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特許7351007ゴムから作製される物品または空気入りタイヤの製造のために使用されるゴム化合物の製造方法および装置、技術分野
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-15
(45)【発行日】2023-09-26
(54)【発明の名称】ゴムから作製される物品または空気入りタイヤの製造のために使用されるゴム化合物の製造方法および装置、技術分野
(51)【国際特許分類】
   B29B 7/82 20060101AFI20230919BHJP
   B29B 7/38 20060101ALI20230919BHJP
   B29B 7/72 20060101ALI20230919BHJP
   B29C 48/395 20190101ALI20230919BHJP
   B29C 48/80 20190101ALI20230919BHJP
【FI】
B29B7/82
B29B7/38
B29B7/72
B29C48/395
B29C48/80
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022527039
(86)(22)【出願日】2020-11-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 IB2020060528
(87)【国際公開番号】W WO2021094896
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-06-27
(31)【優先権主張番号】102019000020757
(32)【優先日】2019-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518333177
【氏名又は名称】ブリヂストン ヨーロッパ エヌブイ/エスエイ
【氏名又は名称原語表記】BRIDGESTONE EUROPE NV/SA
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100179903
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】パオロ ストラッフィ
(72)【発明者】
【氏名】ファブリツィオ バロンチーニ
(72)【発明者】
【氏名】ジュゼッペ ペッズーロ
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-089423(JP,A)
【文献】特開平06-240153(JP,A)
【文献】特開平04-276407(JP,A)
【文献】特表平11-507881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 48/00-48/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理される化合物の成分を混合するためのセクションMSと、前記混合セクションMSの下流に位置し加熱手段を設ける反応セクションRSと、前記反応セクションRSの下流に位置し処理される前記化合物を冷却するための手段を設ける冷却セクションCSと、を有する連続ミキサー2を備える装置1によって、ゴムから作製される物品または空気入りタイヤの製造のために使用される化合物を製造する方法であって、ここで、前記混合、反応および冷却セクションMS、RS、CSは、構造的連続性を伴って連続して順次配置され、前記方法は、
前記化合物の前記成分を前記連続ミキサー2に供給する第1のステップと、
基準温度Trefで実行される処理中の前記化合物の前記成分を連続的に混合する混合ステップと、
処理される前記化合物の反応を活性化するような方法で、前記基準温度Trefよりも高い反応温度Treactで実行される、前記混合ステップに続く第1の反応ステップと、
前記反応ステップ中に発生する前記反応のさらなる進行を防ぐために、前記反応ステップに続いて、前記反応温度Treactよりも低い冷却温度Tcoolで実行される冷却ステップと、
を含み、
前記反応ステップを遮断するための前記化合物の少なくとも1つの成分を供給する第2のステップを含み、ここで、前記第2の供給ステップは、前記第1の反応ステップと前記冷却ステップとの間に含まれる、ゴムから作製される物品または空気入りタイヤの製造のために使用される化合物の製造のための方法。
【請求項2】
記冷却ステップに続く、第2の反応ステップをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記混合、反応および冷却ステップの持続時間は、前記化合物の前記成分の関数として可変である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記反応温度Treactと前記基準温度Trefとの差は、5℃~45℃である、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記反応温度T react と前記基準温度T ref との差は、15℃~45℃である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記冷却温度Tcoolと前記反応温度Treactとの差は、20℃~40℃である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記冷却温度Tcoolは、前記基準温度Tref以下である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記反応温度Treactは、120℃~165℃である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記反応温度T react は、140℃~165℃である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1からのいずれか一項に記載のゴムから作製される物品または空気入りタイヤの製造に使用される化合物を製造するための方法を実施するように設計された装置1であって、
前記混合セクションMSは、流れの方向Fに沿って、前記装置1の全長Lの40%~80%の長さを有し、
前記反応セクションRSは、流れの方向Fに沿って、前記装置1の全長Lの40%~10%の長さを有し、
前記冷却セクションCSは、流れの方向Fに沿って、前記装置1の全長Lの30%~10%の間の長さを有する、
装置1。
【請求項11】
処理される化合物を冷却するための手段は、スリーブ3および流れの方向Fに沿って処理される前記化合物を取り囲むように実装される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
連続ミキサー2は、それぞれの内部チャンバーが物理的にシームレスに接続されるような方法で構造的連続性を伴って連続して順次配置された調合部分、輸送部分および混合部分8、9、10を備える、請求項10または11に記載の装置。
【請求項13】
前記混合、反応および冷却セクションMS、RS、CSの各々は、混合、輸送および再分配部分8、9、10の適切な組み合わせによって画定され、連続して順次配置される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記混合、反応および冷却セクション(MS、RS、CS)の各々は、前記化合物の少なくとも1つの成分を供給するためのいくつかのホッパー7および/または揮発性成分の抽出ポイントを設ける、請求項10から13のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴムから作製される物品または空気入りタイヤの製造に使用される化合物を製造するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴムから作製される物品および空気入りタイヤの製造に使用される化合物の製造のための装置は、通常、化合物の成分が供給され、当該スリーブの各端を閉じるための2つのシーリングヘッドを設ける外側スリーブを備え、ここで、チャンバーは、処理される化合物を収容するために画定される、連続ミキサーを備える。
【0003】
好ましくは、連続混合は、シャフトを回転に運ぶためのオーガーおよびアクチュエーター手段を運び、それらに接続するためのスリーブの内側に収容された少なくとも1つのシャフトを有する単軸スクリュー押出機(または二軸ねじまたは多軸遊星型も)によって行われる。さらに、装置は、通常、連続ミキサー入口の一端に配置され、および/または処理される化合物の流れの方向に沿って分配される化合物の成分を供給するためのいくつかのホッパーを備える。最後に、装置は、生成された化合物を入口で受け取り、化合物を出口で必要な形態、例えば、必要な横方向の寸法を持つストリップの形態で化合物を分配するように、チャンバーに直接かつ構造的連続性を伴って結合する押し出しヘッドを備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チャンバー内の流れの方向の経路に沿って、化合物の成分は、混合を可能にすると同時に材料を流れの方向に沿って押し進めるために加えられる温度勾配、剪断応力および圧力にさらされる。しかしながら、混合中に望ましくない化学反応が起こり得るか、さもなければ望ましい化学反応が起こり得るが必要なものと一致しない反応のある程度の進行を伴うことが確認されている。これらの理由から、混合ステップ中に化学反応が起こる連続プロセスによって生成された化合物は、指定されたものとはかけ離れた特性を有し得る。
【0005】
迅速な温度制御がない場合、そのような化学反応は、その開始またはそれ以上の継続を妨げる冷却が行われる限り、進行し続け得る。
【0006】
したがって、本発明の目的は、最先端技術における欠点がなく、すなわち、特に、経済的で実装が簡単で、連続ミキサーの出口に冷却装置を必要としない、ゴムから作製される物品または空気入りタイヤの製造に使用される化合物の製造方法を提供することである。
【0007】
したがって、本発明のさらなる目的は、最先端技術における欠点がない、すなわち、特に、経済的で製造が容易である、ゴムから作製される物品または空気入りタイヤの製造に使用される化合物の製造のための装置を提供することである。
【0008】
本発明によれば、添付の特許請求の範囲に記載されるような化合物の製造のための方法および装置が提供される。
【0009】
次に、本発明を、例示的で非限定的な実施形態を示す添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に従って製造されたゴム製品および空気入りタイヤの製造に使用される化合物を製造するための装置の第1の変形の概略側面図である。
図2図1の装置の第2の変形の概略側面図である。
図3図1の装置の第3の変形の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(発明の好ましい実施形態)
図1において、数字1は、その全体において、ゴム製品および空気入りタイヤの製造に使用される化合物を製造するための装置を示す。装置1は、化合物の成分が供給される連続ミキサー2を備える。
【0012】
連続ミキサー2は、当該スリーブ3の各端を閉じるための2つの長寿命シーリングヘッド(図示せず)を備えた外側スリーブ3を備える。
【0013】
好ましくは、スリーブ3は、軸Xに関して管状の形状を有し、チャンバー4は、その内部の内に、処理される化合物を収容するために画定される。
【0014】
第1の変形によれば、連続ミキサー2は、単軸スクリュー押出機によって実装される。スリーブ3の内側には、軸Xに対して同軸であり、オーガー6を運びそれに接続する、シャフト5が収容される。この装置は、軸Xを中心にシャフト5を回転させるために、既知のタイプであり詳細には説明されていない作動手段をさらに備える。シャフト5は、相互に同軸であり、順番に配置され、中間支持要素(これは通常、シャフト5の異なるセグメント間の接続要素として機能し、同時に、シャフト5自体のたわみを防ぐための構造的支持体として機能する)によって互いに接続される一連のセグメントによって実装される。さらなる変形によれば、連続ミキサー2は、二軸スクリュー押出機によって実装される。外側スリーブ3の内側には、それらの間で平行である(そして軸Xに平行である)それぞれの軸を設ける、一対のシャフト5が収容され、一対のシャフト5は、それぞれがオーガー6を運びおよびそれに接続される。次に、装置は、既知のタイプであり、詳細には説明されていない、他のシャフト5に対して一致する方法(共回転)で、または他のシャフト5に対して不一致な方法(逆回転)で、各シャフト5をその軸の周りで回転させるためのアクチュエーター手段を備える。
【0015】
成分の混合は、チャンバー4内で処理される化合物の流れFの方向に移動しながら行われる。
【0016】
さらに、装置1は、化合物の成分を供給するための少なくとも1つの供給入口7またはホッパー7を備える。あるいは、固体、液体または気体の形態で化合物の成分を供給するのに適した任意のタイプのディスペンサーは、ホッパー7で使用され得、好ましくは(ただし非限定的な例として)、押出機、単軸および多軸スクリューフィーダー、回転フィーダー、液体またはガス用のインジェクター装置、コンベヤーベルト、振動ベルトである。
【0017】
ホッパー7は、連続ミキサー2の入口の一端に配置される。
【0018】
あるいは、連続ミキサー2は、各々が化合物の少なくとも1つのそれぞれの成分を供給するための複数のホッパー7を備え、ここで、ホッパー7は、処理される化合物の流れFの方向に沿って分布する。連続ミキサー2への処理される化合物の成分の供給は、通常、装置1自体の上流に配置された連続投入システム(既知のタイプであり、図示されておらず、詳細にも説明されていない)によって行われる。
【0019】
連続ミキサー2は、調合部分(またはセクション)8、輸送部分9および混合部分10の交互配列から形成される。好ましい変形によれば、連続ミキサー2はまた、2つの別個のゾーン間の逆輸送要素および分離要素を備える。
【0020】
調合部分8内で、化合物の成分は、巨視的レベルで均質な化合物を形成するために剪断応力の増加にさらされる(言い換えれば、要素は、化合物のポリマーマトリックス内に組み込まれる)。
【0021】
代わりに、輸送部分6は、処理される化合物をチャンバー4の一方の長手方向端から他方に輸送するために実装され、化合物の成分を剪断応力および印加圧力の無視できる変化にさらす。
【0022】
続いて、化合物は、1つ以上の分散混合要素10に遭遇し得、ここで、印加される剪断応力が大幅に増加し、それによって、マトリックス内の化合物の成分の分散が可能になる。あるいは、処理される化合物は、固体状態で、あるいは完全に溶融状態で、あるいは部分的に固体状態で、そして部分的に溶融状態で提示され得る。搬送部分6は、材料を流れFの方向に押して、実質的にゼロまたは非常に低い混合を同じものに及ぼすように構成される。
【0023】
連続ミキサー2の異なる調合、輸送および混合部分8、9および10は、それぞれの内部チャンバーが物理的かつシームレスに接続されるように、構造的連続性を伴って直列に配置/結合される。例えば、連続ミキサー2の異なる部分8、9および10は、次々に直接フランジ付けされる。
【0024】
好ましい実施形態によれば、チャンバー4は、直径Dを有し、これは、二軸スクリュー押出機の場合、20~250mmの値を有し、好ましくは、チャンバー4は、50~150mmの直径Dを有する。好ましい実施形態によれば、装置1は、流れの方向Fに沿った長さLと50~150の直径Dとの間の比を有する。好ましくは、装置1は、流れの方向Fに沿った長さLと60~140の直径Dとの間の比を有する。
【0025】
最後に、好ましい変形によれば、装置1は、生成された化合物を入口で受け取り、出口で必要な形、例えば必要な横方向の寸法を有するストリップの形で化合物を分配するように、構造的連続性を伴ってチャンバー4に直接結合される押し出しヘッド11を備える。次に、装置1は、押し出しヘッド11の下流に配置され、同じ押し出しヘッド11から化合物を受け取り、それを次の作業ステーションに運ぶことを目的とした輸送装置(通常、既知のタイプのローラーまたはコンベヤーベルトであり、詳細には図示および説明されていない)を備え得る。
【0026】
装置1は、MS、RSおよびCSでそれぞれ示される3つのセクションに分割される。
【0027】
MSで示されたセクションは、処理される化合物の混合が排他的に行われるセクションである。
【0028】
RSで示されたセクションは、混合セクションMSの下流に配置され、化学反応(例えば、加硫)が活性化され、処理される化合物の特性を変化させる反応セクションを表す。通常、反応セクションRS内では、隣接する混合および冷却セクションMS、CSに関連して、反応中の化合物の温度が上昇する。反応セクションRS内の温度の上昇は、スリーブ3を取り囲む加熱手段(例えば、電気抵抗)によって生成される。
【0029】
CSで示されるセクションは、反応セクションRSの下流に位置し、処理中の化合物が冷却される、冷却セクションを表す。特に、処理中の化合物は、反応セクションRS内で発生する反応のさらなる進行を阻害する温度まで冷却される。反応セクションRSの下流(冷却セクションCSの上流)に導入された任意の試薬は、同じ領域内の滞留時間内に冷却セクションCSの条件下での反応を防ぐなどのための温度および圧力条件に直面する。冷却セクションCSは、流体(例えば、水)によって処理される化合物を冷却するための手段を備える。処理中の化合物を冷却するための手段は、スリーブ3を取り囲むように実装され、その結果、流れFの方向に移動しながら化合物を取り囲む。
【0030】
各混合、反応および冷却セクションMS、RS、CSは、連続して順次配置された調合、輸送および混合部分8、9、10の適切な組み合わせによって画定されることを明らかにすることが重要である。
【0031】
混合、反応、冷却の3つのセクションMS、RS、CSは、それぞれの内部チャンバーが物理的かつシームレスに接続されるように、構造的連続性を伴って順次配置される。
【0032】
さらに、当該混合、反応および冷却セクションMS、RS、CSの各々は、化合物の少なくとも1つの成分の供給のための多数(ゼロを含む)のホッパー7および/または揮発性成分抽出点を設ける。
【0033】
混合セクションMSは、好ましくは、装置1の流れFの方向に沿って全長Lの40%~80%の長さを有する。
【0034】
反応セクションRSは、好ましくは、装置1の流れFの方向に沿って全長Lの40%~10%の長さを有する。
【0035】
冷却セクションCSは、好ましくは、装置1の流れFの方向に沿って全長Lの30%~10%の長さを有する。
【0036】
上記の説明で説明した装置1を用いて、ゴムから作製される物品または空気入りタイヤの製造に使用される化合物を製造するための方法は、
化合物の成分を連続ミキサー2に供給するための少なくとも1つのステップと、
混合セクションMS内で発生する、処理中の化合物の成分の連続混合のためのステップと、
混合ステップに続く反応ステップであって、処理中の化合物の反応は、混合ステップに関連する温度の上昇によって活性化され、ここで、反応ステップは、それぞれの反応セクションRS内で行われる、反応ステップと、
反応ステップに続いて、対応する冷却CSセクションで行われる冷却ステップであって、ここで、処理される化合物の温度は、反応ステップ中に起こる反応のさらなる進行を防ぐような値に達するまで下げられる、冷却ステップと、を含む。
【0037】
混合、反応、冷却の各ステップの期間は可変であり、特に、混合、反応および冷却の各ステップの期間は、供給ステップ中に導入された化合物の成分の関数として可変である。
【0038】
さらに、処理される化合物の成分を連続的に混合するステップは、基準温度Trefで実行され、混合ステップに続く反応ステップは、処理中の化合物の穏和な反応を活性化するように、基準温度Trefよりも高い反応温度Treactで実行され、最後に、反応ステップに続く冷却ステップは、反応ステップ中に発生する反応のさらなる進行を防止(または遮断)するために、反応温度Treactよりも低い冷却温度Tcoolで実行される。
【0039】
より詳細には、反応温度Treactと基準温度Trefとの差は、5℃~45℃であり、好ましくは、反応温度Treactと基準温度Trefとの差は、15℃~45℃の間である。
【0040】
さらに、冷却温度Tcoolと反応温度Treactとの差は、15℃~45℃であり、好ましくは、冷却温度Tcoolと反応温度Treactとの差は、20℃~40℃の間である。
【0041】
好ましい変形によれば、冷却温度Tcoolは、実質的に、基準温度Tref以下である。
【0042】
好ましい変形によれば、反応温度Treactは、120℃~165℃であり、好ましくは、反応温度Treactは、140℃~165℃である。
【0043】
前述の温度差の値によって、処理中の化合物の穏和な反応を効率的に活性化し、その後それを停止し、それによって化合物の成分の分解を最小限に抑えることが可能であることが実験的に検証された。
【0044】
第1の実施形態によれば、この方法は、反応ステップを遮断することを目的とする化合物の少なくとも1つの成分を供給するさらなるステップを含み、ここで、当該第2の供給ステップは、第1の反応ステップと冷却ステップとの間にある。
【0045】
第2の実施形態によれば、この方法は、冷却ステップに続く第2の反応ステップを活性化することを目的とする、反応ステップと冷却ステップとの間に化合物の少なくとも1つの成分を供給するさらなるステップを予期する。
【0046】
出願人は、これまでに記載されたタイプの装置1によって生成された化合物が均一な特性を有することを実験的に検証した。
【0047】
以下は、目的を限定するものではなく、例示として、前の議論で説明した装置1によって得られ得る化合物のいくつかの例を示す。
【実施例1】
【0048】
図1
混合セクションMSでは、以下の成分を、ホッパー7を通して導入する。特に、配合物は、パーセンテージで表された対応する重量を有する以下の成分を含む。
【0049】
【表1】
【0050】
使用されるゴムは、好ましくは、スチレン-ブタジエンコポリマーである。使用される補強フィラーは、好ましくは、カーボンブラックである。
【0051】
混合セクションMS内で、処理される化合物は、120℃を超えない温度で混合され、それによってスチレン-ブタジエンコポリマーの分解を最小限に抑える。
【0052】
混合セクションMS内の滞留時間は、導入される強化フィラーの種類および量によって可変である。好ましくは、混合セクションMS内の滞留時間は、5分以下である。
【0053】
反応セクションRSのすぐ上流に、加硫反応促進剤と加硫剤とが別のホッパー7を介して導入される。過酸化物は、混合セクションMSに導入されないことに注意することが重要である。
【0054】
反応セクションRS内では、加硫反応促進剤と加硫剤とが処理中の化合物内に分散し、穏和な加硫反応が活性化される。好ましくは、加硫反応は、140℃を超える温度で実施される。特に、好ましい変形によれば、加硫反応は、160℃を超える温度で実施される。反応セクションRS内の滞留時間は、可変であり、処理中の化合物が出口の材料に対して20%(ISO 6502に準拠)を超える割合で加硫されないように決定される。好ましくは、反応セクションRS内の滞留時間は、60秒以上である。160℃を超える温度で加硫反応を行う場合、反応セクションRS内の滞留時間は60秒未満であり得る。
【0055】
処理中の化合物が出口の材料に対して20%を超える割合(ISO 6502に準拠)で加硫されないようにするためには、冷却セクションCS内の温度を急速に下げる必要がある。
【0056】
冷却セクションCS内で、処理される化合物は、好ましくは、120℃未満の温度に冷却される。冷却セクションCS内の滞留時間は、可変である。好ましくは、冷却セクションCS内の滞留時間は、60秒以上である。
【0057】
続いて、押出ヘッドで生成された化合物を、後続の熱成形ステーションに運び得る。
【実施例2】
【0058】
図2
混合セクションMSでは、以下の成分を、ホッパー7を通して導入する。特に、配合には以下の成分が含まれ、対応する重量はパーセンテージで表される。
【0059】
【表2】
【0060】
使用されるゴムは、好ましくは、スチレン-ブタジエンコポリマーである。使用される強化フィラーは、好ましくはカーボンブラックである。
【0061】
混合セクションMS内で、処理される化合物は、120℃を超えない温度で混合され、それによってスチレン-ブタジエンコポリマーの分解を最小限に抑える。
【0062】
混合セクションMS内の滞留時間は、導入される強化フィラーの種類および量によって可変である。好ましくは、混合セクションMS内の滞留時間は5分以下である。
【0063】
反応セクションRS内で、重縮合反応は、活性化される。特に、反応セクションRS内では、フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミンとが別のホッパー7**を介して導入される。好ましくは、重縮合反応は、140℃未満の温度で実施される。特に、好ましい変形によれば、重縮合反応は、120℃から140℃の間の温度で実施される。反応セクションRS内の滞留時間は、2分未満である。
【0064】
最後に、冷却セクションCS内で、化合物は、100℃未満の温度に冷却され、冷却セクションCSの入口では、硫黄と促進剤とは、別のホッパー7***から導入される。冷却セクションCS内の滞留時間は、可変である。好ましくは、冷却セクションCS内の滞留時間は、60秒以上である。
【実施例3】
【0065】
図3
混合セクションMSでは、以下の成分を、ホッパー7を通して導入する。特に、配合には以下の成分が含まれ、対応する重量は、パーセンテージで表される。
【0066】
【表3】
【0067】
使用されるゴムは、好ましくは、スチレン-ブタジエンコポリマーである。使用される強化フィラーは、好ましくはシリカである。
【0068】
混合セクションMS内で、処理される化合物は、120℃を超えない温度で混合され、それによってスチレン-ブタジエンコポリマーの分解を最小限に抑える。
【0069】
混合セクションMS内の滞留時間は、導入される強化フィラーの種類および量によって可変である。好ましくは、混合セクションMS内の滞留時間は5分以下である。
【0070】
反応セクションRS内で、シリカ/シラン反応が活性化(添加剤Si69(登録商標)を使用)される。
【0071】
好ましくは、シリカ/シラン反応は、140℃より高い温度で実施される。特に、好ましい変形によれば、シリカ/シラン反応は、165℃を超えない温度で実施される。さらに、反応セクションRSの長さに沿って、1つ以上の揮発性化合物抽出点は、より短い時間内に、すなわち、120秒未満の反応セクションRS内の滞留時間で、シリカ/シラン反応を完了するために提供される。冷却セクションCS内で、処理中の化合物は、120℃未満の温度に冷却される。さらに、冷却セクションCS内で、加硫剤は、ホッパー7’を通して導入される。冷却セクションCS内の滞留時間は、可変である。好ましくは、冷却セクションCS内の滞留時間は、60秒以上である。続いて、押出ヘッドで生成された化合物を、さらに冷却し得(例えば、水浴中で)、および/またはそれを次の熱成形ステーションに運び得る。
【0072】
さらなる変形によれば、冷却セクションCSは、装置1自体の下流で反応を進行させるために必要な化合物の成分の供給のために少なくとも1つの入口7’を設けることを明らかにすることも重要である。
【0073】
上記の実施例2および3において、それぞれの冷却セクションCSは、上流に位置する反応セクションRS内で起こる反応のさらなる進行を防止するのに適した化合物のそれぞれの成分の供給のために少なくとも1つの入口7´を備えていることを明らかにすることが重要である。
図1
図2
図3