(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】リレー
(51)【国際特許分類】
H01H 50/02 20060101AFI20230920BHJP
H01H 50/14 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
H01H50/02 B
H01H50/14 B
(21)【出願番号】P 2019169238
(22)【出願日】2019-09-18
【審査請求日】2022-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100206760
【氏名又は名称】黒川 惇
(72)【発明者】
【氏名】針持 裕之
(72)【発明者】
【氏名】箕輪 亮太
(72)【発明者】
【氏名】川口 直樹
(72)【発明者】
【氏名】小川 真一
(72)【発明者】
【氏名】大塚 航平
(72)【発明者】
【氏名】岩坂 博之
(72)【発明者】
【氏名】筒井 和広
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-208823(JP,A)
【文献】特開2014-120398(JP,A)
【文献】特開2014-110192(JP,A)
【文献】特開2010-010059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 45/00 - 45/14
H01H 50/00 - 50/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
1以上のねじ挿入孔が設けられ前記ハウジングから外部に露出するとともに外部端子にねじ締結される締結部を含む板状の固定端子と、
前記ねじ挿入孔の貫通方向において前記締結部と重なり、前記締結部に近接して設けられるねじ受け部材と、
前記ねじ受け部材と一体または別体に設けられ、前記ねじ受け部材に回り止めされた1以上の雌ねじ部材と、
を備え
、
前記締結部は、前記ハウジングから外部に突出し、
前記ねじ受け部材は、前記ハウジングと一体である、
リレー。
【請求項2】
ハウジングと、
1以上のねじ挿入孔が設けられ前記ハウジングから外部に露出するとともに外部端子にねじ締結される締結部を含む板状の固定端子と、
前記ねじ挿入孔の貫通方向において前記締結部と重なり、前記締結部に近接して設けられるねじ受け部材と、
前記ねじ受け部材と一体または別体に設けられ、前記ねじ受け部材に回り止めされた1以上の雌ねじ部材と、
を備え、
前記固定端子は、L字状に屈曲した形状を有する
リレー。
【請求項3】
前記締結部は、前記ハウジングの側面に沿って外部に露出し、
前記ねじ挿入孔は、前記締結部の厚み方向に貫通して形成される、
請求項
2に記載のリレー。
【請求項4】
ハウジングと、
1以上のねじ挿入孔が設けられ前記ハウジングから外部に露出するとともに外部端子にねじ締結される締結部を含む板状の固定端子と、
前記ねじ挿入孔の貫通方向において前記締結部と重なり、前記締結部に近接して設けられるねじ受け部材と、
前記ねじ受け部材と一体または別体に設けられ、前記ねじ受け部材に回り止めされた1以上の雌ねじ部材と、
を備え、
前記締結部は、複数のねじ挿入孔を含み、
前記雌ねじ部材は、前記ねじ受け部材と一体又は別体に複数設けられる、
リレー。
【請求項5】
ハウジングと、
1以上のねじ挿入孔が設けられ前記ハウジングから外部に露出するとともに外部端子にねじ締結される締結部を含む板状の固定端子と、
前記ねじ挿入孔の貫通方向において前記締結部と重なり、前記締結部に近接して設けられるねじ受け部材と、
前記ねじ受け部材と一体または別体に設けられ、前記ねじ受け部材に回り止めされた1以上の雌ねじ部材と、
を備え、
前記ねじ受け部材の外縁の少なくとも一部は、前記締結部の外縁よりも外側に位置する、
リレー。
【請求項6】
ハウジングと、
1以上のねじ挿入孔が設けられ前記ハウジングから外部に露出するとともに外部端子にねじ締結される締結部を含む板状の固定端子と、
前記ねじ挿入孔の貫通方向において前記締結部と重なり、前記締結部に近接して設けられるねじ受け部材と、
前記ねじ受け部材と一体または別体に設けられ、前記ねじ受け部材に回り止めされた1以上の雌ねじ部材と、
を備え、
前記ねじ受け部材は前記固定端子の発熱を放熱するための放熱部を含み、
前記放熱部は、前記締結部から前記ねじ受け部材に向かう方向にら凹んで形成されている、
リレー。
【請求項7】
前記雌ねじ部材は、前記ねじ受け部材と別体であり、
前記ねじ受け部材は、前記雌ねじ部材を保持して回り止めする、
請求項1
から6のいずれか1項に記載のリレー。
【請求項8】
前記雌ねじ部材はナットである、
請求項
7に記載のリレー。
【請求項9】
前記固定端子は、C字状に屈曲した形状を有し、
前記ねじ受け部材は、前記ハウジング内に配置される、
請求項
3から
8のいずれか1項に記載のリレー。
【請求項10】
前記雌ねじ部材は、前記固定端子の前記締結部と前記ねじ受け部材とによって挟まれている、
請求項1から
9のいずれか1項に記載のリレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リレーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気回路を開閉するリレーが知られている。リレーは、外部端子に接続される固定端子を備えている。例えば、特許文献1に開示されているリレー固定端子は、円柱端子と、円柱端子に固定される板状端子と、を含み、ねじ締結により板状端子が外部端子に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-222562号公報
【文献】特許第6110109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のリレーでは、固定端子に予め雄ねじ部材が接合されおり、雄ねじ部材が固定端子から突出している。このため、例えば輸送時に雄ねじ部材が他の部材に接触して破損する可能性が高くなる
【0005】
また、特許文献2に開示されたリレーでは、リレーの内部に配置された板状の固定端子に円柱端子が接続されている。このため、製造工程の増加や部品点数の増加によってリレーの製造コストが増加する。
【0006】
本発明の課題は、ねじ締結によって外部端子に板状の固定端子を容易に接続できる安価なリレーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るリレーは、ハウジングと、固定端子と、ねじ受け部材と、1以上の雌ねじ部材と、を備える。固定端子は、板状である。固定端子は、1以上のねじ挿入孔が設けられハウジングから外部に露出するとともに外部端子にねじ締結される締結部を含む。ねじ受け部材は、ねじ挿入孔の貫通方向において締結部と重なり、締結部に近接して設けられる。雌ねじ部材は、ねじ受け部材と一体または別体に設けられ、ねじ受け部材に回り止めされている。
【0008】
このリレーでは、ねじ受け部材は、雌ねじ部材を回り止めするとともに、ねじ挿入孔の貫通方向において締結部と重なり、締結部に近接して設けられる。このため、ボルトなどの雄ねじ部材をねじ挿入孔から挿入して、雌ねじ部材に雄ねじ部材を螺合させることができる。これにより、ねじ締結によって外部端子に板状の固定端子を容易に接続することができる。すなわち、外部端子と固定端子とを簡易な組立手段で接続できる安価なリレーを提供することができる。さらに、ねじ受け部材によって固定端子の撓みを抑制することもできる。また、雄ねじ部材が固定端子から突出する場合に比べて、リレーが破損する可能性を低減できる。
【0009】
雌ねじ部材は、ねじ受け部材と別体であってもよい。ねじ受け部材は、雌ねじ部材を保持して回り止めしてもよい。この場合においても、ねじ受け部材によって固定端子の撓みを抑制しつつ、ねじ締結によって外部端子に板状の固定端子を容易に接続することができる。
【0010】
雌ねじ部材はナットであってもよい。この場合は、ねじ締結によって外部端子に板状の固定端子をさらに容易に接続することができる。
【0011】
締結部は、ハウジングから外部に突出していてもよい。ねじ受け部材は、ハウジングと一体であってもよい。この場合は、ねじ受け部材がハウジングと一体なので、部品点数を削減することができるとともに、ねじ締結によって外部端子に板状の固定端子をさらに容易に接続することができる。
【0012】
固定端子は、C字状に屈曲した形状を有してもよい。ねじ受け部材は、ハウジング内に配置されてもよい。この場合は、C字状に屈曲した形状を有する固定端子において、外部端子をねじ締結で容易に接続することができる。
【0013】
固定端子は、L字状に屈曲した形状を有してもよい。この場合は、C字状に屈曲した形状を有する固定端子において、外部端子をねじ締結で容易に接続することができる。
【0014】
締結部は、ハウジングの側面に沿って外部に露出してもよい。ねじ挿入孔は、締結部の厚み方向に貫通して形成されてもよい。この場合においても、外部端子をねじ締結で容易に接続することができる。
【0015】
締結部は、複数のねじ挿入孔を含んでもよい。雌ねじ部材は、ねじ受け部材と一体又は別体に複数設けられてもよい。この場合、通電用の外部端子とは別の検出用途等の目的で追加の外部端子をリレーに接続することができる。
【0016】
ねじ受け部材の外縁の少なくとも一部は、締結部の外縁よりも外側に位置してもよい。この場合は、締結部が他の部材に接触することをねじ受け部材によって抑制することができる。
【0017】
ねじ受け部材は、固定端子の発熱を放熱するための放熱部を含んでもよい。放熱部は、締結部からねじ受け部材に向かう方向に凹んで形成されてもよい。この場合は、固定端子の発熱を効果的に放熱することができる。
【0018】
雌ねじ部材は、締結部とねじ受け部材とによって挟まれていてもよい。この場合は、雌ねじ部材が外部に落下することを防止することができる。
【0019】
本発明によれば、ねじ締結によって外部端子に板状の固定端子を容易に接続できるリレーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図5】変形例に係る第1ねじ挿入孔付近の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一態様に係るリレー100の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面を参照するときにおいて、説明を分かり易くするために
図3における上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」として説明する。これらの方向は、説明の便宜上、定義されるものであって、リレー100の配置方向を限定するものではない。
【0022】
リレー100は、ハウジング2と、接点装置3と、駆動装置4と、を備えている。
【0023】
ハウジング2は、略四角形の箱型であり、絶縁性を有する材料で形成されている。ハウジング2の内部には、接点装置3及び駆動装置4が収容されている。ハウジング2には、左右の側部2a,2bの下部から突出する1対の取付部5が設けられている。
【0024】
接点装置3は、第1固定端子6と、第2固定端子7と、可動接触片10と、可動機構11と、を含む。
【0025】
第1固定端子6及び第2固定端子7は、固定端子の一例である。第1固定端子6及び第2固定端子7は、板状の端子であり、左右方向に延びている。第1固定端子6及び第2固定端子7は、ハウジング2の内部と外部とに亘って延びている。第1固定端子6及び第2固定端子7は、左右方向に互いに間隔を隔てて配置されている。第1固定端子6及び第2固定端子7は、導電性を有する材料で形成されている。
【0026】
第1固定端子6は、第1固定接点6aと、第1締結部6bと、を含む。第1固定接点6aは、ハウジング2内に配置されている。第1固定接点6aは、第1固定端子6と別体である。なお、第1固定接点6aは、第1固定端子6と一体であってもよい。
【0027】
第1締結部6bは、締結部の一例である。第1締結部6bは、ハウジング2から外部に突出している。本実施形態における第1締結部6bは、ハウジング2の左側部2aの上部付近から左方に突出している。第1締結部6bは、バスバーなどの外部端子30(
図4参照)にねじ締結により接続される。第1締結部6bには、上下方向に貫通する第1ねじ挿入孔6cが設けられている。
【0028】
第2固定端子7は、第2固定接点7aと、第2締結部7bと、を含む。第2固定接点7aは、ハウジング2内に配置されている。第2固定接点7aは、第2固定端子7と別体である。なお、第2固定接点7aは、第2固定端子7と一体であってもよい。
【0029】
第2固定接点7aは、ハウジング2内に配置されている。第2締結部7bは、締結部の一例である。第2締結部7bは、ハウジング2から外部に突出している。本実施形態における第2締結部7bは、ハウジング2の右側部2bの上部付近から右方に突出している。第2締結部7bは、バスバーなどの外部端子にねじ締結により接続される。第2締結部7bには、上下方向に貫通する第2ねじ挿入孔7cが設けられている。
【0030】
可動接触片10は、一方向に長い板状部材であり、ハウジング2内で左右方向に延びている。可動接触片10、導電性を有する材料で形成されている。可動接触片10は、接触方向Z1と開離方向Z2とに移動可能である。接触方向Z1は、可動接触片10が第1固定接点6a及び第2固定接点7aに近づく方向(
図3における上方)である。開離方向Z2は、可動接触片10が第1固定接点6a及び第2固定接点7aから離れる方向(
図3における下方)である。したがって、接触方向Z1及び開離方向Z2は、上下方向に対して平行である。
【0031】
可動接触片10は、第1可動接点10aと、第2可動接点10bと、を含む。第1可動接点10aは、第1固定接点6aと対向する位置に配置されている。第2可動接点10bは、第2固定接点7aと対向する位置に配置されている。第1可動接点10a及び第2可動接点10bは、可動接触片10と別体である。なお、可動接点10a,10bは、可動接触片10と一体であってもよい。
【0032】
可動機構11は、駆動軸12と、接点バネ13と、を含む。駆動軸12は、上下方向に延びており、可動接触片10を上下方向に貫通している。駆動軸12は、接触方向Z1と開離方向Z2とに移動可能に設けられる。接点バネ13は、可動接触片10を接触方向Z1に付勢する。
【0033】
駆動装置4は、電磁力によって可動機構11を接触方向Z1と開離方向Z2とに移動させる。駆動装置4は、コイル21と、可動鉄心22と、固定鉄心23と、ヨーク24と、復帰バネ25と、を含む。
【0034】
コイル21は、電圧が印加されて励磁されると、可動鉄心22を接触方向Z1に移動させる電磁力を発生させる。可動鉄心22は、駆動軸12に一体移動可能に連結されている。固定鉄心23は、可動鉄心22と対向する位置に配置されている。ヨーク24は、コイル21を囲むように配置されている。復帰バネ25は、可動鉄心22と固定鉄心23の間に配置されている。復帰バネ25は、可動鉄心22を開離方向Z2に付勢する。
【0035】
リレー100は、第1ねじ受け部材31と、第2ねじ受け部材32と、第1雌ねじ部材33と、第2雌ねじ部材34と、をさらに備えている。第1ねじ受け部材31及び第2ねじ受け部材32は、ねじ受け部材の一例である。第1雌ねじ部材33及び第2雌ねじ部材34は、雌ねじ部材の一例である。
【0036】
第1ねじ受け部材31は、ハウジング2と一体であり、ハウジング2の左側部2aから左方に突出している。第1ねじ受け部材31は、
図2に示すように、第1ねじ挿入孔6cの貫通方向において第1締結部6bと重なる。本実施形態では、平面視において、第1ねじ受け部材31は、第1締結部6bと上下方向に重なる。第1ねじ受け部材31の外縁の少なくとも一部は、第1締結部6bの外縁よりも外側に位置する。本実施形態では、
図2及び
図4に示すように、第1ねじ受け部材31は、第1締結部6bよりも左方および上下方向に延びており、外縁の全体が第1締結部6bの外縁よりも外側に位置する。したがって、平面視において、第1締結部6bは、全体が第1ねじ受け部材31と上下方向に重なる。第1ねじ受け部材31は、第1締結部6bに近接して設けられる。本実施形態では、第1ねじ受け部材31は、第1締結部6bの下方で第1締結部6bに隣接して配置されている。
【0037】
第1ねじ受け部材31は、
図4に示すように、保持部31aを含む。保持部31aは、六角形状に下方に凹んで形成されており、第1雌ねじ部材33を保持して回り止めする。保持部31aの底部31bには、ボルトなどの雄ねじ部材40を通すための孔31dが形成されている。なお、孔31dは、必ずしも必要ではなく省略されていてもよい。
【0038】
第1ねじ受け部材31は、第1固定端子6の発熱を放熱するための放熱部31cを含む。放熱部31cは、第1締結部6bから第1ねじ受け部材に向かう方向に凹んで形成されている。詳細には、放熱部31cは、保持部31aとは異なる位置で下方に凹んで形成されている。放熱部31cと第1締結部6bとの間には、第1固定端子6の発熱を外部に逃がし易くするための隙間が設けられている。なお、放熱部31cは省略されてもよい。また、放熱部31cに放熱用の部材を入れてもよい。
【0039】
第2ねじ受け部材32は、ハウジング2と一体であり、ハウジング2の右側部2bから右方に突出している。第2ねじ受け部材31は、第2雌ねじ部材34を保持して回り止めする。第2ねじ受け部材32は、第1ねじ受け部材31と同様の形状であり、第1ねじ受け部材31と配置のみが異なるだけであるため、詳細な説明は省略する。
【0040】
第1雌ねじ部材33は、
図4に示すように、第1ねじ受け部材31と別体である。本実施形態における第1雌ねじ部材33は、雄ねじ部材40に螺合する六角ナットである。第1雌ねじ部材33は、保持部31aに嵌め込まれており、保持部31aに回り止めされている。第1雌ねじ部材33は、保持部31aの底部31bと第1締結部6bの間に配置されている。第1雌ねじ部材33は、第1締結部6bと第1ねじ受け部材31とによって挟まれている。第1雌ねじ部材33は、第1締結部6bによって上方への移動が規制されている。第1雌ねじ部材33は、保持部31aの底部31bによって下方への移動が規制されている。
【0041】
第2雌ねじ部材34は、第2ねじ受け部材32に回り止めされる。第2雌ねじ部材34は、第1雌ねじ部材33と同様の形状であり、雄ねじ部材40に螺合する六角ナットである。第2雌ねじ部材34の詳細な説明は省略する。
【0042】
上記構成のリレー100では、第1ねじ受け部材31が第1雌ねじ部材33を回り止めするとともに、第1ねじ受け部材31が第1ねじ挿入孔6cの貫通方向において第1締結部6bと重なり、第1締結部6bに近接して設けられる。このため、雄ねじ部材40を第1ねじ挿入孔6cから挿入して、第1雌ねじ部材33に雄ねじ部材40を螺合させることができる。これにより、ねじ締結によって外部端子30に板状の第1固定端子6を容易に接続することができる。すなわち、外部端子30と第1固定端子6とを簡易な組立手段で接続できる安価なリレー100を提供できる。
さらに、第1ねじ受け部材31によって第1固定端子6の撓みを抑制することもできる。なお、第2固定端子7側においても、同様の効果を得ることができる。
【0043】
以上、本発明の一態様に係る電磁継電器の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0044】
例えば、第1固定端子6が円柱状の端子と板状の端子とを含み、円柱状の端子に板状の端子が接続されているリレーにおいて本発明を適用してもよい。また、固定端子の形状は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、第1固定端子6及び第2固定端子7がL字状に屈曲した形状を有していてもよい。
【0045】
前記実施形態では、第1ねじ受け部材31の保持部31aが六角形状であったが、保持部31aの形状はこれに限定されるものではない。保持部31aは、第1雌ねじ部材33を回り止め可能な形状であればよい。また、第1雌ねじ部材33は、例えば、インサート成型によって第1ねじ受け部材31に埋め込まれていてもよい。なお、第2ねじ受け部材32の構成についても、前記実施形態に限定されるものではなく、これらの構成を第2ねじ受け部材32に適用してもよい。
【0046】
前記実施形態では、第1雌ねじ部材33は、第1ねじ受け部材31と別体であったが、
図5に示すように、第1雌ねじ部材33は、第1ねじ受け部材31と一体であってもよい。この場合、第1ねじ受け部材31の内周側に、第1雌ねじ部材33に対応する雌ねじ部31eが形成される。同様に、第2雌ねじ部材34においても、第2ねじ受け部材32と一体であってもよい。
【0047】
図6に示すように、第1締結部6bに複数の第1ねじ挿入孔6cが設けられてもよい。第2締結部7bに複数の第2ねじ挿入孔7cが設けられてもよい。この場合、第1雌ねじ部材33及び第2雌ねじ部材34が第1ねじ挿入孔6c及び第2ねじ挿入孔7cの数に対応して、複数設けられる。この場合は、通電用の外部端子とは別の検出用途等の目的で追加の外部端子をリレーに接続することができる。
【0048】
図7は、第1変形例に係るリレー100の断面斜視図である。第1変形例では、第1固定端子6、第2固定端子7、第1ねじ受け部材31および第2ねじ受け部材32の構成が前記実施形態と異なる。第1固定端子6および第2固定端子7は、C字状に屈曲した形状を有している。第1締結部6bおよび第2締結部7bは、ハウジング2の上部2cから外部に露出している。
【0049】
ねじ受け部材42は、ハウジング2内に配置されている。詳細には、ねじ受け部材42は、ハウジング2の上部2cと、接点装置3が収容される接点ケース44との間に配置されている。ねじ受け部材42は、外形が直方体であり、例えば、樹脂などの絶縁性を有する材料で形成されている。
【0050】
ねじ受け部材42は、第1保持部42aと、第2保持部42bと、を含む。第1保持部42a及び第2保持部42bは、六角形状に下方に凹んで形成されている。第1保持部42aは、第1雌ねじ部材33を保持して回り止めする。第2保持部42bは、第2雌ねじ部材34を保持して回り止めする。第2変形例においても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0051】
図8は、第2変形例に係るリレー100の断面模式図である。ここでは、第1固定端子6および第2固定端子7は、L字状に屈曲した形状を有している。第1締結部6bは、ハウジング2の左側部2aの側面に沿って外部に露出している。第1ねじ挿入孔6cは、第1締結部6bの厚み方向に貫通して形成される。ここでは、第1ねじ挿入孔6cが左右方向に貫通して形成されている。したがって、第1雌ねじ部材33は、第1ねじ挿入孔6cと左右方向に重なり、ハウジング2の左側部2a側から第1雌ねじ部材33に螺合する雄ねじ部材が第1ねじ挿入孔6cに挿入される。
【0052】
ねじ受け部材52は、第1保持部52aと、第2保持部52bと、を含む。第1保持部52a及び第2保持部52bは、ハウジング2の側部2a,2bからハウジング2の内側に向かう方向に凹んで形成されている。第1保持部52a及び第2保持部52bは、六角形状に左右方向に下方に凹んで形成されている。第1保持部52aは、第1雌ねじ部材33を保持して回り止めする。第2保持部52bは、第2雌ねじ部材34を保持して回り止めする。なお、第1固定端子6及び第2固定端子7の配置、及び第1保持部52a及び第2保持部52bの配置は、変更されてもよい。また、第1保持部52a及び第2保持部52bが別々の部材に設けられていてもよい。第1保持部52a及び第2保持部52bは、例えば、ハウジングの前後方向に位置する側部からハウジング2の内側に向かう方向に凹んで形成されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明によれば、ねじ締結によって外部端子に板状の固定端子を容易に接続できる安価なリレーを提供することができる。
【符号の説明】
【0054】
2 ハウジング
6 第1固定端子
6b 第1締結部
6c 第1ねじ挿入孔
7 第2固定端子
7b 第2締結部
7c 第2ねじ挿入孔
31 第1ねじ受け部材
32 第2ねじ受け部材
33 第1雌ねじ部材
34 第2雌ねじ部材
42 ねじ受け部材
100 リレー