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▶ ユニサンティス エレクトロニクス シンガポール プライベート リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-15
(45)【発行日】2023-09-26
(54)【発明の名称】柱状半導体装置と、その製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20230919BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20230919BHJP
   H01L 21/8238 20060101ALI20230919BHJP
   H01L 27/092 20060101ALI20230919BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20230919BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20230919BHJP
   H10B 10/00 20230101ALI20230919BHJP
   H10B 12/00 20230101ALI20230919BHJP
   H10B 41/27 20230101ALI20230919BHJP
   H10B 43/27 20230101ALI20230919BHJP
【FI】
H01L29/78 301X
H01L27/092 G
H01L29/78 371
H10B10/00
H10B12/00 671B
H10B41/27
H10B43/27
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021553959
(86)(22)【出願日】2019-10-30
(86)【国際出願番号】 JP2019042593
(87)【国際公開番号】W WO2021084652
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】311014428
【氏名又は名称】ユニサンティス エレクトロニクス シンガポール プライベート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Unisantis Electronics Singapore Pte Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(72)【発明者】
【氏名】舛岡 富士雄
(72)【発明者】
【氏名】原田 望
【審査官】岩本 勉
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/087328(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/070034(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/022744(WO,A1)
【文献】特開2008-305896(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/78
H01L 27/092
H01L 21/336
H01L 21/8238
H10B 12/00
H10B 43/27
H10B 41/27
H10B 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、垂直方向に立つ、第1の半導体柱と第2の半導体柱と、
前記第1の半導体柱の底部に、及び/または底部側面に接続するドレインまたはソースとなる第1の不純物層と、前記第2の半導体柱の底部に、及び/または底部側面に接続するソースまたはドレインとなる第2の不純物層と、
前記第1の半導体柱の上部内部に、及び/または上部を囲んであるドレインまたはソースとなる第3の不純物層と、前記第2の半導体柱の上部内部に、及び/または上部を囲んであるソースまたはドレインとなる第4の不純物層と、
前記第1の半導体柱と、前記第2の半導体柱と、を囲んだ第1のゲート絶縁層と、
前記第1の半導体柱外周の前記第1のゲート絶縁層を囲んだ第1のゲート導体層と、前記第2の半導体柱外周の前記第1のゲート絶縁層を囲んだ第2のゲート導体層と、
平面視において、前記第1の不純物層と、前記第2の不純物層と、の間に位置し、且つ垂直方向に立ち、少なくとも中央部に導体層を有する第1のコンタクト柱と、を有し、
前記第1のゲート絶縁層が、前記第1のコンタクト柱まで伸延して繋がり、且つ前記第1のコンタクト柱の側面を囲んでいる、
ことを特徴にするSGT柱状半導体装置。
【請求項2】
前記第1のコンタクト柱の底部の、垂直方向における位置が、前記第1の半導体柱と、前記第2の半導体柱と、の底部位置より下にある、
ことを特徴とする請求項1に記載のSGT柱状半導体装置。
【請求項3】
平面視において、前記第1の半導体柱と、前記第2の半導体柱と、に接する平行した2つの仮想の接線が、前記第1のコンタクト柱とも接している、
ことを特徴とする請求項1に記載のSGT柱状半導体装置。
【請求項4】
前記第1のゲート絶縁層が、前記第1の半導体柱と、前記第2の半導体柱と、の外周部で異なる材料であり、前記第1のコンタクト柱の外周部には、前記第1の半導体柱と、前記第2の半導体柱と、のいずれかの前記第1のゲート絶縁層が、繋がっている、
ことを特徴とする請求項1に記載のSGT柱状半導体装置。
【請求項5】
前記第1のコンタクト柱の外周部に、平面視において、金属、合金、または絶縁層の単層、または複数層よりなる第1の材料層がある、
ことを特徴とする請求項1に記載のSGT柱状半導体装置。
【請求項6】
平面視で、前記第1の半導体柱の中点と、前記第2の半導体柱の中点を結ぶ第1の線上に、前記第1のコンタクト柱の中点があり、
前記第1のコンタクト柱の反対側で前記第2の半導体柱に隣接して、前記第1の線上に中点を有する、第3の半導体柱があり、
前記第1のゲート絶縁層が、前記第2の半導体柱から伸延して、前記第3の半導体柱の側面を囲み、
前記第2のゲート導体層が、前記第2の半導体柱から伸延して、前記第3の半導体柱の外周部側面を囲み、
前記第2のゲート導体層が、前記第2の半導体柱と、前記第3の半導体柱と、の前記第1のゲート絶縁層の側面全体で接触している、
ことを特徴とする請求項1に記載のSGT柱状半導体装置。
【請求項7】
前記第2の半導体柱の反対側で前記第3の半導体柱に隣接して、前記第1の線上に中点を有する、第4の半導体柱があり、
前記第1のゲート絶縁層が、前記第2の半導体柱と、前記第3の半導体柱と、から伸延して、前記第4の半導体柱側面を囲み、
前記第2のゲート導体層が、前記第2の半導体柱と、前記第3の半導体柱から伸延して、前記第4の半導体柱の外周部側面を囲み、
前記第2のゲート導体層が、前記第2の半導体柱と、前記第3の半導体柱と、前記第4の半導体柱の前記第1のゲート絶縁層の側面全体で接触している、
ことを特徴とする請求項6に記載のSGT柱状半導体装置。
【請求項8】
前記第1の半導体柱は選択用SGTを含み、
前記第2の半導体柱は負荷用SGTを含み、
前記第3の半導体柱は駆動用SGTを含み、
前記第1の半導体柱と、前記第2の半導体柱と、前記第3の半導体柱と、を有してSRAMセルを構成している 、
ことを特徴とする請求項6に記載のSGT柱状半導体装置。
【請求項9】
前記第1の半導体柱は選択用SGTを含み、
前記第2の半導体柱は負荷用SGTを含み、
前記第3の半導体柱は駆動用SGTを含み、
前記第4の半導体柱は駆動用SGTを含み、
前記第1の半導体柱と、前記第2の半導体柱と、前記第3の半導体柱と、前記第4の半導体柱と、を有してSRAMセルを構成している、
ことを特徴とする請求項7に記載のSGT柱状半導体装置
【請求項10】
前記第1半導体柱と、前記第2の半導体柱と、前記第1のコンタクト柱と、が平面視において、1つの方向に伸延した矩形形状を有し、且つ平面視において、互いに平行して配置している、
ことを特徴とする請求項1に記載のSGT柱状半導体装置。
【請求項11】
基板上に、第1の半導体柱と、第5の半導体柱と、第2の半導体柱とを、平面視でそれぞれの中点が第1の線上にあるように形成する工程と、
前記第1の半導体柱の底部に繋げてソースまたはドレインになる第1の不純物層を形成し、前記第2の半導体柱の底部に繋げてドレインまたはソースになる第2の不純物層を形成する工程と、
前記第1の半導体柱と、前記第5の半導体柱と、前記第2の半導体柱を囲み、且つ繋がった第1のゲート絶縁層を形成する工程と、
前記第1のゲート絶縁層の外側に、前記第1の半導体柱と、前記第5の半導体柱と、前記第2の半導体柱を囲み、且つ繋がった第1の導体層を形成する工程と、
前記第5の半導体柱をエッチングして、第1の空孔を形成する工程と、
前記第1の空孔内に、少なくとも中心部が導体である第1のコンタクト柱を形成する工程と、
前記第1の導体層をエッチングして、前記第1のコンタクト柱の外周部を囲む前記第1の導体層を除去し、且つ前記第1の半導体柱を囲む前記第1の導体層よりなる第1のゲート導体層と、前記第2の半導体柱を囲む前記第1の導体層よなる第2のゲート導体層とを形成する工程と、
前記第1のゲート導体層と、前記第1のコンタクト柱を囲む前記第1のゲート絶縁層と、前記第2のゲート導体層の外周部に第1の絶縁層を形成する工程と、を有し
前記第1のコンタクト柱が、前記第1の不純物層と、前記第2の不純物層とに電気的に接続して、この接続が垂直方向へ伸延している、
ことを特徴とするSGT柱状半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記第1の空孔の底部の位置が、前記第1の半導体柱と、前記第2の半導体柱と、の底部位置より、垂直方向において下方になるように形成する、
ことを特徴とする請求項11に記載のSGT柱状半導体装置の製造方法。
【請求項13】
第1の空孔を形成した後、前記第1の空孔の側面に、金属、合金、または絶縁層の単層、または複数層よりなる第1の材料層を形成する工程と、
平面視において、前記第1材料層の内側に第2の導体層を形成する工程、を有し、
前記第1の材料層と、前記第2の導体層とが、前記第1のコンタクト柱である、
ことを特徴とする請求項11に記載のSGT柱状半導体装置の製造方法。
【請求項14】
平面視において、前記第1の半導体柱と、前記第5の半導体柱と、前記第2の半導体柱と、を前記第1の線と直交する方向に伸延した矩形形状に形成する工程、を有する、
ことを特徴とする請求項11に記載のSGT柱状半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記第1の線と直交する方向に伸延する、前記第1の半導体柱と、前記第5の半導体柱と、前記第2の半導体柱を形成する前、
前記第1の半導体柱と、前記第5の半導体柱と、前記第2の半導体柱を形成するためのエッチングマスク材料層の内、前記第5の半導体柱を形成するための第1のエッチングマスク層の平面視における上下のいずれかの一部領域を除去する工程、を有する、
ことを特徴とする請求項14に記載のSGT柱状半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記第1のコンタクト柱の反対側で前記第2の半導体柱に隣接して、平面視で前記第1の半導体柱の中点と前記第5の半導体柱との中点を結ぶ前記第1の線上に、中点を有する第3の半導体柱を形成する工程と、
前記第1のゲート絶縁層を、前記第2の半導体柱から伸延して、前記第3の半導体柱の側面を囲む工程と、
前記第2のゲート導体層を、前記第2の半導体柱と、前記第3の半導体柱と、の前記第1のゲート絶縁層の側面全体で接触させて形成する工程、を有する、
ことを特徴とする請求項11に記載のSGT柱状半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記第2の半導体柱の反対側で前記第3の半導体柱に隣接して、前記第1の線上に、第4の半導体柱を形成する工程と、
前記第1のゲート絶縁層を、前記第3の半導体柱から伸延して、前記第4の半導体柱の側面を囲む工程と、
前記第2のゲート導体層を、前記第2の半導体柱と、前記第3の半導体柱と、前記第4の半導体柱と、の前記第1のゲート絶縁層の側面全体で接触させて形成する工程、を有する、
ことを特徴とする請求項16に記載のSGT柱状半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記第1の半導体柱に選択用SGTを形成し、
前記第2の半導体柱に負荷用SGTを形成し、
前記第3の半導体柱に駆動用SGTを形成する工程を、有し、
前記第1の半導体柱と、前記第2の半導体柱と、前記第3の半導体柱と、がSRAMセルの一部を構成している 、
ことを特徴とする請求項16に記載のSGT柱状半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記第1の半導体柱に選択用SGTを形成し、
前記第2の半導体柱に負荷用SGTを形成し、
前記第3の半導体柱に駆動用SGTを形成し、
前記第4の半導体柱に駆動用SGTを形成する工程を、有し、
前記第1の半導体柱と、前記第2の半導体柱と、前記第3の半導体柱と、前記第4の半導体柱と、がSRAMセルの一部を構成している、
ことを特徴とする請求項17に記載のSGT柱状半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱状半導体装置と、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LSI(Large Scale Integration)に3次元構造トランジスタが使われている。その中で、柱状半導体装置であるSGT(Surrounding Gate Transistor)は、高集積な半導体装置を提供する半導体素子として注目されている。また、SGTを有する半導体装置の更なる高集積化、高性能化が求められている。
【0003】
通常のプレナー型MOSトランジスタでは、チャネルが半導体基板の上表面に沿う水平方向に延在する。これに対して、SGTのチャネルは、半導体基板の上表面に対して垂直な方向に延在する(例えば、特許文献1、非特許文献1を参照)。このため、SGTはプレナー型MOSトランジスタと比べ、半導体装置の高密度化が可能である。
【0004】
図5に、NチャネルSGTの構造模式図を示す。P型又はi型(真性型)のSi柱215(以下、シリコン半導体柱を「Si柱」と称す。)の上下の位置に、一方がソースとして機能するときに、他方がドレインとして機能するN+領域216a、216bが形成されている。Si柱215のソース、ドレインN+領域216a、216bの間の領域がチャネル領域217となる。このチャネル領域217を囲むようにゲート絶縁層218が形成され、ゲート絶縁層218を囲むようにゲート導体層219が形成されている。SGTでは、ソース、ドレインN+領域216a、216b、チャネル領域217、ゲート絶縁層218、ゲート導体層219が、単一のSi柱215に形成されている。このため、SGTの表面の占有面積は、見かけ上、プレナー型MOSトランジスタの単一のソース又はドレインN+領域の占有面積に相当するものになる。そのため、SGTを有する回路チップでは、プレナー型MOSトランジスタを有する回路チップと比較して、更なるチップサイズの縮小化を実現することが可能である。
【0005】
図6に、SGTを用いたCMOSインバータ回路の断面図を示す(例えば、特許文献2を参照)。
このCMOSインバータ回路では、絶縁層基板120上にi層121(「i層」は、真性型Si層を示す。)が形成され、このi層121上にPチャネルSGTのためのSi柱SP1とNチャネルSGTのためのSi柱SP2とが形成されている。PチャネルSGTのドレインP+領域122が、i層121と同層に、かつ、平面視においてSi柱SP1の下部を囲むように形成されている。また、NチャネルSGTのドレインN+領域123が、i層121と同層に、かつ、平面視においてSi柱SP2の下部を囲むように形成されている。PチャネルSGTのソースP+領域124がSi柱SP1の頂部に形成され、NチャネルSGTのソースN+領域125がSi柱SP2の頂部に形成されている。Si柱SP1、SP2を囲み、P+領域122及びN+領域123の上表面上に延びるように、ゲート絶縁層126a、126bが形成され、ゲート絶縁層126a、126bを囲むように、PチャネルSGTのゲート導体層127aと、NチャネルSGTのゲート導体層127bと、が形成されている。これらゲート導体層127a、127bを囲むように、絶縁層であるサイドウォール窒化膜128a、128bが形成されている。これと同様に、Si柱SP1、SP2の頂部のP+領域、N+領域をそれぞれ囲むように、絶縁層であるサイドウォール窒化膜128c、128dが形成されている。PチャネルSGTのドレインP+領域122とNチャネルSGTのドレインN+領域123とはシリサイド層129bを介して接続されている。PチャネルSGTのソースP+領域124上にシリサイド層129aが形成され、NチャネルSGTのソースN+領域125上にシリサイド層129cが形成されている。さらに、ゲート導体層127a、127bの頂部にシリサイド層129d、129eが形成されている。Si柱SP1のP+領域122、124間にあるi層130aがPチャネルSGTのチャネルとして機能し、Si柱SP2のN+領域123、125間のi層130bがNチャネルSGTのチャネルとして機能する。絶縁層基板120、i層121及びSi柱SP1、SP2を覆うように、SiO2層131が形成されている。コンタクトホール132aを介して、電源配線金属層Vdと、P+領域124及びシリサイド層129aと、が接続されている。コンタクトホール132bを介して、出力配線金属層Voと、P+領域122、N+領域123、シリサイド層129bと、が接続されている。さらに、コンタクトホール132cを介して、グランド配線金属層Vsと、N+領域125及びシリサイド層129cと、が接続されている。PチャネルSGTのゲート導体層127aとNチャネルSGTのゲート導体層127bとは、互いに接続された状態で入力配線金属層(図示せず)に繋がっている。これによりSGTを用いたCMOSインバータ回路が形成される。
【0006】
図6に示すSGTを有するCMOSインバータ回路においても、更なる回路の高密度化と高性能化が求められている。本回路において、更なる回路の高密度化と高性能化に対して、下記のような問題がある。コンタクトホール132bはSi柱SP1とSi柱SP2の間に形成されている。Si柱SP1、SP2とコンタクトホール132bは、別々のリソグラフィ工程と、エッチング工程により形成される。これにより、コンタクトホール132bの位置が、リソグラフィ工程のマスク合わせズレにより、Si柱SP1、SP2のいずれかに、近づいて形成される。このマスク合わせズレが、一方に大きくずれると、ゲート導体層127a127bのいずれかと、出力配線金属層Voとの電気的短絡不良が生じる。このため、この電気的短絡が生じないように、Si柱SP1、SP2とコンタクトホール132bとの距離を、広げる必要がある。これは、更なる回路の高密度化に対する阻害要因になる。
【0007】
SGTを用いた回路の高集積化が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平2-188966号公報
【文献】米国特許出願公開第2010/0219483号明細書
【非特許文献】
【0009】
【文献】Hiroshi Takato, Kazumasa Sunouchi, Naoko Okabe, Akihiro Nitayama, Katsuhiko Hieda, Fumio Horiguchi, and Fujio Masuoka: IEEE Transaction on Electron Devices, Vol.38, No.3, pp.573-578 (1991)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
柱状半導体装置の高密度化の実現が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の観点に係る、SGT柱状半導体装置は、基板上に、垂直方向に立つ、第1の半導体柱と第2の半導体柱と、
前記第1の半導体柱の底部に、及び/または底部側面に接続するドレインまたはソースとなる第1の不純物層と、前記第2の半導体柱の底部に、及び/または底部側面に接続するソースまたはドレインとなる第2の不純物層と、
前記第1の半導体柱の上部内部に、及び/または上部を囲んであるドレインまたはソースとなる第3の不純物層と、前記第2の半導体柱の上部内部に、及び/または上部を囲んであるソースまたはドレインとなる第4の不純物層と、
前記第1の半導体柱と、前記第2の半導体柱と、を囲んだ第1のゲート絶縁層と、
前記第1の半導体柱外周の前記第1のゲート絶縁層を囲んだ第1のゲート導体層と、前記第2の半導体柱外周の前記第1のゲート絶縁層を囲んだ第2のゲート導体層と、
平面視において、前記第1の不純物層と、前記第2の不純物層と、の間に位置し、且つ垂直方向に立ち、少なくとも中央部に導体層を有する第1のコンタクト柱と、を有し、
前記第1のゲート絶縁層が、前記第1のコンタクト柱まで伸延して繋がり、且つ前記第1のコンタクト柱の側面を囲んでいる、
ことを特徴にする。
【0012】
前記第1のコンタクト柱の底部の、垂直方向における位置が、前記第1の半導体柱と、前記第2の半導体柱と、の底部位置より下にあることが好ましい。
【0013】
平面視において、前記第1の半導体柱と、前記第2の半導体柱と、に接する平行した2つの仮想の接線が、前記第1のコンタクト柱とも接していることが好ましい。
【0014】
前記第1のゲート絶縁層が、前記第1の半導体柱と、前記第2の半導体柱と、の外周部で異なる材料であり、前記第1のコンタクト柱の外周部には、前記第1の半導体柱と、前記第2の半導体柱と、のいずれかの前記第1のゲート絶縁層が、繋がっていることが好ましい。
【0015】
前記コンタクト柱の外周部に、平面視において、金属、合金、または絶縁層の単層、または複数層よりなる第1の材料層を設けることができる。
【0016】
さらに、
平面視で、前記第1の半導体柱の中点と、前記第2の半導体柱の中点を結ぶ第1の線上に、前記第1のコンタクト柱の中点があることがあり、前記第1のコンタクト柱の反対側で前記第2の半導体柱に隣接して、前記第1の線上に中点を有する、第3の半導体柱があり、
前記第1のゲート絶縁層が、前記第2の半導体柱から伸延して、前記第3の半導体柱の側面を囲み、
前記第2のゲート導体層が、前記第2の半導体柱から伸延して、前記第3の半導体柱の外周部側面を囲み、
前記第2のゲート導体層が、前記第2の半導体柱と、前記第3の半導体柱と、の前記第1のゲート絶縁層の側面全体で接触している、ものとすることができる。
【0017】
さらに、
前記第2の半導体柱の反対側で前記第3の半導体柱に隣接して、前記第1の線上に中点を有する、第4の半導体柱があり、
前記第1のゲート絶縁層が、前記第2の半導体柱と、前記第3の半導体柱と、から伸延して、前記第4の半導体柱側面を囲み、
前記第2のゲート導体層が、前記第2の半導体柱と、前記第3の半導体柱から伸延して、前記第4の半導体柱の外周部側面を囲み、
前記第2のゲート導体層が、前記第2の半導体柱と、前記第3の半導体柱と、前記第4の半導体柱の前記第1のゲート絶縁層の側面全体で接触している、ものとすることができる。
【0018】
前記第1の半導体柱は選択用SGTを含み、
前記第2の半導体柱は負荷用SGTを含み、
前記第3の半導体柱は駆動用SGTを含み、
前記第1の半導体柱と、前記第2の半導体柱と、前記第3の半導体柱と、を有してSRAMセルを構成することができる。
【0019】
前記第1の半導体柱は選択用SGTを含み、
前記第2の半導体柱は負荷用SGTを含み、
前記第3の半導体柱は駆動用SGTを含み、
前記第4の半導体柱は駆動用SGTを含み、
前記第1の半導体柱と、前記第2の半導体柱と、前記第3の半導体柱と、前記第4の半導体柱と、を有してSRAMセルを構成することができる。
【0020】
さらに、
前記第1半導体柱と、前記第2の半導体柱と、前記第1のコンタクト柱と、が平面視において、1つの方向に伸延した矩形形状を有し、且つ平面視において、互いに平行して配置することができる。
【0021】
SGT柱状半導体装置の製造方法であって、
基板上に、第1の半導体柱と、第5の半導体柱と、第2の半導体柱とを、平面視でそれぞれの中点が第1の線上にあるように形成する工程と、
前記第1の半導体柱の底部に繋げてソースまたはドレインになる第1の不純物層を形成し、前記第2の半導体柱の底部に繋げてドレインまたはソースになる第2の不純物層を形成する工程と、
前記第1の半導体柱と、前記第5の半導体柱と、前記第2の半導体柱を囲み、且つ繋がった第1のゲート絶縁層を形成する工程と、
前記第1のゲート絶縁層の外側に、前記第1の半導体柱と、前記第5の半導体柱と、前記第2の半導体柱を囲み、且つ繋がった第1の導体層を形成する工程と、
前記第5の半導体柱をエッチングして、第1の空孔を形成する工程と、
前記第1の空孔内に、少なくとも中心部が導体である第1のコンタクト柱を形成する工程と、
前記第1の導体層をエッチングして、前記第1のコンタクト柱の外周部を囲む前記第1の導体層を除去し、且つ前記第1の半導体柱を囲む前記第1の導体層よりなる第1のゲート導体層と、前記第2の半導体柱を囲む前記第1の導体層よなる第2のゲート導体層とを形成する工程と、
前記第1のゲート導体層と、前記第1のコンタクト柱を囲む前記第1のゲート絶縁層と、前記第2のゲート導体層の外周部に第1の絶縁層を形成する工程と、を有し、
前記第1のコンタクト柱が、前記第1の不純物層と、前記第2の不純物層とに電気的に接続して、この接続が垂直方向へ伸延している、
ことを特徴とする。
【0022】
前記方法において、前記第1の空孔の底部の位置が、前記第1の半導体柱と、前記第2の半導体柱と、の底部位置より、垂直方向において下方になるように形成することが望ましい。
【0023】
前記方法において、さらに、
第1の空孔を形成した後、前記空孔の側面に、金属、合金、または絶縁層の単層、または複数層よりなる第1の材料層を形成する工程と、
平面視において、前記第1材料層の内側に第2の導体層を形成する工程、を有し、
前記第1の材料層と、前記第2の導体層とが、前記第1のコンタクト柱であることが好ましい。
【0024】
前記方法において、さらに、平面視において、前記第1の半導体柱と、前記第5の半導体柱と、前記第2の半導体柱と、を前記第1の線と直交する方向に伸延した矩形形状に形成する工程、を有することができる。
【0025】
前記方法において、
前記第1の線と直交する方向に伸延する、前記第1の半導体柱と、前記第5の半導体柱と、前記第2の半導体柱を形成する前、
前記第1の半導体柱と、前記第5の半導体柱と、前記第2の半導体柱を形成するためのエッチングマスク材料層の内、前記第5の半導体柱を形成するための第1のエッチングマスク層の平面視における上下のいずれかの一部領域を除去する工程、を有することができる。
【0026】
前記方法において、
前記第1のコンタクト柱の反対側で前記第2の半導体柱に隣接して、平面視で前記第1の半導体柱の中点と前記第5の半導体柱との中点を結ぶ前記第1の線上に、中点を有する第3の半導体柱を形成する工程と、
前記第1のゲート絶縁層を、前記第2の半導体柱から伸延して、前記第3の半導体柱の側面を囲む工程と、
前記第2のゲート導体層を、前記第2の半導体柱と、前記第3の半導体柱と、の前記第1のゲート絶縁層の側面全体で接触させて形成する工程、を有することができる。
【0027】
前記方法において、
前記第2の半導体柱の反対側で前記第3の半導体柱に隣接して、前記第1の線上に、第4の半導体柱を形成する工程と、
前記第1のゲート絶縁層を、前記第3の半導体柱から伸延して、前記第4の半導体柱の側面を囲む工程と、
前記第2のゲート導体層を、前記第2の半導体柱と、前記第3の半導体柱と、前記第4の半導体柱と、の前記第1のゲート絶縁層の側面全体で接触させて形成する工程、を有することができる。
【0028】
前記方法において、
前記第1の半導体柱に選択用SGTを形成し、
前記第2の半導体柱に負荷用SGTを形成し、
前記第3の半導体柱に駆動用SGTを形成する工程を、有し、
前記第1の半導体柱と、前記第2の半導体柱と、前記第3の半導体柱と、がSRAMセルの一部を構成することができる。
【0029】
さらに、
前記第1の半導体柱に選択用SGTを形成し、
前記第2の半導体柱に負荷用SGTを形成し、
前記第3の半導体柱に駆動用SGTを形成し、
前記第4の半導体柱に駆動用SGTを形成する工程を、有し、
前記第1の半導体柱と、前記第2の半導体柱と、前記第3の半導体柱と、前記第4の半導体柱と、がSRAMセルの一部を構成することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、高密度の柱状半導体装置が実現する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1A】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1B】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1C】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1D】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1E】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1F】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1G】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1H】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1I】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1J】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1K】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1L】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1M】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1N】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1O】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1P】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1Q】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1R】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1S】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1T】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1U】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1V】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1W】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1X】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1Y】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図1Z】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図2A】本発明の第2実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図2B】第2実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図3A】本発明の第3実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図3B】本発明の第3実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図4A】第4実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図4B】第4実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図4C】第4実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図4D】第4実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
図5】従来例のSGTを示す模式構造図である。
図6】従来例のSGTを用いたインバータ回路を示す模式構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態に係る、柱状半導体装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0033】
(第1実施形態)
以下、図1A図1Zを参照しながら、本発明の第1実施形態に係る、SGTを有する柱状半導体装置の製造方法について説明する。各図において、(a)は平面図、(b)は(a)のX-X’線に沿う断面構造図、(c)は(a)のY-Y’線に沿う断面構造図、(d)はY1-Y1’に沿う断面構造図である。
【0034】
図1Aに示すように、P型半導体層(以下「P層」ともいう。)基板1上にN型半導体層(以下「N層」ともいう。)2をエピタキシャル結晶成長法により形成する。そして、N層2の表層にN+層3とP+層4、5をイオン注入法により形成する。そして、i層(真性型Si層)6を形成する。なお、i層6はドナーまたはアクセプタ不純物を少量含むN型、またはP型のSiで形成されてもよい。そして、例えば、SiO2層、酸化アルミニウム(Al23、以後AlOと称する)層、SiO2層が積層したマスク材料層7を形成する。そして、窒化シリコン(SiN)層8を堆積する。そして、SiO2層からなるマスク材料層9を堆積する。そして、SiN層からなる上部マスク材料層10を堆積する。なお、本実施形態でシリコン(Si)層とされた部分には、シリコン(Si)以外の半導体材料を用いることもできる。他の実施形態でも同様である。
【0035】
次にリソグラフィ法により形成した平面視においてY方向に伸延した帯状レジスト層(図示せず)をマスクにして、上部マスク材料層10をエッチングする。これにより、平面視においてY方向に伸延した上部帯状マスク材料層(図示せず)を形成する。なお、この上部帯状マスク材料層を等方性エッチングすることにより、上部帯状マスク材料層の幅を、レジスト層の幅より細くなるように形成する。これにより、リソグラフィ法で形成できる最小のレジスト層の幅より小さい幅を持つ上部帯状マスク材料層が形成できる。そして、図1Bに示すように、上部帯状マスク材料層をエッチングマスクにして、マスク材料層9と、SiN層8を、例えばRIE(Reactive Ion Etching)により、エッチングして帯状マスク材料層9a、帯状SiN層8aを形成する。等方エッチングにより形成した上部帯状マスク材料層の断面は底部の幅が、頂部の幅より大きい台形状になるのに対して、帯状マスク材料層9aの断面はRIEによりエッチングされるので、矩形状になる。そして、上部帯状マスク材料層を除去する。なお、この上部帯状マスク材料層は、SiN層8のエッチング後も残存させていてもよい。
【0036】
次に、全体に、ALD(Atomic Layered Deposition)法によりSiGe層(図示せず)と、SiO2層(図示せず)と、をマスク材料層7、帯状SiN層8a、帯状マスク材料層9aを覆って形成する。この場合、SiGe層の断面は頂部で丸み部分を生じる。この丸み部分は帯状マスク材料層9aより上部になるように形成するのが望ましい。 次に、全体を、例えばフローCVD(Flow Chemical Vapor Deposition)法によるSiO2層(図示せず)で覆い、そして、図1Cに示すように、CMP(Chemical Mechanical Polishing)により、上表面位置が帯状マスク材料層9a上表面位置になるように研磨して、SiO2層13、SiGe層12a、12bを形成する。この場合、SiGe層12a、12bの頂部側面は垂直であることが望ましい。このためには、全体を覆ったSiO2層と、SiGe層の研磨を、SiGe層12a、12b頂部の丸み部分が生じないようにおこなうことが望ましい。
【0037】
次に、SiO2層13、帯状マスク材料層9aをマスクにして、SiGe層12a、12bの頂部をエッチングして凹部(図示せず)を形成する。このエッチングは、凹部の底部位置が、マスク材料層9aの下部位置にあるように行う。次に、全体にSiN層(図示せず)を被覆する。そして、全体をCMP法により、上表面位置がマスク材料層9a上表面位置になるようにSiN層を研磨する。そして、SiO2層13を除去する。これにより、図1Dに示すように、帯状マスク材料層9aの両側に、平面視においてSiGe層12a、12bの頂部形状と同じ形状を有するSiN層(帯状マスク材料層)15a、15bが形成される。
【0038】
次に、図1Eに示すように、帯状マスク材料層9a、15a、15bをマスクにして、SiGe層12a、12bをエッチングして、帯状SiGe層12aa、12abを形成する。この場合、平面視において、帯状SiGe層12aaと、帯状SiGe層12abとの幅は同じになる。
【0039】
そして、帯状マスク材料層15a、15bと、帯状SiGe層12aa、12abを形成したのと、同様の方法を用いて、図1Fに示すように、帯状SiGe層12aaの左側面((b)において。以下同様)に接した帯状SiN層16a、帯状SiGe層12abの右側面に接した帯状SiN層16bと、帯状マスク材料層15aの左側面に接した帯状マスク材料層17a、帯状マスク材料層15bの右側面に接した帯状マスク材料層17bと、を形成する。
【0040】
そして、帯状マスク材料層15a、15bと、帯状SiGe層12aa、12abを形成したのと、同様の方法を用いて、図1Gに示すように、帯状SiN層16aの左側面((b)において。以下同様)接した帯状SiGe層18a、帯状SiN層16bの右側面に接した帯状SiGe層18bと、帯状マスク材料層17aの左側面に接した帯状マスク材料層19a、帯状マスク材料層17bの右側面に接した帯状マスク材料層19bと、を形成する。
【0041】
そして、帯状マスク材料層17a、17bと、帯状SiN層16a、16bを形成したのと、同様の方法を用いて、図1Hに示すように、帯状SiGe層18aの左側面((b)において。以下同様)に接した帯状SiN層20a、帯状SiGe層18bの右側面に接した帯状SiN層20bと、帯状マスク材料層19aの左側面に接した帯状マスク材料層21a、帯状マスク材料層19bの右側面に接した帯状マスク材料層21bと、を形成する。
【0042】
次に、帯状マスク材料層15a、15b、19a、19bと、帯状SiGe層12aa、12ab、18a、18bをエッチングにより除去する。これにより、図1Iに示すように、マスク材料層7上に、帯状SiN層8a、16a、16b、20a、20bと、帯状SiN層8a、16a、16b、20a、20b上の帯状マスク材料層9a、17a、17b、21a、21bが形成される。
【0043】
次に、全体にSiO2層(図示せず)を被覆する。そして、図1Jに示すように、CMP法により、SiO2層の上表面位置が、帯状マスク材料層9aの上表面位置になるように研磨して、SiO2層22を形成する。そして、全体にSiN層24とSiGe層(図示せず)と、マスク材料層(図示ぜす)を形成する。そして、リソグラフィ法と、RIEエッチング法により、X方向に伸延した帯状マスク材料層26と、帯状SiGe層25と、を形成する。
【0044】
そして、帯状マスク材料層15a、15bと、帯状SiGe層12aa、12abを形成したのと、同様の方法を用いて、図1Kに示すように、帯状SiGe層25の両側側面に接した、帯状SiN層28a、28bと、帯状マスク材料層26の両側側面に接した帯状マスク材料層27a、27bと、を形成する。
【0045】
次に、図1Lに示すように、帯状マスク材料層26と、帯状SiGe層25と、を除去して、SiN層24上に、平面視において、X方向に伸延した帯状SiN層28a、28bと、帯状SiN層28a、28b上の帯状マスク材料層27a、27bと、を形成する。
【0046】
次に、図1Mに示すように、帯状マスク材料層27a、27b、帯状SiN層28a、28bをマスクにしてSiN層24、帯状マスク材料層9a、17a、17b、21a、21b、帯状SiN層8a、16a、16b、20a、20bと、SiO2層22と、をエッチングする。これにより、帯状マスク材料層27a、帯状SiN層28aの下に、帯状SiN層24aと、平面視において、正方形状のマスク材料層21aa、21ab、17aa、17ab、9aaと、正方形状マスク材料層21aa、21ab、17aa、17ab、9aaの下に位置する正方形状SiN20aa、20ab、16aa、16ab、8aaと、が形成される。同じく、帯状マスク材料層27b、帯状SiN層28bの下に、帯状SiN層24bと、平面視において、正方形状のマスク材料層21ba、21bb、17ba、17bb、9abと、正方形状マスク材料層21ba、21bb、17ba、17bb、9abの下に位置する正方形状SiN20ba(図示せず)、20bb(図示せず)、16ba(図示せず)、16bb(図示せず)、8abと、が形成される。また、同時に、帯状SiN層24aの下にあって正方形状マスク材料層21aa、21ab、17aa、17ab、9aa、正方形状SiN層20aa、20ab、16aa、16ab、8aaの間に、SiO2層22aが形成される。同様に、帯状SiN層24bの下にあって正方形状マスク材料層21ba、21bb、17ba、17bb、9ab、正方形状SiN層20ba、20bb、16ba、16bb、8abの間に、SiO2層22b(図示せず)が形成される。
【0047】
次に、帯状マスク材料層27a、27b、帯状SiN層28a、28b、帯状SiN層24a、24b、SiO2層22a、22bを除去する。これにより、マスク材料層7上に、平面視において正方形状マスク材料層21aa、21ab、21ba、21bb、17aa、17ab、17ba、17bb、9aa、9abと、正方形状SiN層20aa、20ab、20ba、20bb、16aa、16ab、16ba、16bb、8aa、8abと、が形成される。次に、正方形状マスク材料層21aa、21ab、21ba、21bb、17aa、17ab、17ba、17bb、9aa、9abと、正方形状SiN層20aa、20ab、20ba、20bb、16aa、16ab、16ba、16bb、8aa、8abと、をマスクにしてマスク材料層7をRIE法によりエッチングする。そして、正方形状マスク材料層21aa、21ab、21ba、21bb、17aa、17ab、17ba、17bb、9aa、9abと、正方形状SiN層20aa、20ab、20ba、20bb、16aa、16ab、16ba、16bb、8aa、8abと、を除去する。これにより、i層6上にマスク材料層7a、7b、7c、7d、7e、7f(図示せず)、7g、7h、7i(図示せず)、7j(図示せず)を形成する。例えば、マスク材料層7のRIEエッチングの前に、正方形状のマスク材料層21aa、21ab、21ba、21bb、17aa、17ab、17ba、17bb、9aa、9abと、正方形状SiN層20aa、20ab、20ba、20bb、16aa、16ab、16ba、16bb、8aa、8abの片方、または両方を軽い等方性エッチングする。これにより、平面視における、マスク材料層7a~7jの形状を円形にする。次に、図1Nに示すように、マスク材料層7a~7jをマスクにして、i層6をエッチングして、N+層3と、P+層4、5との上に、Si柱6a(これは特許請求範囲の第1の半導体柱に対応する)、6b(これは特許請求範囲の第5の半導体柱に対応する)、6c(これは特許請求範囲の第2の半導体柱に対応する)、6d(これは特許請求範囲の第3の半導体柱に対応する)、6e(これは特許請求範囲の第4の半導体柱に対応する)、6f、6g、6h、6i、6jを形成する。なお、Si柱6jも特許請求の範囲の第1の半導体柱に対応し、Si柱6iも特許請求範囲の第5の半導体柱に対応し、Si柱6hも特許請求の範囲の第2の半導体柱に対応することは明らかであるので、以下では特にこの点については記載しない。
【0048】
次に、FCVD(Flowable Chemical Vapor Deposition)法でSiO2層(図示せず)を被覆し、その後にCMP法と、RIE法により、表面位置がマスク材料層7a~7jの上部位置になるように研磨してSiO2層(図示せず)を形成する。次に、RIE法によりSiO2層を、上面位置がマスク材料層7a~7jの底部位置までエッチングする。そして、図1Oに示すように、マスク材料層7a、7b、7c、7d、7e側面を囲んだマスク材料層30aと、マスク材料層7f、7g、7h、7i、7j側面を囲んだマスク材料層30bと、を形成する。そして、この平滑面上に、平面視においてSi柱6a、6b、6c、6d、6eに繋がった、帯状マスク材料層33aと、Si柱6f、6g、6h、6i、6jに繋がった、帯状マスク材料層33bと、を形成する。次に、マスク材料層30a、30b、7a~7j、33a、33bをマスクにして、RIEにより、SiO2層、N+層3、P+層4、5、N層2、P層基板1をエッチングする。これにより、マスク材料層30a、帯状マスク材料層33aの下にSiO2層31aが形成される。同時に、マスク材料層30b、帯状マスク材料層33bの下にSiO2層31bが形成される。そして、Si柱6a、6b、6c、6d、6eの下部にあって、且つP層基板1上に、N層2aと、N+層3a、3b、P+層4aが形成される。同様に、Si柱6f、6g、6h、6i、6jの下部にあって、且つP層基板1上に、N層2bと、N+層3c(図示せず)、3d(図示せず)、P+層5aが形成される。
【0049】
次に、マスク材料層30a、30b、33a、33b、SiO2層31a、31bを除去する。これにより、図1Pに示すように、繋がったN+層3a(これは特許請求範囲の第1の不純物層に対応する)、3b、P+層4a(これは特許請求範囲の第2の不純物層に対応する)上にSi柱6a、6b、6c、6d、6eが形成される。同じく、繋がった + 層3c、3d、P+層5a上にSi柱6f、6g、6h、6i、6jが形成される。
【0050】
次に、図1Qに示すように、N+層3a、3b、3c、3d、P+層4a、5a、N層2a、2bの外周部と、P層基板1上にSiO2層35を形成する。そして、ALD法とCMP法により、SiO2層35と、Si柱6a~6jと、マスク材料層7a~7jを覆って、ゲート絶縁層となるHfO2層36(これは特許請求範囲の第1のゲート絶縁層に対応する)と、ゲート導体層となるTiN層37を形成する。この場合、TiN層37(これは特許請求範囲の第1の導体層に対応する)は、Si柱6a、6b、6c、6d、6e間の側面同士で接触していることが望ましい。同じく、TiN層37は、Si柱6f、6g、6h、6i、6j間の側面同士で接触していることが望ましい。そして、全体にマスク材料層38を形成する。なお、TiN層37は、Si柱6a、6b、6c、6d、6e間と、Si柱6f、6g、6h、6i、6j間と、の側面同士で接触する厚さだけ形成した後、その外周部を、例えばタングステン層(以下「W層」ともいう。)により形成してもよい。
【0051】
次に、図1Rに示すように、リソグラフィ法により、平面視において、Si柱6b、6iを囲んで窓を有したレジスト層39を形成する。そして、レジスト層39をエッチングマスクにして、マスク材料層38、HfO2層36、マスク材料層7b、7i、Si柱6b、6iをエッチングして空孔40a、40bを形成する。このエッチングは空孔40a、40bの底部位置が、この空孔40a、40bを囲むN+層3a、3d、P+層4a、5aの上面位置より下になるように行う。なお、レジスト層39は空孔40a、40bを形成する目的に合うものであれば、単層、または複数層の他の材料層であってもよい。
【0052】
次に、レジスト層39を除去する。そして、図1Sに示すように、空孔40a、40b内全体に、タンタル(Ta)などの導体層(図示せず)をALD法により形成する。そして、全体をCMP法により研磨する。そして、図1Sに示すように、柱状のTa層の上部をRIE法によりエッチバックしてTa柱41a、41bを形成する。そして、垂直方向において、Ta柱41a、41bより上部のHfO2層36を除去する。そして全体にSiO2層(図示せず)を被覆して、CMP法により、その上面位置が、マスク材料層38の上面位置になるように研磨して、Ta柱41a(これは特許請求範囲の第1のコンタクト柱に対応する)、41bの上にSiO2層42a、42bを形成する。Ta柱41aはN+層3a、P+層4aを接続するコンタクト部となる。同じく、Ta柱41bはN+層3d、P+層5aを接続するコンタクト部となる。また、Ta柱41a、41bは、Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6h、6jと、同時に形成したSi柱6b、6iと同じ位置で、且つ同じ形状で形成される。これにより、Ta柱41a、41bは、Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6h、6jに対して、自己整合で形成される。この自己整合とは、2つの構造物の形成において、例えばリソグラフィ法におけるマスク合わせズレがないように2つの構造物を形成できることを意味する。この自己整合により構造物を高密度、高精度に形成できる。なお、Ta柱41a、41bを形成する前に、空孔40a、40bの内面に、N+層3a、P+層4aと、Ta柱41aとの接触抵抗、及びN+層3d、P+層5aと、Ta柱41bと、の接触抵抗を下げるためのバッファ導体層を形成してもよい。また、平面視において、Si柱6a、6c、6d、6eとTa柱41aとは、共通の2本の接線A、Bに接して配置されている。同じくSi柱6f、6g、6h、6j、Ta柱41bとは、共通の2本の接線に接して配置されている。Si柱6a、6c、6d、6eとTa柱41aとの中点は、X-X’線上にある。同じく、Si柱6f、6g、6h、6j、Ta柱41bの中点は、X-X’線と平行した同一線上にある。
なお、空孔40a、40b内にTa層を形成する前に、その側面に導体層、絶縁体層、又はこれらを複合した層による側壁を形成してもよい。
【0053】
次に、図1Tに示すように、RIE法を用いて、マスク材料層38、TiN層37、SiO2層42a、42bを、それらの上面位置がSi柱6a、6c、6d、6e、6f、6h、6jの上部位置になるようにエッチバックして、TiN層37A、SiO2層42aa、42bb(図示せず)を形成する。そして、Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6h、6j頂部の外周部にSiN層44を形成する。
【0054】
次に、全体にSiO2層(図示せず)を被覆する。そして、SiO2層をRIEエッチすることで、図1Uに示すように、SiN層44上の、Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6jの頂部と、マスク材料層7a、7c、7d、7e、7f、7g、7h、7jと、の側面にSiO2層46a、46b、46c、46d(図示せず)を形成する。この場合、SiO2層46bはSi柱6c、6d、6e間で、繋がって形成される。同様に、SiO2層46cはSi柱6f、6g、6h間で、繋がって形成される。そして、リソグラフィ法により、平面視において、Si柱6aに一部が重なったレジスト層47aと、Si柱6dに一部が重なったレジスト層47bと、Si柱6gに一部が重なったレジスト層47cと、Si柱6jに一部が重なったレジスト層47dと、を形成する。
【0055】
次に、図1Vに示すように、SiO2層46a、46b、46c、46dと、レジスト層47a、47b、47c、47dと、をマスクにして、SiN層44、TiN層37AをRIE法によりエッチングして、平面視において、Si柱6a(これは特許請求範囲の第1の半導体柱に対応する)を囲んだゲート導体層となるTiN層37a(これは特許請求範囲の第1のゲート導体層に対応する)と、Si柱6c、6d、6eを囲んだゲート導体層となるTiN層37b(これは特許請求範囲の第2のゲート導体層に対応する)と、Si柱6f、6g、6hを囲んだゲート導体層となるTiN層37cと、Si柱6jを囲んだゲート導体層となるTiN層37と、を形成する。これにより、Ta柱41a(これは特許請求範囲の第1のコンタクト柱に対応する)、41bを覆った、SiO2層42aa、42bb、HfO2層36の外側を覆っていたTiN層37は除去される。そして、レジスト層47a、47b、47c、47dを除去する。
【0056】
次に、FCVD(Flowable Chemical Vapor Deposition)法により全体にSiO2層(図示せず)を被覆する。そして、CMP法によりSiO2層を研磨して、図1Wに示すように、SiO2層48を形成する。そして、リソグラフィ法とRIE法を用いて、レジスト層49をマスクにして、SiO2層48、42aa、42bbをエッチングして、平面視において、Ta柱41aとTiN層37cに一部が重なった凹部50aと、Ta柱41bとTiN層37bに一部が重なった凹部50bと、を形成する。凹部50aの底部はTiN層37cと、Ta柱41aと、の上面にある。そして、凹部50bの底部はTiN層37bと、Ta柱41bと、の上面にある。
【0057】
次に、全体にW層を被覆した後に、CMP法によりW層上面を研磨する。そして、図1Xに示すように、RIE法により、W層をエッチバックして、凹部50aの底部にW層52aを、凹部50bの底部にW層52bを形成する。そして、W層52a、52bのそれぞれの上にSiO2層53a、53b(図示せず)を形成する。SiO2層53a、53bの上面位置は、CMP法を用いて、SiO2層48の上面位置と同じくさせる。これにより、N+層3a、P+層4aと、TiN層37cとが、コンタクト部であるTa柱41aと、W層52aを介して、電気的に接続される。同じく、N+層3d、P+層5aと、TiN層37bとが、コンタクト部であるTa柱41bと、W層52bを介して、電気的に接続される。
【0058】
次に、RIE法を用いて、SiO2層48、46a、46b、46c、46dを、上面位置がSiN層44の上面位置になるようにエッチバックする。そして、全体にSiO2層55を形成する。そして、マスク材料層7a、7c、7d、7e、7f、7g、7h、7jと、Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6jの頂部外周のSiO2層55をエッチングして凹部(図示せず)を形成する。そして、図1Yに示すように、Si柱6a、6d、6e、6f、6g、6jのそれぞれを覆って、たとえば選択エピタキシャル結晶成長法により、ドナー不純物原子を含んだN+層56a(これは特許請求範囲の第3の不純物層に対応する)、56c、56d、56e(図示せず)、56f、56h(図示せず)を形成する。そして、Si柱6c、6hのそれぞれを覆って、たとえば選択エピタキシャル結晶成長法により、アクセプタ不純物原子を含んだP+層56b(これは特許請求範囲の第4の不純物層に対応する)、56gを形成する。そして、N+層56a、56c、56d、56e(図示せず)、56f、56h(図示せず)上の凹部内にW層57a、57c、57d、57e(図示せず)、57f、57h(図示せず)を形成する。同様に、P+層56b、56g上の凹部内にW層57b、57gを形成する。なお、熱処理を行い、N+層56a、56c、56d、56e、56f、56h、P+層56b、56gからドナー、またはアクセプタ不純物原子をSi柱6a、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6jの頂部に拡散させて、Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6jの頂部にN+領域、またはP+領域を形成させてもよい。また、N+層56a、56c、56d、56e、56f、56h、P+層56b、56gを形成する前に、例えばイオン注入により、Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6jの頂部にN+領域、またはP+領域を形成させてもよい。
【0059】
次に、図1Zに示すように、全体を覆って上表面が平坦なSiO2層58を形成する。そして、TiN層37a、37d上に形成したコンタクトホール59a、59を介して、ワード金属配線層WLを形成する。全体を覆って上表面が平坦なSiO2層60を形成する。そして、W層57c、57d上に形成したコンタクトホール61a、61bを介して、グランド配線金属層Vss1を形成する。同時に、W層57e、57f上に形成したコンタクトホール61c、61dを介して、グランド配線金属層Vss2を形成する。そして、全体を覆って上表面が平坦なSiO2層64を形成する。そして、W層57b、57g上に形成したコンタクトホール65a、65bを介して電源配線金属層Vddを形成する。そして、全体を覆って上表面が平坦なSiO2層66を形成する。そして、W層57a、57h上に形成したコンタクトホール67a、67bを介してビット配線金属層BL、反転ビット配線金属層RBLを形成する。これにより、P層基板1上に高密度SRAM(Static Random Access Memory)セル回路が形成される。
【0060】
図1Zに示されているように、Si柱6aに選択SGT、Si柱6cに負荷SGT、Si柱6d、6eに駆動SGTが形成されている。同じく、Si柱6f、6gに駆動SGT、Si柱6hに負荷SGT、Si柱6jに選択SGTが形成される。
【0061】
なお、本実施形態の説明では、N+層3aはSi柱6aの底部から、水平方向に伸延して、P+層4aに接続した構造を用いた。これは、N+層3b、3c、3d、P+層5aについても同じである。このN+層3a、3b、3c、3d、P+層4a、5aは他の構造を用いて形成してもよい。たとえば、Si柱6aの底部側面を囲んで、例えば選択エピタキシャル結晶成長法を用いて、N+層を形成してもよい。同じ方法により、N+層3b、3c、3d、P+層4a、5aを形成してもよい。この場合、N+層3a、3b、3c、3d、P+層4a、5aは、Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6jの側面に繋がって形成される。また、Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6jの側面に繋がったN+層、P+層からSi柱6a、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6jの底部に熱拡散させると、N+層、P+層は、Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6jの内部、及び側面に繋がって形成される。このように、Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6jの底部、及び/または側面に形成するN+層3a、3b、3c、3d、P+層4a、5aの形成方法は、回路設計、及び製造からの要求に従って選択される。
なお、本実施形態は、SRAMを例にして説明したが、他の回路に本発明を適用する場合、N+層3a、3b、3c、3d、P+層4a、5aに対応する不純物層の極性は、回路設計仕様に従い、同じでもよいし、もしくは異なってもよい。
【0062】
また、第1実施形態では、図1Yに示したように、選択エピタキシャル結晶成長法を用いて、N+層56a、56c、56d、56e、56f、56h、P+層56b、56gをSi柱6a、6c、6d、6e、6f、6h、6jの頂部を囲んで形成した。この後に、熱処理により、ドナー不純物原子、またはアクセプタ不純物原子を、Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6h、6jの頂部に熱拡散させて、N+層、又はP+層を、Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6h、6jの頂部内部に形成してもよい。このように、Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6jの頂部内部、及び/または頂部を囲んで形成するN+層56a、56c、56d、56e、56f、56h、P+層56b、56gの形成方法は、回路設計、及び製造からの要求に従って選択される。
【0063】
なお、本実施形態では、Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6jに、それぞれ1個のSGTを形成した例を説明した。本発明は、1つの半導体柱に複数のSGTを形成する場合に対しても、適用される。この場合、図1Zに示す、Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6jの頂部を囲んで形成したN+層56a、56c、56d、56e、56f、56h、P+層56b、56gは、半導体柱の側面外周部、または内部、または側面外周と内部の両方に形成してもよい。このように、N+層56a、56c、56d、56e、56f、56h、P+層56b、56gに対応する不純物層は半導体柱の上部内部、及び/または上部を囲んだ形態を採ることができる。
【0064】
なお、図1Qにおいては、ゲートHfO2層36はSi柱6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6i、6jの側面に同時に形成された。これに対して、Si柱6a、6b側面を第1ゲート絶縁層で囲み、Si柱6c、6d、6eを第1ゲート絶縁層と別の第2ゲート絶縁層で囲んでもよい。これにより、コンタクト部のTa柱41aの側面は、Si柱6aから繋がった第1ゲート絶縁層で支えられる。また、Si柱6b、6c,6d,6e側面を第1ゲート絶縁層で囲み、Si柱6aを第1ゲート絶縁層と別の第2ゲート絶縁層で囲んでもよい。これにより、コンタクト部のTa柱41aの側面は、Si柱6c,6d,6eから繋がった第1ゲート絶縁層で支えられる。また、ゲート導体層であるTiN層37aとTiN層37bとは、異なる導体材料層で形成してもよい。
【0065】
第1実施形態の製造方法によれば、次のような特徴が得られる。
(特徴1)
+層3a、P+層4aを接続するコンタクト部Ta柱41aと、N+層3c、P+層5aを接続するコンタクト部Ta柱41bと、はSi柱6b、6iが形成された位置に、それらの外周形状を同じくして形成されている。Si柱6b、6iは、Ta柱41a、41bと自己整合で形成されているので、コンタクト部Ta柱41a、41bは、Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6jに対して、自己整合で形成される。これはSRAMセルの高密度化に繋がる。
(特徴2)
本実施形態では、図1Vに示すように、ゲートTiN層37a、37b、37c、37dを形成した後、Ta柱41a、41bは、TiN層37a、37b、37c、37dから離れて、孤立して立っている。Ta柱41a、41bの側面全体には、Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6jの側面全体を囲んだゲート絶縁層であるHfO2層36が繋がって形成されている。Ta柱41a、41bは金属柱であるため、単結晶Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6jと比べて柔らかい。このため、Ta柱41a、41bだけが立った形態では、洗浄などの工程において、倒れ、または傾き問題を生じる。これに対して、本実施形態では、Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6jの側面から繋がったHfO2層36が、転倒、または傾き発生に対する防止層として働く。
(特徴3)
本実施形態では、Ta柱41a、41bの底部位置は、Ta柱41a、41bを囲むN+層3a、3b、3c、3d、P+層4a、5aの上面位置より下になるように形成した。これにより、Ta柱41a、41bを支える支点が、HfO2層36の底部と、Ta柱41a、41bの底部と、の2点になる。これにより、Ta柱41a、41bの転倒、または傾き防止を更に改善できる。
(特徴4)
コンタクト部であるTa柱41a、41bを、Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6jに対して自己整合で形成されることによって、Ta柱41aとSi柱6a、6c間の距離と、Ta柱41bとSi柱6h、6j間の距離と、を短くできる。Ta柱41aとSi柱6a、6c間の距離は、図1Hに示すように、帯状SiGe層18a、12aaの厚さで定められる。そして、Ta柱41bとSi柱6h、6j間の距離は、帯状SiGe層18b、12abの厚さで定められる。帯状SiGe層18a、18bは、同時にALD法により形成されている。同じく、帯状SiGe層12aa、12abは、同時にALD法により形成されている。ALD法では、材料層を1原子層、または1分子層ごと制御よく堆積できる。これにより、平面視において、帯状SiGe層18a、18b、12aa、12abの厚さを、設計からの要求に応じて、高精度で、且つ狭くすることができる。これにより、ゲートTiN層37b、37cを、Si柱c、d、e間と、Si柱f、g、h間と、のそれぞれの側面で接触させて形成できる。これにより、Si柱c、d、e間と、Si柱f、g、h間と、の距離を、ゲートHfO2層36と、ゲートTiN層37b、37cと、を加えた厚さの2倍まで短く出来る。このように、コンタクト部であるTa柱41a、41bを自己整合で形成することと、コンタクト部であるTa柱41a、41bと、それぞれの両側のSi柱6a、6c、6h、6j間の距離をALD法による帯状SiGe層12aa、12ab、18a、18bの厚さで定められることにより、SRAMセルの高密度化が図れる。
【0066】
(第2実施形態)
以下、図2A図2Bを参照しながら、本発明の第2実施形態に係る、SGTを有する柱状半導体装置の製造方法について説明する。各図において、(a)は平面図、(b)は(a)のX-X’線に沿う断面構造図、(c)は(a)のY-Y’線に沿う断面構造図、(d)は(a)のY1-Y1’線に沿う断面構造図である。なお、第1実施形態における構成部分と同一又は対応する構成部分には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
【0067】
図1A図1Rで示した工程と同じ工程を行う。この場合、空孔40a、40bの底部位置はN+層3a、3b、3c、3d、P+層4a、5aの上面位置より下になるように形成する。次に、全体にALD法を用いてW層で覆う。そして、図2Aに示すように、RIE法を用いて、底部のW層を除去して、空孔40a(これは特許請求範囲の第1の空孔に対応する)、40bの側面にW層70a、70bを形成する。なお、W層70a、70bは、単層または複数層よりなる金属、合金、または絶縁層であってもよい。
【0068】
次に、図1S図1Vで示した工程と同じ工程を行う。これにより、図2Bに示すように、Ta柱41a、41bと、それら外周を囲んだHfO2層36との間にW層70aa、70bb(図示せず)が形成される。Ta柱41a、41b、W層70aa(これは特許請求範囲の第1の材料層に対応する)、70bb上にはSiO2層42aa、42bb(図示せず)が形成されている。そして、図1W図1Zで示したのと同じ工程を行うことによって、P層基板1上に高密度SRAMセル回路が形成される。
【0069】
第2実施形態の製造方法によれば、次のような特徴が得られる。
(特徴1)
第1実施形態では、コンタクト部であるTa柱41a、41bの転倒、または傾き防止のためTa柱41a、41bの側面を囲んだHfO2層36を用いた。これに対し、本実施形態では、更にTa柱41a、41bの側面を囲んでW層70aa、70bbを形成することによって、Ta柱41a、41bの転倒、または傾き発生を、更に防止することができる。なお、W層70aa、70bbに変えて絶縁層を用いても、コンタクト部であるTa柱41a、41bの断面中心部がTaによる導体層であるので、N+層3a、3d、P+層4a、5aと、の電気的接続は問題ない。
(特徴2)
第1実施形態においてのTa柱41a、41bの転倒、または傾き防止に、ゲート絶縁層であるHfO2層36のみを用いている。HfO2層36は、回路設計から求められるゲート絶縁層としての、例えば膜厚、物理定数などの使用上の制約を持つ。これに対して、本実施形態では、W層70aa、70bbは、他の金属層、合金層、絶縁層を用いて、より望ましい転倒、または傾き防止のためのプロセス設計が可能である。
(特徴3)
本実施形態では、W層70aa、70bbの底部位置はN+層3a、3b、3c、3d、P+層4a、5aの上面位置より下になるように形成した。これにより、Ta柱41a、41bを支える支点が、HfO2層36の底部と、W層70aa、70bbの底部と、の2点になる。これにより、Ta柱41a、41bの転倒、または傾き防止を更に改善できる。
【0070】
(第3実施形態)
以下、図3A図3Bを参照しながら、本発明の第3実施形態に係る、SGTを有する柱状半導体装置の製造方法について説明する。各図において、(a)は平面図、(b)は(a)のX-X’線に沿う断面構造図、(c)は(a)のY-Y’線に沿う断面構造図である。本実施形態は、第1実施形態が8個のSGTでSRAMセルを構成した例に対して、6個のSGTでSRAMセルを構成した例である。
【0071】
図1A図1Nに示した工程と同等の工程を行い、図3Aに示すように、N+層72と、P+層73a、73bとの上に、Si柱75a、75b、75c、75d、75e、75f、75g、75hを形成する。Si柱75a~75hの頂部上にマスク材料層74a、74b、74c、74d、74e(図示せず)、74f、74g(図示せず)、74h(図示せず)を形成している。そして、N+層72と、P+層73a、73bは、第1実施形態と同じくP層基板1、N層2上に形成する。これにより、第1実施形態では、1セル領域に8個のSi柱6a~6jが形成されたに対して、本実施形態では、1つのSRAMセル内に6個のSi柱75a、75c、75d、75e、75f、75hが形成される。また、平面視において、Si柱75a、75b、75cとは、共通の2本の接線A’,B’に接して配置されている。同じくSi柱75f、75g、75hとは、共通の2本の接線に接して配置されている。
【0072】
次に図1O図1Xで示した工程と同等の工程を行う。そして、空孔(図示せず)の底部外周部のN+層72a、P+層73aaの上面に、例えばNiSiなどの合金層76aを形成する。同じく、N+層72d、P+層73bbの上面に、合金層(図示せず)を形成する。そして、図3Bに示すように、Si柱75b、75gの場所にコンタクト部であるTa柱80a、80bを形成する。N層2a上にN+層72a、72b、P+層73aaが形成される。同じく、N層2b上にN+層72c、72d(図示せず)、P+層73bbが形成される。そして、Si柱75a、75c、75d、75e、75f、75hと、Ta柱80a、80bの底部の外周部にSiO2層77が形成される。そして、Si柱75a、75c、75d、75e、75f、75h、Ta柱80a、80bの側面と、SiO2層77上に、ゲート絶縁層であるHfO2層78が形成される。HfO2層78の外側にあって、Si柱75aを囲んだゲート導体層であるTiN層84aと、Si柱75c、75dを囲んだゲート導体層であるTiN層84bと、Si柱75e、75fを囲んだゲート導体層であるTiN層84cと、Si柱75hを囲んだゲート導体層であるTiN層84dが形成される。Si柱75a、マスク材料層74aの側面を囲んだ、SiN層82a、SiO2層83aがTiN層84a上に形成されている。同じく、Si柱75c、75d、マスク材料層74c、74dの側面を囲んだ、SiN層82b、SiO2層83bがTiN層84b上に形成されている。同じく、Si柱75e、75f、マスク材料層74e、74fの側面を囲んだ、SiN層82c、SiO2層83cがTiN層84c上に形成されている。同じく、Si柱75h、マスク材料層74hの側面を囲んだ、SiN層82d、SiO2層83d(図示せず)がTiN層84d上に形成されている。そして、Ta柱80a、80b上にSiO2層81a、81b(図示せず)が形成されている。そして、全体を囲み、その上面位置がマスク材料層74a、74c、74d、74e、74f、74hの上面位置となるSiO2層85が形成される。そして、Ta柱80aとTiN層84cとを接続するW層87waが形成される。同じくに、Ta柱80bとTiN層84bとを接続するW層87wb(図示せず)が形成される。そして、W層87wa上にSiO2層88aが、同じくW層87wb上にSiO2層88b(図示せず)が形成される。そして、図1Y図1Zで示した工程と、同等の工程を行う。これによりP層基板1上にSRAMセル回路が形成される。なお、平面視において、Si柱75a、75cと、Ta柱80aとは、図3Aで示した共通の2本の接線A’,B’に接して配置されている。同じくSi柱75f、75hと、Ta柱80bとは、共通の2本の接線に接して配置されている。
【0073】
図3Bにおいて、Si柱75aに選択SGT、Si柱75cに負荷SGT、Si柱75dに駆動SGTが形成されている。同じく、Si柱75eに駆動SGT、Si柱75fに負荷SGT、Si柱75hに選択SGTが形成される。
【0074】
第3実施形態の製造方法によれば、次のような特徴が得られる。
(特徴1)
+層72a、P+層73aaを接続するコンタクト部であるTa柱80aと、N+層72d、P+層73bbを接続するコンタクト部であるTa柱80bと、はSi柱75b、75gが形成された位置に、それらの外周形状を同じくして形成されている。Si柱75b、75gは、Ta柱80a、80bと自己整合で形成されているので、コンタクト部であるTa柱80a、80bは、Si柱75a、75c、75d、75e、75f、75hに対して、自己整合で形成される。これはSRAMセルの高密度化に繋がる。
(特徴2)
本実施形態では、第1実施形態と同じく、Ta柱80a、80bの側面全体を囲んでSi柱75a、75c、75d、75e、75f、75hの側面全体を囲んだゲート絶縁層であるHfO2層78が繋がって形成されている。本実施形態では、Si柱75a、75c、75d、75e、75f、75hの側面からTa柱80a、80b側面に繋がったHfO2層78が、Ta柱80a、80bの転倒、または傾き発生に対する防止層として働く。
(特徴3)
第1実施形態と同じく、コンタクト部Ta柱80a、80bを、Si柱75a、75c、75d、75e、75f、75hに対して自己整合で形成されることによって、Ta柱80aとSi柱75a、75c間の距離と、Ta柱80bとSi柱75f、75h間の距離と、を短くできる。これにより、ゲートTiN層84b、84cを、Si柱75c、75d間と、Si柱75e、75f間と、のそれぞれの側面で接触して、Si柱75c、75d間と、Si柱75e、75f間と、の距離を、ゲートHf 2 層78と、ゲートTiN層84b、84cと、を加えた厚さの2倍まで短く出来る。これにより、SRAMセルの高密度化が図れる。
【0075】
(第4実施形態)
以下、図4A図4Dを参照しながら、本発明の第4実施形態に係る、ロジック回路用SGTを有する柱状半導体装置の製造方法について説明する。各図において、(a)は平面図、(b)は(a)のX-X’線に沿う断面構造図、(c)は(a)のY-Y’線に沿う断面構造図である。
【0076】
図1A図1Iに示した工程と同等の工程を行い、図4Aに示すように、マスク絶縁層89上に、平面視において、X方向に平行して並んだ矩形SiN層91a、91b、91c、91dを形成する。マスク絶縁層89より下方には下からP層基板1、N層2、N+層86、P+層87、i層88が形成されている。そして、矩形SiN層91a、91b、91c、91d上には、それぞれ矩形マスク材料層90a、90b、90c、90dが形成されている。
【0077】
次に、リソグラフィ法とRIEエッチング法により、図4Bに示すように、矩形マスク材料層90b、矩形SiN層91bの平面視における上方部を除去して、矩形マスク材料層90bb、矩形SiN91bbを形成する。
【0078】
次に、矩形マスク材料層90a、90bb、90c、90d、矩形SiN層91a、91bb、91c、91dをマスクにしてマスク材料層89をエッチングして、図4Cに示すように矩形マスク材料層89a、89b、89c、89dを形成する。そして、残存している矩形マスク材料層90a、90bb、90c、90d、矩形SiN層91a、91bb、91c、91dを除去する。そして、矩形マスク材料層89a、89b、89c、89dをマスクにして、i層88、N+層86、P+層87をエッチングしてSi柱95a、95b、95c、95dを形成する。そして、Si柱95a、95b、95c、95dの外周部のN+層86、P+層87、N層2、P層基板1をエッチングして、P層基板1上に、N層2A、N+層86a、P+層87aよりなるSi台92を形成する。
【0079】
次に図1P図1Zで示した工程と同等の工程を行い、図4Dに示すように、矩形Si柱95bの場所にコンタクト部である矩形Ta柱101を形成する。矩形Si柱95a、95c、95dと、矩形Ta柱101の底部の外周部にSiO2層97が形成されている。そして、矩形Si柱95a、95c、95d、矩形Ta柱101の側面と、SiO2層97上に、ゲート絶縁層であるHfO2層99が形成される。HfO2層99の外側にあって、矩形Si柱95a、95c、95d、矩形Ta柱101を囲み、かつ繋がったゲート導体層であるTiN層106が形成される。TiN層106は、矩形Ta柱101の囲むHfO2層99の側面には形成されない。そして、TiN層106、矩形Ta柱101の外周部にSiO2層103が形成される。そして、矩形Ta柱101上にSiO2層102が形成される。そして、矩形Si柱95a、95c、95dの頂部の外周部にSiN層104を形成する。そして、矩形Si柱95aの頂部を囲んだN+層105aと、矩形Si柱、95c、95dの頂部を囲んだP+層105b、105cと、が形成される。そして、全体を覆ってSiO2108が形成される。そして、N+層105a上にコンタクトホール109a、TiN層106上にコンタクトホール109b、矩形Ta柱101上にコンタクトホール109c、P+層105b、105c上にコンタクトホール109d、109eを形成する。そして、コンタクトホール109aを介してN+層105aと接続したグランド配線金属層Vssと、コンタクトホール109bを介してTiN層106と接続した入力配線金属層Vinと、コンタクトホール109cを介して矩形Ta柱101と接続した出力配線金属層Voutと、コンタクトホール109aを介してN+層105aと接続したグランド配線金属層Vssと、コンタクトホール109d、109eを介してP+層105b、105cと接続した電源配線金属層Vddと、を形成する。これにより、P層基板1上にCMOSインバータ回路が形成される。
【0080】
(特徴1)
本実施形態では、矩形Si柱95a、95c、95dと自己整合で形成された矩形Si柱95bの場所にコンタクト部である矩形Ta柱101が形成される。これにより、矩形Ta柱101は矩形Si柱95a、95c、95dと自己整合で形成される。これにより、P層基板1上に高密度CMOSインバータ回路が形成される。
(特徴2)
本実施形態では、他の実施形態と同じく、矩形Si柱95a、95c、95dを囲んだゲート絶縁層であるHfO2層が繋がってコンタクト部である矩形Ta柱101を囲んで形成される。これらにより、HfO2層36が,矩形Ta柱101の転倒、または傾き防止層として働く。そして、また、矩形Ta柱101の底部の位置を、N+層86a、P+層87aの上面より下に形成することにより、より矩形Ta柱101の転倒、または傾き発生が防止される。
(特徴3)
本実施形態のCMOSインバータ回路は、他の実施形態において説明したSRAM回路と同じ工程により形成することができる。これにより、高密度インバータ回路と高密度SRAM回路を同じP層基板1上に形成できる。そして、N+層86a、105a、P+層87a、105、105c、ゲートTiN層106の配置、構造、そして配線の形状を変えることによって、他の高密度ロジック回路が形成される。これにより、同一P層基板1上に、高密度SRAM回路と高密度ロジック回路を形成することができる。
(特徴4)
本実施形態では、大きい駆動電流を得るため、平面視においてY方向に伸延した矩形Si柱95a、95c、95dを形成した。これにより、矩形Ta柱101のY方向の長さを、矩形Si柱95a、95c、95dの長さより短くして、平面視において、矩形Si柱95a、95cの間に、ゲートTiN層106と出力配線金属層Voutとを繋げるコンタクトホール109bを形成することができた。これにより、より高密度のCMOSインバータ回路が形成される。これは、他のロジック回路形成にも適用できる。これにより、高密度のロジック回路が形成される。
【0081】
なお、本発明の説明では、1つの半導体柱に1個のSGTを形成したが、2個以上を形成する回路形成においても、本発明を適用できる。
【0082】
また、第1実施形態において、マスク材料層7はSiO2層、酸化アルミニウム(Al23、以後AlOと称する)層、SiO2層を積層して形成した。そして、窒化シリコン(SiN)層8を堆積した。そして、SiO2層からなるマスク材料層9を堆積した。そして、SiN層からなるマスク材料層10を堆積した。これらマスク材料層7、9、10、SiN層8は、本発明の目的に合う材料であれば、単層または複数層よりなる他の材料層を用いてもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0083】
また、第1実施形態において、図1Eに示したように、ALD法により帯状SiGe層12aa、12abを形成した。この帯状SiGe層12aa、12abは、本発明の目的に合う材料であれば、単層または複数層よりなる他の材料層を用いてもよい。このことは、帯状SiGe層18a、18bにおいても、同様である。また、帯状SiGe層12aa、12abと、帯状SiGe層18a、18bの材料母体は同じでなくても良い。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0084】
また、第1実施形態における、帯状マスク材料層15a、15b、17a、17b、19a、19b、21a、21bと、帯状SiN層16a、16b、20a、20bは、本発明の目的に合う材料であれば、単層または複数層よりなる他の材料層を用いることができる。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0085】
また、第1実施形態において、帯状マスク材料層9a、15a、15b、17a、17b、19a、19b、21a、21bのそれぞれの上表面と、底部の位置が、同じのように形成したが、本発明の目的に合うならば、それぞれの上表面と、底部の位置が垂直方向で異なっていてもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0086】
また、第1実施形態において、帯状マスク材料層9a、15a、15b、17a、17b、19a、19b、21a、21bの厚さ、及び形状は、CMPによる研磨、及びRIEエッチング、洗浄により変化する。この変化は、本発明の目的に合う程度の内であれば、問題ない。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0087】
また、第1実施形態において、図1Q図1Sに示す、SiO2層22、SiN層24、帯状SiGe層25、SiN層による帯状マスク材料層26、帯状マスク材料層27a、27b、帯状SiN層28a、28bは、本発明の目的に合う材料であれば、単層または複数層よりなる材料層を用いることができる。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0088】
また、第1実施形態では、Si柱6b、6iの場所にコンタクト部Ta柱41a、41bを形成した。回路設計に合わせて、Si柱b、6i以外のSi柱にコンタクト部Ta柱を形成してもよい。このことは、SRAMセル回路以外の回路形成に適用できる。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0089】
また、第1実施形態では、図1Zに示したように、ゲート金属層として、TiN層37a、37b、37c、37dを用いた。このTiN層37a、37b、37c、37dは、本発明の目的に合う材料であれば、単層または複数層よりなる材料層を用いることができる。TiN層37a、37b、37c、37dは、少なくとも所望の仕事関数を持つ、単層または複数層の金属層より形成できる。この外側に、たとえばW層を形成してもよい。この場合、W層はゲート金属層を繋げる金属配線層の役割を行う。W層以外に単層、または複数層の金属層を用いても良い。また、PチャネルSGTを形成するSi柱6c、6hの外周部と、NチャネルSGTを形成するSi柱6a、6d、6e、6f、6g、6jの外周部のゲート導体層と、は異なる材料で形成してもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0090】
また、本発明の第1~第3実施形態の説明では、SRAMセルを形成する例を用いて説明した。第4実施形態では、ロジック回路における本発明の適用例を説明した。本発明は、例えば、マイクロプロセッサ回路のように、SRAM回路とロジック回路が、同じチップ上に形成されている回路形成に対して適用できる。
【0091】
また、第1実施形態において、平面視において、円形状のマスク材料層7a~7jを形成した。マスク材料層7a~7jの形状は楕円状であってもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0092】
第1実施形態では、ゲート絶縁層として、HfO2層36を用い、ゲート材料層としてTiN層37a、37b、37c、37dを用いたが、それぞれを単層または複数層よりなる他の材料層を用いてもよい。同様にW層についても、単層または複数層よりなる他の材料層を用いてもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0093】
また、第1実施形態では、図1Yに示したように、選択エピタキシャル結晶成長法を用いて、N+層56a、56c、56d、56e、56f、56h、P+層56b、56gを形成した。この後に、熱処理により、ドナー不純物原子、またはアクセプタ不純物原子を、Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6h、6jの頂部に熱拡散させて、N+層、又はP+層を、Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6h、6jの頂部に形成してもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0094】
また、第1実施形態では、P層基板1上にSGTを形成したが、P層基板1の代わりにSOI(Silicon On Insulator)基板を用いても良い。または、基板としての役割を行うものであれば他の材料基板を用いてもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0095】
また、第1実施形態では、Si柱6a、6c、6d、6e、6f、6h、6jの上下に、同じ極性の導電性を有するN+層3a、3b、3c、3d、56a、56c、56d、56e、56f、56h、P+層56b、56gを用いて、ソース、ドレインを構成するSGTについて説明したが、極性が異なるソース、ドレインを有するトンネル型SGTに対しても、本発明が適用できる。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0096】
また、上記各実施形態では、チャネル、ソース、ドレインなどの半導体領域としてSi(シリコン)を用いた例について説明した。しかしこれに限られず、本発明の技術思想は、SiGeのようにSiを含んだ半導体材料、またはSi以外の半導体材料を用いた、3次元半導体装置にも適用可能である。
【0097】
また、第1実施形態では、Si柱6a~6jは単体のSi層より形成したが、垂直方向において異なる半導体母体からなる半導体層を積層してSGTのチャネルを形成してもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0098】
また、縦型NAND型フラッシュメモリ回路では、半導体柱をチャネルにして、この半導体柱を囲んだトンネル酸化層、電荷蓄積層、層間絶縁層、制御導体層から構成されるメモリセルが複数段、垂直方向に形成される。これらメモリセルの両端の半導体柱には、ソースに対応するソース線不純物層と、ドレインに対応するビット線不純物層がある。また、1つのメモリセルに対して、その両側のメモリセルの一方がソースならば、他方がドレインの役割を行う。このように、縦型NAND型フラッシュメモリ回路はSGT回路の1つである。従って、本発明はNAND型フラッシュメモリ回路に対しても適用することができる。
【0099】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明の一実施例を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。上記実施例及び変形例は任意に組み合わせることができる。さらに、必要に応じて上記実施形態の構成要件の一部を除いても本発明の技術思想の範囲内となる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明に係る、柱状半導体装置と、その製造方法によれば、高密度の柱状半導体装置が得られる。
【符号の説明】
【0101】
1 P層基板
2、2a、2b、2A N層
3、3a、3b、3c、3d、56a、57c、57d、57e、57f、57h、72、72a、72b、72c、72d、86、86a、105a N+
4、4a、5a、56b、56g、73a、73b、73aa、73bb、87a、105b、105c P+
6、88 i層
7、9、10、7a、7b、7c、7d、7e、7f、7g、7h、7i、7j、30a、30b、30c、30d、33a、33b、38、74a、74b、74c、74d、74e、74f、74g、74h、89 マスク材料層
9a、15a、15b、17a、17b、19a、19b、21a、21b、26、27a、27b、 帯状マスク材料層
9aa、9ab、17aa、17ab、17ba、17bb、21aa、21ab、21ba、21bb 正方形状マスク材料層
90a、90b、90c、90d、90bb 矩形マスク材料層
8、24、44、82a、82b、82c、82d、104 SiN層
8a、16a、16b、20a、20b、24a、24b.28a、28b 帯状SiN層
8aa、8ab、16aa、16ba、20aa、20ab、20ba、20bb 正方形状SiN層
91a、91b、91c、91d、91bb 矩形SiN層
12a、12b SiGe層
12aa、12ab、18a、18b 帯状SiGe層
13、24、22、22a、22b、42a、42b、42aa、42bb、46a、46b、46c、46d、48、55、58、60、64、66、85、83a、83b、83c、83d、81a、81b、97、102、103、106 SiO2
50a、50b 凹部
8aa、8ab、9aa、9ab、17aa、17ab、17ba、17bb、21aa、21ab、21ba、21bb 正方形状マスク材料層
6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6i、6j、75a、75b、75c、75d、75e、75f、75g、75h Si柱
95a、95b、95c、95d 矩形Si柱
36、78、99 HfO2層
37、37a、37b、37c、37d、37A、106 TiN層
39、47a、47b、47c、47d レジスト層
40a、40b 空孔
41a、41b、80a、80b、101 Ta柱
52a、52b、57a、57b、57c、57d、57e、57f、57g、57h、70a、70b、70aa、70bb W層
61a、61b、61c、61d、65a、65b、67a、67b 、109a、109b、109c、109d、109e コンタクトホール
76a、76b 合金層
92 Si台
WL ワード配線金属層
BL ビット配線金属層
RBL 反転ビット配線金属層
Vss1、Vss2、Vss グランド配線金属層
Vdd 電源配線金属層
Vin 入力配線金属層
Vout 出力配線金属層
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図1J
図1K
図1L
図1M
図1N
図1O
図1P
図1Q
図1R
図1S
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図1U
図1V
図1W
図1X
図1Y
図1Z
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6