(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】サイドリンクリソースを提供する方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
H04W 76/23 20180101AFI20230915BHJP
H04W 4/46 20180101ALI20230915BHJP
H04W 36/00 20090101ALI20230915BHJP
【FI】
H04W76/23
H04W4/46
H04W36/00
(21)【出願番号】P 2022541104
(86)(22)【出願日】2020-10-22
(86)【国際出願番号】 JP2020040547
(87)【国際公開番号】W WO2021124699
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-03-08
(32)【優先日】2019-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503163527
【氏名又は名称】ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】チョチーナ、クリスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】カンフシ、ムーラド
(72)【発明者】
【氏名】グレッセ、ニコラ
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/202798(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/096845(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 -H04B 7/26
H04W 4/00 -H04W 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動元基地局によって運用される移動元セルのカバレッジから、移動先基地局によって運用される移動先セルのカバレッジに移動する特定のモバイルデバイスを含む複数の
モバイルデバイスにサイドリンクリソースを提供する方法であって、
前記移動先基地局において、前記移動元基地局から、共通サイドリンク特殊リソースを前記移動元基地局と交渉することの要求を受信することと、
前記移動先基地局によって、前記移動元基地局と、前記共通サイドリンク特殊リソースを交渉することと、
前記移動先基地局において、前記特定のモバイルデバイスが前記移動元セルのカバレッジから、前記移動先セルのカバレッジに移動していることのインジケーションを受信することであって、前記特定のモバイルデバイスは、前記共通サイドリンク特殊リソースを運用していることと、
前記移動元基地局から前記移動先基地局への前記特定のモバイルデバイスのハンドオーバを完了させることと、
移動先再構成イベントが生じるまで、前記移動先基地局によって、前記特定のモバイルデバイスによって運用されている前記共通サイドリンク特殊リソースを維持することと、
前記移動先基地局によって、少なくとも、前記特定のモバイルデバイスに提供される前記サイドリンクリソースを、前記共通サイドリンク特殊リソースから移動先サイドリンクリソースに再構成することと
を含み、
前記移動元基地局から前記移動先基地局への前記ハンドオーバを前記完了させることは、前記特定のモバイルデバイスが、前記共通サイドリンク特殊リソースを通じて、前記複数のモバイルデバイスに含まれる別のモバイルデバイスにハンドオーバ情報を送信することを更に含む方法。
【請求項2】
移動元基地局によって運用される移動元セルのカバレッジから、移動先基地局によって運用される移動先セルのカバレッジに移動する特定のモバイルデバイスを含む複数のモバイルデバイスにサイドリンクリソースを提供する方法であって、
前記移動元基地局から、前記特定のモバイルデバイスにおいて、移動元サイドリンクリソースを受信することと、
前記特定のモバイルデバイスによって、前記移動元サイドリンクリソースを運用して、前記複数のモバイルデバイスに含まれる少なくとも1つの他のモバイルデバイスとデータを交換することと、
前記特定のモバイルデバイスが前記移動元セルから前記移動先セルに移動していることのインジケーションに続いて、前記移動元基地局から、前記移動元基地局と前記移動先基地局との間で交渉される共通サイドリンク特殊リソースを受信することと、
前記特定のモバイルデバイスによって、少なくとも、前記サイドリンクリソースを、前記移動元サイドリンクリソースから前記共通サイドリンク特殊リソースに再構成して、前記複数のモバイルデバイスに含まれる少なくとも1つの他のモバイルデバイスとデータを交換することと、
前記移動元サイドリンクリソースから前記共通サイドリンク特殊リソースへの前記サイドリンクリソースの前記再構成に続いて、前記特定のモバイルデバイスにおいて、前記移動元基地局から前記移動先基地局へのハンドオーバを進めることと、
移動先再構成イベントが生じるまで、前記特定のモバイルデバイスにおいて、前記共通サイドリンク特殊リソースを維持することと、
前記特定のモバイルデバイスにおいて、少なくとも、前記サイドリンクリソースを、前記共通サイドリンク特殊リソースから、前記移動先基地局によって提供される移動先サイドリンクリソースに再構成することと
を含み、
前記特定のモバイルデバイスにおいて、前記移動元基地局から前記移動先基地局への前記ハンドオーバを前記進めることは、前記特定のモバイルデバイスが、前記共通サイドリンク特殊リソースを通じて、前記複数のモバイルデバイスに含まれる別のモバイルデバイスにハンドオーバ情報を送信することを更に含む方法。
【請求項3】
前記特定のモバイルデバイスによって、前記移動元基地局に、
特定のモバイルデバイスロケーション情報、
前記複数のモバイルデバイスのメンバとしての特定のモバイルデバイスステータス、
前記複数のモバイルデバイスの識別子、
無線ネットワーク情報サービス(RNIS)からの情報、
前記複数のモバイルデバイスに含まれる別のモバイルデバイスからの報告のうちの1つ以上を含む状況更新、
サイドリンクトラフィック情報
のうちの1つ以上を送信することを更に含む
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記特定のモバイルデバイスは、前記移動元サイドリンクリソースを用いて、前記複数のモバイルデバイスに含まれる別のモバイルデバイスから、
信号測定情報、
サイドリンクトラフィック情報
のうちの1つ以上を受信する
請求項2又は請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記移動先再構成イベントは、
タイマの満了、
前記移動先セル内の前記複数のモバイルデバイスに属するいくつか又は全てのモバイルデバイスの存在の検出
のうちの1つ以上を含む
請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、請求項1に記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項7】
プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項8】
コンピューティングデバイスを備える基地局であって、前記コンピューティングデバイスは、プロセッサと、メモリと、ネットワーキングモジュールとを備え、前記プロセッサは、請求項1に従って動作するように構成される基地局。
【請求項9】
コンピューティングデバイスを備えるモバイルデバイスであって、前記コンピューティングデバイスは、プロセッサと、メモリと、ネットワーキングモジュールとを備え、前記プロセッサは、請求項2から請求項5までのいずれか1項に従って動作するように構成されるモバイルデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サイドリンクリソースを提供する方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
セルをカバーする基地局と通信するモバイルデバイスは、そのようなデバイスが1つのセルから別のセルに移動する際、別のセルをカバーする別の基地局にハンドオーバすることができる。1つのセルから別のセルへのそのような遷移により、通信プロセスの不連続性が生じる可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、添付の独立請求項によって定義される。本明細書に開示される概念の更なる特徴及び利点が以下の記載において示される。
【0004】
本開示は、移動元基地局によって運用される移動元セル内に位置する特定のモバイルデバイスを含む複数のモバイルデバイスにサイドリンクリソースを提供する方法であって、
移動元基地局によって、移動元サイドリンクリソースを特定のモバイルデバイスに提供することと、
移動元基地局において、特定のモバイルデバイスが移動元セルのカバレッジから、移動先基地局によって運用される移動先セルのカバレッジに移動していることのインジケーションを受信することと、
移動元基地局によって、共通サイドリンク特殊リソースを移動先基地局と交渉することであって、移動元基地局及び移動先基地局はいくつかの共通リソースを有することと、
移動元基地局によって、少なくとも、特定のモバイルデバイスに提供されるサイドリンクリソースを、移動元サイドリンクリソースから共通サイドリンク特殊リソースに再構成することと、
移動元基地局によって、移動元基地局から移動先基地局への特定のモバイルデバイスのハンドオーバをトリガーすることと
を含む方法を記載する。
【0005】
そのような方法は、例えば、複数の車両が、移動元基地局に対応するセルから異なる移動先基地局に対応するセルに移動する際、それらの車両間の車両間通信を維持することを可能にする。複数の車両が、移動元基地局及び移動先基地局の双方に対応するセルにわたって分散している場合、いくつかの車両又はモバイルデバイスは、例えば、移動元基地局に対応するセル内に位置しているとき、移動元基地局に属する又は移動元基地局によって割り当てられたサイドリンクリソースを用いて接続され、移動元サイドリンクリソースは、例えば、移動元基地局によって動的に配分された(「モード1」)、又は移動元基地局によりシグナリングされた若しくはUEにおいて事前に構成されたリソースのセットからUEによって選択された(「モード2」)無線リソースを用いており、移動元基地局と移動先基地局との間で適合しない場合がある一方で、移動元基地局と移動先基地局との間の遷移エリア内の車両は、移動元基地局によって移動先基地局と交渉された共通サイドリンク特殊リソースを用いて通信し、移動元基地局及び移動先基地局はいくつかの共通リソースを有する。
【0006】
任意選択的には、方法は、特定のモバイルデバイスが移動元セルから移動先セルに移動していることのインジケーションを受信することに続いて、移動元基地局が移動先基地局を識別することを更に含み、移動先セルは、移動元基地局公衆陸上モバイルネットワーク(PLMN)と異なるPLMNに属するものとして識別され、方法は、移動元基地局において、特定のモバイルデバイスから、移動先基地局において行われた測定値を受信することを更に含む。そのような測定値は、例えば、移動元基地局及び移動先基地局が、移動元基地局によって移動先基地局と交渉された共通サイドリンク特殊リソースを用いることを可能にするいくつかの共通リソースを有するか否かを確認することを可能にすることができる。
【0007】
任意選択的には、共通リソースは、周波数スペクトルの共通部分を含む。周波数スペクトルのそのような共通部分は、例えば、有利には、移動元基地局によって移動先基地局と交渉された特殊リソースとしての単数又は複数の周波数を含む。
【0008】
任意選択的には、交渉することは、移動元基地局と移動先基地局との間で、以下の情報、すなわち、
周波数領域リソース情報、
時間領域リソース情報、
共通サイドリンク特殊リソース情報、
地理的制限情報、
複数のモバイルデバイスに関する情報、
複数のモバイルデバイスの一員であるモバイルデバイス間の通信トラフィックに関する情報、
時間同期差情報、又は
周波数同期差情報、
のうちの1つ以上を交換することを含む。
【0009】
そのような情報の交換は、例えば、有利には、そのような態様を考慮に入れることによって、特定の共通リソースを決定することを可能にすることができ、移動元基地局によって移動先基地局と交渉された共通サイドリンク特殊リソースを用いることを可能にする。
【0010】
任意選択的には、方法は、移動元基地局が、マルチアクセスエッジコンピューティングノード(MECノード)とデータを交換することを更に含み、MECノードは、ネットワーク開示機能(NEF)を用いてサイドリンクパケットトラフィックを監視しており、MECノードは、監視機能におけるエラー保護プロセスを調整する。これは、例えば、共通サイドリンク特殊リソースを通じた通信の品質が移動元サイドリンクリソースを通じた通信の品質と異なる場合があることを考慮に入れることを可能にする。
【0011】
本開示はまた、移動元基地局によって運用される移動元セルのカバレッジから、移動先基地局によって運用される移動先セルのカバレッジに移動する特定のモバイルデバイスを含む複数の車両にサイドリンクリソースを提供する方法であって、
移動先基地局において、移動元基地局から、共通サイドリンク特殊リソースを移動元基地局と交渉することの要求を受信することであって、移動元基地局及び移動先基地局はいくつかの共通リソースを有することと、
移動先基地局によって、移動元基地局と、共通サイドリンク特殊リソースを交渉することと、
移動先基地局において、特定のモバイルデバイスが移動元セルのカバレッジから、移動先セルのカバレッジに移動していることのインジケーションを受信することであって、特定のモバイルデバイスは、共通サイドリンク特殊リソースを運用していることと、
移動元基地局から移動先基地局への特定のモバイルデバイスのハンドオーバを完了させることと、
移動先再構成イベントが生じるまで、移動先基地局によって、特定のモバイルデバイスによって運用されている共通サイドリンク特殊リソースを維持することと、
移動先基地局によって、少なくとも、特定のモバイルデバイスに提供されるサイドリンクリソースを、共通サイドリンク特殊リソースから移動先サイドリンクリソースに再構成することと、
を含む、方法を記載する。
【0012】
そのような方法は、例えば、複数の車両が、移動元基地局に対応するセルから異なる移動先基地局に対応するセルに移動する際、それらの車両間の車両間通信を維持することを可能にする。複数の車両が、移動元基地局及び移動先基地局の双方に対応するセルにわたって分散している場合、いくつかの車両又はモバイルデバイスは、例えば、移動元基地局によって移動先基地局と交渉された共通サイドリンク特殊リソースを用いて接続され、移動元基地局及び移動先基地局はいくつかの共通リソースを有する。移動元基地局カバレッジと移動先基地局カバレッジとの間の遷移エリア内の複数の車両の移動中の通信の断絶を低減又は阻止するのに十分な時間にわたって共通サイドリンク特殊リソースが維持されることを確実にするために、移動先再構成イベントの発生時に、移動先基地局に属する又は移動先基地局によって割り当てられた移動先サイドリンクリソースに通信が再構成される。
【0013】
本開示はまた、移動元基地局によって運用される移動元セルのカバレッジから、移動先基地局によって運用される移動先セルのカバレッジに移動する特定のモバイルデバイスを含む複数のモバイルデバイスにサイドリンクリソースを提供する方法であって、
移動元基地局から、特定のモバイルデバイスにおいて、移動元サイドリンクリソースを受信することと、
特定のモバイルデバイスによって、移動元サイドリンクリソースを運用して、複数のモバイルデバイスに含まれる少なくとも1つの他のモバイルデバイスとデータを交換することと、
特定のモバイルデバイスが移動元セルから移動先セルに移動していることのインジケーションに続いて、移動元基地局から、移動元基地局と移動先基地局との間で交渉される共通サイドリンク特殊リソースを受信することであって、移動元基地局及び移動先基地局はいくつかの共通リソースを有することと、
特定のモバイルデバイスによって、少なくとも、サイドリンクリソースを、移動元サイドリンクリソースから共通サイドリンク特殊リソースに再構成して、複数のモバイルデバイスに含まれる少なくとも1つの他のモバイルデバイスとデータを交換することと、
移動元サイドリンクリソースから共通サイドリンク特殊リソースへのサイドリンクリソースの再構成に続いて、特定のモバイルデバイスにおいて、移動元基地局から移動先基地局へのハンドオーバを進めることと、
移動先再構成イベントが生じるまで、特定のモバイルデバイスにおいて、共通サイドリンク特殊リソースを維持することと、
特定のモバイルデバイスにおいて、少なくとも、サイドリンクリソースを、共通サイドリンク特殊リソースから、移動先基地局によって提供される移動先サイドリンクリソースに再構成することと、
を含む、方法を記載する。
【0014】
そのような方法は、有利には、制御された方式で共通サイドリンク特殊リソースを用いることにより、移動元サイドリンクリソースと移動先サイドリンクリソースとの間の平滑な転送をもたらすことができる。これは、例えば、複数のモバイルデバイスのうちのモバイルデバイス間の誤通信のリスクを低減するか又はなくすことに寄与することができ、モバイルデバイス間の通信品質を維持しながら、衝突のリスクを回避若しくは低減し、又は変位速度の増大を可能にする。
【0015】
任意選択的には、この方法は、特定のモバイルデバイスによって、移動元基地局に、
特定のモバイルデバイスロケーション情報、
複数のモバイルデバイスのメンバとしての特定のモバイルデバイスステータス、
複数のモバイルデバイスの識別子、
無線ネットワーク情報サービス(RNIS)からの情報、
複数のモバイルデバイスに含まれる別のモバイルデバイスからの報告のうちの1つ以上を含む状況更新、
サイドリンクトラフィック情報、
のうちの1つ以上を送信することを更に含む。
【0016】
そのような送信は、例えば、移動元基地局が共通サイドリンク特殊リソースを適切に管理するためにそのような態様を考慮に入れることに寄与することができる。
【0017】
任意選択的には、特定のモバイルデバイスは、移動元サイドリンクリソースを用いて、複数のモバイルデバイスに含まれる別のモバイルデバイスから、
信号測定情報、
サイドリンクトラフィック情報、
のうちの1つ以上を受信する。
【0018】
そのような情報の受信は、有利には、共通サイドリンク特殊リソースの使用又は使用の要求への遷移の準備を可能にする情報を提供することができる。
【0019】
任意選択的には、移動先再構成イベントは、
タイマの満了、
移動先セル内の複数のモバイルデバイスに属するいくつか又は全てのモバイルデバイスの存在の検出、
のうちの1つ以上を含む。
【0020】
そのような例示的な再構成イベントは、移動先サイドリンクリソースの使用が適切となるまで、共通サイドリンク特殊リソースの使用を維持することを可能にすることができる。
【0021】
任意選択的には、特定のモバイルデバイスにおいて、移動元基地局から移動先基地局へのハンドオーバを進めることは、特定のモバイルデバイスが、共通サイドリンク特殊リソースを通じて、複数のモバイルデバイスに含まれる別のモバイルデバイスにハンドオーバ情報を送信することを更に含む。これは、有利には、特定のモバイルデバイスからの主導的役割を可能にし、移動元基地局を伴うトラフィックを低減することができる。
【0022】
本開示はまた、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、本明細書に記載の方法のいずれかを実行させる命令を含むコンピュータ可読ストレージ媒体を記載する。
【0023】
本開示はまた、コンピューティングデバイスを備える基地局であって、該コンピューティングデバイスは、プロセッサと、メモリと、ネットワーキングモジュールとを備え、プロセッサは、本明細書に記載の方法のいずれかに従って動作するように構成される、基地局を記載する。
【0024】
本開示はまた、コンピューティングデバイスを備えるモバイルデバイスであって、コンピューティングデバイスは、プロセッサと、メモリと、ネットワーキングモジュールとを備え、プロセッサは、本明細書に記載の方法のいずれかに従って動作するように構成される、モバイルデバイスを記載する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図7A】例示的な方法に従って動作する、接続されたモバイルデバイス、基地局及びネットワーキングエンティティを示す図である。
【
図7B】例示的な方法に従って動作する、接続されたモバイルデバイス、基地局及びネットワーキングエンティティを示す図である。
【
図7C】例示的な方法に従って動作する、接続されたモバイルデバイス、基地局及びネットワーキングエンティティを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示は、特定のモバイルデバイスを含む複数のモバイルデバイスにサイドリンクリソースを提供することに適用される。そのようなモバイル通信デバイスは、ネットワーキングモジュールを用いて通信することができる。そのようなモバイルデバイスは、人間又は車両によって携行されるモバイル端末とすることができる。モバイルデバイスは、ネットワーキングモジュールを備える車両とすることができる。モバイルデバイスは、車両の運転者又は乗客によって携行することができる。モバイルデバイスは、道路網上で又は空中で移動性であるように構成することができる。モバイルデバイスは、ネットワーキングモジュールを備えるドローンとすることができる。モバイルデバイスは、ネットワーキングモジュールを備える自動車、トラック又はバスとすることができる。モバイルデバイスは、無線リソースを用いることによって自律的に又は部分的に自律的に運転するように構成された、接続された自律車両又は部分自律車両とすることができる。自律運転は、人間の運転者を必要としなくてもよいのに対し、部分自律運転は、車両内で操作する人間の運転者の存在を必要とする場合がある。
【0027】
本開示によれば、特定のモバイルデバイスが、そのような特定のモバイルデバイスを、この特定のモバイルデバイスとインタラクトする場合がある他のモバイルデバイスと区別するために、「特定」と称される。しかしながら、特定のモバイルデバイスは、他のモバイルデバイスと同様であっても異なっていてもよい。
【0028】
複数のモバイルデバイスに属する他のモバイルデバイスは、本開示によるモバイルデバイスであり、そのような他のモバイルデバイスは、特定のモバイルデバイスと同様であるか又は異なり、そのような他のモバイルデバイスは特定のモバイルデバイスと別個である。そのような他のモバイルデバイスは、特定のモバイルデバイスと同じ隊列に関する場合があり、特定のモバイルデバイスの概略移動方向と同じ方向における概略移動方向を有する場合がある。そのような他のモバイルデバイス及び特定のモバイルデバイスは、いくつかの例において、概ね同じ方向に移動していると理解されるべきである。そのような他のモバイルデバイス及び特定のモバイルデバイスは、同じ速度で移動する場合も、異なる速度で移動する場合もある。いくつかの例において、そのような他のモバイルデバイスの速度は、特定のモバイルデバイスの速度と20%未満異なる場合がある。そのような他のモバイルデバイスは、いくつかの例において、特定のモバイルデバイスが所与のポイント又はエリアに到達するか又はこれを通過した後又はその前に、同じポイント又はエリアに到達するか又はこれを通過するものとして理解されるべきである。いくつかの例において、そのような他のモバイルデバイスは、特定のモバイルデバイスが或る特定のポイントを通過した1秒未満後又はその1秒未満前に、同じ特定のポイントを通過する。いくつかの例において、そのような他のモバイルデバイスのうちの1つ以上は、特定のモバイルデバイスが或る特定のポイント又はエリアを通過した5秒未満後又はその5秒未満前に、同じ特定のポイントを通過する。いくつかの例において、そのような他のモバイルデバイスのうちの1つ以上及び特定のモバイルデバイスは、200メートル未満隔てられている。いくつかの例において、そのような他のモバイルデバイスのうちの1つ以上及び特定のモバイルデバイスは、100メートル未満隔てられている。
【0029】
図1に示されているように、例示的な方法100は、移動元基地局によって運用されている移動元セル内に位置する特定のモバイルデバイスに適用される。方法100は、移動元基地局によって、移動元サイドリンクリソースを特定のモバイルデバイスに提供するブロック101を含む。そのような移動元サイドリンクリソースは、特定のモバイルデバイスによって、複数のモバイルデバイスに含まれる別のモバイルデバイスに接続するか又はこれと通信するために用いることができる。通信は、通信プロトコルとの関連において、データパケットの交換として理解することができる。一般的に言えば、通信は、直接的、すなわち、それぞれのネットワーキングモジュールを用いてデバイス間で直接的に行うこともできるし、間接的、すなわち、例えば基地局等の他の中間ネットワーキングデバイスを通じて間接的に行うこともできる。例えば、本明細書のようにサイドリンクリソースを用いる、基地局を通過しないデバイス間の直接通信は、基地局によって動的に及び/又は半静的に配分された無線リソース(「モード1」)、又は基地局によりシグナリングするか若しくはユーザ機器(UE)において事前に構成することができるリソースのプールからそれぞれのモバイルデバイスに対応するUEによって自律的に選択されるリソース(「モード2」)を使用することができる。モード1リソース配分は、基地局がリソースをより良好に制御し、これにより干渉を制限し、送信衝突を回避することを可能にする。本開示によれば、特定のデバイスと1つ以上の他のモバイルデバイスとの間の通信は、ブロック101において、移動元セルを運用している移動元基地局によって管理される移動元サイドリンクリソースを通じて行われ、移動元サイドリンクは、例えば、基地局によって配分された無線リソースを用い(モード1)、特定のモバイルデバイス、及び特定のモバイルデバイスが移動元サイドリンクリソースを用いて通信する他のモバイルデバイスは、移動元基地局のカバレッジのエリア内に位置する。移動元サイドリンクリソースは、特定のデバイスが、信号を複数のモバイルデバイスのうちの少なくとも1つの他のモバイルデバイスに送信することを許可するものとして理解されるべきである。無線リソース利用は、例えば、時間/周波数配分技法を通じて、及び/又は空間再利用技法を通じて動作することができる。無線リソース利用は、スループット、遅延、パケット誤り率及び優先度等のサービス品質要件を考慮に入れて動作することができる。モバイルデバイス間のそのような通信のためにサイドリンクリソースを用いることにより、通信レイテンシを低減し、セル負荷を低減することができる。いくつかの例において、移動元基地局及び移動先基地局は固定である。いくつかの例において、移動元基地局及び移動先基地局は移動性である。いくつかの例において、移動元基地局及び移動先基地局は、5G gNB又は論理5G無線ノードである。いくつかの他の例において、移動元基地局及び移動先基地局は4G eNBである。いくつかの他の例において、移動元基地局及び移動先基地局は、路側機等のインフラストラクチャ要素である。本開示によれば、複数のモバイルデバイスのうちの特定のモバイルデバイス及び他のモバイルデバイスは、移動元セル内に位置している間、移動元サイドリンクを用いている。これは、特定のモバイルデバイス及び他のモバイルデバイスが、移動元基地局によって送信された信号と同期されるという結果を有する。
【0030】
方法100は、移動元基地局において、特定のモバイルデバイスが移動元セルのカバレッジから、移動先基地局によって運用される移動先セルのカバレッジに移動していることのインジケーションを受信するブロック102を含む。移動元セル及び移動先セルの双方が、セルラー無線ネットワークにおける通信セルである。移動元セルは、特定のモバイルデバイスが出発するセルとすることができるか、又は別のセルから到来したモバイルデバイスが通過するセルとすることができる。移動先セルは、特定のモバイルデバイスが到着時に停止することになるセルとすることができるか、又はモバイルデバイスが別のセルに向かう途中で通過するセルとすることができる。「移動元」及び「移動先」という表現は、移動元セル及び移動先セルに対するものであり、モバイルデバイスは移動元セルから移動先セルに移動する。いくつかの例において、移動元セル及び移動先セルは、同期されない場合があり、すなわち、共通の時間基準を共有しない場合がある。移動元基地局及び移動先基地局はそれぞれカバレッジを有し、移動元基地局のカバレッジは移動先基地局のカバレッジと異なる。移動元基地局のカバレッジ及び移動先基地局のカバレッジは重なっていてもよい。移動元基地局のカバレッジ及び移動先基地局のカバレッジは別個であってもよい。特定のモバイルデバイスは移動元セルから移動先セルに移動し、それによって、このモバイルデバイスは移動元基地局のカバレッジから移動先基地局のカバレッジに移動している。移動元セルから移動先セルに移動するとき、特定のモバイルデバイスは、移動元基地局及び移動先基地局の双方のカバレッジ内にある場合があるか、又は移動元基地局のカバレッジ下にも移動先基地局のカバレッジ下にもない場合があるか、又は移動元基地局若しくは移動先基地局のいずれかのカバレッジ下にある場合がある。移動元セルから移動先セルに移動するとき、モバイルデバイスは1つ以上の中間セルを通過する場合があり、そのような中間セルのカバレッジは、移動元セルと移動先セルとの間のモバイルデバイスの軌道に交差する。そのような例において、中間セルのカバレッジ下で用いられるサイドリンクリソースは、中間セルによって用いられるリソースと衝突状態に入るべきでない。そのような衝突は、例えば、中間セルに、用いられているサイドリンクリソースを通知することによって、又はそのようなサイドリンクリソースの使用について中間セルから合意を得ることによって回避することができる。特定のモバイルデバイスが、移動元セルのカバレッジから、移動先基地局によって運用されている移動先セルのカバレッジに移動していることのインジケーションは、例えば、特定のモバイルデバイスが、自身のサービングステーションにより信号の劣化を検出し、及び/又は別のセル(例えば、移動先セル)における十分な信号レベルを検出することから発せられる場合があり、この場合、例えば移動元サイドリンクから移動先サイドリンクへの切り替えにより生じるレイテンシを回避するために、移動元基地局が、そのような信号劣化インジケーションを用いて、移動元サイドリンクリソースの使用から共通サイドリンク特殊リソースの使用への切り替えをトリガーして、信号を送信し、及び/又は複数のモバイルデバイスのうちの1つ以上の他のモバイルデバイスと信号を交換する。
【0031】
いくつかの例において、特定のモバイルデバイスが移動元セルのカバレッジから、移動先基地局によって運用される移動先セルのカバレッジに移動していることのインジケーションは、アプリケーションサーバから発せられる場合がある。いくつかの例において、アプリケーションサーバは、特定のモバイルデバイスの直接通信リンクのステータス、すなわち、直接通信リンクが特定のサイドリンクリソースに基づくか否かを提供される。いくつかの例において、アプリケーションサーバは、移動元基地局を通じて特定のモバイルデバイスと通信する。いくつかの例において、アプリケーションサーバは、本開示に従って、複数のモバイルデバイスからの全てのモバイルデバイスと通信する。いくつかの例において、アプリケーションサーバは、信号を生成するために、特定のモバイルデバイスの地理的ロケーションを考慮に入れている。実際に、いくつかの例において、複数のモバイルデバイスからの1つ以上の他のモバイルデバイスと信号を交換するために、特定のモバイルデバイスによって移動元サイドリンクリソースから共通サイドリンク特殊リソースに切り替えることは、特定のモバイルデバイス又は移動元基地局が、特定のモバイルデバイスの地理的ロケーションに基づいてアプリケーションサーバから発せられた信号を受信することを含む。信号を地理的ロケーションに基づかせることにより、特定のモバイルデバイスが移動元基地局と移動先基地局との間の遷移ゾーン内にあるとき、移動元サイドリンクリソースから共通サイドリンク特殊リソースへの切り替えを進めることが可能になる。
【0032】
本開示との関連において、サイドリンクリソースを通じた情報の交換は、送信について受信と異なるサイドリンクリソースを用いて、又は送信及び受信について同じリソースを用いて、データの情報を送信及び受信することを含むことができることに留意すべきである。
【0033】
いくつかの例において、特定のモバイルデバイスが、移動元セルのカバレッジから、移動先基地局によって運用されている移動先セルのカバレッジに移動しており、移動元サイドリンク又は移動先サイドリンク等の専用サイドリンクリソースの代わりに共通サイドリンク特殊リソースを用いることになることのインジケーションは、サイドリンクスケジューリング制約を示す信号を含むことができる。そのような制約を移動先基地局に示すことによって、隊列のリーダーである場合がある特定のモバイルデバイスと、複数のモバイルデバイスのうちの別のモバイルデバイスとの間のサイドリンク通信の断絶を防ぐことができるか、又は例えば、モバイルデバイス間の通信を車両間の交通調整に制約するか、若しくは例えば共通サイドリンク特殊リソースをメディアサービスの送信に使用することを防ぐか若しくは低減することによって、通信タイプを共通サイドリンク特殊リソースに対し適合させることを可能にすることができる。そのようなインジケーションは、特定のモバイルデバイスのハンドオーバ前に移動元基地局から移動先基地局に送信することができるか、又は移動先基地局へのハンドオーバ中若しくはハンドオーバ後に特定のモバイルデバイスによって移動先基地局に直接送信することができるか、又は双方がサイドリンクを介して特定のモバイルデバイスと通信し、かつ移動先基地局と通信している別のモバイルデバイスによって移動先基地局に中継することができる。
【0034】
方法100は、移動元基地局によって、移動先基地局と共通サイドリンク特殊リソースを交渉するブロック103を含み、移動元基地局及び移動先基地局はいくつかの共通リソースを有する。
【0035】
サイドリンクが所与の基地局のカバレッジ内で運用されていることに起因して、異なる複数のモバイルデバイスを接続するそのようなサイドリンクは、そのような所与の基地局に同期されることになることを理解すべきである。モバイルデバイスのうちの1つが異なる基地局に向かって移動する際、ハンドオーバが生じ、これにより、モバイルデバイスに、一方でサイドリンクに関連付けられた所与の基地局との同期、他方で異なる基地局との同期である異なる複数の同期をとらせることができる。モバイルデバイスが異なる複数の同期で動作することができない場合、例えば、モバイルデバイスが単一の無線ネットワーキングモジュールを備える場合、モバイルデバイスは、異なる基地局へのハンドオーバを完了させるために、サイドリンクから切断されるべきである。そのようなサイドリンクからの切断により、異なるモバイルデバイス間の通信にレイテンシが生じることになる。本開示は、この問題を解決することを目的とする。いくつかの例において、本開示は、特定のモバイルデバイスが、移動元基地局に同期された移動元サイドリンクから、移動元基地局と同期されていない移動先基地局に同期された移動先サイドリンクに直接切り替えることを回避することを目的とする。
【0036】
移動元基地局及び移動先基地局が同期されていない場合であっても、無線リソースは異なる基地局において独立して動作する。同じセルカバレッジ下の2つのモバイルデバイスがサービング基地局によって管理されているサイドリンクを通じて接続されているとき、及び2つのモバイルデバイスのうちの一方が、別の基地局によって運用されている移動先セルにハンドオーバされるとき、サイドリンクは、同時に2つの異なる基地局によって管理されるように設計されていないため、切断される。本開示は、この問題を解決することを目的とする。
【0037】
これらの課題を解決するために、例示的な方法100は、移動元基地局によって、移動先基地局と共通サイドリンク特殊リソースを交渉するそのようなブロック103を含み、移動元基地局及び移動先基地局はいくつかの共通リソースを有する。そのような共通サイドリンク特殊リソースを用いることで複数のモバイルデバイスのうちのモバイルデバイス間の切断又はレイテンシを防ぐ。モバイルデバイス間のレイテンシを回避することで、例えば、そのようなモバイルデバイスが道路若しくは街路上の車両、ドローン、又は工場内のモバイルロボットである場合の衝突のリスクを低減することができる。レイテンシを回避することで、モバイルデバイスを高速で動作させること、又はこれらを互いに時間的に又は距離的により密接に追従させることも可能にすることができる。共通サイドリンク特殊リソースの例は、移動元基地局によってシグナリングされるリソースのプール内及び移動先基地局によってシグナリングされるリソースのプール内の双方にあるサイドリンクリソースを含む。いくつかの例において、共通リソースは、周波数スペクトル及び/又は共通時間間隔の共通部分を含む。一例において、移動元基地局の送信リソースプールのセットは、移動先基地局における受信リソースプールとして構成され、及び/又は移動元基地局の受信リソースプールのセットは、移動先基地局における送信リソースプールとして構成される。一例において、特殊リソースは、限られた数のユーザ(例えば、移動元基地局のカバレッジから移動先基地局のカバレッジに移動しているUE)によって知られているか、又はこれらのユーザによって用いられることが認可される。移動元基地局及び移動先基地局は同期されない場合があるため、共通サイドリンク特殊リソースを用いてデータを受信又は送信する間に用いられる時間基準は、移動元基地局及び/又は移動先基地局において用いられるタイミングと異なる場合がある。そのような場合、移動元基地局又は移動先基地局は、他のユーザとの干渉を制限し、共通サイドリンク特殊リソースを用いたユーザ間の通信を確実にするための特殊な措置、例えば、ガード時間又は周波数間隔の設定、共通サイドリンク特殊リソースが用いられている間の送信及び/又は受信時間間隔の調整を行うことができる。移動元基地局又は移動先基地局は、信号時間差及び/又は任意の他の特定の構成を、少なくとも、関係するUE又はモバイルデバイスにシグナリングすることもできる。
【0038】
本開示による共通サイドリンク特殊リソースは、いくつかの例において、安定した構成として用いられることを目的とする。特に、そのような共通サイドリンク特殊リソースは、交渉に基づいて選択され、いくつかの例では、プール内でランダムに選択されるのではなく、移動元基地局及び移動先基地局に共通のリソースとなるように特別に選択される。共通サイドリンク特殊リソースは、移動元サイドリンクリソース又は移動先サイドリンクリソース等の専用サイドリンクリソースと異なるが、いくつかの例では、共通のサイドリンク特殊リソースは、ベースセル及び移動先セルを含む近傍セルに共通の安定したリソースプールに属する。そのような共通サイドリンク特殊リソースは、実際に、1つのセルから別のセルへの遷移中にサイドリンクを維持するのに用いられることを目的とされ、サイドリンクは、通例、移動元サイドリンクリソース又は移動先サイドリンクリソース等の専用サイドリンクリソースを用いて所与のセル内で維持される。
【0039】
交渉は、移動元基地局と移動先基地局との間の直接的な信号の交換を通じて行うことができる。交渉は、例えば、第3の基地局、リモートサーバ又はマルチアクセスエッジコンピューティングエンティティ等の中間ネットワークエンティティを通じて移動元基地局と移動先基地局との間の信号の間接的な交換を通じて行うことができる。交渉は、周期的に行うこともできるし、移動元基地局において、特定のモバイルデバイスが移動元セルのカバレッジから、移動先基地局によって運用される移動先セルのカバレッジに移動していることのインジケーションを受信することによってトリガーされたときに行うこともできる。代替的に、交渉は、移動元基地局において、特定のモバイルデバイスが移動元セルのカバレッジから、移動先基地局によって運用される移動先セルのカバレッジに移動していることのインジケーションを受信することと独立して行われてもよい。交渉は、複数の近傍基地局間で一元的に行うことができる。交渉は、基地局の特定の対間で行うことができる。異なるPLMNに属する基地局間のプロセスの交渉と比較して、同じPLMNに属する基地局間では異なる交渉プロセスを用いることができる。
【0040】
本開示によれば、移動元基地局及び移動先基地局は同じ共通リソースを有するため、交渉の結果として1つ以上の共通サイドリンク特殊リソースが識別される。2つ以上のそのような共通サイドリンク特殊リソースが識別されるとき、異なる要素に基づいて選択を行うことができる。要素は、スループット、遅延、パケット誤り率及び優先度等のサービス品質要件を含むことができる。
【0041】
いくつかの例において、交渉することは、移動元基地局と移動先基地局との間で、以下の情報、すなわち、
周波数領域リソース情報、
時間領域リソース情報、
共通サイドリンク特殊リソース情報、
地理的制限情報、
複数のモバイルデバイスに関する情報、
複数のモバイルデバイスの一員であるモバイルデバイス間の通信トラフィックに関する情報、
時間同期差情報、又は
周波数同期差情報、
のうちの1つ以上を交換することを含む。
【0042】
そのような情報の交換は、移動元基地局と移動先基地局との間で一方向又は双方向で行うことができる。いくつかの例において、移動先基地局は、この情報のうちのいくらか又は全てを移動元基地局に提供し、このため移動元基地局は、共通サイドリンク特殊リソースが実際に利用可能であるか否かを判断することに進むことができる。いくつかの例において、移動元基地局は、この情報のうちのいくらか又は全てを移動先基地局に提供し、このため移動先基地局は、共通サイドリンク特殊リソースが実際に利用可能であるか否かを判断することに進むことができる。そのような情報の提供は、基地局間で直接、又は中間ネットワーキングエンティティ、例えば双方の基地局のカバレッジ内のモバイルデバイス、若しくはネットワークを通じて双方の基地局に接続された代替的なネットワーキングエンティティを通じて行うことができる。
【0043】
方法100は、移動元基地局によって、少なくとも、特定のモバイルデバイスに提供されるサイドリンクリソースを、移動元サイドリンクリソースから共通サイドリンク特殊リソースに再構成するブロック104を含む。そのような再構成は、特定のモバイルデバイスを、移動元基地局のカバレッジ下及び移動先基地局のカバレッジ下の双方にある、そのような共通サイドリンク特殊リソースを用いて確実に通信する場所に配置し、それによって、カバレッジ変化に起因して生じ得る通信断絶を回避又は低減する。
【0044】
方法100は、移動元基地局によって、移動元基地局から移動先基地局への特定のモバイルデバイスのハンドオーバをトリガーするブロック105も含む。いくつかの場合、そのようなトリガーは、ブロック104による再構成に続いて行われる。いくつかの場合、トリガーは、ブロック104による再構成の前に行われる。トリガーは、例えば、ブロック101によるインジケーションにリンクしたカウンターを用いることによって時間制限を受ける場合があるか、又は、例えば共通サイドリンク特殊リソースの識別等の、行われるアクションに制限される場合がある。
【0045】
図2は、別の例示的な方法200を示す。そのような例示的な方法200は、例示的な方法100によるブロック101~105を含む。例示的な方法200は、ブロック201において、特定のモバイルデバイスが移動元セルから移動先セルに移動していることのインジケーションを受信することに続いて、移動元基地局が移動先基地局を識別することを更に含み、移動先セルは、移動元基地局公衆陸上モバイルネットワーク(PLMN)と異なるPLMNに属するものとして識別され、方法は、移動元基地局において、特定のモバイルデバイスから、移動先基地局において行われた測定値を受信することを更に含む。ブロック201及び101は、例えば特定のモバイルデバイスのロケーションに依拠して、時間的に重複する場合もしない場合もある。そのような例において、特定のモバイルデバイスを、移動元基地局と移動先基地局との間の中間情報源として用いることができる。
【0046】
図3は、別の例示的な方法300を示す。そのような例示的な方法300は、例示的な方法100又は200によるブロック101~105を含む。例示的な方法300は、ブロック301において、移動元基地局が、マルチアクセスエッジコンピューティングノード(MECノード)とデータを交換することを更に含み、MECノードは、ネットワーク開示機能(NEF)を用いてサイドリンクパケットトラフィックを監視しており、MECノードは、監視機能におけるエラー保護プロセスを調整する。ブロック301及び104は、例えば特定のモバイルデバイスのロケーションに依拠して、時間的に重複する場合もしない場合もある。いくつかの例において、特定のモバイルデバイスによって用いられる移動元サイドリンクリソースが共通サイドリンク特殊リソースであるとき、そのような共通サイドリンク特殊リソースが移動元サイドリンク又は移動先サイドリンクのうちのいずれか一方によって提供される通信よりも不良な通信品質及び/又は最大スループットを提供することに起因して、MECは、例えば、誤り保護を増大させることができる。これは共通サイドリンク特殊リソースが過渡的リソースとして意図されることに起因する。別の例(図示せず)では、方法は、ブロック101~105、並びにブロック201及び301の双方を含む。
【0047】
図1~
図3は、移動元基地局の観点から本開示による方法の例を示すのに対し、
図4は、移動先基地局の観点から本開示による例示的な方法400を示す。
【0048】
方法400は、移動元基地局によって運用される移動元セルのカバレッジから、移動先基地局によって運用される移動先セルのカバレッジに移動する特定のモバイルデバイスを含む複数の車両にサイドリンクリソースを提供する例示的な方法である。
【0049】
方法400は、ブロック401において、移動先基地局において、移動元基地局から、共通サイドリンク特殊リソースを移動先基地局と交渉することの要求を受信することを含み、移動元基地局及び移動先基地局はいくつかの共通リソースを有する。そのような要求は、移動元基地局から移動先基地局に直接送信することもできるし、移動元基地局及び基地局の双方が通信することができるネットワーク内の別のエンティティによって間接的に送信することもできる。いくつかの場合、そのような要求は、
図1~
図3のブロック102等におけるように、移動元基地局において、特定のモバイルデバイスが移動元セルのカバレッジから、移動先基地局によって運用される移動先セルのカバレッジに移動していることのインジケーションを受信することに応じて受信することができる。いくつかの場合、そのような要求は、移動元基地局において、特定のモバイルデバイスが移動元セルのカバレッジから、移動先基地局によって運用される移動先セルのカバレッジに移動していることのインジケーションを受信することと独立して受信され、そのような要求は、例えば、何らかの未来点における1つ以上の未確認の特定のモバイルデバイスの移動を予見して、又はこれに備えて受信される。
【0050】
方法400は、ブロック402において、移動先基地局によって、共通サイドリンク特殊リソースを移動元基地局と交渉することを含む。そのような交渉は、例えば、
図1~
図3のブロック103に記載のように行うことができる。交渉自体は、例えば、移動元基地局、移動先基地局又は別のネットワークエンティティのうちの1つ以上によって送信された関連データに基づいて、移動元基地局、移動先基地局又は別のネットワークエンティティのうちの1つ以上によって扱うことができる。
【0051】
方法400は、ブロック403において、移動先基地局において、特定のモバイルデバイスが移動元セルのカバレッジから、移動先基地局の移動先セルのカバレッジに移動していることのインジケーションを受信することを含み、特定のモバイルデバイスは、共通サイドリンク特殊リソースを運用している。そのようなインジケーションの受信は、いくつかの例において、移動元基地局から移動先基地局への特定のモバイルデバイスのハンドオーバ、又は移動先基地局への特定のモバイルデバイスのアクセス手順をトリガーすることができる。
【0052】
方法400は、ブロック404において、移動元基地局から移動先基地局への特定のモバイルデバイスのハンドオーバを完了させることも含む。いくつかの例において、このハンドオーバは、特定のモバイルデバイスが共通サイドリンク特殊リソースを用いている、したがって、他のモバイルデバイスと確実に通信する位置にある時点において行われる。
【0053】
方法400は、ブロック405において、移動先再構成イベントが生じるまで、移動先基地局によって、特定のモバイルデバイスによって運用される共通サイドリンク特殊リソースを維持することも含む。
【0054】
本開示による共通サイドリンク特殊リソースの使用は、永久的な通信リンクとして意図されるのではなく、過渡的通信リンクとして意図される。実際に、
図4のブロック406に示すように、例示的な方法400は、移動先基地局によって、特定のモバイルデバイスに提供されるサイドリンクリソースを、共通サイドリンク特殊リソースから移動先サイドリンクリソースに再構成することも含む。移動先サイドリンクリソースを用いることへのそのような再構成は、移動先セル内に特定のデバイスが位置するときに行うことができ、交通サイドリンク特殊リソースを用いた1つのセルから別のセルへの移動を扱う一方で、モバイルデバイスがそれぞれの移動元セル又は移動先セル内にあるとき、移動元サイドリンク又は移動先サイドリンクに頼ることを可能にする。しかしながら、いくつかの例において、モバイルデバイスは、不要な遷移を回避するために共通サイドリンク特殊リソースの使用を維持しながら、移動元セルと移動先セルとの間の中間セルを通過する場合があることに留意されたい。いくつかの例において、共通サイドリンク特殊リソースの使用は、特定のモバイルデバイスと、複数のモバイルデバイスのうちの他のモバイルデバイスとの間の場所に10秒未満存続する。いくつかの例において、共通サイドリンク特殊リソースの使用は、特定のモバイルデバイスと、複数のモバイルデバイスのうちの他のモバイルデバイスとの間の場所に5秒未満存続する。
【0055】
移動先サイドリンクリソース、移動先セル及び移動先基地局は、移動元サイドリンクリソース、移動元セル又は移動元基地局と同じ特性を有することができることに留意されたい。移動先サイドリンクリソース、移動先セル及び移動先基地局は、移動元サイドリンクリソース、移動元セル又は移動元基地局のいずれか1つと異なる特性を有することもできる。
【0056】
図5は、特定のモバイルデバイスの観点から本開示による例示的な方法500を示す。この例において、特定のモバイルデバイスは、移動元基地局カバレッジから移動先基地局カバレッジに移動し、サイドリンクリソースを用いて他のモバイルデバイスと通信し、サイドリンクリソースは、第1の段階において、移動元基地局によって管理される又は排他的に管理される移動元サイドリンクリソースであり、サイドリンクリソースは、第1の段階に続く第2の段階において、移動元基地局と移動先基地局との間で交渉されるサイドリンクリソースであり、サイドリンクリソースは、第2の段階に続く第3の段階において、移動先基地局によって管理される又は排他的に管理されるサイドリンクリソースであり、そのような連続段階は、モバイルデバイスが1つの基地局カバレッジから別の基地局カバレッジに移動する際の、これらのモバイルデバイス間のサイドリンク通信の断絶を低減又は回避することを目的とする。
【0057】
例示的な方法500は、移動元基地局によって運用される移動元セルのカバレッジから、移動先基地局によって運用される移動先セルのカバレッジに移動する特定のモバイルデバイスを含む複数のモバイルデバイスにサイドリンクリソースを提供する例示的な方法である。
【0058】
複数のモバイルデバイスのうちのモバイルデバイスは、いくつかの例において互いに後続する場合がある。特定のモバイルデバイスは、先行するモバイルデバイスと通信する場合がある。特定のモバイルデバイスは、後続のモバイルデバイスと通信する場合がある。
【0059】
いくつかの例において、特定のモバイルデバイスは、隊列を形成する複数のモバイルデバイスのうちの1つであり、本開示による方法は、異なる複数のモバイルデバイスに連続して適用される。なぜなら、そのような異なる複数のモバイルデバイスは、隊列が移動元セルから移動先セルに移動する際、互いに後続するためである。したがって、本開示による後続のモバイルデバイスは、更なる後続のモバイルデバイスとの関係において「特定のモバイルデバイス」とみなすことができる。隊列は、複数の自律接続車両から形成することができる。隊列は、6台以上の車両を含んでもよい。隊列は、11台以上の車両を含んでもよい。隊列を形成するモバイルデバイスは、3つ以上のセルにまたがっていてもよい。移動元セルから移動先セルにモバイルデバイスを遷移させる異なる方法を用いることに起因して更なるレイテンシを生じさせることになる他の通信解決策の使用と比較して、本開示による方法の使用により、隊列の全体変位速度を増大させることを可能にすることができる。
【0060】
例示的な方法500は、移動元基地局から、特定のモバイルデバイスにおいて、移動元サイドリンクリソースを受信するブロック501を含む。そのようなサイドリンクリソースは、移動元基地局によって動的に配分された無線リソース(「モード1」)、又は移動元基地局によりシグナリングするか若しくはユーザ機器(UE)において事前に構成することができるリソースのプールからそれぞれのモバイルデバイスに対応してUEによって自律的に取得されるリソース(「モード2」)とすることができる。
【0061】
例示的な方法500は、特定のモバイルデバイスによって、移動元サイドリンクリソースを運用して、複数のモバイルデバイスに含まれる少なくとも1つの他のモバイルデバイスとデータを交換するブロック502を含む。そのようなデータは、例えば、移動元サイドリンクによって接続されたモバイルデバイスを隊列として動作させることを可能にすることができ、そのようなモバイルデバイスは、サイドリンクを用いて互いに通信しながら同期された方式で移動し、それによって移動元基地局を伴うトラフィックを低減する。
【0062】
例示的な方法500は、ブロック503において、特定のモバイルデバイスが移動元セルから移動先セルに移動していることのインジケーションに続いて、移動元基地局から、移動元基地局と移動先基地局との間で交渉される共通サイドリンク特殊リソースを受信することを含み、移動元基地局及び移動先基地局はいくつかの共通リソースを有する。インジケーションは、例えば、
図1~
図3のブロック102において論考されたインジケーションに対応することができる。共通サイドリンク特殊リソースは、例えば、
図1~
図3のブロック103又は
図4のブロック402において交渉された共通サイドリンク特殊リソースに対応することができる。そのような受信は、いくつかの例において、そのような共通サイドリンク特殊リソースの使用への再構成を準備することを可能にする。
【0063】
例示的な方法500は、ブロック504において、特定のモバイルデバイスによって、少なくともサイドリンクリソースを、移動元リンクリソースから共通サイドリンク特殊リソースに再構成して、複数のモバイルデバイスに含まれる少なくとも1つの他のモバイルデバイスとデータを交換することを含む。
【0064】
いくつかの例において、ブロック504に従った、特定のモバイルデバイスによる、移動元サイドリンクの使用から、共通サイドリンク特殊リソースの使用へのそのような再構成を行い、別のモバイルデバイスと信号を交換することは、特定のモバイルデバイスが再構成メッセージを当該別のモバイルデバイス(例えば、後続のモバイルデバイス)に送信することを含む。再構成は、プロセスに参加する異なる要素間でいくつかの異なるメッセージを交換することを含むことができる。特定のモバイルデバイスは、移動元サイドリンクを用いて、再構成メッセージを少なくとも後続のモバイルデバイスに送信している場合がある。そのような再構成メッセージは、例えば共通サイドリンク特殊リソースを示す、又はそのような共通サイドリンク特殊リソースに対応する特定の構成選択番号若しくはコードを示す、共通サイドリンク特殊リソースを用いるための構成情報を含むことができる。
【0065】
ブロック504は、例えば、デバイスが移動元セルから出て移動先セル内に移動する際に行うことができる。ブロック504は、先行する車両又はモバイルデバイスが移動元セルから移動して出る際、先行するモバイルデバイス又は車両と特定のモバイルデバイス又は車両との間の通信における切断又はレイテンシを回避することを可能にする。特定のモバイルデバイスは、何らかの時点において、共通サイドリンク特殊リソースを用いて先行するモバイルデバイス又は後続のモバイルデバイスの一方と、及び移動元サイドリンクリソース又は移動先サイドリンクリソース等の他のサイドリンクリソースにより、先行するするモバイルデバイス又は後続のモバイルデバイスの他方と、の双方と通信することができ、これを、例えば、特定のモバイルデバイスに、対応するスケジューリング制約を自身のサービング基地局に対し示させることによって行うことができ、サービング基地局は、用いられるサイドリンクリソースが移動元サイドリンクリソースである場合、移動元基地局であり、用いられるサイドリンクリソースが移動先サイドリンクリソースである場合、移動先基地局である。特定のモバイルデバイスは、他の状況においても、対応するスケジューリング制約を自身のサービング基地局に示すことができる。
【0066】
いくつかの例において、ブロック504による再構成は、特定のモバイルデバイスが、移動元基地局から発せられるハンドオーバコマンドを受信することによってトリガーされる。そのようなハンドオーバコマンドは、移動元基地局によって運用されている移動元セルから移動先基地局によって運用されている移動先セルへ切り替えるためのハンドオーバコマンドとすることができる。
【0067】
いくつかの例において、ブロック504による再構成は、特定のモバイルデバイスが、移動元基地局から発せられる再構成コマンドを受信することを含む。移動元基地局から発せられる再構成コマンドは、例えば共通サイドリンク特殊リソースを示す、又は共通サイドリンク特殊リソースに対応する特定の構成選択番号若しくはコードを示す、共通サイドリンク特殊リソースのための構成情報を含むことができる。
【0068】
いくつかの例において、ブロック504による再構成の前に、共通サイドリンク準備ステップが先行し、共通サイドリンク準備ステップは、特定のモバイルデバイスから別のモバイルデバイスに共通サイドリンク準備メッセージを送信することを含み、共通サイドリンク準備メッセージは、共通サイドリンク特殊リソースに関連する共通サイドリンク構成情報を含む。そのような準備ステップに進むことで、通信断絶の低減に関与することができる。
【0069】
いくつかの例において、特定のモバイルデバイスは、共通サイドリンク特殊リソースの利用可能性をチェックすることに周期的に進む。そのような周期的チェックに進むことで、特定のモバイルデバイスが進行時に共通サイドリンク特殊リソースを更新することを可能にすることによって、通信断絶の低減に関与することができる。そのような周期的チェックは、少なくとも毎分1回行うことができる。そのような周期的チェックは、少なくとも10秒に1回行うことができる。
【0070】
例示的な方法500は、ブロック505において、移動元サイドリンクリソースから共通サイドリンク特殊リソースへのサイドリンクリソースの再構成に続いて、特定のモバイルデバイスにおいて、移動元基地局から移動先基地局へのハンドオーバを進めることを含む。これにより、共通サイドリンク特殊リソースの使用によって移動元セルから移動先セルへの遷移における通信断絶を回避又は低減しながら、ハンドオーバに進むことが可能になる。
【0071】
例示的な方法500は、ブロック506において、移動先再構成イベントが生じるまで、特定のモバイルデバイスにおいて、共通サイドリンク特殊リソースを維持することを含む。これにより、共通サイドリンク特殊リソースの使用が、例えば、特定のモバイルデバイスとサイドリンク通信状態にある他のモバイルデバイスが移動先セルのカバレッジ下に入り、それにより移動先サイドリンクリソースの信頼性のある使用が可能となるまで、サイドリンク通信断絶を回避するのに十分な時間にわたって維持されることを確実にすることができる。
【0072】
いくつかの場合、移動先再構成イベントは、
タイマの満了、
移動先セル内の複数のモバイルデバイスに属するいくつか又は全てのモバイルデバイスの存在の検出、
のうちの1つ以上を含む。
そのような例示的な移動先イベントは、例えば、タイマの場合、特定のモバイルデバイスが共通サイドリンク特殊リソースを用いた状態に無制限に留まることを回避することができる。そのような例示的な移動先イベントは、例えば、移動先セル内の複数のモバイルデバイスに属するいくつか又は全てのモバイルデバイスの存在を検出する場合、隊列のいくつか又は全てのメンバが移動先セルに再び入るまで、共通サイドリンク特殊リソースの使用の維持を可能にすることができ、それにより移動先サイドリンクリソース使用への切り替え時の誤通信のリスクを低減する。例えば、タイマの満了、又は移動先セル内の複数のモバイルデバイスに属するいくつか若しくは全てのモバイルデバイスの存在の検出のうちの最も早いものであるイベントを設計することによって、双方の要素を組み合わせることができる。例えば、モバイルデバイスの半分超の存在の検出、及び/又は移動先セル内の複数のモバイルデバイスに属する特定のモバイルデバイスの存在の検出等のそのようなイベントを定義するための多数の他のオプションが利用可能であり得る。
【0073】
例示的な方法500は、ブロック507において、特定のモバイルデバイスにおいて、少なくともサイドリンクリソースを、共通サイドリンク特殊リソースから、移動先基地局によって提供される移動先サイドリンクリソースに再構成することを含む。この例において、そのような再構成は、移動元セルから移動先セルへの遷移を最終的なものにし、例えば、共通サイドリンク特殊リソースよりも高い帯域幅を提供することができる移動先サイドリンクリソースの、特定のモバイルデバイスによる使用を可能にする。移動元サイドリンク及び移動先サイドリンクは、実際に、共通サイドリンク特殊リソースが本質的に過渡的に使用されることを目的としていることに起因して、共通サイドリンク特殊リソースよりも高い帯域幅を提供することができる。いくつかの例において、共通サイドリンク特殊リソースに関連するスケジューリング制約は、移動元サイドリンクリソース又は移動先サイドリンクリソースに関連するスケジューリング制約よりも制約が多い。
【0074】
図6は、別の例示的な方法600を示す。そのような例示的な方法600は、例示的な方法500によるブロック501~507を含む。例示的な方法600は、ブロック601において、特定のモバイルデバイスによって、移動元基地局に、
特定のモバイルデバイスロケーション情報、
複数のモバイルデバイスのメンバとしての特定のモバイルデバイスステータス、
複数のモバイルデバイスの識別子、
無線ネットワーク情報サービス(RNIS)からの情報、
複数のモバイルデバイスに含まれる別のモバイルデバイスからの報告のうちの1つ以上を含む状況更新、
サイドリンクトラフィック情報、
のうちの1つ以上を送信することを更に含む。
【0075】
ブロック601によるそのような送信は、例えば、移動元基地局に、送信情報を考慮に入れて、共通サイドリンク特殊リソースの特定のセットを別のものと選り分けて選ばせることを可能にすることができる。様々な利用可能な共通サイドリンク特殊リソースが、実際に、異なるロケーションベースの特性を有する場合があり、この場合、特定のモバイルデバイスロケーション情報を考慮に入れることにより、共通サイドリンク特殊リソースのロケーションに基づく選択を可能にすることができる。様々な利用可能な共通サイドリンク特殊リソースは、実際に、異なるスケジューリング制約特性を有する場合があり、この場合、複数のモバイルデバイスのメンバとして特定のモバイルデバイスステータスを考慮に入れることにより、例えば、別のものよりも少ないスケジューリング制約がある共通サイドリンク特殊リソースを、隊列リーダーのステータスを有する特定のモバイルデバイスに割り当てることを可能にすることができる。様々な利用可能な共通サイドリンク特殊リソースは、実際に、異なる利用可能な帯域幅特性を有する場合があり、この場合、複数のモバイルデバイスの識別子を考慮に入れることにより、例えば、別のものよりも高い帯域幅を提供する共通サイドリンク特殊リソースを、比較的多数のモバイルデバイスを含む隊列又は複数の車両に割り当てることを可能にすることができる。
【0076】
例示的な方法600はまたブロック602を含み、特定のモバイルデバイスは、移動元サイドリンクリソースを用いて、複数のモバイルデバイスに含まれる別のモバイルデバイスから、
信号測定情報、
サイドリンクトラフィック情報、
のうちの1つ以上を受信する。
【0077】
そのような信号測定情報を受信することは、例えば別のモバイルデバイスが先行するモバイルデバイスである場合に、例えばハンドオーバのための準備ができた状態になることを可能にすることができる。そのような場合、先行するモバイルデバイスは、例えば、移動元基地局から受信した信号の劣化を観測し、そのような劣化を特定のモバイルデバイスに通信することができる。類似の推論がサイドリンクトラフィック情報に当てはまる。
【0078】
例示的な方法600はまたブロック603を含む。特定のモバイルデバイスにおいて、移動元基地局から移動先基地局へのハンドオーバを進めることは、特定のモバイルデバイスが、共通サイドリンク特殊リソースを通じて、複数のモバイルデバイスに含まれる別のモバイルデバイスにハンドオーバ情報及び/又はハンドオーバコマンドを送信することを更に含む。これは、例えば、特定のモバイルデバイスが、他のモバイルデバイスを含む隊列のリーダーのステータスを有するときに生じる場合がある。これは、基地局とのトラフィックの低減を可能にする。
【0079】
ブロック601、602又は603に関連する動作は、同じ方法に属する場合も属しない場合もあるが、そのような動作は、いくつかの場合、互いに独立して行われることに留意されたい。
【0080】
図7A~
図7Cは、本明細書による例示的な方法を適用する3つの異なる段階における移動元基地局701、移動先基地局702及びモバイルデバイス710~714を示す。適宜、読みやすさのために、
図7A~
図7Cにおいて参照符号は繰り返されない。
【0081】
本明細書の以下のセクションにおいて、本明細書による方法の動作の例が検討される。用いられる語彙は、特定の例示的な分野における適用を反映することができる。いくつかの例において、移動元基地局は、移動元gNB、すなわち論理5G無線ノードに対応している。いくつかの例において、移動先基地局は、ターゲット基地局又はターゲットgNBである。いくつかの例において、モバイルデバイスは、車両、又はUE、又は隊列メンバである。いくつかの例において、複数の車両は1つ以上の隊列を含む。
【0082】
図7Aにおいて、複数のモバイルデバイス710~714は、隊列を形成する自動車又は車両等の車両である。そのような車両は、この例において、車両とあらゆるものとをつなぐ(V2X)システム、例えばNR(新無線)V2Xシステムを用いて通信することができる。隊列内のいくつかの車両、この例では特に車両711及び713は、それぞれの無線Uuインタフェース721及び723を介して移動元基地局701に接続される。車両711及び713は、RRC(無線リソース制御)接続状態にある。車両710、712及び714は、移動元サイドリンクを用いて別の車両に接続されたRRCアイドルメンバであるか、又はより一般的には、サイドリンク通信の必要性のためにUuリンクを介してgNB701と通信していない車両である。車両710は、731によって示されるサイドリンク通信を介して車両711に接続される。車両712及び714はそれぞれ、733によって示されるサイドリンク通信を介して車両713に接続される。いくつかの場合、車両713は、車両712、713及び714から形成される隊列のための隊列リーダーである。車両713の主導的役割がサイドリンク通信733によって示されている。いくつかの場合、車両711は、車両711及び710から形成される隊列のための隊列リーダーである。車両711の主導的役割がサイドリンク通信731によって示されている。いくつかの場合、例えば、リーダー713及びサブリーダー711を含む全ての車両710~714が単一の隊列を形成し、全ての車両がリンク760によって示されるサイドリンクリソースを共有する。他の場合、車両のいずれにも主導的役割が割り当てられないか、又は主導的役割は
図7に表されていない車両に割り当てられる。サイドリンクリソース760は、
図7Aにおいて移動元サイドリンクリソースに、
図7Bにおいて共通サイドリンク特殊リソースに、
図7Cにおいて移動先サイドリンクリソースに対応し、移動元基地局701から移動先基地局702へのモバイルデバイス710~714へのハンドオーバを通じてサイドリンクがどのように維持されるかを示す。
【0083】
様々なリソース配分方式又はリソース配分モードを用いてサイドリンクを確立することができる。
【0084】
隊列又は複数のモバイルデバイスは、移動元サイドリンク通信に配分されたリソースを制御する移動元gNB又は移動元基地局701のカバレッジ下又は部分カバレッジ下にあることができる。現在定義されているNRリソース配分方式を用いて、移動元サイドリンク配分は、例えば、モード2の下で(例えば、より具体的には、モード2dの下で)、及び場合によってはモード1の下で行うことができる。
【0085】
隊列メンバ、又は複数のモバイルデバイスに属するモバイルデバイスが、リソース配分モードとしてNRモード1を用いるように構成される場合、NR Uuは、(i)NR UuとNR SL(サイドリンク)との間で共有されるライセンス付与されたキャリア、及び(ii)NR SLに専用のキャリア、の場合についてNR SLリソースを割り当てることができる。以下の技法は、リソース配分モード1:動的リソース配分並びに構成された許可タイプ1及びタイプ2、についてサポートすることができる。この場合、移動元gNB701は、隊列の各メンバに個々にリソースを割り当てる。移動元gNBは、いずれの個々のUE又はモバイルデバイスが隊列のメンバであるかを認識することができる。各隊列メンバは、Uuリンクを介してRRC接続することができる(
図7A~
図7Cにおいて、711及び713のみがUuリンクを介してRRC接続されているものとして示されるが、例えば、隊列の全てのメンバがUuリンクを介してサービング基地局に接続された他の構成(ここには示されていない)が検討されてもよく、サービング基地局は、移動元セルにキャンプインしているとき、移動元基地局であり、移動先セルにキャンプインしているとき、移動先基地局である)。
【0086】
隊列メンバ、又は複数のモバイルデバイスに属するモバイルデバイスが、NRモード2(又は例えばより具体的にはモード2d)をリソース配分モードとして用いるように構成される場合、グループベースのSL通信との関連において、713等のUEは、自身のサービングgNB(この場合は移動元基地局701)に、複数のメンバうちのメンバUE-B(例えばモバイルデバイス712)、UE-C(例えばモバイル714)等(更なるそのようなメンバはここでは示されていない)について通知することができ、サービングgNBが個々のリソースプール構成及び/又は個々のリソース構成を、リーダーとして振る舞うUE-Aを通じて各グループメンバに提供するために、移動元基地局から、移動元基地局とのその直接接続を介して関連サイドリンクリソース構成データを受信し、そのような情報を、移動元サイドリンク通信を介して他の車両に転送する。この例において、UE-Aは構成を変更せず、712及び714等の任意の他のメンバUEと移動元gNBとの間に直接接続が必要ない。より上位層のシグナリングを用いて構成を提供してもよい。そのような機能性は、UE能力次第とすることができる。この場合、少なくとも1つの隊列メンバ(例えば、モバイルデバイス713に対応するUE-A)が、移動元基地局701とのUuリンク723を介してRRC接続状態にある。
【0087】
可能なNRリリースにおいて、リソース配分の向上により、代替的なリソース配分モードを可能にすることができる。例えば、UEは他のUEをスケジューリングすることができ、例えば、隊列メンバUE-Aは、個々のサイドリンクリソース構成を隊列メンバUE-B、UE-C等に提供することができる。リソースは、UE-AがそのサービングgNBによってスケジューリングUEとして割り当てられたリソースのグループの一部とすることができる。UE-Aは、例えば、隊列管理者又は隊列リーダーとして選択することができる。この場合、1つの隊列メンバ(UE-A)は、Uuリンクを介してRRC接続状態にあることができる。
【0088】
車両710~714が漸進的に移動元基地局又は移動元gNB701のカバレッジから離れて移動する際、移動元gNB701は、少なくとも隊列メンバ、例えば車両713が、移動元gNB701のカバレッジから、ターゲットgNB又は移動先gNB702のカバレッジ内へ出発することの知識を取得する。ターゲットgNB又は移動先gNB702は、本明細書に記載の方法による例示的な移動先基地局である。移動元gNBがこの知識を取得することを可能にするプロセスは、隊列内でサイドリンク通信を扱うために利用されるリソース配分方式に依拠することができる。
【0089】
第1の例示的なリソース配分方式(ここでは示されていない)の下で、全ての隊列メンバは、移動元基地局とのUuリンクを介してRRC接続モードにあり、NR手順に従って、自身がキャンプオンする移動元gNB(ここでは移動元基地局)に、現在のセル及び近傍のセル(例えば移動先セルを含む)におけるリンク品質の測定値(例えば、受信信号受信電力(RSRP)又は受信信号受信品質(RSRQ))を周期的に報告する。隊列動作のためにサイドリンクリソースを正しくスケジューリングするために、また、現在の方法を達成するために、移動元gNBは、隊列メンバとしてのUEステータスの知識を取得することができる。隊列走行は、アプリケーション層によって扱うことができ、gNBを含む無線アクセス技術ネットワーク(RAN)は、必ずしも隊列構成を認識していない場合がある。UE(又は特定のモバイルデバイス)は、隊列メンバとしての自身のステータス及び隊列アイデンティティの知識を有する。いくつかの場合、移動元基地局によって、少なくとも、隊列メンバが、移動元gNBのカバレッジから出発することの知識を取得することは、関連するUE又はモバイルデバイスが、移動元gNBに、隊列メンバとしての自身のステータスに関する情報及び隊列アイデンティティの情報を報告するステップを含むことができる。このため、移動元gNBは、別のgNB、例えば移動先基地局のカバレッジエリアに向かって出発している隊列メンバを正しく識別し、本明細書に記載の方法によるハンドオーバプロセス中にサイドリンク通信を保持する手段を取る位置にある。
【0090】
マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)ノード740は、移動元基地局によって、少なくとも、隊列メンバが移動元gNBのカバレッジから出発することの知識を取得するプロセスにおいて用いることができる。MECは、いくつかの場合、ユーザプレーン機能UPF741を通じたポイントツーポイントインタラクションN3を通じて双方の基地局701及び702に接続することができる。MEC740は、ロケーションアプリケーションプログラムインタフェース(API)を用いて、例えば移動元gNB701からターゲットgNB又は移動先gNB702に、モバイルデバイス713等の隊列UEのハンドオーバのイベントを検出することができる。いくつかの場合、隊列メンバをMECノード470におけるマルチキャストグループに登録することができる。RSRP/RSRQ測定値が閾値を上回っているとき、各隊列UE710~714は、自身の新たなロケーション、すなわちターゲットgNBをMECノードのロケーションサーバに報告することができる。そのようなRSRP/RSRQ閾値は、隊列UE間のサイドリンクを介したトラフィックに依拠して固定又は変更することができる。このようにして、位置を報告することに起因したシグナリングを低減又は調整することができる(そのようなシグナリングは閾値の適用に限定される)。
【0091】
いくつかの場合、UE又はモバイルデバイスは、gNBに、隊列メンバとしての自身のステータスに関する情報、及び隊列アイデンティティの情報を、条件付きで、すなわち或る特定の条件が満たされたとき、例えば近傍セルのRSRPが現在のセルのRSRPよりも強力であるときに報告することができる。これにより、全体シグナリングが低減又は調整される。
【0092】
第2の例示的なリソース配分方式の下で、いくつかの隊列メンバは、第1の例示的なリソース配分方式に従って上記で説明したように、Uuリンクを介してRRC接続状態にある場合があり、自身のサービング基地局に情報を直接提供することができ、Uuリンクを介してRRCアイドル状態にある他の隊列メンバ(モバイルデバイス710、712及び714等)は、RRCアイドル状態にあるメンバの状況の変化について、サイドリンクを介して、RRC接続されたUE(例えば、モバイルデバイス711又は713)に通知することができる。そのような状況の変化は、例えば、以下のうちの1つ以上を含む。
-近傍セルのRSRPが現在のセルのRSRPよりも所定の閾値だけ高い、及び/又は、
-現在のセルのRSRPが所定の閾値未満である、及び/又は、
-用いられている現在のリソースに対するターゲットセルからの干渉に起因してQoS(サービス品質)が低下する。
したがって、通知を受けたRRC接続されたUE(又は隊列内の別のRRC接続されたUE)は、以下のうちの1つ以上に基づいて、状況の変化を移動元gNBに通知することができる。
-RRCアイドル状態のUE又はメンバからの報告、及び/又は、
-RRCアイドル状態のいくつかのUE又はメンバからの同意報告、及び/又は、
-RRC接続されたUEの独自の測定値、及び/又は、
-MECノード内に位置する無線ネットワーク情報サービス(RNIS)からの、無線情報APIを通じてアクセスされる情報。RNISは、ノードの測定ステータス、又は隊列メンバの無線アクセスベアラ(RAB)ステータス等のネットワーク内のQoS状況のいずれかを送信することができる。
RRCアイドル状態のメンバは、セル再選択に進む前に、タイマをセットし、通知を受けたRRC接続されたUEからの(又は隊列内の別のRRC接続されたUEからの)サイドリンク再構成を待機することができる。いくつかの場合、そのようなタイマが満了し、再構成命令が受信されておらず、かつサイドリンクQoSが所与の閾値(例えば構成された又は事前構成された閾値)未満である場合、RRCアイドル状態のメンバは、隊列ハンドオーバの失敗を報告することができる。
【0093】
第3の例示的なリソース配分方式の下で、状況は、上記の第2の例示的なリソース配分方式に類似しているが、全ての隊列メンバが、Uuリンクを介した移動元基地局との自身のRRC接続状態に関わらず、隊列管理者又は隊列リーダーに状況の変化を報告する点が異なる。隊列管理者又は隊列リーダーは、ロケーションサービスにおける情報、及び移動元又はターゲット(すなわち、移動先)gNBに接続されたMECノード内に位置するRNISにおける情報を更新することができる。隊列管理者によって送信される情報は、独自の情報(測定ステータス、アタッチされたgNB、QoSステータス等)又は隊列の他のUEの情報のいずれかである。
【0094】
いくつかの例において、移動元gNBは、隊列メンバ間のサイドリンクトラフィックの知識を取得する。いくつかの場合、少なくとも1つのUE又はモバイルデバイスが、移動元gNBに、サイドリンクパケットトラフィックの優先度に関して通知する。パケット優先度は、UEに接続されたアプリケーション層によって設定することができる。例えばLTEでは、関連PSSCH(物理サイドリンク共有チャネル)上のデータ送信のために用いられるリソース配分を示すのに用いられるPSCCH(物理サイドリンク制御チャネル)上で送信されるSCIフォーマット1(サイドリンク制御情報)に3ビット優先度フィールドを含めることができる。NRでは、類似のメカニズムを定義することができる。共通サイドリンク特殊リソースを移動先基地局と交渉し、隊列ハンドオーバを開始する観点において、いくつかの場合、移動元基地局が現在のサイドリンク優先度トラフィックの量に関する(及び場合によっては、いくつかの場合にサイドリンクを介して必要とされる優先度トラフィックの最小量に関する)情報を有することが有用である場合がある。アプリケーションパケット及び/又はセッションパラメーターのトラフィックに関するパケット優先度及び/又は他の関連情報は、MECノード内に位置するトラフィック制御ノードによって移動元gNBに送信することができ、ロケーションアプリケーションから得られた隊列メンバの位置の知識に基づくことができる。いくつかの場合、UuリンクRRC接続モードにおけるモバイルデバイス又はUEは、カバレッジ状況の変化の検出時、及び/又は同じ隊列内の同じ若しくは異なるUEの報告によってトリガーされた移動元gNBによる要求時に、サイドリンクトラフィック情報(量、優先度)を移動元gNBに報告する。いくつかの場合、そのような報告の前に、UEは、(例えば、近傍UEのバッファーステータス報告を要求することによって、又は同じ隊列内の他のUEからの情報を中継することによって)他のUEからのサイドリンクトラフィックに関する情報を取得することができる。
【0095】
接続750によって
図7A~
図7Cに表されているように、移動元gNB(すなわち、移動元基地局)701は、共通サイドリンク特殊リソースをターゲットgNB(すなわち、移動先基地局701)と交渉する。直接接続750として表されているが、そのような接続は、ネットワークを通じた間接的なものであってもよく、永久的な接続でなくてもよい。
【0096】
いくつかの例において、移動元gNB(すなわち、移動元基地局701)が共通サイドリンク特殊リソースをターゲットgNB(すなわち、移動先基地局702)と交渉するとき、交渉は、ターゲットgNB702が、近傍のgNBの中から移動元gNB701によって識別されることを含み、これは、上述したように、移動元基地局が、少なくとも隊列メンバ、例えば車両713が移動元gNB701のカバレッジからターゲットgNB又は移動先gNB702のカバレッジ内に出発することの知識を取得したことに基づく。ターゲットgNB702が、移動元gNB701と異なる公衆陸上モバイルネットワーク(PLMN)のメンバである場合、UE又は特定のモバイルデバイスは、移動元gNB701及びターゲットgNB702に接続されたネットワーク又はMECノード740によってターゲットgNB702における測定を行うように構成される。
【0097】
移動元基地局及びターゲット基地局は、同じ周波数又は異なる周波数に沿って動作することができ、同期される場合もされない場合もある。現行の方法は、双方の基地局間で、例えば、NR Uuと移動元移動先基地局によって扱われるNR SLとの間で共有されるライセンス付与されたキャリアのスペクトルの共通部分において、又は少なくともリソースの一部が移動元基地局及び移動先基地局によって共同で扱われ得るNR SLに専用のキャリアにおいて、共通リソースを得ることができる場合に関する。そのようなリソースが存在しないとき、本明細書に記載のように、共通サイドリンク特殊リソースを含まない場合がある代替的な解決策を検討することができる。交渉の観点において移動元基地局と移動先基地局との間で交渉される情報は、以下の要素のうちの1つ若しくはいくつかを含むことができるか、又は事前に構成することができる。
-周波数領域リソースの量、及び/又は、
-時間領域リソースの量、及び/又は、
-共通サイドリンク特殊リソースを用いることができる時間の経過(例えば、タイマ)、及び/又は、
-地理的に制限された制約(例えば、共通サイドリンク特殊リソースは、UE又はモバイルデバイスのロケーションにおいて条件付きで用いることができる)、及び/又は、
-移動元/移動先基地局によって提供される同期に対する共通リソースの時間/周波数差。
いくつかの場合、隊列に関する情報(隊列アイデンティティ、隊列メンバ、隊列トラフィック、隊列UEコンテキスト等のうちの1つ以上)を、リソース交渉手順の一部として、又はハンドオーバ手順の拡張としてのいずれかで移動元基地局と移動先基地局との間で転送することもできる。共通サイドリンク特殊リソースが完全に事前構成されているとき、交渉は、共通サイドリンク特殊リソースを用いることの承認/拒否を含むことができる。共通サイドリンク特殊リソースは、移動元基地局又は移動先基地局の例外リソースを含む場合も含まない場合もある。しかしながら、例外リソースは、高優先度を有するトラフィックが生じ得ることを保証しない場合がある。なぜなら、そのような例外リソースはかなり制限されており、衝突なしでない場合があるためである。いくつかの場合、例外リソースは、移動元サイドリンクリソース又は移動先サイドリンクリソース等の通常のサイドリンクリソースとして利用可能なリソースと別個である。
【0098】
交渉が完了すると、移動元gNB701は、いくつかの場合、共通サイドリンクリソースへの隊列サイドリンク通信の再構成に進むことができる。移動元gNBは、上記で説明したようなリソース配分方式を適用し、モバイルデバイス711及び713等のUuリンクのRRC接続されたメンバの場合、直接的に、又は710、712及び714等のRRCアイドルメンバの場合、及び/又は隊列管理者若しくは隊列リーダーの責任下の隊列メンバの場合、(スケジューリングUE又はモバイルデバイスを通じて)間接的に、そのカバレッジ下で隊列メンバのサイドリンク通信を再構成することができる。移動元gNB及び/又は地理的制限及び/又は任意の他の情報によって提供される同期に関する共通サイドリンク特殊リソースの時間/周波数差に関する情報は、リソース配分プロセスの一部として含めることができる。
【0099】
いくつかの例において、移動先基地局に向けたハンドオーバ手順を加速するために、その移動先基地局に関連する情報を、リソース配分プロセスの一部として転送することができる。そのような情報は、リソースプール構成、現在の同期及び/又は構成された共通リソースに対する時間/周波数同期オフセットを含むことができる。
【0100】
いくつかの場合、アプリケーション層は、サイドリンクサービス品質の一時的な劣化に関して通知される。MECノード又は任意の他のアプリケーション機能は、ネットワーク開示機能(NEF)を通じて、ネットワーク内のアプリケーションパケットトラフィックのステータスを周期的に監視することができる。いくつかの場合、MECノードが、隊列メンバの状態の変化及び/又はサイドリンクにおけるアプリケーションパケットの受信の品質の低下を検出する場合、又はサイドリンク品質の予期される一時的劣化についてアクセスネットワーク(AF)又はNEFによって通知される場合、以下を行うことができる。
-MECノードは、例えば、MECにおいてトラフィック制御ノードにおいて適用される消去補正コードのパラメーターを調整することによって、アプリケーションパケットに対する誤り保護を増大させることができ、及び/又は、
-MECノードは、アプリケーションパケットの受信品質を改善するために、例えば、ストリームスループットを低減するか又はパケットをバッファリングすることによって、アプリケーションパケットに対する誤り保護を増大させることができ、及び/又は、
-MECノードは、ハンドオーバ中に重大なサイドリンク情報を送信するために、移動元基地局と移動先基地局との間で共通リソースを構成することができる。移動先基地局は、セル内の他のユーザ端末のパケットをバッファリングするように構成することができる。
【0101】
図7Bは、1つの特定のモバイルデバイス713が移動先基地局702にハンドオーバされる一方で、別の特定のモバイルデバイス711が移動元基地局701のカバレッジ下に留まっている間に、共通サイドリンク特殊リソースを用いることができる状況を示す。
【0102】
実際に、移動元基地局は、1つ又はいくつかの隊列メンバ又はモバイルデバイスのハンドオーバ手順(及び/又はセル再選択)をトリガーすることができる。711及び713等の、Uuリンクを介してRRC接続状態にあるUE(すなわち、隊列メンバ又はモバイルデバイス)について、移動元基地局701によってハンドオーバコマンドを発行することができる。ハンドオーバコマンドは直接であってもよく、後の時点に延期されてもよい。例えば、条件付きハンドオーバコマンドを発行することができ、UEは、或る特定の条件が満たされるとき、Uuリンクのハンドオーバを行う。例えば、UEは、ターゲットセルへのリンク品質が或る特定の閾値を超えると、ハンドオーバを実行することができる。別の例において、UEは、タイマが満了するとハンドオーバを実行することができる。複数のUEから移動先基地局への同時のアクセス要求を回避するために、異なるUEに異なるタイマをセットすることができる。
【0103】
Uuリンクを介してRRC接続モードにあるUEは、他のUE(場合によっては、Uuリンクを介してRRCアイドルモードにある)をスケジューリングし、自身がスケジューリングするUEにハンドオーバコマンドに関する情報を転送することができる。いくつかの場合、隊列管理者は、移動先基地局による明示的なハンドオーバ許可がない場合、共通サイドリンク特殊リソースを用いるように他のUEをスケジューリングすることを継続するタイマを構成される(又はタイマのデフォルト値を用いる)。
【0104】
いくつかの場合、Uuリンクを介したRRC接続状態になく、別のUE(例えば、モード2dにおける、又は例えば隊列管理者を介した、移動元基地局構成を中継するようなUE)を通じて間接的に自身のリソース配分を得ることができるUEの場合、セル再選択プロセス又は移動先基地局へのハンドオーバは、スケジューリングUE又は隊列リーダーによって転送された指示に従うことができる。
【0105】
いくつかの場合、移動先基地局は、リソース交渉手順の一部として、又はハンドオーバ手順の拡張としてのいずれかで、移動元基地局と移動先基地局との間で転送することもできる、アイデンティティ、メンバ、トラフィック又はUEコンテキストのうちの1つ以上を含む、隊列メンバに関する情報及び/又は隊列に関する情報を取得する。
【0106】
いくつかの場合、移動先基地局は、そのカバレッジエリアの下での隊列メンバの存在についての知識を取得する。RRC接続状態にあるUE(例えば、713)の場合、移動先基地局702は、UEが通常手順に従ってセルにおけるアクセスを要求するとき、自身のカバレッジエリア下のそれらのUEの存在についての知識を取得する。712又は714等の他のUEのハンドオーバのスケジューリングは、スケジューリングUEが移動先基地局にアクセスするときに、そのようなスケジューリングUE713が、そのようなスケジューリングされたUEのアイデンティティに関して移動先基地局に通知することによって行うことができる。
【0107】
図7Cに示すように、移動先基地局702は、移動先サイドリンクリソースへの隊列サイドリンク通信を再構成する。移動先基地局702は、本明細書に記載のリソース配分方式又はモード等の所望の配分方式に従って移動先サイドリンクリソースへの隊列サイドリンク通信を再構成することができる。そのような再構成は、例えば、ターゲットgNB(すなわち、移動先基地局)カバレッジ下として、いくつかの、全ての、又は特定の隊列メンバが検出されると行うことができる。そのような再構成は、例えば、隊列の全てのメンバがターゲットgNBのカバレッジに達していない場合であっても、タイマが満了すると(そのようなタイマは、例えば、交渉されたタイマ、デフォルトタイマ、又は第1の隊列メンバがターゲットgNBへのアクセスを要求すると設定されるタイマとすることができる)行うことができる。
【0108】
いくつかの場合、アプリケーション層は、移動先サイドリンクリソースの使用等の通常のサービス品質を有する通常のサイドリンク通信の復元(restauration)について通知される。MECノード又は任意の他のアプリケーション機能は、ネットワーク開示機能(NEF)を通じて、ネットワーク内のアプリケーションパケットトラフィックのステータスを周期的に監視することができる。いくつかの場合、MECノードが、隊列メンバの状態の変化及び/又はサイドリンクにおけるアプリケーションパケットの受信の品質の低下を検出する場合、又はサイドリンク品質の予期される一時的劣化についてアクセスネットワーク(AF)又はNEFによって通知される場合、以下のオプションが可能であり、これらを組み合わせることができる。
-MECノードが公称パラメーター値に対しアプリケーションパケットにわたる誤り保護を調整する。これは、例えば、MECにおけるトラフィック制御ノードに適用された消去補正コードのパラメーターを調整することによって行うことができる。
-MECノードは、アプリケーションパケットの受信品質を改善するために、例えば、ストリームスループットを増大させるか又はパケットをバッファリングすることによって、アプリケーションパケットに対する誤り保護を調整する。
-MECノードは、ハンドオーバ中にサイドリンクパケットを送信するために、移動元基地局と移動先基地局との間で共通リソースを構成する。
【0109】
基地局701若しくは702のいずれか一方、又はモバイルデバイス710~714のいずれか1つは、プロセッサ、メモリ及びネットワーキングモジュールを備えることができ、プロセッサは、本明細書に記載の方法のうちの任意のものに従って動作するように構成される。モバイルデバイスのいくつかの例において、ネットワーキングモジュールは、単一の無線ネットワーキングモジュールである。プロセッサは、オペレーティングシステムによって管理される計算のための電子回路を含むことができる。
【0110】
基地局701若しくは702のいずれか一方、又はモバイルデバイス710~714のいずれか1つは、例えばメモリ又はストレージユニット等の非一時的機械可読媒体又はコンピュータ可読ストレージ媒体を備えることができ、非一時的機械可読ストレージ媒体は、プロセッサによって実行可能な命令により符号化され、機械可読ストレージ媒体は、本明細書に記載の例示的な方法のうちの任意のものに従って機能するようにプロセッサを動作させる命令を含む。
【0111】
本開示によるコンピュータ可読記憶装置は、実行可能な命令を記憶する任意の電子、磁気、光又は他の物理的記憶デバイスであり得る。コンピュータ可読記憶装置は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、記憶ドライブ、及び光ディスク等であり得る。本明細書によって説明されるように、コンピュータ可読記憶装置は、本明細書によって説明される方法による実行可能命令で符号化され得る。
【0112】
記憶装置又はメモリは、本明細書によって説明されるような実行可能命令を記憶する任意の電子、磁気、光又は他の物理的記憶デバイスを含み得る。