(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-15
(45)【発行日】2023-09-26
(54)【発明の名称】感度プロファイルに基づく留置センサの工場校正または不完全校正のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/1468 20060101AFI20230919BHJP
【FI】
A61B5/1468
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021129120
(22)【出願日】2021-08-05
(62)【分割の表示】P 2018518433の分割
【原出願日】2016-12-29
【審査請求日】2021-09-06
(32)【優先日】2015-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504016422
【氏名又は名称】デックスコム・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ルイ・マー
(72)【発明者】
【氏名】ナレシュ・シー・バヴァラジュ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・スチュアート・ハミルトン
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・ヒューズ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフ・ジャクソン
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・イ-チュン・リー
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・シー・シンプソン
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・ジェイ・ヴァンスライク
【審査官】▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-514093(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0273042(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0166126(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0012511(US,A1)
【文献】特表2012-531948(JP,A)
【文献】特表2012-519038(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/145-5/1495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ電子機器デバイスであって、
プロセッサと、
センサからのデータを受信するように構成される第1の入力ポートと、
工場較正データを受信するように構成される第2の入力ポートであって、前記工場較正データが、少なくともセンサ感度に対応し、前記センサと関連する長期ドリフト特性を含む、第2の入力ポートと、
モバイルデバイスにセンサデータを送信するように構成される出力ポートと、
を備え、
前記センサから受信した前記データを校正するための前記センサのインビボ最終感度の推定値が、
前記センサの測定されたパラメータを1つまたは複数の係数
として使用して決定され、前記センサの測定
されたパラメータが、前記センサと関連する前記長期ドリフト特性に相関する、センサ電子機器デバイス。
【請求項2】
前記センサ電子機器デバイスが、前記センサと物理的に結合するように機械的に構成される、請求項1に記載のセンサ電子機器デバイス。
【請求項3】
前記出力ポートが有線通信用に構成される、請求項1または2に記載のセンサ電子機器デバイス。
【請求項4】
前記出力ポートが無線通信用に構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のセンサ電子機器デバイス。
【請求項5】
前記第1の入力ポートが、少なくとも2つの電極接触を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のセンサ電子機器デバイス。
【請求項6】
前記第2の入力ポートおよび前記出力ポートが共通の通信ポートに対応する、請求項1~5のいずれか一項に記載のセンサ電子機器デバイス。
【請求項7】
前記第2の入力ポートがコードを受信するように構成され、前記コードが、前記センサ電子機器デバイスおよび/またはモバイルデバイスに入力用較正データを提供するように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載のセンサ電子機器デバイス。
【請求項8】
前記第2の入力ポートが、ユーザ入力、ネットワーク通信、NFC、RFID、バーコード、機械的手段、または光学的手段によってコードを受信するように構成される、請求項7に記載のセンサ電子機器デバイス。
【請求項9】
前記第2の入力ポートが、ユーザ入力によって前記コードを受信するように構成され、前記センサ電子機器デバイスが、前記モバイルデバイスから前記ユーザ入力を受信するように構成される、請求項8に記載のセンサ電子機器デバイス。
【請求項10】
前記センサ電子機器デバイスが、ルックアップテーブルに記憶するためのメモリをさらに備え、前記第2の入力ポートが、前記メモリに記憶された前記ルックアップテーブルを使用することで少なくともセンサ感度に変換可能であるコードを受信するように構成され、前記変換が、前記センサ電子機器デバイスまたは前記モバイルデバイス中で発生する、
請求項8に記載のセンサ電子機器デバイス。
【請求項11】
前記コードが、前記メモリに記憶された前記ルックアップテーブルを使用することで少なくともセンサベースライン信号にさらに変換可能である、請求項10に記載のセンサ電子機器デバイス。
【請求項12】
分析物濃度監視用キットであって、
請求項1に記載のセンサ電子機器デバイスと、
センサであって、前記センサ電子機器デバイスが前記センサと物理的に結合するように機械的に構成される、センサと、
校正インジケータであって、校正インジケータが、前記センサ電子機器デバイスおよび/またはモバイルデバイスに入力用校正データを提供するように構成され、前記校正データが前記センサの校正に使用可能であり、その結果前記モバイルデバイスが、センサ測定値を臨床単位で提示するように構成される、校正インジケータと
を備える、分析物濃度監視用キット。
【請求項13】
モバイルデバイス上で実行するために構成されたダウンロード可能なアプリケーションであって、前記アプリケーションが、校正された分析物濃度データの受信及び表示するための方法を実施し、前記方法が、
感度値と連動するコードを受信するステップと、
電流またはカウントのセンサ信号を受信するステップと、
前記コードまたは前記感度値、および前記センサ信号を使用して、校正された分析物濃度値を計算するステップと、
前記計算された値を表示するステップと、
を含み、
前記コードが、前記センサおよびモバイルデバイスとデータ通信している、前記モバイルデバイスもしくはセンサ電子機器に記憶されたルックアップテーブルによって感度値と連動しているか、または前記コードが、前記感度値を含み、
前記感度値が、少なくとも最終感度値及び初期感度値を含み、
前記分析物濃度値を校正するための前記センサのインビボ最終感度の推定値が、
前記センサの測定されたパラメータを1つまたは複数の係数
として使用して決定され、前記センサの工場校正において測定された
、初期の測定
されたパラメータが、前記センサと関連する長期ドリフト特性に相関する、アプリケーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への参照による組み込み
出願データシートにおいて特定される任意かつ全ての優先権主張、またはそれに対する任意の訂正は、37 CFR 1.57の下で参照により本明細書に組み込まれる。本出願は、2016年12月30日出願の米国仮出願第62/272,975号の利益を主張する。前述の出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、これによって明示的に本明細書の一部となる。
【0002】
連続分析物センサからのセンサデータを処理するための、かつセンサの工場校正のためのシステム及び方法。
【背景技術】
【0003】
真性糖尿病は、膵臓が十分なインスリンを作ることができない(I型もしくはインスリン依存性)、かつ/またはインスリンが有効ではない(2型もしくは非インスリン依存性)疾患である。糖尿病の状態において、被害者は高血糖に悩まされ、それは、小血管の悪化と関連した多くの生理学的な障害、例えば、腎不全、皮膚潰瘍、または眼球の硝子体液への出血を引き起こす可能性がある。低血糖反応(Hypoglycemic reaction)(低血糖(low blood sugar))は、インスリンの不注意の過剰投与によって、または異常な運動もしくは不十分な食物摂取を伴うインスリンもしくはグルコース降下薬の正常な投与後に誘発され得る。
【0004】
従来、糖尿病を患うヒトは、自己監視血糖(SMBG)モニタを持ち運び、それは典型的には、不快な指穿刺法を必要とする。快適さ及び便利さに欠けるため、糖尿病を患うヒトは通常、1日当たり2~4回グルコースレベルを測定するのみである。残念ながら、そのような時間間隔はあまりに離れて分散されるため、糖尿病を患うヒトは、高血糖または低血糖状態を知るのが手遅れになる可能性があり、時に危険な副作用を招く。グルコースレベルは、あるいは、皮膚上センサアセンブリを含むセンサシステムによって連続的に監視され得る。センサシステムは、測定データを受信機に送信する無線送信機を有してもよく、受信機は、測定値に基づき情報を処理及び表示することができる。
【0005】
これまで、グルコース値を連続的に測定するための様々なグルコースセンサが開発されてきた。多くの埋め込み可能なグルコースセンサは、体内の合併症に悩まされ、血糖の短期間かつ正確とは言えない検知のみを提供する。同様に、経皮センサは、長期間にわたって連続的にグルコース値を正確に検知し、折り返し報告することにおいて問題に直面してきた。
【0006】
持続血糖モニタ(CGM)において、センサが埋め込まれた後、それは校正され、その後それは、実質的に連続センサデータをセンサ電子機器に提供する。センサ電子機器は、センサデータを変換して、これにより、推定分析物値がユーザに連続的に提供され得る。本明細書で使用される場合、「実質的に連続的な」、「連続的に」などという用語は、時間を置いた間隔で行われる個々の測定のデータ流を指し、それは、1秒未満から最大で例えば1、2、または5分以上に及んでもよい。センサ電子機器がセンサデータを受信し続けるため、センサは、センサ感度及び/またはベースラインの考えられる変化(ドリフト)を説明するために時に再校正され得る。センサ感度は、所定の量の測定された分析物によって、センサにおいて生成される電流の量を指し得る。センサベースラインは、分析物が検出されないときにセンサによって出力される信号を指す。経時的に、感度及びベースラインは、細胞攻撃またはセンサへの細胞の遊走を含む様々な要因によって変化し、それらは、分析物がセンサに到達する能力に影響を及ぼし得る。
【0007】
CGMが直面している主要な困難の1つは、膜の動態、電気化学、及び生理学の変化によって生じるセンサ誤差に起因する、CGMセンサを毎日複数回校正する必要性である。多くのセンサは1日2回の校正しか必要としないものの、「工場で校正済みの」センサを求めるユーザからの圧力が増している。工場校正とは、センサが工場「中で」校正され、デバイス使用時の外部ユーザによる校正が不要であることを意味する。
【0008】
この背景技術は、以下の発明の概要及び発明を実施するための形態のための簡潔な文脈を導入するために提供される。この背景技術は、特許請求の範囲に記載される主題の範囲を決定するのを補助するよう意図されることも、特許請求の範囲に記載される主題を上記の不利点または問題のうちのいずれかまたは全てを解決する実装に限定するものと見なされることもない。
【発明の概要】
【0009】
この原理に従うシステム及び方法は、いくつかの方法で上記の必要性を満たす。具体的には、また一実装では、本システム及び方法は、「工場で校正済みの」センサを提供する。このために、本システム及び方法は、センサ挙動の予測的前向きモデリングを含み、かつ生理機能の予測的モデリングも含む。これら2つの補正因子により、感度の一貫した決定を達成することで、工場校正を達成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
理論に束縛されることを願わずに、2つの主要な困難が、分析物、例えば、グルコースの連続監視を行うための工場校正の達成における本原理に従うシステム及び方法において満たされたと考えられる。第1の困難は、グルコースセンサの感度及びバックグラウンド信号が、センサが電解質に浸漬された時点で時間の関数として変化することである。大体の場合、この時間依存性挙動は、センサ全体で反復性であり、少数のパラメータによって定義される本原理に従う数学モデルによって説明することができる。例えば、本原理に従う実装における予測される感度及びベースライン信号に基づき、グルコースセンサ信号を校正して、リアルタイムで血中グルコース濃度を推定することができる。
【0011】
第2に、グルコースセンサの固有の特性及び/またはそれらがどのようにベンチにおいて特徴付けられるかについて相当な変動性がセンサ間で存在し、これにより、各センサに関する感度及びバックグラウンド信号のインビボ時間経過の差異が生じる。「校正チェック」と称される試験は、感度の初期値またはインビトロ値を決定するために使用されており、これらのインビボ特性の信頼できる予測因子であることが分かっている。本原理に従うシステム及び方法は、校正チェック感度情報を利用して、数学モデルを調整し、個々のセンサに適合を提供する方法を確立した。
【0012】
適切なアルゴリズム、例えば、本出願の出願人が所有し、全体が参照によって本明細書に組み込まれるUS PGP 2014/0278189に記載されているアルゴリズムと組み合わせた場合の工場校正のワークフローは、将来的な性能を前向きにモデル化するために、ある数のセンサ性能測定時基準、例えば、初期/最終感度、ドリフト性能、ベースラインシフトなど、及びコンパートメント効果のパラメータ化を試みる。1つの特定の実装においては、14個のパラメータを特定し使用している。
【0013】
本原理に従い、一実装における工場校正ワークフローは、一緒に使用することも別々に使用することもできる2つのモデルである感度プロファイルモデル及びベースラインモデルを含む。感度モデルの例示的なバージョンが2つ(例えば、単一パラメータ指数関数モデルと二重パラメータ指数関数モデルとの両方)、ベースラインモデルの例示的なバージョンが1つある。これらの2つのモデルは、いくつかのパラメータ入力、例えば、初期感度、最終感度、指数関数的ドリフト率、膜劣化に起因するドリフト率、電気化学ブレークインに起因するドリフト率、コンパートメントバイアス(compartmental bias)の初期量及び最終量、消失しゆくコンパートメントバイアスのドリフト率などを有する。全体的に、これらのパラメータのほとんどは、センサ/膜校正に基づいて決まっていてもよく、データは、大部分が校正チェックデータ、及び製造されたロットからのセンササブセットに対して実施される長期ドリフト試験からのデータから選び取られてもよい。
【0014】
以下の特許請求の範囲によって表される本実施形態の範囲を制限することなく、本原理に従ったシステム及び方法の顕著な特徴が、簡潔に考察される。本考察を考慮した後、特に「発明を実施するための形態」と題する節を読んだ後、本実施形態の特徴が本明細書に記載される利点をどのように提供するかを理解するであろう。
【0015】
第1の態様において、分析物濃度センサの校正方法が提供され、センサは、製造されたセンサロットの部材であり、ロットは、所与の種類のセンサのものであり、ロットのその種類のセンサの1つ以上の動作パラメータが決定されており、動作パラメータの決定は、後ろ向きデータに基づき、動作パラメータは、少なくともセンサの感度に対応し、動作パラメータは、インビボ値を表し、本方法は、a.ロットにおけるセンササブセットの感度の1つ以上の長期ドリフト特性を測定するステップと、b.対象センサについて、測定可能な初期パラメータの値を測定するステップと、c.対象センサの測定可能な初期パラメータの測定値を、測定した1つ以上の長期ドリフトインビトロ特性と、係数の第1のセットによって関連付けるステップと、d.少なくとも1つ以上の決定したインビボ動作パラメータのサブセットを、測定可能な初期パラメータの測定値と、係数の第2のセットによって関連付けるステップと、e.係数の第1及び第2のセットを使用して、対象センサの少なくともインビボ最終感度の推定値を前向きに決定するステップであって、対象センサの測定可能な初期パラメータの測定値を前提に、対象センサについてのインビボ感度値が推定され得る、決定するステップと、を含む。
【0016】
実施形態の実装は、以下のうちの1つ以上を含み得る。
【0017】
ロットにおけるセンササブセット感度の1つ以上の長期ドリフト特性の測定は、ロットのセンサについての少なくとも2つの長期ドリフト特性を測定することを含み、長期ドリフト特性は、初期長期ドリフト試験感度及び最終長期ドリフト試験感度を含み得る。センサの少なくとも2つのドリフト特性の決定は、変化感度の長期ドリフト試験率である第3のドリフト特性を決定することをさらに含んでもよい。センサの少なくとも2つのドリフト特性の決定は、センサを、既知濃度の分析物を含有する溶液中に一定期間配置することによって、少なくとも2つの長期ドリフト特性を決定することをさらに含んでもよい。ドリフト特性は、感度パラメータのセットによって定義される感度モデルによって特徴付けられ得る。感度モデルは、単一指数関数または二重指数関数などの指数関数を含んでもよい。感度パラメータのセットは、m0もしくはmF、またはこれらの両方を含んでもよく、mRをさらに含んでもよい。係数の第1及び第2のセットを使用して、対象センサの少なくともインビボ最終感度の予測値を決定するステップは、係数の第1及び第2のセットを使用して、対象センサのインビボ初期感度の予測値を決定することをさらに含んでもよい。測定可能な初期パラメータは感度であり得る。測定可能な初期パラメータは校正チェック感度であり得る。
【0018】
センサの校正チェック感度の決定は、a.分析物センサの出力信号を複数の分析物濃度値で測定することと、b.測定した出力信号及び分析物濃度の測定値を使用して、直線回帰手順を行うことと、をさらに含んでもよい。測定可能な初期パラメータはセンサ膜厚であり得る。1つ以上の動作パラメータの決定は、患者データを使用してインビボ動作パラメータを決定することを含んでもよい。1つ以上の動作パラメータの決定は、ベースライン信号に対応する1つ以上の動作パラメータ及び/または感度に対応する1つ以上の動作パラメータの決定を含んでもよい。感度に対応する1つ以上の動作パラメータは、感度の最終値に対応する動作パラメータを含んでもよい。感度に対応する1つ以上の動作パラメータは、感度の初期値に対応する動作パラメータを含んでもよい。感度パラメータのセット及び/またはベースライン信号パラメータのセットは、費用関数を最低限に抑えることによってパラメータ適合を行って最良適合パラメータのセットを決定するステップを受け得る。費用関数は、絶対相対差異または平均絶対相対差異であり得る。パラメータ適合は、制約を受けなくても受けてもよく、ここで、例えば、制約は、各パラメータと初期値との差の絶対値を絶対相対差異に加えた値に基づく場合、または制約は、差の絶対値の2乗に基づく。感度パラメータのセットは、m0及びmFを含んでもよく、mRをさらに含んでもよい。ベースラインパラメータのセットは、ある数の5~15の要素を有してもよい。ベースラインパラメータのセットは、ベンチ試験または製造パラメータによって予測することができる動作パラメータを含んでもよい。パラメータ適合は、感度パラメータとベースラインパラメータとを連結させて単一のベクトルにすることを含んでもよい。動作パラメータは、ベースラインパラメータのセットによって定義されるベースラインモデルにさらに対応してもよい。対象センサまたはセンサロットが測定可能な初期パラメータの値を決定するステップを受けるときに、測定可能な初期パラメータが所定の閾値を超えて所定の値から異なる場合、または測定可能な初期パラメータから導出したパラメータが所定の閾値を超えて所定の値から異なる場合には、センサ校正を是正するステップを行うことをさらに含んでもよい。
【0019】
測定可能な初期パラメータは感度であってもよく、是正は、校正を修正することにより、m0及びmF対初期校正チェック感度のグラフ上の線であって、m0及びmFと初期校正チェック感度との間の関係を表す線を修正して、以前の計算に対して決定した線と、初期校正チェック感度がゼロである点で交差させることを含んでもよい。
【0020】
測定可能な初期パラメータは感度であってもよく、是正は、校正を修正することにより、m0及びmF対初期校正チェック感度のグラフ上の線であって、m0及びmFと初期校正チェック感度との間の関係を表す線を修正して、以前の計算に対して決定した線と、m0及びmFの値がそれぞれゼロである点で交差させることを含んでもよい。
【0021】
第2の態様において、分析物濃度センサの校正方法が提供され、センサは、所与の種類のセンサの製造されたロットの部材であり、本方法は、a.第1のセンサのインビトロ感度を決定、受信、または測定するステップと、b.ロットのセンササブセットについての少なくとも1つのドリフト特性を決定、受信、または測定するステップであって、ドリフト特性が、少なくとも最終ドリフト試験感度を含み、決定された特性が、ロットにおけるセンサを統計的に表す、決定、受信、または測定するステップと、c.少なくとも、第1のセンサの初期インビトロ感度とドリフト特性との間の関係を説明する係数の第1のセットを決定するステップと、d.少なくとも、後ろ向きインビボ感度と、決定された係数の第1のセットと、第1のセンサの初期インビトロ感度との関係を説明する係数の第2のセットを決定するステップと、e.前記決定された係数の第1もしくは第2のセット、またはこれらの両方を使用して、第2のセンサの予測インビボ感度を、第2のセンサの測定された初期インビトロ感度を前提に計算するステップと、f.第2のセンサの計算された予測インビボ感度を、第2のセンサと関連するセンサ電子機器への後の送信のために記憶するか、または第2のセンサの計算された予測インビボ感度を、第2のセンサと関連するセンサ電子機器に送信するステップと、を含んでもよい。
【0022】
実施形態の実装は、以下のうちの1つ以上を含み得る。
【0023】
後ろ向きインビボ感度は、少なくとも最終インビボ感度を含んでもよい。後ろ向きインビボ感度は、初期インビボ感度をさらに含んでもよい。後ろ向きインビボ感度は、以前のデータの直線回帰を使用して決定されてもよい。
【0024】
第3の態様において、センサ電子機器デバイスが提供され、本センサ電子機器デバイスは、a.プロセッサと、b.センサからデータを受信するように構成される第1の入力ポートと、c.校正データを受信するように構成される第2の入力ポートであって、校正データが、少なくともセンサ感度に対応する、第2の入力ポートと、d.センサデータをモバイルデバイスに送信するように構成される、出力ポートと、を含む。
【0025】
実施形態の実装は、以下のうちの1つ以上を含み得る。
【0026】
デバイスはトランスミッタであってもよい。デバイスは、センサと物理的に結合するように機械的に構成されてもよい。出力ポートは有線通信用に構成されてもよい。第1の入力ポートは、少なくとも2つの電極接触を含んでもよい。第2の入力ポート及び出力ポートは、共通の通信ポートに対応してもよい。第2の入力ポートは、コードを受信するように構成され、コードは、センサ電子機器デバイス及び/またはモバイルデバイスに入力用校正データを提供するように構成されてもよい。第2の入力ポートは、コードを、ユーザ入力、ネットワーク通信、NFC、RFID、バーコード、機械的手段、または光学的手段によって受信するように構成されてもよい。第2の入力ポートは、コードをユーザ入力によって受信するように構成され、センサ電子機器デバイスは、ユーザ入力をモバイルデバイスから受信するように構成されてもよい。センサ電子機器デバイスは、ルックアップテーブル記憶用のメモリをさらに含んでもよく、第2の入力ポートは、メモリに記憶されたルックアップテーブルを使用することで少なくともセンサ感度に変換可能であるコードを受信するように構成されてもよく、変換は、センサ電子機器デバイスまたはモバイルデバイス中で発生する。コードは、メモリに記憶されたルックアップテーブルを使用することで少なくともセンサベースライン信号にさらに変換可能であってもよい。
【0027】
第4の態様において、分析物濃度監視用キットが提供され、本キットは、a.上述のセンサ電子機器デバイスと、b.センサであって、センサ電子機器デバイスがセンサと物理的に結合するように機械的に構成される、センサと、c.校正インジケータであって、校正インジケータが、センサ電子機器デバイス及び/またはモバイルデバイスに入力用校正データを提供するように構成され、校正データが、センサの校正に使用可能であり、その結果、モバイルデバイスが、センサ測定値を臨床単位で提示するように構成される、校正インジケータと、を含む。
【0028】
第5の態様において、分析物濃度監視用キットが提供され、本キットは、a.センサであって、センサが、センサ電子機器と物理的に結合するように機械的に構成される、センサと、b.校正インジケータであって、校正インジケータが、センサ電子機器デバイス及び/またはモバイルデバイスに入力用校正データを提供するように構成され、校正データが、センサの校正に使用可能であり、その結果、モバイルデバイスが、センサ測定値を臨床単位で提示するように構成される、校正インジケータと、を含む。
【0029】
第6の態様において、校正されたセンサを提供するためのシステムが提供され、ここでは、所与の種類のセンサのロットが製造されており、ロットのその種類のセンサの1つ以上の動作パラメータが決定されており、動作パラメータの決定が後ろ向きデータに基づき、動作パラメータが少なくともロットのセンサの感度の統計的表示に対応し、動作パラメータがインビボ値を表し、本システムは、a.分析物濃度センサのロットを製造するための第1のデバイスと、b.ロットからの対象センサの校正を前向きに決定するための第2のデバイスと、を含み、第2のデバイスが、i.製造されたロットにおけるセンササブセットの感度の1つ以上の長期ドリフト特性を測定するステップと、ii.対象センサについて、測定可能な初期パラメータの値を測定するステップと、iii.対象センサの測定可能な初期パラメータの測定値を、測定した1つ以上の長期ドリフト特性と、係数の第1のセットを使用して関連付けるステップと、iv.少なくとも1つ以上の決定したインビボ動作パラメータのサブセットを、測定可能な初期パラメータの測定値と、係数の第2のセットによって関連付けるステップと、v.係数の第1及び第2のセットを使用して、対象センサの少なくともインビボ最終感度の推定前向き値を決定するステップであって、対象センサの測定可能な初期パラメータの測定値を前提に、対象センサについてのインビボ感度値が計算される、決定するステップと、を行うように構成される。
【0030】
実施形態の実装は、以下のうちの1つ以上を含み得る。
【0031】
第2のデバイスは、感度プロファイルに対応するデータファイルを作成するステップを行うようにさらに構成されてもよく、感度プロファイルは、少なくともセンサのインビボ最終感度を含むかまたはそれを示す。第2のデバイスは、校正インジケータにおいて対象センサのインビボ最終感度をコードするステップを行うようにさらに構成されてもよく、キット中で対象センサを校正インジケータと共にパッケージ化するステップを行うようにさらに構成される。校正インジケータにおいて対象センサのインビボ最終感度をコードするステップを行う第2のデバイスの構成は、コードされた感度データを有するデータを出力するように第2のデバイスを構成することをさらに含んでもよい。校正インジケータは、印字されたコードにおいて具象化されてもよく、それによりユーザが印字されたコードをモバイルデバイスまたはセンサ電子機器に入力して、校正を設定してもよい。印字されたコードは、センサ電子機器デバイスまたはモバイルデバイスに記憶されたルックアップテーブルと連動してもよく、その結果、印字されたコードがユーザによって入力されるときに、校正情報が、ルックアップテーブルから受信され、センサ及びセンサ電子機器を校正するために使用されるようになる。校正インジケータは、RFIDまたはNFCデバイスにおいて具象化されてもよく、RFIDまたはNFCデバイスは、センサ電子機器またはモバイルデバイスによってスワイプされて、校正データを転送してもよい。
【0032】
第7の態様において、分析物濃度センサの校正方法が提供され、センサは、所与の種類のセンサの製造されたロットの部材であり、本方法は、a.第1のセンサのインビトロ感度を決定、受信、または測定するステップと、b.ロットのセンササブセットについての少なくとも1つのドリフト特性を決定、受信、または測定するステップであって、ドリフト特性が、少なくとも最終ドリフト試験感度を含み、決定された特性が、ロットにおけるセンサを統計的に表す、決定、受信、または測定するステップと、c.少なくとも、第1のセンサの初期インビトロ感度とドリフト特性との間の関係を説明する係数の第1のセットを決定するステップと、d.少なくとも、後ろ向きインビボ感度と、決定された係数の第1のセットと、第1のセンサの初期インビトロ感度との関係を説明する係数の第2のセットを決定するステップと、e.前記決定された係数の第1もしくは第2のセット、またはこれらの両方を使用して、第2のセンサの感度プロファイルを、第2のセンサの測定された初期インビトロ感度を前提に計算するステップと、f.第2のセンサの計算された予測インビボ感度を、第2のセンサと関連するセンサ電子機器への後の送信のために記憶するか、または第2のセンサの計算された予測インビボ感度を、第2のセンサと関連するセンサ電子機器に送信するステップと、を含んでもよい。
【0033】
第8の態様において、分析物濃度センサを校正するためのシステムが提供され、センサは、製造されたセンサロットの部材であり、ロットは、所与の種類のセンサのものであり、ロットのその種類のセンサの1つ以上の動作パラメータが決定されており、動作パラメータの決定は、後ろ向きデータに基づき、動作パラメータは、少なくともセンサの感度に対応し、動作パラメータは、インビボ値を表し、ロットのセンササブセットから、感度の1つ以上の長期ドリフト特性が測定されており、本システムは、a.センサ校正モジュールであって、i.対象センサについて、測定可能な初期パラメータの値を測定すること、ii.対象センサの測定可能な初期パラメータの測定値を、測定した1つ以上の長期ドリフト特性と、係数の第1のセットによって関連付けること、iii.少なくとも、1つ以上の後ろ向きに決定したインビボ動作パラメータのサブセットを、測定可能な初期パラメータの測定値と、係数の第2のセットによって関連付けること、ならびにiv.係数の第1及び第2のセットを使用して、対象センサの少なくともインビボ最終感度の推定値を前向きに決定することであって、対象センサの測定可能な初期パラメータの測定値を前提に、対象センサについてのインビボ感度値が推定され得る、決定すること、を行うように構成される、センサ校正モジュールと、b.対象センサのインビボ最終感度を校正インジケータとしてコードするように構成されるコード化モジュールと、c.校正インジケータ及び対象センサをキット中にパッケージ化するように構成されるパッケージ化モジュールと、を含む。
【0034】
第9の態様において、モバイルデバイス上で実行するために構成されたダウンロード可能なアプリケーションが提供され、本アプリケーションは、校正された分析物濃度データの受信及び表示方法を行い、本方法は、a.感度値と連動するコードを受信するステップと、b.電流またはカウントのセンサ信号を受信するステップと、c.コードまたは感度値、及びセンサ信号を使用して、校正された分析物濃度値を計算するステップと、d.計算された値を表示するステップと、を含み、コードは、センサ及びモバイルデバイスとデータ通信している、モバイルデバイスもしくはセンサ電子機器に記憶されたルックアップテーブルによって感度値と連動しているか、またはコードは、感度値を含み、f.感度値は、少なくとも最終感度値及び初期感度値を含む。
【0035】
第10の態様において、分析物濃度センサの校正方法が提供され、センサは、製造されたセンサロットの部材であり、ロットは、所与の種類のセンサのものであり、ロットのその種類のセンサの1つ以上の動作パラメータが決定されており、動作パラメータの決定は、後ろ向きデータに基づき、動作パラメータは、少なくともセンサの感度に対応し、動作パラメータは、インビボ値を表し、本方法は、a.対象センサについて、測定可能な初期パラメータの値を測定するステップと、b.対象センサの測定可能な初期パラメータの測定値を、1つ以上の決定された動作パラメータと、少なくとも1つの係数によって関連付けるステップと、c.係数を使用して、対象センサの少なくともインビボ最終感度の推定値を前向きに決定するステップであって、対象センサの前記測定可能な初期パラメータの測定値を前提に、対象センサについてのインビボ感度値が推定され得る、決定するステップと、を含む。
【0036】
1つの例示的な実装において、本方法は、ロットにおけるセンササブセットの感度の1つ以上の長期ドリフト特性を測定することをさらに含み、関連付けることは、測定可能な初期パラメータの測定値を、測定された1つ以上の長期ドリフト特性と、少なくとも別の係数によってさらに関連付け、係数を別の係数と併用して、対象センサの少なくともインビボ最終感度の推定値を前向きに決定する。
【0037】
第11の態様において、分析物濃度センサの校正方法が提供され、センサは、製造されたセンサロットの部材であり、ロットは、所与の種類のセンサのものであり、ロットのその種類のセンサの1つ以上のインビボ動作パラメータが決定されており、本方法は、a.対象センサについて、測定可能な初期パラメータの値を測定するステップと、b.対象センサの測定可能な初期パラメータの測定値を、1つ以上のインビボ動作パラメータと、少なくとも1つの係数によって関連付けるステップと、c.係数を使用して、対象センサの少なくともインビボ最終感度の推定値を前向きに決定するステップであって、対象センサの測定可能な初期パラメータの測定値を前提に、対象センサについてのインビボ感度値が推定され得る、決定するステップと、を含む。
【0038】
さらなる態様及び実施形態において、様々な態様の上記の方法特徴は、方法特徴を実施するように構成される様々な態様にあるようなシステムの観点から説明される。上で言及された第1~11の態様のうちのいずれかのいかなる実施形態も含むが、これらに限定されない、態様のうちのいずれかの実施形態の特徴のいずれも、上で言及された第1~11の態様のうちのいずれかのいかなる実施形態も含むが、これらに限定されない、本明細書で識別される全ての他の態様及び実施形態に適用できる。さらに、上で言及された第1~11の態様のうちのいずれかのいかなる実施形態も含むが、これらに限定されない、様々な態様の実施形態の特徴のいずれも、いかなる方法によっても、本明細書に記載される他の実施形態と部分的または全体的に独立して組み合わせ可能であり、例えば、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の実施形態が全体的または部分的に組み合わせ可能であり得る。さらに、上で言及された第1~11の態様のうちのいずれかのいかなる実施形態も含むが、これらに限定されない、様々な態様の実施形態の特徴のいずれも、他の態様または実施形態に対して任意的なものにされ得る。方法のいかなる態様または実施形態も、別の態様または実施形態のシステムまたは装置によって実施され得、システムまたは装置のいかなる態様または実施形態も、上記で言及された第1~11の態様のうちのいずれかのいかなる実施形態も含むが、これらに限定されない、別の態様または実施形態の方法を実施するように構成され得る。
【0039】
実施形態の利点は、ある特定の実施形態においては、以下のうちの1つ以上を含み得る。連続グルコース監視のための工場校正を達成することの困難は、一部の実装においては、効果的に解決される。例えば、グルコースセンサの感度及びバックグラウンド信号は、センサが電解質に浸漬された時点で時間の関数として変化するが、この時間依存性挙動は、少数のパラメータによって定義される数学モデルによって説明することができる。本原理に従うシステム及び方法によって予測される感度及びベースライン信号に基づき、グルコースセンサ信号の校正が生じ、リアルタイムで血中グルコース濃度を推定することができる。本原理に従うシステム及び方法は、校正チェック感度情報などの測定可能なパラメータ(下記)を利用して、数学モデルを是正し、個々のセンサに適合された校正を許可する方法を確立した。
【0040】
他の利点は、図面及び特許請求の範囲を含む、以下の説明から理解されることになる。
【0041】
この発明の概要は、簡略化された形態で概念の選択を導入するために提供される。概念は、発明を実施するための形態にさらに記載される。この発明の概要に記載されるもの以外の要素またはステップが考えられ、いかなる要素またはステップも必ずしも必要とされるわけではない。この発明の概要は、特許請求の範囲に記載される主題の主要な特徴または本質的な特徴を識別するよう意図することも、それが特許請求の範囲に記載される主題の範囲を決定することの補助としての使用のために意図されることもない。特許請求の範囲に記載される主題は、本開示のいかなる部分に記述されるいずれかまたは全ての不利点を解決する実装に限定されない。
【0042】
ここで、本実施形態が、有利な特徴を明らかにすることに重点を置いて詳細に考察される。これらの実施形態は、添付の図面に示される新規かつ非自明なセンサ信号処理ならびに校正システム及び方法を示し、添付の図面は、例示目的のみであり、縮尺通りではなく、むしろ開示の原理を強調する。これらの図面は、以下の図を含み、同様の数字は同様の部品を示す。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】宿主に取り付けられ、複数の例示的なデバイスと通信している、連続分析物センサシステムの概略図である。
【
図2】
図1のセンサシステムと関連した電子機器を示すブロック図である。
【
図3】測定されたセンサカウントと分析物濃度との間の直線関係を示すグラフを示す。
【
図4】本原理に従う方法の例示的なフローチャートを示す。
【
図5】経時的な感度の例示的な変化、特に単一指数関数モデルを示す。
【
図6】経時的な感度の例示的な変化、特に二重指数関数モデルを示す。
【
図7】非酵素ブレークイン(酵素を用いずに測定)の効果、特に非酵素ブレークインモデルB
1(t)に対応するデータを示す。
【
図8】生理学的負バイアスモデルB
2(t)の例を示す。
【
図9(A)】単一指数関数感度モデルを使用した後ろ向き適合を示す。
【
図9(B)】単一指数関数感度モデルを使用した後ろ向き適合を示す。
【
図10(A)】二重指数関数感度モデルを使用した後ろ向き適合を示す。
【
図10(B)】二重指数関数感度モデルを使用した後ろ向き適合を示す。
【
図11(A)】校正チェック手順とインビボ感度パラメータとの間の予期された直線関係から著しく逸脱したシナリオを処理するための2つの戦略を示す。
【
図11(B)】校正チェック手順とインビボ感度パラメータとの間の予期された直線関係から著しく逸脱したシナリオを処理するための2つの戦略を示す。
【
図12】センサロットを製造し校正するためのシステムを示す。
【
図13】センサ電子機器または受信機/モバイルデバイスへのコード送信を概略的に示す。
【
図14】本原理に従うシステム及び方法がパッケージ化され得るキットを概略的に示す。
【
図15】本原理に従うシステム及び方法がパッケージ化され得るキットを概略的に示す。 全体を通して、同様の参照番号は同様の要素を指す。要素は、別途記載のない限り、原寸大ではない。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下の記載及び実施例は、開示された発明のいくつかの例示的な実装、実施形態、及び手筈を詳細に例示する。当業者は、本発明の範囲によって包含される本発明の多くの変化形及び修正形があることを認識するであろう。したがって、ある特定の例示的な実施形態の記載は、本発明の範囲を制限すると見なされるべきではない。
【0045】
定義
好ましい実施形態の理解を容易にするために、多くの用語が以下に定義される。
【0046】
本明細書で使用される場合、「分析物」という用語は、広義語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、分析され得る体液(例えば、血液、間質液、脳脊髄液、リンパ液、または尿)中の物質または化学成分を指すが、これらに限定されない。分析物は、自然発生物質、人口物質、代謝産物、及び/または反応生成物を含み得る。いくつかの実施形態において、センサヘッド、デバイス、及び方法による測定のための分析物は、分析物である。しかしながら、他の分析物も同様に企図され、アカルボキシプロトロンビン、アシルカルニチン、アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ、アデノシンデアミナーゼ、アルブミン、アルファ-フェトプロテイン、アミノ酸プロファイル(アルギニン(クレブス回路)、ヒスチジン/ウロカニン酸、ホモシステイン、フェニルアラニン/チロシン、トリプトファン)、アンドレノステンジオン、アンチピリン、アラビニトールエナンチオマー、アルギナーゼ、ベンゾイルエクゴニン(コカイン)、ビオチニダーゼ、ビオプテリン、c反応性タンパク質、カルニチン、カルノシナーゼ、CD4、セルロプラスミン、ケノデオキシコール酸、クロロキン、コレステロール、コリンエステラーゼ、共役1-βヒドロキシコール酸、コルチゾール、クレアチンキナーゼ、クレアチンキナーゼMMアイソザイム、サイクロスポリンA、d-ペニシラミン、デ-エチルクロロキン、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート、DNA(アセチル化多型、アルコール脱水素酵素、α1-抗トリプシン、嚢胞性線維症、デュシェンヌ型/ベッカー型筋ジストロフィー、分析物-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘモグロビンA、ヘモグロビンS、ヘモグロビンC、ヘモグロビンD、ヘモグロビンE、ヘモグロビンF、Dパンジャブ、ベータ-サラセミア、B型肝炎ウイルス、HCMV、HIV-1、HTLV-1、レーベル遺伝性視神経症、MCAD、RNA、PKU、三日熱マラリア原虫、性分化、21-デオキシコルチゾール)、デスブチルハロファントリン、ジヒドロプテリジン還元酵素、ジフテリア/破傷風抗毒素、赤血球アルギナーゼ、赤血球プロトポルフィリン、エステラーゼD、脂肪酸/アシルグリシン、遊離β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン、遊離赤血球ポルフィリン、遊離チロキシン(FT4)、遊離トリ-ヨードチロニン(FT3)、フマリルアセトアセターゼ、ガラクトース/gal-1-リン酸塩、ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼ、ゲンタマイシン、分析物-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、グルタチオン、グルタチオンペリオキシダーゼ、グリココール酸、グリコシル化ヘモグロビン、ハロファントリン、ヘモグロビン変異体、ヘキソサミニダーゼA、ヒト赤血球炭酸脱水酵素I、17-α-ヒドロキシプロゲステロン、ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ、免疫反応性トリプシン、乳酸塩、鉛、リポタンパク質((a)、B/A-1、β)、リゾチーム、メフロキン、ネチルマイシン、フェノバルビトン、フェニトイン、フィタン酸/プリスタン酸、プロゲステロン、プロラクチン、プロリダーゼ、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ、キニン、逆位トリ-ヨードチロニン(rT3)、セレン、血清膵臓リパーゼ、シソマイシン、ソマトメジンC、特異的抗体(アデノウイルス、抗核抗体、抗ゼータ抗体、アルボウイルス、オーエスキー病ウイルス、デング熱ウイルス、メジナ虫、単包条虫、赤痢アメーバ、エンテロウイルス、ランブル鞭毛虫(Giardia duodenalisa)、ヘリコバクターピロリ、B型肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、HIV-1、IgE(アトピー性疾患)、インフルエンザウイルス、ドノバンリーシュマニア、レプトスピラ、麻疹/流行性耳下腺炎/風疹、らい菌、肺炎マイコプラズマ、ミオグロビン、回旋糸状虫、パラインフルエンザウイルス、熱帯熱マラリア原虫、ポリオウイルス、緑膿菌、呼吸系発疹ウイルス、リケッチア(ツツガムシ病)、マンソン住血吸虫、トキソプラズマ原虫、梅毒トレポネーマ(Trepenoma pallidium)、クルーズ/ランゲルトリパノソーマ、水疱性口炎ウイルス(vesicular stomatis virus)、バンクロフト糸状虫、黄熱病ウイルス)、特異的抗原(B型肝炎ウイルス、HIV-1)、スクシニルアセトン、スルファドキシン、テオフィリン、チロトロピン(TSH)、チロキシン(T4)、チロキシン結合グロブリン、微量元素、トランスフェリン、UDP-ガラクトース-4-エピメラーゼ、尿素、ウロポルフィリノーゲンIシンターゼ、ビタミンA、白血球、及び亜鉛プロトポルフィリンが挙げられるが、これらに限定されない。血液または間質液中で自然に発生する塩、糖、タンパク質、脂肪、ビタミン、及びホルモンもまた、ある特定の実施形態における分析物を構成し得る。分析物、例えば、代謝産物、ホルモン、抗原、抗体などは、体液中に自然に存在し得る。あるいは、分析物、例えば、画像診断のための造影剤、放射性同位体、化学薬剤、フッ化炭素ベースの人工血液、または薬物もしくは医薬組成物が体内に導入され得、インスリン、エタノール、大麻(マリファナ、テトラヒドロカンナビノール、ハシシ)、吸入剤(亜酸化窒素、亜硝酸アミル、亜硝酸ブチル、クロロ炭化水素、炭化水素)、コカイン(クラックコカイン)、刺激剤(アンフェタミン、メタンフェタミン、Ritalin、Cylert、Preludin、Didrex、PreState、Voranil、Sandrex、Plegine)、抑制剤(バルビツール酸塩、メタカロン、精神安定剤、例えば、Valium、Librium、Miltown、Serax、Equanil、Tranxene)、幻覚剤(フェンシクリジン、リゼルギン酸、メスカリン、ペヨーテ、サイロシビン)、麻薬(ヘロイン、コデイン、モルヒネ、アヘン、メペリジン、Percocet、Percodan、Tussionex、Fentanyl、Darvon、Talwin、Lomotil)、デザイナードラッグ(フェンタニル、メペリジン、アンフェタミン、メタンフェタミン、及びフェンシクリジンの類似体、例えば、Ecstasy)、アナボリックステロイド、ならびにニコチンが挙げられるが、これらに限定されない。薬物及び医薬組成物の代謝産物もまた、分析物として企図され得る。例えば、アスコルビン酸、尿酸、ドーパミン、ノルアドレナリン、3-メトキシチラミン(3MT)、3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)、ホモバニリン酸(HVA)、5-ヒドロキシトリプタミン(5HT)、及び5-ヒドロキシインドール酢酸(FHIAA)など、体内で生成される神経化学物質及び他の化学物質などの分析物が分析され得る。
【0047】
本明細書で使用される場合、「マイクロプロセッサ」及び「プロセッサ」という用語は、広義語であり、それらの通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、コンピュータを駆動する基本命令に応答し、それを処理する論理回路を使用して、算術演算及び論理演算を実施するコンピュータシステム、状態機械などを指すが、これらに限定されない。
【0048】
本明細書で使用される場合、「未加工のデータ流」及び「データ流」という用語は、広義語であり、それらの通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、グルコースセンサから測定されたグルコースに直接関連したアナログまたはデジタル信号を指すが、これに限定されない。一例において、未加工のデータ流は、アナログ信号からA/Dコンバータによって変換された「カウント」でのデジタルデータ(例えば、電圧またはアンペア数)であり、グルコース濃度を表す1つ以上のデータ点を含む。これらの用語は、実質的に連続的なグルコースセンサからの複数の時間を置いたデータ点を広く包含し、それは、1秒未満から最大で例えば1、2、または5分以上に及ぶ時間間隔で行われる個々の測定を含む。別の例において、未加工のデータ流は、統合デジタル値を含み、データは、ある期間にわたって平均化されたグルコースセンサ信号を表す1つ以上のデータ点を含む。
【0049】
本明細書で使用される場合、「校正」という用語は、広義語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、リアルタイムで参照データを使用して、または使用せず、センサデータと対応する参照データとの間の関係を決定するプロセスであって、それが、センサデータを参照データと実質的に同等の有意義な値に変換するために使用され得る、プロセスを指すが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、すなわち、連続分析物センサにおいて、校正は、例えば、感度、ベースライン、輸送、代謝などの変化によって、センサデータと参照データとの間の関係の変化が生じるため、経時的に更新または再校正され得る(工場で、リアルタイムで、及び/または遡及的に)。
【0050】
本明細書で使用される場合、「校正されたデータ」及び「校正されたデータ流」という用語は、広義語であり、それらの通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、有意義な値をユーザに提供するために、感度の使用によるものを含む関数、例えば、変換関数を使用して、その未加工の状態から別の状態に変換されたデータを指すが、これに限定されない。
【0051】
本明細書で使用される場合、「アルゴリズム」という用語は、広義語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、例えば、計算処理を使用することによって、1つの状態から別の状態に情報を変換することに関与する計算プロセス(例えば、プログラム)を指すが、これに限定されない。
【0052】
本明細書で使用される場合、「カウント」という用語は、広義語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、デジタル信号の測定の単位を指すが、これに限定されない。一例において、カウントで測定された未加工のデータ流は、電圧に直接関連し(例えば、A/Dコンバータによって変換される)、それは、作用電極からの電流に直接関連する。
【0053】
本明細書で使用される場合、「センサ」という用語は、広義語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、分析物が定量化され得るデバイスのコンポーネントまたは領域を指すが、これに限定されない。センサの「ロット」は、一般に、同じ日またはその前後に、同じプロセス及び道具/材料を使用して製造されるセンサの群を指す。
【0054】
本明細書で使用される場合、「グルコースセンサ」及び「生体試料中のグルコースの量を決定するための部材」という用語は、広義語であり、それらの通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、グルコースが定量化され得る任意の機構(例えば、酵素的または非酵素的)を指すが、これに限定されない。例えば、いくつかの実施形態は、以下の化学反応によって例示されるような酸素及びグルコースの過酸化水素及びグルコン酸塩への変換を触媒する、グルコース酸化酵素を含有する、膜を利用する。
【0055】
グルコース+O2→グルコン酸塩+H2O2
【0056】
代謝される各グルコース分子に対して、共反応物O2及び生成物H2O2の比例した変化があるため、電極を使用して、共反応物または生成物のいずれかの電流変化を監視して、グルコース濃度を決定することができる。
【0057】
本明細書で使用される場合、「動作可能に接続された」及び「動作可能に連結された」という用語は、広義語であり、それらの通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、コンポーネント間の信号の伝送を可能にする様式で、別のコンポーネント(複数可)に連結されている1つ以上のコンポーネントを指すが、これに限定されない。例えば、1つ以上の電極が、試料中のグルコースの量を検出し、その情報を信号、例えば、電気または電磁信号に変換するために使用され得、信号は、次いで、電子回路に送信され得る。この場合、電極は、電子回路に「動作可能に連結」されている。これらの用語は、無線接続を含むのに十分広義である。
【0058】
「決定すること」という用語は、幅広いアクションを包含する。例えば、「決定すること」は、計算すること、演算すること、処理すること、導き出すこと、調査すること、検索すること(例えば、表、データベース、または別のデータ構造中を検索すること)、確定することなどを含み得る。また、「決定すること」は、受信すること(例えば、情報を受信すること)、アクセスすること(例えば、メモリ内のデータにアクセスすること)などを含み得る。また、「決定すること」は、解決すること、選択すること、選び出すこと、計算すること、導き出すこと、確立すること、及び/または同類のものを含み得る。決定することはまた、閾値を満たしている、過ぎている、超えているなどを含む、パラメータが所定の基準と一致していることを確定することを含み得る。
【0059】
本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、広義語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、主に指定されたものであるが、必ずしも完全に指定されたものではないことを指すが、これに限定されない。
【0060】
本明細書で使用される場合、「宿主」という用語は、広義語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、哺乳動物、特にヒトを指すが、これに限定されない。
【0061】
本明細書で使用される場合、「連続分析物(またはグルコース)センサ」という用語は、広義語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、例えば、1秒未満から最大で例えば、1、2、または5分以上に及ぶ時間間隔で、分析物の濃度を連続的または継続的に測定するデバイスを指すが、これに限定されない。1つの例示的な実施形態において、連続分析物センサは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,001,067号に記載されるようなグルコースセンサである。
【0062】
本明細書で使用される場合、「連続分析物(またはグルコース)検知」という用語は、広義語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、分析物の監視が、例えば、1秒未満から最大で例えば、1、2、または5分以上に及ぶ時間間隔で、連続的または継続的に実施される期間を指すが、これに限定されない。
【0063】
本明細書で使用される場合、「参照分析物モニタ」、「参照分析物メータ」、及び「参照分析物センサ」という用語は、広義語であり、それらの通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、分析物の濃度を測定し、連続分析物センサのための参照として使用され得るデバイスを指すが、これに限定されず、例えば、自己監視血糖メータ(SMBG)は、比較、校正などのために連続グルコースセンサのための参照として使用され得る。
【0064】
本明細書で使用される場合、「検知膜」という用語は、広義語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、2つ以上の領域からなり得、典型的には、酸素に対して透過性であり、グルコースに対して透過性であってもなくてもよい、数ミクロン以上の厚さの材料から構成される、透過性または半透過性膜を指すが、これに限定されない。一例において、検知膜は、固定化グルコースオキシダーゼ酵素を含み、それは、グルコースの濃度を測定するために電気化学反応が生じることを可能にする。
【0065】
本明細書で使用される場合、「生理学的に可能性のある」という用語は、広義語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、ヒト及び/または動物におけるグルコースデータの連続的な研究から取得された生理学的パラメータを指すが、これに限定されない。例えば、ヒトにおける約4~5mg/dL/分のグルコースの最大持続変化率及び約0.1~0.2mg/dL/分2の変化率の最大加速度は、生理学的に可能性のある限度と見なされる。これらの限度外の値は、例えば、非生理学的と見なされ、信号誤差の結果である可能性が高い。別の例として、グルコースの変化率は、毎日のグルコース範囲の最大及び最小において最低であり、その範囲は、患者治療において最大リスクの領域であり、したがって、生理学的に可能性のある変化率は、グルコースデータの連続的な研究に基づき最大及び最小で設定され得る。さらなる例として、ある特定の期間(例えば、約20~30分間)にわたるグルコース信号データ流に沿った任意の点における曲線の形状に対する最善の解は、直線であることが認められており、それは、生理学的限度を設定するために使用され得る。
【0066】
本明細書で使用される場合、「周波数成分」という用語は、広義語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、信号及びそれらの電力内に含まれる周波数を含む、スペクトル密度を指すが、これに限定されない。
【0067】
本明細書で使用される場合、「直線回帰」という用語は、広義語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、データのセットがその線からの最小測定値を有する線を見つけることを指すが、これに限定されない。このアルゴリズムの副産物は、測定データがどれほど良好に線と適合しているかを決定する、勾配、y切片、及びR-2乗値を含む。
【0068】
本明細書で使用される場合、「非直線回帰」という用語は、広義語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、非直線で応答変数と1つ以上の説明変数との間の関係を説明するために、データのセットを適合させることを指すが、これに限定されない。
【0069】
本明細書で使用される場合、「平均」という用語は、広義語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、観察値の合計を観察の回数で除算することを指すが、これに限定されない。
【0070】
本明細書で使用される場合、「非再帰的フィルタ」という用語は、広義語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、入力の移動平均を出力として使用する方程式を指すが、これに限定されない。
【0071】
本明細書で使用される場合、「再帰的フィルタ」及び「自己回帰アルゴリズム」という用語は、広義語であり、それらの通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、前の出力の平均が次のフィルタリングされた出力の一部である方程式を指すが、これに限定されない。より具体的には、各観察の値が部分的にその直前の観察の値に依存する、一連の観察の生成。一例は、遅れた応答値が、続く応答を計算するために独立した変数の役割を担う、回帰構造である。
【0072】
本明細書で使用される場合、「変動」という用語は、広義語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、データの点、線、またはセットからの相違または変化の量を指すが、これに限定されない。一実施形態において、推定分析物値は、例えば、既知の生理学的パターンに基づき可能性の範囲を表す、推定分析物値以外の値の範囲を含む変動を有することができる。
【0073】
本明細書で使用される場合、「生理学的パラメータ」及び「生理学的境界」という用語は、広義語であり、それらの通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、ヒト及び/または動物における生理学的データの連続的な研究から取得されたパラメータを指すが、これに限定されない。例えば、ヒトにおける約4~5mg/dL/分のグルコースの最大持続変化率及び約0.1~0.2mg/dL/分2の変化率の最大加速度は、生理学的に可能性のある限度と見なされ、これらの限度外の値は、非生理学的と見なされる。別の例として、グルコースの変化率は、毎日のグルコース範囲の最大及び最小において最低であり、その範囲は、患者治療において最大リスクの領域であり、したがって、生理学的に可能性のある変化率は、グルコースデータの連続的な研究に基づき最大及び最小で設定され得る。さらなる例として、ある特定の期間(例えば、約20~30分間)にわたるグルコース信号データ流に沿った任意の点における曲線の形状に対する最善の解は、直線であることが認められており、それは、生理学的限度を設定するために使用され得る。これらの用語は、いかなる分析物に関する生理学的とパラメータも含むのに十分広義である。
【0074】
本明細書で使用される場合、「測定された分析物値」という用語は、広義語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、分析物データが分析物センサによって測定された期間の分析物値または分析物値のセットを指すが、これに限定されない。この用語は、センサ及び/または受信機におけるデータ処理(例えば、データ平滑化、校正など)の前または後の分析物センサからのデータを含むのに十分広義である。
【0075】
本明細書で使用される場合、「推定分析物値」という用語は、広義語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、測定された分析物値からアルゴリズム的に外挿された分析物値または分析物値のセットを指すが、これに限定されない。
【0076】
本明細書で使用される場合、「センサデータ」という用語は、広義語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、連続分析物センサなどのセンサと関連した任意のデータを指すが、これに限定されない。センサデータは、分析物センサからの測定された分析物に直接関連したアナログもしくはデジタル信号(または別のセンサから受信される他の信号)の未加工のデータ流、または単純にデータ流、ならびに校正及び/またはフィルタリングされた未加工のデータを含む。一例において、センサデータは、アナログ信号からA/Dコンバータによって変換された「カウント」でのデジタルデータ(例えば、電圧またはアンペア数)を含み、グルコース濃度を表す1つ以上のデータ点を含む。したがって、「センサデータ点」及び「データ点」という用語は、概して、特定の時間におけるセンサデータのデジタル表示を指す。これらの用語は、実質的に連続的なグルコースセンサからなど、センサからの複数の時間を置いたデータ点を広く包含し、それは、1秒未満から最大で例えば1、2、または5分以上に及ぶ時間間隔で行われる個々の測定を含む。別の例において、センサデータは、ある期間にわたって平均化された1つ以上のデータ点を表す統合デジタル値を含む。センサデータは、校正されたデータ、平滑化されたデータ、フィルタリングされたデータ、変換されたデータ、及び/またはセンサと関連した任意の他のデータを含み得る。
【0077】
本明細書で使用される場合、「一致したデータ対」または「データ対」という用語は、広義語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、実質的に時間が対応するセンサデータ(例えば、1つ以上のセンサデータ点)と一致した参照データ(例えば、1つ以上の参照分析物データ点)を指すが、これに限定されない。
【0078】
本明細書で使用される場合、「センサ電子機器」という用語は、広義語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、データを処理するように構成されるデバイスのコンポーネント(例えば、ハードウェア及び/またはソフトウェア)を指すが、これに限定されない。
【0079】
本明細書で使用される場合、「校正セット」という用語は、広義語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、校正に有用な情報を含むデータのセットを指すが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、校正セットは、参照データとセンサデータとの間の関係を決定するために使用される、1つ以上の一致したデータ対から形成されるが、埋め込み前に、外部で、または内部で得られた他のデータもまた使用され得る。
【0080】
本明細書で使用される場合、「感度」または「センサ感度」という用語は、広義語であり、それらの通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、測定された分析物、または測定された分析物(例えば、グルコース)と関連した測定された種(例えば、H2O2)のある特定の濃度によって生成される信号の量を指すが、これに限定されない。例えば、一実施形態において、センサは、1mg/dLのグルコース分析物毎に約1~約300ピコアンペアの電流の感度を有する。
【0081】
本明細書で使用される場合、「感度プロファイル」または「感度曲線」という用語は、広義語であり、それらの通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、経時的な感度の変化の表示を指すが、これに限定されない。
【0082】
他の定義は、以下の記載内に、場合によっては用語の使用の文脈から提供される。
【0083】
本明細書で用いられるように、以下の略語が適用される。Eq及びEqs(当量)、mEq(ミリ当量)、M(モル)、mM(ミリモル)、μM(マイクロモル)、N(規定)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、μmol(マイクロモル)、nmol(ナノモル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、μg(マイクログラム)、Kg(キログラム)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、dL(デシリットル)、μL(マイクロリットル)、cm(センチメートル)、mm(ミリメートル)、μm(マイクロメートル)、nm(ナノメートル)、h及びhr(時間)、min(分)、ならびにsec.(秒)、℃(摂氏)。
【0084】
システムの概観/概要
従来のインビボ連続分析物検知技術は、典型的には、連続分析物センサの校正のためのセンサセッション中に実施される参照測定に依存してきた。参照測定は、実施的に時間が対応するセンサデータと一致して、一致したデータ対を作る。次いで、回帰が一致したデータ対に対して実施されて(例えば、最小2乗回帰を使用することによって)、センサ信号と推定されたグルコース濃度との間の関係を定義する変換関数を生成する。
【0085】
救命救急の状況において、連続分析物センサの校正は、多くの場合、参照として既知の濃度の分析物を用いた校正液を使用することによって実施される。この校正手順は、IV(静脈内)バッグとは別の(かつそれに加えた)校正バッグが典型的には使用されるため、扱いにくい可能性がある。外来の状況において、連続分析物センサの校正は、従来、末梢血の血糖測定(例えば、フィンガースティックグルコース試験)によって実施され、それを通じて、参照データが取得され、連続分析物センサシステムに入力される。この校正手順は、典型的には、頻繁なフィンガースティック測定を伴い、それは不便で、かつ痛みを伴う可能性がある。
【0086】
これまで、周期的再校正に依存しない製造業者による連続分析物センサのインビトロ校正(例えば、工場校正)のためのシステム及び方法は、大部分が、血糖管理に必要とされる高レベルのセンサ精度に関して不十分であった。この一部は、センサ使用中に生じ得るセンサ特性(例えば、センサ感度)の変化に起因し得る。したがって、連続分析物センサの校正は、典型的には、それらが校正液またはフィンガースティック測定と関連するかどうかにかかわらず、参照データの周期的入力を伴ってきた。これは、毎日の生活におけるユーザにとって、かつ外来の状況における患者または救命救急の状況における病院スタッフにとって、非常に面倒である可能性がある。
【0087】
参照分析物モニタからの(例えば、血糖メータからの)参照データに依存することなく(または依存の減少を伴って)、高レベルの精度を達成することが可能である連続分析物センサを校正するためのシステム及び方法が、本明細書に記載される。
【0088】
以下の記載及び実施例は、図面を参照して本実施形態を説明した。図面中、参照番号は、本実施形態の要素を表示する。これらの参照番号は、対応する図面特徴の考察に関連して以下で複製される。
センサシステム
【0089】
図1は、いくつかの例示的な実装に従った例示的なシステム100を示す。システム100は、センサ電子機器12と連続分析物センサ10とを含む、連続分析物センサシステム8を含む。システム100は、薬剤送達ポンプ2及びグルコースメータ4などの他のデバイス及び/またはセンサを含んでもよい。連続分析物センサ10は、センサ電子機器12に物理的に接続されてもよく、連続分析物センサ10と一体化であっても(例えば、解放不可能に取り付けられても)、または解放可能に取り付け可能であってもよい。センサ電子機器12、薬剤送達ポンプ2、及び/またはグルコースメータ4は、ディスプレイデバイス14、16、18、及び/または20などの1つ以上のデバイスと連結してもよい。
【0090】
いくつかの例示的な実装において、システム100は、宿主(患者とも称される)と関連した、センサシステム8及びディスプレイデバイス14~20などの他のデバイスから、ネットワーク406(例えば、有線、無線、またはこれらの組み合わせを介して)を介して提供される、分析物データ(及び/または他の患者関連データ)を分析し、ある特定の時間枠にわたって測定された分析物に関する統計データなどの高レベルの情報を提供する報告を生成するように構成される、クラウドベースの分析物プロセッサ490を含んでもよい。クラウドベースの分析物処理システムを使用する本格的な考察は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、“Cloud-Based Processing of Analyte Data”と題し、2013年3月7日出願の米国特許出願第13/788,375号で見られる。いくつかの実装において、工場校正アルゴリズムの1つ以上のステップは、このクラウドにおいて行うことができる。
【0091】
いくつかの例示的な実装において、センサ電子機器12は、連続分析物センサ10によって生成されるデータの測定及び処理と関連した電子回路を含んでもよい。この生成された連続分析物センサデータはまた、連続分析物センサデータを処理及び校正するために使用され得るアルゴリズムを含んでもよいが、これらのアルゴリズムは、同様に他の方法でも提供され得る。センサ電子機器12は、連続グルコースセンサなどの連続分析物センサを介して分析物のレベルの測定を提供するために、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。センサ電子機器12の例示的な実装は、
図2に関して以下にさらに記載される。
【0092】
一実装において、本明細書に記載される工場校正アルゴリズムは、センサ電子機器によって行われ得る。
【0093】
センサ電子機器12は、記述通り、ディスプレイデバイス14、16、18、及び/または20などの1つ以上のデバイスと(例えば、無線などで)連結してもよい。ディスプレイデバイス14、16、18、及び/または20は、ディスプレイデバイス14、16、18、及び/または20における表示のために、センサ電子機器12によって送信されるセンサ情報などの情報を提示する(かつ/またはその警報を出す)ように構成されてもよい。
【0094】
ディスプレイデバイスは、少なくとも情報(例えば、薬剤送達情報、別個の自己監視グルコース読み取り値、心拍数モニタ、食物摂取モニタなど)を提示するように構成される、比較的小さいキーフォブ型ディスプレイデバイス14、比較的大きい手持ち式ディスプレイデバイス16、携帯電話18(例えば、スマートフォン、タブレットなど)、コンピュータ20、及び/または任意の他のユーザ装置を含んでもよい。
【0095】
一実装において、本明細書に記載される工場校正アルゴリズムは、少なくとも一部はディスプレイデバイスによって行われ得る。
【0096】
いくつかの例示的な実装において、比較的小さいキーフォブ型ディスプレイデバイス14は、リストウォッチ、ベルト、ネックレス、ペンダント、宝飾品、接着パッチ、ポケットベル、キーフォブ、プラスチックカード(例えば、クレジットカード)、識別(ID)カード、及び/または同類のものを含んでもよい。この小型のディスプレイデバイス14は、比較的小さいディスプレイ(例えば、大型ディスプレイデバイス16よりも小さい)を含んでもよく、数値、矢印、またはカラーコードなどのある特定の種類の表示可能なセンサ情報を表示するように構成されてもよい。
【0097】
いくつかの例示的な実装において、比較的大きい手持ち式ディスプレイデバイス16は、手持ち式受信機デバイス、パームトップコンピュータ、及び/または同類のものを含んでもよい。この大型ディスプレイデバイスは、比較的大きいディスプレイ(例えば、小型ディスプレイデバイス14よりも大きい)を含んでもよく、センサシステム8によって出力される現在及び履歴センサデータを含む連続センサデータのグラフ表示などの情報を表示するように構成されてもよい。
【0098】
いくつかの例示的な実装において、連続分析物センサ10は、分析物を検出及び/または測定するためのセンサを含み、連続分析物センサ10は、非侵襲的デバイス、皮下デバイス、経皮デバイス、及び/または血管内デバイスとして、分析物を連続的に検出及び/または測定するように構成されてもよい。いくつかの例示的な実装において、連続分析物センサ10は、複数の断続的血液試料を分析してもよいが、他の分析物も同様に使用され得る。
【0099】
いくつかの例示的な実装において、連続分析物センサ10は、酵素、化学、物理、電気化学、分光光度、偏光、熱量、イオン導入、放射、免疫化学などの1つ以上の測定技術を使用して、血液または間質液中のグルコースを測定するように構成される、グルコースセンサを含んでもよい。連続分析物センサ10がグルコースセンサを含む実装において、グルコースセンサは、グルコースの濃度を測定することが可能な任意のデバイスを含んでもよく、侵襲的、低侵襲的、非侵襲的検知技術(例えば、蛍光モニタリング)を含む、グルコースを測定するための様々な技術を使用して、宿主内のグルコースの濃度を示すデータ流などのデータを提供してもよい。データ流は、センサデータ(未加工の及び/またはフィルタリングされた)であってもよく、それらは、ユーザ、患者、または介護者(例えば、宿主の健康に関心がある親、親戚、保護者、教師、医者、看護師、または任意の他の個人)などの宿主にグルコースの値を提供するために使用される校正されたデータ流に変換されてもよい。さらに、連続分析物センサ10は、以下の種類のセンサのうちの少なくとも1つとして埋め込まれてもよい。埋め込み可能なグルコースセンサ、宿主血管中に埋め込まれた、または対外の経皮グルコースセンサ、皮下センサ、差し替え可能な皮下センサ、血管内センサ。
【0100】
本明細書の開示は、グルコースセンサを含む連続分析物センサ10を含むいくつかの実装に言及するが、連続分析物センサ10は、他の種類の分析物センサも同様に含み得る。さらに、いくつかの実装は、埋め込み可能なグルコースセンサとしてのグルコースセンサに言及するが、グルコースの濃度を検出し、グルコース濃度を表す出力信号を提供することが可能な他の種類のデバイスも同様に使用され得る。さらに、本明細書の記載は、測定、処理などされている分析物としてのグルコースに言及するが、例えば、ケトン体(例えば、アセトン、アセト酢酸及びβ‐ヒドロキシ酪酸、乳酸塩など)、グル力ゴン、アセチル-CoA、トリグリセリド、脂肪酸、クエン酸回路中の中間体、コリン、インスリン、コルチゾール、テストステロンなどを含む、他の分析物も同様に使用され得る。
【0101】
図2は、いくつかの例示的な実装に従ったセンサ電子機器12の一実施例を示す。センサ電子機器12は、センサデータなどのセンサ情報を処理し、例えば、プロセッサモジュールを介して変換されたセンサデータ及び表示可能なセンサ情報を生成するように構成される、センサ電子機器を含んでもよい。例えば、プロセッサモジュールは、センサデータを以下のうちの1つ以上に変換してもよい。フィルタリングされたセンサデータ(例えば、1つ以上のフィルタリングされた分析物濃度値)、未加工のセンサデータ、校正されたセンサデータ(例えば、1つ以上の校正された分析物濃度値)、変化率情報、傾向情報、加速度/減速度情報、センサ診断情報、位置情報、警報/警告情報、校正情報、例えば、本明細書に開示される工場校正アルゴリズムによって決定され得るもの、センサデータの平滑化及び/もしくはフィルタリングアルゴリズム、ならびに/または同類のもの。
【0102】
いくつかの実施形態において、プロセッサモジュール214は、工場校正に関するデータ処理を含むデータ処理の全部ではないがかなりの部分を達成するように構成される。プロセッサモジュール214は、センサ電子機器12に一体的であってもよく、かつ/またはデバイス14、16、18、及び/もしくは20、ならびに/またはクラウド490のうちの1つ以上など、遠隔設置されてもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサモジュール214は、複数のより小さいサブコンポーネントまたはサブモジュールを含んでもよい。例えば、プロセッサモジュール214は、警告モジュール(図示せず)、または予測モジュール(図示せず)、またはデータを効率的に処理するために利用され得る任意の他の好適なモジュールを含んでもよい。プロセッサモジュール214が複数のサブモジュールで構成される場合、サブモジュールは、センサ電子機器12または他の関連デバイス(例えば、14、16、18、20、及び/もしくは490)内を含む、プロセッサモジュール214内に位置してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、プロセッサモジュール214は、少なくとも部分的にクラウドベースの分析物プロセッサ490内、またはネットワーク406内の別の場所に位置してもよい。
【0103】
いくつかの例示的な実装において、プロセッサモジュール214は、センサデータを校正するように構成されてもよく、データ記憶装置220は、変換されたセンサデータとして校正されたセンサデータ点を記憶してもよい。さらに、プロセッサモジュール214は、いくつかの例示的な実装において、デバイス14、16、18、及び/または20などのディスプレイデバイスからの校正情報を無線で受信して、センサ12からのセンサデータの校正を可能にするように構成されてもよい。さらに、プロセッサモジュール214は、センサデータ(例えば、校正及び/もしくはフィルタリングされたデータならびに/または他のセンサ情報)に追加のアルゴリズム処理を実施するように構成されてもよく、データ記憶装置220は、アルゴリズムと関連した変換されたセンサデータ及び/またはセンサ診断情報を記憶するように構成されてもよい。プロセッサモジュール214は、以下に記載されるように、工場校正から決定される校正情報を記憶し使用するようにさらに構成されてもよい。
【0104】
いくつかの例示的な実装において、センサ電子機器12は、ユーザインターフェース222に連結された特定用途向け集積回路(ASIC)205を備えてもよい。ASIC205は、ポテンショスタット210、センサ電子機器12から、デバイス14、16、18、及び/もしくは20などの1つ以上のデバイスにデータを送信するためのテレメトリモジュール232、ならびに/または信号処理及びデータ記憶のための他のコンポーネント(例えば、プロセッサモジュール214及びデータ記憶装置220)をさらに含んでもよい。
図2は、ASIC205を示すが、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、センサ電子機器12によって実施される処理の(全部ではないが)一部を提供するように構成される、1つ以上のマイクロプロセッサ、アナログ回路、デジタル回路、またはこれらの組み合わせを含む、他の種類の回路も同様に使用され得る。
【0105】
図2に示す例において、センサデータのための第1の入力ポート211を通して、ポテンショスタット210は、グルコースセンサなどの連続分析物センサ10に連結して、分析物からセンサデータを生成する。ポテンショスタット210はまた、データ回線212を介して連続分析物センサ10に電圧を提供して、宿主内の分析物濃度を示す値(例えば、電流値など)の測定のためにセンサにバイアスをかけてもよい(センサのアナログ部分とも称される)。ポテンショスタット210は、連続分析物センサ10における作用電極の数に応じて1つ以上のチャネルを有してもよい。
【0106】
いくつかの例示的な実装において、ポテンショスタット210が、センサ10からの電流値を電圧値に変換する抵抗器を含んでもよい一方で、いくつかの例示的な実装において、電流-周波数コンバータ(図示せず)もまた、例えば、電荷カウントデバイスを使用して、センサ10からの測定された電流値を連続的に組み込むように構成されてもよい。いくつかの例示的な実装において、アナログ-デジタルコンバータ(図示せず)は、センサ10からのアナログ信号を、いわゆる「カウント」にデジタル化して、プロセッサモジュール214による処理を可能にしてもよい。得られたカウントは、ポテンショスタット210によって測定される電流に直接関連してもよく、それは、宿主内のグルコースレベルなどの分析物レベルに直接関連し得る。
【0107】
テレメトリモジュール232は、プロセッサモジュール214に動作可能に接続されてもよく、センサ電子機器12と、ディスプレイデバイス、プロセッサ、ネットワークアクセスデバイスなどの1つ以上の他のデバイスとの間の無線通信を可能にするハードウェア、ファームウェア、及び/またはソフトウェアを提供してもよい。テレメトリモジュール232において実装され得る様々な無線技術としては、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth(登録商標) Low-Energy、ANT、ANT+、ZigBee、IEEE 802.11、IEEE 802.16、セルラ無線アクセス技術、無線周波数(RF)、赤外線(IR)、ページングネットワーク通信、磁気誘導、衛星データ通信、スペクトル拡散通信、周波数ホッピング通信、近距離無線通信、及び/または同類のものが挙げられる。いくつかの例示的な実装において、テレメトリモジュール232は、Bluetooth(登録商標)チップを含むが、Bluetooth(登録商標)技術はまた、テレメトリモジュール232及びプロセッサモジュール214の組み合わせで実装されてもよい。
【0108】
プロセッサモジュール214は、センサ電子機器12によって実施される処理を制御してもよい。例えば、プロセッサモジュール214は、センサからのデータ(例えば、カウント)を処理するように、データをフィルタリングするように、データを校正するように、フェイルセーフチェックを実施するように、かつ/または同類のものを行うように構成されてもよい。
【0109】
いくつかの例示的な実装において、プロセッサモジュール214は、例えば、無限インパルス応答(IIR)または有限インパルス応答(FIR)フィルタなどのデジタルフィルタを備えてもよい。このデジタルフィルタは、センサ10から受信される未加工のデータ流を平滑化してもよい。概して、デジタルフィルタは、所定時間間隔でサンプリングされるデータをフィルタリングするようにプログラムされる(サンプリングレートとも称される)。いくつかの例示的な実装において、ポテンショスタット210が別々の時間間隔で分析物(例えば、グルコース及びまたは同類のもの)を測定するように構成される場合など、これらの時間間隔は、デジタルフィルタのサンプリングレートを決定する。いくつかの例示的な実装において、ポテンショスタット210は、例えば、電流-周波数コンバータを使用して、分析物を連続的に測定するように構成されてもよい。これらの電流-周波数コンバータ実装において、プロセッサモジュール214は、所定時間間隔(収集時間)で、電流-周波数コンバータの積分器からデジタル値を要求するようにプログラムされてもよい。積分器からプロセッサモジュール214によって取得されたこれらのデジタル値は、電流測定の連続性によって収集時間にわたって平均化されてもよい。したがって、収集時間は、デジタルフィルタのサンプリングレートによって決定されてもよい。
【0110】
プロセッサモジュール214は、ディスプレイデバイス14、16、18、及び/または20などのデバイスへの送信のためのデータパッケージを生成するように構成される、データジェネレータ(図示せず)をさらに含んでもよい。さらに、プロセッサモジュール214は、テレメトリモジュール232を介したこれらの外部供給源への送信のためのデータパケットを生成してもよい。いくつかの例示的な実装において、データパッケージは、記述通り、各ディスプレイデバイスのためにカスタマイズ可能であってもよく、かつ/またはタイムスタンプ、表示可能なセンサ情報、変換されたセンサデータ、センサ及び/もしくはセンサ電子機器12のための識別子コード、未加工のデータ、フィルタリングされたデータ、校正されたデータ、変化率情報、傾向情報、誤差検出もしくは補正、ならびに/または同類のものなどの任意の利用可能なデータを含んでもよい。
【0111】
プロセッサモジュール214はまた、プログラムメモリ216及び他のメモリ218を含んでもよい。プロセッサモジュール214は、通信ポート238などの通信インターフェース及び電池234などの電力源に連結されてもよい。さらに、電池234は、充電器及び/または調整器236にさらに連結されて、電力をセンサ電子機器12に提供し、かつ/または電池234を充電してもよい。
【0112】
プログラムメモリ216は、連結されたセンサ10のための識別子(例えば、センサ識別子(ID))などのデータを記憶するための、かつ本明細書に記載される動作/機能のうちの1つ以上を実施するようにASIC205を校正するためのコード(プログラムコードとも称される)を記憶するための、擬似静的メモリとして実装されてもよい。例えば、プログラムコードは、データ流またはカウントを処理し、フィルタリングし、以下に記載される校正方法を実施し、フェイルセーフチェックを実施するなどのように、プロセッサモジュール214を構成してもよい。
【0113】
メモリ218はまた、情報を記憶するために使用されてもよい。例えば、メモリ218を含むプロセッサモジュール214は、システムのキャッシュメモリとして使用されてもよく、一時記憶装置がセンサから受信される最近のセンサデータのために提供される。いくつかの例示的な実装において、メモリは、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックRAM、スタティックRAM、非スタティックRAM、容易に消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、書き換え可能なROM、フラッシュメモリなどの記憶装置コンポーネントを含んでもよい。
【0114】
データ記憶装置220は、プロセッサモジュール214に連結されてもよく、様々なセンサ情報を記憶するように構成されてもよい。いくつかの例示的な実装において、データ記憶装置220は、1日以上の連続分析物センサデータを記憶する。例えば、データ記憶装置は、センサ10から受信される、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、及び/または30日(またはそれ以上)の連続分析物センサデータを記憶してもよい。記憶されたセンサ情報は、以下の内の1つ以上を含んでもよい。タイムスタンプ、未加工のセンサデータ(1つ以上の未加工の分析物濃度値)、校正されたデータ、フィルタリングされたデータ、変換されたセンサデータ、及び/または任意の他の表示可能なセンサ情報、校正情報(例えば、参照BG値及び/または工場校正からの校正情報などの前の校正情報)、センサ診断情報など。
【0115】
ユーザインターフェース222は、1つ以上のボタン224、液晶ディスプレイ(LCD)226、バイブレータ228、オーディオ変換器(例えば、スピーカ)230、バックライト(図示せず)、及び/または同類のものなどの様々なインターフェースを含んでもよい。ユーザインターフェース222を含むコンポーネントは、ユーザ(例えば、宿主)と相互作用するための制御を提供してもよい。1つ以上のボタン224は、例えば、トグル、メニュー選択、オプション選択、状態選択、画面上の質問に対するはい/いいえ応答、「オフにする」機能(例えば、警報に対して)、「認知済み」機能(例えば、警報に対して)、リセット、及び/または同類のものを可能にしてもよい。LCD226は、ユーザに、例えば、視覚データ出力を提供してもよい。オーディオ変換器230例えば、スピーカ)は、現在の、かつ/または予測された高血糖及び低血糖状態などのある特定の警告のトリガに応答して、可聴信号を提供してもよい。いくつかの例示的な実装において、可聴信号は、音色、音量、デューティサイクル、パターン、継続時間、及び/または同類のものによって区別されてもよい。いくつかの例示的な実装において、可聴信号は、センサ電子機器12上の1つ以上のボタン224を押すことによって、かつ/またはディスプレイデバイス上のボタンもしくは選択(例えば、キーフォブ、携帯電話、及び/もしくは同類のもの)を使用してセンサ電子機器12に信号を送ることによって、消音される(例えば、認知されるか、またはオフにされる)ように構成されてもよい。
【0116】
可聴警報及び振動警報が
図2に関して記載されるが、同様に他の警報機構が使用されてもよい。例えば、いくつかの例示的な実装において、1つ以上の警報条件に応答して患者を「突く」か、または物理的に患者と接触するように構成されるポーキング機構を含む、触覚警報が提供される。
【0117】
他の電池234は、プロセッサモジュール214(及び場合によってはセンサ電子機器12の他のコンポーネント)に動作可能に接続され、センサ電子機器12のための必要な電力を提供してもよい。いくつかの例示的な実装において、電池は、二酸化マンガンリチウム電池であるが、任意の適切にサイズ決定され、電力供給された電池が使用され得る(例えば、AAA、ニッケルカドミウム、亜鉛炭素、アルカリ、リチウム、ニッケル水素、リチウムイオン、空気亜鉛、亜鉛水銀酸化物、銀亜鉛、または密閉形)。いくつかの例示的な実装において、電池は、再充電可能である。いくつかの例示的な実装において、複数の電池は、システムに電力供給するために使用され得る。さらに他の実装において、受信機は、例えば、誘導結合を介して経皮的に電力供給され得る。
【0118】
電池充電器及び/または調整器236は、内部及び/または外部充電器からエネルギーを受容するように構成されてもよい。いくつかの例示的な実装において、電池調整器(またはバランサ)236は、過剰電荷電流をブリードオフして、センサ電子機器12内の全てのセルまたは電池が、他のセルまたは電池を過剰充電することなく十分に充電されることを可能にすることによって、再充電プロセスを調整する。いくつかの例示的な実装において、電池234(複数可)は、誘導及び/または無線充電パッドを介して充電されるように構成されるが、任意の他の充電及び/または電力機構が同様に使用され得る。
【0119】
外部コネクタ(複数可)とも称される1つ以上の通信ポート238が、他のデバイスとの通信を可能にするために提供されてもよく、例えば、PC通信(com)ポートが、センサ電子機器12とは別である、またはそれと一体的であるシステムとの通信を可能にするために提供され得る。例えば、通信ポートは、シリアル(例えば、ユニバーサルシリアルバスまたは「USB」)通信ポートを含み、別のコンピュータシステム(例えば、PC、パーソナルデジタルアシスタントまたは「PDA」、サーバなど)と通信することを可能にしてもよい。いくつかの例示的な実装において、センサ電子機器12は、患者及び/または医師による遡及的分析のために、履歴データをPCまたは他のコンピュータデバイス(例えば、本明細書で開示される分析物プロセッサ)に送信することが可能である。データ送信の別の例として、工場情報もまた、センサから、またはクラウドデータソースから、アルゴリズムに送信されてもよい。
【0120】
1つ以上の通信ポート238は、校正データが受信され得る第2の入力ポート237と、校正データまたは校正予定のデータを受信機またはモバイルデバイスに送信するために用いられ得る出力ポート239とをさらに含んでもよい。
図2は、これらの態様を概略的に示す。ポートは物理的に別々であってもよいが、代替実装においては、単一の通信ポートが第2の入力ポートと出力ポートとの両方の機能を提供してもよいことが理解される。
【0121】
いくつかの連続分析物センサシステムにおいて、センサ電子機器の皮膚上の部分は、皮膚上の電子機器の複雑性及び/またはサイズを最小限に抑えるように単純化されてもよく、例えば、未加工のデータ、校正されたデータ、及び/またはフィルタリングされたデータのみを、センサデータを表示するために必要とされる校正及び他のアルゴリズムを実行するように構成されるディスプレイデバイスに提供する。しかしながら、センサ電子機器12(例えば、プロセッサモジュール214を介して)は、変換されたセンサデータ及び/または表示可能なセンサ情報を生成するために使用される予測アルゴリズムを実行するように実装されてもよく、例えば、参照及び/もしくはセンサデータの臨床的受容性の評価し、組み入れ基準に基づき、最良の校正のための校正データを評価し、校正の質を評価し、予測された分析物値を、時間が対応する推定分析物値と比較し、推定分析物値の変動を分析し、センサ及び/またはセンサデータの安定性を評価し、信号アーチファクト(ノイズ)を検出し、信号アーチファクトを置き換え、センサデータの変化率及び/または傾向を決定し、動的及び知的分析物値推定を実施し、センサ及び/またはセンサデータに対する診断を実施し、動作のモードを設定し、以上に関してデータを評価し、かつ/または同類のものを行う、アルゴリズムを含む。
【0122】
別々のデータ記憶装置及びプログラムメモリが
図2に示されるが、同様に様々な構成が使用されてもよい。例えば、1つ以上のメモリが、センサ電子機器12におけるデータ処理及び記憶要件をサポートするための記憶空間を提供するために使用され得る。
【0123】
校正
場合によっては、分析物センサの校正は、先験的な校正情報を使用してもよい。本明細書で使用される場合、先験的な情報は、特定の校正の前に取得された情報を含む。例えば、特定のセンサセッションの前の校正(例えば、前の校正(複数可)からのフィードバック)から、センサ挿入の前に取得された情報(例えば、インビトロ試験からの工場情報もしくはすでに埋め込まれた分析物濃度センサ、例えば、センサの同じ製造ロットのセンサ及び/もしくは1つ以上の異なるロットからのセンサなどから取得されたデータ)、同じ宿主上の同様のセンサの前のインビボ試験、ならびに/または異なる宿主上の同様のセンサの前のインビボ試験。校正情報は、連続グルコースセンサを校正するのに有用な情報を含み、感度(m)、感度の変化(dm/dt)(感度のドリフトとも称され得る)、感度の変化の加速度(d2m/dt2)、ベースライン/切片(b)、ベースラインの変化(db/dt)、ベースラインの変化率(d2b/dt2)、センサと関連したベースライン及び/もしくは感度プロファイル(すなわち、ある期間にわたる変化)、直線性、応答時間、センサの特性間の関係(例えば、感度とベースラインとの間の関係)、もしくは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許公開第2012/0265035-A1号に記載されるような、特定の刺激信号出力(例えば、センサのインピーダンス、キャパシタンス、または他の電気もしくは化学特性を示す出力)と、センサ感度もしくは温度(例えば、前のインビボ及び/もしくはインビトロ研究から決定された)との間の関係、すでに埋め込まれた分析物濃度センサから取得されたセンサデータ、校正されているセンサと関連した校正コード(複数可)、センサと感度との間の患者特有の関係、ベースライン、ドリフト、インピーダンス、インピーダンス/温度関係(例えば、患者またはその患者と共通の特徴を有する他の患者の前の研究から決定された)、センサ埋め込み部位(腹部、腕など)、ならびに/または特定の関係(異なる部位が異なる血管密度を有し得る)などであるが、これらに限定されない。分布情報は、範囲、分布関数、分布パラメータ(平均、標準偏差、歪度など)、一般関数、統計的分布、プロファイル、または校正情報に関する複数の可能な値を表す同類のものを含む。統合すると、先験的な校正分布情報は、センサ(例えば、センサデータ)の校正に有用な特定の校正プロセスの前に提供される、値の範囲(複数可)または分布(複数可)(例えば、それらの関連した確率、確率密度関数、尤度、または発生頻度を説明する)を含む。
【0124】
例えば、いくつかの実施形態において、先験的な校正分布情報は、例えば、センサの種類に基づく、感度(m)に関する確率分布または感度関連情報、及びベースライン(b)またはベースライン関連情報を含む。上記の通り、感度及び/またはベースラインの前の分布は、工場から得られてもよく(例えば、代表的なセンサのインビトロもしくはインビボ試験から)、または前の校正から得られてもよい。
【0125】
前述の通り、分析物センサは、概して、共反応物または生成物のいずれかにおける電流の変化を監視して、分析物濃度、例えば、グルコース濃度を決定するための電極を含む。一例において、センサデータは、アナログ信号からA/Dコンバータによって変換された「カウント」でのデジタルデータ(例えば、電圧またはアンペア数)を含む。校正は、カウントでの測定されたセンサ信号と臨床単位での分析物濃度との間の関係を決定するプロセスである。例えば、校正は、カウントでの所与のセンサ測定値が、例えば、1デシリットル当たりのミリグラムでの測定された分析物濃度値と関連付けられることを可能にする。
図3のグラフ310を参照すると、この関係は、概して、y=mx+bの形態の直線関係であり、式中、「y」は、カウントまたはピコアンペアでのセンサ信号であり(y軸312)、「x」は、分析物濃度の臨床値であり(軸314)、「m」は、[カウント/(mg/dL)]または[pA/(mg/dL)]の単位を有するセンサ感度である。線316が示され、その勾配は、センサ感度と呼ばれる。「b」(線分315を参照されたい)は、ベースラインセンサ信号であり、これは、考慮され得るか、または高度なセンサについては、概して、ゼロまたはほぼゼロまで低減され得る。いくつかの実装において、一定のバックグラウンド信号が見られ、そのような信号は、y=m(x+d)によってモデル化され、式中、dは、センサ部位と血糖との間のグルコースオフセットである。いずれにおいても、いったん線316が決定されると、システムは、測定されたカウント数(または上記のようなアンペア数、例えば、ピコアンペア)を分析物濃度の臨床値に変換することができる。
【0126】
一次方程式のより一般化された形態を以下に提供するが、同様に非直線関係を本原理に従う工場校正において使用してもよいことが理解される。
【0127】
1つの特定の状況において、m及びbの値は、センサ間で異なり、決定を必要とする。加えて、勾配値mは、必ずしも一定ではない。例えば、かつ
図5を参照すると、値mは、セッション内の時間の経過にわたって初期感度値m
0から最終感度値m
Fに変化することが見られる。その変化率は、使用の最初の数日に最大であると見なされ、この変化率は、m
Rと呼ばれる。
【0128】
勾配は、多くの理由でインビボ時間の関数である。特に、校正の初期変化に関して、そのような変化は、多くの場合、インビボ環境に「落ち着き」、その環境との平衡を達成するセンサ膜によるものである。センサは、概して、最初はインビトロまたはベンチ上で校正され、インビトロ環境をインビボ環境と可能な限り近いものにするための努力が注がれるが、差はなお明らかであり、インビボ環境自体は、ユーザ間で変化する。加えて、センサは、各センサが製造及び試験中に直面する微小環境、ならびに滅菌処理または有効期間/保管条件における差異に起因して異なり得る。セッションにおいて後に生じる校正の変化は、多くの場合、センサの周囲の組織の変化、例えば、センサ上の生物膜の蓄積によるものである。
【0129】
原因が何であれ、変動性のある特定の効果が測定及び決定されてきた。例えば、最終感度mFの変動性が、全体的なセンサの不正確さの最大の要因であることが既知である。同様に、初期感度m0の変動性及び生理学が、初日のセンサの不正確さの最大の要因であることが既知である。
【0130】
したがって、そのようなセンサの効果的な使用には校正が不可欠でありながらも、そのような校正を行うためのユーザ努力は最小化されることが望ましい。本原理に従った本システム及び方法は、部分的に、そのような必要とされる校正を低減または排除する方法に関する。
【0131】
具体的には、また上述のように、1つの例示的な工場校正ワークフローは、将来的なセンサ挙動を前向きにモデル化するために、ある数のセンサ動作パラメータ(例えば、初期/最終感度、ドリフト性能、ベースラインシフトなど)及びコンパートメント効果のパラメータ化を試みる。この工場校正ワークフローは、一実装において、単一パラメータまたは二重パラメータであり得る感度プロファイルモデルと、ベースラインモデルとの、2つのモデルを含む。これらの2つのモデルは、いくつかの動作パラメータ入力、例えば、初期感度、最終感度、指数関数的ドリフト率、膜劣化に起因するドリフト率、電気化学ブレークインに起因するドリフト率、コンパートメントバイアスの初期量及び最終量、及び消失しゆくコンパートメントバイアスのドリフト率を有する。全体的に、これらの動作パラメータのほとんどは、センサ/膜校正に基づいて決まり、データは、大部分が臨床試験から選び取られる。
【0132】
特定のセンサに対する「キー」または「指標」値を得るために、また特に測定可能な初期センサパラメータと所望の「最終結果」インビボ感度と間の関係を有利に得るために、「校正チェック」試験及び長期ドリフト試験を行ってもよく、この試験では、校正チェック試験データが非破壊的に得られ、これは、概して、複数の入力された分析物濃度の関数としてセンサの信号出力に対応する。つまり、校正チェック試験において、センサは、分析物濃度が異なる分析物の試験液中に配置され、対尾央する出力信号が測定される。「校正チェック(calibration check)」または「校正チェック(cal check)」は、高グルコース濃度値(例えば、400mg/dL、500mg/dL、または600mg/dL)に対するセンサ直線性を示すために行われ得る。これは、センサを、漸増するグルコース濃度(例えば、100mg/dLずつ)の緩衝液中に配置することによって行われる。校正チェックは、低酸素濃度(例えば、0.25mg/LのpO2)でのセンサ直線性を示すため、及び許容限界の範囲内(例えば、5分以内)である95%応答時間を示すためにも行われる。
【0133】
「校正チェック」試験を使用して、いくつかのそのような出力を分析物濃度の関数として測定すること、及び直線回帰を行うことにより、インビトロ初期感度または勾配を決定することができる。しかしながら、センサの特性もしくは他のそのような指標、またはセンサの測定可能な初期パラメータが決定される限り、いずれの試験を用いてもよく、このセンサの特性もしくは指標または測定可能な初期パラメータは、1つ以上のインビボ動作パラメータの前向き値、例えば、感度の初期値及び/または最終値を決定するために、独立変数として後に使用することができ、これは以下でより詳細に記載する通りである。多くの場合、校正チェックセンサ感度または勾配がそのような測定可能な初期パラメータの好ましいものであるが、同様に他の測定可能な初期パラメータ、例えば、初期膜厚などを用いてもよい。必ずとは言えないが概して、適切な測定可能な初期パラメータは、インビトロで測定可能なものを含む。
【0134】
したがって、第1のステップにおいて、また
図4を参照すると、センサのロットが製造される(ステップ402)。第2のステップにおいて、そのロットからのセンサは、識別コードが割り当てられ、センサの特性または測定可能な初期パラメータ、例えば、初期インビトロ校正チェック勾配が、上記の校正チェック手順を介して測定及び記憶される(ステップ404)。センサのロットのサブセットがロットから除去され(ステップ408)、その目的は、動作パラメータ、具体的には長期ドリフト特性を試験して(ステップ412)、例えば、感度ドリフトプロファイルの変動を追跡しその傾向を示すことである。この試験はほとんどが破壊的であるため、サブセット中のセンサは、概して、患者において再利用されない。1つの例示的な実装において、試験は15日間実行される。例えば、第1の槽(0mg/dLの分析物濃度、例えばグルコース)、ロット中央ベースラインを計算し、第2の槽(例えば、250mg/dLのグルコース)中の各センサの信号から減算する。各未加工カウントについて、感度値を計算する。このようにして、本試験によって、パラメータ
【数1】
についての値が、以下の節に記載する慣行を使用して決定される。
【0135】
各センサについての動作パラメータ
【数2】
ならびに特にベンチで決定されたインビトロ値とは異なるインビボ値に関係するものを生成するために、方程式及び関係を以下に記載のように使用する。これらのステップの目的は、挿入後の所与の時tにおける所与のセンサのインビボ感度を前向きに決定することである。同種のセンサの動作パラメータの後ろ向き分析を使用して、所与のセンサについていくらかの感度を決定することはできるが、所与の(後の)センサについての感度及びベースライン値は、所与のセンサの特別に測定されたパラメータに基づくべきであり、そうすることで、集団データ及び/または臨床試験データによって決定されたパラメータは、所与センサに「特定的」であり得るか、またはそれに適合され得る。校正チェック感度は、1つのそのような特定的な測定可能な初期パラメータであるが、同様に他のものを用いてもよい。校正チェック感度を用いる場合、本原理に従うシステム及び方法により、センサの校正チェック感度とインビボ動作パラメータとの間の直線相関の係数が決定される。次にこの直線相関を後のセンサにおいて前向きに使用して、個々のセンサの校正チェック感度に基づくインビボ感度プロファイルを決定する。
【0136】
校正チェック感度とインビボ動作パラメータとを関係付ける前述の直線係数を導出することに先行するものとして、次のステップは、後ろ向き分析を使用して1つ以上のインビボ動作パラメータを経験的に決定すること(ステップ414)、例えば、開発されたモデル及び最適化/適合慣行の使用を介することを含む、感度パラメータ及びベースライン係数を決定することである(ステップ415)。このステップは、適切な感度及びベースラインモデルを決定し、費用関数に基づいて、適切に初期化されたそのようなモデルについての動作パラメータのセットを最適化するサブステップを含む。
【0137】
以下の追加の項が使用され、本原理に従うシステム及び方法における使用のために以下に定義される。
【0138】
【0139】
上記の係数は動作パラメータと称され、工場校正の第1のステップは、特定の種類または設計のセンサに関するこれらの動作パラメータのうちの1つ以上を決定することであり、この決定は、例えば以前のベンチ試験または臨床データからの後ろ向きデータに基づく(ステップ414)。上記の係数は、概して、数値分析を用いて開発され、これから説明されるように、ベンチ試験または臨床試験に基づく開始値または初期値を有する。具体的には、分析物濃度に従って信号を生成するセンサの物理的プロセスについての基本的仮定は以下である。
【0140】
【数3】
実際のm(t)、B
1(t)、及びB
2(t)は、インビボでの測定が困難であるため、校正を行うにはモデル予測に依存し得、このため、この方程式を逆にし、それに応じてモデルによる予測項に代入することによってEGVが得られる。
【数4】
【0141】
単一指数関数を使用する感度プロファイルモデル(
図5を参照されたい)は、単位(pA/(mg/dL))で以下に付与される。
【数5】
【0142】
上記の参照により組み込まれる出願に記載されている同時確立アルゴリズム(JPA)において実装される代替感度モデルは、1つが高速でありもう1つが低速である2つの指数関数成分の凸結合であり(
図6を参照されたい)
【数6】
一実装において、
【数7】
は、これら2つの成分間の比率であり、高速ドリフト率は
【数8】
低速ドリフト率は
【数9】
ある。
【0143】
上記は感度についてのモデルを説明する。対照的に、ベースライン切片モデルは2つの成分に分けられ、非酵素ブレークイン(単位pA)は以下であり、
【数10】
生理学的負バイアスは以下(単位mg/dL)によって付与される。
【数11】
【0144】
非酵素ブレークインベースラインB
1(t)のモデルの図解は、
図7中の一実装に見られ、生理学的バイアスB
2(t)は
図8に見られる。例示的な研究において、モデル
【数12】
は、以下のパラメータをとることが分かっている(ベクトルとして記載)。
【数13】
【0145】
次に、勾配または感度値を互いに、またベースラインと関係付ける上記の関係及びモデルを用いて、所与のセンサについての値を決定し得る。より詳細には、次に、数値分析、具体的には後ろ向きモデル適合法を用いて、所与の各センサについての最適値を決定してもよく、cは、全モデルパラメータが連結した単一のベクトルである。
【数14】
【0146】
後ろ向きモデル適合を開始するために用いる初期値を使用してもよい。例えば、1つの種類のセンサについて、例えば以前のベンチ及び臨床データからの初期値は以下のように見出された。
【数15】
【0147】
別の種類のセンサについては、初期値は以下のように見出された。
【数16】
【0148】
この分析では、c0の最初の11桁は、非酵素センサ研究及び他の以前の研究から推定された。c0の最後の3つの要素は、以前の研究における長期ドリフト試験からのロット平均であった。これらのパラメータの値は、異なるセンサでは、またはさらには追加の詳細が同じセンサについて決定される際には、変化し得る。これらの値はまた、特定のロット由来の特定のセンササブセットについての長期ドリフト試験から測定された値で置き換えられてもよい。この場合、ベースライン値は、以前の研究から決定されてもよく、この関連で、ベースライン値は、感度値よりも経時的により安定性である傾向にあることに留意されたい。二重指数関数感度モデルが用いられ、cの最後の項目はそのモデルのλパラメータである。
【0149】
センサの未加工電流y(t)及びcを前提に、EGVが計算され、「一致対」と称される、代表的な外部基準(例えば、YSI、SMBG、HPLC、質量分析など)からの分析物読み取り値と結合することで、EGVの精度を評価することができる。一致対の数は、セッションの長さ及び宿主のコンプライアンスの程度によって異なり得るが、多くの場合、1日当たり5~10個の一致対が使用され得る。平均絶対相対差異(MARD)を費用関数として用い、数値分析を行って、c0によって初期化された、MARDを最小化する最適パラメータc*を探し得る。例えば、一実装において、Matlab(登録商標)関数「fminsearch」を使用して、最適パラメータc*を探した。費用関数は、通常、より長い試験期間に対応するためにより容易に入手可能なSMBGに対して基準参照され得る。
【0150】
MARD自体が最小化される場合、パラメータ適合は制限されない。
【0151】
別の実装において、パラメータ適合は、センサの予備知識を使用して制限され得、この場合、最小化は、MARD、及び予期c
0から実測パラメータcへの偏差のものである。例えば、全てのセンサのN一致対について、制約された費用関数cost(c、c
0)は、絶対相対差異(ARD)に基づいて定義することができる。
【数17】
【0152】
残りの適合は、上記の制約されないシナリオにおけるものと同じもの、例えば、Matlab(登録商標)におけるfminsearchを使用するものである。適合の結果は、最適化されたc*ベクトルである。
【0153】
しかしながら、上記のものは、費用関数の1つの可能性のある定義であり、実際には、EGVから真の基準への誤差を最小化することと、特定のセンサの典型的なセンサ挙動c0から実測パラメータcへの偏差を最小化することとの間の異なる均衡をとることになる、制約された費用関数を定義するための多くの異なる方法が存在することに留意されたい。
【0154】
要約すると、上の記載により、インビボ臨床データを使用して所与のセンサについての最適化されたcベクトルを決定するために最適化/費用関数分析を行う1つの実装を説明した。様々な関係を説明するいくつかの方程式を用いて、最適化されたcベクトルを探した。このcベクトルが、今度は特定の所与のセンサについての最適化されたb1~b11、ならびにm0、mR、及びmFを決定する。このようにして、最適化されたB1及びB2も、それぞれ、b1~b8及びb9~b11から決定され得る。インビトロ長期ドリフト(破壊的)試験から、m0,LTD、mR,LTD、及びmF,LTDも同様に決定された。
【0155】
インビトロ長期ドリフト(LTD)試験については、切片モデル及び後ろ向き分析は、インビボの場合の対応物とは異なる。ベンチLTDにおいて、切片を、異なるセンササブセット(またはサブサンプリング)を使用して、同じロットから測定し、0mg/dLの分析物溶液中で試験する。インビトロ切片モデルは経験的に測定するため、LTDについての初期パラメータの推定は、m
0,LTD、m
F,LTD、及びm
R,LTD(または
【数18】
)項しか含める必要がない。
【数19】
【0156】
この初期(シード)パラメータを使用して、センサ当たりのN未加工データ点についての以下のインビトロ費用関数を最小化する最適なパラメータセット、c
*の探索の初期化を行う。
【数20】
式中、ARDは上記と同じ方法で定義される。
【0157】
一実装において、次のステップは、センサの測定可能な初期パラメータと、センサのインビボ及びインビトロ動作パラメータとの間、例えば、センサの校正チェック感度と、インビボ及び/またはインビトロ感度値との間の関係を決定すること(ステップ416)である。これから記載する通り、これは、概して、係数の1つ以上のセットの決定、及びそれを使用する患者において使用される後のセンサについての前向きかつ継続的なインビボ感度の産出を伴う。
【0158】
まず、一実装において、校正チェック勾配の測定可能な初期値を、決定したLTDパラメータと相関させる(ステップ418)。例えば、一実装において、この相関は、方程式(I)で以下に示すα、β、μ、及びν係数によってパラメータ化される。
【0159】
LTD方程式への校正チェックは以下である。
【0160】
【0161】
前向き工場校正における後続使用のためのこの経験的相関を導出するため、センサ校正チェック及び長期ドリフトデータを方程式(I)のセットに挿入し、データ適合分析を行って、α、β、μ、及びνを決定することができる。一実装において、最小2乗直線回帰をLTD感度と校正チェック感度との間で行う。この回帰では、いずれの一致対も1つのセンサについての(校正チェック、インビトロ感度)の対であってよく、センサロットについては、直線回帰を行って、例えば、α、β、μ、及びνを得てよい。
【0162】
次にこの回帰の結果を方程式(II)のセットと併用して、個々のセンサ各々についてのインビボ動作パラメータを予測する。
【0163】
つまり、インビボ感度への校正チェックは、以下の方程式(II)における係数
γ、δ、ε、及びσの追加のセットを用いてパラメータ化される。
【0164】
【0165】
いずれの場合にも、上の方程式は、校正チェック対ベンチと、校正チェック対インビボ関係との間に乗法スケーリングがあることを想定する。
【0166】
より詳細には、(II)におけるこれらの係数の値を確立するために、後ろ向き分析を、上記の通り、以前の研究からの臨床及び長期ドリフトデータに基づいて、また決定されたc*から行い、分析、例えば、通常最小2乗(OLS)回帰を行って、校正チェック勾配とm
0,VIVO及びm
F,VIVOとの直線関係を導出してもよい(ステップ422)。この関連で、上の技法を使用して決定されたc*、ならびに特に、決定されたm
0,VIVO、m
F,VIVO、及びm
R,VIVO(または
【数23】
)値(c*ベクトルの最後の3つの動作パラメータ)は、インビボで測定される場合の臨床試験に由来するため、相関的方程式(II)におけるそれらの使用は、測定された校正チェック値をインビボ感度値に「結び付ける」ことに留意されたい。例えば、インビボのm
Fは、c*における最後から2番目の項または項目である。したがって、各センサについて非破壊的に測定することができる校正チェック感度値は、方程式(II)を通して後ろ向きのc*動作パラメータと相関し、次にこれを新たな測定された校正チェック値と共に使用して、ロットの新たな(後の)センサについてのインビボ感度値を得てもよく、ここでは、方程式(II)で見つかった相関がロット全体を代表するかまたはロット全体に対して成り立つことが仮定される。
【0167】
このようにして、センサの動作変数の初期値、例えば、校正チェック勾配が所与のセンサについて決定されると、所望のインビボ感度値を、少なくとも動作変数の初期値及び決定された関係を使用して決定することができる(ステップ427)。
【0168】
次に、工場校正コード化のいくつかのスキームのうちの1つ以上を実施してもよい。
工場校正コード化I
【0169】
単一指数関数感度モデル、例えば、方程式(2)をパラメータ適合に使用する場合、ドリフト率は、例えば、m
R=0.9として決められてもよい。この場合、OLS直線係数の値は、以下であると決定され得る。
【数24】
【0170】
図9(A)及び9(B)は、上述の単一指数関数感度モデルを使用した例示的な後ろ向きOLS適合を示す。
【0171】
二重指数関数感度モデル(方程式(3))を使用する場合、高速成分と低速成分との比率は、
【数25】
として決められてもよく、OLS直線係数の値は、以下であると決定されてもよい。
【数26】
【0172】
図10(A)及び10(B)は、上述の二重指数関数感度モデルを使用した例示的な後ろ向きOLS適合を示す。
【0173】
新たな次のセンサロットからの長期ドリフト試験が、著しく、例えば、5%超、10%超、20%超、または他の量で推定直線関係から逸脱する場合には(例えば、
図11(A)及び11(B)の楕円を参照されたい)、救済戦略を用いて所与のセンサロットに対する工場校正についてのインビボ感度プロファイルの新たな直線予測因子を見積もってもよい(ステップ425)。2つの救済戦略を以下に記載する。
【0174】
図面を参照して、線504は、上法を使用して推定した予期された直線関係を示す。線502は、予期された直線関係の周りの±10%範囲を示す。楕円508は、所定の量、例えば、±10%超、予期された関係から逸脱する長期ドリフト結果を示す。円は、例外を処理するための新たな直線関係の中に維持される切片を示す。線506及び506は新たな直線回帰を示す。
【0175】
第1の戦略においては、x軸切片が維持されるため、円512が新たな直線関係506と共に用いられる。第2の戦略においては、y軸切片が維持されるため、円514が新たな直線関係506’と共に用いられる。
【0176】
測定可能な初期パラメータ、例えば、校正チェック感度と、インビボ感度との間で好適な関係が決定されると、同じ関係を用いて、ロットの後のセンサについてのインビボ感度が前向きに決定され得る。
【0177】
例えば、また
図12を参照すると、第1のデバイス602を用いてセンサロットを製造してもよく、その後、組み立てライン上で続いて第2のデバイス604を使用して、製造されたセンサについての校正を発展させてもよい。第2のデバイス604は、上記のステップを行って測定可能な初期パラメータを測定し、そこからインビトロ感度を決定するセンサ校正モジュール612を含んでもよい。コード化モジュール616を用いて、製造されたセンサと関連し得る校正インジケータを発展させてもよく、ユーザは、この校正インジケータを受け取ると、それを使用してセンサを校正することができる。
【0178】
加えて
図13を参照すると、校正インジケータは、センサ電子機器12またはモバイルデバイス/受信機18のいずれかに入力されて校正情報を提供するコード619の形態であってもよい。単純なアルファベットコード、例えば、「A」、「B」などが、それぞれモバイルデバイスまたはセンサ電子機器中に記憶されたルックアップテーブル(21または21’)中の値と連動してもよい。いくつかの場合には、このコードは、感度値などの校正情報を含んでもよい。これらの実装において、コードは、RFIDタグまたはNFCタグによって具象化されてもよく、このRFIDタグまたはNFCタグは、センサ電子機器またはモバイルデバイスによってスワイプされて、コードを転送してもよい。同様の方法で、コードは、バーコード、または他の電子的もしくは機械的に読み取り可能な媒体によって具象化されてもよい。この教示を前提に、校正情報を転送する他の方法が理解されることになる。
【0179】
図12を再び参照すると、パッケージ化モジュール614が、第2のデバイス604の一部を形成してもよく、このパッケージ化モジュールは、センサ及び校正インジケータを、個々にまたはセンサ電子機器デバイスと一緒にパッケージ化する働きをする。
図14を参照すると、キット606が、上記のようにセンサ10及び上記の校正インジケータ608を含んでもよい。代替実装において、また
図15を参照すると、キット607は、センサ10、上記の校正インジケータ608、及びセンサ電子機器デバイス12を含んでもよい。多くの実装において、センサ電子機器デバイス12は、センサと物理的に連結するように機械的に校正さえるトランスミッタを形成する。
【0180】
センサの工場校正を、センサの測定された初期値、及び測定された初期値と1つ以上のインビボ感度パラメータと間の関係を使用して達成するためのシステム及び方法を説明してきた。
【0181】
1つの好ましい実施形態において、分析物センサは、米国特許第6,001,067号及び米国特許公開第US-2005/0027463-A1号を参照して記載されるような、埋め込み可能なグルコースセンサである。別の好ましい実施形態において、分析物センサは、米国特許公開第US-2006/0020187-A1号を参照して記載されるような、経皮グルコースセンサである。さらに他の実施形態において、センサは、米国特許公開第US-2007/0027385-A1号、2006年10月4日出願の同時係属の米国特許出願第11/543,396号、2007年3月26日出願の同時係属の米国特許出願第11/691,426号、及び2007年2月14日出願の同時係属の米国特許出願第11/675,063号に記載されるように、宿主血管内または体外に埋め込まれるように構成される。1つの代替実施形態において、連続グルコースセンサは、例えば、Say et al.の米国特許第6,565,509号に記載されるような経皮センサを含む。別の代替実施形態において、連続グルコースセンサは、例えば、Bonnecaze et al.の米国特許第6,579,690号及びSay et al.の米国特許第6,484,046号を参照して記載されるような皮下センサを含む。別の代替実施形態において、連続グルコースセンサは、例えば、Colvin et al.の米国特許第6,512,939号を参照して記載されるような差し替え可能な皮下センサを含む。別の代替実施形態において、連続グルコースセンサは、例えば、Schulman et al.の米国特許第6,477,395号を参照して記載されるような血管内センサを含む。別の代替実施形態において、連続グルコースセンサは、Mastrototaro et al.の米国特許第6,424,847号を参照して記載されるような血管内センサを含む。
【0182】
図面に示される要素間の接続は、例示的な通信経路を示す。直接または中間体を介してのいずれかの追加の通信経路が、要素間の情報の交換をさらに促進するために含まれてもよい。通信経路は、要素が情報を交換することを可能にする双方向通信経路であってもよい。
【0183】
上記の方法の様々な操作は、様々なハードウェア及び/もしくはソフトウェアコンポーネント(複数可)、回路、ならびに/またはモジュール(複数可)など、操作を実施することが可能である任意の好適な手段によって実施されてもよい。概して、図面に示される任意の操作は、操作を実施することが可能な対応する機能手段によって実施されてもよい。
【0184】
本開示と関連して記載される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路(
図2及び4のブロックなど)は、本明細書に記載される機能を実施するように設計される、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ信号(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス(PLD)、別個のゲートもしくはトランジスタ論理、別個のハードウェアコンポーネント、またはこれらの任意の組み合わせを用いて実装または実施されてもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替方法において、プロセッサは、市販のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であってもよい。プロセッサはまた、コンピュータデバイスの組み合わせ、例えば、DSP及びマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併せた1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成の組み合わせとして実装されてもよい。
【0185】
1つ以上の態様において、記載される機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせで実装されてもよい。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上で1つ以上の命令またはコードとして記憶または送信されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体、及び1つの場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を促進する任意の媒体を含む、通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってもよい。限定ではなく一例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、様々な種類のRAM、ROM、CD-ROM、もしくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、もしくは他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを担持もしくは記憶するために使用され得、かつコンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を含むことができる。また、任意の接続が、コンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、または赤外線、無線、及びマイクロ波などの無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、WiFi、及びBluetooth(登録商標)RFID、NFC、マイクロ波などの無線技術は、媒体の定義内に含まれる。ディスク(disk)及びディスク(disc)は、本明細書で使用される場合、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光学ディスク、デジタル多目的ディスク(DVD)、フロッピーディスク、及びBlu-ray(登録商標)ディスクを含み、ディスク(disk)が通常、磁気的にデータを再生する一方で、ディスク(disc)は、レーザで光学的にデータを再生する。したがって、いくつかの態様において、コンピュータ可読媒体は、非一時的なコンピュータ可読媒体(例えば、有形的表現媒体)を含んでもよい。加えて、いくつかの態様において、コンピュータ可読媒体は、一時的なコンピュータ可読媒体(例えば、信号)を含んでもよい。上記の組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0186】
本明細書に開示される方法は、記載された方法を達成するための1つ以上のステップまたはアクションを含む。方法ステップ及び/またはアクションは、特許請求の範囲から逸脱することなく互いと交換され得る。換言すれば、ステップまたはアクションの特定の順序が指定されない限り、特定のステップ及び/またはアクションの順序及び使用は、特許請求の範囲から逸脱することなく修正され得る。
【0187】
ある特定の態様は、本明細書に提示される操作を実施するためのコンピュータプログラム製品を含んでもよい。例えば、そのようなコンピュータプログラム製品は、その上に記憶(及び/またはコード化)された命令を有するコンピュータ可読媒体を含んでもよく、命令は、本明細書に記載される操作を実施するために1つ以上のプロセッサによって実行可能である。ある特定の態様のために、コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料を含んでもよい。
【0188】
ソフトウェアまたは命令はまた、送信媒体上で送信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、または赤外線、無線、及びマイクロ波などの無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、及びマイクロ波などの無線技術は、送信媒体の定義内に含まれる。
【0189】
さらに、本明細書に記載される方法及び技術を実施するためのモジュール及び/または他の適切な手段が、適用できる場合、ユーザ端末及び/または基地局によってダウンロード及び/または別様に取得され得ることが理解されるべきである。例えば、そのようなデバイスは、本明細書に記載される方法を実施するための手段の転送を促進するために、サーバに連結され得る。あるいは、本明細書に記載される様々な方法が、記憶手段(例えば、RAM、ROM、コンパクトディスク(CD)またはフロッピーディスクなどの物理記憶媒体など)を介して提供され得るため、ユーザ端末及び/または基地局は、記憶手段をデバイスに連結または提供すると様々な方法を取得することができる。さらに、本明細書に記載される方法及び技術をデバイスに提供するための任意の他の好適な技術が利用され得る。
【0190】
特許請求の範囲が、上記に例示される正確な構成及びコンポーネントに制限されないことが理解されるものとする。特許請求の範囲から逸脱することなく、上記の方法及び装置の配列、操作、及び詳細に様々な修正、変化、及び変更が行われ得る。
【0191】
特に定義しない限り、全ての用語(専門用語及び科学用語を含む)は、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり、本明細書でそのように明示的に定義されない限り、特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではない。本開示のある特定の特徴または態様を記載するときの特定の用語の使用が、その用語が関連する本開示の特徴または態様の任意の特定の特性を含むように制限されると、その用語が本明細書で再定義されていることを暗示すると解釈されるべきではないことに留意されるべきである。特に添付の特許請求の範囲において、本出願で使用される用語及び句ならびにその変化形は、特に明示されない限り、限定的とは対照的に非限定的と解釈されるべきである。上記の例として、「含むこと」という用語は、「制限なく含むこと」、「挙げられるが、これらに限定されないこと」などを意味すると解釈されるべきであり、「備えること」という用語は、本明細書で使用される場合、「含むこと」、「含有すること」、または「特徴とすること」と同義的であり、包括的または非限定的であり、追加の列挙されていない要素または方法ステップを除外せず、「有すること」という用語は、「少なくとも有すること」と解釈されるべきであり、「含む」という用語は、「挙げられるが、これらに限定されない」と解釈されるべきであり、「実施例」という用語は、考察における事項の包括的または限定的なリストではなく、その例示的な例を提供するために使用され、「既知の」、「通常の」、「標準的な」、及び同様の意味の用語などの形容詞は、記載される事項を所与の期間に、または所与の時点において利用可能な事項に制限すると解釈されるべきではなく、むしろ、現在または今後いかなるときでも利用可能であり得るか、または既知であり得る既知の、通常の、または標準的な技術を包含すると解釈されるべきであり、「好ましくは」、「好ましい」、「所望の」、または「望ましい」、及び同様の意味の用語などの用語の使用は、ある特定の特徴が本発明の構造または機能にとって重大、本質的、または重要でさえあることを暗示すると理解されるべきではなく、むしろ、本発明の特定の実施形態で利用されても、またはされなくてもよい代替または追加の特徴を強調することを単に意図するべきである。同様に、「及び」という接続詞で連結された事項の群は、それらの事項の1つ1つがその群内に存在することを必要とすると解釈されるべきではなく、むしろ、特に明記しない限り、「及び/または」と解釈されるべきである。同様に、「または」という接続詞で連結された事項の群は、その群間の相互排他性を必要とすると解釈されるべきではなく、むしろ、特に明記しない限り、「及び/または」と解釈されるべきである。
【0192】
値の範囲が提供される場合、上限及び下限ならびにその範囲の上限及び下限の間の各介在値が実施形態内に包含されることが理解される。
【0193】
本明細書の実質的に任意の複数形及び/または単数形の用語に関して、当業者は、文脈及び/または用途に適切であるように、複数形から単数形に、及び/または単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の置換は、明確にするために本明細書において明示的に記載され得る。不定冠詞「a」または「an」は、複数形を除外しない。単一のプロセッサまたは他のユニットが、特許請求の範囲に記述されるいくつかの事項の機能を達成し得る。ある特定の基準が相互に異なる独立した請求項に記述されるという単なる事実は、これらの基準の組み合わせが利益を得るために使用され得ないことを示さない。特許請求の範囲の引用符号は、範囲を制限すると解釈されるべきではない。
【0194】
導入された請求項の記述において特定の数が意図される場合、そのような意図が、その請求項中に明確に記述され、かつそのような記述がない場合は、そのような意図が存在しないことが、当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、理解を補助するために、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項の記述を導入するために、導入句「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」の使用を含み得る。しかしながら、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つ以上の」または「少なくとも1つの」及び「a」または「an」などの不定冠詞を含むときでさえ、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記述の導入が、そのような導入された請求項の記述を包含する特定の請求項を、そのような記述を1つのみ含む実施形態に制限することを暗示すると解釈されるべきではなく(例えば、「a」及び/または「an」は、典型的には、「少なくとも1つの」または「1つ以上の」を意味すると解釈されるべきであり)、それは、請求項の記述を導入するために使用される定冠詞の使用にも当てはまる。加えて、導入された請求項の記述の特定の数が明示的に記述される場合でさえ、当業者は、そのような記述が、典型的には、少なくともその記述された数を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語句なしの「2つの記述」の単なる記述は、典型的には、少なくとも2つの記述、または2つ以上の記述を意味する)。さらに、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類似の慣習的表現が使用される場合、概して、そのような構造は、当業者がその慣習的表現を理解するであろうという意味で、例えば、単一の部材を含む列挙された事項の任意の組み合わせを含むものとして意図される(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、A及びB、A及びC、B及びC、ならびに/またはA、B、及びCなどを有するシステムを含むがこれらに限定されない)。「A、B、またはCなどのうちの少なくとも1つ」に類似の慣習的表現が使用される場合、概して、そのような構造は、当業者がその慣習的表現を理解するであろうという意味で意図される(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、A及びB、A及びC、B及びC、ならびに/またはA、B、及びCなどを有するシステムを含むがこれらに限定されない)。2つ以上の代替用語を示す実質的にいかなる離接語及び/または句も、説明、特許請求の範囲、または図面におけるかどうかにかかわらず、用語のうちの1つ、用語のうちのいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、「AまたはB」という句は、「A」または「B」または「A及びB」の可能性を含むと理解される。
【0195】
本明細書で使用される成分、反応条件などの量を表す全ての数が、いかなる場合も、「約」という用語によって修正されると理解されるものとする。したがって、反対の指示がない限り、本明細書に記載される数値パラメータは、取得されることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。最低限でも、かつ本願に対する優先権を主張する任意の出願における任意の請求項の範囲の同等物の原則の適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメータは、有意な桁の数及び通常の四捨五入法を考慮して解釈されるべきである。
【0196】
本明細書に列挙される全ての参考文献は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる出版物及び特許または特許出願が、本明細書に含まれる開示と矛盾する程度まで、本明細書は、任意のそのような矛盾する材料に取って代わり、かつ/または優先するよう意図する。
【0197】
見出しは、参照のために、かつ様々な節の位置を見つける手助けをするために、本明細書に含まれる。これらの見出しは、それに関して記載される概念の範囲を制限するよう意図されない。そのような概念は、本明細書全体を通じた適用可能性を有し得る。
【0198】
さらに、上記が明確さ及び理解の目的で例示及び実施例としてある程度詳細に記載されてきたが、ある特定の変更及び修正が実施され得ることが、当業者には明らかである。したがって、説明及び実施例は、本発明の範囲を本明細書に記載される特定の実施形態及び実施例に制限すると解釈されるべきではなく、むしろ、本発明の真の範囲及び精神に入る全ての修正物及び代替物も包含すると解釈されるべきである。
【0199】
本システム及び方法は、あらゆる数のコンピュータデバイスに完全に実装され得る。典型的には、一般には非一過性であるコンピュータ可読媒体に命令が展開され、これらの命令は、コンピュータデバイス中のプロセッサが本発明の方法を実装することを可能にするのに十分なものである。コンピュータ可読媒体は、実行時にランダムアクセスメモリにロードされる命令を有するハードドライブまたは固体記憶装置であってもよい。例えば複数のユーザまたは任意の1人のユーザからのアプリケーションへの入力は、あらゆる数の適切なコンピュータ入力デバイスにより得る。例えば、ユーザは、キーボード、マウス、タッチスクリーン、ジョイスティック、トラックパッド、他のポインティングデバイス、または任意の他のそのようなコンピュータ入力デバイスを用いて、計算に関連するデータを入力してもよい。データは、挿入されたメモリチップ、ハードドライブ、フラッシュドライブ、フラッシュメモリ、光学媒体、磁気媒体、または任意の他の種類のファイル記憶媒体によっても入力され得る。出力は、ユーザによって見られ得るディスプレイに結合したビデオグラフィックスカードまたは集中グラフィックスチップセットによってユーザに伝達されてもよい。あるいは、プリンターを用いて結果のハードコピーを出力してもよい。この教示を前提にすると、あらゆる数の他の有形出力も本発明によって企図されるものと理解されることになる。例えば、出力は、メモリチップ、ハードドライブ、フラッシュドライブ、フラッシュメモリ、光学媒体、磁気媒体、または任意の他の種類の出力に記憶されてもよい。本発明は、あらゆる数の異なる種類のコンピュータデバイス、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ネットブックコンピュータ、手持ち型コンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、及びこれらの目的のために特別に設計されたデバイスに実装されてもよいことにも留意されたい。一実装においては、スマートフォンまたはwi-fiに接続したデバイスのユーザは、無線インターネット接続を使用するサーバから自身のデバイスにアプリケーションのコピーをダウンロードする。適切な認証手順及び安全なトランザクションプロセスが売り手に行われることになる支払いに対して提供されてもよい。アプリケーションは、モバイル接続を介して、またはWiFiもしくは他の無線ネットワーク接続を介してダウンロードされてもよい。こうしてアプリケーションがユーザによって実行され得る。そのようなネットワーク化されたシステムは、複数のユーザが別々の入力をシステム及び方法に提供する実装に好適なコンピュータ環境を提供し得る。工場校正スキームが企図される以下のシステムにおいては、複数の入力により、複数のユーザが同時に関連するデータを入力することが可能となり得る。
【符号の説明】
【0200】
2 薬剤送達ポンプ
4 グルコースメータ
8 連続分析物センサシステム
10 連続分析物センサ
12 センサ電子機器
14 ディスプレイデバイス
16 ディスプレイデバイス
18 デバイス
20 コンピュータ
100 システム
205 特定用途向け集積回路(ASIC)
210 ポテンショスタット
211 入力ポート
212 データ回線
214 プロセッサモジュール
216 プログラムメモリ
218 メモリ
220 データ記憶装置
222 ユーザインターフェース
224 ボタン
226 液晶ディスプレイ(LCD)
228 バイブレータ
230 オーディオ変換器
232 テレメトリモジュール
234 電池
236 電池充電器/調整器
237 入力ポート
238 通信ポート
239 出力ポート
602 デバイス
604 デバイス
606、607 キット
612 センサ校正モジュール
614 パッケージ化モジュール
616 コード化モジュール