(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】機器操作順提示装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20230920BHJP
G06F 3/048 20130101ALI20230920BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20230920BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20230920BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
G05B23/02 X
G06F3/048
G09G5/00 550X
G09G5/00 550C
G09G5/00 530M
G09G5/00 530T
G09G5/00 510C
G09B29/00 F
G09B29/10 A
(21)【出願番号】P 2019158251
(22)【出願日】2019-08-30
【審査請求日】2022-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】頼定 賢吾
【審査官】牧 初
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-091110(JP,A)
【文献】特開平11-231909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/00-23/02
G05B 9/00- 9/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
複数の機器のそれぞれを操作する順番である各機器の操作順に、前記各機器に割り当てられた識別データを記憶した記憶部と、
前記機器に付されるとともに前記識別データを符号化したコードを撮像する撮像部と、
前記撮像部の撮像の度に、前記撮像部によって撮像されたコードを前記識別データに復号化する復号化部と、
前記操作順に従って、前記記憶部に記憶された前記識別データと前記復号化部によって復号化された前記識別データとを照合する照合部と、
前記照合部によって照合される度に、前記照合部による照合の結果を前記表示部に表示させる結果表示部と、を備え
、
前記撮像部が前記コードを撮像するとき、前記表示部の画面中の所定の枠内に前記復号化部が復号化するべき前記コードを合成し、前記表示部の画面中の前記枠の近傍に操作する前記機器の名称及び識別番号を合成して表示する
機器操作順提示装置。
【請求項2】
前記記憶部が、前記各機器の設置位置を表した設置位置データを前記識別データに対応付けて記憶し、
前記機器操作順提示装置が、前記撮像部の各撮像の前に、前記操作順に従って、前記設置位置データに基づいた設置位置にマークが付された地図を前記表示部に表示させる地図表示部を更に備える
請求項1に記載の機器操作順提示装置。
【請求項3】
前記記憶部が、前記各機器の操作手順を表した操作手順データを前記識別データに対応付けて記憶し、
前記照合部による照合の結果が一致の旨である場合に、前記結果表示部が、前記操作順に従って、前記操作手順データの内容を前記表示部に表示させる
請求項1又は2に記載の機器操作順提示装置。
【請求項4】
前記照合部による照合の結果が一致の旨である場合に、前記結果表示部が前記操作手順データの内容を前記表示部に表示させる度に、前記撮像部が、前記機器に付されたコードを再撮像し、
前記機器操作順提示装置が、
前記撮像部の再撮像の度に、前記撮像部によって再撮像されたコードを前記識別データに復号化する第2復号化部と、
前記操作順に従って、前記記憶部に記憶された前記識別データと前記第2復号化部によって復号化された前記識別データとを照合する第2照合部と、
前記第2照合部による照合の結果が一致の旨である場合に、前記操作順に従って、完了の旨を表すチェックデータを前記識別データに対応付けて前記記憶部に記録する記録部と、を備える
請求項3に記載の機器操作順提示装置。
【請求項5】
表示部と、
複数の機器のそれぞれを操作する順番である各機器の操作順に、前記各機器に割り当てられた識別データを記憶した記憶部と、
前記機器に付されるとともに前記識別データを符号化したコードを撮像する撮像部と、に接続されたコンピュータを、
前記撮像部の撮像の度に、前記撮像部によって撮像されたコードを前記識別データに復号化する復号化部、
前記操作順に従って、前記記憶部に記憶された前記識別データと前記復号化部によって復号化された前記識別データとを照合する照合部、
及び
前記照合部によって照合される度に、前記照合部による照合の結果を前記表示部に表示させる結果表示部、
として機能させ
、
更に、前記撮像部が前記コードを撮像するとき、前記表示部の画面中の所定の枠内に前記復号化部が復号化するべき前記コードを合成し、前記表示部の画面中の前記枠の近傍に操作する前記機器の名称及び識別番号を合成して表示するように機能させるプログラム。
【請求項6】
前記記憶部が、前記各機器の設置位置を表した設置位置データを前記識別データに対応付けて記憶し、
前記コンピュータを、
前記撮像部の各撮像の前に、前記操作順に従って、前記設置位置データに基づいた設置位置にマークが付された地図を前記表示部に表示させる地図表示部
として機能させる請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記記憶部が、前記各機器の操作手順を表した操作手順データを前記識別データに対応付けて記憶し、
前記照合部による照合の結果が一致の旨である場合に、前記結果表示部が、前記操作順に従って、前記操作手順データの内容を前記表示部に表示させる
請求項5又は6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記照合部による照合の結果が一致の旨である場合に、前記結果表示部が前記操作手順データの内容を前記表示部に表示させる度に、前記撮像部が、前記機器に付されたコードを再撮像し、
前記コンピュータを、
前記撮像部の再撮像の度に、前記撮像部によって再撮像されたコードを前記識別データに復号化する第2復号化部、
前記操作順に従って、前記記憶部に記憶された前記識別データと前記第2復号化部によって復号化された前記識別データとを照合する第2照合部、
及び
前記第2照合部による照合の結果が一致の旨である場合に、前記操作順に従って、完了の旨を表すチェックデータを前記識別データに対応付けて前記記憶部に記録する記録部、
として機能させる請求項7に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器操作順提示装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
発電所には、多数の機器が設置されている。作業者がこれら機器を誤操作することがあり、大きな問題となっており、そのような問題を解決する技術も開発されている(例えば、特許文献1)。また、複数の機器を決められた順番で操作する必要があるが、作業者が操作順を誤ることがある。特に、作業者の経験が浅いと、誤操作及び操作順の間違いの発生確率が高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、作業者が発電所等の施設内の複数の機器を正しい順番で操作できるようにする機器操作順提示装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、機器操作順提示装置が、表示部と、複数の機器のそれぞれを操作する順番である各機器の操作順に、前記各機器に割り当てられた識別データを記憶した記憶部と、前記機器に付されるとともに前記識別データを符号化したコードを撮像する撮像部と、前記撮像部の撮像の度に、前記撮像部によって撮像されたコードを前記識別データに復号化する復号化部と、前記操作順に従って、前記記憶部に記憶された前記識別データと前記復号化部によって復号化された前記識別データとを照合する照合部と、前記照合部によって照合される度に、前記照合部による照合の結果を前記表示部に表示させる結果表示部と、を備え、前記撮像部が前記コードを撮像するとき、前記表示部の画面中の所定の枠内に前記復号化部が復号化するべき前記コードを合成し、前記表示部の画面中の前記枠の近傍に操作する前記機器の名称及び識別番号を合成して表示する。
【0006】
以上によれば、作業者がこれから機器を操作するに際して、コードを機器操作順提示装置に入力すると、照合結果が表示部に表示される。そのため、作業者は、これから操作しようとする機器の操作順が正しいか否かを事前に把握することができる。
【0007】
前記記憶部が、前記各機器の設置位置を表した設置位置データを前記識別データに対応付けて記憶し、前記機器操作順提示装置が、前記撮像部の各撮像の前に、前記操作順に従って、前記設置位置データに基づいた設置位置にマークが付された地図を前記表示部に表示させる地図表示部を更に備える。
【0008】
以上によれば、作業者が表示部に表示された地図を見れば、機器までの道程を把握することができる。
【0009】
前記記憶部が、前記各機器の操作手順を表した操作手順データを前記識別データに対応付けて記憶し、前記照合部による照合の結果が一致の旨である場合に、前記結果表示部が、前記操作順に従って、前記操作手順データの内容を前記表示部に表示させる。
【0010】
以上によれば、作業者が表示部に表示された操作手順データの内容を見れば、機器を正しく操作することができる。
【0011】
前記照合部による照合の結果が一致の旨である場合に、前記結果表示部が前記操作手順データの内容を前記表示部に表示させる度に、前記撮像部が、前記機器に付されたコードを再撮像し、前記機器操作順提示装置が、前記撮像部の再撮像の度に、前記撮像部によって再撮像されたコードを前記識別データに復号化する第2復号化部と、前記操作順に従って、前記記憶部に記憶された前記識別データと前記第2復号化部によって復号化された前記識別データとを照合する第2照合部と、前記第2照合部による照合の結果が一致の旨である場合に、前記操作順に従って、完了の旨を表すチェックデータを前記識別データに対応付けて前記記憶部に記録する記録部と、を備える。
【0012】
以上によれば、作業者によって機器の操作が完了した否かを事後的に検査・点検することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の実施形態によれば、作業者が複数の機器を正しい順番で操作できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】機器及びその機器に付されたコードを示した図面である。
【
図4】コンピュータの一連の処理を示したフローチャートである。
【
図5】コンピュータの一連の処理を示したフローチャートである。
【
図6】機器操作順提示装置の表示部に表示される画面を示した図面である。
【
図7】機器操作順提示装置の表示部に表示される画面を示した図面である。
【
図8】機器操作順提示装置の表示部に表示される画面を示した図面である。
【
図9】機器操作順提示装置の表示部に表示される画面を示した図面である。
【
図10】機器操作順提示装置の表示部に表示される画面を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されている。本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0016】
図1は、発電所、変電所、製造所等の工場において用いられる機器操作順提示装置100のブロック図である。工場には、
図2に示すような機器2が多数設置されている。各機器2には、QRコード(登録商標)等の二次元コード3が直接的又は間接的に付されている。各機器2には、機器2ごとに固有の識別番号が割り当てられており、二次元コード3は固有の識別番号を符号化したものである。なお、各機器2に付されたコードは二次元コード3に限るものではなく、バーコード等の一次元コードであってもよい。また、二次元コード3は、固有の識別番号に加えて、機器2の名称も符号化したものであってもよい。
【0017】
機器操作順提示装置100が工場内の各機器2の操作順に従って各機器2の設置場所及び操作手順を作業者に提示するため、作業者が遺漏無くこれら機器2を決められた順番及び手順で正しく且つ迅速に操作することができる。また、機器操作順提示装置100が各機器2の設置位置を地図とともに提示するため、作業者が道程に迷うこと無く各機器2の設置位置まで移動することができる。また、作業者が各機器2の操作の前に二次元コード3の識別番号と正しい操作順の識別番号との照合を機器操作順提示装置100に行わせるため、その操作順で機器2を確実に操作することができる。特に、この機器操作順提示装置100は、工場内の各機器2の操作経験の浅い作業者に対して有効的である。
【0018】
機器操作順提示装置100はタブレットコンピュータシステム、スマートフォン、ノートパソコン等の携帯型コンピュータシステムである。機器操作順提示装置100にインストールされたオペレーションシステムは特に限定されるものではなく、例えばAndroid(登録商標)、iOS(登録商標)、Windows(登録商標)、macOS(登録商標)又はLinux(登録商標)である。
【0019】
機器操作順提示装置100は、ハードウェアとしてのコンピュータ10、記憶部11、入力部12、表示部13、位置計測部14、撮像部15及び無線通信部16を備える。
【0020】
コンピュータ10は、CPU、GPU、ROM、RAM、システムバスバス及びハードウェアインタフェース等を有する。コンピュータ10には、記憶部11、入力部12、表示部13、位置計測部14、撮像部15及び無線通信部16が接続されている。
【0021】
記憶部11は、半導体メモリ又はハードディスクドライブ等からなる記憶装置である。コンピュータ10は記憶部11の読み書き可能である。
【0022】
入力部12は、スイッチ、キーボード、ポインティングデバイス等の入力装置である。作業者が各種の指令をコンピュータ10に出したり、各種のデータをコンピュータ10に入力したり、GUI(Graphical User Interface)の構成要素を操作したりする際に、入力部12が作業者によって操作されることによって操作内容に応じた信号をコンピュータ10に出力する。
【0023】
表示部13は、液晶ディスプレイデバイス、有機ELディスプレイデバイス等のディスプレイ装置である。コンピュータ10が映像信号を表示部13に出力することによって、表示部13が映像信号に従った画面を表示する。
【0024】
位置計測部14は、複数の航法衛星から電波を受信することによって測位を行うとともに、その計測された位置(緯度、経度)の差分から向きを求める衛星航法受信機である。コンピュータ10が位置計測部14を動作させると、位置計測部14が位置を計測して、その位置のデータをコンピュータ10に出力する。
【0025】
撮像部15は、レンズ、イメージセンサ及び信号処理回路等を有する電子撮像デバイスである。コンピュータ10は、撮像部15によって撮像される動画或いは静止画を入力する。
【0026】
無線通信部16は例えば無線LAN通信モジュール又はモバイル通信モジュールである。コンピュータ10は無線通信部16によってインターネットに接続可能となっている。
【0027】
記憶部11には、手引きデータ20が格納されている。
図3に示すように、手引きデータ20は、順番データ21と、識別データ22と、機器名称データ23と、設置位置データ24と、操作手順データ25と、チェックデータ26とからなる。
【0028】
順番データ21は、機器2の操作順を表す。識別データ22は、機器2に割り振られた固有の識別番号を表す。機器名称データ23は、機器2の名称を表す。設置位置データ24は、機器2の設置位置を緯度及び経度で表す。操作手順データ25は、機器2の操作手順を文章(テキスト)又はイラスト(画像)で表す。チェックデータ26は、機器2の操作が完了したか否かを表す。
【0029】
識別データ22が順番データ21に対応付けられており、識別データ22によって表された識別番号が割り振られた機器2の操作順が順番データ21によって表されている。識別データ22が順番データ21に対応付けられているため、識別データ22は機器2の操作順に配列されている。識別データ22ごとに、順番データ21、機器名称データ23、設置位置データ24、操作手順データ25及びチェックデータ26が識別データ22に対応付けられている。機器名称データ23が機器2の操作順に配列され、設置位置データ24が機器2の操作順に配列され、操作手順データ25が機器2の操作順に配列され、チェックデータ26が機器2の操作順に配列されている。
【0030】
記憶部11には、オペレーションシステムにインストールされたプログラム30が格納されている。このプログラム30は、オペレーションシステム上で、
図4及び
図5に示す一連の処理をコンピュータ10に実行させる。以下、プログラム30に従った一連の処理の流れについて詳細に説明する。
【0031】
まず、作業者が入力部12を操作(例えば、タップ、ダブルタップ、ロングタップ、押下等)して、コンピュータ10にプログラム30を実行させる。そうすると、コンピュータ10が、操作順を表す計数値nを1に設定する(ステップS1)。なお、この時点では、何れのチェックデータ26も値が「未完」となっている。
【0032】
次に、コンピュータ10が、計数値nに等しい値の順番データ21に対応付けられた識別データ22、機器名称データ23、設置位置データ24及び操作手順データ25を読み込む(ステップS2)。
【0033】
次に、コンピュータ10は、位置計測部14を動作させて、位置計測部14によって計測された位置のデータを位置計測部14から取得する。そして、コンピュータ10は、読み込んだ設置位置データ24及び入力した位置データが範囲に含まれた地図データを地図サーバに無線通信部16を介して要求して、地図サーバから地図データをダウンロードして、
図6に示すように地図データに基づいた地図を表示部13に表示させる(ステップS3)。具体的には、コンピュータ10は、設置位置データ24に従った地図中の位置に機器マーク41を地図に合成するとともに、位置計測部14から取得した位置データに従った地図中の位置に現在地マーク42を地図に合成して、その地図を表示部13に表示させる。更に、コンピュータ10は、地図に加えて、次の工程に移行のためのウィジェット(例えば、ボタン)43も
図6の画面に合成する。更に、コンピュータ10は、地図に加えて、読み込んだ機器名称データ23に従って機器の名称及び識別番号(名称・番号表示部44参照)を
図6の画面に合成する。
【0034】
従って、作業者は表示部13に表示された地図を見れば、自身の居場所を確認することができる。また、作業者は、設置位置データ24の位置に設置された機器2の設置場所も確認することができる。更に、作業者は名称・番号表示部44を見ることによって、操作すべき機器2の名称及び識別番号を認識することができる。
【0035】
以上のようにステップS3の処理を実行するコンピュータ10の機能が地図表示部である。
【0036】
作業者は、表示部13に表示された地図を参考にしながら、機器2の設置位置へ向かう。この際、コンピュータ10は、ウィジェット43の選択・決定がなされた否かを判定する(ステップS4)。ウィジェット43の選択・決定がなされていなければ(ステップS4:NO)、コンピュータ10が位置計測部14を動作させる。そのため、位置計測部14によって計測される位置が更新され、コンピュータ10が地図中の現在地マーク42の位置も更新される(ステップS3)。
【0037】
その後、作業者が機器2の設置位置に到着する。そして、作業者が入力部12を操作することによってウィジェット43を選択して決定すると、コンピュータ10がそのことを認識する(ステップS4:YES)。そうすると、コンピュータ10が、撮像部15を動作させるとともに、
図7に示すような画面を表示部13に表示させる(ステップS5)。具体的には、コンピュータ10は、撮像部15によって撮像される映像を画面中の枠45の内側に合成する。更に、コンピュータ10は、コード入力指示を表した指示表示部46も枠45の近傍に合成する。更に、コンピュータ10は、読み込んだ機器名称データ23に従って機器の名称及び識別番号を表した名称・番号表示部47を枠45の近傍に合成する。
【0038】
従って、作業者は指示表示部46を見ることによって、操作すべき機器2に付された二次元コード3を入力すべき旨を認識する。更に、作業者は名称・番号表示部47を見ることによって、操作すべき機器2の名称及び識別番号を認識することができる。
【0039】
そして、作業者が機器操作順提示装置100の撮像部15を二次元コード3に向けると、撮像部15からコンピュータ10に転送される映像に二次元コード3の像が含まれ、コンピュータ10が二次元コード3の像を画像認識する。そして、コンピュータ10が二次元コード3の像を識別番号に復号化する(ステップS5)。以下、二次元コード3の像から復号化された識別番号を表したデータを読取識別データという。二次元コード3の像を識別番号に復号化するコンピュータ10の機能が復号化部である。
【0040】
次に、コンピュータ10は、読取識別データと、読み込んだ識別データ22とを照合して、両者が一致するか否か判定する(ステップS6)。このような照合をするコンピュータ10の機能が照合部である。
【0041】
照合の結果、両者が一致しない場合には、コンピュータ10の処理がステップS7に移行し、両者が一致する場合には、コンピュータ10の処理がステップS8に移行する。ステップS7,S8の処理を実行するコンピュータ10の機能が照合結果部である。
【0042】
ステップS7では、コンピュータ10が
図8に示すようなエラー画面を表示部13に表示させる。このエラー画面では、読み込んだ識別データ22と読取識別データとの照合の結果が表示される。具体的には、目の前の機器2が照合対象の識別データ22の識別番号が割り当てられた機器と異なる旨がエラー画面に表示される(符号49参照)。これにより、作業者は目の前の機器2を操作すべきでない旨を認識する。また、この画面では、コンピュータ10によって読み込まれた機器名称データ23及び識別データ22の内容(機器名称及び識別番号)が名称・番号表示部48に表示されている。
図8に示すエラー画面の表示後、コンピュータ10の処理がステップS3に戻る。そのため、地図が再び表示部13に表示され、その地図中には機器マーク41及び現在地マーク42が表示される。
【0043】
ステップS8では、コンピュータ10が
図9に示すような操作手順指示画面を表示部13に表示させる。具体的には、コンピュータ10が、読み込んだ操作手順データ25に従った操作手順の内容(操作手順表示部51参照)を操作手順指示画面に合成して、その操作手順指示画面を表示部13に表示させる。
【0044】
操作手順指示画面では、ステップS6における照合の結果も表示される。つまり、コンピュータ10が、識別データ22の識別番号が割り当てられた機器2である旨(符号50参照)を操作手順指示画面に合成する。
【0045】
作業者が操作手順指示画面を見れば、目の前の機器2を操作すべきことを認識することができる上、操作手順指示画面に表示された操作手順に従って目の前の機器2を操作することができる。
【0046】
また、コンピュータ10は、作業手順に加えて、読み込んだ機器名称データ23に従って機器の名称及び識別番号(名称・番号表示部52参照)を操作手順指示画面に合成する。従って、作業者は名称・番号表示部52を見ることによって、操作すべき目の前の機器2の名称及び識別番号を認識することができる。また、コンピュータ10は、次の工程に移行のためのウィジェット(例えば、ボタン)53も操作手順指示画面に合成する。
【0047】
図9の操作手順指示画面が表示されたら、作業者は表示部13に表示された操作手順に従って、目の前の機器2を操作する。この際、コンピュータ10は、ウィジェット53の選択・決定がなされた否かを判定する(ステップS9)。ウィジェット53の選択・決定がなされていなければ(ステップS9:NO)、コンピュータ10が操作手順指示画面を継続して表示部13に表示させる。
【0048】
その後、作業者が目の前の機器2の操作を完了する。そして、作業者が入力部12を操作することによってウィジェット53を選択して決定すると、コンピュータ10がそのことを認識する(ステップS9:YES)。そうすると、コンピュータ10が、撮像部15を動作させるとともに、
図10に示すような画面を表示部13に表示させる(ステップS10)。具体的には、コンピュータ10は、撮像部15によって撮像される映像を画面中の枠54の内側に合成する。更に、コンピュータ10は、コード入力指示を表した指示表示部55も枠54の近傍に合成する。更に、コンピュータ10は、読み込んだ機器名称データ23に従って機器の名称及び識別番号を表した名称・番号表示部56を枠54の近傍に合成する。なお、コンピュータ10の処理がステップS9:YESからステップS13に移行するものとしてもよい。
【0049】
そして、作業者が機器操作順提示装置100の撮像部15を二次元コード3に向けると、撮像部15からコンピュータ10に転送される映像に二次元コード3の像が含まれ、コンピュータ10が二次元コード3の像を画像認識する。そして、コンピュータ10が二次元コード3の像を識別番号に復号化する(ステップS10)。ステップS10において二次元コード3の像から復号化された識別番号を表したデータを第2読取識別データという。このように二次元コード3の像を識別番号に復号化するコンピュータ10の機能が第2復号化部である。
【0050】
次に、コンピュータ10は、読み込んだ識別データ22と第2識別データとを照合して、両者が一致するか否か判定する(ステップS11)。このような照合をするコンピュータ10の機能が第2照合部である。
【0051】
照合の結果、両者が一致しない場合には、コンピュータ10の処理がステップS12に移行し、両者が一致する場合には、コンピュータ10の処理がステップS13に移行する。
【0052】
ステップS12では、コンピュータ10がエラー画面を表示部13に表示させる。ステップS13において表示されるエラー画面は、ステップS7で表示されるエラー画面と同じである。エラー画面の表示後、コンピュータ10の処理がステップS10に戻るので、作業者が再度二次元コード3を入力することができる。
【0053】
ステップS13では、コンピュータ10が、計数値nに等しい値の順番データ21に完了の旨のチェックデータ26を対応付けて、記憶部11に記録する。よって、順番データ21によって表された順番に操作される機器2の操作の完了が記録され、後に手引きデータ20を閲覧すれば、その機器2の操作がもれなく行えたか検査・点検することができる。このようにチェックデータ26を記憶部11に記録するコンピュータ10の機能が記憶部である。
【0054】
ステップS13後、コンピュータ10が計数値nに1を加算することによって計数値nを更新する(ステップS14)。そして、コンピュータ10が、更新後の計数値nを最大の順番データ21(最後の順番データ21)の値と比較する(ステップS15)。比較の結果、計数値nが最大の順番データ21の値を超えていれば(ステップS15:YES)、コンピュータ10の処理が終了する。一方、計数値nが最大の順番データ21の値以下であれば(ステップS15:NO)、コンピュータ10の処理がステップS2に戻る。
【0055】
そのため、計数値nに等しい値の順番データ21に対応付けられた識別データ22、機器名称データ23、設置位置データ24及び操作手順データ25がコンピュータ10に読み込まれ(ステップS2)、次に操作すべき機器2への案内(ステップS3参照)、読取識別データと識別データ22の照合(ステップS5,S6参照)、操作手順の表示(ステップS8参照)、第2読取データと識別データ22の再照合(ステップS10,S11)及び操作完了のチェック(ステップS13)が行われる。従って、計数値nが最大の順番データ21の値を超えるまで(ステップS15:YES)、ステップS2~ステップS15の処理が繰り返し実行される。従って、作業者は各機器2を正しい順番で操作することができる。
【0056】
上記実施形態では、識別データ22に対応付けられた順番データ21に基づいてコンピュータ10が機器2の操作順を認識する。それに対して、識別データ22の配列順に基づいてコンピュータ10が機器2の操作順を認識してもよい。
【符号の説明】
【0057】
100…機器操作順提示装置
10…コンピュータ(復号化部、照合部、結果表示部、地図表示部、第2復号化部、第2照合部、記録部)
11…記憶部
13…表示部
15…撮像部
21…順番データ
22…識別データ
24…設置位置データ
26…チェックデータ
30…プログラム