(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-15
(45)【発行日】2023-09-26
(54)【発明の名称】マイクロ発光素子、その使用方法、その製造方法およびその転写方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/20 20100101AFI20230919BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20230919BHJP
H01L 33/38 20100101ALI20230919BHJP
H01L 21/50 20060101ALI20230919BHJP
【FI】
H01L33/20
H01L33/00 H
H01L33/38
H01L21/50 Z
(21)【出願番号】P 2021181411
(22)【出願日】2021-11-05
【審査請求日】2021-11-05
(31)【優先権主張番号】10-2020-0147435
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】314000442
【氏名又は名称】高麗大学校産学協力団
【氏名又は名称原語表記】KOREA UNIVERSITY RESEARCH AND BUSINESS FOUNDATION
【住所又は居所原語表記】145, Anam-ro Seongbuk-gu Seoul 02841, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 仁煥
(72)【発明者】
【氏名】金 奎哲
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0017691(KR,A)
【文献】特開2003-282942(JP,A)
【文献】特開2003-142738(JP,A)
【文献】特開2002-261335(JP,A)
【文献】特開2020-155428(JP,A)
【文献】特開2002-335016(JP,A)
【文献】特開2003-216052(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0006564(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0056331(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
G09F 9/00 - 9/46
H01L 21/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円錐状、多角錐状及びピラミッド状のうちの少なくとも1つの立体形状を有するマイクロ発光素子であって、
前記マイクロ発光素子は
、p-コンタクト、p-GaN、n-コンタクト、n-GaNおよび基板を含み、
前記p-コンタクトは、傾斜した側面が集まって尖頭をなし、
前記傾斜した側面は前記マイクロ発光素子の一面から突出しており、
前記傾斜した側面は磁性を有し、
前記p-コンタクトおよび前記n-コンタクトは2つの異なる電極を形成し、
前記n-コンタクトはメサ(mesa)部分に形成され、
前記基板
は、前記n-GaNが積層される側とは反対
側に風抵抗構造を有し、
前記風抵抗構造は、
重力方向に移動時に空気の抵抗が大きく発生し得る構造であり、
前記基板と前記尖頭との構造的な特徴により、前記p-コンタクトが下方として、整列基板に向かって誘導される、マイクロ発光素子。
【請求項2】
前記p-コンタクトおよび前記n-コンタクトは、同時に前記整列基板に接続されることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロ発光素子。
【請求項3】
前記マイクロ発光素子は、流体に噴射されてインクとして作製され、インクジェットプリンティング、電気泳動及びドロップキャスティング(drop casting)のうちの少なくとも1つの方式を通じて整列基板の特定の位置に吐出され、
前記整列基板において、前記マイクロ発光素子が含まれたインクは、前記整列基板上のパターンに誘導され、前記吐出される側面の反対側面に形成される磁場によって前記パターンに誘導されることを特徴とする、請求項2に記載のマイクロ発光素子の使用方法。
【請求項4】
前記マイクロ発光素子の傾斜した側面の尖頭が下方に維持されるように前記パターンに誘導されることを特徴とする、請求項3に記載のマイクロ発光素子の使用方法。
【請求項5】
前記マイクロ発光素子は、予め設定された色のうちの少なくとも1つの色を発光し、前記少なくとも1つの色に対応して予め設定された大きさに形成されることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロ発光素子。
【請求項6】
前記マイクロ発光素子は、前記少なくとも1つの色に対応して2波長のLEDバンドル及び3波長のLEDバンドルのうちの少なくとも1つで形成されることを特徴とする、請求項5に記載のマイクロ発光素子。
【請求項7】
請求項1に記載のマイクロ発光素子の製造方法であって、
マイクロ発光素子ウエハをエッチングするステップと、
エッチングされたマイクロ発光素子ウエハ上に側壁保護膜(sidewall passivation)を形成するステップと、
前記側壁保護膜のうち、隣接する側壁保護膜の間に配置されるn-コンタクトデポジションを形成するステップと、
前記側壁保護膜が形成されたマイクロ発光素子上にユーテクティックレイヤデポジション(eutectic layer deposition)を形成するステップと、
前記ユーテクティックレイヤデポジション上にテンプレートをボンディングするステップと、
前記ボンディングされたテンプレートをグラインディングするステップと、
前記ボンディングされたテンプレートがグラインディングされた形態のマイクロ発光素子をダイシングするステップとを含み、
前記ボンディングされたテンプレートをグラインディングするステップは、前記マイクロ発光素子の前記基板の一表面から突出する傾斜した側面を形成し、
円錐状、多角錐状及びピラミッド状のうちの少なくとも1つの立体形状を備えさせ、p-コンタクトの機能を実行させることを含み
、
前記基板と前記尖頭との構造的な特徴により前記p-コンタクトが下方として、整列基板方向に向かって誘導されるように形成されることを特徴とする、マイクロ発光素子の製造方法。
【請求項8】
前記グラインディング後に形成される傾斜した側面を磁性化するステップをさらに含み、
前記傾斜した側面は磁性を有することを特徴とする、請求項7に記載のマイクロ発光素子の製造方法。
【請求項9】
マイクロ発光素子を転写する方法であって、
整列基板の一側面にインクノズルを維持し、前記インクノズルが維持される前記一側面の反対側面に磁場を形成するステップと、
前記インクノズルの動きに相応するように前記磁場を維持しながら、磁性を帯びるマイクロ発光素子が分散されたインクを前記整列基板上に吐出するステップとを含み、
前記マイクロ発光素子は、p-コンタクト、p-GaN、n-コンタクト、n-GaNおよび基板を含み、
前記p-コンタクトは、傾斜した側面が集まって尖頭をなし、
前記傾斜した側面は前記マイクロ発光素子の一面から突出しており、
前記
基板は
、前記n-GaNが積層される側とは反対
側に風抵抗構造を有し、
前記風抵抗構造は、
重力方向に移動時に空気の抵抗が大きく発生し得る構造であり、
前記基板と前記尖頭との構造的な特徴により前記p-コンタクトが下方として、整列基板に向かって誘導される、マイクロ発光素子の転写方法。
【請求項10】
前記マイクロ発光素子は、
円錐状、多角錐状及びピラミッド状のうちの少なくとも1つの立体形状を有するマイクロ発光素子であって、
前記立体形状が傾斜した側面を含み、前記傾斜した側面は前記マイクロ発光素子の一面から突出しており、
前記傾斜した側面は磁性を有することを特徴とする、請求項9に記載のマイクロ発光素子の転写方法。
【請求項11】
前記マイクロ発光素子は、
互いに異なる2つの電極を含み、
一方向に形成される2つの電極を含み、
前記2つの電極のうちの一方の電極は、メサ(mesa)部分に形成され、他方の電極は、前記傾斜した側面に形成される、請求項9に記載のマイクロ発光素子の転写方法。
【請求項12】
前記インクノズルの動きに相応するように前記磁場を維持しながら、磁性を帯びるマイクロ発光素子が分散されたインクを前記整列基板上に吐出するステップは、
前記整列基板において、前記マイクロ発光素子が含まれたインクが前記整列基板上のパターンに誘導され、前記吐出される側面の反対側面に形成される磁場によって前記パターンに誘導されるステップを含むことを特徴とする、請求項9に記載のマイクロ発光素子の転写方法。
【請求項13】
マイクロ発光素子を転写する方法であって、
前記マイクロ発光素子は、p-コンタクト、p-GaN、n-コンタクト、n-GaNおよび基板を含み、
整列基板の方向に落下するマイクロ発光素子の一側面から前記マイクロ発光素子に空気の流れを発生させるステップと、
前記発生した空気の流れによって、前記マイクロ発光素子のp-コンタクトが前記整列基板に向かうように前記マイクロ発光素子が整列されるステップと、
前記整列されたマイクロ発光素子が前記整列基板に装着されるステップとを含み、
前記発生した空気の流れによって前記マイクロ発光素子の基板に発生した空気抵抗が、前記p-コンタクトに発生した空気抵抗以上となるように、前記基板の面積、体積、及び重量のうちの少なくとも1つが形成され、前記p-コンタクトは
、傾斜した側面
が集まって尖頭をなし、前記マイクロ発光素子が、円錐状、多角錐状及びピラミッド状のうちの少なくとも1つの立体形状を有し、
前記傾斜した側面は前記マイクロ発光素子の一面から突出しており、
前記
基板は、前
記n-GaNが積層される側とは反対
側に風抵抗構造を有し、
前記風抵抗構造は、
重力方向に移動時に空気の抵抗が大きく発生し得る構造であり、
前記基板と前記尖頭との構造的な特徴により前記p-コンタクトが下方として、整列基板に向かって誘導される、ことを特徴とする、マイクロ発光素子の転写方法。
【請求項14】
円錐状、多角錐状及びピラミッド状のうちの少なくとも1つの立体形状を有するマイクロ発光素子の製造方法であって、
ウエハを異方性エッチングして、前記立体形状に対応する形状の傾斜した側面を有する少なくとも1つの溝を形成するステップと、
前記溝が形成された表面上に磁性物質を形成し、前記磁性物質が形成された表面を平坦化して磁性の尖頭を形成するステップと、
前記磁性の尖頭が形成されたウエハを発光素子が形成されたウエハとボンディングして、前記発光素子上に前記磁性の尖頭を付着するステップと、
前記磁性の尖頭が形成されたウエハをエッチングして、前記磁性の尖頭を除いた残りの部分を除去するステップと、
前記磁性の尖頭が付着された発光素子をダイシングして、少なくとも1つの前記マイクロ発光素子を形成するステップとを含む、マイクロ発光素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2020年11月06日付の韓国特許出願第10-2020-0147435号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、マイクロ発光素子及び整列基板の構造に関し、より詳細には、マイクロ発光素子を用いた照明とディスプレイ装置に適用されるマイクロ発光素子の製造方法及びマイクロ発光素子の転写方法に関する。
【背景技術】
【0003】
米国のアップル社は、2014年にマイクロ発光素子の専門メーカであるRuxvue Technologyを買収し、また、日本のソニーと中国のBaco社のマイクロ発光素子ピクセルTVの試作品の発売によるマイクロ発光素子のディスプレイへの適用可能性が現実化されている。今後、高速転写工程/装備が開発されれば、マイクロ発光素子を凌駕する次世代のフレキシブル照明及びディスプレイになると期待されている。
【0004】
このようなディスプレイに使用されるマイクロ/ナノマイクロ発光素子は、化学的に安定でかつ生体適合性を有しており(bio-compatible)、人体に付着又は体内に挿入して細胞の刺激、光遺伝学治療、傷の治療及び診断などの様々なバイオメディカル分野に適用可能である。また、スマート繊維、バイオコンタクトレンズ、ヘッドマウンテドディスプレイ(head mounted display)、医療用パッチだけでなく、生体組織と一体化された電子装置に移植されてウェアラブル光補助装置に活用可能である。
【0005】
フレキシブルマイクロ/ナノマイクロ発光素子を作製するためには、分離されたマイクロ発光素子チップを所望の配列で基板に転写する工程が必須である。現在、Ruxvue Technology社が開発した静電ピックアップ方式、及びUIUC大学のRogersグループが報告した弾性高分子材料をプリンタヘッドに使用したピックアップ方式が主な開発方向であるが、チップの損傷及びスループット(throughput)が低い問題が内在しているため、ピックアンドプレイス(pick-and-place)方式は根本的に限界がある。また、無機物GaNベースのマイクロ発光素子の転写工程を量産レベルに商用化した企業は世界的に皆無である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国公開特許第10-2001-0080462号、“レーザダイオードバーの整列装置”
【文献】韓国公開特許第10-2011-0029454号、“磁性構造物を磁気的に制御する方法”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、分離されたマイクロ発光素子チップを所望の配列で基板に転写する工程を提供することを目的とする。
【0008】
本発明は、インクジェットプリンティング(inkjet printing)方式を用いた転写方式を提供することを目的とする。
【0009】
本発明は、整列基板に転写した後、単純熱処理を行って2つの電極を同時に接続するマイクロ発光素子の構造を提供することを目的とする。
【0010】
本発明は、マイクロ発光素子チップの損傷及びスループット(throughput)が低い問題を内在しているピックアンドプレイス(pick-and-place)転写方式の根本的な限界を克服することを目的とする。
【0011】
本発明は、転写後、電極の接続のための工程が追加的に必要でないので、工程時間を短縮し、不良画素を簡単にリペアできることを目的とする。
【0012】
本発明は、無機物GaNベースのマイクロ発光素子の転写工程を量産レベルに商用化してマイクロ/ナノマイクロ発光素子照明及びディスプレイを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一実施例に係る発光素子は、円錐状、多角錐状及びピラミッド状のうちの少なくとも1つの立体形状を有し、前記立体形状が傾斜した側面を含み、前記傾斜した側面は前記マイクロ発光素子の一面から突出しており、前記傾斜した側面は磁性を有し、互いに異なる2つの電極を含むものの、一方向に形成される2つの電極を含み、前記2つの電極のうちの一方の電極は、メサ(mesa)部分に形成され、他方の電極は、傾斜した側面に形成されてもよい。
【0014】
一実施例に係る互いに異なる2つの電極は、同時に整列基板に接続されることを特徴とする。
【0015】
一実施例に係るマイクロ発光素子は、流体に噴射されてインクとして作製され、インクジェットプリンティング、電気泳動及びドロップキャスティング(drop casting)のうちの少なくとも1つの方式を通じて整列基板の特定の位置に吐出され、前記整列基板において、前記マイクロ発光素子が含まれたインクは、前記整列基板上のパターンに誘導され、前記吐出される側面の反対側面に形成される磁場によって前記パターンに誘導されてもよい。
【0016】
一実施例に係る発光素子は、前記マイクロ発光素子の傾斜した側面の尖頭が下方に維持されるように前記パターンに誘導されてもよい。
【0017】
一実施例に係るマイクロ発光素子は、予め設定された色のうちの少なくとも1つの色を発光し、前記少なくとも1つの色に対応して予め設定された大きさに形成されることを特徴とする。
【0018】
一実施例に係るマイクロ発光素子は、前記少なくとも1つの色に対応して2波長のLEDバンドル及び3波長のLEDバンドルのうちの少なくとも1つで形成されることを特徴とする。
【0019】
円錐状、多角錐状及びピラミッド状のうちの少なくとも1つの立体形状を有する一実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法は、マイクロ発光素子ウエハをエッチングするステップと、エッチングされたマイクロ発光素子ウエハ上に側壁保護膜(sidewall passivation)を形成するステップと、前記側壁保護膜のうち、隣接する側壁保護膜の間に配置されるn-コンタクトデポジションを形成するステップと、前記側壁保護膜が形成されたマイクロ発光素子上にユーテクティックレイヤデポジション(eutectic layer deposition)を形成するステップと、前記ユーテクティックレイヤデポジション上にテンプレートTCBをボンディングするステップと、前記ボンディングされたテンプレートTCBをグラインディングするステップと、前記ボンディングされたテンプレートがグラインディングされた形態のマイクロ発光素子をダイシングするステップとを含み、前記ボンディングされたテンプレートTCBをグラインディングするステップは、前記マイクロ発光素子の一側から突出した形状の傾斜した側面を形成し、前記傾斜した側面は、前記立体形状に対応する形状に形成されてもよい。
【0020】
一実施例に係る前記マイクロ発光素子の製造方法は、前記グラインディング後に形成される傾斜した側面を磁性化するステップをさらに含み、前記傾斜した側面は磁性を有することを特徴とする。
【0021】
一実施例に係るマイクロ発光素子を転写する方法は、整列基板の一側面にインクノズルを維持し、前記インクノズルが維持される前記一側面の反対側面に磁場を形成するステップと、前記インクノズルの動きに相応するように前記磁場を維持しながら、磁性を帯びるマイクロ発光素子が分散されたインクを前記整列基板上に吐出するステップとを含むことができる。
【0022】
一実施例に係る前記マイクロ発光素子は、円錐状、多角錐状及びピラミッド状のうちの少なくとも1つの立体形状を有するマイクロ発光素子であって、前記立体形状が傾斜した側面を含み、前記傾斜した側面は前記マイクロ発光素子の一面から突出しており、前記傾斜した側面は磁性を有することを特徴とする。
【0023】
一実施例に係る前記マイクロ発光素子は、互いに異なる2つの電極を含み、一方向に形成される2つの電極を含み、前記2つの電極のうちの一方の電極は、メサ(mesa)部分に形成され、他方の電極は、前記傾斜した側面に形成されてもよい。
【0024】
一実施例に係る前記インクノズルの動きに相応するように前記磁場を維持しながら、磁性を帯びるマイクロ発光素子が分散されたインクを前記整列基板上に吐出するステップは、前記整列基板において、前記マイクロ発光素子が含まれたインクが前記整列基板上のパターンに誘導され、前記吐出される側面の反対側面に形成される磁場によって前記パターンに誘導されるステップを含むことができる。
【0025】
一実施例に係るマイクロ発光素子は、基板と、前記基板の一面から突出した立体形状を有し、p-コンタクトの機能を行う傾斜した側面とを含み、発生した空気の流れによって前記基板に発生した抵抗値が、前記傾斜した側面に発生した抵抗値以上となるように、前記基板の面積、体積、及び重量のうちの少なくとも1つが形成される構造であり、前記傾斜した側面の立体形状は、円錐又は多角錐の構造を有することを特徴とする。
【0026】
円錐状、多角錐状及びピラミッド状のうちの少なくとも1つの立体形状を有する他の実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法は、ウエハを異方性エッチングして、前記立体形状に対応する形状の傾斜した側面を有する少なくとも1つの溝を形成するステップと、前記溝が形成された表面上に磁性物質を形成し、前記磁性物質が形成された表面を平坦化して磁性の尖頭を形成するステップと、前記磁性の尖頭が形成されたウエハを発光素子が形成されたウエハとボンディングして、前記発光素子上に前記磁性の尖頭を付着するステップと、前記磁性の尖頭が形成されたウエハをエッチングして、前記磁性の尖頭を除いた残りの部分を除去するステップと、前記磁性の尖頭が付着された発光素子をダイシングして、少なくとも1つの前記マイクロ発光素子を形成するステップとを含む。
【発明の効果】
【0027】
一実施例によれば、整列基板にマイクロ発光素子チップを迅速かつ正確に転写することができる。
【0028】
一実施例によれば、片面に陽極と陰極の電極をいずれも配置することによって、整列基板とマイクロ発光素子のボンディングを容易にすることができる。
【0029】
一実施例によれば、マイクロ発光素子の基板部分に風の抵抗を受けることができる構造を挿入することで、軽い状態のマイクロ発光素子が空気又は風によって空気中に軽く浮いていることができる。
【0030】
一実施例によれば、インクジェットプリンティング技術を用いて整列基板の所望の位置にマイクロ発光素子インクを吐出することによって、数ミクロンサイズの超小型のマイクロ発光素子を迅速かつ正確に転写することができる。
【0031】
一実施例によれば、整列基板の片側にインクノズルを置き、反対側に磁場を印加することによって、吐出されたマイクロ発光素子が磁場に反応し、ひっくり返らずにパターンに装着できるようにする。
【0032】
一実施例によれば、マイクロ発光素子チップの損傷及び低いスループットの問題を内在しているピックアンドプレイス(pick-and-place)転写方式の根本的な限界を克服することができる。
【0033】
一実施例によれば、転写後、電極の接続のための工程が追加的に必要でないので、工程時間を短縮し、不良画素を簡単にリペアすることができる。
【0034】
一実施例によれば、無機物GaNベースのマイクロ発光素子の転写工程を量産レベルに商用化してマイクロ/ナノマイクロ発光素子照明及びディスプレイを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】一実施例に係るマイクロ発光素子を説明する図である。
【
図2】一実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法を説明する図である。
【
図3】一実施例に係るマイクロ発光素子の製造過程を説明する図である。
【
図4】一実施例に係るマイクロ発光素子の転写方法を説明する図である。
【
図5】一実施例に係る整列基板とマイクロ発光素子がユーテクティックボンディング(eutectic bonding)により接合される例示を説明する図である。
【
図6】インクジェットプリンティング(Inkjet printing)方式を用いた立体形状を有するマイクロ発光素子の整列の例示を説明する図である。
【
図7】カートリッジの内部において、マイクロ発光素子が磁性及び傾斜した内壁によって磁性の尖頭が下に向かう原理を説明する図である。
【
図8】風抵抗構造によって一方向に整列されるマイクロ発光素子の整列の例示を説明する図である。
【
図9】第1実施例に係るマイクロ発光素子を説明する図である。
【
図10】第1実施例に係るマイクロ発光素子の転写過程を説明する図である。
【
図11】第2実施例に係るマイクロ発光素子を説明する図である。
【
図12A】第3実施例に係るマイクロ発光素子を説明する図である(その1)。
【
図12B】第3実施例に係るマイクロ発光素子を説明する図である(その2)。
【
図13】第3実施例に係るマイクロ発光素子の第1製造例を説明する図である。
【
図14】第3実施例に係るマイクロ発光素子の第2製造例を説明する図である。
【
図15】他の実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法を説明する図である。
【
図16】他の実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法において磁性の尖頭の製造過程を説明するための図である。
【
図17】他の実施例に係るマイクロ発光素子の製造過程を説明するための図である。
【
図18A】一実施例に係るマイクロ発光素子の転写のための受容体の熱処理実験の結果を説明する図である(その1)。
【
図18B】一実施例に係るマイクロ発光素子の転写のための受容体の熱処理実験の結果を説明する図である(その2)。
【
図18C】一実施例に係るマイクロ発光素子の転写のための受容体の熱処理実験の結果を説明する図である(その3)。
【
図18D】一実施例に係るマイクロ発光素子の転写のための受容体の熱処理実験の結果を説明する図である(その4)。
【
図19】一実施例に係るマイクロ発光素子の転写のための循環システムの例示を説明する図である。
【
図20A】一実施例に係るマイクロ発光素子の実際の転写過程を説明する図である(その1)。
【
図20B】一実施例に係るマイクロ発光素子の実際の転写過程を説明する図である(その2)。
【
図20C】一実施例に係るマイクロ発光素子の実際の転写過程を説明する図である(その3)。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本明細書に開示されている本発明の概念による実施例についての特定の構造的又は機能的な説明は、単に本発明の概念による実施例を説明するための目的で例示されたものであって、本発明の概念による実施例は、様々な形態で実施可能であり、本明細書に説明された実施例に限定されない。
【0037】
本発明の概念による実施例は、様々な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるので、実施例を図面に例示し、本明細書で詳しく説明する。しかし、これは、本発明の概念による実施例を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる変更、均等物、または代替物を含む。
【0038】
「第1」又は「第2」などの用語は様々な構成要素を説明するのに用いられるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ、例えば、本発明の概念による権利範囲から逸脱しないまま、第1構成要素は第2構成要素と命名することができ、同様に、第2構成要素は第1構成要素とも命名することができる。
【0039】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるとか、「接続されて」いると言及された際には、その他の構成要素に直接的に連結又は接続されていることもあるが、その構成要素間に他の構成要素が存在することもあると理解されなければならない。反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるとか、「直接接続されて」いると言及された際には、その構成要素間に他の構成要素が存在しないものと理解されなければならない。構成要素間の関係を説明する表現、例えば、「~間に」と「すぐ~間に」又は「~に直接隣接する」なども同様に解釈されなければならない。
【0040】
本明細書で使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために用いられるものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに別の意味を示すものでない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性をあらかじめ排除しないものと理解されなければならない。
【0041】
別に定義されない限り、技術的又は科学的な用語を含めてここで用いられる全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本明細書で明らかに定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されない。
【0042】
以下、実施例を添付の図面を参照して詳細に説明する。しかし、特許出願の範囲がこのような実施例によって制限又は限定されるものではない。各図面に提示された同一の参照符号は同一の部材を示す。
【0043】
図1は、一実施例に係るマイクロ発光素子100を説明する図である。
【0044】
一実施例に係るマイクロ発光素子100は、立体形状が傾斜した側面を含み、傾斜した側面はマイクロ発光素子の一面から突出している。また、傾斜した側面は磁性を有し、互いに異なる2つの電極を含むものの、一方向に形成される2つの電極を含む。また、2つの電極のうちの一方の電極は、メサ(mesa)部分に形成され、他方の電極は、傾斜した側面に形成され得る。
【0045】
例えば、立体形状は、半球状あるいは楕円球状のように傾いた角を有する錐ではなく、円錐状、多角錐状及びピラミッド状のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0046】
一実施例に係るマイクロ発光素子100は、p-コンタクト101、p-GaN102、n-コンタクト103、n-GaN104、及び基板105を含むことができる。
【0047】
p-コンタクト101は、電磁石から発生する磁場によって、整列基板に向かう方向に整列されて、整列基板のユーテクティック材料にボンディングされ得る。
【0048】
マイクロ発光素子100が磁場に反応するように、Al/Ni/Crなどの常磁性物質を、p-コンタクト101又はn-コンタクト103の電極材料に混合するか、またはチップの表面の一部である結合先端にコーティング又はドープすることができる。それだけでなく、金属先端自体を常磁性物質で作ることもでき、このような結合先端は、整列用基板の整列面に嵌合できるように発光素子の上部面に形成されるか、または上部面に結合する構造を有する。すなわち、成長用基板上に形成されたマイクロ発光素子の上端に形成されてもよく、また、結合先端を別途に作製してマイクロ発光素子に付着してもよい。
【0049】
マイクロ発光素子の構造が成長した元の基板を、マイクロ発光素子と分離せずに共にスクライビングして、結合先端を元の基板部分に形成することができる。
【0050】
整列用基板(整列基板)上には、マイクロ発光素子の結合先端が受容される構造が形成される。本発明において、マイクロ発光素子の尖頭を整列するための磁場の印加は、永久磁石またはAC磁場を印加する電磁石が使用されてもよい。
【0051】
p-コンタクト101と同じ側面に形成され、反対の電極であるn-コンタクト103は、隣接するマイクロ発光素子との電気的接続を行うことができる。
【0052】
基板105は、透明材質であって、サファイアのウエハで形成され得る。
【0053】
一方、マイクロ発光素子100は、予め設定された色のうちの少なくとも1つの色を発光し、少なくとも1つの色に対応して予め設定された大きさに形成され得る。
【0054】
例えば、マイクロ発光素子100は、赤色(red)発光素子、緑色(green)発光素子及び青色(blue)発光素子のうちの少なくとも1つの発光素子であってもよい。
【0055】
また、マイクロ発光素子100は、緑色発光素子である場合に第1大きさに形成され、青色発光素子である場合に第1大きさよりも小さい第2大きさに形成され、赤色発光素子である場合に第2大きさよりも小さい第3大きさに形成され得る。
【0056】
マイクロ発光素子100は、少なくとも1つの色に対応して2波長のLEDバンドル及び3波長のLEDバンドルのうちの少なくとも1つで形成されてもよい。
【0057】
例えば、マイクロ発光素子100は、緑色/青色の2波長のLEDバンドル、または赤色/緑色/青色(RGB)の3波長のLEDバンドルで形成されてもよい。
【0058】
図2は、一実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法を説明する図である。
【0059】
一実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法では、まず、マイクロ発光素子ウエハをエッチングすることができる(ステップ201)。
【0060】
次に、一実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法では、側壁保護膜を形成することができる(ステップ202)。
【0061】
一実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法では、隣接する側壁保護膜の間に配置されるn-コンタクトデポジションを形成することができる(ステップ203)。
【0062】
一実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法では、発光素子上にユーテクティックレイヤデポジション(eutectic layer deposition)を形成することができる(ステップ204)。
【0063】
一実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法では、ユーテクティックレイヤデポジション上にテンプレートTCBをボンディングすることができる(ステップ205)。
【0064】
一実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法では、ボンディングされたテンプレートTCBをグラインディングすることができる(ステップ206)。
【0065】
例えば、マイクロ発光素子の製造方法では、グラインディングを通じて、発光素子の一側から突出した形状の傾斜した側面を形成することができる。
【0066】
また、傾斜した側面は、立体形状に対応する形状に形成することができ、ここで、立体形状は、円錐状、多角錐状及びピラミッド状のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0067】
一実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法では、ボンディングされたテンプレートがグラインディングされた形態の発光素子をダイシングすることができる(ステップ207)。
【0068】
一実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法では、グラインディング後に形成される傾斜した側面を磁性化することもできる。
【0069】
立体形状を有するマイクロ発光素子の2つの電極はいずれも、一方向に形成されている。また、マイクロ発光素子の一方の電極はメサに形成され、他方の電極は傾斜した側面に形成され得る。すなわち、発光素子の2つの電極が同時に整列基板に接続され得る。
【0070】
図3は、一実施例に係るマイクロ発光素子の製造過程(300)を説明する図である。
【0071】
マイクロ発光素子の製造過程(300)によれば、まず、図面符号301のように、サファイア材質のウエハ上にマイクロ発光素子を形成する。次に、図面符号302のように、マイクロ発光素子をエッチングし、図面符号303で示すように、側面保護膜を形成することができる。
【0072】
また、マイクロ発光素子の製造過程(300)によれば、隣接する側壁保護膜の間に配置されるn-コンタクトデポジションを形成し(304)、図面符号305で示すように、発光素子上にユーテクティックレイヤデポジション(eutectic layer deposition)を形成することができる(305)。
【0073】
次に、図面符号306では、テンプレートTCBをユーテクティックレイヤデポジション上にボンディングし(306)、図面符号307において、ボンディングされたテンプレートTCBをグラインディングして、傾斜した側面を含むマイクロ発光素子を製造することができる。傾斜した側面は、立体形状が円錐または多角錐の形状であってもよい。
【0074】
次に、一実施例に係るマイクロ発光素子の製造過程(300)では、マイクロ発光素子をダイシング(dicing)して、マイクロサイズに分離されたマイクロ発光素子を製造することができる。
【0075】
具体例として、整列基板と結合する発光素子のピラミッド状の先端部を形成する方法の他の実施例として、Siで先に結合部を成形し、再びメタルを載せる方法を適用することができる。
【0076】
まず、Si面上にSiO2層を成長させ、フォトレジストをコーティングした後、PRをパターニングし、PRパターンをマスクとしてSiO2層をBOEでエッチングし、PRを除去することができる。このように形成されたものをマスクとしてKOH溶液でSiをエッチングした後、SiO2を除去する。このように形成された空間に点線で表示されたマイクロ発光素子が整列される。Si上に作られた形状に金属(Metal)を蒸着(evaporation)して、空間に金属物質が充填されて意図した形状が成形された後、見える面が平坦化されると、Si層を除去することによって、意図した結合部の形状が現れ得る。
【0077】
発光素子の構造が積層(stacking)されている面上に、前記結合部の形状が作られた金属層を付着させ(108)、レーザースクライビング(Laser scribing)でチップを分離することによって、独立したマイクロ発光素子を製造することができる。
【0078】
図4は、一実施例に係るマイクロ発光素子の転写方法を説明する図である。
【0079】
一実施例に係るマイクロ発光素子の転写方法では、整列基板の一側面にインクノズルを維持することができる(ステップ401)。
【0080】
次に、一実施例に係るマイクロ発光素子の転写方法では、インクノズルが維持される一側面の反対側面に磁場を形成することができる(ステップ402)。
【0081】
例えば、反対側面に磁場を帯びる電磁石を配置し、電磁石をインクノズルの動きに相応して動くように制御することによって、インクノズルが維持される一側面の反対側面に磁場を形成することができる。
【0082】
インクノズルの動きに相応するように磁場を維持しながら、磁性を帯びるマイクロ発光素子が分散されたインクを整列基板上に吐出することができる(ステップ403)。
【0083】
一実施例に係る発光素子は、円錐状、多角錐状及びピラミッド状のうちの少なくとも1つの立体形状を有する発光素子であって、立体形状が傾斜した側面を含み、傾斜した側面は発光素子の一面から突出している。
【0084】
また、一実施例に係る発光素子は、互いに異なる2つの電極を含み、一方向に形成される2つの電極を含み、2つの電極のうちの一方の電極は、メサ電極構造の形態で形成され、他方の電極は、傾斜した側面に形成され得る。
【0085】
図5は、一実施例に係る整列基板とマイクロ発光素子がユーテクティックボンディング(eutectic bonding)により接合される例示を説明する図である。
【0086】
図面符号510は、ユーテクティックボンディング510の過程を示す。
【0087】
マイクロ発光素子のp-コンタクトが下に向かう方向に整列基板にボンディングされ得る。この過程において、n-コンタクトは、隣接するマイクロ発光素子のn-コンタクトに電気的に接続され、p-コンタクトは、ユーテクティック材料520にボンディングされる形態で実現され得る。
【0088】
図6は、インクジェットプリンティング(Inkjet printing)方式を用いた立体形状を有するマイクロ発光素子の整列の例示を説明する図である。
【0089】
図面符号610は、インクジェットノズルを介して流体と共にマイクロ発光素子を吐出し、磁場なしでマイクロ発光素子を整列基板にボンディングする過程を示し、図面符号620は、インクジェットノズルを介して流体と共にマイクロ発光素子を吐出するにおいて、磁場を活用してマイクロ発光素子を整列基板にボンディングする実施例を示す。
【0090】
図面符号610の実施例は、傾斜した側面に該当するp-コンタクトが、整列基板に向かわずに反対方向に向かっているので、整列基板に円滑なボンディングが難しい。
【0091】
一方、図面符号620の実施例は、傾斜した側面に該当するp-コンタクトに磁場を帯びるようにし、整列基板の反対側面に磁性を帯びるマグネチックを配置して、マイクロ発光素子が整列基板に向かうので、ボンディングが迅速かつ一括的に行われ得る。
【0092】
結局、本発明を用いる場合、整列基板の片側にインクノズルを置き、反対側に磁場を印加することによって、吐出されたマイクロ発光素子が磁場に反応し、ひっくり返らずにパターンに装着可能である。また、マイクロ発光素子チップの損傷及びスループットが低い問題を内在しているピックアンドプレイス(pick-and-place)転写方式の根本的な限界を克服することができる。
【0093】
また、本発明を用いる場合、転写後、電極の接続のための工程が追加的に必要でないので、工程時間を短縮し、不良画素を簡単にリペアすることができ、無機物GaNベースのマイクロ発光素子の転写工程を量産レベルに商用化してマイクロ/ナノマイクロ発光素子照明及びディスプレイを実現することができる。
【0094】
図7は、マイクロ発光素子が流体に含まれているカートリッジの内部710において、マイクロ発光素子が磁性及び傾斜した内壁によって磁性の尖頭が下に向かう原理を説明する図である。
【0095】
図面符号720は、磁性を帯びる底面に該当し、本発明に係るマイクロ発光素子は、傾斜した側面であるp-コンタクトが磁場を帯びるので、底面720に向かって吐出を待機することができる。
【0096】
インクジェットノズル730では、流体と共にマイクロ発光素子が、図面符号740のようにp-コンタクトが下に向かう方向に良好に整列された状態で吐出され得る。
【0097】
マイクロ発光素子の最上端部分であるp-コンタクトがカートリッジの内部710の隔壁750をスライドしながら、インクジェットノズル730を介して整列基板内に自然に滑って進入することが可能になる。これによって、マイクロ発光素子の装着に対する成功率を著しく高める。このような構造を有する発光素子の整列用基板に対して磁場を印加すると、発光素子の先端部に磁力を付与して、発光素子がパネル方向に移送されて整列をなすようになる。このとき、チップのn-GaN方向の構造がp-GaN方向の構造に比べて相対的に重いので、n-GaN方向が重力方向に向かうようになって指向性が決定され得る。
【0098】
図8は、風抵抗構造によって一方向に整列されるマイクロ発光素子の整列の例示を説明する図である。
【0099】
具体的には、立体形状を有するマイクロ発光素子850の基板部分は、タンポポの種子や傘のような風の抵抗を受けることができる構造が形成されていてもよい。また、発光素子が空気又は小さな風によって浮いていることができ、発光素子が下降しながら、傾斜した側面が下方向に向かうようになり得る。
【0100】
このために、整列基板の方向に落下するマイクロ発光素子の一側面からマイクロ発光素子に空気の流れを発生させることができる。
【0101】
また、マイクロ発光素子を転写する方法では、発生した空気の流れによって、マイクロ発光素子のp-コンタクトが整列基板に向かうようにマイクロ発光素子が整列され、整列されたマイクロ発光素子が整列基板に装着され得る。
【0102】
この場合、発生した空気の流れによってマイクロ発光素子の基板に発生する抵抗値が、p-コンタクトに発生した抵抗値以上となるように、基板の面積、体積、及び重量のうちの少なくとも1つが形成され得る。また、p-コンタクトは、少なくとも1つ以上の傾斜した側面を有し、立体形状が、円錐状、多角錐状及びピラミッド状のうちの少なくとも1つの形状に実現され得る。
【0103】
例えば、マイクロ発光素子850の基板は、タンポポの種子の冠毛、傘または落下傘の布のように、重力方向に移動時に空気の抵抗が大きく発生し得る構造であり、マイクロ発光素子850のp-コンタクト部分は、傾斜した側面が集まって尖頭をなし、したがって、このようなp-コンタクト部分は、重力方向に移動時に、基板部分に比べて相対的に抵抗が少なく発生する。
【0104】
したがって、マイクロ発光素子850の一側面から風が発生する場合、マイクロ発光素子850は、基板と尖頭の構造的な特徴により、p-コンタクト部分が下方、すなわち重力方向として整列基板に向かうようにガイドされ得る。
【0105】
言い換えると、チャンバー820内で図面符号810のようにマイクロ発光素子850に風が吹くと、p-コンタクトが整列基板830に向かうようにポジショニングされ得る。
【0106】
このとき、p-コンタクトは磁場を帯びた状態であり、電磁石840を整列基板830の下段に配置することによって、p-コンタクトが整列基板830に向かうようにポジショニングすることができる。
【0107】
本発明を用いる場合、整列基板にマイクロ発光素子チップを迅速かつ正確に転写することができる。
【0108】
また、片面に陽極と陰極の電極をいずれも配置することによって、整列基板とマイクロ発光素子のボンディングを容易にすることができる。
【0109】
それだけでなく、マイクロ発光素子の基板部分に風の抵抗を受けることができる構造を挿入することで、軽い状態のマイクロ発光素子が空気又は風によって空気中に軽く浮いていることができ、インクジェットプリンティング技術を用いて整列基板の所望の位置にマイクロ発光素子インクを吐出することによって、数ミクロンサイズの超小型のマイクロ発光素子を迅速かつ正確に転写することができる。
【0110】
図9は、第1実施例に係るマイクロ発光素子を説明する図である。
【0111】
第1実施例に係るマイクロ発光素子は、緑色発光素子901、青色発光素子902及び赤色発光素子903のうちの少なくとも1つの発光素子を含むことができる。
【0112】
また、緑色発光素子901は第1大きさに形成され、青色発光素子902は、第1大きさよりも小さい第2大きさに形成され、赤色発光素子903は、第2大きさよりも小さい第3大きさに形成され得る。
【0113】
すなわち、整列基板904に配設された発光素子受容孔(receptor hole)は、緑色発光素子901、青色発光素子902及び赤色発光素子903のそれぞれの大きさに対応して互いに異なる大きさに形成され得る。
【0114】
一方、赤色発光素子903に配設された基板がサファイア基板ではない場合に、赤色発光素子903は、整列基板904の受容孔に実装された後、配設された基板を除去することができる。
【0115】
図10は、第1実施例に係るマイクロ発光素子の転写過程を説明する図である。
【0116】
第1実施例に係るマイクロ発光素子の転写過程(図面符号1001~1003)によれば、緑色発光素子、青色発光素子及び赤色発光素子で実現されるマイクロ発光素子のそれぞれを、対応する整列基板の発光素子受容孔に転写することができる。
【0117】
例えば、マイクロ発光素子の転写過程は、大きさが大きい発光素子から大きさが小さい発光素子の順に、すなわち、緑色発光素子、青色発光素子、赤色発光素子の順に行われてもよい。
【0118】
具体的には、図面符号1001~1003のように緑色発光素子を転写した後、マグネチックを用いて磁場を形成すると、緑色発光素子に対応する受容孔には緑色発光素子が正確に受容されるが、青色又は赤色発光素子に対応する受容孔には、大きさの大きい緑色発光素子が受容されず、以降、磁場を除去すると、青色又は赤色発光素子に対応する受容孔に受容されなかった緑色発光素子が脱着され、緑色発光素子は、緑色発光素子に対応する受容孔にのみ受容され得る。
【0119】
同様の方法で青色発光素子に対する転写過程を行う場合、青色発光素子は、青色発光素子に対応する受容孔にのみ受容され得る。
【0120】
図11は、第2実施例に係るマイクロ発光素子を説明する図である。
【0121】
第2実施例に係るマイクロ発光素子は、青色(1101-a)/緑色(1101-b)の2波長のLEDバンドル1101で実現することができ、単一の赤色発光素子1102で実現することもできる。また、2波長のLEDバンドル1101は、赤色発光素子1102よりも大きい大きさに形成され得る。
【0122】
すなわち、整列基板1103に備えられた発光素子受容孔は、青色(1101-a)/緑色(1101-b)の2波長のLEDバンドル1101及び赤色発光素子1102のそれぞれの大きさに対応して、互いに異なる大きさに形成され得、整列基板1103には、互いに別々に作製された2波長のLEDバンドル1101と赤色発光素子1102のそれぞれに対する2回の転写過程を通じて、各バンドル及び素子が、対応する受容孔に実装され得る。
【0123】
例えば、2波長のLEDバンドル1101は、一つのウエハにおいて青色発光素子(1101-a)と緑色発光素子(1101-b)を形成してバンドル化した後、円錐状又は多角錐状の立体形状を有するP-コンタクトを、バンドル化された素子の上部に付着して形成されてもよい。
【0124】
【0125】
第3実施例に係るマイクロ発光素子は、赤色/緑色/青色(RGB)の3波長のLEDバンドルで実現され得る。
【0126】
例えば、3波長のLEDバンドルは、一つのウエハにおいて緑色発光素子、青色発光素子及び赤色発光素子を形成してバンドル化され得る。また、3波長のLEDバンドルはデュアルパッド(dual pad)を含むことができる。
【0127】
具体的には、3波長のLEDバンドルは、一つの共通のp-コンタクト1204と、緑色/青色/赤色のそれぞれの発光のための3つのn-コンタクト1201,1202,1203とを含むことができ、ここで、p-コンタクト1204は、円錐状、多角錐状及びピラミッド状のうちの少なくとも1つの立体形状を有することができる。
【0128】
例えば、3つのn-コンタクト1201,1202,1203は、赤色発光コンタクト1201、緑色発光コンタクト1202及び青色発光コンタクト1203を含むことができ、赤色発光コンタクト1201は、赤色発光素子と第1ビア(via)を介して接続され、緑色発光コンタクト1202は、緑色発光素子と第2ビアを介して接続され、青色発光コンタクト1203は、青色発光素子と第3ビアを介して接続され得る。
【0129】
言い換えると、3波長のLEDバンドルは、3つのn-コンタクト1201,1202,1203を介して緑色/青色/赤色発光の駆動を同時/個別に制御することができる。
【0130】
すなわち、第3実施例に係るマイクロ発光素子(3波長のLEDバンドル)は、1回の転写過程を通じて赤色/緑色/青色(RGB)を一つのピクセルとして形成できるので、比較的大きいチップをより有利に実現することができる。
【0131】
図13は、第3実施例に係るマイクロ発光素子の第1製造例を説明する図である。
【0132】
第1製造例によれば、まず、図面符号1301のように、サファイア材質のウエハ(即ち、基板)上にマイクロ発光素子を形成し、形成されたマイクロ発光素子上にフォトレジスト(PR)をパターニングすることができる。
【0133】
次に、図面符号1302のように、PRがパターニングされていない発光素子の領域をエッチング(即ち、GaNエッチング)し、図面符号1303のようにPRを除去して、赤色発光素子(R)、緑色発光素子(G)及び青色発光素子(B)を形成することができる。
【0134】
次に、図面符号1304のように、発光素子が形成された基板を平坦化(planarization)することができる。例えば、平坦化過程は、SiNxを用いて行われてもよい。
【0135】
次に、図面符号1305のように、平坦化された面に予め設定されたパターンの金属層を形成し、以降、図面符号1306のように、金属層の間にSiNx保護膜を形成することができる。
【0136】
例えば、金属層は、3つのn-コンタクト(赤色発光コンタクト、緑色発光コンタクト及び青色発光コンタクト)を含むことができる。
【0137】
次に、図面符号1307のように、金属層において、赤色発光素子(R)、緑色発光素子(G)及び青色発光素子(B)と同時に接続された金属層上に、図面符号1307のように円錐状又は多角錐状の立体形状のP-コンタクトを形成して、マイクロ発光素子を完成することができ、以降、図面符号1308のように、完成されたマイクロ発光素子からレーザーを用いて基板を除去することができる。
【0138】
図14は、第3実施例に係るマイクロ発光素子の第2製造例を説明する図である。
【0139】
第2製造例によれば、図面符号1401のように、サファイア材質のウエハ(即ち、基板)上にn-GaNを成長させ、図面符号1402のように、n-GaNが成長した面にSiO2をパターニングすることができる。
【0140】
次に、図面符号1403のように、GaNを再成長(regrowth)させた後、図面符号1404のように、赤色発光素子(R)、緑色発光素子(G)及び青色発光素子(B)を形成することができる。
【0141】
次に、図面符号1405のように、発光素子が形成された基板を平坦化(planarization)し、図面符号1406のように、平坦化された面に予め設定されたパターンの金属層を形成し、以降、図面符号1407のように、金属層の間にSiNx保護膜を形成することができる。
【0142】
例えば、金属層は、3つのn-コンタクト(赤色発光コンタクト、緑色発光コンタクト及び青色発光コンタクト)を含むことができる。
【0143】
次に、図面符号1408のように、円錐状又は多角錐状の立体形状のP-コンタクトを形成して、マイクロ発光素子を完成することができる。
【0144】
図15は、他の実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法を説明する図である。
【0145】
他の実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法では、まず、ウエハを異方性エッチングして、立体形状に対応する形状の傾斜した側面を有する少なくとも1つの溝を形成することができる。例えば、立体形状は、円錐状、多角錐状及びピラミッド状のうちの少なくとも1つを含むことができる(ステップ1501)。
【0146】
次に、他の実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法では、溝が形成された表面上に磁性物質を形成し、磁性物質が形成された表面を平坦化して磁性の尖頭を形成することができる(ステップ1502)。例えば、表面の平坦化過程は、CMP(Chemical Mechanical Polishing)を通じて行われてもよい。
【0147】
次に、他の実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法では、磁性の尖頭が形成されたウエハを、発光素子が形成されたウエハとボンディングして、発光素子上に磁性の尖頭を付着することができる(ステップ1503)。
【0148】
次に、他の実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法では、磁性の尖頭が形成されたウエハをエッチングして、磁性の尖頭を除いた残りの部分を除去することができる(ステップ1504)。
【0149】
次に、他の実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法では、磁性の尖頭が付着された発光素子をダイシングして、少なくとも1つのマイクロ発光素子を形成することができる(ステップ1505)。
【0150】
他の実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法を、以降、
図16及び
図17を通じてより具体的に説明する。
【0151】
図16は、他の実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法において磁性の尖頭の製造過程を説明するための図である。
【0152】
他の実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法では、ウエハの異方性エッチング過程(図面符号1601~1605)と、磁性物質の形成及び平坦化過程(図面符号1606~1608)を通じて、磁性の尖頭を形成することができる。
【0153】
具体的には、磁性の尖頭の製造過程(図面符号1601~1608)によれば、図面符号1601のように、ウエハ上にSiO2層を形成することができ、ここで、ウエハはシリコン(Si)ウエハであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0154】
次に、図面符号1602のように、SiO2層上にフォトレジスト(PR)をコーティングした後、パターニングすることができる。例えば、SiO2層上に形成されるPRパターンは、100μmの長さを有し、パターン間の間隔が50μmとなるようにパターニングされてもよいが、これに限定されるものではない。
【0155】
次に、図面符号1603のように、SiO2層においてPRパターンが形成されていない領域をエッチングして開口(opening)を形成することができ、ここで、エッチング過程は、BOE(Buffered Oxide Etch)及びRIE(Reactive Ion Etch)のうちの少なくとも1つを通じて行うことができる。
【0156】
次に、図面符号1604のように、ウエハにおいて形成された開口に対応する領域をエッチングして、立体形状に対応する形状の傾斜した側面を有する少なくとも1つの溝を形成することができる。
【0157】
例えば、図面符号1604では、水酸化カリウム(KOH)溶液に基づいた湿式エッチング(Wet Etching)過程を通じて少なくとも1つの溝を形成することができる。また、少なくとも1つの溝の深さは35μmであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0158】
次に、図面符号1606のように、ウエハにおいて少なくとも1つの溝が形成された表面に金属シード層(seed layer)を形成し、図面符号1607のように、電気めっき法(electroplating)を通じてシード層を成長させて磁性物質を形成することができる。
【0159】
次に、図面符号1608のように、ウエハにおいて磁性物質が形成された表面を平坦化することができ、これを通じて、磁性物質が溝にのみ存在するようにして、立体形状を有する磁性の尖頭を形成することができる。
【0160】
図17は、他の実施例に係るマイクロ発光素子の製造過程を説明するための図である。
【0161】
他の実施例に係るマイクロ発光素子の製造方法では、磁性の尖頭が形成されたウエハと発光素子ウエハをボンディングする過程(図面符号1701~1706)、磁性の尖頭が形成されたウエハのエッチング過程(1707)及びダイシング過程(1708)を通じて、少なくとも1つの前記マイクロ発光素子を形成することができる。
【0162】
具体的には、図面符号1701~1703のように、立体形状に対応する形状の傾斜した側面を有する少なくとも1つの溝が形成されたウエハ上に磁性物質を形成した後、磁性物質が形成された表面を平坦化して、少なくとも1つの磁性の尖頭が形成されたウエハを形成することができる。
【0163】
すなわち、図面符号1701~1703による過程は、
図16を通じて説明した図面符号1606~1608による過程と同様の方法で行うことができる。
【0164】
次に、図面符号1704のように、磁性の尖頭が形成されたウエハにおいて磁性の尖頭が形成された表面、及び発光素子が形成されたウエハにおいて発光素子が形成された表面に接着層(Bonding layer)を形成することができる。
【0165】
次に、図面符号1705のように、形成された接着層を用いて、発光素子が形成されたウエハにボンディング(TCBボンディング)することができる。
【0166】
次に、図面符号1706のように、発光素子が形成されたウエハにおいて、磁性の尖頭が形成されたウエハと接着された一側面と反対に位置する他側面をグラインディングすることができる。
【0167】
次に、図面符号1707のように、磁性の尖頭が形成されたウエハをエッチングして、磁性の尖頭を除いた残りの部分を除去することができる。言い換えると、磁性の尖頭が形成されたシリコンウエハ上でシリコンモールドを除去することができる。
【0168】
次に、図面符号1708のように、磁性の尖頭が付着された発光素子をダイシングして、少なくとも1つの前記マイクロ発光素子を形成することができる。
【0169】
図18A乃至
図18Dは、一実施例に係るマイクロ発光素子の転写のための受容体の熱処理実験の結果を説明する図である。
【0170】
図面符号1810は、磁性の尖頭を具備したマイクロ発光素子の転写のための受容体(receptor)の光学イメージを示し、ここで、受容体は、PDMS物質で形成され得、複数の受容体ユニット1811で構成され得、それぞれの受容体ユニット1811は受容孔を備えることができる。
【0171】
図面符号1820は、熱処理を行っていない受容体ユニット1811の光学イメージを示し、図面符号1830は、350℃で熱処理した受容体ユニット1811の光学イメージを示し、図面符号1840は、冷却処理した受容体ユニット1811の光学イメージを示す。
【0172】
具体的には、PDMS受容体は、350℃の高温で10分間の熱処理過程でも外形的な変化が大きく現れなかった。
【0173】
すなわち、通常のソルダリング工程が300℃以下の温度で行われるという点を考慮すると、PDMS受容体は、高温の熱処理工程で高い信頼性を示すものと分析された。
【0174】
図19は、一実施例に係るマイクロ発光素子の転写のための循環システムの例示を説明する図である。
【0175】
循環システムは、チップ(即ち、マイクロ発光素子)の損傷を防止するために、チップ経路(chip path)と、液体経路(liquid path)とが互いに異なる経路で設計され、磁力によって転写されなかったチップは循環して再転写され得るように設計され得る。
【0176】
図20A乃至
図20Cは、一実施例に係るマイクロ発光素子の実際の転写過程を説明する図である。
【0177】
図面符号2010は、受容体に転写されるマイクロ発光素子を磁場で誘導しない場合の転写結果を示し、図面符号2020は、受容体に転写されるマイクロ発光素子を磁場で誘導した場合の転写結果を示し、図面符号2030は、図面符号2020の転写結果が導出される過程(転写過程)を示す。
【0178】
具体的には、図面符号2010のように、マイクロ発光素子の磁性の尖頭を整列するための磁場を印加しない場合に、マイクロ発光素子は、ターゲット受容体ユニットの受容孔に正確に転写されないことを確認できる。
【0179】
反面、図面符号2020~2030のように、マイクロ発光素子の磁性の尖頭を整列するための磁場を印加する場合に、マイクロ発光素子は、磁性の尖頭が受容孔の方向に誘導されながら、正確にターゲット受容体の受容孔に転写されることを確認できる。
【0180】
以上で説明された装置は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、及び/又はハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の組み合わせで実現されてもよい。例えば、実施例で説明された装置及び構成要素は、例えば、プロセッサ、コントローラー、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)、マイクロコンピュータ、FPGA(field programmable gate array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサ、または命令(instruction)を実行し、応答できる他のある装置のように、1つ以上の汎用コンピュータ又は特殊目的のコンピュータを用いて実現されてもよい。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)及び前記オペレーティングシステム上で行われる1つ以上のソフトウェアアプリケーションを行うことができる。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答して、データをアクセス、格納、操作、処理及び生成することもできる。理解の便宜のために、処理装置は、1つが使用されるものとして説明された場合もあるが、当該技術分野における通常の知識を有する者は、処理装置が複数個の処理要素(processing element)及び/又は複数類型の処理要素を含んでもよいことが理解できるであろう。例えば、処理装置は、複数個のプロセッサ又は1つのプロセッサ及び1つのコントローラーを含むことができる。また、並列プロセッサ(parallel processor)のような、他の処理構成(processing configuration)も可能である。
【0181】
以上のように、実施例が、たとえ限定された実施例と図面によって説明されたとしても、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、前記の記載から様々な修正及び変形が可能であることを理解し得る。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順序で行われたり、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法と異なる形態で結合又は組み合わされたり、他の構成要素又は均等物によって代替又は置換されたりしても適切な結果が達成され得る。
【0182】
したがって、他の具現、他の実施例及び特許請求の範囲と均等なものも、特許請求の範囲の範囲に属する。