IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ミツバの特許一覧

<>
  • 特許-非容積型ポンプ及び液体供給装置 図1
  • 特許-非容積型ポンプ及び液体供給装置 図2
  • 特許-非容積型ポンプ及び液体供給装置 図3
  • 特許-非容積型ポンプ及び液体供給装置 図4
  • 特許-非容積型ポンプ及び液体供給装置 図5
  • 特許-非容積型ポンプ及び液体供給装置 図6
  • 特許-非容積型ポンプ及び液体供給装置 図7
  • 特許-非容積型ポンプ及び液体供給装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】非容積型ポンプ及び液体供給装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 37/10 20060101AFI20230915BHJP
   F02M 37/08 20060101ALI20230915BHJP
   F04D 5/00 20060101ALI20230915BHJP
   F04D 29/66 20060101ALI20230915BHJP
   F04D 29/16 20060101ALI20230915BHJP
【FI】
F02M37/10 A
F02M37/08 E
F04D5/00 G
F04D29/66 A
F04D29/16
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020566487
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(86)【国際出願番号】 JP2020001379
(87)【国際公開番号】W WO2020149382
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】P 2019004877
(32)【優先日】2019-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000144027
【氏名又は名称】株式会社ミツバ
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】蓮子 多津也
(72)【発明者】
【氏名】堀底 伸一郎
(72)【発明者】
【氏名】竹内 直樹
(72)【発明者】
【氏名】大村 知司
(72)【発明者】
【氏名】小林 龍太郎
【審査官】櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-526110(JP,A)
【文献】国際公開第2006/028243(WO,A1)
【文献】特開2006-291802(JP,A)
【文献】特開2012-163099(JP,A)
【文献】特開2005-120834(JP,A)
【文献】米国特許第05558490(US,A)
【文献】特表2013-514482(JP,A)
【文献】特開2014-206065(JP,A)
【文献】実開平01-011389(JP,U)
【文献】韓国登録特許第10-0893143(KR,B1)
【文献】特開2000-230492(JP,A)
【文献】特開平08-049683(JP,A)
【文献】国際公開第93/011355(WO,A1)
【文献】米国特許第05299908(US,A)
【文献】特開平07-167077(JP,A)
【文献】特開昭61-053491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 37/10
F02M 37/08
F04D 5/00
F04D 29/66
F04D 29/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円板状のインペラと、
前記インペラの全体を覆うように形成され、前記インペラの径方向中心を回転中心として前記インペラを回転自在に収容したポンプケースと、を備え、
前記インペラは、
前記インペラの外周部寄りに、周方向に並んで形成された複数の羽根部と、
前記周方向に隣接する前記羽根部の間に形成され、前記インペラを板厚方向に貫通する複数の貫通流路と、を有し、
前記ポンプケースは、
前記インペラの一面に摺接され、前記一面を覆うアッパーケースと、
前記インペラの前記一面とは反対側の他面に摺接され、前記他面を覆うロワケースと、
前記アッパーケースと前記ロワケースとの間に画成され、前記インペラを収納する収納部と、
前記ロワケースに設けられ、前記収納部と前記ポンプケースの外側とを前記インペラの板厚方向に貫通するとともに、前記貫通流路に連通する吸入口と、
前記アッパーケースに設けられ、前記インペラを挟んで前記吸入口とは反対側に配置され、前記収納部と前記ポンプケースの外側とを前記板厚方向に貫通するとともに、前記貫通流路に連通する吐出口と、を有し、
前記アッパーケースは、
前記インペラに面する第1摺接面に設けられるとともに前記吐出口に連通される円弧状の第1流路溝と、
前記周方向における前記第1流路溝の両端間の領域である第1シール部と、を有し、
前記ロワケースは、
前記インペラに面する第2摺接面に設けられるとともに前記吸入口に連通される円弧状の第2流路溝と、
前記周方向における前記第2流路溝の両端間の領域である第2シール部と、を有し、
前記第1シール部及び前記第2シール部は、
前記周方向において前記吸入口と前記吐出口との間に設けられるシール部を、前記貫通流路の回転軌跡上に構成し
前記第1シール部の前記周方向における前記両端と前記回転中心とを結ぶ2つの直線の間の第1角度と、前記第2シール部の前記周方向における前記両端と前記回転中心とを結ぶ2つの直線の間の第2角度と、は同一であり、且つ、前記第1シール部の前記周方向における位置と、前記第2シール部の前記周方向における位置と、は同一であり、
前記第1シール部の前記第1角度、及び、前記第2シール部の前記第2角度は43°以上47°以下であり、
前記シール部は、前記周方向において、少なくとも2つの前記貫通流路を閉塞可能な大きさを有する、
非容積型ポンプ。
【請求項2】
請求項に記載の非容積型ポンプと、
前記非容積型ポンプを駆動するモータ部と、を備え、
前記モータ部の回転軸と前記インペラとが相対回転不能に連結されている、
液体供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非容積型ポンプ及び液体供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非容積型ポンプは、略円板状のインペラと、インペラの全体を覆うように形成されたポンプケースと、を備えている。インペラには、複数の羽根部が周方向に並んで形成されている。各羽根部の間には、インペラを板厚方向に貫通する複数の貫通流路が形成されている。ポンプケースは、インペラを回転自在に収容する。また、ポンプケースは、インペラを挟んで両側に配置された吸入口、及び吐出口を有している。
このような非容積型ポンプは、例えば自動二輪車や四輪車等の車両用の液体供給装置(燃料ポンプ)として用いられる。この種の液体供給装置は、燃料タンク内に配置される。
【0003】
このような構成のもと、インペラを回転させると、ポンプケースの吸入口を介してインペラの貫通流路に燃料が入り込む。貫通流路に入り込んだ燃料は、インペラの回転に伴って圧縮されながら吐出口へと送られる。この後、吐出口から燃料が吐出される。燃料が吐出された貫通流路には、インペラの回転に伴って再び吸入口を介して燃料が入り込む。
【0004】
ここで、インペラの回転方向に向かって吐出口から吸入口に至る間は、吐出口と吸入口とが連通しないようにシール部とされている。シール部を設けることにより、吐出口の燃料が吸入口側へと漏出されてしまうことを抑制できる。また、シール部の周方向の長さによって、非容積型ポンプの流量特性が決定される。すなわち、シール部の周方向の長さが短いと、この分インペラの貫通流路に引き込める燃料が増大されるので、非容積型ポンプの吐出流量が増大される。これに対し、シール部の周方向の長さが長いと、この分インペラの貫通流路に引き込める燃料が減少されるので、非容積型ポンプの吐出流量が減少される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】日本国特許第4952180号公報
【文献】日本国特開2015-86804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、吐出口でインペラの貫通流路から完全に燃料が排出しきれず、そのまま圧力の高い燃料が吸入口まで送られると、吸入口で急激に燃料が低圧となり、減圧沸騰が生じる可能性があった。この際の燃料の圧力変動により、騒音が発生する可能性があった。
【0007】
そこで、本発明の目的の一つは、適正な吐出流量を確保しつつ、駆動時の騒音を低減できる非容積型ポンプ及び液体供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面に係る非容積型ポンプは、
円板状のインペラと、
前記インペラの全体を覆うように形成され、前記インペラの径方向中心を回転中心とし
て前記インペラを回転自在に収容したポンプケースと、を備え、
前記インペラは、
前記インペラの外周部寄りに、周方向に並んで形成された複数の羽根部と、
前記周方向に隣接する前記羽根部の間に形成され、前記インペラを板厚方向に貫通する複数の貫通流路と、を有し、
前記ポンプケースは、
前記インペラを収納する収納部と、
前記収納部と前記ポンプケースの外側とを前記インペラの板厚方向に貫通するとともに、前記貫通流路に連通する吸入口と、
前記インペラを挟んで前記吸入口とは反対側に配置され、前記収納部と前記ポンプケースの外側とを前記板厚方向に貫通するとともに、前記貫通流路に連通する吐出口と、
前記周方向における前記吸入口と前記吐出口との間に設けられるシール部と、を有し、
前記シール部の前記周方向における両端と、前記回転中心と、を結ぶ2つの直線の間の角度は、43°以上47°以下であり、
前記シール部は、前記両端の間に少なくとも2つの前記貫通流路を閉塞可能な大きさを有する。
【0009】
このように構成することで、非容積型ポンプの適正な吐出流量を確保できる。また、シール部の周方向の距離を適正にでき、吐出口から吸入口に送られる液体の減圧沸騰を抑制できる。このため、非容積型ポンプの駆動時の騒音を低減できる。
【0010】
本発明の第2の側面では、上記第1の側面において、
前記ポンプケースは、
前記インペラの一面に摺接され、前記一面を覆うアッパーケースと、
前記インペラの前記一面とは反対側の他面に摺接され、前記他面を覆うロワケースと、を有し、
前記アッパーケースと前記ロワケースとにより前記収納部が画成され、
前記アッパーケースは、
前記吐出口と、
前記インペラに面する第1摺接面に設けられるとともに前記吐出口に連通される円弧状の第1流路溝と、を有し、
前記ロワケースは、
前記吸入口と、
前記インペラに面する第2摺接面に設けられるとともに前記吸入口に連通される円弧状の第2流路溝と、を有し、
前記シール部は、
前記吐出口と前記吸入口との間であり且つ前記貫通流路の回転軌跡上にある。
【0011】
このように構成することで、簡素な構造で適正な吐出流量を確保しつつ、駆動時の騒音を低減可能な非容積型ポンプを提供できる。
【0012】
本発明の第3の側面に係る液体供給装置は、
上記第1の側面又は上記第2の側面に記載の非容積型ポンプと、
前記非容積型ポンプを駆動するモータ部と、を備え、
前記モータ部の回転軸と前記インペラとが相対回転不能に連結されている。
【0013】
このように構成することで、適正な吐出流量を確保しつつ、駆動時の騒音を低減可能な非容積型ポンプを提供できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、非容積型ポンプの適正な吐出流量を確保できる。また、シール部の周方向の距離を適正にでき、吐出口から吸入口に送られる液体の減圧沸騰を抑制できる。このため、非容積型ポンプの駆動時の騒音を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施形態における液体供給装置の斜視図である。
図2図2は、本発明の実施形態における液体供給装置の軸方向に沿う断面図である。
図3図3は、本発明の実施形態におけるインペラの斜視図である。
図4図4は、本発明の実施形態におけるアッパーケースをロワケース側からみた平面図である。
図5図5は、本発明の実施形態におけるロワケースをアッパーケース側からみた平面図である。
図6図6は、本発明の実施形態におけるポンプ部の軸方向に沿う断面の簡略図である。
図7図7は、本発明の実施形態における各シール部がシール条件を満たす場合と満たさない場合との燃料の吐出流量を比較したグラフである。
図8図8は、本発明の実施形態における燃料の吐出流量、及び燃料の音圧レベルの変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
(液体供給装置)
図1は、液体供給装置1の斜視図である。図2は、液体供給装置1の軸方向に沿う断面図である。
液体供給装置1は、自動二輪車や四輪車等の車両用の燃料ポンプとして用いられる。液体供給装置1は、不図示の燃料タンク内に配置されるいわゆるインタンク式の燃料ポンプである。
【0018】
図1図2に示すように、液体供給装置1は、略円筒状で金属製のハウジング2と、ハウジング2の内周面に嵌合され、それぞれハウジング2の軸方向に並んで配置されたモータ部3、及びポンプ部4と、を備えている。ハウジング2、モータ部3、及びポンプ部4は、同軸上に配置されている。
液体供給装置1は、ポンプ部4を重力方向下側に向けて使用される。このため、以下の説明では、モータ部3側を上方、ポンプ部4側を下方などと称する場合がある。また、以下の説明では、ハウジング2、モータ部3、及びポンプ部4の軸方向を単に軸方向、ハウジング2、モータ部3、及びポンプ部4の径方向を単に径方向、ハウジング2、モータ部3、及びポンプ部4の周方向を単に周方向と称する。
【0019】
ハウジング2は、モータ部3が嵌合されるモータ嵌合部11と、モータ嵌合部11よりも段差を介して縮径形成され、ポンプ部4が嵌合されるポンプ嵌合部12と、が一体成形されたものである。ポンプ嵌合部12の内周面には、径方向内側に向かって突出する位置決め凸部13が形成されている。位置決め凸部13は、ハウジング2を径方向外側から例えばプレス加工等により押圧することでなる。位置決め凸部13は、ハウジング2とポンプ部4との周方向の位置決めを行う。位置決め凸部13は、径方向からみて軸方向に長い長方形状に形成されている。
また、ハウジング2におけるポンプ嵌合部12の下端には、径方向内側に向かう内フランジ部12aが屈曲延出されている。これら位置決め凸部13、及び内フランジ部12aは、ハウジング2とポンプ部4との軸方向の位置決めを行う。
【0020】
モータ部3としては、例えばブラシ付きモータが採用される。モータ部3は、略円筒状のヨーク5と、ヨーク5の内周面に設けられた永久磁石8と、ヨーク5内に回転自在に設けられるアーマチュア6と、ヨーク5の上開口部5aを閉塞するアウトレットカバー7と、アウトレットカバー7に収納されているブラシ25と、を主構成としている。ヨーク5の外周面がハウジング2の内周面に嵌合されている。
【0021】
ヨーク5は、永久磁石8の磁束が通る磁路となる。ヨーク5の上開口部5aは、アウトレットカバー7における後述のインロー部31の外周面に嵌合される。アウトレットカバー7とヨーク5との周方向の位置決めは、アウトレットカバー7に形成される不図示の位置決め凸部とヨーク5に形成される不図示のヨーク位置決め凹部との凹凸嵌合により行われる。
【0022】
ヨーク5の内周面には、2つの永久磁石8が設けられている。永久磁石8は、軸方向からみてヨーク5の内周面に沿うように略半円状に形成されている。永久磁石8における軸方向の長さは、アーマチュアコア15の軸方向の長さよりも長く設定されている。そして、アーマチュアコア15の軸方向両端から永久磁石8の軸方向両端が突出するように(オーバーハングするように)配置されている。永久磁石8の磁場配向は径方向(永久磁石8の厚さ方向)に沿っている。
このような永久磁石8は、回転軸14を中心に径方向で対向配置されている。永久磁石8の内周面とアーマチュアコア15における後述のティース17及び樹脂モールド部22の径方向外側端との間には、微小隙間が形成される。
【0023】
アーマチュア6は、回転軸14と、回転軸14の外周面に嵌合固定されているアーマチュアコア15と、回転軸14のアーマチュアコア15よりもアウトレットカバー7寄りの外周面に嵌合固定されているコンミテータ16と、を主構成としている。
【0024】
アーマチュアコア15は、径方向外側に向かって放射状に延びる複数のティース17を有している。これらティース17に不図示の巻線が巻回されている。不図示の巻線の端末部は、コンミテータ16に接続されている。
コンミテータ16は、略円板状に形成された樹脂製のコンミテータ本体18を有する、いわゆるディスク型のコンミテータである。コンミテータ本体18のアーマチュアコア15とは反対側の一面18aに複数のセグメント19が周方向に並んで配置されている。セグメント19の径方向外側端には、コンミテータ本体18の外周面を通ってアーマチュアコア15側に屈曲延出されるライザ21が一体成形されている。各ライザ21に、不図示の巻線の一端が接続されている。
【0025】
このように形成されたアーマチュア6は、殆どが樹脂モールド部22によって覆われている。樹脂モールド部22は、略円柱状に形成されている。また、樹脂モールド部22は、アーマチュアコア15よりもポンプ部4側からコンミテータ本体18の軸方向略中央に至る間に延在されている。アーマチュアコア15は、ティース17の径方向外側端(外周面)のみが露出されており、不図示の巻線は樹脂モールド部22に埋没されている。樹脂モールド部22のポンプ部4側端には、角部に丸面取り部22aが形成されている。これにより、樹脂モールド部22のポンプ部4側端は先細りになる。
【0026】
アウトレットカバー7は、アーマチュアコア15側に開口部7aを有する略有底筒状に形成されている。アウトレットカバー7の底部7bには、径方向略中央に、アーマチュアコア15側に向かって突出する軸受円筒部23が一体成形されている。この軸受円筒部23に、回転軸14の上端部14aが回転自在に支持されている。
【0027】
また、アウトレットカバー7の底部7bには、軸受円筒部23を挟んで両側に、ブラシホルダ24が一体成形されている。ブラシホルダ24は、コンミテータ16側が開口された箱状に形成されている。ブラシホルダ24に、ブラシ25が軸方向に沿ってスライド移動自在に収納されている。また、ブラシホルダ24には、コイルスプリング26が圧縮変形した形で収納されている。ブラシ25は、コイルスプリング26によってコンミテータ16側に向かって付勢されている。ブラシ25の先端は、ブラシホルダ24から突出されてセグメント19に摺接されている。
【0028】
また、アウトレットカバー7の底部7bには、この底部7bを上下方向に貫通する端子27が設けられている。ブラシ25は、不図示のピグテールを介して端子27に接続されている。端子27には、不図示の外部電源が接続される。これにより、端子27、不図示のピグテール、ブラシ25、及びセグメント19を介して不図示の巻線に外部電力が供給される。
また、アウトレットカバー7の底部7bには、上方に向かって突出する吐出ポート28が一体成形されている。吐出ポート28は、液体供給装置1によって汲み上げられる燃料が吐出される箇所であり、不図示の燃料流路に接続されている。また、吐出ポート28を介し、アウトレットカバー7の内外が連通されている。
【0029】
アウトレットカバー7の周壁7cには、下方に向かって延出する位置決め片32が一体成形されている。位置決め片32は永久磁石8の間に介在され、永久磁石8(ヨーク5)とアウトレットカバー7との位置決めを行う。
【0030】
また、アウトレットカバー7の周壁7cには、外周面に全周に渡って嵌合凸条部29が径方向外側に張り出すように形成されている。嵌合凸条部29の外径は、ハウジング2におけるモータ嵌合部11の内径とほぼ同一に設定されている。このような嵌合凸条部29の外周面が、モータ嵌合部11の内周面に嵌合されている。モータ嵌合部11の上開口縁部11aは、アウトレットカバー7の嵌合凸条部29の上から径方向内側にかしめられる。また、アウトレットカバー7の周壁7cにおける嵌合凸条部29よりも下側は、ヨーク5とインロー嵌合されるインロー部31とされている。
【0031】
(ポンプ部)
回転軸14の下端部は、ポンプ部4に挿入されている。
ポンプ部4は、インペラ40を有する非容積型のポンプが用いられている。ポンプ部4は、インペラ40と、インペラ40の全体を覆うように形成されたポンプケース41と、により構成されている。ポンプケース41が、ハウジング2のポンプ嵌合部12に嵌合される。
【0032】
(インペラ)
図3は、インペラ40の斜視図である。
図2図3に示すように、インペラ40は、樹脂材料からなる略円板状に形成された部材である。インペラ40の径方向略中央には、回転軸14の下端部14bを挿通可能な挿通孔61が形成されている。ここで、回転軸14の下端部14bは、軸方向に直交する断面形状が略D字状に形成されている。また、インペラ40の挿通孔61は、回転軸14における下端部14bの断面形状に対応するように、軸方向からみて略D字状に形成されている。このような挿通孔61に、回転軸14の下端部14bが挿入されることにより、回転軸14とインペラ40とが相対回転不能に一体となって回転される。
【0033】
インペラ40の外周部寄りには、軸方向に沿う断面が略L字状の羽根部62(図6も参照)が複数形成されている。各羽根部62は、周方向の向きが同じ向きとなるように、周方向に等間隔に並んで配置されている。周方向に隣接する各羽根部62の間には、貫通流路63が形成されている。貫通流路63は、インペラ40の板厚方向に貫通されている。
【0034】
(ポンプケース)
図2に示すように、インペラ40の全体を覆うポンプケース41は、アッパーケース43と、ミドルケース44と、ロワケース42と、により構成されている。
【0035】
図4は、アッパーケース43をロワケース42側(下方)からみた平面図である。
図2図4に示すように、アッパーケース43は、インペラ40のモータ部3側に配置されている。アッパーケース43は、インペラ40の上面を覆うように略円板状に形成されている。アッパーケース43の外周部に、ミドルケース44が接合されている。アッパーケース43の外径は、ヨーク5の外径よりも若干小さく設定されている。
【0036】
アッパーケース43の径方向中央には、回転軸14の下端部14bを挿通可能な挿通孔46が形成されている。この挿通孔46に滑り軸受59を介して回転軸14が回転自在に支持されている。
また、アッパーケース43の上面43aには、挿通孔46の周囲を取り囲むように軸方向からみて略円環状の凹部47が形成されている。アッパーケース43の上面43aにおいて、凹部47よりも外周側は、ヨーク5が当接される当接面43bとなる。当接面43bは十分なスペースが確保されているので、当接面43bにヨーク5の下端を当接させても、これら当接面43bやヨーク5が座屈変形してしまうことが抑制される。
【0037】
また、アッパーケース43の上面43aには、凹部47の外周部寄りに、アッパーケース43を上下方向に貫通する吐出口48が形成されている。アッパーケース43の下面43cには、吐出口48の周縁に、吐出口48の開口を広げる凹部48aが形成されている。凹部48aは、アッパーケース43の下面43cに向かうに従って末広がりとなるように形成されている。
【0038】
アッパーケース43の下面43cは、インペラ40に摺接される第1摺接面43dである。第1摺接面43dには、軸方向でインペラ40の貫通流路63と対向する位置に、軸方向からみて略円弧状(略C字状)の第1流路溝64が形成されている。第1流路溝64の周方向一端は、吐出口48(凹部48a)に連通されている。第1流路溝64の周方向他端には、軸方向からみて先細りとなるように先細り部64aが形成されている。
【0039】
ミドルケース44は、インペラ40の外周面を取り囲むように略リング状に形成されている。ミドルケース44は、アッパーケース43と一体に形成されている。ミドルケース44の外径は、アッパーケース43の外径よりも若干大きく設定されている。ミドルケース44によって、インペラ40の径方向中心と、回転軸14の軸心Cとが一致される。ミドルケース44の軸方向の厚さは、インペラ40の板厚と略同一か、若干厚くなるように形成されている。これにより、インペラ40とアッパーケース43との間、及びインペラ40とロワケース42との間に、それぞれ所定のクリアランスが形成される。
【0040】
図5は、ロワケース42をアッパーケース43側(上方)からみた平面図である。説明の便宜上、図5では、図4に示すアッパーケース43が有する第1シール部66の周方向の位置と、図5に示すロワケース42が有する第2シール部67の周方向の位置と、が概ね一致するように、ロワケース42が図示されている。
図2図5に示すように、ロワケース42は、インペラ40の下方に配置されている。ポンプケース41は、ミドルケース44が一体に形成されたアッパーケース43と、ロワケース42とで、インペラ40の全体を覆うように形成されている。アッパーケース43の下面43cと、ロワケース42の上面42aとにより、インペラ40を収納する収納部60が形成される。
ロワケース42は、略円板状に形成されている。ロワケース42の外径は、ミドルケース44の外径とほぼ同一に設定されている。
【0041】
ロワケース42の下面42bには、外周側に、下方に向かって突出した略円筒状の吸入口53が形成されている。吸入口53の内周面には、ロワケース42の上面42a側に、この上面42aに向かうに従って徐々に開口面積が大きくなるようにテーパ孔部53aが形成されている。
また、ロワケース42の下面42bには、外周縁に、段差部49が形成されている。段差部49は、ロワケース42の下面42b側を縮径させることにより形成される。段差部49は、軸方向からみて、ハウジング2の内フランジ部12aと重なる位置に形成されている。
【0042】
ロワケース42の上面42aは、インペラ40に摺接される第2摺接面42cである。ロワケース42の上面42aには、径方向略中央に、回転軸14の下端部14bが臨まされる軸受収納凹部54が形成されている。この軸受収納凹部54に、スラスト軸受55が収納されている。回転軸14の下端部14bは、スラスト軸受55に当接された状態でロワケース42に回転自在に支持される。スラスト軸受55は、回転軸14のスラスト荷重を受ける。
【0043】
ロワケース42の第2摺接面42cには、軸方向でインペラ40の貫通流路63と対向する位置で、かつアッパーケース43の第1流路溝64と対向する位置に、軸方向からみて略円弧状(略C字状)の第2流路溝65が形成されている。第2流路溝65の周方向一端は、吸入口53(テーパ孔部53a)に連通されている。第2流路溝65の周方向他端には、軸方向からみて先細りとなるように先細り部65aが形成されている。
また、第2流路溝65には、吸入口53と先細り部65aとの間の中央よりもやや吸入口53寄りに、脱気孔68がロワケース42の板厚方向に貫通形成されている。脱気孔68は、ポンプケース41内で発生するベーパ(気泡)を排出するための孔である。
【0044】
ここで、第1流路溝64の周方向一端に連通されている吐出口48、及び第1流路溝64の周方向他端に形成されている先細り部64aと、第2流路溝65の周方向一端に連通されている吸入口53、及び第2流路溝65の周方向他端に形成されている先細り部65aとは、互い違いに配置されている。すなわち、吐出口48は、第2流路溝65の先細り部65aと軸方向で対向している。吸入口53は、第1流路溝64の先細り部64aと軸方向で対向している。
【0045】
また、アッパーケース43の第1摺接面43dにおける吐出口48(凹部48a)と第1流路溝64の先細り部64aとの間は、吐出口48から先細り部64aへの燃料の漏出を抑制するための第1シール部66となる。ロワケース42の第2摺接面42cにおける吸入口53(テーパ孔部53a)と第2流路溝65の先細り部65aとの間は、先細り部65aから吸入口53への燃料の漏出を抑制するための第2シール部67となる。第1シール部66の周方向の範囲(長さ)と第2シール部67の周方向の範囲(長さ)は、一致している。これら第1シール部66及び第2シール部67についての詳細は後述する。図6から理解されるように、第1シール部66及び第2シール部67は、吐出口48と吸入口53との間であり且つ貫通流路63の回転軌跡上に位置している。
【0046】
ロワケース42の下面42bに形成された段差部49には、シール部材としての角リング50が装着される。角リング50は、断面が略矩形状に形成されたフッ素ゴム等の耐油性に優れた材料からなる部材である。角リング50の外径は、ロワケース42の外径よりも若干小さく設定されている。このため、ハウジング2のポンプ嵌合部12には、アッパーケース43、ミドルケース44、及びロワケース42の外周面が嵌合される。角リング50の外周面とハウジング2のポンプ嵌合部12の内周面との間には、微小隙間が形成される。
【0047】
このような構成のもと、ハウジング2内にモータ部3とポンプ部4とを収納する際、ハウジング2の内フランジ部12aに角リング50を当接させる。この際、ポンプケース41の外周面に形成されている不図示の凹部に、ハウジング2の位置決め凸部13を挿入させる。これにより、ハウジング2とポンプ部4との周方向の位置決めが行われる。
【0048】
また、ロワケース42の段差部49と内フランジ部12aとにより、角リング50を若干押し潰した状態のまま、モータ嵌合部11の上開口縁部11aを、アウトレットカバー7の嵌合凸条部29の上から径方向内側にかしめる。これにより、ハウジング2のポンプ嵌合部12に、ポンプ部4が嵌合される。また、ハウジング2のモータ嵌合部11に、モータ部3が嵌合される。そして、ハウジング2に対するモータ部3及びポンプ部4の位置決めが行われ、ハウジング2、モータ部3、及びポンプ部4が一体化される。さらに、角リング50により、ハウジング2とポンプ部4との間のシール性が確保される。
【0049】
(液体供給装置の動作)
次に、図2図6に基づいて、液体供給装置1の動作について説明する。
図6は、ポンプ部4の軸方向に沿う断面の簡略図である。
図2図6に示すように、モータ部3の回転軸14を回転させると、この回転軸14と一体となってインペラ40が回転される。すると、吸入口53を介してポンプケース41内に燃料Nが吸い上げられる。吸い上げられた燃料Nは、インペラ40の貫通流路63内に入り込み、さらに、アッパーケース43の第1流路溝64、及びロワケース42の第2流路溝65に入り込む。そして、インペラ40とポンプケース41との間で旋回流が発生する。この旋回流により、吐出口48に向かうに従って貫通流路63内の燃料が昇圧される。
【0050】
昇圧された燃料Nは、吐出口48を介してモータ部3のヨーク5内に吐出される。つまり、吐出口48の燃料Nの圧力は、吸入口53の燃料Nの圧力に対して大きい。吐出口48と吸入口53との間には、第1シール部66及び第2シール部67が設けられている。このため、吸入口53、第1流路溝64、及び第2流路溝65のうちの吸入口53と軸方向で交わる箇所に、吐出口48から吐出される燃料Nが漏出されることが抑制されている。
ヨーク5内に吐出された燃料Nは、永久磁石8と樹脂モールド部22(アーマチュアコア15におけるティース17の径方向外側端)との間の微小隙間を介し、吐出ポート28に圧送される。この後、吐出ポート28を介して不図示のエンジン等に燃料が圧送される。
【0051】
ここで、インペラ40の貫通流路63において、吐出口48側で完全に燃料Nが吐出しきらず、そのまま圧力の高い燃料Nが吸入口53近傍、詳しくは吸入口53、第1流路溝64、及び第2流路溝65のうちの吸入口53と軸方向で交わる箇所にまで漏出した場合、吸入口53で急激に燃料Nが低圧となって減圧沸騰が生じ、この際の燃料Nの圧力変動により、騒音が発生する可能性がある。そこで、このような燃料Nの漏出を抑制するべく、第1シール部66の周方向の範囲(長さ)、及び第2シール部67の周方向の範囲(長さ)を、以下のように設定している。
【0052】
すなわち、図4に示すように、第1シール部66の周方向両端と回転軸14の軸心Cとを結ぶ直線をL1とする。ここで、第1シール部66の周方向両端とは、軸心Cを通る直線L1が、第1流路溝64の先細り部64aと接する箇所と、吐出口48の凹部48aと接する箇所とする。
また、図5に示すように、第2シール部67の周方向両端と回転軸14の軸心Cとを結ぶ直線をL2とする。ここで、第2シール部67の周方向両端とは、軸心Cを通る直線L2が、第2流路溝65の先細り部65aと接する箇所と、吸入口53のテーパ孔部53aと接する箇所とする。
【0053】
アッパーケース43の第1摺接面43dのうち、2つの直線L1の間で、かつインペラ40の羽根部62及び貫通流路63と軸方向で対向する箇所が、第1シール部66を構成する。また、ロワケース42の第2摺接面42cのうち、2つの直線L2の間で、かつインペラ40の羽根部62及び貫通流路63と軸方向で対向する箇所が、第2シール部67を構成する。
【0054】
2つの直線L1の間の角度θ1、及び2つの直線L2の間の角度θ2は、それぞれ
θ1≒θ2=45°±2°・・・(1)
を満たすように設定されている。換言すると、角度θ1及びθ2は、43°≦θ1≦47°であり且つ43°≦θ2≦47°であるように、設定されている。
また、図6に詳示するように、第1シール部66、及び第2シール部67は、周方向両端の間に少なくとも2つの貫通流路63を閉塞可能な大きさに形成されている。なお、この少なくとも2つの貫通流路63を閉塞可能な大きさで、かつ上記式(1)を満たす各シール部66,67の条件を、以下ではシール条件という。
【0055】
次に、図7図8に基づいて、シール条件を満たす各シール部66,67の効果について説明する。
図7は、縦軸をポンプ部4による燃料の吐出流量(以下、単に燃料の吐出流量という)[L/h]とした場合において、各シール部66,67がシール条件を満たす場合と満たさない場合との燃料の吐出流量を比較したグラフである。
なお、図7において、「従来」とは、第1シール部66の2つの直線L1の間の角度θ1が22°であり、第2シール部67の2つの直線L2の間の角度θ2が24°である場合である。「従来」の角度θ1,θ2は、上記式(1)を満たさない。図7において、「45°-1」とは、各シール部66,67の2つの直線L1,L2間の間の角度θ1,θ2が45°-1である場合であり、上記式(1)を満たす。図7において、「45°-2」とは、各シール部66,67の2つの直線L1,L2間の間の角度θ1,θ2が45°-2である場合であり、上記式(1)を満たす。図7において、「67°」とは、各シール部66,67の2つの直線L1,L2間の間の角度θ1,θ2が67°である場合であり、上記式(1)を満たさない。
【0056】
図7に示すように、各シール部66,67がシール条件を満たす場合、従来と比較して、若干燃料の吐出流量が減少するものの、「67°」と比較して燃料の吐出流量は多いことが確認できる。
【0057】
図8は、縦軸を燃料の吐出流量[L/h]、及び圧力の高い燃料が吸入口53まで送られてしまった場合の吸入口53近傍における燃料の音圧レベル[dB]とし、横軸を各シール部66,67の2つの直線L1,L2間の間の角度θ1,θ2[°]とした場合の燃料の吐出流量、及び燃料の音圧レベルの変化を示すグラフである。
図8に示すように、各シール部66,67の2つの直線L1,L2間の間の角度θ1,θ2が上記式(1)満たす範囲において、所望の吐出流量の範囲Wを満たしつつ、燃料の音圧レベルを低減できることが確認できる。吐出流量の範囲Wは、この種の液体供給装置1を実際に使用するにあたり、許容し得る音圧レベルと実用上望ましい吐出流量との両立を図り得る範囲として、定められている。
各シール部66,67がシール条件を満たす場合、従来と比較して音圧レベルを低減することが可能であり、また、「67°」と比較して流量の条件を満たすことが可能となる。そのため、各シール部66,67がシール条件を満たす場合、流量や音圧レベルにおける性能のバランスが良いことが確認できる。
【0058】
したがって、上述の実施形態によれば、各シール部66,67がシール条件を満たす場合、ポンプ部4は、適正な燃料の吐出流量を確保できる。また、各シール部66,67の2つの直線L1,L2間の間の角度θ1,θ2が上記式(1)満たすことにより、各シール部66,67の周方向の範囲(長さ)を適正にできる。この結果、吐出口48から吸入口53に送られる燃料の減圧沸騰を抑制でき、ポンプ部4の音圧レベルを低減してポンプ部4の駆動時の騒音を低減できる。
【0059】
また、ポンプ部4のポンプケース41は、インペラ40の上面を覆うアッパーケース43と、インペラ40の下面を覆うロワケース42と、を有している。アッパーケース43は、ポンプ部4から燃料を吐出する吐出口48と、第1摺接面43dに形成された第1流路溝64と、を有している。ロワケース42は、ポンプ部4に燃料を吸い上げる吸入口53と、第2摺接面42cに形成された第2流路溝65と、を有している。そして、アッパーケース43の第1摺接面43dにおける吐出口48(凹部48a)と第1流路溝64の先細り部64aとの間を第1シール部66としている。また、ロワケース42の第2摺接面42cにおける吸入口53(テーパ孔部53a)と第2流路溝65の先細り部65aとの間を第2シール部67としている。このような構成で、インペラ40、第1流路溝64、及び第2流路溝65を利用して燃料をモータ部3に圧送し、各シール部66,67によって燃料の漏出を確実に抑制できるので、ポンプ部4の構成を簡素化できる。
【0060】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
【0061】
例えば、上述の実施形態では、自動二輪車や四輪車等の車両用の燃料ポンプとして用いられる液体供給装置1について説明した。しかしながら、液体供給装置1は、さまざまな液体を圧送するために用いることが可能である。
【0062】
また、上述の実施形態では、モータ部3として、例えばブラシ付きモータを採用した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、モータ部3として、例えばブラシレスモータを採用することも可能である。
【0063】
また、上述の実施形態では、ポンプケース41は、アッパーケース43、ミドルケース44、及びロワケース42により構成されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、一体化されたアッパーケース43とミドルケース44とを1つのアッパーケース43と称してもよい。さらに、ポンプケース41は、インペラ40を回転自在に収納する収納部60を有していればよく、アッパーケース43、とロワケース42とで分割構成されていなくてもよい。例えば、ミドルケース44とロワケース42とを一体化し、これらミドルケース44とロワケース42とを1つのロワケース42と称してもよい。
【0064】
本出願は、2019年1月16日出願の日本特許出願(特願2019-004877)に基づくものであり、それらの内容はここに参照として取り込まれる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の非容積型ポンプ及び液体供給装置によれば、例えば、吐出流量を適正に確保しながら、吐出口から吸入口へ漏出した液体の減圧沸騰を抑制できる。この効果を奏する本発明は、例えば、自動二輪車や四輪車等の車両用の燃料ポンプに関して有用である。
【符号の説明】
【0066】
1…液体供給装置、3…モータ部、4…ポンプ部(非容積型ポンプ)、14…回転軸、40…インペラ、41…ポンプケース、42…ロワケース、42c…第2摺接面、43…アッパーケース、43d…第1摺接面、48…吐出口、53…吸入口、60…収納部、62…羽根部、63…貫通流路、64…第1流路溝、65…第2流路溝、66…第1シール部(シール部)、67…第2シール部(シール部)、C…軸心(回転中心)、L1,L2…直線、θ1,θ2…角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8