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特許7349991改善されたシーリングを備える毛髪を処理するためのデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】改善されたシーリングを備える毛髪を処理するためのデバイス
(51)【国際特許分類】
   A45D 1/00 20060101AFI20230915BHJP
【FI】
A45D1/00 D
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020534329
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-25
(86)【国際出願番号】 EP2018086741
(87)【国際公開番号】W WO2019122401
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-10-05
(31)【優先権主張番号】1763176
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バティスト ボンヌメーレ
(72)【発明者】
【氏名】マルシャル メゾヌーブ
(72)【発明者】
【氏名】エディ ヌゴ
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム トウゴウチ
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/103228(WO,A1)
【文献】特表2017-504391(JP,A)
【文献】特表2017-519591(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0289622(US,A1)
【文献】国際公開第2017/194737(WO,A1)
【文献】特開2000-161495(JP,A)
【文献】特開2010-252883(JP,A)
【文献】特開平11-002326(JP,A)
【文献】実開昭59-168062(JP,U)
【文献】実公昭45-017462(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1房の毛髪を導入するために離れている構成と、前記1房の毛髪の処理のために閉じている構成と、をとることができる互いに関して移動可能な第1および第2のアーム(4,5)であって、第1および第2の接触面(12,13)は、対向して配置される前記第1および第2のアーム(4,5)によってそれぞれ担持され、前記接触面(12,13)のうちの少なくとも1つは昇温可能である、第1および第2のアーム(4,5)と、
前記アーム(4,5)間で係合された前記毛髪を蒸気にさらすために前記アームのうちの1つ(4)によって同じアーム上に位置する前記接触面(13)から少し離れて担持される少なくとも1つの蒸気出口(20)であって、少なくとも前記第1のアーム(4)は、前記第1の接触面(12)を支持するための少なくとも第1の部品(40)と、前記第1の部品とは異なりおよびそれから分離された少なくとも1つの第2の部品(41)と、を含む、少なくとも1つの蒸気出口(20)と、
弾性変形可能なシーリング要素(50)であって、前記第1の接触面と前記第1部品(40)との間で前記第1の接触面(12)の周りに少なくとも部分的に延びる近位部分(51)と、前記第2の部品(41)と接触して延びる遠位部分(52)と、を含み、前記近位部分(51)および前記遠位部分(52)は、前記第1の部品(40)と前記第2の部品(41)との間に延びおよび蒸気スクリーンを形成する中間部分(53)によって接続されている、弾性変形可能なシーリング要素(50)と、
を含み、
前記中間部分(53)は、断面に少なくとも1つの屈曲部を有し、反対側のアームに向かって湾曲した凹状であり、特に断面においてU字形の底を有する、
毛髪を処理するためのデバイス(1)。
【請求項2】
前記近位部分(51)は、前記第1の接触面(12)の周囲全体の周りに延びる、
請求項1に記載のデバイス(1)。
【請求項3】
前記近位部分(51)は、前記第1の接触面(12)と前記第1の部品(40)のリブ(55)との間に挟まれ、特に、前記第1の接触面(12)の戻り部(57)と係合する溝(56)と、前記第1の部品(40)の前記リブ(55)と係合する反対側の溝(58)と、を持つ、概してH字形の断面を有する、
請求項1または2に記載のデバイス(1)。
【請求項4】
前記遠位部分(52)は、第1のアーム(4)の前記第2の部品(41)と第3部品(42)との間で挟まれている、
請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項5】
前記第2の部品(41)は、前記遠位部分(52)が少なくとも部分的に受け入れられる溝(60)を有し、前記第3の部品(42)は、前記溝(60)の直上の前記遠位部分(52)に適用されるリブ(61)を有する、
請求項4に記載のデバイス(1)。
【請求項6】
前記第1の接触面(12)は、概して長方形の輪郭を有し、ならびに前記中間部分(53)および前記遠位部分(52)は、前記第1の接触面(12)の4つの側部のうちの3つの周りのみから延びる、
請求項1から5のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項7】
前記中間部分(53)および前記遠位部分(52)は、前記少なくとも1つの蒸気出口(20)から最も遠い前記第1の接触面(12)の前記側部(16)には存在しない、
請求項6に記載のデバイス(1)。
【請求項8】
前記第1の接触面(12)は、特にボールジョイントまたは同様のものによって、前記第1のアーム(4)に枢動可能に取り付けられている、
請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項9】
前記中間部分(53)は、前記第1の接触面(12)の少なくとも1つの側部に沿って、およびより良くは、前記第1の接触面(12)の各側部に沿って、変化する高さ(h)を有する、
請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項10】
前記中間部分(53)の前記高さ(h)は、前記第1の接触面(12)の少なくとも1つの側部の実質的に中間の長さで最小であり、および前記側部の端部に向かって増加する、
請求項9に記載のデバイス(1)。
【請求項11】
前記シーリング要素(50)は、前記デバイス(1)の長手方向軸(Y)に平行、および前記第2の接触面(13)に面する前記第1の接触面(12)の加熱面に垂直な、前記第1の接触面(12)を通過する正中面(M)に関して非対称である形状を有する、
請求項1から10のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項12】
前記シーリング要素(50)は、単一のアーム(4)上に存在し、前記少なくとも1つの蒸気出口は、他のアーム(5)によって担持される、
請求項1から11のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項13】
化粧品組成物(C)を含むカートリッジ(80)を含み、前記第2の部品(41)は、前記カートリッジ(80)を支持するように機能し、特に、前記カートリッジ(80)が係合するスライド(81)を有する、
請求項1から12のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項14】
前記第2の部品(41)が前記少なくとも1つの蒸気出口(20)に面する、
請求項1から13のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項15】
少なくとも1列の歯(31)を含む少なくとも1つの櫛(30)を含み、前記櫛(30)は、好ましくは、前記第2のアーム(5)によって担持される、
請求項1から14のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項16】
前記少なくとも1つの蒸気出口(20)の周りに限定領域(90)を含む、
請求項1から15のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項17】
前記限定領域(90)は、以下の要素:前記毛髪の束に適用される組成物(C)のカートリッジ(80)、櫛(30)、および前記少なくとも1つの蒸気出口(20)の実質的に反対側に配置される格納構造(21)、のうちの少なくとも1つによって境界が定められ、
そのような格納構造(21)は、特に、前記少なくとも1つの蒸気出口(20)に面する少なくとも1つの溝(25)を含み、およびことによると、前記デバイス(1)が櫛(30)、前記櫛(30)のカバー(91)、前記第2の部品(41)を含むときに、前記第1および前記第2の接触面(12,13)の1つの側部、または前記デバイスの任意の他の要素が、前記少なくとも1つの蒸気出口(20)の周りに閉じ込めを部分的に作り出す、
請求項16に記載のデバイス(1)。
【請求項18】
前記少なくとも1つの蒸気出口(20)の後ろ、特に最後のノズル(27a)の後ろ、前記デバイス(1)のグリップ領域の側部に配置されるシール(120)を含み、前記シール(120)は、前記第2のアーム(5)に固定され、および前記アームに近い位置で前記第1のアーム(4)と接触するように構成され、前記シール(120)は、好ましくは、前記少なくとも1つの蒸気出口(20)の端部と前記アーム(4,5)がクランプを形成することを可能にする枢動接続(6)との間に配置される、
請求項1から17のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項19】
前記第3の部品(42)は、前記デバイス(1)後方に向かって前記デバイス(1)のグリップ領域の方向に細長い壁(112)を有する、
請求項4に記載のデバイス(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪処理デバイス、およびより具体的には、蒸気噴霧デバイスを含むデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
矯正クランプ(straightening clamp)で毛髪を矯正することは知られており、そのようなデバイスは矯正器(straightener)とも呼ばれる。このクランプは、ブラッシングとは異なり、毛髪を引っ張ることなく高温で毛髪繊維が滑らかにされることを可能にする。しかしながら、良好な滑らかな外観を得るためには、クランプを数回通過させることが必要であり、これは処理時間をかなり長くする。さらに、矯正クランプの繰り返しの適用は、ときどき、毛髪がさらされる温度に起因する毛髪繊維の劣化を引き起こし得る。
【0003】
例えば、熱プレート(hot plates)による処理に関連して、毛髪の処理のために蒸気を使用することが知られており、蒸気は毛髪に噴霧(sprayed)または拡散(diffused)される。そのような方法は、毛髪処理デバイスによって実施され得、および/または様々な化粧品毛髪処理(cosmetic hair treatments)と関連付けられ得る。例は、文献(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、および特許文献13)を含み、および平滑化デバイス(smoothing device)の加熱プレート(heating plates)の周りにシールを配置することも知られている。
【0004】
特許文献14は、矯正器を記載しており、その各平滑化プレートは、湿気の場合においてだけでなく、ケースのレベルでの電気的漏れの場合においても気密性を保証するシールを備えている。
【0005】
特許文献15は、矯正器を開示しており、その各平滑化プレートは、蒸気が解放された場合におけるケースとのプレートの気密性を保証するシールを備える。
【0006】
特許文献16は、矯正器を記載しており、その各平滑化プレートは、プレートとケースとの間にシールが付いている。
【0007】
特許文献17は、毛髪処理の閉構成(close configuration)と、処理される毛髪の間の係合の離間構成(spaced configuration)と、の間で互いに対して移動可能である2つのアームを含む毛髪処理デバイスに関する。アームの少なくとも1つは、シールを有する。
【0008】
特許文献18は、2つの可動アームを含む毛髪処理デバイスに関し、各アームは、ハンドルの加熱部分を絶縁するシールを含む。特許文献19および特許文献20も、矯正器に関する。
【0009】
特許文献12によって記載されるもののような、高スチーミング速度(high steaming rates)を有する蒸気の形態の、水スチーミングデバイス(water steaming device)を含む毛髪処理デバイスは、概して、デバイスの外側に配置されたスチーム出口ノズルを含む。この場合、蒸気は、デバイスの様々な部品が蒸気にさらされないかごくわずかしかさらされないように、無限大体積の空気内で外部に供給される。
【0010】
一方、蒸気出口ノズルがデバイスの内部に向かって配置されるとすぐに、蒸気は、次いで、制限された体積の空気内に分配される。これは、さまざまな問題を生じさせる。実際、この制限された体積から逃げようとする蒸気は、デバイスに部分的に入ることとなり、および、低温領域(cold areas)と接触して、またはデバイスの冷却中に、のいずれかで凝縮することとなり、このようにして、デバイスに損傷を与えおよび誤動作を引き起こす危険がある。最後に、デバイスに入らなかった蒸気は、デバイスのシェルの外側に沿って逃げる。
これらのシェルが冷却された状態で、特に、処理の開始時に、これらの外面で凝縮する蒸気は、結露の滴り(drip)やしずく(drop)を作り出し、使用者を困らせることがある。
【0011】
したがって、遭遇する問題のすべてまたは一部を修正する蒸気拡散を実行する毛髪処理デバイスからの利益を受けるニーズがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】欧州特許第659395号明細書(EP659395)
【文献】欧州特許第659393号明細書(EP659393)
【文献】欧州特許第659396号明細書(EP659396)
【文献】欧州特許第659397号明細書(EP659397)
【文献】米国特許出願公開第2004/0000319号明細書(US2004/0000319)
【文献】米国特許出願公開第2004/0045570号明細書(US2004/0045570)
【文献】特開第2000157322号明細書(JP2000157322)
【文献】欧州特許第1396207号明細書(EP1396207)
【文献】欧州特許第1515628号明細書(EP1515628)
【文献】欧州特許第1515629号明細書(EP1515629)
【文献】欧州特許第1516554号明細書(EP1516554)
【文献】仏国特許第2967017号明細書(FR2967017)
【文献】国際公開第2004/002262.11号(WO2004/002262.11)
【文献】特許第3609064号公報(JP3609064)
【文献】国際公開第2005/011434号(WO2005/011434)
【文献】特開第2005087629号明細書(JP2005087629)
【文献】仏国特許第3015195号明細書(FR3015195)
【文献】米国特許出願公開第2016/360846号明細書(US2016/360846)
【文献】中国特許第205884964号明細書(CN205884964)
【文献】中国特許第205866296号明細書(CN205866296)
【文献】仏国特許第301144号明細書(FR3011449)
【発明の概要】
【0013】
本発明は、このニーズを満たすことを目的とし、および以下を含む毛髪処理デバイスによってそれを達成するものである。
- それらの間に1房の毛髪を導入するためにそれらが離れている構成と、1房の毛髪の処理のためにそれらが閉じている構成と、をとることができる、互いに関して移動可能な第1および第2のアームであって、第1および第2の接触面は、対向して配置される第1および第2のアームによってそれぞれ担持され(carried)、前記接触面のうちの少なくとも1つは昇温(heat up)可能である、第1および第2のアーム、
- アーム間で係合される毛髪を蒸気にさらすために、アームのうちの1つによって同じアーム上に位置する接触面から少し離れて(at a distance)担持される少なくとも1つの蒸気出口、
- 第1の接触面を支持するための少なくとも1つの第1の部品(first piece)と、第1の部品とは異なりおよびそれから分離された少なくとも1つの第2の部品(second piece)と、を備える、少なくとも第1のアーム、
- 第1の接触面と第1の支持部品(support part)との間で第1の接触面の周りに少なくとも部分的に延びる近位部分(proximal portion)と、第2の部品(second part)と接触して延びる遠位部分(distal portion)と、を含み、近位および遠位部分は、第1および第2の部品間に延びならびに蒸気スクリーンを形成する中間部分(intermediate portion)によって接続される、弾性変形可能なシーリング要素。
【0014】
本発明のおかげで、アームの内部空間に侵入し得る蒸気の量をシーリング要素の存在によって制限するデバイスがある。換言すると、アームの壁を形成するケース(すなわちシェル)は、デバイスによって放出される蒸気に対してシールされる。
【0015】
「毛髪」という用語は、対応するヒトまたは動物のケラチン繊維、ならびに、例えば、人の自然な毛髪の外観を変更するために、特に結合することによって、ときどき、様々な手段によって人の天然の毛に取り付けられる「エクステンション」と呼ばれる合成繊維を含む。
【0016】
好ましくは、少なくとも第1の接触面、および好ましくは接触面の各々は、例えば、ボールジョイントまたは類似した何かによって、対応するアームに枢動可能に取り付けられる。シーリング要素上の中間部分の存在は、シーリング要素が接触面の枢動に付随するように変形することを可能にするため、接触面の動きはシーリング要素の存在によって過度に妨げられない。接触面は、そうして、ジョイントの3つのゾーン(変形されるようになり得る、近位部分、遠位部分、および中間部分)の存在のおかげで、それと接触している毛髪の束(lock of hair)の厚さに最もよく一致するように枢動することができ、完全なシールを維持しながら、熱処理の効率が改善される。
【0017】
断面において測定される中間部分の展開された長さは、6mmより大きく、すなわち7.5mm、特に7mmから13mmの間、すなわち7.5mmから12mmの間であってもよい。
【0018】
必要に応じて、すなわち、水平面および/または垂直面に沿って、近位部分と遠位部分との間に、好ましくは2mmより大きく、および有利には実質的に3.5mmに等しい、高さおよび/または幅の差を有し得るように、中間部分は近位部分と遠位部分(proximal and distal parts)を接続する。近位部分は、有利には、第1の接触面の周囲全体にわたって延びる。したがって、この接触面の周囲全体の周りにシールが作成され、このようにして、水または任意の他の要素がデバイスの内部に入ることを防止する。加えて、これはシーリング要素の機械的固定を強化することを可能にする。
【0019】
1つの実施形態において、近位部分は、第1の接触面と第1の部品のリブとの間に挟まれ、特に、概してH字形の断面を有し、第1の接触面の戻り部に係合する溝と、第1の部品の前記リブに係合する反対側の溝と、を備える。これは、シールの近位部分を、接触面の周りの所定の位置にシールされるような方法で保持する。
【0020】
シーリング要素の遠位部分は、第1のアームの第2の部品と第3の内部部品(internal part)との間に挟まれ得る。これは、シーリング要素を、所定の位置に、シールされるようなやり方で、第1の接触面から離れて保持する。この場合、第2の部品は、遠位部分が少なくとも部分的に受け入れられる溝を有していてもよく、および第3の部品は、前記溝の真上の遠位部分に適用されるリブを有する。
【0021】
前記中間部分は、有利には、断面に少なくとも1つの屈曲部を有する。後者の場合、中間部分は、例えば、反対側のアームに向かって湾曲した凹状であり、好ましくは、アームは、前記少なくとも1つの蒸気出口を担持し、特に断面においてU字形の底を有する。中間部分は、例えばアコーディオンベローズのような、一種のベローズとして、いくつかのエルボーを含んでいてもよい。
【0022】
デバイスの長手方向軸に垂直である平面内で測定されるジョイントの中間部分の幅は、好ましくは1mm以上である。
【0023】
近位、中間、および遠位部分を備えたシーリング要素の存在および形状は、蒸気が第1の接触面に沿ってデバイスの内部に浸透しないように、蒸気に対して効果的なバリアを作成することを可能にする。加えて、中間部分は可撓性を有し、これは、それが第1および第2の部品を互いに対して位置決めするためのより大きな許容度を受け入れることを可能にする。第1の部品と第2の部品との間の位置のこの変動は、例えば製造の変動の結果として実際に意図的でなくてもよく、または、逆におよび有利には、それは、第1の接触面の制御された移動性(mobility)の結果として自発的であってもよい。この有利な実施形態によれば、第1の部品は、好ましくは、平滑化接触面が毛髪の束の厚さおよび位置決めに最もよく適応し得るように、それが平滑化接触面に異なる自由度を提供することを可能にするような方法で、ボールジョイントによってデバイスのケースと接続される。そのようなアセンブリは、当業者に、または例えば、文献(特許文献21)で、知られており、およびしたがって、それはここでは詳述されない。
【0024】
第1の接触面は、概して長方形の輪郭を有していてもよく、ならびに中間部分および遠位部分は、第1の接触面の4つの側部(four sides)のうちの3つの周りだけに延びていてもよい。これは、シーリング要素に関連する空間、およびしたがって、蒸気スクリーンを形成する間のデバイスの幅を、制限する。この場合、中間部分および遠位部分は、有利には、前記少なくとも1つの蒸気出口から最も遠い第1の接触面の側部(side)には存在しない。換言すると、シーリング要素は、それから、これらの4つの側部のうち3つにベローズを単に含んでおり、そのようにして、シーリングと可撓性と体積との間に注目すべき妥協点を提供する。
【0025】
中間部分は、少なくとも第1の接触面の1つの側部に沿って、より良くは、第1の接触面の各側部に沿って、変化する高さを有していてもよい。この場合、中間部分の高さは、好ましくは、第1の接触面の少なくとも1つの側部の実質的に中間の長さで最小であり、および前記側部の端部に向かって増加して、コーナーでその最大になる。この高さの差は、有利には、接触面の枢動の際に接触面の移動を可能にするように提供され、およびこれらの移動の振幅は、回転の中心からの距離とともに増加する。したがって、断面において測定される中間部分の展開された長さは、角で(at the angles)最大であり、この位置にあり、例えば、およそ10から13mmの間であり、好ましくは11.7mmに等しい。断面において測定される中間部分の展開された長さは、側部の中央で最小であり、この位置にあり、例えば、およそ6mmから10mmの間であり、好ましくは7.9mmに等しい。
【0026】
シーリング要素は、1つの実施形態において、デバイスの長手方向軸に平行であり、および第2の接触面に面する第1の接触面の加熱面に垂直な、第1の接触面を通過する正中面に対して対称ではない形状を有する。この対称性の欠如は、第1の接触面の側部のうちの1つの上の中間部分および遠位部分の欠如に関連し、および、上記で説明されるように、しかしながらシーリングを損傷することなく、デバイスの幅を減らすことを可能にする。
【0027】
シーリング要素は、好ましくは、単一のアーム上に存在し、前記少なくとも1つの蒸気出口は、そうして、他のアームによって担持される。有利には、シーリング要素の凹状湾曲部分は、例えば、7mmだけオフセットすることにより、蒸気出口からわずかにオフセットされる。
【0028】
デバイスは、化粧品組成物(cosmetic composition)を含むカートリッジを含んでいてもよい。この場合、第2の部品は、特に、カートリッジがその中に係合されるスライドを有する、前記カートリッジの支持体として機能し得る。
【0029】
さらにこの場合、カートリッジは、前記組成物を含浸させた多孔質材料、特にフェルトを含んでいてもよく、および第2の部品は、シーリング要素とは反対側に、前記多孔質材料に対して適用されるリブを含み、リブは、前記多孔質材料内に好ましくは部分的に貫通する。このようにして、そのリブを備えた第2の部品は、前記少なくとも1つの蒸気出口によって放出された蒸気に対して多孔質材料とシールを形成し、これは、さらに、何ら追加のコストを発生させない。
【0030】
変形例として、デバイスは、化粧品組成物用のリザーバも、化粧品組成物用のアプリケータも、含まない場合がある。
【0031】
第2の部品は、有利には、前記少なくとも1つの蒸気出口に面する。
【0032】
デバイスは、また、少なくとも1列の歯を含む少なくとも1つの櫛を含んでいてもよく、櫛は、好ましくは、第2のアームによって担持される。
【0033】
デバイスは、有利には、前記少なくとも1つの蒸気出口の周りに限定ゾーン(confined zone)を含む。「限定領域(Confined area)」は、前記少なくとも1つの蒸気出口によって生成された蒸気の少なくとも部分的な閉じ込め(confinement)を可能にする少なくとも1つの部品または部品のセットを意味する。この限定領域は、以下の要素、すなわち、毛髪の束に適用される組成物のカートリッジ、櫛、前記少なくとも1つの蒸気出口の実質的に反対側に配置される閉じ込め構造(confinement structure)、のうちの少なくとも1つによって境界が定められ得、そのような格納構造(containment structure)は、例えば、前記少なくとも1つの蒸気出口の反対側の少なくとも1つの溝を含み、および、ことによると、デバイスが櫛を含む場合、前記櫛のカバー、第2の部品、第1および第2の接触面の1つの側部、およびデバイスの任意の他の要素は、前記少なくとも1つの蒸気出口の周りに閉じ込めを部分的に作り出す。
【0034】
この限定領域の存在は、シーリング要素の存在をいっそう有用にする。
【0035】
閉じ込めは、少なくとも部分的に、前記少なくとも1つの蒸気出口と閉じ込め構造との間の容積に局所的により多くの蒸気を蓄積することを可能にし、それは毛髪を処理するために必要な蒸気の流れの減少につながり得る。処理のために必要とされる蒸気の量を減らし、したがって、デバイスの自律性を広げ、およびデバイスから出る毛髪からの残留水分の量を低減させることができる。加えて、限定領域は、蒸気出口間の長手方向における蒸気のより良い分配に貢献し得る。毛髪の束は、このようにして、横方向においてより均一に処理され得る。さらに、限定ゾーンによって作り出される相対的な仕切りは、前記少なくとも1つの蒸気出口のレベルに位置するゾーンにおける毛髪の束の通過中に、ほとんどの蒸気を局所的にのみ適用することを可能にする。
【0036】
本発明によるデバイスは、一体型水タンクを備える自律型であるか、または、アームによって形成されるハンドピースとハンドピースが接続されるベースステーションとを含むことができ、これは蒸気生成用の水を含むタンクを含む。
【0037】
蒸気出口(のすべて)の累積蒸気流量は、好ましくは、0.5から1.1g/分の間であり、好ましくは、3.5g/分以下、およびさらに良くは、1g/分以下、例えば、0.7g/分から0.9g/分の間である。
【0038】
前記少なくとも1つの蒸気出口は、有利には、少なくとも1つの蒸気噴出チャネルおよび少なくとも1つの蒸気噴出ノズルを備える。このチャネルは、対応するアームの長手方向軸に垂直に配向させられ得る。ノズルは同じ配向を有し得、このようにして、蒸気は、接触面に垂直な方向に、すなわち、デバイス内の毛髪の束の移動の方向に垂直な方向に放出される。好ましくは、ノズル(複数可)は、円形断面を有する円錐形状であり、ノズルの断面は、ノズルの出口の方向に広がる。各蒸気噴出ノズルは、好ましくは、各蒸気噴出チャネルの一端に取り付けられる。ノズルは互いに同一であり得る。チャネルは互いに同一であり得る。
【0039】
蒸気出口(複数可)には、好ましくは、それ自体がポンプによって水が供給されるスチーミング室によって蒸気が供給される。蒸気は、好ましくは水蒸気であり、特に、添加剤を含まない。
【0040】
デバイスは、PTCとして知られる正の温度係数を持つサーミスタで構成される第1の接触面を加熱するためのデバイスと、NTCと呼ばれる負の温度係数を持つサーミスタで構成される加熱デバイスの温度を測定するデバイスと、を含んでいてもよい。
【0041】
デバイスが正の温度係数を持つサーミスタと負の係数を持つサーミスタとを含む場合、これらは、有利には、第1の接触面の後ろに配置され得、およびデバイスは、それらを受け入れるケースの長手方向の端部に配置される、特にシリコーン製の、2つのプラグを含み得る。これは、PTCサーミスタとNTCサーミスタとを、漏れライン(leak lines)を短絡させて(shorten)、使用者にリスクをもたらす可能性のある何らかの考えられる凝縮物(condensate)の存在から保護する。
【0042】
NTCサーミスタのワイヤが第1の接触面の前を通り、およびPTCサーミスタのワイヤが第1の接触面の後ろに通ることを可能にするために、各プラグは、有利には、2つの穴が開けられている。
【0043】
デバイスは、カートリッジ検出スイッチを含んでいてもよく、このスイッチは、超音波によって溶接され得る2つの部分(two parts)を含むケース内にある。カートリッジを検出するためのスイッチからのおよび可動フィンガからのワイヤの通過は、溶接前にケースの2つの部分の間に押し込まれた(wedged)、特にシリコーン製の、シールによって実現され得る。
【0044】
蒸気が限定領域内で放出される場合、それは、鉛直方向にまたはデバイスの長手方向軸に対して横方向に垂直には逃げられない。このようにして、蒸気は、デバイスの前面から、または背面から、デバイスのグリップ領域の側面から、長手方向に逃げ得る。グリップ領域は、より冷たい領域である。関連する不快感またはさらに火傷のリスクのため、デバイスの操作中に使用者の手中に位置するグリップ領域に向かって蒸気が逃げるのは望ましくない。このようにして、デバイスは、前記少なくとも1つの蒸気出口の後ろ、特に最後のノズルの後ろ、デバイスのグリップ領域の側部、に位置付けられたシールを含み得る。このシールは、例えば、第2のアームに固定され、およびアームに近い位置で第1のアームと接触するように構成される。シールは、好ましくは、前記少なくとも1つの蒸気出口の端部と、アームがクランプを形成することを可能にする枢動接続と、の間に配置される。それは、デバイスの前部で蒸気を逃がす後部仕切りを生成するように、デバイスの長手方向軸に垂直な方向に、接触面の後ろおよび前記少なくとも1つの蒸気出口の後ろに延びることが意図される。
【0045】
上述の第3の部品(third part)は、有利には、デバイスのグリップ領域の方向に、デバイスの後方に向かって、細長い壁を有していてもよい。第3の部品は、少なくとも、第1の接触面と間接的に接触している。このようにして、デバイスがスイッチオンされるとすぐに、第3の部品は加熱され、および、その細長い壁によって、グリップ領域の方向に、第1のアームのシェルの加熱を加速して、このシェルの内面および外面上の蒸気の凝縮のリスクを制限する。
【0046】
スチーミング室は、有利には、第2のアーム内の支持要素によって支持される。スチーミング室の支持要素は、デバイスのグリップ領域に向かって細長い壁を有していてもよい。これは、第2アームのシェルの内面および外面に、これらの面上の結露(condensation)を制限するために、熱を提供する。
【0047】
本発明の別の主題は、その別の態様によれば、上記のすべてまたは一部と組み合わせて、または独立して、毛髪処理デバイスであり、
- それらの間に1房の毛髪を導入するためにそれらが離れている構成と1房の毛髪の処理のためにそれらが閉じている構成とをとることができる、互いに関して移動可能な第1および第2のアームであって、第1および第2の接触面は、対向して配置される第1および第2のアームによってそれぞれ担持され、前記接触面のうちの少なくとも1つは、昇温可能である、第1および第2のアーム、
- アーム間で係合される毛髪を蒸気にさらすために、アームのうちの1つによって同じアーム上に位置する接触面から少し離れて担持される少なくとも1つの蒸気出口、
- PTCと呼ばれる正の温度係数を持つサーミスタで構成される第1の接触面を加熱するためのデバイス、およびNTCと呼ばれる負の温度係数を持つサーミスタで構成される加熱デバイスの温度を測定するためのデバイスであって、PTCサーミスタおよびCTNサーミスタは、第1の接触面の後ろに配置され、デバイスは、サーミスタおよび温度測定デバイスを収容するケースの長手方向の端部に配置された特にシリコーン製の2つのプラグを備える、デバイス、
を含む。
【0048】
これは、上述されるように、PTCサーミスタとNTCサーミスタとを、漏れラインを短絡させて使用者にリスクをもたらす可能性のある何らかの考えられる凝縮物の存在から保護する。
【0049】
NTCサーミスタのワイヤが第1の接触面の前を通り、およびPTCサーミスタのワイヤが第1の接触面の後ろに通ることを可能にするために、各プラグは、有利には、2つの穴が開けられている。
【0050】
本発明の別の主題は、その別の態様によれば、上記のすべてまたは一部と組み合わせて、または独立して、毛髪処理デバイスであり、
- それらの間に1房の髪を導入するためにそれらが離れている構成と、1房の髪の処理のためにそれらが閉じている構成と、をとることができる、互いに関して移動可能な第1および第2のアームであって、第1および第2の接触面は、対向して配置される第1および第2のアームによってそれぞれ担持される、前記接触面のうちの少なくとも1つは昇温可能である、第1および第2のアーム、
- アーム間で係合される毛髪を蒸気にさらすために、アームのうちの1つによって同じアーム上に位置する接触面から少し離れて担持される少なくとも1つの蒸気出口、
- 少なくとも1つの蒸気出口の後ろ、特に最後のノズルの後ろ、デバイスのグリップ領域の側部、に位置付けられたシールであって、前記シールは、第2のアームに固定され、およびアームに近い位置で第1のアームと接触するように構成され、シールは、好ましくは、前記少なくとも1つの蒸気出口の端部と、アームがクランプを形成することを可能にする枢動接続と、の間に配置される、シール、
を含む。
【0051】
そのようなシールは、デバイスの長手方向軸に垂直な方向に、接触面の後ろおよび前記少なくとも1つの蒸気出口の後ろに延びるように提供され、蒸気をデバイスの前部から強制的に逃がすための後部仕切りを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
本発明は、その実施の非限定的な例に続く詳細な説明の読解、および添付の図面の検討に基づいて、よりよく理解されるであろう。
図1】本発明による毛髪のデバイスの処理例を側面透視で概略的に示す図である。
図2図1のデバイスを他の側からみた透視で概略的に示す図であり、デバイスはひっくり返されている。
図3図1のデバイスを正面透視で概略的に示す図である。
図4】本発明によるデバイスの例の概略部分側面図である。
図5図1のデバイスの横断面の概略図である。
図6】本発明によるデバイスの別の例の横断面の概略図である。
図7図6のデバイスの詳細の横断面および透視の概略部分図である。
図8図6のデバイスの別の詳細の縦断面および透視の概略部分図である。
図9図6のデバイスの別の詳細の横断面および透視の概略部分図である。
図10図6のデバイスのスイッチボックスの分離した概略斜視図である。
図11図6のデバイスの詳細の縦断面および透視の概略部分図である。
図12図6のデバイスの別の詳細の横断面および透視の概略部分図である。
図13図6のデバイスの別の詳細の縦断面および斜視の概略部分図である。
図14図6のデバイスの詳細の縦断面および斜視の概略部分図である。
図15図5のデバイスのシーリング要素の分離された概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下の説明において、同一の要素または同一の機能には同じ参照符号が付されている。それらの詳細な説明は、図の各々に関して繰り返されず、および実施形態間の主な違いのみが述べられる。
【0054】
図1は、本発明による例示的な実施形態に従う、毛髪を処理するためのデバイス1を示す。
【0055】
図示の例では、デバイス1は、一体型の水タンク2を備えた自律型である。図1および図2には、給電コード(electrical supply cord)3の一部のみが見える。
【0056】
デバイス1は、デバイス1の長手方向軸Yに沿って延びる、互いに対して移動可能な、第1のアーム4および第2のアーム5を含み、これは、それらの間における1房の毛髪の導入のためにそれらが離れている構成と、毛髪の束の処理のためにそれらが閉じられている構成と、を想定し得る。図1図2、および図3は、特に、この後者の構成を示す。図4は、デバイス1内部において、それらの間に髪の房を導入するために第1および第2のアーム4および5から分離された構成を表す。
【0057】
第1および第2のアーム4および5は、クランプを形成するように、枢動リンク6によってヒンジ結合されている。第1および第2のアーム4および5のそれぞれのケースは、異なる構成要素を収容するそれぞれ17および18で参照されるシェルを備える。第1および第2のアーム4および5は、処理される毛髪の束に沿って閉じた構成において移動可能であり、およびデバイス1を片手で操作するために、同時に把持され得るそれぞれの近位部分(proximal parts)4aおよび5aを含む。
【0058】
第1および第2のアーム4および5は、また、それぞれの遠位部分4bおよび5bを含み、反対側の対応する第1および第2のプレート10および11を備え、これは、毛髪がそれらの間に挟まれることを可能にする。
【0059】
第1および第2のプレート10および11は、昇温(heat up)する、第1および第2のそれぞれの接触面12および13を画定する。「接触」とは、毛髪の束または上記のような任意の他の毛髪繊維との接触を意味する。
【0060】
図示される例において、第1および第2の接触面12および13は実質的に平面である。
【0061】
第1のプレート10は、少なくとも1つの抵抗加熱要素15、この場合、接触面12から遠くない第1のアーム4のケース22に収容されたPTCサーミスタによって加熱される。変形例として、第1および第2のプレート10および11は各々、別個の加熱デバイスによって加熱され、その場合、例えば、別の抵抗加熱要素がケース23に取り付けられる。
【0062】
第1および第2の接触面12および13に対して、形状の変形が可能であることに留意されたい。例えば、特定のヘアドレッシングデバイスのように、毛髪をカールさせることを可能にする曲面を実装したり、ヘアクリンパで使用されているもののように、それを波状にしさえしたり、またはさらに、例えば歯のように、多くの突起(protuberances)を装備しさえしたりすることもできる。好ましくは、接触面は、それから、毛髪の束をしっかりとつかむように相補的である。
【0063】
デバイス1は、また、これらがこの蒸気適用ゾーンにあるときに第1および第2のアーム4および5との間に係合される毛髪をさらすために、第2のプレート11から少し離れて、この例では、第2のアーム5によって担持される、少なくとも1つの蒸気出口20、この場合いくつかの出口を含む。
【0064】
デバイス1は、少なくとも1列の歯31を含む少なくとも1つの櫛30を含み、この例における櫛30は、第2のアーム5によって担持される。櫛は、剛性の歯および/または例えば絹毛(silk bristle)の房のような可撓性の剛毛、または剛性の歯と可撓性の剛毛との組み合わせを含んでいてもよい。
【0065】
この例において、第1のアーム4は、第1のプレート10を支持するための少なくとも第1の部品40と、第1の部品40とは異なり、第1のプレート10から分離された、少なくとも1つの第2の部分41と、を備える。
【0066】
デバイス1は、また、本発明に従って、弾性変形可能なシーリング要素50を含み、第1のプレート10と第1の部品40との間で少なくとも部分的に第1のプレート10の周りに延びる近位部分51と、第2の部品41と接触して延びる遠位部分52とを含み、近位部分51および遠位部分52は、第1および第2の部品40および41間に延びる中間部分53によって接続されている。
【0067】
デバイス1の長手方向軸Yを横切る平面内で測定された中間部分53の幅hは、1mmより大きくてもよく、特に4mmより小さくてもよい。
【0068】
横断面において測定される中間部分53の展開された長さは、5mmより長くてもよく、特に7mmであってもよい。
【0069】
中間部分53は、近位部分51と遠位部分52とを接続し、その結果、例えば、図5に見られるように、好ましくは2mmより大きく、例えば6mm未満であり、例えば実質的に3.6mmに等しい、近位部分51の低点Pと遠位部分52の低点Qとの間の降下Δhがあり得る。
【0070】
点Pと中間部分53の凹部の上部との間で測定される距離に対応するシーリング要素50の全高は、好ましくは5から15mmの間であり、この高さは、シーリング要素50の断面により変動することが知られている。具体的には、図15に見られるように、この高さは長さの中央で最小であり、一方、角(corners)で最大である。有利には、最小高さは実質的に8mmに等しく、最大高さは実質的に10mmに等しい。
【0071】
近位部分51は、第1のプレート10の周囲全体にわたって延びる。
【0072】
図5に見られるように、シーリング要素50の近位部分51は、第1のプレート10と第1の部品40のリブ55との間に挟まれている。この例では、近位部分151は、概してH形状の断面を有する。近位部分51は、第1のプレート10の戻り部57に係合する溝56と、第1の部品40のリブ55に係合する反対側の溝58とを有する。
【0073】
遠位部分52は、この例では。シェル17の内部部品によって形成される、第1のアーム4の第2の部品41と第3の内部部品42との間に挟まれている。
【0074】
中間部分53は、断面に少なくとも1つの屈曲部を有する。図示される例では、中間部分53は、断面がU字形の底部を備え、反対側のアーム5に向かって凹状に湾曲している。
【0075】
第1のプレート10は、4つの側部(four sides)を有する略長方形の輪郭を有する。中間部分53および遠位部分52は、第1のプレート10の4つの側部のうちの3つ周りのみに延びる。中間部分53および遠位部分52は、前記少なくとも1つの蒸気出口20から最も遠い第1のプレート10の側部16には存在しない。このようにして、図5は、近位部分51のみを有する蒸気出口20とは反対側にある、第1のプレート10の側のシーリング要素50を示している。図15に見られるように、第1のプレート10の他の3つの側部は、シーリング要素50の近位部分51、遠位部分52および中間部分53のアセンブリによって囲まれている。これは、シールに感知できるほどの影響を与えることなく、デバイス1の幅を減少させることを可能にする。
【0076】
特にこのため、特に図15に見られるように、シーリング要素50は、デバイス1の長手方向軸Yに平行、および第2のプレート11に面する第1のプレート10の接触面12に垂直な、第1のプレート10を通過する正中面に関して非対称の形状を有する。
【0077】
さらにこの例において、シーリング要素50は、単一のアーム、すなわち第1のアーム4上に存在し、前記少なくとも1つの蒸気出口20は、他のアーム、すなわち第2のアーム5によって担持される。好ましくは、シーリング要素50、および特に中間部分53は、蒸気スクリーンを形成するように、前記少なくとも1つの蒸気出口20からあるいはわずかにオフセットされた蒸気噴出ゾーンに配置される。「わずかにオフセット(Slightly offset)」とは、蒸気の噴出軸に対して2から15mmの間、および有利には7mmに実質的に等しいオフセットを意味する。好ましくは、オフセットはデバイスの内部に向かう。
【0078】
この例において、デバイス1は、化粧品組成物用のリザーバも、化粧品組成物用のアプリケータも有していない。
【0079】
第2の部品41は、有利には、前記少なくとも1つの蒸気出口20に面する。
【0080】
示される例において、デバイス1は、前記少なくとも1つの蒸気出口20の周りの限定ゾーン90を含む。
限定ゾーン90は、この例では、デバイスによって放出された蒸気の少なくとも部分的な閉じ込めを可能にする第2の部品41によって形成された閉じ込め構造21によって境界が定められている。この閉じ込め構造21は、この例において、蒸気出口20に面する溝25を含む。限定領域90は、また、櫛30によって境界が定められている。格納構造は、また、前記櫛30のカバー91を含む。
【0081】
第1のプレート10は、図5または6に示される例において、第1のアーム4のシェル17で形成された円筒壁111によって画定されるケース内で、第1の部品40に形成された球の一部の形態のヘッド110の係合を介して第1の対応するアーム4に枢動可能に取り付けられている。
【0082】
壁111の円形縁部上でのヘッド110の球面の支持は、プレート間に挟まれる毛髪の束の厚さが均一でないとき、または第1のプレート10の中心に配置されないときに、第1のプレート10が枢動することを可能にするボールジョイントを作り出し、およびこのようにして、ロックとの接触面が大きくなる。図5は、円筒壁111によって画定されるケースの底部に対して一端で支持され、他端でヘッド110に対して支持されるコイルばね62を示す。中間部分53によるシーリング要素150の変形可能性は、蒸気に対するバリアの役割を果たす一方で、第1のプレート10のこの枢動に追従することを可能にする。実際に、前記中間部分53のべローズ形状は、シーリング要素に注目すべき可撓性を与え、一方、その近位部分51および遠位部分53は、それぞれ第1のプレート10および第2の部品41と固定される。
【0083】
第2のアーム5の下側部分は、次いでチャネル26およびノズル27を通過する出口20を通って突出する蒸気の生成を可能にする蒸気チャンバを収容する。
【0084】
そのようなスチーミング室は、PTCと呼ばれる正の温度係数を有するサーミスタからなる加熱デバイスと、NTCと呼ばれる負の温度係数を有するサーミスタからなる加熱デバイスの温度を測定するためのデバイスとを含んでいてもよい。
【0085】
すべての蒸気出口によって送達される総蒸気流量は、0.5g/分から0.8g/分の間、または2から2.5g/分の間である。
【0086】
スチーミング室はそれ自体、それ自体がリザーバ2に接続された、電気ポンプ、特には蠕動ポンプ(peristaltic pump)によって供給され、これらの要素は、好ましくは第2のアーム5に配置されている。
【0087】
また、デバイス1は、動作温度を制御するために抵抗加熱要素の電力供給を管理するように構成された、図示されていない電子カードを含んでいてもよい。この電子カードは、2つのアーム4または5の一方、例えばアーム5の近位部分5a内に配置され得、およびユーザーインターフェースを有する。
【0088】
さらに、デバイス1は、図示されていない、ILS可撓性ブレードスイッチタイプの磁気センサを含んでいてもよく、これは、接触面12および13が、処理されるべき毛髪の束をつかむために、実質的に互いに向かい合う、アーム4および5の閉構成を検出することを可能にする。別の変形例において、可撓性ブレードスイッチは、磁気抵抗センサMRSによって、または任意の他の検出手段によって置き換えられ得る。
【0089】
図6から14に示される実施形態において、第2の部品41は異なっている。この例において、特に図6に見られるように、第2の部品41は、遠位部分52が少なくとも部分的に受け入れられる溝60を有し、第3の部品42は、前記溝60に垂直に遠位部分52に適用されるリブ61を有する。
【0090】
さらにこの例において、図15に示される前の例のように、および特に図7および8に示されるこの例のように、中間部分53は、第1のプレート10の少なくとも1つの側部に沿って、および中間部分53が存在する第1のプレート10の各側部に沿って、変化する高さhを有する。
【0091】
図7および8に見られるように、中間部分53の高さhは、第1のプレート10の少なくとも1つの側部の実質的に中間の長さで最小であり、および前記側部の端に向かって増大する。
【0092】
第1のプレート10の側部の角で最大であり、および第1のプレート10の側部の中心で最小である、中間部分53の高さhの差は、特に、第1のプレート10の枢動を可能にするように選択される。実際、ヘッド110から離れて移動するほど、第1のプレート10の動きは、所定の角度だけ、枢動する間に高くなる。次に、これらの高振幅の動きは、ベローズの長さが次いで最大化されるので、角での高さhの最大差によって、著しく促進されます。
【0093】
この例において、水タンクは、デバイス1に一体化されていないが、別のステーションにある。
【0094】
図示されるように、デバイス1は、毛髪に適用される化粧品組成物Cを含むカートリッジ80を含んでいてもよく、第2の部品41は、前記カートリッジ80を支持するように機能する。次に、第2の部品41は、カートリッジ80が係合するスライド81を有し得る。カートリッジ80は、前記組成物Cを含浸させた多孔質材料82を含む。図示される例において、多孔質材料82はフェルトである。図6および9に見られるように、第2の部品41は、シーリング要素50の反対側に、前記多孔質材料82を押し付けるリブ85を有する。この例において、リブ85は、見られるように、多孔質材料82に部分的に浸透している。
【0095】
また、カートリッジ80は、この例では、デバイス1のスライド86に係合することによって、適所に保持される。
【0096】
第2のアーム5において、特に図12に見られるように、バネ107は、その通過中に、表面108を多孔質材料82の下縁109に押し付けることによって、毛髪を押すことを可能にする。
【0097】
この例では、限定領域90は、カートリッジ80、櫛30、ならびに第1および第2のプレート10および11の1つの側部によって境界が定められている。
【0098】
この例において、デバイス1は、正の温度係数のPTCサーミスタ15からなる第1のプレート10を加熱するためのデバイスと、係数サーミスタの負のNTC101からなる加熱デバイスの温度を測定するためのデバイスと、を備える。サーミスタPTC15およびNTC101は、図8に見られるように、第1のプレート10の後ろに配置されている。デバイス1は、それらの長手方向の端部に配置された、例えばシリコーン製の2つのプラグ102を含む。これは、サーミスタ15および101を、漏れのラインを短絡させおよび使用者にリスクを発生させ得る何らかの可能性のある凝縮物の存在から保護する。
【0099】
各プラグ102は、サーミスタ101のワイヤが第1のプレート10の前を、およびサーミスタ15のワイヤが第1のプレート10の後ろを通過することを可能にするために、有利には、図面を明瞭にするために図では見えない2つの穴で穿孔される。
【0100】
デバイス1は、また、図10に見られるように、超音波によって互いに溶接される2つの部品を含むケース106に存在する、カートリッジの存在を検出するためのスイッチ105を含む。ありません。スイッチワイヤおよび可動検出フィンガは、溶接前に、ケース106の2つの部品の間に押し込まれた、特にシリコーン製のシールを通過する。
【0101】
デバイス1は、また、この例において、図11および12に見られるように、デバイスのグリップ領域の側で、最後のノズル27aの後ろに配置されたシール120を含む。このシール120は、第2のアーム5に固定され、およびアーム4、5に近い位置で第1のアーム4と接触するように構成される。シール120は、最後の蒸気ノズル27aと枢動リンク6との間に配置され、アームがクランプを形成することを可能にする。シール120は、蒸気をデバイス1の前部を通して強制的に逃がしおよびそのようにしてグリップ領域を蒸気から保護するように、デバイスの長手方向軸に垂直な方向に、プレート10および11の後ろおよび最後のノズル27aの後ろに延びる。したがって、使用者の手が火傷する危険はなく、およびグリップ領域での蒸気の凝縮は回避される。これは、また、特定されていない領域での結露の形成を回避する。
【0102】
第3の部品42は、図13に見られるように、デバイス1のグリップ領域の方向に、デバイス1の後方に向かって延びる壁112を有する。この第3の部品42は、第1のプレート10と少なくとも間接的に接触する。このようにして、デバイス1が始動するとすぐに、第3の部品42が加熱され、その壁112によって、第1のアーム4のシェル17の加熱を加速して、その結果、このシェル17の内面および外部の結露を制限する。
【0103】
同様に、図14に示されるように、第2のアーム5において、スチーミング室の支持要素114は、デバイス1のグリップ領域に向かって細長い壁115を含んでいてもよい。これは、その凝縮を制限するために、第2のアーム5のシェル18の内面および外面に熱をもたらすことを可能にする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15