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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】キッチンナイフ
(51)【国際特許分類】
   B26B 3/00 20060101AFI20230915BHJP
   B25G 1/10 20060101ALI20230915BHJP
   B25G 1/00 20060101ALI20230915BHJP
【FI】
B26B3/00 C
B25G1/10 D
B25G1/10 F
B25G1/00 F
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023018271
(22)【出願日】2023-02-09
【審査請求日】2023-05-26
(31)【優先権主張番号】2213389
(32)【優先日】2022-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ ペリエ
(72)【発明者】
【氏名】ステファン プリション
(72)【発明者】
【氏名】ステファン スーシェ
【審査官】マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-102965(JP,U)
【文献】米国意匠特許発明第00937049(US,S)
【文献】特開2005-198972(JP,A)
【文献】米国意匠特許発明第00581731(US,S)
【文献】米国特許出願公開第2022/0105646(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 3/00
B25G 1/10
B25G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナイフであって、
- 背(11)と、前記背(11)とは反対側の切断エッジ(12)とを有する刃(1)であって、前記刃(1)は、末端部(13)と基端部(14)との間で長手方向(L)に沿って長手方向平面内に延びている、刃(1)、
- 前記長手方向(L)に沿って前記刃(1)の前記基端部(14)から延びる柄(2)であって、前記柄(2)は、前記刃(1)の前記基端部(14)に接続された接合部部分(100)と、前記接合部部分(100)から延びる主把持部分(200)とを有し、前記主把持部分(200)は、
前記長手方向平面において前記背(11)の延長部上に実質的に延びる上部分(221)、
前記長手方向平面内に延びていて前記上部分(221)とは反対側の下部分(222)、
前記長手方向平面の各側部にそれぞれ設けられていて前記上部分(221)と前記下部分(222)との間に延びる2つの脇部(23)、を有し、
各脇部(23)は、前記上部分(221)に接続された上脇部分(2231)と、前記下部分(222)に接続された下脇部分(2232)とで形成され、前記上脇部分(2231)は、横断方向に突出していて前記長手方向平面に対して横断方向に前記脇部の最も外側の領域を構成する把持稜線部(2233)によって前記下脇部分(2232)に接続されている、柄、を備え
前記柄(2)の前記主把持部分(200)は、前記接合部部分(100)から長手方向平面内に延びていて前記下部分(222)と前記上部分(221)との間に形成される長手方向の広がり角度αによって規定される長手方向の広がりを呈する形状を有し、前記長手方向の広がり角度αは3°~8°で構成される固定値を有し
前記上部分(221)及び前記下部分(222)は、それぞれ直線に沿って延びており、各把持稜線部(2233)は直線に沿って延びており、
前記接合部部分(100)は、
前記長手方向平面において前記背(11)の延長部上に実質的に延びる上接合部部分(121)であって、前記上接合部部分(121)は、前記背(11)を前記主把持部分(200)の前記上部分(221)に接続している、上接合部部分(121)、
前記長手方向平面内に延びていて前記上接合部部分(121)とは反対側の下接合部部分(122)であって、前記下接合部部分(122)は、刃(1)の基端部(14)を主把持部分(200)の下部分(222)に接続している、下接合部部分(122)、
前記長手方向平面の各側部にそれぞれ設けられていて前記上接合部部分(121)と前記下接合部部分(122)との間に延びる2つの接合部脇部(123)、であって、各接合部脇部(123)は、前記上接合部部分(121)に接続された上接合部脇部分(1231)と、前記下接合部部分(122)に接続された下接合部脇部分(1232)とで形成され、前記上接合部脇部分(1231)は、横断方向に突出していて前記長手方向平面に対して横断方向に前記接合部脇部の最も外側の領域を構成する接合部把持稜線部(1233)によって前記下接合部脇部分(1232)に接続されている、2つの接合部脇部(123)、を備え、
前記長手方向(L)に沿った所与の位置における前記下接合部部分(122)と前記上接合部部分(121)との間の前記長手方向平面における距離が、接合部高さ(HJ)を規定し、前記長手方向(L)に沿った所与の位置における前記下接合部部分(122)と前記接合部把持稜線部(1233)の前記長手方向平面における射影との間の距離が、下接合部偏向量(FiJ)を規定し、前記下接合部偏向量(FiJ)と前記接合部高さ(HJ)との間の比が、前記刃(1)から開始して前記主把持部分(200)の方向に前記長手方向(L)に沿って減少している、ナイフ。
【請求項2】
前記長手方向の広がり角度αは、3.5°~5.5°で構成される固定値を有する、請求項1に記載のナイフ。
【請求項3】
前記柄(2)の前記主把持部分(200)は、前記接合部部分(100)から延びていて前記柄(2)の前記主把持部分(200)の前記脇部(23)の2つの前記把持稜線部の間に形成される横断方向の広がり角度βによって規定される横断方向の広がりを呈する形状を有し、前記横断方向の広がり角度βは1°~5°で構成される固定値を有する、請求項1に記載のナイフ。
【請求項4】
前記横断方向の広がり角度βは、1.5°~4°で構成される固定値、好ましくは2°~3°で構成される固定値を有する、請求項に記載のナイフ。
【請求項5】
前記接合部部分(100)との接続部のレベルにおける前記主把持部分(200)の柄高さ(H)は、17mm~22mmで構成される値、好ましくは18mm~21mmで構成される値を有し、より好ましくは20mmのオーダーである、請求項1に記載のナイフ。
【請求項6】
前記柄(2)の前記接合部部分(100)は、前記長手方向平面において前記刃(1)から延びていて前記下接合部部分(12)と前記上接合部部分(121)との間に形成される長手方向の接合部広がり角度αJによって規定される長手方向の広がりを呈する形状を有し、前記上接合部部分(121)は直線に沿って延びており、前記下接合部部分(122)は凹み変化が存在する変曲点を有する曲線に沿って延びており、前記長手方向の接合部広がり角度αJは前記変曲点において15°~20°で構成される固定値を有する、請求項に記載のナイフ。
【請求項7】
前記柄(2)の前記接合部部分(100)は、前記刃(1)から延びていて前記柄(2)の前記接合部部分(100)の2つの前記接合部把持稜線部(1233)の間に形成された横断方向の接合部広がり角度βJによって規定される横断方向の広がりを呈する形状を有し、各接合部把持稜線部(1233)が湾曲されていて凹み変化が存在する変曲点を備え、前記横断方向の接合部広がり角度βJは前記変曲点において15°~20°で構成される固定値を有する、請求項に記載のナイフ。
【請求項8】
前記接合部部分(100)の前記接合部高さ(HJ)が、14mm~18mmで構成される、好ましくは15mm~16mmで構成される最小値を有する、請求項に記載のナイフ。
【請求項9】
ナイフであって、
- 背(11)と、前記背(11)とは反対側の切断エッジ(12)とを有する刃(1)であって、前記刃(1)は、末端部(13)と基端部(14)との間で長手方向(L)に沿って長手方向平面内に延びている、刃(1)、
- 前記長手方向(L)に沿って前記刃(1)の前記基端部(14)から延びる柄(2)であって、前記柄(2)は、前記刃(1)の前記基端部(14)に接続された接合部部分(100)と、前記接合部部分(100)から延びる主把持部分(200)とを有し、前記主把持部分(200)は、
前記長手方向平面において前記背(11)の延長部上に実質的に延びる上部分(221)、
前記長手方向平面内に延びていて前記上部分(221)とは反対側の下部分(222)、
前記長手方向平面の各側部にそれぞれ設けられていて前記上部分(221)と前記下部分(222)との間に延びる2つの脇部(23)、を有し、
各脇部(23)は、前記上部分(221)に接続された上脇部分(2231)と、前記下部分(222)に接続された下脇部分(2232)とで形成され、前記上脇部分(2231)は、横断方向に突出していて前記長手方向平面に対して横断方向に前記脇部の最も外側の領域を構成する把持稜線部(2233)によって前記下脇部分(2232)に接続されている、柄、を備え
前記柄(2)の前記主把持部分(200)は、前記接合部部分(100)から長手方向平面内に延びていて前記下部分(222)と前記上部分(221)との間に形成される長手方向の広がり角度αによって規定される長手方向の広がりを呈する形状を有し、前記長手方向の広がり角度αは3°~8°で構成される固定値を有し、
前記柄(2)は、前記主把持部分(200)に接続されていてそこから延びる端部部分(300)を更に備え、前記端部部分(300)は、
前記長手方向平面において前記背(11)の延長部上に実質的に延びる上端部部分(321)であって、前記上端部部分(321)は、前記主把持部分(200)の前記上部分(221)に接続されている、上端部部分(321)、
前記長手方向平面内に延びていて前記上端部部分の反対側の下端部部分(322)であって、前記下端部部分(322)は、前記主把持部分(200)の前記下部分(222)に接続されている、下端部部分(322)、
前記長手方向平面の各側部にそれぞれ設けられ前記上端部部分(321)と前記下端部部分(322)との間に延びる2つの端部脇部(323)、を備え、
各端部脇部(323)は、前記上端部部分(321)に接続された上端部脇部分(3231)と、下端部部分(322)に接続された下端部脇部分(3232)とで形成され、前記上端部脇部分(3231)は、横断方向に突出していて前記長手方向平面に対して横断方向に前記端部脇部の最も外側の領域を構成する端部把持稜線部(3233)によって前記下端部脇部分(3232)に接続されており、
前記長手方向(L)に沿った所与の位置における前記下端部部分(322)と前記上端部部分(321)との間の前記長手方向平面における距離が、端部高さ(HE)を規定し、前記下端部部分(322)と前記長手方向(L)に沿った所与の位置における前記端部把持稜線部(3233)の前記長手方向平面における射影との間の前記長手方向平面における距離が、下端部偏向量(FiE)を規定し、前記下端部偏向量(FiE)と前記端部高さ(HE)との間の比が、前記端部部分(300)の自由端部から開始して前記長手方向(L)に沿って前記主把持部分(200)の方向に増加している、ナイフ。
【請求項10】
各端部把持稜線部(3233)は、湾曲されていて変曲点を有さない、請求項に記載のナイフ。
【請求項11】
上端部部分(321)が直線に沿って延びていて、下端部部分(322)が変曲点のない曲線に沿って延びている、請求項に記載のナイフ。
【請求項12】
前記長手方向の広がり角度αは、3.5°~5.5°で構成される固定値を有する、請求項9に記載のナイフ。
【請求項13】
前記柄(2)の前記主把持部分(200)は、前記接合部部分(100)から延びていて前記柄(2)の前記主把持部分(200)の前記脇部(23)の2つの前記把持稜線部の間に形成される横断方向の広がり角度βによって規定される横断方向の広がりを呈する形状を有し、前記横断方向の広がり角度βは1°~5°で構成される固定値を有する、請求項9に記載のナイフ。
【請求項14】
前記横断方向の広がり角度βは、1.5°~4°で構成される固定値、好ましくは2°~3°、で構成される固定値を有する、請求項13に記載のナイフ。
【請求項15】
それが1ピースナイフであることを特徴とする、請求項1又は9に記載のナイフ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ナイフ、より具体的にはキッチンナイフの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
技術水準
ナイフ、特にキッチンナイフは、長期間把持されて使用される。その設計はそれゆえ考えられる最高の使い心地を使用者に提供するとともに、一定の制御及び器用なジェスチャーを可能にすることが必須である。
【0003】
この使用者の経験にとって重要な要素のひとつが、柄とも呼ばれるナイフの持ち手の設計である。
【0004】
ナイフの持ち手には、用途及び時には刃の大きさによって、さまざまな形や大きさがある。
【0005】
また、ナイフの持ち手を構成する材料も、それらが1ピースナイフ(つまり持ち手が刃と同じ材料から製造される)又は複数材料ナイフであるかによって、さまざまな配置の材料がある。
【0006】
これらの持ち手の人間工学となると、使用者が調理でナイフを使用するときの調理時のしぐさ及び快適性を最適化する目的で、様々な形状を有し、特定の素材から作られた、持ち手を有するナイフがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、すべての設計基準の間で完璧なバランスを見出すことは非常に難しく、既存のモデルは、ある側面が他よりも優先され、これは結果的にこの望ましいバランスを損なうことがよくある。
【0008】
発明の開示
本発明の1つの目的は、使用者が快適かつ安全な方式で把持でき、特にナイフを使用する際に手の急な移動のないナイフを提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、その使用時に柄に過度な力を加える必要がなく、筋肉疲労を回避するナイフを提供することである。
【0010】
本発明の1つの目的は、まさに、使用者によって与えられる通常の移動を容易にし、使用者に大きな切断精度を提供するナイフを提供することである。
【0011】
本発明の更に別の目的は、使用者のために把持を最適化することを可能にする柄の特定の形状を有するナイフを提供することである。良好な把持は、誤った使用による刃の早期摩耗を回避する利点を有する。
【0012】
特に、本発明の目的の1つは、使用者の手の大きさを問わず、及び使用する手(右又は左)を問わず、柄の形状が手の形状に自然にマッチしたナイフを提供するである。
【0013】
本発明の他の目的は、最適化された方式で把持され得、ナイフを適切に保持し維持するために必要な労力が限定されるナイフを提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、使用者の疲労が軽減され、使用者の労力がナイフの把持にではなく切断に集中されるナイフを提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、1ピースナイフ、すなわち、その柄が刃の材料と同様のもの、特に金属材料で形成され、使用者がそれを使用するとき使用者の手の中で滑らないナイフを提供することである。
【0016】
本発明のもう1つの目的は、その設計原理が全ての大きさのナイフに適用可能なナイフを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この目的のために、ナイフが提案され、
- 背(11)と、背(11)と反対側の切断エッジ(12)とを有する刃(1)であって、刃(1)は、末端部(13)と基端部(14)との間で長手方向(L)に沿って長手平面内に延びている、刃(1)、
- 長手方向(L)に沿って刃(1)の基端部(14)から延びる柄(2)であって、柄(2)は、刃(1)の基端部(14)に接続された接合部部分(100)と、接合部部分(100)から延びる主把持部分(200)とを有し、主把持部分(200)は、
長手方向平面において背(11)の延長部上に実質的に延びる上部分(221)、
長手方向平面に延びていて上部分(221)とは反対側の下部分(222)、
長手方向平面の各側部にそれぞれ設けられていて上部分(221)と下部分(222)との間に延びる2つの脇部(23)、
各脇部(23)は、上部分(221)に接続された上脇部分(2231)と、下部分(222)に接続された下脇部分(2232)とで形成され、上脇部分(2231)は、横断方向に突出していて長手方向平面に対して横断方向に脇部の最も外側の領域を構成する把持稜線部(2233)によって下脇部分(2232)に接続されている、柄を備え、
柄(2)の主把持部分(200)は、接合部部分(100)から長手方向平面内に延びていて下部分(222)と上部分(221)との間に形成される長手方向の広がり角度αによって規定される長手方向の広がりを呈する形状を有し、長手方向の広がり角度αは3°~8°で構成される固定値を有し、柄(2)の主把持部分(200)は、接合部部分(100)から延びていて柄(2)の主把持部分(200)の脇部(23)の2つの把持稜線部の間に形成される横断方向の広がり角度βによって規定される横断方向の広がりを呈する形状を有し、横断方向の広がり角度βは1°~5°で構成される固定値を有する。
【0018】
このナイフの好ましいが非限定的な態様は、単独または組み合わせで、以下の通りである:
- 長手方向の広がり角度αは、3.5°~5.5°で構成される固定値を有する。
- 横断方向の広がり角度βは、1.5°~4°で構成される固定値、好ましくは2°~3°で構成される固定値を有する。
- 上部分(221)及び下部分(222)はそれぞれ直線に沿って延びていて、各把持稜線部(2233)は直線に沿って延びている。
- 接合部部分(100)との接続部のレベルにおける主把持部分(200)の柄高さ(H)は、17mm~22mmで構成される値、好ましくは18mm~21mmで構成される値、さらにより好ましくは20mmオーダーの値である。
〇 接合部部分(100)は:
〇 長手方向平面において背(11)の延長部上に実質的に延びる上接合部部分(121)であって、上接合部部分(121)は、背(11)を主把持部分(200)の上部分(221)に接続し、
〇 長手方向平面内に延びていて上接合部部分(121)とは反対側の下接合部部分(12)であって、下接合部部分(12)は刃(1)の基端部(14)を主把持部分(200)の下部分(222)に接続し、
〇 長手方向平面の各側部にそれぞれ設けられていて上接合部部分(121)と下接合部部分(12)との間に延びる2つの接合部脇部(123)、
〇 各接合部脇部(123)は、上接合部部分(121)に接続された上接合部脇部分(1231)と、下接合部部分(12)に接続された下接合部脇部分(1232)とで形成され、上接合部脇部分(1231)は、横断方向に突出していて接合部脇部の長手方向平面に横断方向に最も外側の領域を構成する接合部把持稜線部(1233)によって下接合部脇部分(1232)に接続されており、
〇 長手方向(L)に沿った所与の位置における下接合部部分(12)と上接合部部分(121)との間の長手方向平面における距離が、接合部高さ(HJ)を規定し、長手方向(L)に沿った所与の位置における下接合部部分(12)と接合部把持稜線部(1233)の長手方向平面における射影との間の距離は、下接合部偏向量(FiJ)を規定し、下接合部偏向量(FiJ)と接合部高さ(HJ)との間の比は、刃(1)から開始して主把持部分(200)方向に長手方向(L)に沿って減少している。
- 各接合部把持稜線部(1233)は、湾曲されていて凹み変化が存在する変曲点を備える。
- 柄(2)の接合部部分(100)は、刃(1)から長手方向平面内に延びていて下接合部部分(12)と上接合部部分(121)との間に形成される長手方向の接合部広がり角度αJによって規定される長手方向の広がりを呈する形状を有し、長手方向の接合部広がり角度αJが15°~20°で構成される固定値を有する。
- 柄(2)の接合部部分(100)は、刃(1)から延びていて柄(2)の接合部部分(100)の2つの接合部把持稜線部の間に形成される横断方向の接合部広がり角度βJによって規定される横断方向の広がりを呈する形状を有し、横断方向の接合部広がり角度βJは15°~20°で構成される固定値を有する。
- 上接合部部分(121)は直線に沿って延びていて下接合部部分(12)は凹み変化が存在する部分変曲点を有する曲線に沿って延びている。
- 接合部部分(100)の接合部高さ(HJ)は、14mm~18mmで構成される、好ましくは15mm~16mmで構成される最小値を有する。
- 柄(2)は、主把持部分(200)に接続されていてそこから延びる端部部分(300)を更に備え、端部部分(300)は:
〇 長手方向平面において背(11)の延長部上に実質的に延びる上端部部分(321)であって、上端部部分(321)は、主把持部分(200)の上部分(221)に接続されている、上端部部分(321)、
〇 長手方向平面に延びていて上端部部分とは反対側の下端部部分(322)であって、下端部部分(322)は、主把持部分(200)の下端部部分(222)に接続されている、下端部部分(322)、
〇 長手方向平面の各側部にそれぞれ設けられていて上端部部分(321)と下端部部分(322)との間に延びる2つの端部脇部(323)、
〇 各端部脇部(323)は、上端部部分(321)に接続された上端部脇部分(3231)と、下端部部分(322)に接続された下端部脇部分(3232)とで形成され、上端部脇部分(3231)は、横断方向に突出していて長手方向平面に対して横断方向に端部脇部の最も外側の領域を構成する端部把持稜線部(3233)によって下端部脇部分(3232)に接続されており、
〇 長手方向(L)に沿った所与の位置における下端部部分(322)と上端部部分(321)との間の長手方向平面における距離が、端部高さ(HE)を規定し、長手方向(L)に沿った所与の位置における下端部部分(322)と端部把持稜線部(3233)の長手方向平面への射影との間の長手方向平面における距離が、下端部偏向量(FiE)を規定し、下端部偏向量(FiE)と端部高さ(HE)との間の比が、端部部分(300)の自由端部から開始して主把持部分(200)の方向に長手方向(L)に沿って増加している。
- 各端部把持稜線部(3233)は湾曲されていて変曲点を有さない。
- 上端部部分(321)は直線に沿って延びていて下端部部分(322)は変曲点のない曲線に沿って延びている。
- ナイフは1ピースナイフである。
【0019】
図面の説明
本発明の他の特徴及び利点は、以下の説明から明らかになり、これは純粋に例示であって限定的ではなく、添付図面に関連して読まれるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、第1実施形態によるナイフの斜視図である。
図2図2は、図1のナイフの側面図である。
図3図3は、図1のナイフの上面図である。
図4図4は、図1のナイフの底面図である。
図5図5は、長手方向の広がり角度αが表された図2の側面図である。
図6図6は、長手方向の接合部広がり角度αJが表された図2の側面図である。
図7図7は、横断方向の広がり角度βが表された図4の上面図である。
図8図8は、横断方向の広がり角度βJが表された図4の上面図である。
図9図9は、図3の切断線A-Aに沿ったナイフ柄の接合部部分の横断面図である。
図10図10は、図3の切断線B-Bに沿ったナイフ柄の主把持部分の横断面図である。
図11図11は、図3の切断線C-Cに沿ったナイフ柄の端部部分の横断面図である。
図12図12は、第2実施形態によるナイフの斜視図である。
図13図13は、図12のナイフの側面図である。
図14図14は、図12のナイフの上面図である。
図15図15は、図12のナイフの底面図である。
図16図16は、溝角度を示す、第2実施形態によるナイフ柄の側面図である。
図17図17は、第3実施形態によるナイフの斜視図である。
図18図18は、図17のナイフの側面図である。
図19図19は、図17のナイフの上面図である。
図20図20は、図17のナイフの底面図である。
図21図21は、溝角度を示す、第3実施形態によるナイフ柄の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
発明の詳細な説明
ナイフは、刃1で形成され、これから一般に持ち手とも呼ばれる柄2が延びている。
【0022】
刃1はなお以下の形状を有する。それは、背11と、背11の反対側の切断エッジ12とを有し、切断エッジ12は、使用者が切断できる側部を形成している。刃1は、末端部13と基端部14との間で長手方向Lに沿って長手方向平面内で延びている。末端部13は、刃の自由端部を構成し、全体として先端形状又は丸みを帯びた形状である。基端部14は、その一部が、以下に見られるように、柄2と結合している。
【0023】
刃1は、全体として単一の材料、例えば金属系材料で形成された単一ピース部品である。
【0024】
刃1は、使用目的に応じて様々な形状や異なる大きさをとることができる。
【0025】
上記に示したように、柄2は、刃1の基端部14から長手方向Lに沿って延びており、柄2は、刃1の基端部14に接続されている。
【0026】
キッチンナイフの場合、柄2は、刃1に安定して固定された方式で接続される。柄は、例えば、特に1ピースナイフの場合、刃と溶接され得る。1ピースナイフは、その柄が刃の材料と同様の材料、特に金属ベースの材料から形成されているナイフであることを想起されたい。好ましくは、1ピースナイフは、柄と刃が同じ材料から形成されている。
【0027】
好ましくは、提案されたナイフは、1ピースナイフである。それは、例えば、金属材料、特に鋼合金、例えばステンレス鋼から製造され得る。
【0028】
全体として、柄2は、長手方向平面において実質的に背11の延長部上に延びる上柄部分21と、長手方向平面において上柄部分21の反対側に延びる下柄部分22とを備える。
【0029】
柄2は、長手方向平面の各側部にそれぞれ設けられていて上柄部分21と下柄部分22との間に延びる2つの柄脇部23を更に備えている。したがって、各柄脇部23は、上柄部分21を下柄部分22に接続することを可能にしている。
【0030】
これらの柄脇部23は、好ましくは、長手方向平面に対して横断方向に外向きに湾曲されている。特に柄2の容積を規定することになるのは、柄脇部23である。
【0031】
好ましくは、各柄脇部23は、上柄部分21に接続された上柄脇部分231と、下柄部分22に接続された下柄脇部分232とで形成されている。
【0032】
更に好ましくは、上柄脇部分231は、横断方向に突出し、長手方向平面に対して横断方向に柄脇部の最も外側の領域を構成する柄把持稜線部233によって下柄脇部分232に接続される。このような柄把持稜線部233は、柄2の下部分、すなわち下柄部分22の側部に形成されている。より具体的には、柄把持稜線部233は、上柄部分21よりも下柄部分22に近い。
【0033】
このような柄把持稜線部233は、使用者の指節間線に収容されるように設けられていて、その手がナイフの柄にぴったりと合うようになっている。したがって、使用者による把持はより快適であり、この柄把持稜線部233はナイフがその長手方向軸の周りで手の中で回転するのを防止することを可能にするため、ナイフの取り扱いは安全である。
【0034】
柄は、好ましくは、長手方向平面に対して対称である。この場合、脇部の構造及び形状は特に同一であり、脇部もまた長手方向平面に対して対称である。このような構成は、ナイフが右利きでも左利きでも同じ利点で使用できるようになっており、特に有利である。
【0035】
好ましくは、柄2は、考慮された長手方向位置に従って幾つかの部分で形成され、これらの部分は、異なってもよい形状及び機能を有する。
【0036】
柄2は、まず第1に、刃1の基端部14に接続された接合部部分100を有することができる。刃1と柄2の残りの部分との間のリンクを作ることに加えて、この接合部部分100は、例えば、ナイフが長手方向平面に直交する並進軸に沿って傾斜されなければならない場合に、ナイフの繊細な取り扱いを促進するためにも設けられることが可能である。
【0037】
柄2はまた、接合部部分100から延びていて使用者が手全体でナイフを完全に把持することを可能にする主把持部分200を有する。この主把持部分200は、柄の長手方向における最も大きな部分に相当する。
【0038】
主把持部分200は、例えば柄の長さの少なくとも2/3、又は少なくとも3/4、例えば80%の長さを表すことができる。
【0039】
好ましくは、必ずしも必須ではないが、柄2は、主把持部分200に接続されていてそこから延びる端部部分300を更に備える。それが存在する場合、この端部部分300は、したがって、刃の先端の反対側の、柄の自由端部を構成する。
【0040】
主把持部分
一般的な柄2と同様に、主把持部分200は、長手方向平面において背11の実質的に延長部上に延びる上部分221(上把持部分ともいう)と、長手方向平面において上部分221の反対側に延びる下部分222(下把持部分ともいう)と、長手方向平面の各側部にそれぞれあり上部分221と下部分222との間に延びる2つの脇部223(把持脇部ともいう)を備えている。
【0041】
好ましいが強制ではない1つの設計によれば、各脇部は、上部分221に接続された上脇部分2231と、下部分222に接続された下脇部分2232とで形成されている。
【0042】
好ましくはまた、上脇部分2231は、例えば主把持部分における柄の横断面を示す図11に明確に表されているように、横断方向に突出していて長手方向平面に対して横断方向に脇部の最も外側の領域を構成する把持稜線部2233によって下脇部分2232に接続されている。
【0043】
把持稜線部2233は、使用者の手がナイフの柄に完全にフィットするように、その指節間線に収容されるように特別に位置付けられることが好ましい。
【0044】
この点で図10を参照すると、柄高さHは、長手方向Lに沿った所定の位置での下部分222と上部分221との間の長手方向平面における距離に対応して規定される。
【0045】
更に図10を参照すると、下偏向量(lower deflection)Fiは、長手方向Lに沿った所与の位置における下部分222と長手方向平面における把持稜線部2233の射影との間の長手方向平面における距離としても規定され、その部分についての上偏向量Fsは、長手方向Lに沿った所与の位置における上部分221と長手方向平面における把持稜線部2233の射影との間の長手方向平面における距離と対応している。
【0046】
有利で好ましい一実施形態によれば、主把持部分200は、把持稜線部2233の位置付けが、長手方向Lに沿った柄の主把持部分の任意の点で下偏向量と柄高さの間の比が実質的に一定となるように、特に形成されている。実質的に一定であることにより、製造及び測定公差内で比は一定であると理解される。したがって、パーセント割合の値は、±2%内、又は±1%内で一定である。
【0047】
好ましくは、主把持部分200において、下偏向量と柄高さとの間の比は、13%~20%で構成される固定値を有する。好ましくは、この値は16%~18%、例えば17%のオーダーの値で構成される。
【0048】
柄2の主把持部分200におけるそのような把持稜線部2233の特定の位置付けはまた、刃の長手方向Lに実質的に垂直な方向における使用者による食品の切断を促進することを可能にする。実際、そのような把持稜線部2233は、使用者の手がナイフを上から下へ動かす動作を行う際に、その手に抵抗する突出線を形成する。柄の上で手によって加えられた労力が刃によく伝達されるだけでなく、この労力の伝達は、把持稜線部2233のおかげでより容易である。
【0049】
そのため、使用者は柄にかかる圧力を弱めることができ、ナイフが手によく保持されるようになっている。
【0050】
更に、この把持稜線部2233はナイフがその長手方向軸の周りに手の中で回転するのを防ぐことを可能にするため、ナイフの取り扱いは安全である。
【0051】
好ましくは、把持稜線部2233は、使用者がナイフを把持したときに、指節間のしわ(fold)に良好に挿入されるように十分に突出している。この点、上脇部分2231と下脇部分2232との間に形成される内部角度である把持稜線部角度θは、好ましくは160°未満、より好ましくは120°~150°で構成され、更に好ましくは135°~145°で構成される。
【0052】
把持稜線部2233は、好ましくは真っ直ぐである。有利には、下部分222は、上部分221が直線に沿って延びるように、直線に沿って延びることができる。
【0053】
上脇部分2231及び下脇部分2232が、柄の内側を向く凹みを有するように湾曲されていることを提供することができる。好ましくは、上脇部分2231及び下脇部分2232のいずれも変曲点を有さない。このような形状は、把持に対して柔らかく心地よい設計の柄2を提供することを可能にし、把持稜線部2233は使用者の手において柄2を安定させることを可能にする。
【0054】
単独で又は他の提案された設計と組み合わせて得られる、1つの好ましいが強制ではない追加設計によれば、柄2の主把持部分200は、図に示されるように、長手方向平面において接合部部分100から延びていて下部分222と上部分221との間に形成された長手方向の広がり角度αによって規定される、長手方向の広がりを示す形状を有する。
【0055】
好ましくは、長手方向の広がり角度αは、3°~8°で構成される固定値を有する。好ましくはまた、長手方向の広がり角度αは、3.5°~5.5°で構成される固定値を有する。長手方向の広がり角度αは、例えば、4.5°のオーダーの値を有する。
【0056】
柄2のこのような長手方向の広がりは、その使用中にナイフを手に維持することに寄与するため、特に有利である。特に、使用者が長手方向Lに沿った並進移動で食品を切断する場合、長手方向の広がりは、特に後方への並進、すなわち刃から柄への方向への並進について、手が柄に対して滑ることを防止することを可能にする。
【0057】
更に、提案された特定の長手方向の広がりは、使用者がナイフを快適に把持することを保証する。柄2に対する使用者の手の感覚は、実際、柄に手を維持するのを助ける目的を持つ積極的な形状及び/又は柄への補足的な要素によって妨げられることはない。
【0058】
最後に、このような長手方向の広がりは、使用者がナイフを把持するとき、特に主把持部分の上部分が背と整列している場合に、手のすべての指、特に刃から最も遠い指(薬指、小指)を動員することを可能にする。更に、遠い指によって及ぼされる最も低い力は、柄高さが(長手方向の広がり角度αのため)より大きいという事実によって補償され、これは、考慮される指が何であれ、均一な把持を保証することを可能にする。
【0059】
単独で、又は他の提案された設計と組み合わせて得られる、1つの好ましいが非強制的な追加設計によれば、柄2の主把持部分200は、接合部部分100から延びていて柄2の主把持部分200の脇部の2つの把持稜線部2233の間に形成される横断方向の広がり角度βによって規定される横断方向の広がりを提示する形状を有する。
【0060】
好ましくは、横断方向の広がり角度βは、1°~5°で構成される固定値を有する。好ましくはまた、横断方向の広がり角度βは、1.5°~4°で構成される固定値を有し、好ましくは2°~3°で構成される固定値を有する。
【0061】
柄2のこのような横断方向の広がりは、その使用中にナイフを手に維持することに寄与するため特に有利である。特に、使用者が長手方向Lに沿った並進移動で食品を切断する場合、横断方向の広がりは、特に後方への並進、すなわち刃から柄への方向への並進について、手が柄に対して滑ることを防止する。
【0062】
更に、提案された特定の横断方向の広がりは、使用者がナイフを快適に把持することを保証する。使用者の手の柄2への感覚は、実際、柄に手を維持することを助ける目的を有する柄に対する積極的な形状及び/又は補足的な要素によって妨げられることはない。
【0063】
長手方向の広がりと同様に、このような横断方向の広がりは、使用者がナイフを把持する際に手のすべての指、特に刃から最も遠い指(薬指、小指)を動員することを可能にする。更に、遠い指によってかけられる最も小さい力は、柄高さがより大きいことによって補償され(横断方向の広がり角度βのため)、これは考慮される指がどれであっても均一な把持を保証することを可能にする。
【0064】
1つの具体例によれば、横断方向の広がり角度βは、該当する場合、長手方向の広がり角度αと異なる。このように、一種の非対称性が柄の形状に生じ、これは使用者による把持の強化を可能にし、及び長手方向Lに沿ったナイフの並進移動中の手のブロック機能を強化する。更に、この非対称性は、ナイフがその長手方向軸の周りで手の中で回転するのを防止することを可能にする。
【0065】
接合部部分100との接続部のレベルにおける主把持部分200の柄高さは、好ましくは17mm~22mmで構成される値、好ましくは18mm~21mmで構成される値、より好ましくは20mmオーダーの値である。
【0066】
接合部部分
柄2と全体として同様に、接合部部分100は、長手方向平面において背11の延長部上に実質的に延びる上接合部部分121を備え、上接合部部分121は背11を主把持部分200の上部分221に接続している。
【0067】
接合部部分100は、長手方向平面において延びていて上接合部部分121の反対側の下接合部部分122を更に備え、下接合部部分122は、刃の基端部を主把持部分200の下部分222に接続している。
【0068】
更に、接合部部分100は、上接合部部分121と下接合部部分122との間に延びていてそれぞれ長手方向平面の各側部にある2つの接合部脇部123を備える。
【0069】
接合部部分100は、分野の固有言語では一般にボルスタと呼ばれる。
【0070】
好ましいが強制ではない1つの設計によれば、各接合部脇部123は、上接合部部分121に接続された上接合部脇部分1231と、下接合部部分122に接続された下接合部脇部分1232とで形成されている。
【0071】
好ましくはまた、上接合部脇部分1231は、横断方向に突出していて長手方向平面に対して横断方向に接合部脇部の最も外側の領域を構成する接合部把持稜線部1233を介して、下接合部脇部分1232に接続されている。
【0072】
接合部把持稜線部1233は、好ましくは使用者の指節間線、より具体的には親指及び/又は人差し指の指節間線に収容されるように特別に配置される。
【0073】
この点で図9を参照すると、接合部高さHJは、長手方向Lに沿った所定の位置における下接合部部分122と上接合部部分121との間の長手方向平面における距離に対応して規定されている。
【0074】
更に図9を参照すると、下接合部偏向量FiJは、長手方向Lに沿った所与の位置における下接合部部分122と長手方向平面における接合部把持稜線部1233の射影との間の距離としても規定される。上接合部偏向量FsJは、長手方向Lに沿った所与の位置における上接合部部分121と長手方向平面における接合部把持稜線部1233の射影との間の距離にその一部で対応している。
【0075】
有利で好ましい一実施形態によれば、接合部部分100は、接合部把持稜線部1233の位置が、下接合部偏向量FiJと接合部高さHJとの比が刃1から主把持部分200の方向に始まり長手方向Lに沿って減少するように、特に形成されている。
【0076】
好ましくは、下接合部偏向量FiJと接合部高さHJとの比は、35%~55%で構成される最大値、好ましくは45%~50%で構成される最大値を有する。比の最大値は、刃の側部、すなわち接合部部分100の前方部分にある接合部把持稜線部1233の端点に対応する。
【0077】
更に、下接合部偏向量FiJと接合部高さHJとの比は、下偏向量Fiと主把持部分200の柄高さHとの比の値と等しい最小値を有する。実際、この比の最小値は、主把持部分200の側部である接合部把持稜線部1233の他の端点において見られる。
【0078】
このように、接合部把持稜線部1233及び把持稜線部2233は、接合部部分100と主把持部分200との間の接続領域のレベルで連続した線を形成している。これは使用者の良好な把持感を保証することと、把持稜線部の機能が柄2のどの部分を考慮したとしても維持されることを可能にする。
【0079】
各接合部把持稜線部1233は、好ましくは湾曲されており、凹みの変化が存在する変曲点を構成することができる。
【0080】
変曲点は、接合部部分100の後方部分すなわち主把持部分200の側部にむしろ配置される。例えば、長手方向平面における変曲点の射影は、5mm~10mm、好ましくは6mm~9mmで構成される主把持部分からの距離にある。
【0081】
主把持部分200の把持稜線部2233については、一方の接合部把持稜線部1233は、使用者の手元で柄の自転を防ぐため、使用者が安全にナイフを把持することを可能にする。
【0082】
一方、接合部把持稜線部1233は、刃の長手方向Lに対して実質的に垂直な方向における使用者による食品の切断を容易にすることも可能にする。下接合部偏向量FiJと接合部高さHJとの間の比の減少により、接合部把持稜線部1233は把持稜線部2233に対して傾斜され、これは切断がナイフの長手方向Lに沿って行われるときに抵抗を生じさせる。この現象は、接合部把持稜線部1233が湾曲した形状、特に変曲点を有する場合に強調される。接合部把持稜線部1233のおかげで、切断は容易にされ、使用者の手は滑らないためよりよく保持される。
【0083】
好ましくは、接合部把持稜線部1233は、使用者がナイフを把持したときに、指節間のしわ内に良好に挿入されるように十分に突出している。この点、上接合部脇部分1231と下接合部脇部分1232との間に形成される内部角度である接合部把持稜線部角度θJは、好ましくは160°未満、好ましくは120°~150°で構成され、好ましくは135°~145°で構成されている。
【0084】
単独で、又は他の提案された設計と組み合わせて得られる、1つの好ましいが強制ではない追加設計によれば、柄2の接合部部分100は、図8に示されるように、長手方向平面において刃から延びていて下接合部部分122と上接合部部分121との間に形成された長手方向の接合部広がり角度αJによって規定される長手方向の広がりを呈する形状を有する。
【0085】
好ましくは、長手方向の接合部広がり角度αJは、15°~20°で構成される固定値を有する。
【0086】
柄2の長手方向の広がりに関する上述の利点に加えて、把持部分100のレベルに特に設けられたこの長手方向の広がりは、その使用中にナイフを手に保持することを保証することを可能にし、特に使用者が刃に非常に近いナイフ把持、例えば挟み把持をする場合に、特に滑りを防ぐことを可能にため、特に有利である。
【0087】
単独で、又は他の提案された設計と組み合わせて得られる、1つの好ましいが強制ではない追加設計によれば、柄2の接合部部分100は、刃から延びる横断方向の広がりを呈し、柄の接合部部分の2つの接合部把持稜線部1233の間に形成される横断方向の接合部広がり角度βJによって規定される形状を有する。
【0088】
好ましくは、横断方向の接合部広がり角度βJは、15°~20°で構成される固定値を有する。
【0089】
1つの具体例によれば、横断方向の接合部広がり角度βJは、該当する場合、長手方向の接合部広がり角度αJと異なる。したがって、一種の非対称性が柄の幾何学的形状に生成され、これは使用者による把持を強化することを可能にし、長手方向Lに沿ったナイフの並進移動中に手のブロック機能を強化することができる。
【0090】
上接合部部分121は背11の延長部上にあるため直線に沿って延びている。接合部部分100の上接合部部分121及び主把持部分200の上部分221は、背11を延長する一本の同じ直線を形成していることに留意すべきである。
【0091】
下接合部部分122は、その一部が曲線に沿って延びている。好ましくは、下接合部部分122は、凹みの変化が存在する部分変曲点(section inflection point)を有する。
【0092】
接合部脇部123と組み合わされた下接合部部分122の曲率は、特に人差し指の位置付けのために設けられた凹所を形成する。
【0093】
この凹所は、例えば次のように位置付けられ得る:それは刃の基端部分13(又は末尾(heel))を起点として主把持部分200の方向に徐々に太くなり、この主把持部分200と徐々に合流する。このようにして、下接合部部分122は、手がナイフの前進移動を付与するときに、人差し指の背を刃1の末尾に当てて傷つけないようにすることを可能にする。
【0094】
この凹所の横断面は、好ましい例示的な一実施形態によれば、人差し指を傷つける可能性のある稜線部を作らないように接線(tangency)によって一緒に接続されている3つの異なる領域を含むことができる。
【0095】
下接合部部分122に対応する中央領域は、末尾に向けて移動するにつれて減少する大きな曲率半径を有しており、この領域の幅は、ナイフが末端部の指節間関節に配置されたときに、それだけでバランスをとることを可能にするようになっている。すなわち、人差し指が凹所領域に位置すると、ナイフは左にも右にも揺れない。
【0096】
接合部脇部123に相当する横断方向の領域は、刃1を接合する際に薄くなり、人差し指が指節間のしわの形状に準拠しながら自然に曲がることを可能にする。
【0097】
凹所の横断面は、そのため、接合部脇部123が各側部に延びる下接合部部分122に対応する部分に分割され、特に要素間で曲率が変化している。
【0098】
この凹所の横断面が円形でも楕円でもないことで、手にした瞬間にナイフの横断方向のバランスが感じられることを可能にし、これは使用者にナイフの正面にある手及び指の正しい位置にあるという安心感を与えるという利点がある。円形又は楕円の形状を有する下領域を有する古典的なボルスタは、手の中でより容易に回転し、角柱のボルスタは使い心地が悪くなる。
【0099】
好ましくは、ナイフの重心が接合部部分、特に凹所の中空領域のレベルにあるように、すなわち接合部部分の領域又は接合部高さHJが最小値を有するように形成される。
【0100】
好ましくは、接合部部分100の接合部高さHJは、14mm~18mmで構成される、好ましくは15mm~16mmで構成される最小値を有する。
【0101】
端部部分
柄2と全体として同様に、端部部分300は、長手方向平面において実質的に背11の延長部上に延びる上端部部分321を備え、上端部部分321は、主把持部分200の上部分221に接続されている。
【0102】
端部部分300は、長手方向平面内で上端部部分321の反対側に延びる下端部部分322を更に備え、下端部部分は、主把持部分200の下部分222に接続されている。
【0103】
更に、端部部分300は、長手方向の平面の各側部にそれぞれ設けられ上端部部分321と下端部部分322との間に延びる2つの端部脇部323を備える。
【0104】
好ましいが強制ではない1つの設計によれば、各端部脇部323は、上端部部分321に接続された上端部脇部分3231と、下端部部分322に接続された下端部脇部分3232で形成されている。
【0105】
より好ましくは、上端部脇部分3231は、横断方向に突出していて長手方向平面に対して横断方向に端部脇部の最も外側の領域を構成する端部把持稜線部3233を介して、下端部脇部分3232に接続されている。
【0106】
端部把持稜線部3233は、好ましくは使用者の指節間線に収容されるように特別に位置付けられる。
【0107】
この点で図11を参照すると、端部高さHEは、長手方向Lに沿った所定の位置における下端部部分322と上端部部分321との間の長手方向平面における距離に対応して規定される。
【0108】
更に図11を参照すると、下端部偏向量FiEは、長手方向Lに沿った所与の位置における下端部部分322と長手方向平面における端部把持稜線部3233の射影との間の長手方向平面における距離としても規定される。上端部偏向量FsEは、長手方向Lに沿った所定の位置における上端部部分321と長手方向平面における端部把持稜線部3233の射影との間の長手方向平面における距離にその一部で対応している。
【0109】
有利で好ましい一実施形態によれば、端部部分300は、端部把持稜線部3233の位置付けが、下端部偏向量FiEと端部高さHEの比が端部部分300の自由端部から主把持部分200の方向に始まり長手方向Lに沿って減少するように、特に形成されている。
【0110】
好ましくは、下端部偏向量FiEと端部高さHEとの間の比は、0%~10%で構成される最小値、好ましくは2%~5%で構成される最小値を有する。
【0111】
更に、下端部偏向量FiEと端部高さHEとの間の比は、下端部偏向量Fiと主把持部分200の高さHとの間の比の値に等しい最大値を有する。
【0112】
このように、端部把持稜線部3233及び把持稜線部2233は、端部部分300と主把持部分200との間の接続領域のレベルで連続線を形成している。これは、使用者の良好な把持感を保証することを可能にし、把持稜線部の機能は柄2のどの部分が考慮されても維持される。
【0113】
各端部把持稜線部3233は湾曲されており、変曲点を有さない。
【0114】
主把持部分200の把持稜線部2233に関しては、端部把持稜線部3233は、一方では使用者の手の中で柄がそれ自体の回転を防止するため、使用者によるナイフの把持を安全にすることを可能にする。
【0115】
下端部偏向量FiEと端部高さHEとの比の減少により、端部把持稜線部3233は把持稜線部2233に対して傾斜され、これは切断がナイフの長手方向Lに沿って行われる際に抵抗を生じさせる。この現象は、端部把持稜線部3233が湾曲した形状を有する場合に強調される。端部把持稜線部3233のおかげで、切断は容易にされ、使用者の手は滑らないためよりよく保持される。
【0116】
好ましくは、端部把持稜線部3233は、使用者がナイフを把持したときに、指節間のしわに良好に挿入されるように十分に突出している。この点、上端部脇部分3231と下端部脇部分3232との間に形成される内部角度である端部把持稜線部角度θEは、好ましくは160°未満、より好ましくは120°~150°で構成され、更に好ましくは135°~145°で構成される。
【0117】
上端部部分321は、背11の延長部上にあるため、直線に沿って延びている。端部部分300の上端部部分321と主把持部分200の上部分221とは、背11を延長する一本の同じ直線を形成していることに留意すべきである。
【0118】
下端部部分322は、その一部を曲線に従って延びることができる。好ましくは、下端部部分322は、変曲点を有さない。
【0119】

単独で、又は他の提案された設計と組み合わせて得られる、1つの好ましいが非強制的な追加設計によれば、柄2は、柄脇部23の少なくとも1つに配置された複数の溝400を備える。
【0120】
好ましくは、溝400は互いに分離しており、複数の溝400は、刃の最も近くに位置付けられた基準溝410と、基準溝410から刃1の反対側の柄2の自由端部の方向に柄2に沿って並んで配置された他の溝400とを備える。
【0121】
各溝400は、ある長さにわたって延びていて図12から17に例示されたナイフの例のように真っ直ぐであるか、又は図18から22に例示されたナイフの例のように湾曲されていることが可能である。真っ直ぐな溝と他の曲線状の溝をと有する柄の特定の設計が想定され得ることに留意すべきである。
【0122】
各溝400は、対応する柄脇部23の表面からある幅とある深さを有する。
【0123】
溝400は、全体として特に真っ直ぐな溝の場合のように固定された幅を有するが、特に湾曲された溝の場合のように可変の幅を有することも可能である。いずれの場合も、柄脇部の表面のレベルで得られた、溝400の最大幅を規定することが可能である。
【0124】
最大幅は、少なくとも2mmの値を有し、好ましくは最大で10mmに等しい。
【0125】
各溝400は異なる輪郭を有することができるが、溝400は一般に示された輪郭を有し、溝400の輪郭は特にその横断面に関連して規定される。そのような横断面は、例えば、矩形形状、又は円弧形状、或いは楕円弧形状を有してもよい。
【0126】
各溝400はまた、最大深さを有し、この最大深さは、少なくとも0.2mmに等しい。より好ましくは、最大深さは、1mmを超えない。
【0127】
更に、最大深さは最大でも上記で規定された最大幅の3分の1に等しい。
【0128】
好ましくは、最大深さは、最大幅の値の5%~12%、好ましくは6%~11%、例えば10%のオーダーで構成される値を有する。
【0129】
例えば、最大幅は2.5mm~6.5mm、好ましくは3.5mm~5mmで構成され、最大深さは0.25mm~0.5mmで構成され、好ましくは0.35mm~0.45mmで構成される。
【0130】
柄の各溝400について、延長部の平均的な方向401が規定され得る。より具体的には、このような延長部の平均的な方向は、考慮された溝400の端部を形成する側部の各々の中央を通る直線として規定される。
【0131】
各溝400の延長部の平均的な方向401は、真っ直ぐな溝を有する柄の例では図16に、湾曲した溝を有する柄の例では図21に、点線で表されている。
【0132】
溝400の各々の配向は、この延長部の平均的な方向401のおかげで規定され得る。この点で、延長部の平均的な方向401の長手方向平面における射影と長手方向Lとの間に形成される角度に対応する溝角度γが特に考慮される。
【0133】
異なる溝400の配置は、基準溝410に対して規定され得る。このような基準溝410は、好ましくは0°~10°で構成される基準溝角度γRに従って配向される。好ましくは、基準溝角度γRは、2°~6°で構成される。
【0134】
複数の溝の後続の各溝400は、基準溝角度γRよりも大きい溝角度γを有し、2つの隣接する溝400のそれぞれの溝角度γは異なっている。
【0135】
好ましくは、2つの隣接する溝400のそれぞれの溝角度γは、少なくとも1°の角度だけ異なり、好ましくは4°~8°で構成される角度、より好ましくは5°~7°で構成される角度である。
【0136】
溝400の第1の可能な配置によれば、複数の溝の各溝400は、基準溝410から柄2の自由端部に向かう方向において、先の溝の溝角度γよりも大きい溝角度γを有する。言い換えれば、溝400が柄2の自由端部に向かう方向において基準溝410から遠いほど、対応する溝角度γはより大きくなる。
【0137】
溝400の第2の可能な配置によれば、複数の溝400の溝角度γは、対応する溝が基準溝410から離れるにつれて基準溝角度γRに対してまず増加し、次に柄2の自由端部に向けて到達するときに減少する。図12から16、及び図17から21の柄の例は、この特定の配置に対応する。
【0138】
提案された特定の形状、配向及び配置を有する溝400の使用は、使用者の手のナイフへの接着を強化することができるため、特に有利であり、一方では把持を容易にし、他方では、特に手が柄から滑るのを防ぐことによって使用者の安全を保証しながら切断を容易にする。
【0139】
溝400の形状及び配向は、特に手が柄の外形によくフィットすることを可能にし、手の表面との接触面を増やす。
【0140】
溝400の特定の配向はまた、食品を切断するときに使用者が手で与える移動に抵抗する領域を生成するという特別な利点を有する。
【0141】
具体的には、柄2の前方側部、すなわち刃の側部に配置された溝400は、長手方向Lと実質的に平行な、又は長手方向Lに対してわずかに傾斜された配向を有する。したがって、これらの溝400は、刃の長手方向Lと実質的に垂直な方向における使用者による食品の切断の促進を可能にする。このような切断は、柄の前部から、すなわち、接合部部分に向けて全体として付与されることに留意すべきである。
【0142】
刃1から離れるにつれて、溝400は真っ直ぐになって長手方向Lに対してより顕著な傾斜、例えば25°以上のオーダーの角度を有するようになる傾向があり、これは対応する溝400にさらなる利点、すなわち、刃の長手方向Lに実質的に垂直な方向であるが長手方向Lに沿った並進の方向にも、使用者による食品の切断を促進することを与える。
【0143】
ある特定の例示的な実施形態によれば、そして図17から21に表されるように、溝400の第1部分は、上柄部分21の側部上で配向された凹みで湾曲され、複数の溝400の第2部分は、下柄部分22の側部上で配向された凹みで湾曲されている。
【0144】
上柄部分21の側部上で配向された凹みを有する溝400の第1部分は、柄の前方側部、すなわち刃1の近くに、一緒に配置されることが好ましい。
【0145】
下柄部分22の側部上で配向された凹みを有する溝400の第2部分はまた、柄の後方側部、すなわち柄2の自由端部の近くに、一緒に配置されることが好ましい。
【0146】
溝400がそのような凹み変化を有することは、特に長手方向Lに沿った並進切断の間、切断を促進することを更に可能にする。実際、ナイフの後方(すなわち、刃から柄に向かう方向)に向かうそのような切断の間、手によって及ぼされる力は、むしろ柄2の前に向けて集中され、柄2の前に位置付けられた溝400の凹みは、したがって切断中の手と柄との間の協働を促進する。逆に、ナイフの前に(すなわち、柄から刃への方向に)向けて並進切断する間、手によって及ぼされる労力は、むしろ柄2の中間又は後に向けて集中され、柄2の後に位置付けられた溝400の凹みは、したがって切断中に手と柄との間の協働を促進する。
【0147】
溝は、柄の2つの側部のうちの一方にのみ配置され得る。しかし、各柄脇部が複数の溝を備えることが好ましい。この場合、柄脇部23の一方の溝400は、柄脇部23の他方の溝400と長手方向平面に対して対称であることが好ましい。これは、特に右手と左手の両方で使用され得る両利き用ナイフを提案することを可能にする。
【0148】
柄2の脇部に配置された溝400を設けたこの特定の設計は、先に説明された設計、特に提案された長手方向の広がり、提案された横断方向の広がり、及び特定の把持稜線部の形成のうちの1つ以上と組み合わせられ得ることを想起されたい。
【0149】
柄2が上柄脇部分231を下柄脇部分232から分離する把持稜線部233を備える場合、溝は対応する柄脇部23の上柄脇部分231に配置されていることが好ましい。
【0150】
ナイフの全体の寸法及び形状
提案されたナイフの利点は、全ての大きさ及び形状のナイフに適応できる原理に基づいて設計されていることである。
【0151】
説明された設計原理は、特に小型及び大型ナイフの両方に適用可能である。
【0152】
料理の分野では、小型ナイフは皮むきナイフ又は果物ナイフ、大型ナイフはシェフナイフ、三徳包丁、パン切りナイフ、又はスライスナイフである。
【0153】
図1~4に示されたナイフの例は、シェフナイフに相当し、上述したものの中から組み合わせた幾つかの設計パラメータ、すなわち提案された長手方向の広がり、提案された横断方向の広がり、及び特定の把持稜線部の形成が適用されている。
【0154】
図12~15に示されたナイフの例もシェフナイフに相当し、上述したもののうち組み合わせられたいくつかの設計パラメータ、すなわち提案された長手方向の広がり、提案された横断方向の広がり、特定の把持稜線部の形成、及び溝の提供であって、これらの溝は真っ直ぐであること、が適用されている。
【0155】
図17~20に示されたナイフの例もまたシェフナイフに相当し、上述のもののうち組み合わせられたいくつかの設計パラメータ、すなわち提案された長手方向の広がり、提案された横断方向の広がり、特定の把持稜線部の形成、及び溝の提供であって、これらの溝が曲線状であること、が適用されている。
【符号の説明】
【0156】
参照数字
1 刃
11 背
12 エッジ
13 末端部
14 基端部
2 柄
21 上柄部分
22 下柄部分
23 柄脇部
231 上柄脇部分
232 下柄脇部分
233 柄把持稜線部
100 接合部部分
121 上接合部部分
122 下接合部部分
123 接合部脇部
1231 上接合部脇部分
1232 下接合部脇部分
1233 接合部把持稜線部
200 主把持部分
221 上部分
222 下部分
223 脇部
2231 上脇部分
2232 下脇部分
2233 把持稜線部
300 端部部分
321 上端部部分
322 下端部部分
323 端部脇部
3231 上端部脇部分
3232 下端部脇部分
3233 端部把持稜線部
400 溝
410 基準溝
401 延長部の平均的な方向
【要約】
【課題】使用者が快適かつ安全な方式で把持でき、特にナイフを使用する際に手の急な移動のないナイフを提供する。
【解決手段】本発明は、刃(1)と、主把持部分(200)を有する柄(2)とを備えるナイフに関する。柄(2)の主把持部分(200)は、長手方向平面内に延びていて下部分(222)と上部分(221)との間に形成された長手方向の広がり角度αによって規定される長手方向の広がりを呈する形状を有しており、長手方向の広がり角度αは3°~8°で構成される固定値を有しており、柄(2)の主把持部分(200)は、横断方向の広がりを呈する形状を有し、柄(2)の主把持部分(200)の脇部(23)の2つの把持稜線部の間に形成される横断方向の広がり角度βによって規定され、横断方向の広がり角度βは1°~5°で構成される固定値を有する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21