IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コイズミ照明株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-照明器具 図1
  • 特許-照明器具 図2
  • 特許-照明器具 図3
  • 特許-照明器具 図4
  • 特許-照明器具 図5
  • 特許-照明器具 図6
  • 特許-照明器具 図7
  • 特許-照明器具 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-15
(45)【発行日】2023-09-26
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/00 20060101AFI20230919BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20230919BHJP
   F21V 17/10 20060101ALI20230919BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230919BHJP
【FI】
F21S8/00 100
F21V23/04 100
F21V17/10 100
F21Y115:10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019132024
(22)【出願日】2019-07-17
(65)【公開番号】P2021018847
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2022-06-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1、発行日:令和1年5月14日 刊行物:コイズミ照明株式会社 あかり専科 2019-20 Vol.38 公開者:コイズミ照明株式会社 2、ウェブサイトの掲載日:令和1年5月22日 ウェブサイトのURL:トップページhttps://www.koizumi-lt.co.jp/ Webカタログのページ https://www.koizumi-lt.co.jp/product/webcatalog/index.html 発明の掲載ページ https://webcatalog.koizumi-lt.co.jp/iportal/CatalogViewInterfaceStartUpAction.do?method=startUp&mode=PAGE&volumeID=DIGICATA&catalogId=4893670000 公開者:コイズミ照明株式会社 3、公開日:令和1年5月28日 公開場所:コイズミ照明株式会社 ショールーム福岡(福岡県福岡市博多区博多駅前3-26-29) 公開者:コイズミ照明株式会社 4、公開日:令和1年6月5日 公開場所:コイズミ照明株式会社 ショールーム名古屋(愛知県名古屋市東区泉1-10-23) 公開者:コイズミ照明株式会社 5、公開日:令和1年6月6日 公開場所:コイズミ照明株式会社 LED照明提案型施設「KLOS大阪」(大阪府大阪市北区大深町4-20) 公開者:コイズミ照明株式会社 6、公開日:令和1年6月7日 公開場所:コイズミ照明株式会社 ショールーム東京(東京都千代田区神田佐久間町3丁目12) 公開者:コイズミ照明株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】内藤 孝平
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0345761(US,A1)
【文献】特開2006-228624(JP,A)
【文献】登録実用新案第3176443(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/00
F21V 23/04
F21V 17/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の開口部を含み、壁面に設置可能な枠体と、
前記複数の開口部の各々に装着可能な照明ユニットと
を備え
前記照明ユニットは、光を出射する灯体を含み、
前記灯体は、前記開口部に挿通可能である、照明器具。
【請求項2】
前記複数の開口部は、形状及びサイズが互いに同じである、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記複数の開口部の各々に装着可能な機能部品ユニットをさらに備える、請求項1又は請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記機能部品ユニットは、前記照明ユニットを操作するための操作部を含む、請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記照明ユニットは、
記灯体を挿通可能な孔部を含み、前記複数の開口部の各々に嵌め込み可能な嵌め込み部
を含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記照明ユニットが前記複数の開口部のうちの任意の開口部である装着開口部に装着されると、前記嵌め込み部材の前記孔部に前記灯体が挿通された状態で、前記嵌め込み部材が前記装着開口部に嵌め込まれる、請求項5に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
壁面に埋設されるようにして設置される照明器具は公知である(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の照明器具は、ボディと、ランプと、カバーと、取付枠とを備える。ボディには、カバーが取り付けられる。ホディ内にはランプが設けられる。カバーは取付枠に取り付けられる。取付枠は、壁面に固定される。カバーの前面上部には、ランプの光を外部へ照射するための開口が設けられる。ランプの下方には、人体検知センサを構成する焦電素子が配設される。カバーの前面下部には、焦電素子の前面を覆うように集光用の集光レンズが設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平08-17239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の照明器具によると、カバーには1つの開口しか設けられておらず、ランプ(照明ユニット)の設置場所が1つの開口内に制限されていた。そこで、ランプの設置場所をランプが現在装着されている開口以外の場所に変更する場合、照明器具全体の設置場所を変更しなければならない。従って、照明器具を壁面に埋設するための埋設孔を、変更後のランプの設置場所に合わせた場所に新たに形成しなければならず、煩雑であった。また、照明器具が以前に埋設されていた埋設孔を壁紙等で塞ぐ作業を行わなければならず、煩雑であった。
【0005】
本発明は、照明ユニットの設置場所を容易に変更できる照明器具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する照明器具は、枠体と、照明ユニットとを備える。枠体は、複数の開口部を含み、壁面に設置可能である。照明ユニットは、前記複数の開口部の各々に装着可能である。前記照明ユニットは、光を出射する灯体を含む。前記灯体は、前記開口部に挿通可能である。
【0007】
本願に開示する照明器具によれば、前記複数の開口部は、形状及びサイズが互いに同じであることが好ましい。
【0008】
本願に開示する照明器具は、機能部品ユニットをさらに備えることが好ましい。機能部品ユニットは、前記複数の開口部の各々に装着可能であることが好ましい。
【0009】
本願に開示する照明器具によれば、前記機能部品ユニットは、前記照明ユニットを操作するための操作部を含むことが好ましい。
【0010】
本願に開示する照明器具によれば、前記照明ユニットは、嵌め込み部材を含むことが好ましい。嵌め込み部材は、前記灯体を挿通可能な孔部を含み、前記複数の開口部の各々に嵌め込み可能であることが好ましい。
【0011】
本願に開示する照明器具によれば、前記照明ユニットが前記複数の開口部のうちの任意の開口部である装着開口部に装着されると、前記嵌め込み部材の前記孔部に前記灯体が挿通された状態で、前記嵌め込み部材が前記装着開口部に嵌め込まれることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、照明ユニットの設置場所を容易に変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る照明器具を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る照明器具を示す正面図である。
図3】(a)は、枠体を示す正面図である。(b)は、枠体を示す斜視図である。
図4】本体部材を示す斜視図である。
図5】カバー部材を示す斜視図である。
図6】機能部品ユニットを示す斜視図である。
図7】壁面に照明器具を設置する手順を示す斜視図である。
図8】(a)は、本実施形態の照明器具の変形例を示す正面図である。(b)は、本実施形態の照明器具の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0015】
図1図7を参照して、本発明の実施形態に係る照明器具100について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る照明器具100を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係る照明器具100を示す正面図である。図1図7において、X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに垂直な軸である。
【0016】
図1及び図2に示すように、照明器具100は、例えば、スポットライトのような光を照らす器具である。照明器具100は、壁面に埋設される。照明器具100は、枠体10と、照明ユニット20と、機能部品ユニット30とを備える。
【0017】
枠体10は、壁面に設置される。壁面は、部屋を区画する壁材のうち室内を向く面である。なお、壁面には、側壁の壁面のみならず、天井面、及び床面も含まれる。本実施形態では、壁面は、X軸及びY軸に略平行な面である。また、本実施形態では、壁面は、枠体10に対してZ軸方向の他方側に位置する。
【0018】
照明ユニット20と機能部品ユニット30とは、枠体10に装着される。照明ユニット20は、光を出射する。機能部品ユニット30は、照明ユニット20を操作するための操作部を含む。照明ユニット20と機能部品ユニット30とは、枠体10に嵌め込まれた状態で、室内に露出するように設置される。また、照明ユニット20と機能部品ユニット30とは、X軸方向に沿って並ぶように設置される。
【0019】
図1図3(b)を参照して枠体10について説明する。
【0020】
図3(a)は、枠体10を示す正面図である。図3(b)は、枠体10を示す斜視図である。
【0021】
図1図3(b)に示すように、枠体10は、壁面に設置可能である。枠体10は、壁面に設置された照明ユニット20、及び機能部品ユニット30を囲む。
【0022】
枠体10は、本体部11と、複数の開口部16とを含む。
【0023】
本体部11は、例えば、樹脂製である。本体部11は、第1部分12と、第2部分13と、第3部分14とを含む。
【0024】
第1部分12は、略矩形状に形成された板状の部材である。第1部分12には、第1部分12を貫通する貫通孔160が形成される。第2部分13は、第1部分12の外縁部12aからZ軸方向の他方側へ立ち上がる形状を有する。また、第2部分13は、外縁部12aに沿うように矩形の環状に形成される。第3部分14は、Y軸方向に沿って延びる長手の形状を有する。第3部分14は、貫通孔160に架けられ、貫通孔160を複数に仕切ることによって、貫通孔160を複数の開口部16に分割する。
【0025】
複数の開口部16の各々は、枠体10を貫通する空所部である。複数の開口部16は、互いに同じ形状及びサイズを有する。本実施形態では、複数の開口部16の各々は、略矩形状に形成される。
【0026】
本実施形態では、複数の開口部16は、第1開口部16aと、第2開口部16bとで構成される。第1開口部16aと第2開口部16bとは、第3部分14を介して互いに隣り合うように配置される。本実施形態では、第1開口部16aと第2開口部16bとは、X軸方向に沿って隣り合うように配置される。
【0027】
図1図2図4及び図5を参照して、照明ユニット20について説明する。照明ユニット20は、本体部材21と、カバー部材22とを含む。
【0028】
図4は、本体部材21を示す斜視図である。図5は、カバー部材22を示す斜視図である。
【0029】
図1図2、及び図4に示すように、本体部材21は、収容体21aと、軸体21bと、灯体21cと、固定体21dと、光源21gとを含む。
【0030】
収容体21aは、中空の部材である。収容体21aには、例えば、光源21gの電源と、後述する照明ユニット20から送信される制御信号を受信するための通信ポートとが設けられる。収容体21aは、例えば、放熱性を考慮し、金属製である。
【0031】
軸体21bは、収容体21aに取り付けられ、収容体21aからZ軸方向の一方側へ突出する。軸体21bは、収容体21aにより、軸体21bの軸心の軸回り方向Z1に沿って回転可能に支持される。軸体21bの軸心は、収容体21aの中心を通りつつ、Z軸方向に沿って延びる軸である。軸体21bは、例えば、収容体21a内に設置される軸受により回転可能に支持される。軸体21bは、金属製であるが、セラミック製、合成樹脂製、又は木製等でもよい。
【0032】
灯体21cは、中空の部材であり、光源21gを支持する。灯体21cは、基端部211と、先端部212と、開口部213とを含む。灯体21cの基端部211は、軸体21bに対して軸線Gを中心にして回動可能に取り付けられる。軸線Gは、Z軸方向に対して垂直であり、灯体21cの基端部211と軸体21bとを通る仮想線である。灯体21cと軸体21bとは、例えば、軸線Gに沿って延びる回動軸(不図示)が貫通され、回動軸により回動可能に連結される。灯体21cは、軸線Gを中心に、軸体21bに対して、軸線Gの軸回り方向R1に沿って回動する。また、灯体21cは、軸体21bと共に、軸回り方向Z1に沿って回転する。灯体21cの先端部212には、灯体21cの内部と外部とを連通する開口部213が設けられる。灯体21cは、光源21gと開口部213の間、又は開口部213を塞ぐ位置に、レンズ又はカバー(いずれも図示せず)が取り付けられる。灯体21cは、例えば、放熱性を考慮し、金属製である。
【0033】
軸体21bが収容体21aに対して軸回り方向Z1に回転可能に支持され、かつ、灯体21cが軸体21bに対して軸回り方向R1に回動可能に支持されることで、灯体21cをダイヤル35及びスイッチ36の操作に邪魔にならない場所に移動させることが可能である。
【0034】
光源21gは、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。光源21gは、灯体21cの内部に設置される。光源21gからの光は、開口部213から出射される。
【0035】
照明ユニット20は、軸体21bの軸回り方向Z1の回転角度と、灯体21cの軸回り方向R1の回動角度とを調整することで、灯体21cの向きを変更して、灯体21cからの光の出射方向を変更可能である。
【0036】
なお、照明ユニット20の隣りに機能部品ユニット30が設置される場合、灯体21cが機能部品ユニット30(ダイヤル35及びスイッチ36)と接触すること、及び、ダイヤル35及びスイッチ36の操作に邪魔になる場所に移動することを回避するために、軸体21bの回転角度、及び/又は、灯体21cの回動角度を規制する規制部材が設けられてもよい。
【0037】
また、軸体21bを塑性変形可能な筒体で構成し、灯体21cに外力を加えて軸体21bを塑性変形させることで、灯体21cの向きが変更されるように構成してもよい。
【0038】
また、軸体21b及び灯体21cが一体の部材で構成され、灯体21cの向きが変更不能であってもよい。その結果、照明ユニット20をシンプルに構成できる。
【0039】
固定体21dは、照明ユニット20を壁面に固定するための部材である。固定体21dは、例えば、耐久性を考慮して金属製である。固定体21dは、略板状の部材である。固定体21dは、収容体21aに固定される。固定体21dには、固定体21dを貫通する第1孔部21eと、第2孔部21fとが設けられる。第1孔部21eは、一対設けられ、固定体21dのY軸方向の両端部に配置される。第2孔部21fは、一対の第1孔部21eの間に配置される。第2孔部21fには、軸体21bが挿通される。
【0040】
図1図2図4、及び図5に示すように、カバー部材22は、例えば、樹脂製である。カバー部材22は、嵌め込み部分22aと、フランジ部分22cとを含む。
【0041】
嵌め込み部分22aは、表面部分221と、側壁部分222とを含む。
【0042】
表面部分221は、略矩形状に形成された板状の部材である。表面部分221には、表面部分221を貫通する孔部22eが形成される。孔部22eの形状及びサイズは、固定体21dの第2孔部21fの形状及びサイズと略同じである。孔部22eの内径は、灯体21cの外径、及び軸体21bの外径よりも大きい。その結果、孔部22eに灯体21cと軸体21bとを挿通させることができる。側壁部分222は、表面部分221の外縁部223からZ軸方向の他方側へ立ち上がる形状を有する。また、側壁部分222は、外縁部223に沿うように矩形の環状に形成される。
【0043】
Z軸方向から見て、嵌め込み部分22aの外形(表面部分221の外縁部223)の形状は、開口部16(図3(b)参照)の縁部の形状と略同じである。嵌め込み部分22aの外形のサイズは、開口部16の縁部のサイズよりも第1所定寸法だけ小さい。第1所定寸法は、嵌め込み部分22aを開口部16に嵌め込んだときに、嵌め込み部分22aと開口部16との間に僅かな隙間ができる程度の寸法である。例えば、嵌め込み部分22aの幅寸法及び長さ寸法が、開口部16の幅寸法及び長さ寸法に対して、それぞれ1~2mm程度小さくように第1所定寸法が設定される。その結果、嵌め込み部分22aを開口部16に嵌め込むことができる。開口部16に嵌め込み部分22aが嵌め込まれることで、開口部16が照明ユニット20により略閉塞された状態になる。
【0044】
フランジ部分22cは、板状の部材である。フランジ部分22cは、一対設けられ、カバー部材22のY軸方向の両端部に配置される。各フランジ部分22cは、側壁部分222のうちZ軸方向の他方側の端部からY軸方向の外側に膨出するように形成される。Y軸方向の外側は、Y軸を示す矢印が指す方向側である。
【0045】
カバー部材22の孔部22eに灯体21c及び軸体21bが挿入されることによって、カバー部材22が本体部材21に装着される。カバー部材22が本体部材21に装着された状態のとき、一対の孔部22dが、それぞれ、一対の孔部22eと重なり合う。また、カバー部材22が本体部材21に装着された状態のとき、軸体21bとカバー部材22の表面部分221が略同一面上に位置する。
【0046】
図1図2、及び図6を参照して、機能部品ユニット30について説明する。図6は、機能部品ユニット30を示す斜視図である。
【0047】
図1図2、及び図6に示すように、機能部品ユニット30は、収容体31と、固定体32と、支持体34と、ダイヤル35と、スイッチ36とを含む。
【0048】
収容体31は、中空の部材である。収容体31には、例えば、制御部と、制御部により生成された制御信号を照明ユニット20に送信するための通信ポートとが設けられる。制御部は、例えば、CPU又はマイコンを含み、ダイヤル35の回転角度に応じた制御信号、及び、スイッチ36のオン又はオフを示す制御信号を生成する。収容体31は、例えば、放熱性を考慮し、金属製である。
【0049】
固定体32は、機能部品ユニット30を壁面に固定するための部材である。固定体32は、例えば、耐久性を考慮して金属製である。固定体32は、略板状の部材である。固定体32は、収容体31に固定される。固定体32には、固定体32を貫通する孔部33が設けられる。孔部33は、一対設けられ、固定体32のY軸方向の両端部に配置される。
【0050】
支持体34は、ダイヤル35を回転可能に支持する。支持体34は、収容体31に固定される。
【0051】
ダイヤル35は、光源21gの光量又は/及び光色を調整するための操作部である。ダイヤル35の回転角度に応じて、光源21gの光量又は/及び光色が調整される。
【0052】
スイッチ36は、光源21gの電源をオン状態及びオフ状態のいずれかの状態に切り換えるための操作部である。スイッチ36は、収容体31に取り付けられる。スイッチ36が押下される毎に、光源21gの電源がオン状態とオフ状態との間で交互に切り替えられる。
【0053】
支持体34とスイッチ36とは、Y軸方向に沿って隣接している。支持体34及びスイッチ36と、収容体31との間には、固定体32が配置される。Z軸方向から見て、一対の孔部33の間には、支持体34と、ダイヤル35と、スイッチ36とが配置される。
【0054】
Z軸方向から見て、支持体34及びスイッチ36の外形37の形状は、開口部16(図3(b)参照)の縁部の形状と略同じである。支持体34及びスイッチ36の外形37のサイズは、開口部16のサイズよりも第2所定寸法だけ小さい。第2所定寸法は、支持体34及びスイッチ36を開口部16に嵌め込んだときに、支持体34及びスイッチ36と、開口部16との間に僅かな隙間ができる程度の寸法である。例えば、外形37の幅寸法及び長さ寸法が、開口部16の幅寸法及び長さ寸法に対して、それぞれ1~2mm程度小さくように第2所定寸法が設定される。その結果、支持体34とスイッチ36とを、開口部16に嵌め込むことができる。開口部16に支持体34とスイッチ36とが嵌め込まれることで、開口部16が機能部品ユニット30により略閉塞された状態になる。
【0055】
次に、図1図2、及び図7を参照して、壁面Wに照明器具100を設置する手順について説明する。図7は、壁面Wに照明器具100を設置する手順を示す斜視図である。
【0056】
図1図2、及び図7に示すように、まず、本体部材21の収容体21a(図4参照)が壁面Wに形成された埋設孔W1に挿入される。収容体21aが埋設孔W1に挿入されると、固定体21dのZ軸方向の両端部が壁面Wに接触して、本体部材21が停止する。このとき、一対の第1孔部21eが壁面Wと対向した状態になる。
【0057】
そして、カバー部材22の孔部22eに灯体21c及び軸体21bが挿入されることによって、カバー部材22が本体部材21に装着される。その結果、一対の孔部22dが、それぞれ、一対の孔部22eと重なり合う。
【0058】
そして、互いに重なり合う孔部22d及び孔部22eのそれぞれにネジNが挿入されて、ネジNが壁面Wに締め付けられる。その結果、照明ユニット20が壁面Wに固定される。
【0059】
次に、機能部品ユニット30の収容体31が埋設孔W1に挿入される。収容体31が埋設孔W1に挿入されると、固定体32のZ軸方向の両端部が壁面Wに接触して、機能部品ユニット30が停止する。このとき、一対の孔部33が壁面Wと対向した状態になる。
【0060】
そして、一対の孔部33の各々にネジNが挿入されて、ネジNが壁面Wに締め付けられる。その結果、機能部品ユニット30が壁面Wに固定される。
【0061】
なお、照明ユニット20と機能部品ユニット30とは、複数の開口部16の並びに合わせて、互いに隣り合うように壁面Wに固定される。
【0062】
次に、照明ユニット20と機能部品ユニット30とに枠部材60が装着される。枠部材60は、開口孔61が形成された略板状の部材である。枠部材60は、例えば、樹脂製、又は、金属製である。開口孔61の形状及びサイズは、複数の開口部16の外形17の形状及びサイズと略同じである。
【0063】
開口孔61には、嵌め込み部分22aと、支持体34と、スイッチ36とが嵌め込まれる。その結果、照明ユニット20と機能部品ユニット30とに枠部材60が装着される。
【0064】
次に、枠体10の第1開口部16aに嵌め込み部分22aが嵌め込まれると共に、第2開口部16bに支持体34とスイッチ36とが嵌め込まれる。これにより、枠体10が、照明ユニット20及び機能部品ユニット30と係合し、壁面Wに設置される。その結果、壁面Wに照明器具100が設置された状態になる。
【0065】
なお、壁面Wに照明器具100が設置された状態において、灯体21cと、ダイヤル35と、スイッチ36とが壁面Wに設置された状態になる。このとき、灯体21cと、ダイヤル35と、スイッチ36との周囲を枠体10で囲むことができる。その結果、照明ユニット20及び機能部品ユニット30と、壁面Wとの間の境界部が、枠体10で覆われて隠される。その結果、照明器具100が設置されている領域の美観を確保することができる。
【0066】
また、第1開口部16aに機能部品ユニット30を装着し、第2開口部16bに照明ユニット20を装着することで、照明ユニット20の位置と、機能部品ユニット30の位置とを、図1に示す位置とはX軸方向に逆の位置に配置できる。理由は、第1開口部16aの形状及びサイズが、第2開口部16bの形状及びサイズと同じなので、第1開口部16a及び第2開口部16bの各々には、照明ユニット20及び機能部品ユニット30のうちのいずれのユニットも装着できるからである。その結果、ユーザーは、照明ユニット20の位置と、機能部品ユニット30の位置とを、容易に変更できる。
【0067】
以上、図1図7を参照して説明したように、枠体10は複数の開口部16を含み、照明ユニット20は複数の開口部16の各々に装着可能である。従って、照明ユニット20の設置場所を変更する場合、照明ユニット20の装着先の開口部16を複数の開口部16のうちから変更すればよい。これにより、枠体10の壁面W上の設置場所が変更されないので、壁面Wに埋設孔W1を新たに形成することなく、照明ユニット20の設置場所を変更できる。その結果、照明ユニット20の設置場所を容易に変更することができる。
【0068】
また、第1開口部16aに照明ユニット20が装着され、第2開口部16bに機能部品ユニット30が装着されることで、照明ユニット20と機能部品ユニット30とを互いに近接して配置できる。その結果、ユーザーは、機能部品ユニット30の操作部(ダイヤル35及びスイッチ36)により、照明ユニット20を直感的に操作できる。照明ユニット20と機能部品ユニット30とを近接して設置できるので、照明ユニット20の通信ポートと、機能部品ユニット30とを通信可能に接続する信号線を短くすることができる。その結果、照明器具100を容易に設置することができ、さらに、照明器具100を設置する際にかかるコストを低減できる。
【0069】
また、本実施形態では、灯体21cのX軸方向の寸法は、嵌め込み部分22aのX軸方向の寸法以下である。これにより、図2に示すように、灯体21cがコンパクトに構成されるので、Z軸方向から見て、照明ユニット20が第1開口部16aに装着された状態で、灯体21cの設置スペースを第1開口部16aの領域内に収めることができる。その結果、灯体21cの向きが変更される際に、照明ユニット20の周囲に存在する壁面W及び建具のような障害物が、灯体21cに干渉することを抑制できる。また、灯体21cがコンパクトに構成されるので、機能部品ユニット30(ダイヤル35、及び/又は、スイッチ36)を操作する操作者の手に灯体21cが干渉することを抑制できる。なお、灯体21cの寸法は、特に限定されなくてもよい。その結果、灯体21cの設計の自由度を向上させることができる。
【0070】
以上、図面(図1図7)を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、(1)~(2))。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0071】
(1)図8(a)及び図8(b)を参照して、本実施形態の照明器具100の変形例である照明器具100Aについて説明する。図8(a)は、照明器具100Aを示す正面図である。図8(b)は、照明器具100Aを示す斜視図である。
【0072】
照明器具100Aは、枠体10の開口部16の個数が本実施形態の照明器具100と異なる。また、照明器具100Aは、複数の照明ユニット20を備える点が本実施形態の照明器具100と異なる。すなわち、照明器具100は、2つ以上の開口部16と、少なくとも1つの照明ユニット20とを備えていればよい。
【0073】
図8(a)~図8(b)に示すように、照明器具100Aの枠体10の開口部16は、第1開口部16aと、第2開口部16bと、第3開口部16cとで構成される。第2開口部16bは、第1開口部16aと第3開口部16cとの間に配置される。照明ユニット20は、複数設けられ、第1照明ユニット20Aと、第2照明ユニット20Bとで構成される。第1開口部16aには第1照明ユニット20Aが装着され、第2開口部16bには機能部品ユニット30が装着され、第3開口部16cには第2照明ユニット20Bが装着される。機能部品ユニット30のダイヤル35及びスイッチ36により、第1照明ユニット20A、及び/又は、第2照明ユニット20Bが操作される。なお、ダイヤル35及びスイッチ36のうちのいずれか一方の操作部により第1照明ユニット20Aが操作され、いずれか他方の操作部により第2照明ユニット20Bが操作されてもよい。また、ダイヤル35及びスイッチ36により、第1照明ユニット20A及び第2照明ユニット20B以外の照明器具が操作されてもよい。
【0074】
(2)本実施形態では、機能部品ユニット30は、照明ユニット20を操作するための操作部を含む。しかし、本発明はこれに限定されない。機能部品ユニット30は、電子機器を操作するための操作部、室内の状態を検知するための検知部、及び、電子機器を接続するための接続ポートのうちの少なくとも1つを含んでいればよい。電子機器を操作するための操作部は、例えば、映像機器及び音響機器のような電子機器の電源をオン及びオフする電源スイッチ、又は、音のボリュームを調整する調整ダイヤルのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。室内の状態を検知するための検知部は、例えば、室内の明るさを検知する照度センサ、室内の人を検知する人感センサ、室内の温度を検知する温度センサ、室内の湿度を検知する湿度センサ、室内の臭いを検知する臭いセンサ、及び、室内の煙を検知する煙センサ(火災報知器)のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。電子機器を接続するための接続ポートは、例えば、USBポート、及び、LANケーブル接続用の接続ポートのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。また、機能部品ユニット30は、複数の別体の操作部、検知部、及び/又は、接続ポートの集合体で構成されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、照明器具の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0076】
10 枠体
16 開口部
20 照明ユニット
30 機能部品ユニット
100 照明制御装置
W 壁面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8