(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】レンズ組立体を備えた防護服システム
(51)【国際特許分類】
A42B 3/20 20060101AFI20230915BHJP
A41D 13/12 20060101ALI20230915BHJP
A42B 3/04 20060101ALI20230915BHJP
【FI】
A42B3/20
A41D13/12 118
A42B3/04
(21)【出願番号】P 2020572733
(86)(22)【出願日】2019-06-27
(86)【国際出願番号】 US2019039523
(87)【国際公開番号】W WO2020006243
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-06-23
(32)【優先日】2018-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506410062
【氏名又は名称】ストライカー・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ランバート,トレヴァー・ジョナサン
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02853169(EP,A1)
【文献】米国特許第05341513(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0204094(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A42B3/00-3/32
A41D13/11-13/12
A62B7/00-33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前照灯を有するサージカルヘルメットと共に使用するための環境側および着用者側を画定する着用型サージカルガーメントであって、
医療環境と着用者との間に微生物バリアを提供するように構成されたサージカル布と、
前記サージカル布に結合されるフェイスシールドと、
前記環境側の前記フェイスシールドに隣接するレンズ組立体であって、前記前照灯によって放出された光が前記レンズ組立体を通して伝達されるように、前記前照灯と位置合わせされるように構成された、レンズ組立体と、を備え、
前記レンズ組立体は、
第1のレンズと、
制御部材と、を備え、
前記制御部材は、前記第1のレンズに動作可能に結合され、前記レンズ組立体の特性を調整するために、前記サージカルガーメントの前記環境側で前記着用者によって操作可能である、着用型サージカルガーメント。
【請求項2】
前記レンズ組立体は、前記フェイスシールドの前記着用者側に少なくとも部分的に配設された結合部材
であって、前記レンズ組立体を前記前照灯に取り外し可能に結合するための結合部材を更に
備える、請求項1に記載の着用型サージカルガーメント。
【請求項3】
前記フェイスシールドは、前記結合部材と前記レンズ組立体との間に配設される、請求項2に記載の着用型サージカルガーメント。
【請求項4】
前記フェイスシールドは、開口を備え、したがって、前記前照灯によって放出された前記光が前記フェイスシールドおよび前記結合部材の前記開口を通って伝達される、請求項2または3に記載の着用型サージカルガーメント。
【請求項5】
前記結合部材は、前記フェイスシールドの前記着用者側に配設されて前記前照灯を前記結合部材に取り外し可能に結合するように構成された取付け部を更に含む、請求項2から4のいずれか1項に記載の着用型サージカルガーメント。
【請求項6】
前記結合部材は、前記レンズ組立体に取り外し可能に結合されるように構成された取付け部を更に含む、請求項2から5のいずれか1項に記載の着用型サージカルガーメント。
【請求項7】
前記結合部材は、前記フェイスシールドの単一の構成要素として少なくとも部分的に形成される、請求項2、4、5、または6のいずれか1項に記載の着用型サージカルガーメント。
【請求項8】
前記レンズ組立体は、第2のレンズを更に備え、
前記サージカルガーメントの前記環境側での前記着用者による前記制御部材の前記操作は、前記前照灯から放出された前記光の方向および/または強度を操作するために、前記第1のレンズに対する前記第2のレンズの位置を調整する、請求項1から7のいずれか1項に記載の着用型サージカルガーメント。
【請求項9】
前記第1のレンズは、前記前照灯によって放出された前記光をフィルタリングするために、前記第1のレンズに配設されたフィルムを更に含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の着用型サージカルガーメント。
【請求項10】
前照灯を有するサージカルヘルメットと共に使用するための防護服装置であって、
環境側および着用者側を画定する着用型サージカルガーメントであって、医療環境と着用者との間に微生物バリアを提供するように構成されたサージカル布を含む、着用型サージカルガーメントと
、
前記環境側で前記サージカルガーメントに結合されて前記前照灯と位置合わせされるように構成されたレンズ組立体
であって、
ハウジングと、
前記ハウジングに結合される第1のレンズと、
前記ハウジングに結合される制御部材と、
を備え
るレンズ組立体と、
前記レンズ組立体を前記前照灯に結合するように構成された結合部材と、
を備え、
前記制御部材は、前記第1のレンズに動作可能に結合されて、前記レンズ組立体の特性を調整するために、前記サージカルガーメントの前記環境側で前記着用者によって操作可能であり、
前記レンズ組立体の前記ハウジングは、前記前照灯に対して前記第1のレンズを位置合わせするために前記結合部材と協働する、防護服装置。
【請求項11】
防護服システムであって、
着用者の頭の上に着用されるべき、前照灯を含むサージカルヘルメットと、
環境側および着用者側を画定する前記サージカルヘルメットの上に少なくとも部分的に配設されるように構成されたサージカルガーメントと、を備え、
前記サージカルガーメントは、
医療環境と着用者との間に微生物バリアを提供するように構成されたサージカル布と、
前記前照灯に結合するように構成された結合部材と、
前記環境側で前記サージカルガーメントに隣接するレンズ組立体であって、前記前照灯によって放出された光が前記レンズ組立体を通して伝達されるように、前記前照灯と位置合わせされるように構成された、レンズ組立体と、を備え、
前記レンズ組立体は、
ハウジングと、
前記ハウジングに結合される第1のレンズと、
前記ハウジングに結合される制御部材と、
第2のレンズと、を備え、
前記制御部材は、前記第2のレンズに動作可能に結合されて、前記レンズ組立体の特性を調整するために、前記サージカルガーメントの前記環境側で前記着用者によって操作可能であり、
前記サージカルガーメントの前記環境側の前記着用者による前記制御部材の前記操作は、前記前照灯から放出された前記光を方向付けするために、前記第1のレンズに対する前記第2のレンズの位置を調整する、防護服システム。
【請求項12】
防護服システムであって、
着用者の頭の上に着用されるべき、取付け部を含むサージカルヘルメットと、
環境側および着用者側を画定する
ように、前記サージカルヘルメットの上に少なくとも部分的に配設されるように構成されたサージカルガーメントと、を備え、
前記サージカルガーメントは、
医療環境と着用者との間に微生物バリアを提供するように構成されたサージカル布と、
前記ヘルメットに結合するように構成された結合部材であって、前記取付け部と雌雄嵌合するように構成された雌雄嵌合取付け部を含む、結合部材と、
前記環境側で前記サージカルガーメントに隣接し、前記結合部材と協働するように構成されたレンズ組立体と、を備え、
前記レンズ組立体は、
ハウジングと、
前記ハウジングに結合される第1のレンズと、
前記ハウジングに結合される制御部材と、を備え、
前記制御部材は、前記レンズ組立体の特性を調整するために、前記サージカルガーメントの前記環境側で前記着用者によって操作可能である、防護服システム。
【請求項13】
静的な前照灯を有するサージカルヘルメットと共に使用するための環境側および着用者側を画定する防護服装置であって、
医療環境と着用者との間に微生物バリアを提供するように構成されたサージカル布と、
前記サージカル布に結合されるフェイスシールドと、
前記環境側の前記フェイスシールドに隣接するレンズ組立体であって、前記前照灯によって放出された光が前記レンズ組立体を通して伝達されるように、前記前照灯と位置合わせされるように構成された、レンズ組立体と、を備え、
前記レンズ組立体は、
第1のレンズを含んで前記フェイスシールドに結合される制御部材を備え、
前記制御部材は、前記フェイスシールドの前記環境側の前記着用者による前記制御部材の操作が前記フェイスシールドに対する前記第1のレンズの位置を調整するように構成される、防護服装置。
【請求項14】
前照灯を有するサージカルヘルメットと共に使用するための環境側および着用者側を画定する防護服装置であって、
医療環境と着用者との間に微生物バリアを提供するように構成されたサージカル布と、
前記サージカル布に結合されるフェイスシールドと、
レンズを含む制御部材と、
前記着用者側に少なくとも部分的に配設されて、前記前照灯によって放出された光が前記制御部材の前記レンズを通して伝達されるように前記前照灯またはヘルメットと結合するように構成された結合部材と、を備え、
前記制御部材は、前記フェイスシールドの前記環境側の前記着用者による前記制御部材の操作が前記フェイスシールドに対する前記レンズの位置を調整するように構成される、防護服装置。
【請求項15】
防護服システムであって、
着用者の頭の上に着用されるべき、前照灯を含むサージカルヘルメットと、
環境側および着用者側を画定する前記サージカルヘルメットの上に少なくとも部分的に配設されるように構成されたサージカルガーメントと、を備え、
前記サージカルガーメントは、
医療環境と着用者との間に微生物バリアを提供するように構成されたサージカル布と、
前記サージカル布に結合されるフェイスシールドと、
前記環境側の前記フェイスシールドに隣接するレンズ組立体であって、前記前照灯によって放出された光が前記レンズ組立体を通して伝達されるように、前記前照灯と位置合わせされるように構成された、レンズ組立体と、を備え、
前記レンズ組立体は、
第1のレンズを含んで前記フェイスシールドに結合される制御部材を備え、
前記制御部材は、前記フェイスシールドの前記環境側の前記着用者による前記制御部材の操作が前記フェイスシールドに対する前記第1のレンズの位置を調整するように構成される、防護服システム。
【請求項16】
防護服システムであって、
着用者の頭の上に着用されるべき、前照灯を含むサージカルヘルメットと、
環境側および着用者側を画定する前記サージカルヘルメットの上に少なくとも部分的に配設されるように構成されたサージカルガーメントと、を備え、
前記サージカルガーメントは、
医療環境と着用者との間に微生物バリアを提供するように構成されたサージカル布と、
前記サージカル布に結合されるフェイスシールドと、
レンズを含む制御部材と、
前記着用者側に少なくとも部分的に配設されて、前記前照灯によって放出された光が前記制御部材の前記レンズを通して伝達されるように前記前照灯またはヘルメットと結合するように構成された結合部材と、を備え、
前記制御部材は、前記フェイスシールドの前記環境側の前記着用者による前記制御部材の操作が前記フェイスシールドに対する前記レンズの位置を調整するように構成される、防護服システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2018年6月27日に出願された米国仮出願第62/690,559号の優先権および利益を主張し、ここに参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
防護服システムは、医療/外科要員と患者との間に滅菌バリアを提供するために、外科的な処置において使用される。防護服システムは、サージカルガーメントを支持するヘルメットを含む。ヘルメットは、医療/外科要員が患者を手術するときに、患者または作業空間の一部を照光するために、前照灯を備えることがある。この集合体は、滅菌バリアを確立するために、医療/外科要員によって着用される。
【0003】
滅菌バリアは、外科的な処置または検査中の粒子または異物の交換および/または移動を防止する。加えて、バリアは、血液や他の体液への曝露から着用者を保護するのに役立つ。着用者と患者の間に信頼できるバリアを維持することは、最も重要である。
【0004】
医療および外科的な処置中、着用者は、作業空間のより良い視界および照明のために、前照灯からの光を調整または再方向付けする必要があることがある。前照灯からの光の調整または再方向付けは、前照灯の調整、傾斜、または、操作を必要とする。例えば、前照灯は、患者の身体を照明するために、下向きに傾斜されることがある。現在、着用者は、サージカルガーメントを介して前照灯を調整する。同時に、外科用の空間の視界を維持することは、最重要である。前照灯を下向きに傾斜させることによって、作業空間の視界は、低下する。斯くして、処置中の前照灯のどのような調整も、処置の視界を危うくすべきでない。
【0005】
更にまた、前照灯の位置が手術前には容認できるが、処置中には容認できない場合があることがある。そういった場合に、処置は、前照灯の適切な調整が得られるまで、遅延されることがある。これは、処置を遅延させることによって、処置の効率を低下させる。
【0006】
少なくとも前述の課題を克服するように設計された特徴部を備えた防護服システムは、望まれている。本開示のこれらや他の構成、特徴部、および、利点は、当業者にとって明らかであろう。本開示は、これらの構成、特徴部、および、利点に対してまたはそれによって限定されない。
【発明の概要】
【0007】
着用型サージカルガーメントの1つの構成は、前照灯を有するサージカルヘルメットと共に使用するために提供される。サージカルガーメントは、医療環境と着用者との間に微生物バリアを提供するように構成されたサージカル布を含む。サージカルガーメントは、環境側と着用者側を画定する。結合部材は、着用者側に設けられる。レンズ組立体は、環境側のサージカル布に結合される。結合部材は、前照灯がレンズ組立体と位置合わせされるように、着用者側で前照灯に結合するために機能できる。レンズ組立体は、前照灯によって放出された光がレンズ組立体を通して伝達されるように、前照灯と位置合わせされる。レンズ組立体は、第1のレンズと制御部材とを備え、制御部材は、第1のレンズに動作可能に結合される。制御部材は、レンズ組立体の特性を調整するために、サージカルガーメントの環境側の着用者によって操作可能である。
【0008】
防護服装置の1つの構成は、前照灯を有するサージカルヘルメットと共に使用するために提供される。防護服装置は、着用型サージカルガーメントおよびレンズ組立体を含む。着用型サージカルガーメントは、環境側および着用者側を画定する。サージカルガーメントは、医療環境と着用者との間に微生物バリアを提供するように構成されたサージカル布を含む。レンズ組立体は、環境側でサージカルガーメントに結合され、前照灯と位置合わせされるように構成される。レンズ組立体は、ハウジングと、ハウジングに結合された第1のレンズと、ハウジングに結合された制御部材と、を含む。制御部材は、第1のレンズに動作可能に結合される。制御部材は、レンズ組立体の特性を調整するために、サージカルガーメントの環境側の着用者によって操作可能である。
【0009】
防護服システムの1つの構成が提供される。防護服システムは、着用者の頭の上に着用されるべきサージカルヘルメットを含む。サージカルヘルメットは、前照灯を含む。防護服システムは、サージカルヘルメットの上に少なくとも部分的に配設されるように構成されたサージカルガーメントを含む。サージカルガーメントは、環境側および着用者側を画定する。サージカルガーメントは、医療環境と着用者との間に微生物バリアを提供するように構成されたサージカル布を含む。結合部材は、着用者側に設けられる。サージカルガーメントは、環境側でサージカルガーメントに結合されたレンズ組立体を更に含む。レンズ組立体は、前照灯によって放出された光がレンズ組立体を通して伝達されるように、前照灯と位置合わせされるように構成される。レンズ組立体は、ハウジングと、ハウジングに結合された第1のレンズと、ハウジングに結合された制御部材と、第2のレンズと、を含む。制御部材は、第2のレンズに動作可能に結合され、レンズ組立体の特性を調整するために、サージカルガーメントの環境側で着用者によって操作可能である。サージカルガーメントの環境側の着用者による制御部材の操作は、滅菌バリアを破ることなく、前照灯から放出された光を方向付けするために、第1のレンズに対する第2のレンズの位置を調整する。
【0010】
サージカルガーメント、防護服装置、および、防護服システムは、先の技術では対処されなかった課題に対する解決策を提供する。本明細書で説明される技術は、処置の滅菌性を維持する滅菌バリアを破ることなく、前照灯からの光を調整するための解決策を提供する。斯くして、サージカルガーメント、防護服装置、および、防護服システムは、前照灯の調整および滅菌バリアの維持と関係するこの微妙なバランスを最適に満たすための解決策を提供する。そのうえ、もたらされる処置についてのどのような有害な効果も、この技術が前照灯からの光の適切な調整ならびに処置中の滅菌バリアの維持を確実にするという理由で、軽減される。したがって、本明細書での技術は、前照灯からの光の調整に対する解決策を提供し、それによって、好結果の外科的処置の可能性を高め、外科的処置中の滅菌バリアの破れを解消する。
【0011】
サージカルガーメント、防護服装置、および、防護服システムは、上で説明されたそれら以外の解決策を提供できる。
【0012】
さて、図面を参照すると、例示的な例証が詳細に示されている。図面は概略構成を表しているが、図面は必ずしもスケール通りではなく、或る種の特徴部は、例証的な構成の革新的な態様をより良く例証および解説するために、誇張されていることがある。更に、本明細書で説明される例示的な例証は、網羅的であるか、そうでなければ、図面に示されて以下の詳細な説明に開示された正確な形態および構成に限定または制限するということを意図していない。
【0013】
本開示の利点は、添付の図面に関連して考察されるときに、以下の詳細な説明を参照することによって、同じことがより良く理解されるようになるので、容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】サージカルヘルメットが幻影的に示された、サージカルヘルメット、サージカルガーメント、およびレンズ組立体を含む防護服システムの例示的な構成の斜視図である。
【
図1B-C】サージカルヘルメットが前照灯を含む、
図1Aの防護服システムのサージカルヘルメットの第1の構成の斜視図である。
【
図2A】
図1Aの防護服システムのサージカルガーメントの第1の構成の斜視図である。
【
図2B】サージカルガーメントのフェイスシールドが開口を含む、
図1Aの防護服システムのサージカルガーメントの第2の構成の斜視図である。
【
図2C】サージカルガーメントがハウジングおよび制御部材を含むレンズ組立体を含む、
図1Aの防護服システムのサージカルガーメントの第3の構成の斜視図である。
【
図3A】前照灯を備えたサージカルヘルメットと、
図2Aのサージカルガーメントの第1の構成のフェイスシールドと共に使用するためのレンズ組立体の第1の構成と、を含む
図1Aの防護服システムの例示的な構成の部分分解図である。
【
図3B】前照灯を備えたサージカルヘルメットと、
図2Bのサージカルガーメントの第2の構成のフェイスシールドと共に使用するためのレンズ組立体の第2の構成と、を含む
図1Aの防護服システムの例示的な構成の部分分解図である。
【
図3C】前照灯を備えたサージカルヘルメットと、レンズ組立体の第3の構成と、を含む
図1Aの防護服システムの例示的な構成の部分分解図である。
【
図4】線A-Aの沿った
図1Aの防護服システムの一部の断面図である。
【
図5A】
図3Aのサージカルガーメントおよびレンズ組立体の第1の構成と共に使用するための前照灯および結合部材の例示的な構成の部分分解図である。
【
図5B】レンズ組立体がハウジングと、第1のレンズと、第2のレンズと、制御部材と、を含む
図3Aのレンズ組立体の第1の構成の部分分解図である。
【
図6A】
図3Bのサージカルガーメントおよびレンズ組立体の第2の構成と共に使用するための前照灯および結合部材の例示的な構成の部分分解図である。
【
図6B】レンズ組立体が結合部を有するハウジングと、第1のレンズと、第2のレンズと、制御部材と、を含む
図3Bのレンズ組立体の第2の構成の部分分解図である。
【
図7A】レンズ組立体と共に使用するための第1のレンズの層の断面図である。
【
図7B】レンズ組立体と共に使用するための第2のレンズの層の断面図である。
【
図8A】ハウジングから離れた第1の距離に位置する制御部材を例証している、
図3Bおよび4のレンズ組立体の第2の構成の斜視図である。
【
図8B】ハウジングから離れた第2の距離に位置する制御部材を例証している、
図3Bおよび4のレンズ組立体の第2の構成の斜視図である。
【
図8C】ハウジングから離れた第3の距離に位置する制御部材を例証している、
図3Bおよび4のレンズ組立体の第2の構成の斜視図である。
【
図9A-B】
図9Aは、制御部材がハウジングから離れた第1の距離に位置するときの第1のレンズおよび第2のレンズを含むレンズ組立体の第2の構成によって作成された例示的な光パターンを例証している
図8Aの概略図、
図9Bは、制御部材がハウジングから離れた第2の距離に位置するときの第1のレンズおよび第2のレンズを含むレンズ組立体の第2の構成によって作成された例示的な光パターンを例証している
図8Bの概略図である。
【
図9C】制御部材がハウジングから離れた第3の距離に位置するときの第1のレンズおよび第2のレンズを含むレンズ組立体の第2の構成によって作成された例示的な光パターンを例証している
図8Cの概略図である。
【
図10】
図3Cのライト組立体の第3の構成によって作成された例示的な光パターンの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
I.患者アパレルシステムの全体像
医療処置または検査中の粒子または異物の交換および/または移動を防止するために、医療要員/ヘルスケア提供者と患者との間に滅菌バリアを維持することは、最も重要である。ヘルスケア提供者は、滅菌バリアを維持するために、防護服システム5として知られている組立体を着用できる。
【0016】
図1Aを参照すると、防護服装置10およびサージカルヘルメット22を含む防護服システム5の例示的な構成が例証されている。したがって、防護服装置10は、
図1Aに示されたように、サージカルヘルメット22の上に少なくとも部分的に配設されるように構成された着用型サージカルガーメント20を含むことができる。サージカルガーメント20は、サージカルヘルメット22および着用者の頭の少なくとも一部をカバーするように構成されたサージカル布24を含むことができる。防護服装置10は、サージカルガーメント20に結合されたシールド26を含むこともできる。防護服装置10は、サージカルガーメント20またはシールド26に結合できるレンズ組立体14を含むこともできる。まとめると、防護服装置10の特徴部は、防護服装置10の着用者側と環境側との間に滅菌バリアを画定するように構成できる。防護服システム5の一部を形成できる防護服装置10の追加の特徴部および変形例は、下でより詳細に説明されるであろう。
【0017】
防護服システム5は、サージカルヘルメット22を含むことができる。
図1Bおよび1Cを参照すると、防護服システム5の一部として防護服装置10と共に使用できるサージカルヘルメット22の例示的な構成が例証されている。サージカルヘルメット22の各構成は、概して、シェル32、チンバー31、および、ヘッドバンド30を含むことができる。シェル32は、ヘッドバンド30によって支持されてその上に位置する。シェル32は、着用者の頭の上に嵌合するために弧状に構成できる。他のヘルメットの設計が企図される。シェル32の多くの部分は、ボイドを画定するかまたは内部空間を開くために形成できる。例えば、シェル32は、中央ボイド34を含むことができる。中央ボイド34は、シェル32の後方に向けて位置できる。吸気開口またはアパーチャは、中央ボイド34へのアクセスを提供するために、シェル32の上部に存在できる。シェル32は、シェル32の前部に近接する前部ボイドおよびシェル32の後部に近接する後部ボイドなどの追加のボイドを含むこともできる。追加のボイドは、シェル32の内部にダクト状の構造または通路を形成するように構成できる。
【0018】
サージカルヘルメット22は、これらに限定されないが、換気組立体、前照灯12、カメラ、マイクロフォンまたは他の通信デバイス、冷却デバイス、あるいは、それらの組合せを含む1つまたは複数の周辺デバイスを含むこともできる。例えば、換気組立体は、着用者の頭の上のサージカルヘルメット22のシェル32の内部に位置できる。換気組立体は、空気をシェル32の中央ボイド34の中に引いて、それをシェル32の内部のダクト状構造または通路を通して分散させるように構成できる。企図されるのは、周辺デバイスがチンバー31に配設されるマイクロフォンを含むこともできるということである。更に別の例では、周辺デバイスは、前照灯12を含むこともできる。前照灯12は、サージカルヘルメット22のシェル32に結合できる。周辺デバイスを含むサージカルヘルメット22の構成例は、上で説明されているが、例は、限定することを意図していない。企図されるのは、上で説明された周辺デバイスがサージカルヘルメット22に対して様々な場所および配向で実装および/または取付けできるということである。
【0019】
防護服装置10、サージカルヘルメット22および周辺デバイスの追加の特徴部は、以下の米国特許、即ち、第6,481,019号、第7,752,682号、第9,706,808号、第6,973,677号、第7,735,156号、第7,752,682号、第8,234,722号、第8,282,234号、第8,407,818号、第8,819,869号、および、第9,173,437号、のうちの1つまたは複数において説明することができ、ここに参照によって本明細書に組み込まれる。
【0020】
図1Bおよび1Cを参照すると、前照灯12などの周辺デバイスと共に使用するためのサージカルヘルメット22の例示的な構成が例証されている。前照灯12は、任意の適切な方法でサージカルヘルメット22に結合できる。例えば、1つの構成では、前照灯12は、ヘルメット22と一体的に形成できる。別の構成では、前照灯12は、ヘルメット22に取り外し可能に結合できる。更に別の構成では、前照灯12は、締結具を介してヘルメット22に結合できる。締結具は、前照灯12をヘルメット22に結合するために、ボルト、ネジ、ピン、ヒンジ、ブラケット、または同種のものを含むことができる。
【0021】
前照灯12は、前照灯本体37を含むことができる。前照灯本体37は、任意の適切な構成で形成できる。前照灯12は、前照灯本体37の内部に少なくとも部分的に配設された透明カバー36および光源38(
図1Bには示されていない)を含むこともできる。透明カバー36は、光が通過できるように構成されたレンズ、スクリーン、シールド、または他の類似のカバー機構を含むことができる。透明カバー36は、塵埃、泥、または、湿気が前照灯12の内側に入るのを防止して同時に光源38によって伝達される光が通過するのを可能にもする目的で、前照灯本体37によって画定される前照灯開口をカバーするように構成できる。光源38は、1つまたは複数の発光ダイオード(LED)を含むことができる。発光ダイオードの数およびタイプは、所望のビーム強度、ビーム幅、電力要件、熱発生および空間稼働率によって決定できる。他の光源38は、白熱フィラメントおよび同種のものなども企図される。そのうえ、必要な発光効率および必要な光の色に応じて、等色または多色の光を放出する発光ダイオードは、光源38として使用できる。他の構成では、光源38は、白熱灯、発光、燃焼、光ファイバ、および同種のものなどの光の発生の任意の方法からのものにできる。
【0022】
1つの構成では、前照灯12および/または光源38は、内部電池を備えた電池動力式にすることができる。別の構成では、前照灯12および/または光源38は、導線によって制御器または外部電源に結合できる。例えば、前照灯12および/または光源38は、内部電源を備えた自己動力式にすることができ、あるいは、利用可能ならばホストオブジェクトを介して動力を受容できる。
【0023】
図1Bを参照すると、サージカルヘルメット22Aの第1の例示的な構成が例証されている。サージカルヘルメット22Aは、外科用作業空間の照明または照光を支援するために、ヘルメット22Aのシェル32に直接結合された前照灯12を含むことができる。前照灯12は、ヒンジ、ピン、ネジ、ピボット、ブラケット、フックアンドループ、または同種のものによって、サージカルヘルメット22Aのシェル32に結合できる。例えば、前照灯12は、サージカルヘルメット22のシェル32上の対応するブラケットに係合するように構成されたブラケットを含むことができる。シェル32および前照灯12の対応するブラケットは、ネジ、ピン、または同種のものによって結合でき、前照灯12がシェル32に対して旋回するのを可能にするように構成される。代替として、前照灯12は、ボールを含むブラケットを含むことができ、シェル32は、前照灯12のボールと圧入を形成するように構成された対応する空洞または凹所を含むことができる。更に企図されるのは、前照灯12が、ネジ、ボルト、または同種の締結具によって、サージカルヘルメット22のシェル32に直接結合されるブラケットを含むことができるということである。前照灯12のこの構成では、ブラケットは、シェル32への結合時にサージカルヘルメット22に対して前照灯12が操作されるのを可能にするために、ピボット、ヒンジ、または同種の機構を含むことができる。
図1Bは、サージカルヘルメット22Aの前部のシェル32の下側に結合されている前照灯12を全体的に例証しているが、企図されるのは、前照灯12がサージカルヘルメット22Aの他の場所で結合できるということである。例えば、同じく企図されるのは、前照灯12が同様の方法でサージカルヘルメット22Aのヘッドバンド30に結合できるということである。
【0024】
代替として、同じく企図されるのは、前照灯12が、別個の取付け部45によってサージカルヘルメット22Bに取り外し可能に結合できるということである。
図1Cは、前照灯12などの周辺デバイスをサージカルヘルメット22Bに結合するために、ブラケットなどの取付け部45を含むサージカルヘルメット22Bの第2の例示的な構成を例証している。例えば、
図1Cに例証されたように、取付け部45は、サージカルヘルメット22のシェル32に結合できる。取付け部45は、ネジ、ボルト、ピン、接着剤、フックアンドループ、または他の類似の締結具によって、シェル32に結合できる。例えば、取付け部45は、エポキシまたは同様の接着剤を使用してシェル32に接着できる。代替として、取付け部45は、1つまたは複数のネジを使用してシェル32に結合できる。
【0025】
取付け部45は、前照灯12などの周辺デバイスを受容するように構成された取付け部分47を含むこともできる。例えば、
図1Cに例証されたように、ブラケットは、前照灯12を受容および/またはそれに結合するように構成されたリング形状の取付け部分47を含む。取付け部分47の例示的な構成は、
図1Cにおいてリング形状であるとして例証されているが、他の形状が企図される。例えば、取付け部分47は、U形状、正方形、または他の類似の形状に構成できる。取付け部分47は、前照灯12などの周辺デバイスとの摩擦嵌合を作り出すために、サイズ決めおよび/または形状付けすることができる。代替として、企図されるのは、取付け部分47が前照灯12の対応する特徴部に係合する結合部を含むことができるということである。例えば、取付け部分47は、前照灯12の外側の対応するネジ部分に係合するように構成されるリング形状によって画定される開口の内側などのネジ部分を含むことができる。代替として、取付け部分47は、前照灯12を取付け部分47に結合するために、前照灯12の外側の対応するタブおよび/または突起に係合するように構成されるリング形状によって画定されるアパーチャの内側に切削された1つまたは複数の溝を含むことができる。更に別の構成では、企図されるのは、取付け部分47が、前照灯12が取付け部分47に締結できるように、ピン、ボルト、またはネジ等の締結具を受容するための1つまたは複数のアパーチャを含むことができるということである。
【0026】
同じく企図されるのは、取付け部45の取付け部分47が防護服装置10に結合および/または係合するように構成できるということである。例えば、取付け部分47は、サージカルヘルメット22Bに対して防護服装置10および/またはフェイスシールド26を配向するために、防護服装置10のフェイスシールド26に取り外し可能に係合するように構成できる。これは、防護服装置10および/またはフェイスシールド26を、取付け部45に取り付けられている前照灯12などの周辺デバイスと位置合わせすることを含むことができる。
【0027】
取付け部45は、取付け部45の取付け部分47がシェル32および/またはサージカルヘルメット22Bに対して操作されるのを可能にするように構成されたヒンジ、ピボット、または同様の機構を更に含むことができる。例えば、取付け部45は、取付け部分47が必要でないときに道から外れるように折り畳み/揺動されるのを可能にするヒンジを含むことができる。これは、外科的処置中に着用者の視野から潜在的な障害物または注意散漫を取り除いて、取付け部分47が必要でないときに着用者の視野から外れるように動かされるのを可能にするであろう。
【0028】
上で説明されたように、防護服システム5は、医療専門家によって着用されたときに、サージカルヘルメット22A、22Bの上に少なくとも部分的に配設されるように構成された防護服装置10を含むことができる。処置中に、必要になり得ることは、前照灯12が、サージカルヘルメット22A、22Bに結合されることおよび防護服装置10によって画定されるバリアの着用者側にあることである。しかしながら、不利であろうことは、医療専門家が、医療処置中に、滅菌バリアを危うくすることなく、前照灯12を調整することを要求された場合である。したがって、開示される防護服装置10が含んでいるレンズ組立体14は、防護服装置10によって画定される滅菌バリアの環境側に少なくとも部分的に配設されており、防護装置10によって画定される滅菌バリアを破壊することなく、前照灯12から放出される光の強度および/または方向の調整を可能にする。
【0029】
図2A~2Cを参照すると、
図1Aの防護服システム5と共に使用するための防護服装置10A、10B、10Cの様々な例示的な構成が例証されている。理解されるであろうことは、防護服装置10A、10B、10Cが環境側および着用者側を画定するように構成できるということである。バリアは、着用者が外科的処置の経過中に生成され得る患者からの物質の流体または固体粒子に曝露され得る可能性を実質上排除できる。バリアは、着用者によって放出される任意の異物の移動が、外科的処置中に患者に移動するのを実質上防止できる。防護服装置10が含むことのできるサージカルガーメント20は、着用者と周囲環境との間の微生物バリアなどのバリアを少なくとも部分的に画定するように構成されたサージカル布24を含む。サージカルガーメント20は、サージカルヘルメット22A、22Bの上に配置されるべきフードまたはトーガとして構成できる。1つの構成では、
図1および2Aに示されたように、サージカルガーメント20は、フードにすることができる。フードは、着用者によって着用されたときに、頭をカバーして首の下の短い距離だけ延びそうであるサージカルガーメント20を指す。そのうえ、サージカルガーメント20は、サージカルヘルメット22の上に位置でき、サージカルヘルメット22A、22B、および、対応して、システム5を着用する人の頭、を取り囲んで、それによって、着用者の顔および頭の後部をカバーするように構成できる。代替として、サージカルガーメント20は、トーガ、シャツ、またはジャケットにすることができる。別の例では、トーガは、フードと同じ方法で頭をカバーして、着用者によって着用されたときに、少なくとも腰まで延びるサージカルガーメント20を指す。
【0030】
サージカルガーメント20は、水、デブリ、および他の汚染物質をはじくおよび/または吸収するのを助けるために、任意の適切なサージカル布24または布の組合せから製造できる。サージカル布24は、複数の層を含むことができる。1つのそういった層は、微生物バリアを維持しながらガスが布24を通過するのを可能にする微孔性フィルムにすることができる。更に企図されるのは、サージカルガーメント20がバリアを画定するために互いに結合された複数の異なった布で構成できるということである。
【0031】
防護服装置10は、フェイスシールド26A、26Bを含むこともできる。防護服装置10A、10B、10Cのフェイスシールド26A、26B部分は、着用者がサージカルガーメント20によって提供されるバリアを通して見るのを可能にする。フェイスシールド26A、26Bは、概ねシート状の構造であり、任意の適切な厚さを有することができる。フェイスシールド26は、サージカルガーメント20の布24に形成された開口または切欠きに実装および/または取付けできる。布24は、縫製、スナップ、フックアンドフープ、接着剤、溶着、またはそれらの任意の組合せによって、フェイスシールド26A、26Bの周囲または縁の周りに取付けできる。フェイスシールド26A、26Bは、ポリカーボネートなどの透明な材料から構築することができる。フェイスシールド26A、26Bは、明るい光の高められた曝露から着用者の目を保護するために、着色することもできる。更にまた、フェイスシールド26A、26Bは、フェイスシールド26が異なったヘッドサイズに対応するように湾曲できるように、可撓性にすることができる。フェイスシールド26A、26Bは、サージカルガーメント20が医療専門家によって着用されるサージカルヘルメットの上に配設されるときに、着用者の顔の前に位置するであろう。
【0032】
図2Aを参照すると、フェイスシールド26Aの第1の構成を含む防護服装置10Aの第1の構成が例証されている。防護服装置10Aのこの構成では、フェイスシールド26Aは、サージカルガーメント20の開口に配設されるシート状の構造を含む。サージカルガーメント20の開口は、シールド26Aの任意の穴または開口がサージカルガーメント20によってカバーされるように、シールド26Aの周囲に結合し、着用者と環境との間に強固な滅菌バリアを作成する。これは、サージカルヘルメット22A、22Bと結合するように構成されるフェイスシールド26Aの上部の開口をカバーするサージカルガーメント20を含むことができる。サージカルガーメント20は、サージカルヘルメット22A、22Bの対応する締結具と結合するように構成されたフェイスシールド26Aに結合される鉄製または磁性のリベットをカバーすることもできる。
【0033】
図2Bを参照すると、フェイスシールド26Bの第2の構成を含む防護服装置10Bの第2の構成が例証されている。フェイスシールド26Bは、1つまたは複数の開口28を含むことができる。例えば、フェイスシールド26Bは、
図2Bに例証されたように、1つの開口28を含むことができる。開口は、サージカルヘルメット22の前照灯12および/またはレンズ組立体14と相互作用および/または係合するように構成できる。代替として、同じく企図されるのは、フェイスシールド26Bが2つの開口を含むことができるということである。例えば、フェイスシールド26Bは、前照灯12および/またはレンズ組立体14と共に使用するための第1の開口28と、サージカルヘルメット22A、22Bをフェイスシールド26Bに固定するための第2の開口と、を含む。この例では、防護服装置10Bは、
図1Aに例証されたように、ヘルメット22A、22Bの上に配設できる。1つの構成では、サージカルヘルメット22A、22Bは、フェイスシールド26Bの第2の開口またはアパーチャと雌雄嵌合するように構成されたタブを含むことができる。しかしながら、フェイスシールド26Bの第2の開口は、曝露されないように、サージカルガーメントによってカバーされるであろう。
【0034】
図2Cを参照すると、フェイスシールド26Aに結合されたレンズ組立体14Aを含む防護服装置10Aの例示的な構成。レンズ組立体14は、環境側で着用者によって操作可能であるのが、滅菌バリアを破壊することなく、前照灯からの光の強度および/または方向を方向付けおよび/または操作することであるように、防護服装置10に結合できる。レンズ組立体14は、光を外科用作業空間に方向付ける目的で、前照灯自体を調整、傾斜、焦点合わせ、および/または操作するために、操作できる。レンズ組立体14は、更に下で詳細に説明されるであろう。
【0035】
図3A~3Cを参照すると、前照灯12を含むサージカルヘルメット22と共に使用するためのレンズ組立体14の様々な構成が例証されている。レンズ組立体14は、防護服装置10Aの環境側に少なくとも部分的に配設されるように構成されるハウジング48A、48B、48Cを含むことができる。ハウジング48A、48B、48Cは、フェイスシールド26A、26Bに近接して位置して、レンズ組立体を防護服装置10A、10B、10Cに取り付けるために結合部材40A、40B、40Cと係合するように構成できる。これは、防護服装置10A、10B、10Cのタイプおよび/または構成に応じて、幾つかの異なった方法で、達成できる。例えば、結合部材40は、防護服装置10Aの着用者側のフェイスシールド26Aの内面に配設および/または結合されるように構成できる。ハウジング48は、次には、防護服装置10Aの着用者側のフェイスシールド26Aの外面に配設および/または結合されるように構成できる。代替として、同じく企図されるのは、結合部材40Bおよび/またはハウジング48Bがフェイスシールドの開口28の内部に少なくとも部分的に配設できるということである。例えば、ハウジング48Bの一部は、着用者側に少なくとも部分的に配設された
結合部材40Bがハウジング48に結合できるように、フェイスシールド26Bの開口28の内部に少なくとも部分的に配設できる。更に別の構成では、結合部材40Cの一部は、環境側に少なくとも部分的に配設されたハウジング48Cが制御部材18Cに結合できるように、フェイスシールド26Bの開口28の内部に少なくとも部分的に配設できる。例示的な構成は、
図3A~3Cに関して下でより詳細に説明されるであろう。
【0036】
図3Aおよび3Bを参照すると、レンズ組立体14A、14Bは、一般的に制御部材18A、18Bを含むことができる。制御部材18A、18Bは、防護服装置10A、10Bの環境側に配設でき、レンズ組立体14A、14Bのハウジング48A、48Bに係合するように構成できる。制御部材18A、18Bは、レンズ組立体14A、14Bを通過する光の方向および/または強度を操作するように構成されたレンズ58A、58Bを含むこともできる。制御部材18A、18Bは、滅菌バリアを破壊または危うくすることなく、前照灯12からの光の強度を方向付けおよび/または操作するために、環境側で着用者によって操作可能にできる。例えば、制御部材14A、14Bは、制御部材18A、18Bがハウジング48A、48Bおよび/または前照灯12に対する制御部材18A、18Bひいてはレンズ58A、58Bの位置を操作するために回転できるように、ハウジング48A、48Bに螺合するように構成できる。代替として、制御部材18A、18Bは、制御部材18A、18Bがハウジング48A、48Bおよび/または前照灯12に対する制御部材18A、18Bひいてはレンズ58Aの位置を操作するためにハウジング48A、48Bに対して摺動できるように、ハウジング48A、48Bに摺動係合するように構成できる。レンズ組立体14Aは、ハウジング48A、48Bおよび/または前照灯12に対する制御部材18A、18Bひいてはレンズ58A、58Bの位置を操作することが、レンズ組立体14A、14Bを通過する光の方向および/または強度を調整するであろうように、構成できる。この概念は、下でより詳細に解説されるであろう。
【0037】
図3Aは、
図2Aの防護服装置10Aの第1の構成に結合するように構成されたレンズ組立体14Aの第1の構成の部分分解図を例証している。防護服装置10Aの第1の構成は、フェイスシールド26Aの第1の構成を含むことができる。上で説明されたように、フェイスシールド26Aは、防護服装置10Aが強固な滅菌バリアを形成する目的で、フェイスシールド26Aがサージカルガーメント20に結合されているときに、露出した開口またはアパーチャを何ら含まない。そういった構成では、レンズ組立体14Aの一部は、フェイスシールド26Aと一体的に形成および/またはフェイスシールド26Aに結合できる。例えば、フェイスシールド26Aは、フェイスシールド26Aの環境側に形成されたハウジング48Aの特徴部を含む単一の部片として形成できる。ハウジング48Aがフェイスシールド26Aの一部として形成されるときに、ハウジング48Aは、防護服装置10Aによって作り出された滅菌バリアを維持するために、レンズ16Aを含むであろう。代替として、企図されるのは、レンズ組立体14が接着剤によってフェイスシールド26Aに取付けできるということである。この構成では、結合部材40Aは、着用者側のフェイスシールド26Aに接着でき、レンズ組立体14のハウジング48Aは、滅菌バリアの環境側のフェイスシールド26Aに接着できる。更に別の構成では、レンズ組立体14は、磁気引力によってフェイスシールド26Aに取付けできる。例えば、フェイスシールド26Aは、レンズ組立体の配置および/または位置決めを支援するために、フェイスシールド26Aの面上の凹所またはデテントなどの配置特徴部を含むことができる。結合部材40Aおよびハウジング48Aの個々は、フェイスシールド26Aのそれぞれの面上の配置特徴部と係合および/または嵌合するように構成された同様の特徴部を有することができる。結合部材40Aおよびハウジング48Aの個々は、フェイスシールド26Aを横切って結合部材40Aとハウジング48Aとの間に磁気引力を作り出すように構成された鉄材料または磁性材料の一方を含むこともできる。例えば、結合部材40Aは、鉄材料および磁性材料の一方を含むことができ、ハウジング48Aは、鉄材料および磁性材料の他方を含むことができ、したがって、結合部材40Aおよびハウジング48Aの双方がフェイスシールド26Aのそれらのそれぞれの側に位置するときに、鉄材料および磁性材料は、レンズ組立体14Aをフェイスシールド26Aに取り外し可能に取り付ける結合部材40Aとハウジング48Aとの間の磁気引力を作り出す。代替として、企図されるのは、フェイスシールド26Aが、フェイスシールド26Aに埋め込まれている鉄材料および磁性材料の一方を含むことができ、
結合部材40Aおよびハウジング48Aが、鉄材料および磁性材料の他方を含むことができ、フェイスシールド26Aと結合部材40Aおよびハウジング48Aとの間に磁気引力を作り出すということである。前照灯12は、次には、防護服装置10Aがサージカルヘルメット22の上に配設されるときに、結合部材40Aに近接して位置および/または結合できる。追加として、制御部材18Aは、レンズ組立体14Aを通過する光の方向および/または強度を操作するために、上で説明された方法のうちの1つで操作されるように同様に構成できる。
【0038】
図3Bは、
図2Bの防護服装置10Bの第2の構成に結合するように構成されたレンズ組立体14Bの第2の構成の部分分解図を例証している。上で説明されたように、フェイスシールド26Bは、1つまたは複数の開口またはアパーチャ28Bを含むことができる。追加の開口を含む開口28Bの場所および形状は、変化できる。形状構成は、円形、長円形、正方形または同種のものなどの任意の適切な形状にすることができる。例えば、円形の形状構成を備えたフェイスシールド26Bの中央部分に近接する開口28B。更にまた、防護服装置10Bは、フェイスシールド26Bの追加の材料が開口28Bにまたがるように、開口28Bの内部に配設されたフェイスシールド26とは異なった他の材料を含むことができる。そういった構成では、レンズ組立体14Bは、開口28Bを介してフェイスシールド26Bと結合するように構成できる。例えば、結合部材40Bは、開口28Bに結合するかまたはその内部に部分的に配設されるように構成できる。前照灯12は、次には、防護服装置10Bによって形成されるバリアの着用者側の結合部材40Bの部分と結合するように構成できる。ハウジング48Bは、次には、防護服装置10Bの開口28Bの内部に配設された結合部材40Bの部分と結合するように構成できる。この構成では、
結合部材40Bは、防護服装置10Bによって作り出される滅菌バリアを維持するために、レンズまたはカバー15Bを含むであろう。制御部材18Bは、レンズ組立体14Bを通過する光の方向および/または強度を操作するために、ハウジング48Bに結合されて上で説明された方法のうちの1つで操作されるように同様に構成できる。
【0039】
図3Cを参照すると、レンズ組立体14Cの第3の構成の部分分解図が例証されている。レンズ組立体14A、14Bの先に説明された構成と同様に、レンズ組立体14Cの第3の構成は、レンズ組立体14Cを防護服装置10Cのフェイスシールド26A、26Bに結合するために、結合部材40Cと結合するように構成されたハウジング48Cを含むことができる。
図3Cに例証されたように、防護服装置10Cは、制御ハウジング40Cがフェイスシールド26Cと一体的に形成されるように構成できる。この構成では、
結合部材40Cは、防護服装置10Cによって作り出される滅菌バリアを維持するために、レンズまたはカバー15Cを含むであろう。フェイスシールド26Cと一体的に形成されるような
結合部材40Cは、
結合部材40Cの部分43が、前照灯12に係合および/または結合するために、フェイスシールド26Cの着用者側に配設されるように構成できる。フェイスシールド26Cと一体的に形成されるような
結合部材40Cは、
結合部材40Cの部分43Cが、レンズ組立体14Cのハウジング48Cに係合および/または結合するために、フェイスシールド26Cの環境側に配設されるように、構成することもできる。
【0040】
レンズ組立体14Cは、レンズ組立体14Cを通過する光の方向および/または強度を操作するためのレンズ58Cを含む制御部材18Cを含むことができる。しかしながら、レンズ組立体14Cは、調整可能部17を含むこともできる。調整可能部17は、制御部材18Cとハウジング48Cとの間に配設されて、レンズ組立体14Cを通過する光の方向をユーザが更に操作するのを可能にするように構成できる。例えば、調整可能部17は、ユーザがハウジング48Cに対する制御部材18Cの位置および/または配向、ひいては、光の方向を更に操作できるのを可能にするような可撓性アームを含むことができる。調整可能部17は、ユーザが、光がレンズ組立体14Cを出ることのできる場所を制御する制御部材18Cとハウジング48との間の距離を更に操作するのを可能にする、拡張式および/または折り畳み式のアームを含むこともできる。調整可能部17の例は、調整可能部17の内部に少なくとも部分的に配設された光ファイバケーブル19を備えた半剛性スリーブまたは部材を含むことができる。調整可能部17は、光を手術領域に向けて方向付けおよび/または角度付けするために、ユーザが制御部材58Cの位置を操作するのを可能にするように構成できる。調整可能部17は、ユーザによって更に操作されるまで、制御部材58Cおよび光ファイバケーブルを、防護服装置10Cおよび/またはサージカルヘルメット22に対して固定位置に維持するように構成できる。
【0041】
レンズ組立体14A、14B、14C、結合部材40A、40B、40C、および、フェイスシールド26A、26B、26Cと共に使用するためのハウジング48A、48B、48Cの様々な組合せがあるが、それらは、限定することを意図していない。上で説明された組合せは、防護服装置10A、10B、10Cの単なる例示的な構成であり、上で説明された構成要素を利用して、レンズ組立体14A、14B、14C、結合部材40A、40B、40C、および、フェイスシールド26A、26B、26Cを備えたハウジング48A、48B、48Cを結合するための追加の組合せが企図される。
【0042】
II.レンズ組立体
上で説明されたように、着用者と周囲環境との間に滅菌バリアを維持し、外科的な処置中に光の特性を調整する目的で、防護服システム5は、フェイスシールドの環境側に少なくとも部分的に配設されるレンズ組立体14を含む防護服装置10を含むことができる。
【0043】
図4を参照すると、線A-Aに沿った
図1Aの防護服システム5の一部の断面図が例証されている。防護服システム5は、レンズ組立体14Bを含む防護服装置10Bに結合されたサージカルヘルメット22の前照灯12を含む。上で説明されたように、前照灯12は、前照灯本体37を含むことができる。前照灯本体37は、任意の適切な構成で形成できる。前照灯12は、透明カバー36と、前照灯本体37の内部に少なくとも部分的に配設された光源38と、を含むこともできる。透明カバー36は、光が通過するのを可能にするように構成されたレンズ、スクリーン、シールド、または他の類似のカバー機構を含むことができる。透明カバー36は、光源38によって伝達される光が通過するのを可能にしながらも、塵埃、泥、または湿気が前照灯12の内部に進入するのを防止する目的で、前照灯本体37によって画定される前照灯開口をカバーするように構成できる。透明カバー36は、これらに限定されないが、プラスチック、ガラス、および/または同種のものを含む任意のタイプの材料を含むことができる。追加として、透明カバー36は、どのような光学能動要素も備えないプレーンシート、あるいは、円筒レンズ、球面レンズ、フレネルレンズ、プリズムおよび同種のものなどの光学能動要素を備えた拡散レンズにすることができる。1つの構成では、前照灯12は、任意の数のスクリーン、レンズ、および/または反射器を含むことができる。
【0044】
前照灯本体37は、結合部材40と結合するように構成された取付け部42を更に含むことができる。結合部材40は、結合部40および前照灯12が共に結合されるときに、前照灯12の取付け部42および結合部材の結合部44が互いに係合するように構成されるように結合部44を含むことができる。例えば、前照灯12の取付け部42は、結合部材40の相補的な結合部44に雌雄嵌合的に係合するように構成できる。取付け部44および結合部材40は、これらに限定されないが、スナップ嵌合またはデテント連結、磁気連結、ねじ連結、および同種のものを含む任意の構成にすることができる。例えば、
図4に示されたように、結合部44は、デテントを含む結合部材40から突出するアームを含むことができる。結合部44のデテントは、結合部材40および前照灯12を取り外し可能に結合するために凹所またはノッチを含む前照灯12の取付け部42に係合するように構成できる。
【0045】
代替として、図に例証されていないが、同じく企図されるのは、結合部材40および/またはレンズ組立体14がヘルメット22に結合するように構成できるということである。
図1Cに例証されたように、企図されるのは、ヘルメット22Bが取付け部45を含むことができるということである。この構成では、前照灯12は、上で説明されたようにヘルメット22Bの取付け部45に取付けできる。結合部材40の結合部44は、次には、結合部材40および/またはレンズ組立体14が取付け部45を介してヘルメット22Bに取付けられるときに、前照灯12がレンズ組立体14と位置合わせされるように、前照灯12に、ヘルメット22Bの取付け部45に、またはそれらの幾つかの組合せに直接結合されるように構成できる。例えば、結合部材40の結合部44は、結合部材40がヘルメット22に結合されるように、ヘルメット22Bの取付け部45と雌雄嵌合するように構成できる。この構成では、前照灯12は、結合部材40および前照灯12が位置合わせされるように、ヘルメット22Bの取付け部45に結合することもできる。そういった構成では、結合部材40は、防護服装置10がヘルメット22Bの上に配設されるときに、フェイスシールド26の内面に当接できる。同じく企図されるのは、前照灯12が、ヘルメット22Bの取付け部45に取り外し可能に結合でき、レンズ組立体14の結合部材40が、
図4の前照灯12およびレンズ組立体14に関して上で説明されたのと同様の方法で前照灯12に結合できるということである。
【0046】
上で企図された構成では、結合部材40は、使い捨ておよび/または再利用可能にできる。例えば、結合部材40は、防護服装置10の処分、および、処置もしくは検査に続くサージカルヘルメット22の再利用を可能にするために、取り外し可能に結合できる。代替として、同じく企図されるのは、結合部材40が、防護服装置10に恒久的に結合でき、処置もしくは検査に続いて処分されるということである。
【0047】
レンズ組立体14は、防護服装置10の環境側に配設されたハウジング48および制御部材18を含むこともできる。ハウジング48は、任意の適切な方法でフェイスシールド26と統合または恒久的に取付けできる。例えば、ハウジング48は、サージカルガーメント20のフェイスシールド26を備えた単一のユニットとして統合できる。この構成では、ハウジング48は、防護服装置10がヘルメット22の上に配設されるときに、ハウジング48がサージカルガーメント20の着用者側の前照灯12/結合部材40と位置合わせされるであろうように、接着剤を使用してフェイスシールド26の環境側に結合できる。レンズ組立体14のハウジング48をシールド26の環境側に恒久的に結合する適切な方法は、これらに限定されないが、溶着、接着、または同種のものを含むことができる。この構成では、レンズ組立体14の他の構成要素は、取り外し可能にできる。例えば、制御部材18は、取り外して再利用できる。代替として、同じく企図されるのは、ハウジング48が防護服装置10に取り外し可能に結合できるということである。例えば、ハウジング48は、フックアンドループ材料、ストラップなどの中間連結材料を介して、あるいは、スナップおよび同種のものによって、防護服装置10に結合できる。この構成では、フック部分は、ハウジング48に配設でき、ループ部分は、フェイスシールド26に配設でき、その逆もそうである。同じく企図されるのは、フェイスシールド26Bが開口28を含む防護服装置10Bの構成では、ハウジング48Bが、フェイスシールド26Bの開口28Bとの摩擦嵌合または他の類似の連結を作り出すように構成された保持特徴部を含むことができるということである。更に別の構成では、ハウジング48Bは、フェイスシールド26Bの開口28Bを通って延びるように構成されて結合部材40Bに結合された保持特徴部を含むことができる。
【0048】
フェイスシールド26Bが開口28を含む構成では、ハウジング48Bおよび/または結合部材40Bは、フェイスシールド26Bに強固なバリアを提供するために、レンズまたはカバーを含むことができる。例えば、
図4に例証されたように、ハウジング48は、フェイスシールド26に恒久的に結合でき、また、防護服装置10によって提供されるバリアに破損または開口が存在しないように、レンズ16を含むことができる。この構成では、結合部材40は、ハウジング48および/またはフェイスシールド26に取り外し可能に結合できる。代替として、
図4に例証されているが、同じく企図されるのは、結合部材40が、防護服装置10によって提供されるバリアに破損または開口が存在しないように、レンズ/カバーを含むことができてフェイスシールド26に恒久的に結合できるということである。この構成では、ハウジング48は、結合部材40および/またはフェイスシールド26Bに取り外し可能に結合できる。
【0049】
レンズ組立体14は、もう1つレンズ16、58を更に含むことができる。
図4に例証されたように、レンズ組立体14は、第1のレンズ16および第2のレンズ58を含むことができる。第1のレンズ16は、ハウジング48に結合でき、第2のレンズ58は、レンズ組立体14の制御部材18に結合できる。第1のレンズ16および第2のレンズ58は、それぞれハウジング48および制御部材18にぴったり嵌合するように構成できる。上で説明されたように、制御部材18は、ユーザによって操作可能であるように構成できる。制御部材18およびハウジング48は、制御部材18の操作が制御部材18ひいては第2のレンズ58をハウジング48ひいては第1のレンズ16に対して動かすように、共に結合できる。制御部材18は、着用者が、制御部材18を回転、摺動、または同様に操作することによって、第1のレンズ16に対する第2のレンズ58の位置を調整するために、制御部材18を容易に操作できるように、構成できる。
【0050】
制御部材18の操作のタイプおよび/またはハウジング48と制御部材18との間の結合に応じて、レンズ組立体14の特性が調整される。1つの例では、制御部材18の操作は、第1のレンズ16および/または第2のレンズ58の距離または位置を変えることができる。第1のレンズ16から第2のレンズ58の距離を変えることは、前照灯12から所望の焦点74への光を変える。代替として、第1のレンズ16から第2のレンズ58の距離を変えることは、前照灯12からの光路を変えることができる。所望の焦点74は、これらに限定されないが、作業空間または関心エリアを含むことができる。代替として、レンズ16、58の距離または位置を変えることは、前照灯12からの光路を変えることができる。別の例では、制御部材18の操作は、前照灯から放出される光の角度を変えることができる。この例では、ハウジング48は、反射器、光ファイバケーブル、および同種のものを含むことができる。例示的な構成では、
図3Cに例証されたように、レンズ組立体14は、着用者による制御部材18の操作が光の角度を変えるように、延長可能または移動可能にできる。この構成では、ハウジング48は、光の角度を変えるのを支援するために、光ファイバケーブル、反射器または同種のものを含むことができる。例えば、任意の数の反射面または光ファイバケーブルの使用と組み合わせて、前照灯12からの光は、手術野、作業空間、および/または患者が照明されるように、再方向付けまたは関節運動できる。理解されるであろうことは、レンズ組立体14の他の特性が、これに限定されないが、レンズ組立体14の全反射を調整することを含むことができるということである。
【0051】
図4の断面図は、第1のレンズ16および第2のレンズ58を含む例示的なレンズ組立体14を例証しているが、企図されるのは、レンズ組立体14が任意の数のレンズを含むことができるということである。例えば、図には例証されていないが、企図されるのは、レンズ組立体14が1つ(第1)のレンズ16だけを含むことができるということである。更にまた、企図されるのは、システム5が任意の数の追加のレンズを含むことができるということである。例えば、レンズ組立体14は、上で説明された前照灯12の透明カバー36と同様のスクリーンまたはカバーを含むこともできるということである。同じく企図されるのは、前照灯12が透明カバー36などの追加のレンズを含むことができるということであり、前照灯12、レンズ組立体14および透明シールド26の組合せは、前照灯12によって生成される光の方向および/または強度を修正するために、共に働く複数のレンズを含むシステム/組立体を含む。幾つかの構成では、「第1の」レンズおよび「第2の」レンズは、交換可能にできる。例えば、前照灯12は、「第1の」レンズを含むことができ、レンズ組立体14は、「第2の」レンズを含むことができ、その逆もそうである。
【0052】
図5A~6Bを参照すると、前照灯12と共に使用するためのレンズ組立体14A、14Bの2つの例示的な構成が例証されている。上で説明されたように、レンズ組立体14A、14Bは、結合部材40A、40Bを含むことができる。結合部材40A、40Bは、円形、長円形、または多角形の形状などの任意の適切な形状を含むことができる。結合部材40A、40Bは、前照灯12から生成された光が通過することのできる様々な形状および/またはサイズを有する凹所を含むことができる。
【0053】
図5Aおよび5Bを参照すると、レンズ組立体14Aの第1の構成および結合部材40Aの第1の構成があり、結合部材40Bは、内側部分41Aおよび外側部分43Aを有することができ、内側部分41Aは、前照灯12に結合するための取付け部44Aを含む。結合部材40Aは、
図2Aおよび3Aに例証されたように、フェイスシールド26Aを含む防護服装置10Aの第1の構成と結合されるように構成できる。この構成では、フェイスシールド26Aは、露出した開口を何ら含まない。結合部材40Aの外側部分43Aは、フェイスシールド26Aの摩耗側に当接できる。上で説明されたように、結合部材40Aは、結合部材40Aをフェイスシールド26Aに結合するための保持特徴部39Aを含むことができる。保持特徴部39Aは、磁石、フックアンドループ、接着剤、または同様の締結具を含むことができる。フェイスシールドおよび/またはハウジング48Aは、次には、対応する保持特徴部48Aを含むことができる。例えば、結合部材40Aは、鉄材料を含む保持特徴部39を含むことができ、ハウジング48Aは、磁性材料を含む保持特徴部49を含むことができ、したがって、結合部材40Aおよびハウジング48Aの双方がフェイスシールド26Aのそれらのそれぞれの側に位置するときに、鉄材料および磁性材料は、結合部材40Aとハウジング48Aとの間に磁気引力を作り出し、レンズ組立体をフェイスシールド26Aに取り外し可能に取付けされる。代替として、企図されるのは、結合部材40Aが、磁性材料を含む保持特徴部39Aを含むことができ、フェイスシールドが、フェイスシールド26Aに埋め込まれている鉄材料を含むことができ、したがって、鉄材料および磁性材料が結合部材40Aとフェイスシールド26Aとの間に磁気引力を作り出すことである。この構成では、ハウジング48Aは、フェイスシールド26Aに埋め込まれている鉄材料とハウジング48Aの磁性材料とがハウジング48Aとフェイスシールド26Aとの間に磁気引力を作り出すように、磁性材料を含む保持特徴部49を同様に含むことができる。
【0054】
図6Aおよび6Bを参照すると、レンズ組立体14Bの第2の構成および結合部材40Bの第2の構成があり、結合部材40Bは、内側部分41Bおよび外側部分43Bを有することができ、内側部分41Bは、前照灯12に結合するための取付け部44Bを含む。結合部材40Bは、
図2Bおよび3Bに例証されたように、開口28Bを備えたフェイスシールド26Bを含む防護服装置10Bの第2の構成と結合するように構成できる。結合部材40Bの外側部分43Bは、フェイスシールド26Bの着用者側に当接でき、結合部材40Bによって画定されるアパーチャは、開口28Bを概ね取り囲むことができる。代替として、結合部材40Bは、開口28Bを取り囲む必要がない。例えば、結合部材40Bは、開口28Bに近接するフェイスシールド26Bの着用者側に結合された1つまたは複数の個別のタブを含むことができる。ハウジング48Bは、フェイスシールド26Bに結合されて、開口をカバーするように構成されたレンズを含むことができる。複数のタブは、前照灯をハウジング48および/またはレンズ組立体14Bと位置合わせする目的で、前照灯12に結合するように構成できる。結合部材40Bは、図に示されて本明細書で説明されているもの以外の他の構成を有することができる。
【0055】
上で述べられたように、結合部材40は、前照灯12、ヘルメット22、および/またはフェイスシールド26に結合できる。同じく企図されるのは、結合部材40がレンズ組立体14に結合するように構成されるということである。上で説明された構成の個々では、企図されるのは、結合部材40および/またはレンズ組立体14が使い捨ておよび/または再利用可能にできるということである。例えば、結合部材40は、防護服装置10のサージカルガーメント20およびフェイスシールド26部分の処分と、滅菌処置/プロセスに続く結合部材40の再利用と、を可能にするように取り外し可能に結合できる。代替として、結合部材40は、結合部材40が処置または試験に続いて防護服装置10と共に処分されるように、フェイスシールド26に恒久的に結合できる。同じく企図されるのは、レンズ組立体14の一部が再利用可能にでき、他方他の部分が処分可能であるということである。例えば、防護服装置10の或る種の構成において取り外し可能にできるハウジング48および/または制御部材18は、再利用可能であるように構成できる。代替として、レンズ組立体14のハウジング48部分は、防護服装置10に恒久的に結合でき、また、防護服装置10のサージカルガーメント20およびフェイスシールド26部分と共に処分できる。
【0056】
強固なバリアが設けられる構成では、レンズ組立体14は、別のサージカルガーメント20と共に再利用可能にできる。
図2Cを参照すると、着用者は、1つのサージカルガーメント20と共にレンズ組立体14を使用し、レンズ組立体14を取り外し、そして、別のサージカルガーメント20と共にレンズ組立体14を使用できる。理解されるであろうことは、レンズ組立体14のいずれかまたは全ての構成要素が再利用可能にできることである。追加として、レンズ組立体14は、滅菌バリアを維持する目的で、レンズ組立体14の各使用および/または取り外しの間に滅菌できる。
【0057】
図2Bに示されたように、フェイスシールド26Bが開口28Bを含む幾つかの構成では、結合部材40は、上で述べられたような前照灯12の透明カバー36と同様のカバー、または、第1のレンズ16と同様のレンズを含むことができる。カバーまたはレンズと組み合わせた結合部材40は、フェイスシールド26およびサージカルガーメント20残部と協働して滅菌バリアを形成できる。更に、これらの構成では、結合部材40は、フェイスシールド26に取り付けられる。他の構成では、第1のレンズ16と組み合わせたハウジング48は、フェイスシールド26と共に滅菌バリアを形成できる。これらの構成では、レンズ組立体14の制御部材18などの構成要素は、再利用可能および/または取り外し可能にできる。
図3Bを参照すると、ハウジング48Bは、いったんハウジング48がフェイスシールド26Bに当接および/または結合されると、細菌が開口28Bを通って進入または退出できないように、開口28Bの周りでサージカルガーメント20Bに構築および取付けできる。これらの構成では、レンズ組立体14は、滅菌バリアを破ることなく、再利用可能および/または取り外し可能にできる。
【0058】
更に他の構成では、フェイスシールド26が、
図2Aおよび3Aに示されたように、どのような開口も含まなくてもよく、フェイスシールド26は、環境側と着用者側との間に強固なバリアを提供する。これらの構成では、レンズ組立体14のいずれかまたは全ての構成要素は、上で述べられたように、再利用可能、取り外し可能、および/または、使い捨てにできる。前述の構成要素のいずれかを取り外すことは、フェイスシールド26、結合部材40、および/または、前照灯12によって、強固なバリアが提供されるという理由で、環境側と着用者側との間の滅菌バリアを破壊しないであろう。
【0059】
滅菌バリアは、サージカルガーメント20の着用者側と環境側との間に配置される。外科的な処置中に導入される任意の微生物または他の汚染物質(例えば、塵埃、粒状物質、他の生物学的物質等々)は、サージカルガーメント20の環境側に残る、および/または、サージカルガーメント20の着用者側に残るであろう。
【0060】
或る種の構成では、レンズ組立体14の重要な利点は、滅菌バリアが、レンズ組立体14の制御部材18の任意の操作を通して維持される連続的な強固なバリアとして設計されることである。そういった強固なバリアは、提供でき、その理由は、一例において、レンズ組立体14のレンズ16と組み合わせたハウジング48が、滅菌バリアがハウジング48とフェイスシールド26との間で途切れずに延び得るように、滅菌バリアの一部を形成するために適合されるからである。斯くして、外科的な処置中のレンズ組立体14のどのような操作も、着用者と環境との間の滅菌バリアを危うくしない。
【0061】
上で述べられたように、結合部材40は、取付け特徴部46によってレンズ組立体14に結合できる。より具体的には、結合部材40は、取付け特徴部46を用いて、レンズ組立体14のハウジング48に結合できる。ハウジング48は、取付け特徴部46および雌雄嵌合取付け特徴部50が互いに取付けされるように、(雌雄嵌合)取付け特徴部50を含むことができる。例えば、
図4に示されたように、取付け特徴部46は、鉄材料を含むことができ、ハウジング48の雌雄嵌合取付け特徴部50は、磁石であり、その逆もそうである。取付け特徴部46が、磁性材料に引き付けられ得る材料を含むときに、ハウジング48の雌雄嵌合取付け特徴部50は、追加でまたは代替として、磁性構成要素を含むことができる。換言すると、取付け特徴部50は、永久磁性材料を含むことができ、相補性要素は、この例では、結合部材40の取付け特徴部46であって、鉄材料を含み、その逆もそうである。このように、レンズ組立体14のハウジング48は、結合部材40に、少なくとも部分的に、磁気的に、固定できる。
【0062】
雌雄嵌合取付け特徴部50は、雌雄嵌合取付け特徴部50が結合部材40の取付け特徴部46に取付けされるように、レンズ組立体14の任意の構成要素に結合できる。更に、取付け特徴部50は、着用者側と環境側との間の滅菌バリアが維持されるように、任意の適切な方法で結合部材40に取付けできる。
【0063】
別の例では、取付け特徴部は、圧入または焼き嵌めを含むことができ、それによって、締まり嵌めが存在するのは、結合部材40とハウジング48との間であり、2つの要素の一方は、滅菌バリアを維持するのに十分な方法で、サージカルガーメントを貫いて、他方の要素の中に圧力下で押し込まれる。理解されるであろうことは、取付け特徴部46、50が、これらに限定されないが、ネジ切り、接着、機械式締結、および/または、圧入を含む、任意のタイプの取付けにできることである。代替として、結合部材40およびハウジング48の双方は、フェイスシールド26に恒久的に取付けできる。
【0064】
幾つかの構成では、結合部材40の取付け部44および取付け特徴部46は、取付け部44および取付け特徴部46が前照灯12およびレンズ組立体14の双方を同時に取付けるために構成された同じ特徴部であるように、単一のユニットまたは構成要素であることがある。例えば、結合部材40は、磁石である。磁石は、開口28に近接して位置できる。取付け部44および取付け特徴部46は、磁力を介してそれぞれ前照灯12およびレンズ組立体14に取付けられる。換言すると、取付け部44および取付け特徴部46は、結合部材40の同じ特徴部(磁気力)である。代替として、取付け部44および取付け特徴部46は、結合部材40の異なったおよび/または別個の特徴部であることがある。
【0065】
更にまた、ハウジング48は、図面全体に亘って示されたように、制御部材18に結合するように構成される。ハウジング48は、任意の適切な方法で制御部材18に結合できる。制御部材18は、ハウジング48に対して動くために、着用者によって操作できる。制御部材18の様々な構成や操作の技術は、下で詳細に企図される。
【0066】
1つの構成では、
図6Bに示されたように、ハウジング48は、制御部材18の空洞内の内ネジ54に螺合するために、それの1つの軸線方向端部に複数の外ネジ52を含むことができる。外ネジおよび内ネジ52、54は、右手ネジまたは左手ネジであることがある。この構成では、着用者は、外ネジ52が制御部材18の内ネジ54に係合して、それによって制御部材18をハウジング48に対して動かすように、制御部材18をハウジング48に対して回転させることによって、制御部材18を操作できる。回転の方向に応じて、制御部材18は、ハウジング48に向けてまたは離れるように動くために、操作できる。
【0067】
別の構成では、制御部材18は、動作または身振り検出器を含むことができる。例えば、制御部材18を操作するために、着用者は、制御部材18上の指スワイプなどの動作を実行できる。この構成では、制御部材18は、任意の数のセンサまたは検出器を含むことができる。
【0068】
別の構成では、制御部材18は、レンズ組立体14のハウジング48に対して摺動可能に係合できる。換言すると、制御部材18を操作するために、着用者は、ハウジングに対して、制御部材18の要素または制御部材18全体を摺動できる。例えば、制御部材18は、着用者がレンズ組立体14の1つまたは複数の特性を変更するために制御部材18をハウジング48に対して前方、後方、上方、または、下方に摺動できるように、ハウジング48に摺動可能に係合できる。
【0069】
別の構成では、制御部材18は、ハンドル、レバー、ボタンまたは同種のものなどの形態をとることができる。制御部材18を操作するために、着用者は、それに力または圧力を適用できる。例えば、制御部材18は、方向ボタンを含むことができ、着用者が方向ボタンを押すと、レンズ組立体14の構成要素は、レンズ組立体14の特性を変更するために、対応する方向に移動できる。
【0070】
別の構成では、制御部材18は、制御器を介して遠隔操作可能にできる。追加的に、入力デバイスは、入力デバイスが制御部材18を操作するために利用できるように、制御部材18および制御器と通信できる。入力デバイスは、これらに限定されないが、タッチスクリーン機能を備えた表示画面、ジョイスティック、キーボード、マイクロフォン、および、スキャナを含むことができる。
【0071】
別の構成では、ハウジング48は、ハウジング48および制御部材18がいったん組み立てられると互いに容易に分離できないように、形成できる。例えば、ハウジング48は、制御部材18の空洞の内部にスナップ嵌合するように適合された保持ポストを含むことができる。
【0072】
更に別の構成では、ハウジング48は、ハウジング48および制御部材18が単一の構成要素またはユニットに統合されるように、制御部材18を含むことができる。この例では、ハウジング48は、レンズ組立体14の製造中に制御部材18と統合できる。代替として、ハウジング48は、制御部材18とは別個に製造でき、いったんハウジング48が制御部材18に係合すると、構成要素18、48は、分離不可能である。
【0073】
追加として、制御部材18は、着用者が制御部材18を容易に操作するのを可能にするように設計された把持特徴部56を含むことができる。例えば、把持特徴部56は、制御部材18に形成された溝にすることができる。動作中、着用者は、制御部材18を溝56に沿って把持して、制御部材18をハウジング48に手動で結合できる。着用者は、1つの構成では、制御部材18の内ネジ54がハウジング48の外ネジ52に螺合するように、ハウジング48に向けて制御部材18を回転できる。
【0074】
図7Aおよび7Bを参照すると、レンズ組立体14の第1のレンズ16および第2のレンズ58は、これらに限定されないが、凸面、凹面、および、凹凸(形状)面を含む、任意の様々な形態の任意の数の面を個々が独立して含むことができる。図面全体に亘って示されたように、第1のレンズ16は、2つの面60、62を含むことができ、第2のレンズ58は、2つの面64、66を含むことができる。1つの構成では、第1のレンズ16の面60は、凸面にでき、面62は、凹面にでき、その逆もそうである。別の構成では、第1のレンズ16の面60は、凸面にでき、面62は、平らな面にでき、その逆もそうである。
図7Aおよび7Bに例証されたように、例示的な目的のため、別の構成では、第1のレンズ16は、面60、62が内側に湾曲する二重凹レンズであり、第2のレンズ58は、面64、66が外側に湾曲する二重凸レンズである。第1および第2のレンズ16、58の面60、62、64、66は、面の任意の組合せにすることができる。
【0075】
第1のレンズ16および/または第2のレンズ58は、共通の反射によって光を反射する反射器(例えば、ミラー)の形態で、あるいは、光の屈折によって光の集束が達成されるガラスまたはプラスチック材料(光学レンズ)で作られた半透明の物体として、作製できる。1つの構成では、第1および第2のレンズ16、58は、ガラスまたはプラスチック材料の半透明の本体から形成されたレンズ材料68を含む。レンズ材料68は、剛性または可撓性であることができる。追加として、材料68は、アクリレートまたはポリスチレン、あるいは、適切な屈折特性を有する同等の低コストであるが耐久性のある透明材料、で作製できる。
【0076】
フィルム70および/またはコーティング72は、面60、62、64、66のいずれか、あるいは、第1および第2のレンズ16、58の任意の他の面、に配設できる。代替として、フィルム70は、第1および/または第2のレンズ16、58の面60、62、64、66の間に配設できる。
図7Aおよび7Bに示されたように、1つの例によれば、第1および第2のレンズ16、58の双方の面60、62、64、66は、フィルム70およびコーティング72を用いて層形成される。面60、62、64、66は、フィルム70および/またはコーティング72の任意の数の層を含むことができ、フィルム70および/またはコーティング72の層は、厚さが変化できる。理解されるであろうことは、フィルム70および/またはコーティング72が、第1のレンズ16および/または第2のレンズ58の任意の面60、62、64、66にあってもよいことである。例えば、フィルム70およびコーティング72は、第1のレンズ16の面60、62のうちの1つだけにあってもよい。更に理解されるであろうことは、フィルム70およびコーティング72の層形成順序が所望の最適な層形成順序に応じて変化できるということである。
【0077】
フィルム70は、プラスチック材料またはガラスで作ることができ、どのような光学能動要素も備えないプレーンシート、あるいは、円筒レンズまたはプリズムなどの光学能動要素を備えた拡散レンズ、にすることができる。追加として、フィルム70および/またはコーティング72は、前照灯12からの光をレンズが反射および透過する方法を変更できる。更に、フィルム70は、これらに限定されないが、偏光フィルムおよび金属化フィルムを含む任意のタイプのフィルムにすることができる。
【0078】
コーティング72は、これらに限定されないが、ティントコーティング、勾配コーティング、ガラスコーティング、プラスチックコーティング、反射防止コーティング、スクラッチ防止コーティング、紫外線コーティング、疎水性コーティング、カラーコーティング、および、ミラーコーティングを含む任意のタイプのコーティングにすることができる。コーティングは、ロールコーティング、グラビアコーティング、バーコーティング、または、押出コーティングなどの任意の従来の方法によってコーティングできる。幾つかの構成では、フィルム70およびコーティング72は、コーティング72がフィルム70を形成するためにコーティング組成物である単一の層として理解できる。
【0079】
図8A~9Cを参照すると、レンズ組立体14の例示的な構成は、レンズ組立体14の動作を例証するために、ハウジング48に対して様々な位置の制御部材18を備えて例証されている。第1に、ハウジング48および制御部材18は、
図8Aでは互いに第1の距離Dに配置されている。次いで、着用者は、ハウジング48に対する制御部材18の位置を操作するために、制御部材18の溝56を利用できる。例えば、制御部材18がねじ連結部を介してハウジングに結合されているとき、ユーザは、制御部材18とハウジング48との間の距離を調整する制御部材18を捩る/回転できる。
図8Bは、ハウジング48に対して第2の距離D’に位置する制御部材18を例証している。
図8Cは、ハウジング48に対して第2の距離D’’に位置する制御部材18を例証している。制御部材18は、制御部材18とハウジング48との間の連結のタイプに基づいて、ハウジング48から任意の数の距離に制御部材18を位置させるために操作できる。立ち代わって、制御部材18の操作は、
図9A~9Cに示されたように、前照灯12からの光を再方向付けまたは調整する、第1のレンズ16と第2のレンズ58との間の距離を変化させる。
【0080】
着用者による制御部材18の操作によって引き起こされる前照灯12からレンズ組立体14を通る光の可能な経路は、
図9A~9Cに描かれている。ハウジング48と制御部材18との間の距離変化は、距離D、距離D’、および、距離D’’として例証されており、それぞれ距離d、距離d’および距離d’’として例証された第1のレンズ16と第2のレンズ58との間の距離に変換できる。換言すると、第2のレンズ58の位置は、第1のレンズ16に対して調整される。
図8Cは、距離d’’として第1のレンズ16および第2のレンズ58の距離変化に変換する制御部材18の更なる操作を例証しており、光を所望の焦点74に向けて再方向付けするかまたは作業空間のより良い視界を提供するために示されている。
図9A~9Cに例証されたように、光は、光源38から放出される。放出光は、前照灯12のレンズ36を通過できる。光は、次には、結合部材40および/またはハウジング48の内部に配設されたレンズ16を通過できる。レンズ16は、放出光を、レンズ組立体14を通して、レンズ組立体14の制御部材18のレンズ58などの第2のレンズに向けて、収集および/または方向付けするように構成できる。レンズ58は、次には、光を、結合部材40および/またはハウジング48のレンズ16に対する制御部材18の位置に基づく方向に向けて、方向付けすることができる。レンズ16、58の形状およびレンズ間距離は、焦点74での光の方向および/または強度を決定できる。
【0081】
図10を参照すると、
図3Cのレンズ組立体14Cを通る前照灯12からの光の経路の例示的な構成が例証されている。
図10に例証されたように、光は、光源38から放出される。放出された光は、次には、結合部材40Cおよび/またはハウジング48Cの内部に配設されたレンズ16によって収集および/またはそれを通過できる。レンズ16は、収集された光を、光ファイバケーブルの長さおよび/または経路に沿って光を伝送するように構成された光ファイバケーブル19に、方向付けするように構成できる。光ファイバケーブル19は、レンズ組立体14Cの制御部材18Cのレンズ58Cなどのレンズで終端するように構成できる。レンズ58Cは、次には、制御部材18Cの位置に基づいて決定される方向に向けて光を方向付けすることができる。
【0082】
レンズ組立体14は、着用者が、滅菌バリアを破ることなく、手術中に前照灯12からの光を再方向付けするのを可能にすることによって、外科的な処置の効率、視界、および、滅菌性を増大させる。更に、着用者は、本明細書で説明されているように着用者が前照灯12からの光を再方向付けするというよりも寧ろ、前照灯を傾けることによって光を調整するために、滅菌バリアを破壊することを必要としないであろう。そのうえ、レンズ組立体14は、手術野、作業空間、および、患者に関する着用者の視界が邪魔されないように位置する。
【0083】
上のことは、システム5の特定の構成に向けられている。理解されるべきことは、システム5の異なった構成の個々の特徴部が、システム5の代替の構成を構築するために組合せできるということである。
【0084】
更に認識されるであろうことは、用語「含む(include)」、「含む(includes)」、および、「含むこと(including)」が用語「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、および、「含むこと(comprising)」と同じ意味を有することである。
【0085】
幾つかの構成は、前述の説明において議論されてきた。しかしながら、本明細書で議論された構成は、網羅的であることや本発明を任意の特定の形態に限定することを意図していない。使用されてきた用語は、限定ではなくて説明の言葉の性質を帯びていることを意図していない。多くの修正および変形は、上の教示に鑑みて可能であり、本発明は、具体的に説明されたというよりも別のやり方で実施できる。