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特許7350386高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-15
(45)【発行日】2023-09-26
(54)【発明の名称】高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置
(51)【国際特許分類】
   B60L 5/26 20060101AFI20230919BHJP
   B61D 17/12 20060101ALI20230919BHJP
【FI】
B60L5/26 Z
B61D17/12
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022102777
(22)【出願日】2022-06-27
(65)【公開番号】P2023086655
(43)【公開日】2023-06-22
【審査請求日】2022-06-28
(31)【優先権主張番号】202111508318.7
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518309666
【氏名又は名称】中南大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002251
【氏名又は名称】弁理士法人眞久特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼▲潔▼
(72)【発明者】
【氏名】高▲広▼▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼堂▲紅▼
(72)【発明者】
【氏名】王家斌
(72)【発明者】
【氏名】周▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】丁▲艷▼思
(72)【発明者】
【氏名】▲韓▼▲帥▼
(72)【発明者】
【氏名】▲登▼▲賛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼雨薇
(72)【発明者】
【氏名】▲項▼▲濤▼
【審査官】井古田 裕昭
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-205308(JP,A)
【文献】国際公開第2010/134763(WO,A2)
【文献】独国特許出願公開第102014209557(DE,A1)
【文献】特表2016-527852(JP,A)
【文献】特開2007-028890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 5/26
B61D 17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置であって、前記装置はフェアリングと駆動装置とを含み、
前記フェアリングは列車本体の中心軸線に沿って流線型のドーム型または水滴型に設置され、前記列車本体の中心軸線に沿って対称的に2つの側翼を備え、中央にロアアームフレーム穴とタイロッド穴が開けられ、パンタグラフは前記フェアリングの内に設置され、前記ロアアームフレーム穴とタイロッド穴は、それぞれ前記パンタグラフのロアームフレームとタイロッドが通過するために使用され、
前記駆動装置は2つのグループで前記列車本体の中心軸線に沿って対称的に設置され、それぞれ2つの前記側翼に接続され、前記駆動装置は前記側翼の開閉と回転を駆動するために使用され
前記駆動装置には、取り付けサポート、回転軸、フロントリンクおよびリアリンクが含まれ、前記駆動装置は、前記取り付けサポートを介して前記フェアリング内に取り付けられ、前記回転軸は前記取り付けサポート上に回転可能に設置され、前記フロントリンクの第1の端は、前記側翼に回転可能に接続され、前記フロントリンクの第2の端は、前記回転軸に回転可能に接続され、前記リアリンクの第1の端は、前記側翼に回転可能に接続され、前記リアリンクの第2の端は、前記回転軸に回転可能に接続され、前記フロントリンクとリアリンクとの間に伸縮機構が設置され、前記取り付けサポートに回転機構が固定して設置され、前記回転機構は、前記回転軸を駆動して回転させるために使用されることを特徴とする高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置。
【請求項2】
前記フェアリングと前記列車本体の間の接続は、流線形の漸変的構造であることを特徴とする請求項1に記載の高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置。
【請求項3】
前記側翼の内壁には、フロントサポートとリアサポートが固定して設置され、前記フロントリンクの第1の端は前記フロントサポートにヒンジ接続され、前記リアリンクの第1の端は前記リアサポートにヒンジ接続されることを特徴とする請求項に記載の高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置。
【請求項4】
前記回転軸上にフロントリンクシートとリアリンクシートが固定して設置され、前記フロントリンクの第2の端は前記フロントリンクシートにヒンジ接続され、前記リアリンクの第2の端は前記リアリンクシートにヒンジ接続されることを特徴とする請求項に記載の高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置。
【請求項5】
前記側翼の内壁の外側にはサイドロック穴があり、前記列車本体にはサイドロックがあり、前記サイドロックにサイドロックモータが設置されることを特徴とする請求項1に記載の高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置。
【請求項6】
前記側翼の内壁後側にはリアロック穴があり、前記列車本体にはリアロックがあり、前記リアロックにリアロックモータが設置されることを特徴とする請求項1に記載の高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置。
【請求項7】
2つの前記側翼の間にシール材が設置されることを特徴とする請求項1に記載の高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置。
【請求項8】
前記側翼と前記列車本体との間にシール材が設置されることを特徴とする請求項1に記載の高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置。
【請求項9】
前記ロアアームフレーム穴とタイロッド穴に可動式シーリングバッフルが設置されることを特徴とする請求項1に記載の高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速列車の技術分野、特に高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高速列車の速度が上がるにつれ、空力効果が列車の安定性や快適性に大きな影響を与え、列車の空力抵抗や空力騒音の問題が注目されている。高速列車の空力抵抗、空力騒音は主に列車の頭尾、台車、列車本体の表面、パンタグラフなどの領域から発生する。列車が高速で走っているとき、パンタグラフは完全に空気にさらされ、気流がパンタグラフ領域を通過するとき、パンタグラフロッドは多くの渦放出を生成し、渦を互いに混合させ、この領域の気流の乱れを非常に強くし、大きな空力抵抗と空力騒音をもたらす。パンタグラフ領域の既存の最適化手段のほとんどは、ロッドの最適化に焦点を合わせ、例えば、ロッドの形状の変更やロッドの表面の設計などにより、ロッドの渦放出を減らしたり、または、沈んだパンタグラフを使用して、パンタグラフの下部構造への流入気流の影響を減らしたりして、この領域の流れ場構造を最適化し、抗力と騒音の低減という目的を達成する。パンタグラフの沈下はパンタグラフの下部での気流の影響を低減するが、空洞は追加の空力抵抗と空力騒音を形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置を提供するものであり、それが、既存のパンタグラフによって引き起こされる空力抵抗と空力騒音の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、本発明の実施例は、高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置を提供し、
前記装置は、
フェアリングであって、列車本体の中心軸線に沿って流線型のドーム型または水滴型に設置され、前記列車本体の中心軸線に沿って対称的に2つの側翼を備え、中央にロアアームフレーム穴とタイロッド穴が開けられ、パンタグラフは前記フェアリングの内に設置され、前記ロアアームフレーム穴とタイロッド穴は、それぞれ前記パンタグラフのロアームフレームとタイロッドが通過するために使用されるものと、
駆動装置であって、2つのグループで前記列車本体の中心軸線に沿って対称的に設置され、それぞれ2つの前記側翼に接続され、前記側翼の開閉と回転を駆動するために使用されるものと、を含む。
前記駆動装置には、取り付けサポート、回転軸、フロントリンクおよびリアリンクが含まれ、前記駆動装置は、前記取り付けサポートを介して前記フェアリング内に取り付けられ、前記回転軸は前記取り付けサポート上に回転可能に設置され、前記フロントリンクの第1の端は、前記側翼に回転可能に接続され、前記フロントリンクの第2の端は、前記回転軸に回転可能に接続され、前記リアリンクの第1の端は、前記側翼に回転可能に接続され、前記リアリンクの第2の端は、前記回転軸に回転可能に接続され、前記フロントリンクとリアリンクとの間に伸縮機構が設置され、前記取り付けサポートに回転機構が固定して設置され、前記回転機構は、前記回転軸を駆動して回転させるために使用される。
【0005】
ここで、前記フェアリングと列車本体の間の接続は、流線形の漸変的構造である。
【0006】
ここで、前記駆動装置には、取り付けサポート、回転軸、フロントリンクおよびリアリンクが含まれ、前記駆動装置は、前記取り付けサポートを介して前記フェアリング内に取り付けられ、前記回転軸は前記取り付けサポート上に回転可能に設置され、前記フロントリンクの第1の端は、前記側翼に回転可能に接続され、前記フロントリンクの第2の端は、前記回転軸に回転可能に接続され、前記リアリンクの第1の端は、前記側翼に回転可能に接続され、前記リアリンクの第2の端は、前記回転軸に回転可能に接続され、前記フロントリンクとリアリンクとの間に伸縮機構が設置され、前記取り付けサポートに回転機構が固定して設置され、前記回転機構は、前記回転軸を駆動して回転させるために使用される。
【0007】
ここで、前記側翼の内壁には、フロントサポートとリアサポートが固定して設置され、前記フロントリンクの第1の端は前記フロントサポートにヒンジ接続され、前記リアリンクの第1の端は前記リアサポートにヒンジ接続される。
【0008】
ここで、前記回転軸上にフロントリンクシートとリアリンクシートが固定して設置され、前記フロントリンクの第2の端は前記フロントリンクシートにヒンジ接続され、前記リアリンクの第2の端は前記リアリンクシートにヒンジ接続される。
【0009】
ここで、前記側翼の内壁の外側にはサイドロック穴があり、前記列車本体にはサイドロックがあり、前記サイドロックにサイドロックモータが設置される。
【0010】
ここで、前記側翼の内壁後側にはリアロック穴があり、前記列車本体にはリアロックがあり、前記リアロックにリアロックモータが設置される。
【0011】
ここで、2つの前記側翼の間にシール材が設置される。
【0012】
ここで、前記側翼と列車本体との間にシール材が設置される。
【0013】
ここで、前記ロアアームフレーム穴とタイロッド穴に可動式シーリングバッフルが設置される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の上記の手段は、以下の有益な効果を有する。
【0015】
本発明の高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置は、パンタグラフ自体の機能に影響を与えず、同時にパンタグラフ領域の流れ場構造を最適化することができる。パンタグラフ構造を包む完全密閉型フェアリングを設計することにより、パンタグラフを下げると、パンタグラフは完全に閉じ、パンタグラフを上げると、パンタグラフの下部にあるベースとロッド、およびパンタグラフ領域の空洞への気流による衝撃が減少し、抗力低減と騒音低減の目的を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】上昇状態にある本発明による高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置の構造概略図である。
図2】降下状態にある本発明による高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置の構造概略図である。
図3】本発明による高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置の側翼展開状態の概略構造図である。
図4】本発明による高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置の片側駆動装置の接続の概略図である。
図5】本発明による高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置の片側駆動装置の構造の概略図である。
図6】本発明による高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置のロック穴ロック構造概略図である。
図7】本発明による高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置の騒音低減効果測定点の位置の概略図である。
図8】降下状態にある本発明による高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置の騒音低減效果図である。
図9】上昇状態にある本発明による高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置の騒音低減效果図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明によって解決される技術的問題、技術的解決手段および利点をより明確にするために、添付の図面および特定の実施形態を参照して、以下を詳細に説明する。
【0018】
既存のパンタグラフによって引き起こされる空力抵抗と空力騒音の問題を目指して、本発明は、高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置を提供する。
【0019】
図1図4に示すように、本発明の実施例は、高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置を提供する。この装置はフェアリング1と駆動装置を含み、前記フェアリング1は、流線型のドーム型または水滴型に設置され、2つの側翼101を対称的に備え、前記フェアリング1の中央にロアアームフレーム穴102とタイロッド穴103が開けられ、パンタグラフ2が前記フェアリング1の内に設置され、前記ロアアームフレーム穴101とタイロッド穴102は、それぞれ前記パンタグラフ2のロアアームフレームとタイロッドが通過するために使用される。前記駆動装置は2つのグループで対称的に設置され、この2つのグループの前記駆動装置はそれぞれ2つの前記側翼101に接続され、前記側翼101の開閉と回転を駆動するために使用される。
【0020】
本発明の実施例による高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置にあっては、2つの前記側翼101が、列車本体3の中心軸線に沿って対称的に取り付けられ、パンタグラフ2が下降状態にあるとき、2つの前記側翼101が閉じられ、パンタグラフ2の完全な被覆を達成し、パンタグラフ2が持ち上げられると、前記駆動装置が前記側翼101を駆動して外側に開き、前記側翼101が完全に開かれた後、前記駆動装置が前記側翼101を駆動して回転させ、その結果、前記側翼101が列車本体の近くに沈み、パンタグラフ2が完全に持ち上げられると、前記駆動装置が、前記側翼101を駆動して持ち上げ、次に中央に閉じ、パンタグラフ2の下部構造を包む。
【0021】
ここで、前記フェアリング1と列車本体3の間の接続は、流線形の漸変的構造である。
【0022】
本発明の実施例による高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置にあっては、前記フェアリング1は、鞘翅の形に似たドーム型であり、前記フェアリングは水滴型に設置することもでき、前記フェアリング1の外周が低く、中央が高く、全体が弧状構造になっている。
【0023】
ここで、各前記側翼101の縁には、ロアアームフレーム半穴とダイロッド半穴が設置され、2つの前記側翼101が閉じられると、2つの前記ロアアームフレーム半穴が密着して前記ロアアームフレーム穴102を構成し、2つの前記ダイロッド半穴が密着して前記タイロッド穴103を構成し、前記ロアアームフレーム穴102およびタイロッド穴103は、フェアリング1がパンタグラフロァアームフレームおよびダイロッド構造と干渉しないことを保証にするために使用される。
【0024】
図4及び図5に示すように、前記駆動装置には、取り付けサポート104、回転軸105、フロントリンク106およびリアリンク107が含まれ、前記駆動装置は、前記取り付けサポート104を介して前記フェアリング1内に取り付けられ、前記回転軸105は前記取り付けサポート104上に回転可能に設置され、前記フロントリンク106の第1の端は、前記側翼101に回転可能に接続され、前記フロントリンク106の第2の端は、前記回転軸105に回転可能に接続され、前記リアリンク107の第1の端は、前記側翼101に回転可能に接続され、前記リアリンク107の第2の端は、前記回転軸105に回転可能に接続され、前記フロントリンク106とリアリンク107との間に伸縮機構が設置され、前記取り付けサポート104に回転機構が固定して設置され、前記回転機構は、前記回転軸105を駆動して回転させるために使用される。
【0025】
ここで、前記側翼101の内壁には、フロントサポート108とリアサポート109が固定して設置され、前記フロントリンク106の第1の端は前記フロントサポート108にヒンジ接続され、前記リアリンク107の第1の端は前記リアサポート109にヒンジ接続される。
【0026】
ここで、前記回転軸105上にフロントリンクシート110とリアリンクシート111が固定して設置され、前記フロントリンク106の第2の端は前記フロントリンクシート110にヒンジ接続され、前記リアリンク107の第2の端は前記リアリンクシート111にヒンジ接続される。
【0027】
本発明の実施例による高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置にあっては、前記フロントリンク106は湾曲したロッド構造であり、前記リアリンク107はストレートロッド構造であり、前記フロントリンク106の第1の端と前記側翼101との間の接続は、前記リアリンク107の第1の端と前記側翼101との間の接続により前に位置し、前記伸縮機構はシリンダー112であり、前記回転機構は回転モータ113であり、前記シリンダ112のテールは前記リアリンク107に固定接続されており、前記シリンダー112の延出端は前部フロントリンク106に固定接続され、前記回転モータ113は、前記取り付けサポート104に固定的に取り付けられ、前記回転モータ113は、カップリングを介して前記回転軸105に接続され、前記シリンダーを伸ばすと、前記側翼101の前部が少し動き、前記側翼101の後部は、比較的大きく展開され、前記側翼101の外向きの展開を実現し、前記回転モータ113が回転すると、前記回転軸105が前記フロントリンク106とリアリンク107を駆動して回転させ、それにより前記側翼101を駆動して回転させ、したがって、本発明のフェアリング1は、甲虫類の離陸前の鞘翅開放方法を採用し、フェアリング1の2つの側翼101がそれぞれ2つの側に展開された後、わずかに沈み、この開放方法は、フェアリング1が開かれたときに外側が列車の限界を超えるのを防ぐことができ、パンタグラフ2が上げられたときに首頭がフェアリングと干渉しないことを保証することもできる。
【0028】
図6に示すように、前記側翼101の内壁の外側にはサイドロック穴114があり、前記列車本体3にはサイドロック301があり、前記サイドロック301にサイドロックモータが設置される。
【0029】
ここで、前記側翼101の内壁後側にはリアロック穴115があり、前記列車本体3にはリアロック穴302があり、前記リアロック穴302にリアロックモータが設置される。
【0030】
本発明の実施例による高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置では、前記側翼101が閉じられると、前記サイドロック310は、前記サイドロックモータによって駆動されて、前記サイドロック穴114内に伸び、前記リアロック302は、前記リアロックモータによって駆動されて、前記リアロック穴115内に伸び、したがって、前記側翼101は列車本体4とロックされ、列車が高速で走行するときにフェアリング1の2つの側翼101が振動するのを防ぐ。
【0031】
ここで、2つの前記側翼101の間にシール材が設置される。
【0032】
ここで、前記側翼101と列車本体3との間にシール材が設置される。
【0033】
ここで、前記ロアアームフレーム穴102とタイロッド穴103に可動式シーリングバッフルが設置される。
【0034】
本発明の実施例による高速列車のパンタグラフ領域における完全密閉型ガイド装置では、フェアリングが閉じられたときに2つの翼の間の気密性を確保するために、2つの前記側翼101の間にゴム製のシーリングストリップが設置され、前記側翼101および列車本体部品4には、フェアリングが閉じられたときに2つの翼と本体との間の気密性を確保するためにゴム製のシーリングストリップが設置され、前記ロアアームフレーム穴102とタイロッド穴103に、2つの翼が閉じられたときにフェアリングの気密性を保証するためにゴムバッフルが設置される。
【0035】
フェアリングを3両編成高速列車モデルに配置し、数値計算により、パンタグラフの上昇と降下2つの動作状態でフェアリングを取り付けた最適化モデルとプロトタイプのシミュレーション結果を比較し、完全密閉型フェアリングの抗力低減と騒音低減効果を検証する。
【0036】
列車に対するフェアリングの抗力低減効果を明らかにするために、列車全体とパンタグラフ領域の空力抵抗に関する統計を実行し、その結果を表1に示す。表からわかるように、この方法の車両抗力低減効果は、上昇状態で7.0%に達し、降下状態で11.8%に達することができる。
【0037】
【表1】
【0038】
この方法の騒音低減効果をさらに明確にするために、図7に示すように、列車から25m、地上3.5mの標準測定点位置に16個の測定点を設置し、放射音響エネルギーの計算式を使用して、列車の遠方界放射騒音レベルを表す16の測定点の音圧レベルを取得できる。図8に示すように、降下状態で、車両全体の平均音圧レベルが2.2dB(A)低下し、図9に示すように、上昇状態で、フェアリングを取り付けた後、車両の遠方界測定点の平均音圧レベルは1.0dB(A)減少した。
【産業上の利用可能性】
【0039】
上記は本発明の好ましい実施態様であり、当業者にとって、本発明の原理から逸脱することなく、いくつかの改良および修正を行うこともでき、これらの改良および修正もまた、本発明の保護範囲と見なされるべきであることに留意されたい。
【符号の説明】
【0040】
1-フェアリング
2-パンタグラフ
3-列車本体
101-側翼
102-ロアアームフレーム穴
103-タイロッド穴
104-取り付けサポート
105-回転軸
106-フロントリンク
107-リアリンク
108-フロントサポート
109-リアサポート
110-フロントリンクシート
111-リアリンクシート
112-シリンダー
113-回転モータ
114-サイドロック穴
115-リアロック穴
301-サイドロック
302-リアロック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9