(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-15
(45)【発行日】2023-09-26
(54)【発明の名称】小動物用遊具
(51)【国際特許分類】
A01K 15/02 20060101AFI20230919BHJP
【FI】
A01K15/02 D
A01K15/02 B
(21)【出願番号】P 2020007345
(22)【出願日】2020-01-21
【審査請求日】2022-08-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ・2019年12月11日~12日の2日間、および、2020年1月15日~16日の2日間、ジェックス株式会社2020年春新商品発表会にて出品。
(73)【特許権者】
【識別番号】393022746
【氏名又は名称】ジェックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西野 和美
(72)【発明者】
【氏名】塩野 俊二
【審査官】吉原 健太
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-073267(JP,U)
【文献】実開平05-091316(JP,U)
【文献】実開昭49-111384(JP,U)
【文献】米国特許第05487360(US,A)
【文献】特開2014-050363(JP,A)
【文献】特開平09-074944(JP,A)
【文献】HOEI ホールダー付止まり木 18cm 直径15mm,2013年12月20日,[2023年7月7日検索],インターネット<URL:https://www.amazon.co.jp/HOEI-ホーエイ-HOEI-ケージ用止り木-ホールダー付15φ180mm/dp/B00HFOQJ2C/>
【文献】CAP!,ぴいちゃん工房止まり木入荷したのでち!,2019年01月07日,[2023年7月7日検索],インターネット<URL:https://ameblo.jp/capdreambird/entry-12431300084.html>
【文献】Small Pet Bird Hamster Parrot Squirrel Bridge Climb Ladder Stairs Toy Cage Decor - Wood Color,2019年08月12日,[2023年7月7日検索],https://www.amazon.com/8QzJs1Tg-Hamster-Parrot-Squirrel-Bridge/dp/B07WHCL1J7
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 5/00-9/00
A01K 15/00-15/02
A01K 31/12
A01K 39/00-39/06
A01K 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状に形成されたかじり木と、
このかじり木の一端部を着脱自在に取り付け可能なホルダーと、
このホルダーを小動物用飼育ケースに固定するための固定手段と、を有
し、
前記ホルダーは、かじり木の一端部が圧入される取り付け枠であり、この前記取り付け枠には弾性変形可能なように切欠が形成されており、
前記固定手段としての雄ねじの中心線と、前記ホルダーに取り付けられるかじり木の中心線とが偏芯した状態になるように、前記取り付け枠が形成されていることを特徴とする小動物用遊具。
【請求項2】
棒状に形成されたかじり木と、
このかじり木の一端部を着脱自在に取り付け可能なホルダー部を有する遊具本体と、を備え、
前記遊具本体は、小動物がその上に上ることが可能な第1空間部を備え、
前記遊具本体は、第1側壁、第2側壁、前壁、後壁を有し、これらの壁の間に、前記第1空間部が凹部の形態で形成され、
取り付けられたかじり木が前記第1空間部の手前に配置されるように、前記ホルダー部が
前記第1側壁に配置されていることを特徴とする小動物用遊具。
【請求項3】
前記ホルダー部は、かじり木の一端部が圧入される取り付け枠であることを特徴とする請求項
2に記載の小動物用遊具。
【請求項4】
前記取り付け枠には弾性変形可能なように切欠が形成されていることを特徴とする請求項
3に記載の小動物用遊具。
【請求項5】
前記ホルダー部は複数設けられており、取り付けられた複数のかじり木が階段状に配置可能であることを特徴とする請求項
2~4のいずれか1項に記載の小動物用遊具。
【請求項6】
前記第1空間部の下方に、小動物が入り込むことが可能な第2空間部が設けられることを特徴とする請求項
2~5のいずれか1項に記載の小動物用遊具。
【請求項7】
前記第1空間部の後方に、前記遊具本体を小動物用飼育ケースに固定するための固定手段を有することを特徴とする請求項
2~6のいずれか1項に記載の小動物用遊具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハムスター等の小動物用の遊具及びこれに用いられるかじり木に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハムスター等のげっ歯類の小動物は、一生歯が伸び続けるため、かじり木をかじって歯の長さを調整する必要がある。また、かじり木をかじることは小動物にとってストレス解消にもなる。かかるかじり木として、下記特許文献に開示されるものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献においては、かじり木としても使用可能な2本の牧草挟板の両端部を挟板止め具により固定している。そのため、かじり木として有効に使用できる領域が少なくなっている。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、かじり木として有効活用できる領域を確保できる小動物用遊具およびこれに用いられるかじり木を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明に係る小動物用遊具は、
棒状に形成されたかじり木と、
このかじり木の一端部にかじり木を着脱自在に取り付け可能なホルダーと、
このホルダーを小動物用飼育ケースに固定するための固定手段と、を有することを特徴とするものである。
【0007】
かかる構成による小動物用遊具の作用・効果を説明する。棒状に形成されたかじり木は、その一端部が着脱自在にホルダーに取り付けられる。すなわち、片持ち支持の形態で取り付けられ、かじり木の他端部は開放されているので、この部分も有効に活用することができる。ホルダーに取り付けられたかじり木は、固定手段により小動物用飼育ケースに固定することができ、安定した状態で取り付けることができる。
【0008】
上記課題を解決するため本発明に係る別の小動物用遊具は、
棒状に形成されたかじり木と、
このかじり木の一端部にかじり木を着脱自在に取り付け可能なホルダー部を有する遊具本体と、を備え、
前記遊具本体は、小動物がその上に上ることが可能な第1空間部を備え、
取り付けられたかじり木が前記第1空間部の手前に配置されるように、前記ホルダー部が配置されていることを特徴とするものである。
【0009】
かかる構成による小動物用遊具の作用・効果を説明する。前述のように、かじり木は片持ち支持の形態で取り付けられ、かじり木の他端部は開放されているので、この部分も有効に活用することができる。また、第1空間部を備えていることで、かじり木の取り付けだけでなく、小動物が遊んだり生活できる空間も提供できる。かじり木が第1空間部の手前に配置されるので、かじり木をステップとして第1空間部へ移動することができる。
【0010】
本発明において、前記ホルダー部は複数設けられており、取り付けられた複数のかじり木が階段状に配置可能であることが好ましい。これにより、かじり木をステップとして第1空間部へ移動可能になる。
【0011】
本発明において、前記第1空間部の下方に、小動物が入り込むことが可能な第2空間部が設けられることが好ましい。
【0012】
かかる空間を設けることで、遊具本体をより有効に活用することができる。
【0013】
本発明において、前記第1空間部の後方に、前記遊具本体を小動物用飼育ケースに固定するための固定手段を有することが好ましい。
【0014】
かかる固定手段により小動物用飼育ケースに固定することができ、安定した状態で取り付けることができる。
【0015】
本発明に係る小動物用遊具に用いられるかじり木は、一定断面を有する棒状に形成されることが好ましい。好ましくは、前記一定断面の形状は正方形である。
【0016】
かかる構成により、方向性を気にすることなく、かじり木を装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態に係る小動物用遊具の分解斜視図
【
図2】組み立てた状態の小動物用遊具の外観を示す斜視図
【
図3】飼育ケースに取り付けた状態の小動物用遊具の側面図
【
図4】飼育ケースに取り付けた状態の小動物用遊具の中央縦断面図
【
図6】第2実施形態に係る小動物用遊具の分解斜視図
【
図8】飼育ケースに取り付けた状態の小動物用遊具の平面図
【
図11】飼育ケースに取り付けた状態の小動物用遊具の側面図で
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る小動物用遊具及びかじり木の好適な実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、第1実施形態に係る小動物用遊具の分解斜視図を示す。小動物としては、ハムスター、リス、ネズミ等が挙げられるが、本発明は、特定の小動物に限定されるものではない。
図2は、組み立てた状態の小動物用遊具の外観を示す斜視図である。
図3は、飼育ケースに取り付けた状態の側面図を示す。
図4は、飼育ケースに取り付けた状態の中央縦断面図を示す。
図5は、小動物用遊具を構成する遊具本体の正面図を示す。
【0019】
<第1実施形態>
図1に示すように、小動物用遊具はホルダー1、かじり木2、ナット3により構成されている。かじり木2は、小動物がかじるものであり、その素材は、木材、藁、根菜やトウモロコシ等の植物の成形品などで形成されている。かじり木2は、断面形状が正方形の棒状に形成される。断面形状は一定であることが好ましく、正方形に限定されるものではなく、円形、長方形等の形状を採用してもよい。かじり木2は、一端部20と他端部21を有するが、どちらも同じ形状である。
【0020】
ホルダー1は、樹脂成形により形成される。ホルダー1には、かじり木2を着脱自在に取り付けるための取り付け枠10が形成されている。
図5の正面図でも分かるように、取り付け枠10は正方形に形成されており、かじり木2の一端部20を圧入する形で取り付け可能である。取り付け枠10の下部には切欠10aが形成されており、これにより、取り付け枠10が弾性変形できるようにしている。かじり木2を取り付け枠10に挿入するときは、切欠10aの弾性変形により安定した状態でかじり木2を保持する。
【0021】
かじり木2は一定断面に形成されているので、一端部20と他端部21は同じ形状であり、どちら側でも取り付け枠10に挿入することができる。また、断面が正方形であるので、方向性がなく、容易に挿入することができる。
【0022】
ホルダー1には、雄ねじ11が形成されており、雄ねじ11と取り付け枠10は、本体部12により一体連結されている。雄ねじ11の中心線と、かじり木2の中心線とは、偏芯した状態で形成されている。
【0023】
図3に示す例では、雄ねじ11の位置よりもかじり木2が低い位置になるように飼育ケースに取り付けられているが、取り付け姿勢については、特定の姿勢に限定されるものではない。
【0024】
ナット3は樹脂成形により形成される。ナット3は、つまみ部30、フランジ31、雌ねじ32が一体形成されている。ナット3とホルダー1の雄ねじ11は、ホルダー1を小動物用飼育ケースに固定するための固定手段として機能する。
【0025】
ホルダー1は飼育ケースに取り付けることができる。
図1には、飼育ケースを構成するケース部材4の一部のみを示す。ケース部材4は、透明なアクリル等の樹脂で成形される。ケース部材4は、飼育ケースの壁面を構成するものである。ケース部材4には、2カ所に縦方向の長穴40が形成されており、この長穴40に雄ねじ11をケース部材4の内側から挿入し、ケース部材4の外側からナット3により螺合する。これにより、ケース部材4にホルダー1を取り付けることができる。
【0026】
図3、
図4は、ホルダー1を取り付けた状態を示す図である。長穴40は2カ所設けられているが、何カ所設けるかは適宜設定することができる。複数の長穴40を設けることで、複数箇所に小動物用遊具を取り付けたり、1つの小動物用遊具の場合であっても、適宜選択することができる。長穴40に隣接して多数の小孔41が設けられており、これは空気穴として機能する。また、ケース部材4の端部には溝42,43が形成されており、他のケース部材を取り付けるときに用いられる。
【0027】
<第2実施形態>
次に第2実施形態に係る小動物用遊具の構成を説明する。
図6は、第2実施形態に係る小動物用遊具の分解斜視図である。
図7は、小動物用遊具の外観を示す斜視図である。
図8は、飼育ケースに取り付けた状態の小動物用遊具の平面図である。
図9は、固定手段の詳細を示す部分拡大断面図である。
図10は、小動物用遊具の正面図である。
図11は、飼育ケースに取り付けた状態の小動物用遊具の側面図である。
図12は、小動物用遊具の背面図である。
図13は、小動物用遊具の底面図である。なお、飼育ケースのケース部材4については、第1実施形態と同じものを例示している。
【0028】
図6に示すように、遊具本体1は、第1側壁100、第2側壁101、前壁102、後壁103を有する。遊具本体1は、樹脂成形により一体形成される。第1側壁100には、かじり木2を取り付けるための取り付け枠105(ホルダー部に相当する)が2カ所設けられている。取り付け枠105の下部には切欠105aが形成されている。この取り付け枠105の構成は、第1実施形態の場合と同じである。かじり木2についても第1実施形態と同じであり、説明を省略する。
【0029】
図7に示すように、かじり木2を取り付けた状態でかじり木2は、階段状に配置される。本実施形態では、かじり木2は、2個取り付けられているが、取り付け個数については、特定の個数に限定されるものではない。例えば、1個でもよいし、3個以上でもよい。
【0030】
第1側壁100と第2側壁101と間、前壁102と後壁103の間に、第1空間部106が形成されており、凹部の形態で形成されている。この第1空間部106は小動物が遊んだり生活する空間として機能する。
【0031】
かじり木2は、第1空間部106の前に配置されているので、かじり木2をステップとして第1空間部106に移動することができる。これを考慮して、かじり1の形状、大きさや長さを設定することができる。また、かじり木2の間隔や高さ設定も小動物の特性を考慮して適切に設定することができる。
【0032】
後壁103には3つの縦方向の長穴107が形成されている。この長穴107は、第1実施形態と同様に、遊具本体1をケース部材4に固定するためのものである。3つの長穴107のいずれを使用するかについては、飼育ケースの大きさや形状を考慮して適宜選択することができる。
【0033】
遊具本体1を小動物用飼育ケースに固定するための固定手段として、ボルト5、ナット6、当て板7が設けられている。なお、当て板7は必ずしも使用するものではない。固定手段は、第1空間部106の後方に設けられる。後壁103は、第1部分103a、第2部分103b、第3部分103cにより構成されており、本実施形態では、第1部分103aを利用して、遊具本体1をケース部材4に固定する。第2部分103bは、第1部分103aと第3部分103cに比べて内側にへこんでおり、段差が形成されている。
図9、
図11からも分かるように、第1部分103a、第2部分103b、第3部分103cは、後壁103の下部103dに比べて外側に突出する形態で形成されている。
【0034】
図6に示すように、当て板7は、平面部70、上下2カ所の突出部71、長穴72により構成される。長穴72は、ボルト5を挿通させるための穴である。上下の突出部71の間に第1部分103aが挟まれるように、第1部分103aに当て板7を取り付ける。これにより、
図8に示すように、ケース部材4に形成されている段差部44(
図6も参照)に当て板7の側面を当接させるようにする。これにより、遊具本体1の姿勢が正しくなるように、遊具本体1をケース部材4に取り付けることができる。ケース部材4に形成される段差の大きさや段差の有無に応じて、当て板7の使用の可否を決めることができる。
【0035】
当て板7を取り付けた状態でボルト5とナット6で遊具本体1、当て板7、ケース部材4を挟むようにして締結する。
【0036】
図13を見ても分かるように、遊具本体1の底面側に第2空間部108が設けられている。この第2空間部108も小動物が遊んだり生活する空間部として使用することができる。第2空間部108は、ちょうど第1空間部106の真下に位置する。
【0037】
<別実施形態>
飼育ケースの構成については、特定の構成に限定されるものではない。飼育ケースを構成する部材は、樹脂製の部材だけでなく、金属棒がメッシュ状に形成された飼育ケースであっても本発明は適用することができる。
【0038】
本実施形態では、固定手段を後壁に設けているが、第1側壁100や第2側壁101に設けてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 ホルダー
10 取り付け枠
11 雄ねじ
2 かじり木
20 一端部
21 他端部
3 ナット
32 雌ねじ
4 ケース部材
40 長穴
5 ボルト
6 ナット
7 当て板
70 平面部
71 突出部
72 長穴
100 第1側壁
101 第2側壁
102 前壁
103 後壁
105 取り付け枠
105a 切欠
106 第1空間部
107 長穴
108 第2空間部