(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-15
(45)【発行日】2023-09-26
(54)【発明の名称】シール検出システム及び方法
(51)【国際特許分類】
F16J 15/00 20060101AFI20230919BHJP
【FI】
F16J15/00 Z
(21)【出願番号】P 2020514594
(86)(22)【出願日】2018-09-11
(86)【国際出願番号】 US2018050403
(87)【国際公開番号】W WO2019051472
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-08-18
(32)【優先日】2017-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519299094
【氏名又は名称】トレレボリ シーリング ソリューションズ ジャーマニー ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Trelleborg Sealing Solutions Germany GmbH
【住所又は居所原語表記】Schockenriedstrasse 1, 70565 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マーク シー. シトコ
(72)【発明者】
【氏名】ラリー ジェイ. キャッスルマン
【審査官】山本 健晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-217819(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102009016429(DE,A1)
【文献】特開2007-219614(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0178057(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのシール面と少なくとも1つの非シール領域とを含む少なくとも1つのシールと、
2次元のデータマトリクスを画定し、前記少なくとも1つのシールの外面において形成されており、かつ、前記少なくとも1つのシールがシールされるべきシール要素に取付けられた状態において読み取り可能な状態であるように構成されている少なくとも1つのシールマークと、
前記少なくとも1つのシールマークを読み取るように構成されている光学装置と、
を備えるシール検出装置であって、
前記少なくとも1つのシールマークは、機械可読光学マークであり、
前記光学装置は、前記少なくとも1つのシールマークと関連付けられている基準シール面画像を表示し、
前記基準シール面画像は、前記シールの以前の写真又は前記シールの標準的なモデルの画像を含み、それにより、前記基準シール面画像と前記少なくとも1つのシール面の現在の画像との相違を特定するために、個人による前記基準シール面画像との比較を可能にするように構成されている、
シール検出装置。
【請求項2】
前記外面は、縁部領域面と軸線方向に面した面とを含む、請求項1に記載のシール検出装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのシールは、ガスケットである、請求項1に記載のシール検出装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのシールマークは、前記シールに関する情報と関連付けられている、請求項1に記載のシール検出装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのシールマークは、前記縁部領域面上にある、請求項2に記載のシール検出装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのシールに取付ける力が加えられて、前記少なくとも1つのシールマークが配置されている前記少なくとも1つのシールの領域が変形すると、前記少なくとも1つのシールマークが読み取り可能な状態になって、前記少なくとも1つのシールが適正に取付けられた状態にあることが示される、請求項1に記載のシール検出装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのシールマークをエッチングするためにレーザが使用される、請求項1に記載のシール検出装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのシールマークは、深さが15乃至20ミクロンの長方形のデータマトリクスである、請求項7に記載のシール検出装置。
【請求項9】
少なくとも1つのシール面と少なくとも1つの非シール領域とを含む少なくとも1つのシールと、
2次元のデータマトリクスを画定し、前記少なくとも1つのシールの外面において形成されており、かつ、前記少なくとも1つのシールがシールされるべきシール要素に取付けられた状態において読み取り可能な状態であるように構成されている少なくとも1つのシールマークであって、前記シールに関する情報と関連付けられている少なくとも1つのシールマークと、
前記少なくとも1つのシールの前記少なくとも1つのシール面と連通する接触面を含む少なくとも1つのシール要素であって、前記少なくとも1つのシールマークが関連付けられている少なくとも1つのシール要素と、
前記シールに関する前記情報を格納するように構成されている装置と、
を備えるシール検出システムであって、
前記少なくとも1つのシールマークは、機械可読光学マークであり、
前記装置は、前記少なくとも1つのシールマークを読み取るように構成されている光学装置を備え、前記光学装置は、前記少なくとも1つのシールマークと関連付けられている基準シール面画像を表示し、
前記基準シール面画像は、前記シールの以前の写真又は前記シールの標準的なモデルの画像を含み、それにより、前記基準シール面画像と前記少なくとも1つのシール面の現在の画像との相違を特定するために、個人による前記基準シール面画像との比較を可能にするように構成されている、
シール検出システム。
【請求項10】
少なくとも1つのシール面と少なくとも1つの非シール領域とを含む少なくとも1つのシールを提供するステップと、
前記少なくとも1つのシールの外面に配置されており、かつ、前記少なくとも1つのシールがシールされるべきシール要素に取付けられた状態において読み取り可能な状態であるように構成されている少なくとも1つのシールマークを提供するステップと、
前記少なくとも1つのシールマークを読み取るように構成されている光学装置を提供するステップと、
前記少なくとも1つのシールマークを前記光学装置により識別するステップであって、前記光学装置は、前記少なくとも1つのシールマークと関連付けられている基準シール面画像を表示し、
前記基準シール面画像は、前記シールの以前の写真又は前記シールの標準的なモデルの画像を含み、それにより、前記基準シール面画像と前記少なくとも1つのシール面の現在の画像との相違を特定するために、個人による前記基準シール面画像との比較を可能にするように構成されている、ステップと、
前記少なくとも1つのシールマークと関連付けられた前記シールに関する情報を捕捉するステップと、
少なくとも1つのシール要素のシール面を含む少なくとも1つのシール要素を提供するステップと、
前記少なくとも1つのシールのシール面と前記少なくとも1つのシール要素のシール面とを点検するステップと、
前記少なくとも1つのシールを再取付け又は交換するステップと、
を含む、シール面を監視する方法。
【請求項11】
前記シール面を監視する方法は、現場にいる個人、現場外の個人、自動化されたプログラム又はそれらの組合せによって実施される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
さらに、前記少なくとも1つのシールマークと関連付けられた前記シールに関する前記情報を格納するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのシール要素に、前記少なくとも1つのシール要素を識別するための少なくとも1つのシール要素マークを設け、前記シール面を監視する方法は、さらに、前記少なくとも1つのシール要素マークを識別するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのシールマークを識別するステップは、画像捕捉装置を用いて前記個人によって実行され、又は、自動化されたコンピュータスキャナによって実行される、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
情報を捕捉する前記ステップと、前記シールを点検する前記ステップとは、前記少なくとも1つのシールの画像を捕捉することと、前記少なくとも1つのシール及び少なくとも1つのシール要素を視覚的に点検することと、前記少なくとも1つのシールが許容可能な状態にあるか否かを特定することとを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つのシールを再取付け又は交換する前記ステップは、前記少なくとも1つのシールの前記画像と前記基準シール面画像との比較を必要とし、前記比較は、前記少なくとも1つのシールが再取付け又は交換されるか否かを特定するために、所定の閾値を使用して、前記個人又は自動化されたシステムによって実行される、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのシールに取付ける力が加えられて、前記少なくとも1つのシールマークが配置されている前記少なくとも1つのシールの領域が変形すると、前記少なくとも1つのシールマークが読み取り可能な状態になって、前記少なくとも1つのシールが適正に取付けられた状態にあることを示し、
前記方法は、さらに、適正に取付けられた状態を検証するために、前記少なくとも1つのシールマークを再スキャンする最終ステップを含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、シール検出に関し、特に、シールの関連特性を特定するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の説明
シール検出装置は、シールがいつ修理又は交換されるべきかを特定するために使用される。現在のシール検出装置には、既知の基準に対する、又は代替的に、現在のシール面の、以前に提供された画像に対するシール面の分析を提供する機能がない。
【0003】
Borowski等の米国特許第8166891号明細書は、適正な取付けの視覚的な検出を提供する、シール面上の同心円状のシェブロンを開示している。Schmidt等の米国特許第7477374号明細書は、シール面を検査するための方法及び装置を開示しており、ここでは、光学的な偏向器が、シール面にわたって光を散乱させるために使用される。Heinzenの米国特許第7405818号明細書は、光学センサと、シール面上の摩耗インジケータとを利用する自己監視固定シールを開示している。Farrellの米国特許第9168696号明細書及びFarrell等の米国特許第9662833号明細書は、レーザを使用して、シール面の光学特性を変えることを開示している。
【0004】
Stewart等の米国特許第8282013号明細書は、無線周波識別(radio-frequency identification)(近距離無線通信を用いた自動認識技術(RFID))チップを開示しており、これは、Oリング又は他の流体シール内に、Oリング又は流体シールの製造中に埋め込まれる。埋め込まれたRFIDチップは、パッシブタグ又は搭載チップとして使用可能である。これは電子データを格納するだけでなく、無線受信機又は送信機として機能してよい。Stewart等の発明の欠点は、付加的なコンポーネント、即ち、RFIDチップをOリング又は流体シールに追加すること、及び、製造段階中にRFIDチップの埋め込みが必要であることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第8166891号明細書
【文献】米国特許第7477374号明細書
【文献】米国特許第7405818号明細書
【文献】米国特許第9168696号明細書
【文献】米国特許第9662833号明細書
【文献】米国特許第8282013号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
当技術分野で必要とされているのは、シール面の状態を追跡し、修理及び/又は交換の必要性に関するガイダンスを提供する、それ程費用のかからない解決策である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
本発明に従った、ある例示的な実施形態においては、シール検出装置が提供される。このシール検出装置は、外面を備えた少なくとも1つのシールを含んでおり、ここで、この外面は部分的に側面と軸線方向面とで構成されている。少なくとも1つのシールには、少なくとも1つのシールマークが設けられており、これは少なくとも1つのシールの側面又は軸線方向面に配置されている。少なくとも1つのシールにはさらに固有のコードが設けられていてよく、これはシール材料、取付け日、最終メインテナンス日、次の予定されているメインテナンス/交換、材料安全データシート等の関連シールデータと関連付けられていてよい。
【0008】
本発明に従った、他の例示的な実施形態においては、シール検出システムが提供される。シール検出システムは、少なくとも1つのシールと、少なくとも1つのシールマークと、少なくとも1つのシール要素と、少なくとも1つの関連シール情報特性を格納するように構成されている装置とを含んでおり、少なくとも1つのシールは少なくとも1つのシールのシール面と外面とを備えており、外面は縁部領域面と軸線方向に面した面とを含んでおり、少なくとも1つのシールマークは少なくとも1つのシールの外面上に配置されており、かつ、取付けられた状態又は取付けられていない状態において読み取り可能な状態であるように構成されており、ここで、この少なくとも1つのシールマークは少なくとも1つのシールの少なくとも1つの関連シール情報特性と関連付けられており、少なくとも1つのシール要素は少なくとも1つのシールの少なくとも1つのシール面と連通する接触面を含んでおり、少なくとも1つのシールマークはこの少なくとも1つのシール要素と関連付けられている。
【0009】
本発明に従った、他の例示的な実施形態においては、シールとシール要素との間のシール性能の追跡に関する方法が提供される。この方法は、シール要素用に構成されたシールを提供するステップと、シールマークでシールに印をつけるステップと、固有のコードによってシールを識別するステップと、シール要素のマークでシール要素に印をつけるステップと、固有のコードによってこの要素を識別するステップと、シールが許容可能か否かを特定するために、シールのシール面の視覚的な検査を実行するステップと、シールされた面が許容可能か否かを特定するために、シールされた面の視覚的な検査を実行するステップと、自由選択的に、シールの圧縮を示すトルク曲線データを作成するために、シール要素とシールとの間の接続のねじりモーメントの付与を識別するステップとを含んでいる。
【0010】
シール及びシール要素上に配置可能なコードの一例は固有のQRコードであり、これは、ステッカ等として配置される。他の可能性は、拡張現実の概念又は計測プレートであり、計測プレートとシールされた面との間にシールが入れられ、磁気学、音響学又は静電容量、抵抗又はインピーダンスによって検出された、シールに関する情報が用いられる。
【0011】
シール面がシールに対して許容可能か否かを特定するために、基準シール面画像を格納し、シールのマーカと関連付けることができる。次にユーザは、基準シール面画像とシール面の現在の画像との相違を特定するために基準シール面画像と比較される、シール面の現在の画像を捕捉することができる。シール面の現在の画像が、基準画像から所定の閾値を超えて逸脱している場合、このシステムは、このシールを交換する必要があることを示すことができる。
【0012】
添付の図面と併せて本発明の実施形態の以下の説明を参照することによって、本発明の上記の特徴及び利点並びに他の特徴及び利点並びにそれらを得る方法がより明らかになり、本発明は、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3】軸線方向に面した接触面とともにシールを示す。
【0014】
対応する参照符号は、いくつかの図を通して対応する部分を示している。この明細書に記載される例示は、本発明の実施形態を説明し、そのような例示は、いかなる意味においても本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発明の詳細な説明
ここで、図面、より具体的には
図1を参照する。一般的に1つ以上のシール12と、このシール12上に配置された1つ以上のマーク14とを含んでいるシール検出装置10が示されている。シール検出装置10は、部品をシールするためにシール12が使用される様々な産業にわたって、多くの用途に組み込まれてよい。たとえば、シール検出装置10は、プレート式熱交換器のガスケット、鉄道車両上のマンウェイシール、様々なバルブ及びエンジンアセンブリ上のガスケット、配管システムにおけるシール、環状シール、シャフトシール及び他の用途において使用されてよい。
【0016】
シール12は、シール要素24の2つ以上の合せ面の間に配置されるガスケット等の任意の所望のシールの形態であってよい。シール12は、任意の所望の材料、たとえば、ゴム材料、プラスチック材料、又は、シールにおいて使用される他の材料からなっていてよい。
【0017】
マーク14は、バーコード、QRコード、データマトリクス等の、任意の機械可読光学ラベルの形態であってよい。マーク14は、シール12のタイプ、シール型番、製造日、シール12の取付け日、シール12の材料、前回及び/又は次回の点検間隔、シール12の写真又は前回の点検の点検レポート、シール12の交換日及び任意のその他の所望の情報等のシール12に関する情報と関連付けられていてよい。マーク14が、シールされるべき要素24又はシール12が取付けられるべき他のハードウェアと関連付けられていてもよい。マーク14は、シール12上の任意の所望の場所に配置されていてよい。たとえば、マーク14は、シールされるべき要素24のシール面と接触していない、シール12の縁部領域20、たとえば横方向に面した面に配置されていてよい(
図2)。さらに、たとえば、マーク14は、接触面22上に、又は、
図3に示されているように軸線方向に面した接触面32上に配置されていてよい。シール性能に対するマーク14の影響を最小限にするために、マーク14は、非接触領域又は非シール領域18又は最小接触領域に配置されていてもよい。マーク14は、
図2に示されているように、シールが適正に取付けられている場合にのみ、たとえばスキャナ、光学センサ、電話等の光学装置26によって読み取り可能となるように、シール12上に組み込まれていてよい。シール12が取付けられていない場合、又は、正しく取付けられていない場合、マーク14は読み取り不可能であってよいが、適正な取付けに際してシール12が変形された場合に、マーク14が読み取り可能であってよい。言い換えると、マーク14は、シール12が所望の量の圧縮及び/又はねじれを受けている場合に読み取り可能であってよい。この圧縮及び/又はねじれはたとえば、マーク14が配置されているシール12の領域を変形させ、たとえば膨らませ、これによって、その後、マーク14のサイズ、形状及び/又は深さが読み取り可能になる。たとえば、マーク14がシール12の側面に配置されている場合、シール12の取付け及び圧縮に際して、シール12の側面が膨らんで、マーク14のサイズを拡大してよい。それによって、マーク14は、シール12が適正に取付けられている場合にのみ、読み取り可能になってよい。これによって、シール12が最初に取付けられた時、又は、シール12が点検された後、適正な組立てが保証される。
【0018】
マーク14は、シール12上に置かれてよく、及び/又は、シール12を刻んで造られてよい。たとえば、マーク14を、ステッカ等を介してシール12上に置くことができる。代替的に、マーク14は、光源16、たとえばレーザ16による光剥離を介してシール12の面内にエッチングされてよい。レーザ16は、マーク14の任意の所望のサイズ、形状及び/又は深さを刻み出してよく、たとえば、レーザ16は、約15乃至20ミクロンの深さを有する長方形のデータマトリクスを造ってよい。マーク14のレーザエッチングは、シール12の製造中に又は製造後のプロセス中に行われてよい。レーザ16は、任意の市販のレーザ等の任意の所望のレーザの形態であってよい。
【0019】
ここで、
図4を参照する。シール12とシール要素24との間のシールを監視する方法が示されている。この方法は一般的に、1つ以上のマーク14でシール12に印をつけるステップと、シール12上のマーク14を識別するステップと、シール12に関する情報を捕捉するステップと、シール12を点検するステップと、合せ面及び/又は非合せ面を点検するステップと、シール12を再取付け又は交換するステップとを含んでいる。この方法は、一人以上の個人によって実施されてよい。たとえば、現場にいる個人がこの方法を実施してもよく、又は代替的に、この方法を実施する個人が、現場にいる個人と、離隔したところにいる検査官等の現場外の個人との組合せを含んでいてもよい。自動化されたプログラムが単独で又は個人との組合せによってこの方法を実施することも考えられる。
【0020】
最初に、上述したように、QRコード等のマーク14でシール12に印がつけられてよい。シール12によってシールされる要素24又はハードウェアに付加的に印をつけることも考えられる。この方法は、シール12上に配置されたマーク14及び/又はシールされるべき要素24上に配置されたマークと関連付けられた関連データを格納するステップも含んでいてよい。
【0021】
マーク14及び/又はシールされるべき要素24は、マーク14及び/又はシールされるべき要素24をスキャンすることによって識別されてよい。シール12及び/又はシール要素24を識別するために、個人又は自動化されたコンピュータスキャナがマーク14をスキャンしてよい。これに関して、個人が、マーク14をスキャンするために、画像捕捉装置28が装備された電話を使用してよい。マーク14のスキャンに際して、個人は、シール12及び/又はシール要素24と関連付けられた、事前に格納されたデータ30を見てよい。上述したように、マーク14は、シール12が適正に取付けられている場合にのみ、スキャン可能であってよく、又は、他の方法により識別可能であってよい。
【0022】
情報の捕捉及びシール12の点検は、シール12の画像を取得すること、及び、シール12及び/又はシール要素24を視覚的に検査することを含んでいてよい。シール12の面の視覚的な検査は、シール12が許容可能な状態にあるか否かを特定するために行われてよい。たとえば、個人が視覚による分析を行ってよく、個人がスキャンを行ってよく、写真を撮ってよく、又は、レポートを書いてよく、これは、離隔したところにあるデータベースにアップロードされ、その後、現場外の個人又は現場外のコンピュータプログラムによって検査され、及び/又は、現場にあるコンピュータプログラムがシール12の視覚的な分析を実行してよい。視覚的な検査は、シール12内の欠陥を視覚的に発見すること及び/又はシール12を、シール12の以前のレポート又は写真等の以前の視覚的な検査と比較することによるシール12の分析を含んでいてよい。たとえば、シールがシールに対して許容可能か否かを特定するために、個人は、シール面の現在の画像を、基準シール面画像、たとえばシール12の以前の写真又はシールの標準的なモデルと比較してよい。これはマーク14と関連付けられており、事前にデータベース内に格納されたものである。シール面の現在の画像が所定の閾値を超えて、基準シール面画像から逸脱している場合、個人又はコンピュータプログラムは、シール12が修理又は交換される必要があることを示してよい。シール12の視覚的な検査も実行されてよい。たとえば、シール12の視覚的な検査は、シール要素24の視覚的な検査、シール要素24の接触面の視覚的な検査及び/又はシール12が取付けられていない非接触面又は非シール面の視覚的な検査を含んでいてよい。
【0023】
シール12を点検することは、任意の関連データの収集及び分析も含み得るということを理解されたい。たとえばこの方法は、シール12とシール要素24との間のねじりモーメントの付与に関する情報の収集及び分析も含んでいてよい。ねじりモーメントの付与に関する情報は、たとえば、トルククランプ自体によって自動的に収集されてよく、このねじりモーメントの付与に関する情報は、離隔したところにあるデータベースに無線で伝送されてよい。ねじりモーメントの付与に関する情報は、シール12の圧縮を示すトルク曲線を作成するために使用されてよい。
【0024】
シール12の再取付け又は交換は、同一のシール12の再取付け、シール12の修理、又は、新しいシール12の取付け、シール12の交換を含んでいてよい。
【0025】
マーク14は適正な取付けに際してのみ識別されてよいので、取付け後にシール上のマーク14を再スキャンすることが要求されてもよく、これによって、シール12が正しく(再)取付けされたことが保証される。したがって、最初の取付け、シール12及び/又はシール要素24の現在の状態、及び、点検後にシール12が適正に組立てられたか否かの記録を保持するためにこの方法が使用されてよい。
【0026】
単なる例として、プレート式熱交換器上のガスケットの監視が提供されてよい。これに関して、個人は、特定の場所に固有に固定された、熱交換器上のマーク及び/又は流体の異なるチャネルをシールする、プレート式熱交換器のシール上のマークをスキャンしてよい。個人は、自身の電話を使用してプレート式熱交換器のガスケットの画像を捕捉してよく、個人は、シールの分析を行うであろう、現場外の個人にこの画像を送ってよい。現場外の個人又はコンピュータプログラムが、シールが適正な状態にあると特定するか、又は、不適正な状態にあると特定するかに応じて、現場にいる個人はプレート式熱交換器のガスケットを再取付け又は交換してよい。熱交換器の再組立て後に、現場にいる個人は、シールが適正に取付けられていることを保証するために、プレート式熱交換器のシールを再スキャンしてよい。付加的に、プレート式熱交換器上のタイロッド間のねじりモーメントの付与に関する情報を使用して、さらに、点検後にプレート式熱交換器のガスケットが適正に組立てられたか否かを特定してよい。これによって、シールの欠落、熱交換器の組立て中の不十分なねじりモーメント、及び、無効なシールと関連付けられた様々な問題を、大幅に削減することができ又は完全に排除することができる。
【0027】
少なくとも1つの実施形態に関して本発明を説明してきたが、本開示の精神及び範囲内で本発明をさらに修正することができる。したがって、本出願は、その一般的な原理を使用した本発明のあらゆる変形、使用又は適応を網羅することを意図している。さらに、本出願は、本発明が関係する技術分野において既知の実践又は慣行の範囲内にある本開示からのそのような逸脱を網羅することを意図している。