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  • 特許-照明装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-15
(45)【発行日】2023-09-26
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 17/00 20060101AFI20230919BHJP
   F21S 8/02 20060101ALI20230919BHJP
   F21V 25/00 20060101ALI20230919BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230919BHJP
【FI】
F21V17/00 150
F21S8/02 400
F21V25/00
F21Y115:10
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019182583
(22)【出願日】2019-10-03
(65)【公開番号】P2021061092
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000100562
【氏名又は名称】アール・ビー・コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】中村 康一
(72)【発明者】
【氏名】碓井 裕也
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-231824(JP,A)
【文献】特開2012-074213(JP,A)
【文献】特開2012-022849(JP,A)
【文献】実開平03-008808(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00-9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 17/00-17/20
23/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井面に取り付けられる照明装置本体と、この照明装置本体の下面に取り付けられる透光性を有する樹脂製のカバーとを備えた照明装置において、上記照明装置本体と上記カバーとを可撓性を有する紐状体で連結するとともに、カバーが照明装置本体に取り付けられている状態で紐状体の影がカバーに投影されないように紐状体を照明器具本体の上部に格納し、カバーが照明器具本体から脱落した際に照明器具本体に形成した貫通穴から紐状体が繰り出されてカバーを吊り下げるようにしたものであって、上記カバーに底板部とこの底板部を囲繞する側板部とを設け、この側板部の内面であって、底板部から所定距離離した位置に係合突起を設け、この係合突起に上記紐状体を連結し、さらに、上記カバーを照明器具本体に取り付けた状態で上記係合突起の先端が上記照明器具本体に形成した貫通穴を通って上方に露出し、その状態で係合突起の先端に上記紐状体の一端を連結し、かつ、紐状体の他端に上記貫通穴を通過できない大きさのストッパ部材を取り付けたことを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透光性を有するカバーを備え、室内の天井面などに取り付けられる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
室内の天井面に取り付けられる照明装置では、室内を照らす光を柔らかく拡散させるために、乳白色などの透光性を有するカバーで光源が覆われている。そのため、光源や光源を発光させるための電気装置等が納められた照明装置本体と、その照明装置本体の下面に取り付けられたカバーとから構成されている。なお、光源としてLEDを用いた照明装置では特にカバーを照明装置本体から頻繁に着脱する必要は無いが、カバー自体は照明装置本体に対して完全に固定せず、爪などの係合機構を介して着脱自在に取り付けられている。
【0003】
上記係合機構が破損し、あるいは係合状態が不完全であると、不意にカバーが照明器具本体から離れて脱落することが考えられるので、カバーが照明器具本体から脱落した場合に、カバーが床まで落下しないようにカバーに係合する針金状の落下防止金具をカバー内に設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-133887号公報(図8から図12
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のものでは針金状の落下防止金具が常時カバー内に位置しているので、照明器具が点灯している状態で落下防止金具の影がカバーに映し出されるという不具合が生じる。特にカバーの透光性が大きくカバー内を目視できるような場合には、落下防止金具が目に映り、照明装置のデザイン性を損なうという不具合が生じる。
【0006】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、カバーが照明器具本体に取り付けられている状態では外部から目視されず、カバーが照明器具本体から離れた際には確実にカバーが床まで落下することを防止できる落下防止手段を備えた照明装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明による照明装置は、天井面に取り付けられる照明装置本体と、この照明装置本体の下面に取り付けられる透光性を有する樹脂製のカバーとを備えた照明装置において、上記照明装置本体と上記カバーとを可撓性を有する紐状体で連結するとともに、カバーが照明装置本体に取り付けられている状態で紐状体の影がカバーに投影されないように紐状体を照明器具本体の上部に格納し、カバーが照明器具本体から脱落した際に照明器具本体に形成した貫通穴から紐状体が繰り出されてカバーを吊り下げるようにしたことを特徴とする。
【0008】
カバーが照明器具本体から離れる故障が生じると、このような故障が生じたことを使用者が直ちに視認できるようにカバーが照明器具から大きく離れることが望ましい。ただし、カバーが床まで落下すると、カバーが割れて不測の不具合が生じる可能性がある。そこで、上記本発明では、カバーが照明器具本体から外れると紐状体によって照明器具から吊り下げられるようにした。そして、この紐状体は通常時には照明器具本体の上部に格納されているので紐状体の影がカバーに投影されることがない。
【0009】
この紐状体をカバーに連結するためにはカバー側に係合突起を設ける必要があるが、この係合突起がカバーに影として現れないようにすることが望ましい。そこで、上記カバーに底板部とこの底板部を囲繞する側板部とを設け、この側板部の内面であって、底板部から所定距離離した位置に係合突起を設け、この係合突起に上記紐状体を連結した。
【0010】
また、この係合突起に紐状体を連結する作業はカバーを照明器具本体に連結した状態で行うことが望ましい。そこで、上記カバーを照明器具本体に取り付けた状態で上記係合突起の先端が上記照明器具本体に形成した貫通穴を通って上方に露出し、その状態で係合突起の先端に上記紐状体の一端を連結し、かつ、紐状体の他端に上記貫通穴を通過できない大きさのストッパ部材を取り付けた。
【発明の効果】
【0011】
以上の説明から明らかなように、本発明は、カバーが照明器具本体から離れた際に紐状体がカバーを吊り下げてカバーが床まで落下することを防止するが、平常時には紐状体を照明器具本体の上部に格納するので、紐状体がカバーに影となって現れない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明による照明器具を天井に取り付ける状態を示す図
図2】照明器具本体にカバーを取り付ける状態を示す図
図3】照明器具本体にカバーをねじ止めする状態を示す図
図4】係合爪の形状を示すIV-IV断面図
図5】係合突起の形状を示すV-V断面図
図6】係合突起に対する紐状体の連結状態を示す断面図
図7】紐状体を介してカバーが照明器具本体に吊り下がった状態を示す図
図8】係合突起に対する紐状体の他の連結状態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
1は本発明による照明装置の一例である。この照明装置1は浴室等の室内の天井に設けられた円形の取付窓LHに対して下方から嵌め込み、その状態で3カ所に設けた固定金具21によって天井の上面に係合して照明器具1が取付窓LHから下方に抜け落ちないように保持して、照明装置1を天井に固定するように構成されている。
【0014】
この照明装置1は、樹脂製であって下方に向かって開口する照明器具本体2と、その照明器具本体2に対して下方から取り付けられ照明器具本体2の開口を閉鎖するカバー3とから構成されている。
【0015】
図2に示すように、照明器具本体2内には発光源であるLEDが内蔵されており、カバー3は乳白色等の透光性を有する樹脂で形成されている。そして、照明器具本体2の周縁の内側3カ所に設けた係合部22に対して、カバー3に形成した3カ所の係合爪31が各々係合することによってカバー3を照明器具本体2に取り付けるように構成した。上記LEDが発光すると、LEDから照射される光はカバー3で拡散されて浴室内を広く照明するように構成されている。
【0016】
図3から図5を参照して、上述のように、係合部22に係合爪31が係合することによってカバー3を照明器具本体2に対して固定している。このように係合爪31が係合部22に係合する際や係合を解除する際、あるいは係合状態中に継続して係合爪31には曲げ方向の応力が作用する。
【0017】
この曲げ方向の応力が一定の大きさを超え、あるいは繰り返し作用すると、係合爪31が破損する場合が考えられる。
【0018】
そして、全ての係合爪31が破損すると、カバー3が照明器具本体2から外れて落下することになる。
【0019】
カバー3が照明器具本体2から外れるという不具合が生じた場合、カバー3が照明器具本体2から完全に外れないと、使用者は係合爪31が破損したことを検知しづらいが、カバー3が床に落下するとカバー3が破損して掃除などの後処理が煩わしくなる。
【0020】
そこで、カバー3が完全に床まで落下しないように、カバー3に係合突起32を設けた。この係合突起32はカバー3を照明器具本体2に取り付けた状態で、照明器具本体2に形成された凹部23の底面に形成された貫通穴24に挿通され、凹部23内に係合突起32の貫通穴32Aが露出するように構成されている。
【0021】
上述のように、カバー3には係合爪31と係合突起32とを形成する必要があるが、これら係合爪31と係合突起32はカバー3の内側に設ける必要があるので、通常時において、LEDの照射する光の影となってカバー3の外側に現れることは好ましくない。
【0022】
そこで、図4および図5に示すように、係合爪31と係合突起32とは共に、カバー3の内側面3Aから内側に突出させて設けることによって、内底面3Bに対して所定距離離れるよう構成し、LEDから照射された光による係合爪31と係合突起32の影がカバー3の外側に現れないようにした。なお、係合爪31と係合突起32が設けられている部分は、カバー3を照明器具本体2に取り付けた状態で照明器具本体2内に嵌まって隠れる位置になり、影が外部に現れることはない。
【0023】
上記係合突起32には、上述の通り貫通穴32Aが設けられており、図6に示すように、カバー3を照明器具本体2に取り付けると、この貫通穴32Aが凹部23内に露出するように構成されている。その状態で紐状体4の一端41を貫通穴32Aに挿通して固定する。この紐状体4は1本の紐を中央で折り曲げ、その折り曲げた部分を一端とするとともに、他端側にストッパ部材42を固定したものである。このストッパ部材42の大きさは貫通穴24を通過できない大きさに形成されている。従って、上記3カ所に設けた係合爪31の全てが破損してカバー3が照明器具本体2から外れた場合には、係合突起32が貫通穴24から下方に抜け出て、その際に紐状体4を貫通穴24を通して下方へと引き出す。ただし、ストッパ部材42は貫通穴24を通ることができない大きさなのでストッパ部材42は凹部23内に引っ掛かり、図7に示すように、カバー3は紐状体4を介して宙吊り状態になる。
【0024】
上記図6に示したように、紐状体4の他端側にストッパ部材42を固定したが、図8に示すように、紐状体4を環状に形成し、凹部23内に形成した係合立部25に引っ掛け、紐状体4のたるんだ部分を凹部23内に折り曲げて収納するようにしてもよい。ただし、紐状体4が係合立部25から外れないように、係合立部25が貫通する蓋板26を設けて、この蓋板26で凹部23を覆うようにしてもよい。
【0025】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【符号の説明】
【0026】
1 照明装置
2 照明器具本体
3 カバー
3A 内側面
3B 内底面
4 紐状体
22 係合部
23 凹部
24 貫通穴
25 係合立部
26 蓋板
32 係合突起
32A 貫通穴
42 ストッパ部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8