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特許7350657側方アプローチによる椎間板置換手術のシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-15
(45)【発行日】2023-09-26
(54)【発明の名称】側方アプローチによる椎間板置換手術のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/44 20060101AFI20230919BHJP
   A61B 17/88 20060101ALI20230919BHJP
【FI】
A61F2/44
A61B17/88
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019565430
(86)(22)【出願日】2018-05-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-16
(86)【国際出願番号】 US2018033612
(87)【国際公開番号】W WO2018217604
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】62/509,348
(32)【優先日】2017-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519416347
【氏名又は名称】アクシオメッド,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100163544
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 緑
(72)【発明者】
【氏名】フィンケル,ジョシュア,エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】バンダジアン,アレキサンダー
(72)【発明者】
【氏名】フォレ,スコット
(72)【発明者】
【氏名】クロスグローブ,ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】チン,キングスレー,アール.
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-541879(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0235520(US,A1)
【文献】特表2008-522737(JP,A)
【文献】特表2008-514362(JP,A)
【文献】特表2011-512943(JP,A)
【文献】特表2010-504156(JP,A)
【文献】特表2008-527237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/44
A61B 17/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の要素を含む椎間板置換用に構成された手術キット:
第一の切開手段、であって、それは切開機能を有し、その使用目的は該手段を使い患者の腹斜筋の横方向に沿って切開を手技者が行い、隣接する上下椎骨の間にある椎間板に側方アプローチにより手技者のアクセスを可能にするものである、
第二の切開手段、であって、それは切開機能を有し、その使用目的は該手段を使い前記椎間板の線維輪を通して手技者が切開を行い、それにより前記椎間板の髄核を手技者が取り除いて、開口した椎間板間隙(椎間板隙ともいう)を非自律的に生成するためのものである、
インプラント(100)及び試用インプラント、であって、該インプラントは、前記開口した椎間板間隙に適したサイズ及び形状を有する構成を有し、該インプラントの該サイズ及び形状は、段階的な試用インプラント(90)を前記開口した椎間板間隙に手技者が挿入することにより非自律的に決定して選択されるものであり、前記試用インプラントは、様々な設置サイズ、くさび角度及び高さを構成として有するものである;前記試用インプラント(90)は、その直方体形状の対側面にあたる第1側及び第2側上に第1及び第2の基準円(91)を有する構成をもち、該第1及び第2の基準円は、前記試用インプラントの前記開口した椎間板間隙への挿入の深さを非自律的に決定のために利用され、前後のX線画像視野において、試用インプラントの該第1側及び第2側上の該第1及び第2の基準円が非自律的にそれぞれ位置合わせされるように利用される、
ガイド器具(30)、であって、それは、それぞれ上椎骨及び下椎骨に配置された穿孔された第1及び第2の開口部を非自律的に生成するために手技者によって使用されものであり、該ガイド器具は、ロッド(31)と、該ロッドの遠位端に取り付けられた第1及び第2の基準開口部(33,34)を有するプレートとを備える構成であり、該第1及び第2の基準開口部は、上下椎骨にドリルで各々該第1及び第2の開口部を非自律的に穿孔するために手技者よって使用されるものである、
第1及び第2のスタインマンピン(36a、36b)、であって、該第1及び第2のスタインマンピン(36a、36b)は、それぞれ前記穿孔された第1及び第2の開口部に非自律的に挿入されるものであり、該挿入は手技者によって履行される、
歯形カッター(45)、であって、それは、上下椎骨の下面及び上面に、第1及び第2の歯形を非自律的に切削するために手技者が使用するものであり、その使用方法は、該歯形カッターが前記ガイド器具(30)のプレートに取り付けられ、それを、前記穿孔された第1及び第2の開口部に非自律的に挿入された前記第1及び第2のスタインンピンの上に非自律的に挿入することで、前記第1のスタインマンピンと第2のスタインマンピンとの間の開口した椎間板間隙に該歯形カッター(45)を非自律的に挿入され、次いで、該歯形カッターを使い、それぞれ上下椎骨の下面及び上面に、該第1及び第2の歯形を手技者によって非自律的に切削するというものである、
なお、前記第1及び第2の歯形は、それぞれ、選択されたインプラントの頂面及び底面の歯形に対応する構成をもつ;
ここで、歯形カッターは、該歯形カッターの第1側及び第2側上に第1及び第2の基準円(46)を有する構成をもち、該基準円は、該開口した椎間板間隙への該歯形カッターの挿入深さを非自律的に決定のために利用され、前後のX線画像視野において、該歯形カッターの該第1側及び第2側上の該第1及び第2の基準円(46)が非自律的にそれぞれ位置合わせされるように、手技者によって利用される、
ここで、前記歯形カッターは、前記開口した椎間板間隙から手技者によって取り外しされ、前記選択されたインプラントは、前記ガイド器具のプレートに手技者によって取り付けされ、そして前記第1及び第2のスタインマンピンの上に手技者によって挿入され、前記選択されたインプラント(100)は、前記第1のスタインマンピンと第2のスタインマンピンとの間の椎間板間隙に手技者によって挿入されるように利用される、
キット。
【請求項2】
さらに、挿入器(55)、であって、該挿入器は、前記第1及び第2のスタインマンピンの上に非自律的に挿入させ、前記スタインマンピンに非自律的に固定され、前記選択されたインプラントを該挿入器の前進部に非自律的に接続する構成を有し、手技者は、該挿入器の前進部を非自律的に前進させることによって前記選択されたインプラントを前記開口した椎間板間隙に非自律的に挿入するために利用する、該挿入器を更に含む、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
さらに、平行伸延器具(60)、であって、該平行伸延器具は、対象物を均等に左右に非自律的に伸延する機能を持ち、手技者は、該平行伸延器具を用いて、前記開口した椎間板間隙を均等に左右に非自律的に伸延するために利用する、該平行伸延器具を更に含む、請求項1又は2に記載のキット。
【請求項4】
前記歯形カッターは、ハーフレールカッターを含む、請求項1~3のいずれか1に記載のキット。
【請求項5】
フルレールカッターを更に含み、それは、前記開口した椎間板間隙に手技者によって非自律的に挿入されるものである、請求項4に記載のキット。
【請求項6】
以下の要素を含む椎間板置換用手術キット:
*第一の切開手段、であって、それは切開機能を有し、その使用目的は患者の腹斜筋の横方向に沿って切開を手技者が行い、隣接する上下椎骨の間にある椎間板に側方アプローチにより手技者のアクセスを可能にするものである、
*第二の切開手段、であって、それは切開機能を有し、その使用目的は前記椎間板の線維輪を通して手技者が非自律的に切開を行い、それにより前記椎間板の髄核を手技者が取り除いて、開口した椎間板間隙(椎間板隙ともいう)を非自律的に生成するためのものである、
*センタリングブローチ器具(300、86)、であって、該センタリングブローチ器具は、前記開口した椎間板間隙に手技者によって非自律的に挿入されるものであり、該センタリングブローチ器具は、細長いシャフトと、該細長いシャフトの遠位端に取り付けられたブローチ(86)とを備え、該ブローチの近位端は、停止終板を備え、前記細長いシャフトは、横方向中心を非自律的に確立するために使用される第1及び第2の位置合わせピン(302a、302b)を備え、前記ブローチは、前記停止終板が前記上下椎骨の側面に対して停止するまで、前記開口した椎間板間隙に非自律的に入れられる構成を持つ、
*ドリルガイド器具、であって、該ドリルガイド器具は、細長い管状部品と、ここで、該細長い管状部品は、前記ブローチの細長いシャフト上を非自律的に摺動するように構成される、及び該細長い管状部品の遠位端を囲む第1及び第2の管状ドリルガイドとを備える構成を有し、該ドリルガイド器具は、該ドリルガイド器具を使い前記第1及び第2の管状ドリルガイドを通して前記上下椎骨に手技者によって非自律的に穴を開け、そして、それぞれ前記上下椎骨に位置する第1及び第2の開口部を非自律的に生成するために使用される、
*第1及び第2のスタインマンピン(36a、36b)、であって、該第1及び第2のスタインマンピン(36a、36b)は、それぞれ前記穿孔された第1及び第2の開口部に非自律的に挿入されるものであり、該挿入は手技者によって履行される、
*インプラント及び試用インプラント、であって、該インプラントは、前記開口した椎間板間隙に適したサイズ及び形状を有する構成を有し、ここで、該インプラントは、試用インプラントを前記ドリルガイド器具の細長い管状部品の端部に取り付けて、前記第1及び第2の管状ドリルガイドを前記第1及び第2のスタインマンピンの上に手技者が非自律的に挿入することによって、前記第1のスタインマンピンと前記第2のスタインマンピンとの間の前記開口した椎間板間隙に段階的な試用インプラントを手技者が非自律的に挿入し、前記開口した椎間板間隙に適したサイズ及び形状のインプラントを手技者によって非自律的に選択されるものである、なお、前記試用インプラントは、様々な設置サイズ、くさび角度及び高さを有する構成である;
前記試用インプラント(390)は、一方の側面に開口部(391)を有する構成であり、該開口部は、該試用インプラントの前記開口した椎間板間隙への挿入の深さが、前後のX線画像視野において、前記試用インプラントの該側面の該開口部が中央にくるように、手技者によって非自律的に決定されるために利用される、
*歯形カッター(45)、であって、それは、上下椎骨の下面及び上面に、第1及び第2の歯形を非自律的に切削するために手技者が使用するものであり、その使用方法は、該歯形カッターが前記ガイド器具(30)のプレートに取り付けられ、それを、前記穿孔された第1及び第2の開口部に非自律的に挿入された前記第1及び第2のスタインンピンの上に非自律的に挿入することで、前記第1のスタインマンピンと第2のスタインマンピンとの間の開口した椎間板間隙に該歯形カッター(45)を非自律的に挿入され、次いで、該歯形カッターを使い、それぞれ上下椎骨の下面及び上面に、該第1及び第2の歯形を手技者によって非自律的に切削するというものである、なお、前記第1及び第2の歯形は、それぞれ選択されたインプラントの頂面及び底面の歯形に対応する構成をもつ;
ここで、歯形カッターは、該歯形カッターの第1側及び第2側上に第1及び第2の基準円(46)を有する構成をもち、該基準円は、該開口した椎間板間隙への該歯形カッターの挿入深さを非自律的に決定するために利用され、前後のX線画像視野において、該歯形カッターの該第1側及び第2側上の該第1及び第2の基準円(46)が非自律的にそれぞれ位置合わせされるように利用される、
*ここで、前記歯形カッターは、前記開口した椎間板間隙から手技者によって取り外しされ、前記選択されたインプラントは、前記ガイド器具のプレートに手技者によって取り付けされ、そして前記第1及び第2のスタインマンピンの上に手技者によって挿入され、前記選択されたインプラント(100)は、前記第1のスタインマンピンと第2のスタインマンピンとの間の椎間板間隙に手技者によって挿入されるように利用される、キット。
【請求項7】
手技者による、側方アプローチを経て、隣接する上下椎骨の間の開口した椎間板間隙中への、椎間板代替え物の挿入用のシステムであって、該システムは、以下を含む:
*試用インプラント、であって、該試用インプラント(90)は、前記開口した椎間板間隙への挿入に適したサイズ及び形状に構成され、該試用インプラントは、様々な設置サイズ、くさび角度及び高さを有する構成をもち、この試用インプラントは選択されたインプラントを非自律的に得るために利用される;
*試用インプラント(90)のその直方体形状の対側面にあたる第1側及び第2側上の第1及び第2の基準円(91)、であって、該第1及び第2の基準円は、前記試用インプラントの前記開口した椎間板間隙への挿入の深さを非自律的に決定のために利用され、前後のX線画像視野において、試用インプラントの該第1側及び第2側上の該第1及び第2の基準円が非自律的にそれぞれ位置合わせされるように利用される、;
*ガイド器具(30)、であって、それは、それぞれ上椎骨及び下椎骨に配置された穿孔された第1及び第2の開口部を非自律的に生成するために手技者によって使用されものであり、該ガイド器具は、ロッド(31)と、該ロッドの遠位端に取り付けられた第1及び第2の基準開口部(33,34)を有するプレートとを備える構成であり、該第1及び第2の基準開口部は、上下椎骨にドリルで各々該第1及び第2の開口部を非自律的に穿孔するために手技者よって使用されるものである;
*第1及び第2のスタインマンピン(36a、36b)、であって、該第1及び第2のスタインマンピン(36a、36b)は、それぞれ前記穿孔された第1及び第2の開口部に非自律的に挿入されるものであり、該挿入は手技者によって履行される、
*歯形カッター(45)、であって、それは、上下椎骨の下面及び上面に、第1及び第2の歯形を非自律的に切削するために手技者が使用するものであり、その使用方法は、該歯形カッターが前記ガイド器具(30)のプレートに取り付けられ、それを、前記穿孔された第1及び第2の開口部に非自律的に挿入された前記第1及び第2のスタインンピンの上に非自律的に挿入することで、前記第1のスタインマンピンと第2のスタインマンピンとの間の開口した椎間板間隙に該歯形カッター(45)を非自律的に挿入され、次いで、該歯形カッターを使い、それぞれ上下椎骨の下面及び上面に、該第1及び第2の歯形を手技者によって非自律的に切削するというものである、
なお、前記第1及び第2の歯形は、それぞれ、選択されたインプラントの頂面及び底面の歯形に対応する構成をもつ;
ここで、歯形カッターは、該歯形カッターの第1側及び第2側上に第1及び第2の基準円(46)を有する構成をもち、該基準円は、該開口した椎間板間隙への該歯形カッターの挿入深さを非自律的に決定のために利用され、前後のX線画像視野において、該歯形カッターの該第1側及び第2側上の該第1及び第2の基準円(46)が非自律的にそれぞれ位置合わせされるように、手技者によって利用される、
*ここで、前記歯形カッターは、前記開口した椎間板間隙から手技者によって取り外しされ、前記選択されたインプラントは、前記ガイド器具のプレートに手技者によって取り付けされ、そして前記第1及び第2のスタインマンピンの上に手技者によって挿入され、前記選択されたインプラント(100)は、前記第1のスタインマンピンと第2のスタインマンピンとの間の椎間板間隙に手技者によって挿入されるように利用される、
システム。
【請求項8】
手技者による、側方アプローチを経て、隣接する上下椎骨の間の開口した椎間板間隙中への、椎間板代替え物の挿入用のシステムであって、該システムは、以下を含む:
*センタリングブローチ器具(300、86)、であって、該センタリングブローチ器具は、前記開口した椎間板間隙に手技者によって非自律的に挿入されるものであり、該センタリングブローチ器具は、細長いシャフトと、該細長いシャフトの遠位端に取り付けられたブローチ(86)とを備え、該ブローチの近位端は、停止終板を備え、前記細長いシャフトは、横方向中心を非自律的に確立するために使用される第1及び第2の位置合わせピン(302a、302b)を備え、前記ブローチは、前記停止終板が前記上下椎骨の側面に対して停止するまで、前記開口した椎間板間隙に非自律的に入れられる構成を持つ、
*ドリルガイド器具、であって、該ドリルガイド器具は、細長い管状部品と、ここで、該細長い管状部品は、前記ブローチの細長いシャフト上を非自律的に摺動するように構成される、及び該細長い管状部品の遠位端を囲む第1及び第2の管状ドリルガイドとを備える構成を有し、該ドリルガイド器具は、該ドリルガイド器具を使い前記第1及び第2の管状ドリルガイドを通して前記上下椎骨に手技者によって非自律的に穴を開け、そして、それぞれ前記上下椎骨に位置する第1及び第2の開口部を非自律的に生成するために使用される、
*第1及び第2のスタインマンピン(36a、36b)、であって、該第1及び第2のスタインマンピン(36a、36b)は、それぞれ前記穿孔された第1及び第2の開口部に非自律的に挿入されるものであり、該挿入は手技者によって履行される、
*インプラント及び試用インプラント、であって、該インプラントは、前記開口した椎間板間隙に適したサイズ及び形状を有する構成を有し、ここで、該インプラントは、試用インプラントを前記ドリルガイド器具の細長い管状部品の端部に取り付けて、前記第1及び第2の管状ドリルガイドを前記第1及び第2のスタインマンピンの上に手技者が非自律的に挿入することによって、前記第1のスタインマンピンと前記第2のスタインマンピンとの間の前記開口した椎間板間隙に段階的な試用インプラントを手技者が非自律的に挿入し、前記開口した椎間板間隙に適したサイズ及び形状のインプラントを手技者によって非自律的に選択されるものである、なお、前記試用インプラントは、様々な設置サイズ、くさび角度及び高さを有する構成である;
前記試用インプラント(390)は、一方の側面に開口部(391)を有する構成であり、該開口部は、該試用インプラントの挿入の深さが、前後のX線画像視野において、前記試用インプラントの該側面の該開口部が中央にくるように、手技者によって非自律的に決定されるために、利用される、
*歯形カッター(45)、であって、それは、上下椎骨の下面及び上面に、第1及び第2の歯形を非自律的に切削するために手技者が使用するものであり、その使用方法は、該歯形カッターが前記ガイド器具(30)のプレートに取り付けられ、それを、前記穿孔された第1及び第2の開口部に非自律的に挿入された前記第1及び第2のスタインンピンの上に非自律的に挿入することで、前記第1のスタインマンピンと第2のスタインマンピンとの間の開口した椎間板間隙に該歯形カッター(45)を非自律的に挿入され、次いで、該歯形カッターを使い、それぞれ上下椎骨の下面及び上面に、該第1及び第2の歯形を手技者によって非自律的に切削するというものである、
なお、前記第1及び第2の歯形は、それぞれ、選択されたインプラントの頂面及び底面の歯形に対応する構成をもつ;
ここで、歯形カッターは、該歯形カッターの第1側及び第2側上に第1及び第2の基準円(46)を有する構成をもち、該基準円は、該開口した椎間板間隙への該歯形カッターの挿入深さを非自律的に決定のために利用され、前後のX線画像視野において、該歯形カッターの該第1側及び第2側上の該第1及び第2の基準円(46)が非自律的にそれぞれ位置合わせされるように、手技者によって利用される、
*ここで、前記歯形カッターは、前記開口した椎間板間隙から手技者によって取り外しされ、前記選択されたインプラントは、前記ガイド器具のプレートに手技者によって取り付けされ、そして前記第1及び第2のスタインマンピンの上に手技者によって挿入され、前記選択されたインプラント(100)は、前記第1のスタインマンピンと第2のスタインマンピンとの間の椎間板間隙に手技者によって挿入されるように利用される、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[同時係属中の関連出願の相互参照]
本出願は、2017年5月22日に出願された、「SYSTEM AND METHOD FOR SPINAL DISCREPLACEMENT SURGERY VIA A LATERAL APPROACH」と題する米国仮特許出願第62/509,348号の利益を主張する。この米国仮特許出願の内容は、引用することにより明示的に本明細書の一部をなす。
【0002】
本発明は、椎間板置換手術のためのシステム及び方法に関し、特に、側方アプローチによる椎間板置換手術に関する。
【背景技術】
【0003】
1つ以上の個々の椎骨及び/又は椎間板が疾患又は傷害のいずれかの結果異常を来すと、脊椎の障害が発生する。椎間板が異常を来す場合、通常、変性した椎間板は外科的に取り除かれて、椎間インプラント装置で置換される。
【0004】
罹患した椎間板の除去及び椎間インプラントによる置換への一般的なアプローチは、通常、後方又は前方のアプローチにより行われる。椎間板置換手術は、通常、最初に後部神経要素を減圧して、直接後方アプローチ、又は経椎弓根アプローチ、又は後側方若しくは経椎間孔のアプローチのいずれかによってアクセスする後部椎弓切除術を含む。後方の露出後、椎間板を取り除き、後側方アプローチにより又は側方経椎間孔アプローチにより挿入されたインプラント装置で置換する。開放椎弓切除術は椎間板隙の露出を提供するが、現在のインプラント装置のサイズが大きいため、しばしば、インプラント装置の挿入中に硬膜及び神経根の傷害を避けることが技術的に困難になる。また、大規模な露出は、神経要素及び脊髄を挿入中の直接的な機械的傷害又は覆っている軟部組織による術後の瘢痕のリスクにさらす。瘢痕は、脊椎手術後も患者の背中及び下肢の痛みが継続する脊椎手術後疼痛症候群(failedback syndrome)の主な原因と考えられている。後方インプラント装置による神経傷害を避けるため、一部の外科医は脊椎に前方からアプローチすることを選択し、これにより、神経組織を露出することなく椎間板及び椎骨を直接除去することができる。また、腹膜又は後腹膜のアプローチにより、椎体及び椎間板を前方から取り除くこともできる。現在、前方アプローチがより一般的であり、椎間板置換装置を埋め込むための標準的なアプローチになりつつあるが、それでも大手術を必要とする。
【0005】
体の奥深くにある病変を治療するための従来の直視下手術後の患者の予後不良に関わることが知られている、切開のサイズ、広範囲の筋肉の剥離、視覚化のための筋肉の収縮の延長、神経組織の収縮及び傷害の回避、並びに除神経及び脈管切除を制限する装置類、器材類、及び種々の方法の開発が必要とされるという共通認識が外科医の間で高まりつつある。多くの場合、これらの合併症は、永久的な瘢痕、及び当初の病気による疼痛よりも重度となり得る疼痛に結び付く。手術時間、全身麻酔時間、及び回復時間に加えてこれらの合併症を制限することは、本発明及び経皮的又は低侵襲手術の目的の1つである。本発明は、外来手術における低露出手術(LES:lessexposure surgery)の原則(principles)に準拠する椎間板置換手術のニーズに対処し、このニーズには、切開のサイズの最小化、広範囲の筋肉の剥離の最小化、視覚化のための筋肉の収縮延長の最小化、及び神経組織の収縮及び傷害を防止することが含まれる。
【0006】
現在の椎間板置換装置はサイズ及び形状が固定されており、これらの装置を経皮的に挿入するための技術(例えば、Foleyet al.による特許文献1及び特許文献2)が現在開発されているが、これらの椎体間装置のサイズ及び形状が固定されているため、椎間板隙にアクセスするための伸延器具及び技術が依然として必要であり、前方配置の場合には直視下手術、及び後方手技の場合には限られた開放曝露を必要とする。これらの椎間板置換装置の大部分は、一部の動作を制限する制約された装置から、全ての平面での動作を伴う完全に制約のない装置まで、異なる平面での様々な運動度を伴うボール及びソケット(ball-and-socket)の関節動作原理に基づいて設計される。しかしながら、これらの装置は、主に形状及びサイズが固定されているため、経皮的アクセスが不可能であり、個別の関節部品として挿入される必要があり、椎間板隙を開くため伸延器具及び技術が必要であり、それらの装置を椎骨終板に固定しなくてはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第5,792,044号
【文献】米国特許第5,902,231号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、低侵襲手術(MIS:minimally invasive surgery)によって挿入され得て、脊椎の可動性を維持することができる椎間インプラント装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、椎間板置換手術のためのシステム及び方法に関し、特に、側方アプローチによる椎間板置換手術に関する。本発明はまた、側方アプローチ椎間板置換手術により挿入されるように設計されている椎間板置換装置に関する。
【0010】
概して、一態様では、本発明は、以下を含む椎間板置換方法を特徴とする。まず、患者の腹斜筋を横方向に沿って切開し、隣接する上下椎骨の間にある椎間板に側方アプローチでアクセスする。次に、椎間板の線維輪(annulus fibrosus)を通して切開を行い、椎間板の髄核を取り除いて、開口した椎間板隙を生成する。次に、段階的な試用インプラントを開口した椎間板隙に挿入することにより、該開口した椎間板隙に適したサイズ及び形状のインプラントを決定して選択する。ここで、試用インプラントは、様々な設置サイズ、くさび角度及び高さを有する。次に、前後のX線画像視野において、試用インプラントの第1側及び第2側上の第1及び第2の基準円がそれぞれ位置合わせされるように、試用インプラントの深さを決定する。次に、ロッドと、ロッドの遠位端に取り付けられた、第1及び第2の基準開口部を備えるプレートとを備えるガイド器具を使用して、該第1及び第2の基準開口部を通して上下椎骨に穴を開けることによって、それぞれ上椎骨及び下椎骨に配置された第1及び第2の開口部を生成する。ここで、第1及び第2の開口部は、患者の解剖学的構造に基づいて選択された深さを有する。次に、第1及び第2のスタインマンピンをそれぞれ第1及び第2の開口部に挿入する。次に、ガイド器具のプレートに歯形カッターを取り付けて、該プレートの第1及び第2の基準開口部を第1及び第2のスタインマンピンの上に挿入することによって、第1のスタインマンピンと第2のスタインマンピンとの間の開口した椎間板隙に歯形カッターを挿入し、次いで、それぞれ上下椎骨の下面及び上面に第1及び第2の歯形を切削する。ここで、第1及び第2の歯形は、それぞれ、選択されたインプラントの頂面及び底面の歯形に対応する。次に、開口した椎間板隙から歯形カッターを取り外し、選択されたインプラントをガイド器具のプレートに取り付けて、該プレートの第1及び第2の基準開口部を第1及び第2のスタインマンピンの上に挿入することによって、選択されたインプラントを第1のスタインマンピンと第2のスタインマンピンとの間の椎間板隙に挿入する。
【0011】
本発明のこの態様の実施には、以下の特徴の1つ以上が含まれ得る。方法は、前記切開を行う前に、前記患者を手術台上で側臥位に配置することを更に含むことができる。方法は、やすりを使用して、前記上椎骨の下終板及び前記下椎骨の上終板を整えることを更に含むことができる。方法は、前記開口した椎間板隙、並びに前記上椎骨の下終板及び前記下椎骨の上終板から任意の骨棘又は骨増殖体を取り除くことを更に含むことができる。前後のX線画像視野において、前記歯形カッターの第1側及び第2側上の第1及び第2の基準円がそれぞれ位置合わせされるように定められた深さで前記歯形カッターを挿入する。方法は、前記第1及び第2のスタインマンピンの上に挿入器を通過させ、該挿入器を前記スタインマンピンに固定し、前記選択されたインプラントを前記挿入器の前進部に接続し、該挿入器の前進部を前進させることによって前記選択されたインプラントを前記開口した椎間板隙に挿入することを更に含むことができる。方法は、平行伸延器具を用いて、前記開口した椎間板隙を均等に左右に伸延することを更に含むことができる。前記歯形カッターは、ハーフレールカッターを含む。方法は、前記ハーフレールカッターを前記開口した椎間板隙に挿入した後、該ハーフレールカッターを取り外し、該ハーフレールカッターに対応するフルレールカッターを挿入することを更に含むことができる。
【0012】
概して、別の態様では、本発明は、以下を含む椎間板置換方法を特徴とする。まず、患者の腹斜筋を横方向に沿って切開し、隣接する上下椎骨の間にある椎間板に側方アプローチでアクセスする。次に、椎間板の線維輪を通して切開を行い、椎間板の髄核を取り除いて、開口した椎間板隙を生成する。次に、開口した椎間板隙にセンタリングブローチ器具を挿入する。ここで、センタリングブローチ器具は、細長いシャフトと、細長いシャフトの遠位端に取り付けられたブローチとを備え、ブローチの近位端は、停止終板を備え、細長いシャフトは、横方向中心を確立するために使用される第1及び第2の位置合わせピンを備え、ブローチは、停止終板が上下椎骨の側面に対して停止するまで、開口した椎間板隙に入れられる。次に、上記ブローチの細長いシャフトの上を摺動するように構成された細長い管状部品と、該細長い管状部品の遠位端を囲む第1及び第2の管状ドリルガイドとを備えるドリルガイド器具を使用し、該第1及び第2の管状ドリルガイドを通して上下椎骨に穴を開けることによって、それぞれ上下椎骨に位置する第1及び第2の開口部を生成する。ここで、上記第1及び第2の開口部は、透視画像下で見られるように、患者の解剖学的構造に基づいて選択された深さを有する。次に、第1及び第2のスタインマンピンをそれぞれ第1及び第2の開口部に挿入する。次に、試用インプラントをドリルガイド器具の細長い管状部品の端部に取り付けて、第1及び第2の管状ドリルガイドを第1及び第2のスタインマンピンの上に挿入することによって、第1のスタインマンピンと第2のスタインマンピンとの間の開口した椎間板隙に段階的な試用インプラントを挿入することで、開口した椎間板隙に適したサイズ及び形状のインプラントを決定し選択する。ここで、試用インプラントは、様々な設置サイズ、くさび角度及び高さを有する。次に、前後のX線画像視野において、試用インプラントの側面の開口部がそれぞれ中央にくるように、試用インプラントの深さを決定する。次に、歯形カッターをドリルガイド器具の細長い管状部品の端部に取り付けて、第1及び第2のスタインマンピンの上に第1及び第2の管状ドリルガイドを挿入することによって、第1のスタインマンピンと第2のスタインマンピンとの間の開口した椎間板隙に歯形カッターを挿入し、次いで、それぞれ上下椎骨の下面及び上面で第1及び第2の歯形を切削する。ここで、第1及び第2の歯形は、それぞれ、選択されたインプラントの頂面及び底面の歯形に対応する。次に、開口した椎間板隙から歯形カッターを取り外し、選択されたインプラントをドリルガイド器具の細長い管状部品の端部に取り付けて、第1及び第2のスタインマンピンの上に第1及び第2の管状ドリルガイドを挿入することによって、選択されたインプラントを第1のスタインマンピンと第2のスタインマンピンとの間の椎間板隙に挿入する。
【0013】
概して、別の態様では、本発明は、細長いシャフトと、該細長いシャフトの遠位端に取り付けられたブローチとを備える、センタリングブローチ器具を特徴とする。前記ブローチの近位端は、停止終板を備え、前記細長いシャフトは、近位端に接続機構と、横方向中心を確立するために使用される第1及び第2の位置合わせピンとを備える。
【0014】
本発明のこの態様の実施には、以下の特徴の1つ以上が含まれ得る。前記接続機構は、円筒形、球形、又は多角形の形状の1つを有する。前記ブローチは、三角形の切削遠位端を有する細長い平行六面体を備える。前記停止終板は、該停止終板の頂面及び/又は底面から伸びる1つ以上のフィンガーを備え、該フィンガーは、前記センタリングブローチの挿入部位の横方向中心を測定するために使用される。センタリングブローチ器具は、細長い管状シャフトと、第1及び第2管状部品と、停止プレートとを備えるスタインマンピンガイド器具を更に備え、前記細長い管状シャフトは、前記センタリングブローチ器具(tool)の細長いシャフトの上を摺動するように構成され、前記停止プレートは、前記細長い管状シャフトの遠位端から伸び、前記第1及び第2の管状部品は、ボール戻り止め機構を前記停止プレート上の対応する機構と係合させることにより該停止プレートに接続し、前記各管状部品に形成された係止歯が、前記センタリングブローチ器具の停止終板のフィンガー間の空間に係合する。
【0015】
概して、別の態様では、本発明は、細長いシャフトと、スタインマンピンインターフェース部品とを備える、インプラント挿入器具を特徴とする。スタインマンピンインターフェース部品は、中央開口部と、第1及び第2のスタインマンピンの上を通過するように構成された第1及び第2の管状部品とを備える。細長いシャフトは、スタインマンピンインターフェース部品の中央開口部を通過するように構成され、インプラントに取り付けられるように構成された遠位端を備える。
【0016】
概して、別の態様では、本発明は、脊柱内の損傷した椎間板を置換するための人工椎間板を特徴とする。該人工椎間板は、前記脊柱の第1の椎骨と係合可能な外側と内側とを有する第1のプレートと、前記脊柱の第2の椎骨と係合可能な外側と内側とを有する第2のプレートと、前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に配置された弾性コアとを備え、該弾性コアは、前記第1及び第2のプレートの前記内側に固定的に接続され、ウレタンシリコンブレンド材料を含む。
【0017】
本発明のこの態様の実施には、以下の特徴の1つ以上が含まれ得る。前記第1及び第2のプレートは、ポリマー材料で作られている。前記第1及び第2のプレートは、細長い楕円形であり、前記第1及び第2の椎骨にそれぞれ適合するようにドーム状である又は湾曲している。前記第1及び第2のプレートは、インプラント挿入器具による係合のため、それぞれ、前記楕円形プレートの周辺リムの頂端に形成された第1及び第2の凹部を備える。
【0018】
図面を参照して、同様の符号は幾つかの図面にわたって同様の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1-1】図1A:側方アプローチ手術により挿入されるように設計されている椎間板置換装置の斜視図である。図1B図1Aの椎間板置換装置の正面図である。
図1-2】図1C図1Aの椎間板置換装置の上面図である。図1D図1Aの椎間板置換装置の側方(側面)図である。
図2-1】図2A:側方アプローチ手術により挿入されるように設計されている別の実施形態の椎間板置換装置の斜視図である。図2B図2Aの椎間板置換装置の正面図である。
図2-2】図2C図2Aの椎間板置換装置の上面図である。図2D図2Aの椎間板置換装置の側方(側面)図である。
図3】本発明による、側方アプローチによる椎間板置換手術中の患者の位置を示す図である。
図4】本発明による、側方アプローチによる椎間板置換手術のアクセス及び実施の進入点及び方向を示す図である。
図5-1】本発明による、側方アプローチによる椎間板置換手術の工程の概略図である。
図5-2】同上
図5-3】同上
図5-4】同上
図5-5】同上
図6-1】本発明による、側方アプローチによる別の実施形態の椎間板置換手術の工程の概略図である。
図6-2】同上
図7-1】本発明による、側方アプローチによる別の実施形態の椎間板置換手術の工程の概略図である。
図7-2】同上
図7-3】同上
図7-4】同上
図8】本発明による、側方アプローチによる椎間板置換手術で使用される挿入器具を示す図である。
図9-1】本発明による、側方アプローチによる別の実施形態の椎間板置換手術の工程の概略図である。
図9-2】同上
図9-3】同上
図9-4】同上
図9-5】同上
図9-6】同上
図9-7】同上
図9-8】同上
図10-1】本発明による、側方アプローチによる椎間板置換手術で使用されるセンタリングブローチ器具を示す図である。
図10-2】同上
図10-3】同上
図10-4】同上
図11-1】本発明による、側方アプローチによる椎間板置換手術で使用される試用インプラント挿入器具を示す図である。
図11-2】同上
図12-1】本発明による、側方アプローチによる椎間板置換手術で使用されるカッター挿入器具を示す図である。
図12-2】同上
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、側方アプローチによる椎間板置換手術のためのシステム及び方法に関する。本発明はまた、側方アプローチ椎間板置換手術により挿入されるように設計されている椎間板置換装置に関する。
【0021】
図6C及び図1Bを参照すると、椎間板置換装置100は、患者の脊柱80内の損傷した又は変性した椎間板を置換する。椎間板置換装置100は、脊柱80の上部椎骨82と下部椎骨84との間に配置される。椎間板置換装置100は、脊柱80の腰部の損傷した椎間板の置換に特に有利であるが、椎間板置換装置100を、患者の脊柱の頸部の損傷した椎間板を置換するために利用することができる。
【0022】
図1A図1Dを参照すると、椎間板置換装置100は、上部プレート110及び下部プレート130と、ポリマー材料で形成された弾性コア又は中央部120とを備える。弾性コア120は、ウレタンシリコンブレンドで作られている。しかしながら、弾性コア120は、所望の場合には異なる材料で形成されてもよいことが企図される。材料の固体片で形成されているコア120が図1Aに示される。他の実施形態では、コア120は円筒形の中央開口部又は通路を有する。コア内の通路は任意の所望の形状を有してもよく、凹部を画定するようにコア120を通って伸長しないことが企図される。この実施形態では、図1Dに示すように、コア120の上側124及び下側126は傾斜しており、主Y軸62に対してそれぞれ角度63及び64をなす。角度63及び64は、0度~60度の範囲であってもよい。
【0023】
上部プレート110及び下部プレート130は、コア120の対向する側面124及び126に固定的に接続されている。上部プレート110及び下部プレート130は、コア120の上側124及び下側126に対して摺動又は移動することが妨げられている。上部プレート110及び下部プレート130は、金属、具体的にはチタンで形成されている。しかしながら、上部プレート110及び下部プレート130は、他の生体適合性材料で形成されてもよい。例えば、上部プレート110及び下部プレート130は、ポリマー材料で形成されてもよい。図1Bに示すように、上部プレート110は上部椎骨82に係合する。同様に、下部プレート130は下部椎骨84に係合する。上部プレート110及び下部プレート130は同じ構造を有するが、それらのプレートは、所望の場合には異なる構造を有してもよい。
【0024】
上部プレート110及び下部プレート130には、上部椎骨82と下部椎骨84との間からの椎間板置換装置100の排出に抵抗する機構が設けられてもよいことが企図される。上部椎骨82と下部椎骨84との間からの椎間板置換装置100の排出に抵抗する機構は、歯、フィン、スクリュー、プレート、又は突条部であってもよい。椎骨82と椎骨84との間からの椎間板置換装置100の排出に抵抗する機構は、上部プレート110及び下部プレート130と1つの部品として一体に形成されてもよい。あるいは、椎骨82と椎骨84との間からの椎間板置換装置100の排出に抵抗する機構は、上部プレート110及び下部プレート130とは別に形成されて、上部プレート及び下部プレートに接続されてもよい。上部椎骨82と下部椎骨84との間からの椎間板置換装置100の排出に抵抗するために使用され得る多くの機構のいくつかの実例は、米国特許第5,534,030号、同第6,607,558号及び同第7,128,761号、並びに米国特許出願公開第2014/0316524号に説明され、引用することによりそれらの内容の全体が本明細書の一部をなす。同じ上部プレート110及び下部プレート130は、更に排出に抵抗するため、それぞれ上部椎骨82及び下部椎骨84に適合するようにドーム状であるか又は湾曲している。しかしながら、上部プレート110及び下部プレート130は、一般的には平坦な構造を有し得る。所望の場合には、上部プレート110及び下部プレート130は、プレートへの骨内部成長を促進するため、骨界面側にコーティング又は表面処理が行われてもよい。
【0025】
図示される上部プレート110及び下部プレート130は、円形の中央開口部112及び132(図示せず)を有する。開口部112及び132は、弾性コア120を通る円筒状の開口部又は通路と軸方向に位置を合わせることができる。所望の場合には、上部プレート110及び下部プレート130の開口部112及び132を省略してもよく、又は開口部を閉じるための部材を収納してもよい。あるいは、上部プレート110及び下部プレート130の開口部112及び132は、図示される円形の構成以外の構成を有してもよい。同様に、弾性コア120を通る円筒状開口部は除去されてもよく、又は図示される円筒状構成以外の構成を有してもよい。
【0026】
上部プレート110及び下部プレート130は、それぞれ主X軸61に沿って伸びる略楕円形の構成を有する。上部プレート110の外側114は、上部椎骨82の解剖学的構造に適合し、上部椎骨82と下部椎骨84との間からの椎間板置換装置100の排出に抵抗するようにドーム状である。この実施形態では、上部プレート110の内側116は、コア120の上側124の曲率に一致するように湾曲し傾斜している。他の実施形態では、上部プレート110の内側116は、コア120の上側124と一致するように平坦である。内側116の曲率中心は、所望の場合には、外側114の曲率中心からずらすことができる。
【0027】
同様に、下部プレート130の外側134は、下部椎骨84の解剖学的構造に適合し、上部椎骨82と下部椎骨84との間からの椎間板置換装置100の排出に抵抗するように湾曲している。この実施形態では、下部プレート130の内側136は、コア120の下側126の曲率に一致するように湾曲して傾斜している。他の実施形態では、下部プレート130の内側136は、コア120の下側126の平坦な表面と一致するように平坦である。内側136の曲率中心は、所望の場合には、外側134の曲率中心からずらすことができる。
【0028】
図1A図1Dの実施形態では、上部プレート110の外側114は、楕円形の上部プレート110の長軸61に沿って伸びる2つの平行な列142a、144aに配置された歯型形状機構140を有する。同様に、下部プレート130の外側134は、楕円形の下部プレート130の長軸61に沿って伸びる2つの平行な列142b、144bに配置された歯型形状機構140を有する。この実施形態では、歯140は、図1Bに示すように、インプラント挿入方向60とは反対の方向に向かって傾斜している。他の実施形態では、外側114及び134はそれぞれ、3列以上の歯型形状機構140を備える。
【0029】
弾性コア120のポリマー材料は、それぞれ上部プレート110及び下部プレート130の内側116、136にしっかりと接着されている。この接着は、コアをプレート110、130に成形することにより達成され得る。接着は、弾性コア120の上側及び下側の材料を加熱、或いは軟化させ、弾性コアの軟化した側面を上部プレート110及び下部プレート130の内側116、136にそれぞれしっかりと押し付けることによって行われ得ることが企図される。所望の場合には、接着剤を使用して、弾性コア120と上部プレート110及び下部プレート130の内側116、136をそれぞれしっかりと相互接続してもよい。
【0030】
図1A図1Dのこの実施形態では、上部プレート110及び下部プレート130は、弾性コアの長さよりも長く、コアの前部及び後部を越えて伸びる。他の実施形態では、上部プレート110及び下部プレート130は、以下に記載するように、弾性コアと略同じ長さを有し、コアの前部及び後部を越えて伸びない。更に他の実施形態では、上部プレート110及び下部プレート130は、弾性コア120の幅よりも広く、コアの左側及び右側を越えて伸びる。一例では、上部プレート110及び下部プレート130は、30mm~70 mmの範囲の長さ102、10 mm~40 mmの範囲の幅103、及び1 mm~10 mmの範囲の厚さを有する。弾性コア120は、30 mm~70mmの範囲の長さ、10 mm~40 mmの範囲の幅、及び6 mm~22 mmの範囲の厚さを有してもよい。一例では、コアの左側の弾性コアの厚さ104aは6 mm~22mmの範囲であり、コアの右側の弾性コアの厚さ104bは6 mm~22 mmの範囲である。
【0031】
上部椎骨82と下部椎骨84との間での椎間板置換装置100の位置決めを容易にするため、細長い楕円形の上部プレート110及び下部プレート130の周辺リムの頂端に凹部118及び138がそれぞれ形成される。凹部118及び138には、挿入器具による係合のため、それぞれ開口部119及び139が設けられる。挿入器具類は、米国特許第7,128,761号に開示されるものと同じ構造を有する。しかしながら、椎間板置換装置100を上部椎骨82と下部椎骨84との間に挿入するために、異なる構造を有する挿入器具が利用され得ることを理解されたい。
【0032】
図2A図2Dを参照すると、別の実施形態では、椎間板置換装置200は、上部プレート210及び下部プレート230と、ポリマー材料で形成された弾性コア又は中央部220とを備える。この実施形態では、上部プレート210及び下部プレート230は、コア220と略同じ長さ及び同じ幅を有する。一例では、上部プレート及び下部プレートは、30mm~70 mmの範囲の長さ202、10 mm~40 mmの範囲の幅203、及び1 mm~10 mmの範囲の厚さを有する。弾性コア220は、30 mm~70mmの範囲の長さ、10 mm~40 mmの範囲の幅、及び6 mm~22 mmの範囲の厚さを有してもよい。一例では、コアの左側の弾性コアの厚さ204aは6 mm~22mmの範囲であり、コアの右側の弾性コアの厚さ204bは6 mm~22 mmの範囲である。この実施形態では、上部プレート210及び下部プレート230の頂面に形成される歯240は傾斜していない。さらに、タブ218及び238は、細長い楕円形の上部プレート210及び下部プレート230のそれぞれの周辺リムの2つの頂端のうちの1つからそれぞれ伸びる。挿入器具による係合のため、タブ218及び238には、それぞれ開口部219及び239が設けられる。他の実施形態では、細長い楕円形の上部プレート210及び下部プレート230のそれぞれの周辺リムの両方の頂端からタブが伸びる。
【0033】
手術中、図3に示すように、患者は手術台上で側臥位に配置され、この側位で前後及び横方向の透視像を撮像する。患者と手術台との間に柔らかい支持体を使用して、患者の位置の維持を補助してもよい。柔軟な手術台を使用し、患者の腸骨稜が手術台の中断部(tablebreak)の上にくるように患者を配置することを推奨する。患者の脇腹を開くため、わずかな屈曲が適用される場合がある。次に、図4に示される軸20に沿って手術部位にアクセスするために切開が行われる。切開は、椎間板隙の前方3分の1が標的となるように行われる。腹斜筋を鈍的切開で分離して後腹膜腔に入る。腹膜を人差し指で前方に動かし、鈍的切開を続けて腰筋まで触診する。次に、図5Aに示すように、正しい椎間板隙を特定した後、椎間板83の線維輪を通して切開が作られ、標準的な外科技術及び器具類86を使用して髄核を除去する。図5Bに示すように、任意の骨棘又は骨増殖体も取り除き、次いでやすり85を使用して、脊椎インプラント用に上下終板を整える。次の工程では、図5Cに示すように、開口した椎間板隙に段階的な試用インプラント90を挿入することにより、適切なサイズ及び形状のインプラントを決定する。この工程では、様々な椎間板の構成をシミュレートするため、様々な設置サイズ、ウェッジ角度及び高さの試用椎間板インプラント90を椎間板隙に挿入する。試用椎間板インプラント90を、骨増殖体について特に懸念がある上椎体の前縁のおよそ2mm-3 mm内側に入れる。図5Cに示される、前後(AP)視野において椎間板インプラント90上の基準円91が各椎体の中点基準線の交点で位置合わされるか又はその背側になるように、試用深さを選択する。試用インプラントは、外側終板表面の2/3及び3/4、並びにAP表面の3/4を覆う必要がある。次の工程では、椎骨終板において歯形を切削し、椎間板インプラントを挿入するプロセスで使用される基準点を作成する。図5Dを参照すると、試用ガイド器具30が椎間板開口部の上に配置されている。試用ガイド器具30は、ロッド31と、ロッド31の遠位端に取り付けられたプレート32とを備える。プレート32は、スタインマンピンの穴あけ及び位置決めのためのガイドとして使用される2つの基準開口部33、34を有する。図5Eに示すように、ガイド基準開口部33、34を通して(through)ドリルを使用し、隣接する上椎骨82及び下椎骨84にそれぞれ開口部を穿孔する。穿孔される開口部の深さは、患者の解剖学的構造に基づいて選択される。次に、図5Fに示すように、試用ガイド30を取り外し、スタインマンピン36a、36bを穿孔された開口部に挿入する。次の工程では、図5Gに示すように、選択された試用インプラント90を試用ガイド30の端部に取り付け、スタインマンピン36a、36bの上で椎間板隙に挿入する。次に、図5Jに示すように、使用インプラント90を取り外し、歯形カッター45を試用ガイド30の端部に取り付け、スタインマンピン36a、36bの上で椎間板隙に挿入して、それぞれ、上部椎骨82及び下部椎骨84の表面でインプラントの歯形に対応する歯形を切削するために使用する。前後(AP)視野において、歯カッター45上の基準円46を各椎体の中点基準線の交点で位置合わせするか又はその背側になるように、歯カッターの深さを選択する。最後に、図5I(5H)に示すように、歯カッター45を取り外し、選択されたインプラント100を試用ガイド30の端部に取り付け、スタインマンピン36a、36bの上で椎間板隙に挿入する。
【0034】
いくつかの実施形態では、図6Aに示すように、インプラントの正しい配置を確保するため、挿入器55をスタインマンピン36a、36b上に通す。次いで、スタインマンピンナット挿入器を使用して、スタインマンピンナットを挿入器55の上に挿入して、構造物を固定し、正確な配置を確保する。挿入器55をロックすることは、インプラントが挿入される際に椎間板隙を伸延することにも役立つ。この場合、図6Bに示すように、インプラント100は、挿入器55の前進部57に接続され、インプラント深さの設定は、椎間板隙内の所望の横方向位置にインプラントが位置するように調整される。インプラントが適切な場所に位置されると、挿入器55のブレード56a、56bは自己展開し、インプラント100を所定の位置に残す。一例では、挿入器55は、図8に示すフランス国のIn'TechMedical S.A.S.によって製造された液体挿入器である。必要に応じて、図6Cに示すように、除去器具50の先端をインプラント100の凹部118、138に接続し、次いで、インプラントが解放されるまで除去器具50に取り付けられたスラップハンマーに衝撃を与えることによりインプラント100を椎間板隙から取り除いてもよい。
【0035】
図7A図7Hを参照すると、別の実施形態では、正しい椎間板隙が特定された後、椎間板83の線維輪を通して切開が作られ、標準的な外科技術を使用して髄核を取り除く。図5Bに示すように、任意の骨棘又は骨増殖体も取り除き、次いでやすり85を使用して、脊椎インプラント用に上下終板を整える。次の工程では、図7Aに示すように、平行伸延器具60を使用して、およそ5分間にわたって均等に左右に椎間板隙を伸延する。この椎間板隙の伸展の目的は、周囲の靭帯を伸展させ、椎間板隙を自然な高さに戻すことである。十分な伸延を得ることができない場合、椎間板は後縦靭帯まで切除され、必要に応じて、輪が下方及び上方の両方で解放されて椎間板の高さを再確立することが可能になる。次の工程では、図7Bに示すように、開口した椎間板隙に段階的な試用インプラント90を挿入することにより、適切なサイズ及び形状のインプラント90が決定される。この工程では、様々な椎間板の構成をシミュレートするため、様々な設置サイズ、ウェッジ角度及び高さの試用椎間板インプラント90を椎間板隙に挿入する。試用椎間板インプラント90を、骨増殖体について特に懸念がある上椎体の前縁のおよそ2mm-3 mm内側に入れる。前後(AP)視野において、椎間板インプラント90上の基準円91が各椎体の中点基準線の交点で位置合わせされるか又はその背側になるように、試用深さを選択する。試用インプラントは、外側終板表面の2/3及び3/4、並びにAP表面の3/4を覆う必要がある。次の工程では、図7Cに示すように、選択された試用椎間板インプラント90に対応するハーフレールカッター42を、椎間板隙内に前進させる。ハーフレールカッター42を中心にして、上下椎骨の角度を二等分する適切な角度に向ける。レールカッターの目的は、挿入力を低減し、椎間板内隙にインプラントを挿入する際の後方脊椎すべり症(retrolisthesis)を回避することである。次に、図7Dに示すように、ハーフレールカッター42に対応するフルレールカッター44を椎間板隙内に前進させる。ハーフレールトラックは、フルレールカッター44の挿入をガイドする。レール切削深さは、ハーフカッター42とフルカッター44と最終インプラント100との間で、0.5mm刻みで増える。フルレールカッター44の挿入後、適切な深さを視覚的に確認し、インプラントの着座の基準としてはたらくように、横方向のX線を撮影し、モニターに保存する。レールカッター42、44は、骨をクリーニングした後に複数回使用して、より良い切削能力を提供し得る。次に、図7Eに示すように、インプラントの高さに対応する椎間板挿入器の先端を、インプラント挿入器のシャフトに軽くねじ込み、選択されたインプラント100を先端に取り付け、シャフトを回転させてインプラントをしっかりと保持する。インプラントの両側が同じであるため、どちらの側を上にしてインプラント100を挿入してもよい。次に、タンプをマルチシャフトにねじ込んだ後、インプラントの前縁に合わせる。図7Fに示すように、マレットを使用して、マルチシャフトのハンドルを静かに打ち、それによりインプラントを更に椎間板隙内にゆっくりと押し込む。インプラントを、フルレールカッターを用いて、保存されたX線と同じ位置に到達するまで、椎間板隙内に進める。必要に応じて、図7Gに示すように、除去器具50の先端をインプラント100のハンドルに接続し、次いで、インプラントが解放されるまで除去器具に取り付けられたスラップハンマーに衝撃を与えることによりインプラント100を椎間板隙から取り除いてもよい。
【0036】
図9A図9Pを参照すると、別の実施形態では、正しい椎間板隙が特定された後、椎間板83の線維輪を通して切開が作られ、標準的な外科技術を使用して髄核を取り除く。次に、図9A及び図9Bに示すように、センタリングブローチ器具300の停止終板310が椎体82、84の側面に対して停止するまで、センタリングブローチ器具300を上椎骨82と下椎骨84との間の空間に挿入する。センタリングブローチ器具300は、細長いシャフト320と、細長いシャフト320の遠位端に取り付けられたブローチ86とを備える。ブローチ86の近位端は、図9Aに示すように停止終板310を含み、以下に記載される。細長いシャフト320上の位置合わせピン302a、302bは、横方向中心を確立するために使用される。センタリングブローチ86の位置は、図9Dに示すように、透視画像下で確認される。次に、図9E及び図9Fに示すように、透視画像の読み取りに基づいてスタインマンピンドリルガイド330上に横方向中心位置を選択し、ドリルガイド330が所望の位置で止まり、ドリル開口部333、334がレーザーマーキングと並ぶまで、ドリルガイド330でブローチ器具シャフト320上を摺動させる。ドリルガイド330の位置は、透視画像下で確認される。次に、図9Gに示すように、突き錐337をスタインマンピンドリルガイド開口部333、334に挿入して、椎骨82、84のそれぞれにおいて所望の深さに達する(reached)まで衝撃が与えられる。衝撃が与えられた突き錐337の深さを透視画像下で確認する。次に、図9Hに示すように、タップ338をスタインマンピンドリルガイド開口部333、334に挿入し、椎骨82、84のそれぞれにおいて所望の深さに達するまで前進させる。前進させたタップの深さを透視画像下で確認する。次に、図9Iに示すように、スタインマンピン336a、336bを、スタインマンピンドリルガイド開口部333、334に挿入し、椎骨82、84のそれぞれにおいて所望の深さに達するまで前進させる。前進させたタップ338の深さを透視画像下で確認する。次の工程では、図9Jに示すように、選択された試用インプラント390を、試用ガイドロッド381の端部に取り付け、スタインマンピン336a、336bの上で椎間板隙に挿入する。バレル390a、390bは、試用インプラント390の上下にそれぞれずらした高さで配置される。バレル390a、390bは、椎間板隙83を伸延するのを補助し、スタインマンピンの位置が伸延を駆動する。試用インプラント390は、所望の深さが達成されるまで椎間板隙83に押し込まれる。椎間板隙83内の試用インプラント390の位置を、透視画像下で確認する。試用インプラント390の側壁の開口部391は、インプラント100の中心に対応する。次に、図9Lに示すように、試用インプラント390を取り外し、歯形カッター345をカッター挿入器ロッド371の端部に取り付けて、スタインマンピン336a、336bの上で椎間板隙に挿入し、それぞれ、上部椎骨82及び下部椎骨84の表面にインプラントの歯形に対応する歯形を切削するために使用する。バレル345a、3350(345)bは、それぞれ、歯形カッターの歯と干渉しないように、ずらした高さで歯形カッター345の頂部及び底部に位置される。歯形カッター345上のバレル345a、345bは、椎間板隙83を伸延するのを補助し、スタインマンピンの位置が伸延を駆動する。図9Mに示すように、歯形カッター345は、所望の深さが達成されるまで椎間板隙83に押し込まれる。椎間板隙83内の歯形カッター345の位置を透視撮像下で確認する。歯形カッター345の側壁の開口部346は、インプラント100の中心に対応する。最後に、図9Nに示すように、歯カッター345を取り外し、選択されたインプラント100をインプラント挿入器ロッド340の端部に取り付けて、スタインマンピン336a、336bの上で椎間板隙83に挿入する。バレル339a、339bは、それぞれインプラントの歯と干渉しないように、ずらした高さでインプラント100の頂部及び底部に位置される。インプラントガイド端部339上のバレル339a、339bは、椎間板隙83を伸延するのを補助し、スタインマンピンの位置が伸延を駆動する。インプラント100の位置を透視撮像下で確認する。最後に、図9O及び図9Pに示すように、インプラント挿入器具340をインプラント100から外して取り除き、スタインマンピンを取り外し、椎骨82、84のピン穴を生体適合性材料で満たし、縫合糸を閉じて、インプラント100を椎間板隙83に残す。
【0037】
図10A図10Fを参照すると、センタリングブローチ器具300は、細長いシャフト320とブローチ86とを備える。ブローチ310(86)は、細長いシャフト320の遠位端に取り付けられている。細長いシャフト320は、図10Bに示すように、近位端における接続機構306と、位置合わせピン302a、302bとを含む。一例では、接続機構306は正方形の形状を有する。他の例では、接続機構306は、円筒形、球形、又は多角形の形状を有する。細長いシャフト320上の位置合わせピン302a、302bは、挿入部位の横方向中心を確立するために使用される。ブローチ86は、三角形の切削正面と停止終板310とを有する細長い平行六面体を備える。停止終板310は、図10Bに示すように、頂面及び底面から伸びるフィンガー312を含む。フィンガー312は、挿入部位の横方向中心を測定するために使用される。図10Aに示すように、細長いシャフト320上をスタインマンピンガイド器具330で摺動させる。スタインマンピンガイド330は、細長い管状シャフト332と、それぞれ貫通開口部333a、334aを有する2つの接続された管状部品333、334と、停止プレート316とを含む。細長い管状シャフト332は、軸361に沿って伸び、ブローチ切削器具300の細長いシャフト320の上を摺動するような形状及び寸法であり、近位端の近くにグリップ機構304を備える。一例では、図10Aに示すように、グリップ機構304は、突条及び隆起構造を含む。停止プレート316は、軸361に垂直な平面に沿って細長い管状シャフト332の遠位端から伸びる。接続された2つの管状部品333及び334は、ボール戻り止め機構335を停止プレート316の対応する機構と係合させることにより停止プレート316に接続する。スタインマンピンガイド330は、図10Dに示すように、細長いシャフト320の縦軸361に沿って摺動するように構成され、接続された2つの管状部品333、334は、図10Eに示すように、軸362に沿って水平に摺動するように構成される。図10E及び図10Fに示すように、接続された管状部品333、334のそれぞれに形成された係止歯331は、停止終板310のフィンガー315間の空間に係合するために使用される。一例では、軸362に沿った水平方向の動きは、横方向中心から最大6mmまで伸び、水平方向の動きの増分は3 mmである。水平移動の増分は、停止フィンガー315の厚さによって決まる。停止プレート316は、接続された2つの管状部品333、334の水平方向の並進を停止するために使用されるピン313を含む。
【0038】
図11A図11Cを参照すると、試用インプラント挿入器具380は、細長いシャフト381と、スタインマンピンインターフェース部品382とを含む。細長いシャフト381は、スタインマンピンインターフェース部品382の中央開口部を通過し、その遠位端381aに試用インプラント390が取り付けられるように構成される。図9Jに示すように、スタインマンピンインターフェース部品382は、それぞれスタインマンピン336a、336bの上を摺動するような形状及び寸法の2つの管状部品382(383)、384を含む。試用インプラント390は、側壁に開口部391を含み、実際のインプラント100の頂面及び底面の形状及びテクスチャに適合するように成形及びテクスチャ加工された頂面及び底面392を有する。図12(11)A~図12(11)Cの例では、試用インプラント390は、実際のインプラント100の脊柱前湾に一致するように傾斜した頂面及び底面、弾丸型の鼻(bulletednose)395、並びに隆起構造392を備える頂面及び底面を有する。側面開口部391は、位置合わせのため使用される。
【0039】
図12A図12Cを参照すると、カッター挿入器具370は、細長いシャフト371と、スタインマンピンインターフェース部品372とを含む。細長いシャフト371は、スタインマンピンインターフェース部品372の中央開口部を通過し、その遠位端371aにカッター345が取り付けられるように構成される。図9Lに示すように、スタインマンピンインターフェース部品372は、それぞれスタインマンピン336a、336bの上を摺動するような形状及び寸法の2つの管状部品372(373)、374を含む。カッター345は、側壁に開口部346を含み、実際のインプラント100の頂面及び底面の歯形に適合するように成形された頂面347a及び底面347bを有する。図12A図12Cの例では、カッター345は、実際のインプラント100の脊柱前湾に一致するように傾斜した頂面347a及び底面347b、弾丸型の鼻349、並びに歯347を備える頂面及び底面を有する。側面開口部346は、位置合わせのため使用される。
【0040】
本発明の幾つかの実施形態が説明された。それにもかかわらず、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができることが理解されよう。したがって、他の実施形態も添付の特許請求の範囲の適用範囲内にある。
【符号の説明】
【0041】
100:インプラント
100:椎間板置換装置
110:上部プレート
112,132:中央開口部
114:上部プレート110の外側
116:上部プレート110の内側
118、138:凹部
119、139:開口部
120:弾性コア又は中央部
124、126:側面
124:コア120の上側
126:コア120の下側
130:下部プレート
134:下部プレート130の外側
136:下部プレート130の内側
140:歯
140:歯型形状機構
142a、144a:平行な列
142b、144b:平行な列
20:軸
200:椎間板置換装置
210:上部プレート
218、238:タブ
219、239:開口部
220:弾性コア又は中央部
230:下部プレート
30:試用ガイド器具
300:センタリングブローチ器具
300:ブローチ切削器具
302a、302b:位置合わせピン
304:グリップ機構
306:近位端における接続機構
31:ロッド
310:停止終板
312:フィンガー
313:ピン
315:フィンガー
316:停止プレート
32:プレート
320:ブローチ器具シャフト
320:細長いシャフト
33、34:基準開口部
330:スタインマンピンガイド
330:スタインマンピンドリルガイド
331:係止歯
332:細長い管状シャフト
333、334:ドリル開口部
333、334:管状部品
333a、334a:貫通開口部
335:ボール戻り止め機構
336a、336b:スタインマンピン
337:突き錐
338:タップ
339:インプラントガイド端部
339a、339b:バレル
340:インプラント挿入器ロッド
345:カッター
345:歯形カッター
345a、3350(345)b:バレル
346:開口部
346:側面開口部
347:歯
347a: 頂面
347b: 底面
349: 弾丸型の鼻
361:軸
361:縦軸
362:軸
36a、36b:スタインマンピン
370:カッター挿入器具
371:カッター挿入器ロッド
371:細長いシャフト
372:スタインマンピンインターフェース部品
373、374:管状部品
380:試用インプラント挿入器具
381:細長いシャフト
381:試用ガイドロッド
382:スタインマンピンインターフェース部品
383、384:管状部品
390:試用インプラント
390a、390b:バレル
391:開口部
391:側壁の開口部
392:頂面及び底面
392:隆起構造
395:弾丸型の鼻(bulletednose)
42:ハーフレールカッター
44:フルレールカッター
45:歯形カッター
46:基準円
50:除去器具
55:挿入器
56a、56b:挿入器55のブレード
57:挿入器55の前進部
60:インプラント挿入方向
60:平行伸延器具
61:下部プレート130の長軸
61:主X軸
61:上部プレート110の長軸
62:主Y軸
63、64:角度
80:患者の脊柱
82、84:椎骨
82、84:椎体
82:上椎骨
82:上部椎骨
83:椎間板
83:椎間板隙
84:下椎骨
84:下部椎骨
85:やすり
86:センタリングブローチ
86:ブローチ
86:標準的な外科技術及び器具類
90:段階的な試用インプラント
91:基準円
図1-1】
図1-2】
図2-1】
図2-2】
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図5-3】
図5-4】
図5-5】
図6-1】
図6-2】
図7-1】
図7-2】
図7-3】
図7-4】
図8
図9-1】
図9-2】
図9-3】
図9-4】
図9-5】
図9-6】
図9-7】
図9-8】
図10-1】
図10-2】
図10-3】
図10-4】
図11-1】
図11-2】
図12-1】
図12-2】