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特許7350279可動取り出し板を内設したロールペーパーホルダー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-15
(45)【発行日】2023-09-26
(54)【発明の名称】可動取り出し板を内設したロールペーパーホルダー
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/36 20060101AFI20230919BHJP
【FI】
A47K10/36 F
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018132752
(22)【出願日】2018-07-12
(65)【公開番号】P2019018009
(43)【公開日】2019-02-07
【審査請求日】2021-07-07
(31)【優先権主張番号】P 2017148587
(32)【優先日】2017-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】517268751
【氏名又は名称】石垣 嘉克
(74)【代理人】
【識別番号】100110560
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 恵三
(74)【代理人】
【識別番号】100182604
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 二美
(72)【発明者】
【氏名】石垣 嘉克
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-089440(JP,A)
【文献】特開2005-230095(JP,A)
【文献】特開2013-085940(JP,A)
【文献】実開昭55-012833(JP,U)
【文献】実開昭62-087596(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロールペーパー本体を保持するロールペーパーホルダー本体と、
前記ロールペーパーホルダー本体の上部に上下回動自在に配置され、且つ、先端にカッター刃を有するカバーと、
前記ロールペーパー本体保持時において、当該ロールペーパー本体及び前記カバーとの間に、これらと距離的に離間して配置されており、且つ、前記カバーの回動方向とほぼ同様の方向に回動自在に配置された可動取り出し板と、
を備え、
前記ロールペーパー本体保持時において、ロールペーパー切断端末は、前記可動取り出し板から突出する構成としたこと、を特徴とするロールペーパーホルダー。
【請求項2】
前記ロールペーパー本体保持時において、当該ロールペーパー本体と、前記カバーと、前記可動取り出し板とは、それぞれが距離的に離間して配置されることを特徴とする請求項1に記載のロールペーパーホルダー。
【請求項3】
ロールペーパー切断端末の切断時において、前記可動取り出し板の先端が、前記ロールペーパー本体と前記カッター刃との接点よりも、前記可動取り出し板の回動軸側に位置するよう前記可動取り出し板が配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のロールペーパーホルダー。
【請求項4】
前記ロールペーパー本体保持時において、前記可動取り出し板から突出するロールペーパー切断端末と前記ロールペーパー本体とは、距離的に離間して配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のロールペーパーホルダー。
【請求項5】
前記ロールペーパー本体保持時において、前記可動取り出し板から突出するロールペーパー切断端末の長さは、当該可動取り出し板と当該ロールペーパー本体との距離よりも短いことを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載のロールペーパーホルダー。
【請求項6】
前記可動取り出し板は、ロールペーパー切断端末の端末位置安定器を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載のロールペーパーホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールペーパーホルダーにおいて、ロールペーパー切断後のロールペーパー切断端末を、容易にしかも常に安定して取り出す事ができる可動取り出し板の設置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロールペーパーホルダーはトイレットペーパー用に広く使用されている。ロールペーパーホルダーのカバーに付いているカッター刃をロールペーパー本体に直接押しつけて切断(押さえ切り方式)する方法や、この押さえ切り方式の改良型としてロールペーパーホルダーのカバー部分の一部をロールペーパー本体に押しつけ、カッター刃はロールペーパー本体に押しつけずにロールペーパーを切断(浮かせ切り方式)する方法も行われている。また、持ち上げ部と押さえ部よりなる分離装置方式により、ロールペーパー切断端末をロールペーパー本体より分離する方法が提案されている。一方、トイレットペーパーより薄い紙、柔らかい紙(ティッシュペーパー等)はカットされてカット紙として使用され、トイレットペーパーより厚い紙、強い紙(キッチンペーパー、ペーパータオル等)は、ミシン線を入れたりカットされカット紙として使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5187986号公報
【文献】特開平6-284988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、次のような問題点があった。ロールペーパーホルダーにおいて、押さえ切り方式を使ってカッター刃をロールペーパー本体に押し当てて切断すると、トイレットペーパー、トイレットペーパーより薄い紙や柔らかい紙、トイレットペーパーより厚い紙、強い紙などトイレットペーパー以外の紙も切断できるが、切断時カッター刃によって切断端末がロールペーパー本体へ押さえつけられる為、密着しており切断端末の取り出し時、指先や爪を使って剥ぎ取らなければならない事があり、ロールペーパー端末を常に容易に取り出せるとは言えない。
【0005】
浮かせ切り方式ではトイレットペーパーにおいて、ロールペーパーホルダーのカバーのカッター刃でない部分をトイレットペーパー本体に恒常的に押し付けておき、カッター刃はトイレットペーパー本体に押し付けない形にしておいて、トイレットペーパー端末を瞬間的に引っ張ると、トイレットペーパー切断端末がカッター刃の外側に残り、次に切断端末を取り出す時、取り出しやすい。しかし、瞬間的に引っ張る力の強さにより端末の長さが変わるため、端末の長さが短すぎて取り出し難いことがある。
【0006】
浮かせ切り方式において、薄い紙、柔らかい紙においては紙の伸びによる不規則な切断端末が発生することがあり、次の使用に対して美観上好ましくない。また、厚い紙、強い紙に対しては切断し難いため、ミシン目を入れたり予めカットしてカットペーパーとして使用するため、浮かせ切り方式ではトイレットペーパーより薄い紙、柔らかい紙、厚い紙、強い紙に対しては必要量を自由に切り取って使う、省資源方式のロールペーパーホルダーの特性を生かして使用できていない。
【0007】
ロールペーパーにミシン線を入れる方式があり、ミシン目を確認して引っ張ればカッター刃によらず簡単に切り取れるが、必要量を自由に切り取ることが制限され、しかもミシン目の位置を確認するという煩わしさがあり、切断後に静電気やロールペーパーの巻癖により切断端末がロールペーパー本体にくっつき取り出し難いことがある。
【0008】
特許文献1では、分離装置は、引っ掛け持ち上げ部と押さえ部とで構成されており、引っ掛け持ち上げ部からの落下防止のための押さえる力は、押さえ部自体の自重によるため、押さえ部の保持角度の変化に応じた自重による押さえ力の変化、押さえ部自体の上昇慣性力による押さえ力の変化、押さえ部を上から押しつけている二部を手で上にあげるときの早さにおける押さえ部の押さえ力への影響が発生し、トイレットペーパー切断端末落下防止押さえ力の安定性が懸念される。
【0009】
また、ロールペーパーを使用してロールペーパー本体の直径が小さくなると、垂れ下がったロールペーパー切断端末と、垂れ下がったロールペーパー切断端末の背面にあるロールペーパー本体より分離装置までのロールペーパーが近接することになり、静電気による両者の付着の可能性もあり、近接する両者からのロールペーパー切断端末を取り出すには注意深く取る必要がある。
【0010】
また、切断端末が短いと、引っ掛け持ち上げ部に引っ掛けられた切断端末の近くに突出した押さえ部があることになり、押さえ部に触れると切断端末が落下する懸念があり、近くに突出している押さえ部に触れないようにして切断端末を取り出さなければならない使用のし難さがある。
【0011】
特許文献2では、下敷きがトイレットペーパーホルダーのカバーとトイレットペーパー本体の間に配置され、トイレットペーパー切断端末を取り出すときには、まずカバーを上にあげ、次に下敷きに乗っているトイレットペーパー切断端末を指で上から押さえて挟み取る必要があるが、ロールペーパー表面の状態、指先の滑りやすさの状況により挟み取りにくい場合がある。
【0012】
以上より、日常生活において、ロールペーパーとしてトイレットペーパーが大量に使用されているが、トイレットペーパー切断端末の取り出しについてはいまだ容易に、しかも常に安定して取り出せているとはいえない。また、トイレットペーパーより薄い紙、弱い紙、厚い紙、強い紙については、ロールペーパーホルダーで押さえ切り方式で切断できても、ロールペーパー切断端末の取り出しが容易ではないため、ロールペーパーとしてロールペーパーホルダーに取り付けられて広く使用されているとはいえない。
【0013】
本発明は、押さえ切り方式を行って、切断できるロールペーパーに対して、ロールペーパー切断後のロールペーパー切断端末を取り出す操作を、ロールペーパーホルダーのカバーを手で上にあげる操作をすることなく、可動取り出し板の先端に乗って、前方に向かって突出しているロールペーパー切断端末を、指で上下に挟んで取り出すだけでできるようにした。すなわち、ロールペーパー切断端末を、容易にしかも常に安定して取り出せるロールペーパーホルダーの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
係る問題点を解決するために、本願発明に係るロールペーパーホルダーは、ロールペーパーを保持するロールペーパーホルダー本体と、前記ロールペーパーホルダー本体の上部に上下回動自在に配置され、且つ、先端にカッター刃を備えるカバーと、前記ロールペーパー及び前記カバーとの間に、前記ロールペーパー及び前記カバーと距離的に離間して配置される可動取り出し板と、を備えることを特徴とする。
【0015】
また、前記発明において、本願発明に係るロールペーパーホルダーは、前記ロールペーパーと、前記カバーと、前記可動取り出し板とは、それぞれが距離的に離間して配置されることを特徴とする。
【0016】
また、前記発明において、本願発明に係るロールペーパーホルダーは、前記カバーの先端と、前記可動取り出し板の先端とは、それぞれが近傍に位置するよう配置されることを特徴とする。
【0017】
また、前記発明において、本願発明に係るロールペーパーホルダーは、前記カバーの先端と、前記可動取り出し板の先端との距離は、0mm以上25mm以下の範囲であることを特徴とする。
【0018】
また、前記発明において、本願発明に係るロールペーパーホルダーは、前記可動取り出し板は、ロールペーパーの端末位置安定器を備えることを特徴とする。
【0019】
また、前記発明において、本願発明に係るロールペーパーホルダーは、ロールペーパーを保持するロールペーパーホルダー本体と、前記ロールペーパーホルダー本体の上部に上下回動自在に配置され、且つ、先端にカッター刃を有するカバーと、前記ロールペーパー保持時において、当該ロールペーパー及び前記カバーとの間に、これらと距離的に離間して配置されており、且つ、前記カバーの回動方向とほぼ同様の方向に回動自在に配置された可動取り出し板と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
また、前記発明において、本願発明に係るロールペーパーホルダーは、前記ロールペーパー保持時において、当該ロールペーパーと、前記カバーと、前記可動取り出し板とは、それぞれが距離的に離間して配置されることを特徴とする。
【0021】
また、前記発明において、本願発明に係るロールペーパーホルダーは、前記ロールペーパー保持時において、前記可動取り出し板の回動軸直角方向の長さは、前記カバーの回動軸直角方向の長さよりも短く、且つ、当該可動取り出し板から突出する当該ロールペーパーの長さは、当該可動取り出し板及び当該ロールペーパーとの距離よりも短いことを特徴とする。
【0022】
ロールペーパーホルダー1において、先端部にカッター刃3を備えたカバー2が上下方向に可動し、手によってカバー2に力を加えない静止状態のとき、カバー2に付設されたカバースプリング15によりカバー2が上限の定位置戻っていることにより、カバー2とロールペーパー本体との間に空間が保持されるロールペーパーホルダー1において、手によってカバー2に力を加えない静止状態で可動取り出し板の先端11が、カッター刃3と、ロールペーパー最初の使用時の直径を有するロールペーパー本体8に接触せず、両者より距離的に離間した位置にあるよう配置する。
【0023】
次に、手でカバー2を下側へ押さえ、カッター刃3がロールペーパー本体に接触したときカバー2に押され、可動取り出し板10が下方向へ移動したとき、可動取り出し板の先端11がカッター刃3のロールペーパー本体接触部より内側に備えるように長さを設定してある可動取り出し板を、可動取り出し板取り付け装置に保持させてロールペーパーホルダー内に設置する。
【0024】
可動取り出し板取り付け装置としては、側壁に可動取り出し板軸受け13を設け、これに可動取り出し板軸12を取り付け、可動取り出し板軸12に可動取り出し板を固着し、可動取り出し板弾性体16で可動取り出し板軸12と側壁6とを継ぐ構造を設ける。
【0025】
カバー保持軸4に、カバー軸取り付け保持板31を回動自在に取り付け、リング部弾性体33で保持板リング部32とロールペーパーホルダー側壁6とを結び、カバー軸取り付け保持板31の他端を可動取り出し板10へ固着する構造を設ける。
【0026】
この場合、カバー保持軸4と側壁6を結ぶカバースプリング15と保持板リング部32と側壁6とを結ぶリング部弾性体33とが重複する位置関係にあることから、一方を大スプリング、他方を小スプリングとして分けたり、カバースプリング15をカバー保持軸受5内に内接する構造を設ける。
【0027】
奥壁又は側壁に、奥壁取り付け弾性保持体34、側壁取り付け弾性保持体35を固着し、他端に可動取り出し板を固着する構造を設ける。奥壁取り付け弾性保持体34、側壁取り付け弾性保持体35、としては弾性板やスプリングが使用できる。
【0028】
カバー裏面取り付け弾性保持体36でカバー裏面37へ可動取り出し板を固着する構造を設ける。
【0029】
可動取り出し板10は、金属、プラスチック、木質、紙質、ゴム、弾性力のある金属、を使用でき、網目構造も選ぶことができ、形状としては端末中央部が切り取られ、欠けている形状が世良い。
【0030】
端末位置安定器151は、弾性圧接体52と繋ぎ体53で構成されており、繋ぎ体53を可動取り出し板10に固着し、可動取り出し板10上を通過しているロールペーパーを上より挟む形で弾性圧接体52を配置し、繋ぎ体53と弾性圧接体52を繋ぎ、弾性圧接体でロールペーパーを上より可動取り出し板10へ圧接する端末位置安定器151であり、例えば図7の如く可動取り出し板10に繋ぎ体53を固着し、繋ぎ体53と繋がれた弾性圧接体52で構成されている。
【発明の効果】
【0031】
本初発明は、以下のような効果をそうする。可動取り出し板取り付け装置101は可動取り出し板軸12と可動取り出し板軸受け13、可動取り出し板弾性体16により構成されており、側壁6の左右に可動取り出し板軸受13を設け、可動取り出し板10を固着した可動取り出し板軸12を可動取り出し板軸受け13に取り付け、可動取り出し板軸12と側壁6の間は可動取り出し板軸12と側壁6の間を結ぶ可動取り出し板弾性体16を設置してあり、この可動取り出し板10に端末位置安定器151を付設したロールペーパーホルダーを用意した。
【0032】
ロールペーパーホルダーのロールペーパー本体保持部9において、ロールペーパー本体の着脱を容易にするため、ロールペーパー本体保持部の外径をロールペーパー内径よりかなり小さくしたり、ロールペーパーを引き出すとき、強く引っ張った場合に慣性力によりロールペーパー単体が回り続けないようロールペーパー本体保持部とロールペーパー本体内径部摩擦を保持させるため、ロールペーパー本体保持部の形状を楕円や角形にしたりする。ロールペーパーを引いたままでカッター刃をロールペーパー本体に押しつけて切断し、直後にカッター刃をロールペーパー本体より放すとロールペーパー本体の重心移動が起こり、ロールペーパー切断端末をロールペーパー本体方向へ引き戻すことがある。
【0033】
また、ロールペーパー切断端末が、ロールペーパー本体8の上方にある可動取り出し板10上にあるため、ロールペーパー本体8より
可動取り出し板10までの高さに対するロールペーパー自重によるロールペーパー本体8側への戻り力が恒常的にあり、ロールペーパーカバー2のバネ力による静止位置への戻り可動取り出し板のロールペーパー切断後のバネ力による静止位置への戻り動作に伴う揺れ及び、この動作による気流の発生等により戻りの発生。また、不用意にロールペーパー本体8に指で触れたり、動かしたりするとロールペーパー切断端末がロールペーパー本体方向へ戻り、可動取り出し板より落下する場合がある。
【0034】
ロールペーパー切断端末の可動取り出し板よりの落下は、たまの発生であっても基に戻すために手間がかかりこのままでは日常の実用使用に使えず更なる改良が必要になる。ロールペーパー切断端末付近が静電気を帯びたり、カッター刃に付着したりして切断端末の位置が乱れることがあるため、切断端末の位置の戻り及び乱れを防止して、ロールペーパー切断端末の位置が常に安定して置かれているようにする端末位置安定器151の効果が必要になる。
【0035】
以上の用意のもとにロールペーパーを切断したところ、下記効果を得た。ロールペーパーを切断しカバー2から手を放した直後の静止状態は次のようになっている。すなわち、カッター刃3を付けたカバー2は、カバー保持軸4のカバースプリング15力により予め設定してあるほぼ水平の位置に戻っている。可動取り出し板も可動取り出し板に付けたスプリング力により予め設定してある位置に戻っている。
【0036】
ロールペーパー切断後のロールペーパー切断端末を取り出すとき、ロールペーパーホルダー1のカバー2を手で上にあげる操作をすることなく、可動取り出し板10の先端に乗って前方に向かって突出しているロールペーパー切断端末を、指で上下に挟んで取り出す事ができた。
【0037】
これに対して、従来の押さえ切り方式の場合、切断端末がロールペーパー本体8に密着し、指先、爪先で剥ぎ取らなければならず、浮かせ切り方式では切断端末が短過ぎて取り出し難かったり、静電気やロールペーパーの巻癖のため、ロールペーパー本体に付着して取り出しが面倒であったり、また、分離装置方式では切断端末が垂れ下がっており端末を取り出すとき、正面から掴めないため、側面より指で挟んだり、垂れ下がった下側より指で挟んで取り出したりする煩わしさがある。また垂れ下がりが長いと次の使用者に対して美観上好ましくない。日常生活において頻度の多い作業は多少の便利さでも効果は大きいといえる
【0038】
日常使用しているロールペーパーホルダーにおいては、ロールペーパー切断後の、ロールペーパー切断端末を取り出すとき、ロールペーパー本体に指先が触れていることがしばしばあり、ロールペーパー本体自体へ、指先の菌の付着の可能性がある。ロールペーパーホルダーの構造部材の抗菌処理を行ってもロールペーパー本体自体に菌の付着が発生するため、防止効果は限定的になる。一方、可動取り出し板内接によるロールペーパーホルダーにおいてはロールペーパーホルダーのカバーを手であげる操作をすることなく可動取り出し板の先端に乗って、前方に向かって突出しているロールペーパー切断端末を指で上下に挟んで取り出すだけのため、ロールペーパー本体に指が触れることがなく、ロールペーパーホルダーの構造部材を抗菌処理したものを使用し、さらに可動取り出し板の表面又は裏面に抗菌処理したシートを取り付け、シートをロールペーパー本体を覆うように手前に出すことにより伝染病菌付着防止効果が考えられ、病院等での使用時の効果が期待される。なおこの場合、切断はカッター刃をロールペーパー、シート越しに、ロールペーパー本体に押し付けてロールペーパーを切断することになる。
【0039】
可動取り出し板取り付け装置201は、カバー保持軸4と、可動取り出し板10を保持するカバー軸取り付け保持板31と、保持板リング部32と、保持板リング部32と側壁6を結ぶリング部弾性体33によって構成され、カバー軸取り付け保持板31の一端が可動取り出し板10に固着されており、この他端である保持板リング部32がカバー保持軸4に回動自在に保持されており、保持板リング部32と側壁6を繋ぐリング部弾性体33に、手にてカバー2に力を加えない静止状態において可動取り出し板先端11がカッター刃3とロールペーパー本体8に接触せず、両者より離間した位置にあるよう配置し、可動取り出し板取り付け装置201によって取り付けられた可動取り出し板を内設したロールペーパーホルダーで、さらに可動取り出し板にロールペーパー端末位置安定器151を取り付けたロールペーパーホルダーにおいて、ロールペーパーを切断したところ、下記効果を得た。
【0040】
ロールペーパー切断後のロールペーパー切断端末を取り出すとき、ロールペーパーホルダーのカバーを手で上にあげる操作をすることなく、可動取り出し板の先端に乗って、前方に向かって突出しているロールペーパー切断端末を、指で上下に挟んで取り出す事ができた。
【0041】
これは従来の押さえ切り方式や浮かせ切り方式において、ロールペーパー切断端末を時々指先や爪先を使って取ることがあった場合に比べて、使いやすくなったといえる。また、可動取り出し板軸がないため、ロールペーパー本体の着脱は可動取り出し板軸方式より便利である
【0042】
可動取り出し板取り付け装置301は、奥壁取り付け弾性体34の奥壁7と可動取り出し板10への固着で構成されている。可動取り出し板奥側に奥壁取り付け弾性体34を固着し、次に奥壁と奥壁取り付け弾性保持体34の間を通過するロールペーパーの左右外側の位置にある奥壁7と奥壁取り付け弾性保持体とを固着し、固着部の内側の開口部にロールペーパーを通過させ、手にてカバーに力を加えない静止状態において、可動取り出し板先端11がカッター刃3とロールペーパー本体8に接触せず、両者より離間した位置にあるよう配置し、可動取り出し板取り付け装置301によって取り付けられた。可動取り出し板を内設したロールペーパーホルダーで、さらに可動取り出し板にロールペーパー端末位置安定器151を取り付けたロールペーパーホルダーにおいてロールペーパーを切断したところ、下記効果を得た。
【0043】
ロールペーパー切断後のロールペーパー切断端末を取り出すとき、ロールペーパーホルダーのカバーを手で上にあげる操作をすることなく、可動取り出し板の先端に乗って、前方に向かって突出しているロールペーパー切断端末を、指で上下に挟んで取り出す事ができた。これは従来方式に比べて使いやすくなったといえる。
【0044】
また弾性保持体で可動取り出し板を保持するため、ロールペーパー切断後のカバーより手を離すとき、急激に離すと弾性保持体のため可動取り出し板が上下前後に揺れるが、端末位置安定器151によりロールペーパー端末位置の乱れは抑えられた。
【0045】
可動取り出し板取り付け装置401は、側壁取り付け弾性体35の側壁6と可動取り出し板10への固着で構成されおり、左右両側壁6に側壁取り付け弾性保持体35を固着し、他端を可動取り出し板に固着し、手にてカバー2に力を加えない静止状態において、可動取り出し板先端11がカッター刃3とロールペーパー本体8に接触せず、両者より離間した位置にあるよう配置し、可動取り出し板取り付け装置401によって取り付けられた可動取り出し板を内設したロールペーパーホルダーで、さらに可動取り出し板にロールペーパー端末位置安定器151を取り付けたロールペーパーホルダーにおいてロールペーパーを切断したところ、下記効果を得た。
【0046】
ロールペーパー切断後のロールペーパー切断端末を取り出すとき、ロールペーパーホルダーのカバーを手で上にあげる操作をすることなく、可動取り出し板の先端に乗って、前方に向かって突出しているロールペーパー切断端末を、指で上下に挟んで取り出す事ができた。これは従来方式に比べて使いやすくなったといえる。
【0047】
また、弾性保持体で可動取り出し板10を保持するため、ロールペーパー切断後にカバーより手を離すとき急激に離すと弾性保持体のため、可動取り出し板10が上下左右に揺れるが、端末位置安定器151によりロールペーパー切断端末の乱れは抑えられた。
【0048】
可動取り出し板取り付け装置501は、カバー裏面取り付け弾性保持体36のカバー裏部37への固着とカバー裏面取り付け弾性保持体36の可動取り出し板10への固着で構成されている。可動取り出し板10の奥側にカバー裏面取り付け弾性保持体36を固着し、次にカバー裏面37とカバー裏面取り付け弾性保持体36の間を通過するロールペーパーの左右外側の位置にあるカバー裏面37とカバー裏面取り付け弾性保持体36とを固着し、固着部の内側の開口部にロールペーパーを通過させ、手にてカバーに力を加えない静止状態において、可動取り出し板先端11がカッター刃3とロールペーパー本体8に接触せず、両者より離間した位置にあるよう配置し、可動取り出し板取り付け装置501によって取り付けられた。可動取り出し板を内設したロールペーパーホルダーで、さらに可動取り出し板にロールペーパー端末位置安定器151を取り付けたロールペーパーホルダーにおいてロールペーパーを切断したところ、下記効果を得た。
【0049】
ロールペーパー切断後のロールペーパー切断端末を取り出すとき、ロールペーパーホルダーのカバーを手で上にあげる操作をすることなく、可動取り出し板の先端に乗って、前方に向かって突出しているロールペーパー切断端末を、指で上下に挟んで取り出す事ができた。これは従来方式に比べて使いやすくなったといえる。
【0050】
日常生活でティッシュペーパー、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ペーパータオル等が大量に使用されているが、ロールペーパーとカットペーパーを比べると、ペーパーの製造コストと、各々の消費の仕方において、ロールペーパー方式の方がより省資源的方式といえる。ロールペーパーホルダーは主にトイレットペーパー用ホルダーとしての使用に限られがちだが、トイレットペーパーより薄い紙、柔らかい紙、厚い紙、強い紙も押さえ切り方式では、広範囲に切断できる。押さえ切り方式でのロールペーパーの切断端末の取り出しを容易にすることは、トイレットペーパーを使い易くすることと同時に、各種の紙に対してカットペーパー方式からロールペーパー方式へ変えていくための重要な技術の一端であり、実行されることによる省資源効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】本発明のロールペーパーホルダーの組立図である。
図2】本発明の可動取り出し板カバー保持軸に取り付けた斜視図である。
図3】本発明の可動取り出し板を奥壁取り付け弾性保持体で奥壁に取り付けた分解斜視図である。
図4】本発明の可動取り出し板を側壁取り付け弾性保持体で側壁に取り付けた分解斜視図である。
図5】本発明の可動取り出し板をカバー裏面取り付け弾性保持体でカバー裏面に取り付けた要部を示す斜視図である。
図6】ロールペーパーを取り出す使用状態を示す図である。
図7】本発明の可動取り出し板に付設した弾性圧接体、繋ぎ体より構成されるロールペーパー端末位置安定器の要部を示す斜視図である。
図8】山型カバーにおける可動取り出し板と固定取り出し板位置を示す状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
主要構造としてロールペーパーホルダー側壁6、カッター刃を持っているカバー2、カッター刃3、カバー保持軸4、ロールペーパー本体保持部9を備え、付属としてロールペーパーホルダー奥壁7のあるロールペーパー
ホルダー1において、先端部にカッター刃3を備えたカバー2が上下方向に回動し、手によってカバー2に力を加えない静止状態のとき、カバー2に付設されたカバースプリング15によりカバー2が上限の定位置であるほぼ水平に戻っていることにより、カバー2とロールペーパー本体8との間に空間が保持される。
【0053】
このロールペーパーホルダー1において、手によってカバーに力を加えない静止状態において、可動取り出し板11がカバー先端のカッター刃3とロールペーパー新規使用開始時のロールペーパー本体8に接触せず、両者から離間した位置にあるように好ましくはロールペーパー端末を指2本で摘まんでもカッター刃3とロールペーパー本体8に指が接触しない程度に配置する。
【0054】
すなわち、カバー2をほぼ水平の静止状態にしたとき、初めて使用するロールペーパー本体8をロールペーパー本体保持部9にセットしたとき、ロールペーパー本体8の表面とカッター刃3の先端との距離がロールペーパー切断端末を指2本で摘まんで取り出すときに、指2本以上の間隔を取ることができるように、ロールペーパーホルダー1内にあるロールペーパー本体保持部9の高さ位置を決める。
【0055】
次に、手にてカバー2を下側へ押さえカッター刃3がロールペーパー本体に接触したとき、カバー2に押され可動取り出し板10が下方向へ移動したとき、可動取り出し板先端11が、カッター刃3のロールペーパー本体接触部に接することなく、内側にあるように可動取り出し板10の長さを予め設定しておく。
【0056】
すなわち、ロールペーパー最初の使用時における、ロールペーパー切断時のカッター刃3と可動取り出し板先端11の位置と、ロールペーパー終了時におけるカッター刃3と可動取り出し板先端11の位置は変わるため、このことを考慮して、ロールペーパー切断時、常に可動取り出し板先端11がカッター刃3の内側にあるようにして、必ず押さえ切り方式ができるように可動取り出し板10の長さを設定する。
【0057】
次に、可動取り出し板10を可動取り出し板取り付け装置101に取り付ける。可動取り出し板取り付け装置101は、可動取り出し板軸12と可動取り出し板軸受13、可動取り出し板スプリング16によって構成され、ロールペーパーホルダーの側壁6の左右に可動取り出し板軸受13を設け、可動取り出し板10を固着した可動取り出し板軸12を可動取り出し板軸受13に取り付け、可動取り出し板スプリング16を可動取り出し板軸12と側壁6に各々固着しカバー2に力を加えない静止状態において可動取り出し板10がカッター刃3とロールペーパー本体8に離間した位置にあるよう可動取り出し板スプリング16のスプリング力を調整する。
【0058】
図1の如くロールペーパー使用開始時、終了時でロール径が変わってもロールペーパー切断端末14を、いつも同じ位置で、カバーを手で上にあげる操作をすることなく、可動取り出し板の先端で前方に向かって突出しているロールペーパー切断端末を指で上下に挟んで取り出すことができる。また、カバーの形状は平板かロールペーパー本体8に沿っての曲面が多いが、カバーの形状によっても可動取り出し板10の位置は変更ができる。図8の如く、カバーの形状がかなり極端な山型形状であると可動取り出し板10は図8の100にも配置できる。
【0059】
この場合はロールペーパー使用開始時より終了まで、カバーが可動取り出し板10と接触しないため固定取り出し板としても使えることになるが、ロールペーパー切断端末が可動取り出し板端末より大幅に長くなるため、ロールペーパー切断端末は長く垂れ下がって取り難くなり、また、次の使用者に対して美観上好ましくない。
【0060】
切断端末が多少長い場合は、図6bのように可動取り出し板の先端部の両端をやや上に曲げて垂れ下がりに対処するが、切断端末が長過ぎると対処しきれずだらりと垂れ下がって取り出し難くなる。図8の100で固定取り出し板100として配置して切断端末が長いよりも、図8の10aとして可動取り出し板10aとして配置した方が格段に切断端末を短くし、取り出し易くなる。なお、可動取り出し板取り付け装置101において奥壁6にコの字状支持台を固着し、これに可動取り出し板軸受を設け、可動取り出し板軸、可動取り出し板スプリングを付設し、これに可動取り出し板を取り付けることができる。
【0061】
ロールペーパー端末位置安定器151は、弾性圧接体52と繋ぎ体53で構成されており、概ねへの字状の弾性圧接体52の取り付けにおいてロールペーパーが通過している右側左側に各々繋ぎ体53を可動取り出し板10に固着し、繋ぎ体53に弾性圧接体52を固着し、弾性圧接体52と可動取り出し板10の間をロールペーパーを通過させロールペーパー切断端末14を手で引っ張らなければ弾性圧接体52のロールペーパー押さえ力により摩擦のため動かないようにする。
【0062】
また、ロールペーパーを通過させるため可動取り出し板10にロールペーパー通過口を設けてロールペーパーを通過させ、通過後にロールペーパー端末位置安定器151を取り付けることも可能である。
【0063】
厚めのロールペーパーでロール幅22cm直径」10cmを大型ロールペーパーホルダー1に可動取り出し板取り付け装置201によって取り付けた可動取り出し板取り付け装置201はカバー軸取り付け保持板31と、保持版リング部32と、保持版リング部32と側壁6を繋ぐリング部弾性体33が手によってカバーに力を加えない静止状態において可動取り出し板先端11がカッター刃3とロールペーパー本体8に接触せず、両者より離間した位置にあるよう配置されている。
【0064】
ロールペーパー端末位置安定器151は、可動取り出し板10への弾性圧接体52の固着によって構成されているが、大型ロールペーパーの場合は、摩擦力を大きくするため、他方法として可動取り出し板押さえロールと可動取り出し板押さえロール支持体で構成することもできる。可動取り出し板10に可動取り出し板押さえロール支持体を固着し、この支持体に弾性体ロールを取り付け、この弾性体ロールと可動取り出し板10の間をロールペーパーを通過させ、ロールペーパーは弾性体ロールにより可動取り出し板10に押し付けられるため、手でロールペーパー切断端末14を引かないとロールペーパーは動かず、弾性圧接体52と同様な効果を得られる。
【0065】
使用するロールペーパー8において、例えば廃棄用新聞紙を縛る延伸フィルムのレコード巻きテープは通常鋏で切断して使用するが、前述の可動取り出し板取り付け装置101に取り付け、カッター刃3として金属製ノコギリ歯を使用すると切断できるため、ロールペーパー端末位置安定器151により、ノコギリ歯への端末食い込みや、静電気によるカバーへの密着による取り出し難さを防止することができる。すなわち、使用するロールペーパーは、紙だけでなくロールペーパーホルダーで切断できるものであれば、薄い金属製フィルム、プラスチックフィルム、不織布等も使用できる。
【0066】
重量物に対しては、ロールペーパー端末位置安定器151として逆回転防止付き弾性体ロールの使用も可能であり、弾性体ロールとしてはゴム状物質、スポンジ状物質等がある。
【0067】
可動取り出し板取り付け装置301は、奥壁取り付け弾性保持体34の奥壁7と可動取り出し板10への固着で構成されており、可動取り出し板の奥側に奥壁取り付け弾性保持体34を固着し、次に奥壁7と奥壁取り付け弾性保持体34の間を通過するロールペーパーの左右外側の位置にある奥壁7と奥壁取り付け弾性保持体34とを固着し、固着部の内側の開口部にロールペーパーを通過させロールペーパーを端末位置安定器151へ導き、手にてカバー2に力を加えない静止状態において可動取り出し板の10を奥壁取り付け弾性保持体34によりカッター刃3とロールペーパー本体8の間に保持させる。奥壁取り付け弾性保持体としては、ゴム質、弾性力のある金属、弾性力のあるプラスチック、スプリング等が使用できる。
【0068】
可動取り出し板取り付け装置301を備えたロールペーパーホルダーでトイレットペーパーより薄い柔らかい紙を切断すると浮かせ切りではロールペーパー自体の柔らかさによる伸び、、薄さによる紙の強度のバラつき等のため、切断端末が不規則になったが、押さえ切り方式ではきれいに切り取ることができ、切断直後のカッター刃のロールペーパー本体よりの離れも、静電気、可動取り出し板のバネによる戻り、気流の発生による端末の乱れ等は、端末位置安定器により防止され、可動取り出し板先端に乗っており、指2本で上下に挟み、容易に片手だけで取ることができる。従来の方式では、ロールペーパーカバーにあるカッター刃の外側へ切断端末を送り出すためロールペーパー本体を指で回転させる。ロールペーパーカバーを上方へ持ち上げる、ロールペーパー本体上にある切断端末を探す、ロールペーパー本体上に切断端末を爪で剥ぎ取る、垂れ下がっているロールペーパー切断端末を直接前方からは掴めないので、側方又は下方より指で掴む等の動作が必要であったが、可動取り出し板方式では、ロールペーパーホルダーのカバーを手で上にあげる操作をすることなく、可動取り出し板先端に乗って前方向かって突出しているロールペーパー切断端末を、指で上下に挟んで取り出すだけでできる。
【0069】
ロールペーパーを、可動取り出し板取り付け装置401のあるロールペーパーホルダーにセットする。可動取り出し板取り付け装置401は側壁取り付け弾性保持体35の側壁6と可動取り出し板10への固着で構成され、可動取り出し板10の前方から見た可動取り出し板10の左右外側に側壁取り付け弾性保持体35を固着し、側壁取り付け弾性保持体35のもう一方の端を側壁6に固着し、手にてカバー2に力を加えない静止状態において可動取り出し板10を側壁取り付け弾性保持体35により、カッター刃3とロールペーパー本体8の間に保持させる。さらに、可動取り出し板10に端末位置安定器151を付設する。側壁取り付け弾性保持体35としては、ゴム質、弾性力のあるプラスチック、スプリング等が使用できる。
【0070】
ロールペーパーを可動取り出し板取り付け装置501のあるロールペーパーホルダーにセットする。可動取り出し板10の奥側にカバー裏面取り付け弾性保持体36を固着し、次にカバー裏面37とカバー裏面取り付け弾性保持体36の間を通過するロールペーパーの左右外側の位置にあるカバー裏面37とカバー裏面取り付け弾性保持体36とを固着し、固着部の内側の開口部にロールペーパーを通過させ、ロールペーパーを端末位置安定器151へ導くか、或いは、カバー裏面取り付け弾性保持体36、又は、可動取り出し板10にロールペーパー通過口を設け、ロールペーパーは当ロールペーパー通過口を通過してロールペーパー端末位置安定器151へ導き、手にてカバー2に力を加えない静止状態に可動取り出し板先端11がカッター刃3とロールペーパー本体8に接触せず両者より離間した位置にあるよう配置する。この可動取り出し板10に端末位置安定器151を付設する。
【0071】
カバー裏面取り付け弾性保持体36としては、ゴム質、弾性力のある金属、弾性力のあるプラスチック、スプリング等が使用できる。なお、カバー2の上にバネの力で作用するワンタッチ押さえ器具(上から一度押すと抑えられ、もう一度押すと元に戻る、あるいはこれに準ずるもの)を付設すれば、片手だけでロール端末の引き出しからカットまでできるため、使用がより便利になる。
【0072】
可動取り出し板10は弾性体、非弾性体が使用できカバー2も通常の平板から山型板までロールペーパーホルダーに使用できるため、可動取り出し板10、ロールペーパー端末位置安定器151のロールペーパーホルダーへの内設は十分可能である。
【0073】
可動取り出し板取り付け装置により取り付けられた可動取り出し板の裏面にロールペーパーよりやや幅広の抗菌処理されたシートを接着しシートの他端をロールペーパー本体手前に垂らす。これにより指にてロールペーパー本体に触れるのを防止する。また、水使用の多い場所では防水対策をした部材を使用することにより水濡れ対策用ロールペーパーとして使用効果がある。
【0074】
以上より、可動切り出し板、端末位置安定器の設置はトイレットペーパーの切断端末の取り出しを容易にしかも常に安定して取り出すことができる。加えて、この方式はトイレットペーパーより薄い紙、厚い紙でも利用できるため、カットペーパー方式よりロールペーパー方式への切替の可能性が考えられ省資源効果が期待される。また、可動取り出し板へのシートの取り付けは防水対策、抗菌対策に対しても有効と考えられる。
【0075】
可動取り出し板10と可動取り出し板取り付け装置の各々の可動取り出し板軸12、カバー軸取り付け保持板31、奥壁取り付け弾性保持体34、側壁取り付け弾性保持体35、カバー裏面取り付け弾性保持体36とは固着で接続されているが、固着の代わりに取り外しのできる差し込みをすることにより可動取り出し板10をロールペーパーホルダー1より取り外し、ロールペーパーを端末位置安定器への取り付けが容易になる。
【符号の説明】
【0076】
1 ロールペーパーホルダー
2 カバー
3 カッター刃
4 カバー保持軸
5 カバー保持軸軸受
10 可動取り出し板
14 ロールペーパー切断端末
33 リング部弾性体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8