(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-15
(45)【発行日】2023-09-26
(54)【発明の名称】改良された発泡体製剤
(51)【国際特許分類】
C08G 18/00 20060101AFI20230919BHJP
C08J 9/14 20060101ALI20230919BHJP
C08G 101/00 20060101ALN20230919BHJP
【FI】
C08G18/00 H
C08J9/14 CFF
C08G101:00
(21)【出願番号】P 2019567980
(86)(22)【出願日】2017-06-13
(86)【国際出願番号】 CN2017087997
(87)【国際公開番号】W WO2018227358
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2020-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】フイジュン-パク・ユアン
(72)【発明者】
【氏名】ビン・ユー
(72)【発明者】
【氏名】イウ・ケウン・リン
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・ウィリアムス
【審査官】尾立 信広
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0081491(US,A1)
【文献】特表2011-500891(JP,A)
【文献】特開2016-188330(JP,A)
【文献】国際公開第2015/012267(WO,A1)
【文献】特開2016-150975(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00-13/08
C08G 18/00-18/87
C08J 9/00-9/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソシアネート、
ポリオール若しくはポリオール類の混合物と、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze)、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブト-2-エン(1336mzzm)
及び1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd)からなる群から選択される発泡剤を含むポリオールプレミックス組成物、及び
25phppを超える量で存在するホスフェート系難燃剤
を含む発泡性組成物から得られるポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体又はこれらの混合物と比較して、ポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体又はこれらの混合物のラムダ老化を低減する方法であって、
イソシアネート、
ポリオール若しくはポリオール類の混合物と、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze)、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブト-2-エン(1336mzzm)
及び1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd)からなる群から選択される発泡剤を含むポリオールプレミックス組成物、及び
25phpp以下の量で存在するホスフェート系難燃剤
を含む発泡性組成物からポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体又はこれらの混合物を生成することを含み、ここで、phppはポリオール100重量部当たりの部を示し、
前記ホスフェート系難燃剤が、トリス(1-クロロ-2-プロピル)ホスフェート(TCPP)、及びリン酸トリエチル(TEP)のうちの1つ以上を含む、
前記方法。
【請求項2】
前記ホスフェート系難燃剤を25phpp以下の量で有する前記発泡体が、70℃で21日間老化させた後に、6mW/mK以下のデルタラムダを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記
発泡体が、20phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記
発泡体が、15phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記
発泡体が、10phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記
発泡体が、5phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記ホスフェート系難燃剤が、トリス(1-クロロ-2-プロピル)ホスフェート(TCPP)を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記ホスフェート系難燃剤が、リン酸トリエチル(TEP)を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記
発泡体が、臭素化反応性難燃剤を更に含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記臭素化反応性難燃剤が、Saytex RB-79又はSaytex RB-9170である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記発泡剤が、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze(E))、シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブト-2-エン(1336mzzm(Z))又はトランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))のうちの1つ以上を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記発泡剤が、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記発泡剤が、共発泡剤を
さらに含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記共発泡剤が、水、CO
2及び/又はCOを生成する有機酸、トランス-1,2ジクロロエチレン、メチラール、ギ酸メチル、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(365mfc)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(227ea)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(245fa)、ブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、又はこれらの組み合わせから選択される1つ以上である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記共発泡剤が、水
、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタンのうちの1つ又は組み合わせである、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記発泡剤が、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))及び水を含む、請求項
14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記発泡剤が、本質的に、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))及び水からなる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記発泡剤が、150以下、好ましくは100以下、より好ましくは75以下の地球温暖化係数を有する、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記発泡剤が、0.05以下、好ましくは0.02以下、より好ましくは約ゼロのオゾン層破壊係数(ODP)を有する、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記発泡剤
が、前記ポリオールプレミックス組成物の重量で、約1重量%~約30重量%、好ましくは約3重量%~約25重量%、より好ましくは約5重量%~約25重量%の量で前記ポリオールプレミックス組成物中に存在する、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze(E))、シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブト-2-エン(1336mzzm(Z))又はトランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))が、前記発泡剤中に、前記発泡剤の重量で、約5重量%~約99重量%、好ましくは、約7重量%~約98重量%、より好ましくは、約10重量%~約95重量%の量で存在する、請求項13~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記ポリオール又はポリオール類の混合物が、前記ポリオールプレミックス組成物の重量で、約50重量%~約95重量%、好ましくは約50重量%~約85重量%、より好ましくは約55重量%~約80重量%の量で前記ポリオールプレミックス組成物中に存在する、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記ポリオールプレミックス組成物が、ポリオール若しくはポリオール類の混合物と、トランス1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(トランス1233zd)を含む発泡剤、並びに水、CO
2及び/又はCOを生成する有機酸、トランス-1,2ジクロロエチレン、メチラール、ギ酸メチル、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(365mfc)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(227ea)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(245fa)、ブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、又はそれらの組み合わせから選択される1つ以上の共発泡剤と、前記ポリオールプレミックス組成物の0.5重量%~約5.0重量%の量のポリシロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマー界面活性剤と、前記ポリオールプレミックス組成物の0.1重量%~8重量%の量のアミン触媒及び/又は、前記ポリオールプレミックス組成物の0.01重量%~2.5重量%の量の、ビスマス、鉛、アンチモン、スズ、亜鉛、カリウム若しくはそれらの組み合わせを含む有機金属化合物を含む金属触媒と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記
発泡体が、20phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記
発泡体が、15phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記
発泡体が、10phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記
発泡体が、5phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記発泡体が、パネル、ボード又はスプレー塗布発泡体の形態である、請求項1~27のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経時的に低減されたラムダ老化を呈するポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体、又はその混合物の提供、並びに発泡性組成物及び発泡性組成物を作製するための発泡方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリイソシアヌレート(PIR)又はポリウレタン(PU)発泡体から作られた断熱ボードを、商業、住宅、及び産業用建物の建物外囲器又は被覆として使用することは、当技術分野で十分に確立されている。ポリイソシアヌレート(PIR)又はポリウレタン(PU)発泡体を使用することにより、優れた熱伝導率を有するボードの製造を可能にし、建築物の断熱を提供するための使用を可能にする。更に、このようなボードの発泡体コアは密度が低く、耐火性に優れ、強度対重量比が高い。
【0003】
ポリウレタン発泡体は、ポリイソシアネートを1つ以上の発泡剤、1つ以上の触媒、1つ以上の界面活性剤、及び任意選択で他の成分の存在下でポリイソシアネートを1つ以上のポリオールと反応させることによって生成される。ポリイソシアヌレート発泡体の場合、発泡体は、ポリイソシアネート自体を反応させて環状三量体構造を形成することによって形成される。実際には、ポリイソシアヌレートとして一般に記載される発泡体は、ポリウレタン及びポリイソシアヌレート構造体の両方を含有し、ポリウレタンとして記載される発泡体は、多くの場合、いくつかのポリイソシアヌレート構造を組み込む。したがって、本出願は、ポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体、及びこれらの混合物に関する。発泡剤は、物理発泡剤又は化学発泡剤であってもよい。物理発泡剤は、ポリイソシアネートがポリオールと反応してその内部に泡を形成する際に発生する熱により揮発及び膨張することにより、液体混合物中に泡を生成する。ガス発生材料としても知られる化学発泡剤の場合、ガス種は、ポリウレタン及び/又はポリイソシアヌレート発泡体を生成するために使用される成分のうちの1つ以上と熱分解又は反応によって発生する。重合反応が進行すると、液体混合物は、セル状固体になり、その発泡体のセル内に発泡剤を封入する。
【0004】
液体フルオロカーボン発泡剤は、これらの使用の容易さのために、他の要因の中でも使用することが一般的である。フッ化炭素は、それらの揮発性により物理発泡剤として作用するだけではなく、硬質発泡体の独立セル構造に封入又は同調(entrained)され、かつ一般的に発泡体の低い熱伝導特性の主要原因でもある。発泡体が形成された後、生成された発泡体に関連するkファクター又はラムダは、発泡体材料を通した熱の移動に抵抗する発泡体の能力の尺度を提供する。より低いkファクターを有する生成された発泡体は、熱伝達に対してより耐性があり、したがって断熱目的のためにより良好な発泡体である。したがって、より低いkファクター発泡体の生成は、一般的に望ましくかつ有利である。
【0005】
近年、気候変化に対する懸念は、オゾン層の枯渇及び気候変化規制の両方の要件を満たすフルオロカーボンの新世代の開発を推進している。これらの中には、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze)及び1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブト-2-エン(1336mzzm)が特に重要である特定のハイドロフルオロオレフィン、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd)が特に重要であるヒドロクロロフルオロオレフィンを含む特定のハイドロハロオレフィンがある。トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペンの製造のためのプロセスは、米国特許第7,230,146号及び同第7,189,884号に開示されている。トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンの製造のためのプロセスは、米国特許第6,844,475号及び同第6,403,847号に開示されている。
【0006】
ポリイソシアヌレート(PIR)又はポリウレタン(PU)発泡断熱ボードは、長期間にわたって建物の一部としてその場にあってもよい。発泡体のKファクター(又はラムダ)が主に、発泡体のセル内に捕捉された発泡剤の断熱特性によって主に決定されるので、発泡剤の組成の任意の変動は、経時的に発泡体の平均ラムダ値に影響を及ぼす。操作条件下での25年の使用期間にわたる平均熱伝導率(ラムダ値又はkファクター)の推定は、工場で作製された硬質ポリウレタンのための欧州規格EN13165(2010)を使用して作製することができ、建築物及び欧州規格EN14315(2013)の断熱ボードとして使用されるポリイソシアヌレート発泡体製品は、その場で形成されたスプレーされた硬質ポリウレタン及びポリイソシアヌレート発泡体製品(その両方が参照により組み込まれる)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、当技術分野では、発泡剤の組成の経時的な変動を防止し、それによって断熱ボードの熱伝導率の低下を防止する方法が望まれている。当該技術分野におけるこの要望は、以下に記載されるように本発明によって対処される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、ポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体又はそれらの混合物のラムダ老化を低減する方法に関するものであり、当該方法は、イソシアネート及びポリオールプレミックス組成物を含む発泡性組成物から当該発泡体を生成することを含み、当該ポリオールプレミックス組成物が、ポリオール若しくはポリオール類の混合物と、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze)、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブト-2-エン(1336mzzm)及び/又は、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd)からなる群から選択される発泡剤と、難燃剤であって、25phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、難燃剤と、を含む。
【0009】
用語phppは、「ポリオール100重量部当たりの部」として、難燃剤の量を定義する。
【0010】
難燃剤は、発泡断熱ボードに追加され、炎の化学反応を抑制するか、材料の表面に保護チャー層を形成することにより、火の広がりを抑制又は遅延させる。一般に、難燃剤は、液体又は固体としてポリオールプレミックス組成物に添加される。代替的に、難燃剤を、イソシアヌレートで添加してもよく、又は発泡体を形成する前に別個の流れとして添加してもよい。一般的に難燃剤は、鉱物系、有機ハロゲン化合物又は有機リン化合物であり得る。発泡断熱ボードに使用される従来の難燃剤には、トリス(2-クロロエチル)ホスフェート、トリス(2-クロロプロピル)ホスフェート、トリス(1,3-ジクロロプロピル)ホスフェート、トリ(2-クロロイソプロピル)ホスフェート、リン酸トリクレシル、トリ(2,2-ジクロロイソプロピル)ホスフェート、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホン酸ジエチル、メチルホスホン酸ジメチル、トリ(1,3-ジクロロプロピル)ホスフェート、及びテトラキス-(2-クロロエチル)エチレンジホスフェート、リン酸トリエチル、リン酸アンモニウム、様々なハロゲン化芳香族化合物、アルミニウム三水和物、ジエチル-N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネート(Fyrol6)及びメラミンが含まれる。
【0011】
本発明の目的のために、ホスフェート系難燃剤が、トリス(2-クロロエチル)ホスフェート、トリス(2-クロロプロピル)ホスフェート、トリス(1,3-ジクロロプロピル)ホスフェート、トリ(2-クロロイソプロピル)ホスフェート、リン酸トリクレシル、トリ(2,2-ジクロロイソプロピル)ホスフェート、ジエチルN,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネート、メチルホスホン酸ジメチル、トリ(1,3-ジクロロイソプロピル)ホスフェート、ジエチル-N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネート(Fyrol6)、テトラキス-(2-クロロエチル)エチレンジホスフェート、リン酸トリエチル及びリン酸アンモニウム、より好ましくは、トリス(1-クロロ-2-プロピル)ホスフェート(TCPP)、リン酸トリエチル(TEP)及びジエチル-N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネート(Fyrol6)からなる群から選択される。
【0012】
ポリオールプレミックス組成物中のホスフェート系難燃剤の量は、25phpp以下、好ましくは20phpp以下、好ましくは15phpp以下、好ましくは10phpp以下、好ましくは5phpp以下である。好ましくは、発泡性組成物は、ホスフェート系難燃剤を含有しない。
【0013】
難燃剤は、ポリオールとブレンドすることができ、したがって、発泡性組成物の生成前に、ポリオール又はポリオール類の混合物とのポリオールプレミックス組成物で提供することができる。代替的に、難燃剤は、発泡性組成物の形成中に別個の流れとして添加することができる。本発明の目的のために、ホスフェート系難燃剤の量には、全てのホスフェート系難燃剤、すなわち、ポリオールプレミックス組成物中に存在するか、発泡性組成物の形成中に別個の流れとして添加されるホスフェート系難燃剤の量が含まれる。
【0014】
本発明者らは、ポリオールプレミックス組成物中のホスフェート系難燃剤の量を25phpp以下に制限することにより、70℃で21日間老化させた後、ポリオールプレミックス組成物から生成されたポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体、又はそれらの混合物のラムダ老化を減らすことができることを以外にも発見した。したがって、第1の態様の特に好ましい特徴では、ポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体、又はこれらの混合物は、70℃で21日間老化させた後に、6mW/mK以下のラムダ変化を有する。
【0015】
EN13165(2010)及びEN14315(2013)のAnnex Cは、「正規性試験」(EN13165(2010)及びEN14315(2013)のセクションC.2及びC.3を参照されたい)及び任意選択の「加速試験」(C.4.4を参照されたい)を提示している。本発明の目的のために、平均ラムダ値の推定は、発泡体の種類に応じて、EN13165(2010)及びEN14315(2013)のセクションC.2及びC.3に規定されている「正規性試験」を使用して行うことができ、好ましくは、平均ラムダ値の推定は、発泡体の種類に応じて、EN13165(2010)及びEN14315(2013)のセクションC.2及びC.3に規定されている「正常性試験」を使用して行われる。
【0016】
第1の態様の好ましい特徴では、発泡体のラムダ老化の減少は、スプレー発泡体を除く全ての発泡体について、EN13165(2010)の例のセクション及びセクションC.2及びC.3に規定されている、又はEN14315(2013)のセクションC.2及びC.3で測定されるような「正規性試験」を使用して測定することができる。したがって、ポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体又はそれらの混合物は、スプレー発泡体を除く全ての発泡体について、EN13165(2010)の例のセクション及びセクションC.2及びC.3に規定されている、又はEN14315(2013)のセクションC.2及びC.3で測定されるような「正規性試験」を使用して測定したとき、70℃で21日老化させた後のラムダ老化の減少を有する。好ましくは、ポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体又はそれらの混合物は、スプレー発泡体を除く全ての発泡体について、EN13165(2010)の例のセクション及びセクションC.2及びC.3に規定されている、又はEN14315(2013)のセクションC.2及びC.3で測定されるような「正規性試験」を使用して測定したとき、70℃で21日老化させた後に、6mW/mK以下のラムダ変化を有する。
【0017】
本発明者らは、ポリオールプレミックス組成物中のホスフェート系難燃剤の量が好ましくは15phpp以下である場合、第1の態様の方法を使用して生成される発泡体がラムダ変化及び難燃性の改善された特性を示すことを見出した。したがって、本発明の第1の態様は、ポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体又はそれらの混合物のラムダ老化を低減する方法を提供し、当該方法は、イソシアネート及びポリオールプレミックス組成物を含む発泡性組成物から当該発泡体を生成することを含み、当該ポリオールプレミックス組成物が、ポリオール若しくはポリオール類の混合物と、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze)、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブト-2-エン(1336mzzm)及び/又は、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd)からなる群から選択される発泡剤と、難燃剤であって、15phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、難燃剤と、を含む。
【0018】
上記のように、ホスフェート系難燃剤は、難燃剤の唯一の種類である。本発明者らは、ポリオールプレミックス組成物が、臭素化反応性難燃剤、特にホスフェート系難燃剤と組み合わせた臭素化ポリオール化合物を更に含み得ることを決定した。必要な難燃性を得るために必要な臭素化難燃剤の量は、臭素化難燃剤の存在がポリオールプレミックスから生成される発泡体のラムダ老化に影響を与えないため、当業者が一般的な一般知識を使用して決定することができる。
【0019】
そのような臭素化反応性難燃剤の例には、Saytex RB-79(テトラブロモフタル酸無水物とジエチレングリコール及びプロピレングリコールのヒドロキシ末端エステル)又はSaytex RB-9170の反応性難燃剤が含まれる。
【0020】
本発明の目的のために、発泡剤は、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze)、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブト-2-エン(1336mzzm)及び/又は1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd)から選択されるヒドロハロオレフィン発泡剤の少なくとも1つ又は組み合わせを含む。
【0021】
1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze)は、シス異性体、トランス異性体、又はこれらの組み合わせとして提供することができる。好ましくは、1,3,3,3-テトラフルオロプロペンが、トランス異性体として提供される。1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd)は、シス異性体、トランス異性体、又はこれらの組み合わせとして提供することができる。好ましくは、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンが、トランス異性体として提供される。1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブト-2-エン(1336mzzm)は、シス異性体、トランス異性体、又はこれらの組み合わせとして提供することができる。好ましくは、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブト-2-エンが、シス異性体として提供される。
【0022】
したがって、発泡剤は、好ましくは、トランス1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス1234ze)、シス1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブト-2-エン(シス1336mzzm)及び/又はトランス1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(トランス1233zd)の少なくとも1つ又は組み合わせを含む。発泡剤は、好ましくは、シス1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブト-2-エン(シス1336mzzm)及び/又はトランス1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(トランス1233zd)を含む。発泡剤は、最も好ましくはトランス1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(トランス1233zd)を含む。
【0023】
発泡剤は、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze)、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブト-2-エン(1336mzzm)及び/又は1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd),好ましくはトランス1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス1234ze)シス1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブト-2-エン(シス1336mzzm)及び/又はトランス1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(トランス1233zd)を含むか、本質的になるか、若しくはなり得る。
【0024】
したがって、本発明の第1の態様は、特にポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体又はそれらの混合物のラムダ老化を低減する方法に関するものであり、当該方法は、イソシアネート及びポリオールプレミックス組成物を含む発泡性組成物から当該発泡体を生成することを含み、当該ポリオールプレミックス組成物が、ポリオール若しくはポリオール類の混合物と、トランス1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(トランス1233zd)を含む発泡剤と、難燃剤であって、25phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、難燃剤と、を含む。好ましくは、本発明の第1の態様は、特にポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体又はそれらの混合物のラムダ老化を低減する方法に関するものであり、当該方法は、イソシアネート及びポリオールプレミックス組成物を含む発泡性組成物から当該発泡体を生成することを含み、当該ポリオールプレミックス組成物が、ポリオール若しくはポリオール類の混合物と、トランス1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(トランス1233zd)を含む発泡剤と、難燃剤であって、15phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、難燃剤と、を含む。
【0025】
発泡剤は、炭化水素、フルオロカーボン、クロロカーボン、フルオロクロロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハロゲン化炭化水素、エーテル、フッ素化エーテル、エステル、アセタール、アルコール、アルデヒド、ケトン、有機酸、ガス発生材料、水、二酸化炭素(CO2)、又はそれらの組み合わせ、等の1つ以上の追加の共発泡剤を更に含んでもよい。好ましい発泡剤は、150以下、好ましくは100以下、より好ましくは75以下の地球温暖化係数(GWP)を有する。本明細書で使用される場合、「GWP」は、参照により本明細書に組み込まれる「The Scientific Assessment of Ozone Depletion,2002,a report of the World Meteorological Association’s Global Ozone Research and Monitoring Project」に定義されるように、二酸化炭素のGWPに対して相対的に、かつ100年の計画対象期間にわたって測定される。好ましい」発泡剤は、0.05以下、好ましくは0.02以下、より好ましくは約ゼロのオゾン層破壊係数(ODP)を有する。本明細書で使用される場合、「ODP」は、参照により本明細書に組み込まれる「The Scientific Assessment of Ozone Depletion,2002,A report of the World Meteorological Association’s Global Ozone Research and Monitoring Project」に定義される通りである。
【0026】
好ましい任意の共発泡剤としては、水、CO2及び/又はCOを生成する有機酸、CO2、エーテル、ハロゲン化エーテル;エステル、アルコール、アルデヒド、ケトン、トランス1,2ジクロロエチレン、メチラール、ギ酸メチル、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)等のハイドロフルオロカーボン、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(134);1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(365mfc)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(227ea)、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(236fa)、1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン(236ea)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(227ea)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(245fa)、ブタン等の炭化水素、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、又はこれらの組み合わせを含む。
【0027】
より好ましくは、共発泡剤は、水、CO2及び/又はCOを生成する有機酸、トランス-1,2-ジクロロエチレン、メチラール、ギ酸メチル、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(365mfc)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(227ea)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(245fa)、ブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、又はこれらの組み合わせから選択される1つ以上を含む。
【0028】
本発明の第1の態様は、特にポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体又はそれらの混合物のラムダ老化を低減する方法に関するものであり、当該方法は、イソシアネート及びポリオールプレミックス組成物を含む発泡性組成物から当該発泡体を生成することを含み、当該ポリオールプレミックス組成物は、ポリオール若しくはポリオール類の混合物と、トランス1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(トランス1233zd)を含む発泡剤並びに水、CO2及び/又はCOを生成する有機酸、トランス-1,2ジクロロエチレン、メチラール、ギ酸メチル、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(365mfc)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(227ea)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(245fa)、ブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、又はこれらの組み合わせから選択される1つ以上の共発泡剤と、難燃剤であって、25phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む難燃剤と、を含む。
【0029】
好ましくは、本発明の第1の態様は、特にポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体又はそれらの混合物のラムダ老化を低減する方法に関するものであり、当該方法は、イソシアネート及びポリオールプレミックス組成物を含む発泡性組成物から当該発泡体を生成することを含み、当該ポリオールプレミックス組成物は、ポリオール若しくはポリオール類の混合物と、発泡剤であって、トランス1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(トランス1233zd)と、1つ以上の共発泡剤であって、水、CO2及び/又はCOを生成する有機酸、トランス-1,2ジクロロエチレン、メチラール、ギ酸メチル、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(365mfc)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(227ea)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(245fa)、ブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、又はこれらの組み合わせから選択される1つ以上の共発泡剤と、を含む、発泡剤と、難燃剤であって、15phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む難燃剤と、を含む。
【0030】
共発泡剤(複数可)は、特にトランス1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(トランス1233zd)と組み合わせて、本明細書で論じられるヒドロハロオレフィン発泡剤の1つ又は組み合わせが提供され得る、水及び/又はノルマルペンタン、イソペンタン、又はシクロペンタンの1つ又は組み合わせを特に含む。
【0031】
発泡剤は、特に、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze)、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブト-2-エン(1336mzzm)及び/又は1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd)、好ましくはトランス1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス1234ze)シス1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブト-2-エン(シス1336mzzm)及び/又はトランス1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(トランス1233zd)と、水との組み合わせと、を含む。具体的には、発泡剤は、トランス1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(トランス1233zd)及び水を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0032】
本発明の第1の態様は、特にポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体又はそれらの混合物のラムダ老化を低減する方法に関するものであり、当該方法は、イソシアネート及びポリオールプレミックス組成物を含む発泡性組成物から当該発泡体を生成することを含み、当該ポリオールプレミックス組成物が、ポリオール又はポリオール類の混合物と、トランス1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(トランス1233zd)及び水を含む発泡剤と、難燃剤とを含み、難燃剤は、25phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む。
【0033】
好ましくは、本発明の第1の態様は、特にポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体又はそれらの混合物のラムダ老化を低減する方法に関するものであり、当該方法は、イソシアネート及びポリオールプレミックス組成物を含む発泡性組成物から当該発泡体を生成することを含み、当該ポリオールプレミックス組成物は、ポリオール若しくはポリオール類の混合物と、トランス1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(トランス1233zd)及び水を含む発泡剤と、難燃剤であって、15phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、難燃剤と、を含む。
【0034】
より好ましくは、発泡剤は、トランス1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(トランス1233zd)及び水を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0035】
発泡剤成分は(それはヒドロハロオレフィンであり、任意選択で共発泡剤である)、ポリオールプレミックス組成物の重量で、約1重量%~約30重量%、好ましくは約3重量%~約25重量%、より好ましくは約5重量%~約25重量%の量でポリオールプレミックス組成物中に好ましく存在する。
【0036】
ヒドロハロオレフィンと任意の発泡剤の両方が存在するとき、ヒドロハロオレフィン成分は、発泡剤の重量で、約5重量%~約99重量%、好ましくは、約7重量%~約98重量%、より好ましくは、約10重量%~約95重量%の量で存在し、前記任意の発泡剤が、前記発泡剤の重量で、好ましくは、約95重量%~約1重量%、好ましくは約93重量%~約2重量%、より好ましくは、約90重量%~約5重量%、の量で存在することが好ましい。
【0037】
ポリオールプレミックス組成物は、ポリオール又はポリオール類の混合物を含む。ポリオール又はポリオール類の混合物は、ポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体又はそれらの混合物の調製において既知の方法でイソシアネートと反応する任意のポリオール又はポリオール混合物であり得る。有用なポリオールは、スクロース含有ポリオール、フェノール、フェノールホルムアルデヒド含有ポリオール、グルコース含有ポリオール、ソルビトール含有ポリオール、メチルグルコシド含有ポリオール、芳香族ポリエステルポリオールグリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1つ以上の(b)と凝縮した(a)の1つ以上であって、ここで(a)は、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミン、ペンタエリスリトール、大豆油、レシチン、トール油、パーム油、ヒマシ油から選択され、(b)は、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化エチレンと酸化プロピレンの混合物及びそれらの組み合わせから選択される(a)の1つ以上、のうちの1つ以上を含む。
【0038】
ポリオール又はポリオール類の混合物は、ポリオールプレミックス組成物の重量で、約50重量%~約95重量%、好ましくは約50重量%~約85重量%、より好ましくは約55重量%~約80重量%の量でポリオールプレミックス組成物中に、通常存在する。
【0039】
ポリオールプレミックス組成物はまた、シリコーン界面活性剤、非シリコーン界面活性剤、金属触媒、アミン触媒、及びこれらの組み合わせから選択される1つ以上の追加材料を含んでもよい。
【0040】
ポリオールプレミックス組成物は、界面活性剤、好ましくはシリコーン界面活性剤を含み得る。シリコーン界面活性剤は、好ましくは、気泡の形成を助け、かつ所望のセル構造の発泡体が得られるように発泡体の泡のサイズを制御するのを助ける。好ましくは、圧縮強度及び熱伝導率などの最も望ましい物理的特性を有するため、均一なサイズの小さい泡又はセルを中に有する発泡体が望ましい。また、形成前又は起泡中に崩壊しない安定したセルを有する発泡体を有することが重要である。「閉じた」セル、つまりセルの壁が無傷で、セル内のガスを大気ガスと容易に交換できてしまうような大気に開放されていないことが更に望ましい。
【0041】
ポリウレタン及び/又はポリイソシアヌレート発泡体の調製に使用するためのシリコーン界面活性剤は、当業者に既知の多数の商品名で入手可能である。このような材料は、非常に低密度の発泡体構造を達成するために、均一なセル形成及び最大ガス捕捉を可能にする広範囲の製剤にわたって適用可能であることが見出されている。好ましいシリコーン界面活性剤は、ポリシロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーを含む。本発明に有用ないくつかの代表的なシリコーン界面活性剤は、Momentive L-5130、L-5180、L-5340、L-5440、L-6100、L6124、L-6900、L-6980、L-6988、及びY10762、Evonik Industries AG(Essen,Germany)からのAir Products(現在Evonik)Dabco193、Dabco197,Dabco5582、Dabco5598、Dabco SI3504、及びDabco SI3102及びB-8404、B-8407、B-8409 B84205 B84210、B84501、B-8462、B8465、B84701、B84704、B8490,及びB8496である。他は、米国特許第2,834,748号、同第2,917,480号、同第2,846,458号及び同第4,147,847号に開示されており、これらの全てが参照により本明細書に組み込まれる。
【0042】
シリコーン触媒成分は、好ましくは、ポリオールプレミックス組成物の重量で、約0.5重量%~約5.0重量%、好ましくは約1.0重量%~約4.0重量%、より好ましくは約1重量%~約3.0重量%の量で、ポリオールプレミックス組成物中に存在する。
【0043】
ポリオールプレミックス組成物は、任意選択で、非シリコーン、非イオン性界面活性剤等の非シリコーン界面活性剤を含有し得る。このようなものとしては、オキシエチル化アルキルフェノール、オキシエチル化脂肪族アルコール、パラフィン油、ヒマシ油エステル、リシノール酸エステル、ターキーレッド油、落花生油、パラフィン、及び脂肪族アルコールが挙げられる。好ましい非シリコーン非イオン性界面活性剤は、Air Products Corporationから市販されているLK-443若しくはDowからのVorasurf504である。
【0044】
非シリコーン非イオン性界面活性剤が使用される場合、非シリコーン非イオン性界面活性剤は、ポリオールプレミックス組成物の約0.25重量%~約3.0重量%、好ましくは約0.5重量%~約2.5重量%、より好ましくは約0.75重量%~約2.0重量%の量でポリオールプレミックス組成物中に、通常存在する。
【0045】
ポリオールプレミックス組成物は、1つ以上の触媒、特にアミン触媒及び/又は金属触媒を更に含む。アミン触媒には、第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミンが含まれ得るが、これらに限定されない。有用な第三級アミン触媒としては、非排他的に、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’-トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N,N’-トリメチル-N’-ヒドロキシエチルビスアミノエチルエーテル、テトラメチルイミノビスプロピルアミン、2-[[2-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]エチル]メチルアミノ]エタノール、ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチル-ジプロピレントリアミン、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、N,N-ビス(3-ジメチルアミノプロピル)-N-イソプロパノールアミン、N’-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N,N-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、ビス(3-ジメチルアミノプロピル)-n,n-ジメチルプロパンジアミン、ビス-(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N’,N”-ジメチルアミノプロピルヘキサヒドロトリアジン、テトラメチルイミノビスプロピルアミン、トリメチル-n’、2-ヒドロキシエチル-プロピレンジアミン、ビス-(3-アミノプロピル)-メチルアミン、N,N-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、1-(ジメチルアミノ)ヘキサデカン、ベンジルジメチルアミン、3-ジメチルアミノプロピル尿素、ジシクロヘキシルメチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、メチルイソプロピルベンジルアミン、メチルシクロペンチルベンジルアミン、イソプロピル-sec-ブチル-トリフルオロエチルアミンジエチル-(α-フェニルエチル)アミン、トリ-n-プロピルアミン、又はこれらの組み合わせを含む。有用な第二級アミン触媒は、非排他的に、ジシクロヘキシルアミン、t-ブチルイソブチルアミン、ジ-t-ブチルアミン;シクロヘキシル-t-ブチルアミン、ジ-sec-ブチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジ-(α-トリフルオロメチルエチル)アミン、ジ-(α-フェニルエチル)アミン、又はそれらの組み合わせを含む。
【0046】
他の有用なアミンとしては、モルホリン、イミダゾール、及びエーテル含有化合物が挙げられる。これらは、
ジモルフォリノジエチルエーテル
N-エチルモルホリン
N-メチルモルホリン
ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル
イミジゾール
n-メチルイミダゾール
1,2-ジメチルイミダゾール
ジモルフォリノジメチルエーテル
N,N,N’,N’,N”,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン
N,N,N’,N’,N”,N”-ペンタエチルジエチレントリアミン
N,N,N’,N’,N”,N”-ペンタメチルジプロピレントリアミン
ビス(ジエチルアミノエチル)エーテル
ビス(ジメチルアミノプロピル)エーテルを含む。
【0047】
アミン触媒が使用されるとき、ポリオールプレミックス組成物の重量で、約0.1重量%~約8重量%、好ましくは約0.1重量%~約7重量%、より好ましくは約0.2重量%~約6重量%の量で、ポリオールプレミックス組成物中に存在する。
【0048】
ポリオールプレミックス組成物は、任意選択で、非アミン触媒を更に含んでもよい。好適な非アミン触媒は、ビスマス、鉛、スズ、チタン、アンチモン、ウラン、カドミウム、コバルト、トリウム、アルミニウム、水銀、亜鉛、ニッケル、セリウム、モリブデン、バナジウム、銅、マンガン、ジルコニウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、バリウム、カルシウム、ハフニウム、ランタン、ニオビウム、タンタル、テルル、タングステン、セシウム、又はこれらの組み合わせを含有する有機金属化合物を含んでもよい。好ましくは、非アミン触媒は、ビスマス、鉛、スズ、亜鉛、ナトリウム、カリウム、又はこれらの組み合わせを含有する有機金属化合物を含む。
【0049】
非アミン触媒には、2-エチルヘキソン酸ビスマス、2-エチルヘキソン酸鉛、安息香酸鉛、カルボン酸の第一スズ塩、カルボン酸の亜鉛塩、カルボン酸のジアルキルスズ塩(例えば、ジブチルスズジラウレート、ジネオデカン酸ジメチルスズ、ジオクチルスズジネオデカノエート、ジブチルスズジラウリルメルカプチドジブチルスズジイソオクチルマレエートジメチルスズジラウリルメルカプチドジオクチルスズジラウリルメルカプチド、ジブチルスズジチオグリコール酸塩、ジオクチルスズジチオグリコレート)、酢酸カリウム、オクタン酸カリウム、2-エチルヘキサン酸カリウム、グリシン塩、第四級アンモニウムカルボキシレート、アルカリ金属カルボン酸塩及びスズ(II)2-エチルヘキサン酸塩又はそれらの組み合わせが含まれる。触媒は、好ましくは、ポリオールプレミックス組成物の重量で、約0.01重量%~約2.5重量%、好ましくは約0.02重量%~約2.5重量%、より好ましくは約0.05重量%~約2重量%の量で、ポリオールプレミックス組成物中に存在する。
【0050】
ポリイソシアヌレート発泡体の調製において、ブレンドを過剰なイソシアネートと併せてポリイソシアヌレート-ポリウレタン発泡体に変換する目的で、三量化触媒が好ましくは使用され得る。用いられる三量化触媒は、グリシン塩、第三級アミン三量化触媒、第四級アンモニウムカルボキシレート、及びアルカリ金属カルボン酸塩、並びに様々な種類の触媒の混合物が挙げられるが、これらに限定されない、当業者に既知の任意の触媒であり得る。三量化触媒は、酢酸カリウム、オクタン酸カリウム、及びN-(2-ヒドロキシ-5-ノニルフェノール)メチル-N-メチルグリシンネートである。
【0051】
本発明の第1の態様は、特にポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体又はそれらの混合物のラムダ老化を低減する方法に関するものであり、当該方法は、イソシアネート及びポリオールプレミックス組成物を含む発泡性組成物から当該発泡体を生成することを含み、当該ポリオールプレミックス組成物は、ポリオール若しくはポリオール類の混合物と、トランス1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(トランス1233zd)と、1つ以上の共発泡剤であって、水、CO2及び/又はCOを生成する有機酸、CO2、トランス-1,2ジクロロエチレン、メチラール、ギ酸メチル、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(365mfc)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(227ea)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(245fa)、ブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、又はそれらの組み合わせ、ポリオールプレミックス組成物の0.5重量%~約5.0重量%の量のポリシロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマー界面活性剤、ポリオールプレミックス組成物の0.1重量%~8重量%の量のアミン触媒及び/又は、ポリオールプレミックス組成物の0.01重量%~2.5重量%の量でビスマス、鉛、アンチモン、スズ、亜鉛、カリウム又はそれらの組み合わせを含む有機金属化合物を含む金属触媒から選択される、1つ以上の共発泡剤と、を含む発泡剤と、難燃剤であって、25phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、難燃剤と、を含む。
【0052】
本発明の第1の態様は、特にポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体又はそれらの混合物のラムダ老化を低減する方法に関するものであり、当該方法は、イソシアネート及びポリオールプレミックス組成物を含む発泡性組成物から当該発泡体を生成することを含み、当該ポリオールプレミックス組成物は、ポリオール若しくはポリオール類の混合物と、発泡剤であって、トランス1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(トランス1233zd)と、1つ以上の共発泡剤であって、水、CO2及び/又はCOを生成する有機酸、CO2、トランス-1,2ジクロロエチレン、メチラール、ギ酸メチル、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(365mfc)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(227ea)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(245fa)、ブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、又はそれらの組み合わせ、ポリオールプレミックス組成物の0.5重量%~約5.0重量%の量のポリシロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマー界面活性剤、ポリオールプレミックス組成物の0.1重量%~8重量%の量のアミン触媒及び/又は、前記ポリオールプレミックス組成物の0.01重量%~2.5重量%の量でビスマス、鉛、アンチモン、スズ、亜鉛、カリウム又はそれらの組み合わせを含む有機金属化合物を含む金属触媒から選択される、1つ以上の共発泡剤と、を含む、発泡剤と、難燃剤であって、15phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、難燃剤と、を含む。
【0053】
また、ポリオールプレミックス組成物には、染料、充填剤、顔料等の他の成分を含めることができる。分散剤及びセル安定剤は、ポリオールプレミックス組成物に組み込むことができる。本明細書で使用するための従来の充填剤としては、例えば、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ガラス繊維、カーボンブラック、及びシリカが挙げられる。充填剤は、使用される場合、通常、重量でポリオール100部当たり約5部~100部の範囲の量で存在する。本明細書で使用され得る顔料としては、任意の従来の顔料、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アンチモン、クロムグリーン、クロムイエロー、鉄ブルーシエナ、モリブデンオレンジ、並びに有機顔料、例えば、パラレッド、ベンジジンイエロー、トルイジンレッド、トナー、及びフタロシアニンであってもよい。
【0054】
ポリオールプレミックスをイソシアネートと組み合わせて、ポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体、又はこれらの混合物を生成するために使用される発泡性組成物を形成する。
【0055】
本発明の目的のために、イソシアネートは、脂肪族及び芳香族ポリイソシアネートを含むポリウレタン及び/又はポリイソシアヌレート発泡体合成に用いることができる任意の有機ポリイソシアネートであり得る。好適な有機ポリイソシアネートとしては、ポリウレタン化学の分野において周知である脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族、及び複素環式イソシアネートが挙げられる。これらは、例えば、米国特許第4,868,224号、同第3,401,190号、同第3,454,606号、同第3,277,138号、同第3,492,330号、同第3,001,973号、同第3,394,164号、同第3,124.605号及び同第3,201,372号に記載され、これらの全てが参照により本明細書に組み込まれる。芳香族ポリイソシアネートが、クラスとして好ましい。
【0056】
代表的な有機ポリイソシアネートは、式:
R(NCO)z
に対応し、式中、Rは、脂肪族、アラルキル、芳香族又はそれらの混合物である多価有機基であり、zは、Rの原子価に対応し、少なくとも2である整数である。本明細書で企図される代表的な有機ポリイソシアネートには、例えば、芳香族ジイソシアネート、例えば2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネートの混合物、粗トルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、粗メチレンジフェニルジイソシアネート、芳香族トリイソシアネート、例えば4,4’,4”-トリフェニルメタントリイソシアネート、2,4,6-トルエントリイソシアネート、芳香族テトライソシアネート、例えば4,4’-ジメチルジフェニルメタン-2,2’5,5-’テトライソシアネート、アリールアルキルポリイソシアネート、例えばキシレンジイソシアネート、ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル等の脂肪族ポリイソシアネート、及びこれらの混合物が含まれる。他の有機ポリイソシアネートには、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、水素化メチレンジフェニルイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、1-メトキシフェニレン-2,4-ジイソシアネート、4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニルジイソシアネート、及び3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネートが含まれる。典型的な脂肪族ポリイソシアネートは、アルキレンジイソシアネート、例えばトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホレン(isophorene)ジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等である。典型的な芳香族ポリイソシアネートには、m-及びp-フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ビトイレンイソシアネート、1,4-ジイソシアネート、ビス(4-イソシアナトフェニル)メテン、ビス(2-メチル-4-イソシアナトフェニル)メタン等が含まれる。好ましいポリイソシアネートは、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、特に約30~約85重量%のメチレンビス(フェニルイソシアネート)を含有し、混合物の残りの部分が、2よりも高い官能性のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートである、混合物である。これらのポリイソシアネートは、当該分野において既知の従来の方法によって調製される。本発明では、ポリイソシアネート及びポリオールは、約0.9~約5.0の範囲のNCO/OH化学量論比をもたらす量で用いられる。本発明において、NCO/OH当量比は、好ましくは約1以上約4以下であり、理想的な範囲は、約1.1~約3である。特に好適な有機ポリイソシアネートには、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、メチレンビス(フェニルイソシアネート)、トルエンジイソシアネート、又はそれらの組み合わせが含まれる。
【0057】
ポリオールプレミックス組成物及びイソシアネートを使用するポリウレタン及び/又はポリイソシアヌレート発泡体の調製は、当技術分野で既知の任意の方法に従うことができ、Saunders and Frisch,Volumes I and II Polyurethanes Chemistry and technology,1962、John Wiley and Sons,New York,N.Y.又はGum,Reese,Ulrich,Reaction Polymers,1992、Oxford University Press,New York,N.Y.又はKlempner and Sendijarevic,Polymeric Foams and Foam Technology,2004、Hanser Gardner Publications,Cincinnati,OHを参照されたい。一般に、ポリウレタン及び/又はポリイソシアヌレート発泡体は、とりわけイソシアネート及びポリオールプレミックス組成物を組み合わせることによって調製される。生成された発泡体は、好ましくは、剛性又は半剛性であり得る独立セル発泡体である。好ましくは、生成された発泡体は、硬質発泡体である。
【0058】
本発明の目的のために、イソシアネートは、特定のシリコーン界面活性剤等の他の成分と組み合わせて提供され得る。イソシアネートは、発泡剤と組み合わせることができるが、発泡剤が、本明細書では、少なくとも主に第1の態様のポリオールプレミックス組成物を含むことが想定される。しかしながら、本発明は、発泡剤の少なくとも一部がイソシアネートと組み合わされる選択肢を包含する。
【0059】
ポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレートフ発泡体又はそれらの混合物は、少量の調製のために手で混合し、好ましくはボード、ブロック、スラブ、積層板、ポアインプレースパネル及びその他のアイテム、スプレー塗布発泡体、浮渣等を形成するための連続的又は不連続的な生産技術により、イソシアネートとポリオールプレミックス組成物を一緒にすることにより調製される。任意に、着色剤、補助発泡剤、水、及び更に他のポリオール等の他の成分が、混合ヘッド又は反応部位に流れとして添加され得る。しかしながら、最も便利には、それらは全て、上記のようにポリオールプレミックスに組み込まれる。
【0060】
本発明の目的のために、ポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体、又はこれらの混合物は、連続的又は不連続的なポアインプレースパネル、ボード又はスプレー塗布発泡体として生成される。
【0061】
具体的には、発泡体がボード又はパネルとして提供される場合、発泡体は、発泡性混合物をパネルの2つのフェーシングの間に注ぎ、発泡体を上昇させて、所望の長さに切断された「発泡体サンドイッチ」を生成することができる。パネルの化粧面は、アルミニウム箔、屋根紙、金属、木材等であり得る。次いで、得られたボード又はパネルを既存の建造物外囲器に適用するか、又は建物の外囲器を形成するために使用することができる。これらのパネルは、連続的又は不連続的なプロセスの両方によって生成することができる。
【0062】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様の方法から生成されるポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体、又はこれらの混合物を提供する。
【0063】
本発明の目的のために、発泡体は、1~15%重量%、好ましくは2~13重量%、より好ましくは4~12重量%の発泡剤を含有する。発泡剤は、本発明の第1の態様に関して定義される通りである。
【0064】
生成されるポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体又はそれらの混合物は、密度が約0.5ポンド/立方フィート~約60ポンド/立方フィート、好ましくは約1.0~20.0ポンド/立方フィート、最も好ましくは約1.5~6.0ポンド/立方フィートの密度で変化することができる。得られる密度は、どれほどの発泡剤又は発泡剤混合物、加えて水又は共発泡剤等の補助発泡剤の量が、発泡体を調製するために使用されるかの関数である。
【0065】
多くの用途の中でも、本発明の発泡体は、建物(例えば建造物外囲器)を断熱するために使用されてもよく、又はその外側の温度変動からエネルギー管理及び/又は断熱が望ましい任意の構造体が望ましい。そのような構造には、これらに限定されないが、粘土、木材、石、金属、プラスチック、コンクリートなどから製造された、家、オフィスビル、又は他の構造住宅、商業、工業、農業、又はエネルギー効率と断熱が望ましくあり得る場所を含むがこれらに限定されない。
【0066】
したがって、本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様の方法によって製造される、ボード発泡体、発泡体コアパネル、又はスプレー発泡体に関する。
【0067】
本発明の第2の態様の発泡体は、時間の経過とともにラムダ老化の減少の特定の利点を提供する。具体的には、発泡体は、70℃で21日間老化させた後のラムダ老化の減少を示す。より具体的には、発泡体は、70℃で21日間老化させた後に6mW/mK以下のデルタラムダを有する。
【0068】
特に、ポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体又はそれらの混合物は、スプレー発泡体を除く全ての発泡体について、EN13165(2010)の実施例セクション及びセクションC.2及びC.3に規定された「正規性試験」下で測定されたとき又はスプレー発泡体について、EN14315(2013)のセクションC.2又はC.3に規定された「正規性試験」下で測定されたとき、70℃で21日間後のラムダ老化の減少を示す。より具体的には、発泡体、は、スプレー発泡体を除く全ての発泡体について、EN13165(2010)の実施例セクション及びセクションC.2及びC.3に規定された「正規性試験」下で測定されたとき又はスプレー発泡体について、EN14315(2013)のセクションC.2又はC.3に規定された「正規性試験」下で測定されたとき、70℃で21日間老化させた後に6mW/mK以下のデルタラムダを有する。
【0069】
本発明の第3の態様は、基材及びそのような基材上及び/又は基材に取り付けられた発泡体を含む、建物の外囲器において又はその一部として使用するための物品の形成方法であって、当該建物の外囲器に設置される物品に関連し、及び/又は建物の外囲器の既に壁、天井又は屋根の構成要素に既に設置されている構造アイテム又は基板に関連する本発明の第1の態様の方法により当該発泡体を形成する、方法に関する。
【0070】
設置ステップは、パネル又は断熱ボードを形成すること等によって、発泡体を予備成形することと、当該予備形成された発泡体を建造物外囲器上又は中に設置することと、を含み得る。代替的に又は追加的に、設置ステップは、外囲器が構築されるとき、又はその後に、発泡体を、建築物の基材又は構成要素の中又は上に形成することを含んでもよい。
【0071】
発泡体がスプレー塗布発泡体として提供されるとき、発泡性混合物は、(例えば、壁、屋根、基礎等建築外囲器に塗布することができ、発泡体は、その場での断熱を提供するように上昇する。次いで、この発泡体を、保護コーティング又は内壁若しくは外壁仕上げで被覆することができる。
【0072】
本発明の各態様について記載された全ての好ましい特徴は、必要な変更を加えて、他の全ての態様に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【
図1】TCPP投与量に対するデルタラムダの依存性のグラフ表示である。
【
図2】TCPP及びTEP、70℃/21日の老化比較のグラフ表示である。
【
図3】初期ラムダに対するTCPPとRB-79との組み合わせの影響のグラフ表示である。
【
図4】ラムダ老化に対するTCPPとRB-79との組み合わせの影響のグラフ表示である。
【
図5】初期ラムダに対するTCPP及びRB-9170のFR組み合わせの影響のグラフ表示である。
【
図6】ラムダ老化に対するTCPP及びRB-9170のFR組み合わせの影響のグラフ表示である。
【
図7】1233zd(E)発泡体(上線)と比較した、1336mzz(Z)発泡化発泡体(底線)のラムダ老化に対するTCPPの影響のグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
実験
原料:
Stepanpol PS2352(Stepan):ポリエステルポリオール、ヒドロキシ数:240mgKOH/g、官能性:2
NIAXシリコーンL-6900:Momentive製の非加水分解性シリコン界面活性剤
DabcoK15:Air Products(現在Evonik)からのジエチレングリコール中のカリウム-オクトエート
Polycat8:Air ProductsからのN,N-ジメチルシクロヘキシルアミン
Lupranate M20S:BASFからのポリマーイソシアネート、31.5%NCO、官能性:2.7、
CovestroからのDesmodur MDI44V20L:ポリマーイソシアネート、31.5%NCO、官能性:2.7、
トリス(1-クロロ-2-プロピル)ホスフェート(Jiangsu YokeからのTCPP)
Jiangsu YokeからのTrethylホスフェート(TEP)
AlbermarleからのSaytex RB-79(臭素系反応性難燃剤、臭素含有量:45%,ヒドロキシ数:210mgKOH/g
AlbermarleからのSaytex RB-9170臭素系反応性難燃剤、臭素含有量:43%,ヒドロキシル価:170mgKOH/g
【0075】
ポリオールブレンド:以下の製剤に基づいて材料を混合することによってブレンドを調製した。
発泡:発泡体は、以下に列挙される製剤に基づいて手で混合することによって作製した。金型(30cm×30cm×10cm)を使用した。
ラムダ値:LaserComp FOX50を使用して、試料サイズ20cm×20cm×2cmでラムダ値を記録した。
【0076】
発泡体の平均ラムダ値の決定
発泡体熱伝導率は、EN13165:2008、セクション5.3.2、及びEN14135-1:2013、セクション4.2.2.の要件に従って測定される。これらの規格の両方は、EN12667による熱伝導率試験、又は厚い製品についてはEN12939を必要とする。この文書に提示されたデータに関して、試料の厚さは試験装置の試験能力を超えなかったため、EN12667に従った(EN12939、セクション1「Scope」を参照されたい)。EN12667は、熱伝導率を測定するための2種類の装置、ガードされたホットプレート、又は熱流量計を使用することができる。本明細書に提示されるデータについては、熱流量計(Fox314)を使用した。この装置は、EN12667、Annex Dに準拠する。
【0077】
試験片の熱伝導率は、試験片にわたる熱流束、試験片厚さ、及び温度差を測定することによって決定される。熱伝導率式の各構成要素において、FOX Instrumentsは、高出力熱流変換器を統合する際の6mVの分解能、厚さ測定値の0.001”精度、及び0.01℃の温度制御及び分解能を提供する。
【0078】
個々の試験ごとに、発泡体を調製し、室温で24時間硬化させた後、300mmx300mmx20mmの寸法を有する発泡体試験片を発泡体ブロックから切断した。発泡体試料を、10Cの平均温度(ホットプレート温度15.6C、コールドプレート温度4.4C)及び測定された熱伝導率のために設定されたFox314熱流量計に入れた。この測定は、初期ラムダと呼ばれる。試験が完了した後、試料を装置から取り出し、70Cに設定された炉に入れた。70Cで21日間老化させた後、試料を炉から取り出し、室温で16時間放置した。この室温老化させた後、試料について、上記手順を使用して熱伝導率について再度試験した。これは、老化ラムダと呼ばれる。
【0079】
結果及び議論
1.1233zd(E)発泡化発泡体のラムダ老化に対するトリス(1-クロロ-2-プロピル)ホスフェート(TCPP)の影響
表2に示すように、PIR発泡体におけるラムダ老化性能に対するTCPPの影響を評価するために、異なる投与量のTCPPを製剤に使用した。発泡体は、約33kg/m3の自由上昇密度を有する。成形発泡体は、約41kg/m3のコア密度を有する。
【0080】
【0081】
TCPP投与量(phpp)の効果を以下の表3に示す。
【0082】
【0083】
初期ラムダ値は、TCPPなしで生成されたPIR発泡体が、TCPと比較して、僅かにより良好な初期ラムダ値を示したことを示す。発泡体を70℃で21日間老化させた後、予想されるように、全てのラムダ値が増加した。
図1に示すように、デルタラムダは、TCPP投与量が増加するにつれて増加する。
【0084】
2.トリス(1-クロロ-2-プロピル)ホスフェート(TCPP)対リン酸トリエチル(TEP)
20部のTEPを含有するポリオールブレンドから調製されたPIR発泡体(表4)は、19.47mW/mKの初期ラムダを有する。この発泡体を70℃で21日間老化させた後、得られたデルタラムダは、TCPP(
図2に示すように)よりも大きいデルタラムダで6.93mW/mKである。
【0085】
【0086】
3.TCPP対SaytexRB-79
Saytex RB-79(ジエチレングリコール及びプロピレングリコールを有するテトラブロモフタル酸無水物のヒドロキシ末端エステル)のラムダ老化に対する影響を調査した。RB-79の10phppを有するPIR発泡体の初期ラムダ(表5)は、18.41mW/mK(10℃)であった。発泡体を70℃で21日間老化させた後、ラムダは、23.48mW/mKに変化した。デルタラムダは、僅か5.08mW/mKであり、10phpp TCPPを含有する発泡体よりも良好であり、難燃剤を含まない発泡体、5.16mW/mKよりも良好である。(
図1を参照)
【0087】
【0088】
4.TCPP及びRB-79又はRB-9170の組み合わせの影響
EN13165試験を満たすために、TCPP投与量は制限されなければならないことが見出された。この場合、TCPPに加えて、二次難燃剤を採用することが望ましい場合がある。この二次難燃剤は、ラムダ老化に悪影響を及ぼすことなく、必要とされる発泡火災性能を提供することができる。上記の結果、RB79又は同様の臭素化難燃剤に基づいて、RB-9170は、ラムダ老化問題に対処するための本出願の潜在的候補であり得る。
【0089】
表6は、それぞれ3phpp及び5phppにおけるRB-79又はRB-9170の組み合わせで低投与量TCPP(10phpp)を使用した製剤を表示している。
【0090】
【0091】
RB-79又はRB-9170のTCPPへの添加は、初期ラムダを低下させるだけでなく、発泡体のラムダ老化も改善することが見出された(
図3及び
図4)。
【0092】
反応性難燃剤RB-9170は、RB-79(3000cps対100000cps)よりもはるかに低い粘度を有する。PIR製造における流動性は良好であるべきである。この反応性難燃剤は、初期ラムダ及び老化させたラムダ(
図5及び
図6)の両方についてTCPPと組み合わせて使用される場合、RB-79のものと同様の効果を示した。RB9170の投与量が5phppよりも3phppである場合、初期ラムダ値は低かったことに留意されたい。
【0093】
5.1336mzz(Z)発泡化発泡体のラムダ老化に対するTCPP影響
異なる投与量のTCPP(
図7)を含有する1336mzz(Z)発泡化発泡体を老化させた場合、1233zd(E)発泡化発泡体(
図7)の場合のように、TCPP投与量が増加するにつれてデルタラムダが増加する。しかしながら、1336mzz(Z)発泡化発泡体のデルタラムダは、TCPPの各投与量で1233zd(E)発泡化発泡体のデルタラムダよりも常に小さかった。
【0094】
【表7】
本発明は以下の態様を含む。
[1]
ポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体又はそれらの混合物のラムダ老化を低減する方法であって、イソシアネート及びポリオールプレミックス組成物を含む発泡性組成物から前記発泡体を生成することを含み、
前記ポリオールプレミックス組成物が、ポリオール若しくはポリオール類の混合物と、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze)、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブト-2-エン(1336mzzm)及び/又は、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd)からなる群から選択される発泡剤と、難燃剤であって、25phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、難燃剤と、を含む、方法。
[2]
前記発泡体が、70℃で21日間老化させた後に、6mW/mK以下のデルタラムダを有する、[1]に記載の方法。
[3]
前記難燃剤が、20phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]
前記難燃剤が、15phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、[1]又は[2]に記載の方法。
[5]
前記難燃剤が、10phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、[1]又は[2]に記載の方法。
[6]
前記難燃剤が、5phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、[1]又は[2]に記載の方法。
[7]
前記ホスフェート系難燃剤が、トリス(2-クロロエチル)ホスフェート、トリス(2-クロロプロピル)ホスフェート、トリス(1,3-ジクロロプロピル)ホスフェート、トリ(2-クロロイソプロピル)ホスフェート、リン酸トリクレシル、トリ(2,2-ジクロロイソプロピル)ホスフェート、ジエチルN,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネート、メチルホスホン酸ジメチル、トリ(1,3-ジクロロイソプロピル)ホスフェート、ジエチル-N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネート(Fyrol6)、テトラキス-(2-クロロエチル)エチレンジホスフェート、リン酸トリエチル及びリン酸アンモニウム、より好ましくは、トリス(1-クロロ-2-プロピル)ホスフェート(TCPP)、リン酸トリエチル(TEP)及びジエチル-N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネート(Fyrol6)のうちの1つ以上である、[1]~[6]のいずれか1項に記載の方法。
[8]
前記難燃剤が、臭素化反応性難燃剤を更に含む、[1]~[7]のいずれか1項に記載の方法。
[9]
前記臭素化反応性難燃剤が、Saytex RB-79又はSaytex RB-9170である、[8]に記載の方法。
[10]
前記発泡剤が、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze(E))、シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブト-2-エン(1336mzzm(Z))又はトランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))のうちの1つ以上を含む、[1]~[9]のいずれか1項に記載の方法。
[11]
前記発泡剤が、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))を含む、[1]~[10]のいずれか1項に記載の方法。
[12]
前記発泡剤が、共発泡剤を含む、[1]~[11]のいずれか1項に記載の方法。
[13]
前記共発泡剤が、水、CO
2
及び/又はCOを生成する有機酸、トランス-1,2ジクロロエチレン、メチラール、ギ酸メチル、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(365mfc)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(227ea)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(245fa)、ブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、又はこれらの組み合わせから選択される1つ以上である、[12]に記載の方法。
[14]
前記共発泡剤が、水及び/又はノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタンのうちの1つ又は組み合わせである、[12]又は[13]に記載の方法。
[15]
前記発泡剤が、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))及び水を含む、[1]~[14]のいずれか1項に記載の方法。
[16]
前記発泡剤が、本質的に、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))及び水からなる、[15]に記載の方法。
[17]
前記発泡剤が、150以下、好ましくは100以下、より好ましくは75以下の地球温暖化係数を有する、[1]~[16]のいずれか1項に記載の方法。
[18]
前記発泡剤が、0.05以下、好ましくは0.02以下、より好ましくは約ゼロのオゾン層破壊係数(ODP)を有する、[1]~[17]のいずれか1項に記載の方法。
[19]
前記発泡剤成分が、前記ポリオールプレミックス組成物の重量で、約1重量%~約30重量%、好ましくは約3重量%~約25重量%、より好ましくは約5重量%~約25重量%の量で前記ポリオールプレミックス組成物中に存在する、[1]~[18]のいずれか1項に記載の方法。
[20]
前記トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze(E))、シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブト-2-エン(1336mzzm(Z))又はトランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))が、前記発泡剤中に、前記発泡剤の重量で、約5重量%~約99重量%、好ましくは、約7重量%~約98重量%、より好ましくは、約10重量%~約95重量%の量で存在し、任意の発泡剤が、前記発泡剤中に、前記発泡剤の重量で、好ましくは、約95重量%~約1重量%、好ましくは約93重量%~約2重量%、より好ましくは、約90重量%~約5重量%、の量で存在する、[12]~[19]のいずれか1項に記載の方法。
[21]
前記ポリオール又はポリオール類の混合物が、前記ポリオールプレミックス組成物の重量で、約50重量%~約95重量%、好ましくは約50重量%~約85重量%、より好ましくは約55重量%~約80重量%の量で前記ポリオールプレミックス組成物中に存在する、[1]~[20]のいずれか1項に記載の方法。
[22]
前記ポリオールプレミックス組成物が、ポリオール若しくはポリオール類の混合物と、トランス1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(トランス1233zd)を含む発泡剤、並びに水、CO
2
及び/又はCOを生成する有機酸、トランス-1,2ジクロロエチレン、メチラール、ギ酸メチル、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(365mfc)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(227ea)、1,1-ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(245fa)、ブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、又はそれらの組み合わせから選択される1つ以上の共発泡剤と、前記ポリオールプレミックス組成物の0.5重量%~約5.0重量%の量のポリシロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマー界面活性剤と、前記ポリオールプレミックス組成物の0.1重量%~8重量%の量のアミン触媒及び/又は、前記ポリオールプレミックス組成物の0.01重量%~2.5重量%の量の、ビスマス、鉛、アンチモン、スズ、亜鉛、カリウム若しくはそれらの組み合わせを含む有機金属化合物を含む金属触媒と、難燃剤であって、25phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む難燃剤と、を含む、[1]に記載の方法。
[23]
前記難燃剤が、20phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、[22]に記載の方法。
[24]
前記難燃剤が、15phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、[23]に記載の方法。
[25]
前記難燃剤が、10phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、[24]に記載の方法。
[26]
前記難燃剤が、5phpp以下のホスフェート系難燃剤を含む、[25]に記載の方法。
[27]
前記発泡体が、パネル、ボード又はスプレー塗布発泡体の形態である、[1]~[26]のいずれか1項に記載の方法。
[28]
基材及びそのような基材上にあるか/又は前記基材に付着した発泡体を含む建物外囲器において又はその一部として使用するための物品を形成するための方法であって、前記建物外囲器に設置される物品と関連付けて、かつ/又は前記建物外囲器に既に設置されている壁、天井又は屋根の構成要素等の構造アイテム又は基材と関連付けて、[1]~[27]のいずれか1項に記載の方法で発泡体を形成することを含む、方法。