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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20230920BHJP
   B65H 7/02 20060101ALI20230920BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
G03G21/00 370
B65H7/02
H04N1/00 567H
G03G21/00 500
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019160269
(22)【出願日】2019-09-03
(65)【公開番号】P2021039230
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000039
【氏名又は名称】特許業務法人アイ・ピー・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】四方 雅人
(72)【発明者】
【氏名】本田 誠司
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-019117(JP,A)
【文献】特開2011-013678(JP,A)
【文献】特開平05-303252(JP,A)
【文献】特開2017-073627(JP,A)
【文献】特開2014-036349(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 15/00
B41J 29/38
B65H 7/02
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を載置する原稿載置部に載置された原稿を搬送して原稿を読み取る原稿読取装置であって、前記原稿載置部と、前記原稿載置部に載置された原稿のサイズを検出する第1の原稿サイズ検出手段と、搬送されている原稿のサイズを検出する第2の原稿サイズ検出手段と、を有する前記原稿読取装置と、
前記原稿読取装置により読み取った画像を記録媒体に形成する画像形成部と、
前記画像形成部に搬送する記録媒体を収容する記録媒体収容部と、
前記記録媒体収容部から前記画像形成部へ搬送する記録媒体の特性を検出するメディアセンサと、
前記第1の原稿サイズ検出手段により検出された原稿の長さ及び幅の情報から仮決定された原稿サイズに対応した前記記録媒体収容部から記録媒体を前記メディアセンサまで搬送するように制御する制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記第1の原稿サイズ検出手段により検出された原稿サイズと、前記第2の原稿サイズ検出手段により検出された原稿サイズとが一致しない場合に前記画像形成部により記録媒体に画像を形成しないように制御し、かつ、前記画像形成部により画像が形成されていない記録媒体を排出するように制御する
画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記原稿読取装置における原稿の搬送中に前記記録媒体収容部から記録媒体を前記メディアセンサまで搬送しているように制御する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記原稿読取装置において原稿を搬送している時間内に前記記録媒体収容部から記録媒体を前記メディアセンサまで搬送している時間が含まれるように制御する請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記記録媒体収容部から記録媒体を前記メディアセンサまでの記録媒体の搬送中に前記原稿読取装置において原稿を搬送しているように制御する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記記録媒体収容部から記録媒体を前記メディアセンサまで搬送している時間内に前記原稿読取装置において原稿を搬送している時間が含まれるように制御する請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記原稿読取装置は、原稿を搬送するように駆動する原稿搬送用駆動部を有し、前記記録媒体収容部から記録媒体を前記メディアセンサまで搬送する記録媒体搬送用駆動部を有し、前記制御手段は、前記原稿搬送用駆動部の駆動中に前記記録媒体搬送用駆動部が駆動しているように制御する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記原稿搬送用駆動部が駆動している時間内に前記記録媒体搬送用駆動部が駆動している時間が含まれるように制御する請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記原稿読取装置は、原稿を搬送するように駆動する原稿搬送用駆動部を有し、前記記録媒体収容部から記録媒体を前記メディアセンサまで搬送する記録媒体搬送用駆動部を有し、前記制御手段は、前記記録媒体搬送用駆動部が駆動中に前記原稿搬送用駆動部の駆動しているように制御する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記記録媒体搬送用駆動部が駆動している時間内に前記原稿搬送用駆動部が駆動している時間が含まれるように制御する請求項8記載の画像形成装置。
【請求項10】
記制御手段は、前記第1の原稿サイズ検出手段により検出された原稿サイズと、前記第2の原稿サイズ検出手段により検出された原稿サイズとが一致した場合に前記画像形成部により記録媒体に画像を形成するように制御する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項11】
記制御手段は、第1の原稿サイズ検出手段により検出された原稿サイズに対応する記録媒体収容部が複数ある場合、前記第2の原稿サイズ検出手段により検出された原稿サイズに対応する記録媒体収容部から記録媒体を搬送するように制御する請求項1記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、積載手段に配置され、前記積載手段に積載された原稿の搬送方向の長さである原稿長さを検知する第1の原稿長さ検知手段と、前記原稿の前記搬送方向に直交する幅方向の長さである原稿幅を検知する幅検知手段と、前記積載手段にサイズの異なる複数の原稿が混在する原稿束が積載された場合、前記幅検知手段によって検知された原稿幅と前記第1の原稿長さ検知手段によって検知された原稿長さとに基づき予測される複数の定型サイズの中の最大の定型サイズを仮の原稿サイズに決定する仮サイズ決定手段と、前記搬送手段によって搬送中の原稿の搬送方向の長さを測定することにより原稿長さを検知する第2の原稿長さ検知手段と、前記幅検知手段によって検知された原稿幅および前記第2の原稿長さ検知手段によって検知された原稿長さに基づき、実際の原稿サイズを決定する実サイズ決定手段と、前記仮サイズ決定手段によって決定された仮の原稿サイズと、前記実サイズ決定手段によって決定された実際の原稿サイズとが等しい場合、前記仮の原稿サイズに従って行われる前記読取手段による前記画像の読み取りを継続させ、一方、前記仮の原稿サイズと前記実際の原稿サイズとが異なる場合、前記搬送手段により前記戻し搬送経路を経由して前記原稿を前記上流の位置に戻させ、前記実際の原稿サイズに従って、前記読取手段により前記原稿の画像の読み取りのやり直しを行わせる制御手段とを備えたことを特徴とする原稿読取装置を開示する。
【0003】
特許文献2は、原稿サイズと設定された変倍率から対応する転写用紙を選択する自動用紙選択機能を備えた画像形成装置において、上記設定された変倍率を変更する為に該変更幅を指定する手段と、原稿サイズ、転写用紙サイズ及び上記設定された変倍率を基に上記変更幅指定手段で指定される範囲幅で画像形成可能か否かの判断をする手段と、画像形成可能である場合変更幅指定手段で指定される範囲幅で画像形成を行う画像形成装置を開示する。
【0004】
特許文献3は、記録媒体に画像を形成するための設定情報を設定する設定部と、前記記録媒体を収納する少なくとも一つの供給カセットと、前記設定部により設定された設定内容に基づいて選択された供給カセット内の前記記録媒体に画像を形成するプリンタと、前記プリンタが画像を形成する前記記録媒体の特徴情報を検知するメディアセンサと、前記供給カセットの出し入れ後、又は前記画像形成装置の電源オン後の最初のプリントジョブの第1枚目の前記記録媒体の特徴情報に基づいて、前記プリンタの画像形成動作を規定する第1の画像形成条件を決定する画像形成条件決定部と、前記最初のプリントジョブの第2枚目以降の記録媒体に対しては、前記第1の画像形成条件に従って画像形成動作を制御する制御部と、前記メディアセンサの検知した前記特徴情報を履歴情報として前記供給カセットごとに分類して保存する保存部とを備えたことを特徴とする画像形成装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-24098号公報
【文献】特開2004-13037号公報
【文献】特開2011-13678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、メディアセンサを用いて記録媒体の特性を検出し、原稿画像を記録媒体に複写するには、どの記録媒体収容部から記録媒体を搬送するかをメディアセンサの検出前に決定する必要がある。
【0007】
本発明は、原稿サイズの検出を確定した後にメディアセンサへ記録媒体を搬送するものと比較して、複写開始から最初の記録媒体が排出されるまでの時間を短くすることができる画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る本発明は、原稿を載置する原稿載置部に載置された原稿を搬送して原稿を読み取る原稿読取装置であって、前記原稿載置部と、前記原稿載置部に載置された原稿のサイズを検出する第1の原稿サイズ検出手段と、搬送されている原稿のサイズを検出する第2の原稿サイズ検出手段と、を有する前記原稿読取装置と、前記原稿読取装置により読み取った画像を記録媒体に形成する画像形成部と、前記画像形成部に搬送する記録媒体を収容する記録媒体収容部と、前記記録媒体収容部から前記画像形成部へ搬送する記録媒体の特性を検出するメディアセンサと、前記第1の原稿サイズ検出手段により検出された原稿の長さ及び幅の情報から仮決定された原稿サイズに対応した前記記録媒体収容部から記録媒体を前記メディアセンサまで搬送するように制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記第1の原稿サイズ検出手段により検出された原稿サイズと、前記第2の原稿サイズ検出手段により検出された原稿サイズとが一致しない場合に前記画像形成部により記録媒体に画像を形成しないように制御し、かつ、前記画像形成部により画像が形成されていない記録媒体を排出するように制御する画像形成装置である。
【0009】
請求項2に係る本発明は、前記制御手段は、前記原稿読取装置における原稿の搬送中に前記記録媒体収容部から記録媒体を前記メディアセンサまで搬送しているように制御する請求項1記載の画像形成装置である。
【0010】
請求項3に係る本発明は、前記制御手段は、前記原稿読取装置において原稿を搬送している時間内に前記記録媒体収容部から記録媒体を前記メディアセンサまで搬送している時間が含まれるように制御する請求項2記載の画像形成装置である。
【0011】
請求項4に係る本発明は、前記制御手段は、前記記録媒体収容部から記録媒体を前記メディアセンサまでの記録媒体の搬送中に前記原稿読取装置において原稿を搬送しているように制御する請求項1記載の画像形成装置である。
【0012】
請求項5に係る本発明は、前記制御手段は、前記記録媒体収容部から記録媒体を前記メディアセンサまで搬送している時間内に前記原稿読取装置において原稿を搬送している時間が含まれるように制御する請求項4記載の画像形成装置である。
【0013】
請求項6に係る本発明は、前記原稿読取装置は、原稿を搬送するように駆動する原稿搬送用駆動部を有し、前記記録媒体収容部から記録媒体を前記メディアセンサまで搬送する記録媒体搬送用駆動部を有し、前記制御手段は、前記原稿搬送用駆動部の駆動中に前記記録媒体搬送用駆動部が駆動しているように制御する請求項1記載の画像形成装置である。
【0014】
請求項7に係る本発明は、前記制御手段は、前記原稿搬送用駆動部が駆動している時間内に前記記録媒体搬送用駆動部が駆動している時間が含まれるように制御する請求項6記載の画像形成装置である。
【0015】
請求項8に係る本発明は、前記原稿読取装置は、原稿を搬送するように駆動する原稿搬送用駆動部を有し、前記記録媒体収容部から記録媒体を前記メディアセンサまで搬送する記録媒体搬送用駆動部を有し、前記制御手段は、前記記録媒体搬送用駆動部が駆動中に前記原稿搬送用駆動部の駆動しているように制御する請求項1記載の画像形成装置である。
【0016】
請求項9に係る本発明は、前記制御手段は、前記記録媒体搬送用駆動部が駆動している時間内に前記原稿搬送用駆動部が駆動している時間が含まれるように制御する請求項8記載の画像形成装置である。
【0017】
請求項10に係る本発明は、記制御手段は、前記第1の原稿サイズ検出手段により検出された原稿サイズと、前記第2の原稿サイズ検出手段により検出された原稿サイズとが一致した場合に前記画像形成部により記録媒体に画像を形成するように制御する請求項1記載の画像形成装置である。
【0020】
請求項11に係る本発明は、前記原稿読取装置は、載置された原稿のサイズを検出する第1の原稿サイズ検出手段と、搬送されている原稿のサイズを検出する第2の原稿サイズ検出手段とを有し、前記制御手段は、第1の原稿サイズ検出手段により検出された原稿サイズに対応する記録媒体収容部が複数ある場合、前記第2の原稿サイズ検出手段により検出された原稿サイズに対応する記録媒体収容部から記録媒体を搬送するように制御する請求項1記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に係る本発明によれば、原稿サイズの検出を確定した後にメディアセンサへ記録媒体を搬送するものと比較して、複写開始から最初の記録媒体が排出されるまでの時間を短くすることができる。
また、原稿サイズと異なる記録媒体に画像が形成されるのを防止することができる。
また、画像を形成していない状態で記録媒体を排出することができる。
【0022】
請求項2から5のいずれかに係る本発明によれば、請求項1に係る本発明の効果に加えて、原稿の搬送と記録媒体の搬送とを平行して行うことができる。
【0023】
請求項6から9のいずれかに係る本発明によれば、請求項1に係る本発明の効果に加えて、原稿搬送用駆動部の駆動と記録媒体搬送用駆動部の駆動とを平行して行うことができる。
【0024】
請求項10に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明の効果に加えて、原稿サイズと異なる記録媒体に画像が形成されるのを防止することができる。
【0026】
請求項11に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明の効果に加えて、原稿サイズに対応する記録媒体収容部が複数ある場合に対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す概略側面図である。
図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置における画像形成部を示す側面断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置に用いられた制御回路を示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置における制御フローの前半部分を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置における制御フローの後半部分を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置における制御タイミングを、原稿サイズの検出を確定した後にメディアセンサへ記録媒体を搬送する比較例と比較して示すタイミングチャートである。
図7】本発明の実施形態に係る画像形成装置における制御タイミングを、メディアセンサを用いない比較例と比較して示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置10を示す概略側面図である。
【0029】
画像形成装置10は、画像形成装置本体部12と画像読取装置14とを有する。
画像形成装置本体部12は、例えば4つの記録媒体収容部16a~16dを有し、選択された記録媒体収容部16a~16dから記録媒体が送り出されるようになっている。記録媒体収容部16a~16dには、それぞれ異なるサイズ、特性を有する記録媒体が積層されて収容されている。
【0030】
画像形成部18は、記録媒体収容部16a~16dの上方に設けられている。この画像形成部18は、中間転写体20と例えば4つの画像形成ユニット22とを有する。
【0031】
画像形成ユニット22は、図2に示すように、像保持体24を有する。像保持体24は、例えば感光体であり、この像保持体24の周囲に、帯電器26、露光装置28、現像装置30及び清掃装置31が配置されている。像保持体24は、帯電器26により帯電され、露光装置28により露光されて潜像が形成され、現像装置30により現像され、この現像されたトナー像が一次転写ロール32により中間転写体20へ一次転写される。中間転写体20に転写されたトナー像は、二次転写ロール34により記録媒体に転写されるようになっている。
【0032】
前述した記録媒体収容部16a~16dには、図示しない送り出しモータにより駆動される送り出しロール36が設けられ、この送り出しロール36の回転により記録媒体収容部16a~16dに収容された最上位の記録媒体が記録媒体収容部16a~16dから送り出される。この送り出された記録媒体は、図示しない搬送モータにより駆動される複数の搬送ロール38により主搬送路40に搬送される。また、この主搬送路40には、図示しないレジストモータにより駆動されるレジストロール44が設けられている。このレジストロール44は、記録媒体を一時停止させ、記録媒体のずれを補正し、タイミングを合わせて中間転写体20と二次転写ロール34との間に記録媒体を搬送する。
【0033】
定着装置46は、二次転写ロール34の後流側に配置され、二次転写された記録媒体のトナー像を記録媒体に定着させるようになっている。このようにトナー像が定着された記録媒体は、複数の記録媒体排出部48のいずれかに排出される。ただし、記録媒体の両面に画像を形成する場合は、反転搬送路50に搬送され、再びレジストロール44に戻されるようになっている。
【0034】
メディアセンサ52は、レジストロール44の上流側に設けられている。このメディアセンサ52は、レジストロール44において一次停止した記録媒体の特性を検出する。記録媒体の特性としては、記録媒体の種類及び厚さ(又は坪量)がある。記録媒体の種類には、普通紙、コート紙、OHP等がある。このメディアセンサ52は、LED(light emitting diodeの略であり、発光ダイオードのことである。)等の光源から記録媒体に反射した光をCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductorの略であり、半導体センサの一種である。)等により受光し、記録媒体の種類を検出し、また、光源から記録媒体を通過した光をCMOS等により受光し、記録媒体の厚さを検出する。記録媒体の厚さの検出には、超音波センサにより検出するようにしてもよい。
【0035】
このメディアセンサ52からの出力により画像形成条件が制御される。画像形成条件とは、画像を形成するために必要とされる条件であり、記録媒体の搬送速度、定着装置46の定着温度、定着装置46における記録媒体への押圧力等を調整する。
【0036】
画像読取装置14は、画像形成装置本体部12の上方に設けられている。この画像読取装置14は、例えばADF(Auto Document Feederの略であり、自動原稿送り装置のことである。)付きのものであり、原稿載置台54、原稿搬送部56、原稿排出部58及び画像読取部60を有する。
【0037】
原稿載置台54には、1又は多数枚の原稿が載置される。この原載置台54に載置された原稿のサイズは、第1の原稿サイズ検出部62により検出される。第1の原稿サイズ検出部62は、第1の原稿長さ検出センサ64a,64bと、第1の原稿幅検出センサ66とから構成されている。
【0038】
第1の原稿長さ検出センサ64a,64bは、例えば発光素子と受光素子の組から構成され、原稿の搬送方向に複数(ここでは2つ、原稿の搬送方向上流側に配置された原稿長さ検出センサを64b、原稿の搬送方向下流側に配置された原稿長さ検出センサを64aとする。)設けられ、原稿の長さが原稿長さ検出センサ64bの配置位置よりも長い、原稿の長さが原稿長さ検出センサ64bの配置位置と原稿長さ検出センサ64aの配置位置との間である、原稿の長さが原稿長さ検出センサ64aよりも短いとの3通りに原稿長さを検知する簡易的なものである。
【0039】
また、第1の原稿幅検出センサ66は、原稿載置台54に載置された原稿の幅方向端を規制するサイドガイドと連動する位置検出センサから構成されている。
【0040】
原稿搬送部56は、図示しない原稿搬送モータにより駆動される複数の原稿搬送ロール68が設けられ、原稿載置台54に載置された原稿を捌いて最も上にある原稿を搬送して原稿排出部58へ排出する。
【0041】
この原稿搬送部56には、第2の原稿サイズ検出部70が設けられている。この第2の原稿サイズ検出部70は、第2の原稿長さ検出センサ72と第2の原稿幅検出センサ74とから構成されている。第2の原稿長さ検出センサ72は、例えばLEDと受光素子から構成され、原稿の先端と後端が通過する時を検出して原稿長さとする。この第2の原稿長さ検出センサ72は、前述した第1の原稿長さ検出センサ64a,64bよりも精度良く原稿の長さを検出する。
【0042】
第2の原稿幅検出センサ74は、例えば原稿の搬送方向とは直交方向に多数のLEDと受光素子とを並べたものであり、前述した第1の原稿長さ検出センサ66よりも精度良く原稿の長さを検出する。
【0043】
画像読取部60は、原稿搬送部56により搬送された原稿の画像を例えば密着型センサにより読み取る。また、画像読取部60のプラテンガラス上に載置された原稿を走査して読み取るようになっている。
【0044】
図3には、本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御部76のブロック図が示されている。
【0045】
主制御部78は、例えばCPU(Central Processing Unitの略であり、中央処理装置のことである。)、メモリ等から構成され、プログラムにより処理を実行するようになっている。この主制御部78には、スタートボタン80のオンオフ、第1の原稿長さ検出センサ64a,64b,第1の原稿幅検出センサ66、第2の原稿長さ検出センサ72、第2の原稿幅検出センサ74、及びメディアセンサ52から検出された信号が入力される。
【0046】
また、主制御部78は、画像形成部制御部82を介して画像形成部18を制御し、記録媒体搬送制御部84を介して送り出しモータ86、レジストモータ87及び搬送モータ88を制御し、原稿読取装置制御部90を介して原稿搬送モータ92を制御し、画像読取部60により読み取られた画像データを入力するようになっている。
【0047】
また、主制御部78には、操作表示部94が接続されている。操作表示部94は、例えばタッチパネルと液晶表示部とが組み合わされ、原稿読取装置14、画像形成装置本体部12等の動作条件、例えば変倍率を表示して設定できるようになっている。また、ユーザに対して注意を喚起し、あるいは操作を促す表示をするようになっている。
【0048】
また、前述した記録媒体収容部16a~16dには、収容された記録媒体のサイズを検出する記録媒体サイズ検出部96が設けられ、この記録媒体サイズ検出部96で検出された記録媒体のサイズ情報が主制御部78に受け付けられるようになっている。
【0049】
図4及び図5には、本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御動作例を示すフローチャートが示されている。
【0050】
まず原稿読取装置14の原稿載置台54に原稿が載置されると処理が開始される。
ステップS10においては、第1の原稿サイズ検出部62により原稿載置台54に載置された原稿の長さ及び幅を検出する。
【0051】
次のステップS12においては、変倍率の設定情報を受け付ける。次のステップS14においては、スタートボタン80の押下を受け付ける。次のステップS16においては、原稿を搬送する。次のステップS18においては、ステップS10において検出した情報から原稿サイズを仮決定する。次のステップS20においては、ステップS18において仮決定した原稿サイズと、ステップS12において受け付いた変倍率の設定情報から、記録媒体のサイズを仮決定する。
【0052】
次のステップS22においては、ステップS18において仮決定したサイズの記録媒体が収容された記録媒体収容部があるか否かを判定する。このステップS22において、仮決定したサイズの記録媒体が収容された記録媒体収容部があると判定された場合は、ステップS24に進み、仮決定したサイズの記録媒体が収容された記録媒体収容部がないと判定された場合は、ステップS26に進む。
【0053】
ステップS24においては、候補となる記録媒体収容部は1つのみか否かを判定する。このステップS24において、候補となる記録媒体収容部が1つではない(即ち、候補となる記録媒体収容部が複数ある)と判定された場合は、ステップS26に進む。
【0054】
ステップS26においては、第2の原稿サイズ検出部70により原稿サイズの情報を検出する。次のステップS28においては、ステップS26において検出された情報から原稿サイズを決定する。次のステップS30においては、ステップS28において決定した原稿サイズと、ステップS12において受け付いた変倍率の設定情報から、記録媒体のサイズを決定する。
【0055】
次のステップS32においては、ステップS30で決定したサイズの記録媒体が収容された記録媒体収容部があるか否かを判定する。このステップS32において、決定したサイズの記録媒体があると判定された場合は、ステップS34に進み、決定したサイズの記録媒体がないと判定された場合は、ステップS36に進む。
【0056】
ステップS34においては、記録媒体をメディアセンサ52まで走行させ、次のステップS38において、メディアセンサ54からの情報により記録媒体の特性を検出し、次のステップS40において、ステップS38により検出した記録媒体の特性に合わせるように画像形成条件を決定し、ステップS42により画像形成を実行し、処理を終了する。
【0057】
一方、ステップS36に進んだ場合は、前述した操作表示部94に表示することにより、正しい記録媒体を記録媒体収容部に収容するようにユーザに通知し、処理を終了する。
【0058】
前述したステップS24において、候補となる記録媒体収容部が1つのみであると判定された場合は、ステップS44に進み、記録媒体をメディアセンサ52まで走行させる。次のステップS46においては、メディアセンサ54からの情報により記録媒体の特性を検出する。次のステップS48においては、ステップS46により検出した記録媒体の特性に合わせるように画像形成条件を決定する。
【0059】
次のステップS50においては、第2の原稿サイズ検出部70で原稿の長さ及び幅を検出し、次のステップS52において、ステップS50により検出した情報から原稿サイズを決定する。
【0060】
次のステップS54においては、ステップS20で仮決定した原稿サイズと、ステップS50で決定した原稿サイズとを比較して、仮決定した原稿サイズが正しいか否かを判定する。このステップS54において、仮決定した原稿サイズが正しいと判定された場合は、ステップS42に進み、そのまま画像形成を実行し、処理を終了する。一方、ステップS54において、仮決定した原稿サイズが正しくないと判定された場合は、ステップS56に進む。ステップS56においては、記録媒体に画像を形成することなく、記録媒体を白紙で排出し、ステップS36に進み、正しい記録媒体を記録媒体収容部に収容するようにユーザに通知し、処理を終了する。
【0061】
図6は、本発明の実施形態に係る画像形成装置10における制御タイミングを、原稿サイズの検出を確定した後にメディアセンサ52へ記録媒体を搬送する比較例と比較して示すタイミングチャートである。比較例は点線で示し、実施形態は実線で示している。
【0062】
まず比較例から説明する。
比較例においては、スタートボタン80が押下されると、原稿搬送モータ92が駆動開始し、原稿が第2の原稿幅検出センサ74及び第2の原稿長さ検出センサ72を通過することにより原稿サイズが決定される。原稿サイズが決定されると、対応する記録媒体収容部の送り出しモータ86を駆動し、さらに搬送モータ88を駆動して記録媒体をメディアセンサ52まで搬送する。メディアセンサ52からの情報によりメディアを判定し(例えば0.3秒)、このメディア判定された記録媒体の特性に適するように画像形成装置10の内部処理を実行する(例えば0.01秒)。内部処理が終了すると、画像形成部18の中間転写体モータを駆動して記録媒体に画像を形成する。
【0063】
一方、実施形態においては、スタートボタン80が押下されると、スタートボタン80が押下される前に第1の原稿サイズ検出部により検出されていた原稿サイズ情報により仮決定された記録媒体のサイズを収容している記録媒体収容部の送り出しモータ86を駆動し、さらに搬送モータ88を駆動して記録媒体をメディアセンサ52まで搬送する。メディアセンサ52からの情報によりメディアを判定し(例えば0.3秒)、このメディア判定された記録媒体の特性に適するように画像形成装置10の内部処理を実行する(例えば0.01秒)。内部処理が終了すると、画像形成部18の中間転写体モータを駆動して記録媒体に画像を形成する。
【0064】
このように、実施形態においては、原稿搬送中に記録媒体をメディアセンサまで搬送しているので、FCOT(First Copy Output Timeの略である。複写開始(スタートボタン押下から画像形成された最初の記録媒体が排出されるまでの時間)が比較例よりも短くなる。
【0065】
図7は、本発明の実施形態に係る画像形成装置10における制御タイミングを、メディアセンサを用いない比較例と比較して示すタイミングチャートである。
【0066】
比較例においては、スタートボタン80が押下されると、原稿搬送モータ92が駆動開始し、原稿が第2の原稿幅検出センサ74及び第2の原稿長さ検出センサ72を通過することにより原稿サイズが決定される。原稿サイズが決定されると、対応する記録媒体収容部の送り出しモータ86を駆動し、画像形成装置10の内部処理を実行する(例えば10秒)。内部処理が終了すると、画像形成部18の中間転写体モータを駆動して記録媒体に画像を形成する。
【0067】
一方、実施形態においては、図5に示したのと同様のタイミングにより制御される。したがって、実施形態においては、比較例における原稿サイズを決定するまでの間にメディアセンサ52により記録媒体の特性を検出するので、メディアセンサがない比較例と比較してもFCOTは同等である。
【0068】
なお、上記実施形態においては、記録媒体収容部に収容されている記録媒体のサイズは、検出するようにしているが、ユーザが設定するようにしてもよい。この場合、ユーザが設定している記録媒体のサイズが実際のサイズと異なることもあるが、上記実施形態においては、記録媒体の実際のサイズを確認するようにしているので、誤って記録媒体に画像を形成することがない。
【符号の説明】
【0069】
10 画像形成装置
12 画像形成装置本体部
14 画像読取装置
16a~16d 記録媒体収容部
18 画像形成部
20 中間転写体
22 画像形成ユニット
24 像保持体
26 帯電器
28 露光装置
30 現像装置
31 清掃装置
32 一次転写ロール
34 二次転写ロール
36 送り出しロール
38 搬送ロール
40 主搬送路
44 レジストロール
46 定着装置
48 記録媒体排出部
50 反転搬送路
52 メディアセンサ
54 原稿載置台
56 原稿搬送部
58 原稿排出部
60 画像読取部
62 第1の原稿サイズ検出部
64a,64b 第1の原稿長さセンサ
66 第1の原稿幅センサ
70 第2の原稿サイズ検出部
72 第2の原稿長さセンサ
74 第2の原稿幅センサ
76 制御部
78 主制御部
80 スタートボタン
82 画像形成部制御部
84 記録媒体搬送制御部
86 送り出しモータ
87 レジストモータ
88 搬送モータ
90 原稿読取装置制御部
92 原稿搬送モータ
94 操作表示部
96 記録媒体サイズ検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7