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特許7350464偏光性シート、及びこれを備えた偏光レンズ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-15
(45)【発行日】2023-09-26
(54)【発明の名称】偏光性シート、及びこれを備えた偏光レンズ
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/30 20060101AFI20230919BHJP
   B29D 11/00 20060101ALI20230919BHJP
   G02B 1/04 20060101ALI20230919BHJP
   G02C 7/12 20060101ALI20230919BHJP
【FI】
G02B5/30
B29D11/00
G02B1/04
G02C7/12
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017171788
(22)【出願日】2017-09-07
(65)【公開番号】P2019045813
(43)【公開日】2019-03-22
【審査請求日】2020-07-16
【審判番号】
【審判請求日】2022-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000108982
【氏名又は名称】ポリプラ・エボニック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002239
【氏名又は名称】弁理士法人G-chemical
(72)【発明者】
【氏名】藤中 敏彦
(72)【発明者】
【氏名】大前 比登美
【合議体】
【審判長】杉山 輝和
【審判官】河原 正
【審判官】大▲瀬▼ 裕久
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-180266(JP,A)
【文献】特開2007-178920(JP,A)
【文献】特開2006-227591(JP,A)
【文献】国際公開第2006/040954(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/30
B29D 11/00
G02C 7/12
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアミド樹脂フィルム(1)、偏光フィルム、及びポリアミド樹脂フィルム(2)がこの順で積層された構成を有する偏光性シートであって、
ポリアミド樹脂フィルム(1)のレタデーション値が2000~3000nm、ポリアミド樹脂フィルム(2)のレタデーション値が0~500nmであり、
且つ、ポリアミド樹脂フィルム(1)とポリアミド樹脂フィルム(2)のレタデーション値が下記式(r’)を満たすことを特徴とする、偏光性シート。
2000nm≦[ポリアミド樹脂フィルム(1)のレタデーション値]-[ポリアミド樹脂フィルム(2)のレタデーション値]≦3000nm (r’)
【請求項2】
ポリアミド樹脂フィルム(2)の厚みが10~2000μmである、請求項1に記載の偏光性シート。
【請求項3】
ポリアミド樹脂が脂環式ポリアミド樹脂である、請求項1又は2に記載の偏光性シート。
【請求項4】
脂環式ポリアミド樹脂が、下記式(ad)で表される繰り返し単位を有する、請求項3に記載の偏光性シート。
【化1】
(式中、Xは単結合又は2価の炭化水素基を示し、Lは2価の炭化水素基を示す。R1、R2はアルキル基を示し、m、nは0~4の整数を示す)
【請求項5】
曲面形状を有する、請求項1~4の何れか1項に記載の偏光性シート。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載の偏光性シートのポリアミド樹脂フィルム(2)表面に、ポリアミド樹脂成形層が積層された構成を有する、偏光レンズ。
【請求項7】
請求項6に記載の偏光レンズを備えた、メガネ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光性シート、及びこれを備えた偏光レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
偏光レンズは地面、雪面、水面等からの反射光を遮蔽する目的で、登山、スキー、スノーボード、釣り、野球等の野外活動や車両の運転時等に、サングラス、ゴーグル等として利用されている。この偏光レンズは、レンズ本体に偏光フィルムが積層された構造を有している。
【0003】
特許文献1には、偏光性シートの一方の表面にポリアミド樹脂成形層を積層して得られる偏光レンズとして、延伸ポリアミド樹脂フィルム/偏光フィルム/延伸ポリアミド樹脂フィルム/ポリアミド樹脂成形層の積層体からなる偏光レンズ1や、未延伸ポリアミド樹脂フィルム/偏光フィルム/未延伸ポリアミド樹脂フィルム/ポリアミド樹脂成形層の積層体からなる偏光レンズ2が記載され、当該偏光レンズ1、2は耐薬品性に優れ、像の歪みや色むらが見られないこと、偏光レンズ1は曲げ加工後にバタフライマークと呼ばれる白抜けが生じるのを防止できること、が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-178920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者等は、延伸ポリアミド樹脂フィルムを加熱すると延伸倍率に応じて収縮すると共に、曝熱温度に応じて軟化して変形するが、延伸ポリアミド樹脂フィルム/偏光フィルム/延伸ポリアミド樹脂フィルムからなる偏光性シートに加熱した金型を用いて曲げ加工を施すと、表面と裏面の延伸ポリアミド樹脂フィルムの曝熱温度に差が生じ、より高温に曝される側は軟化して変形し易いが、他方は前記に比べると変形し難くなるため、結果として、精度よく曲げ加工を行うことが困難となることが分かった。
【0006】
従って、本発明の目的は、曲げ加工を施しても白抜けを生じることなく、且つ精度よく所望の曲面形状を付与することができる偏光性シートを提供することにある。
本発明の他の目的は、白抜けがなく、且つ精度良好な曲面形状を有する偏光レンズを提供することにある。
本発明の他の目的は、白抜けがなく、且つ精度良好な曲面形状を有する偏光レンズを備えた、外観良好なメガネを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリアミド樹脂フィルム(1)/偏光フィルム/ポリアミド樹脂フィルム(2)の積層体を含む偏光性シートについて、以下の次項を見いだした。
1.ポリアミド樹脂フィルム(1)、(2)の少なくとも一方のレタデーション値を10~3000nmとすることで、白抜けが生じることなく曲げ加工を行うことができること
2.ポリアミド樹脂フィルム(1)、(2)はそのレタデーション値に応じた熱収縮性を有するが、熱した金型を用いて曲げ加工を行う際に、金型に直に接する側(すなわち、より高温に曝される側)のポリアミド樹脂フィルムのレタデーション値を、それとは反対側のポリアミド樹脂フィルムのレタデーション値より10nm以上大きくすると、ポリアミド樹脂フィルム(1)と(2)の曝熱温度の差によって変形量(=熱膨張と熱収縮の差に起因する変形量)に差が生じるのを抑制することができ、精度よく曲げ加工を行うことができること
本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
【0008】
すなわち、本発明は、ポリアミド樹脂フィルム(1)、偏光フィルム、及びポリアミド樹脂フィルム(2)がこの順で積層された構成を有する偏光性シートであって、ポリアミド樹脂フィルム(1)のレタデーション値が10~3000nmであり、且つ、ポリアミド樹脂フィルム(1)とポリアミド樹脂フィルム(2)のレタデーション値が下記式(r)を満たすことを特徴とする、偏光性シートを提供する。
[ポリアミド樹脂フィルム(1)のレタデーション値]-[ポリアミド樹脂フィルム(2)のレタデーション値]≧10nm (r)
【0009】
本発明は、また、ポリアミド樹脂フィルム(2)の厚みが10~2000μmである、前記の偏光性シートを提供する。
【0010】
本発明は、また、ポリアミド樹脂が脂環式ポリアミド樹脂である、前記の偏光性シートを提供する。
【0011】
本発明は、また、脂環式ポリアミド樹脂が、下記式(ad)で表される繰り返し単位を有する、前記の偏光性シートを提供する。
【化1】
(式中、Xは単結合又は2価の炭化水素基を示し、Lは2価の炭化水素基を示す。R1、R2はアルキル基を示し、m、nは0~4の整数を示す)
【0012】
本発明は、また、曲面形状を有する、前記の偏光性シートを提供する。
【0013】
本発明は、また、前記の偏光性シートのポリアミド樹脂フィルム(2)表面に、ポリアミド樹脂成形層が積層された構成を有する、偏光レンズを提供する。
【0014】
本発明は、また、前記の偏光レンズを備えた、メガネを提供する。
【0015】
尚、本明細書において、フィルムのレタデーション値(Retardation;Δn・d)は複屈折率(Δn)と厚み(d)の積で定義される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の偏光性シートは、ポリアミド樹脂フィルム(1)/偏光フィルム/ポリアミド樹脂フィルム(2)の積層体構造を有し、ポリアミド樹脂フィルム(1)として、レタデーション値が10~3000nmの範囲となる歪みが付与されているもの(例えば、延伸処理が施されているもの)を使用するため、この偏光性シートに曲げ加工を施しても、曲げ加工により加えられる応力がポリアミド樹脂フィルム(1)に付与されている歪みによって相殺されることにより、白抜けが生じるのを防止することができる。
また、ポリアミド樹脂フィルム(1)(2)のレタデーション値に、ポリアミド樹脂フィルム(1)(2)の曝熱温度の差による変形量の差を解消するために、下記式(r)
[ポリアミド樹脂フィルム(1)のレタデーション値]-[ポリアミド樹脂フィルム(2)のレタデーション値]≧10nm (r)
で示される差が設けられているため、ポリアミド樹脂フィルム(2)に比べて熱収縮性が大きいポリアミド樹脂フィルム(1)の面側を熱した金型に直に接するよう配置して曲げ加工を行うと、精度良好な曲面形状を付与することができる。
更に、本発明の偏光性シートは、ポリアミド樹脂で形成されるため、軽量であり、且つ直接孔を開けてもひび割れ等が生じにくく、加工性に優れている。また、耐薬品性にも優れる。
そのため、本発明の偏光性シートを使用すれば、白抜けがなく、曲面形状の精度良好な偏光レンズを製造することができ、当該偏光レンズを備えたメガネ(例えば、サングラス、ゴーグル等)は軽量で、良好な外観を有する上、像の歪みが小さく、長時間装着しても目が疲れにくい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の偏光性シートの製造方法の一例を示す概略工程図である。
図2】本発明の偏光レンズの製造方法の一例を示す概略工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[偏光性シート]
本発明の偏光性シートは、ポリアミド樹脂フィルム(1)、偏光フィルム、及びポリアミド樹脂フィルム(2)がこの順で積層された構成を有する偏光性シートであって、ポリアミド樹脂フィルム(1)のレタデーション値が10~3000nmであり、且つ、ポリアミド樹脂フィルム(1)とポリアミド樹脂フィルム(2)のレタデーション値が下記式(r)を満たすことを特徴とする。
[ポリアミド樹脂フィルム(1)のレタデーション値]-[ポリアミド樹脂フィルム(2)のレタデーション値]≧10nm (r)
【0019】
(ポリアミド樹脂フィルム)
ポリアミド樹脂フィルムは、1種又は2種以上のポリアミド樹脂で形成されているフィルムである。また、ポリアミド樹脂フィルム(1)とポリアミド樹脂フィルム(2)は、それぞれ同一のポリアミド樹脂で形成されていてもよく、異なるポリアミド樹脂で形成されていてもよい。
【0020】
前記ポリアミド樹脂は多数のモノマーがアミド結合によって結合したポリマーであり、モノマーであるジアミン成分とジカルボン酸成分との重縮合物や、モノマーであるラクタム類の開環重合物が挙げられる。ジアミン成分及びジカルボン酸成分はそれぞれ1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、ラクタム類も1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0021】
前記ジアミン成分としては、例えば、下記式(a)で表される化合物が挙げられる。
【化2】
(式中、L1は2価の炭化水素基を示す)
【0022】
上記2価の炭化水素基には、2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基が含まれる。
【0023】
2価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等の炭素数1~20の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基;ビニレン、1-メチルビニレン、プロペニレン、1-ブテニレン、2-ブテニレン、1-ペンテニレン、2-ペンテニレン基等の炭素数2~20の直鎖又は分岐鎖状アルケニレン基;エチニレン、プロピニレン、3-メチル-1-プロピニレン、ブチニレン、1、3-ブタジイニレン、2-ペンチニレン、2-ペンチニレン、2,4-ペンタジイニレン、2-ヘキシニレン、1,3,5-ヘキサトリイニレン、3-ヘプチニレン、4-オクチニレン、4-ノニニレン、5-デシニレン、6-ウンデシニレン、6-ドデシニレン基等の炭素数2~20の直鎖又は分岐鎖状アルキニレン基が挙げることができる。
【0024】
2価の脂環式炭化水素基は脂環の構造式から2個の水素原子を除いた基であり、前記脂環としては、例えば、シクロプロパン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン環等の3~20員のシクロアルカン環;シクロペンテン、シクロへキセン環等の3~20員のシクロアルケン環;パーヒドロナフタレン、ノルボルナン、ノルボルネン、アダマンタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環等の橋かけ環等が挙げられる。前記脂環は置換基(例えば、炭素数1~5のアルキル基等)を有していてもよい。また、前記脂環は、2個以上が単結合又は連結基(例えば、2価の脂肪族炭化水素基)を介して結合していてもよい。
【0025】
2価の芳香族炭化水素基は芳香環の構造式から2個の水素原子を除いた基であり、前記芳香環としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン環等の炭素数6~20の芳香環が挙げられる。前記芳香環は置換基(例えば、炭素数1~5のアルキル基、炭素数3~6のシクロアルキル基等)を有していてもよい。また、前記芳香環は、2個以上が単結合又は連結基(例えば、2価の脂肪族炭化水素基や2価の脂環式炭化水素基)を介して結合していてもよい。
【0026】
上記式(a)中のL1が2価の脂肪族炭化水素基である化合物(=脂肪族ジアミン)としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
【0027】
上記式(a)中のL1が2価の脂環式炭化水素基である化合物(=脂環式ジアミン)としては、例えば、ビス(p-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン等が挙げられる。
【0028】
上記式(a)中のL1が2価の芳香族炭化水素基である化合物(=芳香族ジアミン)としては、例えば、m-キシリレンジアミン等が挙げられる。
【0029】
前記ジカルボン酸成分としては、例えば、下記式(c)で表される化合物が挙げられる。
【化3】
(式中、L2は2価の炭化水素基を示す)
【0030】
2における2価の炭化水素基としては、L1における2価の炭化水素基と同様の例が挙げられる。
【0031】
上記式(c)中のL2が2価の脂肪族炭化水素基である化合物(=脂肪族ジカルボン酸)としては、例えば、アジピン酸、ドデカン二酸等が挙げられる。
【0032】
上記式(c)中のL2が2価の脂肪族炭化水素基である化合物(=脂環式ジカルボン酸)としては、例えば、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸等が挙げられる。
【0033】
上記式(c)中のL2が2価の芳香族炭化水素基である化合物(=芳香族ジカルボン酸)としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸等が挙げられる。
【0034】
前記ラクタム類としては、例えば、α-ラクタム、β-ラクタム、γ-ラクタム、δ-ラクタム、ε-カプロラクタム、ω-ラウロラクタム等の3~13員環を有するラクタムが挙げられる。
【0035】
本発明においては、なかでも、透明性、耐薬品性、耐衝撃性、耐油性、及び寸法安定性に優れる点で脂環式ポリアミド樹脂[=ジアミン成分とジカルボン酸成分との重縮合物であって、ジアミン成分とジカルボン酸成分の少なくとも一方が脂環構造を有する化合物(例えば、脂環式ジアミン、脂環式ジカルボン酸)である重縮合物]が好ましい。
【0036】
前記脂環式ポリアミド樹脂としては、特に、脂環式ジアミンと脂肪族ジカルボン酸との重縮合物が好ましく、とりわけ、下記式(ad)で表される繰り返し単位を有する重縮合物が好ましい。
【化4】
(式中、Xは単結合又は2価の炭化水素基を示し、Lは2価の炭化水素基を示す。R1、R2はアルキル基を示し、m、nは0~4の整数を示す)
【0037】
X、Lにおける2価の炭化水素基としては、L1における2価の炭化水素基と同様の例が挙げられる。X、Lは同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0038】
1、R2はアルキル基を示し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル基等の炭素数1~5の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。R1、R2は同一であってもよく、異なっていてもよい。また、m、nが2以上の整数である場合、2個以上のR1やR2は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。本発明においては、なかでも、m、nが共にゼロであることが好ましい。
【0039】
ポリアミド樹脂の重量平均分子量(ポリスチレン換算)は、例えば6000~300000、好ましくは20000~200000である。
【0040】
また、ポリアミド樹脂は、結晶性及び非結晶性の何れであってもよいが、なかでも、透明性に優れる点で、結晶化度の低いもの、或いは結晶サイズが光の波長より小さい微小結晶性のものや、非晶性ポリアミド(非晶性ナイロン若しくは微結晶性ポリアミド)が好ましい。
【0041】
ポリアミド樹脂の融解温度は、例えば100~350℃、好ましくは100~320℃程度である。
【0042】
ポリアミド樹脂は、一般にアッベ数が高く、例えば35以上(例えば、35~65)、好ましくは40以上(例えば、40~65)、より好ましくは45以上(例えば、40~60)であり、特に50以上(例えば、50~60)である。
【0043】
また、ポリアミド樹脂の屈折率は、例えば1.1~2.0、好ましくは1.2~1.9、より好ましくは1.3~1.8である。
【0044】
アッベ数が高い素材は屈折率が低くなる傾向にあるが、ポリアミド樹脂は、アッベ数と屈折率とが共に高く、好ましい光学機能をバランスよく有している。
【0045】
ポリアミド樹脂としては、例えば、ダイセル・エボニック(株)製の「Trogamid CX7323」、エムスケミー・ジャパン(株)製の「グリルアミドTR-90」等の市販品を好適に使用することができる。
【0046】
ポリアミド樹脂フィルム(1)とポリアミド樹脂フィルム(2)は、光学特性、取扱性等を損なわない範囲内において、ポリアミド樹脂以外の樹脂成分(公知の熱可塑性樹脂等)や添加剤(例えば、調光材料、光吸収剤(紫外線、青色、赤外線等)、着色剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、粘度調整剤等)等を含んでいても良い。
【0047】
ポリアミド樹脂フィルム(1)のレタデーション値は10~3000nmである。レタデーション値の下限は、曲げ加工後に白抜けが生じるのを抑制する効果に特に優れる点で、50nmが好ましく、より好ましくは100nm、更に好ましくは500nm、特に好ましくは1000nm、最も好ましくは1500nm、とりわけ好ましくは2000nmである。また、レタデーション値の上限は、曲げ加工時の加熱による急激な収縮を抑制して、曲げ加工の精度を向上することができる点で、2800nmが好ましく、より好ましくは2500nmである。
【0048】
ポリアミド樹脂フィルム(1)のレタデーション値とポリアミド樹脂フィルム(2)のレタデーション値の差は10nm以上であり、曝熱温度の差に起因するポリアミド樹脂フィルム(1)とポリアミド樹脂フィルム(2)の変形量の差を解消することができ、より精度よく曲げ加工を行うことができる点で、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上、更に好ましくは500nm以上、特に好ましくは1000nm以上、最も好ましくは1500nm以上、とりわけ好ましくは2000nmである。尚、レタデーション値の差の上限は、曲げ加工時の加熱による急激な収縮を抑制することができる点で、例えば3000nmが好ましく、より好ましくは2500nmである。
【0049】
従って、ポリアミド樹脂フィルム(2)のレタデーション値は、例えば0~2990nmである。レタデーション値の上限は、曝熱温度の差に起因するポリアミド樹脂フィルム(1)との変形量の差を解消することができ、より精度よく曲げ加工を行うことができる点で、1000nmが好ましく、より好ましくは500nm、更に好ましくは300nm、特に好ましくは200nm、最も好ましくは100nm、とりわけ好ましくは50nmである。
【0050】
ポリアミド樹脂フィルム(1)とポリアミド樹脂フィルム(2)は、押出成形法やキャスト成形法等により形成することができる。
【0051】
特定のレタデーション値を有するポリアミド樹脂フィルムは、ポリアミド樹脂フィルムを延伸処理に付すことで製造することができる。ポリアミド樹脂フィルムに延伸処理を施すと、ポリアミド樹脂(若しくは、ポリマー)が一方向に配向して複屈折が生じる。そして、延伸倍率を調整することで、それに応じた複屈折率を有するポリアミド樹脂フィルムが得られる傾向があり、延伸倍率が大きいと複屈折率が大きいポリアミド樹脂フィルムが得られ、厚みを特定した場合においてレタデーション値(Δn・d)が大きいポリアミド樹脂フィルムが得られる傾向がある。
【0052】
延伸処理は、ロール方式、テンター方式、チューブ方式等により行われる。延伸処理温度は、例えば80~250℃、好ましくは110~250℃、より好ましくは120~200℃程度である。
【0053】
ポリアミド樹脂フィルム(2)の厚みは、例えば10~2000μm程度である。厚みが10μm以上であると、ポリアミド樹脂フィルム(2)の表面に加熱溶融したポリアミド樹脂を射出成形してポリアミド樹脂成形層を形成する際に、熱が偏光フィルムにまで到達して変色等を引き起こすのを防止することができる点で好ましく、より好ましくは50μm以上、特に好ましくは100μm以上である。
【0054】
ポリアミド樹脂フィルム(1)の厚みは、例えば50~1000μm程度であることが、衝撃や汚染等から偏光フィルムを保護することができ、偏光フィルムの劣化を防いで良好な光学性能を維持することができる点で好ましく、より好ましくは100~500μm、特に好ましくは100~300μmである。
【0055】
(偏光フィルム)
偏光フィルムの素材としては、透明性に優れる樹脂であれば特に限定されないが、なかでも、透明性に優れ、且つ上述のポリアミド樹脂フィルム(1)やポリアミド樹脂フィルム(2)との密着性にも優れる点でポリビニルアルコール樹脂が好ましい。
【0056】
偏光フィルムは、単層であってもよく、同一又は異なる偏光フィルムを組み合わせた複数の層であってもよい。
【0057】
偏光フィルムは、ポリビニルアルコール樹脂に膨潤処理、染色処理、架橋処理、延伸処理等を施すことにより製造することができる。
【0058】
偏光フィルムの厚み(2層以上の場合は総厚み)は、例えば5~200μm程度、好ましくは10~100μmである。厚みが5μm以上であると、所望の偏光特性を付与することができる。また、厚みが200μm以下であると、取扱性に優れ、軽量化、低コスト化の点で有利である。
【0059】
(偏光性シートの製造方法)
本発明の偏光性シートは、ポリアミド樹脂フィルム(1)、偏光フィルム、及びポリアミド樹脂フィルム(2)がこの順で積層された構成を有する偏光性シートであり、例えば、各フィルムを接着剤を介して積層することによって製造することができる。
【0060】
前記接着剤としては、ポリアミド樹脂フィルムと偏光フィルムとを接着可能であれば特に限定されず、例えばアクリル系、ウレタン系(例えば、ウレタンエステル系、ウレタンエーテル系)、エポキシ系、酢酸ビニル系等の慣用の接着剤を用いることができる。なかでも、ウレタン系(例えば、ウレタンエステル系、ウレタンエーテル系)接着剤が接着強度に優れる点で好ましく用いられる。例えば、東洋モートン(株)製のエステル系ポリウレタン「TM-595」等の主剤と硬化剤(商品名「CAT-10L」、「CATーRT85」等)との組み合わせからなるドライラミネート接着剤が市販されている。
【0061】
接着剤は、硬化後の厚みが、例えば0.1~80μm、好ましくは1~60μm、特に好ましくは5~40μmとなる範囲で塗布することが好ましい。
【0062】
接着剤の塗布は、例えば、印刷法、コーティング法等により行うことができる。具体的には、スクリーン印刷法、マスク印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、スタンピング、ディスペンス、スキージ印刷法、シルクスクスクリーン印刷法、噴霧、刷毛塗り等が挙げられる。
【0063】
また、ポリアミド樹脂フィルム(1)の表面(偏光フィルムと接する面とは反対側の面)には、ハードコート層、染色層、ミラー蒸着層等を設けてもよく、ポリアミド樹脂フィルム(2)の表面(偏光フィルムと接する面とは反対側の面)には、種々の表面処理(例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、アンカーコート処理等)を施してもよい。
【0064】
本発明の偏光性シートの総厚みは、例えば60~3000μm、好ましくは100~2000μm、特に好ましくは150~1000μmである。
【0065】
本発明の偏光性シートは曲面形状を有していてもよい。曲面形状を有する偏光性シートは、偏光性シートに曲げ加工を施すことにより製造することができる。曲げ加工は、偏光性シートの少なくとも一部に施されていればよい。
【0066】
こうして得られる曲面形状を有する偏光性シートは、白抜けがなく、曲面形状の精度が良好であるため、偏光レンズの素材として好適である。
【0067】
[偏光レンズ]
本発明の偏光レンズは、上記ポリアミド樹脂フィルム(1)/偏光フィルム/ポリアミド樹脂フィルム(2)の積層体構造を有する偏光性シートのポリアミド樹脂フィルム(2)表面に、ポリアミド樹脂成形層が積層された構成を有する。
【0068】
ポリアミド樹脂成形層は、加熱溶融したポリアミド樹脂を射出成形することによって製造することができる。
【0069】
ポリアミド樹脂成形層は、ポリアミド樹脂組成物に、金型を用いた成形加工を施して形成される樹脂成形層である。前記ポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂を主成分に含んでいればよく、ポリアミド樹脂のみで構成されていてもよく、さらに、本発明の効果を損なわない範囲でポリアミド樹脂以外の樹脂(熱可塑性樹脂等)や添加剤を含む混合物であってもよい。
【0070】
前記ポリアミド樹脂としては、なかでも、透明性、耐薬品性、耐衝撃性、耐油性、及び寸法安定性に優れる点で脂環式ポリアミド樹脂[=ジアミン成分とジカルボン酸成分との重縮合物であって、ジアミン成分とジカルボン酸成分の少なくとも一方が脂環構造を有する化合物(例えば、脂環式ジアミン、脂環式ジカルボン酸)である重縮合物]が好ましく、特に、脂環式ジアミンと脂肪族ジカルボン酸との重縮合物が好ましく、とりわけ、式(ad)で表される繰り返し単位を有する重縮合物が好ましい。
【0071】
ポリアミド樹脂成形層は、ポリアミド樹脂フィルム(2)表面に加熱溶融したポリアミド樹脂組成物を直接射出し、成形する方法や、別途形成したポリアミド樹脂成形層を接着剤でポリアミド樹脂フィルム(2)表面に接着する方法等の公知の方法を用いて形成することができる。本発明では、ポリアミド樹脂フィルム(2)とポリアミド樹脂成形層とが共にポリアミド樹脂で構成されており密着性に優れるため、ポリアミド樹脂フィルム(2)表面に加熱溶融したポリアミド樹脂組成物を直接射出し、成形する、簡便な方法で安定に融着一体化することが可能であり、製造工程を簡略化して、偏光レンズを効率よく且つ安価に製造することができる。
【0072】
加熱溶融したポリアミド樹脂組成物の成形は金型を用いて行うことができ、例えば180~350℃、好ましくは200~330℃、より好ましくは230~320℃の温度で加熱溶融したポリアミド樹脂組成物を、圧縮成形法、トランスファー成形法、押出成形法、射出成形法、射出圧縮成形法等によって成形することで行われる。
【0073】
ポリアミド樹脂成形層の厚みは、取扱性、光学機能等を損なわない範囲で適宜調整することができ、例えば200~5000μm、好ましくは300~3000μmである。
【0074】
ポリアミド樹脂成形層の裏面(ポリアミド樹脂フィルムと接する面とは反対側の面)には、必要に応じて加工処理(例えば、ハードコート加工、反射防止加工、防曇加工、防汚加工、ミラー加工等)を施してもよい。
【0075】
本発明の偏光レンズの総厚みは、例えば0.5~25mm、好ましくは0.8~10mm、特に好ましくは1~5mmである。
【0076】
本発明の偏光レンズは、偏光レンズを構成する各層がポリアミド樹脂を主成分として含むため、軽量であり、且つ直接孔を開けてもひび割れ等が生じにくく、加工性に優れている。また、本発明の偏光レンズは、耐薬品性に優れる。このような偏光レンズは、他の部材と組み合わせて用いる場合に、他の部材に含まれる可塑剤等の薬品に接触して腐蝕する等の問題を回避することができる。このため、本発明の偏光レンズは、サングラス、メガネ、ゴーグル等のレンズとして利用できる。
【0077】
本発明の偏光性シート、及び偏光レンズの製造方法の一例を図1、2に示す。図1は、偏光フィルムの両面に接着剤を介して(図示せず)ポリアミド樹脂フィルム(1)、(2)を積層した偏光性シートに、曲げ加工用金型を用いて曲げ加工を施す工程を示している。また、図2は、曲げ加工が施された偏光性シートを射出成形用金型に設置して、射出成形用金型(下型、上型)を用いて偏光性シートにポリアミド樹脂組成物を熱融着させることにより機能性光学レンズを得る工程を示している。
【0078】
偏光性シートに曲げ加工を行う方法としては、特に制限されず、例えば、真空成形、圧縮成形等の加熱を伴う成形方法として慣用の方法により行うことができ。本発明においては、なかでも、真空成形法が好ましく用いられる。真空成形によって曲げ加工を行う方法では、例えば、平面形状の偏光性シート(平面形状の偏光性シートは、予め加温されたものであってもよい)を、加熱(例えば、80℃以上200℃未満、好ましくは90~120℃の温度で加熱)した曲げ加工用金型内に、偏光性シートのポリアミド樹脂フィルム(1)の面側が該金型に直に(偏光性シートのポリアミド樹脂フィルム(1)表面にハードコート層等が設けられている場合は、ハードコート層等を介して)接するよう配置し、該金型に設けられた吸引孔から吸引して偏光性シートと金型との空間を真空状態とすることにより偏光性シートを金型に密着させ、金型の凹部形状を偏光性シートに転写することによって、曲げ加工が施された偏光性シートが得られる。
【0079】
射出成形は、曲げ加工が施された偏光性シートを、偏光性シートのポリアミド樹脂フィルム(2)の面側にポリアミド樹脂組成物が熱融着されるように、射出成形用金型(下型)に設置し、射出成形用金型(上型)を重ね、ポリアミド樹脂成形層を構成するポリアミド樹脂組成物を、例えば180~350℃で加熱溶融し、射出成形用金型(上型)に設けられた注入孔より金型内の空隙へ注入することにより行われる。こうして、偏光性シートを構成するポリアミド樹脂フィルム(2)表面にポリアミド樹脂組成物を熱融着して一体化できるため、接着剤を用いることなく良好な成形体を得ることができる。図2の例では、ポリアミド樹脂成形層は、曲面形状の偏光性シートの凹部側(内面側)に積層しているが、これに限定されず、凸部側(外面側)に積層してもよい。
【0080】
[メガネ]
本発明のメガネは、上記偏光レンズを備えることを特徴とする。前記メガネには、通常のメガネだけで無く、サングラスやゴーグルも含まれる。
【0081】
本発明のメガネは、白抜けがなく、且つ精度良好な曲面形状を有する上記偏光レンズを備えるため、軽量であり、外観良好である。
【実施例
【0082】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0083】
実施例1
偏光フィルム(素材:ポリビニルアルコール樹脂、厚み:40μm、(株)ポラテクノ製)の両側に、接着剤(厚み約20μm:東洋モートン社製の商品名「TM-595」と「CAT-10L」とを配合比5:1で混合し、酢酸エチル溶媒で2倍に希釈して得た接着剤組成物)を介して、ポリアミド樹脂[ダイセル・エボニック(株)製、商品名「Trogamid CX7323」、アッベ数45、ガラス転移温度140℃]からなるポリアミド樹脂フィルム(1)(厚み:約200μm、延伸倍率:1.6倍、レタデーション値:2300nm)と、前記ポリアミド樹脂からなるポリアミド樹脂フィルム(2)(厚み:約100μm、未延伸、レタデーション値:30nm)を貼り合わせて、ポリアミド樹脂フィルム(1)/接着剤/偏光フィルム/接着剤/ポリアミド樹脂フィルム(2)からなる層構成を有する偏光性シート(1)(総厚み:380μm)を形成した。ポリアミド樹脂フィルム(1)と(2)のリタデーション値の差は、2270nmであった。
【0084】
得られた偏光性シート(1)を、約100℃に加熱した凹面金型内に、偏光性シート(1)のポリアミド樹脂フィルム(1)の面側が加熱した金型に直に接するよう設置し、金型下方部に設けられた吸引孔から吸引することにより、偏光性シート(1)を金型に密着させて金型の凹面形状を転写する曲げ加工を施して、曲面偏光性シート(1)を得た。得られた曲面偏光性シート(1)は白抜けがなく、且つ精度良好な曲面形状を有していた。
【0085】
得られた曲面偏光性シート(1)を、レンズ形状を有する射出成形用金型内に、曲面偏光性シート(1)のポリアミド樹脂フィルム(2)の面側にポリアミド樹脂が注入されるようにセットし、そこへ300℃で加熱溶融させたポリアミド樹脂(同上)を注入することにより、曲面偏光性シートのポリアミド樹脂フィルム(2)の表面にポリアミド樹脂成形層が直接熱融着された偏光レンズ(1)(ポリアミド樹脂フィルム(1)/接着剤/偏光フィルム/接着剤/ポリアミド樹脂フィルム(2)/ポリアミド樹脂成形層;総厚み:2.0mm)を得た。
【0086】
比較例1
ポリアミド樹脂フィルム(1)(厚み:約200μm、延伸倍率:1.6倍、レタデーション値:2300nm)に代えて、ポリアミド樹脂フィルム(2)(厚み:約100μm、未延伸、レタデーション値:30nm)を使用した以外は実施例1と同様にして、ポリアミド樹脂フィルム(2)/接着剤/偏光フィルム/接着剤/ポリアミド樹脂フィルム(2)からなる層構成を有する偏光性シート(2)を得た。偏光フィルムの両面のポリアミド樹脂フィルムのリタデーション値の差は、ゼロであった。
【0087】
実施例1と同様に偏光性シート(2)に曲げ加工を施したところ、得られた曲面偏光性シート(2)は精度良好な曲面形状を有していたが、白抜けが生じた。
【0088】
比較例2
ポリアミド樹脂フィルム(2)(厚み:約100μm、未延伸、レタデーション値:30nm)に代えて、ポリアミド樹脂フィルム(1)(厚み:約200μm、延伸倍率:1.6倍、レタデーション値:2300nm)を使用した以外は実施例1と同様にして、ポリアミド樹脂フィルム(1)/接着剤/偏光フィルム/接着剤/ポリアミド樹脂フィルム(1)からなる層構成を有する偏光性シート(3)を得た。偏光フィルムの両面のポリアミド樹脂フィルムのリタデーション値の差は、ゼロであった。
【0089】
実施例1と同様に偏光性シート(3)に曲げ加工を施したところ、得られた曲面偏光性シート(3)は、白抜けは無かったが、突っ張りが生じて、精度良い曲面形状が得られなかった。
【符号の説明】
【0090】
1 ポリアミド樹脂フィルム(1)
2 ポリアミド樹脂フィルム(2)
3 偏光フィルム
4 加工用金型
5 吸引孔
6 注入孔
7 射出成形用金型(上型)
8 射出成形用金型(下型)
9 ポリアミド樹脂成形層
A 偏光性シート
A’ 曲面形状を有する偏光性シート
B 偏光レンズ
図1
図2