(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-15
(45)【発行日】2023-09-26
(54)【発明の名称】デジタル要素を備えた個人衛生製品のためのコネクタ及びケース
(51)【国際特許分類】
A61F 13/42 20060101AFI20230919BHJP
G01N 27/06 20060101ALI20230919BHJP
G01N 27/22 20060101ALI20230919BHJP
【FI】
A61F13/42 F
G01N27/06 A
G01N27/22 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018189755
(22)【出願日】2018-10-05
【審査請求日】2021-08-06
(32)【優先日】2017-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510294139
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 Centurion Parkway, Jacksonville, FL 32256, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ランドール・ビー・ピュー
(72)【発明者】
【氏名】アダム・トナー
(72)【発明者】
【氏名】ホセ・フランシスコ・コー
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・キンボール
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・チェスター・ニーリー
【審査官】横山 綾子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-090332(JP,A)
【文献】国際公開第2017/152687(WO,A1)
【文献】特開2010-009941(JP,A)
【文献】特開2007-132703(JP,A)
【文献】特開2016-182336(JP,A)
【文献】特表2001-518353(JP,A)
【文献】特開2016-161575(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/42
G01N 27/06
G01N 27/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル要素を備えた個人衛生製品であって、
月経液を吸収するように構成された個人衛生デバイス(101)と、
前記個人衛生デバイス内に配置される導電性センサアセンブリ(105)であって、1つ又は2つ以上の水分センサと、少なくとも1つのコネクタとを含み、前記導電性センサアセンブリが前記月経液に湿潤接触しているときに、前記個人衛生デバイスの飽和レベルを示す信号を生成する、導電性センサアセンブリと、
前記少なくとも1つのコネクタを介して前記導電性センサアセンブリに連結されている外部デジタル要素(401)であって、スマートハンドヘルド電子デバイスと無線通信することができる通信回路(405)を有する基板と、プロセッサ(407)と、電力源(403)と、前記少なくとも1つのコネクタに連結するよう構成されかつ前記導電性センサアセンブリ及び耐水性ケースと共に使用するのに最適化された第1の嵌め合いコネクタ(1206、1207)と、を含み、前記耐水性ケースが、前記外部デジタル要素の構成要素を収容するように構成されている、外部デジタル要素と、
前記導電性センサアセンブリから延出し、かつ、前記導電性センサアセンブリを前記外部デジタル要素に相互接続する、信号伝送コンジットであって、前記信号伝送コンジットがリード線(1101)を含み、各前記リード線が終端(1103)を有する、信号伝送コンジットと、
を含み、
前記個人衛生デバイスがタンポンを含み、前記1つ又は2つ以上の水分センサは前記タンポン内に埋め込まれており、
各前記水分センサは、抵抗器に連結された感湿スイッチを含み、前記感湿スイッチは、前記月経液と湿潤接触するとオンになって伝導するようになり、これにより前記個人衛生製品の飽和レベルを示す前記信号を生成するように構成され、
前記耐水性ケースが、頂部(1209)と前記頂部にヒンジ結合された底部とを備え、前記頂部及び前記底部のうちの一方が、前記頂部及び前記底部のうちの他方に対向する表面を含み、前記表面に前記第1の嵌め合いコネクタが設けられており、
前記終端が、前記第1の嵌め合いコネクタと直接接触するように、前記頂部と前記底部との間に保持される、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
【請求項2】
前記スマートハンドヘルド電子デバイスが、使用者とインターフェースするよう構成されたハンドヘルドパーソナル電子デバイスを含む、請求項1に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
【請求項3】
前記耐水性ケースが、使用者の下着又は使用者の外側衣類に取り付けるよう構成されている、請求項1又は2に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
【請求項4】
前記耐水性ケースが、使用者の身体に取り付けるよう構成されている、請求項1又は2に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
【請求項5】
前記第1の嵌め合いコネクタが、前記信号伝送コンジットのためのテクスチャ表面を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
【請求項6】
前記第1の嵌め合いコネクタが、前記第1の嵌め合いコネクタに対向する表面に設けられた歯と噛み合うように構成された歯を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
【請求項7】
前記第1の嵌め合いコネクタが、前記信号伝送コンジットのための穿刺コネクタを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
【請求項8】
前記リード線が、非導電性の糸に織り込まれた導電性糸を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
【請求項9】
コネクタ延長部を更に含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
【請求項10】
前記外部デジタル要素が再利用可能である、請求項1から9のいずれか一項に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
【請求項11】
前記耐水性ケースが、前記底部に連結されたクリップ(1204)を更に含む、請求項3に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
【請求項12】
前記頂部と前記底部とが互いに対してばね付勢されている、請求項1から
11のいずれか一項に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
【請求項13】
前記頂部及び前記底部のうちの一方が、前記頂部及び前記底部のうちの他方を引き付けるための磁石を備える、請求項1から
11のいずれか一項に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許願は2017年10月9日に出願された米国仮特許出願第62/569744号の利益を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、パーソナルケア、主に、体液の吸収又は封じ込めのために使用される個人衛生製品、より具体的には、分泌関連データを感知し、そのデータをスマートハンドヘルド電子デバイスを介して使用者に無線通信するために利用され得るデジタル要素を備えた個人衛生製品に関する。
【背景技術】
【0003】
個人衛生製品の基本構造は、長い間あまり変化していない。吸収を最大化すること、及び個人衛生製品の吸収能力の予測可能性によって皮膚、衣類、又は外部環境への漏出を防止する、といった、使用者の要求も変化していない。個人衛生製品は、タンポン、ベッドパッド、使い捨て大人用おむつ、使い捨て大人用ブリーフ、使い捨て生理用ナプキン、粘着性ストリップ及びウィングを有する生理用ナプキン、及びパンティライナーを含む。大半の人は、人生のある時点で、一定期間個人衛生製品を使用する。個人衛生製品は、歴史的に、フリーサイズ手法を伴う。
【0004】
女性は、例えば、一生に推定平均10,000個の個人衛生製品を使用する。女性用衛生製品は、様々な吸収性能力のために設計された異なるサイズ及び形状であるにもかかわらず、月経の変動が過飽和をもたらすため、いずれの製品も流出又は漏れの防止に100パーセント有効ではない。各女性の月経出血量は、月経の間に変動し、何日かは他の日よりも軽かったり重かったりする。月経変動のため、不測の出来事又は流出が起こり、その場合、個人衛生製品が過飽和となり、吸収領域の外部に流出する。過飽和の衛生製品の連続使用は、細菌感染又は毒素性ショック症候群などの健康への悪影響を潜在的にもたらし得る。
【0005】
多くの女性は、個人衛生製品の不在下での予想外の月経の開始又は上で考察した種類の不測の出来事を回避する予測可能性のために、月経周期を手動で追跡又は監視する。月経を手動で監視するのに利用可能な200を超えるスマートデバイスアプリケーションが存在する。使用者は、スマートデバイス、例えばスマートフォン又は他のハンドヘルドデバイス上のアプリケーションにデータを入力し、アプリケーションが、例えば月経開始日、流量パターン、及び月経の長さを予測するデータを生成する。これらのスマートデバイスアプリケーションの多くは、月経が開始及び終了すると予期される場合に警告を発する。しかしながら、全ての利用可能なデバイスは、使用者の主観的及び手動入力に基づくデータに依存しており、大半の女性用衛生製品使用者が有する一次的要求、すなわち、予測可能性及び信頼性を確実に満たさない可能性がある。これらのアプリケーションのいずれも、個人が個人衛生製品を着用又は使用している間、その個人衛生製品の能動的吸収能力を能動的に監視することができない。
【0006】
個人衛生製品は、例えば、高齢者、負傷者、障害を有する人、及び失禁を伴う人によっても使用される。個人衛生製品は、様々な状況、例えば、地域社会、自宅、病院、及び介護施設で使用され得る。とりわけ、病院及び介護施設のスタッフは、個人衛生製品を着用する患者又は居住者を常に監視するリソースが限られている。その結果として、患者及び居住者が痛み又は感染症をもたらし得る個人衛生製品の長期着用の危険にさらされることになる。更に、大半の病院及び介護施設は、動けない人の個人衛生製品の交換を容易にするためのリフトチーム又は機械を装備している。しかしながら、1施設当たり1つのリフトチーム又は機械しか存在しない場合がある。その結果、個人衛生製品を一人で交換するスタッフ職員は、勤務中に負傷する危険にさらされる。看護者及び介護者の職業は、彼らのシフト中の定期チェック中に個人衛生製品を交換するために患者又は居住者の身体を一人でリフト及び操作するため、勤務中のリフティングに起因する負傷率が最も高い。
【0007】
上の状況における個人衛生製品を監視するための現在の取り組みは、定期チェック及び患者の報告に依存している。病院及び介護施設が、適正なリソースで、例えば個人衛生製品の交換により効率的に対応するために、リアルタイムデータ及び情報を有する必要性が存在する。かかる対応は、負傷の発生を減少させ、患者/居住者及びスタッフの両者のための健康上の安全を向上させるであろう。
【0008】
個人衛生製品の使用における予測可能性及び信頼性の必要性に加えて、個人衛生製品は、身体に近接しているか又は身体内に挿入されているかのいずれかであり、その結果、手動入力アプリケーションが捕捉できない方法で、分泌のパターン及び生体計測についてのデータを収集することができる。このデータは、社会的困惑を回避するのに有益であり、かつ使用者の健康全般にも有益であり、例えば、医師に正確なデータを提供するか、又は体液分泌の通常のパターンに乱れがある場合に使用者に警告するのに有益である。
【0009】
例えば、月経の問題及び分泌のパターンは、女性が医者にかかる最も一般的な理由のうちの1つである。一般に、医師の最初の対応は、月経日、月経期間の長さ、流量等の記録として「月経日誌」をつけさせることになる。通常の月経周期とは異なり、月経期間が通常よりも長い又は短い、あるいは月経が来ない、といった場合は、潜在する健康問題を示している可能性がある。例えば、異常に長い月経出血は、子宮又は子宮頸部内のポリープ、子宮筋腫、癌、又は感染症などの異常を示している可能性がある。月経困難症(痛みを伴う生理)、希発月経症(不規則な生理)、無月経症(生理の欠如)、及び月経過多症(重い生理)といった数多くの病態が、月経流量データから明らかとなり得る。
【0010】
個人衛生製品の場所では、体温又はpHなどの内部及び外部生体データを集めることができる可能性がある。月経は、例えば、生体情報を伴う分泌物も含む。毎月の月経には、子宮から子宮内膜が剥がれ、新たな内膜がそれに取って代わるプロセスを伴う。月経液は子宮血液を含み、これは子宮内膜組織、膣分泌液、及び頸管粘液を意味する。月経液はまた、エストロゲン及びプロゲステロンなどのホルモン、並びに加水分解酵素及びリソソームなどの妊娠に関連した酵素についての情報も含む。
【0011】
在宅医療状況において、例えば、個人は、毎日から毎週に複数回の範囲で在宅医療スタッフによる定期検査を受ける。個人が更なる健康問題を有しており、その問題が検査中に現れない場合、単回の訪問は、警告を捕捉できないか、又は正確に警告を与えられない可能性がある。個人衛生製品から微かに現れ得る有益な生体計測は、医療専門家が電子的に利用可能である場合、患者の健康のより正確な全体論的理解をもたらし得る広範なデータを正確に伝達するであろう。更に、デジタル要素を備えた個人衛生製品は、医療専門家又は家族のメンバーのいずれかによる遠隔監視を容易にし得る。
【0012】
スマートハンドヘルド電子デバイスとインターフェース接続することができるデジタル要素を内蔵した個人衛生製品の適切な組み合わせは、個人衛生製品の消費者の最終的な必要性を満たすであろう。デジタル要素は、生体適合性である必要があり、かつ、無線通信を行うことができるアレイを備えている必要がある。結果的に、製品の吸収性能力及び個々の使用者の体液分泌についてのデータを集め、処理し、かつ使用者のスマートハンドヘルド電子デバイスに通信することができる個人衛生製品を提供する必要性が存在する。個々の使用者が、一度スマートハンドヘルド電子デバイスに通信されたデータとインターフェースすることができるという必要性も存在する。
【0013】
既存のコネクタ及びエンクロージャ又はケースは、デジタル要素が組み込まれた個人衛生製品に対する無数の要件を十分に満たすことができない。1つの制約は、エンクロージャの大きさ、すなわちコネクタの大きさである。エンクロージャは好ましくは、身体に装着するために、個別かつ快適であるべきである。もう1つの制約は、コストについてである。使い捨てセンサだけでなく、再利用可能な信号取得デバイスが、確立された女性用衛生システムと比べてコスト競争力があるものでなければならない。そのシステムの使用が簡単であるという点もまた、消費者の受け入れにおいて非常に重要である。一部の潜在的顧客にとっては、消費者向けエレクトロニクス用に好適な既存のコネクタ及びエンクロージャは気後れするものであるかもしれない。加えて、ケース及びエンクロージャの両方とも、ある程度の耐水性をサポートしなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、電気的に機能する個人衛生システムのための新しいコネクタ及びエンクロージャの設計に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明による、デジタル要素を備えた個人衛生製品は、上で簡潔に論じられるような先行技術での制限を克服する。
【0016】
本発明は、デジタル要素を備えた個人衛生製品を備えるデバイスを目的とする。いくつかの実施形態において、デジタル要素を備えた個人衛生製品は、体液と直接接触する個人衛生製品の外部上に位置するデジタル要素を含む。いくつかの実施形態において、デジタル要素を備えた個人衛生製品は、個人衛生製品の吸収性コア内に埋め込まれるデジタル要素を含む。いくつかの実施形態において、デジタル要素を備えた個人衛生製品は、外部デジタル要素に接続されるデジタル能力を有する個人衛生製品を含む。
【0017】
いくつかの実施形態において、個人衛生製品は、月経又は他の体液分泌物のために使用される女性用衛生製品であり得る。いくつかの実施形態において、衛生製品は、おむつ、パッド、又は体液分泌物を吸収又は封じ込めるために大人によって使用される材料であり得る。
【0018】
いくつかの実施形態において、導電性センサアセンブリは、個人衛生製品のコア内に配設される。導電性センサアセンブリは、1つ又は2つ以上の水分センサを含むセンサアレイを含み得る。各水分センサは、抵抗器に連結された感湿スイッチを含み得、そこで、感湿スイッチの抵抗値は、抵抗器の抵抗値より低い。
【0019】
いくつかの実施形態において、個人衛生製品のデジタル要素は、外部デジタル要素に磁気的に接続される衛生製品の吸収性コア内にセンサアレイを備え得る。デジタル要素は、電池、通信回路、及びセンサアレイを備え得る。
【0020】
一態様に従って、デジタル要素は、回路基板及び電池電力源を含み得る。
【0021】
いくつかの実施形態において、個人衛生製品上又はその内部に位置するデジタル要素は、生体適合性材料によって被包された基板上に配設されたセンサアレイ及び電気部品を備え得る。いくつかの実施形態において、デジタル要素は、個人衛生製品上にプリントされ得、基板上に位置するセンサアレイ及び電気部品を備え得る。
【0022】
いくつかの実施形態において、個人衛生用デバイス上又はその内部に位置するデジタル要素は、生体適合性材料によって被包された基板上に位置するセンサアレイ、電気部品、及び無線通信デバイスを備え得る。
【0023】
いくつかの実施形態において、センサアレイは、電気部品中のプロセッサを介して、無線通信デバイスにデータ又は情報を送信し得る。
【0024】
いくつかの実施形態において、無線通信デバイスは、スマートハンドヘルド電子デバイスと通信し得る。
【0025】
デジタル要素は、衛生製品内に組み込まれ得るか、又は埋め込まれ得、スマートハンドヘルド電子デバイスとインターフェース接続する能力を有する通信システムを通じて出力情報を生成し得る。
【0026】
人は、スマートハンドヘルド電子デバイスと無線通信するデジタル要素を有する1つの衛生製品を使用し得る。人はまた、2つの衛生製品を同時に使用し得、そこで、1つの衛生製品内のデジタル要素が、スマートハンドヘルド電子デバイスと通信する第2の衛生製品内の通信システムと通信する。デジタル要素は、ある物理的工程、例えば、導電性リボンを外部デジタル要素に接続すること、パッドを広げること、又はアプリケータによってタンポンを押し込むことによって作動され得る。
【0027】
いくつかの実施形態に従って、デジタル要素は、製品内の流体レベルを検出するためにセンサアレイを含むセンサシステムを備え得る。センサシステムはまた、各センサアレイをサンプリングして、液体レベルを計算し、かつ出力制御信号を供給するように構成されるシステム制御装置、及び出力制御信号を受信するように構成される少なくとも1つの作動装置を含む。
【0028】
一態様に従って、デジタル要素は、製品内の流体レベルを検出するために横又は長手方向センサ対を含むセンサシステムを備え得る。センサシステムはまた、各センサアレイをサンプリングして、液体レベルを計算し、かつ出力制御信号を供給するように構成されるシステム制御装置、及び出力制御信号を受信するように構成される少なくとも1つの作動装置を含む。
【0029】
別の態様に従って、デジタル要素は、生体計測、例えば、pHレベル及び体温を検出することができ、かつ出力制御信号を供給するセンサアレイを含むセンサシステム、及び出力制御信号を受信するように構成される少なくとも1つの作動装置を備え得る。
【0030】
別の態様に従って、デジタル要素は、生体計測、例えば、ホルモンレベルを検出することができ、かつ出力制御信号を供給するセンサアレイを含むセンサシステム、及び出力制御信号を受信するように構成される少なくとも1つの作動装置を備え得る。
【0031】
本発明は、スマートハンドヘルド電子デバイス(例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、及び/又はタブレット)とインターフェース接続することができるデジタル要素を組み込む個人衛生製品に関する。一態様に従って、電子デバイスは、デジタル要素を備えた衛生製品又はデジタル要素を備えた個人衛生製品の組み合わせの各使用から受信されたデータを集め得る。
【0032】
一態様に従って、電子デバイスは、例えば個人衛生製品内で起こり得る事象、又は生体計測変化に関する警告を使用者に通知し得る事象通知機構を備え得る。別の態様に従って、電子デバイスは、個人衛生製品内のデジタル要素から通信されたデータを分析及び集計して、使用者のために、例えば、月経流量パターンを反映する報告、概要、チャート、又は視覚的ツールを生成し得る。電子デバイスは、データに基づく個人衛生製品の購入オプションのためのリンク、例えば、自宅の使用者に配達するために毎週個人衛生製品を注文する在宅医療プログラムを提供し得る。
【0033】
一態様に従って、アプリケーション又はソフトウェアは、個人衛生製品の飽和のレベル及び使用者が着用中の製品の吸収性能力に関するデータをデジタル要素から受信し得る。アプリケーション又はソフトウェアは、使用者が漏れ又は流出前に個人衛生製品を交換することができるように、最大飽和が起こる場合、及び/又は起こるときに、警報又は警告によって使用者に信号伝達し得る。
【0034】
一態様に従って、アプリケーション又はソフトウェアは、予測分析を生成するためにデジタル要素を備えた個人衛生製品の各使用から集められたデータを使用して、流量又は分泌に関する情報を使用者に忠告し得る。かかる実施形態は、女性に、例えば、推測開始日及びその日の時間などの彼女の月経周期についての情報を提供し得る。かかる実施形態はまた、女性に、例えば、どの吸収性のレベルの個人衛生製品が、彼女の月経周期における所与の日に推奨されるかについての情報を提供し得る。
【0035】
一態様に従って、電子デバイスは、受精率監視のための体温又は感染症を示すための生体計測などの個人の健康情報を伝達するデジタル要素からデータを受信し得る。かかる実施形態は、例えば、使用者が、外部電子デバイスによって集計されたデータをかかりつけの医師に提示することを可能にし得る。
【0036】
別の態様に従って、アプリケーション又はソフトウェアは、デジタル要素を備えた個人衛生製品の使用から集められたデータを使用して、衛生製品を交換するように施設リソースに警告し、かつ/又は施設リソースを動員し得る。かかる実施形態は、例えば、個人衛生製品を交換する必要があることを看護ステーション、次いで、リフティングチームに警告し得る。かかる実施形態はまた、例えば、施設が、患者、居住者、又はスタッフの健康を最良に守るのに必要なリソースをより正確に認識することを可能にし得る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明の上述及び他の特徴と利点は、添付図面に例証されるような、本発明の好ましい実施形態の以下のより詳しい記載から明白となるであろう。
【
図1】本発明による製品の吸収性材料内に埋め込まれたデジタル要素を備えた個人衛生製品の例示的な実施形態を示す断面図である。
【
図2A】本発明による製品の吸収性材料内の導電性リボンで個人衛生製品に外部に磁気的に接続されたデジタル要素を備えた個人衛生製品の例示的な実施形態を示す断面図である。
【
図2B】本発明による磁気連結部品の例示的な実施形態を示す図である。
【
図3】本発明による個人衛生製品の吸収性層内に埋め込まれた基板を備えるデジタル要素の例示的な実施形態の上面図である。
【
図4】本発明による製品の吸収性材料内の導電性リボンに接続される外部基板を備えるデジタル要素の例示的な実施形態の上面図である。
【
図5】使用者データを検出し、かつ本発明によるスマートハンドヘルド電子デバイスにそのデータを無線通信するために利用されるデジタル要素検出経路を有する、例示的な個人衛生製品の模式図である。
【
図6A】本発明による使用の前にデジタル要素を作動させる例示的な実施形態を示す図である。
【
図6B】本発明による使用の前にデジタル要素を作動させる例示的な実施形態を示す図である。
【
図6C】本発明による使用の前にデジタル要素を作動させる例示的な実施形態を示す図である。
【
図6D】本発明による使用の前にデジタル要素を作動させる例示的な実施形態を示す図である。
【
図6E】本発明による使用の前にデジタル要素を作動させる例示的な実施形態を示す図である。
【
図7】本発明の例示的な実施形態によるデジタル要素に連結された個人衛生製品を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態によるセンサアレイを示す図である。
【
図9】本発明による例示的なセンサアセンブリを示す図である。
【
図10】本発明によるセンサ、リード、及び信号取得デバイスへの接続を組み込んだ、例示的なタンポンを示す図である。
【
図11A】本発明による信号取得デバイスへのタンポンのセンサ接続の例示的な末端処理方法を示す図である。
【
図11B】本発明による信号取得デバイスへのタンポンのセンサ接続の例示的な末端処理方法を示す図である。
【
図12A】本発明による信号取得デバイスに供される例示的な接続端部の長さの不一致を示す模式図である。
【
図12B】本発明による信号取得デバイスに供される例示的な接続端部の長さの不一致を示す模式図である。
【
図12C】本発明による例示的な信号取得デバイス及びコネクタの、2つの視点から見た図表示である。
【
図12D】本発明による例示的な信号取得デバイス及びコネクタの、2つの視点から見た図表示である。
【
図13A】第1の市販のコネクタ及び電池クリップを示す図である。
【
図14A】本発明による例示的なコネクタ改変表面の上面図表示である。
【
図14B】本発明による例示的な連結コネクタの側面図表示である。
【
図14C】本発明によるコネクタの例示的な挿入位置、末端処理、及びエンクロージャ内の位置を示す模式図である。
【
図15A】本発明による例示的な女性用ナプキンを示す模式図である。
【
図15B】本発明による女性用ナプキンへの信号取得デバイスの例示的な取り付け及び下着内の配置を示す模式図である。
【
図15C】本発明によるボタンスナップを利用した例示的なコネクタを示す図である。
【
図16】本発明による信号取得デバイスのための例示的なケースを示す模式図である。
【
図17】本発明による、センサと信号取得デバイスとの間に配置される例示的な延長デバイスを示す模式図である。
【
図18A】本発明によるケース設計を示す模式図である。
【
図18B】本発明によるケース設計を示す模式図である。
【
図18C】本発明によるケース設計を示す模式図である。
【
図18D】本発明によるケース設計を示す模式図である。
【
図18E】本発明によるケース設計を示す模式図である。
【
図18F】本発明によるケース設計を示す模式図である。
【
図18G】本発明によるケース設計を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
スマートハンドヘルド電子デバイスとインターフェース接続することができるデジタル要素を備えた個人衛生製品を備えるデバイスが、本明細書に開示される。以下の項において、様々な実施形態の詳細な説明が記載される。様々な実施形態の記載は、例示的な実施形態であり、様々な変形及び変更が当業者には明白であり得る。したがって、例示の実施形態は、本出願の範囲を制限するものではない。デジタル要素は、生物の身体内又は身体に隣接した使用のために設計される。
【0039】
用語集
本説明及び以下の特許請求の範囲において様々な用語が使用され得、以下の定義が適用される。
【0040】
本明細書で使用される場合、「生体適合性」とは、特定の用途において適切な宿主反応で機能する材料又はデバイスを指す。例えば、生体適合性デバイスは、生体系に毒性又は有害な影響を及ぼさない。
【0041】
本明細書で使用される場合、「通信システム」は、プロセッサからスマートハンドヘルド電子デバイス内の受信機と情報を送受信するように構成され得る無線通信デバイスを指し得る。
【0042】
本明細書で使用される場合、「デジタル要素」は、基板上の電子部品を指し得る。
【0043】
本明細書で使用される場合、「スマートハンドヘルドデバイス」は、モバイルオペレーティングシステム上に構築され、かつ高度な処理能力を有するスマートフォン又はタブレットを指し得る。
【0044】
本明細書で使用される場合、「女性用衛生製品」は、タンポン、生理用パッド、パンティライナー、又は月経若しくは体液分泌物を吸収若しくは封じ込めるために使用される他の製品を指すが、これらに限定されない。
【0045】
本明細書で使用される場合、「衛生製品」は、タンポン、ライナー、男性のガード及びシールド、大人用おむつ、並びにブースターパッドを含む、体液分泌物を吸収又は封じ込めるために大人によって使用される任意の吸収性材料又はデバイスを指す。
【0046】
本明細書で使用される場合、「マイクロ流体分析システム」は、流体試料の1つ又は2つ以上の特性を評価するために、流体試料がそこから収集され得、かついくつかの実施形態においては、チャネルを通じて移動するか、又は拡散され得る1つ又は2つ以上の孔を含む、低エネルギー消費システムを指し得る。いくつかの実施形態において、マイクロ流体分析システムは、マイクロポンプ及びマイクロバルブなどのマイクロ流体構成要素を含み得る。
【0047】
本明細書で使用される場合、「電力源」は、エネルギーを供給することができるか、又は論理又は電気デバイスを通電状態にすることができる任意のデバイス若しくは層を指す。電力源は、電池を含み得る。電池は、アルカリ電池用化学組成物で形成されてもよく、固体電池又は湿電池であってもよい。
【0048】
本明細書で使用される場合、「センサアレイ」とは、センサ又は複数のセンサを意味し、これは、例えば、液体又は水分を検出するために抵抗性又は容量性のものを含み得る。
【0049】
本明細書で使用される場合、「スイッチ」とは、物理的又は電気入力に応答して電流の流量を制御する回路要素を意味する。
【0050】
個人衛生製品
ここで
図1を参照すると、デジタル要素105を有する個人衛生製品101の例示的な実施形態の断面が示される。デジタル要素105は、使用者の身体内に挿入されるか、又は使用者の身体に対して配置される個人衛生製品の吸収性コア103内に埋め込まれる。いくつかの実施形態において、デジタル要素105は、使用者の身体内に挿入されるか、又は使用者の身体に対して配置される個人衛生製品の身体側の外部表面上に位置し得る。いくつかの実施形態において、デジタル要素105は、例えば、電力、感知、及び通信のために電子部品と共に組み込まれた生体適合性ポリマー又は他の可撓性生体適合性材料を備える基板を備える。
【0051】
ここで
図2Aを参照すると、外部デジタル要素209とセンサアセンブリ205とを備えた、個人用衛生製品201の断面が示されている。センサアセンブリ205は、例えば、個人衛生製品201の吸収性コア203の中心を通り、外部デジタル要素209に接続されているセンサアレイを備える。センサアレイ205は、金属化繊維を含んでもよいし、個人衛生製品201内の糸に連動して利用される導電性インクを含んでいてもよい。いくつかの例示的な実施形態において、導電性インクは、個人衛生製品201内の基板上にプリントされ得る。センサアレイ205は、個人衛生製品201によって吸収された導電性及びイオン特性体液を感知することができる可能性がある。センサアレイ205は、体液で飽和したときの個人衛生製品201の抵抗変化を捕捉し得る。センサアレイ205は、信号伝送コンジット211を介して外部デジタル要素209に電気的に連結される。いくつかの実施形態において、信号伝送コンジット211は、デジタル要素209に磁気的に接続され得る。より具体的には、磁気連結デバイス207を利用して、信号伝送コンジット211をデジタル要素209に接続することができる。例えば、
図2Bに示すように、信号伝送コンジット211は、第1の端部上の磁気連結部213を含んでよく、デジタル要素209は、接合されるときにしっかりとした連結部207を形成する嵌め合い磁気連結部215を含んでよい。
【0052】
デジタル要素
図3において、デジタル要素301の例示的な実施形態が示される。いくつかの実施形態において、基板303は、生体適合性ポリマー層305内に包まれるか、又は被包される。いくつかの実施形態において、例えば、作動要素又は電池であり得る電力源307は、基板303に取り付けられる。基板303は、例えば、ポリイミド、セルロースナノフィブリル化繊維、又は他の生体適合性ポリマー若しくはシリコンから構成されていてよい。いくつかの実施形態において、導電性トレース309は、電力源307を集合的に電子部品311、313、315、及び317と電気的に相互接続し得る。
【0053】
いくつかの実施形態において、電子部品は、電力源307に取り付けられた単一のセンサを備えるセンサアレイ311、及びデータ収集することができる第1のプロセッサ315を含み得る。センサ又はセンサアレイは、例えば、光学センサ、酸素測定センサ、電気センサ、化学センサ、機械センサ、MEMセンサ、ナノセンサ、生化学センサ、音響センサ、免疫センサ、流体センサ、又は「ラボオンチップ」式センサを含み得る。
【0054】
いくつかの実施形態において、電子部品は、電力源307に取り付けられたセンサアレイ311及び第1のプロセッサ315を含み得る。いくつかの実施形態において、センサアレイ311からデータを収集する第1のプロセッサ315は、例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、及び/又はタブレットであり得るスマートハンドヘルド電子デバイスと無線通信することができる第2のプロセッサ317と通信する。第1及び第2のプロセッサ315及び317は、好ましくは単一のマイクロプロセッサに実装される。
【0055】
いくつかの実施形態において、電子部品は、データを収集する第1のプロセッサ315と通信する電力源307に取り付けられたマイクロ流体分析システム313を含み得る。いくつかの実施形態において、第1のプロセッサ315は、例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、及び/又はタブレットであり得るスマートハンドヘルド電子デバイスと無線通信することができる第2のプロセッサ317と通信する。
【0056】
いくつかの実施形態において、電子部品は、個人衛生製品の液体吸収能力及び飽和レベルに関するデータを捕捉して、そのデータを第1のプロセッサ315に通信し得るセンサアレイ311を含み得る。いくつかの実施形態において、センサアレイ311は、個人衛生製品の吸収能力に関するデータを捕捉して、そのデータを第1のプロセッサ315に通信し得る。第1のプロセッサ315は、センサアレイ311によって生成された収集されたデータを集計し、収集されたデータを第2のプロセッサ317に伝送し得、第2のプロセッサ317は収集されたデータをスマートハンドヘルド電子デバイスに無線通信し得る。
【0057】
いくつかの実施形態において、電子部品は、例えば、体温、pHレベル、血中酸素飽和度、血糖値、化学組成、ホルモンレベル、及び身体の動きを含む生体データを捕捉し得るセンサアレイ311を含み、そのデータを第1のプロセッサ315に通信し得る。第1のプロセッサ315は、マイクロ流体分析システム313によって生成された収集されたデータを集計し、収集されたデータを第2のプロセッサ317に伝送し得、第2のプロセッサ317は、収集されたデータを例えば低電力ブルートゥース無線通信又は近距離無線通信によって、スマートハンドヘルド電子デバイスに無線通信し得る。
【0058】
いくつかの実施形態において、電子部品は、例えば、有害細菌の存在、ホルモンレベル、子宮頸部及び子宮健康指標、又は任意の癌のマーカーを含む生体計測に関するデータを捕捉して、そのデータを第1のプロセッサ315に通信するマイクロ流体分析システム313を含み得る。第1のプロセッサ315は、マイクロ流体分析システム313によって生成された収集されたデータを集計し、そのデータを第2のプロセッサ317に伝送し得、第2のプロセッサ317は、次に収集されたデータをスマートハンドヘルド電子デバイスに無線通信し得る。
【0059】
ここで
図4を参照すると、再利用可能な外部デジタル要素401の実施形態が示される。デジタル要素は、
図2Bに関連して上に記載されるものなどの磁気的接続部を連結させることによって個人衛生製品内のセンサアレイに取り付けられる。デジタル要素401は、表面に取り付けられた電子部品411を有する基板409を備えてよい。基板409は、例えば、ポリイミド、セルロースナノフィブリル化繊維、又は任意の他の好適な生体適合性ポリマーから構成され得る。デジタル要素401は、生体適合性材料、例えば、シリコーンで被包され得る。電子部品411は、通信回路405、プロセッサ回路407、及び電力源403を含み得る。通信回路405及びプロセッサ回路407は、例えば、可撓性又は剛性の薄いプリント回路基板であり得る。通信回路405は、例えば、低電力ブルートゥース又は近距離無線通信によってスマートハンドヘルドデバイスとの無線通信を円滑にし得る。通信回路405は、例えば、グラフェン又は生体吸収性若しくは生物学的に不活性な導電性インクから構成されるアンテナを含み得る。プロセッサ回路407は、使用者が個人衛生製品を着用することによって生成されるデータを処理することができるセンサアレイを含み得る。電力源403は、例えば、電池、燃料電池、又はマイクロ電子部品に電力を供給するのに好適な任意の他の電力源であり得る。かかる好適なデバイスは、リチウム二酸化マンガンコイン電池を含むが、これに限定されない。
【0060】
スマートハンドヘルドデバイス
ここで
図5を参照すると、デジタル要素503及びスマートハンドヘルドデバイス505とのインターフェース接続及び使用者501及び/又はインターネットベースの消費者サービス511とのスマートハンドヘルドデバイス505のインターフェース接続を示す模式図が示される。スマートハンドヘルドデバイス505は、例えば、携帯電話、スマートウォッチ、及び/又はタブレットなどのハンドヘルドパーソナル電子デバイスを含み得る。
【0061】
いくつかの実施形態において、デジタル要素503は、受信機507を有するスマートハンドヘルド電子デバイス505と無線通信することができる。いくつかの実施形態において、受信機507は、使用者ベースのデータを、例えば、使用者ベースのデータを定量化することができるソフトウェアアプリケーション509を含み得る外部デバイス内のプロセッサに伝送することができる。次いで、使用者501は、外部電子デバイス505とインターフェースしてもよく、使用者ベースの定量化データを何らかの方法で受信し得る。
【0062】
いくつかの実施形態において、ソフトウェアアプリケーション509機能は、例えば、受信された使用者ベースのデータを定量化し、かつ、例えば、使用者501のためのチャート、画面、又は警告の生成を含む使用者501向けの定量化データの視覚表示を生成するインターフェースを含み得る。
【0063】
いくつかの実施形態において、ソフトウェアアプリケーション509は、液体吸収能力及び実際の体液吸収に基づく個人衛生製品による吸収のレベルの視覚表示を使用者に提供することができ得る。いくつかの実施形態において、ソフトウェアアプリケーション509は、吸収性及び予想される飽和点の時間枠を使用者に提供することができ得る。いくつかの実施形態において、ソフトウェアアプリケーション509は、個人衛生製品の飽和が差し迫っているか、又は飽和に達した場合、使用者に警告信号を生成し得る。いくつかの実施形態において、ソフトウェアアプリケーション509は、例えば、使用者の体液分泌の速度又は体液分泌の履歴データを含む定量化データの視覚表示を生成し得る。
【0064】
いくつかの実施形態において、ソフトウェアアプリケーション509は、複数の個人衛生製品の使用から経時的に生成されたデータを蓄積することができ得る。いくつかの実施形態において、ソフトウェアアプリケーション509は、図形、チャート、又は他のインターフェースを生成して、履歴データに基づいて、体液分泌のベースラインを示すことができ得る。いくつかの実施形態において、ソフトウェアアプリケーション509は、予想分析を生成し、その情報を使用者に通信することができ得る。かかる情報により、使用者501は、例えば、デジタル要素を備えた個人衛生製品が月経周期のために使用される場合、開始日及び終了日を予想することができる。かかる情報により、使用者501は、より重い又はより軽い流量の日又は時間を含む一連の周期を理解することができる。
【0065】
いくつかの実施形態において、ソフトウェアアプリケーション509は、使用者の消費可能な使用速度についての情報を生成し得、例えば、1日当たり、1週間当たり、又は1周期当たり個人衛生製品がいくつ必要であるかを予測する。いくつかの実施形態において、ソフトウェアアプリケーション509は、例えば、月経の開始日が特定された場合などを含む、使用者に対する個人衛生製品を購入するための注意又は警報を生成し得る。いくつかの実施形態において、ソフトウェアアプリケーションは、使用者の体液分泌の履歴データに基づいて、注文数量の推測を使用者に提供し得る。いくつかの実施形態において、ソフトウェアアプリケーション509のインターフェースは、使用者501が、直接配達のために追加の個人衛生製品を注文及び購入し得るインターネットベースの消費者サービスへの直接リンクを提供し得る。いくつかの実施形態において、ソフトウェアアプリケーション509は、使用者501への直接配達のために、消費可能な使用速度に基づいて自動で直接注文することができてもよい。ソフトウェアアプリケーション509は、追加の個人衛生製品の購入を容易にし得る。ソフトウェアアプリケーション509は、使用者をインターネットベースの消費者サービスに接続し得る。
【0066】
デジタル要素503は、上述のように、センサアレイ520、第1のプロセッサ522、第2のプロセッサ524、及びマイクロ流体分析システム526を含む。デジタル要素503は更に、ポート500を有するものとして示されており、これにより流体が中に入り、センサアレイ520とマイクロ流体分析システム526の両方に到達することが可能になる。
【0067】
タンポン
本発明の例示的な一実施形態に従って、デジタル要素を備えたタンポンの形態の個人衛生製品701が提供される。
図7を参照すると、個人衛生製品701は、信号伝送コンジット706を介して外部デジタル要素709に連結される。個人衛生製品701内に配設されるのは、例えば、個人衛生製品701の吸収性コア703の中心を通る導電性センサアセンブリ(この図には示されていない)である。
【0068】
少なくとも1つの実施形態において、
図8に示される通り、導電性センサアセンブリ805は、一般に、例えば抵抗性を測定することによって、月経液の導電性及びイオン特性を感知することができ得る1つ又は2つ以上の水分センサ807を備える。水分センサ807は、PET、ポリイミド、セルロースナノフィブリル化繊維、又は他の生体適合性ポリマー若しくはシリコンを含み得る基板806上に配設される。いくつかの実施形態において、基板は、可撓性回路基板を備え得る。各水分センサは、抵抗器812に連結された感湿スイッチ810を含む。感湿スイッチ810は、月経液と湿潤接触すると伝導する、つまり「オンになり」、したがって、個人衛生製品の飽和レベルを示す信号を生成するように構成される。
【0069】
図9は、交互嵌合された電極パターン914の形態の感湿スイッチに接続された抵抗器912を含む導電性センサアセンブリ900を示す。交互嵌合された電極914の間及びその周囲での月経液には塩及び他のイオン成分が存在するため、交互嵌合された電極914間の導電性が促進される。月経液が存在しない場合には、交互嵌合された電極914の間に統計的に有意な導電性が存在しない。本質的に、流体が存在せず、全体が乾燥している場合は、導電性がない。信号伝送コンジット920は、感湿スイッチによって伝送される信号をデジタル要素に送るために提供される。いくつかの実施形態において、信号伝送コンジット920は、
図4に関連して上に記載されるものなどのデジタル要素に接続されたケーブルであり得る。いくつかの実施形態において、伝送コンジット920は、可撓性基板上に堆積された導電性インクを備え得る。抵抗器912は、基板925上に堆積した導電性インクから形成され得る。いくつかの実施形態において、基板925が可撓性回路基板である場合、抵抗器912は、基板上の抵抗器であり得る。
【0070】
月経液の成分は、被験者によって大きく異なると考えられる。結果的に、月経液の導電性は、異なるイオン成分並びに他の要因に少なくとも一部起因して、被験者によって±50%以上異なり得る。被験者間のこの導電性の一貫性のなさは、水分センサを異なる被験者では異なって挙動させ得る。例えば、月経液導電性の違いのため、両方の個人衛生製品が同一の量の月経液にさらされても、水分センサは、第1の被験者によって使用される個人衛生製品が飽和していることを示すことがあり、第2の被験者によって使用される個人衛生製品が飽和していることを示すことができない可能性がある。被験者毎により一貫した結果を提供するために、いくつかの実施形態において、抵抗器812及び感湿スイッチ810の抵抗値は、月経液導電性変動の影響を最小限に抑えるように選択される。結果的に、抵抗器812の抵抗性は、好ましくは、感湿スイッチ810の抵抗性よりかなり大きい。いくつかの実施形態において、抵抗器812は、1kΩ~10kΩの抵抗値を有し得る。しかしながら、これらの抵抗値は、個人衛生製品に特に所望の方式で機能させるように調整され得る。
【0071】
いくつかの実施形態において、導電性センサアセンブリ805は、タンポンの軸線方向長さに沿った様々な点での飽和を検出するようにタンポンの軸線方向長さの略全体にわたって延在し得る。いくつかの実施形態において、導電性センサアセンブリは、タンポンの完全飽和を示すタンポンに沿った点に位置付けられた単一の水分センサのみを含み得る。他の実施形態において、水分センサは、タンポンの軸線方向長さに沿った様々な点に、例えば10%、50%、75%、及び90%、位置付けられ得る。
【0072】
代替の例示的な実施形態によれば、本発明のセンサシステムは、抵抗センサではなく、静電容量センサであってもよいし、静電容量センサを含んでいてもよい。例示的な静電容量センサは、互いに離間配置された少なくとも一対の線状導電性リード線を含んでよく、この導電性リード線は、リード線にわたって電位が印加されたときに相互間に電界を生成するように構成され得る。導電性リード線は、導電性ワイヤ、導電性糸、又は導電性ヤーンのうちの1つ又は2つ以上を含み得る。導電性ヤーンは、導電性材料で処理(例えば、被覆)されたヤーンを含み得る。導電性糸は、処理(例えば、導電性材料で被覆)された糸を含み得る。
【0073】
静電容量センサは、絶縁体を含み得る。絶縁体は、親水性、疎水性、全親和性、オムニフォビック、親油性又は疎油性のうちの1つ又は2つ以上であってよい。例えば、絶縁体の表面が、親水性、疎水性、全親和性、オムニフォビック、親油性又は疎油性の1つ又は2つ以上となるように絶縁体を処理してもよい。絶縁体は、吸収性材料と、導電性リード線の各々の少なくとも一部分との間に配置され得る。一例として、電気絶縁性材料は、各線状導電性リード線の少なくとも一部分の周りに配置され得る。同様に、電気絶縁性材料は、各線状導電性リード線の間に配置され得る。絶縁性材料はまた、線状導電性リード線を個人衛生製品の吸収性材料から絶縁することもできる。したがって、1本又は2本以上の線状導電性リード線に電流を印加すると、線状導電性リード線間に電界が発生する。線状導電性リード線と電流は、生成された電界の少なくとも一部が吸収性材料を通過するように構成される。生成された電界内で、吸収性材料の一部分の流体レベル(例えば、飽和度)が変化すると、その電界内の誘電体又は他の材料の電気的特性(例えば、静電容量)が変化し得る。このような変化は、測定することができ、センサシステムが組み込まれている個人衛生デバイスの流体レベルを示すことができる。一例として、センサシステムは、第1の静電容量値と、この第1の静電容量値とは異なる第2の静電容量値とを検出するように構成することができる。
【0074】
代替の例示的な実施形態において、静電容量センサは、静電容量部品及び抵抗部品を含むことができる。この実施形態において、平行な接合部の端部は未絶縁のままにされる。タンポン又は他の製品の中に配置される際に、この2つの開放導電性端部は、この平行な部分がそれ自体に折り畳まれた状態で、タンポンの基部にある。タンポンが満杯の場合に、これら2つの導電性端部は月経液で短絡を起こし、これが抵抗検出部品によって検出される。この配置は、起こり得る流体バイパスによる逆流又は漏れの警報として利用することができる。
【0075】
制御装置が、センサシステム(例えば、静電容量センサ)に組み込まれてもよく、またこれと通信するように構成されてもよい。静電容量センサの電気的特性の測定が行われると、制御装置に信号が送信され得る。信号は、第1の静電容量値及び第2の静電容量値のうちの1つ又は2つ以上を示すことができる。本明細書に記述されるように、第1の静電容量値及び第2の静電容量値は、1本又は2本以上の線状導電性リード線に電流が印加されたときに、線状導電性リード線間の電界内の流体の存在に依存し得る。制御装置は、受信した信号を分析するよう構成することができ、また関連付けられた流体レベル(例えば、飽和)を判定することができる。この判定は、絶対的な判定、又は相対的な判定であり得る。更に、制御装置は、関連付けられた流体レベルを、例えばユーザインターフェースを介して、デバイスの使用者に通信することができる。
【0076】
動作
ここで
図6A~
図6Eを参照すると、物品の開封時及び使用の際の、個人衛生製品内のデジタル要素の作動の図表示が示される。動作中、使用者は、例えば、身体内への挿入(
図6A)、身体に対する直接配置(
図6B及び
図6C)、又は下着への接着、及び身体に対する直接配置(
図6D及び
図6E)を含む、産業使用にふさわしい方式で個人衛生製品を使用し得る。使用者は、製品の身体近くへの配置又は身体内への挿入前に、製品を広げるか、又はアプリケータを通じて押し込むことによってデジタル要素を作動させ得る。デジタル要素が作動されたとき、使用者は、個人衛生製品を配置又は挿入し得る。
図6Aを参照して、タンポン604上に配置された包材602が除去され、タンポン604自体が通常の方法で挿入され得る。より具体的には、包材がタンポン上に形成及び配置されてから、端部が封止される。
図6B及び
図6Cを参照して、パッド又は生理用ナプキン606は、上部タブ608を除去することによりパッケージ610から取り出され、次に通常の方法で配置される。
図6D及び
図6Eを参照して、パッド又は生理用ナプキン612は、タブ616を除去し、接着タブ614を開くことにより、パッケージ618から取り出される。接着タブ614は、通常の方法で、下着(この図には示されていない)に対して定位置に固定される。
【0077】
別の例示的な実施形態によれば、本発明は本明細書に記載の個人衛生製品と共に使用するためのコネクタ及びケースを含む。女性用衛生電子システムについてはすでに説明されている。そのようなシステムの1つを、更に詳しく説明する。
図10は、水分センサ又はデジタル要素(この図には示されていない)が埋め込まれた例示的なタンポン1001を示し、このタンポン1001からリード線1002が出ており、ケース又はエンクロージャ1004内の信号取得デバイスに接続されている。この実施例では、信号取得デバイスは、タンポン1001内の水分センサを利用して、例えば静電容量、抵抗及び/又は電圧の測定を行い、このデータ又は情報を、スマートフォン又は類似のパーソナル電子デバイスに送信する。この実施例では、埋め込まれた水分センサ(この図には示されていない)は、リード線1002として示されるように、同じ導電性ヤーンから製造される。リード線1002は、後で詳しく説明されるように、導電性糸で製造されていてよく、あるいは、非導電性の糸に織り込まれた導電性糸で製造されていてもよい。リード線1002は、機械的及び電気的に、信号取得デバイス内のコネクタを介して、信号取得デバイスに接続されている。信号取得デバイスのコネクタ、電子機器、電池、アンテナ、及びその他の部品は、本明細書に記述されるように、ケース又はエンクロージャ1004内に収容される。
【0078】
センサからのリード線の終端処理方法は、女性用衛生電子システムの製造、信頼性、使い易さ、及び顧客の受け入れに対する重要な点である。剥離なし、剥離あり、及び平坦化された終端処理を含む、例示的な終端処理方法が、
図11A及び
図11Bに示されている。
図11Aは、絶縁体が所定の長さ1105にわたって剥離され、終端又は端部1103が平坦化された、例示的なリード線1101を示している。この例示的な実施形態では、平坦化された終端1103は、取得デバイスに直接接触する。
図11Bに示す、終端処理されていない例では、ワイヤ/ヤーン1102がスプール上に残っており、これにより内部の導電体は、端部(図示なし)を除き、絶縁体1104により被覆されている。そのような終端処理方法では、絶縁体に穿刺して内部の導電体と接触させるための穿刺コネクタが必要となり得る。換言すれば、接触の電気接点が絶縁体を穿刺し、取得デバイスの内部導電体と非破壊的に接触する。この終端処理方法は、製造が容易であるため、好ましい可能性がある。代替の例示的な実施形態では、熱及び圧力を利用して、絶縁体を押圧して導電体から除去し、導電性糸を露出させることができる。このようにして終端処理することにより、穿刺の必要なしに、圧縮タイプの接続点に配置することができる。これらの押圧された端を、ブルートゥースデバイスの表面の導電性プレートに直接適用し、粘着テープで覆うことができる。このテープを次に、使用者の皮膚又は衣類に適用することができる。
【0079】
例えば剥離された実施例において、ワイヤ/ヤーンの所定の長さ1105で絶縁体が除去され、内部の導電体が露出される。このような終端処理方法は、穿刺コネクタを必要とせず、コネクタの直径を細くすることができるが、導電体間の短絡を伴う問題を引き起こす可能性がある。
【0080】
平坦化の実施例では、圧力、加熱、及び/又は超音波エネルギーなどの操作により、絶縁体が再分配される。結果として得られる終端処理は、内部導電体を露出させることがあり、また露出させないこともある。更に、絶縁体が、露出した端部1106の周りを包み込み、完全に絶縁する場合もある。
【0081】
採用される物理的終端処理方法にある程度応じて、終端部に処理を適用することができる。例えば、剥離されていない接続部を、導電性の接着剤、インク又はエポキシに浸漬することができる。これにより、終端のより広い面積にわたって電気的接触が可能になり、穿刺コネクタの必要性をなくすことができる。終端は、絶縁体として、非導電性の接着剤又はエポキシに浸漬してもよい。終端は、ワイヤ/ヤーン上で圧着又は接着してもよい。
【0082】
2本の別個のリード線の代わりに、両方のリード線を合わせてコネクタにつなぐことが好ましい場合もある。これには終端処理又は圧着操作が必要となる可能性があるが、接続を2つではなく1つにすることは、顧客に好まれる可能性が高い。このような終端処理は、別個の圧着コネクタを使用することができるが、そのような解決策では、終端処理部品のコストが加算される。別のオプションでは、平坦化接続と同様に、高価な部品を必要とすることなくリード線端を接合し得る。
【0083】
図12A及び
図12Bは、センサによってコネクタに提供される2本のワイヤ/ヤーンの長さについて、例示的な2つの実施形態を示している。一例において、
図12Aに示すように、ワイヤ/ヤーン1201の両端はおおむね同じ長さである。この最適化により、コネクタは、例えばコネクタが長さの大きなばらつきを受容する必要がないことから、好適な場合となり得る。しかしながら、製造プロセスから長さのばらつきが生じることがあり、また、コスト、歩留まり、及びスループットのような他のパラメータと引き換えに、求められる場合がある。したがって、
図12Bに示すように、異なる長さのワイヤ/ヤーン1202を受容することが望ましい可能性がある。これは、コネクタの長さ及び面積を拡張することによって達成され得るが、このことは全体的なコネクタサイズとの引き換えとなる。更に、コネクタは、リード線の位置の横方向変動を可能にする「漏斗形」設計を含むことができ、及び/又は、リードがコネクタ内で折り曲げられて過剰な長さを吸収できるようにすることも、可能であり得る。
【0084】
図12C及び
図12Dは、2つの視点から見た例示的なエンクロージャ及びコネクタを示す。側面
図1203は、下着のウエストバンドに装着するのに好適であり得るクリップ1204を含む設計態様を示す。このデバイスは更に、外側衣類のウエストバンドに着用又は装着することもできる。これは任意の好適な衣類に取り付けることができる。また、ヒンジ1205が示されており、これにより、デバイスの頂部1209を傾斜させて、コネクタ1206、1207を露出させることができる。正面
図1208において、横並びのコネクタ1206及び1207が、それらの間に配置された絶縁体1210を備えて示されている。センサリード線からの2本の導電体(
図11A及び/又は
図11B)が、これらのコネクタに挿入され得る。これはおそらくは、ヒンジを傾斜させ、リード線に配置してから、ばね付勢されたヒンジの傾斜が戻ってリード線上に当たり、これによりリード線が保持される。この配置は、エレクトロニクス分野において周知である。
【0085】
図13Aは、種々の他の電子部品と共に回路基板1304に実装された、別の例示的な「市販の」コネクタ1301及び電池クリップ1302を示す。本明細書で議論されるように、既存のデバイスの欠点により、本明細書に記載されるもののような新しいデバイスが必要とされる。ワニ口クリップ1301は、試作品試験には有用であるが、肌に直接触れる消費者用デバイスに組み込むには大きすぎる。また、電気的に短絡しやすく、潜在的使用者にとっては気後れするものである。電池クリップ1302は、クリップの一方の縁に沿った挿入及び取り外しを必要とし、使用者にとって便利な操作ではない可能性がある。
【0086】
図13Bは、更に別の「市販の」コネクタ1303を示す。挿入されたワイヤと隣の米国25セント硬貨の大きさからわかるように、コネクタ1303は、接続されるワイヤよりはるかに大きく、個別のデバイスの所望のサイズよりもはるかに大きい。これらの図示されたコネクタは、改変なしの既存のコネクタであり、これらは利用可能ではあるが、全く好ましくないことに留意することが重要である。
【0087】
図14A及び
図14Bは、リード線保持に役立つコネクタ設計態様の例を示している。
図14Aは、コネクタの平面上の表面、つまり上面図を示す。センサリード線は、この平面の上に敷設され得る。図示される平面は、挿入方向にかかわらずリードの保持を補助する波形のテクスチャ1401を含む。テクスチャのない表面、又は、テクスチャの方向がリード線と平行な表面は、保持力が小さく、電気的信頼性が低くなり得る。コネクタの「グリップ」力を高めるために、刻みをつける技法が知られている。コネクタの一方又は両方の面をテクスチャ表面にすることで、摩擦が増大し、利用する任意のコネクタの厚さを好ましいように低減する。
【0088】
図14Bは、例示的なコネクタの側面図を示す。この例では、連結した「上下」面(それぞれ1402及び1404)の2つの組み合わせが示されている。外部からの力(例えば磁石又はばね)により連結すると、コネクタの「歯」が、各片の間に狭い隙間をあけて係合する。この連結した片の間に配置されたワイヤ又はヤーンは、角に沿って屈曲することができ、これにより保持力及び電気的信頼性を高めることができる。
【0089】
図14Cは、リード線1403の、テクスチャのあるコネクタ1404への例示的な向きを示す。様々な挿入角度により使用者の利便性が増大し、これはテクスチャのあるコネクタ表面により実現される。テクスチャのあるコネクタ1404の形状により、挿入角度にかかわらず、任意のリード線1403を中心1406に導くことができる。
【0090】
図15A~
図15Cは、タンポンではなく生理用ナプキンと共に使用する、代替の例示的な女性用衛生電子システムを示す。
図15Aは、埋め込まれたセンサ電極1502を備えた例示的なナプキン1501を示す。このような電極1502は、導電性インクで作製してもよく、金属化して及びパッド上に転写してもよく、又は他の方法で作製することもできる。電極1502の端部は、接続点1503を形成する。
図15Bに示すナプキン1501は、信号取得デバイス1505がコネクタポイント1503に取り付けられており、これら両方とも下着1504の上に又はこれに対して配置されている。
図15Cは、金属製ボタンスナップがナプキンの延長された導電性トレース1507上に圧着されている、例示的なコネクタ1506を示す。これらの延長された導電性トレース1507は、導電性トレース1502に接続し、スナップコネクタ1506を取り付けるための適切な特徴(例えば、より厚くより幅広い導電体)を含み得る。
【0091】
図16は、信号取得デバイスのための例示的なケース/エンクロージャシステムを示す。ねじ式上蓋1601は、一次電池1610の交換を可能にし、リセット又はペアリングボタンなどの他の部品へのアクセスを実現することができる。蓋1601は、耐水性を向上させるためのガスケットを備えていてもよい。このようなガスケットは、Oリングなどの別個の設計であってよく、あるいは、より硬い射出成形プラスチックケースに柔らかいゴム又はシリコーンなどの材料を共成形又は塗布してもよい。ガスケットの代わりに、締まり嵌めを使用して、蓋を取り付けることで水を封止する圧縮嵌めを形成することができる。耐水性が望ましいが、必ずしも防水設計である必要はないことに留意することが重要である。耐水性の程度は様々であり、例えば、単に高湿度や飛沫に耐えるだけ、突発的な曝露などの非常に浅く一時的な浸漬、プール遊泳などの数分間又は数時間にわたる浅い浸漬、スキューバダイビングなどの深い水浸までに至る、様々な程度がある。また、前述のように、センサリード線を信号取得デバイスに便利に係合させることができるヒンジ式のコネクタドア1602が示されている。前述のように、穿刺コネクタ1603が示されており、これは、タンポン用コネクタとナプキン用コネクタの両方で、機械的及び電気的係合を向上させることができる。そのような穿刺コネクタは、1)絶縁された導電体を確実に穿刺して電気的及び機械的接続を繰り返し達成し、同時に2)使用者にとって気後れするものではなく、また潜在的に有害でないものとなるように、設計する必要がある。このような引き換え条件は、絶縁されたヤーン/ワイヤの所与の特性、並びに例えば最大開口サイズなどのコネクタの特性に合わせて、穿刺突起の幾何学的形状(例えば先端点の高さ、幅、及び鋭さ)を注意深く設計することによって達成することができる。そのような設計によってのみ、細いワイヤがコネクタ内に入り、かつ、指、毛髪、又は他の身体部分がコネクタ内に侵入するのを防ぐようにすることが可能になる。また、図示されている磁石1604は、蓋の部品を引き付け、コネクタを閉じた状態に押し付ける力を印加し、これによって機械的な保持力を向上させることができる。
【0092】
女性用衛生デジタルシステム用のコネクタは、1つの信号取得デバイスで、タンポン及びナプキンの両方において動作することが非常に好ましい。月経周期の期間にわたって、多くの使用者は、タンポンとナプキンとを切り換えたり、又は付加的な確実さを求めて、両者を同時に使用したりする。使用者は、複数のセンサ別のデバイスを追跡するのではなく、単一の信号取得デバイスを使用するのを好む可能性がある。図に示すように、単一のセンサ接続は丸いリード線を有してもよく、また、他方は平坦であってもよい。1つの解決策は、両方のセンサが同様のリード線を有するようにすることであるが、使用者の利便性、性能、コスト、又は他の観点からは好ましくない可能性がある。両方の終端を受容するデバイスコネクタは、非常に好ましい可能性がある。
【0093】
図17は、例示的なコネクタ延長部を示し、この例では、市販のメスコネクタ(図示されていないが、ハウジング1702内に収容されている)と可撓性ベースのオスコネクタ1701とから製造されている。オスコネクタ1701は、信号取得デバイス1704のメスコンセントに差し込むことができ、これによって、コネクタ長が限られたセンサ(図示せず)が、センサから遠いところにある信号取得デバイスとインターフェースすることができる。このような延長部により、使用者が信号取得デバイスをセンサからより遠い場所に配置し、接続のための空間をより広くできるなど、システムの利便性を向上させることができる。このような延長部により更に、比較的安価な材料に置き換えることを可能にすることによって、比較的高価なセンサワイヤ/ヤーンの使用を最小に抑えることができる。延長コネクタは更に、リード線の制御及び/又は遮蔽された部分を最大にし、かつ、静電容量変動(例えば、身体の動き及びそれに伴う互いに対する及び身体に対する導電体位置の変化による変動)を導入する対象となるリード線の部分を最小にすることができる。ハウジング1702は、ハウジング1702内のメスコネクタに対して解除アクチュエータを押し付けることができる、又は、下着にハウジング1702をクリップ留めすることができる、特徴部1705を含み得る。
【0094】
接続が成功した場合には、使用者にポジティブな係合信号を供給することが望ましい可能性がある。これには、触覚フィードバック、クリック、押し戻し力の変化などが含まれ得る。これは、ばね及びカムのセットアップを介して実施することができる。信号調整デバイスが接触、係合、又は接触を最終化させたときに、コネクタが特定の作用を自動的にトリガすることが、望ましい可能性がある。例えば、センサリード線の挿入により、キャリブレーション動作をトリガして、静電容量を「ゼロ」にし、自己チェックを行い、センサの準備状態の指標を使用者に送信することができる。
【0095】
コネクタは、例えば、押して開く設計と押して解除する設計の組み合わせなど、数多くの方法を介して係合及び係合解除を行うことができる。
【0096】
好ましい実施態様は、電気エンクロージャ内に個別のコネクタを配置する代わりに、射出成形、共成形、金属型成形、及び後処理などの技法を利用して、コネクタとケースを統合することである。望ましい金属の厚さ及び表面仕上げを達成するには、金属蒸着の後に電気めっきを行うことが必要な場合がある。導電性及び耐化学薬品性などの望ましい特性を達成するために、金属合金を使用することもできる。
【0097】
使用者がデバイス上で数多くの機能(例えば、起床、入眠、モード変更、リセット、及び/又はブルートゥースデバイスのペアリングなど)を実行できるようにするために、電気的ボタンが必要な場合がある。このようなボタンは、このような小型デバイスにおいて、大きさと耐水性の両方の面で課題をもたらす。ボタンは、電池コンパートメント内の「隠し」ボタンであってもよく、これによって、耐水環境内に配置される。しかしそのようなボタン位置は、患者にとって使いやすいものではない可能性がある。コネクタ及び電池と同様に、別個のボタンデバイスにするのは、コスト及び大きさが追加されることになるため、好ましくない可能性がある。電気的ボタンは、上述の技法、例えば、共成形、及び金属プラスチック共製造の技法を用いて、ケース内に組み込むことができる。
【0098】
身体に装着するデバイスの快適さは、顧客の受け入れに対する重要な点である。使用者によっては、皮膚が特に敏感であることがあり、そのデバイスは、着座、立位、運動等を含み得る活動中に、何時間にもわたって着用可能でなければならない。使用者の身体に接触する材料は、柔軟で滑らかであり、薄く、良好な触り心地を促進し、かつ耐汗性であるべきである。3D印刷又は射出成形プラスチックは本来的に硬く、粗く、皮膚に傷をつけやすいことがある。共成形、マルチショット成形、シリコーン成形、及びコーティングなどの技法を使用することで、使用者に触れる表面を改変することができる。
【0099】
このデバイスは下着の内部にゆるく配置することができ、あるいは、使用者は、身体又は下着にクリップ留め又は貼付することを好む場合がある。生体適合性接着剤(接着絆創膏に使用されるようなものなど)は、使い捨ての接着性カバー手法で使用することができる。しかし、このような接着剤は、除去の際に痛みを生じさせることがあり、また典型的には再利用されない。軽い粘着性の再使用可能な接着剤が好適である可能性がある。クリップ又は他の締結デバイスを用いて、デバイスを衣服に取り付けることもできる。
【0100】
コネクタ及び電気的ボタンと同様、別個のアンテナ部品も、大きさとコストの面から、好ましくない可能性がある。更に、このようなアンテナ(例えば、ブルートゥース無線)の性能は、アンテナを電気エンクロージャ内に設計することによって、小型デバイスにおけるレンジ、電力消費、及び身体吸収に関して最適化され得る。アンテナトレースは、金属成形、共成形、又は転写プロセスによって実現することができ、これにより非常に薄いカスタムアンテナを、プラスチック製エンクロージャ内に一体化させることができる。
【0101】
信号取得デバイスは、静電容量、抵抗、電圧、これらの組み合わせ、複素インピーダンス、又は他の電気的パラメータのサンプリングを行うことができる。電圧測定は、アンモニア及び/又はメタンチオール又は(メチルメルカプタン)の検出に特に有用であり得る。アナログデジタル変換器(A/D又はADC)を、対応するフルスケールの取得値及び分解能で利用することができる。信号対雑音比を最適化するために、最大センサ値とA/Dのフルスケール範囲との比を最大にすることが望ましい可能性がある。したがって、コネクタ及びケースからの、静電容量、抵抗、インピーダンスなどの付加を最小限に抑えることが望ましい可能性がある。導電体を分離する、トレースの長さ及び重なりを制限する、誘電体材料を最適化する、高抵抗率材料、及び遮蔽といった設計技法を採用して、コネクタ及びケースの寄生的寄与を低減することができる。
【0102】
可撓性電子機器を利用して、センサ及び信号取得デバイスを、よりユーザフレンドリーにすることができる。硬質の回路基板及びエンクロージャを、セグメント化された部品に置き換えることにより、画定された位置に沿った屈曲、ヒンジ曲げ、又は撓みが可能になる。可撓性レベルの向上は、小型の硬質の部品(マイクロチップ及び表面実装型受動デバイスなど)を、可撓性の回路基板(例えばポリイミドで構成されるもの)の上に静置することにより達成することができる。このような可撓性回路は、可撓性を使用者に伝達するための可撓性エンクロージャを必要とする。硬質プラスチックは、可撓性が増したプラスチック(ゴム及び/又はシリコーンを含み得る)に置き換えてもよい。硬質のエンクロージャは、スプレーコーティング、ディップコーティング、又は他の方法で堆積されたコーティングに置き換えてもよい。そのようなコーティングは、必要な機械的及び電気的特性を提供し、同時に、硬質のエンクロージャよりも薄く、より可撓性であり得る。
【0103】
図18A~
図18Gは、サイズ、快適さ、及び使用者の好みを考慮した、信号取得デバイス(外形輪郭に、内部部品が重ねて表示されている)のいくつかのケース設計を示している。これらの多種多様な設計は、本質的に例示的なものであり、ケース設計の網羅的表示を意味するものではない。
図18Aは、
図18B~
図18Gに示す上面図に共通する側面図を示す。
図18Bは基本的な涙滴形設計であり、
図18Cは基本的なハート形状設計であり、
図18Dは基本的なダイヤモンド形設計であり、
図18Eは第1の基本的なギター形設計であり、
図18Fは第2の基本的なギター形設計であり、
図18は基本的な錠剤形設計である。
【0104】
デジタル要素を備えた個人衛生製品は、例えば、タンポン、生理用ナプキン、パンティライナー、及びおむつなどの形態であり得る。特定の実施例が、デバイスの実施形態を示すために記載された。これらの実施例は、上記の例示のためであり、特許請求の範囲をいかようにも限定することを意図するものではない。結果的に、本説明は、当業者には明らかであり得る全ての実施形態を包含することを意図する。
【0105】
ここで図示及び説明した実施形態は、最も実用的で好適な実施形態と考えられるが、当業者であれば、ここに図示及び開示した特定の設計及び方法からの変更はそれ自体当業者にとって自明であり、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく使用できることは明らかであろう。本発明は、説明し例証した特定の構成に限定されないが、添付の特許請求の範囲に含まれ得る全ての修正と一貫するように構成されているべきである。
【0106】
〔実施の態様〕
(1) デジタル要素を備えた個人衛生製品であって、
月経液を吸収する個人衛生デバイスと、
前記個人衛生デバイス内に配置される導電性センサアセンブリであって、1つ又は2つ以上の水分センサと、少なくとも1つのコネクタとを含み、前記導電性センサアセンブリが前記月経液に湿潤接触しているときに、前記個人衛生デバイスの飽和レベルを示す信号を生成する、導電性センサアセンブリと、
前記少なくとも1つのコネクタを介して前記導電性センサアセンブリに連結されている外部デジタル要素であって、スマートハンドヘルド電子デバイスと無線通信することができる通信回路を有する基板と、プロセッサと、電力源と、前記少なくとも1つのコネクタに連結するよう構成されかつ前記導電性センサアセンブリ及び耐水性ケースと共に使用するのに最適化された第1の嵌め合いコネクタと、を含む、外部デジタル要素と、
前記導電性センサアセンブリから延出し、かつ、前記導電性センサアセンブリを前記外部デジタル要素に相互接続する、信号伝送コンジットと、
を含む、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
(2) 前記個人衛生デバイスがタンポンを含む、実施態様1に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
(3) 前記個人衛生デバイスが生理用ナプキンを含む、実施態様1に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
(4) 前記個人衛生デバイスがパンティライナーを含む、実施態様1に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
(5) 前記個人衛生デバイスがおむつを含む、実施態様1に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
【0107】
(6) 前記スマートハンドヘルド電子デバイスが、使用者とインターフェースするよう構成されたハンドヘルドパーソナル電子デバイスを含む、実施態様1に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
(7) 前記耐水性ケースが、前記外部デジタル要素の構成要素を収容するように構成されている、実施態様1に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
(8) 前記耐水性ケースが、使用者の下着に取り付けるよう構成されている、実施態様7に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
(9) 前記耐水性ケースが、使用者の外側衣類に取り付けるよう構成されている、実施態様7に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
(10) 前記耐水性ケースが、使用者の身体に取り付けるよう構成されている、実施態様7に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
【0108】
(11) 前記第1の嵌め合いコネクタが、前記信号伝送コンジットのためのテクスチャ表面を含む、実施態様1に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
(12) 前記第1の嵌め合いコネクタが、前記信号伝送コンジットのための連結機構を含む、実施態様1に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
(13) 前記第1の嵌め合いコネクタが、前記信号伝送コンジットのための穿刺コネクタを含む、実施態様1に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
(14) 前記信号伝送コンジットが導電性糸を含む、実施態様1に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
(15) 前記信号伝送コンジットが、非導電性の糸に織り込まれた導電性糸を含む、実施態様1に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
【0109】
(16) コネクタ延長部を更に含む、実施態様1に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。
(17) 前記外部デジタル要素が再利用可能である、実施態様1に記載の、デジタル要素を備えた個人衛生製品。