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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】無線通信システム
(51)【国際特許分類】
   G08C 17/00 20060101AFI20230920BHJP
   H04B 5/02 20060101ALI20230920BHJP
   F16C 41/00 20060101ALN20230920BHJP
   F16C 19/52 20060101ALN20230920BHJP
【FI】
G08C17/00 Z
H04B5/02
F16C41/00
F16C19/52
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019073296
(22)【出願日】2019-04-08
(65)【公開番号】P2020173492
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡村 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】柳沢 知之
(72)【発明者】
【氏名】裏川 杜彦
(72)【発明者】
【氏名】柳野 浩志
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-11312(JP,A)
【文献】特開2007-47904(JP,A)
【文献】特開2003-139155(JP,A)
【文献】特開2017-72170(JP,A)
【文献】特開2004-126852(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 17/00-17/06
H04B 5/02
F16C 41/00-41/04
F16C 19/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の軸受と、前記第1の軸受の状態を検知する第1のセンサと、前記第1のセンサが出力したデータを送信する通信回路とを含むセンサ付き軸受と、
第2の軸受と、前記第2の軸受の状態を検知する第2のセンサと、前記通信回路が送信したデータを中継し且つ前記第2のセンサが出力したデータを送信する中継回路とを含む中継機能付き軸受と、
前記中継回路が送信したデータを外部の受信機に中継する中継器と、
を備え、
前記センサ付き軸受及び前記中継機能付き軸受は、発電部を備え、
前記発電部は、
N極とS極とが並ぶ磁気トラックと、
前記磁気トラックと対向する位置に配置されたコイルを含む基板と、を有し、
前記磁気トラックと前記基板とは、相対的に回転可能に設けられ、
前記第1の軸受は、前記第1のセンサが出力したデータを記憶する第1のメモリを備え、
前記第2の軸受は、前記通信回路が送信したデータ及び前記第2のセンサが出力したデータを記憶する第2のメモリを備え、
前記中継回路が管理する所定時間内に、前記所定時間よりも短い単位時間区切りで、前記通信回路から送信されたデータの前記中継回路による受信、前記中継回路から前記通信回路へのリプライ送信、前記中継回路から前記中継器へのデータ送信、前記中継器からのリプライ送信を受け付けるデータ受信、の順にそれぞれ異なる単位時間内に行われ、
前記通信回路からのデータの送信に際して前記第1のメモリからの前記第1のセンサが出力したデータの読み出しが前記通信回路によって行われ、
前記中継回路による前記第2のメモリへのアクセスとして、
前記通信回路から送信されたデータの前記中継回路による受信に際して受信したデータの書き込みと、
前記中継回路から前記中継器へのデータ送信に際して前記通信回路が送信したデータ及び前記第2のセンサが出力したデータの読み出しと、が行われる、
無線通信システム。
【請求項2】
前記センサ付き軸受及び前記中継機能付き軸受は、電波を遮断する筐体の内側に設けられる
請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記中継器は、前記筐体の内側に露出する第1のアンテナと、前記筐体の外側に露出する第2のアンテナとを備える
請求項2に記載の無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ギヤボックス内のセンシングを行う構成が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-183628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された構成では、軸受の状態を個別にセンシングすることができない。また、特許文献1に記載された構成では、閉鎖されたギヤボックスのような閉鎖環境内のセンシング結果を当該閉鎖環境外から取得しようとした場合、無線の電波を閉鎖環境内から外部に送信することが困難であった。
【0005】
本発明は、軸受が設けられる環境に関わらず軸受の状態を個別にセンシングした結果を外部から取得可能な無線通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本発明の無線通信システムは、第1の軸受と、前記第1の軸受の状態を検知する第1のセンサと、前記第1のセンサが出力したデータを送信する通信回路とを含むセンサ付き軸受と、第2の軸受と、前記第2の軸受の状態を検知する第2のセンサと、前記通信回路が送信したデータを中継し且つ前記第2のセンサが出力したデータを送信する中継回路とを含む中継機能付き軸受と、前記中継回路が送信したデータを外部の受信機に中継する中継器と、を備える。
【0007】
従って、センサ付き軸受と中継機能付き軸受は、軸受の状態を個別にセンシングすることができる。また、中継機能付き軸受が、センサ付き軸受のセンシングに関するデータを受信し、このデータと中継機能付き軸受のセンシングに関するデータを中継器に送信する。つまり、中継機能付き軸受によってセンサ付き軸受のデータを中継することができる。このため、中継器とセンサ付き軸受とが直接通信することが困難であっても、中継機能付き軸受とセンサ付き軸受とが通信可能であり、中継機能付き軸受と中継器とが通信可能な状態であればよい。従って、複数の軸受が設けられる環境下における軸受の配置条件をより緩和することができる。また、センサ付き軸受に求められる電波の出力強度に関する条件をより緩和することができる。また、中継器によって、軸受の状態を個別にセンシングした結果を外部から取得することができる。
【0008】
本発明の無線通信システムでは、前記センサ付き軸受及び前記中継機能付き軸受は、電波を遮断する筐体の内側に設けられる。
【0009】
従って、センサ付き軸受及び中継機能付き軸受が電波を遮断する筐体の内側に設けられていても、センサ付き軸受と中継機能付き軸受の通信及び中継機能付き軸受と中継器の通信によって軸受の状態を個別にセンシングした結果を外部から取得することができる。
【0010】
本発明の無線通信システムでは、前記中継器は、前記筐体の内側に露出する第1のアンテナと、前記筐体の外側に露出する第2のアンテナとを備える。
【0011】
従って、第1のアンテナを介して中継機能付き軸受と中継器の通信をより確実に行うことができる。また、第2のアンテナを介して中継器と外部の受信機の通信をより確実に行うことができる。
【0012】
本発明の無線通信システムでは、前記センサ付き軸受及び前記中継機能付き軸受は、発電部を備え、前記発電部は、N極とS極とが並ぶ磁気トラックと、前記磁気トラックと対向する位置に配置されたコイルを含む基板と、を有し、前記磁気トラックと前記基板とは、相対的に回転可能に設けられる。
【0013】
従って、第1の軸受及び第2の軸受を用いて回転可能に支持される構成を含む環境下で当該構成の回転を利用して磁気トラックと基板とを相対的に回転させることで発電を行うことができる。これによって、発電部によって発電された電力を用いて第1のセンサ、第2のセンサ、通信回路及び中継回路を動作させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の無線通信システムによれば、軸受が設けられる環境に関わらず軸受の状態を個別にセンシングした結果を環境外から取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施形態の無線通信システムの主要構成を示すブロック図である。
図2図2は、機械設備の主要構成例を示す概略断面図である。
図3図3は、図2とは異なる機械設備の主要構成例を示す概略断面図である。
図4図4は、無線通信システムで行われる通信における識別の仕組みを模式的に示すブロック図である。
図5図5は、相互通信に関する処理の流れを示すフローチャートである。
図6図6は、無線通信システムで取り扱われるデータを記憶するための仕組みを模式的に示すブロック図である。
図7図7は、データ送受信とリプライ送受信のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
図8図8は、メモリが記憶するデータの例を示す模式図である。
図9図9は、軸受の中継回路が中継専用モードで動作する場合の通信におけるデータの取り扱いの仕組みを模式的に示すブロック図である。
図10図10は、軸受の中継回路がセンシング専用モードで動作する場合の通信におけるデータの取り扱いの仕組みを模式的に示すブロック図である。
図11図11は、軸受の斜視図である。
図12図12は、軸受の分解斜視図である。
図13図13は、軸受の分解斜視図である。
図14図14は、カバーとコイル基板の構成例を示す平面図である。
図15図15は、磁気トラックの構成例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0017】
図1は、実施形態の無線通信システム200の主要構成を示すブロック図である。図1に示す無線通信システム200は、機械設備M1と、機械設備M2と、受信機150と、を備える。
【0018】
機械設備M1及び機械設備M2は、軸受1と、軸受1Aと、中継器145を備える。軸受1は、軸受120(図11参照)と、センサ44と、中継回路45とを備える。軸受1Aは、軸受120と、センサ44と、通信回路45Aとを備える。センサ44は、例えば後述する加速度センサ441、温度センサ442及び角度センサ443(図14参照)のように、軸受120の状態を検知するために設けられるセンサである。通信回路45Aは、軸受1Aが備えるセンサ44によって得られたデータを送信するための無線通信機能を備える回路である。このように、軸受1Aは、センシング機能付きの軸受である。中継回路45は、軸受1が備えるセンサ44によって得られたデータを中継器145に送信するとともに、通信回路45Aから送信されたデータを中継器145に中継するための無線通信機能を備える回路である。このように、軸受1は、センシング及び中継機能付きの軸受である。
【0019】
中継器145は、中継回路45から送信されたデータを受信機150に中継する無線通信機である。中継回路45から送信されたデータは、通信回路45Aから送信されたデータを含む。すなわち、中継回路45から送信されたデータは、軸受1のセンサ44によって得られたデータと、軸受1Aのセンサ44によって得られたデータとを含む。
【0020】
受信機150は、機械設備M1及び機械設備M2の外部に設けられて、中継器145によって中継されたデータを受信する無線通信機である。受信機150は、中継器145によって中継されたデータを受信することで、軸受1のセンサ44によって得られたデータ及び軸受1Aのセンサ44によって得られたデータを得る。このように、無線通信システム200は、受信機150が受信するデータに基づいて、機械設備M1及び機械設備M2に設けられた軸受1及び軸受1Aの状態を把握可能に設けられたシステムである。
【0021】
無線通信システム200は、機械設備M1及び機械設備M2のように、中継器145を介して受信機150と通信可能に設けられる機械設備をさらに有していてもよい。また、無線通信システム200は、機械設備M1又は機械設備M2のいずれか一方を有していてもよい。また、軸受1、軸受1A及び中継器145を備える構成は、機械設備M1、機械設備M2に限られるものでなく、適宜変更可能である。
【0022】
図2は、機械設備M1の主要構成例を示す概略断面図である。機械設備M1は、モータユニットMUと、ポンプユニットPUとを備える。モータユニットMUは、ステータST、ロータRO、シャフトSH、軸受1、軸受1A、中継器145等を備える。ポンプユニットPUは、プロペラPRを備える。
【0023】
ロータROとステータSTのうち一方は、永久磁石を備える。ロータROとステータSTのうち他方は、通電によって電磁石として機能するコイルを備える。シャフトSHは、円柱状又は円筒状の部材である。ロータROは、シャフトSHに固定される。ロータROは、シャフトSHの中心軸(円柱又は円筒の中心軸)を中心として円周方向に配置される。ステータSTは、ロータROの外周側で、シャフトSHの中心軸を中心として円周方向に配置される。ステータSTとロータROは、非接触である。シャフトSHは、一端側が軸受1Aの内輪に挿通される。シャフトSHは、他端側が軸受1の内輪に挿通される。
【0024】
シャフトSH、ロータRO、ステータST、軸受1及び軸受1Aは、筐体MCA内に設けられる。筐体MCAは、第1筐体MCA1と、第2筐体MCA2とを含む。第1筐体MCA1は、ロータROを挟んで軸受1の外輪と軸受1Aの外輪を対向する位置関係で保持する筒状の筐体である。第1筐体MCA1に保持された軸受1と軸受1Aは、内輪の回転中心とシャフトSHの中心軸とが一致する位置関係である。すなわち、第1筐体MCA1に保持された軸受1と軸受1Aは、シャフトSHを回転可能に支持する。また、第1筐体MCA1は、ステータSTをロータROの外周側の位置で保持する。ステータSTは、第1筐体MCA1の内周面に固定される。第2筐体MCA2は、シャフトSHの一端側に配置されて筐体MCAの側面を覆う蓋である。コイルに通電されると、モータユニットMUは電動機として機能し、ロータRO及びシャフトSHがシャフトSHの中心軸を中心としてとして回転する。
【0025】
実施形態のモータユニットMUは、さらに、コネクタCN及び連結部材DO1を備える。機械設備M1に設けられるコネクタCN及び連結部材DO1は、モータユニットMUとポンプユニットPUとを連結するための構成である。コネクタCNは、ポンプユニットPUのプロペラPRの回転軸とシャフトSHの他端とを連結する。連結部材DO1は、第1筐体MCA1の他端側に設けられる枠状の部材である。連結部材DO1の枠の内側にはコネクタCNが位置する。連結部材DO1とコネクタCNは、非接触である。機械設備M1の連結部材DO1は、ポンプユニットPUに設けられた枠状の連結部材DO2と当接する。連結部材DO2の枠の内側にはコネクタCN及びポンプユニットPUの回転軸が位置する。連結部材DO2と、コネクタCN及びポンプユニットPUの回転軸とは、非接触である。ロータRO及びシャフトSHが回転すると、ポンプユニットPUのプロペラPRが回転する。これにより、ポンプユニットPUがポンプとして動作する。
【0026】
図2に示す中継器145は、アンテナ146とアンテナ147を備える。中継器145は、第1筐体MCA1と連結部材DO1との間に配置される。アンテナ146は、一部分が連結部材DO1の枠の内側に露出するアンテナである。アンテナ147は、筐体MCAの外側に露出するアンテナである。
【0027】
シャフトSHの一端側に配置された軸受1Aの通信回路45A(図1参照)は、軸受1Aのセンサ44によって得られたデータを送信する。シャフトSHの他端側に配置された軸受1の中継回路45(図1参照)は、軸受1のセンサ44によって得られたデータを中継器145に送信するとともに、通信回路45Aから送信されたデータを中継器145に中継する。
【0028】
中継器145は、アンテナ146を介して、軸受1の中継回路45から送信されたデータを受信する。中継器145は、アンテナ147を介して、受信したデータを受信機150に送信する。このように、中継器145は、軸受1の中継回路45から送信されたデータを中継する。
【0029】
実施形態の筐体MCAは、電波WV(図11参照)を遮断する筐体として機能する。具体的には、第1筐体MCA1及び第2筐体MCA2は、電波WVを遮断する金属、合金、酸化物又はこれらの少なくとも1つを含む複合材料を素材とする筐体の壁面を構成する。また、第1筐体MCA1は、シャフトSHの一端側を塞いで一端側に向かう電波WVを遮断する。また、第2筐体MCA2は、シャフトSHの回転軸を中心とした筒状の構造を有し、シャフトSHの径方向に向かう電波WVを遮断する。また、シャフトSHの他端側には回転駆動されるプロペラPRを含むポンプユニットPUが設けられており、軸受1及び軸受1Aから出力される電波WVの受信が困難な状態になっている。このため、軸受1A及び軸受1からのデータを得るためには、筐体MCA内で中継器145までデータを伝送する必要がある。そこで、軸受1によって軸受1Aからのデータを中継器145に中継することで、軸受1Aが中継器145と直接通信することが困難であっても、軸受1A及び軸受1からのデータを中継器145に伝送することができる。
【0030】
図3は、図2とは異なる機械設備M2の主要構成例を示す概略断面図である。機械設備M2は、機械設備M1の構成に加えて、さらにモータユニットMUとポンプユニットPUの間に介在するギヤボックスGBを備える。ギヤボックスGBは、遊星歯車機構PGMを備える。機械設備M2のコネクタCNは、遊星歯車機構PGMの内軸GSとシャフトSHとを連結する。機械設備M2のプロペラPRは、遊星歯車機構PGMの外軸に固定されている。機械設備M2におけるモータユニットMUの駆動力は、遊星歯車機構PGMを介してプロペラPRに伝送される。機械設備M2では、連結部材DO1がモータユニットMUの第1筐体MCA1とギヤボックスGBの筐体GCAとの連結部分に設けられる。また、機械設備M2では、連結部材DO2が省略される。図3では、ギヤボックスGBの筐体GCAとポンプユニットPUの筐体とが直接連結されているが、連結部材DO1、連結部材DO2のような連結部材を介在させてもよい。
【0031】
ギヤボックスGBは、複数の軸受1及び複数の軸受1Aを備える。複数の軸受1及び複数の軸受1Aは、筐体GCA内に設けられて、遊星歯車機構PGMが備える複数の歯車の軸を回転可能に支持する。
【0032】
機械設備M2の中継器145は、ギヤボックスGBに設けられている。機械設備M2の中継器145が備えるアンテナ146は、一部分が筐体GCA内に露出する。機械設備M2の中継器145が備えるアンテナ147は、筐体GCAの外側に露出する。
【0033】
図3では、モータユニットMUが備える軸受1に符号1aを付している。また、図3では、筐体GCA内に設けられた軸受1のうち、アンテナ146から遠い(コネクタCNに近い)側から順に、符号1b,1c,1dを付している。すなわち、モータユニットMU側からアンテナ146側に向かって、順に、軸受1a,1b,1c,1dが並ぶ。軸受1aの中継回路45は、軸受1aのセンサ44によって得られたデータを軸受1bに送信するとともに、モータユニットMUの通信回路45Aから送信されたデータを軸受1bに中継する。軸受1bの中継回路45は、軸受1bのセンサ44によって得られたデータを軸受1cに送信するとともに、軸受1aから送信されたデータを軸受1cに中継する。軸受1cの中継回路45は、軸受1cのセンサ44によって得られたデータを軸受1dに送信するとともに、軸受1bから送信されたデータを軸受1dに中継する。軸受1dの中継回路45は、軸受1dのセンサ44によって得られたデータを中継器145に送信するとともに、軸受1cから送信されたデータを中継器145に中継する。このように、軸受1の中継回路45は、多段階の中継も可能に設けられている。
【0034】
なお、図3に示す筐体GCA内に設けられた軸受1Aの通信回路45Aは、軸受1を介さず中継器145にデータを送信する。中継器145は、軸受1dの中継回路45及び軸受1Aの通信回路45Aから送信されたデータを中継する。
【0035】
実施形態の筐体GCAは、電波WVを遮断する筐体として機能する。具体的には、筐体GCAは、電波WVを遮断する金属、合金、酸化物又はこれらの少なくとも1つを含む複合材料を素材とする筐体の壁面を構成する。また、筐体GCAの一端側には筐体MCAが設けられている。上述の通り、筐体MCAは、電波WVを遮断する筐体として機能する。また、筐体GCAの他端側には回転駆動されるプロペラPRを含むポンプユニットPUが設けられており、軸受1及び軸受1Aから出力される電波WVの受信が困難な状態になっている。このため、軸受1A及び軸受1からのデータを得るためには、筐体MCA-筐体GCA内で中継器145までデータを伝送する必要がある。そこで、軸受1によって中継器145と直接通信することが困難な配置の軸受1Aからのデータを中継器145に中継することで、軸受1A及び軸受1からのデータを中継器145に伝送することができる。
【0036】
以下、軸受1A、軸受1、中継器145及び受信機150を含む通信の説明に係り、機械設備M1と受信機150の通信を例として説明する。
【0037】
図4は、無線通信システム200で行われる通信における識別の仕組みを模式的に示すブロック図である。軸受1Aの通信回路45A及び軸受1の中継回路45は、固有の識別子(ID:Identifier)を保持する。図4では、軸受1Aが備える通信回路45AのIDを「001」としている。また、図4では、軸受1が備える中継回路45のIDを「101」としている。
【0038】
中継器145は、中継回路45を備える。中継器145の中継回路45は、軸受1の中継回路45と同様の機能を備える。受信機150は、通信回路151を備える。中継器145の中継回路45及び通信回路151は、IDを保持する。図4では、中継器145が備える中継回路45のIDを「102」としている。また、図4では、通信回路151のIDを「200」としている。
【0039】
軸受1の中継回路45は、中継対象リストL1と、転送先リストL2とを保持する。中継対象リストL1は、データを中継する対象のIDを記録する。図4に示す例の場合、軸受1の中継回路45は、軸受1Aの通信回路45Aから送信されるデータを中継する。従って、中継対象リストL1は、軸受1Aの通信回路45Aが保持する「001」のIDを記録する。転送先リストL2は、データを送信する対象のIDを記録する。図4に示す例の場合、軸受1の中継回路45は、中継器145の中継回路45にデータを送信する。従って、転送先リストL2は、中継器145の中継回路45が保持する「102」のIDを記録する。
【0040】
中継器145の中継回路45は、中継対象リストL3と、転送先リストL4とを保持する。中継対象リストL3の機能は、中継対象リストL1と同様である。図4に示す例の場合、中継器145の中継回路45は、軸受1の中継回路45から送信されるデータを中継する。従って、中継対象リストL3は、軸受1の中継回路45が保持する「101」のIDを記録する。転送先リストL4の機能は、転送先リストL2と同様である。図4に示す例の場合、中継器145の中継回路45は、受信機150の通信回路151にデータを送信する。従って、転送先リストL4は、通信回路151が保持する「200」のIDを記録する。
【0041】
通信回路151は、受信対象リストL5を保持する。受信対象リストL5は、データを受信する対象のIDを記録する。図4に示す例の場合、受信機150の通信回路151は、中継器145の中継回路45から送信されるデータを中継する。従って、受信対象リストL5は、中継器145の中継回路45が保持する「102」のIDを記録する。
【0042】
実施形態では、データの送受信に際して暗号化処理を施す。このため、データの暗号化及び暗号化されたデータの復号化のために鍵が用いられる。この鍵は、所謂暗号化通信における「鍵として機能するデータ」である。中継回路45、通信回路45A及び通信回路151は、それぞれ通信を行う対象の鍵を保持する。この鍵として、図4では、鍵K11,K12,K21,K22,K31,K32を図示している。鍵K11は、軸受1の中継回路45と通信を行うために軸受1Aの通信回路45Aが保持する鍵である。鍵K12は、軸受1Aの通信回路45Aと通信を行うために軸受1の中継回路45が保持する鍵である。鍵K21は、中継器145の中継回路45と通信を行うために軸受1の中継回路45が保持する鍵である。鍵K22は、軸受1の中継回路45と通信を行うために中継器145の中継回路45が保持する鍵である。鍵K31は、受信機150の通信回路151と通信を行うために中継器145の中継回路45が保持する鍵である。鍵K32は、中継器145の中継回路45と通信を行うために受信機150の通信回路151が保持する鍵である。
【0043】
実施形態では、鍵K11,K12,K21,K22,K31,K32は、ペアリングに伴って動的に生成される。軸受1Aの通信回路45Aと軸受1の中継回路45は、ペアリングを行って相互通信を確立する。軸受1の中継回路45と中継器145の中継回路45は、ペアリングを行って相互通信を確立する。中継器145の中継回路45と受信機150の通信回路151は、ペアリングを行って相互通信を確立する。
【0044】
図5は、相互通信に関する処理の流れを示すフローチャートである。相互通信の一例として、軸受1Aの通信回路45Aと軸受1の中継回路45の相互通信について、図5を参照して説明する。軸受1の中継回路45は、中継対象のスキャンを行う(ステップS1)。ステップS1の処理において、軸受1の中継回路45は、軸受1Aの通信回路45Aを発信源とする電波WVを捕捉する。ステップS1の処理に際して、軸受1Aの通信回路45Aは、ペアリング処理を受け付け可能な状態である。ステップS1の処理では、軸受1Aの通信回路45Aが発する電波WVを軸受1の中継回路45が受信してリプライを軸受1Aの通信回路45Aに返す仕組みでもよいし、軸受1の中継回路45が発する電波WVを軸受1Aの通信回路45Aが受信してリプライを軸受1の中継回路45に返す仕組みでもよい。
【0045】
ステップS1の処理後、軸受1の中継回路45と軸受1Aの通信回路45Aはペアリングを行う(ステップS2)。ステップS2の処理に伴い、軸受1の中継回路45と軸受1Aの通信回路45Aは、通信に用いる鍵を生成する。すなわち、軸受1の中継回路45は、鍵K12を生成する。また、軸受1Aの通信回路45Aは、鍵K11を生成する。
【0046】
ステップS2の処理後、データの受送信が行われる(ステップS3)。ステップS3の処理後、受信側から送信側に宛てたリプライが行われる(ステップS4)。ステップS3の処理として、例えば、軸受1Aの通信回路45Aは、軸受1Aのセンサ44によって得られたデータを送信する。軸受1の中継回路45は、軸受1Aの通信回路45Aから送信されたデータを受信する。このようなステップS3の処理後におけるステップS4の処理として、軸受1の中継回路45は、リプライ情報を軸受1Aの通信回路45Aに送信する。軸受1Aの通信回路45Aは、軸受1の中継回路45から送信されたリプライ情報を受信する。
【0047】
軸受1の中継回路45及び軸受1Aの通信回路45Aの少なくとも一方の電源がOFFになった場合(ステップS5;Yes)、軸受1の中継回路45と軸受1Aの通信回路45Aの相互通信は終了する。軸受1の中継回路45及び軸受1Aの通信回路45Aの電源がONである場合(ステップS5;No)、中継対象との通信が所定時間CY(図7参照)以上途絶していない限り(ステップS6;No)、ステップS3の処理に移行する。すなわち、軸受1の中継回路45は、軸受1Aの通信回路45Aからのデータ送信が所定時間CY以上途絶しない限り、ステップS1の処理及びステップS2の処理を省略し、過去のペアリングに基づいて、軸受1Aの通信回路45Aから送信されるデータを受信及び中継する。一方、中継対象との通信が所定時間CY以上途絶した場合(ステップS6;Yes)、ステップS1の処理に移行する。すなわち、軸受1の中継回路45は、軸受1Aの通信回路45Aとペアリングを再度行うため、中継対象のスキャンを開始する。
【0048】
以上、軸受1Aの通信回路45Aと軸受1の中継回路45の相互通信について説明したが、同様の流れで、軸受1の中継回路45と中継器145の中継回路45の相互通信及び中継器145の中継回路45と受信機150の通信回路151の相互通信が行われる。例えば、軸受1の中継回路45と中継器145の中継回路45の相互通信では、ステップS3の処理において、軸受1の中継回路45が、軸受1Aの通信回路45Aから送信されたデータ及び軸受1のセンサ44によって得られたデータを中継器145の中継回路45に送信する。また、ステップS4の処理において、中継器145の中継回路45からリプライ情報が軸受1の中継回路45に送信される。軸受1の中継回路45は、中継器145の中継回路45から送信されたリプライ情報を受信する。また、中継器145の中継回路45と受信機150の通信回路151の相互通信では、ステップS3の処理において、中継器145の中継回路45が、軸受1の中継回路45から送信されたデータを通信回路151に送信する。また、ステップS4の処理において、受信機150の通信回路151からリプライ情報が中継器145の中継回路45に送信される。中継器145の中継回路45は、受信機150の通信回路151から送られた送信されたリプライ情報を受信する。
【0049】
図6は、無線通信システム200で取り扱われるデータを記憶するための仕組みを模式的に示すブロック図である。軸受1Aの通信回路45Aは、軸受1Aに設けられたメモリMEにアクセス可能に設けられる。また、軸受1Aのセンサ44から出力されたデータは、DMAC(Direct Memory Access Controller)49を介してメモリMEに書き込み可能に設けられる。すなわち、センサ44は、DMAC49以外の構成の演算能力に負荷を与えることなくデータをメモリMEに書き込み可能に設けられる。
【0050】
軸受1AのメモリME及びDMAC49は、例えば中継回路45の回路パッケージ内に同枠された状態で実装されるが、これはメモリME及びDMAC49の実装例であってこれに限られるものでない。メモリME及びDMAC49は、中継回路45の回路パッケージとは異なる独立した回路パッケージに設けられていてもよい。
【0051】
軸受1の中継回路45は、軸受1に設けられたメモリMEにアクセス可能に設けられる。また、軸受1Aを例として説明したセンサ44とメモリMEとの関係は、軸受1でも同様である。中継器145の中継回路45は、中継器145に設けられたメモリMEにアクセス可能に設けられる。
【0052】
まず、軸受1Aの通信回路45Aからのデータ送信SE1が完了するまでに軸受1Aで行われるデータの流れについて説明する。センサ44から出力されたデータは、DMAC49を介してメモリMEに書き込まれる。通信回路45Aは、メモリMEにアクセスし、メモリMEに書き込まれたデータを読み出して軸受1の中継回路45に送信するデータ送信SE1を行う。このように、データ送信SE1は、DMAC49を介してメモリMEに書き込まれたセンサ44のデータの送信である。
【0053】
次に、軸受1の中継回路45からのデータ送信SE2が完了するまでに軸受1で行われるデータの流れについて説明する。中継回路45は、データ送信SE1に対するリプライとして、通信回路45Aに対してリプライ送信RE1を行う。中継回路45は、データ送信SE1によって送られたデータを正常に受信できた場合、受信したデータをメモリMEに書き込む。また、センサ44から出力されたデータは、DMAC49を介してメモリMEに書き込まれる。中継回路45は、メモリMEにアクセスし、メモリMEに書き込まれたデータを読み出して軸受1の中継回路45に送信するデータ送信SE2を行う。このように、データ送信SE2は、データ送信SE1によって送られたデータと、DMAC49を介してメモリMEに書き込まれたセンサ44のデータと、を含むデータの送信である。
【0054】
次に、中継器145の中継回路45からのデータ送信SEtが完了するまでに中継器145で行われるデータの流れについて説明する。中継器145の中継回路45は、データ送信SE2に対するリプライとして、軸受1の中継回路45に対してリプライ送信RE2を行う。中継器145の中継回路45は、データ送信SE2によって送られたデータを正常に受信できた場合、受信したデータをメモリMEに書き込む。中継器145の中継回路45は、メモリMEにアクセスし、メモリMEに書き込まれたデータを読み出して受信機150に送信するデータ送信SEtを行う。このように、データ送信SEtは、データ送信SE2によって送られたデータの転送である。
【0055】
図7は、データ送受信とリプライ送受信のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。図7の最上段の中継回路は、図4に示す軸受1の中継回路45である。図7の上から2番目の通信回路は、図4に示す軸受1Aの通信回路45Aである。図7の上から3番目の中継回路は、図4に示す中継器145の中継回路45である。
【0056】
軸受1の中継回路45、軸受1Aの通信回路45A及び中継器145の中継回路45は、所定時間CY内を所定時間CYよりも短い単位時間に区切り、各単位時間内で異なるデータの送信又は受信を行う。所定時間CYは、例えば5[秒]であるが、これに限られるものでなく適宜変更可能である。所定時間CYよりも短い単位時間は、例えば0.1[秒]であるが、これに限られるものでなく適宜変更可能である。
【0057】
図7では、軸受1の中継回路45が管理する所定時間CY内で最初に、軸受1Aの通信回路45Aからのデータ送信SE1を受け付けるデータ受信を行っている。図7では、データ送信に対応して行われるデータ受信を図示する目的で、「データ送信に付された符号」に括弧を加えた符号を付している。例えば、データ送信SE1に対応して行われるデータ受信には、(SE1)の符号が付されている。
【0058】
軸受1の中継回路45は、データ送信SE1を受け付けるデータ受信から単位時間経過後、リプライ送信RE1を行う。従って、軸受1Aの通信回路45Aは、データ送信SE1の後、リプライ送信RE1を受け付けるデータ受信を行う。
【0059】
軸受1の中継回路45は、リプライ送信RE1から単位時間経過後、データ送信SE2を行う。中継器145の中継回路45は、データ送信SE2を受け付けるデータ受信を行う。中継器145の中継回路45は、データ送信SE2を受け付けるデータ受信から単位時間経過後、リプライ送信RE2を行う。従って、軸受1の中継回路45は、データ送信SE2の後、リプライ送信RE2を受け付けるデータ受信を行う。
【0060】
以上、図4に示す軸受1の中継回路45、軸受1Aの通信回路45A及び中継器145の中継回路45が関連する相互通信のタイミングについて例示したが、これは中継回路45が行う通信を最も単純化した説明である。図3に示す機械設備M2のように、中継回路45は、複数の軸受1Aの通信回路45Aからのデータ送信を中継してもよい。また、中継回路45は、他の複数の中継回路45からのデータ送信を中継してもよい。
【0061】
例えば、軸受1の中継回路45は、リプライ送信RE2を受け付けるデータ受信から単位時間経過後、他のデータ送受信が可能な状態になる。図7では、軸受1の中継回路45が複数の軸受1Aの通信回路45Aからのデータ送信を中継する場合の例として、データ送信SE1を行った通信回路45Aとは異なる通信回路45Aからのデータ送信SE3を受け付けるデータ受信を行っている。軸受1の中継回路45は、データ送信SE3を受け付けるデータ受信から単位時間経過後、リプライ送信RE3を行う。従って、データ送信SE3を行った通信回路45Aは、データ送信SE3の後、リプライ送信RE3を受け付けるデータ受信を行う。また、軸受1の中継回路45は、リプライ送信RE3から単位時間経過後、他のデータ送受信が可能な状態になる。図7では、軸受1の中継回路45が他の軸受1の中継回路45からのデータ送信を中継する場合の例として、当該他の軸受1の中継回路45からのデータ送信SE4を受け付けるデータ受信を行っている。軸受1の中継回路45は、データ送信SE4を受け付けるデータ受信から単位時間経過後、リプライ送信RE4を行う。従って、データ送信SE4を行った通信回路45Aは、データ送信SE4の後、リプライ送信RE4を受け付けるデータ受信を行う。軸受1の中継回路45は、図7に示す(SE5)のように、リプライ送信RE4から単位時間経過後、他のデータ送受信が可能な状態になる。
【0062】
以上、それぞれ異なるペアリングの相手と順次データ送信SE1,SE2,SE3,SE4及びリプライ送信RE1,RE2,RE3,RE4を行う場合について例示したが、所定時間CY内に同じペアリングの相手と複数回データの送受信及びリプライを行ってもよい。例えば、軸受1の中継回路45は、データ送信SE1で送信されたデータを正常に受信できなかった場合、正常に受信できなかったことを示すリプライ送信RE1を軸受1Aの通信回路45Aに返す。また、この場合、軸受1の中継回路45は、リプライ送信RE1以後のタイミングで再度軸受1Aの通信回路45Aからデータの送信を受け付けるようにしてもよい。例えば、上述のデータ送信SE3のタイミングを、再度軸受1Aの通信回路45Aがデータ送信を行うタイミングにしてもよい。
【0063】
また、軸受1からのデータ送信SE2が1回で正常に完了するとは限らない。このため、データ送信SE2が正常に完了しなかった場合、軸受1の中継回路45は、そのことを示すリプライ送信RE2以後のタイミングで再度データ送信を行うようにしてもよい。
【0064】
図8は、メモリMEが記憶するデータの例を示す模式図である。図8は、図6に示す軸受1のメモリMEが記憶するデータを例示している。図6を参照して説明したように、メモリMEは、センサ44から出力されてDMAC49を介して書き込まれたデータを記憶可能に設けられる。また、メモリMEは、中継回路45が受信して書き込んだデータを記憶可能に設けられる。このため、メモリMEが記憶するデータには、センシングデータと中継データとが混在しうる。
【0065】
図8に示すメモリMEには、所定記憶容量単位で区切られたメモリアドレスAD1,AD2,AD3,AD4,AD5…毎に異なるデータが記憶されている。メモリアドレスAD1に対応する記憶領域には、軸受1のセンサ44からのn回目のセンシングデータが記憶されている。メモリアドレスAD2に対応する記憶領域には、軸受1Aの中継回路45から送信されたn回目の中継データが記憶されている。メモリアドレスAD3に対応する記憶領域には、軸受1のセンサ44からのn+1回目のセンシングデータが記憶されている。メモリアドレスAD4に対応する記憶領域には、軸受1Aの中継回路45から送信されたn+1回目の中継データが記憶されている。メモリアドレスAD5に対応する記憶領域には、軸受1のセンサ44からのn+2回目のセンシングデータが記憶されている。センシングデータとは、軸受1のセンサ44から出力されてDMAC49を介して書き込まれたデータである。中継データとは、中継対象(例えば、軸受1Aの中継回路45)から送信されたデータである。末尾のメモリアドレスADmに対応する記憶領域までデータが書き込まれた後には、メモリアドレスAD1から順次上書きされる。m,nは、自然数である。所定記憶容量は、例えば20[byte]であるが、これに限られるものでなく適宜変更可能である。
【0066】
なお、軸受1Aのようにデータを中継しない構成の場合、メモリMEは、DMAC49を介して書き込まれるセンシングデータを順次記憶する。また、中継器145のようにセンサ44を備えない構成の場合、メモリMEは、中継回路45によって書き込まれる中継データを順次記憶する。
【0067】
図9は、軸受1の中継回路45が中継専用モードで動作する場合の通信におけるデータの取り扱いの仕組みを模式的に示すブロック図である。図10は、軸受1の中継回路45がセンシング専用モードで動作する場合の通信におけるデータの取り扱いの仕組みを模式的に示すブロック図である。図9及び図10では、軸受1の中継回路45の処理で取り扱われない対象のブロックにマスキングを施している。
【0068】
軸受1の中継回路45の動作は、軸受1Aの中継回路45からのデータの中継と軸受1のセンサ44が出力したデータの送信との両方を必ず行う動作に限定されない。例えば、図9に示すように、軸受1の中継回路45は、軸受1Aの中継回路45からのデータの中継を行い、軸受1のセンサ44が出力したデータの送信を行わない中継専用モードで動作してもよい。中継専用モードでは、DMAC49を介したセンサ44からのデータのメモリMEに対する書き込みが停止する。
【0069】
また、図10に示すように、軸受1の中継回路45は、軸受1Aの中継回路45からのデータの中継を行わず、軸受1のセンサ44が出力したデータの送信を行いセンシング専用モードで動作してもよい。センシング専用モードでは、軸受1Aの中継回路45との間の通信が停止する。この場合、軸受1Aでは、DMAC49を介したセンサ44からのデータのメモリMEに対する書き込みが継続していてもよい。そして、センシング専用モード以外の動作モードで軸受1の中継回路45が動作を開始した後、軸受1Aの通信回路45Aは、メモリMEから順次データを読み出して送信する。この送信は、軸受1の中継回路45と軸受1Aの通信回路45Aとの通信に割り当て可能な時間と、1回のデータ送信で取り扱い可能なデータ量と、メモリMEの空き容量との関係に基づいて、可能な限りセンシングデータの欠落が生じないよう制御される。
【0070】
以下、軸受1及び軸受1Aの具体的構成例について説明する。図11から図15を参照して、軸受1の具体的構成例について説明し、そのうえで軸受1Aに特筆する事項を説明する。
【0071】
図11は、軸受1の斜視図である。図12及び図13は、軸受1の分解斜視図である。図12は軸受1をカバー10側から見た図であり、図13は軸受1を軸受120側から見た図である。図11から図13に示すように、軸受1は、センサ付き発電ユニット100と、軸受120とを備える。軸受120の一方の側面に、センサ付き発電ユニット100が取り付けられる。図12及び図13に示すように、センサ付き発電ユニット100は、カバー10と、コイル基板20と、回転部30と、回路基板40と、バックカバー60と、を備える。
【0072】
カバー10は、リング状の天板12と、天板12の周囲に接続された筒状の側板11とを有する。カバー10は、ケイ素鋼板、炭素鋼(JIS規格 SS400又はS45C)、マルテンサイト系ステンレス(JIS規格 SUS420)又はフェライト系ステンレス(JIS規格 SUS430)のいずれかのような磁性を有する材料で形成される。
【0073】
図13に示すように、回路基板40は、天板12の一方の面12Aに取り付けられている。一方の面12Aは、軸受120と対向する側の面である。回路基板40は、電源基板41と、センサ基板42とを有する。例えば、図11及び図12に示すように、天板12に開けられた雌ねじ穴に、黄銅など非磁性材料のボルト19Bが締結することで、電源基板41とセンサ基板42とが天板12に固定される。図11及び図12に示すように、ボルト19Bは、カバー10に取り付けられた状態で、カバー10から突出しない長さを有する。
【0074】
また、カバー10には、貫通孔が開けられている。この貫通孔は、樹脂などの非磁性材料で形成された非磁性蓋17で密閉されている。後述するように、センサ基板42には、アンテナ47(後述の図14参照)が実装される。カバー10は磁性を有するので、アンテナ47からの電磁波をシールドする作用を有する。しかし、アンテナ47は非磁性蓋17と対向する位置に配置される。このため、アンテナ47の電波WVは、非磁性蓋17を介してカバー10の外側に伝播する。
【0075】
また、軸受1は、軸受1A等、他の構成から送信されるデータを中継する。このため、電波WVを通過される目的で、軸受120の側面に貫通孔を設けている。実施形態では、当該貫通孔は、非磁性蓋HOで塞がれる。
【0076】
バックカバー60は、センサ付き発電ユニット100の内部を見えないように塞いでいる。バックカバー60は、センサ付き発電ユニット100の内部に異物等が侵入することを防ぐ、シールとしての役割も果たす。バックカバー60は、例えば電波WVの伝送を特に妨げない合成樹脂等の素材を用いて形成されるが、カバー10と同様に非磁性蓋を設けた磁性材料であってもよい。
【0077】
コイル基板20は、天板12の一方の面12Aに取り付けられている。例えば、天板12の中央には、貫通した開口部H12が設けられている。開口部H12の周囲には、他の部分よりも厚さが小さい段差部が設けられている。コイル基板20は、この段差部に嵌め込まれることによって、天板12に対して位置決めされている。また、天板12の一方の面12Aと、コイル基板20の表面は、面一(または、ほぼ面一)となっている。コイル基板20は、例えば接着剤を介して天板12の一方の面に固定されている。
【0078】
図14は、カバー10とコイル基板20の構成例を示す平面図である。図14に示すように、天板12の一方の面12Aには、電源基板41とセンサ基板42とが取り付けられている。電源基板41とセンサ基板42は、平面視で、側板11とコイル基板20との間に位置する。電源基板41には、電源部43が実装されている。電源部43は、回転部30との相対的な回転によってコイル基板20が発電した単相交流電力を直流電圧に変換して、センサ基板42へ供給する。
【0079】
センサ基板42には、センサ44と、中継回路45と、アンテナ47とが実装されている。電源部43からの直流電力は、センサ44及び中継回路45に供給される。センサ44、中継回路45及びアンテナ47は、別々のIC(Integrated Circuit)チップで構成されていてもよいし、それらの一部又は全部が1つのICチップで構成されていてもよい。また、センサ44は、例えば、加速度センサ441と、温度センサ442及び角度センサ443を有する。
【0080】
加速度センサ441は、軸受120の振動を検出する。温度センサ442は、軸受120の周囲温度を検出する。角度センサ443は、軸受120の外輪に対する内輪の相対的な回転角度を検出する。
【0081】
例えば、角度センサ443は、磁気トラック31の側方に位置する。磁気トラック31の側方から磁気が漏れ、漏れた磁気を角度センサ443が検出する。また、磁気トラック31を有する回転部30は内輪に固定されている。角度センサ443は、内輪と共に磁気トラック31が回転することによって変化する磁束密度を検出することによって、外輪に対する内輪の回転角度を検出する。
【0082】
また、図示しないが、センサ44は、軸受120の周囲湿度を検出する湿度センサ、軸受120の潤滑油の酸化劣化に伴って生じるガス状の炭化水素、硫化水素、アンモニア等を検出するガスセンサ、軸受120において生じる摩擦音を検出する超音波センサ等を有してもよい。
【0083】
図14に示すように、コイル基板20は、例えば、フレキシブル基板21と、フレキシブル基板21に設けられたコイルパターン23と、フレキシブル基板21に設けられた複数のヨーク25と、を有する。ヨーク25は、なくてもよい。フレキシブル基板21の平面視による形状は、回転中心軸Axを中心とする正円のリング状である。コイルパターン23は、フレキシブル基板21の厚さ方向に積層された複数の平面コイルを有する。平面コイルとは、絶縁体の所定の面上にパターニングされて設けられた導電体のパターンである。
【0084】
図14に示すように、コイルパターン23の両端は、リード線16を介して電源基板41に接続される。なお、実施形態において、コイルパターン23と電源基板41との接続は、リード線16ではなく、FPC(Flexible Printed Circuit)コネクタを介して行われてもよい。または、コイル基板20を延長して電源基板41と直接接続されてもよい。FPCコネクタを使用した接続では、半田が不要となるので、センサ付き発電ユニット100の生産性をさらに高めることができる。
【0085】
図14に示すように、コイルパターン23は、平面視で第1方向に延びる複数の第1導電部231と、第1方向と平面視で交差する第2方向に延びる複数の第2導電部232と、を有する。第1方向は、例えば、回転中心軸Axを中心とする円の円周方向である。第2方向は、例えば、回転中心軸Axを中心とする円の径方向である。第1導電部231と第2導電部232は、交互に直列に接続されている。
【0086】
ヨーク25は、平面視で、第1導電部231の一方の側に位置する第1ヨーク25Aと、第1導電部231の他方の側に位置する第2ヨーク25Bとを有する。例えば、第1ヨーク25Aは、第1導電部231よりも回転中心軸Axから遠い側に位置する。第2ヨーク25Bは、第1導電部231よりも回転中心軸Axから近い側に位置する。第1ヨーク25Aと回転中心軸Axとの距離と第2ヨーク25Bと回転中心軸Axとの距離は等しい。
【0087】
コイルパターン23は、平面視で、回転中心軸Axを中心とする円の円周方向に沿って凹凸が交互に並ぶように延設されている。この凹凸の凹部233にヨーク25が1つずつ配置されている。
【0088】
図15は、磁気トラック31の構成例を示す平面図である。図15に示すように、磁気トラック31の平面視による形状は、回転中心軸Axを中心とする正円のリング状である。磁気トラック31は、N極31NとS極31Sとからなる磁極対311を複数有する。複数の磁極対311は、回転中心軸Axを中心とする円の円周方向に並んでいる。N極31N及びS極31Sは、交互に配置されている。
【0089】
図15に示すように、回転中心軸Axを中心とする円の円周方向において、隣り合うN極31NとS極31Sとの中心間の角度31pは、ヨーク25の中心間の角度と同じ長さになっている。すなわち、角度31pは、円周方向に隣り合う2つの第2導電部232の間の角度と等しい。
【0090】
図12及び図13に示したように、回転部30は、磁気トラック31と、リング状の基材33と、リング状の取り付け治具35と、を有する。基材33及び取り付け治具35は、金属製である。磁気トラック31は、基材33の一方の面側に設けられている。取り付け治具35は、基材33の他方の面側に固定されている。取り付け治具35は、基材33の他方の面側から、基材33の中央に位置する貫通した開口部H33を通って、基材33の一方の面側に突き出ている。基材33の一方の面側はカバー10と対向する面側である。基材33の他方の面側はバックカバー60と対向する面側である。
【0091】
実施形態では、磁気トラック31と基材33とを合わせて、エンコーダマグネットという。例えば、エンコーダマグネットは、金属製の基材の一方の面にプラスチックマグネットが形成され、形成されたプラスチックマグネットの表面にN極31NとS極31Sとが交互に着磁されることにより形成される。取り付け治具35は、エンコーダマグネットを、シャフトSHのような回転軸として機能する構成に取り付けるために使用される。すなわち、エンコーダマグネットは、取り付け治具35を介して回転軸として機能する構成に固定されることで、回転軸の回転動作に伴って回転する。一方、カバー10は、開口部H12によって回転軸と非接触である。従って、カバー10は回転しない。カバー10は、軸受120の外輪に固定されていてもよいし、筐体MCA又は筐体GCAに固定されていてもよい。
【0092】
実施形態では、取り付け治具35の形状や内径寸法を変化させることで、センサ付き発電ユニット100を様々な軸受サイズに対応させることができる。また、磁気トラック31の磁極対311の数や、磁気トラック31のマグネット材料を変更することで、発電量を調整することもできる。また、実施形態では、センサ付き発電ユニット100を様々な軸受サイズに対応させるため、回転部30をエンコーダマグネットと取り付け治具35と分離可能な構成としている。なお、軸受サイズが1種類に限定される場合は、エンコーダマグネットと取り付け治具35とを一体成形してもよい。この場合は、センサ付き発電ユニット100の生産性が向上する。
【0093】
回転中心軸Axを中心に、コイル基板20に対して磁気トラック31が相対的に回転すると、第1ヨーク25AがN極31Nと対向するときは、第2ヨーク25BはS極31Sと対向する。また、第1ヨーク25AがS極31Sと対向するときは、第2ヨーク25BはN極31Nと対向する。第1ヨーク25A及び第2ヨーク25Bは、磁気トラック31の同一磁極と対向することはない。これにより、第1ヨーク25Aを通る磁束密度の変化の位相と、第2ヨーク25Bを通る磁束密度の変化の位相は、180°ずれた状態となる。
【0094】
上述したように、第1ヨーク25Aは、第1導電部231よりも回転中心軸Axから遠い側に位置する。第2ヨーク25Bは、第1導電部231よりも回転中心軸Axに近い側に位置する。このため、第1ヨーク25Aを通る磁束密度の変化によってコイルパターン23に生じる誘導電流と、第2ヨーク25Bを通る磁束密度の変化によってコイルパターン23に生じる誘導電流は、同じ方向に流れる。このように、コイル基板20と磁気トラック31との相対的な回転によって、コイル基板20に正弦波の交流電圧が生じる。これのよって、コイル基板20が単相交流電力を生じさせる電源として機能する。当該単相交流電力は、電源部43によって直流電圧に変換されて、センサ44及び中継回路45を含むセンサ基板42に供給される。
【0095】
図11から図15を参照して説明した軸受1のセンサ44及び中継回路45は、コイル基板20からの電力供給で動作する。図6を参照して説明したDMAC49及びメモリMEも、コイル基板20からの電力供給で動作する。図14では、DMAC49及びメモリMEは、中継回路45の回路パッケージ内に同枠された状態で実装されている。
【0096】
なお、軸受1Aの場合、図14に示す中継回路45が通信回路45Aに置換される。通信回路45Aは、データの中継に関する機能を有しない点を除いて、中継回路45と同様である。中継回路45と通信回路45Aとの差異を除いて、軸受1と軸受1Aとは同様の構成である。
【0097】
図11から図15を参照した構成では、相対的に回転するコイル基板20と回転部30とを発電部として機能させて中継回路45(又は通信回路45A)及びセンサ44に電力を供給しているが、電力の供給方法はこれに限られるものでない。例えば、リード線16を電池に接続してもよい。当該電池は、カバー10とバックカバー60との間に配置可能な形状及び大きさの電池として設けられる。また、カバー10又は軸受120の外周側面に太陽電池パネルを配置してもよい。この場合、太陽電池パネルの形状は、例えば側板11と同様の形状になる。また、機械設備M1、機械設備M2の内部であって、当該太陽電池パネルを照明可能な位置に発光ダイオード等の光源が配置される。当該光源は、外部に設けられた電源又はモータユニットMUと共通の電源に接続される。
【0098】
以上説明したように、実施形態によれば、第1の軸受に相当する軸受120と、第1の軸受の状態を検知する第1のセンサに相当するセンサ44と、第1のセンサが出力したデータを送信する通信回路45Aとを含むセンサ付き軸受に相当する軸受1Aと、第2の軸受に相当する軸受120と、第2の軸受の状態を検知する第2のセンサに相当するセンサ44と、通信回路45Aが送信したデータを中継し且つ第2のセンサが出力したデータを送信する中継回路45とを含む中継機能付き軸受に相当する軸受1と、中継回路45が送信したデータを外部の受信機150に中継する中継器145と、を備える。
【0099】
従って、軸受1Aと軸受1とが軸受120の状態を個別にセンシングすることができる。また、軸受1が、軸受1Aのセンシングに関するデータを受信し、このデータと軸受1のセンシングに関するデータを中継器145に送信する。つまり、軸受1によって軸受1Aのデータを中継することができる。このため、中継器145と軸受1Aとが直接通信することが困難であっても、軸受1と軸受1Aとが通信可能であり、軸受1と中継器145とが通信可能な状態であればよい。従って、複数の軸受120が設けられる環境下における軸受120の配置条件をより緩和することができる。また、軸受1Aに求められる電波WVの出力強度に関する条件をより緩和することができる。また、中継器145によって、軸受120の状態を個別にセンシングした結果を外部から取得することができる。
【0100】
また、軸受1A及び軸受1は、電波WVを遮断する筐体の内側に設けられる。この筐体は、例えば図2図3を参照して説明した筐体MCA、筐体GCAの少なくともいずれか一方である。従って、軸受1A及び軸受1が筐体の内側に設けられていても、軸受1Aと軸受1の通信及び軸受1と中継器145の通信によって軸受120の状態を個別にセンシングした結果を外部から取得することができる。
【0101】
また、中継器145は、筐体の内側に露出する第1のアンテナに相当するアンテナ146と、筐体の外側に露出する第2のアンテナに相当するアンテナ147とを備える。従って、アンテナ146を介して軸受1と中継器145の通信をより確実に行うことができる。また、アンテナ147を介して中継器145と外部の受信機150の通信をより確実に行うことができる。
【0102】
また、軸受1A及び軸受1は、発電部を備え、発電部は、N極31NとS極31Sとが並ぶ磁気トラック31と、磁気トラック31と対向する位置に配置されたコイル基板20と、を有し、磁気トラック31とコイル基板20とは、相対的に回転可能に設けられる。
【0103】
従って、複数の軸受120を用いて回転可能に支持される構成を含む環境下で当該構成の回転を利用して磁気トラック31とコイル基板20とを相対的に回転させることで発電を行うことができる。これによって、発電部によって発電された電力を用いてセンサ44、通信回路45A及び中継回路45を動作させることができる。
【符号の説明】
【0104】
1 軸受(中継機能付き軸受)
1A 軸受(センサ付き軸受)
20 コイル基板
31 磁気トラック
44 センサ
45 中継回路
45A 通信回路
120 軸受
145 中継器
146,147 アンテナ
150 受信機
200 無線通信システム
GCA,MCA 筐体
図1
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