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  • 特許-防水ケーシング 図1
  • 特許-防水ケーシング 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-15
(45)【発行日】2023-09-26
(54)【発明の名称】防水ケーシング
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20230919BHJP
   F21V 31/00 20060101ALI20230919BHJP
   F21V 15/01 20060101ALI20230919BHJP
【FI】
H05K5/02 L
F21V31/00 250
F21V15/01 100
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019017628
(22)【出願日】2019-02-04
(65)【公開番号】P2020126904
(43)【公開日】2020-08-20
【審査請求日】2022-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000100562
【氏名又は名称】アール・ビー・コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】碓井 裕也
(72)【発明者】
【氏名】高間 司
【審査官】秋山 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-150952(JP,A)
【文献】実開平04-082885(JP,U)
【文献】特開2008-141720(JP,A)
【文献】特開2017-017119(JP,A)
【文献】特開2001-002114(JP,A)
【文献】特開2017-017096(JP,A)
【文献】特開2006-105335(JP,A)
【文献】特開2017-054745(JP,A)
【文献】特開2003-226346(JP,A)
【文献】特開2011-077099(JP,A)
【文献】特開2011-204974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/02
F21V 31/00
F21V 15/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口するケーシング本体内に電子部品を収納し、そのケーシングの開口を上方から閉塞するカバー部材を、上記ケーシングの内部に設けられ上記カバー部材の下面に当接する座部に対してカバー部材に形成されたネジ挿通孔を挿通するネジによってネジ止めされる防水ケーシングにおいて、上記カバー部材は断面がコ字状の板金製であり、上記座部を上記開口内部形成し、上記座部と上記電子部品の収納部分との間に、上記ネジ挿通孔を通ってケーシング内部に侵入した水が電子部品に到達することを防止する壁部をケーシング内部に設けたことを特徴とする防水ケーシング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば浴室の天井裏に設置される電源ユニットが収納される防水ケーシングに関する。
【背景技術】
【0002】
上述の電源ユニットやその他の電子部品は水との接触を嫌うため、従来よりケーシング内に収納されている。このようなケーシングとしては、上方に開口したケーシングが用いられ、電子部品はその開口からケーシング内に収納され、収納後に開口に蓋やカバーを取り付けることによって、開口から内部に水が侵入しないように構成されている。
【0003】
このようなケーシングの一例として、内部に電子部品を収納した状態で開口に板状の蓋を取り付けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このものは、上方に向かう開口の周縁から外側に向かって張り出す舌片状の取付部を設け、開口を覆う板状の蓋をこの取付部にネジ止めすると共に、蓋と開口との隙間から水がケーシング内部に侵入しないように、ゴム製のカバーを更に蓋の上から被せている。なお、このカバーは上記取付部に対して蓋と共に共締めされている。従って、このネジ止めした部分に水が浸入しても、その水はケーシング内に侵入することなく取付部の下方に落下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-150952号公報(図1図2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のケーシングでは、開口に蓋を取り付け、更にカバーを被せる必要があるので、部品点数が多くなりコストが高くなるという不具合が生じる。また、蓋とカバーとを共締めにしているので、作業がやりにくく、そのため作業工数が増加するという不具合もある。更に、取付部を外側に張り出して設けているので、ケーシングの設置スペースが広く必要となり、また取付部が破損することを防止する措置も必要となる。
【0006】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、部品点数が少なく、かつ水が電子部品に接触することのない防水ケーシングを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明による防水ケーシングは、上方に開口するケーシング本体内に電子部品を収納し、そのケーシングの開口を上方から閉塞するカバー部材を、上記ケーシングの内部に設けられ上記カバー部材の下面に当接する座部に対してカバー部材に形成されたネジ挿通孔を挿通するネジによってネジ止めされる防水ケーシングにおいて、上記カバー部材は断面がコ字状の板金製であり、上記座部を上記開口内部形成し、上記座部と上記電子部品の収納部分との間に、上記ネジ挿通孔を通ってケーシング内部に侵入した水が電子部品に到達することを防止する壁部をケーシング内部に設けたことを特徴とする。
【0008】
上記従来のケーシングでは蓋とカバーとの双方を用いていたが、本発明では上記カバー部材のみで開口を閉じる。なお、カバー部材のネジ止め部分からケーシング内に水が浸入しても、その水は上記壁部で確実に堰止められる。
【発明の効果】
【0009】
以上の説明から明らかなように、本発明は、カバー部材のみでケーシングの開口を閉じることができ、また、カバー部材をケーシングに固定しているネジ止め部分から水がケーシング内に侵入したとしても、その水は上記壁部によって確実に堰止めることができるので、侵入した水が電子部品に接触することがない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ケーシング本体にカバー部材を取付た状態を示す図
図2】ケーシング本体とカバー部材と分離した分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照して、1は本発明による防水ケーシングの一例である。この防水ケーシング1は樹脂を射出成型したケーシング本体2と、板金製のカバー部材3とから構成されている。このカバー部材3はケーシング本体2に対して2本のネジ11によってネジ止めされている。
【0012】
ケーシング本体2は長方形に形成されており、その長手方向両端には固定部21が形成されている。一方、カバー部材3は、ケーシング本体2に固定された状態で、上記長手方向の両端に庇部31が形成されるように構成されている。また、カバー部材3の折曲部32はケーシング本体2を側方から覆って、特に上方からの水がケーシング本体2内に侵入することを防止している。
【0013】
図2を参照して、ケーシング本体2は上方に開口する箱状に形成されており、そのケーシング本体2の内部に形成された収納部22内に電子部品が実装された回路基板4が収納される。上記ネジ11はカバー部材3の天面に設けられたネジ穴33に挿通されて、ケーシング本体2に設けられた座部23に対して螺合をする。この座部23の高さは、ケーシング本体2の周縁と同じ高さであり、従って、カバー部材3をネジ11によって固定すると、座部23の上面はカバー部材3の下面に当接して隙間が生じないように構成されている。
【0014】
このように構成されているので、上記ネジ穴33を通って水はほとんどケーシング本体2内に侵入することはない。ただし、万一水がこのネジ穴33を通ってケーシング本体2内に侵入しても、収納部22と座部23との間に壁部24が形成されているので、侵入してきた水はこの壁部24で堰き止められ、回路基板4が収納されている収納部22内に侵入することはない。従って、侵入した水が回路基板4に接触することはない。
【0015】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【符号の説明】
【0016】
1 防水ケーシング
2 ケーシング本体
3 カバー部材
4 回路基板
11 ネジ
21 固定部
22 収納部
23 座部
24 壁部
31 庇部
32 折曲部
33 ネジ穴
図1
図2