(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】干渉源予測モデル生成方法、干渉源認識方法、装置及び端末装置
(51)【国際特許分類】
H04W 24/08 20090101AFI20230920BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20230920BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20230920BHJP
G06N 3/04 20230101ALI20230920BHJP
H04B 17/391 20150101ALI20230920BHJP
H04W 88/02 20090101ALI20230920BHJP
【FI】
H04W24/08
H04W84/10 110
H04W84/12
G06N3/04
H04B17/391
H04W88/02 151
(21)【出願番号】P 2018242543
(22)【出願日】2018-12-26
【審査請求日】2021-09-09
(31)【優先権主張番号】201810022355.9
(32)【優先日】2018-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】易 粟
(72)【発明者】
【氏名】王 昊
(72)【発明者】
【氏名】薛 文倩
(72)【発明者】
【氏名】范 小菁
(72)【発明者】
【氏名】ワン・レェフェイ
(72)【発明者】
【氏名】松倉 隆一
【審査官】吉村 真治▲郎▼
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-225026(JP,A)
【文献】特開2017-201526(JP,A)
【文献】特開2005-198028(JP,A)
【文献】特表2017-535155(JP,A)
【文献】特開2011-158459(JP,A)
【文献】特開2017-195600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
G06N 3/04
H04B 17/391
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
干渉源予測モデルを生成する装置であって、
予め設定された複数の干渉シナリオの下で、複数のテストウィンドウの各テストウィンドウについて、所定サンプリング率で前記テストウィンドウに対してRSSI(Received Signal Strength Indicator)サンプリングを行い、各テストウィンドウ内のサンプルデータ集合を取得する第一サンプリングユニット;
各テストウィンドウが属するテスト期間、及び/又は、各テストウィンドウ内のサンプルデータ集合中のサンプルのタイムスタンプ、及び/又は、無線ネットワーク探測器により各テストウィンドウで探測されたデータに基づいて、テストウィンドウに標識を付ける標識付けユニット;及び
各テストウィンドウのサンプルデータ集合及び各テストウィンドウに対応する標識に基づいて、ディープニューラルネットワークに対して訓練を行い、前記干渉源予測モデルのパラメータを取得する訓練ユニットを含
み、
前記標識は、各テストウィンドウに対応する干渉源類型を表すものである、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記テストウィンドウの長さは、電子レンジの送信周期と同じであり、又は、電子レンジの送信周期の整数倍であり、前記所定サンプリング率は、200μsに一回よりも高い、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、
前記無線ネットワーク探測器は、WiFi探測器、Bluetooth探測器、及びZigBee探測器のうちの1つ又は複数である、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、
前記標識付けユニットは、前記テストウィンドウが属するテスト期間に基づいて、前記テストウィンドウに標識を付け、
前記標識付けユニットは、
前記テストウィンドウが属するテスト期間が第一干渉源のワーキング期間であるかを判断する第一判断ユニット;及び
前記第一判断ユニットにより「はい」と判断されたとき、前記テストウィンドウに、第一干渉源による干渉という標識を付ける第一標識付けユニットを含む、装置。
【請求項5】
請求項1又は4に記載の装置であって、
前記標識付けユニットは、前記テストウィンドウが属するテスト期間、前記テストウィンドウ内のサンプルデータ集合中のサンプルのタイムスタンプ、及び前記無線ネットワーク探測器により探測されたデータに基づいて、前記テストウィンドウに標識を付け、
前記標識付けユニットは、
前記テストウィンドウが属するテスト期間が第二干渉源のワーキング期間であり、且つ前記テストウィンドウ内のサンプルデータ集合中の少なくとも1つのサンプルのタイムスタンプが、前記無線ネットワーク探測器により探測された、指定アドレス対に属するフレームの開始から終了までの時間内にあるかを判断する第二判断ユニット;及び
前記第二判断ユニットにより「はい」と判断されたとき、前記テストウィンドウに、第二干渉源による干渉という標識を付ける第二標識付けユニットを含む、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、
前記標識付けユニットは、前記テストウィンドウ内のサンプルデータ集合中のサンプルのタイムスタンプ、及び前記無線ネットワーク探測器により探測されたデータに基づいて、前記テストウィンドウに標識を付け、
前記標識付けユニットは、
前記テストウィンドウ内のサンプルデータ集合中の少なくとも1つのサンプルのタイムスタンプが、前記無線ネットワーク探測器により探測されたビーコンフレームの開始から終了までの時間内にあるかを判断する第三判断ユニット;及び
前記第三判断ユニットにより「はい」と判断されたとき、前記テストウィンドウに、ビーコンによる干渉という標識を付ける第三標識付けユニットを含む、装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、
前記訓練ユニットは、すべてのテストウィンドウ内のサンプルデータ集合中のすべてのサンプルを畳み込みニューラルネットワークの入力とし、すべてのテストウィンドウの標識を前記畳み込みニューラルネットワークの出力とし、前記畳み込みニューラルネットワークのアーキテクチャに基づいて訓練を行い、前記畳み込みニューラルネットワークの各項のパラメータを前記干渉源予測モデルのパラメータとして取得する、装置。
【請求項8】
干渉源を認識する装置であって、
所定サンプリング率で検出ウィンドウに対してRSSI(Received Signal Strength Indicator)サンプリングを行い、前記検出ウィンドウに対応するサンプルデータ集合を取得する第二サンプリングユニット;及び
前記検出ウィンドウに対応するサンプルデータ集合を、請求項1乃至7のうちの何れか1項に記載の装置により生成された前記干渉源予測モデルに入力し、前記検出ウィンドウに対応する干渉源類型を取得する確定ユニットを含む、装置。
【請求項9】
請求項1~8のうちの任意の1項に記載の装置を含む端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術分野に関し、干渉源予測モデル生成方法、干渉源認識方法、装置及び端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
IoT(Internet of Things)が様々な分野で幅広く用いられている。IoT中の実体(entity)は、通常、センサ、ゲートウェイ、ネットワーク、クラウド、及びアプリケーションを含む。
【0003】
技術の進歩やWIFI、Zigbee、Bluetoothなどの短距離無線ネットワークへの依存性の増加に伴い、ユーザは、無線ネットワークから、信頼性があり、パフォーマンスが高く、且つ拡張性が良いカバレッジを得る必要がある。
【0004】
一方、従来のセンサネットワークのデプロイメント(deployment)により、十分なカバレッジ及び予測可能なパフォーマンスを提供することができない。干渉が、パフォーマンス低下の原因の1つである。有線ネットワークと異なり、無線リンクは、環境の変化や周囲の無線アクティビティ(activity)からの影響を受けやすい。
【0005】
また、無線ネットワークに関連するプロトコル、例えば、IEEE 802.11、802.15.4、802.15.1などは、認可されていない周波数帯域でワーキングしている。複数の無線ネットワークが互いに干渉し合うことがあるため、干渉の問題は、より深刻になる恐れがある。さらに、認可されていないスペクトラム(unlicensed spectrum)中のユーザ数の迅速な増大も、このようなことをひどく悪化させる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明者は、次のようなことを発見した。即ち、干渉が予測不可能であり、それは、移動ユーザや、他の認可されていない周波数帯域に対応するモジュール、トラフィックの変化に伴って生じるものである。よって、異なる干渉源を診断することができれば、IoTサービスサプライヤーは、干渉の問題を解決し、又は、潜在化した問題を避けるための対策を提案することができる。
【0007】
上述の問題のうちの少なくとも1つを解決するために、本発明は、干渉源予測モデル生成方法、干渉源認識方法、装置及び端末装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施例の第一側面によれば、干渉源予測モデル生成方法が形成され、そのうち、該方法は、
予め設定された複数の干渉シナリオの下で、複数のテストウィンドウの各テストウィンドウについて、所定サンプリング率で前記テストウィンドウに対してエネルギー検出サンプリングを行い、各テストウィンドウ内のサンプルデータ集合を取得し;
各テストウィンドウが属するテスト期間、及び/又は、各テストウィンドウ内のサンプルデータ集合中のサンプルのタイムスタンプ、及び/又は、無線ネットワーク探測器により各テストウィンドウで探測されたデータに基づいて、各テストウィンドウに標識を付け;及び
各テストウィンドウのサンプルデータ集合、及び、各テストウィンドウに対応する標識に基づいて、ディープニューラルネットワークに対して訓練を行い、前記干渉源予測モデルのパラメータを取得することを含む。
【0009】
本発明の実施例の第二側面によれば、干渉源認識方法が提供され、そのうち、前記方法は、
複数のテストウィンドウの各テストウィンドウに対応するサンプルデータ集合、及び、該テストウィンドウに対応するラベルを用いて、干渉源予測モデルを形成し;
所定サンプリング率で検出ウィンドウ内の受信信号強度に対してエネルギー検出サンプリングを行い、前記検出ウィンドウに対応するサンプルデータ集合を取得し;及び
前記サンプルデータ集合を前記干渉源予測モデルに入力し、前記検出ウィンドウに対応する干渉源類型を取得することを含む。
【0010】
本発明の実施例の第三側面によれば、干渉源予測モデル生成装置が提供され、そのうち、該装置は、
予め設定された複数の干渉シナリオの下で、複数のテストウィンドウの各テストウィンドウについて、所定サンプリング率で前記テストウィンドウに対してエネルギー検出サンプリングを行い、各テストウィンドウ内のサンプルデータ集合を取得する第一サンプリングユニット;
各テストウィンドウが属するテスト期間、及び/又は、各テストウィンドウ内のサンプルデータ集合中のサンプルのタイムスタンプ、及び/又は、無線ネットワーク探測器により各テストウィンドウで探測されたデータに基づいて、各テストウィンドウに標識を付ける標識付けユニット;及び
各テストウィンドウのサンプルデータ集合、及び、各テストウィンドウに対応する標識に基づいて、ディープニューラルネットワークに対して訓練を行い、前記干渉源予測モデルのパラメータを取得する訓練ユニットを含む。
【0011】
本発明の実施例の第四側面によれば、干渉源認識装置が提供され、そのうち、前記装置は、
複数のテストウィンドウの各テストウィンドウに対応するサンプルデータ集合、及び、該テストウィンドウに対応するラベルを用いて、干渉源予測モデルを形成する生成ユニット;
所定サンプリング率で検出ウィンドウ内の受信信号強度に対してエネルギー検出サンプリングを行い、前記検出ウィンドウに対応するサンプルデータ集合を取得する第二サンプリングユニット;及び
前記サンプルデータ集合を前記干渉源予測モデルに入力し、前記検出ウィンドウに対応する干渉源類型を取得する確定ユニットを含む。
【0012】
本発明の実施例の第五側面によれば、端末装置が提供され、そのうち、前記端末装置は、前述の装置を含む。
【0013】
本発明の有益な効果は、次の通りであり、即ち、高レートの受信信号強度指示(RSSI)サンプリング器を用いて、無線ネットワークの環境の中でリアルタイムRSSIサンプルを取得し、また、ディープラーニングの方法を用いて干渉分析を行うことで、干渉源を確定し、IoTサービスサプライヤーに、干渉の問題を解決するための参考としての根拠を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施例におけるデプロイメントシナリオを示す図である。
【
図2】実施例1における干渉源予測モデル生成方法を示す図である。
【
図3】RSSIサンプリング値シーケンスを入力とするディープラーニングの基本原理を示す図である。
【
図4】テストウィンドウに標識を付ける実施方式を示す図である。
【
図5】畳み込みニューラルネットワークのネットワーク構造を示す図である。
【
図6】実施例2における干渉源認識方法を示す図である。
【
図7】実施例3における干渉源予測モデル生成装置を示す図である。
【
図8】標識付けユニットの1つの実施方式を示す図である。
【
図9】標識付けユニットのもう1つの実施方式を示す図である。
【
図10】標識付けユニットの他の実施方式を示す図である。
【
図11】実施例4における干渉源認識装置を示す図である。
【
図12】実施例5における端末装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明を実施するための好適な実施例を詳しく説明する。
【0016】
無線ネットワークでは、無線チャネルの条件を反映する1つのパラメータは、受信信号強度指示(RSSI)である。RSSIは、複数の符号時間(symbol time)の期間内でエネルギー検出測定を行うことで取得される平均受信信号パワーであり、それは、送受信機の入力端のRF(radio frequency)パワーレベルの測定である。干渉が存在するときに、RFエネルギーが増加するので、RSSIは、干渉の発生を検出するために用いることができる。
【0017】
本発明の実施例では、無線ネットワークシステムがIEEE 802.15.4技術に基づくシステム、例えば、Zigbee、6lowpanなどであるとする。サンプリング器は、802.15.4技術を使用することができ、これは、802.15.4チャネルのうちの1つのチャネル上でRSSIサンプリングを行うことを意味する。該シナリオの下で、外部干渉源は、WIFI干渉、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)干渉、電子レンジによる干渉などを含む可能性がある。また、WIFI干渉について、干渉分析アルゴリズムは、行われているトラフィック、例えば、ビデオストリーム、ファイル伝送、WIFIビーコンなどを与える可能性がある。
【0018】
本発明の実施例では、サンプリングの概念及び干渉源の定義は、他の無線通信システムに拡張することができる。例えば、ブルートゥースシステムでは、ブルートゥースサンプリング器は、ブルートゥースチャネル上でRSSIサンプリングを行う。該シナリオの下で、干渉源は、802.15.4干渉、電子レンジ干渉、WIFIビデオストリーム、WIFIファイル伝送などを含む可能性がある。
【0019】
本発明の実施例では、無線ネットワークシステム及び干渉源類型(type)について限定しない。例えば、本発明の実施例の方法は、IoT、センサネットワーク、無線LAN(WLAN)、及び他の無線ネットワークに適用することができる。
【0020】
本発明の実施例では、干渉分析ポリシー決定が非常に短い時間内(数十ミリ秒レベル)で完成され、データパケットレベルの干渉診断を反映することができる。具体的に言えば、従来の干渉検出又は干渉源認識の時間がかなり長く、通常、数秒又は数分かかる。このような長い期間内で、干渉が一定時間内だけで発生し、又は、複数種の異なる干渉源が発生する。例えば、無線通信システムによる干渉について、該干渉は、データパケット伝送によるものであり、データパケットの伝送時間がミリ秒を単位とするので、非常に長い時間内で、例えば、秒単位の時間ウィンドウ内で、データパケットの伝送のためにチャネルを使用する時間が非常に小さい比率のみを有するため、該時間内でデータパケット伝送による干渉が存在するとは言えない。実際には、このような場合、チャネルが大部分の時間内でデータパケット伝送による影響を受けなることがない。
【0021】
本発明の実施例では、より細かい粒度で診断結果(干渉源類型)を報告する。端末ユーザ、例えば、ネットワーク管理者又はネットワーク管理アプリケーションは、各診断ウィンドウのために、1つの詳細な報告を生成し、又は、比較的長い周期のウィンドウサイズの統計結果報告を生成することができる。
【0022】
本発明の実施例では、より細かい粒度で診断結果を報告するために、診断周期(diagnosis period)のウィンドウのサイズを選定する必要がある。本発明の実施例では、検出ウィンドウと称される。異なる無線ネットワークシステムのデータパケットの持続時間が1ミリ秒よりも小さいものから数ミリ秒まで変化するので、異なるトラフィックモードの特徴を表すために、本発明の実施例では、検出ウィンドウのサイズを、通常のデータパケット伝送持続時間よりも少し大きく設定する。また、多くの国では、20ms(ミリ秒)が電子レンジの送信周期(電源が50Hzである)であるため、本発明の実施例では、20msを検出ウィンドウとする。これにより、検出ウィンドウは、無線ネットワークシステム及び電子レンジを同時に配慮することができる。なお、本発明の実施例は、これに限定されず、他の実施例では、検出ウィンドウを他の値に設定しても良い。
【0023】
図1は、本発明の実施例における1つのデプロイメントシナリオを示す図である。
図1に示すように、オフィスの環境の中で、電子レンジ(Microwave oven、MWO)101、無線LANのAP(WiFi)102、及びRSSIサンプリング器103がデプロイされている。なお、
図1のデプロイメントシナリオは、例示に過ぎず、類似したデプロイメントは、フィールドエリアネットワーク(Field Area Network、FAN)、例えば、工場、又は、ホームエリアネットワーク(Home Area Network、HAN)に用いることもできる。また、RSSIサンプリング器103は、1つデプロイされても良く、複数の異なる領域で複数デプロイされても良く、又は、同一の領域で複数デプロイされても良く、これにより、各領域のチャネル情報を取得することができる。
【0024】
また、RSSIサンプリング器103は、1つの独立した装置であって良く、RSSIサンプリングのみを担当し、また、干渉分析エンジンをサポートする装置、例えば、無線LANのゲートウェイ又は干渉分析エンジンをサポートする他の装置、例えば、コンピュータ、ノートブックパソコン、ラズベリーパイ(Raspberry Pi)などに接続され、サンプリング結果をこれらの装置に送信して干渉分析を行ってもらうことができる。また、RSSIサンプリング器103は、ネットワークノード、例えば、センサノード又はゲートウェイなどに配置されるRSSIサンプリングモジュールであっても良く、これにより、サンプリングのための専用のノードがなく、また、サンプリング機能は、干渉分析の準備階段、分析階段又は全天候監視期間でアクティベーションすることができる。
【0025】
ここで、ネットワークノードは、干渉分析エンジンをサポートすることができ、これにより、それは、RSSIサンプリング機能だけでなく、干渉分析機能も完成することができる。なお、本実施例は、これに限定されず、ネットワークノードは、干渉分析エンジンをサポートせず、RSSIサンプリングモジュールのサンプリング結果を、干渉分析エンジンをサポートする装置に送信しても良い。なお、上述の干渉分析エンジンとは、本発明の実施例における干渉源認識方法によるものを指す。
【0026】
本発明の実施例では、サンプリング率は、診断周期内で十分なRSSIサンプルを取得し得るように選択される。本発明の実施例では、約100μs(マイクロ秒)ごとに一回サンプリングするようなサンプリング率を用いても良く、サンプリング周波数が10kHzであり、例えば、95μsに一回のサンプリング率(サンプリング周波数が10.5kHzである)を使用する。RSSIサンプリング器は、干渉送信によるチャネル上でのエネルギー、例えば、WIFIビーコン又はブルートゥースデータパケットを捉え、それは、センサノードの無線チップ(chip)のRSSIレジスタに連続してアクセスすることでRSSIサンプルを得ることができる。
【0027】
発明の実施例では、先ず、予め設定された干渉シナリオの下で干渉検出を行い、干渉源予測モデルを生成し、それから、実際のシナリオ(例えば、
図1に示すシナリオ)の中でRSSIサンプリングを行い、RSSIサンプルを取得し、そして、実際のシナリオの中で取得されたRSSIサンプルを該干渉源予測モデルに入力することで、干渉源の類型を取得することができる。
【実施例1】
【0028】
本発明の実施例は、干渉源予測モデル生成方法を提供する。
図2は、該方法の1つの実施方式を示す図である。
図2に示すように、該方法は、次のようなステップを含む。
【0029】
ステップ201:予め設定された複数の干渉シナリオの下で、複数のテストウィンドウの各テストウィンドウについて、所定サンプリング率で前記テストウィンドウ内の受信信号強度に対してエネルギー検出サンプリングを行い、各テストウィンドウ内のサンプルデータ集合を取得し;
ステップ202:各テストウィンドウが属するテスト期間、及び/又は、各テストウィンドウ内のサンプルデータ集合中のサンプルのタイムスタンプ、及び/又は、無線ネットワーク探測(探知)器(sniffer)により各テストウィンドウで探測されたデータに基づいて、各テストウィンドウに標識を付け;
ステップ203:各テストウィンドウのサンプルデータ集合及び各テストウィンドウに対応する標識に基づいて、ディープニューラルネットワークに対して訓練を行い、前記干渉源予測モデルのパラメータを取得する。
【0030】
本実施例では、ディープラーニングの方法により、干渉源予測モデルを生成することができる。先ず、ステップ201により、訓練データを得ることができる。
【0031】
ステップ201では、複数の干渉シナリオが、訓練データを得るために予め設定されており、該複数の干渉シナリオの下でRSSIサンプリングを行う(即ち、テストウィンドウ内の受信信号強度に対してエネルギー検出サンプリングを行う)ことで、必要な訓練データ(各検出ウィンドウ内のサンプルデータ集合)を取得することができる。
【0032】
ステップ201では、テストウィンドウのサイズは、前述の検出ウィンドウのサイズと同じであり、例えば、ともに20msと設定される。なお、本実施例は、これに限定されず、他の目的に応じて、該テストウィンドウを他の値に設定しても良い。また、ステップ201では、サンプリング率は、予め、診断周期(テストウィンドウ)内で十分なRSSIサンプルを取得し得るように設定されても良く、例えば、約100μsに一回と設定されても良い。本実施例では、95μsに一回を例として説明を行う。しかし、前述のように、本実施例は、これに限定されず、ニーズに応じて、サンプリング率は、予め、他の値に設定されても良く、例えば、200μsに一回のサンプリング率よりも高くても良く、即ち、サンプリング周期は、200μsよりも小さいである。また、本実施例は、具体的なサンプリング方式及びサンプリングプロセスに限定せず、具体的には、従来技術を参照することができる。
【0033】
次に、ステップ202では、ステップ201の検出結果に基づいて、各テストウィンドウに標識を付け、各テストウィンドウに対応するラベル(標識)を取得する。ここでの標識又はラベルは、各テストウィンドウに対応する干渉源類型を表している。
【0034】
1つの実施方式では、あるテストウィンドウについて、該テストウィンドウの属するテスト期間に基づいて該テストウィンドウに標識を付けても良い。例えば、該テストウィンドウが属するテスト期間が、ある干渉源(説明の便宜のため、第一干渉源と称する)のワーキング期間であるかを判断し、「はい」と判断された場合、該テストウィンドウに、該第一干渉源からの干渉を受けたというような意味の標識を付ける。「いいえ」と判断された場合、該テストウィンドウては、該第一干渉源が排除され、即ち、該テストウィンドウでは、該第一干渉源からの干渉がない。
【0035】
本実施方式では、第一干渉源は、例えば、電子レンジであり、本実施方式では、電子レンジ干渉によるテストウィンドウに標識を付ける。電子レンジ干渉が予め設定されたものであり、例えば、人為的に生成されたものであり、また、電子レンジの送信周期(即ち、交流の周期)がテストウィンドウの周期と同じであり、即ち、ともに20msであるので、電子レンジのワーキング期間のすべてのサンプルデータ集合に“MWO”という標識を付けることができ、即ち、電子レンジからの干渉を受けたという意味のラベルを付ける。しかし、本実施例では、これについて限定せず、第一干渉源は、他の干渉源であっても良い。
【0036】
もう1つの実施方式では、あるテストウィンドウについて、該テストウィンドウが属するテスト期間、及び該テストウィンドウ内のサンプルデータ集合中のサンプルのタイムスタンプ、及び無線ネットワーク探測器が探測したデータに基づいて、該テストウィンドウに標識を付けても良い。例えば、該テストウィンドウが属するテスト期間が、ある干渉源(説明の便宜のため、第二干渉源と称する)のワーキング期間であるかを判断し、且つ、該テストウィンドウ内のサンプルデータ集合中の少なくとも1つのサンプルのタイムスタンプが、無線ネットワーク探測器により探測された、指定アドレス対に属するフレームの空中伝播の開始から終了までの時間内にあるかを判断し、「はい」と判断された場合、該テストウィンドウに、該第二干渉源からの干渉を受けたという意味の標識を付ける。「いいえ」と判断された場合、該テストウィンドウでは、該第二干渉源が排除され、即ち、該テストウィンドウでは、該第二干渉源からの干渉がない。
【0037】
本実施方式では、指定アドレス対とは、データ伝送が発生した2つのノードのMACアドレスペアを指す。具体的に言えば、1つの送信アドレス(transmitting STA address、TA)及び1つの受信アドレス(receiving STA address、RA)からなるものである。データ伝送プロセスにおいて、異なる類型のMACフレームが生じることがあるため、TAとRAは、交換しても良く、又は、1つだけあっても良い。また、指定アドレス対に属するフレームは、例えば、データフレーム、制御フレームなどであり、本実施例では、これについて限定しない。
【0038】
本実施方式では、第二干渉源は、例えば、データ伝送であり、本実施方式では、データ伝送干渉によるテストウィンドウに標識を付ける。データ伝送干渉が予め設定されたものであり、例えば、人為的に生成されたものであり、また、伝送のデータが指定アドレス対に属するので、本実施方式では、該テストウィンドウが属するテスト期間と、データ伝送期間とを比較する以外に、無線ネットワーク探測器も使用する。該テストウィンドウが属するテスト期間がデータ伝送期間であり、且つ該テストウィンドウ内のサンプルデータ集合中の少なくとも1つのサンプルのタイムスタンプが、無線ネットワーク探測器により探測された、指定アドレス対に属するフレームの開始から終了までの時間内にあるときに、該テストウィンドウに、データ伝送による干渉があるという意味の標識を付ける。
【0039】
本実施方式では、無線ネットワーク探測器は、例えば、WIFI探測器、Bluetooth探測器、ZigBee探測器などであり、無線ネットワークが異なれば、探測器の種類も異なるので、本実施例では、任意の1つ又は複数の探測器を用いて、伝送のデータを探測することができる。
【0040】
本実施方式では、データは、例えば、ビデオデータ、テキストデータなどの大流量データであるが、本実施例は、これに限定されない。また、本実施例では、第二干渉源の類型についても限定せず、WIFIデータ伝送であっても良く、ブルートゥースデータ伝送であっても良く、他の類型のデータ伝送であっても良い。また、第二干渉源は、さらに、トラフィックの類型に基づいて複数の類型、例えば、WIFIシナリオの下での異なる大流量トラフィック、例えば、ビデオストリーム、ファイルダウンロードなどに分けられても良い。
【0041】
また、他の実施方式では、あるテストウィンドウについて、該テストウィンドウ内のサンプルデータ集合中のサンプルのタイムスタンプ、及び、無線ネットワーク探測器により探測されたデータに基づいて、該テストウィンドウに標識を付けても良い。例えば、該テストウィンドウ内のサンプルデータ集合中の少なくとも1つのサンプルのタイムスタンプが、無線ネットワーク探測器により探測されたビーコンフレームの開始から終了までの時間内にあるかを判断し、「はい」と判断された場合、該テストウィンドウに、上述のビーコンフレームからの干渉を受けたという意味の標識を付ける。「いいえ」と判断された場合、該テストウィンドウでは、ビーコンフレームの干渉が排除される。
【0042】
本実施方式では、ビーコンフレームは、例えば、ブルートゥースビーコンフレーム、WIFIビーコンフレームなどであり、本実施方式は、同様に無線ネットワーク探測器を使用し、該テストウィンドウ内のサンプルデータ集合中のサンプルのタイムスタンプと、無線ネットワーク探測器により探測された、あるビーコンフレームの開始から終了までの時間との比較を行い、少なくとも1つのサンプルのタイムスタンプが、ビーコンフレームの開始から終了までの時間内にある場合下、該テストウィンドウが属するテスト期間で受けた干渉がビーコンフレームによるものであるとにみなし、この場合、該テストウィンドウに、該ビーコンフレームからの干渉を受けたという意味の標識を付ける。
【0043】
本実施方式では、同様に、無線ネットワーク探測器は、例えば、WIFI探測器、ブルートゥース探測器、ZigBee探測器などであり、また、無線ネットワークが異なることによって、探測器の種類も異なるので、本実施例では、任意の1つ又は複数の探測器を用いて、伝送のデータを探測することができる。
【0044】
本実施例では、上述の実施方式を組み合わせて使用することができ、また、干渉類型の違いに基づいて、標識の優先レベルを設定し、例えば、まず、第一干渉源に対して標識付けを行い、次に、第二干渉源に対して標識付けを行い、それから、ビーコンフレーム(第三干渉源になり得る)に対して標識付けを行い、また、現在のテストウィンドウが前述の任意の1つのケースにも属しない場合、現在のテストウィンドウに、正常というような意味の標識を付けることができる。
【0045】
さらに、本実施例では、上述の幾つかの実施方式に限定されず、干渉源類型の違いによって、前述の1つ又は幾つかの実施方式が無くても良く、又は、異なる干渉源類型に対応する標識付け方式を追加しても良く、さらに、各種類の干渉源を細分してから、それぞれ標識付けを行っても良い。各テストウィンドウが属するテスト期間、及び/又は、各テストウィンドウ内のサンプルデータ集合中のサンプルのタイムスタンプ、及び/又は、無線ネットワーク探測器により各テストウィンドウで探測されたデータに基づいて、各テストウィンドウに標識を付ける方式であれば、全ては、本発明の技術的範囲に属する。
【0046】
続いて、ステップ203では、ステップ201で取得された、各テストウィンドウに対応するサンプルデータ集合、及び、ステップ202で取得された、各テストウィンドウに対応する標識(即ち、ラベル)を用いて、ディープニューラルネットワークに対して訓練を行うことで、該ディープニューラルネットワークのパラメータ、例えば、ニューラルネットワークの重み、偏差などを、該干渉源予測モデルのパラメータとして得ることができ、これにより、該干渉予測モデル、即ち、分類器を生成することができる。そして、該分類器を使用することで、干渉源を認識することができる。
【0047】
1つの実施方式では、すべてのテストウィンドウ内のサンプルデータ集合中のすべてのサンプルを畳み込みニューラルネットワークの入力とし、すべてのテストウィンドウに対応するラベル(標識)を該畳み込みニューラルネットワークの出力とし、該畳み込みニューラルネットワークのアーキテクチャに基づいて訓練を行うことで、該畳み込みニューラルネットワークの各項のパラメータを、該干渉源予測モデルのパラメータとして取得することができる。本実施例では、具体的な処理方式について限定せず、詳しくは、従来技術を参照することができる。
【0048】
本実施例の方法をより明確にするために、以下、1つの具体例を挙げて本実施例の方法について説明を行う。
【0049】
図3は、RSSIサンプリング値シーケンスを入力とするディープラーニングの基本原理を示す図である。
図3に示すように、検出ウィンドウが20msであり、検出ウィンドウ内のすべてのRSSIサンプルがN個の要素の入力ベクトルを形成しているとする。95μsに一回のサンプリング率を使用すれば、N=20ms/95μs=210である。該N個の要素の入力ベクトルは、1つのディープラーニング分類モデルを経て、M×1出力ベクトルを生成する。Mは、定義された分類(類別)の数を表し、例えば、正常、WIFIビーコン、WIFIビデオストリーム、WIFIファイルダウンロード、ブルートゥース干渉などである。RSSIサンプリング値を用いて干渉分析を行う従来の方法と異なり、本発明の実施例における方法では、入力は、オリジナルRSSIサンプリング値であり、特徴抽出を行う必要がない。
【0050】
本実施例では、訓練データを得るために、先ず、手動で干渉シナリオを生成し、例えば、意図的にWIFIトラフィックを環境の中に入れて、サンプリング器によりサンプリングされたRSSIを収集する。電子レンジ干渉シナリオについて、電子レンジの送信周期がテストウィンドウの周期と同じであるため、電子レンジのワーキング期間のすべてのサンプルデータ集合に“MWO”というような標識を付けることができる。無線データ伝送プロセスにおいて各サンプルデータ集合に正確なラベルを与えるために、本実施例では、さらに、無線ネットワーク探測器、例えば、WIFI sniffer又はBluetooth snifferを用いている。
【0051】
例えば、同一の装置(例えば、ラズベリーパイ)にサンプリング器及び探測器を接続又は插入して同期の問題を避ける。サンプリング器が1つのRSSIをサンプリングしたときに、それは、該RSSIのタイムスタンプも保存する。探測器が1つのデータパケット(フレーム)を探測したときに、それは、該データパケット(フレーム)の開始時間及び持続時間も記録する。該探測器のログ(log)及びサンプリング器のタイムスタンプを用いて、サンプルデータ集合のラベルを決定することができる。
【0052】
また、詳細な標識付け規則により、一定の優先レベルを反映することができる。以下、1つの例を示す。
【0053】
テストウィンドウが電子レンジのワーキング期間に属すれば、標識は“MWO”であり;
そうでない場合、該テストウィンドウがビデオストリーム又はファイルの伝送期間に属し、且つ該テストウィンドウ内の少なくとも1つのサンプルのタイムスタンプが、探測器により探測された、指定アドレス対に属するフレームの開始から終了までの時間内にある場合、該テストウィンドウに、“ビデオストリーム又はファイルダウンロード”というような標識を付け;
そうでない場合、該テストウィンドウ内の少なくとも1つのサンプルのタイムスタンプが、探測されたWIFIビーコンフレームの開始から終了までの時間内にある場合、該テストウィンドウに、“WIFIビーコン”というような標識を付け;
そうでない場合、該テストウィンドウ内の少なくとも1つのサンプルのタイムスタンプが、探測されたブルートゥースフレームの開始から終了までの時間内にある場合、該ウィンドウに、“ブルートゥース”というような標識を付け;
他の場合、標識は、“正常”である。
【0054】
なお、以上、電子レンジ干渉、ビデオストリーム又はファイル伝送干渉、WIFI干渉、ブルートゥース干渉を例として説明を行ったが、本実施例は、これに限定されず、前述の内容をもとに、幾つかの干渉源類型についての標識付け規則を増減することもできる。
【0055】
図4は、WIFI探測器及びRSSIサンプルを例として説明する。
図4に示すように、WIFI探測器ログに基づいてビーコンフレーム期間(beacon duration)及びデータパケット期間(packet duration)を確定し、RSSIサンプルログ及びWIFI探測器ログに基づいて各RSSIサンプルに対して標識付けを行い、標識付けられたサンプルログを取得し、そして、テストウィンドウ内の標識付けられたサンプルログに基づいて、各テストウィンドウに標識を付ける。
図4に示すように、1つのテストウィンドウ(20ms)内にデータパケット期間(packet duration)が含まれており、即ち、該テストウィンドウ内の少なくとも1つのRSSIサンプルのタイムスタンプが、WIFI探測器により探測された、指定アドレス対に属するフレームの開始から終了までの時間内にあり、この場合、該テストウィンドウに、データ伝送というような標識を付ける。
【0056】
取得された訓練データ(各テストウィンドウ内のRSSIサンプル及び対応するラベル)を用いて、ディープ畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network/CNN又はConvNet)のパラメータを見つけるプロセスは、ディープラーニングのプロセスである。
【0057】
図5は、本実施例中のCNNのネットワーク構造を示す図である。CNNが、隣接データと相関性がある行列データに適するので、本実施例では、CNNを使用しており、それは、ディープネットワークのためのパラメータの数を減少させることができる。また、従来の画像認識のためのCNNが二次元入力を用いるが、本実施例では、一次元ベクトルのみを入力として使用する。本実施例では、2つの畳み込み層を有するCNNを用い、入力が210×1個の要素のベクトルであり、出力が5×1であり、即ち、干渉源が5種類に分けられるとすれば、
図5に示すネットワーク構造により、既存の訓練方法、例えば、確率的勾配降下法を用いて、最終の畳み込みニューラルネットワークパラメータを取得することができる。最終的に訓練されたニューラルネットワークは、干渉源予測モデルである。
【0058】
なお、以上、本発明に関連する各ステップ又はプロセスだけを説明したが、本発明は、これに限定されない。該方法は、さらに、他のステップ又はプロセス、又は、類似したCNNネットワーク構造を含んでも良く、これらのステップ又はプロセスの具体的な内容などについては、従来技術を参照することができる。
【0059】
上述の実施例から分かるように、本実施例では、ディープラーニングの方法を用いて干渉源予測モデルを形成し、該形成のプロセスは、オフラインで完成することができる。よって、高レートの受信信号強度指示(RSSI)サンプリング器を用いて、無線ネットワークの環境の中でリアルタイムRSSIサンプルを取得し、また、形成された干渉源予測モデルを用いて干渉分析を行うことで、干渉源を確定し、IoTサービスサプライヤーに、干渉の問題を解決するための参考としての根拠を提供することができる。
【実施例2】
【0060】
本実施例は、干渉源認識方法を提供する。
図6は、該方法を示す図である。
図6に示すように、該方法は、次のようなステップを含む。
【0061】
ステップ601:複数のテストウィンドウの各テストウィンドウに対応するサンプルデータ集合及び該テストウィンドウに対応するラベルを用いて、干渉源予測モデルを形成し;
ステップ602:所定サンプリング率で検出ウィンドウ内の受信信号強度に対してエネルギー検出サンプリングを行い、前記検出ウィンドウに対応するサンプルデータ集合を取得し;
ステップ603:前記サンプルデータ集合を前記干渉源予測モデルに入力し、前記検出ウィンドウに対応する干渉源類型を取得する。
【0062】
本実施例では、ステップ601は、実施例1の方法により実現することができ、また、実施例1では、該方法について既に詳細に説明したので、その内容は、ここに合併され、ここでは、その詳しい説明を省略する。また、本実施例では、ステップ601について限定せず、実施例1の方法をもとに適切に変形しても、干渉源予測モデルを形成することができる。
【0063】
本実施例では、ステップ601は、オフラインで完成することができ、即ち、該干渉源予測モデル生成後に、該モデルを用いて各種の実際のシナリオに対して干渉検出を行い、該実際のシナリオの下での干渉源類型を確定することができる。例えば、ステップ602により実際のシナリオの中でサンプルデータ(サンプルデータ集合)を採集し、実際のシナリオの中で取得されたサンプルデータ集合を該干渉源予測モデルに入力することで、対応する干渉源類型を得ることができる。
【0064】
本実施例では、ステップ602の検出方法について限定せず、その実施のプロセルは、
図2のステップ201と同じであっても良く、異なっても良いので、ここでは、その詳しい説明を省略する。また、ステップ601では、検出ウィンドウは、実施例1のテストウィンドウと同様に、例えば、20msと設定され、サンプリング率も、実施例1のサンプリング率と同じであり、例えば、約100μsに一回である。
【0065】
本実施例では、ステップ603の実施プロセスに限定せず、具体的には、従来技術を参照することができる。
【0066】
なお、以上、本発明に関連する各ステップ又はプロセスのみについて説明したが、本発明は、これに限定されない。該方法は、さらに、他のステップ又はプロセスを含んでも良く、このようなステップ又はプロセスの具体的な内容などについては、従来技術を参照することができる。
【0067】
上述の実施例から分かるように、本実施例では、ディープラーニングの方法を用いて干渉源予測モデルを形成し、該形成のプロセスは、オフラインで完成することができる。これにより、高レートの受信信号強度指示(RSSI)サンプリング器を用いて無線ネットワークの環境の中でリアルタイムRSSIサンプルを取得し、また、形成された干渉源予測モデルを用いて干渉分析を行うことで、干渉源を確定し、IoTサービスサプライヤーに、干渉の問題を解決するための参考としての根拠を提供することができる。
【実施例3】
【0068】
本実施例は、干渉源予測モデル生成装置を提供する。該装置は、例えば、ネットワーク中のあるノードであっても良く、ネットワーク中のノードとは別の装置であっても良く、上述のノード又は装置に配置される1つ又は複数の部品又はアセンブリであっても良い。また、該装置が問題を解決する原理は、実施例1の方法と類似したので、その具体的な実施は、実施例1の方法の実施方式を参照することができ、内容が同じである重複説明は、省略される。
【0069】
図7は、該装置700を示す図である。
図7に示すように、該装置700は、第一サンプリングユニット701、標識付けユニット702、及び訓練ユニット703を含む。
【0070】
第一サンプリングユニット701は、予め設定された複数の干渉シナリオの下で、複数のテストウィンドウの各テストウィンドウについて、所定サンプリング率で前記テストウィンドウに対してエネルギー検出サンプリングを行い、各テストウィンドウ内のサンプルデータ集合を取得し;標識付けユニット702は、各テストウィンドウが属するテスト期間、及び/又は、各テストウィンドウ内のサンプルデータ集合中のサンプルのタイムスタンプ、及び/又は、無線ネットワーク探測器により各テストウィンドウで探測されたデータに基づいて、各テストウィンドウに標識を付け;訓練ユニット703は、各テストウィンドウのサンプルデータ集合及び各テストウィンドウに対応する標識に基づいて、ディープニューラルネットワークに対して訓練を行い、前記干渉源予測モデルのパラメータを取得する。
【0071】
本実施例では、上述の無線ネットワーク探測器は、次のようなもののうちの任意の1つ又は複数であっても良く、即ち、WIFI探測器、ブルートゥース探測器、ZigBee探測器などである。
【0072】
1つの実施方式では、標識付けユニット702は、前記テストウィンドウが属するテスト期間に基づいて、前記テストウィンドウに標識を付ける。
【0073】
図8は、該実施方式の標識付けユニット702を示す図である。
図8に示すように、該実施方式では、標識付けユニット702は、第一判断ユニット801及び第一標識付けユニット802を含み、第一判断ユニット801は、前記テストウィンドウが属するテスト期間が第一干渉源のワーキング期間であるかを判断し;第一標識付けユニット802は、第一判断ユニット801により「はい」と判断された場合、前記テストウィンドウに、前記第一干渉源からの干渉を受けたという意味の標識を付ける。本実施方式では、第一干渉源は、例えば、電子レンジである。
【0074】
1つの実施方式では、標識付けユニット702は、前記テストウィンドウが属するテスト期間、前記テストウィンドウ内のサンプルデータ集合中のサンプルのタイムスタンプ、及び無線ネットワーク探測器により探測されたデータに基づいて、前記テストウィンドウに標識を付けることができる。
【0075】
図9は、該実施方式の標識付けユニット702を示す図である。
図9に示すように、該実施方式では、標識付けユニット702は、第二判断ユニット901及び第二標識付けユニット902を含み、第二判断ユニット901は、前記テストウィンドウが属するテスト期間が第二干渉源のワーキング期間であるか、且つ前記テストウィンドウ内のサンプルデータ集合中の少なくとも1つのサンプルのタイムスタンプが、無線ネットワーク探測器により探測された、指定アドレス対に属するフレームの開始から終了までの時間内にあるかを判断し;第二標識付けユニット902は、第二判断ユニット901により「はい」と判断された場合、前記テストウィンドウに、前記第二干渉源からの干渉を受けたという意味の標識を付ける。本実施方式では、第二干渉源は、例えば、データ伝送である。ここでのデータは、例えば、ビデオデータ、及び/又は、ファイルデータなどの大流量データである。
【0076】
もう1つの実施方式では、標識付けユニット702は、前記テストウィンドウ内のサンプルデータ集合中のサンプルのタイムスタンプ、及び、無線ネットワーク探測器により探測されたデータに基づいて、前記テストウィンドウに標識を付ける。
【0077】
図10は、該実施方式の標識付けユニット702を示す図である。
図10に示すように、該実施方式では、標識付けユニット702は、第三判断ユニット1001及び第三標識付けユニット1002を含み、第三判断ユニット1001は、前記テストウィンドウ内のサンプルデータ集合中の少なくとも1つのサンプルのタイムスタンプが、無線ネットワーク探測器により探測されたビーコンフレームの開始から終了までの時間内にあるかを判断し、第三標識付けユニット1002は、第三判断ユニット1001により「はい」と判断された場合、前記テストウィンドウに、前記ビーコンフレームからの干渉を受けたことを示す標識を付ける。本実施方式では、ビーコンフレームは、WIFIビーコンフレーム、ブルートゥースビーコンフレームなどである。
【0078】
本実施例では、訓練ユニット703は、すべてのテストウィンドウ内のサンプルデータ集合中のすべてのサンプルを畳み込みニューラルネットワークの入力とし、すべてのテストウィンドウに対応するラベルを前記畳み込みニューラルネットワークの出力とし、そして、前記畳み込みニューラルネットワークのアーキテクチャに基づいて訓練を行うことで、前記畳み込みニューラルネットワークの各項パラメータを、前記干渉源予測モデルのパラメータとして取得することができる。
【0079】
なお、以上、本発明に関連する各部品又はモジュールだけについて説明したが、本発明は、これに限定されない。装置700は、さらに、他の部品又はモジュールを含んでも良く、また、このような部品又はモジュールの具体的な内容については、関連技術を参照することができる。
【0080】
上述の実施例から分かるように、本実施例では、ディープラーニングの方法を用いて干渉源予測モデルを形成し、該形成のプロセスは、オフラインで完成することができる。これにより、高レートの受信信号強度指示(RSSI)サンプリング器を用いて無線ネットワークの環境の中でリアルタイムRSSIサンプルを取得し、また、形成された干渉源予測モデルを用いて干渉分析を行うことで、干渉源を確定し、IoTサービスサプライヤーに、干渉の問題を解決するための参考としての根拠を提供することができる。
【実施例4】
【0081】
本実施例は、干渉源認識装置を提供する。該装置は、例えば、ネットワーク中のあるノードであっても良く、ネットワーク中のノードとは別の装置であっても良く、又は、上述のノード又は装置に配置される1つ又は複数の部品又はアセンブリであっても良い。また、該装置が問題を解決する原理は、実施例2の方法と類似したので、その具体的な実施は、実施例2の方法の実施方式を参照することができ、内容が同じである重複説明は、省略される。
【0082】
図11は、該装置1100を示す図である。
図11に示すように、該装置1100は、生成ユニット1101、第二サンプリングユニット1102、及び確定ユニット1103を含む。
【0083】
生成ユニット1101は、複数のテストウィンドウの各テストウィンドウに対応するサンプルデータ集合及び該テストウィンドウに対応するラベルを用いて、干渉源予測モデルを形成し;第二サンプリングユニット1102は、所定サンプリング率で検出ウィンドウ内の受信信号強度に対してエネルギー検出サンプリングを行い、前記検出ウィンドウに対応するサンプルデータ集合を取得し;確定ユニット1103は、前記サンプルデータ集合を前記干渉源予測モデルに入力し、前記検出ウィンドウに対応する干渉源類型を取得する。
【0084】
本実施例では、生成ユニット1101は、実施例3に記載の装置により実現し、実施例1に記載の方法を実行することができ、また、実施例1及び実施例3では、該方法及び装置について既に詳細に説明しているので、その内容は、ここに合併され、ここでは、その詳しい説明を省略する。
【0085】
上述の実施例から分かるように、本実施例では、ディープラーニングの方法を用いて干渉源予測モデルを形成し、該形成のプロセスは、オフラインで完成することができる。これにより、高レートの受信信号強度指示(RSSI)サンプリング器を用いて無線ネットワークの環境の中でリアルタイムRSSIサンプルを取得し、また、形成された干渉源予測モデルを用いて干渉分析を行うことで、干渉源を確定し、IoTサービスサプライヤーに、干渉の問題を解決するための参考としての根拠を提供することができる。
【実施例5】
【0086】
本発明の実施例は、端末装置を提供する。該端末装置は、実施例3に記載の干渉源予測モデル生成装置を含み、又は、実施例4に記載の干渉源認識装置を含む。該端末装置は、ネットワーク中のあるノードであっても良く、ネットワーク中のノードとは別の装置であっても良く、具体的には、上述と同様である。
【0087】
図12は、本実施例の端末装置のシステム構成図である。
図12に示すように、該端末装置1200は、中央処理装置1201及び記憶器1202を含んでも良く、記憶器1202は、中央処理装置1201に接続される。なお、該図は、例示に過ぎず、さらに、この構造に対して他の類型の構造を以て補充又は代替を行うことで、電気通信機能又は他の機能を実現することもできる。
【0088】
1つの実施方式では、実施例3に記載の干渉源予測モデル生成装置又は実施例4に記載の干渉源認識装置の機能は、中央処理装置1201に統合し、実施例1に記載の干渉源予測モデル生成方法又は実施例2に記載の干渉源認識方法を実現することができる。
【0089】
例えば、該中央処理装置1201は、次のように構成されても良く、即ち、予め設定された複数の干渉シナリオの下で、複数のテストウィンドウの各テストウィンドウについて、所定サンプリング率で前記テストウィンドウに対してエネルギー検出サンプリングを行い、各テストウィンドウ内のサンプルデータ集合を取得し;各テストウィンドウが属するテスト期間、及び/又は、各テストウィンドウ内のサンプルデータ集合中のサンプルのタイムスタンプ、及び/又は、無線ネットワーク探測器により各テストウィンドウで探測されたデータに基づいて、各テストウィンドウに標識を付け;各テストウィンドウのサンプルデータ集合及び各テストウィンドウに対応する標識に基づいて、ディープニューラルネットワークに対して訓練を行い、前記干渉源予測モデルのパラメータを取得する。
【0090】
また、例えば、該中央処理装置1201は、次のように構成されても良く、即ち、複数のテストウィンドウの各テストウィンドウに対応するサンプルデータ集合及び該テストウィンドウに対応するラベルを用いて、干渉源予測モデルを形成し;所定サンプリング率で検出ウィンドウ内の受信信号強度に対してエネルギー検出サンプリングを行い、前記検出ウィンドウに対応するサンプルデータ集合を取得し;前記サンプルデータ集合を前記干渉源予測モデルに入力し、前記検出ウィンドウに対応する干渉源類型を取得する。
【0091】
もう1つの実施方式では、実施例3に記載の干渉源予測モデル生成装置又は実施例4に記載の干渉源認識装置は、中央処理装置1201と分離して配置されても良く、例えば、該干渉源予測モデル生成装置又は該干渉源認識装置を、中央処理装置1201に接続されるチップとして構成し、中央処理装置1201の制御により、実施例3に記載の干渉源予測モデル生成装置又は括実施例4に記載の干渉源認識装置の機能を実現しても良い。
【0092】
図12に示すように、該端末装置1200は、さらに、通信モジュール1203、入力ユニット1204、音声処理器1205、表示器1206、電源1207などを含んでも良い。なお、端末装置1200は、必ずしも
図12中のすべての部品を含む必要がない。また、端末装置1200は、さらに、
図12にない部品を含んでも良く、これについては、従来技術を参照することがある。
【0093】
図12に示すように、中央処理装置1201は、制御器又は操作コントローラと称される場合があり、マイクロプロセッサ又は他の処理装置及び/又は論路装置を含んでも良く、該中央処理装置1201は、入力を受信して端末装置1200の各部品の操作を制御することができる。
【0094】
そのうち、記憶器1202は、例えば、バッファ、フレッシュメモリ、HDD、移動可能な媒体、揮発性記憶器、不揮発性記憶器又は他の適切な装置のうちの1つ又は複数であっても良い。各種の情報を記憶することができ、また、情報処理のためのプログラムをさらに記憶することができる。中央処理装置1201は、該記憶器1202に記憶の該プログラムを、情報の記憶又は処理などを実現するように実行することができる。なお、他の部品の機能は、従来に類似したので、ここでは、その詳しい説明を省略する。また、端末装置1200の各部品は、専用ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせにより実現しても良く、全ては、本発明の技術的範囲に属する。
【0095】
本実施例の端末装置は、ディープラーニングの方法を用いて干渉源予測モデルを形成し、該形成のプロセスは、オフラインで完成することができる。これにより、高レートの受信信号強度指示(RSSI)サンプリング器を用いて無線ネットワークの環境の中でリアルタイムRSSIサンプルを取得し、形成された干渉源予測モデルを用いて干渉分析を行うことで、干渉源を確定し、IoTサービスサプライヤーに、干渉の問題を解決するための参考としての根拠を提供することができる。
【0096】
本発明の実施例は、さらに、コンピュータ可読プログラムを提供し、そのうち、端末装置中で前記プログラムを実行するときに、前記プログラムは、コンピュータに、実施例1又は実施例2に記載の方法を実行させる。
【0097】
本発明の実施例は、さらに、コンピュータ可読プログラムを記憶した記憶媒体を提供し、そのうち、前記コンピュータ可読プログラムは、コンピュータに、実施例1又は実施例2に記載の方法を実行させる。
【0098】
また、本発明の実施例による装置、方法などは、ソフトウェアにより実現されても良く、ハードェアにより実現されてもよく、ハードェア及びソフトウェアの組み合わせにより実現されても良い。本発明は、このようなコンピュータ可読プログラムにも関し、即ち、前記プログラムは、ロジック部品により実行される時に、前記ロジック部品に、上述の装置又は構成要素を実現させることができ、又は、前記ロジック部品に、上述の方法又はそのステップを実現させることができる。さらに、本発明は、上述のプログラムを記憶するための記憶媒体、例えば、ハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、DVD、フレッシュメモリなどにも関する。
【0099】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこの実施形態に限定されず、本発明の趣旨を離脱しない限り、本発明に対するあらゆる変更は本発明の技術的範囲に属する。