(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-15
(45)【発行日】2023-09-26
(54)【発明の名称】ブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置
(51)【国際特許分類】
B24B 3/34 20060101AFI20230919BHJP
B08B 1/04 20060101ALI20230919BHJP
B08B 5/00 20060101ALI20230919BHJP
B24B 9/00 20060101ALI20230919BHJP
B24B 27/033 20060101ALI20230919BHJP
【FI】
B24B3/34
B08B1/04
B08B5/00 A
B24B9/00 602L
B24B27/033 Z
(21)【出願番号】P 2021538772
(86)(22)【出願日】2020-10-21
(86)【国際出願番号】 KR2020014362
(87)【国際公開番号】W WO2022085810
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2021-06-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0135755
(32)【優先日】2020-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521289102
【氏名又は名称】ウィンテック オートメーション カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WINTECK AUTOMATION CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン,イル ジェ
(72)【発明者】
【氏名】イ,キ フン
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-2036589(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-2085922(KR,B1)
【文献】特開平07-164293(JP,A)
【文献】特開2000-343326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 3/00 - 3/60
9/00 - 9/20
B24B 27/033
B08B 1/04
B08B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形プレス装置から取り出される成形物11のデバリング及び表面クリーニングのためのブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置であって、
グリッパーに把持されて、デバリングゾーン310を通過する前記成形物11刃先部のバーと下側面部に付着された異物とを除去するように構成されたブラシモジュール110と、前記ブラシモジュール110を容易に脱着するように構成されたブラシクランプ120と、前記ブラシモジュール110とともに、前記成形物11上面部の異物を除去するように構成された上面クリーナ130と、前記ブラシモジュール110及び前記上面クリーナ130により発生する粉塵の飛散を抑制し、集塵するように構成されたクリーニングモジュール140とからなるデバリング部100と、
前記成形物11を掃除するために、前記ブラシモジュール110を回転させるように構成された回転部210と、側面ブラシ111を内側へ移動させるように構成された移動部220とからなる駆動部200と、
直方体状であって、前記デバリング部100が設けられた上部と、前記駆動部200が位置する下部内側とからなるフレーム300と、を備
え、
前記デバリング部100のブラシクランプ120は、中心部に上下に貫設された嵌挿孔125があり、前記嵌挿孔125の下部には、回転モータ211のシャフトが嵌合され、上部には、ブラシシャフト113が嵌合されるように構成されたクランプボディ121と、前記クランプボディ121に嵌合された前記ブラシシャフト113を支持し、任意に脱去されないように固定するように構成されたクランプシャフト122と、前記クランプシャフト122の一側に結合されて、前記クランプシャフト122を水平に密着して嵌合された前記ブラシシャフト113を支持するように構成されたばね123と、前記ばね123を支えるように構成されたばねカバー124とからなり、ブラシの摩耗状態によってクランプシャフト122の突起部を押して交替できるように構成され、
前記駆動部200の移動部220は、前記回転モータ211の一側に締め付けられて、前記回転モータ211を内側へ移動できるように構成されたラックギヤ222と、前記ラックギヤ222にギヤ結合されて、回転力を伝達するように構成されたピニオン223と、前記ピニオン223を駆動する移送モータ221とからなり、
前記駆動部200の回転部210は、下面ブラシ112及び側面ブラシ111が回転できるように回転モータ211が各々備えられ、2つの前記側面ブラシ111が内側へ移動して間隔を維持するための基準点になる側面ブラシ原点センサ212がさらに備えられることを特徴とするブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置。
【請求項2】
前記デバリング部100のブラシモジュール110は、前記成形物11下面部の異物を除去するように構成された
前記下面ブラシ112と、前記下面ブラシ112と三角点をなす両側に位置して、前記成形物11側面部の異物を除去するように構成された側面ブラシ111とからなることを特徴とする請求項1に記載のブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置。
【請求項3】
前記ブラシモジュール110の
前記下面ブラシ112及び
前記側面ブラシ111は、2本の針金をねじり、その間に複数個のナイロン繊維を装着して円周形のブラシ面を形成したブラシ毛114と、前記円周形のブラシ毛114の下側に延設されて構成されたブラシシャフト113とからなることを特徴とする請求項2に記載のブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置。
【請求項4】
前記デバリング部100のクリーニングモジュール140は、前記デバリングゾーン310の
成形物11出入りラインL-L’を除いた残りの部分を覆って粉塵の飛散を抑制するように構成された粉塵カバー141と、前記デバリングゾーン310の下部に位置して、粉塵を集めるように構成された集塵箱142とを備えることを特徴とする
請求項1に記載のブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置に関し、より詳細には、プレス加工された複数個の超硬インサートの表面を同時に圧縮空気及びブラシで異物除去し、異物を1ヶ所に集めるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、切削工具は、主に鉄系、非鉄系金属、非金属材料の切削に利用されるものであって、通常、工作機械に装着されて、加工物を所望の形状に加工するために切削を行う工具である。
【0003】
切削工具に使用される超硬インサートは、ダイヤモンド粉末または超硬合金粉末をボンド(bond)である鉄(Fe)、タングステン(W)、コバルト(Co)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、錫(Sn)、銅-錫(CuSn)、亜鉛(Zn)、銅-亜鉛(CuZn)、銀(Ag)などの金属粉末と混合して成形した後に焼成した焼結合金である。
【0004】
焼結する前の成形段階は、直方体キャビティ(Cavity)に混合粉末を入れて1次加圧成形し、1次加圧成形された混合物をカーボンモールドのキャビティに入れ、パンチャー(Puncher)を用いて比較的大きい圧力を加えながらパンチャーの形状に対応する形状の切削チップを成形する。一定の形状に成形されたインサートチップを焼結炉で焼成することで、ダイヤモンドインサートチップまたはインサートチップが完成される。
【0005】
焼結された超硬インサートは、PVD(Physical Vapor Deposition)またはCVD(Chemical vapor Deposition)コーティング段階を経るが、PVDまたはCVDコーティングを終えた超硬インサートは、最終的に上面、エッジ、側面、及び下面を検査する検査段階を経ることになる。
【0006】
成形段階は、プレス加工にて超硬インサート製品を成形するが、このとき、成形物には必ずバー(Burr;製品の縁に残っているバリ)が発生する。次の段階である焼結工程に投入される前に、バーを除去するデバリング工程を必要とする。
【0007】
従来は、成形物の周りをブラシで掃除したが、超硬インサートの周りが均等に掃除されず、ブラシ毛間の微細な間隙により異物が残っているなど、作業性も落ち、品質管理に問題点があった。
【0008】
本出願人は、上述した問題点を改善する努力を尽くし、複数個のブラシを用いて超硬インサート製品のバーを除去することにより、製品生産性を向上させることができるブラシモジュールを開発し、これを用いた超硬インサート製品デバリング装置を発明した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、成形プレスで成形された超硬インサート製品(成形物)の刃先部に発生したバー(Burr)と、表面に付着された異物とを除去するための装置であって、既存の成形プレス装置または成形プレスのための製品移送装置に結合される、ブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、デバリング部、駆動部、及びフレームを備えて構成されたブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、前記デバリング部が、ブラシモジュール、ブラシクランプ、上面クリーナ、及びクリーニングモジュールで構成されたブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、前記ブラシモジュールが、グリッパーに把持されて、デバリングゾーンを通過する前記成形物の刃先部に発生したバーと下側面部に付着された異物とを除去するように、下面ブラシと側面ブラシとで構成されたブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、前記下面ブラシが、前記成形物の下面部に付着した異物を除去するように構成されたブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【0014】
本発明のさらに他の目的は、前記側面ブラシが、前記下面ブラシと三角点をなす両側に位置して、前記成形物側面部の異物を除去するように構成されたブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【0015】
本発明のさらに他の目的は、前記下面ブラシ及び側面ブラシが、ブラシ毛とブラシシャフトとで構成されたブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【0016】
本発明のさらに他の目的は、前記ブラシ毛が、2本の針金をねじり、その間に多数本のナイロン繊維を装着して円周形のブラシ面が形成されたブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【0017】
本発明のさらに他の目的は、前記ブラシクランプが、前記ブラシモジュールを容易に脱着するようにクランプボディと、クランプシャフトと、ばねと、ばねカバーとで構成されたブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【0018】
本発明のさらに他の目的は、前記クランプボディが、中心部に上下に貫設される嵌挿孔があり、前記嵌挿孔の下部には、回転モータのシャフトが嵌合され、上部には、前記ブラシシャフトが嵌合されるように構成されたブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【0019】
本発明のさらに他の目的は、前記クランプシャフトが、前記クランプボディに嵌合された前記ブラシシャフトを支持し、任意に脱去されずに固定するように構成されたブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【0020】
本発明のさらに他の目的は、前記ばねが、前記クランプシャフトの一側に結合されて、前記クランプシャフトを水平に密着して嵌合された前記ブラシシャフトを支持するように構成されたブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【0021】
本発明のさらに他の目的は、前記ばねカバーが、前記ばねを支えるように構成されたブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【0022】
本発明のさらに他の目的は、前記上面クリーナが、前記ブラシモジュールとともに、前記成形物上面部の異物を除去するように噴射ノズル、前記噴射ノズルに連結されるエアーホース、空圧装置から圧縮空気の供給を受けて噴射ノズルの空気圧を調整するエアポートで構成されたブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【0023】
本発明のさらに他の目的は、前記クリーニングモジュールが、前記ブラシモジュール及び上面クリーナにより発生する粉塵の飛散が抑制され、集塵されるように粉塵カバーと集塵ホース配管とを備えて構成されたブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【0024】
本発明のさらに他の目的は、前記粉塵カバーが、前記デバリングゾーンの成形物出入りラインを除いた残りの部分を密閉する筐体状で粉塵の飛散を抑制するように構成されたブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【0025】
本発明のさらに他の目的は、前記集塵ホース配管が、前記デバリングゾーンの下部に位置して、前記成形物から落ちる粉塵が集まるように構成されたブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【0026】
本発明のさらに他の目的は、前記駆動部が、回転部と移動部とで構成されたブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【0027】
本発明のさらに他の目的は、前記回転部が、前記成形物を掃除するために、前記ブラシモジュールを回転させるように構成されたブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【0028】
本発明のさらに他の目的は、前記回転部が、前記下面ブラシ及び側面ブラシを正逆転できるDCモータで構成されたブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【0029】
本発明のさらに他の目的は、前記移動部が、前記2つの側面ブラシが成形物の側面部表面に触れるまで内側へ移動させるラックギヤと、ピニオン及び移送モータを備えて構成されたブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【0030】
本発明のさらに他の目的は、前記ラックギヤが、前記回転モータの一側に締め付けられて、前記回転モータを内側へ移動できるように構成されたブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【0031】
本発明のさらに他の目的は、前記回転部に、前記2つの側面ブラシが内側へ移動して間隔を維持するための基準点になる側面ブラシ原点センサが備えられたブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【0032】
本発明のさらに他の目的は、前記フレームが、直方体状であって、前記デバリング部が設けられるデバリングゾーンと、前記駆動部が位置する駆動ゾーンとで構成されたブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0033】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、成形プレスで成形された超硬インサート製品(成形物)の刃先部に発生したバー(Burr)と表面に付着された異物とを除去するための装置であって、既存の成形プレス装置または成形プレスのための製品移送装置に結合される。
【0034】
本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、デバリング部、駆動部、及びフレームを備えて構成される。
【0035】
本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、前記デバリング部が、ブラシモジュール、ブラシクランプ、上面クリーナ、及びクリーニングモジュールで構成される。
【0036】
本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、前記ブラシモジュールが、グリッパーに把持されて、デバリングゾーンを通過する前記成形物の刃先部に発生したバーと下側面部に付着された異物とを除去するように、下面ブラシと側面ブラシとで構成される。
【0037】
本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、前記下面ブラシが、前記成形物の下面部に付着された異物を除去するように構成される。
【0038】
本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、前記側面ブラシが、前記下面ブラシと三角点をなす両側に位置して、前記成形物側面部の異物を除去するように構成される。
【0039】
本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、前記下面ブラシ及び側面ブラシが、ブラシ毛とブラシシャフトとで構成される。
【0040】
本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、前記ブラシシャフトが、前記円周形ブラシ毛の下側に延設される。
【0041】
本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、前記ブラシクランプが、前記ブラシモジュールを容易に脱着するようにクランプボディと、クランプシャフトと、ばねと、ばねカバーとで構成される。
【0042】
本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、前記クランプボディに、中心部に上下に貫設される嵌挿孔があり、前記嵌挿孔の下部には、回転モータのシャフトが嵌合され、上部には、前記ブラシシャフトが嵌合されるように構成される。
【0043】
本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、前記クランプシャフトが、前記クランプボディに嵌合された前記ブラシシャフトを支持し、任意に脱去されずに固定されるように構成される。
【0044】
本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、前記ばねが、前記クランプシャフトの一側に結合されて、前記クランプシャフトを水平に密着して嵌合された前記ブラシシャフトを支持するように構成される。
【0045】
本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、前記ばねカバーが、前記ばねを支えるように構成される。
【0046】
本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、前記上面クリーナが、前記ブラシモジュールとともに、前記成形物上面部の異物を除去するように噴射ノズル、前記噴射ノズルに連結されるエアーホース、空圧装置から圧縮空気の供給を受けて噴射ノズルの空気圧を調整するエアポートで構成される。
【0047】
本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、前記クリーニングモジュールが、前記ブラシモジュール及び上面クリーナにより発生される粉塵の飛散が抑制され、集塵されるように粉塵カバーと集塵ホース配管とを備えて構成される。
【0048】
本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、前記粉塵カバーが、前記デバリングゾーンの成形物出入りラインを除いた残りの部分を密閉する筐体状で粉塵の飛散を抑制するように構成される。
【0049】
本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、前記集塵ホース配管が、前記デバリングゾーンの下部に位置して、前記成形物から落ちる粉塵が集まるように構成される。
【0050】
本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、前記駆動部が、回転部と移動部とで構成される。
【0051】
本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、前記回転部が、前記成形物を掃除するために、前記ブラシモジュールを回転させるように構成される。
【0052】
本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、前記回転部が、前記下面ブラシ及び側面ブラシを正逆転できるDCモータで構成される。
【0053】
本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、前記移動部が、前記2つの側面ブラシが成形物の側面部表面に触れるまで内側へ移動させるラックギヤと、ピニオン及び移送モータを備えて構成される。
【0054】
本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、前記ラックギヤが、前記回転モータの一側に締め付けられて、前記回転モータが内側へ移動され得るように構成される。
【0055】
本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、前記回転部に、前記2つの側面ブラシが内側へ移動して間隔を維持するための基準点になる側面ブラシ原点センサが備えられる。
【0056】
本発明の一態様によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、前記フレームが、直方体状であって、前記デバリング部が設けられるデバリングゾーンと、前記駆動部が位置する駆動ゾーンとで構成される。
【発明の効果】
【0057】
本発明によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、検査対象超硬インサート製品の刃先部、側面部表面をデバリング及びクリーニングするために2台の側面ブラシが構成されるので、超硬インサート製品の形状によってブラシの間隔調整が可能であって、どの製品でもデバリングが可能であり、製品生産性を向上させることができる。
【0058】
また、本発明によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、ブラシクランプを用いてブラシを装着及び脱去するように構成されるため、ブラシを交替するとき、側面突起を押して、摩耗されたブラシを新しいブラシに交替することで、用意時間が短いという長所がある。
【0059】
また、本発明によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、本体装備のコントローラに超硬インサート製品の仕様を入力して制御されるように構成されるので、成形プレスから取り出される超硬インサート製品の仕様が変更されても、これに対応して側面ブラシの間隔及びデバリング速度を制御することによりデバリング成形物の品質を向上できる。
【0060】
また、本発明によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、デバリングゾーンのデバリング順序を変更できるように構成されるため、下面部及び上面部に続いて側面部をデバリングするか、側面部を先にデバリングし、次いで、下面部及び上面部をデバリングする工程順序を容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【
図1】本発明の一実施形態によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置の概略的な立体斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置の概略的な正面及び背面の立体断面図である。
【
図3】本発明の前記デバリング装置のブラシモジュールの概略的な立体斜視図及び実物写真である。
【
図4】本発明の前記デバリング装置のブラシクランプの概略的な断面図である。
【
図5】(a)は、本発明によるデバリング装置に超硬インサート製品が進入すると、下面ブラシが先にデバリングし、次いで、側面ブラシがクリーニングする形状であり、(b)は、側面ブラシが先に作動した後、下面ブラシが作動するように位置を変更した形状を示す。
【
図6】本発明の一実施形態によるデバリング装置に超硬インサート製品が進入してデバリングするとき、下面ブラシは回転し、側面ブラシは内側へ移動して正逆転する形状を示す。
【発明を実施するための形態】
【0062】
本発明は、様々な変更を加えることができ、種々の実施形態を有し得るところ、特定の実施形態を図面に例示して、発明の説明で詳細に説明する。
【0063】
しかしながら、これは、本発明を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物ないし代替物を含むと理解されるべきである。
【0064】
本明細書で使用された用語や単語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであって、本発明を限定する意図はない。本発明を最善の方法にて説明するために、用語の概念を適宜定義できるという原則を踏まえて、本発明の技術的思想に合致する意味と概念として解釈されなければならない。
【0065】
本明細書において使用した用語のうち、「成形物」は、成形プレス工程から取り出された状態の「超硬インサート製品」をいい、焼結及び検査工程を経ておらず、不完全な状態の超硬インサート製品を表す。
【0066】
本発明の具体的な特徴及び利点は、図面を参照した以下の説明によりさらに明確になるであろう。
【0067】
図1は、本発明の一実施形態によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置の概略的な立体斜視図であり、
図2は、本発明の一実施形態によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置の概略的な正面及び背面の立体断面図であり、
図3は、本発明の上記デバリング装置のブラシモジュールの概略的な立体斜視図及び実物写真であり、
図4は、本発明の上記デバリング装置のブラシクランプの概略的な断面図であり、
図5(a)は、本発明の一実施形態によるデバリング装置に超硬インサート製品が進入すると、下面ブラシが先にデバリングし、次いで、側面ブラシがクリーニングする形状であり、
図5(b)は、側面ブラシが先に作動した後、下面ブラシが作動するように位置を変更した形状を示し、
図6は、本発明の一実施形態によるデバリング装置に超硬インサート製品が進入してデバリングするとき、下面ブラシは回転し、側面ブラシは内側へ移動して間隔を調整し、正逆転する形状を示す。
【0068】
図1及び
図2を参照して説明すると、本発明の一実施形態によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、成形プレスで成形された超硬インサート製品(成形物:11)の刃先部に発生したバー(Burr)と表面に付着された異物とを除去するための装置であって、既存の成形プレス装置または成形プレスのための製品移送装置(以下、「本体装備」という)に結合されるか、独自に接近設置されるように構成される。
【0069】
本体装備の移送ユニット(X-軸ロボット、Y-軸ロボット、Z-軸ロボット)に連結されたグリッパー12が成形物を把持してデバリングゾーン310のデバリングラインL-L’を通過させると、本発明によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置がデバリング作業を行い、本体装備のコントローラ(図示せず)により全ての作業命令が制御されるように構成される。
【0070】
本発明の一実施形態によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、デバリング部100、駆動部200、及びフレーム300を備えて構成される。
【0071】
本発明の一実施形態によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置のデバリング部100は、ブラシモジュール110、ブラシクランプ120、上面クリーナ130、及びクリーニングモジュール140で構成される。
【0072】
図3を参照して説明すると、本発明のブラシモジュール110は、グリッパー12に把持されて、デバリングゾーン310を通過する成形物11の刃先部に発生したバーと下側面部に付着された異物とを除去するように下面ブラシ112と側面ブラシ111とで構成される。
【0073】
このような本発明の下面ブラシ112は、成形物11の下面部に付着された異物を除去するように構成される。
【0074】
このような本発明の側面ブラシ111は、下面ブラシ112と三角点をなす両側に位置して、成形物11側面部の異物を除去するように構成される。
【0075】
このような本発明の下面ブラシ112及び側面ブラシ111は、ブラシ毛114とブラシシャフト113とで構成される。
【0076】
このようなブラシ毛114は、2本の針金をねじり、その間に多数本のナイロン繊維を装着して円周形のブラシ面を形成する。
【0077】
このような本発明のブラシシャフト113は、円周形ブラシ毛114の下側に延設される。
【0078】
図4を参照して説明すると、本発明のブラシクランプ120は、ブラシモジュール110を容易に脱着するようにクランプボディ121と、クランプシャフト122と、ばね123と、ばねカバー124とで構成される。
【0079】
このような本発明のクランプボディ121は、中心部に上下に貫設される嵌挿孔125があり、嵌挿孔125の下部には、回転モータ211のシャフトが嵌合され、上部には、ブラシシャフト113が嵌合されるように構成される。
【0080】
このような本発明のクランプシャフト122は、クランプボディ121に嵌合されたブラシシャフト113を支持し、任意に脱去されずに固定されるように構成される。
【0081】
このとき、ブラシの摩耗状態によってクランプシャフト122の突起部(図面符号未付与)を押して交替できるように構成される。
【0082】
このような本発明のばね123は、クランプシャフト122の一側に結合されて、クランプシャフト122を水平に密着して嵌合された前記ブラシシャフト113を支持するように構成される。
【0083】
このような本発明のばねカバー124は、ばね123を支えるよう構成される。
【0084】
このような本発明の上面クリーナ130は、ブラシモジュール110とともに、成形物11上面部の異物を除去する噴射ノズル131、噴射ノズル131に連結されるエアーホース132、空圧装置から圧縮空気の供給を受けて噴射ノズルの空気圧を調整するエアポート133で構成される。
【0085】
このとき、圧縮空気は、本体装備から供給され、空気圧の調整は、コントローラにより制御される。
【0086】
このような本発明のクリーニングモジュール140は、ブラシモジュール110及び上面クリーナ130により発する粉塵の飛散を抑制し、集塵するように粉塵カバー141と集塵ホース配管142とを備えて構成される。
【0087】
このような本発明の粉塵カバー141は、デバリングゾーン310の成形物11出入りラインL-L’を除いた残りの部分を密閉する筐体状で粉塵の飛散を抑制するように構成される。
【0088】
このとき、粉塵カバー141は、アクリル、ポリカーボネートなどの透明樹脂で製作されてデバリング作業を観察できるように構成される。
【0089】
このような本発明の集塵ホース配管142は、デバリングゾーン310の下部に位置して、成形物から落ちる粉塵が集まるように構成される。
【0090】
このとき、集塵ホース配管142には真空ポンプ(図示せず)が連結されて、粉塵中の超硬合金粉末(希土類)を別に集めて再活用するように集塵装置を構成する。
【0091】
本発明の一実施形態によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置の駆動部200は、回転部210と移動部220とで構成される。
【0092】
このような本発明の回転部210は、成形物11を掃除するために、ブラシモジュール110を回転させるように構成される。
【0093】
また、このような本発明の回転部210は、下面ブラシ112及び側面ブラシ111を正逆転できるDCモータで構成される回転モータ211が各々備えられる。
【0094】
このような本発明の移動部220は、2つの側面ブラシ111が成形物の側面部表面に触れるまで内側へ移動させるラックギヤ222と、ピニオン223、及び移送モータ221を備えて構成される。
【0095】
このような本発明のラックギヤ222は、回転モータ211の一側に締め付けられて、回転モータ211を内側へ移動できるように構成される。
【0096】
このような本発明のピニオン223は、ラックギヤ222にギヤ結合されて、回転力を伝達するように構成される。
【0097】
このような本発明の移送モータ221は、ピニオン223を正逆転駆動できるようにDCモータが備えられる。
【0098】
このような本発明の回転部210には、2つの側面ブラシ111が内側へ移動して間隔を維持するための基準点になる側面ブラシ原点センサ212がさらに備えられて、様々な大きさ及び形状の成形物をデバリングするための距離を測定するように構成される。
【0099】
図6に示すように、本発明の一実施形態によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置のフレーム300は、直方体状であって、デバリング部100が設けられる上部(デバリングゾーン)と、駆動部200が位置する下部内側(駆動ゾーン)とで構成される。
【0100】
このような本発明の一実施形態によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置の作動順序は、次のとおりである。
【0101】
1.成形物の進入及びデバリング作業
【0102】
**下面部及び上面部に続いて側面部デバリング**
【0103】
イ.グリッパー12は、成形プレスから取り出した超硬インサート製品を把持して、デバリングラインL-L’に進入して下面ブラシ112の上部に到達する。
【0104】
ロ.グリッパー12は、成形物の下面部が下面ブラシ112に触れるまで下降する。
【0105】
ハ.把持された成形物は、正逆転しながら、下面ブラシの回転により下面部がデバリングされるとともに、上面部は、上面クリーナ130から噴射(点射)される圧縮空気により掃除される。
【0106】
ニ.上下面部デバリングを終えた成形物は、デバリングラインL-L’に沿ってさらに進入して両側の側面ブラシ111と一直線上に到達する。
【0107】
ホ.2台の側面ブラシ111が成形物の側面部に触れるまで内側へ移動する。
【0108】
ヘ.グリッパー12に把持された成形物は、正逆転しながら2台の側面ブラシ111により側面部をデバリングする。
【0109】
このとき、ブラシ111、112は、回転速度を調整して製品別にデバリングが可能なように構成される。(以上、
図5(a)を基準に説明)
【0110】
**側面部に続いて下面部及び上面部デバリング**
【0111】
イ.グリッパー12は、成形プレスから取り出した超硬インサート製品を把持して、デバリングラインL-L’に進入して両側の側面ブラシ111と一直線上に到達する。
【0112】
ロ.2台の側面ブラシ111が成形物の側面部に触れるまで内側へ移動する。
【0113】
ハ.グリッパー12に把持された成形物は、正逆転しながら2台の側面ブラシ111により側面部がデバリングされる。
【0114】
ニ.側面部デバリングを終えた成形物は、デバリングラインL-L’に沿ってさらに進入して下面ブラシ112の上部に到達する。
【0115】
ホ.グリッパー12は、成形物の下面部が下面ブラシ112に触れるまで下降する。
【0116】
ヘ.把持された成形物は、正逆転しながら、下面ブラシ112により下面部がデバリングされるとともに、上面部は、上面クリーナ130から噴射(点射)される圧縮空気により掃除される。
【0117】
このとき、ブラシ111、112は、回転速度を調整して製品別にデバリングが可能なように構成される。(以上、
図5(b)を基準に説明)
【0118】
2.成形物の進出及び焼結工程待機
【0119】
イ.デバリング作業を終えた成形物は、次の工程である焼結工程のために焼結板上に整列される。
【0120】
このような本発明の一実施形態によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、次のような特徴がある。
【0121】
まず、本発明の一実施形態によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、検査対象超硬インサート製品11の刃先部、側面部表面をデバリング及びクリーニングするために2台の側面ブラシが構成される。
【0122】
したがって、超硬インサート製品11の形状によってブラシの間隔調整が可能であって、どの製品でもデバリングが可能であり、製品生産性を向上させることができる。
【0123】
また、本発明の一実施形態によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、ブラシクランプを用いてブラシを装着及び脱去するように構成される。
【0124】
したがって、ブラシを交替するとき、側面突起を押し、摩耗されたブラシを新しいブラシと交替することで、用意時間が短いという長所がある。
【0125】
また、本発明の一実施形態によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、本体装備のコントローラに超硬インサート製品の仕様を入力して制御されるように構成される。
【0126】
したがって、成形プレスから取り出される超硬インサート製品の仕様が変更されても、これに対応して側面ブラシの間隔及びデバリング速度を制御することによりデバリング成形物の品質を向上できる。
【0127】
また、本発明の一実施形態によるブラシを用いた超硬インサート製品デバリング装置は、デバリングゾーン310のデバリング順序を変更できるように構成される。(
図5参照)
【0128】
したがって、下面部及び上面部に続いて側面部をデバリングするか、側面部を先にデバリングし、次いで、下面部及び上面部をデバリングする工程順序を容易に変更することができる。
【符号の説明】
【0129】
11 成形物(超硬インサート製品)
12 グリッパー
100 デバリング部
110 ブラシモジュール
111 側面ブラシ
112 下面ブラシ
113 ブラシシャフト
114 ブラシ毛
120 ブラシクランプ
121 クランプボディ
122 クランプシャフト
123 ばね
124 ばねカバー
125 嵌挿孔
130 上面クリーナ
131 噴射ノズル
132 エアーホース
133 エアポート
140 クリーニングモジュール
141 粉塵カバー
142 集塵ホース配管
200 駆動部
210 回転部
212 側面ブラシ原点センサ
220 移動部
221 移送モータ
222 ラックギヤ
223 ピニオン
211 回転モータ
300 フレーム
310 デバリングゾーン