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特許7350347ゲームシステム、ゲームシステムの動作方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-15
(45)【発行日】2023-09-26
(54)【発明の名称】ゲームシステム、ゲームシステムの動作方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/00 20060101AFI20230919BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20230919BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20230919BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20230919BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230919BHJP
【FI】
A63F9/00 512B
A63F13/45
A63F13/52
A63F13/792
G06Q50/10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021019420
(22)【出願日】2021-02-10
(62)【分割の表示】P 2019188640の分割
【原出願日】2019-10-15
(65)【公開番号】P2021074613
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 信也
(72)【発明者】
【氏名】東 尚吾
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-89400(JP,A)
【文献】特開2008-23160(JP,A)
【文献】特開2017-104314(JP,A)
【文献】特開2003-30515(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00-34
A63F 13/00-98
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
価値媒体との引き換えを条件に第1クレジットを利用者に付与する第1クレジット付与手段と、
前記価値媒体との引き換えとは異なる条件で付与される第2クレジットを前記利用者に付与する第2クレジット付与手段と、
前記第1クレジットおよび前記第2クレジットの数量をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記第1クレジットが使用される第1ゲームを進行させる第1ゲーム進行手段と、
前記第2クレジットが使用される第2ゲームを進行させる第2ゲーム進行手段と、
前記第2ゲームの進行に並行して、案内情報を表示する表示手段と、
を備え、
前記第2ゲームのゲーム結果に応じて、前記価値媒体を前記利用者に払い出すことを特徴とする、ゲームシステム。
【請求項2】
前記第2ゲームは、
前記第1ゲームをプレイしたことがない利用者向けのゲームであって、
内容が第1ゲームと共通しているゲームである
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
価値媒体との引き換えを条件に第1クレジットを利用者に付与する第1クレジット付与手段と、
前記価値媒体との引き換えとは異なる条件で付与される第2クレジットを前記利用者に付与する第2クレジット付与手段と、
前記第1クレジットおよび前記第2クレジットの数量をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記第1クレジットが使用される第1ゲームを進行させる第1ゲーム進行手段と、
前記第2クレジットが使用される第2ゲームを進行させる第2ゲーム進行手段と、
前記第2ゲームの進行に並行して、案内情報を表示する表示手段と、
を備え、
前記第2ゲームのゲーム結果に応じて、前記価値媒体を前記利用者に払い出すことを特徴とする、ゲームシステムの動作方法。
【請求項4】
コンピュータを、
価値媒体との引き換えを条件に第1クレジットを利用者に付与する第1クレジット付与手段と、
前記価値媒体との引き換えとは異なる条件で付与される第2クレジットを前記利用者に付与する第2クレジット付与手段と、
前記第1クレジットおよび前記第2クレジットの数量をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記第1クレジットが使用される第1ゲームを進行させる第1ゲーム進行手段と、
前記第2クレジットが使用される第2ゲームを進行させる第2ゲーム進行手段と、
前記第2ゲームの進行に並行して、案内情報を表示する表示手段と、
して機能させるためのプログラムであって、
前記第2ゲームのゲーム結果に応じて、前記価値媒体を前記利用者に払い出すことを特徴とする、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレジットを利用したゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばトークンコイン(メダル)と引換えに付与されるクレジットを使用するゲームシステムが従来から提案されている。例えば特許文献1には、クレジットの使用量に応じた数量の報酬が利用者に付与される抽選ゲームを実行するゲーム装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-200599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲームをプレイしたことがない利用者にゲームを気軽にプレイさせたいという要望がある。しかし、特許文献1の技術では、ゲームをプレイするためには、利用者は例えばクレジットを購入する必要があり、ゲームをプレイしたことがない利用者が当該ゲームをプレイするに至り難いという問題がある。以上の事情を考慮して、本発明は、利用者にゲームをプレイする誘因を付与することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係るゲームシステムは、利用者に提供されたコードを取得する取得部と、前記取得部によるコードの取得なしで実行され、第1クレジットが使用される第1ゲームと、前記取得部によるコードの取得により付与される第2クレジットが使用される第2ゲームと、を制御するゲーム制御部とを具備する。
【0006】
本発明の好適な態様に係るプログラムは、利用者に提供されたコードを取得する取得部、および、前記取得部によるコードの取得なしで実行され、第1クレジットが使用される第1ゲームと、前記取得部によるコードの取得により付与される第2クレジットが使用される第2ゲームと、を制御するゲーム制御部としてコンピュータを機能させる。
【0007】
本発明の好適な態様に係るゲームシステムの動作方法は、利用者に提供されたコードを取得し、前記コードの取得なしで実行され、第1クレジットが使用される第1ゲームと、前記コードの取得により付与される第2クレジットが使用される第2ゲームと、を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係るゲームシステムの構成を例示するブロック図である。
図2】管理装置の構成を例示するブロック図である。
図3】コードテーブルの模式図である。
図4】管理装置の制御装置の機能的な構成を例示するブロック図である。
図5】発行装置の構成を例示するブロック図である。
図6】発行処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
図7】ゲーム装置の構成を例示するブロック図である。
図8】ゲーム装置の制御装置の機能的な構成を例示するブロック図である。
図9】第1ゲーム処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
図10】第2ゲームの具体的な手順を例示するフローチャートである。
図11】第2ゲームの具体的な手順を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。以下に記載する実施の形態は、技術的に好適な種々の限定を含む。本発明の範囲は、以下に例示する形態には限定されない。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るゲームシステム1の構成を例示するブロック図である。第1実施形態のゲームシステム1は、例えば遊技施設に設置される。遊技施設は、例えばゲームセンターまたはカジノ等の娯楽施設、またはショッピングセンター等の商業施設である。遊技施設には複数の利用者Ha(Ha1,Ha2)が所在する。
【0011】
ゲームシステム1においてはクレジットが利用される。クレジットは、利用者Haがゲームのプレイに対する対価として消費される無体の電子的な媒体(すなわち電子データ)である。具体的には、クレジットは、第1クレジットと第2クレジットとを含む。
【0012】
第1実施形態のゲームシステム1では、第1ゲームと第2ゲームとが利用者Haに提供される。第1ゲームと第2ゲームとは、第2ゲームのプレイが第1ゲームのプレイの誘因となり得るような関係にある。具体的には、第1ゲームと第2ゲームとは、典型的には内容が関連するゲームである。ゲームの内容とは、例えば、ゲームの世界観、ゲームに登場するキャラクター、ゲームの種類(ジャンル)、または、ゲームのルールである。第1実施形態では、第1ゲームと第2ゲームとは内容が共通する同じゲームである。
【0013】
第1ゲームは、例えば既に第1ゲームをプレイしたことがある利用者Ha向けのゲームである。第1ゲームにおいては、第1クレジットが使用(例えばベット)される。第1クレジットは、典型的には価値媒体と引換えに利用者Haに付与されるクレジットである。価値媒体は、例えばトークンコイン(メダル)、電子メダルまたは通貨である。以上の説明から理解される通り、第1ゲームは価値媒体の消費が必要なゲームである。
【0014】
他方、第2ゲームは、第1ゲームをプレイしたことがない利用者Ha向けのゲームである。第2ゲームにおいては、第2クレジットが使用(例えばベット)される。第2クレジットは、第2ゲームに専用されるクレジットである。具体的には、第2クレジットは、典型的には無償で提供されたコード(以下「体験コード」という)と引換えに利用者Haに付与される。すなわち、第2ゲームは、価値媒体を消費せずに(すなわち無償で)プレイできるゲームである。
【0015】
体験コードは、第2ゲームを体験させるために利用者Haに提供される符号列である。例えば、体験コードは、体験コードを表す画像(以下「コード画像」という)Gが印刷された有体の媒体(以下「体験チケット」という)Tを配布することで、利用者Haに提供される。コード画像Gは、例えば体験コードを表すQRコード(登録商標)、体験コードを表す2次元コード(バーコード)、または、体験コードの符号列そのもの示す画像である。体験チケットTが配布された利用者Haは、当該体験チケットTの体験コードを利用して無償で第2ゲームをプレイできる。以上の説明から理解される通り、第1ゲームは体験コードを必要とせずにプレイ可能であり、第2ゲームはプレイのために体験コードが必要である。体験チケットTを所有しない利用者Haを以下では「利用者Ha1」と表記し、体験チケットTを所有する利用者Haを以下では「利用者Ha2」と表記する。
【0016】
図1に例示される通り、第1実施形態のゲームシステム1は、管理装置10と発行装置20とゲーム装置30とを具備する。ゲーム装置30は、第1ゲームおよび第2ゲームを利用者Haに提供する。管理装置10は、体験コードを管理する。管理装置10とゲーム装置30とは通信網2を介して通信する。通信網2は、例えば遊技施設内に構築されたLAN(Local Area Network)である。なお、管理装置10またはゲーム装置30と通信網2との間の通信は有線および無線の何れでもよい。発行装置20は、体験チケットTを発行する。発行装置20は、例えば有線または無線で管理装置10に接続され、当該管理装置10との間で通信する。なお、発行装置20が通信網2を介して管理装置10と通信してもよい。また、発行装置20の機能を管理装置10に搭載してもよいし、管理装置10の機能をゲーム装置30に搭載してもよい。なお、通信網2は、例えばインターネットを含んでもよい。
【0017】
図2は、管理装置10の構成を例示するブロック図である。図2に例示される通り、管理装置10は、制御装置11と記憶装置12と通信装置13とを具備する。なお、管理装置10は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置の集合(すなわちシステム)でも実現される。通信装置13は、制御装置11による制御のもとで、ゲーム装置30および発行装置20との間で通信する。
【0018】
記憶装置12は、制御装置11が実行するプログラムと制御装置11が使用する各種のデータとを記憶する。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置12として採用される。第1実施形態の記憶装置12はコードテーブルAを記憶する。
【0019】
図3は、コードテーブルAの模式図である。図3に例示される通り、コードテーブルAは、複数の体験コードの各々について、当該体験コードの使用状況(使用済/未使用)が登録されたデータテーブルである。複数の体験コードの各々は相異なる。体験コードが一度でも使用された場合には、当該体験コードの使用状況は使用済であり、体験コードが一度も使用されていない場合には、当該体験コードの使用状況は未使用である。体験コードの使用とは、当該体験コードを使用して第2ゲームがプレイされることである。体験コードと引換えに第2クレジットが利用者Ha2に付与されることが、体験コードの使用であるとも言える。
【0020】
制御装置11は、例えば単数または複数のプロセッサで構成され、管理装置10の各要素を制御する。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置11が構成される。
【0021】
図4は、制御装置11の機能的な構成を例示するブロック図である。図4に例示される通り、第1実施形態の制御装置11は、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(生成部112および判定部113)を実現する。生成部112は、利用者Ha2に提供される体験コードを生成する。生成部112により生成された体験コードのコード画像Gが体験チケットTに印刷される。
【0022】
判定部113は、利用者Ha2に提供された体験コードが有効であるか否かを判定する。第1実施形態では、体験コードの使用状況が未使用である場合には当該体験コードが有効であると判定し、体験コードの使用状況が使用済である場合には当該体験コードが無効であると判定する。
【0023】
図5は、発行装置20の構成を例示するブロック図である。発行装置20は、体験チケットTを発行する装置である。具体的には、発行装置20は、例えば遊技施設の管理者Hbからの操作を受付けると体験チケットTを発行する。発行された体験チケットTは、例えばゲーム装置30とは異なるゲーム装置をプレイしている利用者Ha2に配布される。なお、遊技施設の管理者Hbは、体験チケットTを遊技施設の外で配布してもよい。例えば、管理者Hbは、遊技施設とは異なる施設(例えば飲食店またはショッピングセンター)で体験チケットTを配布してもよい。
【0024】
図5に例示される通り、発行装置20は、制御装置21と記憶装置22と通信装置23と操作装置25と発行機構26とを具備する。制御装置21は、例えば単数または複数のプロセッサで構成され、発行装置20の各要素を制御する。具体的には、例えばCPU、GPU、DSP、FPGA、またはASIC等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置21が構成される。通信装置23は、制御装置21による制御のもとで管理装置10と通信する。記憶装置22は、制御装置21が実行するプログラムと制御装置21が使用する各種のデータとを記憶する。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置22として採用される。
【0025】
操作装置25は、管理者Hbによる操作を受付ける。例えば管理者Hbが押下する複数の操作子、または管理者Hbによる接触を検知するタッチパネルが、操作装置25として利用される。具体的には、操作装置25は、体験チケットTを発行するための操作を受付ける。
【0026】
図6は、発行装置20が体験チケットTを発行する処理(以下「発行処理」という)のフローチャートである。発行装置20の制御装置21は、体験チケットTを発行するための操作を操作装置25が受付けると、発行要求を通信装置23から管理装置10に送信する(Sa1)。発行要求は、体験チケットTに印刷されるコード画像Gが表す体験コードの生成を要求するメッセージである。
【0027】
管理装置10の制御装置11は、発行装置20が送信した発行要求を通信装置13により受信する(Sa2)。次に、制御装置11の生成部112は、発行要求に応じて体験コードを生成する(Sa3)。具体的には、生成部112は、コードテーブルAに登録済みの体験コードの何れとも異なる体験コードを生成する。そして、生成部112は、生成された体験コードをコードテーブルAに登録する(Sa4)。具体的には、生成部112は、体験コードと、当該体験コードが未使用であることを示す使用状況とを対応付けてコードテーブルAに登録する。制御装置11は、生成された体験コードを通信装置13から発行装置20に送信する(Sa5)。
【0028】
発行装置20の制御装置21は、管理装置10が送信した体験コードを通信装置23により受信する(Sa6)。発行機構26は、コード画像Gが印刷された体験チケットTを発行する(Sa7)。具体的には、発行機構26は、通信装置23が受信した体験コードを表すコード画像Gを生成し、当該コード画像Gを媒体に印刷することで体験チケットTを発行する。発行装置20により発行された体験チケットTが管理者Hbから利用者Ha2に配布される。なお、管理装置10においてコード画像Gを生成してもよい。発行装置20は、管理装置10から送信されたコード画像Gを印刷して体験チケットTを発行する。
【0029】
図7は、各ゲーム装置30の構成を例示するブロック図である。図7に例示される通り、ゲーム装置30は、制御装置31と記憶装置32と通信装置33と表示装置34と操作装置35と受付装置36と撮像装置37と払出装置38とを具備するコンピュータシステムで実現される。なお、ゲーム装置30は、単体の装置で実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置の集合(すなわちシステム)でも実現される。
【0030】
制御装置31は、例えばゲーム装置30の各要素を制御する単数または複数のプロセッサである。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置31が構成される。
【0031】
記憶装置32は、制御装置31が実行するプログラムと制御装置31が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体で構成される。なお、複数種の記録媒体の組合せにより記憶装置32を構成してもよい。通信装置33は、通信網2を介して管理装置10と通信する。
【0032】
表示装置34は、制御装置31による制御のもとで各種の画像を表示する。例えば液晶表示パネルまたは有機EL(Electroluminescence)表示パネル等の表示パネルが表示装置34として利用される。操作装置35は、利用者Haによる指示を受付ける入力機器である。例えば利用者Haによる接触を検知するタッチパネル、または、利用者Haが操作する操作子が、操作装置35として利用される。
【0033】
体験チケットTを所有しない利用者Ha1は、受付装置36に価値媒体(例えばトークンコイン)を投入することで第1ゲームを開始する。受付装置36は、利用者Ha1による価値媒体の投入を受付ける機構である。利用者Ha1が投入した価値媒体の数量を以下の説明では「投入量」と表記する。具体的には、受付装置36は、価値媒体が投入される投入口と、投入口に対する価値媒体の投入を検出する検出器と、投入口に投入された価値媒体を貯留する貯留容器とを具備する。
【0034】
なお、電子メダルが価値媒体として利用されてもよい。価値媒体として電子メダルが利用される構成においては、例えばICカード等の記録媒体との近距離無線通信により電子メダルの引出処理を実行する通信機器、または、各利用者Ha1の電子メダルの口座を管理する口座管理サーバとの通信により電子メダルの引出処理を実行する通信機器が、受付装置36として利用される。また、電子マネーが価値媒体として利用されてもよい。価値媒体として電子マネーが利用される構成においては、例えばICカード等の記録媒体との近距離無線通信により電子マネーの電子決済を実行する読取機器、または、電子決済サーバとの通信により電子マネーの電子決済を実行する通信機器が、受付装置36として利用される。
【0035】
一方、体験チケットTを所有する利用者Ha2は、当該体験チケットTに印刷されたコード画像Gを撮像装置37にかざすことで第2ゲームを開始する。撮像装置37は、体験チケットTのコード画像Gを撮像する撮像素子である。
【0036】
払出装置38は、価値媒体を払出す機構である。第1実施形態の払出装置38は、価値媒体(例えば物理メダル)を排出する。具体的には、払出装置38は、クレジットに応じた数量の価値媒体を排出する払出口を具備する。なお、価値媒体として電子メダルが利用される構成においては、例えばICカード等の記録媒体との近距離無線通信により電子メダルの預入処理を実行する通信機器、または、各利用者Haの電子メダルの口座を管理する口座管理サーバとの通信により電子メダルの預入処理を実行する通信機器が、払出装置38として利用される。以上の説明から理解される通り、有体の価値媒体(例えばトークンコイン)として利用者Haに排出すること、または、利用者Haが所有する価値媒体の口座に価値媒体(例えば電子メダル)を転送することが、価値媒体の払出の例示である。なお、第1ゲームのプレイのために投入される価値媒体の種類と払出装置38から払出される価値媒体の種類との異同は不問である。
【0037】
図8は、制御装置31の機能的な構成を例示するブロック図である。図8に例示される通り、第1実施形態の制御装置31は、記憶装置32に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(第1処理部311,第2処理部312,取得部313,ゲーム制御部314,払出制御部315,通信制御部316および表示制御部317)を実現する。
【0038】
ゲーム制御部314は、利用者Haがプレイするゲームを制御する。第1実施形態のゲーム制御部314は、第1ゲームまたは第2ゲームを制御する。第1ゲームおよび第2ゲームの各々は、抽選処理の結果に応じて利用者Haの当選/落選が選択される抽選ゲームである。抽選処理は、複数の抽選要素の何れかを無作為に選択する処理である。具体的には、抽選処理は、例えば球体等の複数の抽選要素の何れかを選択する物理抽選、または制御装置31による演算で複数の抽選要素の何れかを選択する電子抽選である。例えば抽選処理により選択された所定個の抽選要素の組合せが所定の条件を充足する場合に利用者Haの当選が成立する。
【0039】
上述した通り、第1ゲームと第2ゲームとは内容が共通する同じゲームである。第1実施形態では、第2ゲームの難易度は第1ゲームの難易度よりも低い。第2ゲームの難易度が第1ゲームの難易度よりも低いとは、例えば第2ゲームの抽選において当選する確率が、第1ゲームの抽選において当選する確率よりも高いことを言う。具体的には、第2ゲームにおいて抽選の候補となる抽選要素のうち当選に該当する抽選要素の個数は、第1ゲームにおいて抽選の候補となる抽選要素のうち当選に該当する抽選要素の個数よりも多い。
【0040】
また、第2ゲームにおいて当選のために特定の組合せが要求される抽選要素の個数が第1ゲームにおいて当選のために特定の組合せが要求される抽選要素の個数よりも少ない構成も、第2ゲームの難易度が第1ゲームの難易度よりも低い場合に相当する。例えば、第2ゲームにおいて使用されるゲームカード(例えばビンゴカード)では抽選要素が3行3列に配列され、第1ゲームにおいて使用されるゲームカードでは抽選要素が5行5列に配列される。
【0041】
第1ゲームに使用される第1クレジットは、受付装置36に対する価値媒体の投入により利用者Ha1に付与される。他方、第2ゲームに使用される第2クレジットは、撮像装置37に体験チケットTのコード画像Gをかざすことで利用者Ha2に付与される。第1実施形態では、第2ゲームにおいて第1クレジットの使用が禁止される。すなわち、第2ゲームは第2クレジットを使用することでのみプレイできる。例えば、ゲーム装置30に対する価値媒体の投入の受付、利用者Ha2に対する第1クレジットの付与、または、第1クレジットの使用の受付等を禁止する構成により、第2ゲームにおいて第1クレジットの使用が禁止される。第1クレジットおよび第2クレジットの各々の数量は、記憶装置32に記憶され、相互に個別に管理される。
【0042】
第1処理部311は、第1クレジットを利用者Ha1に付与する。受付装置36が価値媒体の投入を受付けた場合、第1処理部311は、価値媒体の投入量に応じた数量の第1クレジットを利用者Ha1に付与する。利用者Ha1は、所望の使用量の第1クレジットを使用することで第1ゲームをプレイする。第1ゲームの抽選処理において利用者Ha1が当選した場合、ゲーム制御部314は、第1クレジットの使用量に応じた数量の第1クレジットを報酬として利用者Ha1に付与する。
【0043】
取得部313は、利用者Ha2に提供された体験コードを取得する。具体的には、取得部313は、撮像装置37が撮像したコード画像Gを解析することで、当該コード画像Gが表す体験コードを取得する。コード画像Gの解析には公知の画像解析技術が任意に採用される。
【0044】
通信制御部316は、取得部313が取得した体験コードを通信装置33から管理装置10に送信する。前述の通り、管理装置10の判定部113は、ゲーム装置30から送信された体験コードが有効であるか否かを判定する。通信制御部316は、管理装置10による体験コードの判定結果を通信装置33により受信する。
【0045】
第2処理部312(処理部の例示)は、第2クレジットを利用者Ha2に付与する。取得部313が取得した体験コードが有効である場合、第2処理部312は、当該体験コードと引換えに所定の数量の第2クレジットを利用者Ha2に付与する。利用者Ha2は、所望の数量の第2クレジットを使用することで第2ゲームをプレイする。第2ゲームの抽選処理において利用者Ha2が当選した場合、ゲーム制御部314は、第2クレジットの使用量に応じた数量の第2クレジットを報酬として利用者Ha2に付与する。
【0046】
表示制御部317は、ゲームに必要な各種の画像を表示装置34に表示させる。第1実施形態の表示制御部317は、第2ゲームの進行を案内するための情報(以下「案内情報」という)を表示装置34に表示させる。第2ゲームの進行に並行して、案内情報が表示装置34に表示される。利用者Ha2は、案内情報を参照しながら第2ゲームをプレイできる。案内情報とは、例えば、第2ゲームの概要、操作方法、ルール、または、プレイに必要な基本情報等の各種の情報である。第1実施形態では第1ゲームと第2ゲームとが同じゲームであるから、案内情報は第1ゲームの進行を案内するための情報とも言える。第1実施形態においては、第2ゲームにおいて案内情報が表示されるから、第1ゲームおよび第2ゲームをプレイしたことがない利用者Ha2でも第2ゲームを円滑にプレイすることができる。ただし、案内情報を表示装置34に表示させることは必須ではない。
【0047】
払出制御部315は、価値媒体の払出を制御する。操作装置35に対する利用者Haからの操作により払出が指示された場合、払出制御部315は、クレジットの数量に応じた数量の価値媒体を払出装置38により利用者Haに払出す。第1実施形態においては、第1クレジットおよび第2クレジットの双方について価値媒体の払出が可能である。上述した通り、払出制御部315は、トークンコイン(メダル)を価値媒体として払出する場合には、当該トークンコインを排出する。また、払出制御部315は、電子メダルを価値媒体として払出する場合には、当該電子メダルを利用者Hの口座に電子メダルを転送する。
【0048】
図9は、第1ゲームについてゲーム装置30の制御装置31が実行する処理(以下「第1ゲーム処理」という)Sbの具体的な手順を例示するフローチャートである。価値媒体の投入を受付装置36が受付けることを契機として第1ゲーム処理Sbが開始される。
【0049】
ゲーム装置30の第1処理部311は、価値媒体の投入量に応じた数量の第1クレジットを利用者Ha1に付与する(Sb1)。第1クレジットの使用の指示を利用者Ha1から受付けると(Sb2)、ゲーム制御部314は、利用者Ha1が指定した使用量の第1クレジットを利用した第1ゲームを進行させる(Sb3)。第1ゲームの抽選処理において利用者Ha1が当選した場合(Sb4:YES)、ゲーム制御部314は、使用量に応じた数量の第1クレジットを利用者Ha1に報酬として付与する(Sb5)。すなわち、ゲーム制御部314は、使用量に応じた数量を、利用者Ha1が所有する第1クレジットの数量に加算する。なお、第1ゲームの抽選処理において利用者Ha1が当選しない場合(Sb4:NO)、利用者Ha1に報酬は付与されない。
【0050】
ゲーム制御部314は、価値媒体の払出が利用者Ha1から指示されたか否かを判定する(Sb6)。価値媒体の払出が指示された場合(Sb6:YES)、払出制御部315は、価値媒体の払出を実行する(Sb7)。具体的には、払出制御部315は、第1クレジットの数量に応じた数量の価値媒体を払出す。なお、価値媒体の払出が指示されない場合(Sb6:NO)、価値媒体の払出(Sb7)は実行されない。
【0051】
ゲーム制御部314は、第1ゲームの終了条件が成立したか否かを判定する(Sb8)。例えば、第1クレジットの残量が0まで減少した場合に、ゲーム制御部314は終了条件が成立したと判定する。終了条件が成立しない場合(Sb8:NO)、ゲーム制御部314は、第1ゲームの進行(Sb2,Sb3)と当選時の報酬の付与(Sb4,Sb5)と利用者Ha1からの指示に応じた価値媒体の払出(Sb6,Sb7)とを反復する。他方、終了条件が成立した場合(Sb8:YES)、第1ゲーム処理Sbは終了する。なお、図9に例示した第1ゲーム処理Sbにおいては、報酬の付与(Sb5)の後に価値媒体の払出(Sb6,Sb7)を実行したが、価値媒体の払出は、第1ゲームの実行中であればいつでも可能である。
【0052】
図10および図11は、第2ゲームについてゲーム装置30の制御装置31が実行する処理(以下「第2ゲーム処理」という)Scの具体的な手順を例示するフローチャートである。利用者Ha2が所有する体験チケットTのコード画像Gを撮像装置37が撮像することを契機として第2ゲーム処理Scが開始される。
【0053】
ゲーム装置30の取得部313は、撮像装置37が撮像したコード画像Gを解析することで、体験コードを取得する(Sc1)。すなわち、利用者Ha2に提供された体験コードが取得される。通信制御部316は、取得部313が取得した体験コードを通信装置33から管理装置10に送信する(Sc2)。
【0054】
図10には、体験コードを受信した管理装置10の制御装置11が実行する処理(以下「判定処理」という)Sdの手順を例示するフローチャートが図示されている。ゲーム装置30から送信された体験コードを受信することを契機として判定処理Sdが開始される。
【0055】
管理装置10の判定部113は、ゲーム装置30から送信された体験コードが有効であるか否かを判定する(Sd1)。すなわち、取得部313により取得された体験コードが有効であるか否かが判定される。具体的には、判定部113は、コードテーブルAを利用して体験コードの有効/無効を判定する。ゲーム装置30から送信された体験コードの使用状況がコードテーブルAにおいて「未使用」である場合には、当該体験コードが有効であると判定される。他方、ゲーム装置30から送信された体験コードの使用状況がコードテーブルAにおいて「使用済」である場合には、当該体験コードが無効であると判定される。すなわち、取得部313により取得された体験コードにより第2クレジットが利用者Ha2に一度も付与されていない場合には、当該体験コードが有効であると判定され、当該体験コードにより第2クレジットが既に利用者Ha2に付与されている場合には、当該体験コードが無効であると判定される。
【0056】
体験コードが有効であると判定された場合(Sd1:YES)、判定部113は、コードテーブルAにおいてゲーム装置30から送信された体験コードの使用状況を「未使用」から「使用済」に更新する(Sd2)。体験コードが無効であると判定された場合(Sd1:NO)、コードテーブルAは更新されない。そして、判定部113は、体験コードの判定結果を通信装置13からゲーム装置30に送信する(Sd3)。
【0057】
ゲーム装置30の通信制御部316は、判定部113による体験コードの判定結果を通信装置33により受信する(Sc3)。管理装置10から送信された判定結果が体験コードが有効であることを示す場合(Sc4:YES)、第2処理部312は、利用者Ha2に第2クレジットを付与する(Sc5)。他方、管理装置10から送信された判定結果が体験コードが無効であることを示す場合(Sc4:NO)、第2クレジットは利用者Ha2に付与されない。すなわち、第2ゲームが実行されずに第2ゲーム処理Scが終了する。例えば、体験コードが無効である旨のメッセージが表示装置34に表示されたうえで、第2ゲーム処理Scが終了する。第1実施形態では、1つの体験コードによる第2ゲームのプレイが1回に制限される。
【0058】
以上の説明から理解される通り、第2処理部312は、取得部313により取得された体験コードが判定部113により有効であると判定された場合には、利用者Ha2に第2クレジットを付与し、当該体験コードが判定部113により無効であると判定された場合には、利用者Ha2に第2クレジットを付与しない。
【0059】
第2クレジットの使用の指示を利用者Ha2から受付けると(Sc6)、ゲーム制御部314は、利用者Ha2が指定した使用量の第2クレジットを利用した第2ゲームを進行させる(Sc7)。第2ゲームの抽選処理において利用者Ha2が当選した場合(Sc8:YES)、ゲーム制御部314は、使用量に応じた数量の第2クレジットを利用者Ha2に報酬として付与する(Sc9)。すなわち、ゲーム制御部314は、使用量に応じた数量を、利用者Ha2が所有する第2クレジットの数量に加算する。なお、第2ゲームの抽選処理において利用者Ha2が当選しない場合(Sc8:NO)、利用者Ha2に報酬は付与されない。
【0060】
ゲーム制御部314は、価値媒体の払出が利用者Ha2から指示されたか否かを判定する(Sc10)。価値媒体の払出が指示された場合(Sc10:YES)、払出制御部315は、価値媒体の払出を実行する(Sc11)。具体的には、払出制御部315は、第2クレジットの数量に応じた数量の価値媒体を払出す。なお、価値媒体の払出が指示されない場合(Sc10:NO)、価値媒体の払出(Sc11)は実行されない。
【0061】
ゲーム制御部314は、第2ゲームの終了条件が成立したか否かを判定する(Sc12)。例えば、第2クレジットの残量が0まで減少した場合に、ゲーム制御部314は終了条件が成立したと判定する。終了条件が成立しない場合(Sc12:NO)、ゲーム制御部314は、第2ゲームの進行(Sc6,Sc7)と当選時の報酬の付与(Sc8,Sc9)と利用者Ha2からの指示に応じた価値媒体の払出(Sc10,Sc11)とを反復する。他方、終了条件が成立した場合(Sc12:YES)、第2ゲーム処理Scは終了する。なお、図11に例示した第2ゲーム処理Scにおいては、報酬の付与(Sc9)の後に価値媒体の払出(Sc10,Sc11)を実行したが、価値媒体の払出は、第2ゲームの実行中であればいつでも可能である。
【0062】
以上の説明から理解される通り、取得部313による体験コードの取得なしで実行され、第1クレジットが使用されるゲームが第1ゲームであり、取得部313による体験コードの取得により付与される第2クレジットが使用されるゲームが第2ゲームである。
【0063】
第1ゲームをプレイしたことがない利用者Ha2に第1ゲームをプレイさせたいという要望がある。しかし、ゲームのプレイには価値媒体が必要であるから、ゲームをプレイしたことがない利用者にとってゲームをプレイするハードルが高い。したがって、利用者がゲームをプレイするに至り難いという問題がある。それに対して、第1実施形態では、体験コードの取得により付与される第2クレジットが第2ゲームにおいて使用できるから、体験コードが提供された利用者Ha2は価値媒体の消費が必要である第1クレジットを使用しなくても第2ゲームをプレイすることができる。すなわち、体験コードが提供された利用者Ha2が第2ゲームをプレイすることを促進できる。結果的に、第1ゲームをプレイする誘因を利用者Ha2に付与できる。
【0064】
また、第2クレジットを付与するための価値媒体(例えばトークンコイン)を利用者Ha2に提供する構成では、ゲームシステム1が設置される遊技施設内に当該価値媒体の提供が限定される。それに対して、第2クレジットを付与するための体験コードが利用者Ha2に提供される第1実施形態の構成によれば、第2クレジットを付与するための価値媒体を利用者Ha2に提供する構成と比較して、体験コードを利用者Ha2に提供できる機会が増加する。例えば、遊技施設の外でも体験コードを配布することができる。したがって、多くの利用者Ha2に体験コードを付与できる。
【0065】
例えば第2クレジットを付与するための価値媒体(例えばトークンコイン)を体験コードと引換えに利用者Ha2に提供する構成では、例えば遊技施設の管理者Hbを介して体験コードと価値媒体とを交換する必要があり、管理者Hbおよび利用者Ha2の双方にとって手間がかかる。それに対して、第1実施形態では、体験コードと引換えに第2クレジットが付与されるから、管理者Hbおよび利用者Ha2の双方の手間が軽減される。
【0066】
第1実施形態では、第2ゲームにおいて当選すると第2クレジットの使用量に応じた数量の第2クレジットが報酬として利用者Ha2に付与されるから、利用者Ha2は第2ゲームのプレイについて満足感が得られる。すなわち、利用者Ha2に第1ゲームをプレイするという充分な誘因を付与することができる。また、第2ゲームの難易度が第1ゲームよりも低いから、第2ゲームの難易度が第1ゲームの難易度と同じである構成と比較して、体験コードが提供された利用者Ha2が第2ゲームのプレイにより充分な満足感を得られやすい。例えば、第2ゲームにおける当選により利用者Ha2が満足感を得る。したがって、第1ゲームをプレイするという充分な誘因を利用者Ha2に付与できる。
【0067】
第1実施形態では、第1クレジットの使用が第2ゲームにおいて禁止されるから、第2ゲームのプレイを第2クレジットの範囲内に限定することができる。第2ゲームの難易度が第1ゲームの難易度よりも低い場合に、第1クレジットの使用が第2ゲームにおいて禁止される構成を採用することで、第2ゲームにおいて利用者Ha2に過剰に報酬が付与されることを低減できる。
【0068】
体験コードが有効な場合にのみ第2クレジットが付与されるから、第2クレジットが利用者Ha2に必要以上に付与されることを制限できる。また、取得部313が取得した体験コードにより第2クレジットが一度でも利用者Ha2に付与されている場合には当該体験コードが無効であると判定されるから、1つの体験コードによる第2クレジットの付与を1回に制限することができる。
【0069】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を説明する。以下に例示する各態様において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用することで各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0070】
第1実施形態では、第1クレジットおよび第2クレジットの双方について価値媒体の払出を許可したが、第2実施形態では、第2クレジットについては価値媒体の払出を禁止する。第1クレジットについて利用者Ha1から価値媒体の払出が指示された場合、払出制御部315は、第1実施形態と同様に、第1クレジットの数量に応じた数量の価値媒体を払出す。
【0071】
一方で、第2クレジットの数量に応じた数量の価値媒体の払出は禁止される。例えば、価値媒体の払出を指示する操作を操作装置35が受付けない構成、または、ゲーム制御部314が価値媒体の払出を実行しない構成により、第2クレジットの数量に応じた数量の価値媒体の払出が禁止される。
【0072】
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。第1ゲームを含む他のゲームをプレイするには、通常は価値媒体(例えばトークンコインまたは電子メダル)を購入する必要がある。したがって、無償で付与された第2クレジットの数量に応じた数量の価値媒体の払出が許可される構成では、実質的に無償で価値媒体が利用者Ha2に付与されることになる。無償で付与された価値媒体が他のゲームに使用されると、遊技施設において得られる利益が減少するという問題がある。それに対して、第2実施形態においては、第2クレジットの数量に応じた数量の価値媒体の払出が禁止されるから、無償で付与された価値媒体を他のゲームに利用することを禁止できる。したがって、遊技施設における利益の減少を低減できる。
【0073】
[変形例]
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で併合してもよい。
【0074】
(1)前述の各形態においては、第1ゲームおよび第2ゲームが抽選ゲームである構成を例示したが、第1ゲームおよび第2ゲームは抽選処理を前提としないゲームであってもよい。例えば、利用者Haの操作により進行する各種のゲーム(例えば探索ゲーム、パズルゲーム、ロールプレイングゲーム、ビンゴゲームまたは対戦ゲーム)、または、トークンコインを利用したプッシャーゲームを、第1ゲームおよび第2ゲームとしてもよい。
【0075】
なお、第1ゲームおよび第2ゲームの種類に関わらず、第1ゲームにおいては、当該第1ゲームの結果に応じた数量の第1クレジットが報酬として利用者Ha1に付与され、第2ゲームにおいては、当該第2ゲームの結果に応じた数量の第2クレジットが報酬として利用者Ha2に付与される構成が好適である。第1ゲームおよび第2ゲームが抽選ゲームである場合には、抽選処理における当選/落選がゲームの結果である。第1ゲームおよび第2ゲームが対戦ゲームである場合には、対戦の勝敗がゲームの結果である。また、第1ゲームおよび第2ゲームが探索ゲームである場合には、特定の地点に到達することなどの特定の条件の成否である。
【0076】
(2)前述の各形態では、第1ゲームにおいては第1クレジットが報酬として利用者Ha1に付与されたが、第1ゲームにおける報酬は第1クレジットに限定されない。例えば、特定のゲームまたはイベントに参加する権利、または、第1ゲームにおいて使用できるアイテムを報酬として利用者Ha1に付与してもよい。同様に、第2ゲームにおける報酬は第2クレジットに限定されない。例えば、特定のゲームまたはイベントに参加する権利、または、第2ゲームにおいて使用できるアイテムを報酬として利用者Ha2に付与してもよい。なお、第1ゲームおよび第2ゲームにおいて報酬を付与することは必須ではない。
【0077】
(3)前述の各形態では、第2ゲームの難易度が第1ゲームの難易度よりも低い構成を例示したが、第2ゲームの難易度が第1ゲームの難易度と同じであってもよい。ただし、第2ゲームのプレイによる満足感を利用者Ha2に付与するという観点からは、第2ゲームの難易度が第1ゲームの難易度よりも低い構成が好適である。
【0078】
(4)前述の各形態において、判定部113は、体験コードの使用状況以外の情報を加味して、当該体験コードの有効/無効を判定してもよい。判定部113は、例えば体験コードの使用期限を加味して体験コードの有効/無効を判定してもよい。管理装置10の生成部112は、図6のステップSa3において、例えば体験コードを生成するとともに、当該体験コードの使用期限を設定する。例えば、体験コードの生成日から所定の日数を経過した日が使用期限として設定される。生成部112は、ステップSa4において、体験コードに、使用状況「未使用」と使用期限とを対応付けてコードテーブルAに登録する。そして、生成部112は、ステップSa5において、体験コードと使用期限とを発行装置20に送信する。発行装置20は、コード画像Gと使用期限とを印刷した体験チケットTを発行する。なお、管理者Hbが体験コードの使用期限を指定し、発行装置20が発行要求ともに管理装置10に当該使用期限を送信してもよい。
【0079】
判定部113は、図10のステップSd1において、ゲーム装置30から送信された体験コードの使用状況が未使用であり、かつ、当該体験コードが使用期限内である場合には、当該体験コードを有効であると判定する。すなわち、体験コードの使用期限が限定されている状況では、使用期限内に使用される体験コードが有効な体験コードである。一方で、体験コードの使用状況が使用済である場合、または、体験コードが使用期限外である場合には、当該体験コードが無効であると判定される。
【0080】
また、例えば体験コードについて使用可能な場所(以下「指定場所」という)が制限される構成も採用される。以上の構成においては、例えば、管理者Hbが体験コードの指定場所を指定し、発行装置20が発行要求ともに管理装置10に当該指定場所を送信する。指定場所は、例えばゲーム装置30が設置される遊技施設に設定される。管理装置10の生成部112は、発行装置20から発行要求および指定場所を受信すると、ステップSa3において、体験コードを生成する。次に、生成部112は、ステップSa4において、体験コードに、使用状況「未使用」と発行装置20から送信された指定場所とを対応付けてコードテーブルAに登録する。そして、生成部112は、ステップSa5において、体験コードを発行装置20に送信する。
【0081】
発行装置20は、コード画像Gおよび指定場所を印刷した体験チケットTを発行する。なお、管理者Hbが体験コードの指定場所を指定することは必須ではない。例えば、発行要求を受信した管理装置10が、当該発行要求の送信元である発行装置20が設置される遊技施設を指定場所として設定してもよい。ゲーム装置30の通信制御部316は、図10のステップSc2において、取得部313が取得した体験コードと、ゲーム装置30が所在する遊技施設を示す情報(以下「施設情報」という)とを、通信装置33から管理装置10に送信する。
【0082】
管理装置10の判定部113は、体験コードの指定場所を加味して、当該体験コードの有効/無効を判定する。具体的には、判定部113は、ステップSd1において、ゲーム装置30から送信された体験コードの使用状況が未使用であり、かつ、施設情報が示す遊技施設が指定場所と一致する場合には、当該体験コードを有効であると判定する。すなわち、体験コードについて指定場所が設定される状況では、当該指定場所において使用される体験コードが有効な体験コードである。一方で、体験コードの使用状況が使用済である場合、または、施設情報が示す場所が指定場所と一致しない場合には、当該体験コードが無効であると判定される。なお、指定場所は、ゲーム装置30が設置される遊技施設には限定されない。例えば、ゲーム装置30が設置される遊技施設とは異なる遊技施設、または、特定の地域等を指定場所として設定してもよい。
【0083】
ただし、体験コードの有効/無効の判定に使用状況または使用期限を加味することは必須ではない。例えば、判定部113は、コードテーブルAに登録されている体験コードを有効であると判定し、コードテーブルAに登録されていない体験コードを無効であると判定してもよい。以上の説明から理解される通り、体験コードの有効/無効の判定に加味される情報は任意である。なお、例えば体験コードを使用してプレイ可能なゲーム装置30が限定される状況では、当該ゲーム装置30において使用される体験コードを有効な体験コードとしてもよい。
【0084】
(5)前述の各形態では、コード画像Gが印刷された体験チケットTを配布することで体験コードを利用者Ha2に提供したが、体験コードを利用者Ha2に提供する方法は以上の例示に限定されない。また、例えば利用者Ha2が所有する情報端末にコード画像Gを送信することにより、利用者Ha2に体験コードを提供してもよい。管理装置10は、例えば生成部112が生成したコード画像Gを事前に登録された利用者Ha2の情報端末のメールアドレス等に送信する。または、管理装置10は、利用者Ha2の情報端末に事前にダウンロードされたアプリケーションを介してコード画像Gを送信してもよい。以上の説明から理解される通り、物理的な体験チケットTを利用者Ha2に配布することは必須ではない。
【0085】
(6)前述の各形態では、撮像装置37が撮像したコード画像Gの解析により利用者Ha2に提供された体験コードを取得したが、体験コードを取得する方法は以上の例示に限定されない。例えば、体験チケットTに体験コードを表す符号列そのものが印刷されている場合には、利用者Ha2は当該体験コードを操作装置35に対する操作により入力してもよい。取得部313は、操作装置35を介して体験コードを受付ける。
【0086】
また、例えば体験コードが記録されたICカードを利用者Ha2に配布してもよい。取得部313は、ICカードから体験コードを通信により受信することで、利用者Ha2に提供された体験コードを取得する。以上の説明から理解される通り、利用者Ha2に対する体験コードの提供方法に応じて、取得部313による体験コードの取得方法も適宜に変更される。取得部313は、利用者Ha2に提供された体験コードを取得する要素として機能する。ゲーム装置30に入力された情報(例えばコード画像G)の解析により体験コードを特定する要素、体験コードを通信により受信する要素、または、体験コードを利用者Ha2から受付ける要素は、取得部313の一例である。
【0087】
(7)前述の各形態において、例えば利用者Ha2が所有するカードから当該利用者Ha2の来店履歴の管理のために識別情報等を読み取る機能を発行装置20が搭載してもよい。
【0088】
(8)前述の各形態では、管理者Hbからの操作に応じて発行装置20が体験チケットTを発行したが、例えば遊技施設に来店した利用者Ha2からの操作に応じて発行装置20が体験チケットTを発行してもよい。また、ゲーム装置30とは異なる他のゲーム装置において使用されるカード(例えばビンゴカード)にコード画像Gを印刷してもよい。以上の構成によれば、他のゲーム装置の利用者に第2ゲームをプレイさせることを促進できる。また、ゲーム装置30がカードを利用するゲーム(例えばビンゴゲーム)の場合には、当該カード(すなわちビンゴカード)にコード画像Gを印刷してもよい。
【0089】
(9)前述の各形態においては、利用者Ha2は体験コードを使用して第2ゲームをプレイしたが、体験コードの使用に加えて第2ゲームの開始にあたり本人認証を実行してもよい。本人認証は、利用者Ha2が入力した識別情報を登録済みの識別情報と照合することで利用者Ha2本人の正当性を認証する処理である。本人認証の実行後に第2ゲームをプレイした利用者Ha2に対してゲーム制御部314が特典を付与してもよい。特典としては、例えば所定量の第2クレジットのほか、特定のゲームまたはイベントに参加する権利が例示される。
【0090】
(10)前述の各形態において、第2ゲームを複数のステージにより構成してもよい。1つのステージにおいて特定の条件が成立すると、利用者Ha2からの指示を契機として次のステージに進行する。ステージが進行するたびに利用者Ha2に特典が付与される。特典としては、例えば所定量の第2クレジットのほか、特定のゲームまたはイベントに参加する権利が例示される。
【0091】
(11)前述の各形態において、第2ゲームが終了した後に特定の条件を充足する場合に利用者Ha2に特典を付与してもよい。例えば、電子メダルの口座を開設した場合、または、遊技施設の会員カードを作成した場合に、利用者Ha2に特典が付与される。特典としては、例えば所定量の電子メダル、特定のゲームまたはイベントに参加する権利が例示される。
【0092】
(12)ゲーム制御部314は、ステップSc12において、第2ゲームの開始から所定の時間が経過した場合、または、第2クレジットを使用した抽選処理の回数が所定値に到達した場合に、終了条件が成立したと判定してもよい。
【0093】
(13)前述の各形態において、第2ゲームを第1ゲームよりも簡素化する観点から、第2ゲームが第1ゲームよりも制限される構成を採用してもよい。例えば、第2ゲームは、以下の事項に関して第1ゲームよりも制限されたゲームである。
(A)利用者Ha2に許容される操作
(B)クレジットに応じた価値媒体の払出
(C)クレジット(第1クレジット,第2クレジット)の使用
(D)利用者Ha2に付与される報酬
(E)利用者Ha2に許容されるプレイ時間
(F)利用者Ha2に付与される特典
(G)プレイ可能なステージ
(H)使用可能なアイテム
ただし、第2ゲームについて制限される事項は以上の例示に限定されない。第2ゲームにおいて制限される事項は、ゲームの種類に応じて適宜に変更される。
【0094】
(A)に関して制限される第2ゲームは、第2ゲームにおいて利用者Ha2に許容される操作が、第1ゲームにおいて利用者Ha1に許容される操作よりも制限される。利用者Haに許容される操作は、ゲームの進行中における利用者Haからのゲーム装置30に対する操作である。例えば、価値媒体を払出す操作、クレジットを使用(例えばベット)する操作、ゲームを進行させる操作、または、ゲームを中断する操作等が利用者Haに許容される操作として例示される。例えば、利用者Ha2からの操作を操作装置35が受付けない構成、または、操作装置35が受付けた操作に応じた動作をゲーム制御部314が実行しない構成等により、第2ゲームにおける操作が制限される。以上の構成によれば、第2ゲームを第1ゲームよりも簡素化できるという利点がある。
【0095】
なお、第2ゲームの開始から所定時間が経過した後に、第2ゲームにおける操作の制限を解除してもよい。例えば、第2ゲームの操作説明および第2ゲームの概要等の案内情報が表示された後、第2ゲームにおける抽選処理が所定回数終了した後、または、第2ゲームが複数回終了した後に、第2ゲームにおける操作の制限が解除される。また、第2ゲームにおいて第2クレジットを使用する操作が制限される構成では、例えば第2クレジットの使用量をゲーム制御部314が利用者Ha2の操作によらず決定してもよい。
【0096】
(B)に関して制限される第2ゲームは、例えば、第2クレジットについて払出される価値媒体の数量が、第1クレジットについて払出される価値媒体の数量よりも少ない。具体的には、第2クレジットの所定量に応じた価値媒体の数量が第1クレジットの所定量に応じた価値媒体の数量よりも少ない。すなわち、第2クレジットの数量と第1クレジットの数量とが同じ場合には、当該第2クレジットについて払出される価値媒体の数量が当該第1クレジットについて払出される価値媒体の数量よりも少ない。例えば、払出制御部315は、第1クレジットの数量と同じ数量の価値媒体を払出し、第2クレジットの数量に所定値(1未満の数値)を乗算した数量の価値媒体を払出す。また、例えば第2クレジットについて払出される価値媒体の数量に上限を設ける構成、または、第2クレジットについて払出される価値媒体の数量が固定値である構成も採用される。
【0097】
第2クレジットの所定量に対応する価値媒体の数量が第1クレジットの所定量に対応する価値媒体の数量よりも少ない構成によれば、体験コードの提供により付与される第2クレジット(すなわち無償で付与される第2クレジット)について価値媒体を払出すことによる不利益(典型的には遊技施設における利益の減少)が低減される。また、例えば第2ゲームついて付与される報酬を第1ゲームについて付与される報酬よりも少なくすることで、遊技施設における利益の減少を低減する構成も想定される。しかし、以上の構成では、第1ゲームにより得られる満足感と同等の満足感を利用者Ha2に付与することができない。それに対して、第2クレジットの所定量に対応する価値媒体の数量が第1クレジットの所定量に対応する価値媒体の数量よりも少ない構成によれば、第2ゲームのプレイによる満足感を利用者Ha2に付与しつつ、遊技施設における利益の減少も低減できる。ただし、第2ゲームついて付与される報酬を第1ゲームについて付与される報酬よりも少なくする構成を採用してもよい。なお、第2実施形態において例示した第2ゲーム(第2クレジットについては価値媒体の払出が禁止されるゲーム)は、(B)に関して第1ゲームよりも制限された第2ゲームの一例である。
【0098】
(C)に関して制限される第2ゲームは、例えば、第2ゲームにおいて第1クレジットの使用が禁止される、または、第2ゲームにおいて許容される第2クレジットの使用量が、第1ゲームにおいて許容される第1クレジットの使用量よりも少ない。
【0099】
(D)に関して制限される第2ゲームは、例えば、第2ゲームにおいて利用者Ha2に付与される報酬が第1ゲームにおいて利用者Ha1に付与される報酬よりも少ない、または、第2ゲームにおいては利用者Ha2に報酬が付与されない。
【0100】
(E)に関して制限される第2ゲームは、例えば、第2ゲームにおいて利用者Ha2に許容されるプレイ時間が、第1ゲームにおいて利用者Ha1に許容されるプレイ時間よりも短い。
【0101】
(F)に関して制限される第2ゲームは、例えば、第2ゲームにおいて利用者Ha2に付与される特典が第1ゲームにおいて利用者Ha1に付与される特典よりも少ない、または、第2ゲームにおいては利用者Ha2に特典が付与されない。
【0102】
(G)に関して制限される第2ゲームは、例えば、第2ゲームにおいてプレイ可能なステージの個数が、第1ゲームにおいてプレイ可能なステージの個数よりも少ない。
【0103】
(H)に関して制限される第2ゲームは、例えば、第2ゲームにおいて使用可能なアイテムの個数が、第1ゲームにおいて使用可能なアイテムの個数よりも少ない。
【0104】
(14)前述の各形態に係る管理装置10の機能は、前述の通り、制御装置11を構成する1以上のプロセッサとプログラムとの協働により実現される。同様に、前述の各形態に係るゲーム装置30の機能は、制御装置31を構成する1以上のプロセッサとプログラムとの協働により実現される。以上の各形態に係るプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、配信装置が通信網を介してプログラムを配信する構成では、当該配信装置においてプログラムを記憶する記憶装置が、前述の非一過性の記録媒体に相当する。
【0105】
[付記]
以上の記載から、例えば以下のように本発明の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0106】
[付記1]
本発明の好適な態様(付記1)に係るゲームシステム(1)は、利用者(Ha2)に提供されたコードを取得する取得部(313)と、前記取得部(313)によるコードの取得なしで実行され、第1クレジットが使用される第1ゲームと、前記取得部(313)によるコードの取得により付与される第2クレジットが使用される第2ゲームと、を制御するゲーム制御部(314)とを具備する。以上の態様においては、コードの取得により付与される第2クレジットが第2ゲームで使用できるから、コードが提供された利用者(Ha2)は第1クレジットを使用しなくても第2ゲームをプレイすることができる。すなわち、コードを提供された利用者(Ha2)が第2ゲームをプレイすることを促進できる。結果的に、第1ゲームをプレイする誘因を利用者(Ha2)に付与できる。また、第2クレジットを付与するためのコードが利用者(Ha2)に提供されるから、第2クレジットを付与するための価値媒体(例えばトークンコイン)を利用者(Ha2)に提供する構成と比較して、コードを利用者(Ha2)に提供できる機会が増加する。例えば、ゲームシステム(1)が設置される施設(例えばゲームセンター)の外でもコードを配布することができる。したがって、多くの利用者(Ha2)にコードを提供できる。例えば第2クレジットを付与するための価値媒体をコードと引換えに利用者(Ha2)に提供する構成では、例えば施設の管理者Hbを介してコードと価値媒体とを交換する必要があり、管理者Hbおよび利用者(Ha2)の双方にとって手間がかかる。以上の態様においては、コードと引換えに第2クレジットが付与されるから、管理者Hbおよび利用者(Ha2)の双方の手間が軽減される。
【0107】
「コード」は、第2ゲームを体験させるために利用者(Ha2)に提供される符号列である。例えば、コードは、コードを表す画像(例えばQRコード)が印刷された媒体を配布すること、または、利用者(Ha2)が所有する情報端末にコードを表す画像を送信することにより、利用者(Ha2)に提供される。
【0108】
「第1クレジット」は、第1ゲームのプレイに対する対価として消費される無体の媒体である。例えば価値媒体(例えばトークンコイン、電子メダルまたは通貨)と引換えに第1クレジットが利用者(Ha2)に付与される。
【0109】
「第2クレジット」は、第2ゲームのプレイに対する対価として消費される無体の媒体である。例えば無償で提供されるコードと引換えに第2クレジットが付与される。
【0110】
「第1ゲーム」は、コードを必要とせずにプレイ可能であり、第1クレジットが使用されるゲームである。
【0111】
「第2ゲーム」は、プレイのためのコードが必要であり、当該コードが提供された利用者(Ha2)に付与される第2クレジットが使用されるゲームである。第2ゲームは、典型的には第1ゲームと内容が関連するゲームであるが、第1ゲームと内容が関連しないゲームであってもよい。ゲームの内容とは、例えば、ゲームの世界観、ゲームに登場するキャラクター、ゲームのジャンル、または、ゲームのルールである。
【0112】
[付記2]
付記1の好適例(付記2)では、前記第1ゲームにおいては、当該第1ゲームの結果に応じた数量の第1クレジットが報酬として利用者(Ha1)に付与され、前記第2ゲームにおいては、当該第2ゲームの結果に応じた数量の第2クレジットが報酬として利用者(Ha2)に付与される。以上の態様においては、第1ゲームと同様に、第2ゲームにおいても、第2ゲームの結果に応じた数量の第2クレジットが報酬として利用者(Ha2)に付与されるから、利用者(Ha2)は第2ゲームのプレイについて満足感が得られる。すなわち、利用者(Ha2)に第1ゲームをプレイするという充分な誘因を付与することができる。
【0113】
[付記3]
付記1または付記2の好適例(付記3)において、前記第2ゲームの難易度は、前記第1ゲームの難易度よりも低い。以上の態様においては、第2ゲームの難易度が第1ゲームの難易度よりも低いから、第2ゲームの難易度が第1ゲームの難易度と同じである構成と比較して、コードが提供された利用者(Ha2)が第2ゲームのプレイにより充分な満足感を得られやすい。したがって、第1ゲームをプレイするという充分な誘因を利用者(Ha2)に付与できる。
【0114】
[付記4]
付記1から付記3の何れかの好適例(付記4)において、前記第2ゲームは、前記第1ゲームよりも制限されたげゲームである。以上の態様においては、第2ゲームが第1ゲームよりも制限されたゲームであるから、第2ゲームを第1ゲームよりも簡素化できる。
【0115】
第2ゲームは、例えば、利用者(Ha2)に許容される操作、クレジットに応じた価値媒体の払出、クレジットの使用、利用者(Ha2)に付与される報酬、許容されるプレイ時間、利用者(Ha2)に付与される特典、プレイ可能なステージ、使用可能なアイテム、等に関して第1ゲームよりも制限される。ただし、第2ゲームについて制限される事項は以上の例示に限定されない。第2ゲームにおいて制限される事項は、ゲームの種類に応じて適宜に変更される。
【0116】
[付記5]
付記4の好適例(付記5)において、前記第2ゲームにおいては、前記第1クレジットの使用が禁止される。以上の態様においては、第1クレジットの使用が第2ゲームにおいて禁止されるから、第2ゲームのプレイを第2クレジットの範囲内に限定することができる。
【0117】
[付記6]
付記4の好適例(付記6)において、前記第2ゲームにおいて利用者(Ha2)に許容される操作は、前記第1ゲームにおいて利用者(Ha1)に許容される操作よりも制限される。以上の態様においては、第2ゲームにおいて利用者(Ha2)に許容される操作が第1ゲームにおいて利用者(Ha1)に許容される操作よりも制限されるから、第2ゲームを第1ゲームよりも簡素化できる。
【0118】
「利用者に許容される操作」は、ゲームの進行中における利用者(Ha)からのゲームシステム(1)に対する操作である。例えば、価値媒体を払出す操作、クレジットを使用(例えばベット)する操作、ゲームを進行させる操作、または、ゲームを中断する操作等が利用者に許容される操作として例示される。
【0119】
[付記7]
付記4の好適例(付記7)において、前記第1クレジットの数量に応じた数量の価値媒体と、前記第2クレジットの数量に応じた数量の価値媒体とを払出す払出制御部(315)を具備し、前記価値媒体の払出において、前記第2クレジットの所定量に応じた価値媒体の数量は、前記第1クレジットの所定量に応じた価値媒体の数量よりも少ない。以上の態様においては、第2クレジットの所定量に対応する価値媒体の数量が第1クレジットの所定量に対応する価値媒体の数量よりも少ないから、コードの提供により付与される第2クレジットについて価値媒体を払出すことによる不利益(典型的には遊技施設における利益の減少)が低減される。
【0120】
[付記8]
付記4の好適例(付記8)において、前記第1クレジットの数量に応じた数量の価値媒体を払出す払出制御部(315)を具備し、前記第2クレジットの数量に応じた数量の価値媒体の払出が禁止される。以上の態様においては、第2クレジットの数量に応じた数量の価値媒体の払出が禁止されるから、コードの提供により付与される第2クレジットについて払出された価値媒体を他のゲームに利用することを禁止できる。
【0121】
「価値媒体」は、例えばトークンコイン(メダル)または電子メダルである。
【0122】
「価値媒体の払出」は、例えば、有体の価値媒体(例えばトークンコイン)として利用者(Ha2)に排出すること、または、利用者(Ha2)が所有する価値媒体の口座に価値媒体(例えば電子メダル)を転送することである。
【0123】
[付記9]
付記1から付記8の何れかの好適例(付記9)において、前記取得部(313)により取得されたコードが有効であるか否かを判定する判定部(113)と、前記取得部(313)により取得されたコードが前記判定部(113)により有効であると判定された場合には、利用者(Ha2)に前記第2クレジットを付与し、前記取得部(313)により取得されたコードが前記判定部(113)により無効であると判定された場合には、利用者(Ha2)に前記第2クレジットを付与しない処理部(312)とを具備する。以上の態様においては、コードが有効な場合にのみ第2クレジットが付与されるから、第2クレジットが利用者(Ha2)に必要以上に付与されることを制限できる。
【0124】
例えば、登録済みのコードであることが必要な状況では、登録されているコードが「有効なコード」である。コードの使用が1回に限定される状況では、一度も使用されていないコードが「有効なコード」である。コードの使用期限が限定されている状況では、使用期限内に使用されるコードが「有効なコード」である。コードの使用とは、当該コードと引換えに利用者(Ha2)に第2クレジットを付与することである。また、コードについて使用可能な場所が限定される状況では、コードについて設定された使用可能な場所において使用されるコードが「有効なコード」である。
【0125】
[付記10]
付記9の好適例(付記10)において、前記判定部(113)は、前記取得部(313)が取得したコードにより前記第2クレジットが一度も利用者(Ha2)に付与されていない場合には、当該コードが有効であると判定し、前記取得部(313)が取得したコードにより前記第2クレジットが既に利用者(Ha2)に付与されている場合には、当該コードが無効であると判定する。以上の態様においては、取得部(313)が取得したコードにより第2クレジットが一度でも利用者(Ha2)に付与されている場合にはコードが無効であると判定されるから、1つのコードによる第2クレジットの付与を1回に制限することができる。
【0126】
[付記11]
付記1から付記10の何れかの好適例(付記11)において、前記第2ゲームの進行を案内するための情報を表示装置(34)に表示させる表示制御部(317)を具備する。以上の態様においては、第2ゲームの進行を案内するための情報が表示装置(34)に表示されるから、第2ゲームをプレイしたことがない利用者(Ha2)でも第2ゲームを円滑にプレイすることができる。
【0127】
「ゲームの進行を案内するための情報」とは、例えば、ゲームの概要、操作方法、ルール、または、プレイに必要な基本情報等の各種の情報がゲームの進行の案内として例示される。
【0128】
[付記12]
本発明の好適な態様(付記12)に係るプログラムは、利用者(Ha2)に提供されたコードを取得する取得部(313)、および、前記取得部(313)によるコードの取得なしで実行され、第1クレジットが使用される第1ゲームと、前記取得部(313)によるコードの取得により付与される第2クレジットが使用される第2ゲームと、を制御するゲーム制御部(314)としてコンピュータを機能させる。
【0129】
[付記13]
本発明の好適な態様(付記13)に係るゲームシステム(1)の動作方法は、利用者(Ha2)に提供されたコードを取得し、前記コードの取得なしで実行され、第1クレジットが使用される第1ゲームと、前記コードの取得により付与される第2クレジットが使用される第2ゲームと、を制御する。
【符号の説明】
【0130】
1…ゲームシステム、10…管理装置、11…制御装置、112…生成部、113…判定部、12…記憶装置、13…通信装置、2…通信網、20…発行装置、21…制御装置、22…記憶装置、23…通信装置、25…操作装置、30…ゲーム装置、31…制御装置、311…処理部、312…処理部、313…取得部、314…ゲーム制御部、315…払出制御部、316…通信制御部、317…表示制御部、32…記憶装置、33…通信装置、34…表示装置、35…操作装置、A…コードテーブル、G…コード画像、Ha(Ha1,Ha2)…利用者、Hb…管理者、T…体験チケット。
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