(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230915BHJP
【FI】
A63F7/02 312A
(21)【出願番号】P 2020166895
(22)【出願日】2020-10-01
【審査請求日】2021-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100135666
【氏名又は名称】原 弘晃
(74)【代理人】
【識別番号】100131680
【氏名又は名称】竹内 健一
(72)【発明者】
【氏名】八子 和己
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲也
【審査官】渡辺 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-122559(JP,A)
【文献】特開2002-058813(JP,A)
【文献】特開昭61-249487(JP,A)
【文献】特開平11-319204(JP,A)
【文献】特開2018-175891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が移動する所定領域を形成する遊技盤と、
前記所定領域の上端部を通る遊技球が案内される遊技球通路と、
発射操作に応じて前記所定領域に向けて遊技球を発射する発射装置と、
前記所定領
域において遊技球
が接する
円弧状の外レール
部と、
前記外レール
部の内側において遊技球を誘導する内レール
部と、
前記外レール
部と前記内レール
部の間の領域に遊技球が戻らないようにするための戻り防止弁と、
前記戻り防止弁が取り付けられる戻り防止弁取付部を備え、
前記所定領域の奥側面を含む面を基準面とし、
前記遊技盤に設けられた前記戻り防止弁において最も前となる第1最前部と前記基準面の距離を第1の距離とし、
前記遊技盤に設けられた前記戻り防止弁取付部において最も前となる第2最前部と前記基準面の距離を第2の距離とすると、
前記第1の距離の方が前記第2の距離よりも短く、
前記外レール
部は、
板状に形成され、前記所定領域の少なくとも左側から上側において遊技球を誘導し、前記外レール
部の位置決めを可能とする所定の位置決め部
を複数
有し、
前記外レール
部の前記発射装置側の端部を始端
部とし、
前記外レール
部の前記発射装置から離れた側の端部を終端
部とし、
前記外レール
部の始端
部から
最左部までの範囲を第1の範囲とし、
前記外レール
部の
最左部から
最上部までの範囲を第2の範囲とし、
前記外レール
部の
最上部から終端
部までの範囲を第3の範囲とすると、
前記第1の範囲は前記第2の範囲よりも狭く、
前記外レール
部の終端
部は、前記外レール
部の
最上部よりも右方に位置し、
前記外レール部の最左部および最上部には、前記所定の位置決め部を有しておらず、
各範囲における前記所定の位置決め部の数は、前記第1の範囲の方が前記第2の範囲よりも多く、前記第2の範囲の方が前記第3の範囲よりも多くなっていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技球(遊技媒体)が移動する遊技領域を備え、遊技者の操作に応じて遊技領域に遊技球を発射する遊技機(ぱちんこ遊技機)が知られている。この種の遊技機は、遊技領域において遊技球を検出する検出領域として始動入賞口を設け、始動入賞口に遊技球が進入したことを検出すると、特別抽選を行うとともに表示装置において図柄の変動表示を開始させ、特別抽選の結果が大当たりである場合に、図柄を特定の態様で停止表示させる。すると遊技状態を特別遊技状態に移行させ、特別遊技状態では複数回の大当たり遊技を実行し、各大当たり遊技では遊技領域に設けられている大入賞口を開状態に動作させ、大入賞口への遊技球の進入に応じて遊技球を払い出す。
【0003】
そしてこの種の遊技機では、遊技機の前面を形成する開閉扉の裏面上部に、ガラスユニットを保持したり取り外したりする際に操作する操作部が設けられているが、この操作部の後端が、開閉扉が閉じられた状態で遊技盤の前面に接触するようにして、ガラスユニットが押されたり叩かれたりしても遊技に影響を及ぼさないようにしたものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしかかる遊技機では、遊技盤が遊技機に取り付けられている状態では、遊技盤を保護することができるが、遊技盤が遊技機から取り外されている状態では、遊技盤を保護することができない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技盤を保護することができ、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、遊技球が移動する所定領域を形成する遊技盤を備え、遊技者の操作に応じて前記所定領域に遊技球を発射する遊技機であって、前記遊技盤は、前記所定領域の少なくとも左側から上側において遊技球を誘導する外レールと、前記外レールの内側において遊技球を誘導する内レールと、前記外レールと前記内レールの間の領域に遊技球が戻らないようにするための戻り防止弁と、前記戻り防止弁が取り付けられる戻り防止弁取付部を備え、前記所定領域の奥側面を含む面を基準面とし、前記遊技盤に設けられた前記戻り防止弁において最も前となる第1最前部と前記基準面の距離を第1の距離とし、前記遊技盤に設けられた前記戻り防止弁取付部において最も前となる第2最前部と前記基準面の距離を第2の距離とすると、前記第1の距離の方が前記第2の距離よりも短いことを特徴とする遊技機に関するものである。
【0008】
本発明では、第1の距離の方が第2の距離よりも短くなるように、遊技盤において各部品を設けて戻り防止弁の破損を防止することにより、遊技球が設計どおりに移動するようにすることができる。
【0009】
(2)また本発明は、前記戻り防止弁と前記所定領域の奥側面の間に隙間が形成され、前記戻り防止弁と前記基準面の距離は、前記所定領域に設けられた遊技釘の胴部の直径よりも長いようにしてもよい。
【0010】
本発明では、戻り防止弁が所定領域の奥側面に接触しないようにして、戻り防止弁が滑らかに動作するようにしつつ、所定領域の奥側面を傷つけないようにすることができる。
【0011】
(3)また本発明は、前記外レールは、前記外レールを前記遊技盤の取り付け位置に案内する案内部を備え、前記遊技盤に設けられた前記外レールにおいて遊技媒体の発射装置に最も近い始端部から前記遊技盤に設けられた前記外レールにおいて最も左となる最左部までの範囲を第1の範囲とし、前記最左部から前記遊技盤に設けられた前記外レールにおいて最も上となる最上部までの範囲を第2の範囲とし、前記最上部から前記遊技盤に設けられた前記外レールにおいて終端となる終端部までの範囲を第3の範囲とすると、前記案内部の数は、前記第1の範囲の方が前記第2の範囲よりも多く、前記第2の範囲の方が前記第3の範囲よりも多いようにしてもよい。
【0012】
本発明では、遊技媒体から受ける衝撃が大きく、かつ、外レールの配置について特に正確さが求められる発射装置に近い部分において案内部の数を多くして、発射装置に近い部分における外レールのずれや振動を防止することにより、遊技球が設計どおりに移動するようにすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態の前枠が開いた状態を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態の遊技盤の外観構成を示す正面図である。
【
図4】本発明の実施形態の遊技機のガラスユニットを示す斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態の遊技機のガラスユニットを前枠に取り付ける過程を示す斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態の遊技盤の一部の斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態の遊技盤の一部の断面図である。
【
図8】本発明の実施形態の遊技盤の分解斜視図である。
【
図9】本発明の実施形態の外レールの平面図である。
【
図10】本発明の実施形態の遊技盤の上部の拡大側断面図である。
【
図11】本発明の実施形態の遊技盤の正面図である。
【
図12】本発明の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本発明の実施形態について説明する。なお以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0016】
1.遊技機の構成
図1は、本実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。本実施形態の遊技機は、遊技場から貸し出された遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行うものであり、遊技機の外側面を形成する外枠2(枠体)と、遊技機の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技盤6や各種の制御基板を遊技機の内部において保持する本体7と、遊技領域4を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、遊技機の前面において遊技領域4を取り囲むように形成された前枠10(扉体)を備えている。そして前枠10は、遊技領域4を遊技者が視認可能となるように遊技領域4に対応する範囲の前枠開口11を形成しつつ、前枠開口11を塞ぐようにして背面側からガラスユニット8が取り付けられることにより、ガラスユニット8とともに遊技機の前面を形成している。
【0017】
そして前枠10の一部は、光が透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の演出用ランプが設けられている。また前枠10には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカー14が設けられている。
【0018】
また前枠10の下部中央には、遊技球を貯留するための上皿16が設けられており、上皿16の内側面の奥側の左部には、遊技機から遊技者に遊技球を払い出すための払出口18が設けられている。また前枠10の下部右側には、ハンドル20が設けられており、遊技者がハンドル20を遊技機に向かって右回りに回転させる操作を行うと、遊技機内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお本実施形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
【0019】
そして上皿16の内側面の奥側の右部には、上皿16から遊技球を発射装置に供給するための供給口22が設けられている。また上皿16の下方には、上皿16に遊技球を貯留しきれなくなった場合に余剰の遊技球を貯留しておく下皿24が設けられている。
【0020】
また上皿16の手前側の中央部には、ボタンやハンドルなどにより構成される演出入力装置25(演出操作手段)が設けられており、遊技者が演出入力装置25を操作すると、遊技機で行われる演出が変化する。
【0021】
ここで前枠10は、前枠10の左辺および外枠2の左辺に沿った枠回転軸26を中心として外枠2に対して回転可能に取り付けられている。そして上皿16の右方に設けられたシリンダー錠27に鍵を差し込んで一方向に回転させると、施錠が解除されて前枠10を外枠2に対して開くことができるようになっている。
【0022】
図2は、前枠10が外枠2に対して開いている状態を示す斜視図である。
図2に示すように、本実施形態の遊技機は、遊技盤6や各種の制御基板などが設けられた本体7も、枠回転軸26を中心として外枠2および前枠10に対して回転可能に取り付けられており、前枠10を外枠2および本体7に対して開くことができるとともに、本体7を外枠2に対して開くことができるようになっている。
【0023】
図3は、
図1で示した遊技盤6の外観構成を示す正面図である。
図3に示すように遊技盤6には、円弧状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
【0024】
また遊技盤6の中央部には、遊技盤開口31が形成されており、遊技盤開口31の奥側には、遊技を盛り上げるための演出画像などを表示する液晶ディスプレイ32(演出画像表示手段)が設けられている。そして、液晶ディスプレイ32の手前側の上部には、第1演出物34(可動物)が設けられており、第1演出物34は、
図3に示す基準位置(第1状態)と、基準位置から下方に移動して液晶ディスプレイ32の表示領域の一部を覆う動作位置(第2状態)の間で動作(変位)可能となっている。また、液晶ディスプレイ32の手前側の下部には、第2演出物36(可動物)が設けられており、第2演出物36は、
図3に示す基準位置(第1状態)と、基準位置から上方に移動して液晶ディスプレイ32の表示領域の一部を覆う動作位置(第2状態)の間で動作(変位)可能となっている。そして、第1演出物34および第2演出物36の一部は、光が透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の演出用ランプが設けられている。
【0025】
そして本実施形態では、遊技盤開口31の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、遊技盤開口31の左側の遊技領域4か遊技盤開口31の右側の遊技領域4を落下するようになっている。そして遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように多数の遊技釘39が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
【0026】
また左側の遊技領域4には、左側の遊技領域4を落下する遊技球が通過できる左開口40が形成されており、この左開口40を通過した遊技球は通路42を通過して、遊技領域4の下部に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
【0027】
そしてステージ44の中央部の下方には、ステージ44の中央部付近から下方に落下した遊技球が進入可能な第1始動入賞口46が設けられている。この第1始動入賞口46は、遊技球が進入したことを検出するセンサ(検出手段)を内蔵し、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収されるように構成されており、第1始動入賞口46に遊技球が進入するたびに、遊技者に対して所定個数(1個以上の規定数、例えば3個)の遊技球が払い出されるとともに、乱数値を取得して大当たりの当否を決定する特別抽選が行われる。
【0028】
また右側の遊技領域4には、遊技球が遊技機内部に回収されずに通過する通過ゲート48が設けられている。この通過ゲート48は、遊技球が通過したことを検出するセンサを内蔵し、通過ゲート48を遊技球が通過するたびに、乱数値を取得して普通当たりの当否を決定する普通抽選が行われる。
【0029】
また右側の遊技領域4には、通過ゲート48の下方に、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される第2始動入賞口50が設けられている。この第2始動入賞口50は、遊技球が進入したことを検出するセンサ(遊技媒体検出手段)を内蔵するとともに、第2始動入賞口50に遊技球が進入しにくい縮小状態(進入を補助しない状態・非補助状態)と遊技球が進入しやすい拡大状態(進入を補助する状態・補助状態)との間で動作可能な補助部材を備える普通役物52(補助手段)が設けられている。そして普通役物52は、補助部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、普通抽選で普通当たりが当選すると所定条件下で拡大状態となるように制御される。そして第2始動入賞口50に遊技球が進入するごとに、遊技者に対して所定個数(1個以上の規定数、例えば1個)の遊技球が払い出されるとともに、乱数値を取得して大当たりの当否を決定する特別抽選が行われる。
【0030】
なお、第1始動入賞口46に遊技球が進入するごとに遊技者に払い出される遊技球の個数と、第2始動入賞口50に遊技球が進入するごとに遊技者に払い出される遊技球の個数は、同一の個数であっても異なる個数であってもよい。
【0031】
また右側の遊技領域4には、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される大入賞口54が設けられている。この大入賞口54は、遊技球が進入したことを検出するセンサを内蔵するとともに、大入賞口54を塞ぐ板状部材を備える特別役物56が設けられており、特別役物56は、大入賞口54に遊技球が進入可能な開状態(第1状態、進入可能状態)と遊技球が進入不可能な閉状態(第2状態、進入不可状態)との間で動作可能に構成されている。そして特別役物56は、板状部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、特別抽選で大当たりが当選すると開始される特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。そして大入賞口54に遊技球が進入するたびに、遊技者に対して所定個数(例えば10個)の遊技球が払い出される。
【0032】
また遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機内部に回収するアウト口62が設けられている。
【0033】
そして遊技球の発射装置は、
図1で示したハンドル20の回転量を調節することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、ハンドル20の回転量が少ない場合には左側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射され、ハンドル20の回転量が多い場合には右側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射される。
【0034】
従って遊技者は、遊技状況に応じてハンドル20の回転量を調節し、遊技球が左側の遊技領域4を落下して、あるいは左開口40と通路42とステージ44を通過して、第1始動入賞口46に入賞するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4を落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第2始動入賞口50に遊技球が入賞するように、あるいは大入賞口54に遊技球が入賞するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。
【0035】
なお本実施形態の遊技機では、遊技球が左側の遊技領域4を落下する場合には、通過ゲート48を遊技球が通過することがなく、第2始動入賞口50や大入賞口54に遊技球が入賞することがなく、また遊技球が右側の遊技領域4を落下する場合には、第1始動入賞口46に遊技球が入賞することがないようになっている。
【0036】
また遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、普通抽選の結果、特別抽選の結果、遊技状態など、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示装置70が設けられている。
【0037】
図4は、前枠10から取り外された状態のガラスユニット8を示す斜視図である。
図4に示すように、ガラスユニット8は、透明で板状のガラス板80と、ガラス板80の周囲を取り囲む樹脂製のガラス枠82を備え、ガラス枠82の底部の左右には、ガラス枠82の底部から下方に突出するように突出部84が設けられている。またガラス枠82の上部の左右には、ガラス枠82の上部から上方に延出するように延出面86が設けられている。
【0038】
そして、
図5に示すように、ガラスユニット8が取り付けられる前枠10の前枠開口11の下端には、ガラスユニット8の底部を支持する支持面88が形成されており、支持面88の左右には、支持面88がガラスユニット8の底部を支持している状態でガラスユニット8の突出部84を受け入れる受入空間を形成する受入部90が設けられている。そして左右の受入部90のそれぞれは、左右の突出部84のそれぞれを受け入れている状態では、前枠10に対してガラスユニット8が適切な位置に位置決めされるようにガラスユニット8の移動を規制する。
【0039】
また
図5に示すように、前枠10の背面の上部の左右には、長方形の保持部材92が設けられており、左右の保持部材92のそれぞれは、前枠10に取り付けられている状態のガラスユニット8のガラス面に直交する軸を中心に回転可能に取り付けられている。そして左右の保持部材92のそれぞれは、保持部材92が下向きとなる場合に、ガラスユニット8の延出面86と接触してガラスユニット8を保持する保持状態となり、保持部材92が横向きとなる場合に、ガラスユニット8とは接触せずにガラスユニット8を解放する解放状態となる。
【0040】
そして前枠10にガラスユニット8を取り付ける際には、
図5に示すように、まずは突出部84が受入部90に受け入れられるようにガラスユニット8の底部を前枠10の支持面88に接触させる。そして保持部材92を解放状態にしつつ、ガラスユニット8の上部を前枠10の上部に接触させ、保持部材92を解放状態から保持状態に回転させる。すると、前枠10の上部と保持部材92がガラスユニット8の延出面86を挟むようにして、前枠10に対してガラスユニット8を固定することができる。こうして本実施形態の遊技機では、前枠10が外枠2に対して開いている状態において、前枠10に対してガラスユニット8を取り付けたり取り外したりすることができる。
【0041】
2.遊技盤の詳細
図6は、
図3で示した遊技盤6の左上部を拡大した斜視図である。
図6に示すように、本実施形態の遊技盤6では、遊技領域4の奥側面を形成するアクリル板100の表面(所定領域の奥側面)に遊技釘39が打ち付けられている。
【0042】
またアクリル板100の表面には、遊技領域4を装飾する前飾り部102が設けられており、前飾り部102とアクリル板100の表面の間を遊技球が通過できるようになっている。
【0043】
またアクリル板100の表面には、内レール30が設けられている。そして、内レール30の終端部には、外レール28と内レール30の間の領域に遊技領域4の遊技球が戻らないようにするための戻り防止弁104が取り付けられる戻り防止弁取付部106が設けられている。
【0044】
詳細には戻り防止弁104は、薄い金属製の板状の部材により構成されており、発射装置から発射された遊技球の進行方向に傾斜しつつ、外レール28と内レール30の間の領域を半分程度塞ぐように設けられている。そして、発射装置から発射された遊技球が戻り防止弁104に衝突すると、戻り防止弁104が開くように撓むことにより、発射装置から発射された遊技球が戻り防止弁104を通過して、外レール28と内レール30の間の領域から遊技領域4に移動できるようになっている。一方、遊技領域4を移動する遊技球は、戻り防止弁104に衝突しても戻り防止弁104を通過することができず、外レール28と内レール30の間の領域に戻らないようになっている。
【0045】
また戻り防止弁104は、アクリル板100の表面に接触しないように、アクリル板100の表面との間に隙間が形成されるように設けられており、発射装置から発射された遊技球が通過するごとに戻り防止弁104が滑らかに動作するようにしつつ、アクリル板100の表面を傷つけないようにしている。詳細には本実施形態では、戻り防止弁104とアクリル板100の表面の間の距離d0が、遊技釘39の胴部の直径(1.25mm)よりも長くなっている。
【0046】
また内レール30の手前側の縁部には、遊技者がピアノ線などを遊技領域4に挿入して不正を行うことを防止するための不正防止ゴム108(弾性部)が設けられており、前枠10が閉じられた状態でガラス板80の内側面と内レール30の間に隙間が発生しないようになっている。
【0047】
またアクリル板100の表面の外縁部には、外レール28が取り付けられる外レール取付部608が設けられている。そして外レール取付部608の前面には、周囲よりも前方に1mm突起する突起部110が設けられており、前枠10が閉じられた状態でガラス板80の内側面と突起部110の間に隙間が発生しないようになっている。そして突起部110は、
図3に示すように、遊技盤6の左上部、右上部、左下部、右下部のそれぞれに、すなわち遊技領域4の外周側の4箇所に、1つずつ設けられている。なお4つの突起部110のそれぞれは、4つの突起部110のそれぞれが設けられる樹脂製の部品に一体成形されている。
【0048】
図7は、
図6で示した遊技盤6の左上部の側断面図である。
図7に示すように、本実施形態の遊技盤6では、戻り防止弁104の最前部(第1最前部)とアクリル板100の表面の距離d1(第1の距離)は、16mmとなっており、内レール30のうち不正防止ゴム108が取り付けられている第1部分112の最前部とアクリル板100の表面の距離d2は、16.5mmとなっており、戻り防止弁取付部106の最前部(第2最前部)とアクリル板100の表面の距離d3(第2の距離)は、18mmとなっており、内レール30のうち不正防止ゴム108の端部を覆う第2部分114の最前部とアクリル板100の表面の距離d4は、18.5mmとなっており、不正防止ゴム108の最前部とアクリル板100の表面の距離d5は、22mmとなっている。
【0049】
また、遊技釘39の最前部とアクリル板100の表面の距離d6は、18mmとなっている。また、外レール取付部608の前面とアクリル板100の表面の距離d7や、
図6で示した前飾り部102の前面とアクリル板100の表面の距離や、
図3で示した普通役物52の前面とアクリル板100の表面の距離も、18mmとなっている。そして、4つの突起部110それぞれの最前部とアクリル板100の表面の距離d8は、19mmとなっている。
【0050】
そして本実施形態では、前枠10が閉じられた状態では、ガラス板80が遊技盤6の前方を覆うが、アクリル板100の表面からガラス板80の内側面までの距離が19mmとなるように設計されている。
【0051】
従って、戻り防止弁104、内レール30、戻り防止弁取付部106、遊技釘39、外レール取付部608、前飾り部102、普通役物52などは、前枠10が閉じられると、ガラス板80の内側面に接触しないようになっているが、4つの突起部110は、前枠10が閉じられると、ガラス板80の内側面に圧力がかからない状態で接触するようになっている。
【0052】
これにより本実施形態では、遊技領域4の外周側の4箇所でガラス板80が内側に撓むことを抑制し、アクリル板100の表面に設けられた種々の部品とガラス板80が接触しないようにして、アクリル板100の表面に設けられた種々の部品とガラス板80が破損しないようにすることができる。
【0053】
特に戻り防止弁104は、上述したように薄い金属製の板状の部材により構成されているのでガラス板80を傷つけやすいが、距離d1が16mmとなっているため、ガラス板80の内側面が戻り防止弁104と接触してガラス板80の内側面に傷がついたり戻り防止弁104が曲がってしまったりすることがないようにすることができる。
【0054】
また、4つの突起部110は、不正防止ゴム108を除けば、遊技盤6の前面において最も前方に突出した部分となっているため、遊技機の製造工程において複数の遊技盤6を横にした状態で重ねて置く際や、遊技場における作業のために遊技盤6の前面を下に向けて床などに置く際に、4つの突起部110により、アクリル板100の表面に設けられた種々の部品が他の遊技盤6や床などに接触しないようにして、アクリル板100の表面に設けられた種々の部品が破損しないようにすることができる。
【0055】
特に戻り防止弁104は、上述したように発射装置から発射された遊技球が通過するごとに滑らかに動作するようにしているため、戻り防止弁取付部106よりも強度が低いが、距離d1が16mmであり距離d3が18mmとなっているため、遊技盤6を重ねて置いたり床などに置いたりする際に異物が挟み込まれた場合などであっても、戻り防止弁104よりも先に戻り防止弁取付部106が異物と接触するため、戻り防止弁104が破損しないようにすることができる。
【0056】
また、不正防止ゴム108は、前枠10が閉じられると、ガラス板80の内側面に押しつけられて曲がった状態で接触するようになっている。
【0057】
これにより本実施形態では、ガラス板80の内側面と内レール30の間に隙間が発生しないようにして、遊技者がピアノ線などを遊技領域4に挿入して不正を行うことを防止することができるとともに、不正防止ゴム108によってもガラス板80が内側に撓むことを抑制し、戻り防止弁104、内レール30、戻り防止弁取付部106とガラス板80が接触しないようにして、戻り防止弁104、内レール30、戻り防止弁取付部106、ガラス板80が破損しないようにすることができる。
【0058】
ここで本実施形態では、液晶ディスプレイ32の大型化にともなって遊技領域4が外周側に拡張されることにより、前枠10が閉じられると、
図3に示す内レール30のうち破線Bよりも左側の部分が前枠10の左部分に覆われるため、内レール30の中間部が外部から視認できなくなるが、内レール30の始端部と終端部は、前枠10が閉じられた状態でも外部から視認可能となっている。従って、前枠10が閉じられた状態であっても、不正防止ゴム108の状態を外部から確認することができる。
【0059】
図8は、外レール28と外レール取付部608とアクリル板100が分解された状態の遊技盤6を示す分解斜視図である。なお遊技盤6と外レール取付部608が一体的に構成されているようにしてもよいし、外レール28が遊技盤6に直接取り付けられるようにしてもよい。
図8に示すように、外レール取付部608のうち、外レール28が取り付けられる取付面610には、複数の突出部612が設けられている。一方、外レール28には、複数の突出部612に対応する位置に、対応する突出部612を受け入れる複数の受入部614(位置決め部)が設けられている。そして、外レール28が外レール取付部608に沿って取り付けられる際には、複数の突出部612が複数の受入部614に受け入れられることにより、外レール取付部608における外レール28の取り付け位置に外レール28が位置決めされるようになっている。
【0060】
これにより本実施形態では、外レール28を正確な位置に取り付けることができるとともに、遊技球が繰り返し通過しても、外レール28がずれたり振動したりすることを防止することができる。
【0061】
図9は、外レール28の平面図である。
図9に示すように、本実施形態の複数の受入部614のそれぞれは、外レール28の長さ方向に沿って長い長円形の貫通孔として形成されている。そして、複数の受入部614は、外レール28の中央部ではなく、外レール28が外レール取付部608に取り付けられた際にアクリル板100に近くなる位置に設けられている。なお受入部614は、貫通孔ではなく切欠きや溝として形成されているようにしてもよい。
【0062】
図10は、遊技盤6の上部の拡大側断面図である。
図10に示すように、外レール28は、突出部612が受入部614に受け入れられた状態で、取付面610に密着するように取り付けられる。そして、複数の突出部612および複数の受入部614は、上述したようにアクリル板100に近い位置に設けられていることにより、外レール28に沿って移動する遊技球が接触しないようになっている。
【0063】
そして、外レール28が外レール取付部608に取り付けられた状態では、外レール28が前方に向かってわずかに下るように、外レール28および取付面610が傾斜している。これにより、外レール28に沿って移動する遊技球が前方に向かいにくくなるようにしている。
【0064】
図11は、外レール28が取り付けられた状態の遊技盤6の正面図である。
図11に示すように、本実施形態では、複数の突出部612のそれぞれの配置間隔と、複数の受入部614のそれぞれの配置間隔が均等になっていない。
【0065】
詳細には、円弧状に設けられた外レール28において発射装置に最も近い始端部Sから最も左方となる最左部Lまでの範囲を第1の範囲R1とし、最左部Lから最も上方となる最上部Uまでの範囲を第2の範囲R2とし、最上部Uから終端部Eまでの範囲を第3の範囲R3とすると、複数の突出部612の数および複数の受入部614の数は、第1の範囲R1では3個、第2の範囲R2では2個、第3の範囲R3では0個となっており、第1の範囲R1の方が第2の範囲R2より多く、第2の範囲R2の方が第3の範囲R3よりも多くなっている。
【0066】
また、最左部Lから終端部Eまでの範囲を第4の範囲R4とすると、複数の突出部612の数および複数の受入部614の数は、第4の範囲R4では2個となっており、第1の範囲R1の方が第4の範囲R4より多くなっている。
【0067】
また、始端部Sから最上部Uまでの範囲を第5の範囲R5とすると、複数の突出部612の数および複数の受入部614の数は、第5の範囲R5では5個となっており、第5の範囲R5の方が第3の範囲R3より多くなっている。
【0068】
また、始端部Sから始端部Sと終点Eの中間点Mまでの範囲を第6の範囲R6とし、中間点Mから終端部Eまでの範囲を第7の範囲R7とすると、複数の突出部612の数および複数の受入部614の数は、第6の範囲R6では4個、第7の範囲R7では1個となっており、第6の範囲R6の方が第7の範囲R7より多くなっている。
【0069】
そして、最左部Lと最上部Uには、突出部612および受入部614が設けられていない。
【0070】
このように本実施形態では、遊技球から受ける衝撃が大きく、かつ、外レール28の配置について特に正確さが求められる発射装置に近い部分において、配置されている複数の突出部612の数および複数の受入部614の数を多くすることにより、発射装置に近い部分における外レール28のずれや振動を確実に防止するようにしている。
【0071】
また、外レール取付部608の幅が狭くなる最左部Lと最上部Uに対応する部分には、突出部612および受入部614が設けられていないことにより、外レール取付部608の安定性が高い部分で外レール28のずれや振動を確実に防止するようにしている。
【0072】
これにより本実施形態では、遊技球の軌道を安定させることができ、各入賞口に遊技球が設計値通りに進入するようにして、設計通りに公正な遊技が行われるようにすることができる。
【0073】
一方、遊技球から受ける衝撃が小さく、かつ、遊技に与える影響が少ない終端部Eに近い部分では、配置されている複数の突出部612の数および複数の受入部614の数を少なくすることにより、外レール28や外レール取付部608の製造コストを低下させるとともに、外レール28を外レール取付部608に取り付ける作業が容易になるようにしている。
【0074】
なお、複数の突出部612の数および複数の受入部614の数は、第1の範囲R1では3個、第2の範囲R2では2個、第3の範囲R3では1個となるようにしてもよいし、第1の範囲R1では3個、第2の範囲R2では1個、第3の範囲R3では0個となるようにしてもよいし、第1の範囲R1では3個、第2の範囲R2では1個、第3の範囲R3では1個となるようにしてもよいし、第1の範囲R1では1個、第2の範囲R2では1個、第3の範囲R3では0個となるようにしてもよいし、第1の範囲R1では3個、第2の範囲R2では2個、第3の範囲R3では3個となるようにしてもよい。
【0075】
3.機能ブロック
図14は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。本実施形態の遊技機は、メイン基板800およびサブ基板900を含む制御基板によって制御される。メイン基板800は、通過ゲートセンサ802、第1始動入賞口センサ804、第2始動入賞口センサ805、大入賞口センサ806、払出センサ808等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、普通役物駆動装置820、特別役物駆動装置822、払出装置824等の出力手段の動作制御を行う。
【0076】
またサブ基板900は、メイン基板800から送られてくる信号や、演出入力装置スイッチ902からの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、演出表示装置920、音響装置922、可動物駆動装置924等の演出装置926の動作制御を行う。またメイン基板800やサブ基板900等の各基板の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0077】
そしてメイン基板800は、乱数発生手段840、普通抽選手段842、普通駆動制御手段844、特別抽選手段846、遊技状態移行制御手段848、特別駆動制御手段850、払出制御手段852、通信制御手段854、メインメモリ870を含んで構成されている。
【0078】
乱数発生手段840は、抽選用の乱数値を発生させる手段であり、ハードウェア乱数を発生させる乱数発生器や、ソフトウェア乱数を発生させるプログラムにより実現される。ソフトウェア乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0079】
普通抽選手段842は、1個の遊技球が通過ゲート48を通過するごとに作動する通過ゲートセンサ802からの検出信号に基づいて、乱数発生手段840から乱数値(抽選用乱数値)を取得して、取得した乱数値について普通当たりの当否を決定する普通抽選を行う。
【0080】
普通駆動制御手段844は、普通抽選で普通当たりが当選すると、普通役物52が所定条件下で拡大状態となるように普通役物駆動装置820を制御する。
【0081】
特別抽選手段846は、1個の遊技球が第1始動入賞口46に進入するごとに作動する第1始動入賞口センサ804からの検出信号に基づいて、あるいは1個の遊技球が第2始動入賞口50に進入するごとに作動する第2始動入賞口センサ805からの検出信号に基づいて、乱数発生手段840から乱数値(抽選用乱数値)を取得して、取得した乱数値について大当たりの当否を決定するとともに、大当たりが当選した場合には、複数種類の大当たり図柄のうちいずれの図柄が当選したかを判定する特別抽選を行う。
【0082】
遊技状態移行制御手段848は、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態、特別遊技状態、確変状態、時短状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。
【0083】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からは特別遊技状態への移行が可能となっている。
【0084】
特別遊技状態は、通常状態、確変状態あるいは時短状態における特別抽選において大当たりが当選したことに基づいて開始され、大当たり図柄の種類に応じて予め定められたラウンド数(実行回数)の大当たり遊技が実行されると終了する。そして大当たり図柄が確変図柄であった場合には、特別遊技状態が終了すると確変状態に移行され、大当たり図柄が通常図柄であった場合には、特別遊技状態が終了すると時短状態に移行される。
【0085】
確変状態は、通常状態よりも大当たりが当選する確率が高くなるように特別抽選が行われるとともに、通常状態よりも普通当たりが当選する確率が高くなるように普通抽選が行われる遊技状態である。また確変状態では、1回の特別抽選にかかる時間および1回の普通抽選にかかる時間が通常状態よりも短縮されることにより、特別抽選および普通抽選の実行契機を頻繁に到来させることができるように制御される。そして確変状態からは特別遊技状態への移行が可能となっているが、確変状態において特別抽選が行われた回数が9999回に達したことを条件に終了して通常状態に移行される。ただし確変状態では、特別抽選における大当たりの当選確率が約1/50に設定されるため、確変状態において特別抽選が行われた回数が9999回に達する前に特別遊技状態が開始され、確変状態から通常状態に移行することはほとんどないようになっている。
【0086】
時短状態は、大当たりが当選する確率が通常状態と同一となるように特別抽選が行われるが、通常状態よりも普通当たりが当選する確率が高くなるように普通抽選が行われる遊技状態である。また時短状態では、1回の特別抽選にかかる時間および1回の普通抽選にかかる時間が通常状態よりも短縮されることにより、特別抽選および普通抽選の実行契機を頻繁に到来させることができるように制御される。そして時短状態からは特別遊技状態への移行が可能となっているが、時短状態において特別抽選が行われた回数が100回に達したことを条件に終了して通常状態に移行される。
【0087】
特別駆動制御手段850は、特別遊技状態における各大当たり遊技において、大当たり図柄の種類に応じて予め定められた態様で特別役物56が開状態となるように特別役物駆動装置822の駆動制御を行う。
【0088】
払出制御手段852は、第1始動入賞口センサ804、第2始動入賞口センサ805あるいは大入賞口センサ806からの検出信号に基づいて、検出信号ごとに予め定められている賞球数に相当する払出数の遊技球を払出装置824に払い出させる制御を行う。
【0089】
通信制御手段854は、サブ基板900に信号を送信する制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、メイン基板800とサブ基板900との間では、メイン基板800からサブ基板900への単方向通信のみが可能となっており、サブ基板900からはメイン基板800へ信号を送信することができないように通信接続されている。
【0090】
続いて、サブ基板900について説明する。サブ基板900は、演出制御手段940と、サブメモリ970とを含んで構成されている。
【0091】
演出制御手段940は、メイン基板800から送信された通知信号や、演出入力装置スイッチ902からの入力信号や、サブメモリ970に記憶されている演出データに基づいて、演出表示装置920を制御して演出用ランプを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイ32に演出画像を表示させたり、音響装置922を制御してスピーカー14から演出音を出力させたり、可動物駆動装置924を駆動して可動物を動作させたりするなど、演出装置926を制御することにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助したりするための演出を実行させる。
【0092】
例えば、第1始動入賞口46や第2始動入賞口50への遊技球の入賞、演出入力装置25に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じて、特別抽選演出処理、状態演出処理などを行う。
【0093】
特別抽選演出処理では、演出制御手段940は、メイン基板800から送信された通知信号に基づいて、特別抽選を演出する特別変動演出を演出装置926に実行させる。本実施形態では演出制御手段940は、液晶ディスプレイ32において特別図柄画像を変動表示させた後に、特別抽選の結果に応じた態様で特別図柄画像を停止表示させるとともに、液晶ディスプレイ32においてキャラクター画像を動作させたり、背景画像を変化させたりする変動演出画像を表示させることにより、特別変動演出を液晶ディスプレイ32において実行する。
【0094】
ここで本実施形態では、特別変動演出の実行種別としてプレミアムリーチ、スーパーリーチ1、スーパーリーチ2、ノーマルリーチ、リーチ無しが用意されており、演出制御手段940は、特別抽選の結果に基づいて、特別変動演出の実行種別を複数の実行種別のいずれにするかを決定する。そして各実行種別の特別変動演出は、特別図柄画像や変動演出画像の表示パターンや、可動物の動作パターンが異なるとともに、特別抽選の結果に応じて選択される確率や、開始から終了までにかかる実行時間が異なっている。これにより各実行種別の特別変動演出は、各実行種別の特別変動演出が実行された場合における大当たりの当選に対する期待度や、確変図柄あるいは通常図柄の当選に対する期待度が異なるようになっている。
【0095】
また演出制御手段940は、特別変動演出として、特別図柄画像や変動演出画像の進行に合わせて可動物駆動装置924を制御して、第1演出物34や第2演出物36などの可動物を動作させる。詳細には本実施形態では、演出制御手段940(制御手段)は、ソレノイドやモーターなどの可動物駆動装置924を制御して第1演出物34を基準位置から落下位置に落下させたり、第2演出物36を基準位置から上昇位置に上昇させたり、第1演出物34あるいは第2演出物36を落下位置あるいは上昇位置から基準位置に復帰させたりする。
【0096】
状態演出処理では、演出制御手段940は、メイン基板800から送信された通知信号に基づいて、現在の遊技状態に応じて液晶ディスプレイ32においてキャラクター画像を動作させたり、背景画像を変化させたり、可動物を動作させたりすることにより、現在の遊技状態を遊技者に示唆する状態演出を実行する。
【0097】
例えば、現在の遊技状態が通常状態である場合には、演出制御手段940は、所定条件下で演出状態移行抽選を行い、演出状態を複数種類の演出状態のうちいずれの演出状態に設定するかを決定する。そして演出制御手段940は、設定されている演出状態に応じた通常状態画像を液晶ディスプレイ32に表示させる。また演出制御手段940は、現在の遊技状態が確変状態である場合には、液晶ディスプレイ32に現在の遊技状態が確変状態であることを示唆する確変状態画像を表示させ、現在の遊技状態が時短状態である場合には、液晶ディスプレイ32に現在の遊技状態が時短状態であることを示唆するとともに、特別抽選が行われた回数が100回に達するまでの残り回数を示す時短状態画像を表示させ、現在の遊技状態が特別遊技状態である場合には、液晶ディスプレイ32に現在の遊技状態が特別遊技状態であることを示すとともに、消化したラウンド数や残りラウンド数を示す特別遊技状態画像を表示させる。
【0098】
また演出制御手段940は、予め定められたタイミングにおいて演出入力装置25に対する操作が行われたことに基づいて、特定の演出音をスピーカー14から出力したり、特定の演出画像を液晶ディスプレイ32に表示させたり、可動物を動作させたりする制御を行う。
【0099】
4.変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
【0100】
まず上記実施形態では、突起部110が遊技領域4の外周側の4箇所に1つずつ設けられている例を挙げて説明したが、突起部110が遊技領域4の内周側の所定箇所に設けられているようにしてもよい。
【0101】
また上記実施形態では、4つの突起部110のそれぞれは、4つの突起部110のそれぞれが設けられる樹脂製の部品に一体成形されている例を挙げて説明したが、4つの突起部110の一部または全部が、樹脂製の部品に取り付けられるゴム製の別部品として構成されているようにしてもよい。
【0102】
また、例えば、左側の遊技領域4において遊技球が通過する頻度が最も高い領域の付近であって、遊技領域4の内周側の所定箇所に、前枠10が閉じられた状態でガラス板80の内側面と接触するゴム製の突起が設けられているようにして、遊技球がガラス板80の内側面に衝突する際の衝撃を和らげるようにしてもよい。
【0103】
また上記実施形態では、戻り防止弁104とアクリル板100の表面の間の距離d0が、遊技釘39の胴部の直径(1.25mm)よりも長くなっている例を挙げて説明したが、距離d0が、遊技釘39の頭部の直径(2.5mm)よりも長くなっているようにしてもよい。
【0104】
例えば、上記実施形態でも
図6に示したように、アクリル板100の表面には、戻り防止弁104の右上方に複数の遊技釘39が設けられているが、これらの遊技釘39は、発射装置から発射された遊技球が衝突する頻度が、他の部分に設けられた遊技釘39よりも多く、遊技球が衝突した衝撃で折れてしまうおそれがある。
【0105】
そこで、距離d0が、遊技釘39の頭部の直径よりも長くなっていることにより、折れた遊技釘39が、戻り防止弁104とアクリル板100の表面の隙間に引っ掛からないようにして、折れた遊技釘39が、戻り防止弁104とアクリル板100の表面の隙間に引っ掛かった状態で遊技球が発射されることにより、戻り防止弁104が破損してしまうことを防止するようにしてもよい。
【0106】
また、距離d0が、遊技釘39の胴部の直径よりも短くなっているようにしてもよく、この場合には、戻り防止弁104とアクリル板100の表面の隙間が狭いため、遊技機の組み立て時のズレによって戻り防止弁104とアクリル板100の表面が接触してしまうおそれがあるが、折れた遊技釘39が、戻り防止弁104とアクリル板100の表面の隙間に引っ掛からないようにすることができる。
【0107】
また上記実施形態では、内レール30の終端部に戻り防止弁取付部106が設けられている例を挙げて説明したが、内レール30の終端部と戻り防止弁取付部106の間に所定の隙間が形成されるように戻り防止弁取付部106が設けられているようにしてもよい。すなわち内レール30と戻り防止弁取付部106は、一体として設けられているようにしてもよいし、別体として設けられているようにしてもよい。
【0108】
また上記実施形態では、内レール30のうち不正防止ゴム108の端部を覆う第2部分114の最前部とアクリル板100の表面の距離d4は、18.5mmとなっている例を挙げて説明したが、距離d4が、戻り防止弁取付部106の最前部とアクリル板100の表面の距離d3と同様に18mmとなっているようにしてもよいし、距離d3よりも短くなっているようにしてもよい。
【符号の説明】
【0109】
2 外枠、4 遊技領域、6 遊技盤、7 本体、8 ガラスユニット、10 前枠、
11 前枠開口、14 スピーカー、16 上皿、18 払出口、20 ハンドル、
22 供給口、24 下皿、25 演出入力装置、26 枠回転軸、
27 シリンダー錠、28 外レール、30 内レール、
32 液晶ディスプレイ、34 第1演出物、36 第2演出物、
40 左開口、42 通路、44 ステージ、46 第1始動入賞口、
48 通過ゲート、50 第2始動入賞口、52 普通役物、54 大入賞口、
56 特別役物、62 アウト口、70 状態表示装置