(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-15
(45)【発行日】2023-09-26
(54)【発明の名称】ICPトーチボックス用のスライディングドア組立体
(51)【国際特許分類】
G01N 21/73 20060101AFI20230919BHJP
【FI】
G01N21/73
(21)【出願番号】P 2022504179
(86)(22)【出願日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 EP2020071465
(87)【国際公開番号】W WO2021018993
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-01-21
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】508306565
【氏名又は名称】サーモ フィッシャー サイエンティフィック (ブレーメン) ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフ トビアス
(72)【発明者】
【氏名】ラートカンプ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ピエロ ヤニック
【審査官】田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-189292(JP,A)
【文献】特開平05-138491(JP,A)
【文献】特開2014-004964(JP,A)
【文献】特開2018-204255(JP,A)
【文献】登録実用新案第3118926(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0111266(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0186506(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導結合プラズマトーチボックス(40)
のためのスライディングドア組立体(50)であって、
ドアと、トーチボックスの開口部(45)に沿った、前記トーチボックスを開閉するのを可能にする第1の方向(X)に、および前記第1の方向に実質的に垂直で前記トーチボックスを閉じるときに前記ドアまたはその少なくとも一部を前記開口部に向かって動かす第2の方向(Z)に、前記ドアの移動を可能にするためのガイド機構と、を備え
、
前記ドアが、内側ドアパネルおよび外側ドアパネルを備え、前記外側ドアパネルが、前記第1の方向への前記ドアの移動を可能にするための第1のスライド機構と係合し、前記内側ドアパネルおよび前記外側ドアパネルが、前記第1の方向および前記第2の方向の両方向への前記内側ドアパネルの移動を可能にするための第2のスライド機構を介して相互接続されている、スライディングドア組立体(50)。
【請求項2】
前記ドア組立体は、前記ドアを前記トーチボックスにシーリングするためのシーリング機構をさらに備える、請求項1に記載のスライディングドア組立体。
【請求項3】
前記シーリング機構が、前記ドアと前記トーチボックスまたはそのドアフレームとの間にシーリングを提供するための少なくとも1つの弾性シーリング要素を含む、請求項2に記載のスライディングドア組立体。
【請求項4】
前記ガイド機構は、前記第1の方向および前記第2の方向の両方で実質的に
前記ドアの線形移動をもたらすように配置されている、請求項1~3のいずれかに記載のスライディングドア組立体。
【請求項5】
前記ドアを閉位置にロックするためのロック機構をさらに備える、請求項1~4のいずれかに記載のスライディングドア組立体。
【請求項6】
前記内側ドアパネルが外側ドアパネルによって動かされるように、前記内側ドアパネルと前記外側ドアパネルが相互接続されている、請求項
1に記載のスライディングドア組立体。
【請求項7】
前記ガイド機構は、前記内側ドアパネルが前記第1の方向および前記第2の方向の両方に移動可能に配置される一方で、前記外側ドアパネルは前記第1の方向にのみ移動可能に配置されている、請求項
1に記載のスライディングドア組立体。
【請求項8】
前記内側ドアパネルは、内側ドアストッパに向けての前記第1のスライド機構に沿った前記ドアの前記第1の方向への移動によって達成される第1の閉位置を前記ドア組立体が有するように構成され、前記ドア組立体は、前記第2のスライド機構に沿った、前記ドア組立体内の前記外側ドアパネルに対する前記内側ドアパネルの前記第1の方向および前記第2の方向への同時の移動によって達成される第2の閉位置を有するようにさらに構成されている、請求項
1に記載のスライディングドア組立体。
【請求項9】
前記内側ドアストッパが、前記ドア組立体が取り付けられる前記トーチボックスまたはそのドアフレームに設けられている、請求項
8に記載のスライディングドア組立体。
【請求項10】
前記第2のスライド機構は、前記内側ドアパネルが前記内側ドアストッパに接触した後に前記外側ドアパネルへ前記第1の方向の力を加えることによって作動される、請求項
9に記載のスライディングドア組立体。
【請求項11】
前記第2のスライド機構は、前記内側ドアパネルおよび前記外側ドアパネルの間で実質的に前記第1の方向に配置された少なくとも一対の平行な内側ガイド部材、および前記内側ガイド部材と相互接続する少なくとも二対のベアリングによって設けられている、請求項
8~
10のいずれかに記載のスライディングドア組立体。
【請求項12】
前記内側ガイド部材が前記外側ドアパネルに固定され、前記ベアリングが前記内側ドアパネルに固定されており、前記ドアが前記第1の閉位置に達した後に前記外側ドアパネルに対して前記第1の方向に力が加わるとき、前記ベアリングは前記内側ガイド部材に沿って押し付けられ、それによって前記内側ドア
パネルに横方向の力を加え、それによって前記内側ドア
パネルを内側方向に移動させる、請求項
11に記載のスライディングドア組立体。
【請求項13】
前記内側ガイド部材は、前記ベアリングがスロットに係合して前記スロットに沿って前記スロットの開端から閉端まで移動することができる前記スロットを備え、前記スロットは、前記ドア組立体が閉位置に向かって移動するとき、前記ベアリングが前記スロットに対して前記第1の方向および前記第2の方向に前記スロットに沿って移動するよう形成されている、請求項
12に記載のスライディングドア組立体。
【請求項14】
前記スロットは、前記ドアが閉位置に向かって移動すると、前記第1の方向の単位移動の大きさあたりにおける前記内側ドアパネルの相対的な内側への移動が減少するような勾配形状を有する、請求項
13に記載のスライディングドア組立体。
【請求項15】
前記内側ドアパネルに、前記内側ドア
パネルを前記トーチボックスまたはそのドアフレームに確実にシーリングさせるための
前記シーリング機構が設けられている、請求項
2又は3に記載のスライディングドア組立体。
【請求項16】
前記シーリング機構が、前記内側ドアパネルの外周の周りまたは近くに延びる耐熱性弾性シーリングによって設けられ、閉位置において、前記弾性シーリングが前記トーチボックスまたはそのドアフレームの外面に接触して、それらの間にシールを生成する、請求項
15に記載のスライディングドア組立体。
【請求項17】
前記第2のスライド機構に沿った前記内側ドアパネルの移動中に、前記弾性シーリングは、前記内側ドアパネルの内側への移動によって圧縮される、請求項
16に記載のスライディングドア組立体。
【請求項18】
前記ドア組立体を前記第2の閉位置にロックするためのロック機構をさらに備える、請求項
13又は14に記載のスライディングドア組立体。
【請求項19】
前記ロック機構が、前記スロットの閉端近くの内側ガイドスロットの溝によって設けられ、前記ドアが第2の閉鎖位置に向かって動かされるとき、ベアリングが前記スロットの閉端に向けて押され前記溝内に押し込まれ、それによって前記ドアを前記第2の閉鎖位置にロックする、請求項
18に記載のスライディングドア組立体。
【請求項20】
請求項1~
19のいずれかに記載されたスライディングドア組立体を含む、誘導結合プラズマトーチボックス。
【請求項21】
請求項
20に記載された誘導結合プラズマトーチボックスを含む、誘導結合プラズマ発光分光計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICP発光分光計のICPトーチボックスなどの分光計用のプラズマ源チャンバーまたはトーチボックス用のスライディングドア組立体に関する。
【0002】
序論
プラズマ供給源は、発光および質量分析計で一般的に使用されている。誘導結合プラズマ(ICP)供給源などのプラズマ供給源では、プラズマは高熱で生成され、それにおいて原子や分子をイオン化できる。このようなプラズマでは、非常に高い温度、例えば8,000Kの温度、または10,000Kの温度でさえも、発生する可能性がある。
【0003】
発光分光分析では、プラズマ内の気化した原子とイオンが高エネルギー状態になる。その後、原子および/またはイオンは基底状態に緩和し、その過程でこれらは、関与する元素の特性であり、各原子またはイオンの量子化されたエネルギー準位構造に依存する波長の電磁放射を放出する。
【0004】
放出された光子の検出は、プラズマのラジアルまたは側面から見ることによって、またはプラズマのアキシャルまたは端から見ることによって、実行することができる。ラジアルで見るのは、発光分光計の古典的な動作モードである。検出器に向かう光路には、通常、入射する放射線を検出器に向ける光学潜望鏡が含まれる。潜望鏡には、入ってくる電磁放射を検出器に向けて偏向させる内部ミラーがある。潜望鏡がプラズマに近接していること、およびプラズマからの強い熱と放射があることに起因して、潜望鏡内の光学ミラーを交換する必要がある場合がある。また、プラズマ供給源は定期的なメンテナンスが必要である。したがって、使用者はプラズマ供給源のチャンバーの内部に定期的にアクセスできる必要がある。ICP供給源または供給源のチャンバーを使用した後は、高温が伴うため、取り扱いには注意が必要である。したがって、供給源のチャンバーを開閉するためのいずれかのメカニズムは、使用中だけでなく、使用後のあらゆるタイプのメンテナンスまたは調整のためにチャンバーを開くときにも、熱に対して保護されねばならず、またドアハンドルや外面などの使用者が関与するすべての部品を、加温された内部から、熱について隔離するべきである。さらに、供給源のチャンバーとドアの機構は、出ていく、また入ってくるUV光と電磁放射からも保護しなければならないので、これにより、機器は全体として、実験室の標準の電磁両立性要件に準拠する。
【0005】
ICPチャンバーの例は、米国特許第4,664,477号に開示されている。この従来技術のICPチャンバーは、ヒンジ付きドアを有しており、これは、高温である場合がある開いたドアが、機器の操作者に向かって延びるため、あまり実用的ではない。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、ICPトーチボックス/供給源のチャンバーで使用するためのスライディングドア組立体を設けることによって、上記の課題に対する解決策を提供しようとするものである。スライディングドア組立体は、ドアの内面に不注意に触れる可能性を排除するため、熱に関連する傷害のリスクを軽減する。さらに、トーチボックスのスムーズで安全な開閉をもたらし、ドアが完全に開いたときに邪魔にならないように移動し、操作とアクセスのために開口部の前のスペースを制限しないように、チャンバーのアクセス性を向上させる。
【0007】
一態様では、本発明は、誘導結合プラズマ(ICP)トーチボックスと共に使用するためのスライディングドア組立体であって、ドア、ICPトーチボックスの少なくとも1つのアクセス開口部に沿った、トーチボックスを開閉するのを可能にする第1の方向にドアを移動させるのを可能にし、また第1の方向に実質的に垂直で、トーチボックスを閉じるときにドアまたはその少なくとも一部を少なくとも1つのアクセス開口部に向かって動かす第2の方向に、ドアまたはその少なくとも一部を移動させるのを可能にするためのガイド機構を備える、スライディングドア組立体に関する。
【0008】
トーチボックスのアクセス開口部を閉じるためにスライディングドアを使用することにより、トーチボックスの前のスペースが節約され、高温のドア部品に触れるリスクが大幅に減少する。開口部に平行に、また開口部に向かって(および開口部から離れて)、好ましくは単一の移動で移動することができるスライディングドアを使用することにより、開口部の良好なシーリングを簡単な方法で達成することができる。本発明のスライディングドア組立体は、好ましくは、2つの方向への本質的に線形の移動のために配置される。さらに、本発明のスライディングドア組立体は、好ましくはヒンジを欠き、ドア部品の回転運動を回避するように配置することができる。
【0009】
したがって、ガイド機構は、好ましくは、第1の方向および第2の方向の両方で実質的に線形の移動をもたらすように構成されている。
【0010】
通常、トーチボックスには単一の開口部があり、それがトーチへのアクセスをもたらすため、アクセス開口部と呼ばれ得る。しかし、トーチボックスが、単一のスライディングドアまたは複数のスライディングドアによって閉鎖され得る2つ以上の開口部を有する実施形態が想定され得る。
【0011】
第2の方向は、第1の方向と完全に直交であり得る、したがって900の角度を画定するが、さらに小さいまたは大きい角度、例えば、45°、60°、または80°の角度を使用することもできる。
【0012】
スライディングドア組立体は、適切かつ完全に閉じた位置で、トーチボックスへのドアをシールするためのシーリング機構を備えることができる。好ましくは、スライディングドア組立体は、ドアが閉じられたときに第2の方向にドアまたはドア部分に圧力を加えるための少なくとも1つの弾性要素を備える。シーリング機構は、有利にも弾力性があり得、例えば、トーチボックスの少なくとも1つのアクセス開口部またはドア機構で閉じられている少なくとも1つの開口部を取り囲むドアフレームを囲む溝から突き出る、および/またはドアの内側の溝から突き出るシリコンストリップを含む。
【0013】
スライディングドア組立体は、好ましくは、ドアを閉位置にロックするためのロック機構を備える。本明細書で使用される「ロック」は、ドアが特定の最終的な閉位置にスライドし、ドアをロック位置から外すために力が必要で、したがって、好ましくは、位置に到達したことを使用者に示すクリックおよび/または認識可能な触覚フィードバックにより、指定された最終的な閉位置に「ロック」することを示している。
【0014】
いくつかの実施形態では、ドア組立体のドアは、内側ドアパネルおよび外側ドアパネルを含み、これらは、好ましくは、内側ドアパネルが外側ドアパネルによって動かされるように相互接続されている。内側および外側ドアパネルの構成により、断熱性が向上し、ドアの外側が熱くなりすぎないのを確実にする。ガイド機構は、好ましくは、トーチボックスの開口部の平面に平行な第1の方向のみ(前後に)外側ドアパネルが動くのを可能にしながら、第1の方向と第2の方向(およびそれぞれの反対方向)両方の内側ドアパネルの移動を可能にし、誘導するように配置される。したがって、これは、外側ドアパネルが第1のスライド機構と係合して、外側ドアパネルの第1の方向に前後に(開閉方向)縦方向に移動して、内側ドアパネルが外側ドアパネルに続き、また内側ドアパネルと外側ドアパネルは、第1および第2の方向の両方で外側ドアパネルに対して内側ドアパネルの移動を可能にするための第2のスライド機構を介して相互接続されている。この機構により、ドアが完全に閉じてロックされた位置に置かれ、ドアがチャンバーに押し付けられて効果的なシールが得られるため、内側および外側ドアパネル間の距離を広げることができる。好ましくは、外側ドアパネルを第1の方向に動かすと、内側ドアパネルが同時に第2の方向に移動する。いくつかの実施形態では、内側ドアパネルは、その軌道の一部に亘って、第1の方向および第2の方向に同時に移動する。
【0015】
一実施形態では、内側ドアパネルは、ドア組立体が、第1のスライド機構に沿って内側ドアストッパに向かってドアの第1の方向に縦方向に移動することによって達成される第1の閉位置と、第1の閉位置に到達した後、第2のスライド機構に沿って、外側ドアパネルに対する内側ドアパネルのドア組立体の内部での同時の縦方向および横方向の移動(すなわち、第1および第2の方向それぞれ)によって達成される第2の閉位置とを有するように構成される。これは、内側ドアパネルが内側ドアストッパに到達したときに第1の方向(縦方向)にそれ以上移動できないが、外側ドアパネルはさらに移動することができ、そうすることによって第2のスライド機構が第2の方向に内側ドアパネルを誘導するように、適切に配置することができる。したがって、内側ドアパネルは、トーチボックスの開口部の平面に対して垂直(または第2の)方向に移動するだけでなく、外側ドアパネルが第1の方向、縦方向に移動すると、外側ドアパネルに対して両方向に移動する。
【0016】
したがって、本発明のドア組立体の一実施形態では、ドアが第1の閉位置に達した後、外側ドアパネルと内側ドアパネルとの間の空間(距離)が、外側ドアパネルが第1の方向/閉鎖方向にさらに移動すると増加し、同時に内側ドアパネルはトーチボックスの開口部に向かって内側に移動するように、外側ドアパネルと内側ドアパネルが相互接続される。他の実施形態では、ドアが第1の閉位置に達した後、外側ドアパネルおよび内側ドアパネルの両方が内側に移動し、内側ドアパネルがトーチボックス開口部に近づくのと同じ機能的な結果をもたらす。したがって、内側ドアパネルとトーチボックスとの間にシーリングが配置されている場合、内側ドアパネルが開口部に近づくにつれてシーリングが圧迫される。
【0017】
第2の閉位置は、内側ドアパネルがトーチボックス開口部に向かって内側に移動してシールを作成した所望の最終的な位置にあるときの最終的な位置として画定される。通常、第2の閉位置に達すると、ドアはそれ以上移動できない。
【0018】
内側ドアストッパは、適切に、ドア組立体が取り付けられるICPトーチボックス、または組立体のドアフレームに配置する、またはトーチボックスに取り付けられる組立体に関連付けることができる。このようなドアフレームは、ドア組立体の一部と見なすことができるが、トーチボックスに関連付けられる一方でドア組立体と連動するように構成された別個のオプションの部品と見なすこともできる。
【0019】
上記から理解されるように、第2のスライド機構は、内側ドアパネルが内側ドアストッパに接触した後、外側ドアパネルに第1の方向に力を加えることによって適切に作動させることができる。これは、例えば、内側ドアパネルと外側ドアパネルとの間に縦方向に(第1の方向に沿って)配置された少なくとも一対ある平行な内部ガイド部材、および内側のガイド部材と相互接続する、少なくとも二対あるベアリングによって、第2のスライド機構を設けることによって配置することができる。内側ガイド部材を、外側ドアパネル、および内側ドアパネルに固定される支持体に取り付けられた対のベアリングに固定することができ、またはその逆も可能である、このことは、代替的な実施形態では、内側ガイド部材を、内側ドアパネル、およびこの場合には外側ドアパネルに取り付けられるベアリングを保持する支持体に固定することができるということを意味する。したがって、第1の方向の力が外側ドアパネルに加えられると、内側ドアパネルがストッパで停止する第1の閉位置に達した後、外側ドアパネルをさらに動かすことは、ベアリングに対し、内側ガイド部材に沿って移動するように強制し(内側ガイド部材またはベアリングは、外側ドアパネルと一緒に第1の方向に移動するが、内側ドアパネルはその方向にそれ以上移動できない)、それによって内側ドアパネルに横方向の力を加え、それによって内側ドアパネルにトーチボックスの開口部に向かって内側方向に移動させ、最終的に第2の閉位置に移動させる。
【0020】
内側ガイド部材は、好ましくは、スロット、およびベアリングがスロットに配置されてスロットと嵌合し、ドアパネルが互いに対して移動するときにスロットの内部を移動できるように配置されたベアリングを保持する支持体を備えることができ、スロットはそれぞれ開端および閉端を有し、ドアが第2の閉位置に向かって移動するとき、ベアリングがスロットに沿って縦方向および内向きに、スロットの閉端に向かって、閉端に到達してドアが最終的な閉位置になるまで移動するように成形されている。スロットの閉端は、スロットの開端よりも外側ドアパネルから離れているため、ベアリングが閉端にあるときは、ベアリングがスロットの開端にあるときよりもドアパネルが離れている。内側ガイド部材が内側ドアパネルに固定され、ベアリングを保持する支持体が外側ドアパネルに配置される実施形態では、同じことが当てはまるが、その実施形態では、ベアリングは、外側ドアパネルに対して一定の距離を有し、したがって、スロットは、スロットの閉端が開端よりも外側ドアパネルから離れるように成形され、そのため、ベアリングがスロットの開端よりも閉端にある場合の方が、内側ドアパネルと外側ドアパネルとの間の距離が大きくなる。
【0021】
スロットは、ドアが第2の閉位置に向かって移動するときに、第1の方向への同時(相対)移動と比較して、内側ドアパネルの内側への移動の大きさが減少するように、適切に勾配形状を有することができる。言い換えると、これは、外側ドアパネルが第2または最終的な閉位置に向かって移動すると、内側ドアパネルが内側に移動し、外側ドアパネルが最終的な閉位置に近づくと、外側ドアパネルの単位移動長あたりの移動が徐々に少なくなることを意味する。通常、ドアを第1の位置から第2の位置に移動するために必要な力は、結果として徐々に減少する。
【0022】
上記のシーリング機構は、内側ドアをICPトーチボックスまたはそのドアフレームに確実にシーリングするように、内側ドアパネルに有利にも設けることができる。シーリング機構は、内側ドアパネルの外周の周りまたは近くに延びる耐熱性弾性シーリングによって設けることができ、その結果、閉位置にあるとき、弾性シーリングは、IPCトーチボックスの外面(ドア組立体によって閉じられる開口部を有する面)またはトーチボックスにしっかりと固定されたドアフレームに接触し、それらの間にシールを生成する。
【0023】
好ましくは、第2のスライド機構の誘導による内側ドアパネルの移動中に、弾性シーリングは、内側ドアパネルの内側への移動によって圧迫される。したがって、外側ドアパネルは、横方向に移動できないようにガイド機構に接続され、したがって、外側ドアパネルが最終的な閉鎖に向かって移動するときに第2のガイド手段が外側ドアパネルおよび内側ドアパネルを押し離すように作用し、外側ドアパネルが基本的にその平面に固定されたままで横方向に移動できずに、内側ドアパネルは内側に押される。
【0024】
好ましくは、上記のようなロック機構は、ドア組立体を上記の第2の閉位置にロックするためにドア組立体内に配置される。ロック機構が、スロットの閉端近くの内側ガイド部材のスロットの溝によって配置され得、その結果、ドアがその第2の閉位置に向かって動かされると、スロットと係合する個々のベアリングが溝に押され、それによってドアを第2の閉位置にロックする。
【0025】
ロック機構はまた、様々な適切なラッチの実施形態のいずれか、またはドアがロック位置に押されると係合するばね機能の雄雌ロック機構などの他のタイプのものであり得る。ロック機構は、ロックするときに触覚をもたらし、好ましくは所定の位置にて「クリック」させて、不注意に、ほとんど閉じているが完全には閉じていない状態になり得ないようにすることが好ましい。
【0026】
いくつかの実施形態では、ドア組立体は、ドアが完全かつ適切に閉じられているかどうかを感知する電子閉鎖センサーをさらに備えており、センサーが、ドアが閉じている正の信号を与えない限り、トーチボックスを操作できないように、計器システムに接続されている。
【0027】
したがって、スロットは、好ましくは、ドアの開閉移動方向(第1の方向)に対して全体的に傾斜した主要な方向を有するように形作られ、これは、ドアが第1の閉位置から第2の閉位置に移動するときに下側に、またドアが第2の閉位置から第1の閉位置に開かれるときに上側に、ベアリング(および内側ドアパネル)を強制する。
【0028】
好ましくは、ロック機能をもたらすスロットの言及された溝は、ベアリングが溝とスロットの主要なエリアとの境界点を画定する縁部の点を通過しなければならない中間位置よりも、外側ドアパネルにわずかに近い位置に、ベアリングを保持する。したがって、縁部の点は、最高のシーリングの圧力の箇所であり、好ましくは、触覚のバリアを形成するようにする、すなわち、ベアリングが溝に落ち、そのためドアがロックイン位置に落ちるときに触覚の感覚をもたらすようにする。
【0029】
有用な実施形態では、スロットおよびその溝は、ベアリングが、縁部の点を通過するのに十分に押されていない場合に、ベアリングが縁部の点から離れるように旋回するように成形され、相互作用する。つまり、ドアが完全には閉じられておらず、ロック位置(ベアリングが縁部の点を超えるよう押されていない)を達成していないとき、ベアリングは後方に旋回し、ドアがスライドして戻る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のばねは、ほぼ閉じた位置からいっそう開いた位置のばねに引き戻す力をもたらすように配置されている。同様に、ドアが閉じたロック位置からわずかに押されたが、ベアリングを溝から縁部の点を超えて押し出すのに十分でない場合、それは後方に旋回し、ドアは完全に閉じたロック位置に戻る。
【0030】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のばねが提供され、内側ドアパネルと外側ドアパネルとの間に配置されて、ドアを最終的な閉位置に引っ張る力を提供するか、またはドアを完全には閉じていない位置から開く力を提供する。したがって、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のばねは、ドアがロック位置に達していない場合、ドアを開く方向に引っ張る方向に追加の力を提供する、例えば、上記のようにスロットが設けられる場合、そのような1つまたは複数のばねは、縁部の点を超えるようロック位置に押し込まれていない場合は、ドアを引き戻す力を提供できる。
【0031】
本発明はさらに、本明細書に記載のスライディングドア組立体を有するICPトーチボックスを提供する。
【0032】
本発明の別の態様は、本明細書に記載されるような少なくとも1つのスライディングドア組立体を備えたICPトーチボックスを含む誘導結合プラズマ発光分光計を提供する。
【0033】
本発明のさらに別の態様は、本明細書に記載されるように、少なくとも1つのスライディングドア組立体を備えたICPトーチボックスの使用を提供する。そのような使用は、トーチボックスの前面に実質的に平行な移動によってトーチボックスを開閉することを含み得る。
【0034】
当業者であれば、以下に説明する図面は説明のためのものに過ぎないことを理解するであろう。図面は、本教示の範囲を決して限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】
図1は、本発明によるドア組立体の分解図を示している。
【
図2】
図2は、本発明によるドア組立体の側面図を示している。
【
図3】
図3は、閉位置にあるドア組立体の斜視図を示している。
【
図4】
図4は、外側ドアパネルが図から取り外された、開位置にあるドア組立体の斜視図を示している。
【
図5】
図5は、第2の閉位置にあるドア組立体(外側ドアパネルなし)を示している。
【
図6】
図6は、ガイド手段の第2のスライド機構のガイド部材のスロットの拡大図を示している。
【
図7】
図7は、本発明によるドア組立体のドアフレームを示している。
【
図8】
図8は、本発明によるドア組立体の代替の実施形態を示している。
【
図9A】
図9Aは、本発明の実施形態による、スライディングドア組立体を有するICPトーチボックスの概略図を示す。
【
図9B】
図9Bは、本発明の実施形態による、スライディングドア組立体を有するICPトーチボックスの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照しながら本発明の例示的な実施形態を説明する。これらの例は、本発明の範囲を限定することなく、本発明のさらなる理解を提供するために設けられる。
【0037】
以下の説明では、一連のステップについて説明する。当業者であれば、文脈によって必要とされない限り、ステップの順序は、結果として得られる構成およびその効果にとって決定的ではないことを理解するであろう。さらに、ステップの順序にかかわらず、記述されたステップのいくつかまたはすべての間に、ステップ間の時間遅延の有無が存在し得ることは、当業者には明らかであろう。
【0038】
本発明によるスライディングドアは、ICP発光分光計用のICPトーチボックスなどのICPトーチボックスに配置することができる。スライディングドアは、トーチボックスの内部への容易かつ安全なアクセスを可能にし、ドアを閉じるための2段階のメカニズムを有することができ、周囲からトーチボックス内部をしっかりと閉鎖およびシーリングする機構を設ける。
【0039】
したがって、スライディングドアは、ICPトーチボックスの開口部に沿って移動するように適合させることができ、その開口部は、トーチボックスの壁に設けることができる。ドアが開位置から閉位置に移動すると、ドアは2つの方向に移動する。ICPトーチボックスの開口部に沿った第1の方向、および第1の方向にほぼ垂直で、開口部に向かって、したがってICPトーチボックスに向かっている第2の方向である。ドアが第2の方向に移動すると、ドアはロック位置でシールされ、それによりボックスの内部が隔離される。第2の方向の移動は、好ましくは、第1の方向の移動に続く、すなわち、最初に、ICPトーチボックスを閉じるための第1の方向の移動があり、続いて、ドアを閉位置にロックし、同時にドアとトーチボックスとの間のシールを設けるための第2の方向の移動がある。
【0040】
スライディングドアは、内側ドアパネルと外側ドアパネルの2つのドアパネルを構成する組立体として設けることができる。ドア組立体の第1の移動中に、内側および外側ドアパネルが協調して移動する。第2の方向への移動は、好ましくは、内側ドアパネルによってのみ行われる。それにより、内側ドアパネルは、ドア組立体とトーチボックスとの間のシールを設ける。
【0041】
実施形態によるドア組立体の主要な部分の分解図が、そのようなドア組立体のガイド手段と共に
図1に示されている。
図1は、ガイドブロック7がねじ8で外側ドアパネル3にどのように固定されているかを示している。接着ファスナー30は、任意選択の外側フロントシールド5(図示せず)を保持するために外側ドアパネルに固定されている。外側
【0042】
窓フレーム22は、外側ドアパネル3上に配置され、窓32(好ましくは、UV光を遮断するための熱溶接ガラス製)および内側ドアパネル2(電磁放射用の開口部を作成せずにプラズマを見ることを可能にする)においてドリルによる穴のパターンによって形成されたグリッド33を含む内側ドアパネル2上の窓を露出させる。ガラス32は、例えば、2つまたは4つのクランプによって保持され得る。ハンドル4は、ねじ31で外側ドアパネルに固定されている。第2のガイド部材9は、ねじ11で外側ドアパネルに固定されている。第2のガイド部材は、支持部材13によって保持されるベアリング12と相互作用するスロット10を有する。支持部材13は、ねじ29で内側ドアパネル2に固定されている。シーリング28は、内側ドアパネルの内側に接着されている。ガイドブロック7は、レール6に沿ってスライドすることができる。外側ドアストッパ15は、ドアが全開位置に向かって移動したときにドアのスライド運動を停止する。
【0043】
図2は、ドア組立体の側面図を示しており、内側ドアパネル2と相互接続されている外側ドアパネル3を示している。任意選択のフロントシールド5は、外側ドアパネル3とハンドル4に固定させてドアを作動させるため、外側ドアパネル3にも固定されている。外側ドアパネル3は、平行なガイドレール6に接続されている。支持部材13は、内側ドアパネル2に固定されている。支持部材に取り付けられているのは、第2のガイド手段の一部を形成する第2のガイド部材9のスロットと嵌合するベアリング(この図には見られない)である。第2のガイド部材9は、外側ドアパネル3に固定されている。内側ドアストッパ14は、内側ドアパネル2が所望の閉位置に達したときに、内側ドアパネル2のスライド運動を停止する。
【0044】
ドア組立体は、ドアがガイドレール6に沿ってスライドするときに、内側と外側ドアパネルが協調して移動できるように組み立てられている。内側ガイド9とベアリング12内の特定のスロット10内の内側ガイド9が、ドアが閉じているときに内側ドアパネル2を内側に押し込むメカニズムを設けながらも、ストッパ14、15は、トーチボックス側に沿って内側ドアパネル2の移動(すなわち、トーチボックスの開口部に平行)の制限をもたらす。
【0045】
使用中、ドア組立体は、トーチボックスの側壁の開口部に沿って、ガイドレール6に沿って第1の方向に移動する。ドアが閉位置に向かって移動すると(
図1では右から左へ)、内側ドアパネル2は内側ドアストッパ14に到達する。結果として、内側ドアパネル2は、トーチボックスの開口部の前で、開口部へのアクセス方向に実質的に垂直である第1の方向に、もはや移動することができない。ドア組立体に力を継続的に加えると、例えば、閉位置に向けてハンドル4に力を加えることにより、外側ドアパネル3およびガイド部材9の取り付けられたスロット10に力が加えられる。同時に、内側ドアパネルに固定されたベアリング12は、スロット10に沿って強制的に移動する。結果として、外側ドアパネル3は、トーチボックス開口部に沿って(第1の方向に)移動し続け、同時に、内側ドアパネル2は、第1の方向に垂直な第2の方向に強制される。ベアリング12がスロット10の端部に到達するまで外側ドアパネル3が動かされると、外側ドアパネルおよび内側ドアパネルの継続的な移動が妨げられ、ドアは閉じてロックされた位置に達する。
【0046】
図3は、フロントシールド5が外側ドアパネル3およびハンドル4に固定されたドア組立体の斜視図を示している。外側ドアパネル3(およびフロントシールド5)には窓フレーム22が配置されており、内側ドアパネル2に配置された窓23が露出しており、プラズマを見ることができる。
【0047】
図4は、図から外側ドアパネル3を取り除いたドア組立体の詳細を示している。ドア組立体はここで完全に開いた位置にある。第1の移動方向(開閉方向)は矢印Xで示され、第2の移動方向である横方向は矢印Zで示されている。ガイドレール6、およびレール6に沿ってスライドすることができるガイドブロック7を含む第1のスライド機構が示されている。ガイドブロック7は、ねじ8で外側ドアパネル3(明確にするために
図4には示されていない)に固定されている。レールとガイドブロックは、ガイドブロックがレールに沿って前後に移動することだけはできるが、スライド方向を横切ってガイドレールから上に移動することはできないように結合される。ガイドレール6は、ICPトーチボックスの前面(ドア組立体が開閉するトーチボックスの開口部がある面)またはトーチボックスの前面に固定されているドアフレーム25のいずれかに固定されている。ねじ11で外側ドアパネル3(この図には示されていない)に固定されている一対の平行な第2のガイド部材9が示されている。支持部材13は、内側ドアパネル2に固定されている。支持部材13の端部には、第2のガイド部材9のガイドスロット10と係合するベアリング12が取り付けられている。ドアが閉位置に向かって移動すると、ハンドル4を第1の方向に押すことにより、外側ドアパネル3がハンドルと共に移動し(これらが接続されているため)、スロット10が支持部材13を介して内側ドアパネル2に固定して配置されているベアリング12を引っ張ると、内側ドアパネル2がそれに沿って移動する。内側ドアパネル2は、最終的には内側ドアストッパ14(これは内側ストッパとも呼ばれることがある)に接触し、それ以上移動することはできない。ハンドルがさらに押されると、外側ドアパネル3は、その固定された第2のガイド部材9に沿ってさらに移動し、こうしてスロット10はまた縦方向に移動し、スロット10の形状に起因して、ベアリング12が、スロット10の端に達するまで内側に強制される(トーチボックスの開口部に向かって)。内側ドアパネル2は、ベアリング12と共に移動し、したがって、トーチボックスのドアフレーム25に向かって内側に押される。
【0048】
スロット10の閉端部では、このような溝または他の手段がベアリング12の端部の位置を画定するために設けられている場合、ベアリング12が、スロット10の溝(
図8の26)の中へとロックすることができる。一般に、溝および/または少なくとも1つの隆起によって構成され得、ベアリング12が安定した所定の端部位置に到達するのを支援し得る端部位置画定面が設けられ得る。
【0049】
ばね16は、内側ドアパネルと外側ドアパネルとの間に配置されている。これらのばね16は、ドアをほぼ閉じた位置から引き戻す力を及ぼす(ベアリング12がスロットの溝または縁に到達して、画定された閉位置に入らない場合)。したがって、ばね16は、ドアがほぼ閉じているが完全に閉じられてはいない位置に残されないように、ベアリング12の移動をもたらすのを助ける。
【0050】
閉じた「ロックされた」位置が
図5に示されている(この図においても、明確にするために、外側ドアパネル3は示されていない)。ハンドル4は、最初に内側ドアパネル2が内側ストッパ14に当たるまでずっと動かされ、次にさらに、固定された第2のガイド部材9で外側ドアパネルを引っ張り、スロット10が閉方向に移動し、ベアリング12がこの方向に据えられたまま(内側ドアパネルがさらに移動できないように)だが、ベアリング12がスロットの閉端部と接触するまで、ベアリング12は、スロット10が移動すると内側へと強制される。閉端部において、スロット10は、ベアリング12がわずかに外側に移動して、表面を画定する端部位置に静止され得るように配置されたわずかな溝および/または凹部を有し得る。
【0051】
ベアリング12が、閉じる動作中に、溝または凹部を含み得るスロット10の縁部の点に近づくと(
図6の点P)、この点ではその後、ベアリングが表面を画定する端部の位置に静止し、内側ドアフレームのシーリング28は、ドアフレーム25に対して圧迫される。ベアリングが溝に落ちると、ベアリングがわずかに外側に(トーチボックスから離れて)移動するため、圧力がわずかに解放される。ドアを反対方向に動かして再び開くには、ベアリングが高圧の点(
図6の縁部の点P)を越えて戻る必要があり、これにより、ベアリング12は、スロット10の溝または凹部に静止し、ドアのロック位置を作成する。溝または凹部26の縁部の点(
図6のP)は、ドアがロック位置に到達したときに触覚でのクリックの感覚をもたらすように適切に鋭く形作られている。
【0052】
スロット10は、ドアの開閉移動方向に対して全体的に傾斜した主要な方向を有するように形作られている。これにより、ドアが第2の閉位置に移動するときにベアリング12(および内側ドアパネル2)が内側に、ドアが第2の閉位置から第1の閉位置に開かれるときに外側に押し込まれる。スロット10の角度は勾配を有することができ、このことは、ドアがさらに動かされてシーリングが押されているときに必要とされる増加した圧力を補償するために、閉鎖動作において角度が徐々に減少することを意味する。したがって、X方向(ドアの主要な開閉方向、
図4を参照)の距離の単位ごとに、Z方向(横方向)の移動が減少し、閉鎖運動に必要な力が減少する。
【0053】
図6は、スロット10のうちの1つの拡大図を示している。この実施形態では、スロットの傾斜は実質的に段階的に変化する。右側はスロット10の開端であり、ドアが開いているときにベアリング10が配置されている。ベアリング12は、開端に位置するとき、内側ドアパネル2と外側ドアパネル3との間の間隔が、最小であり、ドアフレーム25または任意の他の表面に対してシーリング28によって適用されるいかなる圧力も存在しない(ベアリング12がこの位置にあるとき、シーリング28はドアフレーム25に接触しないか、またはほとんど接触しない)。ベアリング12が開端から反対側の閉端に向かって移動するとき、これは点Oを通過し、この点でシーリング28はドアフレーム25に接触することができる。この点Oを超えると、スロット10の傾斜の傾きがいっそう小さくなり、その結果、内側ドアパネル2の横方向の移動は、外側ドアパネル3の単位当たりの移動より小さくなる。外側ドアパネル3(およびそれによるスロット10)がさらに押され、スロットに対してベアリングを点Oから点Pに向かって移動させると、シーリング28はより圧縮され、ドアを移動するのに必要な力が徐々に増加する。次に、ベアリング12が点Pに到達すると、シールリングの圧力は最大になり、ベアリング12が点Pを超えて移動すると、スロット10の傾斜の傾きが点Pを超えたら逆転してそのため内側ドアパネル2と外側ドアパネル3との間の間隔をわずかに減少させるので、シーリング圧力がわずかに低下する。
【0054】
図7は、レール6(図示せず)および内部ストッパ14が取り付けられるドア組立体のドアフレーム25を示している。ドアフレーム25は、トーチボックスに取り付けられる別個の構成要素として設けることができる。あるいは、ドアフレームをトーチボックスの内部に配置して、追加のドア組立体の構成要素をトーチボックスに直接取り付けることができる。
【0055】
図8は、異なる形状のスロット10およびトーチボックス開口部に沿ったドアの移動のストッパとしての役割を果たす停止パネル35を備えた、ドア組立体の代替の実施形態を示す(外側ドアパネルが取り外された状態で示される)。2つの第2のガイド部材9(1つは明確にするために透明に示されている)が外側ドアパネル(図示せず)に固定され、ガイドスロット10を有する。支持部材13は、内側ドアパネル2に取り付けられ、これらの支持部材13は、スロット10と相互作用するベアリング12を備えている。スロット10は、ベアリング12がドアの第2の閉位置にてロックする溝26を有する。この実施形態では、内側ドアパネル2は、ドアパネルが互いに接近している(開位置にある)ときに、第2のガイド部材9の部品を受け入れるためのくぼみ34を有する。二つの溝36、37は、ドアフレーム25の開口部を囲む。これらの溝36、37は、ドアフレーム25とドアとの間にシールを作成するシーリング(図示せず)を受容するために設計されている。
【0056】
したがって、この実施形態はまた、トーチボックス開口部に沿って第1の方向に移動することによって、および第2の方向に移動することによって、内側ドアパネルをトーチボックスに強制的に向かわせ、閉じたドアとトーチボックスとの間にシールを設けるトーチボックスドア組立体の2段階閉鎖機構を設ける。
【0057】
図9Aおよび
図9Bにおいて、本発明によるスライディングドアを有するトーチボックスの概略図が示されている。ICP発光分光器のアキシャルおよびラジアルのビューア41、42は、トーチボックスが単一または二重の観察用器具として構成することができることを示し、点線で示されている。トーチは、トーチボックスに水平または垂直に取り付けることができることが理解されよう。
【0058】
図9Aには、トーチボックス40およびスライディングドア組立体50が示され、ドアは開位置にあり、トーチボックス40のアクセス開口部45を示している。この図では、ドア組立体50のフロントシールド5、ハンドル4、窓フレーム22および窓23のみが、ガイドレール6および内側ドアストッパ14の一部とともに見ることができる。
【0059】
図9Bでは、ドア組立体50は、閉位置に示され、ガイドレール6および外側ドアストッパ15の一部が露出している。使用中、プラズマトーチは窓23を通して見ることができ、トーチボックスを開かずにプラズマトーチを検査することを可能にする。
【0060】
図9Aおよび
図9Bに概略的に示されているように、ドア組立体50は、
図4および
図8にも示されるように、トーチボックスの開口部45への完全またはほぼ完全なアクセスを可能にする。すなわち、ドア組立体50は、開口部45のほぼ100%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも90%にアクセスすることを可能にする。開口部45全体は、好ましくは、単一のドアを使用して閉鎖されるが、2つのドアの使用も想定され得る。逆に、単一のドアを使用して2つ(またはそれ以上)の開口部を閉じることができる。トーチボックス40が一時的な閉鎖を必要とする2つ以上の開口部を含む場合、開口部ごとの別個のスライディングドアが好ましい。
【0061】
特許請求の範囲を含む本明細書で使用するように、単数形の用語は、文脈がそうでないことを示さない限り、複数形を含むと解釈され、逆もまた同様であると解釈される。したがって、本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の参考文献を含むことに留意すべきである。
【0062】
「備える」、「含む」、「有する」、および「包含する」という用語およびそれらの変形は、「含むがこれに限定されない」を意味すると理解すべきであり、他の構成要素を排除することを意図するものではない。
【0063】
本発明はまた、これらの用語、特徴、値、および範囲等が、約、およそ、概して、実質的に、本質的に、少なくともなどの用語と組み合わせて使用される場合、その厳密な用語、特徴、値、および範囲なども包含する(すなわち、「約3」はまた厳密に3を包含する、または「実質的に一定」はまた厳密に一定を包含する)。
【0064】
「少なくとも1つ」という用語は「1つ以上」を意味すると理解されるべきであり、したがって、1つまたは複数の構成要素を含む両方の実施形態を含む。さらに、「少なくとも1つ」を用いて機能を説明している独立請求項を参照する従属請求項は、その機能が「前記」および「前記少なくとも1つ」と呼ばれる両方の場合に同じ意味を有する。
【0065】
なお、本発明の範囲の中に入るものであれば、本発明の範囲を逸脱することなく、本発明の前述の実施形態の変形を行うことができることが理解されよう。本明細書に開示された特徴は、他に言及しない限り、同じ、同等または類似の目的を果たす代替の特徴によって置き換えることができる。したがって、他に述べられていない限り、開示された各特徴は、同等または類似の特徴の包括的な一連の一例を表す。
【0066】
「例えば」「のような」「例えば」などの例示的な言語の使用は、単に本発明をよりよく説明することを意図しており、請求されていない限り、本発明の範囲を限定するものではない。文脈上特に明記しない限り、明細書に記載されているステップは、任意の順序で、または同時に実行することができる。
【0067】
本明細書で開示される特徴および/またはステップのすべては、少なくともいくつかの特徴および/またはステップが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。特に、本発明の好ましい特徴は、本発明のすべての態様に適用可能であり、任意の組み合わせで使用することができる。