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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-15
(45)【発行日】2023-09-26
(54)【発明の名称】自動分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/04 20060101AFI20230919BHJP
   G01N 35/02 20060101ALI20230919BHJP
【FI】
G01N35/04 G
G01N35/02 G
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018228734
(22)【出願日】2018-12-06
(65)【公開番号】P2020091207
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊澤 義貴
(72)【発明者】
【氏名】篠原 弘生
【審査官】岩永 寛道
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-013151(JP,A)
【文献】特開平06-109742(JP,A)
【文献】特開2012-173180(JP,A)
【文献】米国特許第05439646(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0323758(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00- 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生化学測定項目の測定のために用いられ、円周方向に沿って複数の反応容器を収容する第1収容機構と、
血液凝固時間測定項目の測定のために用いられ、円周方向に沿って複数の反応容器を収容し、各反応容器の収容位置に光源及び光検出器を有する第2収容機構と、
第1収容機構及び第2収容機構の間で反応容器を搬送する搬送機構と、
前記第2収容機構に収容された反応容器に対して試料を供給可能な位置を有する試料供給機構と、
前記第2収容機構に収容された反応容器に対して2試薬系における第1試薬を分注可能な位置を有する第1分注機構と、
前記第1収容機構に収容された反応容器に対して前記2試薬系における第2試薬を分注可能な位置と、前記第2収容機構に収容された反応容器に対して前記第2試薬を分注可能な位置とを有する第2分注機構と
を備え
前記搬送機構は、前記第2収容機構に収容された反応容器のうち、前記生化学測定項目の測定を行う反応容器を前記第1収容機構へ搬送し、
前記光源及び前記光検出器は、前記搬送機構によって反応容器の搬送が行われた後に、前記第2収容機構に収容される反応容器に対して、前記血液凝固時間測定項目の測定を開始する、
動分析装置。
【請求項2】
生化学測定項目の測定のために用いられ、円周方向に沿って複数の反応容器を収容する第1収容機構と、
血液凝固時間測定項目の測定のために用いられ、円周方向に沿って複数の反応容器を収容し、各反応容器の収容位置に光源及び光検出器を有する第2収容機構と、
第1収容機構及び第2収容機構の間で反応容器を搬送する搬送機構と、
前記第1収容機構に収容された反応容器に対して試料を供給可能な位置を有する試料供給機構と、
前記第1収容機構に収容された反応容器に対して2試薬系における第1試薬を分注可能な位置を有する第1分注機構と、
前記第1収容機構に収容された反応容器に対して前記2試薬系における第2試薬を分注可能な位置と、前記第2収容機構に収容された反応容器に対して前記第2試薬を分注可能な位置とを有する第2分注機構と
を備え
前記搬送機構は、前記第1収容機構に収容された反応容器のうち、前記血液凝固時間測定項目の測定を行う反応容器を前記第2収容機構へ搬送し、
前記光源及び前記光検出器は、前記搬送機構によって反応容器の搬送が行われた後に、前記第2収容機構に収容される反応容器に対して、前記血液凝固時間測定項目の測定を開始する、
動分析装置。
【請求項3】
前記第1収容機構の前記反応容器に注入された液体の光学特性は、所定の測定間隔で測定され、
前記第2収容機構の前記反応容器に注入された液体の光学特性は、前記第1収容機構における測定間隔より短時間の測定間隔で前記光源及び前記光検出器によって測定される
請求項1又は2に記載の自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療機関では、被検体から採取される被検試料中の様々な成分の濃度や活性を自動的に測定するために、自動分析装置が利用されている。例えば、自動分析装置は、血液、尿、便、体細胞等の被検試料に対して検査項目に応じた試薬を混合し、混合液中の光学特性の変化を検出することで、所望の成分の濃度や活性を測定する。
【0003】
自動分析装置には、複数の検査項目を自動的に分析することが要求される場合がある。例えば、血液凝固・線溶系測定には、プロトロンビン時間(Prothrombin Time:PT)等を測定する血液凝固時間測定項目に加えて、FDP(fibrin/fibrinogen Degradation Products)、Dダイマー等を測定する生化学測定項目が含まれる。このため、血液凝固・線溶系測定用の自動分析装置には、血液凝固時間測定項目を自動分析する機能と、生化学測定項目を自動分析する機能とが要求される。
【0004】
ところで、複数の検査項目を自動的に分析することを想定して設計された自動分析装置は、複数の機能を備える必要性から装置サイズが大きくなり、分析時間が長くなる傾向がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-013151号公報
【文献】国際公開第2013/187210号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、血液凝固・線溶系測定、生化学検査などのように測光タイミング、測光時間が異なる検査を良好に行うことができる自動分析装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る自動分析装置は、第1収容機構と、第2収容機構と、搬送機構とを備える。第1収容機構は、円周方向に沿って複数の反応容器を収容する。第2収容機構は、円周方向に沿って複数の反応容器を収容し、各反応容器の収容位置に光源及び光検出器を有する。搬送機構は、第1収容機構及び第2収容機構の間で反応容器を搬送する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係る自動分析装置の構成例を示すブロック図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る分析機構の構成を説明するための図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る第2反応ディスクの構成を説明するための図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る自動分析装置の動作シーケンスを説明するための図である。
図5図5は、第2の実施形態に係る分析機構の構成を説明するための図である。
図6図6は、第2の実施形態に係る自動分析装置の動作シーケンスを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態に係る自動分析装置を説明する。なお、以下の実施形態は、以下の説明に限定されるものではない。また、実施形態は、処理内容に矛盾が生じない範囲で他の実施形態や従来技術との組み合わせが可能である。
【0010】
(第1の実施形態)
図1を用いて、第1の実施形態に係る自動分析装置10の構成例を説明する。図1は、第1の実施形態に係る自動分析装置10の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、例えば、第1の実施形態に係る自動分析装置10は、入力インタフェース11と、ディスプレイ12と、記憶回路13と、処理回路14と、分析機構100とを備える。入力インタフェース11、ディスプレイ12、記憶回路13、処理回路14、及び分析機構100は、相互に通信可能に接続される。
【0011】
入力インタフェース11は、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、タッチコマンドスクリーン、フットスイッチ、トラックボール、ジョイスティック等に対応する。例えば、入力インタフェース11は、自動分析装置10の操作者からの各種の指示や設定要求を受け付ける。入力インタフェース11は、受け付けた各種の指示や設定要求を処理回路14へ出力する。
【0012】
ディスプレイ12は、操作者が入力インタフェース11を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、自動分析装置10による分析結果を示す分析データを表示したりする表示装置である。
【0013】
記憶回路13は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。例えば、記憶回路13は、自動分析を行うための各種のプログラムや、当該プログラムによって用いられる情報を記憶する。また、記憶回路13は、自動分析装置10による分析結果を示す分析データを記憶する。一例として、記憶回路13は、被検体を識別するためのIDごとに分析データを記憶する。
【0014】
処理回路14は、自動分析装置10の処理全体を制御するプロセッサである。例えば、処理回路14は、検査項目に応じたプログラムを記憶回路13から読み出し、読み出したプログラムに従って分析機構100を制御することで、自動分析を実行する。なお、処理回路14による自動分析については後述する。
【0015】
また、処理回路14は、記憶回路13に記憶された分析データを読み出し、読み出した分析データをディスプレイ12に表示させたり、図示しない外部装置や記憶媒体に出力したりすることも可能である。
【0016】
なお、本実施形態においては、単一の処理回路14にて、以下に説明する各処理機能が実現されるものとして説明するが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。
【0017】
分析機構100は、自動分析を行うための各種のユニットを備え、処理回路14からの制御により自動分析を実行する。分析機構100が備える各種のユニットについては、図2を用いて後述する。
【0018】
分析機構100は、被検体から採取された被検試料と、所望の検査項目に対応する試薬とを混合する。そして、分析機構100は、被検試料と試薬との混合液の光学特性を測定し、例えば吸光度で表される被検データを生成する。また、分析機構100は、所望の検査項目に対応する標準試料と、当該検査項目に対応する試薬とを混合する。ここで、標準試料は、例えば、検査項目において分析される成分の濃度又は活性が既知の溶液である。分析機構100は、標準試料と試薬との混合液の光学特性を測定し、例えば吸光度で表される標準データを生成する。生成された被検データ及び標準データは、処理回路14に出力される。なお、以下において、被検試料及び標準試料を総称して「試料」又は「サンプル」と表記する場合がある。また、光学特性を測定することを「測光」と表記する場合がある。
【0019】
ここで、処理回路14による自動分析について説明する。処理回路14は、分析機構100により生成された被検データ及び標準データに基づいて自動分析を実行し、分析データを生成する。
【0020】
例えば、処理回路14は、標準データに基づいて、検査項目に対応する検量線を生成する。ここで、検量線は、検査項目において分析される成分の濃度又は活性と、吸光度等の光学特性との関係を表すグラフである。例えば、処理回路14は、複数の濃度それぞれに対応する吸光度をプロットし、最小二乗法等に基づいて検量線を生成する。そして、処理回路14は、生成した検量線に対し、分析データに係る吸光度を当てはめることにより、当該吸光度に対応する成分の濃度又は活性を示す分析データを生成する。処理回路14は、生成した分析データを記憶回路13に格納する。
【0021】
なお、本実施形態では、分析データを生成する処理機能を処理回路14が実行する場合を説明するが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、分析機構100がプロセッサを備える場合には、当該プロセッサが分析データを生成する処理機能を実行しても良い。
【0022】
図2を用いて、第1の実施形態に係る分析機構100の構成を説明する。図2は、第1の実施形態に係る分析機構100の構成を説明するための図である。図2には、分析機構100が備える各ユニットを鉛直方向の上方から見た図を例示する。なお、図2に示した構成はあくまで一例であり、実施形態は図示の内容に限定されるものではない。
【0023】
図2に示すように、分析機構100は、自動分析を行うためのユニットとして、第1反応ディスク101と、第2反応ディスク102と、サンプルディスク103と、第1試薬庫104と、第2試薬庫105とを備える。また、分析機構100は、自動分析を行うためのユニットとして、反応管供給ユニット106と、サンプル供給ユニット107と、第1試薬アーム108と、第2試薬アーム109と、反応管搬送アーム110とを備える。また、分析機構100は、自動分析を行うためのユニットとして、第1攪拌ユニット111と、第2攪拌ユニット112と、測光ユニット113と、第1反応管破棄ユニット114と、第2反応管破棄ユニット115とを備える。
【0024】
なお、図示しないが、分析機構100は、各ユニットを駆動させるために、モータ、ポンプ、アクチュエータ等の駆動機構を備える。分析機構100が備える各ユニット及び駆動機構は、処理回路14からの制御により動作する。
【0025】
また、分析機構100において利用される反応管は、例えば、ディスポーザブルの反応管である。反応管には、例えば、被検試料や検査項目を示すラベルが貼付される。例えば、ラベルには、被検試料や検査項目を識別するための識別情報がバーコード化されて印刷される。自動分析装置10は、反応容器のラベルに印刷されたバーコードを光学的に読み取り、被検試料に割り当てられた検査項目に従って、各種の処理を順番に実行する。なお、反応管は、ディスポーザブルの反応管に限らず、例えば、ガラス製の洗浄用の反応管が利用されてもよい。また、被検試料及び検査項目の情報を管理する方法は、上記のバーコードを用いた方法に限らず、公知の情報管理技術を任意に適用可能である。また、反応管は、反応容器の一例である。
【0026】
第1反応ディスク101は、第1反応ラインを構成するターンテーブルである。第1反応ラインは、ターンテーブルディスクリート方式が採用された反応ラインである。一例として、第1反応ラインは、生化学測定(蛋白質、コレステロール、グルコースなど測定項目についての検査)の測定を行う。生化学検査では、例えば、反応管設置後、第1試薬分注、第1攪拌し、その後、通常10-20秒間隔で測光しながら、第2試薬分注、第2攪拌をする。十分な時間(5-10分)の間測光を行った後に反応管破棄ポジションに移動し、反応管を破棄する。
【0027】
第1反応ディスク101は、円周方向に沿って複数の反応管を収容する。例えば、第1反応ディスク101は、円形板状に形成された部材である。第1反応ディスク101は、円周方向に並ぶ複数の反応管ポート(コンテナ)を備える。各反応管ポートは、一つの反応管を収容可能に構成される。なお、第1反応ディスク101は、第1収容機構の一例である。
【0028】
また、第1反応ディスク101は、円周方向に沿って所定間隔(Nピッチ)で間欠的に回転することで、第1反応ディスク101に収容された反応管を間欠的に回転移動させる。そして、第1反応ディスク101は、後述する測光ユニット113を通過するタイミングで反応管内の液体(混合液)の光学特性を測定する。つまり、第1反応ラインでは、反応管が1回転するごとに測光が行われる。このため、第1反応ラインにおける測定間隔は、第1反応ディスク101の回転速度に依存する。
【0029】
第2反応ディスク102は、第2反応ラインを構成するターンテーブルである。第2反応ディスク102では、第1反応ディスク101における測定間隔より短時間の測定間隔での測定が行われる。一例として、第2反応ラインは、血液凝固・線溶系測定における血液凝固時間測定項目の測定を行う。血液凝固・線溶系測定では、例えば、第1試薬分注、その後の第2試薬を分注し、ゼロコンマ数秒の間隔(1秒未満の間隔)で測光し、血液凝固測定に十分な時間(2-3分)の間、測光を行った後に反応管破棄ポジションに移動し、反応管破棄ユニットにより反応管を破棄する。
【0030】
第2反応ディスク102は、円周方向に沿って複数の反応管を収容し、各反応管の収容位置に光源及び光検出器を有する。例えば、第2反応ディスク102は、円形板状に形成された部材である。また、第2反応ディスク102は、円周方向に沿って所定間隔(N’ピッチ)で間欠的に回転することで、第2反応ディスク102に収容された反応管を間欠的に回転移動させる。なお、第2反応ディスク102は、第2収容機構の一例である。
【0031】
図3を用いて、第1の実施形態に係る第2反応ディスク102の構成を説明する。図3は、第1の実施形態に係る第2反応ディスク102の構成を説明するための図である。図3には、第2反応ディスク102を鉛直方向の上方から見た図を例示する。
【0032】
図3に示すように、第2反応ディスク102は、円周方向に並ぶ複数の反応管ポート102Aを備える。各反応管ポート102Aは、一つの反応管を収容可能に構成される。反応管ポート102Aは、第1反応ディスク101の反応管ポートと同じ大きさ及び形状を有する。つまり、反応管ポート102Aは、第1反応ディスク101の反応管ポートと同じ反応管を収容可能である。
【0033】
また、第2反応ディスク102は、各反応管ポート102Aの近傍に光源102B及び光検出器102Cを有する。光源102Bは、例えば、ハロゲンランプ、タングステンランプ、又はLED(light emitting diode)等により実現される。光源102Bは、処理回路14からの制御に応じて光を発する。光源102Bから発せられた光は、スリットやレンズを介して近傍の反応管ポート102Aに収容された反応管に照射される。
【0034】
光検出器102Cは、反応管内の液体(混合液)を透過した光(透過光)、又は、混合液にて散乱した光(散乱光)を検出する。例えば、光検出器102Cは、レンズ、分光器、及び受光素子等を備える。例えば、光検出器102Cは、近傍の反応管ポート102Aに収容された反応管からの光(透過光又は散乱光)をレンズにて集光する。そして、光検出器102Cは、集光した光を分光器にて分光し(後分光方式)、分光した各波長の光を受光素子にて受光する。そして、光検出器102Cは、受光された各波長の光の強度に応じたアナログの電気信号を発生する。そして、光検出器102Cは、発生した電気信号を増幅し、A/D(Analog to Digital)変換することにより、吸光度で表される検出データ(被検データ及び標準データ)を生成する。そして、光検出器102Cは、生成した検出データを処理回路14へ送る。なお、被検データは、被検試料と試薬との混合液の光学特性を示す検出データである。また、標準データは、標準試料と試薬との混合液の光学特性を示す検出データである。
【0035】
このように、第2反応ディスク102は、各反応管ポート102Aの近傍に光源102B及び光検出器102Cを個別に備えることにより、第1反応ラインにおける測定間隔よりも短時間の測定間隔で測光を行うことができる。また、第2反応ディスク102は、各反応管の測光を個別に平行して行うことができるので、複数の被検試料がある場合にも分析時間を短縮することができる。
【0036】
なお、図3にて説明した内容はあくまで一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、上述した光源102B及び光検出器102Cの構成はあくまで一例であり、公知の如何なる技術が適用されても良い。また、例えば、図3では、反応管ポート102A、光源102B、及び光検出器102Cが24個ずつ搭載される場合を説明したが、この搭載数は任意に設定可能である。また、図3に図示した反応管ポート102A、光源102B、及び光検出器102Cの位置関係は、任意に変更可能である。例えば、散乱光の検出を行う構成であれば、光源102Bから照射される光の照射方向に対して90度の位置に光検出器102Cのレンズが配置される。
【0037】
図2の説明に戻る。サンプルディスク103は、試料が収容された試料容器を複数保持する円形板状の部材である。例えば、サンプルディスク103は、処理回路14からの制御に応じて回転し、保持する試料容器をサンプルディスク103上の任意の位置に移動させる。なお、サンプルディスク103は、サンプラーとも呼ばれる。
【0038】
第1試薬庫104は、第1試薬が収容された第1試薬容器を複数保持する円形板状の部材である。第1試薬は、試料に含まれる所定の成分と化学反応する成分を含む薬品であり、検査項目に応じて利用されるものが予め決められている。例えば、第1試薬庫104は、自動分析装置10にて実施され得る検査項目に応じて、複数種類の第1試薬を保管する。また、第1試薬庫104は、処理回路14からの制御に応じて回転し、保持する第1試薬容器を第1試薬庫104上の任意の位置に移動させる。
【0039】
第2試薬庫105は、第2試薬が収容された第2試薬容器を複数保持する円形板状の部材である。第2試薬は、試料に含まれる所定の成分と化学反応する成分を含む薬品であり、検査項目に応じて利用されるものが予め決められている。例えば、第2試薬庫104は、自動分析装置10にて実施され得る検査項目に応じて、複数種類の第2試薬を保管する。また、第2試薬庫104は、処理回路14からの制御に応じて回転し、保持する第2試薬容器を第2試薬庫104上の任意の位置に移動させる。
【0040】
反応管供給ユニット106は、空の反応管を反応ラインに供給する。例えば、反応管供給ユニット106は、空の反応管を複数保持している。そして、反応管供給ユニット106は、グリッパ等により空の反応管を把持し、位置P11において第2反応ディスク102の反応管ポート102Aに供給する。
【0041】
サンプル供給ユニット107は、試料を反応管に供給する。例えば、サンプル供給ユニット107は、試料を供給するためのプローブと、プローブを移動させるためのアームとを備える。サンプル供給ユニット107は、第2反応ディスク102に収容された反応管に対して試料を供給可能な位置P12を有する。なお、サンプル供給ユニット107は、試料供給機構の一例である。
【0042】
例えば、サンプル供給ユニット107は、回転アームを回転させ、プローブを位置P12に移動させる。そして、サンプル供給ユニット107は、位置P12において、サンプルディスク103上の試料容器から所定量の試料を吸引する。そして、サンプル供給ユニット107は、回転アームを回転させ、プローブを位置P13に移動させる。そして、サンプル供給ユニット107は、位置P13において、吸引した試料を第2反応ディスク102上の反応管に吐出する。なお、図2において、サンプル供給ユニット107の枠線内に図示した黒丸印は回転アームの回転中心を示し、当該黒丸印を中心とする円形の破線はプローブの移動可能経路(軌跡)を示す。
【0043】
第1試薬アーム108は、第1試薬を反応管に分注する。例えば、第1試薬アーム108は、試薬を分注するためのプローブと、プローブを回転移動させるための回転アームとを備える。第1試薬アーム108は、第2反応ディスク102に収容された反応管に対して2試薬系における第1試薬を分注可能な位置P14を有する。なお、第1試薬アーム108は、第1分注機構の一例である。
【0044】
例えば、第1試薬アーム108は、回転アームを回転させ、プローブを位置P14に移動させる。そして、第1試薬アーム108は、位置P14において、第1試薬庫104上の第1試薬容器から所定量の第1試薬を吸引する。そして、第1試薬アーム108は、回転アームを回転させ、プローブを位置P15に移動させる。そして、第1試薬アーム108は、位置P15において、吸引した試料を第2反応ディスク102上の反応管に吐出する。なお、図2において、第1試薬アーム108の枠線内に図示した黒丸印は回転アームの回転中心を示し、当該黒丸印を中心とする円形の破線はプローブの移動可能経路を示す。
【0045】
第2試薬アーム109は、第2試薬を反応管に分注する。例えば、第2試薬アーム109は、試薬を分注するためのプローブと、プローブを回転移動させるための回転アームとを備える。例えば、第2試薬アーム109は、回転アームを回転させ、プローブを位置P16に移動させる。そして、第2試薬アーム109は、位置P16において、第2試薬庫105上の第2試薬容器から所定量の第2試薬を吸引する。
【0046】
ここで、本実施形態に係る第2試薬アーム109は、第1反応ライン及び第2反応ラインにアクセスポイントを有する。アクセスポイントとは、反応ディスクへの反応管の供給及び破棄、並びに、反応管に対する動作(試料、試薬の分注や攪拌等)を実行可能な位置である。つまり、第2試薬アーム109は、第1反応ディスク101に収容された反応管に対して第2試薬を分注可能な位置P17と、第2反応ディスク102に収容された反応管に対して第2試薬を分注可能な位置P18とを有する。
【0047】
例えば、第1反応ライン上の反応管に第2試薬を分注する場合、第2試薬アーム109は、回転アームを回転させ、プローブを位置P17に移動させる。そして、第2試薬アーム109は、位置P17において、吸引した第2試薬を第1反応ディスク101上の反応管に吐出する。また、第2反応ライン上の反応管に第2試薬を分注する場合、第2試薬アーム109は、回転アームを回転させ、プローブを位置P18に移動させる。そして、第2試薬アーム109は、位置P18において、吸引した第2試薬を第2反応ディスク102上の反応管に吐出する。なお、図2において、第2試薬アーム109の枠線内に図示した黒丸印は回転アームの回転中心を示し、当該黒丸印を中心とする円形の破線はプローブの移動可能経路を示す。
【0048】
反応管搬送アーム110は、第1反応ディスク101及び第2反応ディスク102の間で反応管を搬送する。例えば、反応管搬送アーム110は、反応管を把持するためのグリッパと、グリッパを回転移動させるための回転アームとを備える。なお、反応管搬送アーム110は、搬送機構の一例である。
【0049】
第1の実施形態に係る反応管搬送アーム110は、第2反応ラインから第1反応ラインへ反応管を搬送する。例えば、反応管搬送アーム110は、回転アームを回転させ、グリッパを位置P19に移動させる。そして、反応管搬送アーム110は、位置P19において、第2反応ディスク102上の反応管を把持し、第2反応ディスク102の反応管ポート102Aから反応管を引き抜く。そして、反応管搬送アーム110は、回転アームを回転させ、グリッパを位置P20に移動させる。そして、反応管搬送アーム110は、位置P20において、把持した反応管を第1反応ディスク101上の反応管ポートに挿入する。なお、図2において、反応管搬送アーム110の枠線内に図示した黒丸印は回転アームの回転中心を示し、当該黒丸印を中心とする円形の破線はグリッパの移動可能経路を示す。
【0050】
第1攪拌ユニット111は、反応管内の液体を攪拌(撹拌)する。例えば、第1攪拌ユニット111は、液体を攪拌するための攪拌子と、攪拌子を支持する支持アームとを備える。第1攪拌ユニット111は、位置P21において、攪拌子を反応管内に挿入する。そして、第1攪拌ユニット111は、挿入した攪拌子を回転させることで、反応管内の液体を攪拌する。第1攪拌ユニット111は、所定時間攪拌すると、攪拌子の回転を停止させ、反応管から攪拌子を引き上げる。
【0051】
第2攪拌ユニット112は、反応管内の液体を攪拌(撹拌)する。例えば、第2攪拌ユニット112は、液体を攪拌するための攪拌子と、攪拌子を支持する支持アームとを備える。第2攪拌ユニット112は、位置P22において、攪拌子を反応管内に挿入する。そして、第2攪拌ユニット112は、挿入した攪拌子を回転させることで、反応管内の液体を攪拌する。第2攪拌ユニット112は、所定時間攪拌すると、攪拌子の回転を停止させ、反応管から攪拌子を引き上げる。
【0052】
測光ユニット113は、第1反応ライン上で測光する。例えば、測光ユニット113は、光源及び光検出器を備え、第1反応ディスク101に収容された反応管が回転移動可能な経路上に配置される。ここで、測光ユニット113の光源及び光検出器の構成は、光源102B及び光検出器102Cの構成と基本的に同様である。また、測光ユニット113による測光原理は、光源102B及び光検出器102Cによる測光原理と基本的に同様である。
【0053】
つまり、測光ユニット113は、位置P23において、反応管内の液体の光学特性を測定し、検出データを生成する。そして、測光ユニット113は、生成した検出データを処理回路14へ送る。
【0054】
第1反応管破棄ユニット114は、反応管を破棄する。例えば、第1反応管破棄ユニット114は、反応管を把持するためのグリッパと、グリッパを支持するための支持アームとを備える。第1反応管破棄ユニット114は、位置P24において、測光が終了した反応管をグリッパにより把持する。そして、第1反応管破棄ユニット114は、グリッパを引き上げ、把持した反応管を破棄する。
【0055】
第2反応管破棄ユニット115は、反応管を破棄する。例えば、第2反応管破棄ユニット115は、反応管を把持するためのグリッパと、グリッパを支持するための支持アームとを備える。第2反応管破棄ユニット115は、位置P25において、測光が終了した反応管をグリッパにより把持する。そして、第2反応管破棄ユニット115は、グリッパを引き上げ、把持した反応管を破棄する。
【0056】
なお、図2にて説明した内容はあくまで一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、図2に示した各ユニットの配置は、各ユニットの動作内容に矛盾が生じない範囲で任意に変更可能である。例えば、測光ユニット113等、第1反応ラインにアクセスポイントを有する各ユニットの位置は、第1反応ライン上(円周上)の任意の位置に変更可能である。
【0057】
例えば、図2では、サンプル供給ユニット107、第1試薬アーム108、第2試薬アーム109、及び反応管搬送アーム110が回転アームにより構成される場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、回転アームに代えて、直交する2つのレールにより構成される平面移動式のアームが適用されても良い。この平面移動式のアームは、先端に取り付けられたプローブやグリッパを、平面上の任意の位置に移動させることが可能である。
【0058】
また、図2では、2試薬系の検査項目が適用される場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、1試薬系の検査項目が適用されても良い。この場合、第1試薬及び第2試薬のうちいずれか一方は存在せず、分注されない。
【0059】
また、図2では説明を省略したが、攪拌子やプローブは、適宜洗浄される。洗浄に係る構成としては、公知の如何なる技術が適用されても良い。
【0060】
図4を用いて、第1の実施形態に係る自動分析装置10の動作シーケンスを説明する。図4は、第1の実施形態に係る自動分析装置10の動作シーケンスを説明するための図である。図4において、ステップS101~S108は、第2反応ラインにおける動作である。また、ステップS109~S115は、第1反応ラインにおける動作である。なお、自動分析装置10が動作を開始すると、第1反応ディスク101及び第2反応ディスク102が間欠回転を開始する。
【0061】
まず、自動分析装置10は、位置P11において、第2反応ディスク102に反応管を供給する(ステップS101)。続いて、自動分析装置10は、反応管が位置P13に到達すると、反応管にサンプルを分注する(ステップS102)。そして、自動分析装置10は、反応管が位置15に到達すると、反応管に第1試薬を分注する(ステップS103)。
【0062】
そして、自動分析装置10は、反応管を搬送するか否かを判定する(ステップS104)。ここで、各反応管は、実施される検査項目に応じて搬送対象であるか否かが予め設定され、設定された情報が記憶回路13に予め記憶されている。そこで、自動分析装置10は、記憶回路13を参照し、反応管が搬送対象であるか否かを示す情報を取得する。そして、自動分析装置10は、反応管が搬送対象でない場合には、位置P19において反応管を把持せず、次の動作を行う。
【0063】
そして、自動分析装置10は、反応管が位置18に到達すると、反応管に第2試薬を分注し(ステップS105)、測光を開始する(ステップS106)。そして、検査項目に応じて予め設定された測定時間が経過すると、自動分析装置10は、測光を終了させる(ステップS107)。そして、自動分析装置10は、位置P25において反応管を破棄し(ステップS108)、動作を終了する。
【0064】
一方、自動分析装置10は、反応管が搬送対象である場合には、位置P19において、反応管搬送アーム110を用いて搬送対象の反応管を把持して搬送し、第1反応ディスク101に反応管を設置する(ステップS109)。そして、自動分析装置10は、位置P21において第1攪拌を行い(ステップS110)、測光を開始する(ステップS111)。そして、自動分析装置10は、位置P17において第2試薬を分注し(ステップS112)、位置P22において第2攪拌を行う(ステップS113)。そして、検査項目に応じて予め設定された測定時間が経過すると、自動分析装置10は、測光を終了させる(ステップS114)。そして、自動分析装置10は、位置P24において反応管を破棄し(ステップS115)、動作を終了する。
【0065】
ここで、自動分析装置10の動作例について説明する。ここでは一例として、自動分析装置10が、被検体Pの血液凝固・線溶系測定に適用される場合を説明する。血液凝固・線溶系測定では、血液凝固時間測定項目及び生化学測定項目の測定が行われる。この場合、被検体Pから採取された血液を被検試料として、血液凝固時間測定項目及び生化学測定項目の測定がそれぞれ行われる。例えば、自動分析装置10は、血液凝固時間測定項目を第2反応ラインにおいて行い、生化学測定項目を第1反応ラインにおいて行う。
【0066】
まず、自動分析装置10は、第2反応ディスク102に反応管A及び反応管Bを供給する(ステップS101)。ここで、反応管Aは、血液凝固時間測定項目用の反応管であり、反応管Bは、生化学測定項目用の反応管である。続いて、自動分析装置10は、反応管A及び反応管Bそれぞれに、被検体Pから採取された被検試料を分注する(ステップS102)。そして、自動分析装置10は、反応管A及び反応管Bそれぞれに、第1試薬を分注する(ステップS103)。
【0067】
そして、自動分析装置10は、反応管Aについては搬送せず(ステップS104否定)、第2試薬を分注し(ステップS105)、測光を開始する(ステップS106)。ここで、自動分析装置10は、0.1秒程度の測定間隔で反応管Aの測光を行う。そして、自動分析装置10は、血液凝固時間測定に十分な時間(例えば2~3分程度)が経過すると、測光を終了させる(ステップS107)。そして、自動分析装置10は、反応管を破棄し(ステップS108)、動作を終了する。
【0068】
一方、自動分析装置10は、反応管Bについては第1反応ラインに搬送し(ステップS104肯定)、第1反応ディスク101に反応管Bを設置する(ステップS109)。そして、自動分析装置10は、第1攪拌を行い(ステップS110)、測光を開始する(ステップS111)。ここで、自動分析装置10は、10~20秒程度の測定間隔で反応管Bの測光を行う。そして、自動分析装置10は、第2試薬を分注し(ステップS112)、第2攪拌を行う(ステップS113)。そして、自動分析装置10は、生化学測定に十分な時間(例えば5~10分程度)が経過すると、測光を終了させる(ステップS114)。そして、自動分析装置10は、反応管を破棄し(ステップS115)、動作を終了する。
【0069】
上述してきたように、第1の実施形態に係る自動分析装置10は、血液凝固・線溶系測定、生化学検査などのように測光タイミング、測光時間が異なる検査を良好に行うことができる。例えば、第1の実施形態に係る自動分析装置10において、第2反応ディスク102は、各反応管ポート102Aの近傍に光源102B及び光検出器102Cを個別に備えることにより、第1反応ラインにおける測定間隔よりも短時間の測定間隔で測光を行うことができる。また、第2反応ディスク102は、各反応管の測光を個別に平行して行うことができるので、複数の被検試料がある場合にも分析時間を短縮することができる。
【0070】
また、第1の実施形態に係る自動分析装置10は、各検査項目における前半の動作(ステップS101~S103)を第2反応ライン上で共通化して実行する。そして、自動分析装置10は、第2反応ラインの後半の動作(ステップS105~108)については、そのまま第2反応ライン上で実行する。一方、自動分析装置10は、第1反応ラインの後半の動作(ステップS109~115)については、反応管搬送アーム110を用いて反応管を第1反応ラインに搬送した上で実行する。これによれば、分析時間が短く、かつ、装置サイズが小さい自動分析装置10を提供することができる。
【0071】
例えば、自動分析装置10に対する比較例として、反応管搬送アーム110を備えない場合には、第1反応ライン及び第2反応ラインの動作を共通化せずに分けて実行することとなる。この場合、サンプル供給ユニットは、サンプルディスク、第1反応ディスク、及び第2反応ディスクに合計3点のアクセスポイントを用意する必要がある。また、第1試薬アームは、第1試薬庫、第1反応ディスク、及び第2反応ディスクに合計3点のアクセスポイントを用意する必要がある。このため、反応管搬送アーム110を備えない場合には、レイアウトの自由度が低下し、装置サイズが大型化する傾向がある。
【0072】
これに対し、第1の実施形態に係る自動分析装置10は、反応管搬送アーム110を備えることにより、サンプル供給ユニット107及び第1試薬アーム108のアクセスポイントを2点に絞ることができる。具体的には、サンプル供給ユニット107のアクセスポイントは位置P12及び位置P13の2点に絞ることができ、第1試薬アーム108のアクセスポイントは位置P14及び位置P15の2点に絞ることができる。このため、自動分析装置10では、分析機構100内の各ユニットのレイアウトの自由度が増し、装置サイズを小型化することができる。また、ディスポーザブルの反応管を利用する場合には、反応管の供給先が1点(位置P11)で済むので、効率的かつ容易に供給することができる。この結果、分析時間が短く、かつ、装置サイズが小さい自動分析装置10を提供することができる。
【0073】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、第2反応ライン上で動作を共通化する場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、自動分析装置10は、第1反応ライン上で動作を共通化することも可能である。そこで、第2の実施形態では、第1反応ライン上で動作を共通化する場合を説明する。
【0074】
第2の実施形態に係る自動分析装置10は、図1に示した自動分析装置10と同様の構成を備えるが、図2に示した分析機構100内の各ユニットの配置が一部相違する。そこで、第2の実施形態では、第1の実施形態と相違する点を中心に説明することとし、第1の実施形態において説明した構成と同様の機能を有する点については説明を省略する。
【0075】
図5を用いて、第2の実施形態に係る分析機構100の構成を説明する。図5は、第2の実施形態に係る分析機構100の構成を説明するための図である。図5には、分析機構100が備える各ユニットを鉛直方向の上方から見た図を例示する。
【0076】
図5に示すように、第2の実施形態に係る分析機構100において、サンプルディスク103、第1試薬庫104、反応管供給ユニット106、サンプル供給ユニット107、及び第1試薬アーム108の配置位置が図2における配置位置とは相違する。具体的には、サンプルディスク103、第1試薬庫104、反応管供給ユニット106、サンプル供給ユニット107、及び第1試薬アーム108は、図2の場合と比較して第1反応ディスク101の近傍に配置される。なお、サンプルディスク103、第1試薬庫104、反応管供給ユニット106、サンプル供給ユニット107、及び第1試薬アーム108の基本的な構成は、図2において説明した内容と同様である。
【0077】
つまり、第2の実施形態に係る反応管供給ユニット106は、グリッパ等により空の反応管を把持し、位置P31において第1反応ディスク101の反応管ポートに供給する。
【0078】
第2の実施形態に係るサンプル供給ユニット107は、第1反応ディスク101に収容された反応管に対して試料を供給可能な位置P32を有する。例えば、サンプル供給ユニット107は、回転アームを回転させ、プローブを位置P32に移動させる。そして、サンプル供給ユニット107は、位置P32において、サンプルディスク103上の試料容器から所定量の試料を吸引する。そして、サンプル供給ユニット107は、回転アームを回転させ、プローブを位置P33に移動させる。そして、サンプル供給ユニット107は、位置P33において、吸引した試料を第1反応ディスク101上の反応管に吐出する。
【0079】
第2の実施形態に係る第1試薬アーム108は、第1反応ディスク101に収容された反応管に対して2試薬系における第1試薬を分注可能な位置P34を有する。例えば、第1試薬アーム108は、回転アームを回転させ、プローブを位置P34に移動させる。そして、第1試薬アーム108は、位置P34において、第1試薬庫104上の第1試薬容器から所定量の第1試薬を吸引する。そして、第1試薬アーム108は、回転アームを回転させ、プローブを位置P35に移動させる。そして、第1試薬アーム108は、位置P35において、吸引した試料を第1反応ディスク101上の反応管に吐出する。
【0080】
図6を用いて、第2の実施形態に係る自動分析装置10の動作シーケンスを説明する。図6は、第2の実施形態に係る自動分析装置10の動作シーケンスを説明するための図である。図6において、ステップS201~S210は、第1反応ラインにおける動作である。また、ステップS211~S215は、第2反応ラインにおける動作である。なお、自動分析装置10が動作を開始すると、第1反応ディスク101及び第2反応ディスク102が間欠回転を開始する。
【0081】
まず、自動分析装置10は、位置P31において、第1反応ディスク101に反応管を供給する(ステップS201)。続いて、自動分析装置10は、反応管が位置P33に到達すると、反応管にサンプルを分注する(ステップS202)。そして、自動分析装置10は、反応管が位置35に到達すると、反応管に第1試薬を分注する(ステップS203)。
【0082】
そして、自動分析装置10は、反応管を搬送するか否かを判定する(ステップS204)。自動分析装置10は、反応管が搬送対象でない場合には、位置P20において反応管を把持せず、次の動作を行う。
【0083】
そして、自動分析装置10は、反応管が位置17に到達すると、位置P21において第1攪拌を行い(ステップS205)、測光を開始する(ステップS206)。そして、自動分析装置10は、位置P17において第2試薬を分注し(ステップS207)、位置P22において第2攪拌を行う(ステップS208)。そして、検査項目に応じて予め設定された測定時間が経過すると、自動分析装置10は、測光を終了させる(ステップS209)。そして、自動分析装置10は、位置P24において反応管を破棄し(ステップS210)、動作を終了する。
【0084】
一方、自動分析装置10は、反応管が搬送対象である場合には、位置P20において、反応管搬送アーム110を用いて搬送対象の反応管を把持して搬送し、第2反応ディスク102に反応管を設置する(ステップS211)。すなわち、第2の実施形態に係る反応管搬送アーム110は、第1反応ラインから第2反応ラインへ反応管を搬送する。
【0085】
そして、自動分析装置10は、反応管に第2試薬を分注し(ステップS212)、測光を開始する(ステップS213)。そして、検査項目に応じて予め設定された測定時間が経過すると、自動分析装置10は、測光を終了させる(ステップS214)。そして、自動分析装置10は、位置P25において反応管を破棄し(ステップS215)、動作を終了する。
【0086】
このように、第2の実施形態に係る自動分析装置10は、各検査項目における前半の動作(ステップS201~S203)を第1反応ライン上で共通化して実行する。これにより、分析時間が短く、かつ、装置サイズが小さい自動分析装置10を提供することができる。
【0087】
(その他の実施形態)
上述した実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてもよい。
【0088】
例えば、上記の実施形態では、自動分析装置10が、入力インタフェース11、ディスプレイ12、記憶回路13、及び処理回路14を備える場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、入力インタフェース11、ディスプレイ12、記憶回路13、及び処理回路14の各機能は、自動分析装置10に対してパーソナルコンピュータやワークステーション等の情報処理装置の機能により代替可能である。例えば、自動分析装置10に対して情報処理装置が接続される場合、入力インタフェース11、ディスプレイ12、記憶回路13、及び処理回路14の各機能は、情報処理装置の入力インタフェース、ディスプレイ、記憶回路、及び処理回路によりそれぞれ代替可能である。また、情報処理装置の機能により代替する場合、自動分析装置10は、入力インタフェース11、ディスプレイ12、記憶回路13、及び処理回路14を必ずしも備えていなくてもよい。
【0089】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路13にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。更に、各図における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
【0090】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0091】
また、上記の実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行なうこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行なうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0092】
また、上記の実施形態で説明した自動分析方法は、予め用意された自動分析プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この自動分析プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この自動分析プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【0093】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、分析時間が短く、かつ、装置サイズが小さい自動分析装置を提供することができる。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0095】
10 自動分析装置
100 分析機構
101 第1反応ディスク
102 第2反応ディスク
110 反応管搬送アーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6