(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】保護された空気吸込み口を有するエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20230915BHJP
【FI】
A24F40/40
(21)【出願番号】P 2021560097
(86)(22)【出願日】2020-04-24
(86)【国際出願番号】 EP2020061546
(87)【国際公開番号】W WO2020216943
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-10-11
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】エメット ロバート
(72)【発明者】
【氏名】サーデ ラトルレ エヴァ
【審査官】宮部 菜苗
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-519850(JP,A)
【文献】特表2017-500100(JP,A)
【文献】国際公開第2015/167000(WO,A1)
【文献】特開2004-283244(JP,A)
【文献】国際公開第2019/012145(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0146716(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
・エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するように構成されたエアロゾル化チャンバーと、
・周囲空気が通って前記エアロゾル発生装置の中に流れうる空気吸込み口と、
・前記空気吸込み口を前記エアロゾル化チャンバーと流体接続する気流経路と、を備え、
前記空気吸込み口が、前記エアロゾル発生装置の外表面の陥凹した部分の中に配設されていて、かつ前記陥凹した部分が、ユーザーの指による前記空気吸込み口の遮断を防止するように10mm超の長さから成る、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記陥凹した部分が、15mm超
の長さから成る、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記外表面が湾曲した外表面であり、かつ前記陥凹した部分が前記湾曲した外表面の少なくとも一部分の周りに延びる、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記陥凹した部分が、基部および少なくとも一つの側壁を備え、前記空気吸込み口が、前記基部に、または前記側壁に、または前記基部と前記側壁の間の移行部に配設されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記基部と前記側壁の間の角度が、90度未満
である、請求項4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記陥凹した部分が、20mm未満の高さ
を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記陥凹した部分が、少なくとも0.5mmの奥行き
を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記陥凹した部分が細長い形状を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記陥凹した部分が、前記エアロゾル発生装置の前記長軸方向軸に対して直角に延びる、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記陥凹した部分がスリット形状である、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記エアロゾル発生装置が、前記エアロゾル化チャンバーを少なくとも部分的にライニングする発熱体を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記エアロゾル発生装置が、マウスピースを前記エアロゾル発生装置に取り外し可能に取り付けるためのコネクター要素を備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
システムであって、
請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置と、
第一のマウスピース要素と、を備える、システム。
【請求項14】
エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
少なくとも第二のマウスピース要素を備え、前記第一のマウスピース要素および前記第二のマウスピース要素が一つ以上の異なる特徴を有する、請求項13または請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
吸入可能なベイパーを発生するためのエアロゾル発生装置を提供することは周知である。こうした装置は、エアロゾル形成基体を燃焼することなく、エアロゾル形成基体の一つ以上の構成要素が揮発する温度にエアロゾル形成基体を加熱してもよい。こうしたエアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部として提供されてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーなどの空洞の中へのエアロゾル発生物品の挿入のために、ロッド形状を有してもよい。発熱体は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中に挿入された後に、エアロゾル形成基体を加熱するために、加熱チャンバーの中に、またはその周りに配設されてもよい。
【0003】
エアロゾル発生装置は典型的に、エアロゾル発生装置外部の周囲環境から加熱チャンバーの中に周囲空気が引き出されることを可能にする空気吸込み口を備える。使用中にユーザーは、偶発的に自分の指または手で空気吸込み口を遮断する場合がある。これは、装置を通る気流を損なうことに起因して、エアロゾル発生に悪影響を及ぼす場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
より確実なエアロゾル発生を有するエアロゾル発生装置を提供することが望ましいことになる。例えばユーザーの手または指による空気吸込み口の遮断が実質的に防止される、エアロゾル発生装置を提供することが望ましいことになる。マウスピースが取り外し可能に取り付けられてもよく、また例えばユーザーの手または指による空気吸込み口の遮断が実質的に防止される、エアロゾル発生装置を提供することが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によると、エアロゾル化チャンバーを備えるエアロゾル発生装置が提供されている。エアロゾル化チャンバーは加熱チャンバーであってもよい。エアロゾル化チャンバーは、エアロゾル形成基体を受容するように構成されてもよい。エアロゾル化チャンバーは、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するように構成されてもよい。エアロゾル発生装置は、周囲空気が通ってエアロゾル発生装置の中に流れてもよい空気吸込み口を備えてもよい。エアロゾル発生装置は、空気吸込み口をエアロゾル化チャンバーと流体接続する気流経路を備えてもよい。空気吸込み口はエアロゾル発生装置の陥凹した部分の中に配設されてもよい。陥凹した部分は、エアロゾル発生装置の外表面に提供されてもよい。陥凹した部分は、ユーザーの指による空気吸込み口の遮断を防止するように構成されてもよい。陥凹した部分は、ユーザーの指による空気吸込み口の遮断を防止するように寸法設定されてもよい。一部の実施形態において、陥凹した部分は、ユーザーの指による空気吸込み口の遮断を防止するように形作られてもよい。一部の実施形態において、陥凹した部分は、ユーザーの指による空気吸込み口の遮断を防止するように寸法設定され、かつ形作られてもよい。
【0006】
本発明の一態様によると、エアロゾル化チャンバーを備えるエアロゾル発生装置が提供されている。エアロゾル化チャンバーは、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するように構成されている。エアロゾル発生装置は、周囲空気が通ってエアロゾル発生装置の中に流れてもよい空気吸込み口を備える。エアロゾル発生装置は、空気吸込み口をエアロゾル化チャンバーと流体接続する気流経路を備える。空気吸込み口はエアロゾル発生装置の陥凹した部分の中に配設されている。陥凹した部分は、エアロゾル発生装置の外表面に提供されている。陥凹した部分は、ユーザーの指による空気吸込み口の遮断を防止するように寸法設定されている。
【0007】
空気吸込み口を陥凹した部分の中に提供することによって、ユーザーは、任意の位置に装置を保持し、かつ自分の指によって空気吸込み口が遮断されることなく、ユーザーの指を装置の任意の位置に定置することができる。陥凹した部分は、陥凹部として構成されてもよい。陥凹した部分は、溝として構成されてもよい。陥凹した部分は、スロットとして構成されてもよい。陥凹した部分は、スリットとして構成されてもよい。陥凹した部分は、谷として構成されてもよい。陥凹した部分は、空気吸込み口がエアロゾル発生装置のハウジングの外表面から半径方向にはめ込まれて陥凹しているように構成されてもよい。陥凹した部分は、ユーザーの指が空気吸込み口を遮断することを防止するように形作られていて、または寸法設定されていて、または形作られていて、かつ寸法設定されている。それ故に、陥凹した部分、特に空気吸込み口は、実質的にユーザーの手に届かなくてもよい。陥凹した部分は、ユーザーの指が陥凹した部分の中を入り込むのを防止する側面輪郭を有してもよい。
【0008】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置に関する。「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する喫煙装置であってもよい。エアロゾル形成基体はエアロゾル発生物品の一部であってもよい。エアロゾル発生物品は喫煙物品であってもよい。エアロゾルはユーザーによって、例えばユーザーの口を通してユーザーの肺の中に直接吸入可能であってもよい。
【0009】
エアロゾル発生装置は携帯型であってもよい。エアロゾル発生装置は手持ち式装置であってもよい。装置は、ユーザーが片手で保持するように構成されてもよい。エアロゾル発生装置は、ユーザーが片手で保持するようにサイズ設定されてもよい。エアロゾル発生装置は、ユーザーが片手で保持するように形作られてもよい。エアロゾル発生装置は、ユーザーが二本の指で保持するように構成されてもよい。エアロゾル発生装置は、ユーザーが二本の指で保持するようにサイズ設定されてもよい。エアロゾル発生装置は、ユーザーが二本の指で保持するように形作られてもよい。
【0010】
一部の実施形態において、エアロゾル発生装置はホルダーであってもよい。ホルダーは、充電装置と相互作用するように配設されてもよい。充電装置は、ポケット充電器であってもよい。充電装置は携帯型装置であってもよい。充電装置は、充電装置の電力貯蔵手段からホルダーの電力貯蔵手段に電力を伝達するように構成されてもよい。
【0011】
エアロゾル化チャンバーは、空洞であってもよい。エアロゾル化チャンバーは、円筒状の断面を有してもよい。エアロゾル化チャンバーは、楕円形、多角形、または長方形の断面を有してもよい。エアロゾル化チャンバーは細長くてもよい。エアロゾル化チャンバーは、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に沿って延びてもよい。エアロゾル化チャンバーは、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するように構成されてもよい。エアロゾル化チャンバーは、エアロゾル発生物品をエアロゾル化チャンバーの中に挿入することができるように形作られてもよい。
【0012】
吸入可能なエアロゾルは、エアロゾル化チャンバーの中で発生されてもよい。吸入可能なエアロゾルを発生するために、エアロゾル発生装置は霧化器を備えてもよい。霧化器は、エアロゾル化チャンバーの中に、またはエアロゾル化チャンバーを少なくとも部分的に包囲するように配設されてもよい。霧化器は、エアロゾル形成基体を霧化して吸入可能なエアロゾルを形成するために提供されてもよい。霧化器は発熱体を備えてもよく、その場合、霧化器は発熱体として表示される。一般的に霧化器は、エアロゾル形成基体を霧化することができる任意の装置として構成されてもよい。例えば、霧化器は、エアロゾル形成基体を霧化するためのベンチュリ効果に基づくネブライザーまたは霧化器ノズルを備えてもよい。それ故に、エアロゾル形成基体の霧化は、非熱的エアロゾル化技法によって実現されてもよい。振動要素、振動メッシュ、圧電駆動ネブライザー、または表面音響波エアロゾル化を有する機械的に振動する気化器が使用されてもよい。一部の実施形態において、エアロゾル化チャンバーは加熱チャンバーであってもよい。エアロゾル発生装置は発熱体を備えてもよい。発熱体は電気動力式発熱体であってもよい。一部の実施形態において、エアロゾル形成基体またはエアロゾル発生物品は、発熱体を備えてもよい。
【0013】
一部の実施形態において、装置、エアロゾル発生基体、またはエアロゾル発生物品のいずれも、発熱体を備えない。その代わりに、エアロゾルは、エアロゾル化チャンバー内の一つ以上の化学反応によって発生されてもよい。
【0014】
空気吸込み口は、円形、楕円形、多角形、または長方形の断面を有してもよい。空気吸込み口は、周囲空気がエアロゾル発生装置を通って流れるか、またはエアロゾル発生装置の中に引き出されるように構成されてもよい。空気吸込み口は、エアロゾル発生装置の外側に提供されていることが好ましい。この点に関して、エアロゾル発生装置は、ハウジングを備えることが好ましい。空気吸込み口はハウジングの中に提供されてもよい。二つ以上の空気吸込み口が提供されてもよい。複数の空気吸込み口が提供されてもよい。空気吸込み口は、空気の吸入のみを可能にする一方向弁を備えてもよい。空気吸込み口は、エアロゾル発生装置の遠位端に、またはその近くに提供されてもよい。
【0015】
気流経路は、空気吸込み口とエアロゾル化チャンバーとの間に提供されてもよい。気流経路は、エアロゾル発生装置の内部に配設されてもよい。気流経路は、円形、楕円形、多角形、または長方形の断面を有してもよい。気流経路は、真っ直ぐな気流経路であってもよい。気流経路は、湾曲した気流経路であってもよい。気流経路は、蛇行した気流経路であってもよい。さらなる要素が、空気吸込み口とエアロゾル化チャンバーとの間の気流経路の中に提供されてもよい。例えば、吸煙検出システムは、気流経路の中に、または気流経路に隣接して配設されてもよい。代替的な実施形態において、吸煙検出システムは、エアロゾル発生装置内の異なる位置に配設されてもよい。代替的な実施形態において、別個の吸煙検出システムはなくてもよい。
【0016】
一部の実施形態において、下記により詳細に説明される通りの発熱体の動作は、吸煙検出システムによってトリガされてもよい。別の方法として、発熱体は、オンオフボタンを押すことによってトリガされ、ユーザーの吸煙の持続時間にわたって保持されてもよい。吸煙検出システムはセンサーとして提供されてもよく、これは気流速度を測定するための気流センサーとして構成されてもよい。気流速度は、ユーザーによってエアロゾル発生装置の気流経路を通して引き出される時間当たりの空気の量を特徴付けるパラメータである。吸煙の開始は、気流が所定の閾値を超える時に、気流センサーによって検出されてもよい。開始はまた、ユーザーがボタンを起動後に検出されてもよい。
【0017】
センサーはまた、吸煙中にユーザーによって装置の気流経路を通して引き出される、エアロゾル発生装置内部の空気の圧力を測定するための圧力センサーとして構成されてもよい。センサーは、エアロゾル発生装置の外側の周囲空気の圧力とユーザーによって装置を通して引き出される空気の圧力との間の圧力差または圧力降下を測定するように構成されてもよい。空気の圧力は、空気吸込み口、エアロゾル化チャンバー、または空気が通って流れるエアロゾル発生装置内の任意の他の通路もしくはチャンバーにて検出されてもよい。ユーザーがエアロゾル発生装置を吸う時、装置内部に陰圧または真空が発生し、この陰圧は圧力センサーによって検出される場合がある。「陰圧」という用語は、周囲空気の圧力よりも相対的に低い圧力として理解される。言い換えれば、ユーザーが装置を吸う時、装置を通して引き出される空気は、装置の外側の周囲空気の圧力よりも低い圧力を有する。吸煙の開始は、圧力差が所定の閾値を超える場合、圧力センサーによって検出されてもよい。
【0018】
陥凹した部分は基部を有してもよい。一部の実施形態において、陥凹した部分は、少なくとも一つの側壁を有してもよい。一部の実施形態において、空気吸込み口は、基部に配設されてもよい。一部の実施形態において、空気吸込み口は、側壁に配設されてもよい。一部の実施形態において、空気吸込み口は、基部と側壁の間の移行部に配設されてもよい。
【0019】
基部または側壁に空気吸込み口を配設することは、空気吸込み口が保護されるという利点を有する場合がある。この点に関して、空気吸込み口が、エアロゾル発生装置の平坦な外側表面上に直接位置付けられることになる場合、ユーザーは、エアロゾル発生装置の保持中に空気吸込み口を不本意に遮断する場合がある。さらに、陥凹した部分の基部または側壁に定置されることによって保護されてない空気吸込み口は、望ましくない汚染物質によって詰まる、または汚染される場合がある。これもまた、空気吸込み口を陥凹した部分の基部または側壁に定置することによって防止または低減される。空気吸込み口が陥凹した部分の側壁に配設されている場合、陥凹した部分は、側壁によって空気吸込み口が指による遮断から保護されるので、ヒトの指の幅よりも大きい、本明細書に記載の通りの高さを有してもよい。
【0020】
側壁の表面は、基部に対して直角であってもよい。側壁を基部に対して直角に配設することは、側壁に配設された空気吸込み口の確実な保護を容易にする場合がある。この点に関して、エアロゾル発生装置を把持するユーザーは、空気吸込み口が側壁に配設されていて、かつ側壁が直角に配設されている場合、自分の指による空気吸込み口の遮断を防止する場合がある。側壁は、エアロゾル発生装置の外表面、例えばハウジングの表面に対して直角であってもよい。好ましくは、側壁は、エアロゾル発生装置のハウジングの外表面と陥凹した部分の基部との間に段を作り出す。エアロゾル発生装置のハウジングの外表面は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に対して平行であってもよい。陥凹した部分の基部は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸と平行であってもよい。側壁は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に対して直角であってもよい。
【0021】
陥凹した部分は、ユーザーの指が陥凹した部分の中に入り込むのを防止する側面断面プロファイルを有してもよい。陥凹した部分は、U字形状の側面断面プロファイルを有してもよい。陥凹した部分は、谷の側面断面プロファイルを有してもよい。こうした陥凹形状で、陥凹部は、U字型または谷形状の中に指が入り込むことなく、ユーザーの指によって塞がれてもよい。このようにして、指は空気吸込み口を完全に封鎖することはできない。
【0022】
陥凹した部分の側壁は、基部の側面に配設されてもよい。側壁は、基部を完全に包囲してもよい。基部は、エアロゾル発生装置のハウジングの外側表面に対して陥凹していてもよい。側壁は、エアロゾル発生装置のハウジングの外側表面と陥凹した部分の基部との間の移行部として構成されてもよい。陥凹した部分は、円形、楕円形、多角形または長方形の形状を有してもよい。
【0023】
基部と側壁の間の角度は、90度未満であってもよく、好ましくは80度未満であってもよく、好ましくは70度未満であってもよい。角度は、基部の表面と側壁の表面との間で測定されてもよい。
【0024】
言い換えれば、側壁は、側壁が基部に対して完全に直角ではないように、基部から離れるように傾斜してもよい。これは、基部と側壁の間の望ましくない汚染物質の蓄積を防止する場合がある。この配設はまた、ブラシなどのクリーニングツールを用いて基部と側壁の間の移行部が、より簡単に届きうるため、陥凹した部分のクリーニングを最適化する場合がある。
【0025】
単一の空気吸込み口は、陥凹した部分の基部に、または側壁に、または基部と側壁の間の移行部に提供されてもよい。また、複数の空気吸込み口は、陥凹した部分の基部、側壁、および基部と側壁の間の移行部に沿って異なる位置に提供されてもよい。複数の空気吸込み口を提供することによって、空気吸込み口の遮断がなおより確実に防止される。
【0026】
空気吸込み口は、細長い形状を有して、好ましくはスリットとして提供されてもよい。空気吸込み口の遮断は、細長い形状を有する空気吸込み口を提供することによって、より困難である場合がある。
【0027】
エアロゾル発生装置の陥凹した部分は、ある長さを備えてもよい。陥凹した部分の長さは、陥凹した部分の最も長い寸法であってもよい。陥凹した部分の長さは、陥凹した部分の最遠位端から、陥凹した部分の最近位端まで測定されてもよい。陥凹した部分の長さは、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に対して接線方向で測定されてもよい。陥凹した部分は、ある高さを有してもよい。陥凹した部分の高さは、陥凹した部分の長さに対して直角の方向に測定されてもよい。陥凹した部分の高さは、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に平行な軸方向に測定されてもよい。高さは、ハウジングの外表面にて測定されてもよい。陥凹した部分は、ある奥行きを備えてもよい。陥凹した部分の奥行きは、陥凹した部分の高さに対して、かつ陥凹した部分の長さに対して直角の方向に測定されてもよい。陥凹した部分の奥行きは、エアロゾル発生装置の外表面から、陥凹した部分の最も内側の部分(好ましくは基部)への方向に測定されてもよい。陥凹した部分の奥行きは、半径方向に測定されてもよい。陥凹した部分の最も内側の部分は、エアロゾル発生装置の外表面から半径方向にはめ込まれてもよい。エアロゾル発生装置の外表面は、ユーザーによって把持されてもよく、またはユーザーによって接触されてもよい表面を備えてもよい。
【0028】
陥凹した部分の長さは、平均的なヒトの指よりも大きくてもよい。陥凹した部分の長さは、ヒトの指の平均幅よりも大きくてもよい。本明細書でヒトの指の長さおよびヒトの指の幅を参照する場合、ユーザーがエアロゾル発生装置を保持する時の、ヒトの指とエアロゾル発生装置との間の接触面積の典型的な長さおよび幅を参照することが好ましい。一部の実施形態において、陥凹した部分の長さは10mm超であってもよい。一部の実施形態において、陥凹した部分の長さは15mm超であってもよい。一部の実施形態において、陥凹した部分の長さは20mm超であってもよい。
【0029】
陥凹した部分にこうした長さを提供することは、ユーザーによる空気吸込み口の遮断を防止する場合がある。こうした長さで、空気は周囲環境から、ユーザーの指の少なくとも一つの側面の陥凹した区域の中に、かつ空気吸込み口を通して、依然として流れうる。
【0030】
一部の実施形態において、ユーザーの指のいずれかの側に依然として露出している陥凹した部分の面積は、好ましくは空気吸込み口自体の表面積に近い、より好ましくはそれと等しい、またはそれ以上の総表面積を有するべきである。これは、望ましい範囲内の装置のRTDを提供するのに役立つ場合がある。
【0031】
陥凹した部分の高さは、ユーザーの指の平均幅よりも小さくてもよい。陥凹した部分の高さは、20mmよりも小さく、好ましくは15mmよりも小さく、好ましくは10mmよりも小さく、好ましくは7mmよりも小さく、より好ましくは4mmよりも小さくてもよい。
【0032】
こうした高さを有する陥凹した部分を提供することは、陥凹した部分の上に指を定置する時に、ユーザーが陥凹した部分の基部に届くことを防止する場合がある。陥凹した部分の高さは、陥凹した部分の側壁から側壁まで測定されてもよい。側壁が直角ではない場合、陥凹した部分の高さは、エアロゾル発生装置のハウジングの側壁と外表面の間の移行部から、エアロゾル発生装置のハウジングの側壁と外表面の間の陥凹した部分の反対側の移行部まで測定されてもよい。陥凹した部分の高さは、ユーザーの指の典型的な幅よりも小さくなるように選ばれるべきである。そのため、ユーザーは、陥凹した部分上に指を定置する場合、陥凹した部分の基部に届くことができない。
【0033】
こうした高さを有する陥凹した部分を提供することによって、陥凹した部分の基部における空気吸込み口の配設が可能となる。空気吸込み口は、陥凹した部分の基部に定置されてもよい。さらなる空気吸込み口が提供されている場合、これらは、陥凹した部分の基部または陥凹した部分の側壁に定置される可能性もある。
【0034】
陥凹した部分は、少なくとも0.5mmの奥行き、好ましくは少なくとも1mmの奥行き、好ましくは少なくとも1.5mmの奥行き、より好ましくは少なくとも2mmの奥行きを有してもよい。陥凹した部分は、少なくとも1.5mm~2.0mmの奥行きを有することが好ましい。
【0035】
陥凹した部分の奥行きは、ユーザーが偶発的に、自分の指によって空気吸込み口を遮断することを防止するように選ばれてもよい。奥行きが十分に深いように選ばれる場合、ユーザーが自分の指で、陥凹した部分の基部に届くことを防止する場合がある。陥凹した部分の奥行きは、陥凹した部分の高さに応じて選ばれてもよい。高さが増大すると、奥行きも増大するはずである。高さが増大すると、ユーザーは、陥凹した部分の上に指を定置する時に、陥凹した部分の中により深く届く場合がある。結果として、高さに応じて奥行きを増大させることは、ユーザーが、陥凹した部分の上に指を定置する時に、陥凹した部分(reasons portion)の基部に届くことができない場合があることを容易にする場合がある。
【0036】
陥凹した部分は、エアロゾル発生装置の外側上に配設されてもよい。空気吸込み口が陥凹した部分の基部または側壁に提供されている場合、周囲空気は、空気吸込み口によってエアロゾル発生装置の中に引き出されてもよい。
【0037】
陥凹した部分は細長い形状を有してもよい。陥凹した部分は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に対して直角に延びてもよい。
【0038】
エアロゾル化チャンバーは、陥凹した部分に隣接して配設されてもよい。陥凹した部分は、エアロゾル化チャンバーの形状の周りに湾曲する、湾曲した構成を有してもよい。
【0039】
概して、エアロゾル発生装置の外表面は、湾曲した外表面であってもよく、また陥凹した部分は、湾曲した外表面の少なくとも一部分の周りに延びてもよい。陥凹した部分は、湾曲した形状を有してもよい。陥凹した部分が湾曲した形状または外側ハウジングを有する実施形態において、本明細書で言及される陥凹した部分の長さは、陥凹した部分の接線方向の長さであってもよい。一部のこうした実施形態において、接線方向の長さは、10mm超、好ましくは15mm超、好ましくは20mm超、より好ましくは25mm超であってもよい。接線方向の長さは、12mm~20mm超であってもよい。陥凹した部分の接線方向の長さが平均的な指の幅よりも大きい場合、指は湾曲の周りで簡単に変形することはできないので、陥凹した部分を指で遮断しない場合がある。
【0040】
エアロゾル発生装置は発熱体を備えてもよい。発熱体は、エアロゾル形成基体の内部部分を少なくとも部分的に貫通するように配設されてもよい。発熱体は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の内部部分を少なくとも部分的に貫通するように配設されてもよい。発熱体はエアロゾル形成基体を外部加熱するように配設されてもよい。発熱体は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を外部加熱するように配設されてもよい。発熱体が外部加熱のために配設されている場合、一部の実施形態において、発熱体はエアロゾル化チャンバーを少なくとも部分的に包囲する。発熱体が外部加熱のために配設されている場合、一部の実施形態において、発熱体は、エアロゾル化チャンバーの少なくとも一部分をライニングするように配設されている。一部の実施形態において、発熱体は、エアロゾル形成基体またはエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品に直接接触するように配設されてもよい。この発熱体は外部発熱体として表示されてもよい。別の方法として、または追加的に、内部発熱体が提供されてもよい。
【0041】
本開示のすべての態様において、発熱体は電気抵抗性材料を含んでもよい。適切な電気抵抗性材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料と金属材料とでできた複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープされた炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル白金、金、銀が挙げられる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオブ含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、金含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。複合材料において、電気抵抗性材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的特性に応じて随意に、断熱材料中に包埋、断熱材料中に封入、もしくは断熱材料で被覆されてもよく、またはその逆も可である。
【0042】
発熱体は、エアロゾル発生装置の一部であってもよい。エアロゾル発生装置は、内部発熱体、または外部発熱体、または内部発熱体と外部発熱体の両方を備えてもよいが、ここで「内部」および「外部」は、エアロゾル形成基体についてである。内部発熱体は任意の適切な形態を取ってもよい。例えば、内部発熱体は加熱ブレードの形態を取ってもよい。別の方法として、内部ヒーターは、異なる導電性部分または電気抵抗性の金属チューブを有するケーシングまたは基体の形態を取ってもよい。別の方法として、内部発熱体は、エアロゾル形成基体の中心を通り抜ける一つ以上の加熱針またはロッドであってもよい。その他の代替としては、加熱ワイヤーまたはフィラメント、例えばNi-Cr(ニッケルクロム)、白金、タングステン、または合金ワイヤーもしくは加熱プレートが挙げられる。随意に、内部発熱体は剛直な担体材料の中またはこの材料上に配置されてもよい。こうした一実施形態において、電気抵抗性のある発熱体は、温度と抵抗率の間の明確な関係を有する金属を使用して形成されてもよい。こうした例示的な装置において、金属は、セラミック材料などの適切な断熱材料上にトラックとして形成され、その後ガラスなどの別の断熱材料中に挟まれてもよい。この様態で形成されたヒーターは動作中に、発熱体の加熱と、その温度のモニターの両方に使用されてもよい。
【0043】
例えば、外部発熱体は、ポリイミドなどの誘電性基板上の一つ以上の可撓性の加熱箔の形態を取ってもよい。可撓性の加熱箔は、エアロゾル化チャンバーの周辺部に適合するように形作られることができる。別の方法として、外部発熱体は、金属のグリッド(複数可)、可撓性プリント基板、成形回路部品(MID)、セラミックヒーター、可撓性炭素繊維ヒーターの形態を取ってもよく、または適切な形状の基体上にプラズマ蒸着などの被覆技法を使用して形成されてもよい。外部発熱体はまた、温度と抵抗率の間の明確な関係を有する金属を使用して形成されてもよい。こうした例示的な装置において、金属は適切な断熱材料の二つの層の間のトラックとして形成されてもよい。この様態で形成された外部発熱体は動作中に、外部発熱体の加熱と、外部発熱体の温度のモニターの両方に使用されてもよい。
【0044】
内部発熱体または外部発熱体は、熱を吸収および貯蔵し、そしてその後、エアロゾル形成基体に熱を経時的に放出する能力を有する材料を含む、ヒートシンクまたは蓄熱体を備えてもよい。ヒートシンクは、適切な金属またはセラミック材料など、任意の適切な材料で形成されてもよい。一実施形態において、材料は、高い熱容量(顕熱貯蔵材料)を有するか、または熱を吸収し、その後可逆的なプロセス(高温相変化など)によって熱を放出する能力を有する材料である。適切な顕熱貯蔵材料としては、シリカゲル、アルミナ、炭素、ガラスマット、ガラス繊維、鉱物、金属または合金(アルミニウム、銀、または鉛など)、およびセルロース系材料(紙など)が挙げられる。可逆的な相変化によって熱を放出するその他の適切な材料としては、パラフィン、酢酸ナトリウム、ナフタレン、ろう、ポリエチレンオキシド、金属、金属塩、共晶塩の混合物、または合金が挙げられる。ヒートシンクまたは蓄熱体は、エアロゾル形成基体と直接的に接触し、かつ保存した熱を基体に直接的に伝達できるように配設されてもよい。別の方法として、ヒートシンクまたは蓄熱体の中に貯蔵された熱は、金属チューブなどの熱導体によってエアロゾル形成基体に伝達されてもよい。
【0045】
発熱体は有利なことに、伝導によってエアロゾル形成基体を加熱する。発熱体は基体、または基体が配置されている担体と、少なくとも部分的に接触してもよい。別の方法として、内部発熱体または外部発熱体のいずれかからの熱は、熱伝導性要素によって基体に伝導されてもよい。
【0046】
電気抵抗性のある発熱体として構成されている発熱体とは別の方法として、または追加的に、発熱体は誘導発熱体として構成されてもよい。この場合、発熱体は、サセプタ素子を包囲する誘導コイルを備える。サセプタ素子は、上述の通りの外部ヒーターまたは内部ヒーターの形状を有してもよい。誘導コイルの交流電磁場中に位置する時、典型的にサセプタ素子中で渦電流が誘導され、かつヒステリシス損失が生じ、サセプタ素子の加熱を引き起こす。一つまたは幾つかのインダクタ(例えば誘導発熱体の誘導コイル)によって発生した電磁場を変化させることは、サセプタ素子を加熱し、これは次にエアロゾル形成基体に熱を伝達し、これによってエアロゾルが形成される。熱伝達は、主に熱の伝導によってもよい。こうした熱の伝達は、サセプタ素子がエアロゾル形成基体と密接な熱的接触状態にある場合に、最も良好である。
【0047】
サセプタ素子は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するのに十分な温度まで誘導加熱することができる任意の材料から形成されてもよい。好ましいサセプタ素子は、強磁性材料(例えば強磁性合金、フェライト鉄、または強磁性鋼、またはステンレス鋼)を含んでもよく、または強磁性材料から成ってもよい。適切なサセプタ素子はアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。好ましいサセプタ素子は摂氏250度を超える温度に加熱されてもよい。
【0048】
好ましいサセプタ素子は金属サセプタ素子、例えばステンレス鋼である。しかしながら、サセプタ材料はまた、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、アルミニウム、ニオブ、インコネル合金(オーステナイトニッケルクロム系超合金)、金属蒸着フィルム、セラミック(例えば、ジルコニアなど)、遷移金属(例えば、鉄、コバルト、ニッケルなど)、または半金属構成要素(例えば、ホウ素、炭素、ケイ素、リン、アルミニウムなど)を含んでもよく、またはそれらで作製されてもよい。サセプタ材料は、金属サセプタ材料であることが好ましい。
【0049】
エアロゾル発生装置は、マウスピースをエアロゾル発生装置に取り外し可能に取り付けるためのコネクター要素を備えてもよい。
【0050】
コネクター要素は、エアロゾル化チャンバーの下流に提供されてもよい。コネクター要素は、エアロゾル発生装置の近位端に提供されてもよい。コネクター要素は、エアロゾル化チャンバーをエアロゾル発生装置の近位端と流体接続する、貫通穴を有してもよい。エアロゾル化チャンバーの中で発生したエアロゾルは、コネクター要素に向かって、かつコネクター要素を通って流れてもよい。コネクター要素は円筒形状を有してもよい。コネクター要素を包囲する、Oリングなどの封止要素が提供されてもよい。コネクター要素を包囲する複数の封止要素が提供されてもよい。封止要素は、コネクター要素とエアロゾル発生装置の間の封止接続を容易にする場合がある。別の方法として、または追加的に、封止要素は、コネクター要素とエアロゾル発生装置の間の接続を封止するために、エアロゾル発生装置の近位端に提供されてもよい。コネクター要素は、エアロゾル発生装置の一体型の部品として構成されてもよい。別の方法として、コネクター要素は、エアロゾル発生装置の近位端に取り外し可能に取り付け可能であるように構成されてもよい。コネクター要素は、エアロゾル化チャンバーの近位端に直接隣接して提供されてもよい。コネクター要素は、エアロゾル化チャンバーの中へのエアロゾル発生物品の挿入のために、エアロゾル発生装置から取り外し可能であるように構成されてもよい。エアロゾル化チャンバーの中へのエアロゾル発生物品の挿入の後、コネクター要素をエアロゾル発生装置に取り付け、それによってエアロゾル発生物品をエアロゾル化チャンバーの中に固定してもよい。
【0051】
マウスピースは、コネクター要素に取り外し可能に取り付け可能であるように構成されてもよい。マウスピースは、エアロゾル発生装置の一部であってもよい。一部の実施形態において、マウスピースは、エアロゾル発生装置およびマウスピースを備えるシステムの一部である。コネクター要素は、マウスピースの一体型の要素として提供されてもよい。しかしながら、コネクター要素は別個の要素として提供されていることが好ましい。別個のコネクター要素を提供することは、複数の異なるマウスピースを単一のエアロゾル発生装置と接続することを可能にする場合がある。マウスピースは、従来の紙巻たばこ、スリム紙巻たばこ、または超スリム紙巻たばこのユーザーの唇の間での感覚をシミュレートするように、各々異なる寸法を有してもよい。異なるマウスピースは、異なるタイプのエアロゾルを発生するように、または異なる使用体験を作り出すように構成されてもよい。模範的に、一つのマウスピースは、強い使用体験を可能にするように構成されてもよく、その一方でさらなるマウスピースは、滑らかな使用体験を作り出すように構成されてもよい。この点に関して、エアロゾルは、エアロゾル発生装置のエアロゾル化チャンバーの中で完全には発生されない場合がある。一部の実施形態において、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体は、エアロゾル化チャンバーの中で気化され、また気化したエアロゾル形成基体と、空気吸込み口および気流経路を通してエアロゾル化チャンバーの中に引き出された周囲空気との混合物は、マウスピースに向かって送達される。マウスピース内で、気化したエアロゾル形成基体と周囲空気の混合物の冷却、加圧、および膨張のうちの一つ以上が生じてもよい。これはエアロゾルの発生に影響を及ぼす。その結果として、一組のマウスピースが提供されることが好ましい。
【0052】
マウスピースもしくは装置の口側端の中または近位ではなく、装置ハウジングの陥凹した部分上に空気吸込み口を提供することによって、改善された気流管理および引き出し抵抗(RTD)特性を達成してもよい。
【0053】
それとは無関係に、単一のマウスピースまたは複数のマウスピースが提供されている場合、このマウスピースまたは各マウスピースは、ベンチュリ要素を備えてもよい。ベンチュリ要素は、エアロゾル発生を最適化するために提供されてもよい。ベンチュリ要素は、ベンチュリ効果を利用するように構成されてもよい。ベンチュリ要素は、流体がベンチュリ要素を通って流れる時に、ベンチュリ効果が生じるような寸法であってもよい。ベンチュリ要素は、ベンチュリ効果を利用または提供するように構成されてもよい。ベンチュリ要素は、ベンチュリ要素の長軸方向軸に沿って、またはこれと平行に配設された気流チャネルを備えてもよい。気流チャネルは中央気流チャネルであってもよい。ベンチュリ要素は、空気吸込み口部分、中央部分、および出口部分を備えてもよい。入口部分において、気流チャネルの断面は、中央部分に向かって減少してもよい。気流チャネルの断面は、中央部分において最も小さくてもよい。気流チャネルの断面は、出口部分において増大してもよい。入口部分は、中央部分の上流に配設されてもよい。出口部分は、中央部分の下流に配設されてもよい。ベンチュリ効果とは、収縮した気流通路を通した流体の流れ中の流体の圧力の低減である。ベンチュリ要素は、中央部分とも呼ばれる収縮した気流通路を備えてもよい。ベンチュリ要素を通って流れる流体は、空気と、気化したエアロゾル形成基体を含む、またはこれを同伴する空気と、エアロゾルとのうちの一つ以上であってもよい。ベンチュリ要素の中央部分を出た後、流体は膨張して加速し、結果として冷却される場合がある。空気の冷却は、液滴の形成、従ってエアロゾルの発生をもたらす場合がある。
【0054】
マウスピースもしくは装置の口側端の中または近位ではなく、装置ハウジングの陥凹した部分上に空気吸込み口を提供することによって、ベンチュリ要素を備えるエアロゾル発生システムにおいて改善された気流管理および引き出し抵抗(RTD)特性を達成してもよい。
【0055】
コネクター要素は、コネクター要素とエアロゾル発生装置の間の接続を可能にする遠位端を備えてもよい。コネクター要素は、コネクター要素とマウスピースの間の接続を可能にするために構成された近位端をさらに備えてもよい。
【0056】
別個のマウスピース(複数可)が提供されている場合、エアロゾル発生装置の空気吸込み口は、周囲空気をエアロゾル発生装置の中に引き出すために有益に利用される。それ故に、別個のマウスピースは、エアロゾル発生装置外部の周囲環境と直接連通する空気吸込み口を有する必要はない。その代わりに、マウスピースの気流チャネルは、エアロゾル化チャンバーと連通してもよい。
【0057】
エアロゾル発生装置は電気回路を備えてもよい。電気回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラム可能マイクロプロセッサであってもよい。マイクロプロセッサはコントローラの一部であってもよい。電気回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路は発熱体への電力の供給を調節するように構成されてもよい。電力はエアロゾル発生装置の起動に続いて発熱体に連続的に供給されてもよく、または断続的に(例えば吸煙ごとに)供給されてもよい。電力は、電流パルスの形態で発熱体に供給されてもよい。電気回路は発熱体の電気抵抗をモニターするように構成されてもよく、また好ましくは発熱体の電気抵抗に応じて、発熱体への電力の供給を制御するように構成されてもよい。
【0058】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置の本体内に電源(典型的に電池)を備えてもよい。代替として、電源は、コンデンサーなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、また一回以上の使用体験のために十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は約6分間、または6分の倍数の時間にわたってエアロゾルを連続的に発生するのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電源は、所定の吸煙回数または発熱体の不連続的な起動を提供するために十分な容量を有してもよい。
【0059】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。揮発性化合物はエアロゾルを形成する。エアロゾルはユーザーによって、例えばユーザーの口を通してユーザーの肺の中に直接吸入可能であってもよい。一部の実施形態において、エアロゾル発生物品は喫煙物品であってもよい。一部の実施形態において、エアロゾル発生物品、または少なくともその一部は、使い捨てであってもよい。たばこを含むエアロゾル形成基体を含む喫煙物品は、たばこスティックと呼ばれる場合がある。
【0060】
エアロゾル発生物品は実質的に円筒状であってもよい。エアロゾル発生物品は実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生物品は、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。エアロゾル形成基体は実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル形成基体は実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成基体はまた、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。
【0061】
一部の実施形態において、エアロゾル発生物品は、およそ30mm~およそ100mmの全長を有してもよい。エアロゾル発生物品は、およそ5mm~およそ12mmの外径を有してもよい。エアロゾル発生物品はフィルターを備えてもよい。フィルターはエアロゾル発生物品の下流端に位置してもよい。フィルターはセルロースアセテートフィルターであってもよい。一実施形態において、フィルターは、およそ7mmの長さであるが、およそ5mm~およそ10mmの長さを有してもよい。
【0062】
本明細書で使用される「上流」、「下流」、「近位」、「遠位」という用語は、ユーザーがその使用中にエアロゾル発生装置を吸う方向に関して、エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を説明するために使用される。マウスピースは、エアロゾル発生装置の下流端または近位端に配設されてもよい。加熱チャンバーは、マウスピースの上流に配設されてもよい。空気吸込み口は、加熱チャンバーの上流に配設されてもよい。空気吸込み口は、マウスピースの上流に配設されてもよい。
【0063】
一部の実施形態において、エアロゾル発生物品は、およそ45mmの全長を有する。エアロゾル発生物品は、およそ7.2mmの外径を有してもよい。エアロゾル形成基体は、およそ10mmの長さを有してもよい。一部の実施形態において、エアロゾル形成基体は、およそ12mmの長さを有してもよい。エアロゾル形成基体の直径は、およそ5mm~およそ12mmであってもよい。エアロゾル発生物品は外側紙ラッパーを備えてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体とフィルターの間に分離部を備えてもよい。分離部は、およそ18mmであってもよいが、およそ5mm~およそ25mmの範囲内であってもよい。
【0064】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。揮発性化合物はエアロゾルを形成してもよい。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。こうした揮発性化合物は、化学反応によって放出されてもよい。一部の実施形態において、エアロゾル形成基体は好都合なことに、エアロゾル発生物品または喫煙物品の一部であってもよい。
【0065】
一部の実施形態において、エアロゾル形成基体は固体エアロゾル形成基体であってもよい。一部の実施形態において、エアロゾル形成基体はゲルエアロゾル形成基体であってもよい。一部の実施形態において、エアロゾル形成基体は、液体エアロゾル形成基体であってもよい。一部の実施形態において、エアロゾル形成基体は固体成分と液体成分の両方を含んでもよい。一部の実施形態において、エアロゾル形成基体は固体成分とゲル成分の両方を含んでもよい。一部の実施形態において、エアロゾル形成基体はゲル成分と液体成分の両方を含んでもよい。一部の実施形態において、エアロゾル形成基体は固体成分、液体成分、およびゲル成分を含んでもよい。一部の実施形態において、エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。一部の実施形態において、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。
【0066】
一部の実施形態において、エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体を含んでもよい。
【0067】
エアロゾル形成体は、例えば密度の高い安定したエアロゾルなどのエアロゾルの形成を容易にする。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。
【0068】
エアロゾル形成基体が固体エアロゾル形成基体である場合、固体エアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、キャストリーフたばこ、および膨化たばこのうちの一つ以上を含有する、例えば粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上を含んでもよい。固体エアロゾル形成基体は、ばらの形態であってもよく、または適切な容器またはカートリッジで提供されてもよい。随意に、固体エアロゾル形成基体は、追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含んでもよく、これは基体の加熱後、または反応物との基体の反応後に放出されてもよい。固体エアロゾル形成基体は、例えば追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含むカプセルを備えてもよく、またこうしたカプセルは固体エアロゾル形成基体の加熱中に溶融してもよい。
【0069】
本明細書で使用される「均質化したたばこ」は、粒子状たばこを凝集することによって形成された材料を指す。均質化したたばこは、シートの形態であってもよい。均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5%超のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。別の方法として、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5~30重量%のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。均質化したたばこ材料のシートは、たばこ葉の葉身およびたばこ葉の茎のうちの一方または両方を粉砕することによって、または別の方法で組み合わせることによって得られた粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。一部の実施形態において、均質化したたばこ材料シートは、例えばたばこの処理、取り扱い、輸送中に形成されたたばこダスト、たばこの微粉、その他の粒子状たばこ副産物のうちの一つ以上を含んでもよい。均質化したたばこ材料のシートは、粒子状たばこの凝集を助けるために、一つ以上の本来備わっている結合剤(すなわち、たばこ内在性結合剤)、一つ以上の外来的な結合剤(すなわち、たばこ外来性結合剤)、またはこれらの組み合わせを含んでもよいが、別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料のシートは、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填剤、水性および非水性の溶剤、ならびにこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されないその他の添加物を含んでもよい。
【0070】
随意に、固体エアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートの形態を取ってもよい。別の方法として、担体は、その内表面上、またはその外表面上、またはその内表面と外表面の両方の上に堆積された固体基体の薄い層を有する、管状の担体であってもよい。こうした管状の担体は、例えば紙、または紙様の材料、不織布炭素繊維マット、低質量の目の粗いメッシュ金属スクリーン、もしくは穿孔された金属箔、または任意の他の熱的に安定した高分子マトリクスで形成されてもよい。
【0071】
特に好ましい一実施形態において、エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含む。本明細書で使用される「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波形を有するシートを意味する。エアロゾル発生物品が組み立てられた時、実質的に平行な隆起または波形は、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に沿って、またはこれと平行に延びることが好ましい。これは有利なことに、均質化したたばこ材料の捲縮したシートを集合してエアロゾル形成基体を形成するのを容易にする。しかし、当然のことながら、エアロゾル発生物品に含めるための均質化したたばこ材料の捲縮したシートは別の方法として、または追加的に、エアロゾル発生物品が組み立てられた時に、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に対して鋭角または鈍角で配置されている複数の実質的に平行な隆起または波形を有してもよい。ある特定の実施形態において、エアロゾル形成基体は、実質的にその表面全体にわたって実質的に均等にきめのある均質化したたばこ材料のシートの集合体を含んでもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、シートの幅にわたって実質的に均等に離隔している複数の実質的に平行な隆起または波形を含む均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含んでもよい。
【0072】
固体エアロゾル形成基体は、例えばシート、発泡体、ゲル、またはスラリーの形態で担体の表面上に堆積されてもよい。固体エアロゾル形成基体は担体の表面全体の上に堆積されてもよく、または別の方法として、使用中に不均一な風味送達を提供するためのパターンで堆積されてもよい。
【0073】
エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体である。揮発性化合物はエアロゾル形成基体の加熱によって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体はたばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0074】
エアロゾル形成基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつシステムの動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。エアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなど)であってもよい。エアロゾル形成体はプロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンとプロピレングリコールの両方を含んでもよい。
【0075】
一部の実施形態において、エアロゾル形成基体は液体形態で提供されてもよい。液体エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は水、溶媒、エタノール、植物抽出物、および天然風味または人工風味を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、約0.5%~約10%(例えば、約2%)のニコチン濃度を有してもよい。液体エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の液体貯蔵部分中に含まれてもよく、その場合、エアロゾル発生物品はカートリッジとして表示されてもよい。
【0076】
本発明の別の態様によると、上述の通りのエアロゾル発生装置および上述の通りの第一のマウスピース要素を備えるシステムが提供されている。一部の実施形態において、システムは、上述の通りの少なくとも第二のマウスピース要素を備えてもよい。第一のマウスピース要素および第二のマウスピース要素は、上述の通り、一つ以上の点において異なっていてもよい。一部の実施形態において、システムはエアロゾル形成基体を備える。一部の実施形態において、システムはエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を備える。
【0077】
本発明は、上述の通りのエアロゾル発生装置のコネクター要素に取り外し可能に取り付け可能であるように構成された、上述の通りの一組のマウスピースにさらに関する。
【0078】
本発明はまた、上述の通りのエアロゾル発生装置と、上述の通りの一組のマウスピースとを備えるシステムにさらに関する。
【0079】
本発明は、上述の通りのエアロゾル発生装置、上述の通りのマウスピース、上述の通りのエアロゾル発生物品、上述の通りの一組のマウスピース、上述の通りのエアロゾル発生装置と上述の通りのエアロゾル発生物品とを備えるシステム、および上述の通りの一組のマウスピースと上述の通りのエアロゾル発生物品とを備えるシステムのうちの一つ以上を提供する方法にさらに関する場合がある。
【0080】
一態様に関して説明された特徴は、本発明の他の態様にも等しく適用されてもよい。
【0081】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【
図1】
図1は、エアロゾル発生装置の斜視図を示す。
【
図3】
図3は、空気吸込み口を備える陥凹した部分の例示的な側面図を示す。
【
図4】
図4は、空気吸込み口が陥凹した部分の側壁に配設された、陥凹した部分の例示的な側面図を示す。
【
図5】
図5は、エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生装置を通る気流チャネルの断面図を示す。
【
図6】
図6は、陥凹した部分および空気吸込み口の断面図を示す。
【0083】
図1は、ハウジング10を有するエアロゾル発生装置を示す。
図5および
図7に描写の通り、エアロゾル発生装置内に、エアロゾル化チャンバー12が提供されている。吸入可能なエアロゾルを発生するために、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品14をエアロゾル化チャンバー12内に受容することができる。
【0084】
エアロゾルを発生するために、エアロゾル化チャンバー12を少なくとも部分的に包囲する、またはライニングする、外部発熱体が提供されている。空気吸込み口16によって、
図5および
図6に描写された気流チャネル34を通して、エアロゾル化チャンバー12の中に周囲空気を引き出すことができる。空気吸込み口16は、陥凹した部分18の中に提供されている。陥凹した部分18は、エアロゾル発生装置のハウジング10の外表面に対して陥凹している。
【0085】
図2で分かる通り、陥凹した部分18は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に対して本質的に直角を成す細長い形状を有する。陥凹した部分18の側壁22によって、エアロゾル発生装置のハウジング10の外表面と陥凹した部分18との間に段が形成されている。陥凹した部分18の側壁22および基部20は、下記により詳細に描写されていて、
図3および
図4に説明されている。この段は、ユーザーがエアロゾル発生装置を保持する時、ユーザーの指による空気吸込み口16の望ましくない遮断から、空気吸込み口16を保護する。
【0086】
図1および
図2において、エアロゾル発生装置に加えて、マウスピース24が描写されている。マウスピース24は、エアロゾル発生装置とは別個の要素として提供されている。マウスピース24とエアロゾル発生装置の間の接続は、
図7に描写の通りのコネクター要素26によって提供されている。コネクター要素26は、Оリングなどの封止要素を中に配設することができる一つ以上の溝28を備えてもよい。コネクター要素26は、エアロゾル化チャンバー12の近位に提供されてもよい。エアロゾル発生物品14をエアロゾル発生装置のエアロゾル化チャンバー12の中に挿入することができるように、コネクター要素26はエアロゾル発生装置から除去可能に取り外し可能であってもよく、またその後、コネクター要素26は、エアロゾル発生装置のエアロゾル化チャンバー12の中にエアロゾル発生物品14をしっかりと保持するように、エアロゾル発生装置の近位端と接続されることができる。
【0087】
マウスピース24とエアロゾル発生装置の分離は、マウスピース24の中ではなく、エアロゾル発生装置の中に空気吸込み口16を提供することによって最適化されている。この分離によって、エアロゾル発生装置のマウスピース24とエアロゾル化チャンバー12との間には、エアロゾルが通ってエアロゾル化チャンバー12からマウスピース24に、およびマウスピース24を通してユーザーの口の中に引き出される気流経路以外に、いかなる気流経路も提供する必要はない。従って、マウスピース24の構造を単純化することができる。同時に、空気吸込み口16の望ましくない遮断は、空気吸込み口16を陥凹した部分18の中に定置することによって防止される。マウスピース24とエアロゾル発生装置の間の分離のさらなる利点は、複数の異なるマウスピース24を、接続要素によってエアロゾル発生装置に取り付けることができ、これによって、ユーザーが適切なマウスピース24による異なる使用体験を選ぶことができることである。
【0088】
図3において、陥凹した部分18および空気吸込み口16の例示的な側面図が描写されている。陥凹した部分18は、エアロゾル発生装置のハウジング10の外表面に対して陥凹している。陥凹した部分18は、長さLを有する細長い形状を有する。陥凹した部分18は、基部20および側壁22を備える。側壁22は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸と直角を成す平面内で配向されていることが好ましい。基部20は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に平行な平面内で配向されていることが好ましい。基部20は、エアロゾル発生装置のハウジング10の外表面と比較して半径方向内向きに陥凹していることが好ましい。空気吸込み口16は、
図3に描写の通り基部20に配設されてもよい。別の方法として、空気吸込み口16は、
図4に描写の通り側壁22に配設されてもよく、または基部20と側壁22の間の移行部に配設されてもよい。陥凹した部分18は湾曲していることが好ましい。陥凹した部分18の曲率および陥凹した部分18の長さLは、ユーザーが陥凹した部分18の上に指を置いた場合でさえも、空気が陥凹した部分18の中に、および空気吸込み口16の中に流れうるように構成されている。この場合、陥凹した部分18の曲率および長さLに起因して、空気は、ユーザーの指の両側で陥凹部の中に、およびユーザーの指の下で入口16の中に流れてもよい。陥凹部は、陥凹部によって作り出された外側ハウジング中の間隙を指が埋めるのではなく、塞ぐ役目をするのに十分に短い、最大高さHを有することが好ましい。
【0089】
図4は、
図3に示す通りの基部20ではなく側壁22における空気吸込み口16の代替的な配設を示す。一般的に、二つ以上の空気吸込み口16が提供されてもよい。一つ以上の空気吸込み口16が、側壁22に提供されてもよい。一つ以上の空気吸込み口16が、基部20に提供されてもよい。一つ以上の空気吸込み口16が、基部20と側壁22の間の移行部に提供されてもよい。
【0090】
図5は、エアロゾル発生装置を通した気流チャネル34に対するエアロゾル発生装置の断面図を示す。
図5において、空気吸込み口16を備える陥凹した部分18は、エアロゾル化チャンバー12に隣接して描写されている。しかしながら、陥凹した部分18および空気吸込み口16はまた、エアロゾル化チャンバー12の上流に配設されてもよい。空気吸込み口16は、気流チャネル34によってエアロゾル化チャンバー12と流体接続されている。
図5に描写された実施形態において、気流チャネル34は、空気吸込み口16をエアロゾル化チャンバー12の基部36に流体接続する。それ故に、エアロゾル化チャンバー12の基部36にて、周囲空気はエアロゾル化チャンバー12の中に入りうる。エアロゾル化チャンバー12内に、エアロゾル発生物品14が定置されてもよく、これは
図5に描写されていない。気化したエアロゾル形成基体とともに同伴されてエアロゾルを形成した後、エアロゾルは出口38を通ってエアロゾル化チャンバー12の外に流れてもよい。出口38を通して、気化したエアロゾル形成基体を含む空気は、マウスピース24(
図5に示せず)に向かって流れてもよい。
【0091】
図6は、空気吸込み口16を備える陥凹した部分18のより詳細な断面図を示す。特に、陥凹した部分18の寸法が示されている。これは、高さHおよび奥行きDを備える陥凹した部分18に関連する。高さHと奥行きDの両方は、
図3に示す通り、陥凹した部分18の長さLと直角に測定される。高さHは、ユーザーの指の幅よりも小さいように構成されていて、これによってユーザーは、陥凹した部分18の上に指を置く時に空気吸込み口16を遮断しないことになる。奥行きDは、高さHを考慮して、指が変形して陥凹部を埋めて空気吸込み口16を遮断することができないように選択されうる。その代わりに、指は幅Hを塞ぐように機能する。
【0092】
図6の右の部分において、エアロゾル発生装置の主本体が描写されていて、これはエアロゾル発生装置のさらなる構成要素(電池30、電気回路32など)を備えてもよい。加えて、
図7は、Oリングの形態の封止要素が中に受容される溝28を備える接続部分26を有するマウスピース24を示す。Oリングは、エアロゾル発生装置に対して、マウスピース24の外部部分の周りを封止するように配設されている。マウスピース24は一部の実施形態において、ベンチュリ要素を備える。従って、装置に対するマウスピースの封止は、最も重要である。