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特許7350809ゴルフクラブヘッドアセンブリを形成する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-15
(45)【発行日】2023-09-26
(54)【発明の名称】ゴルフクラブヘッドアセンブリを形成する方法
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20230919BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20230919BHJP
【FI】
A63B53/04 B
A63B53/04 C
A63B102:32
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021112785
(22)【出願日】2021-07-07
(62)【分割の表示】P 2019104757の分割
【原出願日】2015-02-17
(65)【公開番号】P2021166762
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2021-08-04
(31)【優先権主張番号】61/941,117
(32)【優先日】2014-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/228,503
(32)【優先日】2014-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シモーネ マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ストック ライアン
(72)【発明者】
【氏名】グリール エヴァン
【審査官】佐々木 祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-084690(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0227566(US,A1)
【文献】特開2008-279248(JP,A)
【文献】特開平04-367678(JP,A)
【文献】特開2007-289513(JP,A)
【文献】Ti-6Al-4V|チタン合金60種(α-β合金、TAP6400H:板、TAB6400H:棒)の特性,「砥石」と「研削・研磨」の総合情報サイト。[online],2013年06月03日,https://web.archive.org/web/20130603063657/https://www.toishi.info/sozai/ti/ti6al4v.html,特に「Ti-6Al-4V|チタン合金60種の成分」の表を参照。[検索日2022年6月27日]
【文献】宗木政一 ほか,Ti-6Al-4V 合金圧延材の機械的性質の異方性,鉄と鋼,第1号,1986年,第146-152ページ,https://www.jstage.jst.go.jp/article/tetsutohagane1955/72/1/72_1_146/_pdf,特にTable1を参照。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/00 - 53/14
A63B 102/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブヘッドアセンブリを形成する方法であって、
6.5wt%から8.5wt%の間のアルミニウム(Al)を含むα-βチタン合金であって、ソルバス温度を有する前記合金から形成されたフェースプレートを提供するステップと、
前記フェースプレートをクラブヘッドの凹部に位置合わせするステップと、
前記フェースプレートを前記クラブヘッドに溶接する溶接ステップと、
前記溶接ステップの後、前記クラブヘッドおよび前記フェースプレートを、前記フェースプレートの前記ソルバス温度よりも高い温度まで、所定期間加熱する加熱ステップと、
前記加熱ステップの後、前記ゴルフクラブヘッドアセンブリの温度を低減するために、前記クラブヘッドおよび前記フェースプレート空冷するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記溶接ステップは、パルスプラズマ溶接プロセスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記加熱ステップは、前記クラブヘッドおよび前記フェースプレートを、1時間から6時間の間、加熱することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記加熱ステップは、前記クラブヘッドおよび前記フェースプレートを、400℃から630℃の間まで加熱することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記加熱ステップは、前記クラブヘッドおよび前記フェースプレートを、475℃から625℃の間まで、1時間から6時間の間、加熱することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記加熱ステップは、前記クラブヘッドおよび前記フェースプレートを、475℃から550℃の間まで、4時間から6時間の間、加熱することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記加熱ステップは、前記クラブヘッドおよび前記フェースプレートを、475℃から500℃の間まで、4時間から6時間の間、加熱することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記加熱ステップは、前記クラブヘッドおよび前記フェースプレートを、550℃から625℃の間まで、1時間から2時間の間、加熱することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記加熱ステップは、前記クラブヘッドおよび前記フェースプレートを、575℃から625℃の間まで、1時間から2時間の間、加熱することを含む、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
これは、2014年2月18日に出願された米国仮特許出願第61/941,117号の非仮特許出願であり、2014年3月28日に出願された米国特許出願第14/228,503号の優先権をさらに主張し、上記のすべての内容全体は、参照により本明細書に完全に組み込まれている。
【0002】
本発明は、ゴルフクラブに関し、詳細には、ゴルフクラブヘッドアセンブリを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来のゴルフクラブヘッドアセンブリは、クラブヘッドに溶接されているフェースプレートを含む。ボールがフェースプレートに対して中心を外れて打たれたときでも、ゴルフボールに対して、より真っ直ぐなおよび/またはより長い飛行経路を提供するために、フェースプレートは、わずかに丸まった形状を有する。フェースプレートは、バルジ寸法、すなわち、トウ端からヒール端への曲率と、ロール寸法、すなわち、クラウンエッジからソールエッジへの曲率とを有する。
【発明の概要】
【0004】
本発明の態様は、詳細な説明および添付の図面を考慮することによって、より明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】クラブヘッドおよびフェースプレートの斜視図である。
図2】フェースプレートが取り外されている状態のクラブヘッドの斜視図である。
図3】クラブヘッドアセンブリの上面図である。
図4】断面4-4に沿った図3のクラブヘッドアセンブリの側断面図である。
図5図3のクラブヘッドアセンブリの側面図である。
図6】ゴルフクラブヘッドアセンブリを形成するためのプロセスの概略図である。
図7】さまざまな熱処理プロセスの対象とされたフェースプレートに関して、実験的なバルジ測定およびロール測定を示すチャートである。
図8】さまざまな幾何学形状を有するフェースプレートに関して、実験的なロール測定を示すチャートである。
図9】さまざまな熱処理プロセスの対象とされたフェースプレートに関して、実験的なバルジ測定およびロール測定を示すチャートである。
図10】さまざまな材料組成を有するフェースプレートに関して、耐久性測定を示すチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の実施形態について詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明の中で述べられている、または以下の図面に図示されているコンポーネントの構造および配置の詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、また、さまざまな方法で実践または実施可能である。また、本明細書で使用される表現および専門用語は、説明のためのものであり、限定するものとしてみなされるべきではないことを理解されたい。「含む(including)」、「備える(comprising)」、および「有する(having)」、ならびに、それらの変化形を本明細書で使用することは、その後に列挙されている項目およびその均等物、ならびに、追加的な項目を包含することを意味している。下記に説明されているすべての重量パーセント(wt%)数は、総重量パーセントである。
【0007】
図1図3は、ゴルフクラブヘッド10およびフェースプレート14を示している。1つの実施形態では、ゴルフクラブヘッド10は、鋳造材料から形成されており、フェースプレート14は、圧延材料から形成されている。さらに、図示されている実施形態では、ゴルフクラブヘッド10は、メタルウッドドライバーのためのものであり、他の実施形態では、ゴルフクラブヘッド10は、フェアウェイウッドのためのものであり、他の実施形態では、ゴルフクラブヘッド10は、ハイブリッドクラブのためのものであり、他の実施形態では、ゴルフクラブヘッド10は、アイアンクラブのためのものである。また、クラブヘッド10は、ホーゼルおよびホーゼル移行部(18として示されている)を含んでいてもよい。たとえば、ホーゼルは、ヒール端34に、または、ヒール端34の近傍に位置し得る。ホーゼルは、ホーゼル移行部18を介してクラブヘッド10から延在していてもよい。ゴルフクラブを形成するために、ホーゼルは、シャフト20の第1端部を受け入れてもよい。シャフト20は、接着剤結合プロセス(たとえば、エポキシ)ならびに/または他の適切な結合プロセス(たとえば、機械的な結合、はんだ付け、溶接、および/もしくはろう付け)によって、ゴルフクラブヘッド10に固定されていてもよい。さらに、ゴルフクラブを完成させるために、グリップ(図示せず)が、シャフト20の第2端部に固定されていてもよい。
【0008】
図2に示されているように、クラブヘッド10は、フェースプレート14を受け入れるための凹部または開口部22をさらに含む。図示されている実施形態では、開口部22は、開口部22の周囲部の周りに延在するリップ部26を含む。フェースプレート14は、開口部に位置合わせされており、リップ部26に当接している。フェースプレート14は、溶接によってクラブヘッド10に固定されており、クラブヘッドアセンブリ30を形成している。1つの実施形態では、溶接は、パルスプラズマ溶接プロセスである。
【0009】
フェースプレート14は、ヒール端34と、ヒール端34と反対側のトウ端38を含む。ヒール端34は、ホーゼル部分(ホーゼルおよびホーゼル移行部18)の近傍に位置決めされており、ホーゼル部分において、シャフト20(図1)は、クラブヘッドアセンブリ30に連結されている。フェースプレート14は、クラウンエッジ42と、クラウンエッジ42の反対側のソールエッジ46とをさらに含む。クラウンエッジ42は、クラブヘッド10の上側エッジに隣接して位置決めされており、一方、ソールエッジ46は、クラブヘッド10の下側エッジに隣接して位置決めされている。図3に示されているように、フェースプレート14は、ヒール端34とトウ端38との間に延在する方向にバルジ曲率を有する。図4および図5に示されているように、フェースプレート14は、クラウンエッジ42とソールエッジ46との間に延在する方向にロール曲率も有する。1つの実施形態では、フェースプレートは、1.5ミリメートル、1.4ミリメートル、1.3ミリメートル、1.2ミリメートル、1.1ミリメートル、1.0ミリメートル、0.9ミリメートル、0.8ミリメートル、0.7ミリメートル、0.6ミリメートル、0.5ミリメートル、および0.4ミリメートルの最小壁厚さを有していてもよい。1つの実施形態では、フェースプレートは、0.7ミリメートルの最小壁厚さを有していてもよい。
【0010】
フェースプレート14は、チタン合金から形成されている。1つの実施形態では、フェースプレート14は、α-βチタン(α-βTi)合金である。α-βTi合金は、スズなどのような中性の合金化元素、ならびに、アルミニウムおよび酸素などのようなα-安定化元素(stabilizers)を含有していてもよい。α-βTi合金は、モリブデン、ケイ素、およびバナジウムなどのような、β-安定化元素を含有していてもよい。重量パーセントに関する下記に説明されているすべての数は、総重量パーセント(wt%)である。α-βTi合金の中のα-安定化元素のアルミニウムの総重量パーセントは、2wt%から10wt%の間、3wt%から9wt%の間、4wt%から8wt%の間、または5wt%から7wt%の間であってもよい。α-βTi合金の中のα-安定化元素の酸素の総重量パーセントは、0.05wt%から0.35wt%の間、または0.10wt%から0.20wt%の間であってもよい。α-βTi合金の中のβ-安定化元素のモリブデンの総重量パーセントは、0.2wt%から1.0wt%の間、もしくは0.6wt%から0.8wt%の間にあるか、または微量であってもよい。α-βTi合金の中のβ-安定化元素のバナジウムの総重量パーセントは、1.5wt%から7wt%の間、または3.5wt%から4.5wt%の間であってもよい。α-βTi合金の中のβ-安定化元素のケイ素の総重量パーセントは、0.01wt%から0.10wt%の間、または0.03wt%から0.07wt%の間であってもよい。α-βTi合金は、Ti-6Al-4V(もしくは、Ti6-4)、Ti-9S(もしくは、T-9S)、Ti-662、Ti-8-1-1、Ti-65K、Ti-6246、またはIMI550であってもよい。α、β安定化元素の組み合わせは、α-βTi合金が熱処理されることを許容する。
【0011】
1つの実施形態では、フェースプレート14をクラブヘッド10に溶接した後に、クラブヘッド10およびフェースプレート14は、所定期間、フェースプレートのソルバス温度まで、ソルバス温度の直ぐ上の温度まで、または、ソルバス温度よりも高い温度まで加熱されてもよい。別の実施形態では、フェースプレート14をクラブヘッド10に溶接した後に、クラブヘッドアセンブリ30は、所定期間、α-βTiソルバス温度で、α-βTiソルバス温度の直ぐ上の温度で、または、α-βTiソルバス温度よりも高い温度で、熱処理されてもよい。別の実施形態では、フェースプレート14をクラブヘッド10に溶接した後に、クラブヘッドアセンブリ30は、所定期間、α-βTiソルバス温度で、α-βTiソルバス温度の直ぐ上の温度で、または、α-βTiソルバス温度よりも高い温度で、熱処理されてもよい。また、このステップの間に、不活性ガスが、クラブヘッドアセンブリ30を収容している加熱チャンバの中へポンプ給送され、下記に論じられている所定期間にわたりすべての酸素を除去してもよい。下記に論じられているようにクラブヘッドアセンブリ30を冷却するとき、追加的な不活性ガスをチャンバの中へポンプ給送して戻し、クラブヘッドアセンブリ30は、チャンバで室温まで放置冷却されてもよい。
【0012】
上述するように、クラブヘッドアセンブリ30(または、クラブヘッド10および溶接されたフェースプレート14)を加熱した後に、クラブヘッドアセンブリ30は、室温まで冷却される。別の実施形態では、熱処理の後に、クラブヘッドアセンブリ30は、クラブヘッドアセンブリの温度をゆっくりと低減させるように空冷されてもよい。クラブヘッドアセンブリ30の冷却は、不活性ガス環境または封じ込められていない環境(オープンエア)で行われ得る。別の実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、不活性ガスの中で冷却し、クラブヘッドアセンブリの温度をゆっくりと低減させ、酸化の機会を低減させてもよい。不活性ガスは、窒素(N)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、およびキセノン(Xe)、または、それらの混合ガスからなる群から選択され得る。α-βTiソルバス温度まで、α-βTiソルバス温度の直ぐ上まで、または、α-βTiソルバス温度よりも上まで加熱した後に、不活性ガスは、クラブアセンブリ30を収容する真空下のチャンバの中へポンプ給送されて戻されてもよく、これは、チタンフェースプレート14およびクラブヘッド表面10に対する酸化を防止するために酸素が存在しないことを確実にする。
【0013】
当業者によって理解されるように、合金のソルバス温度は、より小さい構成分子が材料の全体的なマトリックスの中で溶解し、より流動性が高くなる温度障壁である。ほとんどのα-βTi合金のソルバス温度は、学術的文献または材料供給者によって公表された情報の中で検証されており、容易に入手可能である。公表されているデータが入手可能でない場合には、温度値は、材料の化学に依存するので、それは、推定され、実験的に確認され得る。α-βTiのソルバス温度は、400℃を上回り、600℃を下回っていてもよい。
【0014】
1つの実施形態では、α-βTiは、6wt%のアルミニウム(Al)および4wt%のバナジウム(V)を含有するTi6-4であってもよく、残りの合金組成は、チタンおよび場合によりいくらかの微量元素である。いくつかの実施形態では、Ti6-4は、5.5wt%~6.75wt%の間のAl、3.5wt%~4.5wt%の間のV、最大で0.08wt%の炭素(C)、最大で0.03wt%のケイ素(Si)、最大で0.3wt%の鉄(Fe)、最大で0.2wt%の酸素(O)、最大で0.015wt%のスズ(Sn)、および、微量のモリブデン(Mo)を含有し、残りの合金組成は、チタンである。いくつかの実施形態では、Ti6-4は、5.5wt%~6.75wt%の間のAl、3.5wt%~4.5wt%の間のV、0.08wt%以下の炭素(C)、0.03wt%以下のケイ素(Si)、0.3wt%以下の鉄(Fe)、0.2wt%以下の酸素(O)、0.015wt%以下のスズ(Sn)、および、微量のモリブデン(Mo)を含有し、残りの合金組成は、チタンである。Ti6-4は、グレード5チタンである。Ti6-4のソルバス温度は、540℃から560℃の間にある。いくつかの実施形態では、Ti6-4は、0.1597lb/in(4.37g/cc)の密度を有する。また、Ti-6-4は、T-65Kとして指定され得る。
【0015】
他の実施形態では、ゴルフクラブヘッド10のフェースプレート14は、Ti-9S(または、T-9S)のような別のα-βTi合金であってもよく、それは、8wt%のAl、1wt%のV、および、0.2wt%のSiを含有し、残りの合金組成は、チタンおよび場合によりいくらかの微量元素である。いくつかの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)は、6.5wt%~8.5wt%のAl、1wt%~2wt%の間のV、最大で0.08wt%のC、最大で0.2wt%のSi、最大で0.3wt%のFe、最大で0.2wt%のO、最大で0.05wt%のN、微量のMo、および、微量のSnを含有し、残りの合金組成は、チタンである。いくつかの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)は、6.5wt%~8.5wt%のAl、1wt%~2wt%の間のV、0.1wt%未満のC、最大で0.2wt%のSi、最大で0.4wt%のFe、最大で0.15wt%のO、0.05wt%未満のN、微量のMo、および、微量のSnを含有し、残りの合金組成は、チタンである。いくつかの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)は、6.5wt%~8.5wt%のAl、1wt%~2wt%の間のV、0.1wt%以下のC、0.2wt%以下のSi、0.4wt%以下のFe、0.15wt%以下のO、0.05wt%未満のN、微量のMo、および微量のSnを含有し、残りの合金組成は、チタンである。Ti-9S(または、T-9S)のソルバス温度は、560℃から590℃の間にある。いくつかの実施形態では、Ti-9S(または、T-9s)は、Ti8-1-1よりも高い気孔率、および、Ti8-1-1よりも低い降伏値を有するであろう。Ti-9S(または、T-9S)は、約0.156lb/inから0.157lb/in(4.32~4.35g/cc)の密度を有する。Ti-9S(または、T-9S)は、0.156lb/in(4.32g/cc)の密度を有する。
【0016】
他の実施形態では、材料は、Ti-6-6-2、Ti-6246、またはIMI550のような、別のα-βTi合金であってもよい。チタン662は、6wt%のAl、6wt%のV、および、2wt%のSnを含有していてもよく、残りの合金組成は、チタンおよび場合によりいくらかの微量元素である。Ti-6-6-2は、0.164lb/in(4.54g/cc)の密度を有する。Ti662のソルバス温度は、540℃から560℃の間にある。チタン6246は、6wt%のAl、2wt%のSn、4wt%のジルコニウム(Zr)、および、6wt%のMoを含有していてもよく、残りの合金組成は、チタンおよび場合によりいくらかの微量元素である。Ti6246のソルバス温度は、570℃から590℃の間にある。Ti-6246は、0.168lb/in(4.65g/cc)の密度を有する。IMI550は、6wt%のAl、2wt%のSn、4wt%のMo、および、0.5wt%のSiを含有していてもよく、残りの合金組成は、チタンおよび場合によりいくらかの微量元素である。IMI550のソルバス温度は、490℃から510℃の間にある。IMI550は、0.157lb/in(4.60g/cc)の密度を有する。
【0017】
他の実施形態では、材料は、Ti-8-1-1のような別のα-βTi合金であることが可能であり、8wt%のAl、1.0wt%のMo、および、1wt%のVを含有していてもよく、残りの合金組成は、チタンおよび場合によりいくらかの微量元素である。いくつかの実施形態では、Ti-8-1-1は、7.5wt%~8.5wt%のAl、0.75wt%~1.25wt%のMo、0.75wt%~1.25wt%のV、最大で0.08wt%のC、最大で0.3wt%のFe、最大で0.12wt%のO、最大で0.05wt%のN、最大で0.015wt%のH、最大で0.015wt%のSn、および、微量のSiを含有していてもよく、残りの合金組成は、チタンである。Ti-8-1-1のソルバス温度は、560℃から590℃の間にある。いくつかの実施形態では、Ti-8-1-1は、0.1580lb/in(4.37g/cc)の密度を有する。
【0018】
図6は、クラブヘッドアセンブリ30を形成するためのプロセスを示している。第1のステップ62において、フェースプレート14は、クラブヘッド10に対して位置合わせされる。第2のステップ66は、フェースプレート14をクラブヘッド10に溶接することを含む。第3のステップ70において、クラブヘッド10およびフェースプレート14は、フェースプレート14材料のソルバス温度まで、または、その上の温度まで加熱される。最後に、第4のステップ74において、クラブヘッド10およびフェースプレート14は、空冷される。
【0019】
1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、α-βTi合金のソルバス温度において、または、その上の温度において、1時間から6時間の間、熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、α-βTi合金のソルバス温度において、または、その上の温度において、1時間から2時間の間、熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、α-βTi合金のソルバス温度において、または、その上の温度において、1時間から4時間の間、熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、α-βTi合金のソルバス温度において、または、その上の温度において、4時間から6時間の間、熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、α-βTi合金のソルバス温度において、または、その上の温度において、1.5時間から5.5時間の間、熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、α-βTi合金のソルバス温度において、または、その上の温度において、2時間から5時間の間、熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、α-βTi合金のソルバス温度において、または、その上の温度において、2.5時間から4.5時間の間、熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、α-βTi合金のソルバス温度において、または、その上の温度において、3時間から4時間の間、熱処理される。
【0020】
1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、α-βTi合金のソルバス温度において、または、その上の温度において、少なくとも1時間にわたって熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、α-βTi合金のソルバス温度において、または、その上の温度において、少なくとも1.5時間にわたって熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、α-βTi合金のソルバス温度において、または、その上の温度において、少なくとも2時間にわたって熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、α-βTi合金のソルバス温度において、または、その上の温度において、少なくとも2.5時間にわたって熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、α-βTi合金のソルバス温度において、または、その上の温度において、少なくとも3時間にわたって熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、α-βTi合金のソルバス温度において、または、その上の温度において、少なくとも3.5時間にわたって熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、α-βTi合金のソルバス温度において、または、その上の温度において、少なくとも4時間にわたって熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、α-βTi合金のソルバス温度において、または、その上の温度において、少なくとも4.5時間にわたって熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、α-βTi合金のソルバス温度において、または、その上の温度において、少なくとも5時間にわたって熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、α-βTi合金のソルバス温度において、または、その上の温度において、少なくとも5.5時間にわたって熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、α-βTi合金のソルバス温度において、または、その上の温度において、少なくとも6時間にわたって熱処理される。
【0021】
1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、400℃から630℃の間で熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、425℃から550℃の間で熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、450℃から525℃の間で熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、550℃から625℃の間で熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、400℃、410℃、420℃、430℃、440℃、450℃、460℃、470℃、480℃、490℃、500℃、510℃、520℃、530℃、540℃、550℃、560℃、570℃、580℃、590℃、600℃、610℃、620℃、または630℃で、30分、60分、90分、120分、150分、180分、210分、240分、270分、300分、330分、または360分にわたって熱処理される。
【0022】
1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、少なくとも400℃の温度で熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、少なくとも420℃の温度で熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、少なくとも440℃の温度で熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、少なくとも460℃の温度で熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、少なくとも475℃の温度で熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、少なくとも480℃の温度で熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、少なくとも500℃の温度で熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、少なくとも520℃の温度で熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、少なくとも540℃の温度で熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、少なくとも560℃の温度で熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、少なくとも575℃の温度で熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、少なくとも580℃の温度で熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、少なくとも600℃の温度で熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、少なくとも620℃の温度で熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、少なくとも625℃の温度で熱処理される。1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、少なくとも630℃の温度で熱処理される。
【0023】
1つの実施形態では、クラブヘッドアセンブリ30は、第3のステップ70において、475℃から500℃の間で、4時間から6時間の間、熱処理される。別の実施形態では、クラブヘッドは、第3のステップ70において、575℃から625℃の間で、1時間から2時間の間、熱処理される。別の実施形態では、クラブヘッドは、約550℃で、1時間から4時間の間、熱処理される。他の実施形態では、フェースプレート14は、第3のステップ70において、異なる合金から形成され得る。他の実施形態では、熱処理プロセスは、他の温度で、異な期間に亘って実行され得る。加えて、熱処理は、さまざまな材料、および、さまざまな溶接タイプに適用され得る。
【0024】
低い温度で起こる従来のクラブヘッド金属エージングプロセスとは異なり、フェースプレート14を溶接した後で、ソルバス温度の上でクラブヘッドアセンブリ30を熱処理することは、フェースプレート14の中、および、溶接部とクラブヘッド10の金属マトリックスとの間の応力を緩和する。溶接後の応力緩和は、溶接-金属熱影響領域(HAZ)、または、溶接プロセスに起因して材料特性が変更された溶接の周りの領域に関連付けられる応力を消散させる。HAZと金属マトリックスの残りとの間の全く異なる機械的特性に起因して、HAZに、亀裂および欠陥が生じる可能性が高くなる。以前の溶接後処理は、ソルバス温度の下で、短い持続期間にわたって実施された。これらのプロセスは、単純に金属をエージングさせたが、溶接領域に伝達される応力の増加には対処しなかった。そのうえ、フェースプレートは、十分に強力ではなく、また、比較的急速に平らになり、または、その曲率を失うことになった。それとは対照的に、ソルバス温度の上での熱処理は、溶接金属HAZの中の応力を消散させる。熱処理は、応力を緩和することによって、HAZの耐久性を改善する。加えて、ソルバス温度の上でクラブヘッドアセンブリ30を熱処理することは、溶接に沿ってチタン-アルミニウム(TiAl)結晶を発生させる可能性を低減させる。
【0025】
フェースプレート合金の粒界は、熱処理する前に、クラウンからソールへの配向に位置合わせされる。クラウンからソールへの合金粒界の配向は、同じ方向の伸びを許容する。いくつかの実施形態では、フェースプレートα-βチタン(α-βTi)合金の粒界は、熱処理する前に、クラウンからソールへの配向に位置合わせされ得る。クラウンからソールへのα-βTi合金粒界の配向は、同じ方向の伸びを許容する。いくつかの実施形態では、フェースプレートTi-6Al-4V(もしくは、Ti6-4)、Ti-9S(もしくは、T-9S)、Ti-662、Ti-8-1-1、Ti-65K、Ti-6246、またはIMI550合金の粒界は、熱処理する前に、クラウンからソールへの配向に位置合わせされ得る。クラウンからソールへのTi-6Al-4V(もしくは、Ti6-4)、Ti-9S(もしくは、T-9S)、Ti-662、Ti-8-1-1、Ti-65K、Ti-6246、またはIMI550合金粒界の配向は、同じ方向の伸びを許容する。
【0026】
また、熱処理は、フェースプレート14の強度を改善する。改善された強度は、耐久性を犠牲にすることなく、フェースプレート14がより薄くされることを可能にし、それによって、クラブヘッド重量を低減させる。フェースプレート14の低減された重量は、クラブヘッドアセンブリ30の重心をシフトさせ、重心をさらに調節するために、追加的な重量がクラブの別の構成に加えられることを可能にする。また、フェースプレート14の強度を増加させることは、フェースプレート14の耐久性を増加させ、フェースプレート14が、非常に多数のゴルフボールに対する打撃に耐えること、および、数百または数千のゴルフボールの打撃に持ちこたえながら、フェースプレートのわずかに弓状に曲がった形状または丸まった形状をクラブの寿命にわたって維持することを可能にする。したがって、クラブは、ボールが中心を外れて打たれるときに、より寛大である。その理由は、フェースプレート14の丸まった形状が、ボールとフェースプレート14との間に「ギヤ効果」を提供するからである。
【0027】
図7に示されているように、2,000打またはボールの打撃にわたって、フェースプレート14に対するさまざまな熱処理温度の効果を比較するために、実験が実施された。フェースプレート14は、Ti-9S(または、T-9S)合金から形成された。1つのクラブヘッドアセンブリは、Ti-9S(または、T-9S)合金のソルバス温度の下の400℃まで加熱された。第2のクラブヘッドアセンブリは、Ti-9S(または、T-9S)合金のソルバス温度よりも上の600℃まで加熱された。図7において提供されている測定データは、元の曲率半径と比較されたバルジ寸法およびロール寸法の曲率半径のパーセント変化を表している。フェースプレートがより平坦になるにつれて、曲率半径は増加する。400℃で処理されたTi-9Sを備えるフェースプレート14を有するクラブヘッドアセンブリは、ゴルフボールに対する25打以内で、そのロール寸法およびバルジ寸法の両方においてかなり平らになった。それとは対照的に、600℃で処理されたTi-9Sフェースプレートを有するクラブヘッドアセンブリは、2,000打の後に、第1のクラブヘッドアセンブリよりも非常に良好にその曲率を維持した。600℃で処理されたTi-9Sフェースプレートは、2000打後に、処理されていないTi-6-4のフェースプレート14を有する第1のクラブヘッドアセンブリよりも良好に曲率を維持し、ロール寸法およびバルジ寸法の両方において曲率を維持した。
【0028】
ソルバス温度の下での(たとえば、400℃での)熱処理に関して、TiAl粒子は、より流動性が高くなり、α-マトリックスの中へ析出することが可能である。TiAl粒子のいくらかは、粒界境界に集まり、材料を時効硬化させる。それとは対照的に、ソルバス温度の上での(たとえば、600℃での)熱処理に関して、TiAl粒子は、代わりに、α-マトリックスの中に溶解し、材料の中の応力を緩和する。応力緩和プロセスは、クラブヘッドアセンブリ30がゴルフボールに対するインパクトの間の引張力および圧縮力に耐えることを可能にする。
【0029】
1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、Ti-9S(または、T-9S)のソルバス温度の上で熱処理されるフェースプレート14は、約25打の後に、その元のバルジ曲率およびロール曲率の2wt%以内に維持される。1つの実施形態では、Ti6-4から形成され、Ti6-4のソルバス温度の上で熱処理されるフェースプレート14は、約25打の後に、その元のロール曲率の3wt%以内、および、その元のバルジ曲率の8wt%以内に維持される。
【0030】
1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、Ti-9S(または、T-9S)のソルバス温度の上で熱処理されるフェースプレート14は、約50打の後に、その元のバルジ曲率およびロール曲率の8wt%以内に維持される。1つの実施形態では、Ti6-4から形成され、Ti6-4のソルバス温度の上で熱処理されるフェースプレート14は、約50打の後に、その元のロール曲率の5wt%以内、および、その元のバルジ曲率の10wt%以内に維持される。
【0031】
1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、Ti-9S(または、T-9S)のソルバス温度の上で熱処理されるフェースプレート14は、約75打の後に、その元のバルジ曲率およびロール曲率の10wt%以内に維持される。1つの実施形態では、Ti6-4から形成され、Ti6-4のソルバス温度の上で熱処理されるフェースプレート14は、約75打の後に、その元のロール曲率の13wt%以内、および、その元のバルジ曲率の10wt%以内に維持される。
【0032】
1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、Ti-9S(または、T-9S)のソルバス温度の上で熱処理されるフェースプレート14は、約100打の後に、その元のバルジ曲率およびロール曲率の10wt%以内に維持される。1つの実施形態では、Ti6-4から形成され、Ti6-4のソルバス温度の上で熱処理されるフェースプレート14は、約100打の後に、その元のロール曲率の14wt%以内、および、その元のバルジ曲率の10wt%以内に維持される。
【0033】
1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、Ti-9S(または、T-9S)のソルバス温度の上で熱処理されるフェースプレート14は、約150打の後に、その元のバルジ曲率およびロール曲率の10wt%以内に維持される。1つの実施形態では、Ti6-4から形成され、Ti6-4のソルバス温度の上で熱処理されるフェースプレート14は、約150打の後に、その元のロール曲率の15wt%以内、および、その元のバルジ曲率の11wt%以内に維持される。
【0034】
1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、Ti-9S(または、T-9S)のソルバス温度の上で熱処理されるフェースプレート14は、約300打の後に、その元のバルジ曲率およびロール曲率の10wt%以内に維持される。1つの実施形態では、Ti6-4から形成され、Ti6-4のソルバス温度の上で熱処理されるフェースプレート14は、約300打の後に、その元のロール曲率およびバルジ曲率の15wt%以内に維持される。
【0035】
1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、Ti-9S(または、T-9S)のソルバス温度の上で熱処理されるフェースプレート14は、約1,000打の後に、その元のバルジ曲率およびロール曲率の10wt%以内に維持される。1つの実施形態では、Ti6-4から形成され、Ti6-4のソルバス温度の上で熱処理されるフェースプレート14は、約1,000打の後に、その元のロール曲率の23wt%以内、および、その元のバルジ曲率の17wt%以内に維持される。
【0036】
1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、Ti-9S(または、T-9S)のソルバス温度の上で熱処理されるフェースプレート14は、約2,000打の後に、その元のバルジ曲率およびロール曲率の10wt%以内に維持される。1つの実施形態では、Ti6-4から形成され、Ti6-4のソルバス温度の上で熱処理されるフェースプレート14は、約2,000打の後に、その元のロール曲率の24wt%以内、および、その元のバルジ曲率の18wt%以内に維持される。
【0037】
そのうえ、2,000打またはボールの打撃にわたって、フェースプレート14に対するさまざまな熱処理温度の効果を比較するために、実験が実施された。フェースプレート14は、α-βTi合金から形成された。1つのクラブヘッドアセンブリは、α-βTi合金のソルバス温度の下の400℃まで加熱された。第2のクラブヘッドアセンブリは、α-βTi合金のソルバス温度よりも上の600℃まで加熱された。400℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、ゴルフボールに対する25打以内で、そのロール寸法およびバルジ寸法の両方において非常に平らになった。それとは対照的に、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、ゴルフボールに対して225打まで平らになり始めず、2,000打の後に、第1のクラブヘッドアセンブリよりも非常に良好に曲率を維持した。
【0038】
1つの実施形態では、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、25打の後に、その元のバルジ曲率およびロール曲率を維持した。1つの実施形態では、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、50打の後に、その元のバルジ曲率およびロール曲率を維持した。1つの実施形態では、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、75打の後に、その元のバルジ曲率およびロール曲率を維持した。1つの実施形態では、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、100打の後に、その元のバルジ曲率およびロール曲率を維持した。1つの実施形態では、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、125打の後に、その元のバルジ曲率およびロール曲率を維持した。1つの実施形態では、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、150打の後に、その元のバルジ曲率およびロール曲率を維持した。1つの実施形態では、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、175打の後に、その元のバルジ曲率およびロール曲率を維持した。1つの実施形態では、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、200打の後に、その元のバルジ曲率およびロール曲率を維持した。1つの実施形態では、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、225打の後に、その元のバルジ曲率およびロール曲率を維持した。
【0039】
1つの実施形態では、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、250打の後に、そのバルジ曲率およびロール曲率を実質的に維持した。1つの実施形態では、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、275打の後に、そのバルジ曲率およびロール曲率を実質的に維持した。1つの実施形態では、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、300打の後に、そのバルジ曲率およびロール曲率を実質的に維持した。1つの実施形態では、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、500打の後に、そのバルジ曲率およびロール曲率を実質的に維持した。1つの実施形態では、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、1,000打の後に、そのバルジ曲率およびロール曲率を実質的に維持した。1つの実施形態では、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、1500打の後に、そのバルジ曲率およびロール曲率を実質的に維持した。1つの実施形態では、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、2,000打の後に、そのバルジ曲率およびロール曲率を実質的に維持した。
【0040】
1つの実施形態では、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、250打の後に、その元のバルジ曲率を維持し、そのロール曲率半径は、11インチから13インチへ増加した。1つの実施形態では、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、275打の後に、その元のバルジ曲率を維持し、13インチのロール曲率半径を維持した。1つの実施形態では、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、300打の後に、そのバルジ曲率半径を12インチから13インチへ増加させ、13インチのロール曲率半径を維持した。1つの実施形態では、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、500打の後に、13インチのそのバルジ曲率半径を維持し、13インチのロール曲率半径を維持した。1つの実施形態では、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、1,000打の後に、13インチのそのバルジ曲率半径を維持し、そのロール曲率半径を13インチから14インチへ増加させた。1つの実施形態では、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、1,500打の後に、13インチのそのバルジ曲率半径を維持し、14インチのロール曲率半径を維持した。1つの実施形態では、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、2,000打の後に、13インチのそのバルジ曲率半径を維持し、14インチのロール曲率半径を維持した。
【0041】
また、図8に示されているように、3つの異なるフェースプレート幾何学形状について600℃熱処理の影響を比較するために、追跡実験が実施された。すべての3つのフェースプレート幾何学形状に関するロール測定は、一貫しており、応力緩和熱処理がフェースプレートの能力を増加させ、その曲率を維持することを確認した。フェースプレートは、Ti-9S(または、T-9S)合金を含んでいた。
【0042】
ここで図9を参照すると、2,000打またはボール打撃にわたって、フェースプレート14に対するさまざまな熱処理温度の効果を比較するために、実験が実施された。フェースプレート14は、Ti-9S(または、T-9S)合金から形成された。1つのクラブヘッドアセンブリは、Ti-9S(または、T-9S)合金のソルバス温度の下の550℃まで加熱された。第2のクラブヘッドアセンブリは、575℃まで加熱され、第3のクラブヘッドは、Ti-9S(または、T-9S)合金のソルバス温度よりも上の600℃まで加熱された。図9に提供されている測定データは、元の曲率半径と比較されたバルジ寸法およびロール寸法の曲率半径のパーセンテージ変化を表している。フェースプレートがより平坦になるにつれて、曲率半径は増加する。550℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、ゴルフボールに対する数回の打撃以内で、そのロール寸法およびバルジ寸法の両方においてかなり平らになった。それとは対照的に、600℃で処理されたクラブヘッドアセンブリは、2,000打の後に、そのクラブヘッドアセンブリよりも非常に良好に曲率を維持した。
【0043】
1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、600℃で熱処理されるフェースプレート14は、25打の後に、その元のロール曲率の1wt%以内、および、その元のバルジ曲率の3wt%以内に維持される。1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、575℃で熱処理されるフェースプレート14は、25打の後に、その元のロール曲率の24wt%以内、および、その元のバルジ曲率の11wt%以内に維持される。1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、550℃で熱処理されるフェースプレート14は、25打の後に、その元のロール曲率の19wt%以内、および、その元のバルジ曲率の9wt%以内に維持される。
【0044】
1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、600℃で熱処理されるフェースプレート14は、50打の後に、その元のロール曲率を保持し、および、その元のバルジ曲率の4wt%以内である。1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、575℃で熱処理されるフェースプレート14は、50打の後に、その元のロール曲率の28wt%以内、および、その元のバルジ曲率の13wt%以内に維持される。1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、550℃で熱処理されるフェースプレート14は、50打の後に、その元のロール曲率の23wt%以内、および、その元のバルジ曲率の15wt%以内に維持される。
【0045】
1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、600℃で熱処理されるフェースプレート14は、75打の後に、その元のロール曲率を保持し、および、その元のバルジ曲率の5wt%以内である。1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、575℃で熱処理されるフェースプレート14は、75打の後に、その元のロール曲率の28wt%以内、および、その元のバルジ曲率の12wt%以内に維持される。1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、550℃で熱処理されるフェースプレート14は、75打の後に、その元のロール曲率の28wt%以内、および、その元のバルジ曲率の23wt%以内に維持される。
【0046】
1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、600℃で熱処理されるフェースプレート14は、100打の後に、その元のロール曲率を保持し、および、その元のバルジ曲率の6wt%以内である。1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、575℃で熱処理されるフェースプレート14は、100打の後に、その元のロール曲率の30wt%以内、および、その元のバルジ曲率の13wt%以内に維持される。1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、550℃で熱処理されるフェースプレート14は、100打の後に、その元のロール曲率の29wt%以内、および、その元のバルジ曲率の22wt%以内に維持される。
【0047】
1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、600℃で熱処理されるフェースプレート14は、150打の後に、その元のロール曲率を保持し、および、その元のバルジ曲率の7wt%以内である。1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、575℃で熱処理されるフェースプレート14は、150打の後に、その元のロール曲率の28wt%以内、および、その元のバルジ曲率の13wt%以内に維持される。1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、550℃で熱処理されるフェースプレート14は、150打の後に、その元のロール曲率の31wt%以内、および、その元のバルジ曲率の24wt%以内に維持される。
【0048】
1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、600℃で熱処理されるフェースプレート14は、300打の後に、その元のロール曲率の5wt%以内、および、その元のバルジ曲率の5wt%以内に維持されている。1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、575℃で熱処理されるフェースプレート14は、300打の後に、その元のロール曲率の28wt%以内、および、その元のバルジ曲率の14wt%以内に維持される。1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、550℃で熱処理されるフェースプレート14は、300打の後に、その元のロール曲率の34wt%以内、および、その元のバルジ曲率の26wt%以内に維持される。
【0049】
1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、600℃で熱処理されるフェースプレート14は、1,000打の後に、その元のロール曲率の4wt%以内、および、その元のバルジ曲率の7wt%以内に維持されている。1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、575℃で熱処理されるフェースプレート14は、1,000打の後に、その元のロール曲率の27wt%以内、および、その元のバルジ曲率の13wt%以内に維持される。1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、550℃で熱処理されるフェースプレート14は、1,000打の後に、その元のロール曲率の34wt%以内、および、その元のバルジ曲率の27wt%以内に維持される。
【0050】
1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、600℃で熱処理されるフェースプレート14は、2,000打の後に、その元のロール曲率の5wt%以内、および、その元のバルジ曲率の6wt%以内に維持されている。1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、575℃で熱処理されるフェースプレート14は、2,000打の後に、その元のロール曲率の25wt%以内、および、その元のバルジ曲率の15wt%以内に維持される。1つの実施形態では、Ti-9S(または、T-9S)から形成され、550℃で熱処理されるフェースプレート14は、2,000打の後に、その元のロール曲率の34wt%以内、および、その元のバルジ曲率の28wt%以内に維持される。
【0051】
図10に示されているように、Ti-6-4合金またはTi-9S(T-9S)合金のいずれかから構成されるときのフェースプレート14の耐久性を比較するために、実験が実施された。実験は、フェースプレート14の破損までの空気砲からのヒット数をトラッキングした。1つのクラブヘッドアセンブリは、フェースプレート材料としてTi6-4合金を使用した。第2のクラブヘッドアセンブリは、フェースプレート材料としてTi6-4合金を備えた異なるモデルのクラブヘッドを使用した(データは示されていない)。第3のクラブヘッドアセンブリは、フェースプレート材料としてTi6-4合金を備えた第3のモデルクラブヘッドを使用した(データは示されていない)。第4のクラブヘッドアセンブリは、フェースプレート材料としてT-9S(または、Ti-9S)合金を備えた、第3のクラブヘッドアセンブリと同じモデルのクラブヘッドを使用する。図10に提供されている測定データは、フェースプレートの破損までのヒット数を表している。T-9S(または、Ti-9S)合金フェースプレートを備えるクラブヘッドアセンブリは、Ti6-4合金フェースプレートを備えるアセンブリよりも増加した耐久性を示した。同じクラブヘッドモデルは、フェースプレート材料としてTi6-4合金を備えるものの破損までの2600打の耐久性に対して、フェースプレート材料としてT-9S(または、Ti-9S)合金を備えるフェースプレートの破損までに、約3200打の増加した耐久性を示した。
【0052】
したがって、本発明は、なかでも、ゴルフクラブヘッドアセンブリを形成する方法を提供する。本発明は、特定の好適な実施形態を参照して詳細に説明されてきたが、変形例および修正例が、説明されているような1つまたは複数の本発明の独立した態様の範囲および精神の中に存在している。
【0053】
条項1. ゴルフクラブヘッドアセンブリを形成する方法であって、α-βチタン合金から形成されたフェースプレートを提供するステップと、フェースプレートをクラブヘッドの凹部に位置合わせするステップと、フェースプレートをクラブヘッドに溶接するステップと、クラブヘッドおよびフェースプレートを、フェースプレートのソルバス温度よりも高い温度まで、所定期間加熱するステップと、クラブヘッドおよびフェースプレートが不活性ガスの中で冷却することを許容するステップとを含む方法。
【0054】
条項2. α-βチタン合金は、6.5wt%から8.5wt%の間のアルミニウム(Al)、1.0wt%から2.0wt%のバナジウム(V)、0.20wt%以下の酸素(O)、および、0.20wt%以下のケイ素(Si)を含む、条項1に記載の方法。
【0055】
条項3. α-βチタン合金は、0.30%以下の鉄(Fe)、0.08wt%以下の炭素(C)、0.05wt%以下の窒素(N)、微量モリブデン(Mo)、微量スズ(Sn)をさらに含み、残りの重量パーセントは、チタン(Ti)である、条項2に記載の方法。
【0056】
条項4. フェースプレートを溶接するステップは、パルスプラズマ溶接プロセスを含む、条項1に記載の方法。
【0057】
条項5. 0.7mmの最小厚さを備えるフェースプレートを提供する、条項1に記載の方法。
【0058】
条項6. ステップ(e)の不活性ガスは、窒素(N)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、およびキセノン(Xe)、または、それらの混合ガスからなる群から選択される、条項1に記載の方法。
【0059】
条項7. 不活性ガスは、窒素(N)またはアルゴン(Ar)である、条項6に記載の方法。
【0060】
条項8. クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップは、クラブヘッドおよびフェースプレートを、400℃から630℃の間まで、1時間から6時間の間、加熱するステップを含む、条項1に記載の方法。
【0061】
条項9. クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップは、クラブヘッドおよびフェースプレートを、475℃から625℃の間まで、1時間から6時間の間、加熱するステップを含む、条項8に記載の方法。
【0062】
条項10. クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップは、クラブヘッドおよびフェースプレートを、475℃から550℃の間まで、4時間から6時間の間、加熱するステップを含む、条項9に記載の方法。
【0063】
条項11. クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップは、クラブヘッドおよびフェースプレートを、475℃から500℃の間まで、4時間から6時間の間、加熱するステップを含む、条項10に記載の方法。
【0064】
条項12. クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップは、クラブヘッドおよびフェースプレートを、550℃から625℃の間まで、1時間から2時間の間、加熱するステップを含む、条項8に記載の方法。
【0065】
条項13. クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップは、クラブヘッドおよびフェースプレートを、575℃から625℃の間まで、1時間から2時間の間、加熱するステップを含む、条項12に記載の方法。
【0066】
条項14. ゴルフクラブヘッドアセンブリを形成する方法であって、フェースプレートを提供するステップと、フェースプレートをクラブヘッドの凹部に位置合わせするステップと、フェースプレートをクラブヘッドに溶接するステップと、フェースプレートを溶接するステップの後に、クラブヘッドおよびフェースプレートを、フェースプレートのソルバス温度よりも高い温度まで、所定期間加熱するステップと、クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップの後に、クラブヘッドおよびフェースプレートが不活性ガスの中で冷却することを許容するステップとを含む方法。
【0067】
条項15. フェースプレートは、α-βチタン合金である、条項14に記載の方法。
【0068】
条項16. α-βチタン合金は、6.5wt%から8.5wt%の間のアルミニウム(Al)、1.0wt%から2.0wt%のバナジウム(V)、0.20wt%以下の酸素(O)、0.20wt%以下のケイ素(Si)、0.30%以下の鉄(Fe)、0.08wt%以下の炭素(C)、0.05wt%以下の窒素(N)、微量モリブデン(Mo)、微量スズ(Sn)を含み、残りの重量パーセントは、チタン(Ti)である、条項15に記載の方法。
【0069】
条項17. フェースプレートを溶接するステップは、パルスプラズマ溶接プロセスを含む、条項14に記載の方法。
【0070】
条項18. クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップは、クラブヘッドおよびフェースプレートを1時間から6時間の間、加熱するステップを含む、条項14に記載の方法。
【0071】
条項19. クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップは、クラブヘッドおよびフェースプレートを400℃から630℃の間まで加熱するステップを含む、条項18に記載の方法。
【0072】
条項20. クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップは、クラブヘッドおよびフェースプレートを、475℃から625℃の間まで、1時間から6時間の間、加熱するステップを含む、条項19に記載の方法。
【0073】
条項21. クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップは、クラブヘッドおよびフェースプレートを、475℃から550℃の間まで、4時間から6時間の間、加熱するステップを含む、条項20に記載の方法。
【0074】
条項22. クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップは、クラブヘッドおよびフェースプレートを、475℃から500℃の間まで、4時間から6時間の間、加熱するステップを含む、条項21に記載の方法。
【0075】
条項23. クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップは、クラブヘッドおよびフェースプレートを、550℃から625℃の間まで、1時間から2時間の間、加熱するステップを含む、条項19に記載の方法。
【0076】
条項24. クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップは、クラブヘッドおよびフェースプレートを、575℃から625℃の間まで、1時間から2時間の間、加熱するステップを含む、条項23に記載の方法。
【0077】
条項25. ステップ(e)の不活性ガスは、窒素(N)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、およびキセノン(Xe)、または、それらの混合ガスからなる群から選択される、条項14に記載の方法。
【0078】
条項26. 不活性ガスは、窒素(N)またはアルゴン(Ar)である、条項25に記載の方法。
【0079】
条項27. ゴルフクラブヘッドアセンブリを形成する方法であって、(a)α-βチタン合金から形成されたフェースプレートを提供するステップであって、α-βチタン合金は、6.5wt%から8.5wt%の間のアルミニウム(Al)、1.0wt%から2.0wt%のバナジウム(V)、0.20wt%以下の酸素(O)、および、0.20wt%以下のケイ素(Si)を含む、ステップと、(b)フェースプレートをクラブヘッドの凹部に位置合わせするステップと、(c)フェースプレートをクラブヘッドに溶接するステップと、(d)クラブヘッドおよびフェースプレートを、フェースプレートのソルバス温度よりも高い温度まで、所定期間加熱するステップと、(e)クラブヘッドおよびフェースプレートが不活性ガスの中で冷却することを許容するステップとを含み、ステップ(d)は、525℃から625℃の間で、1時間から6時間の間、実施される、方法。
【0080】
条項28. α-βチタン合金は、0.30wt%以下の鉄(Fe)、0.08wt%以下の炭素(C)、0.05wt%以下の窒素(N)、微量モリブデン(Mo)、微量スズ(Sn)をさらに含み、残りの重量パーセントは、チタン(Ti)である、条項27に記載の方法。
【0081】
条項29. ステップ(c)の溶接するステップは、パルスプラズマ溶接プロセスを含む、条項27に記載の方法。
【0082】
条項30. ステップ(e)の不活性ガスは、窒素(N)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、およびキセノン(Xe)、または、それらの混合ガスからなる群から選択される、条項29に記載の方法。
【0083】
条項31. 不活性ガスは、窒素(N)またはアルゴン(Ar)である、条項30に記載の方法。
【0084】
条項32. ステップ(a)のフェースプレートは、0.7mmの最小厚さを有する、条項27に記載の方法。
【0085】
条項33. ステップ(d)は、クラブヘッドおよびフェースプレートを、550℃から625℃の間で、1時間から2時間の間、加熱するステップを含む、条項27に記載の方法。
【0086】
条項34. クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップは、クラブヘッドおよびフェースプレートを、575℃から625℃の間まで、1時間から2時間の間、加熱するステップを含む、条項33に記載の方法。
【0087】
条項35. ゴルフクラブヘッドアセンブリを形成する方法であって、α-βチタン合金から形成されたフェースプレートを提供するステップであって、α-βチタン合金は、6.5wt%から8.5wt%の間のアルミニウム(Al)、1.0wt%から2.0wt%のバナジウム(V)、0.20wt%以下の酸素(O)、0.20wt%以下のケイ素(Si)、0.30wt%以下の鉄(Fe)、0.08wt%以下の炭素(C)、0.05wt%以下の窒素(N)、微量モリブデン(Mo)、微量スズ(Sn)を含み、残りの重量パーセントは、チタン(Ti)である、ステップと、フェースプレートをクラブヘッドの凹部に位置合わせするステップと、フェースプレートをクラブヘッドに溶接するステップと、フェースプレートを溶接するステップの後に、クラブヘッドおよびフェースプレートを、フェースプレートのソルバス温度よりも高い温度まで、所定期間加熱するステップと、クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップの後に、クラブヘッドおよびフェースプレートが不活性ガス環境の中で冷却することを許容するステップとを含む方法。
【0088】
条項36. フェースプレートを溶接するステップは、パルスプラズマ溶接プロセスを含む、条項35に記載の方法。
【0089】
条項37. クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップは、クラブヘッドおよびフェースプレートを1時間から6時間の間、加熱するステップを含む、条項35に記載の方法。
【0090】
条項38. クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップは、クラブヘッドおよびフェースプレートを400℃から630℃の間まで加熱するステップを含む、条項37に記載の方法。
【0091】
条項39. クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップは、クラブヘッドおよびフェースプレートを、475℃から625℃の間まで、1時間から6時間の間、加熱するステップを含む、条項38に記載の方法。
【0092】
条項40. クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップは、クラブヘッドおよびフェースプレートを、475℃から550℃の間まで、4時間から6時間の間、加熱するステップを含む、条項39に記載の方法。
【0093】
条項41. クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップは、クラブヘッドおよびフェースプレートを、475℃から500℃の間まで、4時間から6時間の間、加熱するステップを含む、条項40に記載の方法。
【0094】
条項42. クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップは、クラブヘッドおよびフェースプレートを、550℃から625℃の間まで、1時間から2時間の間、加熱するステップを含む、条項38に記載の方法。
【0095】
条項43. クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップは、クラブヘッドおよびフェースプレートを、575℃から625℃の間まで、1時間から2時間の間、加熱するステップを含む、条項42に記載の方法。
【0096】
条項44. ステップ(e)の不活性ガスは、窒素(N)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、およびキセノン(Xe)、または、それらの混合ガスからなる群から選択される、条項35に記載の方法。
【0097】
条項45. 不活性ガスは、窒素(N)またはアルゴン(Ar)である、条項44に記載の方法。
【0098】
条項46. ステップ(a)のフェースプレートは0.7mmの最小厚さを備える、条項35に記載の方法。
【0099】
条項47. ゴルフクラブヘッドであって、クラウンと、ソールと、トウ端と、ヒール端と、クラウンとソールの間、および、トウ端とヒール端との間に位置決めされている凹部と、ヒール端に隣接して位置決めされているホーゼルと、凹部に位置合わせされ、クラブヘッドに溶接されているフェースプレートとを含み、フェースプレートは、ヒール端とトウ端との間に延在するバルジ曲率を有し、フェースプレートは、α-βチタン合金を含み、α-βチタン合金は、6.5wt%から8.5wt%の間のアルミニウム(Al)、1.0wt%から2.0wt%のバナジウム(V)、0.20wt%以下の酸素(O)、0.20wt%以下のケイ素(Si)、0.30wt%以下の鉄(Fe)、0.08wt%以下の炭素(C)、0.05wt%以下の窒素(N)、微量モリブデン(Mo)、微量スズ(Sn)を含み、残りの重量パーセントは、チタン(Ti)であり、フェースプレートがクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドおよびフェースプレートは、525℃から625℃の間で、1時間から6時間にわたって加熱され、また、不活性ガスの中で冷却される、ゴルフクラブヘッド。
条項48. クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップは、クラブヘッドおよびフェースプレートを加熱するステップが、400℃から625℃の間で、1時間から6時間の間、実施されることを含む、条項1に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10