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特許7350148スパークプラグ用貴金属チップ、スパークプラグ用電極及びスパークプラグ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】スパークプラグ用貴金属チップ、スパークプラグ用電極及びスパークプラグ
(51)【国際特許分類】
   C22C 5/04 20060101AFI20230915BHJP
   H01T 13/20 20060101ALI20230915BHJP
   H01T 13/39 20060101ALI20230915BHJP
【FI】
C22C5/04
H01T13/20 B
H01T13/39
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022500332
(86)(22)【出願日】2021-02-02
(86)【国際出願番号】 JP2021003667
(87)【国際公開番号】W WO2021161845
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-07-20
(31)【優先権主張番号】P 2020023207
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉本 修
(72)【発明者】
【氏名】田中 智雄
(72)【発明者】
【氏名】服部 健吾
【審査官】國方 康伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-248322(JP,A)
【文献】特開2011-018612(JP,A)
【文献】国際公開第2007/091576(WO,A1)
【文献】特開2014-075296(JP,A)
【文献】特開2020-140800(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22C 5/04
C22F 1/00
C22F 1/14
H01T 7/00-23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルミニウム(Al)を0.1質量%以上5質量%以下
ロジウム(Rh)を1質量%以上30質量%未満、
ルテニウム(Ru)を0質量%以上20質量%未満、
ニッケル(Ni)を0質量%以上5質量%未満含有し、かつ
残分がイリジウム(Ir)からなり、
繊維状の金属組織が観察され、前記繊維状の金属組織はアスペクト比の平均値が150以上であり、かつ短軸方向の平均長さが25μm以下であるスパークプラグ用貴金属チップ。
【請求項2】
3質量%以上20質量%未満のルテニウム(Ru)及び0.1質量%以上5質量%未満のニッケル(Ni)の少なくとも一方を含む請求項1に記載のスパークプラグ用貴金属チップ。
【請求項3】
表面にアルミニウム酸化物を含む被膜を有する請求項1又は請求項2に記載のスパークプラグ用貴金属チップ。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか一項に記載のスパークプラグ用貴金属チップを有するスパークプラグ用電極。
【請求項5】
請求項4に記載のスパークプラグ用電極を備えるスパークプラグ。
【請求項6】
中心電極及び接地電極の少なくとも一方が、請求項3に記載のスパークプラグ用貴金属チップを有するスパークプラグであって、
前記被膜は少なくとも前記スパークプラグ用貴金属チップの放電面に設けられているスパークプラグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパークプラグ用貴金属チップ、スパークプラグ用電極及びスパークプラグに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車エンジン等の内燃機関の点火装置として、スパークプラグが利用されている。スパークプラグは、中心電極と接地電極とを備えており、それらの電極間に高電圧が印加されることで火花放電が発生する。そして、その火花放電によって混合気の点火が行われる。このようなスパークプラグの電極には、点火性能を向上させるために、貴金属を主体とするチップ(発火部)が設けられている。
【0003】
この種のチップとしては、耐酸化性、耐消耗性に優れる等の理由により、融点の高いイリジウム(Ir)を主体としたチップが広く用いられている。しかしながら、近年、エンジンの使用環境の高温化、高過給化等の影響により、電極の温度が高温化している。そのため、前記チップを、酸素を含んだ高温の雰囲気下において使用すると、イリジウムが容易に酸化揮発してしまい、チップの体積(質量)減少が問題となっている。
【0004】
このような事情等により、イリジウムにアルミニウム(Al)を添加することによって、チップの表面に酸化アルミニウムの被膜(保護膜)を形成して、チップの耐酸化性を向上させる技術が提供されている(特許文献1参照)。このチップは、イリジウムとアルミニウムを含む合金をアーク溶解してインゴットを作製し、そのインゴットからファインカッターを使用して所定形状に切り出すことによって得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-248322号公報
【0006】
(発明が解決しようとする課題)
イリジウムの融点(2466℃)と、アルミニウムの融点(660.3℃)との間には大きな差があり、アルミニウムの方がイリジウムよりも融点が大幅に低いため、それらの合金がアーク溶解後に冷却された場合、アルミニウムの凝固偏析が非常に生じ易い。凝固偏析を起こしたチップは耐久性が低くなるため、スパークプラグの電極(発火部)として使用すると、チップから結晶粒の欠落が発生し、スパークプラグの点火性能が低下する虞があった。
【0007】
また、イリジウムとアルミニウムの混合粉末をアーク溶解すると、その影響で、ある程度の粉末の舞い上がりが発生してしまう。その際、比重の小さいアルミニウムが舞い上がり易いため、混合粉末の組成比が目標値からずれて、最終的に得られるチップの性能が安定しない等の問題があった。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、耐久性に優れたスパークプラグ用貴金属チップ等を提供することである。
【0009】
(課題を解決するための手段)
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> イリジウム(Ir)を50質量%以上、アルミニウム(Al)を0.1質量%以上5質量%以下含有し、更にロジウム(Rh)を含み、繊維状の金属組織が観察され、前記繊維状の金属組織はアスペクト比の平均値が150以上であり、かつ短軸方向の平均長さが25μm以下であるスパークプラグ用貴金属チップ。
【0010】
<2> ロジウム(Rh)を3質量%以上30質量%未満含有する前記<1>に記載のスパークプラグ用貴金属チップ。
【0011】
<3> ルテニウム(Ru)及びニッケル(Ni)の少なくとも一方を含む前記<1>又は<2>に記載のスパークプラグ用貴金属チップ。
【0012】
<4> 3質量%以上20質量%未満のルテニウム(Ru)及び0.1質量%以上5質量%未満のニッケル(Ni)の少なくとも一方を含む前記<3>に記載のスパークプラグ用貴金属チップ。
【0013】
<5> 表面にアルミニウム酸化物を含む被膜を有する前記<1>から<4>の何れか1つに記載のスパークプラグ用貴金属チップ。
【0014】
<6> 前記<1>から<5>の何れか1つに記載のスパークプラグ用貴金属チップを有するスパークプラグ用電極。
【0015】
<7> 前記<6>に記載のスパークプラグ用電極を備えるスパークプラグ。
【0016】
<8> 中心電極及び接地電極の少なくとも一方が、前記<5>に記載のスパークプラグ用貴金属チップを有するスパークプラグであって、前記被膜は少なくとも前記スパークプラグ用貴金属チップの放電面に設けられているスパークプラグ。
【0017】
(発明の効果)
本発明によれば、耐久性に優れたスパークプラグ用貴金属チップ等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態1のスパークプラグの一部破断説明図
図2】チップの斜視図
図3】チップに含まれる繊維状の金属組織を模式的に表した説明図
図4】チップの製造方法を模式的に表した説明図
図5】被膜が形成されたチップの構成を模式的に表した断面図
図6】比較例2のチップに含まれる金属組織を模式的に表した説明図
図7】実施例14のチップ表面付近における切断面のSEM画像において、EDS元素マッピングによりアルミニウムの分布を可視化した図
図8】実施例14のチップ表面付近における切断面のSEM画像において、EDS元素マッピングにより酸素の分布を可視化した図
【発明を実施するための形態】
【0019】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1図5を参照しつつ簡単に説明する。本実施形態では、スパークプラグ1と共に、それに使用されるスパークプラグ用電極、スパークプラグ用貴金属チップについて例示する。
【0020】
図1は、実施形態1のスパークプラグ1の一部破断説明図である。図1に示される上下方向に延びた直線(一点鎖線)は、スパークプラグ1の軸線AXを表す。図1の下側にスパークプラグ1の先端側が配され、図1の上側にスパークプラグ1の下端側が配される。なお、図1では、軸線AXから右側の部分にスパークプラグ1の外観が示され、軸線AXから左側の部分に、スパークプラグ1の断面図が示される。
【0021】
スパークプラグ1は、自動車のエンジン(内燃機関の一例)に取り付けられ、エンジンの燃焼室内の混合気に点火するために利用される。スパークプラグ1は、主として、絶縁体2、中心電極3、接地電極4、端子金具5、主体金具6、抵抗体7、シール部材8,9を備えている。
【0022】
絶縁体2は、内部に貫通孔21を含む上下方向に延びた略円筒状の部材であり、アルミナ等のセラミックによって構成される。
【0023】
主体金具6は、スパークプラグ1をエンジン(具体的には、エンジンヘッド)に取り付ける際に利用される部材であり、全体として上下方向に延びた円筒形状をなし、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼材)によって構成される。主体金具6の先端側の外表面には、ネジ部61が形成されている。また、ネジ部61の後端側には、外側に向けて環状に張り出した座部62が形成されている。なお、ネジ部61の後端(所謂、ネジ首)には、リング状のガスケットGが外嵌されている。更に、主体金具6の後端側には、主体金具6をエンジンに取り付ける際にレンチ等の工具を係合させるための工具係合部63が設けられている。そして、主体金具6の後端部には、径方向内側に向けて屈曲された加締め部64が設けられている。
【0024】
また、主体金具6は、内部に上下方向に貫通する通し孔65を備えており、その通し孔65に挿通される形で、絶縁体2が主体金具6の内部で保持される。絶縁体2の後端は、主体金具6の後端から外側(図1の上側)へ大きく突出した状態となっている。これに対して、絶縁体2の先端は、主体金具6の先端から外側(図1の下側)へ僅かに突出した状態となっている。
【0025】
主体金具6の内部に装着された状態において、絶縁体2の内部には中心電極3が配設されている。中心電極(スパークプラグ用電極の一例))3は、上下方向に沿って延びる棒状の中心電極本体31と、その中心電極本体31の先端に取り付けられる円柱状(円板状)のチップ(発火部)32とを備えている。中心電極本体31は、絶縁体2や主体金具6よりも長手方向の長さが短い部材であり、その先端側が外部に露出するように絶縁体2の貫通孔21内で保持されている。中心電極本体31の後端は、絶縁体2の内部に収容されている。中心電極本体31は、ニッケル(Ni)又はニッケルを最も多く含むニッケル基合金(例えば、NCF600、NCF601等)によって構成される。なお、中心電極本体31は、ニッケル又はニッケル基合金製からなる鞘部(母材)と、その鞘部の内部に埋設された芯部とを含む2層構造であってもよい。その場合、芯部は、鞘部よりも熱伝導性に優れる銅(Cu)又は銅を最も多く含む銅基合金から形成されることが好ましい。なお、中心電極3のチップ32の詳細は、後述する。
【0026】
端子金具5は、上下方向に延びる棒状の部材であり、絶縁体2の貫通孔21の後端側に挿し込まれる形で取り付けられている。端子金具5は、絶縁体2(貫通孔21)内において、中心電極3よりも後端側に配置されている。端子金具5は、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼)で構成される。なお、端子金具5の表面には、防食等の目的でニッケル等のメッキが施されてもよい。
【0027】
端子金具5は、先端側に配される棒状の脚部51と、その脚部51の後端側に配される鍔部52と、その鍔部52よりも後端側に配されるキャップ装着部53とを備えている。脚部51は、絶縁体2の貫通孔21内に挿入されている。鍔部52は、絶縁体2の後端部から露出し、かつその後端部に係止する部分である。キャップ装着部53は、高圧ケーブルが接続されたプラグキャップ(不図示)が装着される部分であり、そのキャップ装着部53を介して、外部より火花放電を発生させるための高電圧が印加される。
【0028】
抵抗体7は、絶縁体2の貫通孔21内において、端子金具5の先端(脚部51の先端)と中心電極3の後端(中心電極本体31の後端)との間に配置される。抵抗体7は、例えば、1kΩ以上の抵抗値(例えば、5kΩ)を有し、火花発生時の電波ノイズを低減する機能等を備えている。抵抗体7は、例えば、主成分であるガラス粒子と、ガラス以外のセラミック粒子と、導電性材料とを含む組成物によって構成される。
【0029】
貫通孔21内における抵抗体7の先端と、中心電極3の後端との間には隙間が設けられており、その隙間を埋める形で、導電性のシール部材8が配設されている。また、貫通孔21内における抵抗体7の後端と、端子金具5の先端との間にも隙間が設けられており、その隙間を埋める形で、導電性のシール部材9が配設されている。各シール部材8,9は、例えば、B-SiO系等のガラス粒子と、金属粒子(Cu、Fe等)とを含む導電性の組成物によって構成される。
【0030】
接地電極4は、全体的には途中で略L字状に折れ曲がった板片からなり、その後端部42が主体金具6の先端に接合される。そして、その先端部41が中心電極3の先端部(チップ32)と間隔を保ちつつ対向するように配される。接地電極4と主体金具6とは、例えば、互いに抵抗溶接、レーザ溶接等の溶接技術によって接合される。これにより、接地電極4と主体金具6とは、互いに電気的に接続される。接地電極4は、例えば、主体金具6と同様、ニッケル又はニッケル基合金からなる。
【0031】
中心電極3の先端部にあるチップ32と、接地電極4の先端部41との間には、隙間Sがあり、中心電極3と接地電極4との間に高電圧が印加されると、その隙間Sにおいて、概ね軸線AXに沿った形で、火花放電が発生する。
【0032】
次いで、チップ32について詳細に説明する。図2は、チップ32の斜視図である。チップ(スパークプラグ用貴金属チップの一例)32は、発火部として、中心電極3の先端部に取り付けられる部材であり、円柱状(円板状)をなしている。チップ32の上面32a及び下面は、円形状をなしており、上面32aが、棒状の中心電極本体31の下端面に接触する形で取り付けられる。チップ32及び中心電極本体31は、抵抗溶接やレーザ溶接等の溶接技術により、互いに接合される。
【0033】
チップ32は、イリジウム(Ir)を主成分としつつ、アルミニウム(Al)等の他の成分を含むイリジウム基合金からなる。具体的には、イリジウム(Ir)を50質量%以上、アルミニウム(Al)を0.1質量%以上5質量%以下含有し、更にロジウム(Rh)を含むイリジウム基合金からなる。
【0034】
そして、そのようなイリジウム基合金からなるチップ32では、繊維状の金属組織が観察される。
【0035】
図3は、チップ32に含まれる繊維状の金属組織を模式的に表した説明図である。図3には、左右方向に繊維状に細長く延びたイリジウム基合金からなる金属組織Rが示されている。なお、本明細書において、イリジウム基合金からなる繊維状の金属組織を、「繊維状組織」と称する場合がある。繊維状組織Rは、後述するチップ32の製造方法において熱間加工時に延伸されたことにより形成される。なお、図2及び図3に示される両矢印Aは、繊維状組織Rの長手方向(つまり、繊維状組織Rの延伸方向)を表す。チップ32は、繊維状組織Rの長手方向(延伸方向、両矢印A)が、スパークプラグ1の軸線AX方向と一致するように(換言すれば、平行となるように)設けられている。
【0036】
繊維状組織(結晶粒)Rのアスペクト比は、以下の方法により求められる。先ず、チップ32を、スパークプラグ1の軸線AXを含む面で切断し、その切断面を研磨して研磨面を得る。図3には、軸線AX(両矢印A方向)を含む面で切断して得られるチップ32の切断面(研磨面)が示されている。そして、この研磨面をFE-SEM(Field Emission
Scanning Electron Microscope)で観察し、軸線AXに平行な方向(図3に示される両矢印A方向)における繊維状組織(結晶粒)Rの最大長さlと、軸線AXに垂直な方向(図3に示される両矢印B方向)における前記繊維状組織(結晶粒)の最大長さmとを測定する。複数個の繊維状組織Rについて、同様にそれぞれ最大長さlと、最大長さmとを測定し、各繊維状組織Rについて、それぞれl/mを算出し、算出した値の平均値(例えば、20個の結晶粒の平均値)L/Mを、繊維状組織(結晶粒)Rのアスペクト比とする。なお、各最大長さL,M(平均値)のうち、値の小さい方(M)が、繊維状組織(結晶粒)Rの短軸方向の平均長さである。また、繊維状組織(結晶粒)Rの長軸方向の平均長さは、Lとなる。
【0037】
また、イリジウム基合金からなるチップ32では、繊維状の金属組織のアスペクト比の平均値L/Mが150以上であり、かつ短軸方向の平均長さMが25μm以下となっている。繊維状の金属組織が、このような範囲のアスペクト比(平均値)及び短軸方向の平均長さを備えていると、チップ32から結晶粒の欠落が抑制され、耐久性に優れる。
【0038】
なお、前記アスペクト比(平均値)は、好ましくは160以上である。また、前記短軸方向の平均長さMは、14μm以上が好ましく、19μm以下が好ましい。
【0039】
チップ32に使用されるイリジウム基合金において、イリジウム(Ir)の含有割合(下限値)は、55質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましい。
【0040】
例えば、チップ32に使用されるイリジウム基合金は、イリジウム(Ir)を50質量%以上、アルミニウム(Al)を0.1質量%以上5質量%以下含有すると共に、ロジウム(Rh)を3質量%以上30質量%未満含有してもよい。なお、前記イリジウム基合金におけるアルミニウム(Al)の含有割合が前記範囲であると、加工性、耐久性等に優れる。また、前記イリジウム基合金におけるロジウム(Rh)の含有割合が前記範囲であると、加工性、耐久性等に優れる。
【0041】
また、前記イリジウム基合金は、更に、ルテニウム(Ru)及びニッケル(Ni)の少なくとも一方を含んでもよい。この場合、前記イリジウム基合金は、3質量%以上20質量%未満のルテニウム(Ru)及び0.1質量%以上5質量%未満のニッケル(Ni)の少なくとも一方を含んでもよい。なお、前記イリジウム基合金におけるルテニウム(Ru)の含有割合が、前記範囲であると、加工性、耐久性等に優れる。また、前記イリジウム基合金におけるニッケル(Ni)の含有割合が、前記範囲であると、加工性、耐久性等に優れる。
【0042】
なお、本実施形態において、ルテニウム(Ru)及びニッケル(Ni)は、任意成分であり、必要に応じて、イリジウム基合金に配合される。
【0043】
また、イリジウム基合金は、本発明の目的を損なわない限り、白金(Pt)等の他の元素を任意成分として含んでもよい。
【0044】
次いで、図4を参照しつつ、チップ32の製造方法について説明する。図4は、チップ32の製造方法を模式的に表した説明図である。図4(a)に示されるように、先ず、イリジウムを主成分とする所定の組成比の原料粉末Pを調製する。原料粉末Pは、イリジウム粉末、アルミニウム粉末、ロジウム粉末等の混合粉末であり、上述した組成比となるように各成分が配合されている。なお、各粉末の粒径は、この種のチップの製造時に利用される原料粉末の粒径と同程度である。このように各成分を粉末の状態で互いに混ぜ合わせることにより、均一な組成の原料粉末Pが得られる。
【0045】
次いで、図4(b)に示されるように、原料粉末Pを、所定の粉末プレス機を利用して所定形状(例えば、円柱状)にプレス成形して成形体100を得る。このように成形体100をプレス成形(粉末プレス成形)することにより、均一な組成を維持した状態の成形体100が得られる。ここでは、円柱状の成形体100が得られる。
【0046】
その後、得られた成形体100をアーク溶解で溶解し、熱間鍛造することで図4(c)に示されるようなインゴット110が得られる。
【0047】
インゴット110が得られた後、温度が低下してアルミニウムが偏析しないように、赤熱する程度の温度を維持した状態で、インゴット110の熱間加工が行われる。例えば、得られた円柱状のインゴット110を、回転ハンマーを用いた熱間回転鍛造(所謂、熱間スウェージング)、熱間線材圧延(例えば、ロール孔型を形成する溝付ロールを用いた熱間線材圧延)、又はそれらの組み合わせにより、長手状に一方向に引き延ばして棒状素材を作製し、その棒状素材を、例えば、伸線ダイスを用いた熱間伸線により更に一方向に引き延ばして、図4(d)に示されるような線状素材200を得る。このようにインゴット110が、熱間加工によって一方向に延伸されることにより、線状素材200が形成される。線状素材200は、細長く延びた円柱状であり、その断面(延伸方向に垂直な断面)は円形である。図4(d)の両矢印Cは、線状素材200の延伸方向を表す。
【0048】
図4(e)に示されるように、線状素材200を、延伸方向(長手方向)において、所定の間隔で切断すること(つまり、延伸方向に対して垂直な方向で切断すること)により、チップ32が得られる。このようなチップ32は、延伸方向Cに沿って細長く延びた繊維状の金属組織(繊維状組織)Rを備えている(図3参照)。以上のようにして、原料粉末Pからチップ32を製造することができる。
【0049】
なお、上記のように、線状素材200を所定の間隔で切断した後、得られたチップ32に対して、酸化雰囲気(つまり、酸素等の酸化性の気体を多く含む雰囲気)下で所定の高温条件で熱処理を施すことにより、チップ32の表面に被膜32xを形成してもよい。この熱処理は、酸化雰囲気下として、例えば、大気雰囲気下で行われてもよいし、酸化性の気体が積極的に外部から供給される雰囲気下で行われてもよい。また、この熱処理の高温条件としては、例えば、800℃~950℃の温度範囲が挙げられる。
【0050】
図5は、被膜32xが形成されたチップ32の構成を模式的に表した断面図である。図5には、被膜32xが、チップ32の内側部32yの表面全体を覆うように形成されている状態が模式的に示されている。被膜32xは、主として、アルミニウム酸化物を含有するものであり、その厚みは、通常、1μm~10μm程度である。本明細書において、「アルミニウム酸化物」とは、アルミニウムが酸化することによって得られる物質(つまり、アルミニウムの酸化物)であり、例えば、Alや、それ以外の化学式で表されるアルミニウムの酸化物であってもよい。
【0051】
熱処理前のチップ32(つまり、線状素材200をチップ状に切断したもの)には、アルミニウム(Al)以外に、イリジウム(Ir)や、ロジウム(Rh)等の他の金属元素が含まれているものの、アルミニウムは、そのような他の金属元素(チップ32に使用される金属元素)と比べて、酸素と反応し易い。そのため、上述した熱処理により、チップ32の表面に、主として、アルミニウム酸化物を含む被膜が形成されると推測される。なお、チップ32のうち、被膜32xで覆われた内側部32yには、実質的に、アルミニウム酸化物(酸素)は含まれていない。内側部32yにおいて、アルミニウムは、酸化物ではない非酸化物(具体的には、金属アルミニウム)の状態で存在しているものと推測される。
【0052】
上述したように、チップ32の表面に、アルミニウム酸化物を含む被膜32xが形成されていると、チップ32中(具体的には、内側部32y中)に存在しているイリジウム(特に、表面近傍のイリジウム)が被膜32xにより保護されて、イリジウム(Ir)の揮発酸化が抑制される。その結果、チップ32の耐久性が更に向上する。なお、内側部32yにまで、アルミニウム酸化物が存在していると、高温条件(例えば、1100℃~1200℃)下において、体積膨張に伴う粒界割れが発生する虞がある。そのため、内側部32yでは、金属アルミニウムの状態で存在していることが好ましい。
【0053】
アルミニウム酸化物を含む被膜32xの存在は、例えば、エネルギー分散形X線分析装置搭載走査型電子顕微鏡(SEM-EDS)によって確認することができる。また、上述したような繊維状の金属組織は、チップ32の内側部32yにおいて観察される。
【0054】
図5に示されるように、チップ32の上面32a及び下面32bのうち、上面32aが、棒状の中心電極本体31(図1参照)の下端面に接触する形で取り付けられる場合、下面32bがスパークプラグの放電面となる。なお、中心電極3用のチップ32のうち、接地電極4と対向する面が、中心電極3の放電面となる。そのため、チップ32には、少なくとも放電面となる部分(下面32b)に、被膜32xが形成されていることが好ましい。また、チップ32に被膜32xを形成するための熱処理は、本発明の目的を損なわない限り、チップ32の状態で行ってもよいし、チップ32を中心電極本体31に取り付けた状態で行ってもよい。
【0055】
本実施形態では、チップ32の製造時に、粉末状態で原料であるイリジウムやアルミニウム等の各成分が均一に混合され、しかも得られた原料粉末Pが均一に混合された状態を維持しつつ成形体100とされる。そのため、製造過程で、原料粉末Pから比重の小さいアルミニウム等が舞い上がる等して除かれて、原料粉末Pの組成が変化することが抑制される。
【0056】
また、本実施形態では、成形体100から得られたインゴット110を、赤熱した状態のまま、熱間加工により一方向に延伸するため、延伸後のインゴット110(つまり、線状素材200)の内部に、アルミナ等の凝固偏析が抑制された状態で、所定の繊維状の金属組織Rが得られる。このような線状素材200から切り出されたチップ32は、内部に所定のイリジウム基合金からなる繊維状の金属組織Rを備えているため、欠落し易い粒状の結晶粒が無く、耐久性に優れる。
【0057】
<他の実施形態>
他の実施形態においては、例えば、図1に示される接地電極4の先端部41に、チップ32と対向する形で、チップ32と同種の素材からなるチップが取り付けられてもよい。この接地電極4用のチップも、実施形態1の中心電極3用のチップ32と同様、繊維状組織の長手方向(延伸方向)が、軸線AX方向と一致するように(換言すれば、平行となるように)設けられる。このような接地電極4用のチップも、結晶粒の欠落が生じ難く、耐久性に優れる。なお、接地電極4用のチップ表面にも、中心電極用の場合と同様、アルミニウム酸化物を含む被膜が形成されてもよい。この場合、接地電極4用のチップのうち、中心電極3と対向する面(放電面)に少なくとも被膜が形成されることが好ましい。
【0058】
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0059】
〔実施例1~15〕
イリジウム(Ir)を主原料とする実施例1~15の原料粉末を、表1に示される組成比(質量%)となるように調製した。得られた原料粉末から、上述したチップの製造方法(図4参照)と同様により、各実施例のチップを作製した。具体的には、原料粉末を粉末プレス成形して成形体を作製し、得られた成形体をアーク溶解にて溶解し、熱間鍛造によってインゴットを得た。得られたインゴットを、赤熱した状態のまま熱間加工することによって、一方向に延伸された細長い線円柱状の線状素材を得た。そして、線状素材を適宜、切断することで円柱状のチップ(サイズ:直径0.8mm、厚み0.6mm)を得た。
【0060】
〔比較例1~3〕
比較例1~3の原料粉末を、表1に示される組成比(質量%)となるように調製した。得られた原料粉末から、実施例1等と同様の方法により、比較例1のチップを作製した。
【0061】
なお、比較例3については、イリジウム基合金が硬すぎる等の理由により加工が困難であり、熱間加工によってインゴットから線状素材へ加工する際にインゴットが割れた。したがって、比較例3については、チップの製造を途中で断念した。
【0062】
また、比較例2については、実施例1等とは異なり、イリジウムとアルミニウムを含む合金をアーク溶解してインゴットを作製し、得られたインゴットに切削加工を施して比較例2のチップを得た。なお、比較例2のチップの外観形状(サイズ)は、実施例1等と同様である。
【0063】
〔金属組織の状態〕
各実施例等のチップについて、内部の金属組織を観察した。具体的には、チップを、延伸方向(スパークプラグの軸線方向)を含む面で切断し、その切断面を研磨して得られた研磨面を、FE-SEMで観察した。結果は、表1に示した。なお、表1において、繊維状の金属組織が観察された場合、「線状」と表し、粒状の金属組織が観察された場合、「粒状」と表した。
【0064】
〔アスペクト比等〕
各実施例等のチップについて、金属組織のアスペクト比を求めた。具体的には、各実施例等のチップについて、合計20個の金属組織(結晶粒)におけるアスペクト比の平均値(L/M)を求めた。なお、Lは、金属組織の長軸方向の平均長さであり、Mは、金属組織の短軸方向の平均長さである。L、Mの具体的な求め方は、上述した通りである。表1に、各実施例等のアスペクト比、短軸方向の平均長さMを示した。
【0065】
〔結晶粒欠落評価試験〕
各実施例等のチップを用いて、それぞれスパークプラグ試験体を作製した。チップは、スパークプラグ試験体の中心電極の発火部として使用した。スパークプラグ試験体の基本的な構成は、上述した実施形態1のスパークプラグと同様である。
【0066】
なお、スパークプラグ試験体の中心電極(発火部)として使用される、各実施例等のチップの表面(放電面等)には、アルミニウム酸化物を含む被膜が形成されている。被膜を形成するための熱処理は、スパークプラグ試験体のシール部材(実施形態1のシール部材8に対応)を形成する際の熱処理と共に行った。以下、被膜を形成するための熱処理を説明する。
【0067】
シール部材は、B-SiO系等のガラス粒子や、金属粉末(Cu、Fe等)等が混合された導電性のガラス粉末混合物が焼結されたものからなる。このようなガラス粉末混合物を、主体金具(主体金具6)の内部で保持され、かつ先端にチップが溶接されている中心電極(中心電極3)が挿入された状態の筒状の絶縁体(絶縁体2)の貫通孔(貫通孔21)に対して圧縮・充填し、そのガラス粉末混合物上に、更に、抵抗体(抵抗体7)を形成するための抵抗体組成物が堆積するように充填した。抵抗体組成物は、導電性のカーボンブラックと、セラミックス粒子と、所定のバインダとをそれぞれ配合し、水を媒体として混合した上で、混合して得られるスラリーを乾燥させ、これにガラス粉末(例えば、B-SiO系のガラス材料からなる)を混合攪拌することで得た。次いで、絶縁体の貫通孔に、先端部に離型剤が付着されている高耐熱性のプレスピンを挿入し、その後、プレスピンを絶縁体の貫通孔内へと中心電極の反対側から圧入した状態で、焼成炉内において、酸化雰囲気下でガラス軟化点以上であり、かつチップ表面のアルミニウムを酸化させるための高温条件(800℃~950℃)にて、所定時間(例えば、20分程度)の間、ガラス粉末混合物等や、チップを加熱する処理(熱処理)を行った。その後、プレスピンを圧入したままの状態で、加熱されたガラス粉末混合物等やチップを自然冷却することで、シール部材、抵抗体を形成すると共に、チップの表面に被膜を形成した。
【0068】
得られたスパークプラグ試験体を、試験用の過給器付のエンジンに取り付け、混合気の空燃比(空気/燃料)が14、スロットル全開、及びエンジン回転数が6000rpmの状態を維持したまま、前記エンジンを200時間運転する試験を行った。なお、エンジン運転時におけるスパークプラグ試験体の点火角度は、BTDC35°とし、吸気圧は-30KPaとした。このような試験の後、エンジンからスパークプラグ試験体を取り外し、スパークプラグ試験体のチップを拡大鏡で観察して、結晶粒の欠落の有無を確認した。結果は、表1に示した。なお、表1において、結晶粒の欠落があった場合を「有」と示し、結晶粒の欠落が無かった場合を「なし」と示した。
【0069】
〔耐久性評価試験〕
各実施例等のチップを用いて、上記結晶粒欠落評価試験で使用したものとは別に、それぞれスパークプラグ試験体を作製した。そして、そのスパークプラグ試験体を、加圧チャンバーに装着し、0.6MPaに加圧された窒素ガス雰囲気中で、100Hz、3時間の条件でスパークプラグ試験体による放電を繰り返す試験を行った。その試験に使用したスパークプラグ試験体のチップについて、試験前後の質量変化を求め、その変化量(g)を、試験前に予め求めておいたチップの密度で割って得られる値を、消耗体積として求めた。
【0070】
そして、消耗体積が0.05mm以上の場合、消耗が激しく耐久性が無いと判断し、表1において「×」と示した。
また、消耗体積が、0.04mm3以上0.05mm未満の場合、消耗量が少なく、耐久性があると判断し、表1において「〇」と示した。
また、消耗体積が0.03mm3以上0.04mm未満の場合、より耐久性に優れると判断し、表1において「〇+」と示した。
また、消耗体積が0.03mm未満の場合、特に耐久性に優れると判断し、表1において「〇++」と示した。
【0071】
【表1】
【0072】
表1に示されるように、実施例1~15のチップは、いずれもイリジウム基合金からなり、その切断面(研磨面)では繊維状の金属組織が観察され、その金属組織はアスペクト比の平均値(L/M)が150以上であり、かつ短軸方向の平均長さMが25μm以下となっている。このようなチップは、結晶粒の欠落が抑制され、耐久性に優れることが確かめられた。
【0073】
比較例1のチップは、アルミニウムを0.1質量%未満含有する場合である。比較例1のチップは、アルミニウムの含有率が小さすぎるため、耐久性が悪い結果となった。
【0074】
比較例2のチップは、金属組織が粒状の場合である。図6は、比較例2のチップに含まれる金属組織を模式的に表した説明図である。比較例2では、インゴットを切削加工してチップを得ている。そのため、比較例2のチップ内は、アスペクト比の小さい粒状の結晶粒Xからなる金属組織が見られた。このようなチップでは、結晶粒欠落評価試験の結果より、結晶粒Xが脱落し易いことが確かめられた。
【0075】
比較例3は、イリジウム基合金におけるアルミニウムの含有割合が高い場合である。比較例3は、上述したように、イリジウム基合金が硬すぎる等の理由により、加工性が困難であった。
【0076】
なお、表1に示されるように、実施例1~15のうち、実施例9~15は、実施例1~8よりも耐久性に優れており、その中でも、実施例13~15の耐久性は特に優れていることが確かめられた。
【0077】
〔被膜の確認〕
ここで、実施例を代表して、実施例14のチップ表面(放電面)に形成された被膜をSEM-EDSを用いて確認した。結果は、図7及び図8に示した。図7は、実施例14のチップ表面付近における切断面のSEM画像において、EDS元素マッピングによりアルミニウムの分布を可視化した図である。アルミニウムは、図7に示されるように、チップ中において、全体的に均等に分散している。つまり、表層の被膜32x部分のみならず、被膜32xよりも内側にある内側部32yに、アルミニウムが均等に分散している。なお、図7に示される符号S10は、空間を示す(図8でも同様)。
【0078】
図8は、実施例14のチップ表面付近における切断面のSEM画像において、EDS元素マッピングにより酸素の分布を可視化した図である。酸素は、図8に示されるように、表層の被膜32x部分のみに存在し、内側部32yには存在していない。このように表層に酸素が存在しているため、アルミニウム酸化物を含む被膜32xが形成されていると言える。
【0079】
なお、酸素は、図8に示されるように、表層(被膜32x)のみに確認され、内側部32yでは確認されないため、内側部32yにアルミニウム酸化物が含まれていないと言える。このように、表層の被膜32xのみにアルミニウム酸化物が含まれ、内側部32yにアルミニウム酸化物が含まれていないと、チップが高温下で体積膨張して粒界割れ等の問題が発生することが抑制される。
【符号の説明】
【0080】
1…スパークプラグ、2…絶縁体、3…中心電極(スパークプラグ用電極)、31…中心電極本体、32…チップ(スパークプラグ用貴金属チップ)、4…接地電極、5…端子金具、6…主体金具、7…抵抗体、8,9…シール部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8