(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-15
(45)【発行日】2023-09-26
(54)【発明の名称】ロールスクリーン
(51)【国際特許分類】
E06B 9/56 20060101AFI20230919BHJP
E06B 9/171 20060101ALI20230919BHJP
【FI】
E06B9/56 A
E06B9/171
(21)【出願番号】P 2019181719
(22)【出願日】2019-10-01
【審査請求日】2022-07-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100182349
【氏名又は名称】田村 誠治
(72)【発明者】
【氏名】外村 英章
(72)【発明者】
【氏名】西野 公久
(72)【発明者】
【氏名】大塚 英希
(72)【発明者】
【氏名】野村 誠
(72)【発明者】
【氏名】勝亦 俊
(72)【発明者】
【氏名】中島 勝輝
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0110582(US,A1)
【文献】米国特許第5462105(US,A)
【文献】特開2013-2084(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0029224(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00 - 9/92
A47H 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮蔽材を巻取り及び巻解き可能な巻取パイプを備えたロールスクリーンであって、
前記巻取パイプは、径方向に出没することによって前記巻取パイプの径を部分的に調整する調整部を備え、
前記調整部は、前記巻取パイプの長手方向に形成される溝部内に配置され、前記溝部に沿って移動することで変形し、前記調整部の一部のみが前記溝部から出没することによって前記巻取パイプの巻径が円周方向において部分的に調整されることを特徴とする、ロールスクリーン。
【請求項2】
前記溝部は、前記遮蔽材の一端部が連結される溝と共通のものであることを特徴とする、請求項
1に記載のロールスクリーン。
【請求項3】
前記調整部には、前記調整部と前記巻取パイプの外周との段差又は隙間を防ぐためのガイド片を設けたことを特徴とする、請求項1
又は2に記載のロールスクリーン。
【請求項4】
前記調整部の出没を操作する操作部を設けたことを特徴とする、請求項1~
3のいずれかに記載のロールスクリーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールスクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のロールスクリーンとして特開2012-246636号公報(特許文献1)に開示されるものがある。同文献には、遮蔽材を巻取り及び巻解き可能に連結された巻取パイプの外周面に、巻取パイプの軸方向にスライド可能とした遮蔽材の巻ずれを調整する調整部材を備えたことが開示されている。
【0003】
これによれば、調整部材を巻取パイプの軸方向に沿って移動させることにより、遮蔽材の巻ずれを調整することができるという効果を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のような従来のロールスクリーンでは、巻きずれを調整する工程において、巻きずれが発生しなくなるまで、遮蔽材を巻取り及び巻解きして、調整部材の位置を軸方向に適宜移動させて微調整を繰り返す必要がある。このため、巻ずれの調整を容易に行うことができないという課題があった。
【0006】
そこで本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、巻ずれの調整を容易に行うことが可能なロールスクリーンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明によれば、遮蔽材を巻取り及び巻解き可能な巻取パイプを備えたロールスクリーンであって、前記巻取パイプは、径方向に出没することによって前記巻取パイプの径を部分的に調整する調整部を備えたことを特徴とする、ロールスクリーンが提供される。
【0008】
かかる構成によれば、調整部が巻取パイプの径方向に出没するため、調整部の出没量を微調整するだけで巻取パイプの巻径を部分的に微調整することができる。よって、巻乱れの調整を容易に行うことができる。
【0009】
本発明は様々な応用が可能である。例えば、前記調整部は、前記巻取パイプに形成された溝部内から出没するようにしてもよい。かかる構成によれば、調整部は溝部内に収容されているため、調整部を構成する部品の紛失を招くおそれがない。
【0010】
また、前記溝部は、前記遮蔽材の一端部が連結される溝と共通のものであってもよい。かかる構成によれば、調整部を収容するために、巻取パイプに新たな溝部を設けることなく、既存の巻取パイプを流用できる。
【0011】
また、前記調整部には、前記調整部と前記巻取パイプの外周との段差又は隙間を防ぐためのガイド片を設けてもよい。調整部を巻取パイプから突出させた際に、調整部と巻取パイプとの段差をガイド片によって解消することができるため、遮蔽材に調整部による押し跡が付くことを防止することができる。
【0012】
また、前記調整部の出没を操作する操作部を設けてもよい。かかる構成によれば、巻乱れの調整を容易に操作することができる。
【0013】
また、前記調整部は前記巻取パイプの径方向に移動することによって、前記調整部の前記巻取パイプからの出没量が調整されてもよい。かかる構成によれば、調整部の径方向への移動量を調整することで巻取パイプの巻径を調整することができる。
【0014】
また、前記巻取パイプに固定される固定部をさらに備え、前記固定部は、前記調整部を径方向に摺動可能に支持するようにしてもよい。固定部によって調整部の摺動を支持するため、調整部を安定した状態で径方向に突出させることができる。
【0015】
また、前記調整部が変形することによって、前記巻取パイプからの出没量が調整されるようにしてもよい。かかる構成によれば、調整部を変形することで巻取パイプの巻径を調整することができる。
【0016】
また、前記調整部が前記巻取パイプに着脱されることによって、前記調整部の前記巻取パイプからの出没量が調整されるようにしてもよい。かかる構成によれば、調整部を着脱することで巻取パイプの巻径を調整することができる。さらに、巻取パイプの側部から調整部を着脱するようにすると、巻取パイプから遮蔽材を完全に巻解かなくても巻乱れの調整量を調整することができる。
【0017】
また、前記調整部は、前記巻取パイプの一部であってもよい。調整部が巻取パイプの一部であるため、巻取パイプから遮蔽材を完全に巻解かなくても巻乱れの調整量を調整することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、巻取パイプの巻径を調整する調整部の位置を容易に微調整することが可能なロールスクリーンが提供される。本発明のその他の効果については、後述する発明を実施するための形態においても説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】ロールスクリーン100の全体構成を概略的に示した正面図である。
【
図2】巻取パイプが露出した状態を示した図である。
【
図4】巻乱れ調整手段130の構成を示す図であり、(a)は
図2のA-A断面図であり、(b)は
図2のB-B断面図である。
【
図5】
図4(a)において調整部132が突出した状態を示す図であり、(a)は巻取パイプ110にスクリーン120が巻き取られていない状態を示す図であり、(b)は巻取パイプ110にスクリーン120を巻き取った状態を示す図である。
【
図6】ロールスクリーン100の動作を説明するための図であり、(a)はスクリーン120が巻乱れた状態を示す図であり、(b)はスクリーン120の巻乱れを調整する状態を示す図である。
【
図8】第2の実施形態のロールスクリーン200を示す図である。
【
図9】巻取パイプ210から調整部232を突出させた状態を示す断面図であり、(a)は巻取パイプ210にスクリーン220を巻き取っていない状態を示す図であり、(b)は巻取パイプ210にスクリーン220を巻き取った状態を示す図である。
【
図10】第3の実施形態のロールスクリーン300を示す図である。
【
図11】調整部332が巻取パイプ310から突出した状態を示す図であり、(a)は巻取パイプ310の径方向の断面図であり、(b)は、巻取パイプ310の軸方向の断面図である。
【
図12】第4の実施形態のロールスクリーン400を示す図である。
【
図13】調整部432が巻取パイプ410から突出した状態を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は(a)のC-C断面図である。
【
図14】第5の実施形態のロールスクリーン500を示す図である。
【
図15】調整部532が巻取パイプ510から突出した状態を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は(a)のD-D断面図である。
【
図16】第6の実施形態のロールスクリーン600を示す図である。
【
図17】第7の実施形態のロールスクリーン700を示す図である。
【
図18】第8の実施形態のロールスクリーン800を示す図である。
【
図19】第9の実施形態のロールスクリーン900を示す図である。
【
図20】第10の実施形態のロールスクリーン1000を示す図であり、(a)は巻取パイプ1010の巻径を大きくしていない状態を示す図であり、(b)は巻取パイプ1010の巻径を大きくした状態を示す図である。
【
図21】第11の実施形態のロールスクリーン1100を示す図であり、(a)は調整部1132を巻取パイプ1110に装着する前の状態を示す正面図であり、(b)は調整部1132を巻取パイプ1110に装着した状態を示す正面図であり、(c)は巻取パイプ1110の巻径を大きくしていない状態を示す図であり、(d)は巻取パイプ1110の巻径を大きくした状態を示す図である。
【
図22】第11の実施形態の調整部1132を示す図であり、(a)は調整部1132の斜視図であり、(b)は変形例である調整部1132’の斜視図である。
【
図23】第12の実施形態のロールスクリーン1200を示す図であり、(a)は巻取パイプ1210の巻径を大きくしていない状態を示す図であり、(b)は巻取パイプ1210の巻径を大きくした状態を示す図である。
【
図24】第13の実施形態のロールスクリーン1300を示す図であり、(a)は巻取パイプ1310の巻径を大きくしていない状態を示す図であり、(b)は巻取パイプ1310の巻径を大きくした状態を示す図である。
【
図25】第14の実施形態のロールスクリーン1400を示す図であり、(a)は巻取パイプ1410の巻径を大きくしていない状態を示す図であり、(b)は巻取パイプ1410の巻径を大きくした状態を示す図である。
【
図26】第15の実施形態のロールスクリーン1500を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
(第1の実施形態)
本実施形態に係るロールスクリーン100の全体構成について、
図1を参照しながら説明する。
図1はロールスクリーン100の全体構成を概略的に示した図である。ロールスクリーン100は、
図1に示したように、スクリーン(遮蔽材)120を巻取り及び巻解き可能な巻取パイプ110を備えており、巻取パイプ110は、径方向に出没することによって巻取パイプ110の径を部分的に調整する調整部132を備えたことを特徴とする。以下、本実施形態のロールスクリーン100の各構成要素について説明する。
【0022】
(巻取パイプ110)
巻取パイプ110は、支持部材140によって窓枠などに取り付けられる。支持部材140は、
図1に示したように、巻取パイプ110を回転可能に支持するサイドプレート142と、サイドプレート142を窓枠WGに固定するためのセットフレーム144と、を備えて構成される。サイドプレート142は、セットフレーム144の両端に設けられており、ブラケット146によって窓枠の上部に固定されている。
【0023】
巻取パイプ110には、
図2に示したように、スクリーン120の上端が巻取り及び巻解き可能に連結されている。
図2は、巻取パイプ110が露出した状態を示した図である。巻取パイプ110には、長手方向全長にわたって溝部112が設けられている。溝部112の入り口112aの幅は狭く構成されている。溝部112には、スクリーン120の上端と巻乱れ調整手段130の両方が連結される。溝部112の両端部には、巻乱れ調整手段130が設けられている。また、溝部112の両巻乱れ調整手段130の間には、スクリーン120の上端が巻取り及び巻解き可能に連結されている。
【0024】
巻取パイプ110の一端には、
図1に示したように、巻取パイプ110と一体に回転するようにプーリ150が設けられている。プーリ150には、これの回転を操作可能な操作コード152が巻き掛けられている。操作コード152には、巻取パイプ110によるスクリーン120の逆巻を防止するための逆巻き防止コネクタ154が設けられている。
【0025】
(スクリーン120)
スクリーン120は、窓の開口部などを閉鎖するものである。スクリーン120は、
図1に示したように、上端が巻取パイプ110に対して巻取り及び巻解き可能に連結されている。スクリーン120の下端には、ウエイトバー122が取り付けられている。スクリーン120の上端は、
図2に示したように、先端に行くほど幅が狭くなるように斜めに切り欠かれており、スクリーン上端部が巻取パイプ110の両端に設けられている巻乱れ調整手段130と干渉しないようになっている。スクリーン120の上端の幅は、前述のように巻取パイプ110の両端に設けられている巻乱れ調整手段130間の幅とほぼ同等である。スクリーン120の上端は、一般的なロールスクリーンと同様に、係止片(図示せず)を介して溝部112に連結されている。
【0026】
(巻乱れ調整手段130)
巻乱れ調整手段130は、巻取パイプ110へのスクリーン120の巻乱れを調整するものである。巻乱れ調整手段130は、
図2に示したように、巻取パイプ110の端部において溝部112に設けられる。巻乱れ調整手段130の構成について、
図3~
図5を参照しながら説明する。
図3は、巻乱れ調整手段130の分解斜視図である。
図4は、巻乱れ調整手段130の構成を示す図であり、(a)は
図2のA-A断面図であり、(b)は
図2のB-B断面図である。
図5は、
図4(a)において調整部132が突出した状態を示す図であり、(a)は巻取パイプ110にスクリーン120が巻き取られていない状態を示す図であり、(b)は巻取パイプ110にスクリーン120を巻き取った状態を示す図である。
【0027】
巻乱れ調整手段130は、
図3に示したように、巻取パイプ110の径方向に出没する調整部132と、調整部132の出没を操作するねじ(操作部)134と、調整部132を径方向に出没可能に支持するカバー(固定部)136と、を備えている。
【0028】
調整部132は、
図3に示したように、直方体状の基部132aと、基部132aから突出し、基部132aよりも幅の狭い直方体状の突出部132bとを備えて構成される。基部132aは、
図4に示したように、巻取パイプ110の溝部112よりも幅が狭く、入り口112aよりも幅が広い。また、突出部132bは巻取パイプの入り口112aよりも幅が狭く、入り口112aから出没可能であり、
図4においては、突出部132bの突出量は巻取パイプ110の巻径以下となっており、このときの巻取パイプ110の径は幅方向全長に渡って一定である。
【0029】
突出部132bの内部には、雌ねじ孔132cが形成されており、ねじ(操作部)134が螺合している。ねじ134を回転させると、
図5(a)の矢印Aに示したように、突出部132bが巻取パイプ110から出没する。このように、突出部132bの出没量を調整すると、
図5(b)に示したように、巻取パイプ110の巻径が調整され、部分的に径が大きくなる。
【0030】
カバー136は、
図3に示したように、直方体状の形状をしており、開口部136aを備えている。カバー136は、
図4(b)に示したように、巻取パイプ110の溝部112に嵌り合い、固定ねじ138で固定されている。カバー136の開口部136aには、
図4(a)に示したように、調整部132の基部132aが摺動可能にはめ合わされる。
【0031】
以上、本実施形態のロールスクリーン100の構成について説明した。次に、本実施形態のロールスクリーン100の動作について、
図5に加えて
図6を参照しながら説明する。
図6は、ロールスクリーン100の動作を説明するための図であり、(a)はスクリーン120が巻乱れた状態を示す図であり、(b)は巻乱れを調整する状態を示す図である。
【0032】
スクリーン120が巻取パイプ110に正常に巻き取られないと、
図6(a)に示したように、スクリーン120が巻取パイプ110に斜めに巻き取られ、巻乱れが生じる。巻乱れの原因としては、巻取パイプ110が水平に設置されていなかったり、スクリーン120の経年劣化であったり、風などの影響でスクリーン120が不均一に大きく前後に揺れながら巻き取られたりなどさまざまである。このような巻乱れが生じた場合、以下のような操作を行って巻乱れを解消する。
【0033】
スクリーン120の巻乱れを調整する場合、
図6(b)に示したように、巻乱れ調整手段130が見えるまでスクリーン120を巻取パイプ110から巻き解く。次に、巻乱れ調整手段130のねじ134を工具160で図の矢印B方向に回転させて、調整部132を巻取パイプ110から突出させる。このため、
図5(b)に示したように、巻取パイプ110の巻径が部分的に大きくなる。よって、巻乱れ調整手段130が設けられている部分では、スクリーン120が巻取パイプ110に巻き取られる量が多くなり、巻乱れが調整される。
【0034】
巻乱れがまだ生じている場合には、スクリーン120を巻取パイプ110から巻き解き、上記動作を繰り返して、巻乱れを調整していく。巻乱れが生じているかの判断は、使用者が目視で行う。
【0035】
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、調整部132が巻取パイプ110の径方向に出没するため、調整部132の出没量を微調整するだけで巻取パイプ110の巻径を部分的に微調整することができる。よって、巻乱れの調整を容易に行うことができる。
【0036】
また、巻取パイプ110の巻径を調整する調整部132の位置を容易に微調整することが可能なため、巻乱れの調整量を細かく設定することができる。
【0037】
また、調整部132は溝部112内に収容されているため、巻乱れが生じていないときも調整部132を調整することなくそのまま収容しておくことができ、調整部132を構成する部品の紛失を招くおそれがない。
【0038】
また、調整部132を収容する溝部112は、スクリーン120の一端部が連結される溝と共通のものであるため、調整部132を収容するために、巻取パイプ110に新たな溝部を設けることなく、既存の巻取パイプを流用できる。
【0039】
また、調整部132の出没を操作するねじ134を設けたため、巻乱れの調整を容易に操作することができる。
【0040】
また、調整部132は巻取パイプ110の径方向に移動することによって、調整部132の巻取パイプ110からの出没量が調整されるようにしたため、調整部132の径方向への移動量を調整することで巻取パイプ110の巻径を調整することができる。
【0041】
また、カバー136によって調整部132の摺動を支持するため、調整部132を安定した状態で径方向に突出させることができる。
【0042】
(第1の実施形態の変形例)
上記第1の実施形態では、スクリーン120の上端を連結する溝部と巻乱れ調整手段130を連結する溝部を同じ溝部にした。これに対して、本変形例では、
図7に示したように、巻取パイプ110に2つの溝部112、114を設ける。
図7は、第1の実施形態の変形例を示す図である。一方の溝部112には巻乱れ調整手段130を設け、他方の溝部114には係止片124を介してスクリーン120を連結する。本変形例の場合、スクリーン120は巻取パイプ110の端部まで配置できるため、スクリーン120の上端を斜めに切り欠く必要はない。
【0043】
以下では、上記第1の実施形態を応用した他の実施形態について説明する。以下の実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明することとし、上記第1の実施形態と同様に構成することができる点については、重複説明を省略する。
【0044】
(第2の実施形態)
本実施形態に係るロールスクリーン200について、
図8及び
図9を参照しながら説明する。
図8は、本実施形態のロールスクリーン200の巻乱れ調整手段230の分解斜視図である。
図9は、巻取パイプ210から調整部232を突出させた状態を示す断面図であり、(a)は巻取パイプ210にスクリーン220を巻き取っていない状態を示す図であり、(b)は巻取パイプ210にスクリーン220を巻き取った状態を示す図である。本実施形態では、巻乱れ調整手段230の調整部232にさらにガイド片232dを設けた点が第1の実施形態と異なるものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0045】
本実施形態の巻取パイプ210、溝部212、スクリーン220は、第1の実施形態の巻取パイプ110、溝部112、スクリーン120に対応したものとすることができるため、説明を省略する。
【0046】
巻乱れ調整手段230は、
図8に示したように、調整部232は突出部232bの上部にガイド片232dがさらに設けられている。ガイド片232dは、基部232aよりも大きい長方形状の薄板である。ガイド片232dは、弾性変形可能であり、例えば樹脂で構成されている。巻乱れ調整手段230のカバー236は、第1の実施形態のカバー136と同様のものとすることができる。
【0047】
巻乱れ調整手段230を巻取パイプ210の溝部212に取り付けると、ガイド片232dは、
図9(a)に示したように、巻取パイプ210の外周に配置される。ガイド片232dは、調整部232が突出していない状態では、巻取パイプ210の外周に接触している。一方、図の矢印Cに示したように、調整部232が突出すると、
図9(b)に示したように、ガイド片232dも突出する。ガイド片232dが突出した状態で、巻取パイプ210にスクリーン220を巻き取ると、ガイド片232dの端部が巻取パイプ210の外周に接触するように円弧状に弾性変形する。よって、ガイド片232dによって調整部232と巻取パイプ210との段差が解消し、スクリーン220に調整部232による巻跡が付かない。
【0048】
(第2の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、調整部232を巻取パイプ210から突出させた際に、調整部232と巻取パイプ210との段差をガイド片232dによって解消することができるため、スクリーン220に調整部232による押し跡が付くことを防止することができる。
【0049】
(第3の実施形態)
本実施形態に係るロールスクリーン300について、
図10及び
図11を参照しながら説明する。
図10は、本実施形態のロールスクリーン300を示す図である。
図11は、調整部332が巻取パイプ310から突出した状態を示す図であり、(a)は巻取パイプ310の径方向の断面図であり、(b)は、巻取パイプ310の軸方向の断面図である。本実施形態では、巻乱れ調整手段330の構成が第1の実施形態と異なるものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0050】
本実施形態の巻取パイプ310、溝部312は、第1の実施形態の巻取パイプ110、溝部112に対応したものとすることができるため、説明を省略する。
【0051】
巻乱れ調整手段330は、
図10及び
図11に示したように、調整部332と、ねじ334と、押圧部材336と、を備えて構成されており、第1の実施形態のカバー136を備えていない。調整部332は、長尺状の突出部332bと突出部の両端に基部332aを備えている。突出部332bの長手方向中央位置には、ねじ334を操作するための貫通孔332cと、押圧部材336を摺動可能に支持する支持部332dが設けられている。調整部332には、第1の実施形態の調整部132のような雌ネジ孔は設けられていない。基部332aは、
図11に示したように、巻取パイプ310の溝部312内に脱落しないように配置されている。
【0052】
押圧部材336は、直方体状の形状をしており、中央に雌ネジ孔336aが設けられている。雌ネジ孔336aには、
図11に示したように、ねじ334が螺合している。ねじ334の回転によって押圧部材336が摺動して、図の矢印Dで示したように、突出部332bを押圧可能である。
【0053】
ねじ334を回転させて押圧部材336を突出させると、
図11に示したように、突出部332bの長手方向中央位置が巻取パイプ310から突出させる方向に押圧される。調整部332は、
図11(b)に示したように、両端部の基部332aが溝部312内に配置された状態を保持するため、突出部332bの長手方向中央位置を頂点として円弧状に突出する。
【0054】
(第3の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、調整部332を突出させた際に長尺状の突出部332bが円弧状に撓んで突出するため、スクリーンに調整部332による押し跡が付くことを軽減することができる。
【0055】
(第4の実施形態)
本実施形態に係るロールスクリーン400について、
図12及び
図13を参照しながら説明する。
図12は、本実施形態のロールスクリーン400を示す図である。
図13は、調整部432が巻取パイプ410から突出した状態を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は、(a)のC-C断面図である。本実施形態では、巻乱れ調整手段430の構成が第1の実施形態と異なるものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0056】
本実施形態の巻取パイプ410、溝部412は、第1の実施形態の巻取パイプ110、溝部112に対応したものとすることができるため、説明を省略する。
【0057】
巻乱れ調整手段430は、
図12及び
図13に示したように、調整部432と、ねじ434と、固定部436と、を備えて構成されている。調整部432は、弾性変形可能な長尺なプレート状である。調整部432は、巻取パイプ410の溝部412の入り口412aを通過可能な幅である。調整部432の一端は、巻取パイプ410の溝部412に嵌め合わされる基部432aが形成されている。基部432aによって調整部432の一端方向への移動が拘束されている。
【0058】
調整部432の他端は固定部436に挿通している。固定部436は、巻取パイプ410の溝部412に固定されており、中央にねじ434が螺合している。ねじ434を回転操作することによって、調整部432を固定部436に固定したり、固定を解除したりすることができる。
【0059】
ねじ434を回転操作して、調整部432を固定部436から解除すると、
図13の矢印Eに示したように、調整部432の他端は移動可能になる。よって、調整部432の他端を一端方向に移動させると、調整部432は溝部412から巻取パイプ410の径方向外向きに円弧状に突出する。このようにして、調整部432の出没量を調整した後、ねじ434を締めて、調整部432を所望の出没量で固定する。
【0060】
(第4の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、調整部432が円弧状に突出するように変形することで調整部432が巻取パイプ410から出没するため、巻取パイプ410の巻径を部分的に調整することができる。
【0061】
(第5の実施形態)
本実施形態に係るロールスクリーン500について、
図14及び
図15を参照しながら説明する。
図14は、本実施形態のロールスクリーン500を示す図である。
図15は、調整部532が巻取パイプ510から突出した状態を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は、(a)のD-D断面図である。本実施形態では、巻乱れ調整手段530の特に調整部532の構成が第4の実施形態と異なるものである。本実施形態では、上記第4の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0062】
本実施形態の巻取パイプ510、溝部512、基部532aは、第4の実施形態の巻取パイプ410、溝部412、基部432aに対応したものとすることができるため、説明を省略する。
【0063】
調整部532は、
図14に示したように、蛇腹状に伸縮可能な長尺な部材である。調整部532は、巻取パイプ510の溝部512の入り口512aを通過可能な幅である。調整部532の一端には、第4の実施形態と同様の基部532aが形成されている。一方、調整部532の他端には、調整部532の伸縮を操作する操作部532bが形成されている。操作部532bには、これを巻取パイプ510の溝部512に固定可能なねじ534が螺合している。
【0064】
ねじ534を回転操作して、操作部532bと溝部512との固定を解除し、
図15の矢印Fに示したように、操作部532bが基部532aの方向に移動させると、調整部532が蛇腹状に縮む。すると、調整部532上部が溝部512から巻取パイプ510の径方向外向きに突出する。調整部532の出没量を調整した後、ねじ534を締めて操作部532bを溝部512に固定する。よって、調整部532を所望の出没量で固定することができる。
【0065】
(第5の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、調整部532が蛇腹状に縮んで変形することで調整部532が巻取パイプ510から出没するため、巻取パイプ510の巻径を部分的に調整することができる。
【0066】
(第6の実施形態)
本実施形態に係るロールスクリーン600について、
図16を参照しながら説明する。
図16は、本実施形態のロールスクリーン600を示す図である。本実施形態では、巻乱れ調整手段630の構成が第4の実施形態と異なるものである。本実施形態では、上記第4の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0067】
本実施形態の巻取パイプ610、溝部612は、第4の実施形態の巻取パイプ410、溝部412に対応したものとすることができるため、説明を省略する。
【0068】
巻乱れ調整手段630は、
図16に示したように、調整部632と、駆動軸634と、を備えて構成されている。調整部632は、第4の実施形態と同様な弾性変形可能な長尺なプレート状である。調整部632は、巻取パイプ610の溝部612の入り口612aを通過可能な幅であり、調整部632の一端は巻取パイプ610の溝部612に嵌め合わされる基部632aによって巻取パイプ610に固定されている。
【0069】
調整部632の他端には、図の矢印Gに示したように、駆動軸634に沿って移動可能な移動部632bが形成されている。移動部632bには、後述するようにねじ状の駆動軸634が螺合している。よって、駆動軸634の回転によって移動部632bが移動し、調整部632が巻取パイプ610から突出する量が調整される。
【0070】
駆動軸634は、
図16に示したように、巻取パイプ610の軸方向に延びるねじ状の軸である。駆動軸634の一端は調整部632の基部632aに回転可能に支持されている。駆動軸634の他端は、駆動軸634の回転を操作する操作部634aが設けられている。操作部634aは、一部が巻取パイプ610の溝部612の入り口612aから露出しており、この露出した部分を指などで回転操作することができる。
【0071】
(第6の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、操作部634aを回転させることで調整部632の巻取パイプ610からの突出量の調整を容易に操作することができる。
【0072】
(第6の実施形態の変形例)
第6の実施形態では、駆動軸634と操作部634aは一体に回転するものであったが、駆動軸と操作部は、別体に構成してもよい。駆動軸に操作部を螺合させて、操作部を回転させることにより駆動軸に沿って軸方向に移動させる。そして、移動する操作部が調整部の移動部を押圧して移動させるようにしてもよい。この場合、駆動軸は移動部と螺合せず挿通するだけにする。
【0073】
(第7の実施形態)
本実施形態に係るロールスクリーン700について、
図17を参照しながら説明する。
図17は、本実施形態のロールスクリーン700を示す図である。本実施形態では、巻乱れ調整手段730の構成が第6の実施形態と異なるものである。本実施形態では、上記第6の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0074】
本実施形態の巻取パイプ710、溝部712は、第6の実施形態の巻取パイプ610、溝部612に対応したものとすることができるため、説明を省略する。
【0075】
巻乱れ調整手段730は、
図17に示したように、調整部732と、駆動軸734と、を備えて構成されている。調整部732は、コイルばねであり、駆動軸734が挿通している。調整部732は、一端が後述する操作部734aに当接しており、他端が押圧部材736に当接している。調整部732は、ばねが伸びているときは、巻取パイプ710の溝部712の入り口712aの内側にある。一方、調整部732は、縮んだときには径寸法が大きくなり一部が入り口712aから径方向に突出する。
【0076】
駆動軸734は、第6の実施形態と同様の巻取パイプ710の軸方向に延びるねじ状の軸である。駆動軸734の一端には、駆動軸734の回転を操作する操作部734aが設けられている。操作部734aは、一部が巻取パイプ710の溝部712の入り口712aから露出しており、この露出した部分を指などで、例えば図の矢印Iで示したように回転操作することができる。駆動軸734には、押圧部材736が螺合している。押圧部材736は、図の矢印Hに示したように、駆動軸734の回転により軸に沿って移動し、調整部732の他端を押圧する。調整部732は、押圧部材736による押圧量に応じて縮み、径寸法が調整されて、入り口712aからの突出量が調整される。
【0077】
(第7の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、操作部734aを回転させることで調整部732の巻取パイプ710からの突出量の調整を容易に操作することができる。
【0078】
(第8の実施形態)
本実施形態に係るロールスクリーン800について、
図18を参照しながら説明する。
図18は、本実施形態のロールスクリーン800を示す図である。本実施形態では、巻乱れ調整手段830の構成が第4の実施形態と異なるものである。本実施形態では、上記第4の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0079】
本実施形態の巻取パイプ810、溝部812は、第4の実施形態の巻取パイプ410、溝部412に対応したものとすることができるため、説明を省略する。
【0080】
巻乱れ調整手段830は、
図18に示したように、調整部832と、ねじ834と、固定部836と、を備えて構成されている。調整部832は、第4の実施形態と同様な弾性変形可能な長尺なプレート状である。調整部832は、巻取パイプ810の溝部812の入り口812aを通過可能な幅であり、調整部832の一端には操作部832aが設けられている。
【0081】
操作部832aは、巻取パイプ810の軸方向に移動させることにより調整部832の突出量を調整可能である。操作部832aの固定部836と対向する面にはテーパ状に構成されている。操作部832aにはねじ834が設けられている。ねじ834を操作することにより、操作部832aを巻取パイプ810に固定したり固定を解除したりすることができる。
【0082】
固定部836は、
図18に示したように、巻取パイプ810の端部近傍の溝部812内に固定されている。固定部836の操作部832aと対向する面はテーパ状に構成されている。操作部832aを巻取パイプ810の軸方向に移動させると、図の矢印Jに示したように、固定部836が操作部832aをテーパに沿って移動する。
【0083】
調整部832の突出量を調整する際には、操作部832aのねじ834による固定を解除し、操作部832aを巻取パイプ810の軸方向に移動させる。すると、操作部832aが、図の矢印Jに示したように、固定部836のテーパに沿って移動し、調整部832の突出量が調整される。調整部832の突出量を調整した後に、操作部832aをねじ834によって固定する。
【0084】
(第8の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、操作部832aを斜めにスライドさせることで調整部832の巻取パイプ810からの突出量の調整を容易に操作することができる。
【0085】
(第9の実施形態)
本実施形態に係るロールスクリーン900について、
図19を参照しながら説明する。
図19は、本実施形態のロールスクリーン900を示す図である。本実施形態では、巻乱れ調整手段930の構成が第1の実施形態と異なるものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0086】
本実施形態の巻取パイプ910、溝部912、支持部材940、プーリ950、操作コード952は、第1の実施形態の巻取パイプ110、溝部112、支持部材140、プーリ150、操作コード152に対応したものとすることができるため、説明を省略する。
【0087】
巻乱れ調整手段930は、
図19に示したように、調整部932と、操作部934と、を備えて構成されている。調整部932は、長尺なプレート状である。調整部932は、巻取パイプ910の軸方向全長に渡って溝部912に配置されており、入り口912aを通過可能な幅である。調整部932は、長手方向中央位置を支点としてシーソー状に傾動する。
【0088】
調整部932の両端には操作部934が設けられている。操作部934は、ねじが巻取パイプ910の径方向に出没することによって、調整部932の端部を押圧したり、押圧を解除したりすることができる。操作部934が、図の矢印Kで示したように、調整部932の一端を押圧すると、図の矢印Lで示したように、調整部932がシーソー状に傾動する。
【0089】
巻取パイプ910の右側における巻乱れを調整する場合は、
図19に示したように、左端部の操作部934を巻取パイプ910の径方向内側に突出させ、右端部の操作部934を巻取パイプ910の径方向外側に突出させる。すると、調整部932は、左端部が巻取パイプ910の径方向内側に移動し、右端部が巻取パイプ910の溝部912の入り口912aから突出するように傾動する。よって、巻取パイプ910の右端部の巻径が大きくなる。
【0090】
(第9の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、1つの調整部932が巻取パイプ910の両端部におけるスクリーンの巻乱れを調整することができる。
【0091】
(第9の実施形態の変形例)
第9の実施形態では、調整部932をシーソー状に傾動させるものであり、調整部932の巻取パイプ910からの突出量を調整したい側とは反対側の操作部934を操作するようにしたが、調整部932をシーソー状に傾動させなくてもよい。この場合、調整部932の両端に設けた操作部934のうち一方を操作することで、操作した側の調整部932が巻取パイプ910の径方向外側に突出し、操作していない側の調整部932は移動しない。つまり、調整部932の巻取パイプ910からの突出量を調整したい側の操作部934を操作するようにしてもよい。
【0092】
(第10の実施形態)
本実施形態に係るロールスクリーン1000について、
図20を参照しながら説明する。
図20は、本実施形態のロールスクリーン1000を示す図であり、(a)は巻取パイプ1010の巻径を大きくしていない状態を示す図であり、(b)は巻取パイプ1010の巻径を大きくした状態を示す図である。本実施形態では、巻乱れ調整手段1030の構成が第1の実施形態と異なるものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0093】
巻乱れ調整手段1030は、
図20に示したように、調整部1032と、調整部1032を装着する3つの調整溝1034a、1034b、1034cと、を備えて構成されるが、調整溝1034の数は複数であれば2つでもよく、4つ以上であってもよい。なお、以下の説明において、3つの調整溝1034a、1034b、1034cを区別する必要がないときは、調整溝1034という。
【0094】
調整部1032は、四角錘台状であり、底面の小さい方が巻取パイプ1010の径方向内側になるように調整溝1034に装着される。調整部1032の大きい方の底面は巻取パイプ1010と同じ曲率の円弧状に構成されている。調整部1032は、調整溝1034に装着可能な形状であれば、三角錘台状又はその他の形状であってもよい。
【0095】
調整溝1034は、巻取パイプ1010の外周に周方向に間隔を開けて3つ形成されている。3つの調整溝1034a、1034b、1034cは、それぞれ深さが異なっている。調整溝1034は、溝部1012から最も遠い調整溝1034aの深さが調整部1032の高さと同じであり、溝部1012に向かうにしたがって溝の深さが浅くなる。
【0096】
調整部1032は、
図20(a)の矢印Mに示したように、調整溝1034に巻取パイプ1010の径方向又は巻取パイプ1010の端部側の軸方向から着脱される。調整部1032を調整溝1034aに装着した際には、
図20(a)に示したように、調整部1032は巻取パイプ1010の外周と同一面又はそれ以下の面になる。
図20(b)の矢印Nに示したように、調整溝1034aから調整部1032を取り外して調整溝1034bに装着すると、調整部1032は巻取パイプ1010から突出する。
【0097】
さらに、
図20(b)の矢印Pに示したように、調整部1032を最も浅い調整溝1034cに装着すると、巻取パイプ1010からの突出量が大きくなる。よって、調整部1032を装着する調整溝1034a、1034b、1034cを変更することによって、調整部1032の突出量を変更することができる。
【0098】
(第10の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、調整部1032を装着する調整溝1034a、1034b、1034cを変更するだけで容易に巻取パイプ1010の巻径を部分的に調整することができる。
【0099】
(第11の実施形態)
本実施形態に係るロールスクリーン1100について、
図21及び
図22を参照しながら説明する。
図21は、本実施形態のロールスクリーン1100を示す図であり、(a)は調整部1132を巻取パイプ1110に装着する前の状態を示す正面図であり、(b)は調整部1132を巻取パイプ1110に装着した状態を示す正面図であり、(c)は巻取パイプ1130の巻径を大きくしていない状態を示す断面図であり、(d)は巻取パイプ1130の巻径を大きくした状態を示す断面図である。
図22は、調整部1132を示す図であり、(a)は調整部1132の斜視図であり、(b)は変形例である調整部1132’の斜視図である。本実施形態では、巻乱れ調整手段1130の構成が第10の実施形態と異なるものである。本実施形態では、上記第10の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0100】
巻乱れ調整手段1130は、
図21に示したように、調整部1132と、調整部1132を装着する9つの調整溝1134と、を備えて構成される。9つの調整溝1134は、第10の実施形態と同の3つの調整溝1134a、1134b、1134cを1つのセットとして、3セット設けられているが、調整溝1134のセット数は1セットでもよく、2セット又は4セット以上であってもよい。なお、以下の説明において、3つの調整溝1134a、1134b、1134cを区別する必要がないときは、調整溝1134という。
【0101】
調整部1132は、
図21(c)又は
図22(a)に示したように、略C字状のC形状部1132aとC形状部1132aの内周に円周方向に3つ設けられる調整片1132bとを備えて構成される。調整片1132bは、第10の実施形態の調整部1032と同様に例えば四角錘台状であり、底面の小さい方が巻取パイプ1110の径方向内側になるように調整溝1134a、1134b、1134cに装着される。調整部1132を巻取パイプ1110に装着した際に、3つの調整片1132bは、同じ深さの調整溝1134に装着され、C字形状の開放部1132cが巻取パイプ1110の溝1112の位置と一致することで、開放部1132cをスクリーン1120が通過できる。
【0102】
調整部1132は、
図21(a)の矢印Qに示したように、巻取パイプ1110の端部から軸方向に着脱される。このように、調整部1132は巻取パイプ1110の軸方向に着脱されるため、巻取パイプ1110にスクリーン1120が巻き取られた状態や、完全に巻解かれていない状態でも装着することができる。調整部1132は、C形状部1132aの端部側面と巻取パイプ1110の端部側面とが当接した状態で連結される。
【0103】
調整部1132は、
図21(c)に示したように、調整片1132bを調整溝1134aに装着した際には、C形状部1132aの外周と巻取パイプ1110の外周とが略同一であり、拡径されていない。C形状部1132aを拡径させる場合は、調整部1132を、巻取パイプ1110から一旦取り外して、
図21(a)、(d)の矢印Rに示したように回転させる。その後、
図21(d)に示したように、調整片1132bを調整溝1134bに装着するように調整部1132を巻取パイプ1110に装着する。すると、
図21(b)に示したように、C形状部1132aが拡径する。調整片1132bを装着する調整溝1134a、1134b、1134cを変更することによって、C形状部1132aの径方向の突出量を変更することができる。
【0104】
(第11の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、巻取パイプ1110からスクリーン1120を完全に巻解かなくても巻取パイプ1110の端部から巻取パイプ1110とスクリーン1120の間に調整部1132を挿入して調整溝1134a、1134b、1134cに着脱することができる。
【0105】
(第11の実施形態の変形例)
上記第11の実施形態では、調整部1132は、略C字状のC形状部1132aと、C形状部1132aの内周に円周方向に設けられる調整片1132bと、開放部1132cとを備えて構成される。これに対して、本変形例では、
図22(b)に示したように、調整部1132’は、円筒状の基部1132dから放射線状に延びる略逆L字状のアーム部1132eと、アーム部1132eの先端に設けられる調整片1132b’とを備えて構成される。本変形例の場合、アーム部1132eによって径方向に弾性変形しやすくなり、調整部1132’を巻取パイプ1110の調整溝1134a、1134b、1134cに着脱することが容易となる。
【0106】
(第12の実施形態)
本実施形態に係るロールスクリーン1200について、
図23を参照しながら説明する。
図23は、本実施形態のロールスクリーン1200を示す図であり、(a)は巻取パイプ1210の巻径を大きくしていない状態を示す図であり、(b)は巻取パイプ1210の巻径を大きくした状態を示す図である。本実施形態では、巻乱れ調整手段1230の構成が第1の実施形態と異なるものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0107】
本実施形態の支持部材1240、プーリ1250、操作コード1252は、第1の実施形態の支持部材140、プーリ150、操作コード152に対応したものとすることができるため、説明を省略する。
【0108】
巻乱れ調整手段1230は、
図23に示したように、巻取パイプ1210の端部に設けられるフリンジ状の調整部1232と、調整部1232を拡径するために軸方向に移動可能な操作部1234と、を備えて構成される。調整部1232は、巻取パイプ1210の端部において、円周方向に複数の切欠部1212を軸方向に延びて形成することにより設けられる。なお、図では示していないが、調整部1232は、巻取パイプ1210の両端部に設けられている。
【0109】
操作部1234は、
図23に示したように、小円筒状部1234aと、大円筒状部1234bと小円筒状部1234aと大円筒状部1234bとを繋ぐ円錐台状部1234cとを備えて構成される。操作部1234は、
図23(a)に示したように、調整部1232が拡径していないときは、小円筒状部1234aが調整部1232内に挿入されており、大円筒状部1234bが外周覆うようにプーリ1250に支持されている。大円筒状部1234bの下部は開口しており、操作コード1252が通過するようになっている。
【0110】
操作部1234は、
図23(b)に示したように、軸方向に移動可能である。操作部1234が軸方向に移動すると、円錐台状部1234cが調整部1232内に挿入されて、調整部1232が拡径する。調整部1232の拡径の調整は、操作部1234を調整部1232内に挿入する量によって行われる。
【0111】
(第12の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、フリンジ状の調整部1232が巻取パイプ1210の一部であるため、巻取パイプ1210からスクリーンを完全に巻解かなくても巻乱れの調整量を調整することができる。
【0112】
(第13の実施形態)
本実施形態に係るロールスクリーン1300について、
図24を参照しながら説明する。
図24は、本実施形態のロールスクリーン1300を示す図であり、(a)は巻取パイプ1310の巻径を大きくしていない状態を示す図であり、(b)は巻取パイプ1310の巻径を大きくした状態を示す図である。本実施形態では、巻乱れ調整手段1330の構成が第12の実施形態と異なるものである。本実施形態では、上記第12の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0113】
本実施形態の支持部材1340、プーリ1350、操作コード1352は、第12の実施形態の支持部材1240、プーリ1250、操作コード1252に対応したものとすることができるため、説明を省略する。
【0114】
巻乱れ調整手段1330は、
図24に示したように、巻取パイプ1310の端部に設けられる弾性部材からなる調整部1332と、調整部1332を拡径するために軸方向に移動可能な操作部1334と、を備えて構成される。調整部1332は、巻取パイプ1310と同径の円筒状又は円柱状であり、軸方向に押圧されることで、径方向に膨らむように弾性変形する。なお、図では示していないが、調整部1332は、巻取パイプ1310の両端部に設けられており、調整部1332は、巻取パイプ1310と一体的に形成されるものであってもよいし、別体として巻取パイプ1310の端部に取付けられて一体回転するものであってもよい。
【0115】
操作部1334は、
図24に示したように、第12の実施形態と同様に構成されている。操作部1234は、端部が調整部1332の一端に当接又は連結されている。操作部1334は、
図24(b)に示したように、軸方向に移動すると、調整部1332が軸方向に押圧されて、調整部1332が拡径する。調整部1332の拡径の調整は、操作部1334の移動量を調整することによって行われる。
【0116】
(第13の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、弾性部材からなる調整部1332が巻取パイプ1310の一部であるため、巻取パイプ1310からスクリーンを完全に巻解かなくても巻乱れの調整量を調整することができる。
【0117】
(第14の実施形態)
本実施形態に係るロールスクリーン1400について、
図25を参照しながら説明する。
図25は、本実施形態のロールスクリーン1400を示す図であり、(a)は巻取パイプ1410の巻径を大きくしていない状態を示す図であり、(b)は巻取パイプ1410の巻径を大きくした状態を示す図である。本実施形態では、巻乱れ調整手段1430の構成が第12の実施形態と異なるものである。本実施形態では、上記第12の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0118】
本実施形態の支持部材1440は、第12の実施形態の支持部材1240に対応したものとすることができるため、説明を省略する。
【0119】
巻乱れ調整手段1430は、
図25に示したように、巻取パイプ1410の端部に設けられるコイルバネ状の調整部1432と、調整部1432を拡径するために軸方向に移動可能な操作部1434と、を備えて構成される。調整部432は、巻取パイプ1410と同径であり、図では示していないが、巻取パイプ1410の両端部に設けられている。
【0120】
操作部1434は、
図25に示したように、第12の実施形態の操作部1234と同様に、小円筒状部1434aと、大円筒状部1434bと小円筒状部1434aと大円筒状部1434bとを繋ぐ円錐台状部1434cとを備えて構成される。操作部1434は、
図25(a)に示したように、調整部1432が拡径していないときは、小円筒状部1434aが調整部1432内に挿入されている。
【0121】
操作部1434を、
図25(b)の矢印Sに示したように、回転させながら軸方向にねじ込むと、円錐台状部1434cが調整部1432内に挿入されて、調整部1432が拡径する。調整部1432の拡径の調整は、操作部1434を調整部1432内に挿入する量によって行われる。このように、操作部1434を軸方向に移動させるとコイルバネ状の調整部1432が拡径する構成であるため、巻取パイプ1410にスクリーン1420が巻かれている状態であっても調整が可能である。
【0122】
(第14の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、調整部1432が巻取パイプ1410の一部であるため、巻取パイプ1410からスクリーンを完全に巻解かなくても巻乱れの調整量を調整することができる。
【0123】
(第15の実施形態)
本実施形態に係るロールスクリーン1500について、
図26を参照しながら説明する。
図26は、本実施形態のロールスクリーン1500を示す図である。本実施形態では、巻乱れ調整手段1530の構成が第1の実施形態と異なるものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0124】
本実施形態の支持部材1540、プーリ1550、操作コード1552は、第1の実施形態の支持部材140、プーリ150、操作コード152に対応したものとすることができるため、説明を省略する。
【0125】
巻乱れ調整手段1530は、
図26に示したように、巻取パイプ1510の端部の表面にカッターなどを用いて傷を形成して、巻取パイプ1510の表面に形成した突出片からなる調整部1530である。巻取パイプ1510に設ける調整部1530である突出片の数、長さ又は傷の深さ等によって突出量を変えることにより、巻取パイプ1510の巻径を調整することができる。
【0126】
(第15の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、通常のロールスクリーンを構成する部品だけで巻乱れを調整できる。
【0127】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0128】
例えば、上記第1~第3、第8、第9の実施形態では、調整部を巻取パイプの径方向に移動させて巻取パイプの巻径を調整したが、本発明はこの例に限定されない。また、調整部が巻取パイプの径方向に移動する構成もこれら実施形態のものに限定されない。
【0129】
また、上記第4~第7、第12~第14の実施形態では、調整部を変形させて巻取パイプの径方向に突出させて巻取パイプの巻径を調整したが、本発明はこの例に限定されない。また、調整部を変形させる構成もこれら実施形態のものに限定されない。
【0130】
また、上記第10及び第11の実施形態では、調整部を巻取パイプの調整溝に着脱することにより径方向に突出させて巻取パイプの巻径を調整したが、本発明はこの例に限定されない。また、調整部を着脱する構成もこれら実施形態のものに限定されない。
【0131】
以上説明した実施形態、変更例及び応用例の内容は、適宜組み合わせて実施できる。
【符号の説明】
【0132】
100、200、・・・、1500 ロールスクリーン
110、210、・・・、1510 巻取パイプ
112、212、・・・、1112 溝部
114 溝部
112a、412a、512a、612a、712a、812a 入り口
120、220、1420 スクリーン(遮蔽材)
122 ウエイトバー
124 係止片
130、230、・・・、1530 巻乱れ調整手段
132、232、・・・、1432 調整部
132a、232a、332a、432a、532a、632a 基部
132b、232b、332b 突出部
132c 雌ねじ孔
134、234、334、434、534、834 ねじ
136、236 カバー(固定部)
136a 開口部
138 固定ねじ
140、940、1240、1340、1440、1540 支持部材
142 サイドプレート
144 セットフレーム
146 ブラケット
150、950、1250、1350、1550 プーリ
152、952、1252、1352、1552 操作コード
154 逆巻き防止コネクタ
160 工具
232d ガイド片
332c 貫通孔
332d 支持部
336、736 押圧部材
336a 雌ネジ孔
436、836 固定部
532b、634a、734a、832a、934 操作部
632b 移動部
634、734 駆動軸
1132a C形状部
1132b 調整片
1034、1034a、1034b、1034c、1134、1134a、1134b、1134c 調整溝
1212 切欠部
1234、1334、1434 操作部
1234a 小円筒状部
1234b 大円筒状部
1234c 円錐台状部
1530 突出片(巻乱れ調整手段)