(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-15
(45)【発行日】2023-09-26
(54)【発明の名称】湿度制御装置を伴う製鋼炉
(51)【国際特許分類】
C21D 9/56 20060101AFI20230919BHJP
C21D 1/74 20060101ALI20230919BHJP
F27B 9/40 20060101ALI20230919BHJP
F27D 21/00 20060101ALI20230919BHJP
【FI】
C21D9/56 101C
C21D1/74 H
F27B9/40
F27D21/00 A
(21)【出願番号】P 2021535687
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(86)【国際出願番号】 IB2018060491
(87)【国際公開番号】W WO2020128598
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-08-11
(73)【特許権者】
【識別番号】515214729
【氏名又は名称】アルセロールミタル
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウムラウフ,ウィリアム・ピー
(72)【発明者】
【氏名】ランツィ・ザ・サード,オスカー
(72)【発明者】
【氏名】ブランバッカ,ジョニー・シー
(72)【発明者】
【氏名】ロトール,ジョン・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ビン,ロバート
【審査官】國方 康伸
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-241123(JP,A)
【文献】特開2016-125131(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105400951(CN,A)
【文献】特開平09-256074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C21D 9/52- 9/66
C21D 1/00- 1/84
C21D 11/00
F27B 9/40
F27D 19/00-21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部領域および下部領域を有する炉を備えた、露点制御システムを伴う鋼帯焼鈍炉であって、前記炉は、
前記炉の前記上部領域の注入領域に炉の雰囲気ガスを注入するように構成された雰囲気注入システムと、
前記炉の雰囲気ガスに蒸気を混合するために前記雰囲気注入システムと結合され、蒸気の生成を制御するための蒸気発生器制御ユニットを含む蒸気発生器と、
前記蒸気発生器を制御して、前記炉内に所望の露点を提供するための制御システムであって、前記制御システムは、入力露点(DP)設定点信号発生器を含み、これは、所望の炉DPに対応するDP設定点信号を生成する、制御システムと、を含み、
前記制御システムは、局所露点を測定し、前記測定された局所露点を表す信号を送信する2つのDPセンサをさらに含み、前記DPセンサの1つは前記炉の上部領域および隣接する前記注入領域に配置された上部DPセンサであり、前記DPセンサの他方は、前記注入領域から離れた、前記炉の前記下部領域に配置された下部DPセンサであり、
前記制御システムは、カスケードループ構成で構成された2つの比例積分微分コントローラ(上部PIDコントローラおよび下部PIDコントローラ)をさらに含み、
前記制御システムは、3つの信号変換器(SC)をさらに含み、各SCは、DP入力信号を受信し、それを蒸気分圧(PPS)出力信号に変換するように設計されており、
前記下部PIDコントローラは、第1のSCに接続され、前記第1のSCは、前記DP設定点信号発生器からの入力DP設定点信号、および、前記入力DP設定点信号から変換されて前記下部PIDコントローラに送信される出力PPS設定点信号を有しており、
前記下部PIDコントローラはまた第2のSCに接続され、前記第2のSCは、前記下部DPセンサからの入力下部フィードバックDP信号、および、前記入力下部フィードバックDP信号から変換されて前記下部PIDコントローラに送信される出力下部フィードバックPPS信号を有しており、
前記下部PIDコントローラは、前記出力PPS設定点信号と前記出力下部フィードバックPPS信号とを比較し、下部PID誤差値を生成し、前記下部PID誤差値を前記出力PPS設定点信号に加算して下部PID出力PPS信号を生成し、
前記下部PIDコントローラは、前記上部PIDコントローラに接続され、前記下部PIDコントローラは、前記下部PID出力PPS信号を前記上部PIDコントローラに送信し、前記下部PID出力PPS信号は、前記上部PIDコントローラのための上部入力PPS設定点信号になり、
前記上部PIDコントローラはまた、第3のSCに接続され、前記第3のSCは、前記上部DPセンサからの入力上部フィードバックDP信号および、前記入力上部フィードバックDP信号から変換されて前記上部PIDコントローラに送信される出力上部フィードバックPPS信号を有しており、
前記上部PIDコントローラは、前記上部入力PPS設定点信号と前記出力上部フィードバックPPS信号とを比較し、上部PID誤差値を生成し、前記上部PID誤差値を前記上部入力PPS設定点信号に加算して上部PID出力信号を生成し、
前記上部PIDコントローラは、前記蒸気発生器制御ユニットに接続され、前記上部PIDコントローラは、前記上部PID出力信号を前記蒸気発生器制御ユニットに送信し、前記炉への蒸気の注入を制御する、露点制御システムを伴う鋼帯焼鈍炉。
【請求項2】
前記制御システムは、フィードフォワード制御ユニットをさらに含み、
前記フィードフォワード制御ユニットは、前記上部PID出力信号に加算される、フィードフォワード信号を生成し、前記フィードフォワード信号は、処理されている鋼の種類、予想される線速度の変化、鋼帯幅の変化、およびシステムに対する雰囲気の変化、に基づいて生成される、請求項1に記載の露点制御システムを伴う鋼帯焼鈍炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製鋼炉に関し、より詳細には、鋼を加熱および均熱するための炉に関する。具体的には、本発明は、鋼帯焼鈍炉およびその内部湿度の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
製鋼所には、多くの異なる種類の炉がある。溶融亜鉛めっきラインには、鋼帯が溶融亜鉛浴に浸漬される前に鋼帯を焼鈍するためのラインの部分がある。
図1は、そのような溶融亜鉛めっきライン1の概略図である。焼鈍炉2の配置は、
図1から見られることができる。
図2は、従来技術の焼鈍炉2およびその制御構造を示す。焼鈍炉2は、典型的には、加熱部3と均熱部4の両方を含む。加熱部3はラジアントチューブ加熱(RTH)などの炉とすることができ、均熱部4はラジアントチューブ均熱炉(RTS)とすることができる。以下、RTH炉3およびRTS炉4に関して、従来技術および本発明について説明する。
【0003】
鋼帯は、
図2の矢印によって示されるにRTH3に入る。鋼帯はRTH3を通って上下に蛇行し、RTH3の端部で、鋼帯はRTS4に入る。鋼帯は、RTS4を通って上下に蛇行する。鋼帯は、焼鈍を終了すると、
図2の矢印によって示されるようにRTS4を出る。
【0004】
RTH3およびRTS4の雰囲気およびその湿度を変更および制御することがしばしば有用である。
図2は、RTH3およびRTS4の雰囲気/湿度を制御するための従来技術のシステムの概略図を示す。雰囲気は、典型的にはHN
xガスで構成され得るが、他の雰囲気ガスが使用されることもできる。雰囲気ガス5の供給は、RTH3およびRTS4に雰囲気を連続的に供給するために使用される。さらに、蒸気発生器6により、炉の雰囲気が加湿されてもよい。発生器6によって生成された蒸気は、炉に別々に注入されてもよいが、典型的には炉の雰囲気ガスと混合され、次いで混合物が炉に送られる。
【0005】
湿度はRTH3およびRTS4内で制御される必要がある。したがって、蒸気発生器6を連続的にフルブラスト運転することはできない。蒸気入力は、炉内に適切な湿度を生成するように調節されなければならない。さらに、湿度要件は、炉を通過している異なる鋼について異なる。湿度制御および鋼の変化による変化を達成するために、炉は湿度制御システムを有する。従来技術の制御システムは、蒸気発生器6の出力を調整する蒸気発生器コントローラ6’を含む。従来技術のシステムはまた、大気/蒸気入力場所から炉の反対側の端部に配置された露点センサ(7、9)を含む。このセンサは、炉の雰囲気の露点(湿度)を検出し、その測定された信号10をPID(比例積分微分)コントローラ8に送信する。PIDコントローラ8は、任意の所与の瞬間に炉内にある特定の鋼の所望の炉露点温度(湿度レベル)に対応する設定点入力信号10を含む。PIDコントローラはまた、フィードバック信号10’、11’を受信する(露点センサ7、9からの測定された露点)。PIDコントローラは誤差信号を生成し、誤差信号は設定点信号10、11と結合して蒸気発生器コントローラの制御信号10’’、11’’を生成し、蒸気発生器コントローラは次に蒸気発生器の出力を制御する。
【0006】
理論的には、この閉ループフィードバック制御システムは、RTH3およびRTS4内の露点を制御することができるべきである。しかしながら、実際には、このシステムは、炉の露点を制御する作業には非常に不十分である。
図3は、露点および蒸気発生器の出力と炉を通過する時間/コイル映像のプロットである。システムが特定の鋼に対して設定された露点を有する場合、照準露点と呼ばれるグラフ上の設定点バーがあり、蒸気発生器は(スチーマ出力曲線によって確認され得るように)蒸気を炉ガスに注入する。測定された露点は、RTS露点として示されている。露点(およびスチーマ出力)は所望の設定点から著しく変化し、非常に振動性であるため、所望の露点が従来技術のシステムによって達成されていないことは明らかである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これは完全に許容できず、したがって、所望の露点までより容易に制御することができ、異なる種類の鋼コイルが連続的に通過するときに必要とされる設定点変化に対処することができる炉および制御システムが当技術分野で必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、露点制御システムを伴う鋼帯焼鈍炉を備える。炉/制御システムは、従来技術の制御システムよりも容易に所望の露点に制御することができ、異なる種類の鋼コイルが連続的に通過するときに必要とされる設定点の変化に対処することができる。
【0009】
本発明は、上部領域および下部領域を有する炉と、炉の上部領域の注入領域に炉の雰囲気ガスを注入するように構成された炉雰囲気注入器とを含む。システムはまた、蒸気を炉の雰囲気ガスに混合するために雰囲気注入システムと結合することができる蒸気発生器を含むことができる。発生器は、蒸気の発生を制御するための蒸気発生器制御ユニットを含むことができる。
【0010】
炉システムはまた、炉内に所望の露点を提供するように蒸気発生器を制御するための制御システムを含むことができる。制御システムは、入力露点(DP)設定点信号発生器を含むことができ、入力露点設定点信号発生器は、所望の炉DPに対応するDP設定点信号を生成する。
【0011】
制御システムは、局所露点を測定し、測定された局所露点を表す信号を送信する2つのDPセンサをさらに含むことができる。DPセンサのうちの1つは、炉の上部領域に、かつ注入領域に隣接して配置された上部DPセンサであってもよい。DPセンサの他方は、注入領域から離れた、炉の下部領域に配置された下部DPセンサであってもよい。
【0012】
制御システムは、カスケードループ構成で構成された2つの比例積分微分(PID)コントローラをさらに含むことができる。制御はまた、3つの信号変換器(SC)を含むことができる。各SCは、DP入力信号を受信し、それを蒸気分圧(PPS)出力信号に変換するように設計されている。
【0013】
PIDコントローラの下部は、第1のSCに接続されてもよく、第1のSCは、DP設定点信号発生器からの入力DP設定点信号、および下部PIDコントローラに送信される出力PPS設定点信号を有してもよい。下部PIDコントローラはまた、第2のSCに接続され、第2のSCは、下部DPセンサからの入力下部フィードバックDP信号、および下部PIDコントローラに送信される出力下部フィードバックPPS信号を有することができる。下部PIDコントローラは、PPS設定点信号と下部フィードバックPPS信号とを比較して、下部PID誤差値を生成することができる。誤差値は、下部PID出力PPS信号を生成するためにPPS設定点信号に加算されてもよい。
【0014】
下部PIDコントローラは、上部PIDコントローラに接続されてもよく、下部PIDコントローラは、下部PID出力PPS信号を上部PIDコントローラに送信してもよい。下部PID出力PPS信号は、上部PIDコントローラの上部入力PPS設定点信号となる。
【0015】
上部PIDコントローラはまた、第3のSCに接続することができる。第3のSCは、上部DPセンサからの入力上部フィードバックDP信号および上部PIDコントローラに送信される出力上部フィードバックPPS信号を有することができる。
【0016】
上部PIDコントローラは、上部入力PPS設定点信号を上部フィードバックPPS信号と比較し、上部PID出力信号を生成するために、上部入力PPS設定点信号に加算されることができる上部PID誤差値を生成することができる。
【0017】
上部PIDコントローラは、蒸気発生器制御ユニットに接続されている。上部PIDコントローラは、上部PID出力信号を蒸気発生器制御ユニットに送信することにより、炉内への蒸気の注入を制御する。
【0018】
露点制御システムを伴う焼鈍炉は、フィードフォワード制御ユニットをさらに含むことができる。フィードフォワード制御ユニットは、上部PID出力信号に加算される調整信号を計算する。上部PID出力信号に加算される調整信号は、鋼グレード/化学、ライン速度、および鋼帯幅の既知の今度の変化に基づいて計算される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】焼鈍炉内の雰囲気/湿度を制御するための従来技術のシステムの概略図である。
【
図3】従来技術の制御システムの露点および蒸気発生器出力と時間のプロットを示す図である。
【
図4】℃における露点と炉ガスの水のパーセントとの間の関係をプロットしている図である。
【
図5】Paにおける水の分圧と℃における露点との関係をプロットした図である。
【
図7】本発明の制御構造を使用したRTS炉の露点といくつかの鋼コイルの製造時間をプロットした図である。
【
図8】フィードフォワードモジュールを含む本発明の炉/制御システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、所望の露点までより容易に制御することができ、異なる種類の鋼コイルが連続的に通過するときに必要とされる設定点変化に対処することができる、鋼帯および制御システムのための焼鈍炉である。
【0021】
従来技術の炉および制御構造の限界および欠陥を評価する際に、本発明者らは、露点と大気中の水濃度との間の関係が非常に非線形であることに注目した。
図4は、℃における露点と炉ガス中の水のパーセントとの関係をプロットしている。図から分かり得るように、関係は非常に非線形であり、露点を制御する作業を非常に困難にする。本発明者らはまた、露点と水の分圧との間の関係が比較的線形であることに注目した。
図5は、Paにおける水の分圧と℃における露点との関係をプロットしている。したがって、本発明者らは、すべての露点設定点および露点測定値が、制御構造に入力されたときに分圧に変換されるステップを制御システムに追加した。
【0022】
本発明者らはまた、露点センサが実際に水を検知するまでの炉に入力される水の混合時間が非常に長いことに注目した。これもまた、水入力とセンサ測定との間の大きなタイムラグのために露点の制御を非常に困難にする。これに対抗するのを助けるために、本発明者らは、蒸気注入点により近い第2の露点センサを追加した。
【0023】
最後に、本発明者らは、露点の制御を改善するために、元のものとカスケード式の付加PIDコントローラを追加した。
【0024】
図6は、新しい制御構造を伴う炉を図示している。1つの炉(RTH3)のみが図示されているが、RTH3とRTS4の両方に対して同じ制御構造が実施された。新しい制御構造は、元の露点センサ7および炉の底部を保持し、蒸気注入点の近くの炉の最上部に新しい露点センサ7’を追加する。制御構造はまた、設定された露点および測定された露点を蒸気の分圧に変換するための露点変換器12、12’および12’’を含む。したがって、変換器12は、設定点露点信号10を水10
*の設定点分圧に変換する。変換器12’は、下部露点センサ7からの測定された露点信号10’を蒸気10’
*の分圧に変換する。最後に、変換器12’’は、上部露点センサ7’からの測定された露点信号10’’’を蒸気10’’’
*の分圧に変換する。
【0025】
℃における露点を大気中の水の分圧に変換するための式は、以下の式によって与えられる、すなわち、
【0026】
【0027】
雰囲気からPaへの変換は、1気圧=101325Paであることに留意されたい。
【0028】
本発明の制御システムは、ここで、カスケード制御を形成する2つのPIDコントローラを含む。蒸気10*の分圧への変換後の設定点信号は、外側ループPIDコントローラ8に入力され、これは、蒸気10’*の分圧に変換された、下部露点センサ7からの測定された露点信号10’と比較される。外側ループPIDコントローラ8は、2つの信号10*および10’*を使用して誤差信号を生成し、それは、設定点信号10*に加算されて、内側ループPIDコントローラ8’への入力信号10’’*を生成する。
【0029】
この入力信号10’’*は、蒸気10’’’*の分圧に変換されている、上部露点センサ7’からの測定された露点信号10’’’と比較される。内側ループPIDコントローラ8’は、2つの信号10’’*および10’’’*を使用して、蒸気発生器6の出力を調整する蒸気発生器コントローラ6’への出力信号10’’’’*を生成する入力信号10’’*に加算される誤差信号を生成する。
【0030】
炉の制御構造に対するこれらの改善は、炉内の露点制御の著しい改善をもたらす。
図7は、本発明の制御構造を使用したRTS炉の露点といくつかの鋼コイルの製造時間をプロットし、設定点の変化を含んでいる。見て分かり得るように、炉の露点制御は大幅に改善され、連続生産のために十分良好である。
【0031】
本発明者らは、制御構造へのフィードフォワード機構の可能な必要性をさらに考慮した。フィードフォワード信号は、処理されている鋼の種類(すなわち、炭素含有量、水蒸気との反応性など)、予想される線速度の変化、鋼帯幅の変化、およびシステムに対する雰囲気の変化に基づいて生成される。
図8は、フィードフォワードモジュール14を含む炉/制御システムの図である。フィードフォワード信号10^は、これらの要因に基づいて数学的に生成され、カスケード制御システムの出力信号10’’’’
*と組み合わされて、蒸気発生器コントローラ6’および最終的に蒸気発生器6への信号を先取り的に調整する。フィードフォワード信号10^は、今度の変化が何を伴うかに応じて、蒸気発生器6によって炉に注入される蒸気の量を増減することができる。
【0032】
(最終的に内側ループPID8’によって制御される)スチーマ出力が4%未満または100%超(すなわち、蒸気発生器6の物理的限界の外側)である場合、その積分器が巻き上がるのを防止する内部論理が存在する。その同じ論理は、巻き上げを防止するためにその積分器を保持状態にするために外側ループPIDに送られる必要がある。
【0033】
制御システムはまた、乾式論理を含むことができる。この論理は、スチーマ出力が蒸気注入の閾値未満であり、誤差が炉に水が多すぎるような場合には、RTH炉とRTS炉の両方にHNx(蒸気を追加しない純粋な雰囲気)を大量に送る。これは、炉の露点が非常に高く、スチーマが最も低い設定にある場合に使用される。雰囲気ガス供給5から乾燥雰囲気ガスで炉を大量に満たすと、過剰な水分が非常に迅速に洗い流される。過剰な水分が炉から洗い流されると、蒸気発生器6は、炉を適切な所望の露点に戻すことができる。