表示板10よりも小さい横長の帯状に形成されている。
【0039】
上記錯誤防止案内シート40には、上記新表示板10に表示された新表示が、新表示であることの案内情報が表示されている。つまり、所定の変更タイミングが到来する前に何らかの事故で上記旧表示シート20が剥がれてしまった場合に、露呈した新表示板10の新表示が、新表示であることを案内し、利用者の錯誤を防止するものである。たとえば運賃改定が行われる場合であれば、「〇月×日からの新運賃です」といった錯誤防止案内を記載することができる。
【0040】
上記錯誤防止案内シート40は、上記新表示板10の表示面に対し、剥離可能な第2仮貼粘着層で粘着される。上記第2仮貼粘着層は、上記新表示板10の表示面に粘着させた上記錯誤防止案内シート40が剥がれて落下しない程度の強度で粘着し、かつ剥がし残りを生じさせないで剥がせる程度の低い粘着力を有する粘着層である。
【0041】
〔第2剥離用テープ50〕
図4は、上記第2剥離用テープ50の一例を示す図である。上記第2剥離用テープ50は、上記新表示板10の表示面に粘着させた上記錯誤防止案内シート40を剥離するためのものであり、上記錯誤防止案内シート40の表面または粘着面に粘着される。図示した例では、上記新表示板10の表示面に粘着させた上記錯誤防止案内シート40の表面に粘着されている。この例では、上記第2剥離用テープ50が上記錯誤防止案内シート40の表面に粘着されている。上記第2剥離用テープ50は、上記錯誤防止案内シート40の仮貼粘着層より強い粘着力で粘着されている。上記第2剥離用テープ50は透明である。
【0042】
この例では、上記第2剥離用テープ50は帯状で、上記錯誤防止案内シート40の長辺である上辺に沿って貼り付けられている。上記第2剥離用テープ50は、その両端部が上記錯誤防止案内シート40よりも左右に長く延びている。
【0043】
上記第2剥離用テープ50の両端のうち少なくともいずれかに、第2フック手段51が設けられている。この例では、上記第2剥離用テープ50の両端にそれぞれ上記第2フック手段51が設けられている。上記第2フック手段51は、上記第2剥離用テープ50を貼り付けた状態で、新表示板10をはみ出したところに配置される。また、上記第2フック手段51は粘着層がなく、上記新表示板10やフレーム11に粘着していない。上記第2フック手段51は、後述する鉤状の引き剥がし具60を引っ掛ける穴52が形成されている。
【0044】
〔旧表示シート20〕
図5は、上記旧表示シート20の一例を示す図である。上記旧表示シート20は、たとえば樹脂シートから形成することができる。上記旧表示シート20の表面には、旧表示が表示される。たとえば運賃改定が行われる場合であれば、改定前の運賃が表示された旧運賃表である。上記旧表示シート20は、上記錯誤防止案内シート40の上から上記新表示板10の表面に粘着されている。
【0045】
上記旧表示シート20は、上記新表示板10の上記フレーム11内に露呈している部分よりも少し小さい大きさで形成することができる。たとえば、旧表示シート20の露呈面積の95%~98%程度の大きさに設定することができる。したがって、上記旧表示シート20の表面に表示される旧運賃表は、上記新表示板10に表示される新運賃表の95%~98%程度の縮尺で表示することができる。つまり、上記新表示板10に対する旧表示シート20の面積比と、上記新表示板10の新表示に対する旧表示シート20の旧表示の縮尺率を等しくすることが好ましい。このようにすることにより、新旧の掲示を見た利用者の違和感が緩和される。
【0046】
上記旧表示シート20は、上記新表示板10の表示面に対し、剥離可能な第1仮貼粘着層で粘着される。上記第1仮貼粘着層は、上記新表示板10の表示面に粘着させた上記旧表示シート20が、それ自体の重量で剥がれて落下しない程度の強度で粘着し、かつ剥がし残りを生じさせないで剥がせる程度の低い粘着力を有する粘着層である。
【0047】
〔第1剥離用テープ30〕
図1に示すように、上記旧表示シート20の上に、第1剥離用テープ30が貼り付けられる。
【0048】
上記第1剥離用テープ30は、上記新表示板10の表示面に粘着させた上記旧表示シート20を剥離するためのものであり、上記旧表示シート20の表面または粘着面に粘着される。図示した例では、上記新表示板10の表示面に粘着させた上記旧表示シート20の表面に粘着されている。この例では、上記第1剥離用テープ30が上記旧表示シート20の表面に粘着されている。上記第1剥離用テープ30は、上記旧表示シート20の仮貼粘着層より強い粘着力で粘着されている。上記第1剥離用テープ30は透明である。
【0049】
この例では、上記第1剥離用テープ30は帯状で、上記旧表示シート20の長辺である上辺に沿って貼り付けられている。上記第1剥離用テープ30は、その両端部が上記旧表示シート20よりも左右に長く延びている。
【0050】
上記第1剥離用テープ30の両端のうち少なくともいずれかに、第1フック手段31が設けられている。この例では、上記第1剥離用テープ30の両端にそれぞれ上記第1フック手段31が設けられている。上記第1フック手段31は、上記第1剥離用テープ30を貼り付けた状態で、新表示板10をはみ出したところに配置される。また、上記第1フック手段31は粘着層がなく、上記新表示板10やフレーム11に粘着していない。上記第1フック手段31は、後述する鉤状の引き剥がし具60を引っ掛ける穴32が形成されている。
【0051】
上記構成により、所定の変更タイミングが到来したときに、上記第1剥離用テープ30を利用して、上記新表示板10の表示面に粘着された上記旧表示シート20を剥離して上記新表示を露呈させ、新表示から旧表示へ掲示内容を変更することができる。
【0052】
〔掲示の変更方法〕
図6~
図9は、本発明を適用した掲示の変更方法の実施形態を示す図である。
【0053】
図6に示すように、上記第1剥離用テープ30の第1フック手段31に鉤状の引き剥がし具60を引っ掛ける。この状態で、上記引き剥がし具60を引き下ろして、上記第1剥離用テープ30を第1フック手段31が設けられた端部から引き剥がす。
【0054】
図7に示すように、第1剥離用テープ30が引き剥がされるとともに、旧表示シート20が剥がされる。このとき、上記旧表示シート20の仮貼粘着層よりも第1剥離用テープ30の粘着力が強いため、旧表示シート20が第1剥離用テープ30に粘着したまま剥がれる。
【0055】
図8に示すように、上記第2剥離用テープ50の第2フック手段51に鉤状の引き剥がし具60を引っ掛ける。この状態で、上記引き剥がし具60を引き下ろして、上記第2剥離用テープ50を第2フック手段51が設けられた端部から引き剥がす。
【0056】
図9に示すように、第2剥離用テープ50が引き剥がされるとともに、錯誤防止案内シート40が剥がされる。このとき、上記錯誤防止案内シート40の仮貼粘着層よりも第2剥離用テープ50の粘着力が強いため、錯誤防止案内シート40が第2剥離用テープ50に粘着したまま剥がれる。
【0057】
〔実施形態の効果〕
【0058】
上記実施形態の掲示物および掲示の変更方法は、つぎの作用効果を奏する。
【0059】
上記実施形態は、上記第1フック手段31を利用して上記第1剥離用テープ30を引き剥がせば、上記第1剥離用テープ30が表面または粘着面に粘着された上記旧表示シート20を一緒に引き剥がすことができる。こうして上記新表示板10の表示面に粘着された上記旧表示シート20を剥離すれば、上記新表示を露呈させることができる。つまり、上記第1フック手段31を利用して上記第1剥離用テープ30を引き剥がすというワンアクションで、旧表示から新表示への変更が終了し、省力で素早く容易に掲示内容を変更することができる。
たとえば上述した駅の運賃表に適用する場合、一斉改定の日程に間に合うよう、計画的に準備を進め、各駅の運賃表を本実施形態の掲示物を適用したものにあらかじめ交換しておく。そして、改定日が到来したらその日時に各駅で一斉に上述した作業を行い、運賃の掲示内容を変更することができる。上述した上記第1フック手段31を利用して上記第1剥離用テープ30を引き剥がすというワンアクションの作業は、そのとき勤務している駅員だけでも対応できる程度である。このため、従来の、各駅に数人以上の作業員を派遣して一斉作業を行うのに比べると、大幅にコストを低減することができるし、変更作業の計画立案やその実行も、極めて行いやすい。
【0060】
上記実施形態は、上記第1剥離用テープ30が、上記旧表示シート20の上記表面に対し、上記仮貼粘着層より強い粘着力で粘着されている。
このため、上記第1フック手段31を利用して上記第1剥離用テープ30を引き剥がせば、上記第1剥離用テープ30が表面に粘着した上記旧表示シート20は、上記強い粘着力で上記第1剥離用テープ30と一緒に剥がれてくる。
【0061】
上記実施形態は、上記新表示板10の表示面に錯誤防止案内シート40が粘着され、上記錯誤防止案内シート40の上に、上記旧表示シート20が粘着されている。
上記錯誤防止案内シート40には、たとえば「M月D日から変更後の内容です」のような錯誤の防止を案内する情報を表示することができる。このようにすることにより、何かのアクシデントで、上記M月D日の変更日が到来する前に旧表示シート20が剥がれてしまっても、掲示内容を見る利用者の錯誤を防止できる。
【0062】
上記実施形態は、上記錯誤防止案内シート40が剥離可能な第2仮貼粘着層で粘着される。そして、上記錯誤防止案内シート40を剥離するための第2剥離用テープ50が、上記錯誤防止案内シート40の表面または粘着面に粘着されている。上記第2剥離用テープ50には第2フック手段51が設けられている。
このため、上述した掲示内容の変更作業のあと用済みとなった上記錯誤防止案内シート40は、上記第2フック手段51を利用して上記第2剥離用テープ50を引き剥がせば、一緒に剥離することができる。
【0063】
上記実施形態は、上記第1剥離用テープ30が透明であり、上記旧表示シート20の表面に粘着されている。
上記第1剥離用テープ30が透明なので、旧表示シート20に表示された旧表示は、上記旧表示シート20の表面に粘着した第1剥離用テープ30を通して支障なく利用者が見ることができる。
【0064】
上記実施形態は、上記第2剥離用テープ50が透明であり、上記錯誤防止案内シート40の表面に粘着されている。
上記第2剥離用テープ50が透明なので、上記錯誤防止案内シート40に表示された錯誤防止案内は、上記錯誤防止案内シート40の表面に粘着した第2剥離用テープ50を通して支障なく利用者が見ることができる。
【0065】
上記実施形態は、上記第1剥離用テープ30の両端のうち少なくともいずれかに、上記第1フック手段31が設けられている。
上記第1フック手段31を利用して上記第1剥離用テープ30を引き剥がすというワンアクションの作業が極めて行いやすい。
【0066】
上記実施形態は、上記第2剥離用テープ50の両端のうち少なくともいずれかに、上記第2フック手段51が設けられている。
上記第2フック手段51を利用して上記第2剥離用テープ50を引き剥がすというワンアクションの作業が極めて行いやすい。
【0067】
〔変形例〕
以上は本発明の特に好ましい実施形態について説明したが、本発明は図示した実施形態に限定する趣旨ではなく、各種の態様に変形して実施することができ、本発明は各種の変形例を包含する趣旨である。
【符号の説明】
【0068】
10:新表示板
11:フレーム
20:旧表示シート
30:第1剥離用テープ
31:第1フック手段
32:穴
40:錯誤防止案内シート
50:第2剥離用テープ
51:第2フック手段
52:穴
60:引き剥がし具