(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-15
(45)【発行日】2023-09-26
(54)【発明の名称】医療用針ホルダ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/06 20060101AFI20230919BHJP
【FI】
A61B17/06
(21)【出願番号】P 2019165262
(22)【出願日】2019-09-11
【審査請求日】2022-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000110044
【氏名又は名称】株式会社リブドゥコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100110847
【氏名又は名称】松阪 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100136526
【氏名又は名称】田中 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100136755
【氏名又は名称】井田 正道
(72)【発明者】
【氏名】奥瀬 英明
【審査官】羽月 竜治
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-514470(JP,A)
【文献】特開2019-080778(JP,A)
【文献】米国特許第05799788(US,A)
【文献】特開平03-000076(JP,A)
【文献】特開平09-028762(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用針ホルダであって、
医療用針を刺すことが可能な
左右方向に垂直な第1主面、前記第1主面の反対側に位置する
前記左右方向に垂直な第2主面、および、前記第1主面と前記第2主面とを接続する接続面を有するホルダ本体と、
前記ホルダ本体の前記接続面を
少なくとも上下方向の上側、並びに、前後方向の前側および後側から覆うとともに前記ホルダ本体よりも硬質なカバー部と、
前記カバー部に接続され、前記カバー部から側方に突出するとともに
、前記上下方向の高さが前記カバー部
全体の前記上下方向の高さよりも
小さい板状または棒状の持ち手部と、
を備え
、
前記上下方向、前記左右方向および前記前後方向は互いに垂直な方向であることを特徴とする医療用針ホルダ。
【請求項2】
請求項1に記載の医療用針ホルダであって、
前記第1主面は、
一の医療用針を刺すことが可能な第1領域と、
前記第1領域に隣接して配置されるとともに前記第1領域と視覚により判別可能であり、他の医療用針を刺すことが可能な第2領域と、
を備えることを特徴とする医療用針ホルダ。
【請求項3】
請求項2に記載の医療用針ホルダであって、
前記第2領域は、前記第1領域とは異なる色または異なる模様を有することを特徴とする医療用針ホルダ。
【請求項4】
請求項2または3に記載の医療用針ホルダであって、
前記第1領域および前記第2領域は同形状の矩形領域であり、
前記第1領域および前記第2領域が並ぶ配列方向における前記第1領域の大きさは、前記配列方向に垂直かつ前記第1主面に平行な方向における前記第1領域の大きさよりも小さいことを特徴とする医療用針ホルダ。
【請求項5】
請求項2ないし4のいずれか1つに記載の医療用針ホルダであって、
前記カバー部は、
前記第1領域の側縁から延びる第3領域と、
前記第3領域と視覚により判別可能であり、前記第2領域の側縁から延びる第4領域と、
を備えることを特徴とする医療用針ホルダ。
【請求項6】
請求項2ないし4のいずれか1つに記載の医療用針ホルダであって、
前記カバー部は透明または半透明であり、
前記接続面は、
前記第1領域の側縁から延びる第3領域と、
前記第3領域と視覚により判別可能であり、前記第2領域の側縁から延びる第4領域と、
を備えることを特徴とする医療用針ホルダ。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1つに記載の医療用針ホルダであって、
前記第2主面も医療用針を刺すことが可能な面であり、
前記ホルダ本体は、前記第1主面と前記第2主面との間に前記第1主面および前記第2主面よりも硬質な硬質層をさらに備えることを特徴とする医療用針ホルダ。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1つに記載の医療用針ホルダであって、
前記持ち手部は、着脱自在に前記カバー部に取り付けられることを特徴とする医療用針ホルダ。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1つに記載の医療用針ホルダであって、
前記持ち手部は、
前記カバー部から前記第1主面に平行な第1の方向に突出する第1部位と、
前記カバー部から前記第1の方向とは反対側を向く第2の方向に突出する第2部位と、
を備えることを特徴とする医療用針ホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済みの縫合針等の医療用針を保持する医療用針ホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、縫合針が使用される外科手術では、患者の体内に縫合針が残置されてしまうことを防止するために、使用済みの縫合針の本数を数えることが行われている。特許文献1では、スポンジにて形成された複数の円柱状または五角形以上の角柱状のカウンター本体が、セパレート材の剥離面上に剥離可能に接着された縫合針カウンターが開示されている。縫合針カウンターが使用される際には、カウンター本体がセパレート材から剥離され、未使用の縫合針が収容されているパッケージに貼り付けられる。カウンター本体の上面には縫合針の計数に利用される番号が印刷されており、使用済みの縫合針は、カウンター本体の側面の当該番号に対応する位置に順番に刺されてカウンター本体に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の縫合針カウンターが使用される際には、先端に縫合針が把持された持針器を、パッケージに貼り付けられカウンター本体に近づけ、持針器を回転させて縫合針をカウンター本体に刺す必要がある。したがって、持針器の操作に慣れていないと、カウンター本体に容易に縫合針を固定することができない。また、カウンター本体の向きに合わせて縫合針の向きを変えて刺す必要があるため、縫合針の固定がさらに難しくなる。一方、看護師等の医療者がスポンジ製のカウンター本体を手で持ち、カウンター本体の向きを刺しやすいように変えて縫合針を刺そうとすると、縫合針の先端がカウンター本体を突き抜ける等して手に刺さってしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、針刺し事故を防止しつつ医療用針を医療用針ホルダに容易に刺すことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、医療用針ホルダであって、医療用針を刺すことが可能な左右方向に垂直な第1主面、前記第1主面の反対側に位置する前記左右方向に垂直な第2主面、および、前記第1主面と前記第2主面とを接続する接続面を有するホルダ本体と、前記ホルダ本体の前記接続面を少なくとも上下方向の上側、並びに、前後方向の前側および後側から覆うとともに前記ホルダ本体よりも硬質なカバー部と、前記カバー部に接続され、前記カバー部から側方に突出するとともに、前記上下方向の高さが前記カバー部全体の前記上下方向の高さよりも小さい板状または棒状の持ち手部とを備え、前記上下方向、前記左右方向および前記前後方向は互いに垂直な方向である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医療用針ホルダであって、前記第1主面は、一の医療用針を刺すことが可能な第1領域と、前記第1領域に隣接して配置されるとともに前記第1領域と視覚により判別可能であり、他の医療用針を刺すことが可能な第2領域とを備える。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の医療用針ホルダであって、前記第2領域は、前記第1領域とは異なる色または異なる模様を有する。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の医療用針ホルダであって、前記第1領域および前記第2領域は同形状の矩形領域であり、前記第1領域および前記第2領域が並ぶ配列方向における前記第1領域の大きさは、前記配列方向に垂直かつ前記第1主面に平行な方向における前記第1領域の大きさよりも小さい。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項2ないし4のいずれか1つに記載の医療用針ホルダであって、前記カバー部は、前記第1領域の側縁から延びる第3領域と、前記第3領域と視覚により判別可能であり、前記第2領域の側縁から延びる第4領域とを備える。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項2ないし4のいずれか1つに記載の医療用針ホルダであって、前記カバー部は透明または半透明であり、前記接続面は、前記第1領域の側縁から延びる第3領域と、前記第3領域と視覚により判別可能であり、前記第2領域の側縁から延びる第4領域とを備える。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の医療用針ホルダであって、前記第2主面も医療用針を刺すことが可能な面であり、前記ホルダ本体は、前記第1主面と前記第2主面との間に前記第1主面および前記第2主面よりも硬質な硬質層をさらに備える。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の医療用針ホルダであって、前記持ち手部は、着脱自在に前記カバー部に取り付けられる。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の医療用針ホルダであって、前記持ち手部は、前記カバー部から前記第1主面に平行な第1の方向に突出する第1部位と、前記カバー部から前記第1の方向とは反対側を向く第2の方向に突出する第2部位とを備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、針刺し事故を防止しつつ医療用針を医療用針ホルダに容易に刺すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1の実施の形態に係る医療用針ホルダを示す斜視図である。
【
図4】第2の実施の形態に係る医療用針ホルダを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る医療用針ホルダ1を示す斜視図である。
図2は、
図1とは異なる方向から見た医療用針ホルダ1を示す斜視図である。
図3は、医療用針ホルダ1の各構成を分解して示す斜視図である。医療用針ホルダ1は、使用済みの手術用縫合針等の医療用針が刺される部材であり、刺された医療用針を抜け落ちないように保持(すなわち、固定)する。以下の説明では、
図1ないし
図3中の上下方向を、単に「上下方向」とも呼ぶ。当該上下方向は、医療用針ホルダ1が使用される際の重力方向と一致する必要はない。
【0018】
医療用針ホルダ1は、ホルダ本体2と、カバー部3と、持ち手部5とを備える。ホルダ本体2は、略直方体状(すなわち、略四角柱状)の部材であり、第1主面21と、第2主面22と、4つの接続面23とを有する。第1主面21、第2主面22、および、4つの接続面23はそれぞれ、略矩形状である。第1主面21および第2主面22は、
図1ないし
図3中の左右両側の面であり、4つの接続面23は、第1主面21および第2主面22の上下両側、手前側および奥側の面である。
【0019】
ホルダ本体2は、医療用針を刺すことが可能な比較的柔軟な部材により形成されている。ホルダ本体2は、例えば、ポリエチレン等の樹脂により形成される。本実施の形態では、ホルダ本体2は、ポリエチレン発泡体により形成されたスポンジ部材である。
【0020】
ホルダ本体2の第1主面21は、使用済みの医療用針が刺されて固定される面である。ホルダ本体2の第2主面22は、第1主面21の反対側に位置し、使用済みの医療用針が刺されて固定される面である。4つの接続面23は、第1主面21と第2主面22とを接続する。第1主面21および第2主面22は、
図1ないし
図3中の左右方向に略垂直な平面であり、4つの接続面23はそれぞれ、左右方向に略平行な平面である。
【0021】
カバー部3は、
図1ないし
図3中の左右方向に開口する略四角筒状の部材であり、ホルダ本体2の4つの接続面23を略全面に亘って覆う。カバー部3は、医療用針を刺すことが実質的に不能な程度に硬質の部材である。カバー部3は、例えば、ポリプロピレン等の樹脂製の薄い平板により構成される。カバー部3は、実質的に不透明の部材である。
図1ないし
図3では、カバー部3の厚さを実際よりも厚く描いている。
【0022】
持ち手部5は、カバー部3から側方に突出する部材である。持ち手部5は、例えば、カバー部3の下端部から、
図1ないし
図3中の手前側および奥側(すなわち、前後方向の両側)に突出する薄板状の部材であり、看護師等の使用者により把持される。持ち手部5の外周縁の角部は、R形状(いわゆる、面取り形状)であることが好ましい。これにより、使用者が持ち手部5を把持する際に、角部が手に当たることを防止し、持ち手部5を持ちやすくなる。
【0023】
図1ないし
図3に示す例では、持ち手部5は、上下方向に略垂直かつ前後方向に延びる1枚の帯状の薄板部材である。持ち手部5の前後方向の長さは、カバー部3の前後方向の長さよりも長い。持ち手部5の長手方向(すなわち、前後方向)の中央部は、カバー部3の下面と接続される。以下の説明では、持ち手部5のうち、上下方向においてカバー部3と重なる当該中央部を「カバー接続部53」と呼ぶ。また、持ち手部5のうち、カバー部3およびカバー接続部53から
図1中の手前側に突出する部位を「第1部位51」と呼び、カバー部3およびカバー接続部53から
図1中の奥側に突出する部位を「第2部位52」と呼ぶ。第1部位51、カバー接続部53および第2部位52は、前後方向においてこの順で連続する。また、第1部位51および第2部位52は、カバー部3の下端部から側方に突出する。
【0024】
カバー部3から持ち手部5の第1部位51が突出する方向を第1の方向と呼ぶと、当該第1の方向は、第1主面21および第2主面22に略平行かつ上下方向に略垂直であり、
図1ないし
図3中の奥側から手前側を向く方向である。また、カバー部3から持ち手部5の第2部位52が突出する方向を第2の方向と呼ぶと、当該第2の方向は、第1主面21および第2主面22に略平行かつ上下方向に略垂直であり、
図1ないし
図3中の手前側から奥側を向く方向である。当該第2の方向は、第1の方向とは反対側を向く方向である。
【0025】
カバー接続部53の前後方向の両端部には、2つの貫通孔54が設けられる。また、カバー部3の下面の前後方向の両端部からは、2つの凸部32が下方に突出する。
図3に示す例では、各貫通孔54は、左右方向に略平行に延びる溝状のスリットである。また、各凸部32は、左右方向に略平行に延びる板状の部位であり、平面視において貫通孔54と略同形状である。カバー部3の2つの凸部32が、持ち手部5の2つの貫通孔54に挿入されて係止されることにより、持ち手部5は、着脱自在にカバー部3に取り付けられる。なお、カバー部3と持ち手部5とは、必ずしも、凸部32と貫通孔54との嵌合により取り付けられる必要はなく、例えば、粘着テープや面ファスナ等により着脱自在に取り付けられてもよい。
【0026】
図3に示すように、ホルダ本体2は、第1主面21と第2主面22との間に硬質層24をさらに備える。硬質層24は、医療用針を刺すことが実質的に不能な程度に硬質の部位である。
図3に示す例では、硬質層24は、例えば、ポリプロピレン等の樹脂により形成された薄い平板状の仕切り板である。硬質層24は、左右方向から見た場合、第1主面21および第2主面22と略同形状である。ホルダ本体2では、硬質層24の左右両側の主面に、略直方体状の2つのスポンジ部材が接着剤等により固定されている。
【0027】
ホルダ本体2の第1主面21は、1つ以上の第1領域211と、1つ以上の第2領域212とを備える。
図1および
図3では、第1領域211と第2領域212とを区別するために、第2領域212に平行斜線を付す。第2領域212は、第1領域211に隣接して配置される。
図1および
図3に示す例では、ホルダ本体2の第1主面21は、2つの第1領域211と、2つの第2領域212とを備える。2つの第1領域211および2つの第2領域212は、略同形状の略矩形領域であり、第1主面21において前後方向に交互に配列される。
【0028】
図1および
図3に示す例では、各第1領域211および各第2領域212は、縦長の矩形領域である。換言すれば、第1領域211の前後方向(すなわち、第1領域211および第2領域212の配列方向)における大きさは、第1領域211の上下方向(すなわち、当該配列方向に垂直、かつ、第1主面21に平行な方向)における大きさよりも小さい。第2領域212の前後方向における大きさも、第2領域212の上下方向における大きさよりも小さい。2つの第1領域211および2つの第2領域212は、ホルダ本体2の第1主面21の略全面に亘って設けられる。
【0029】
ホルダ本体2の第2主面22は、第1主面21と同様に、1つ以上の第1領域221と、1つ以上の第2領域222とを備える。
図2では、第1領域221と第2領域222とを区別するために、第2領域222に平行斜線を付す。第2領域222は、第1領域221に隣接して配置される。
図2に示す例では、ホルダ本体2の第2主面22は、2つの第1領域221と、2つの第2領域222とを備える。2つの第1領域221および2つの第2領域222は、略同形状の略矩形領域であり、第2主面22において前後方向に交互に配列される。
【0030】
図2に示す例では、各第1領域221および各第2領域222は、縦長の矩形領域である。換言すれば、第1領域221の前後方向(すなわち、第1領域221および第2領域222の配列方向)における大きさは、第1領域221の上下方向(すなわち、当該配列方向に垂直、かつ、第2主面22に平行な方向)における大きさよりも小さい。第2領域222の前後方向における大きさも、第2領域222の上下方向における大きさよりも小さい。2つの第1領域221および2つの第2領域222は、ホルダ本体2の第2主面22の略全面に亘って設けられる。
【0031】
第2主面22の第1領域221および第2領域222は、第1主面21の第1領域211および第2領域212と略同形状である。第1主面21の第1領域211と、第2主面22の第1領域221とは、前後方向の略同じ位置に位置し、左右方向に並んでいる。第1主面21の第2領域212と、第2主面22の第2領域222とは、前後方向の略同じ位置に位置し、左右方向に並んでいる。
【0032】
第1主面21では、第1領域211と第2領域212とは、互いに異なる色または異なる模様を有しており、視覚により判別可能である。第2主面22では、第1領域221と第2領域222とは、互いに異なる色または異なる模様を有しており、視覚により判別可能である。
【0033】
例えば、第1主面21の第1領域211と第2領域212とは、異なる色を有する無地の(すなわち、模様を有しない)領域である。第1領域211および第2領域212の色はそれぞれ、例えば、ピンク色および黒色である。第1領域211および第2領域212の色は、同系色で濃度が異なるものであってもよい。第1領域211と第2領域212とは、形状が異なるパターン(例えば、平行斜線と水玉)を模様として有する領域であってもよい。当該パターンは、第1領域211および第2領域212の略全体に亘って配置される。第1領域211と第2領域212とは、同形状のパターンが異なる密度で分布する領域であってもよい。第1領域211と第2領域212とでは、色および模様の双方が異なっていてもよい。本段落の第1領域211および第2領域212に関する記載は、第2主面22の第1領域221および第2領域222についても同様である。
【0034】
第1主面21の第1領域211および/または第2領域212の色および模様は、ホルダ本体2自体の色および模様であってもよく、ホルダ本体2にインクジェットプリンタ等による印刷が行われて表示されてもよい。あるいは、当該色および模様が表示されたシールが、第1領域211および/または第2領域212に貼付されてもよい。例えば、ホルダ本体2が無地のピンク色の材料により形成されている場合、第1領域211には印刷やシール貼付等が施されず、第2領域212に黒色のインクで全面印刷が行われることにより、無地のピンク色の第1領域211と、無地の黒色の第2領域212とが実現される。本段落の第1領域211および第2領域212に関する記載は、第2主面22の第1領域221および第2領域222についても同様である。
【0035】
ホルダ本体2では、第1主面21の各第1領域211と硬質層24との間で左右方向に延びる部位、および、第2主面22の各第1領域221と硬質層24との間で左右方向に延びる部位が、無地のピンク色の材料により形成された略直方体の部材であってもよい。また、第1主面21の各第2領域212と硬質層24との間で左右方向に延びる部位、および、第2主面22の各第2領域222と硬質層24との間で左右方向に延びる部位が、無地の黒色の材料により形成された略直方体の部材であってもよい。そして、これらの8つの部材を前後方向および左右方向に配列し、硬質層24と共に固定することにより、印刷やシール貼付等を施すことなく、無地のピンク色の第1領域211,221と、無地の黒色の第2領域212,222とが実現されてもよい。
【0036】
カバー部3は、ホルダ本体2の4つの接続面23に略平行な4つの外側面31を有する。当該4つの外側面31のうち、第1領域211および第2領域212の配列方向に略平行に延びる1つの外側面31(すなわち、
図1ないし
図3中の上面)は、第3領域33と、第4領域34とを備える。
図1ないし
図3では、第3領域33と第4領域34とを区別するために、第4領域34に平行斜線を付す。第3領域33は、ホルダ本体2の第1主面21の第1領域211および第2主面22の第1領域221に対応する位置に配置される。第3領域33は、第1主面21の第1領域211の側縁から第2主面22の第1領域221の側縁へと左右方向に延びる。第4領域34は、ホルダ本体2の第1主面21の第2領域212および第2主面22の第2領域222に対応する位置に配置される。第4領域34は、第1主面21の第2領域212の側縁から第2主面22の第2領域222の側縁へと左右方向に延びる。
【0037】
第3領域33および第4領域34は、略同形状の略矩形領域である。第4領域34は、第3領域33に隣接して配置される。第3領域33および第4領域34は、カバー部3の上側の外側面31の略全面に亘って設けられる。当該外側面31に垂直な方向から見た場合、第3領域33は第1領域211,221の略全幅に亘って広がり、第4領域34は第2領域212,222の略全幅に亘って広がる。
【0038】
第3領域33と第4領域34とは、第1領域211,221および第2領域212,222と略同様に、互いに異なる色または異なる模様を有しており、視覚により判別可能である。例えば、第3領域33は、第1領域211,221と同様に無地のピンク色の領域であり、第4領域34は、第2領域212,222と同様に無地の黒色の領域である。第3領域33の色および模様は、第1領域211,221の色および模様と同じであってもよく、異なっていてもよい。第4領域34の色および模様は、第2領域212,222の色および模様と同じであってもよく、異なっていてもよい。第3領域33と第4領域34とでは、色および模様の双方が異なっていてもよい。
【0039】
第3領域33および/または第4領域34の色および模様は、カバー部3自体の色および模様であってもよく、カバー部3にインクジェットプリンタ等による印刷が行われて表示されてもよい。あるいは、当該色および模様が表示されたシールが、第3領域33および/または第4領域34に貼付されてもよい。
【0040】
医療用針ホルダ1は、持ち手部5の第1部位51または第2部位52を看護師等の使用者が把持することにより、使用者に保持されて使用される。例えば、使用者が右利きの場合、左手により持ち手部5の第1部位51を把持する。このとき、ホルダ本体2は持ち手部5の上側に位置し、第1主面21は使用者のおよそ右側(すなわち、利き手側)を向く側面となる。使用者は、右手に持った持針器を医療用針ホルダ1の第1主面21に近付け、使用済みの縫合針を第1主面21の第1領域211に刺して固定する。もちろん、医療用針ホルダ1の持ち方、および、第1主面21の向きは、使用者が医療用針を刺しやすいように自由に変更されてよい。
【0041】
使用者は、次の使用済みの縫合針を、第1主面21において当該第1領域211に隣接する第2領域212に刺して固定する。第1主面21の各第1領域211および各第2領域212に縫合針が刺されると、使用者は、左手で持ち手部5の第2部位52を把持する。このとき、ホルダ本体2は持ち手部5の上側に位置し、第2主面22が使用者のおよそ右側を向く側面となる。使用者は、縫合針を第2主面22の各第1領域221および各第2領域222に順に刺して固定する。医療用針ホルダ1では、各2つの第1領域211、第1領域221、第2領域212および第2領域222のそれぞれに、医療用針を刺すことが可能である。
【0042】
以上に説明したように、医療用針ホルダ1は、ホルダ本体2と、カバー部3と、持ち手部5とを備える。ホルダ本体2は、医療用針を刺すことが可能な第1主面21、第1主面21の反対側に位置する第2主面22、および、第1主面21と第2主面22とを接続する接続面23を有する。カバー部3は、ホルダ本体2の接続面23を覆う。カバー部3には、医療用針を刺すことが不能である。持ち手部5は、カバー部3から側方に突出し、使用者により把持される。
【0043】
これにより、使用者は、医療用針を刺しやすいように第1主面21の向きを自由に変更することができる。また、第1主面21に刺された医療用針の先端がホルダ本体2の接続面23から突き出ることが防止されるため、使用者の手等に医療用針が刺さることを防止することができる。さらに、使用者が持ち手部5を把持することにより、ホルダ本体2に医療用針を刺す際に、医療用針ホルダ1を持つ手を医療用針から遠ざけることができる。したがって、使用者は、針刺し事故を防止しつつ、医療用針を医療用針ホルダ1に容易に刺すことができる。
【0044】
上述のように、医療用針ホルダ1では、第2主面22も医療用針を刺すことが可能な面であることが好ましい。これにより、比較的多数の医療用針を医療用針ホルダ1に固定することができる。また、医療用針ホルダ1は、第1主面21と第2主面22との間に、医療用針を刺すことが不能な硬質層24をさらに備えることが好ましい。これにより、第1主面21に刺した医療用針が第2主面22から突き出ること、および、第2主面22に刺した医療用針が第1主面21から突き出ることを防止することができる。その結果、針刺し事故をより確実に防止することができる。
【0045】
好ましくは、第1主面21は、第1領域211と、第2領域212とを備える。第1領域211には、一の医療用針を刺すことが可能である。第2領域212には、他の医療用針を刺すことが可能である。第2領域212は、第1領域211に隣接して配置されるとともに、第1領域211と視覚により判別可能である。これにより、医療用針ホルダ1において医療用針を刺す領域を、使用者が容易に認識することができる。また、医療用針ホルダ1に刺された医療用針の数を容易に数えることもできる。第2主面22についても同様である。
【0046】
上述のように、第2領域212は、第1領域211とは異なる色または模様を有することが好ましい。これにより、第1領域211および第2領域212のそれぞれの位置を、使用者が容易に把握することができる。したがって、使用者は、医療用針を医療用針ホルダ1にさらに容易に刺すことができる。第2主面22についても同様である。
【0047】
好ましくは、第1領域211および第2領域212は同形状の矩形領域であり、第1領域211および第2領域212が並ぶ配列方向における第1領域211の大きさは、当該配列方向に垂直かつ第1主面21に平行な方向における第1領域211の大きさよりも小さい。これにより、当該配列方向が使用者の前後方向と略平行になるように医療用針ホルダ1が保持された際に、側面となる第1主面21において、第1領域211および第2領域212が縦長の形状(すなわち、上下方向に長い形状)となる。このため、使用者は、医療用針を上下方向に比較的大きく動かしながら医療用針ホルダ1に刺すことができるため、医療用針ホルダ1への医療用針の固定をさらに容易とすることができる。第2主面22についても同様である。
【0048】
上述のように、カバー部3は、第1領域211の側縁から延びる第3領域33と、第2領域212の側面から延びる第4領域34とを備えることが好ましい。第4領域34は、第3領域33と視覚により判別可能である。これにより、医療用針ホルダ1を第1主面21に対して斜めまたは横から見た場合であっても、第1主面21における第1領域211および第2領域212のそれぞれの位置を、容易に把握することができる。第2主面22についても同様である。
【0049】
上述のように、持ち手部5は、着脱自在にカバー部3に取り付けられることが好ましい。これにより、使用済みのホルダ本体2およびカバー部3を持ち手部5から取り外して廃棄し、新たなホルダ本体2およびカバー部3を持ち手部5に取り付けることができ、持ち手部5を再利用することができる。
【0050】
上述のように、持ち手部5は、第1部位51と、第2部位52とを備えることが好ましい。第1部位51は、カバー部3から第1主面21に平行な第1の方向に突出する。第2部位52は、カバー部3から当該第1の方向とは反対側を向く第2の方向に突出する。これにより、使用者の利き手が左右どちらであっても、第1主面21が利き手側を向くように医療用針ホルダ1を保持することができる。その結果、使用者は、医療用針を医療用針ホルダ1に容易に刺すことができる。また、上述のように、第1主面21および第2主面22の双方が医療用針を刺すことができる面である場合、使用者は、持ち手部5の第1部位51と第2部位52とを持ち替えることにより、第1主面21および第2主面22の双方に医療用針を容易に刺すことができる。
【0051】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る医療用針ホルダ1aについて説明する。
図4は、医療用針ホルダ1aを示す斜視図である。
図5は、
図4とは異なる方向から見た医療用針ホルダ1aを示す斜視図である。
図6は、医療用針ホルダ1aの各構成を分解して示す斜視図である。医療用針ホルダ1aは、
図1ないし
図3に示す不透明のカバー部3に代えて透明または半透明のカバー部3aが設けられる点、および、接続面23に第3領域233および第4領域234が設けられたホルダ本体2aをホルダ本体2に代えて備える点を除き、
図1ないし
図3に示す医療用針ホルダ1と略同様の構造を有する。以下の説明では、医療用針ホルダ1aの各構成のうち、医療用針ホルダ1の構成と対応する構成に同符号を付す。
図4ないし
図6では、第3領域233と第4領域234とを区別するために、第4領域234に平行斜線を付す。
【0052】
医療用針ホルダ1aでは、医療用針ホルダ1と同様に、第1主面21、第2主面22および接続面23を有するホルダ本体2aと、ホルダ本体2aの接続面23を覆うカバー部3aと、カバー部3aから側方に突出する持ち手部5とを備える。第1主面21には、医療用針を刺すことが可能である。カバー部3aには、医療用針を刺すことが不能である。持ち手部5は、使用者により把持される。これにより、上記と同様に、使用者は、針刺し事故を防止しつつ、医療用針を医療用針ホルダ1aに容易に刺すことができる。
【0053】
医療用針ホルダ1aでは、医療用針ホルダ1と同様に、第2主面22も医療用針を刺すことが可能な面であることが好ましい。これにより、比較的多数の医療用針を医療用針ホルダ1aに固定することができる。また、医療用針ホルダ1aは、第1主面21と第2主面22との間に、医療用針を刺すことが不能な硬質層24をさらに備えることが好ましい。これにより、第1主面21に刺した医療用針が第2主面22から突き出ること、および、第2主面22に刺した医療用針が第1主面21から突き出ることを防止することができる。その結果、針刺し事故をより確実に防止することができる。
【0054】
また、医療用針ホルダ1aでは、医療用針ホルダ1と同様に、第1主面21は、第1領域211と、第2領域212とを備えることが好ましい。第1領域211には、一の医療用針を刺すことが可能である。第2領域212には、他の医療用針を刺すことが可能である。第2領域212は、第1領域211に隣接して配置されるとともに、第1領域211と視覚により判別可能である。これにより、医療用針ホルダ1aにおいて医療用針を刺す領域を、使用者が容易に認識することができる。また、医療用針ホルダ1aに刺された医療用針の数を容易に数えることもできる。第2主面22の第1領域221および第2領域222についても、同様である。
【0055】
医療用針ホルダ1aでは、カバー部3aが透明または半透明であり、ホルダ本体2aの接続面23は、第1領域211の側縁から延びる第3領域233と、第2領域212の側縁から延びる第4領域234とを備える。第4領域234は、第3領域233と視覚により判別可能である。第3領域233と第4領域234とは、カバー部3aを介して視認および判別可能である。したがって、医療用針ホルダ1aを第1主面21に対して斜めまたは横から見た場合であっても、第1主面21における第1領域211および第2領域212のそれぞれの位置を、容易に把握することができる。第2主面22についても同様である。
【0056】
図4ないし
図6に示す例では、第3領域233および第4領域234は、ホルダ本体2aの4つの接続面23のうち、第1領域211および第2領域212の配列方向に略平行に延びる1つの接続面23(すなわち、
図4ないし
図6中の上面)に設けられる。第3領域233および第4領域234は、略同形状の略矩形領域である。第4領域234は、第3領域233に隣接して配置される。第3領域233および第4領域234は、ホルダ本体2aの上側の接続面23の略全面に亘って設けられる。当該接続面23に垂直な方向から見た場合、第3領域233は第1領域211の略全幅に亘って広がり、第4領域234は第2領域212の略全幅に亘って広がる。
【0057】
第3領域233と第4領域234とは、上述のカバー部3の第3領域33および第4領域34と略同様に、色または模様の違いにより視覚によって判別可能である。例えば、第3領域233は、第1領域211と同様に無地のピンク色の領域であり、第4領域234は、第2領域212と同様に無地の黒色の領域である。第3領域233の色および模様は、第1領域211の色および模様と同じであってもよく、異なっていてもよい。第4領域234の色および模様は、第2領域212の色および模様と同じであってもよく、異なっていてもよい。第3領域233と第4領域234とでは、色および模様の双方が異なっていてもよい。
【0058】
第3領域233および/または第4領域234の色および模様は、ホルダ本体2a自体の色および模様であってもよく、ホルダ本体2aにインクジェットプリンタ等による印刷が行われて表示されてもよい。あるいは、当該色および模様が表示されたシールが、第3領域233および/または第4領域234に貼付されてもよい。
【0059】
上述の医療用針ホルダ1,1aでは、様々な変更が可能である。
【0060】
医療用針ホルダ1では、持ち手部5の形状は様々に変更されてよい。例えば、第1部位51および第2部位52は、必ずしもカバー部3の下端部から側方に突出する必要はなく、カバー部3の上下方向の中央部から側方に突出していてもよい。また、第1部位51および第2部位52は必ずしも板状である必要はなく、例えば棒状であってもよい。持ち手部5では、第1部位51および第2部位52のうち一方が省略されてもよい。持ち手部5は、カバー部3と一繋がりの部材であってもよい。また、
図7に示すように、前後方向に延びる帯状の持ち手部5の中央部にホルダ本体2が配置され、当該ホルダ本体2を上側および前後方向から覆う略コの字型のカバー部3bが設けられてもよい。カバー部3bの下端部は、例えば、接着剤等により持ち手部5の上面に接合される。医療用針ホルダ1aにおいても同様である。
【0061】
医療用針ホルダ1では、持ち手部5は、例えば、左右方向の一方側に突出していてもよい。
図8に示す例では、持ち手部5は、カバー部3cの下端部から左側(すなわち、第2主面側)に突出している。カバー部3cは、ホルダ本体2の第2主面22と4つの接続面23とを覆う。したがって、第2主面22には、医療用針を刺すことは実質的に不能である。なお、第1主面21は、カバー部3cには覆われていない。医療用針ホルダ1aにおいても同様である。
【0062】
医療用針ホルダ1では、カバー部3の第3領域33および第4領域34は、カバー部3の上下の外側面31に設けられてもよい。この場合も、上述のように、医療用針ホルダ1を第1主面21に対して斜めまたは横から見た場合であっても、第1主面21における第1領域211および第2領域212のそれぞれの位置を、容易に把握することができる。第2主面22についても同様である。
【0063】
カバー部3の第3領域33および第4領域34は、必ずしも同形状である必要はなく、矩形領域である必要もない。第3領域33と第4領域34とは、隣接して配置される必要はなく、離間して配置されてもよい。第3領域33および第4領域34は、カバー部3の外側面31の略全面に亘って設けられる必要はなく、外側面31の一部のみに設けられてもよい。
【0064】
また、第3領域33および第4領域34は、視覚により判別可能であれば、必ずしも異なる色または異なる模様を有する必要はなく、例えば、第3領域33と第4領域34との間に境界線が表示され、第3領域33および第4領域34に異なる数字や文字が表示されていてもよい。なお、カバー部3では、第3領域33および第4領域34は省略されてもよい。
【0065】
医療用針ホルダ1aでは、カバー部3aは、上側の接続面23に対応する部位(すなわち、上面)のみ透明または半透明であってもよい。また、ホルダ本体2aの第3領域233および第4領域234は、ホルダ本体2aの上下の接続面23に設けられてもよい。この場合も、上述のように、医療用針ホルダ1aを第1主面21に対して斜めまたは横から見た場合であっても、第1主面21における第1領域211および第2領域212のそれぞれの位置を、容易に把握することができる。第2主面22についても同様である。
【0066】
ホルダ本体2aの第3領域233および第4領域234は、必ずしも同形状である必要はなく、矩形領域である必要もない。第3領域233と第4領域234とは、隣接して配置される必要はなく、離間して配置されてもよい。第3領域233および第4領域234は、ホルダ本体2aの接続面23の略全面に亘って設けられる必要はなく、接続面23の一部のみに設けられてもよい。
【0067】
また、第3領域233および第4領域234は、視覚により判別可能であれば、必ずしも異なる色または異なる模様を有する必要はなく、例えば、第3領域233と第4領域234との間に境界線が表示され、第3領域233および第4領域234に異なる数字や文字が表示されていてもよい。なお、ホルダ本体2aでは、第3領域233および第4領域234は省略されてもよい。
【0068】
ホルダ本体2,2aでは、第1主面21の第1領域211と第2主面22の第1領域221とは、必ずしも前後方向の同じ位置に位置する必要はなく、前後方向の異なる位置に位置してもよい。第1主面21の第2領域212および第2主面22の第2領域222についても同様である。
【0069】
第1主面21では、第1領域211および第2領域212の数はそれぞれ、適宜変更されてよい。例えば、第1主面21は、前後方向に隣接する1つの第1領域211および1つの第2領域212のみを備えていてもよい。あるいは、各4つの第1領域211および第2領域212が、前後方向に交互に配列されてもよい。第1領域211の数と第2領域212の数とは、上記例のように同じであってもよく、異なっていてもよい。第2主面22においても同様である。
【0070】
また、第1主面21の第1領域211および第2領域212は、必ずしも矩形領域である必要はなく、様々な形状の領域であってよい。第1領域211と第2領域212とは、必ずしも同形状である必要はなく、大きさや形が異なっていてもよい。第1領域211および第2領域212は、ホルダ本体2,2aの第1主面21の全面に亘って設けられる必要はなく、第1主面21の一部のみに設けられてもよい。第2主面22においても同様である。
【0071】
ホルダ本体2,2aの第1主面21では、第1領域211および第2領域212は、視覚により判別可能であれば、必ずしも異なる色または異なる模様を有する必要はなく、例えば、第1領域211と第2領域212との間に境界線が表示され、第1領域211および第2領域212に異なる数字や文字が表示されていてもよい。第2主面22においても同様である。
【0072】
ホルダ本体2,2aは、必ずしも直方体状である必要はなく、例えば、略円柱状、略三角柱状、または、五角柱以上の略多角柱状であってもよい。例えば、ホルダ本体2,2aが略円柱状である場合、第1主面21では、それぞれが扇形の複数の第1領域211および複数の第2領域212が、周方向に交互に配置されてもよい。第2主面22においても同様である。
【0073】
医療用針ホルダ1では、ホルダ本体2の接続面23は、カバー部3から部分的に露出していてもよい。医療用針ホルダ1aにおいても同様である。
【0074】
医療用針ホルダ1では、第1主面21の第1領域211および/または第2領域212に、複数の医療用針が刺されて固定されてもよい。第2主面22においても同様である。医療用針ホルダ1aにおいても同様である。
【0075】
医療用針ホルダ1,1aでは、硬質層24は省略されてもよい。
【0076】
ホルダ本体2,2aでは、第1主面21には、第1領域211および第2領域212が設けられなくてもよい。また、第2主面22にも、第1領域221および第2領域222は設けられなくてもよい。第2主面22は、医療用針を刺すことが実質的に不能な面であってもよい。例えば、第2主面22は、樹脂製の硬質なカバーにより覆われていてもよい。
【0077】
医療用針ホルダ1,1aでは、下面に粘着層が設けられてもよい。この場合、当該粘着層を縫合針パッケージ等の対象物に粘着させることにより、医療用針ホルダ1,1aが当該対象物に固定されて使用されてもよい。
【0078】
医療用針ホルダ1,1aに固定される医療用針は、必ずしも手術用の縫合針には限定されず、例えば、使用済みの注射針であってもよい。
【0079】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0080】
1,1a 医療用針ホルダ
2,2a ホルダ本体
3,3a,3b,3c カバー部
5 持ち手部
21 (ホルダ本体の)第1主面
22 (ホルダ本体の)第2主面
23 (ホルダ本体の)接続面
24 硬質層
51 (持ち手部の)第1部位
52 (持ち手部の)第2部位
211,221 第1領域
212,222 第2領域
33,233 第3領域
34,234 第4領域