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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】駆動装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/19 20060101AFI20230920BHJP
【FI】
H02K9/19 A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019174585
(22)【出願日】2019-09-25
(65)【公開番号】P2021052523
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】水谷 竜彦
(72)【発明者】
【氏名】高田 響
【審査官】宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-135817(JP,A)
【文献】特開2003-324901(JP,A)
【文献】特開2010-187490(JP,A)
【文献】国際公開第2016/199884(WO,A1)
【文献】特開2017-105321(JP,A)
【文献】特開2014-054108(JP,A)
【文献】特開2014-158400(JP,A)
【文献】特開2014-087130(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 9/19
F16H 57/04
F16H 57/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ軸を中心として回転可能なロータ、および前記ロータの径方向外側に位置するステータを有するモータと、
前記モータを収容するハウジングと、
前記ハウジング内を通り、冷媒が流れる冷媒流路と、
前記ハウジングの内部と外部とを連通可能なブリーザと、を備え、
前記ハウジングの内周面と前記ステータの外周面とは、径方向に互いに対向し、
前記冷媒流路は、
前記ハウジングの内周面と前記ステータの外周面との間に配置され、軸方向に延びるパイプと、
前記パイプに設けられ、前記ハウジングの内周面と前記ステータの外周面との間に冷媒を噴射する噴射孔と、
前記ハウジングの内周面または前記ステータの外周面の少なくとも一方の面に位置する案内流路と、を有し、
前記ハウジングは、前記噴射孔と前記ブリーザとの間を仕切る仕切り壁部を有し、
前記仕切り壁部は、前記仕切り壁部の径方向内側面が前記ハウジングの内周面の一部を構成し、
前記案内流路は、少なくとも、前記仕切り壁部の径方向内側面に位置し周方向に沿って延びる溝を有する、
駆動装置。
【請求項2】
前記噴射孔は、周方向に向けて開口する、
請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記案内流路は、軸方向に互いに間隔をあけて複数設けられる、
請求項1または2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記案内流路の軸方向の幅は、前記噴射孔の軸方向の幅よりも大きい、
請求項1から3のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記案内流路の軸方向の幅は、前記噴射孔の軸方向の幅よりも小さい、
請求項1から3のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記案内流路の軸方向位置と、前記噴射孔の軸方向位置とが、互いに同じである、
請求項1から5のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記案内流路の軸方向位置と、前記噴射孔の軸方向位置とが、互いに異なる、
請求項1から5のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記ハウジングは、前記ハウジングの内周面から径方向内側へ突出するステータ対向壁部を有し、
前記ステータ対向壁部の径方向内側面は、前記ステータの外周面と接触し、または隙間をあけて対向し、
前記案内流路は、前記ステータ対向壁部の径方向内側面に設けられる、
請求項1から7のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記ハウジングは、前記ハウジングの内周面から径方向内側へ突出するステータ対向壁部を有し、
前記ステータ対向壁部の径方向内側面は、前記ステータの外周面と接触し、または隙間をあけて対向し、
前記ステータ対向壁部は、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられ、
複数の前記ステータ対向壁部は、鉛直方向において互いに異なる位置に配置される上側の前記ステータ対向壁部および下側の前記ステータ対向壁部を含み、
前記案内流路は、上側の前記ステータ対向壁部の径方向内側面に設けられる、
請求項1から8のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記ハウジングの内周面と前記ステータの外周面との間に配置され、軸方向に延びるパイプを備え、
前記パイプは、前記パイプの周壁を貫通する前記噴射孔を有し、
前記冷媒流路は、前記噴射孔と繋がり前記パイプ内に位置するパイプ内流路を有する、
請求項1から9のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記ハウジングは、前記ハウジングの内周面に配置されて径方向外側に窪み、周方向に延びるハウジング溝部を有し、
前記案内流路は、前記ハウジング溝部に位置する、
請求項1から10のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項12】
前記ステータは、前記ステータの外周面に配置されて径方向内側に窪み、周方向に延びるステータ溝部を有し、
前記案内流路は、前記ステータ溝部に位置する、
請求項1から11のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項13】
前記噴射孔は、軸方向に互いに間隔をあけて複数設けられる、
請求項1から12のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項14】
前記案内流路は、前記噴射孔の周方向一方側に位置する第1案内流路を有する、
請求項1から13のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項15】
前記案内流路は、前記噴射孔の周方向他方側に位置する第2案内流路を有する、
請求項14に記載の駆動装置。
【請求項16】
前記案内流路の少なくとも一部は、前記モータ軸よりも鉛直方向の上側に配置される、
請求項1から15のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項17】
記ブリーザは、前記噴射孔よりも鉛直方向の上側に配置される、
請求項1から16のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項18】
前記仕切り壁部は、径方向において、前記ステータの外周面と前記ブリーザとの間に位置する部分を有する、
請求項1から17のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項19】
前記噴射孔は、前記仕切り壁部とは反対方向に向けて開口する、
請求項1から18のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項20】
前記仕切り壁部は、ステータの外周面と接触する、
請求項1から19のいずれか1項に記載の駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータと、ハウジングと、冷媒流路と、を備える駆動装置が知られる。特許文献1に記載の回転電機の冷却構造体は、冷媒が、パイプの孔を介して噴射されモータステータ又はジェネレータステータを通過する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5865215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、ハウジングの内周面とステータの外周面とが周方向の一部以上で嵌合していたり、僅かな隙間をあけて対向するような構成の場合には、噴射された冷媒が、ハウジングとステータとの接触部分等で堰き止められる。このため、ステータを周方向において広範囲に冷却することが難しい。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、ステータを周方向において広範囲に冷却できる駆動装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の駆動装置の一つの態様は、モータ軸を中心として回転可能なロータ、および前記ロータの径方向外側に位置するステータを有するモータと、前記モータを収容するハウジングと、前記ハウジング内を通り、冷媒が流れる冷媒流路と、前記ハウジングの内部と外部とを連通可能なブリーザと、を備える。前記ハウジングの内周面と前記ステータの外周面とは、径方向に互いに対向する。前記冷媒流路は、前記ハウジングの内周面と前記ステータの外周面との間に配置され、軸方向に延びるパイプと、前記パイプに設けられ、前記ハウジングの内周面と前記ステータの外周面との間に冷媒を噴射する噴射孔と、前記ハウジングの内周面または前記ステータの外周面の少なくとも一方の面に位置する案内流路と、を有する。前記ハウジングは、前記噴射孔と前記ブリーザとの間を仕切る仕切り壁部を有する。前記仕切り壁部は、前記仕切り壁部の径方向内側面が前記ハウジングの内周面の一部を構成する。前記案内流路は、少なくとも、前記仕切り壁部の径方向内側面に位置し、周方向に沿って延びる溝を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様の駆動装置によれば、ステータを周方向において広範囲に冷却できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態の駆動装置を模式的に示す概略構成図である。
図2図2は、本実施形態のステータ、第1パイプおよび第2パイプを示す斜視図である。
図3図3は、本実施形態の駆動装置の一部を示す断面図であって、図1におけるIII-III断面図である。
図4図4は、本実施形態の駆動装置の一部を示す断面図であって、図1におけるIV-IV断面図である。
図5図5は、本実施形態の第1パイプを示す斜視図である。
図6図6は、本実施形態のハウジング、第1パイプおよび第2パイプを軸方向から見た図である。
図7図7は、本実施形態の駆動装置の一部を示す断面図であり、モータ軸に垂直な断面を表す。
図8図8は、本実施形態の第1変形例の駆動装置および案内流路を模式的に示す断面図である。
図9図9は、本実施形態の第2変形例の駆動装置および案内流路を模式的に示す断面図である。
図10図10は、本実施形態の第3変形例の駆動装置および案内流路を模式的に示す断面図である。
図11図11は、本実施形態の第4変形例の駆動装置および案内流路を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、各図に示す本実施形態の駆動装置1が水平な路面上に位置する図示しない車両に搭載された場合の位置関係を基に、鉛直方向を規定して説明する。また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向である。+Z側は、鉛直方向上側であり、-Z側は、鉛直方向下側である。本実施形態では、鉛直方向上側を単に「上側」と呼び、鉛直方向下側を単に「下側」と呼ぶ。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって駆動装置1が搭載される車両の前後方向である。本実施形態において、+X側は、車両の前側であり、-X側は、車両の後側である。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向であって、車両の左右方向、すなわち車幅方向である。本実施形態において、+Y側は、車両の左側であり、-Y側は、車両の右側である。前後方向および左右方向は、鉛直方向と直交する水平方向である。本実施形態において、左側は、軸方向一方側に相当し、右側は、軸方向他方側に相当する。また前側は、水平方向一方側に相当し、後側は、水平方向他方側に相当する。
【0010】
なお、前後方向の位置関係は、本実施形態の位置関係に限られず、+X側が車両の後側であり、-X側が車両の前側であってもよい。この場合には、+Y側は、車両の右側であり、-Y側は、車両の左側である。
【0011】
各図に適宜示すモータ軸J1は、Y軸方向、すなわち車両の左右方向に延びる。本実施形態では、特に断りのない限り、モータ軸J1に平行な方向を単に「軸方向」と呼び、モータ軸J1を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、モータ軸J1を中心とする周方向、すなわち、モータ軸J1の軸回りを単に「周方向」と呼ぶ。本実施形態において、軸方向一方側(+Y側)は、軸方向のうち、後述するハウジング6のモータ収容部61からギヤ収容部62へ向かう方向である。軸方向他方側(-Y側)は、軸方向のうち、ギヤ収容部62からモータ収容部61へ向かう方向である。また周方向のうち、所定方向を周方向一方側θ1と呼び、所定方向とは反対の方向を周方向他方側θ2と呼ぶ。本実施形態では、周方向のうち、周方向一方側θ1は、モータ軸J1よりも上側において後側(-X側)へ向かう方向であり、周方向他方側θ2は、モータ軸J1よりも上側において前側(+X側)へ向かう方向である。なお、本実施形態において、「平行な方向」は略平行な方向を含み、「直交する方向」は略直交する方向を含む。
【0012】
図1に示す本実施形態の駆動装置1は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等、モータを動力源とする車両に搭載され、その動力源として使用される。図1に示すように、駆動装置1は、モータ2と、減速装置4および差動装置5を含む伝達装置3と、ハウジング6と、ブリーザ70と、冷媒流路90と、パイプ10と、ポンプ96と、クーラー97と、を備える。なお、本実施形態において、駆動装置1はインバータユニットを含まない。言い換えると、駆動装置1はインバータユニットと別体構造となっている。
【0013】
ハウジング6は、内部にモータ2および伝達装置3を収容する。つまりハウジング6は、モータ2を収容する。ハウジング6は、モータ収容部61と、ギヤ収容部62と、隔壁61cと、ステータ対向壁部61fと、ハウジング溝部61gと、仕切り壁部61hと、を有する。モータ収容部61は、ハウジング6のうち、内部に後述するロータ20およびステータ30を収容する部分である。ギヤ収容部62は、ハウジング6のうち、内部に伝達装置3を収容する部分である。ギヤ収容部62は、モータ収容部61の左側に位置する。モータ収容部61の底部61aは、ギヤ収容部62の底部62aより上側に位置する。隔壁61cは、モータ収容部61の内部とギヤ収容部62の内部とを軸方向に区画し、仕切る。隔壁61cには、隔壁開口68が設けられる。隔壁開口68は、モータ収容部61の内部とギヤ収容部62の内部とを繋ぐ。隔壁61cは、ステータ30の左側に位置する。
【0014】
図3図6および図7に示すように、ステータ対向壁部61fの径方向内側面は、ハウジング6の内周面の少なくとも一部を構成する。ステータ対向壁部61fは、ハウジング6の内周面のうちステータ対向壁部61f以外の部分よりも、径方向内側に突出する。つまりステータ対向壁部61fは、ハウジング6の内周面から径方向内側へ突出する。具体的に、ステータ対向壁部61fの径方向内側面は、モータ収容部61の内周面の部分を構成する。図6に示すように、ステータ対向壁部61fは、軸方向に沿って延びる。図7に示すように、ステータ対向壁部61fの径方向内側面は、モータ軸J1に垂直な断面の形状が、径方向外側に向けて窪む凹曲線状である。ステータ対向壁部61fの径方向内側面は、後述するステータ30の外周面と径方向に対向する。つまり、ハウジング6の内周面とステータ30の外周面とは、径方向に互いに対向する。ステータ対向壁部61fは、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。ステータ対向壁部61fの径方向内側面は、ステータ30の外周面と接触し、または隙間をあけて対向する。本実施形態では、ステータ対向壁部61fの径方向内側面が、ステータ30の外周面と接触する。本実施形態によれば、複数のステータ対向壁部61fによりステータ30を安定して支持できる。
【0015】
複数のステータ対向壁部61fは、鉛直方向において互いに異なる位置に配置される上側のステータ対向壁部61fおよび下側のステータ対向壁部61fを含む。上側のステータ対向壁部61fは、例えば、モータ軸J1よりも上側に位置する。上側のステータ対向壁部61fは、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。下側のステータ対向壁部61fは、例えば、モータ軸J1よりも下側に位置する。下側のステータ対向壁部61fは、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。
【0016】
図6および図7に示すように、ハウジング溝部61gは、ステータ対向壁部61fの径方向内側面に配置される。ハウジング溝部61gは、溝状であり、ステータ対向壁部61fの径方向内側面から径方向外側に窪み、周方向に沿って延びる。つまりハウジング溝部61gは、ハウジング6の内周面に配置されて径方向外側に窪み、周方向に延びる。ハウジング溝部61gは、ステータ対向壁部61fの周方向一方側θ1を向く側面および周方向他方側θ2を向く側面にも開口する。すなわち、ハウジング溝部61gは、径方向内側、周方向一方側θ1および周方向他方側θ2に開口する。本実施形態では、ハウジング溝部61gが角溝状である。ハウジング溝部61gは、角溝状以外の丸溝状等であってもよい。ハウジング溝部61gは、軸方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。
【0017】
図6に示すように、ハウジング溝部61gは、複数のステータ対向壁部61fのうち、モータ軸J1よりも上側に配置されるステータ対向壁部61fに設けられる。ハウジング溝部61gは、複数のステータ対向壁部61fのうち、モータ軸J1よりも下側に配置されるステータ対向壁部61fには設けられていない。つまりハウジング溝部61gは、モータ軸J1よりも上側に位置する。
【0018】
複数のステータ対向壁部61fのうち、第1のステータ対向壁部61fに設けられるハウジング溝部61gと、第1のステータ対向壁部61fとは周方向の位置が異なる第2のステータ対向壁部61fに設けられるハウジング溝部61gとは、周方向に互いに間隔をあけて配置される。第1のステータ対向壁部61fのハウジング溝部61gの軸方向位置と、第2のステータ対向壁部61fのハウジング溝部61gの軸方向位置とは、互いに同じである。
【0019】
仕切り壁部61hは、複数のステータ対向壁部61fのうち、少なくとも1つを構成する。つまり複数のステータ対向壁部61fには、1つ以上の仕切り壁部61hが含まれる。本実施形態では、仕切り壁部61hが1つ設けられる。仕切り壁部61hは、仕切り壁部61hの径方向内側面がハウジング6の内周面の一部を構成する。本実施形態では仕切り壁部61hの径方向内側面が、ハウジング6の内周面のうち、モータ軸J1よりも上側に位置する部分を構成する。つまり仕切り壁部61hは、モータ軸J1よりも上側に位置する。
【0020】
図6に示すように、仕切り壁部61hは、軸方向に沿って延びる。図7に示すように、仕切り壁部61hの径方向内側面は、モータ軸J1に垂直な断面の形状が、径方向外側に向けて窪む凹曲線状である。仕切り壁部61hの径方向内側面は、後述するステータ30の外周面と径方向に対向する。仕切り壁部61hの径方向内側面は、ステータ30の外周面と接触し、または隙間をあけて対向する。
【0021】
仕切り壁部61hは、ハウジング6の頂壁部から下側に突出する突出部61iと、突出部61iの下端部に繋がり周方向に延びる張出し部61jと、を有する。突出部61iは、パイプ10の後述する噴射孔11dと、ブリーザ70との間を仕切る。つまり仕切り壁部61hは、噴射孔11dとブリーザ70との間を仕切る。本実施形態では突出部61iが、噴射孔11dの周方向一方側θ1に配置され、かつブリーザ70の周方向他方側θ2に配置される。すなわち、仕切り壁部61hは、周方向において、噴射孔11dとブリーザ70との間を仕切る。
【0022】
張出し部61jは、突出部61iの下端部から周方向一方側θ1へ向けて張り出す。すなわち張出し部61jは、突出部61iの下端部から、周方向において噴射孔11dとは反対方向へ向けて延びる。張出し部61jは、径方向において、ステータ30の外周面とブリーザ70との間に位置する。つまり仕切り壁部61hは、径方向において、ステータ30の外周面とブリーザ70との間に位置する部分を有する。仕切り壁部61hは、径方向において、ステータ30の外周面とブリーザ70との間を仕切る。本実施形態によれば、噴射孔11dから噴射される冷媒およびステータ30の外周面上を流れる冷媒が、ブリーザ70に浸入することを抑制できる。ブリーザ70の機能が良好に維持され、駆動装置1の性能が安定する。さらには、ブリーザ70を介して冷媒であるオイルOがハウジング6の外部へ流出するのを抑制できる。
【0023】
ブリーザ70は、ハウジング6の内部と外部とを連通可能である。本実施形態ではブリーザ70が、ハウジング6の頂壁部つまり上側の壁部に設けられる。具体的に、ブリーザ70は、モータ収容部61の頂壁部に設けられる。ブリーザ70は、後述する噴射孔11dよりも上側に配置される。本実施形態によれば、噴射孔11dとブリーザ70との間が仕切り壁部61hにより仕切られ、かつ、ブリーザ70が噴射孔11dよりも上側に位置する。このためブリーザ70が、噴射孔11dから噴射された冷媒に浸されることが抑制される。ブリーザ70の機能が良好に維持され、駆動装置の性能が安定する。さらには、ブリーザ70を介してオイルOがハウジング6の外部へ流出するのを抑制できる。
【0024】
ブリーザ70は、ブリーザ本体70aと、弁体70bと、を有する。ブリーザ本体70aは、筒状であり、本実施形態では上下方向に延びる。ブリーザ本体70aは、ブリーザ本体70aの外周面に雄ネジ部を有する。ブリーザ本体70aの雄ネジ部は、モータ収容部61の頂壁部を上下方向に貫通するブリーザ取付孔61kの雌ネジ部にねじ込まれる。ブリーザ本体70aは、ブリーザ本体70aの内周面に弁座70cを有する。弁座70cは、上側を向く環状のテーパ面であり、上側へ向かうに従い内径が大きくなる。弁体70bは、球状であり、弁座70cに上側から接触する。弁体70bは、弁座70cに、上側に移動可能に載せられる。ハウジング6の内圧が外圧よりも高まり、内圧と外圧との圧力差が所定値以上になった場合や、駆動装置1が振動した場合などに、弁体70bは、弁座70cに対して上側へ移動する。これにより、ブリーザ70を通して、ハウジング6の内部と外部とが連通する。
【0025】
図1に示すように、ハウジング6は、内部に冷媒としてのオイルOを収容する。つまり本実施形態において、冷媒はオイルOである。本実施形態では、モータ収容部61の内部およびギヤ収容部62の内部に、オイルOが収容される。ギヤ収容部62の内部における下部領域には、オイルOが溜るオイル溜りPが設けられる。オイル溜りPのオイルOは、冷媒流路90によってモータ収容部61の内部に送られる。モータ収容部61の内部に送られたオイルOは、モータ収容部61の内部における下部領域に溜まる。モータ収容部61の内部に溜まったオイルOの少なくとも一部は、隔壁開口68を介してギヤ収容部62に移動し、オイル溜りPに戻る。
【0026】
なお、本明細書において「ある部分の内部にオイルが収容される」とは、モータが駆動している最中の少なくとも一部において、ある部分の内部にオイルが位置していればよく、モータが停止している際には、ある部分の内部にオイルが位置していなくてもよい。例えば、本実施形態においてモータ収容部61の内部にオイルOが収容されるとは、モータ2が駆動している最中の少なくとも一部において、モータ収容部61の内部にオイルOが位置していればよく、モータ2が停止している際においては、モータ収容部61の内部のオイルOがすべて隔壁開口68を通ってギヤ収容部62に移動してしまっていてもよい。なお、冷媒流路90によってモータ収容部61の内部へと送られたオイルOの一部は、モータ2が停止した状態において、モータ収容部61の内部に残っていてもよい。
【0027】
オイルOは、後述する冷媒流路90内を循環する。オイルOは、減速装置4および差動装置5の潤滑用として使用される。また、オイルOは、モータ2の冷却用として使用される。オイルOとしては、潤滑油および冷却油の機能を奏するために、比較的粘度の低いオートマチックトランスミッション用潤滑油(ATF:Automatic Transmission Fluid)と同等のオイルを用いることが好ましい。
【0028】
本実施形態においてモータ2は、インナーロータ型のモータである。モータ2は、ロータ20と、ステータ30と、複数のベアリング26,27と、を備える。ロータ20は、水平方向に延びるモータ軸J1を中心として回転可能である。ロータ20は、シャフト21と、ロータ本体24と、を有する。図示は省略するが、ロータ本体24は、ロータコアと、ロータコアに固定されるロータマグネットと、を有する。ロータ20のトルクは、伝達装置3に伝達される。
【0029】
シャフト21は、モータ軸J1を中心として軸方向に沿って延びる。シャフト21は、モータ軸J1を中心として回転する。シャフト21は、内部に中空部22が設けられた中空シャフトである。シャフト21には、連通孔23が設けられる。連通孔23は、径方向に延びて中空部22とシャフト21の外部とを繋ぐ。
【0030】
シャフト21は、ハウジング6のモータ収容部61とギヤ収容部62とに跨って延びる。シャフト21の左側の端部は、ギヤ収容部62の内部に突出する。シャフト21の左側の端部には、伝達装置3の後述する第1のギヤ41が固定される。シャフト21は、ベアリング26,27により回転可能に支持される。
【0031】
ステータ30は、ロータ20と径方向に隙間をあけて対向する。ステータ30は、ロータ20の径方向外側に位置する。ステータ30は、ステータコア32と、コイルアセンブリ33と、を有する。ステータコア32は、モータ収容部61の内周面に固定される。図2および図3に示すように、ステータコア32は、ステータコア本体32aと、固定部32bと、を有する。図3に示すように、ステータコア本体32aは、軸方向に延びる円筒状のコアバック32dと、コアバック32dから径方向内側に延びる複数のティース32eと、を有する。複数のティース32eは、周方向に互いに間隔をあけて配置される。複数のティース32eは、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。ハウジング6の仕切り壁部61hを含む複数のステータ対向壁部61fは、各径方向内側面が、ステータコア本体32aの外周面と径方向に対向する。
【0032】
固定部32bは、ステータコア本体32aの外周面から径方向外側に突出する。固定部32bは、ハウジング6に固定される部分である。固定部32bは、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。固定部32bは、例えば、4つ設けられる。4つの固定部32bは、周方向の一周に亘って等間隔に配置される。
【0033】
固定部32bのうちの1つは、ステータコア本体32aから上側に突出する。固定部32bのうちの他の1つは、ステータコア本体32aから下側に突出する。固定部32bのうちのさらに他の1つは、ステータコア本体32aから前側(+X側)に突出する。固定部32bのうちの残りの1つは、ステータコア本体32aから後側(-X側)に突出する。
【0034】
なお、以下の説明においては、ステータコア本体32aから上側に突出する固定部32bを単に「上側の固定部32b」と呼び、ステータコア本体32aから前側に突出する固定部32bを単に「前側の固定部32b」と呼び、ステータコア本体32aから下側に突出する固定部32bを単に「下側の固定部32b」と呼び、ステータコア本体32aから後側に突出する固定部32bを単に「後側の固定部32b」と呼ぶ。
【0035】
図2に示すように、固定部32bは、軸方向に延びる。固定部32bは、例えば、ステータコア本体32aの左側(+Y側)の端部からステータコア本体32aの右側(-Y側)の端部まで延びる。固定部32bは、固定部32bを軸方向に貫通する貫通孔32cを有する。図3に示すように、貫通孔32cには、軸方向に延びるボルト34が通される。ボルト34は、右側(-Y側)から貫通孔32cに通され、図4に示す雌ネジ穴35に締め込まれる。雌ネジ穴35は、隔壁61cに設けられる。ボルト34が雌ネジ穴35に締め込まれることで、固定部32bは、隔壁61cに固定される。またステータコア本体32aの外周面は、少なくとも1つ以上のステータ対向壁部61fの径方向内側面と接触しており、ハウジング6の内周面とステータコア本体32aの外周面とは、嵌め合わされる。上記構成によりステータ30は、ハウジング6と固定される。
【0036】
図1に示すように、コイルアセンブリ33は、周方向に沿ってステータコア32に取り付けられる複数のコイル31を有する。複数のコイル31は、図示しないインシュレータを介してステータコア32の各ティース32eにそれぞれ装着される。複数のコイル31は、周方向に並んで配置される。より詳細には、複数のコイル31は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。図示は省略するが、コイルアセンブリ33は、各コイル31を結束する結束部材等を有してもよいし、各コイル31同士を繋ぐ渡り線を有してもよい。
【0037】
コイルアセンブリ33は、ステータコア32から軸方向に突出する一対のコイルエンド33a,33bを有する。コイルエンド33aは、ステータコア32から右側に突出する部分である。コイルエンド33bは、ステータコア32から左側に突出する部分である。コイルエンド33aは、コイルアセンブリ33に含まれる各コイル31のうちステータコア32よりも右側に突出する部分を含む。コイルエンド33bは、コイルアセンブリ33に含まれる各コイル31のうちステータコア32よりも左側に突出する部分を含む。図2に示すように、本実施形態においてコイルエンド33a,33bは、モータ軸J1を中心とする円環状である。図示は省略するが、コイルエンド33a,33bは、各コイル31を結束する結束部材等を含んでもよいし、各コイル31同士を繋ぐ渡り線を含んでもよい。
【0038】
図1に示すように、ベアリング26,27は、ロータ20を回転可能に支持する。ベアリング26,27は、例えば、ボールベアリングである。ベアリング26は、ロータ20のうちステータコア32よりも右側に位置する部分を回転可能に支持するベアリングである。本実施形態においてベアリング26は、シャフト21のうちロータ本体24が固定される部分よりも右側に位置する部分を支持する。ベアリング26は、モータ収容部61のうちロータ20およびステータ30の右側を覆う壁部61bに保持される。
【0039】
ベアリング27は、ロータ20のうちステータコア32よりも左側に位置する部分を回転可能に支持するベアリングである。本実施形態においてベアリング27は、シャフト21のうちロータ本体24が固定される部分よりも左側に位置する部分を支持する。ベアリング27は、隔壁61cに保持される。
【0040】
伝達装置3は、ハウジング6のギヤ収容部62に収容される。伝達装置3は、モータ2に接続される。より詳細には、伝達装置3は、シャフト21の左側の端部に接続される。伝達装置3は、減速装置4と、差動装置5と、を有する。モータ2から出力されるトルクは、減速装置4を介して差動装置5に伝達される。
【0041】
減速装置4は、モータ2に接続される。減速装置4は、モータ2の回転速度を減じて、モータ2から出力されるトルクを減速比に応じて増大させる。減速装置4は、モータ2から出力されるトルクを差動装置5へ伝達する。減速装置4は、第1のギヤ41と、第2のギヤ42と、第3のギヤ43と、中間シャフト45と、を有する。
【0042】
第1のギヤ41は、シャフト21の左側の端部における外周面に固定される。第1のギヤ41は、シャフト21とともに、モータ軸J1を中心に回転する。中間シャフト45は、モータ軸J1と平行な中間軸J2に沿って延びる。中間シャフト45は、中間軸J2を中心として回転する。第2のギヤ42および第3のギヤ43は、中間シャフト45の外周面に、軸方向に互いに間隔をあけて固定される。第2のギヤ42と第3のギヤ43とは、中間シャフト45を介して互いに接続される。第2のギヤ42および第3のギヤ43は、中間軸J2を中心として回転する。第2のギヤ42は、第1のギヤ41に噛み合う。第3のギヤ43は、差動装置5の後述するリングギヤ51と噛み合う。
【0043】
モータ2から出力されるトルクは、シャフト21、第1のギヤ41、第2のギヤ42、中間シャフト45および第3のギヤ43をこの順に介して差動装置5のリングギヤ51へ伝達される。各ギヤのギヤ比およびギヤの個数等は、必要とされる減速比に応じて適宜変更可能である。本実施形態において減速装置4は、各ギヤの軸芯が平行に配置される平行軸歯車タイプの減速機である。
【0044】
差動装置5は、減速装置4を介してモータ2に接続される。差動装置5は、モータ2から出力されるトルクを車両の車輪に伝達するための装置である。差動装置5は、車両の旋回時に、左右の車輪の速度差を吸収しつつ、左右両輪の車軸55に同トルクを伝える。このように、本実施形態において伝達装置3は、減速装置4および差動装置5を介して、車両の車軸55にモータ2のトルクを伝達する。差動装置5は、リングギヤ51と、図示しないギヤハウジングと、図示しない一対のピニオンギヤと、図示しないピニオンシャフトと、図示しない一対のサイドギヤと、を有する。リングギヤ51は、モータ軸J1と平行な差動軸J3を中心として回転する。リングギヤ51には、モータ2から出力されるトルクが減速装置4を介して伝えられる。
【0045】
冷媒流路90は、ハウジング6内を通り、冷媒が流れる。すなわち、駆動装置1には、ハウジング6の内部を通ってオイルOが循環する冷媒流路90が設けられる。冷媒流路90は、オイル溜りPからオイルOを伝達装置3およびモータ2に供給し、再びオイル溜りPに導くオイルOの経路である。冷媒流路90は、モータ収容部61の内部とギヤ収容部62の内部とに跨って設けられる。
【0046】
なお、本明細書において「冷媒流路」とは、オイルの経路を意味する。したがって、「冷媒流路」とは、定常的に一方向に向かうオイルの流動を作る「流路」のみならず、オイルを一時的に滞留させる経路およびオイルが滴り落ちる経路をも含む概念である。オイルを一時的に滞留させる経路とは、例えば、オイルを貯留するリザーバ等を含む。
【0047】
冷媒流路90は、第1冷媒流路91と、第2冷媒流路92と、を有する。第1冷媒流路91および第2冷媒流路92は、それぞれハウジング6の内部でオイルOを循環させる。第1冷媒流路91は、かき上げ経路91aと、シャフト供給経路91bと、シャフト内経路91cと、ロータ内経路91dと、を有する。また、第1冷媒流路91の経路中には、第1のリザーバ93が設けられる。第1のリザーバ93は、ギヤ収容部62内に設けられる。
【0048】
かき上げ経路91aは、差動装置5のリングギヤ51の回転によってオイル溜りPからオイルOをかき上げて、第1のリザーバ93でオイルOを受ける経路である。第1のリザーバ93は、上側に開口する。第1のリザーバ93は、リングギヤ51がかき上げたオイルOを受ける。また、モータ2の駆動直後などオイル溜りPの液面Sが高い場合等には、第1のリザーバ93は、リングギヤ51に加えて第2のギヤ42および第3のギヤ43によってかき上げられたオイルOも受ける。
【0049】
シャフト供給経路91bは、第1のリザーバ93からシャフト21の中空部22にオイルOを誘導する経路である。シャフト内経路91cは、シャフト21の中空部22内をオイルOが通過する経路である。ロータ内経路91dは、シャフト21の連通孔23からロータ本体24の内部を通過して、ステータ30に飛散する経路である。
【0050】
シャフト内経路91cにおいて、ロータ20の内部のオイルOには、ロータ20の回転に伴い遠心力が作用する。これにより、オイルOは、ロータ20から径方向外側に連続的に飛散する。また、オイルOの飛散に伴い、ロータ20内部の経路が負圧となり、第1のリザーバ93に溜るオイルOがロータ20の内部に吸引され、ロータ20内部の経路にオイルOが満たされる。
【0051】
ステータ30に到達したオイルOは、ステータ30から熱を奪う。ステータ30を冷却したオイルOは、下側に滴下され、モータ収容部61内の下部領域に溜る。モータ収容部61内の下部領域に溜ったオイルOは、隔壁61cに設けられた隔壁開口68を介してギヤ収容部62に移動する。以上のようにして、第1冷媒流路91は、オイルOをロータ20およびステータ30に供給する。
【0052】
第2冷媒流路92においてオイルOは、オイル溜りPから引き上げられてステータ30に供給される。第2冷媒流路92には、ポンプ96と、クーラー97と、パイプ10と、が設けられる。第2冷媒流路92は、第1の流路92aと、第2の流路92bと、第3の流路92cと、第4の流路94と、パイプ内流路92dと、噴射孔11d,12cと、案内流路99と、を有する。つまり冷媒流路90は、パイプ内流路92dと、噴射孔11d,12cと、案内流路99と、を有する。
【0053】
第1の流路92a、第2の流路92bおよび第3の流路92cは、ハウジング6の壁部に設けられる。第1の流路92aは、オイル溜りPとポンプ96とを繋ぐ。第2の流路92bは、ポンプ96とクーラー97とを繋ぐ。第3の流路92cは、クーラー97と第4の流路94とを繋ぐ。第3の流路92cは、例えば、モータ収容部61の壁部のうち前側(+X側)の壁部に設けられる。
【0054】
第4の流路94は、隔壁61cに設けられる。第4の流路94は、パイプ10のうち後述する第1パイプ11と第2パイプ12とを繋ぐ。図4に示すように、第4の流路94は、流入部94aと、第1分岐部94cと、第2分岐部94fと、を有する。流入部94aは、第4の流路94のうち第3の流路92cからオイルOが流入する部分である。流入部94aは、第3の流路92cから後側(-X側)に延びる。流入部94aは、シャフト21の前側(+X側)に位置し、径方向のうち前後方向に直線状に延びる。流入部94aの内径は、前側の端部において大きくなっている。本実施形態において流入部94aの前側の端部は、流入部94aの径方向外側の端部である。
【0055】
流入部94aの前側(+X側)の端部は、固定部32bよりも径方向外側に位置する。流入部94aの後側(-X側)の端部は、固定部32bよりも径方向内側に位置する。すなわち、本実施形態において流入部94aは、固定部32bよりも径方向外側に位置する部分から固定部32bよりも径方向内側に位置する部分まで、前後方向に延びる。流入部94aは、前側(+X側)の固定部32bよりも上側に位置する。
【0056】
流入部94aの後側(-X側)の端部は、第1分岐部94cと第2分岐部94fとがそれぞれ繋がる接続部94bである。流入部94aの内径は、接続部94bにおいて大きくなっている。接続部94bは、固定部32bよりも径方向内側に位置する。
【0057】
流入部94aのうち接続部94bを除く部分は、例えば、ハウジング6の前側(+X側)からドリルで穴加工することにより作られる。流入部94aの前側の端部は、キャップボルト95aが締め込まれることで塞がれる。流入部94aの接続部94bは、例えば、隔壁61cの左側(+Y側)からドリルで穴加工することにより作られる。図示は省略するが、接続部94bの左側の端部は、キャップボルトが締め込まれることで塞がれる。
【0058】
第1分岐部94cは、第4の流路94のうち、流入部94aから分岐して後述する第1パイプ11まで延びる部分である。第1分岐部94cは、流入部94aの後側(-X側)の端部つまり接続部94bから、上側斜め後方に延びる。第1分岐部94cは、隔壁61cのうち、上下方向においてシャフト21と同じ位置かつシャフト21よりも前側に位置する部分から、上側の固定部32bの下側かつシャフト21の上側に位置する部分を通って、隔壁61cの上側の端部まで延びる。本実施形態では、第1分岐部94cの上側の端部の径方向位置が、固定部32bの径方向位置と同じである。第1分岐部94cの上側の端部は、上側の固定部32bよりも後側に位置する。
【0059】
第1分岐部94cは、接続部94bから上側斜め後方に直線状に延びる延伸部94dと、延伸部94dの上側の端部に繋がる接続部94eと、を有する。接続部94eは、第1分岐部94cの上側の端部であり、後述する第1パイプ11が繋がる部分である。接続部94eの内径は、延伸部94dの内径よりも大きい。接続部94eは、例えば、ハウジング6の上側からドリルで穴加工することにより作られる。接続部94eの上側の端部は、キャップボルト95bが締め込まれることで塞がれる。延伸部94dは、例えば、ハウジング6の上側から接続部94eの内部を通して、ドリルで下側斜め前方に向けて穴加工することにより作られる。
【0060】
第2分岐部94fは、第4の流路94のうち、流入部94aから分岐して後述する第2パイプ12まで延びる部分である。本実施形態において第2分岐部94fは、接続部94bから前側斜め上方に延びる。第2分岐部94fは、流入部94aから前後方向に対して右側(-Y側)に傾いて直線状に延びる。第2分岐部94fの前側(+X側)の端部における径方向位置は、固定部32bの径方向位置と同じである。第2分岐部94fの前側(+X側)の端部は、前側の固定部32bよりも上側に位置する。第2分岐部94fの前側の端部と前側の固定部32bとは、前後方向において同じ位置に配置される。第2分岐部94fは、例えば、隔壁61cの左側(+Y側)から、接続部94bの内部を通してドリルで穴加工することにより作られる。
【0061】
第4の流路94において、流入部94aの後側部分、延伸部94dのうち上側の端部を除く部分、および第2分岐部94fの後側部分は、隔壁61cのうち固定部32bよりも径方向内側に位置する部分に設けられる。すなわち、本実施形態において第4の流路94は、固定部32bよりも径方向内側を通る部分を有する。
【0062】
図1および図3に示すように、パイプ10は、ハウジング6の内周面とステータ30の外周面との間に配置され、軸方向に延びる。パイプ10の左側(+Y側)の端部は、隔壁61cに固定される。パイプ10の左側の端部は、第4の流路94と接続される。つまりパイプ10の内部と第4の流路94とは、互いに連通する。パイプ10の右側(-Y側)の端部は、壁部61bに固定される。パイプ10は、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。
【0063】
パイプ内流路92dは、パイプ10の内部に配置される冷媒の流路である。つまりパイプ内流路92dは、パイプ10内に位置する。パイプ内流路92dは、軸方向に延びる。パイプ内流路92dは、第4の流路94と繋がる。パイプ内流路92dは、パイプ10の周壁に開口する噴射孔11d,12cと繋がる。パイプ内流路92dは、複数のパイプ10にそれぞれ設けられる。すなわち本実施形態では、パイプ内流路92dが複数設けられる。本実施形態によれば、冷媒流路90の一部をパイプ10により構成できるので、冷媒流路90の構造が簡素化される。
【0064】
図2および図3に示すように、パイプ10は、第1パイプ11と、第2パイプ12と、を有する。すなわち、駆動装置1は、第1パイプ11および第2パイプ12を備える。本実施形態において第1パイプ11および第2パイプ12は、軸方向に直線状に延びる円筒状である。第1パイプ11と第2パイプ12とは、互いに平行である。第1パイプ11および第2パイプ12は、ハウジング6の内部に収容される。第1パイプ11および第2パイプ12は、ステータ30の径方向外側に位置する。本実施形態では、第1パイプ11の径方向位置と第2パイプ12の径方向位置とが、互いに同じである。第1パイプ11は、モータ軸J1の上側に位置する。第2パイプ12は、モータ軸J1の前側(+X側)に位置する。
【0065】
なお、本明細書において「第1パイプおよび第2パイプがモータ軸の軸方向に直線状に延びる」とは、第1パイプおよび第2パイプが厳密に軸方向に直線状に延びる場合に加えて、第1パイプおよび第2パイプが略軸方向に直線状に延びる場合も含む。すなわち、本実施形態において「第1パイプ11および第2パイプ12が軸方向に直線状に延びる」とは、例えば、第1パイプ11および第2パイプ12が軸方向に対して僅かに傾いて延びていてもよい。この場合、第1パイプ11が軸方向に対して傾く向きと第2パイプ12が軸方向に対して傾く向きとは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0066】
本実施形態において第1パイプ11は、ステータ30の上側に位置する。本実施形態において第1パイプ11の径方向位置は、固定部32bの径方向位置と同じである。第1パイプ11は、上側の固定部32bの後側(-X側)に位置する。第1パイプ11の上下方向の位置と、上側の固定部32bの上下方向の位置とは、互いに同じである。つまり複数のパイプ10のうち少なくとも1つは、上下方向において、上側の固定部32bと同じ位置に配置される。
【0067】
図5に示すように、第1パイプ11は、第1パイプ本体部11aと、第1パイプ本体部11aの左側(+Y側)の端部に接続する小径部11bと、第1パイプ本体部11aの右側(-Y側)の端部に接続する小径部11cと、第1パイプ本体部11aの周壁を貫通する噴射孔11dと、を有する。つまりパイプ10は、パイプ10の周壁を貫通する噴射孔11dを有する。
【0068】
第1パイプ本体部11aは、軸方向に延びる円筒状である。小径部11bは、軸方向に延びる円筒状である。小径部11cは、軸方向に延びる円筒状である。小径部11b,11cの外径は、第1パイプ本体部11aの外径よりも小さい。第1パイプ11は、小径部11bが隔壁61cの穴部(図示省略)に右側(-Y側)から挿し込まれて、隔壁61cに固定される。小径部11bは、左側(+Y側)に開口する。図4に示すように、小径部11bは、第1分岐部94cの接続部94eに開口する。これにより、第1パイプ11の内部つまりパイプ内流路92dは、第4の流路94と繋がる。
【0069】
図2および図5に示すように、第1パイプ11の右側(-Y側)の端部には、取付部材16が設けられる。取付部材16は、板状であり、一対の板面が軸方向を向く。取付部材16は、左側(+Y側)を向く板面から右側に窪む凹部16aを有する。凹部16aには、第1パイプ11の右側の端部、すなわち小径部11cが嵌め合わされて固定される。第1パイプ11の右側の端部の開口は、取付部材16によって塞がれる。
【0070】
取付部材16は、取付部材16を軸方向に貫通する孔部16bを有する。図2に示すように、孔部16bには、右側(-Y側)からボルト18が通される。ボルト18は、孔部16bを貫通して、図3に示すボルト固定部61dの雌ネジ穴(図示省略)に右側から締め込まれる。ボルト固定部61dは、複数のステータ対向壁部61fのうち、1つのステータ対向壁部61fに配置される。ボルト18がボルト固定部61dに締め込まれることで、取付部材16は、ボルト固定部61dに固定される。これにより、第1パイプ11の右側の端部は、取付部材16を介してモータ収容部61に固定される。
【0071】
噴射孔11dは、第1パイプ11の中心軸と直交するパイプ径方向に延び、第1パイプ11の内部と外部とを連通する。噴射孔11dは、例えば円孔状である。噴射孔11dは、ハウジング6の内周面とステータ30の外周面との間に位置する。噴射孔11dは、ハウジング6の内周面とステータ30の外周面との間にオイルOつまり冷媒を噴射する。
【0072】
図6に示すように、噴射孔11dは、複数設けられる。複数の噴射孔11dのうち少なくとも1つは、周方向に向けて開口する。つまり噴射孔11dは、周方向に向けて開口する。本実施形態では複数の噴射孔11dのうち少なくとも1つが、周方向のうち、モータ軸J1よりも上側において前側(+X側)へ向かう方向、つまり周方向他方側θ2へ向けて開口する。図7に示すように、複数の噴射孔11dのうち少なくとも1つは、周方向において、仕切り壁部61hとは反対方向へ向けて開口する。つまり噴射孔11dは、仕切り壁部61hとは反対方向に向けて開口する。本実施形態によれば、噴射孔11dが、仕切り壁部61hおよびブリーザ70とは反対方向に向けて開口する。このため、噴射孔11dから噴射された冷媒が、ブリーザ70に浸入することが抑制される。
【0073】
なお、本明細書において「噴射孔が周方向に向けて開口する」とは、噴射孔が開口する向きが、周方向成分を含んでいることを意味する。すなわち、噴射孔が周方向に沿って開口していてもよいし、噴射孔が周方向に対して傾いた向きに開口していてもよい。
【0074】
図5に示すように、噴射孔11dは、軸方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。本実施形態によれば、軸方向に並ぶ複数の噴射孔11dから噴射されるオイルOによって、ステータ30を軸方向において広範囲に冷却できる。また噴射孔11dは、周方向にも互いに間隔をあけて複数設けられる。複数の噴射孔11dは、複数の第1オイル供給口13と、複数の第2オイル供給口14と、を有する。第1オイル供給口13および第2オイル供給口14からは、第1パイプ11内を流れるオイルOが噴射される。図6に示すように、複数の第1オイル供給口13のうち、少なくとも1つは周方向他方側θ2かつ下側を向き、少なくとも他の1つは下側を向く。第2オイル供給口14は、周方向他方側θ2かつ下側を向く。
【0075】
図5に示すように、第1オイル供給口13は、第1パイプ本体部11aの軸方向の両端部にそれぞれ、複数設けられる。第1オイル供給口13は、例えば、第1パイプ本体部11aの軸方向の両端部に4つずつ設けられる。第1パイプ本体部11aの右側(-Y側)の端部に設けられた4つの第1オイル供給口13は、周方向に沿ってジグザグに配置される。第1パイプ本体部11aの左側(+Y側)の端部に設けられた4つの第1オイル供給口13は、周方向に沿ってジグザグに配置される。
【0076】
図2に示すように、複数の第1オイル供給口13のうち右側(-Y側)に設けられる4つの第1オイル供給口13は、コイルエンド33aの上側に位置する。複数の第1オイル供給口13のうち左側(+Y側)に設けられる4つの第1オイル供給口13は、コイルエンド33bの上側に位置する。第1オイル供給口13から噴射されるオイルOは、コイルエンド33a,33bに上側から供給される。すなわち、複数の噴射孔11dのうち第1オイル供給口13は、コイルエンド33a,33bにオイルOを供給する噴射孔である。
【0077】
第2オイル供給口14は、第1パイプ本体部11aの軸方向の両端部間に位置する中間部分に設けられる。本実施形態において第2オイル供給口14は、第1パイプ本体部11aの軸方向の中間部分に、軸方向に互いに間隔をあけて2つ設けられる。図3に示すように、本実施形態において第2オイル供給口14は、下側斜め前方に開口する。図2および図3に示すように、第2オイル供給口14は、ステータコア本体32aの上側に位置する。第2オイル供給口14から噴射されるオイルOは、ステータコア本体32aに上側から供給される。すなわち、複数の噴射孔11dのうち第2オイル供給口14は、ステータコア32にオイルOを供給する噴射孔である。
【0078】
第2パイプ12は、ステータ30の前側(+X側)に位置する。本実施形態において第2パイプ12の径方向位置は、固定部32bの径方向位置と同じである。第2パイプ12は、前側の固定部32bの上側に位置する。第2パイプ12の前後方向の位置と、前側の固定部32bの前後方向の位置とは、互いに同じである。つまり複数のパイプ10のうち少なくとも1つは、前後方向において、前側の固定部32bと同じ位置に配置される。
【0079】
本実施形態では、周方向のうちモータ軸J1よりも上側に位置する領域において、第1パイプ11と第2パイプ12との間に、上側の固定部32bが配置される。すなわち、周方向のうちモータ軸J1よりも上側に位置する領域において、第1パイプ11と第2パイプ12とは、上側の固定部32bの周方向両側に配置される。詳しくは、第1パイプ11は、上側の固定部32bの周方向一方側θ1に配置され、第2パイプ12は、上側の固定部32bの周方向他方側θ2に配置される。
【0080】
図2に示すように、第2パイプ12は、第2パイプ本体部12aと、第2パイプ本体部12aの左側(+Y側)の端部に接続する小径部12bと、第2パイプ本体部12aの右側(-Y側)の端部に接続する小径部(図示省略)と、第2パイプ本体部12aの周壁を貫通する噴射孔12cと、を有する。つまりパイプ10は、パイプ10の周壁を貫通する噴射孔12cを有する。
【0081】
第2パイプ本体部12aは、軸方向に延びる円筒状である。小径部12bは、軸方向に延びる円筒状である。第2パイプ本体部12aの右側(-Y側)の端部に接続する小径部は、軸方向に延びる円筒状である。小径部12bの外径は、第2パイプ本体部12aの外径よりも小さい。第2パイプ本体部12aの右側の端部に接続する小径部の外径は、第2パイプ本体部12aの外径よりも小さい。第2パイプ12は、小径部12bが隔壁61cの穴部(図示省略)に右側から挿し込まれて、隔壁61cに固定される。小径部12bは、左側(+Y側)に開口する。図4に示すように、小径部12bは、第2分岐部94fの前側(+X側)の端部に開口する。これにより、第2パイプ12の内部つまりパイプ内流路92dは、第4の流路94と繋がる。第1パイプ11と第2パイプ12とは、第4の流路94を介して互いに繋がる。詳しくは、第1パイプ11のパイプ内流路92dと、第2パイプ12のパイプ内流路92dとが、第1分岐部94c、接続部94bおよび第2分岐部94fを介して、互いに繋がる。
【0082】
図2に示すように、第2パイプ12の右側(-Y側)の端部には、取付部材17が設けられる。取付部材17は、板状であり、一対の板面が軸方向を向く。第2パイプ12の右側の端部は、第1パイプ11と同様の構成により、取付部材17に固定される。第2パイプ12の右側の端部の開口は、取付部材17によって塞がれる。
【0083】
図6に示すように、取付部材17は、取付部材17を軸方向に貫通する孔部17aを有する。特に図示しないが、孔部17aには、右側(-Y側)からボルトが通される。ボルトは、孔部17aを貫通して、ボルト固定部61eの雌ネジ穴に右側から締め込まれる。図3に示すように、ボルト固定部61eは、複数のステータ対向壁部61fのうち、1つのステータ対向壁部61fに配置される。ボルトがボルト固定部61eに締め込まれることで、取付部材17は、ボルト固定部61eに固定される。これにより、第2パイプ12の右側の端部は、取付部材17を介してモータ収容部61に固定される。
【0084】
噴射孔12cは、第2パイプ12の中心軸と直交するパイプ径方向に延び、第2パイプ12の内部と外部とを連通する。噴射孔12cは、例えば円孔状である。噴射孔12cは、ハウジング6の内周面とステータ30の外周面との間に位置する。噴射孔12cは、ハウジング6の内周面とステータ30の外周面との間にオイルOつまり冷媒を噴射する。
【0085】
図6に示すように、噴射孔12cは、複数設けられる。複数の噴射孔12cのうち少なくとも1つは、周方向に向けて開口する。つまり噴射孔12cは、周方向に向けて開口する。本実施形態では複数の噴射孔12cのうち少なくとも1つが、周方向のうち、モータ軸J1よりも上側において後側(-X側)へ向かう方向、つまり周方向一方側θ1へ向けて開口する。
【0086】
図2に示すように、噴射孔12cは、軸方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。本実施形態によれば、軸方向に並ぶ複数の噴射孔12cから噴射されるオイルOによって、ステータ30を軸方向において広範囲に冷却できる。複数の噴射孔12cは、複数の第3オイル供給口15を有する。第3オイル供給口15からは、第2パイプ12内を流れるオイルOが噴射される。図6に示すように、複数の第3オイル供給口15のうち、少なくとも1つは、周方向一方側θ1かつ上側を向く。本実施形態では、すべての第3オイル供給口15が、周方向一方側θ1かつ上側を向く。本実施形態において第3オイル供給口15は、上側斜め後方を向く。
【0087】
図2に示すように、第3オイル供給口15は、第2パイプ本体部12aの軸方向の両端部間に位置する中間部分に設けられる。本実施形態において第3オイル供給口15は、第2パイプ本体部12aの軸方向の中間部分に、軸方向に互いに間隔をあけて6つ設けられる。図3に示すように、第3オイル供給口15から、周方向一方側θ1かつ上側すなわち上側斜め後方に噴射されるオイルOは、ステータコア本体32aの外周面に供給される。すなわち、複数の噴射孔12cを構成する第3オイル供給口15は、ステータコア32にオイルOを供給する噴射孔である。
【0088】
図6および図7に示すように、案内流路99は、ハウジング6の内周面とステータ30の外周面との間に位置する。具体的に、案内流路99は、モータ収容部61の内周面とステータコア32の外周面との間に位置する。より詳しくは、案内流路99は、ステータ対向壁部61fの径方向内側面とステータコア本体32aの外周面との間に位置する。案内流路99は、ハウジング6の内周面またはステータ30の外周面の少なくとも一方の面に位置する。本実施形態では案内流路99が、ハウジング6の内周面およびステータ30の外周面のうち、ハウジング6の内周面に設けられる。
【0089】
案内流路99は、ハウジング6の内周面とステータ30の外周面との間のうち、軸方向において案内流路99と隣接する部分に比べて、ハウジング6の内周面とステータ30の外周面との間の径方向距離が大きい。すなわち、案内流路99におけるハウジング6の内周面とステータ30の外周面との間の径方向距離は、案内流路99と軸方向に隣接する部分におけるハウジング6の内周面とステータ30の外周面との間の径方向距離よりも、大きい。案内流路99は、周方向に沿って延びる溝である。
【0090】
本実施形態の駆動装置1によれば、ハウジング6の内周面とステータ30の外周面との間で噴射孔11d,12cから噴射されたオイルOが、案内流路99を通ることで、ステータ30の外周面上を周方向に流れる。例えば、ハウジング6の内周面とステータ30の外周面とが周方向の一部以上で嵌合していたり、僅かな隙間をあけて対向するような構成であっても、噴射孔11d,12cから噴射されたオイルOが、ハウジング6とステータ30との接触部分等で堰き止められることが抑制される。すなわち、ハウジング6とステータ30との嵌合状態や配置等に係わらず、噴射孔11d,12cから噴射されたオイルOが案内流路99を安定して流れて、ステータ30を周方向において広範囲に冷却できる。このため、ステータ30を周方向の各位置において効率よく均等に冷却できる。
【0091】
また本実施形態では、噴射孔11d,12cが周方向に向けて開口する。噴射孔11d,12cからオイルOが周方向に向けて噴射される。このため、噴射孔11d,12cから噴射されたオイルOを、案内流路99に流入しやすくすることができる。ステータ30の冷却効率を高めることができる。
【0092】
案内流路99は、軸方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。本実施形態によれば、ステータ30の軸方向の各位置において、ステータ30を周方向に広範囲に冷却できる。このため、ステータ30を安定して冷却できる。
【0093】
複数の案内流路99のうち、少なくとも1つの案内流路99の軸方向の幅は、噴射孔11d,12cの軸方向の幅よりも大きい。本実施形態によれば、噴射孔11d,12cから噴射されたオイルOが、案内流路99に流入しやすい。また案内流路99を流れるオイルOによって、ステータ30が軸方向においても広範囲に冷却される。このため、ステータ30を安定して冷却できる。なお、複数の案内流路99のうち、少なくとも1つの案内流路99の軸方向の幅が、噴射孔11d,12cの軸方向の幅よりも小さい構成を採用してもよい。この場合、噴射孔11d,12cから噴射されたオイルOが一旦、案内流路99の手前に留まることで、オイルOが留まった領域においてステータ30との熱交換が促され、ステータ30の冷却効率を向上できる。また、コイルエンド33a,33bに近い部位では、案内流路99の手前でオイルOが堰き止められることにより、コイルエンド33a,33bにオイルOが流出する。このため、コイルエンド33a,33bを冷却することができる。
【0094】
複数の案内流路99のうち、少なくとも1つの案内流路99の軸方向位置と、噴射孔11d,12cの軸方向位置とは、互いに同じである。本実施形態では、軸方向に並ぶ複数の噴射孔11d,12cのうち少なくとも1つ以上が、軸方向において、案内流路99と同じ位置に配置される。案内流路99の軸方向位置と、少なくとも1つの噴射孔11d,12cの軸方向位置とが、互いに同じである。本実施形態によれば、噴射孔11d,12cから噴射されたオイルOが、案内流路99により流入しやすい。このため、ステータ30を安定して冷却できる。なお、複数の案内流路99のうち、少なくとも1つの案内流路99の軸方向位置と、噴射孔11d,12cの軸方向位置とが、互いに異なる構成を採用してもよい。この場合、噴射孔11d,12cから噴射されたオイルOが一旦、案内流路99の手前に留まることで、オイルOが留まった領域においてステータ30との熱交換が促され、ステータ30の冷却効率を向上できる。また、コイルエンド33a,33bに近い部位では、案内流路99の手前でオイルOが堰き止められることにより、コイルエンド33a,33bにオイルOが流出する。このため、コイルエンド33a,33bを冷却することができる。
【0095】
本実施形態では案内流路99が、ハウジング溝部61gに位置する。案内流路99は、ハウジング溝部61gにより構成される。このため案内流路99は、周方向に延びる溝状である。案内流路99は、ステータ対向壁部61fの径方向内側面に設けられる。案内流路99は、ステータ対向壁部61fのうち、径方向内側面、周方向一方側θ1を向く側面および周方向他方側θ2を向く側面に開口する。つまり案内流路99は、径方向内側、周方向一方側θ1および周方向他方側θ2に開口する。本実施形態によれば、案内流路99が、ステータ対向壁部61fの径方向内側面つまりハウジング6の内周面に設けられるので、例えばステータ30の外周面に案内流路99が設けられる場合と比べて、モータ性能への制限を生じにくくできる。また案内流路99は、ステータ30の外周面を流れるオイルOがステータ対向壁部61fにより堰き止められることを抑制する。
【0096】
複数のステータ対向壁部61fのうち、第1のステータ対向壁部61fに設けられる案内流路99と、第1のステータ対向壁部61fとは周方向の位置が異なる第2のステータ対向壁部61fに設けられる案内流路99とは、周方向に互いに間隔をあけて配置される。つまり案内流路99は、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。第1のステータ対向壁部61fと第2のステータ対向壁部61fとは、例えば、周方向に互いに隣り合って配置される。第1のステータ対向壁部61fの案内流路99の軸方向位置と、第2のステータ対向壁部61fの案内流路99の軸方向位置とは、互いに同じである。本実施形態によれば、第1のステータ対向壁部61fの案内流路99から第2のステータ対向壁部61fへ向けて流出したオイルOが、第2のステータ対向壁部61fの案内流路99に流入しやすい。このため、ステータ30を効率よく冷却できる。
【0097】
本実施形態では、複数の案内流路99のうち少なくとも1つが、仕切り壁部61hの径方向内側面とステータ30の外周面との間に配置される。つまり案内流路99は、仕切り壁部61hの径方向内側面とステータ30の外周面との間に位置する。案内流路99は、仕切り壁部61hの径方向内側面またはステータ30の外周面の少なくとも一方に位置する。複数の案内流路99のうち少なくとも1つが、仕切り壁部61hのハウジング溝部61gにより構成される。本実施形態によれば、仕切り壁部61hにより、案内流路99とブリーザ70との間が仕切られる。案内流路99を流れるオイルOが、ブリーザ70に浸入することを抑制できる。ブリーザ70の機能が良好に維持され、駆動装置1の性能が安定する。
【0098】
図6に示すように、案内流路99は、噴射孔11d,12cの周方向一方側θ1に位置する第1案内流路99aを有する。第1パイプ11の噴射孔11dの周方向一方側θ1に位置する第1案内流路99aは、周方向において上側の固定部32bと後側(-X側)の固定部32bとの間に配置される2つのステータ対向壁部61fに、それぞれ設けられる。この2つのステータ対向壁部61fのうち1つは、仕切り壁部61hである。第2パイプ12の噴射孔12cの周方向一方側θ1に位置する第1案内流路99aは、周方向において前側(+X側)の固定部32bと上側の固定部32bとの間に配置される2つのステータ対向壁部61fに、それぞれ設けられる。
【0099】
図7に示すように本実施形態では、第1パイプ11においては、噴射孔11dから噴射されたオイルOが、周方向一方側θ1に流れる。図6に示すように、第2パイプ12においては、噴射孔12cから周方向一方側θ1へ向けてオイルOが噴射される。本実施形態によれば、噴射孔11d,12cの周方向一方側θ1に第1案内流路99aが位置するため、オイルOが第1案内流路99aを流れて、ステータ30が周方向において広範囲に冷却される。
【0100】
案内流路99は、複数のステータ対向壁部61fのうち、上側のステータ対向壁部61fの径方向内側面に設けられる。案内流路99は、複数のステータ対向壁部61fのうち、下側のステータ対向壁部61fの径方向内側面には設けられない。案内流路99の少なくとも一部は、モータ軸J1よりも上側に配置される。本実施形態では、案内流路99全体が、モータ軸J1よりも上側に配置される。複数の案内流路99のすべてが、モータ軸J1よりも上側に位置する。案内流路99は、モータ軸J1よりも下側には配置されない。ステータ30のうち下側の部分については、案内流路99を設けなくても、モータ収容部61の底部61aに溜るオイルOや上側から滴り落ちるオイルOによって、オイルOが行き渡りやすいためである。本実施形態によれば、案内流路99によってステータ30のうち上側の部分にオイルOを広範囲に案内でき、ステータ30を安定して冷却できる。ステータ30を周方向全体に均等に冷却しつつ、駆動装置1の構造を簡素化できる。また、案内流路99が下側のステータ対向壁部61fには設けられていないため、ステータ30を支持する領域が小さくなることを抑制でき、つまり支持領域を大きく確保できて、ハウジング6へのステータ30の取り付け姿勢が安定する。
【0101】
図1に示すように、ポンプ96は、ハウジング6の壁部に設けられる。ポンプ96は、冷媒としてのオイルOを送るオイルポンプである。本実施形態においてポンプ96は、電気により駆動する電動ポンプである。ポンプ96は、第1の流路92aを介してオイル溜りPからオイルOを吸い上げ、第2の流路92b、クーラー97、第3の流路92c、第4の流路94、パイプ内流路92dおよび噴射孔11d,12cを介して、オイルOをモータ2に供給する。すなわち、ポンプ96は、ハウジング6の内部に収容されたオイルOを、第4の流路94、パイプ内流路92dおよび噴射孔11d,12cに送る。
【0102】
ポンプ96によって第3の流路92cまで送られたオイルOは、流入部94aから第4の流路94に流入する。図4に示すように、流入部94aに流入したオイルOは、後側(-X側)に流れて、第1分岐部94cと第2分岐部94fとのそれぞれに分岐して流入する。第1分岐部94cに流入したオイルOは、第1パイプ11の左側(+Y側)の端部から第1パイプ11に流入する。第1パイプ11に流入したオイルOは、第1パイプ11内を右側(-Y側)に流れ、第1オイル供給口13および第2オイル供給口14からステータ30に供給される。第2分岐部94fに流入したオイルOは、第2パイプ12の左側の端部から第2パイプ12に流入する。第2パイプ12に流入したオイルOは、第2パイプ12内を右側に流れ、第3オイル供給口15からステータ30に供給される。
【0103】
このようにして、第1パイプ11および第2パイプ12からステータ30にオイルOを供給でき、ステータ30を冷却できる。また、流入部94aに流入したオイルOを第1分岐部94cと第2分岐部94fとに分岐させて第1パイプ11と第2パイプ12とにそれぞれ供給できる。例えば本実施形態と異なり、第1パイプ11および第2パイプ12のうち、一方のパイプ10から他方のパイプ10へとオイルOが流れる構成と比べて、本実施形態では、第1パイプ11に供給されるオイルOの量と、第2パイプ12に供給されるオイルOの量とに偏りが生じることを抑制しやすい。また、各パイプ10にオイルOが供給されるまでの経路を共に短くしやすいため、ステータ30に供給されるオイルOの温度を低いままに維持しやすい。したがって、ステータ30を好適に冷却しやすい。
【0104】
第1パイプ11および第2パイプ12からステータ30に供給されたオイルOは、下側に滴下され、モータ収容部61内の下部領域に溜る。モータ収容部61内の下部領域に溜ったオイルOは、隔壁61cに設けられた隔壁開口68を通してギヤ収容部62のオイル溜りPに移動する。以上のようにして、第2冷媒流路92は、オイルOをステータ30に供給する。
【0105】
図1に示すように、クーラー97は、ハウジング6の壁部に設けられる。クーラー97は、第2冷媒流路92を通過するオイルOを冷却する。つまりクーラー97は、オイルクーラーである。クーラー97には、第2の流路92bおよび第3の流路92cが接続される。第2の流路92bおよび第3の流路92cは、クーラー97の内部流路を介して繋がる。クーラー97には、図示しないラジエータで冷却された冷却水を通過させる冷却水用配管98が接続される。クーラー97の内部を通過するオイルOは、冷却水用配管98を通過する冷却水との間で熱交換されて冷却される。
【0106】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の変更等が可能である。
【0107】
前述の実施形態では、噴射孔11d,12cがパイプ10に設けられる例を挙げたが、これに限らない。特に図示しないが、噴射孔は、例えばハウジング6の頂壁部に配置されて、ハウジング6の内周面とステータ30の外周面との間にオイルOを噴射してもよい。この場合、冷媒流路90の第2冷媒流路92は、ハウジング6の頂壁部内に位置する第5の流路(図示省略)を有する。第5の流路は、第4の流路94および噴射孔と繋がる。
【0108】
前述の実施形態では、ブリーザ70が、ブリーザ本体70aおよび弁体70bを有する例を挙げたが、これに限らない。ブリーザ70は、弁体70bを有さない構成でもよい。
【0109】
図8は、前述の実施形態の駆動装置1の第1変形例を模式的に示している。第1変形例では、パイプ10が1つ設けられる。パイプ10は、ステータ30の上側に配置される。パイプ10の図示しない噴射孔は、周方向一方側θ1に向けて開口する。案内流路99は、ハウジング6の内周面に設けられる。案内流路99は、ハウジング溝部61gに位置する。案内流路99は、第1案内流路99aを有する。
【0110】
図9は、前述の実施形態の駆動装置1の第2変形例を模式的に示している。第2変形例では、第1変形例と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。第2変形例では、パイプ10が複数の噴射孔(図示省略)を有する。複数の噴射孔は、周方向一方側θ1に向けて開口する第1噴射孔と、周方向他方側θ2に向けて開口する第2噴射孔と、を有する。案内流路99は、第1案内流路99aと、第2案内流路99bと、を有する。第2案内流路99bは、噴射孔の周方向他方側θ2に位置する。第2変形例によれば、噴射孔の周方向一方側θ1に第1案内流路99aが配置され、かつ噴射孔の周方向他方側θ2に第2案内流路99bが配置されるので、噴射孔から周方向のいずれの向きにオイルOが噴射されても、ステータ30を周方向において広範囲に冷却できる。噴射孔から周方向両側にオイルOを流すことができるため、ステータ30を周方向全域にわたって冷却しやすい。
【0111】
図10は、前述の実施形態の駆動装置1の第3変形例を模式的に示している。第3変形例では、第1変形例および第2変形例と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。第3変形例では、ステータ30が、ステータ溝部30aを有する。ステータ溝部30aは、ステータ30の外周面に配置されて径方向内側に窪み、周方向に延びる。ステータ溝部30aは、溝状であり、ステータコア本体32aの外周面から径方向内側に窪み、周方向に沿って延びる。案内流路99は、ハウジング6の内周面およびステータ30の外周面のうち、ステータ30の外周面に設けられる。案内流路99は、第1案内流路99aを有し、第1案内流路99aは、ステータ溝部30aにより構成される。つまり案内流路99は、ステータ溝部30aに位置する。第3変形例によれば、ハウジング6よりも外形が小さいステータ30の外周面に案内流路99が設けられるので、駆動装置1の製造時において案内流路99を作りやすい。
【0112】
図11は、前述の実施形態の駆動装置1の第4変形例を模式的に示している。第4変形例では、第1変形例、第2変形例および第3変形例と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。第4変形例では、案内流路99が、第1案内流路99aと、第2案内流路99bと、を有する。第2案内流路99bは、ステータ溝部30aにより構成される。
【0113】
前述の実施形態および変形例では、案内流路99が、ハウジング溝部61gおよびステータ溝部30aのいずれかにより構成される例を挙げたが、これに限らない。案内流路99は、ハウジング溝部61gおよびステータ溝部30aの両方により構成されてもよい。
【0114】
前述の実施形態および変形例では、冷媒がオイルOである場合について説明したが、これに限らない。冷媒は、ステータ30に供給されてステータ30を冷却する機能を有する液体であればよい。冷媒は、例えば、絶縁液であってもよいし、水であってもよい。冷媒が水である場合、ステータの表面に絶縁処理を施してもよい。ポンプ96は、オイルポンプ以外のポンプでもよい。ポンプ96は、電動ポンプに限らず、例えば、シャフト21に連結される部分を有し、シャフト21のモータ軸J1回りの回転にともなって冷媒を送液可能な機械式ポンプでもよい。
なお、前述の実施形態および変形例では、駆動装置1がインバータユニットを含まない場合について説明したが、これに限らない。駆動装置1がインバータユニットを含んでいてもよい。言い換えると、駆動装置1がインバータユニットと一体構造となっていてもよい。
【0115】
駆動装置1は、モータ2を動力源として対象となる物体を動かすことができる装置であればよい。駆動装置1は、伝達装置3を備えなくてもよい。モータ2のトルクがモータ2のシャフト21から直接的に対象物に出力されてもよい。この場合、駆動装置1は、モータ装置などと言い換えてもよい。モータ軸J1が延びる方向は、水平方向に限定されない。モータ軸J1は、鉛直方向に延びてもよい。モータ軸J1は、水平方向と鉛直方向とを複合した斜め方向に延びてもよい。なお、本明細書において「モータ軸が鉛直方向と直交する水平方向に延びる」とは、モータ軸J1が厳密に水平方向に延びる場合に加えて、モータ軸J1が略水平方向に延びる場合も含む。すなわち、本明細書において「モータ軸が鉛直方向と直交する水平方向に延びる」とは、モータ軸J1が水平方向に対して僅かに傾いて延びる構成を含む。駆動装置1の用途は、特に限定されない。駆動装置1は、車両に搭載されなくてもよい。
【0116】
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例およびなお書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態等によって限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0117】
1…駆動装置、2…モータ、6…ハウジング、10…パイプ、11d,12c…噴射孔、20…ロータ、30…ステータ、30a…ステータ溝部、61f…ステータ対向壁部、61g…ハウジング溝部、61h…仕切り壁部、70…ブリーザ、90…冷媒流路、92d…パイプ内流路、99…案内流路、99a…第1案内流路、99b…第2案内流路、J1…モータ軸、θ1…周方向一方側、θ2…周方向他方側
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