(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】セルフランドリーシステム
(51)【国際特許分類】
D06F 95/00 20060101AFI20230915BHJP
D06F 33/30 20200101ALI20230915BHJP
D06F 34/00 20200101ALI20230915BHJP
D06F 34/05 20200101ALI20230915BHJP
D06F 34/06 20200101ALI20230915BHJP
D06F 34/28 20200101ALI20230915BHJP
D06F 34/32 20200101ALI20230915BHJP
【FI】
D06F95/00
D06F33/30
D06F34/00
D06F34/05
D06F34/06
D06F34/28
D06F34/32
(21)【出願番号】P 2021002236
(22)【出願日】2021-01-08
(62)【分割の表示】P 2018514465の分割
【原出願日】2017-10-16
【審査請求日】2021-01-08
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-16
(73)【特許権者】
【識別番号】517103290
【氏名又は名称】株式会社wash-plus
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】高梨 健太郎
【合議体】
【審判長】窪田 治彦
【審判官】長馬 望
【審判官】村上 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-334150(JP,A)
【文献】特開2006-262942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 95/00
D06F 33/00 - 34/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランドリー店舗内に設置され、洗濯機能と乾燥機能との少なくとも一方を有するとともに、それぞれに固有の識別表示を有する複数のランドリー機器と、
内蔵カメラを有する利用者の携帯端末と、
前記内蔵カメラを有する利用者の携帯端末との間で通信を行い、その通信結果に応じて前記ランドリー機器を運転制御する制御装置と、
を備えた、セルフランドリーシステムであって、
前記携帯端末は、専用アプリケーションソフトウェアが起動した状態で、前記内蔵カメラが前記識別表示を読み込み、前記携帯端末及びランドリー機器の一つに対応する識別信号を前記携帯端末が前記制御装置に発信し、
前記制御装置は、受信した前記識別信号に基づき、前記携帯端末と前記ランドリー機器の一つとを紐付ける紐付手段を有し、
前記制御装置は、前記専用アプリケーションソフトウェアを用いた前記携帯端末からの運転要求信号に基づき、当該携帯端末に紐付けられたランドリー機器に運転指令を出力する運転指令出力手段
を有し、
前記制御装置は、少なくとも、前記ランドリー機器の停止後一定期間に投入された衣類を取り出した場合、又は、前記ランドリー機器の停止後一定期間に投入された衣類を取り出さなかった場合のいずれか一方の条件で、前記利用者のユーザランクの判定を行う
セルフランドリーシステム。
【請求項2】
前記識別表示は、前記携帯端末によって撮像するための二次元コードである、
請求項1に記載のセルフランドリーシステム。
【請求項3】
前記携帯端末と前記制御装置との通信がインターネットを経由してなされる、
請求項1又は請求項2に記載のセルフランドリーシステム。
【請求項4】
前記ランドリー機器は、蓋をロックするロック手段を有し、
前記制御装置は、前記携帯端末からの蓋ロック要求に基づき、前記ランドリー機器に蓋ロック指令を出力するロック指令手段を有する、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のセルフランドリーシステム。
【請求項5】
前記ランドリー機器は、透明/不透明を切換可能なガラス窓を有し、
前記制御装置は、前記携帯端末からの窓不透明化要求に基づき、前記ガラス窓を不透明に切り換える、
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のセルフランドリーシステム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記ランドリー機器の運転終了に係る告知を前記携帯端末に送信する終了告知手段を有する、
請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のセルフランドリーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルフランドリーシステムに係り、詳しくはユーザの利便性向上等を実現する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コイン決済式のセルフランドリー(いわゆる、コインランドリー)に来店したユーザは、金銭投入機に硬貨を投入した後、洗濯機や乾燥機に付設された各種の設定ボタンや起動ボタンを操作し、衣類の量や種類に応じた洗濯や乾燥を行わせる(特許文献1参照)。
ユーザは、洗濯機や乾燥機の運転終了を待つ間、外部の商店や飲食店に出向いて買い物や食事をすることがある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-129300号公報
【文献】特開2006-262942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
よりユーザに使い勝手の良いコインランドリーを提供するという課題がある。
【0005】
より具体的な、課題の一例としては以下の物がある。
コインランドリーには、以下に列挙するように、改善すべき種々の問題があった。
ユーザは、コイン投入部の詰まり等によって洗濯機や乾燥機が作動しない場合、店内電話で設置者に返金等を要求するが、このようなクレーム対応には多大な労力と時間が費やされる。
洗濯機や乾燥機に比較的大量のコインがたまるため、窃盗等の被害にあう虞がある。
女性のユーザは、乾燥中の下着等を蓋のガラス窓から覗かれたり、盗まれたりする懸念があるため、乾燥機が運転している間は店外に出にくい。
店外にいるユーザは、洗濯や乾燥の終了を知ることができないため、放置される時間が長くなってランドリー機器の稼働率が低下する。
本発明者は、これらの問題を解決すべく、携帯端末に専用のアプリケーションソフトウェアを導入させることで、ユーザがランドリー機器の各種操作を携帯端末で行えるようにするとともに、洗濯や乾燥の終了時に携帯端末に通知するシステムを考えた。
しかしながら、このようなシステムにおいても、大規模なコインランドリーでは多数のランドリー機器を多数のユーザが同時並行的に扱うため、携帯端末への入力ミス等によって同一のランドリー機器を複数のユーザが操作しようとする等の虞があった。
【0006】
本発明は、上記状況に鑑みなされたものであり、ユーザの利便性向上等を実現するセルフランドリーシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の側面によると、ランドリー店舗内に設置され、洗濯機能と乾燥機能との少なくとも一方を有するとともに、それぞれに固有の識別表示を有する複数のランドリー機器と、利用者の携帯端末との間で通信を行い、その通信結果に応じて前記ランドリー機器を運転制御する制御装置とを備えたセルフランドリーシステムであって、前記制御装置は、前記識別表示からの識別信号に基づき、当該携帯端末を所持した利用者と前記ランドリー機器の一つとを紐付ける紐付手段と、前記携帯端末からの運転要求信号に基づき、当該携帯端末に紐付けられたランドリー機器に動作指令を出力する動作指令出力手段とを有する。
【0008】
好適には、前記制御装置が前記紐付手段を実行するにあたり、前記利用者によって前記携帯端末に入力されるワンタイムパスワードの入力をさらに求める。
【0009】
好適には、前記識別表示は、前記携帯端末によって撮像するための二次元コードである。
【0010】
好適には、前記携帯端末と前記制御装置との通信がインターネットを経由してなされる。
【0011】
好適には、前記ランドリー機器は、蓋をロックするロック手段を有し、前記制御装置は、前記携帯端末からの蓋ロック要求に基づき、前記ランドリー機器に蓋ロック指令を出力するロック指令手段を有する。
【0012】
好適には、前記ランドリー機器は、透明/不透明を切換可能なガラス窓を有し、前記制御装置は、前記携帯端末からの窓不透明化要求に基づき、前記ガラス窓を不透明に切り換える。
【0013】
好適には、前記ランドリー機器の運転終了に係る告知を前記携帯端末に送信する終了告知手段を有する。
【0014】
本発明の第2の側面によると、ランドリー店舗内に設置され、洗濯機能と乾燥機能との少なくとも一方を有する複数のランドリー機器と、利用者の携帯端末との間で通信を行い、その通信結果に応じて前記ランドリー機器を運転制御する制御装置とを備えたセルフランドリーシステムであって、前記制御装置は、当該携帯端末を所持した利用者と前記ランドリー機器の一つとを紐付ける紐付手段と、前記携帯端末からの運転要求信号に基づき、当該携帯端末に紐付けられたランドリー機器に動作指令を出力する動作指令出力手段と、を有し、前記紐付手段は、当該携帯端末を所持した利用者と前記ランドリー機器との間で、極短距離通信に基づいて紐付けを行い、 前記制御装置は、当該短距離通信とは別の通信手段を用いて前記携帯端末からの運転要求信号の入力を受ける、
セルフランドリーシステム。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、よりユーザに使い勝手の良いコインランドリーを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1実施形態に係るセルフランドリーシステムの概略構成図である。
【
図2】第1実施形態に係るサーバの概略構成図である。
【
図3】第1実施形態で、パスワード入力画面を表示したユーザ端末を示す正面図である。
【
図4】第1実施形態で、運転指令出力制御の手順を示すフローチャートである。
【
図5】第1実施形態で、認識信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
【
図6】第1実施形態で、運転コース信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
【
図7】第1実施形態で、料金信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
【
図8】第1実施形態で、終了予告処理の手順を示すフローチャートである。
【
図9】第1実施形態で、第1終了予告信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
【
図10】第1実施形態で、第2終了予告信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
【
図11】第1実施形態で、エラー処理の手順を示すフローチャートである。
【
図12】第1実施形態で、エラー信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
【
図13】第1実施形態で、ユーザランク処理の手順を示すフローチャートである。
【
図14】第1実施形態で、ランクアップ信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
【
図15】第1実施形態で、ランクダウン信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
【
図16】第2実施形態に係るセルフランドリーシステムの概略構成図である。
【
図17】第2実施形態で、運転指令出力制御の手順を示すフローチャートである。
【
図18】第2実施形態で、認識信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
【
図19】第2実施形態で、運転コース信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
【
図20】第2実施形態で、料金信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
【
図21】第2実施形態で、課金処理の手順を示すフローチャートである。
【
図22】第2実施形態で、残高不足信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
【
図23】第3実施形態で、識別コードを読み込んだユーザ端末を示す正面図である。
【
図24】第3実施形態で、運転指令出力制御の手順を示すフローチャートである。
【
図25】第3実施形態で、認識信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
【
図26】第3実施形態で、運転コース信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
【
図27】第3実施形態で、料金信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
以下、
図1~
図13を参照して、本発明の第1実施形態を詳細に説明する。第1実施形態は、携帯端末から制御装置への運転要求信号等の送信がワンタイムパスワードの入力および近距離無線通信によってなされること、料金支払いがクレジットカードによって行われることを特徴とする。
【0018】
<第1実施形態の構成>
図1は、第1実施形態に係るセルフランドリーシステムの概略構成図である。
図2は、第1実施形態に係るサーバの概略構成図である。
【0019】
図1に示すように、実施形態に係るセルフランドリーシステム1は、ランドリー店舗10内に設置された洗濯機や乾燥機等からなる多数のランドリー機器20(20a,20b,20c・・・)と、これらランドリー機器20を運転制御するサーバ30(制御装置)とを有している。
【0020】
各ランドリー機器20には、それぞれに固有の識別表示としてQRコードが表示されている。このQRコードは、印刷済みのQRコードである。
なお、
図1においては、「スマホをかざしてください」であるが、本実施形態ではQRコード(2次元のコード)に基づいて説明する。どちらであっても、その端末を特定できるのであれば等価であるからである。なお、「スマホをかざしてください」の内容を変化させること(例えば、「スマートフォンをかざしてください」)、又は、改行位置などによって、
図1の「スマホをかざしてください」であっても、個々の各ランドリー機器20を特定できる。
そして、このQRコードを、携帯端末51(例えば、スマートホン)を撮影することによって、電話通信網(インターネット)等を介して、このQRコードが貼り付けられていた個々のランドリー機器20を特定することが可能となる。
換言すると、携帯端末51と、撮影対象のQRコードが印刷されていた個々のランドリー機器20とを紐付けることが可能となる。
【0021】
ただし、この方法だけであると、QRコードをコピー等することによって、ランドリー店舗10内にユーザがいなくても操作できてしまう恐れがある。
それを回避するために、携帯端末51と各ランドリー機器20とが紐付けられた際に、各ランドリー機器20にワンタイムパスワード24aを表示するディスプレイ24が設けられる。
このワンタイムパスワード24aをユーザが携帯端末51したことによって、紐付処理を完了させる。これによって、ユーザが確実にランドリー機器20の前にいること、ユーザがランドリー店舗内10内の他のランドリー機器20の前でないことを確認すること等が可能となる。
【0022】
なお、ワンタイムパスワード24aは、ランダムに生成される4桁の数字の組み合わせであり、所定の時間間隔(例えば、30秒間隔)で変化する。
【0023】
更に発展的には、FeliCa(登録商標)等による極近距離無線通信用の機器側送受信機25が設置され、さらに、携帯端末51にも、極近距離無線通信用の端末側送受信機が設けられていると良い。
この場合には、単に所定の位置(例えば、
図1においては、スマホをかざしてください」との表示26)に、携帯端末51をかざすことのみによって、QRコードもワンタイムパスワード24aもなくても紐付けが可能となる。
【0024】
各ランドリー機器20には、透明なガラス窓22を有する手動開閉式の蓋23が備えられている。各ランドリー機器20は、蓋23をロックするための電動式のロック機構(図示せず)を備えており、サーバ30からの指令によって蓋23を閉鎖状態でロックする。ガラス窓22は、液晶を利用した瞬間調光式であり、サーバ30からの指令によって透明/不透明が瞬時に切り換えられる。
【0025】
ランドリー店舗10には、Wi-Fi(登録商標)規格による無線LAN40が設置されている。ランドリー店舗10内にいるユーザの携帯端末(スマートフォン等:以下、ユーザ端末と記す)51は、この無線LAN40(あるいは、3G回線)を介してインターネット60に接続される。
サーバ30は、有線LAN41によってインターネット60に接続しており、インターネット60を経由してユーザ端末51やランドリー店舗10の管理者の端末(パーソナルコンピュータやスマートフォン等:以下、管理者端末と記す)52との間で通信を行う。また、ユーザがランドリー店舗10外にいる場合、ユーザ端末51は、3G回線を介してインターネット60に接続される。
なお、無線LAN40ではなく、電話通信網(長距離通信)だけを用いて通信してよいことも言うまでもない。
【0026】
図2に示すように、サーバ30は、運転モードやユーザ情報等を記憶する記憶部31、ユーザ端末51からの入力信号等に基づく判定処理や信号出力を行う処理部32と、処理部32の判定結果に応じてランドリー機器20への運転指令信号やユーザ端末51および管理者端末52への信号等を生成する信号生成部33等を有している。
【0027】
<第1実施形態の作用>
図3は、第1実施形態で、パスワード入力画面を表示したユーザ端末を示す正面図である。
図4は、第1実施形態で、運転指令出力制御の手順を示すフローチャートである。
図5は、第1実施形態で、認識信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
図6は、第1実施形態で、運転コース信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
図7は、第1実施形態で、料金信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
図8は、第1実施形態で、終了予告処理の手順を示すフローチャートである。
図9は、第1実施形態で、第1終了予告信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
図10は、第1実施形態で、第2終了予告信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
図11は、第1実施形態で、エラー処理の手順を示すフローチャートである。
図12は、第1実施形態で、エラー信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
図13は、第1実施形態で、ユーザランク処理の手順を示すフローチャートである。
図14は、第1実施形態で、ランクアップ信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
図15は、第1実施形態で、ランクダウン信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
【0028】
ユーザは、ランドリー店舗10のランドリー機器20を初めて使用する場合、自宅あるいはランドリー店舗10内でランドリー店舗10のホームページにアクセスし、セルフランドリーシステム1に対応する専用アプリケーションソフトウェア(以下、専用アプリと記す)をユーザ端末51にダウンロードする。
【0029】
次に、ユーザは、そのユーザ端末51を用いてユーザ登録を行う。ユーザ登録は、氏名や住所、携帯電話番号、支払情報(クレジットカード情報)をサーバ30に登録するものである。
【0030】
ランドリー店舗10に来店したユーザは、洗濯あるいは乾燥を行う衣類の種類や量に応じてランドリー機器20を選定する。次にユーザは、ユーザ端末51で電話通信網(又は無線LAN40)を介してインターネットに接続した上で専用アプリを起動する。
その上で、ユーザ端末51のカメラ等で、選定されたランドリー機器20に張り付けられているQRコードを撮影する。
その結果、通信を介して、ランドリー機器20と仮の紐付けがなされる。
そうすると、
図3に示すようにユーザ端末51のディスプレイ51aにパスワード入力画面65が表示される。
そうした後、ユーザは、ランドリー機器20のディスプレイ24に表示されたワンタイムパスワード24aをユーザ端末51に入力する。
このワンタイムパスワード24aの識別信号Si、ランドリー機器20または制御装置に送られることによって、正式な紐づけが完了する。
【0031】
なお、発展形としては、極短距離通信を用いる場合、ユーザが携帯端末51を機器側送受信機25にかざすと、ユーザ端末51およびランドリー機器20に対応する識別信号Siが携帯端末51から発信され、この識別信号Siが機器側送受信機25を経由してサーバ30に入力される。携帯端末51と機器側送受信機25とは、数cm以下の距離で通信を行うように設定されている。これによって、紐付けを簡単に完了することも将来的には可能である。
【0032】
識別信号Siが入力すると、サーバ30は、
図4のフローチャートにその手順を示す運転指令出力制御を実行する。
運転指令出力制御を開始すると、サーバ30は、
図4のステップS1で、ランドリー機器20が他のユーザによって使用中されている場合を除き、識別信号Siに基づいてユーザ端末51とランドリー機器20との紐付けを行い、ステップS2で無線LAN40を介して認識信号をユーザ端末51に送信する。認識信号を受信したユーザ端末51では、
図5に示すように、「いらっしゃいませ ○○番の洗濯乾燥機をご利用ですね よろしければ、YESをタッチしてください」とのメッセージ71と、「YES」ボタン72とが画面51aに表示される。
【0033】
サーバ30は、ステップS3でユーザが「YES」ボタン72にタッチしたか否かを判定し、この判定がYesになると、ステップS4で運転コース信号をユーザ端末51に送信する。運転コース信号を受信したユーザ端末51では、
図6に示すように、選択されたランドリー機器20に対応する「運転コース」ボタン73(73a~73d)と、「ENTER」ボタン74とが画面51aに表示される。ユーザは、衣類の種類や量に応じて所望の「運転コース」ボタン73を選択した後、「ENTER」ボタン74をタッチする。
【0034】
サーバ30は、ステップS5でユーザが「ENTER」ボタン74にタッチしたか否かを判定し、この判定がYESになると、ステップS6で料金信号をユーザ端末51に送信する。料金信号を受信したユーザ端末51では、
図7に示すように、「使用料金は○○○○円です 衣類を投入し、蓋を閉めてください」とのメッセージ75と、「蓋ロック」ボタン76および「窓不透明」ボタン77が画面51aに表示される。ユーザは、ランドリー機器20の運転中に蓋23をロックしたい、あるいは、ガラス窓22を不透明にしたい場合、これら「蓋ロック」ボタン76や「窓不透明」ボタン77を選択(タッチ)する。
【0035】
ユーザは、使用料金の確認、および「蓋ロック」ボタン76や「窓不透明」ボタン77の選択を終えると、携帯端末51を機器側送受信機25にかざす。すると、ユーザ端末51からは、運転要求信号Sdが発信され、この運転要求信号Sdがインターネット60を経由してサーバ30に入力される。
【0036】
サーバ30は、ステップS7でユーザが運転要求信号Sdが入力したか否かを判定し、この判定がYESになると、ステップS8で課金処理を行う。課金処理は、前述した支払情報に基づき、インターネット60を経由してクレジットカード会社との間で通信を行うことでなされる。
【0037】
ステップS8での課金が完了すると、サーバ30は、ステップS9で「蓋ロック」ボタン76がタッチされたか否かを判定し、この判定がYesであればステップS10で蓋ロック指令をランドリー機器20に出力する。次いで、サーバ30はステップS11で「窓不透明」ボタン77がタッチされたか否かを判定し、この判定がYesであればステップS12で窓不透明指令をランドリー機器20に出力する。
【0038】
しかる後、サーバ30は、ステップS13でランドリー機器20に運転開始指令を出力し、運転開始指令制御を終了する。運転開始指令が入力したランドリー機器20は、ユーザが選択した運転モードでの運転を開始するとともに、ユーザの要求に基づいて蓋23のロックやガラス窓22の不透明化を行う。
【0039】
サーバ30は、運転指令出力制御の各指令や課金処理の結果を逐次、管理者端末52に送信する。これにより、管理者は、ランドリー店舗10内のランドリー機器20の稼働状態や売り上げをリアルタイムに認識できる。
【0040】
(終了予告処理)
ランドリー機器20が運転を開始すると、サーバ30は、
図8のフローチャートにその手順を示す終了予告処理を実行する。終了予告処理を開始すると、サーバ30は、
図8のステップS31で運転終了時刻の10分前となったか否かを所定の時間間隔で繰り返し判定する。そして、この判定がYesになると、サーバ30は、ステップS32でインターネット60を経由して第1終了予告信号をユーザ端末51に送信する。第1終了予告信号を受信したユーザ端末51では、
図9に示すように、運転終了まで10分であることを示す「10分前です」とのメッセージ91が画面51aに表示されるとともに、小さな音量で着信音が鳴る。なお、終了予告信号は、ユーザがランドリー店舗10の外にいても、3G回線や店外の無線LANを介したインターネット60を経由してユーザ端末51に受信される。
【0041】
次に、サーバ30は、ステップS33で運転終了時刻の5分前となったか否かを所定の時間間隔で繰り返し判定する。そして、この判定がYesになると、サーバ30は、ステップS34で第2終了予告信号をユーザ端末51に送信する。第2終了予告信号を受信したユーザ端末51では、
図10に示すように、運転終了まで5分であることを示す「5分前です」とのメッセージ92が画面51aに点滅表示されるとともに、着信音およびバイブレータ機能が作動する。
【0042】
これにより、外部の商店や飲食店に出向いていたユーザも、買い物や食事を切り上げてランドリー機器20の運転終了時刻までにランドリー店舗10に戻ることができ、ランドリー機器20の稼働率向上等が実現される。
【0043】
サーバ30は、運転指令出力制御等と並行して、
図11のフローチャートにその手順を示すエラー処理を常時実行する。
【0044】
(エラー処理)
エラー処理を開始すると、サーバ30は、
図11のステップS41でランドリー店舗10内のランドリー機器20からエラー信号が入力しているか否かを所定の時間間隔で繰り返し判定する。
【0045】
ランドリー機器20に何らかのエラーが生じてステップS41の判定がYesになると、ステップS41でエラー情報42(どのランドリー機器20でどのエラーが生じたか)を管理者端末52およびメンテナンス会社の端末(図示せず)に送信し、ステップS43でユーザ端末51にエラー信号を送信する。エラー信号を受信したユーザ端末51では、
図12に示すように、「エラーが生じました キャンセルして、衣類を取り出して下さい」とのメッセージ101と、「キャンセル」ボタン102とが画面51aに表示される。
【0046】
管理者やメンテナンス会社は、エラー情報に応じてランドリー店舗10に赴き、当該ランドリー機器20の使用停止や修理等の処置をとる。また、ユーザは、ユーザ端末51の画面表示に従い「キャンセル」ボタン92をタッチする。
【0047】
次に、サーバ30は、ステップS44で「キャンセル」ボタン102がタッチされたか否かを判定し、この判定がNoである間はステップS44の判定を繰り返す。サーバ30は、ユーザによって「キャンセル」ボタン102がタッチされてステップS44の判定がYesになると、ステップS45で運転停止信号をランドリー機器20に送信する。
【0048】
運転停止信号を受信したランドリー機器20では、洗濯ドラムや乾燥ドラムの回転が停止され、洗濯中あるいはすすぎ中であれば排水が行われた後、蓋23のロックが解除される。これにより、ユーザはランドリー機器20から衣類を取り出し、別のランドリー機器20で洗濯や乾燥を行うことができる。
【0049】
次に、サーバ30は、ステップS46で前述した課金処理による課金をキャンセル(すなわち、返金)して、エラー処理を終了する。
【0050】
(ユーザランク処理)
サーバ30は、ユーザによるランドリー機器20の使用が完了すると、
図13のフローチャートにその手順を示すユーザランク処理を毎回実行する。ユーザランク処理を開始すると、サーバ30は、
図13のステップS51でユーザ端末51のポイントアップ条件が成立したか否かを判定する。ポイントアップ条件は例えばユーザがランドリー機器20の停止後5分以内に衣類を取り出した場合に成立し、ステップS51の判定がYesであった場合、サーバ30は、ステップS52で初期値10のユーザポイントPuをインクリメントする。次に、サーバ30は、ステップS53でユーザポイントPuがランクアップ値Pru(例えば、15)に達したか否かを判定し、この判定がNoであれば処理を終了する。
【0051】
ユーザポイントPuがランクアップ値Pruに達し、ステップS53の判定がYesになると、サーバ30は、ステップS54でランクアップ処理を実行する。すなわちサーバ30は、ユーザ端末51を所有するユーザに対してランドリー機器20の予約や運転設定(洗濯時間や乾燥時間の調整)の変更等を許可するとともに、ランクアップ信号をユーザ端末51に送信する。ランクアップ信号を受信したユーザ端末51では、
図14に示すように、「おめでとうございます ”プレミアムユーザ”になりました ランドリー機器の予約 運転条件の設定変更等ができます」とのメッセージ105が画面51aに表示される。
【0052】
一方、ステップS51の判定のNoであった場合、サーバ30はステップS55でポイントダウン条件が成立したか否かを判定する。ポイントダウン条件は例えばユーザがランドリー機器20の停止後15分以内に衣類を取り出さなかった場合(すなわち、長時間衣類を放置した場合)に成立し、ステップS55の判定がYesであれば、サーバ30は、ステップS56でユーザポイントPuをデクリメントする。次に、サーバ30は、ステップS57でユーザポイントPuがランクダウン値Prd(例えば、5)に達したか否かを判定し、この判定がNoであれば処理を終了する。
【0053】
ユーザポイントPuがランクダウン値Prdまで減少し、ステップS57の判定がYesになると、サーバ30は、ステップS58でランクダウン処理を実行する。すなわちサーバ30は、ユーザ端末51を所有するユーザに対してランドリー機器20の予約や運転設定(洗濯時間や乾燥時間の調整)の変更等を行えなくするとともに、ランクダウン信号をユーザ端末51に送信する。ランクダウン信号を受信したユーザ端末51では、
図15に示すように、「一般ユーザにランクダウンしました ランドリー機器の予約 運転条件の設定変更等はできません」とのメッセージ106が画面51aに表示される。
【0054】
ステップS55の判定もNo、例えばユーザが10分程度で衣類を取り出し、ポイントアップ条件とポイントダウン条件とのどちらも成立しなかった場合、サーバ30は、なにも行わずユーザランク処理を終了する。本実施形態では、ユーザランク処理を行うことでユーザによる衣類の放置が減少し、ランドリー機器20の稼働率が向上する。
【0055】
[第2実施形態]
以下、
図16~
図22を参照して、本発明の第2実施形態を詳細に説明する。第2実施形態は、携帯端末からの運転要求信号等の送信が識別コードを読み込むことでなされること、および、料金支払いがプリペイドカードによって行われることを特徴とする。
【0056】
<第2実施形態の構成>
図16は、第2実施形態に係るセルフランドリーシステムの概略構成図である。
【0057】
第2実施形態のハードウエアは、上述した第1実施形態と同一の構成を採っているが、ワンタイムパスワードを表示するディスプレイや近距離無線通信用の受信機等をランドリー機器20に備えていない。
図16に示すように、各ランドリー機器20には、それぞれに固有の識別コードが印刷されたラベル(以下、単に識別コードと記す)21(21a,21b,21c・・・)が貼り付けられている。なお、識別コードとしては、QRコード(登録商標)等の二次元コードが望ましい。
【0058】
<第2実施形態の作用>
図17は、第2実施形態で、運転指令出力制御の手順を示すフローチャートである。
図18は、第2実施形態で、認識信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
図19は、第2実施形態で、運転コース信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
図20は、第2実施形態で、料金信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
図21は、第2実施形態で、課金処理の手順を示すフローチャートである。
図22は、第2実施形態で、残高不足信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
【0059】
ユーザは、ランドリー店舗10のランドリー機器20を初めて使用する場合、自宅あるいはランドリー店舗10内でランドリー店舗10のホームページにアクセスし、セルフランドリーシステム1に対応する専用アプリケーションソフトウェア(以下、専用アプリと記す)をユーザ端末51にダウンロードする。
【0060】
次に、ユーザは、そのユーザ端末51を用いてユーザ登録を行う。ユーザ登録は、氏名や住所、携帯電話番号、支払情報(プリペイドカードコード)をサーバ30に登録するものである。支払いに用いるプリペイドカードは、ランドリー店舗10固有のものでもよいし、コンビニエンスストア等で販売している一般のものでもよい。ユーザがプリペイドカードコードを入力すると、プリペイドカードの額面がチャージ残高Bchgとしてサーバ30に記憶される。
【0061】
ランドリー店舗10に来店したユーザは、洗濯あるいは乾燥を行う衣類の種類や量に応じてランドリー機器20を選定する。次にユーザは、ユーザ端末51で無線LAN40を介してインターネット接続した上で専用アプリを起動し、そのランドリー機器20の識別コード21を内蔵カメラで読み込む。識別コード21を読み込んだユーザ端末51からは、ユーザ端末51およびランドリー機器20に対応する識別信号Siが発信される。識別信号Siは、インターネット60を経由してサーバ30に入力される。
【0062】
識別信号Siが入力すると、サーバ30は、
図17のフローチャートにその手順を示す運転指令出力制御を実行する。
運転指令出力制御を開始すると、サーバ30は、
図17のステップS61で、ランドリー機器20が他のユーザによって使用中されている場合を除き、識別信号Siに基づいてユーザ端末51とランドリー機器20との紐付けを行い、ステップS62で認識信号をユーザ端末51に送信する。認識信号を受信したユーザ端末51では、
図18に示すように、「いらっしゃいませ ○○番の洗濯乾燥機をご利用ですね よろしければ、YESをタッチしてください」とのメッセージ71と、「YES」ボタン72とが画面51aに表示される。
【0063】
サーバ30は、ステップS63でユーザが「YES」ボタン72にタッチしたか否かを判定し、この判定がYesになると、ステップS64で運転コース信号をユーザ端末51に送信する。運転コース信号を受信したユーザ端末51では、
図19に示すように、選択されたランドリー機器20に対応する「運転コース」ボタン73(73a~73d)と、「ENTER」ボタン74とが画面51aに表示される。ユーザは、衣類の種類や量に応じて所望の「運転コース」ボタン73を選択した後、「ENTER」ボタン74をタッチする。
【0064】
サーバ30は、ステップS65でユーザが「ENTER」ボタン74にタッチしたか否かを判定し、この判定がYESになると、ステップS66で料金信号をユーザ端末51に送信する。料金信号を受信したユーザ端末51では、
図20に示すように、「使用料金は○○○○円です 衣類を投入し、蓋を閉めてください」とのメッセージ75と、「蓋ロック」ボタン76および「窓不透明」ボタン77が画面51aに表示される。ユーザは、ランドリー機器20の運転中に蓋23をロックしたい、あるいは、ガラス窓22を不透明にしたい場合、これら「蓋ロック」ボタン76や「窓不透明」ボタン77を選択(タッチ)する。
【0065】
ユーザは、使用料金の確認、および「蓋ロック」ボタン76や「窓不透明」ボタン77の選択を終えると、ランドリー機器20の識別コード21を内蔵カメラで再び読み込む。識別コード21を読み込んだユーザ端末51からは、運転要求信号Sdが発信される。運転要求信号Sdは、インターネット60を経由してサーバ30に入力される。
【0066】
サーバ30は、ステップS67でユーザが運転要求信号Sdが入力したか否かを判定し、この判定がYESになると、ステップS68で
図21のフローチャートにその手順を示す課金処理を行う。
【0067】
(課金処理)
課金処理を開始すると、サーバ30は、
図21のステップS81でユーザのチャージ残高Bchgが使用料金Fusg以上あるか否かを判定し、この判定がYesであればステップS82で課金(チャージ残高Bchgに対する使用料金Fusgの減算)を行って、課金処理を終了する。
【0068】
ステップS81の判定がNoであった場合、サーバ30は、ステップS83で残高不足信号をユーザ端末51に送信する。残高不足信号を受信したユーザ端末51では、
図22に示すように、「残高が不足しています チャージして下さい」とのメッセージ81と、「キャンセル」ボタン82とが画面51aに表示される。
【0069】
ユーザは、プリペイドカードを所持していればプリペイドカードコードを入力し、プリペイドカードを所持していなければランドリー店舗10でプリペイドカードを購入する。一方、プリペイドカードも現金も所持していなければ、「キャンセル」ボタン82をタッチする。
【0070】
サーバ30は、ステップS84でユーザによるプリペイドカードのチャージが完了したか否かを判定し、この判定がYesであればステップS82に移行して課金を行う。一方、ステップS84の判定がNoであった場合、サーバ30は、ステップS85で「キャンセル」ボタン82がタッチされたか否かを判定し、この判定がNoである間はステップS85の判定を繰り返す。
【0071】
サーバ30は、ユーザによって「キャンセル」ボタン82がタッチされてステップS85の判定がYesになると、ステップS86で運転指令出力制御自体を中止し、課金処理を終了する。
【0072】
ステップS22での課金が完了すると、サーバ30は、
図17のステップS69で「蓋ロック」ボタン76がタッチされたか否かを判定し、この判定がYesであればステップS70で蓋ロック指令をランドリー機器20に出力する。次いで、サーバ30はステップS71で「窓不透明」ボタン77がタッチされたか否かを判定し、この判定がYesであればステップS72で窓不透明指令をランドリー機器20に出力する。
【0073】
しかる後、サーバ30は、ステップS73でランドリー機器20に運転開始指令を出力し、運転開始指令制御を終了する。運転開始指令が入力したランドリー機器20は、ユーザが選択した運転モードでの運転を開始するとともに、ユーザの要求に基づいて蓋23のロックやガラス窓22の不透明化を行う。
【0074】
サーバ30は、運転指令出力制御の各指令や課金処理の結果を逐次、管理者端末52に送信する。これにより、管理者は、ランドリー店舗10内のランドリー機器20の稼働状態や売り上げをリアルタイムに認識できる。
【0075】
ランドリー機器20が運転を開始すると、サーバ30は、第1実施形態と同様に、
図8のフローチャートにその手順を示す終了予告処理と、
図11のフローチャートにその手順を示すエラー処理とを実行する。
【0076】
[第3実施形態]
以下、
図23~
図27を参照して、本発明の第3実施形態を詳細に説明する。第3実施形態は、携帯端末から送信がユーザのボタン操作(画面へのタッチ)によってなされること、および、料金支払いがクレジットカードによって行われることを特徴とする。
なお、第3実施形態のハードウエアは、上述した第2実施形態と同一の構成であるため、その説明を省略する。
【0077】
<第3実施形態の作用>
図23は、第3実施形態で、識別コードを読み込んだユーザ端末を示す正面図である。
図24は、第3実施形態で、運転指令出力制御の手順を示すフローチャートである。
図25は、第3実施形態で、認識信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
図26は、第3実施形態で、運転コース信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
図27は、第3実施形態で、料金信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。
【0078】
ユーザは、ランドリー店舗10のランドリー機器20を初めて使用する場合、自宅あるいはランドリー店舗10内でランドリー店舗10のホームページにアクセスし、セルフランドリーシステム1に対応する専用アプリケーションソフトウェア(以下、専用アプリと記す)をユーザ端末51にダウンロードする。
【0079】
次に、ユーザは、そのユーザ端末51を用いてユーザ登録を行う。ユーザ登録は、氏名や住所、携帯電話番号、支払情報(クレジットカード情報)をサーバ30に登録するものである。
【0080】
ランドリー店舗10に来店したユーザは、洗濯あるいは乾燥を行う衣類の種類や量に応じてランドリー機器20を選定する。次にユーザは、ユーザ端末51でインターネット接続した上で専用アプリを起動し、そのランドリー機器20の識別コード21を内蔵カメラで読み込む。
【0081】
識別コード21を読み込んだユーザ端末51では、
図23に示すように、「識別コードを送信しますか よろしければYESをタッチしてください 別の機械にする場合にはその機械の識別コードを読み込んでください」とのメッセージ111と、「YES」ボタン112とが画面51aに表示される。
【0082】
ユーザが「YES」ボタン112にタッチすると、ユーザ端末51からは、ユーザ端末51およびランドリー機器20に対応する識別信号Siが発信される。識別信号Siは、無線LAN40を介したインターネット60を経由してサーバ30に入力される。
【0083】
識別信号Siが入力すると、サーバ30は、
図24のフローチャートにその手順を示す運転指令出力制御を実行する。
運転指令出力制御を開始すると、サーバ30は、
図24のステップS91で、ランドリー機器20が他のユーザによって使用中されている場合を除き、識別信号Siに基づいてユーザ端末51とランドリー機器20との紐付けを行い、ステップS92で認識信号をユーザ端末51に送信する。認識信号を受信したユーザ端末51では、
図25に示すように、「いらっしゃいませ ○○番の洗濯乾燥機をご利用ですね よろしければ、YESをタッチしてください」とのメッセージ71と、「YES」ボタン72とが画面51aに表示される。
【0084】
サーバ30は、ステップS93でユーザが「YES」ボタン72にタッチしたか否かを判定し、この判定がYesになると、ステップS94で運転コース信号をユーザ端末51に送信する。運転コース信号を受信したユーザ端末51では、
図26に示すように、選択されたランドリー機器20に対応する「運転コース」ボタン73(73a~73d)と、「ENTER」ボタン74とが画面51aに表示される。ユーザは、衣類の種類や量に応じて所望の「運転コース」ボタン73を選択した後、「ENTER」ボタン74をタッチする。
【0085】
サーバ30は、ステップS95でユーザが「ENTER」ボタン74にタッチしたか否かを判定し、この判定がYESになると、ステップS96で料金信号をユーザ端末51に送信する。料金信号を受信したユーザ端末51では、
図27に示すように、「使用料金は○○○○円です 衣類を投入し、蓋を閉めてください」とのメッセージ75と、「蓋ロック」ボタン76、「窓不透明」ボタン77、「運転開始」ボタン78が画面51aに表示される。ユーザは、ランドリー機器20の運転中に蓋23をロックしたい、あるいは、ガラス窓22を不透明にしたい場合、「蓋ロック」ボタン76や「窓不透明」ボタン77を選択(タッチ)する。
【0086】
ユーザは、使用料金の確認、および「蓋ロック」ボタン76や「窓不透明」ボタン77の選択を終えると、「運転開始」ボタン78をタッチする。「運転開始」ボタン78がタッチされたユーザ端末51からは、運転要求信号Sdが発信される。運転要求信号Sdは、インターネット60を経由してサーバ30に入力される。
【0087】
サーバ30は、ステップS97でユーザが運転要求信号Sdが入力したか否かを判定し、この判定がYESになると、ステップS98で課金処理を行う。課金処理は、前述した支払情報に基づき、インターネット60を経由してクレジットカード会社との間で通信を行うことでなされる。
【0088】
ステップS98での課金が完了すると、サーバ30は、ステップS99で「蓋ロック」ボタン76がタッチされたか否かを判定し、この判定がYesであればステップS100で蓋ロック指令をランドリー機器20に出力する。次いで、サーバ30はステップS101で「窓不透明」ボタン77がタッチされたか否かを判定し、この判定がYesであればステップS102で窓不透明指令をランドリー機器20に出力する。
【0089】
しかる後、サーバ30は、ステップS103でランドリー機器20に運転開始指令を出力し、運転開始指令制御を終了する。運転開始指令が入力したランドリー機器20は、ユーザが選択した運転モードでの運転を開始するとともに、ユーザの要求に基づいて蓋23のロックやガラス窓22の不透明化を行う。
【0090】
サーバ30は、運転指令出力制御の各指令や課金処理の結果を逐次、管理者端末52に送信する。これにより、管理者は、ランドリー店舗10内のランドリー機器20の稼働状態や売り上げをリアルタイムに認識できる。
【0091】
ランドリー機器20が運転を開始すると、サーバ30は、第1実施形態と同様に、
図8のフローチャートにその手順を示す終了予告処理と、
図11のフローチャートにその手順を示すエラー処理とを実行する。
【0092】
以上で具体的な実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこれらに限られるものではない。例えば、第1実施形態および第3実施形態では課金をクレジットカードによって行うようにしたが、プリペイドカードやデビットカード、携帯電話利用料金等によって行うようにしてもよい。また、第2実施形態では課金をプリペイドカードによって行うようにしたが、クレジットカードやデビットカード、携帯電話利用料金等によって行うようにしてもよい。また、ランドリー機器を利用する毎にポイントを付与し、このポイントを利用代金の一部に充当できるようにしてもよい。また、ユーザが自宅などでインターネットに接続し、専用アプリを起動しランドリー機器の空き情報を確認できるようにしてもよい。その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば、セルフランドリーシステムの具体的構成や運転指令出力制御の具体的手順等についても適宜変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明のセルフランドリーシステムは、市中に設置されるセルフランドリーに効果的に利用できる。
【符号の説明】
【0094】
1 セルフランドリーシステム
10 ランドリー店舗
20 ランドリー機器
21 識別コード
22 ガラス窓
23 蓋
24a ワンタイムパスワード
25 受信機
30 サーバ
40 無線LAN
42 エラー情報
51 ユーザ端末
51a 画面
52 管理者端末
60 インターネット