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特許7351190情報処理装置、情報処理プログラム及び三次元造形システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理プログラム及び三次元造形システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20230920BHJP
   B29C 64/386 20170101ALI20230920BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20230920BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20230920BHJP
【FI】
G06F3/12 326
G06F3/12 304
G06F3/12 308
G06F3/12 354
G06F3/12 357
G06F3/12 361
G06F3/12 378
B29C64/386
B33Y30/00
B33Y50/02
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019205692
(22)【出願日】2019-11-13
(65)【公開番号】P2021077288
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】磯部 公彦
【審査官】白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-134547(JP,A)
【文献】特開平06-242897(JP,A)
【文献】特開平09-282118(JP,A)
【文献】特開2000-315144(JP,A)
【文献】特開2019-105892(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B29C 64/386
B33Y 30/00
B33Y 50/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、前記プロセッサは、
記録媒体に画像を形成し、記録媒体を積層することで三次元造形物を造形するための印刷処理において、二次元画像を形成するための二次元画像データ及び三次元造形物を造形するための三次元画像データのうち少なくとも一方の画像データを含む印刷ジョブと、前記印刷ジョブについてのユーザの指示と、前記印刷ジョブを実行する候補である複数の印刷装置の属性情報とを取得し、
前記印刷ジョブに含まれる画像データが二次元画像データであるか三次元画像データであるかと、前記属性情報と、前記ユーザの指示とを用いて、前記複数の印刷装置の中から、前記取得した印刷ジョブを実行させる印刷装置を選択する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記印刷ジョブに含まれる前記画像データが二次元画像データであるか三次元画像データであるかに応じて、前記印刷装置が前記印刷ジョブを実行する際の印刷条件を設定する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記印刷ジョブに含まれる画像データが三次元画像データである場合、前記印刷ジョブで用いる記録媒体の数を前記印刷条件として設定する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記印刷ジョブに含まれる画像データが三次元画像データである場合、かつ選択した前記印刷装置の印刷方式が電子写真方式である場合、前記印刷条件として両面印刷及びトナーを増量する設定を行う請求項2又は請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記印刷ジョブに含まれる前記画像データの種類毎、かつ前記属性情報毎に、予め定められた値を加算することで算出される評価値を用いて、前記印刷ジョブにおける前記印刷装置を選択する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ユーザの指示は、前記印刷ジョブの処理において、品質を優先するか、又はコストを優先するかを指示する情報であり、
前記プロセッサは、前記ユーザの指示に応じて、前記予め定められた値を設定する請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記ユーザの指示が品質を優先する指示である場合、かつ前記印刷ジョブに含まれる画像データが三次元画像データである場合、前記属性情報における用紙種類が薄い用紙であるほど、前記属性情報に係る前記予め定められた値を大きく設定する請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記ユーザの指示は、前記印刷ジョブの処理において、品質を優先するか、又はコストを優先するかを指示する情報であり、
前記プロセッサは、前記印刷ジョブに含まれる画像データが二次元画像データであるか三次元画像データであるかと、前記ユーザの指示との組み合わせに応じて、優先的に選択すべき印刷装置を異ならせる請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記ユーザの指示が品質を優先する指示である場合、かつ前記印刷ジョブに含まれる画像データが三次元画像データである場合において、印刷方式がインクジェット記録方式の印刷装置を優先的に選択する、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、さらに前記印刷装置が実行する予定の印刷ジョブに関する情報を取得し、前記印刷装置が実行する予定の印刷ジョブに関する情報を用いて、前記印刷装置を選択する請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記属性情報は、印刷方式、用紙種類、解像度、及び色安定性の少なくとも1つを示すものである請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータに、
記録媒体に画像を形成し、記録媒体を積層することで三次元造形物を造形するための印刷処理において、二次元画像を形成するための二次元画像データ及び三次元造形物を造形するための三次元画像データのうち少なくとも一方の画像データを含む印刷ジョブと、前記印刷ジョブについてのユーザの指示と、前記印刷ジョブを実行する候補である複数の印刷装置の属性情報とを取得し、
前記印刷ジョブに含まれる画像データが二次元画像データであるか三次元画像データであるかと、前記属性情報と、前記ユーザの指示とを用いて、前記複数の印刷装置の中から、前記取得した印刷ジョブを実行させる印刷装置を選択する、
ことを実行させるための情報処理プログラム。
【請求項13】
請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の情報処理装置と、
画像データに応じて記録媒体に画像を形成する画像形成装置と、
画像が形成された記録媒体に対し、三次元造形用の後処理を行う三次元造形用後処理装置と、
を備えた三次元造形システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理プログラム及び三次元造形システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、3次元のオブジェクトを造形する複数の造形装置についての情報を管理する情報処理装置であって、オブジェクトの造形の指示を受け付けた造形装置に対する造形のための設定を示す設定情報を取得する第1の取得手段と、前記指示を受け付けた前記造形装置とは別の代替造形装置で提供可能な造形に係る機能を示す性能情報を取得する第2の取得手段と、前記指示に係るオブジェクトを前記代替造形装置で造形するために、前記第2の取得手段が取得した前記代替造形装置の性能情報に基づき、前記第1の取得手段が取得した設定情報で示される造形のための設定を前記代替造形装置に対して適用可能であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が判定した、前記造形のための設定を前記代替造形装置に対して適用可能であるか否かの情報の表示を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記判定手段が前記造形のための設定を前記代替造形装置に対して適用可能でないと判定した際に、前記代替造形装置に対して適用可能でない前記造形のための設定に関する情報の表示を制御することを特徴とする情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-159634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の印刷装置の設定を取得し、印刷装置が印刷指示を受け付けた印刷処理に適用可能か否かを判定し、印刷装置を選択する技術がある。
【0005】
しかしながら、記録媒体を用いて二次元画像及び三次元造形物を形成する印刷システムにおいて、記録媒体に二次元画像を形成する場合と、記録媒体を積層して三次元造形物を造形する場合とでは、高品質の成果物を形成するための設定が異なる。
【0006】
本発明は、二次元画像及び三次元造形物に応じて、適切な印刷装置を選択できる情報処理装置、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様の情報処理装置は、プロセッサを有し、プロセッサは、記録媒体に画像を形成し、記録媒体を積層することで三次元造形物を造形するための印刷処理において、二次元画像を形成するための二次元画像データ及び三次元造形物を造形するための三次元画像データのうち少なくとも一方の画像データを含む印刷ジョブと、印刷ジョブについてのユーザの指示と、印刷ジョブを実行する候補である複数の印刷装置の属性情報とを取得し、印刷ジョブに含まれる画像データが二次元画像データであるか三次元画像データであるかと、属性情報と、ユーザの指示とを用いて、複数の印刷装置の中から、取得した印刷ジョブを実行させる印刷装置を選択する。
【0008】
第2の態様の情報処理装置は、第1の態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、印刷ジョブに含まれる画像データが二次元画像データであるか三次元画像データであるかに応じて、印刷装置が印刷ジョブを実行する際の印刷条件を設定する。
【0009】
第3の態様の情報処理装置は、第2の態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、印刷ジョブに含まれる画像データが三次元画像データである場合、印刷ジョブで用いる記録媒体の数を印刷条件として設定する。
【0010】
第4の態様の情報処理装置は、第2の態様又は第3の態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、印刷ジョブに含まれる画像データが三次元画像データである場合、かつ選択した印刷装置の印刷方式が電子写真方式である場合、印刷条件として両面印刷及びトナーを増量する設定を行う。
【0011】
第5の態様の情報処理装置は、第1の態様から第4の態様までのいずれか1つの態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、印刷ジョブに含まれる画像データの種類毎、かつ属性情報毎に予め定められた値を加算することで算出される評価値を用いて、印刷ジョブにおける印刷装置を評価する。
【0012】
第6の態様の情報処理装置は、第5の態様に係る情報処理装置において、ユーザの指示は、印刷ジョブの処理において、品質を優先するか、又はコストを優先するかを指示する情報であり、プロセッサは、ユーザの指示に応じて、予め定められた値を設定する。
【0013】
第7の態様の情報処理装置は、第6の態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、ユーザの指示が品質を優先する指示である場合、かつ印刷ジョブに含まれる画像データが三次元画像データである場合、属性情報における用紙種類が薄い用紙であるほど、属性情報に係る予め定められた値を大きく設定する。
【0014】
第8の態様の情報処理装置は、第1の態様に係る情報処理装置において、ユーザの指示は、印刷ジョブの処理において、品質を優先するか、又はコストを優先するかを指示する情報であり、プロセッサは、印刷ジョブに含まれる画像データが二次元画像データであるか三次元画像データであるかと、ユーザの指示との組み合わせに応じて、優先的に選択すべき印刷装置を異ならせる。
【0015】
第9の態様の情報処理装置は、第8の態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、ユーザの指示が品質を優先する指示である場合、かつ印刷ジョブに含まれる画像データが三次元画像データである場合において、印刷方式がインクジェット記録方式の印刷装置を優先的に選択する。
【0016】
第10の態様の情報処理装置は、第1の態様から第9の態様までのいずれか1つの態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、さらに印刷装置が実行する予定の印刷ジョブに関する情報を取得し、予定及び印刷ジョブに応じて、印刷装置を選択する。
【0017】
第11の態様の情報処理装置は、第1の態様から第10の態様までのいずれか1つの態様に係る情報処理装置において、属性情報は、印刷方式、用紙種類、解像度、及び色安定性の少なくとも1つである。
【0018】
第12の態様の情報処理プログラムは、コンピュータに、記録媒体に画像を形成し、記録媒体を積層することで三次元造形物を造形するための印刷処理において、二次元画像を形成するための二次元画像データ及び三次元造形物を造形するための三次元画像データのうち少なくとも一方の画像データを含む印刷ジョブと、印刷ジョブについてのユーザの指示と、印刷ジョブを実行する候補である複数の印刷装置の属性情報とを取得し、印刷ジョブに含まれる画像データが二次元画像データであるか三次元画像データであるかと、属性情報と、ユーザの指示とを用いて、複数の印刷装置の中から、取得した印刷ジョブを実行させる印刷装置を選択する、ことを実行させる。
【0019】
第13の態様の三次元造形システムは、第1の態様から第11の態様までのいずれか1つの態様に係る情報処理装置と、画像データに応じて記録媒体に画像を形成する画像形成装置と、画像が形成された記録媒体に対し、三次元造形用の後処理を行う三次元造形用後処理装置と、を備える。
【発明の効果】
【0020】
第1の態様の情報処理装置、第12の態様の情報処理プログラム、第13の態様の三次元造形システムによれば、二次元画像及び三次元造形物に応じて、適切な印刷装置を選択できる。
【0021】
第2の態様の情報処理装置によれば、画像データの種類に関係なく印刷条件を設定する場合と比較して、二次元画像及び三次元造形物の品質を向上させることができる。
【0022】
第3の態様の情報処理装置によれば、属性情報に関係なく記録媒体の数を印刷条件に設定する場合と比較して、三次元造形物の品質を向上させることができる。
【0023】
第4の態様の情報処理装置によれば、印刷方式に関係なく印刷条件を設定する場合と比較して、三次元造形物の品質を向上させることができる。
【0024】
第5の態様の情報処理装置によれば、印刷装置の選択に評価値を用いない場合と比較して、より適切な印刷装置を選択することができる。
【0025】
第6の態様の情報処理装置によれば、ユーザの指示に関係なく予め定められた値を設定する場合と比較して、ユーザの要望をより反映した印刷ジョブを実行する印刷装置を選択することができる。
【0026】
第7の態様の情報処理装置によれば、用紙種類に関係なく予め定められた値を大きく設定する場合と比較して、ユーザの要望をより反映した印刷ジョブを実行する印刷装置を選択することができる。
【0027】
第8の態様の情報処理装置によれば、印刷ジョブに含まれる画像の種類及びユーザの指示に関係なく印刷装置を選択する場合と比較して、ユーザの要望をより反映した印刷ジョブを実行する印刷装置を選択することができる。
【0028】
第9の態様の情報処理装置によれば、印刷方式に関係なく印刷装置を選択する場合と比較して、ユーザの要望をより反映した印刷ジョブを実行する印刷装置を選択することができる。
【0029】
第10の態様の情報処理装置によれば、印刷装置の予定に関係なく印刷装置を選択する場合と比較して、印刷ジョブの待機時間を短縮することができる。
【0030】
第11の態様の情報処理装置によれば、印刷装置を選択する基準を明確にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本実施形態に係る三次元造形システムの概略構成例を示す図である。
図2】本実施形態に係る三次元造形システムの他の概略構成例を示す図である。
図3】本実施形態に係るシート積層型の三次元造形工程の一例を示す模式図である。
図4】本実施形態に係るスライス画像の一例を示す模式図である。
図5】本実施形態に係る切り出し線を特定する制御データの一例を示す模式図である。
図6】本実施形態に係る糊付け領域を特定する制御データの一例を示す模式図である。
図7】本実施形態に係るDFEの機能構成例を示す機能ブロック図である。
図8】本実施形態に係る情報処理装置の電気系統の要部構成例を示すブロック図である。
図9】本実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示す機能ブロック図である。
図10】本実施形態に係る評価情報データベースの一例を示す模式図である。
図11】本実施形態に係る画像形成装置を選択する処理の一例を示す模式図である。
図12】本実施形態に係る次点の画像形成装置を選択する場合の説明に供する画像形成装置を選択する処理の一例を示す模式図である。
図13】本実施形態に係る情報処理プログラムの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して、開示の技術を実施するための形態例を詳細に説明する。なお、同じ機能を担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を省略する。
【0033】
(三次元造形システム:全体構成)
【0034】
三次元造形システムは、二次元画像データを受け付けた場合、例えば、記録媒体に電子写真方式による画像形成を行い、三次元画像データを受け付けた場合、記録媒体を積層するシート積層型の三次元造形法で三次元造形物を作製する。
【0035】
シート積層型の三次元造形法では、立体モデルの三次元画像データを複数面でスライスして複数のスライスデータを生成し、複数のスライスデータに基づいて紙等のシート状の記録媒体上に一連のスライス画像を形成する。そして、一連のスライス画像が形成された複数の記録媒体を加工して積層する等、複数の記録媒体に対し三次元造形用の後処理を行う。ここで「一連の」とは、三次元画像データから生成された「複数のスライスデータ」に対応するという意味である。
【0036】
図1(A)及び図1(B)は本実施形態に係る三次元造形システムの構成の一例を示す概略図である。図2は本実施形態に係る三次元造形システムの構成の他の一例を示す概略図である。図1(A)に示すように、本実施形態に係る三次元造形システムは、DFE(Digital Front End)11、画像形成装置12、及び三次元造形用後処理装置13を備えている。また、図1(B)に示すように、情報処理装置10、DFE11、画像形成装置12、及び三次元造形用後処理装置13の各々は、互いに通信回線18を介して通信可能に接続されている。以下では、三次元造形用後処理装置13を「後処理装置13」と略称する。ここで、画像形成装置12は、印刷装置の一例である。
【0037】
情報処理装置10は、ユーザから受け付けた画像データ及び印刷ジョブの実行指示を三次元造形システムへ割り振りを行う。情報処理装置10は、ユーザから画像データ及び印刷ジョブの実行指示を受け付けた場合、画像データの種類及び画像形成装置12の特性に応じた画像形成装置12を選定し、選定した画像形成装置12に関連するDFE11に画像データ及びジョブを送信する。なお、錯綜を避けるために、図1(B)には、DFE11、画像形成装置12、及び後処理装置13は1筐体のみを示している。以下では、複数のDFE11、画像形成装置12、及び後処理装置13が情報処理装置10に接続されている形態について説明する。
【0038】
画像形成装置12は、ラスタ画像データに基づいて記録媒体50上に画像を形成する。本実施形態では、画像形成装置12は三次元造形専用の装置ではない。二次元画像データに基づく画像形成が指示された場合は、画像形成装置12は通常の画像形成装置として機能する。したがって、DFE11は、二次元画像データに基づく画像形成か、三次元画像データに基づく三次元造形か、に応じて異なる処理を行う。
【0039】
画像形成装置12は、例えば、電子写真方式により記録媒体上に画像を形成する装置である。電子写真方式の画像形成装置12は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、及び定着装置等を含んで構成される。帯電装置は、感光体ドラムを帯電させる。露光装置は、帯電された感光体ドラム上を画像に応じた光で露光する。現像装置は、露光により感光体ドラム上に形成された静電潜像をトナーによって現像する。転写装置は、感光体ドラム上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する。定着装置は、記録媒体に転写されたトナー像を定着する。なお、画像形成装置12をインクジェット記録装置としてもよい。この場合、画像形成装置12は、画像に応じてインク滴を記録媒体上に吐出するインクジェット記録ヘッド等を含んで構成される。
【0040】
DFE11は、三次元画像データに基づく三次元造形物の造形指示を受け付けた場合には、三次元画像データから複数のスライスデータを生成する。次に、一連のラスタ画像を形成するために、複数のスライスデータから一連のラスタ画像データを生成する。そして、一連のラスタ画像データを画像形成装置12に出力する。また、二次元画像データに基づく二次元画像の形成指示を受け付けた場合には、二次元画像データからラスタ画像データを生成して、二次元画像のラスタ画像データを画像形成装置12に出力する。
【0041】
DFE11は、三次元画像データからスライスデータを生成する。上記接地面(XY平面)に平行なスライス面を設定する。このスライス面を、積層方向(Z軸方向)に沿って予め定めた間隔でシフトさせながら、スライス面がシフトする毎にスライスデータを生成する。本実施形態では、三次元画像データは、記録媒体の厚さに応じた間隔で、積層方向と交差する方向にスライスされる。
【0042】
また、DFE11は、三次元画像データに基づく三次元造形物の造形指示を受け付けた場合には、複数のスライスデータから一連の制御データをさらに生成する。一連の制御データは、後処理装置13に三次元造形用の後処理を行わせるためのデータである。後述する通り、制御データは、記録媒体から積層部品を切り出す「切り出し線」を特定する制御データと、記録媒体に糊を塗布する「糊付け領域」を特定する制御データとを含む。
【0043】
後処理装置13は、一連のスライス画像が形成された記録媒体50に対し三次元造形用の後処理を行う。図1(A)に示すように、後処理装置13は、画像形成装置12に対し、記録媒体50の搬送路を共有しない配置(オフライン、ニアライン)としてもよい。また、図2に示すように、後処理装置13は、画像形成装置12に対し、記録媒体50の搬送路を共有する配置(インライン)としてもよい。
【0044】
搬送路を共有しない配置の場合は、一連のスライス画像が形成された複数の記録媒体50は、スライス画像の形成順に積層され、スタッカ等の収容機構16に蓄積される。積層された複数の記録媒体50の束は、収容機構16から取り出され、まとめて後処理装置13に引き渡される。一方、搬送路を共有する配置の場合は、スライス画像が形成された記録媒体50が1枚ずつ後処理装置13に搬送される。
【0045】
(シート積層型の三次元造形)
次に、シート積層型の三次元造形の各工程について説明する。
【0046】
図3(A)は、三次元画像データを用いたシート積層型の三次元造形の画像形成工程を示す模式図である。図3(B)はシート積層型の三次元造形の後処理工程を示す模式図である。
【0047】
まず、図3(A)に示すように、DFE11は、立体モデルMの三次元画像データから複数のスライスデータを生成する。本実施形態の例では、1番からT番までのT個のスライスデータが生成される。1番からT番までのT個のスライスデータの各々は、1番からT番までのT個のスライス画像を形成するために、ラスタ画像データに変換される。
【0048】
次に、図3(A)に示すように、スライス画像を記録媒体に形成する。画像形成装置12は、一連のラスタ画像データに基づいて、記録媒体50上に一連のスライス画像を形成する。一連のスライス画像が形成された複数の記録媒体50~50は、スライス画像の形成順に積層される。「n番」を1番からT番までの番号とすると、n番のスライス画像はn番の記録媒体50に形成される。
【0049】
図示した例では、1番からT番までのT個のスライス画像は、T番から1番まで降順に形成される。T番のスライス画像を形成した記録媒体50を最下層として、複数の記録媒体50~50はT番から1番まで降順に積層される。複数の記録媒体50~50を降順に積層しておくことで、続く後処理工程では、複数の記録媒体50~50は、1番からT番まで昇順に供給される。即ち、後処理装置13で後処理を行う順序とは「逆」の順序で、T個のスライス画像を記録媒体50に形成する。
【0050】
次に、図3(B)に示すように、スライス画像が形成された記録媒体50に対し後処理を行う。後処理装置13は、糊付け処理を行う糊付け部20、切り出し処理を行う切り出し部22、及び圧着処理を行う圧着部24を備えている。糊付け部20、切り出し部22、及び圧着部24の各々は、記録媒体50を搬送する搬送路26に沿って記載した順序で配置されている。後処理装置13は、一連のスライス画像に応じた一連の制御データを、DFE11から取得する。
【0051】
ここで、スライス画像について説明する。
【0052】
図4(A)から(C)はスライス画像が記録媒体に形成された様子の一例を示す模式図である。図4(A)に示すように、記録媒体50上のスライス画像は、積層されて三次元造形物となる積層部品52と不要部分53とで構成される。積層部品52の周辺部には、設定された幅の着色領域56が設けられる。図4(B)に示すように、積層部品52の外周線が、記録媒体50から積層部品52を切り出すための切り出し線54である。
【0053】
図4(C)に示すように、糊付け領域58は、例えば、着色領域56よりも内側の領域等、積層部品52の外周線(切り出し線54)よりも内側に設定される。なお、不要部分53も含め記録媒体50の全面に糊付けしてもよいが、糊付け領域58を積層部品52の外周線の内側に設定することで、全面に糊付けする場合に比べて、除去対象E(図3(B)参照)を取り除く作業が容易になる。また、糊付け領域58を積層部品52の外周線の内側に設定することで、糊付け後の圧着処理の際に糊が積層部品52からはみ出さない。
【0054】
なお、着色領域56の幅の設定や糊付け領域58の積層部品52の外周線からの後退幅の設定は、例えば、DFE11の表示部34に設定画面を表示して、操作部32によりユーザからの設定を受け付ける等、ユーザが三次元造形を指示する際に行ってもよい。また、予め定めた初期設定を採用してもよい。
【0055】
制御データは、切り出し線54を特定する制御データと、糊付け領域58を特定する制御データとを含む。例えば、切り出し線54の経路に在る点の座標データが、切り出し線54を特定する制御データとなる。また、糊付け領域58の各点の座標データが、糊付け領域58を特定する制御データとなる。
【0056】
糊付け部20には、複数の記録媒体50の束から、記録媒体50が1枚ずつ供給される。糊付け部20は、糊付け領域58を特定する制御データに基づいて、記録媒体50の糊付け領域58に糊を塗布する。糊付け部20は、例えば、糊を吐出する糊吐出ヘッドを備えていてもよい。糊吐出ヘッドは、積層方向(w方向)及び記録媒体50の面内方向(u方向、v方向)に移動する。糊吐出ヘッドが糊を吐出しながら糊付け領域58を走査することで、記録媒体50の糊付け領域58に糊が塗布される。糊付け処理を終えた記録媒体50は、切り出し部22に供給される。
【0057】
切り出し部22は、切り出し線54を特定する制御データに基づいて、切り出し線54に沿って記録媒体50に切り込みを入れる。切り出し部22は、例えば、刃先を有するカッタとしてもよい。カッタの刃先は、積層方向(w方向)及び記録媒体50の面内方向(u方向、v方向)に移動する。カッタの刃先を、記録媒体50に押し当てながら、面内方向に移動させることで、記録媒体50に切り込みが入れられる。
【0058】
カッタの刃先の積層方向の位置を調節することで、切り込みの深さが決められる。切り込みの深さは、裏面に到達しない深さとしてもよい。積層部品が記録媒体50から切り離されていないので、搬送過程での積層部品52の欠落が回避される。
【0059】
カッタは、記録媒体50に対し切り出し線54に沿って切り込みを入れる機能を備えていればよく、刃先を押し当てる力学的カッタには限定されない。例えば、超音波を照射して切り込みを入れる超音波カッタや、レーザ光を照射して切り込みを入れるレーザカッタを用いてもよい。
【0060】
なお、切り出し部22は、切り込みを入れる代わりに、切り出し線54に沿って記録媒体50に複数の穿孔を形成してもよい。複数の穿孔を形成する場合は、積層部品が記録媒体50と繋がっているので、搬送過程での積層部品52の欠落が更に回避される。
【0061】
切り出し処理を終えた記録媒体50は、圧着部24に供給される。圧着部24は、供給された記録媒体50を順次積層する。このとき、複数の記録媒体50~50は1番からT番まで昇順に積層される。そして、圧着部24は、積層された複数の記録媒体50の束に対し積層方向に沿って圧力を付加して、複数の記録媒体50を圧着する。圧着により、糊付けされた複数の記録媒体50~50の各々は、上下の記録媒体50と糊付け領域58で接着される。
【0062】
切り出し処理を終えた記録媒体50は、積層されて三次元造形物Pとなる積層部品52と不要部分53とで構成されるが、不要部分53を除去せずに一体として積層する。記録媒体50の不要部分53は、積層部品52が積層された三次元造形物Pを支える支持部材となる。圧着部24での圧着処理が終了した後に、記録媒体50の積層部品52が積層された除去対象Eを除去して、三次元造形物Pを分離する。
【0063】
次に、「制御データ」の一例について説明する。
【0064】
図5(A)及び(B)は切り出し線を特定する制御データの一例を示す模式図である。図6(A)及び(B)は糊付け領域を特定する制御データの一例を示す模式図である。後述するとおり、積層データは、ポリゴンとスライス面とが交差する交差領域の頂点の座標データを含む。交差領域は、積層部品52の外周線に沿って存在する。したがって、図5(A)に示すように、点Aの座標(u、v)など、切り出し線54の経路に在る点の座標データが、切り出し線54を特定する制御データとなる。
【0065】
図示した例では、星型の積層部品52は11個の頂点AからA10までを有している。例えば、点Aを始点とする場合は、A→A→A→A→A→A→A→A→A→A→A10の順に各点を辿ることで、切り出し線54が特定される。
【0066】
また、図5(B)に示すように、複数の穿孔を形成する場合は、切り出し線54の経路に在る穿孔点の座標データが、切り出し線54を特定する制御データとなる。例えば、点Aを始点とする場合は、A→A→A→A→A・・・など、穿孔の形成順に各点を辿ることで、切り出し線54が特定される。
【0067】
図6(A)に示すように、糊付け領域58の各点の座標データが、糊付け領域58を特定する制御データとなる。糊付け領域58は、積層部品52よりもひとまわり小さく、積層部品52の外周線の内側に設定される。積層部品52の画像を縮小して、糊付け領域58を特定してもよい。この場合、積層部品52の画像の重心と糊付け領域58の重心とを合わせるように、糊付け領域58を配置する。糊付け領域58の各点の座標データは、積層部品52の外周線からの後退幅、及び切り出し線54の経路に在る点の座標データから求められる。
【0068】
また、図6(B)に示すように、糊付け領域58の全体にわたって糊付けを行う必要はない。糊付け領域58を部分的に間引いて、糊付け領域58の一部に糊付けを行ってもよい。また、糊付け領域58の全体にわたって糊の濃度が一定である必要はない。糊の濃度を変更してもよい場合は、糊付け領域58の周辺部の糊の濃度を、糊付け領域58の中央部の糊の濃度より濃くしてもよい。
【0069】
切り出し線54を特定する制御データの原点、及び糊付け領域58を特定する制御データの原点は、スライス画像を形成する際の画像形成位置の原点と揃えられる。後処理装置13が画像読み取り機能を備えている場合、画像形成装置12で記録媒体50上にスライス画像と共に「制御データの原点」の位置を表すマーク画像を形成し、後処理装置13でマーク画像を読み取って「制御データの原点」の位置情報を取得してもよい。
【0070】
なお、制御データの形式は、座標データには限定されない。例えば、2値のラスタ画像データなど、切り出し線54や糊付け領域58が、図形やイメージとして表現される画像データとしてもよい。2値のラスタ画像データである場合、図4(B)に示す例では、切り出し線54の画素値を「1」とし、その他の領域の画素値を「0」とする。図4(C)に示す例では、糊付け領域58の画素値を「1」とし、その他の領域の画素値を「0」とする。例えば、糊付け部20の糊吐出ヘッドは、画素値「1」の場合に、記録媒体50上に糊を吐出する。また、画素値「0」の場合には、記録媒体50上に糊を吐出しない。
【0071】
図7は本実施の形態に係るDFE11の機能構成を示す機能ブロック図である。図7に示すように、DFE11は、ファイル形式変換部40、ラスタ処理部42、三次元データ処理部44、及び制御データ記憶部48を備えている。ファイル形式変換部40は、ページ記述言語で記述されたデータ(以下、「PDLデータ」という。)が取得された場合に、取得されたPDLデータを中間データに変換する。
【0072】
ラスタ処理部42は、ファイル形式変換部40で得られた中間データをラスタ処理してラスタ画像データを生成する。また、ラスタ処理部42は、後述する画像データ生成部46で得られたスライス画像データをラスタ処理してラスタ画像データを生成する。
【0073】
三次元データ処理部44は、取得された三次元画像データを処理してスライス画像データと制御データとを生成する。具体的には、三次元データ処理部44は、スライス処理部45、画像データ生成部46、及び制御データ生成部47を含む。
【0074】
スライス処理部45は、取得された三次元画像データからスライスデータを生成する。画像データ生成部46は、スライス処理部45で得られたスライスデータからスライス画像データを生成する。制御データ生成部47は、スライス処理部45で得られたスライスデータから制御データを生成する。制御データ記憶部48は、制御データ生成部47で得られた制御データを格納する。
【0075】
(二次元データ処理)
二次元画像に対する「二次元データ処理」について説明する。
【0076】
二次元画像データに基づく画像形成が指示された場合には、二次元画像データはPDLデータとして取得されている。PDLデータは、ファイル形式変換部40により中間データに変換されて、ラスタ処理部42に出力される。中間データは、ラスタ処理部42によりラスタ処理されて、二次元画像のラスタ画像データが生成される。ラスタ画像データは、画像形成装置12に出力される。
【0077】
ここで「中間データ」とは、ページの画像を構成する画像要素である各オブジェクト(例えば、文字フォント、グラフィックス図形、画像データ)を、ラスタ走査の走査線ごとに区切った区間データである。区間データは、オブジェクトが1つの走査線上に占める区間を表すデータである。区間データは、例えばその区間の両端の座標の組で表される。また、区間データは、その区間内の各画素の画素値を規定する情報を含む。PDLデータを中間データに変換して転送することで、DFE11内でのデータ転送速度が向上する。
【0078】
(三次元画像データ処理)
三次元画像データに対する「三次元画像データ処理」について説明する。
【0079】
三次元画像データに基づく三次元造形が指示された場合には、立体モデルの三次元画像データが取得される。スライス処理部45は、三次元画像データからスライスデータを生成する。生成されたスライスデータは、画像データ生成部46及び制御データ生成部47の各々に出力される。ここで「三次元画像データ」及び「スライスデータ」について詳細に説明する。
【0080】
立体モデルMの三次元画像データとしては、例えば、OBJフォーマットの三次元画像データ(以下、「OBJデータ」という。)が用いられる。OBJデータでは、立体モデルMは三角形のポリゴンの集合として表現される。なお、三次元画像データは、STLフォーマット等の他のフォーマットでもよい。STLフォーマットは色情報を備えていないので、STLフォーマットを用いる場合は、色情報を付加する。
【0081】
以下では、三次元画像データがOBJデータである場合について説明する。OBJデータは、形状データを取り扱うOBJファイルと、色情報を取り扱うMTLファイルとを含む。OBJファイルには、各ポリゴンについて、ポリゴン固有の面番号及び三角形のポリゴンの各頂点の座標データ等が対応付けられている。MTLファイルには、各ポリゴンに色情報が対応付けられている。
【0082】
スライス処理部45は、立体モデルMを積層方向に交差する方向に沿ってスライスするスライス面の方向を設定する。そして、スライス処理部45は、設定したスライス面の方向に沿って、スライス面と直交する方向に予め定めた積層ピッチ(距離)kで一方の端部から立体モデルMを順次スライスしていき、立体モデルMをスライスする毎にスライスデータを生成する。
【0083】
この際、スライスし始めた一方の端部のスライス面の番号を「1」とし、立体モデルMをスライスする毎に、得られるスライス面の番号を「1」増やす。図3(A)に示した例では、1番からT番までのT個のスライス面がある。スライスデータは、立体モデルMをスライス面でスライスして得られる断面画像を表す。具体的には、スライスデータは、スライス面の番号、ポリゴンとスライス面とが交差する交差領域の頂点の座標データ、及びスライス面と交差するポリゴンに設定された色情報により、立体モデルMの断面画像を表す。T個のスライス面に応じて、1番からT番までのT個のスライスデータが生成される。なお、積層ピッチkは予め定めた間隔の一例である。
【0084】
画像データ生成部46は、スライス処理部45で得られたスライスデータから、スライス画像データを生成する。スライスデータは、例えばJPEG等のファイル形式のスライス画像データに変換される。なお、スライス画像データを生成する際に、スライス画像に着色領域を付加してもよい。生成されたスライス画像データは、ラスタ処理部42に出力される。ラスタ処理部42は、画像データ生成部46で得られたスライス画像データをラスタ処理して、ラスタ画像データを生成する。生成されたスライス画像のラスタ画像データは、画像形成装置12に出力される。
【0085】
また、画像データ生成部46は、中間データを生成する構成としてもよい。この場合は、画像データ生成部46は、スライス処理部45で得られたスライスデータからPDLデータを生成し、PDLデータをファイル形式変換部40に出力する。PDLデータは、ファイル形式変換部40により中間データに変換されて、ラスタ処理部42に出力される。中間データは、ラスタ処理部42によりラスタ処理されて、スライス画像のラスタ画像データが生成される。ラスタ画像データは、画像形成装置12に出力される。
【0086】
制御データ生成部47は、スライス処理部45で得られたスライスデータから、制御データを生成する。生成された制御データは、スライス画像の番号(スライス面の番号と同じ)と関連付けられて、制御データ記憶部48に記憶される。なお、制御データは、ユーザから後処理開始の指示を受け付けると、制御データ記憶部48から読み出されて、後処理装置13に出力される。
【0087】
なお、図7に示したDFE11の機能ブロック図では、DFE11が制御データ記憶部48を備える構成としているが、制御データを格納する記憶手段は、DFE11外に配置してもよい。例えば、後処理装置13に記憶手段を設けてもよい。この場合は、DFE11で生成された制御データは、後処理装置13の記憶手段に格納され、後処理装置13の記憶手段から読み出されて使用される。
【0088】
上述したように、画像データ、及び造形処理の指示をDFE11に送信することで、画像形成装置12、及び後処理装置13によって、立体モデルMが作成され、三次元造形物が造形される。
【0089】
(情報処理装置)
次に、情報処理装置10について説明する。
【0090】
図8は本発明の実施形態に係る情報処理装置10の電気的な構成を示すブロック図である。図8に示すように、情報処理装置10は、情報処理部30、ユーザの操作を受け付ける操作部32、ユーザに情報を表示する表示部34、外部装置31との通信を行う通信部36、及び外部記憶装置等の記憶部38を備えている。操作部32、表示部34、通信部36、及び記憶部38は、情報処理部30の入出力インターフェース(I/O)30Eに接続されている。
【0091】
情報処理部30は、CPU(Central Processing Unit)30A、ROM(Read Only Memory)30B、RAM(Random Access Memory)30C、不揮発性メモリ30D、及びI/O30Eを備える。そして、CPU30A、ROM30B、RAM30C、不揮発性メモリ30D、及びI/O30Eがバス30Fを介して互いに接続されている。CPU30Aは、ROM30Bからプログラムを読み出し、RAM30Cをワークエリアとしてプログラムを実行する。
【0092】
操作部32は、マウス、キーボード等によりユーザからの操作を受け付ける。表示部34は、ディスプレイ等により各種画面をユーザに表示する。通信部36は、有線又は無線の通信回線を介して外部装置31と通信を行う。通信部36は、例えば、LAN(Local Area Network)、専用回線、又はインターネット等の通信回線に接続されたコンピュータ等の外部装置31と通信を行うためのインターフェースとして機能する。記憶部38は、ハードディスク等の記憶装置を備えている。
【0093】
図9は本実施形態に係る情報処理装置10の機能構成を示す機能ブロック図である。図9に示すように、情報処理装置10は、取得部61、評価部62、及び選択部63を備えている。
【0094】
取得部61は、画像データを含む印刷ジョブ、印刷ジョブにおけるユーザの指示、通信回線によって情報処理装置10と接続されている各々の画像形成装置12の特性、及び画像形成装置12の印刷スケジュールを取得する。ここで、特性とは、各々の画像形成装置12に設定されている印刷方式、用紙種類、解像度、及び色安定性である。また、印刷スケジュールとは、画像形成装置12に割り当てられている印刷ジョブと、印刷ジョブを実行する日時を関連付けた情報である。また、ユーザの指示は、印刷ジョブにおいて、品質を優先するか、又はコストを優先するかを指示する情報(以下、「優先情報」という。)である。また、印刷ジョブは、二次元画像データ及び三次元画像データの少なくとも一方を含み、画像データの種類は、二次元画像データ又は三次元画像データを示す種類である。以下では。画像データの種類を「画像種類」という。また、印刷スケジュールは、印刷装置が実行する予定の印刷ジョブに関する情報の一例である。
【0095】
評価部62は、ユーザの指示、及び各々の画像形成装置12の特性を用いて、印刷ジョブに係る画像形成装置12の中から、印刷ジョブを実行させる画像形成装置12を選択する。具体的には、情報処理装置10は、画像データの種類毎、優先情報毎、及び特性毎に予め定められた値(以下、「スコア」という。)を設定した情報(以下、「評価情報」という。)を所持している。評価部62は、評価情報に基づいて、画像データの種類、各々の画像形成装置12に係る優先情報、及び特性に該当するスコアを加算して、画像形成装置12毎に評価値を算出する。つまり、評価値は、画像データの種類、各々の画像形成装置12に係る優先情報、及び特性におけるスコアの総和である。なお、評価情報については、図10にて後述する。
【0096】
選択部63は、印刷ジョブを用いて算出された評価値、及び印刷スケジュールを用いて、画像形成装置12を選択する。具体的には、選択部63は、評価値が最も高い画像形成装置12を候補として選択し、当該画像形成装置12の印刷スケジュールを参照して、印刷ジョブを割り振ることが可能であるか否かを判定する。印刷スケジュールに印刷ジョブを設定することができない場合、選択部63は、次点の画像形成装置12を候補として選択して、印刷スケジュールに印刷ジョブを設定することができる画像形成装置12を選択する。
【0097】
次に、情報処理装置10の作用について説明する前に、図10から図12を参照して、情報処理装置10が行う画像形成装置12を選択するための手法について説明する。まず、図10を参照して、評価情報について説明する。本実施形態に係る評価情報データベース(以下、「評価情報DB」という。)70について説明する。図10は、本実施形態に係る評価情報データベース70の一例を示す模式図である。評価情報DB70は、情報処理装置10の記憶部38に記憶されている。
【0098】
一例として、図10に示すように、評価情報DB70は、画像種類、優先情報、特性、種類、及びスコアを有している。画像種類は、印刷ジョブに含まれる画像データ(二次元画像データ及び三次元画像データ)の種類であり、優先情報は、ユーザによって指示される品質を優先するか、又はコストを優先する指示する情報である。また、特性は、画像形成装置12が備える印刷方式、用紙種類、解像度、及び色安定性等であり、特性種別は、特性の種類(例えば、印刷方式の場合、インクジェット記録方式及び電子写真方式等の印刷方式の種類)である。スコアは、画像種類毎、優先情報毎、特性毎、及び特性種別毎に予め定められた値である。図10に示すように、評価情報DB70に含まれるスコアは、画像種類、優先情報、特性、及び特性種別によって設定される。ここで、特性及び特性種別は、属性情報の一例である
【0099】
画像形成装置12を用いて、高品質の二次元画像を形成する場合と、高品質の三次元造形物を造形する場合と、を比較すると、高品質となる特性種別が異なる。例えば、三次元造形物を造形する場合の印刷方式は、電子写真方式である場合と比較して、インクジェット記録方式である場合の方が高品質な三次元造形物が造形される。インクは、トナーと比較して用紙に染み込みやすく、インクが用紙に染み込むことで三次元造形物の発色が良くなるため、インクジェット記録方式の方が高品質な三次元造形物が造形される。一方で、二次元画像データを形成する場合、印刷方式は、電子写真方式である方が高品質な二次元画像が形成される。トナーは、インクと比較して滲みにくい性質があるため、トナーの方が高品質な二次元画像が形成される。また、三次元造形物を造形する場合の用紙種類は、積層方向の解像度が上がるため、薄紙である方が高品質となる。
【0100】
上記のように、画像データの種類に応じて、高品質となる特性種別が異なるため、評価情報DB70に含まれるスコアは、画像種類、優先情報、特性、及び特性種別を考慮して設定される。例えば、図10に示すように、画像種類が「三次元画像」、優先情報が「品質」である場合、特性が「印刷方式」のスコアを比較すると、インクの方が高品質な三次元画像が造形されるため、「インクジェット記録方式」は「電子写真方式」より高いスコアが設定される。また、特性が「用紙種類」のスコアを比較すると、薄紙になるほど積層方向の解像度が上がるため、「C紙(薄)」、「B紙(中)」、「A紙(厚)」の順に、高いスコアが設定される。
【0101】
同様に、スコアは、優先情報毎にも設定される。画像形成装置12を用いて、三次元造形物を造形する場合、コストを優先する場合と、品質を優先する場合とでは、適切な特性種別が異なる。例えば、トナーを用いて三次元造形物を造形する場合、トナーは用紙に染み込みにくい性質があるため、多くのトナーを使用することになり、コストが抑えられない場合がある。また、用紙種類は、厚い用紙を使用した場合、用紙の枚数を減らすことができ、コストを抑えることができる場合がある。
【0102】
したがって、本実施形態に係る評価情報DB70は、画像種類が「三次元画像」、優先情報が「コスト」である場合、インクを用いた方がコストを抑えられるため、特性が「印刷方式」のスコアを比較すると、「インクジェット記録方式」の方が「電子写真方式」よりも高いスコアが設定される。また、厚紙になるほど、用紙枚数を抑えられるため、特性が「用紙種類」のスコアを比較すると、「A紙(厚)」、「B紙(中)」、「C紙(薄)」の順に、高いスコアが設定される。
【0103】
なお、本実施形態に係る評価情報DB70は、画像種類毎、優先情報毎、特性毎、及び特性種別毎にスコアが設定されている形態について説明した。しかし、これに限定されない。例えば、特性毎、及び特性種別毎にスコアが設定されており、取得した画像種類及び優先情報に応じて、任意の値を各々のスコアに加算及び減算して設定してもよい。
【0104】
次に、図11及び図12を参照して、画像形成装置12を選択する処理について説明する。図11は、本実施形態に係る画像形成装置12を選択する処理の一例を示す模式図である。図12は、本実施形態に係る次点の画像形成装置を選択する場合の説明に供する画像形成装置12を選択する処理の一例を示す模式図である。
【0105】
図11に示すように、画像形成装置12は、各々に設定された特性を有している。情報処理装置10は、各々の画像形成装置12から特性を取得し、評価情報を用いて、各々の画像形成装置12の評価値を算出する。ここで、図11に示す用紙種類のように、1台の画像形成装置12に対して、複数の特性種別を有する場合がある。本実施形態では、複数の特性種別を有する場合、評価値は、値が最も大きくなる特性種別が選択され、算出される形態について説明する。つまり、情報処理装置10は、複数の特性種別を有する場合、スコアが最も大きくなる特性種別を選択して、評価値を算出する。しかし、これに限定されない。複数の特性種別を有する場合、それぞれの評価値を算出してもよい。
【0106】
情報処理装置10は、印刷ジョブから画像種類及び優先情報と、各々の画像形成装置12から画像形成装置毎の特性とを取得し、画像種類及び優先情報における各々の画像形成装置12の評価値を算出し、評価値が最も高い画像形成装置12を選択する。図11では、画像形成装置12Cが最も高い評価値であるため、情報処理装置10は、画像形成装置12Cを候補として選択する。
【0107】
情報処理装置10は、各々の画像形成装置12の印刷ジョブを実行する印刷スケジュールを取得し、選択した画像形成装置12Cが印刷ジョブを実行できるか否かの判定を行う。
【0108】
図12に示すように、例えば、画像形成装置12Cの印刷スケジュールを参照した結果、画像形成装置12Cが使用中であり、画像形成装置12Cに印刷ジョブを割り振ることができなかった場合、情報処理装置10は、次点の画像形成装置12を選択する。情報処理装置10は、画像形成装置12Dに印刷ジョブが割り振り可能である場合、印刷ジョブを割り振る装置を画像形成装置12Dに決定する。
【0109】
また、情報処理装置10は、画像種類が「三次元画像」である場合、かつ決定した画像形成装置12の印刷方式が「電子写真方式」である場合、印刷ジョブを実行する際の条件(以下、「印刷条件」という。)に「両面印刷」及び「トナー量を増量」を設定する。印刷方式が「電子写真方式」である場合、トナーの量及びトナーが浸透する範囲を増やすことで、用紙に浸透するトナー量を増やし、品質が高まるためである。
【0110】
なお、本実施形態では、画像種類が「三次元画像」である場合、かつ特性種別に応じて印刷条件を設定する形態について説明した。しかし、これに限定されない。画像種類が「三次元画像」である場合、印刷条件を設定してもよい。
【0111】
具体的には、画像種類が「三次元画像」である場合、印刷条件に用紙種類に応じた用紙枚数を設定してもよい。例えば、三次元画像データに設定されている高さに応じた三次元造形物を造形する場合、用紙の厚さに応じたスライス数が設定されるため、情報処理装置10は、用紙種類に応じて、印刷ジョブに用いる用紙の枚数を算出して、印刷条件に設定してもよい。
【0112】
また、優先情報に応じて、印刷条件を設定してもよい。例えば、印刷方式が「電子写真方式」であり、優先情報が「品質」の場合、「両面印刷」及び「トナー量を増量」する印刷条件を設定し、印刷方式が「電子写真方式」であり、優先情報が「コスト」の場合、印刷条件を設定しない制御を行ってもよい。
【0113】
次に、図13を参照して、情報処理装置10の作用について説明する。図13は、情報処理装置10で実行される情報処理プログラムの処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理プログラムは、情報処理装置10のROM30Bに記憶されている。情報処理プログラムは、ユーザから情報処理を実行する指示を受け付けた場合に、情報処理装置10のCPU30AによりROM30Bから読み出されて実行される。
【0114】
ステップS101において、CPU30Aは、印刷ジョブを実行する指示があるか否かの判定を行う。印刷ジョブを実行する指示がある場合(ステップS101:YES)、CPU30Aは、ステップS102に移行する。一方、印刷ジョブを実行する指示がない場合(ステップS101:NO)、CPU30Aは、印刷ジョブを実行する指示があるまで待機する。
【0115】
ステップS102において、CPU30Aは、印刷ジョブを取得する。
【0116】
ステップS103において、CPU30Aは、画像形成装置12の特性を取得する。
【0117】
ステップS104において、CPU30Aは、印刷ジョブからユーザの指示を取得する。
【0118】
ステップS105において、CPU30Aは、画像形成装置12の印刷スケジュールを取得する。
【0119】
ステップS106において、CPU30Aは、印刷ジョブに含まれる画像種類、ユーザの指示に含まれる優先情報、及び画像形成装置12の特性を用いて、画像形成装置12の評価値を算出する。
【0120】
ステップS107において、CPU30Aは、算出した評価値から印刷ジョブを実行する画像形成装置12の候補を選択する。
【0121】
ステップS108において、CPU30Aは、選択した画像形成装置12の印刷スケジュールを参照して、選択した画像形成装置12に印刷ジョブが設定できるか否かの判定を行う。選択した画像形成装置12に印刷ジョブが設定できる場合(ステップS108:YES)、CPU30Aは、ステップS110に移行する。一方、選択した画像形成装置12に印刷ジョブが設定できない場合(ステップS108:NO)、CPU30Aは、ステップS109に移行する。
【0122】
ステップS109において、CPU30Aは、選択した画像形成装置12の次に評価値が高い、次点の画像形成装置12の候補を選択する。
【0123】
ステップS110において、CPU30Aは、画像形成装置12の候補を、印刷ジョブを実行する画像形成装置12に決定する。
【0124】
ステップS111において、CPU30Aは、印刷ジョブに含まれる画像データが三次元画像データであるか否かの判定を行う。画像データが三次元画像データである場合(ステップS111:YES)、CPU11は、ステップS112に移行する。一方、画像データが三次元画像データでない(二次元画像データである)場合(ステップS111:NO)、CPU30Aは、ステップS116に移行する。
【0125】
ステップS112において、CPU30Aは、決定した画像形成装置12の印刷方式が電子写真方式であるか否かの判定を行う。印刷方式が電子写真方式である場合(ステップS112:YES)、CPU11は、ステップS113に移行する。一方、印刷方式が電子写真方式でない(インクジェット記録方式である)場合(ステップS112:NO)、CPU30Aは、ステップS114に移行する。
【0126】
ステップS113において、CPU30Aは、印刷ジョブの印刷条件に両面印刷及びトナーを増量する条件を設定する。
【0127】
ステップS114において、CPU30Aは、用紙種類に応じたスライス数を算出する。ここで、三次元画像データに設定されている高さに応じた三次元造形物を造形するためには、用紙の厚さに応じてスライス数(用紙の枚数)を設定する必要がある。なお、スライス数は、三次元画像データに設定されている高さに、印刷ジョブを実行する際に使用する用紙の厚さを除算して算出する。
【0128】
ステップS115において、CPU30Aは、印刷ジョブの印刷条件にスライス数(用紙の枚数)を設定する。
【0129】
ステップS116において、CPU30Aは、印刷ジョブを実行する画像形成装置12に印刷ジョブを送信する。
【0130】
ステップS117において、CPU30Aは、情報処理を終了するか否かの判定を行う。情報処理を終了する場合(ステップS117:YES)、CPU11は、情報処理を終了する。一方、情報処理を終了しない場合(ステップS117:NO)、CPU30Aは、ステップS101に移行する。
【0131】
以上説明したように、本実施形態によれば、印刷ジョブに含まれる画像データの種類及びユーザの指示と、画像形成装置12毎に設定されている特性とを用いて、画像形成装置12が選択される。したがって、二次元画像及び三次元造形物に応じて、適切な印刷装置が選択される。
【0132】
なお、本実施形態では、情報処理装置10は、DFE11、画像形成装置12、及び後処理装置13とは、異なる筐体である形態について説明した。しかし、これに限定されない。情報処理装置10は、DFE11に搭載されて、複数の画像形成装置12から印刷ジョブを実行させる画像形成装置12を選択する形態であってもよい。
【0133】
また、本実施形態では、画像形成装置12毎に評価値を算出し、定量的に画像形成装置12を評価して、画像形成装置12を選択する形態について説明した。しかし、これに限定されない。例えば、印刷ジョブ及びユーザの指示に応じて、画像形成装置12を選択する条件を設定してもよい。具体的には、印刷ジョブに含まれる画像種類が「三次元画像」である場合、印刷方式が「インクジェット記録方式」の画像形成装置12を優先して選択する条件に設定してもよい。また、ユーザの指示が「品質」を優先する情報である場合、用紙種類が「C紙(薄)」の画像形成装置12を優先して選択する条件に設定してもよい。また、印刷ジョブと、ユーザの指示との組み合わせに応じて、優先する条件を設定してもよい。具体的には、印刷ジョブに含まれる画像種類が「三次元画像」である場合、かつユーザの指示が「品質」を優先する情報である場合、印刷方式が「インクジェット記録方式」の画像形成装置12を優先して選択する条件に設定する。また、印刷ジョブに含まれる画像種類が「二次元画像」である場合、かつユーザの指示が「品質」を優先する情報である場合、印刷方式が「電子写真方式」の画像形成装置12を優先して選択する条件に設定する。
【0134】
また、優先して選択する条件を設定した場合において、複数の画像形成装置12が候補として挙がった場合、複数の画像形成装置12における評価値を算出して、評価値を用いて、画像形成装置12を選択してもよい。具体的には、印刷ジョブに含まれる画像種類が「三次元画像」である場合、かつユーザの指示が「品質」を優先する情報である場合、印刷方式が「インクジェット記録方式」の画像形成装置12を優先して選択する条件に設定し、候補を選出する。候補として、複数の画像形成装置12が挙がった場合、各々の画像形成装置12の評価値を算出し、評価値が最も高い画像形成装置12を選択する。つまり、情報処理装置10は、印刷ジョブと、ユーザの指示との組み合わせに応じて、優先する条件を設定することで、画像形成装置12の候補を絞り込み、さらに評価値を用いて、画像形成装置12を選択する。
【0135】
また、本実施形態では、印刷ジョブに含まれる画像種類は、二次元画像、又は三次元画像である形態について説明した。しかし、これに限定されない。二次元画像及び三次元画像を両方含んでいてもよい。この場合、二次元画像を用いて算出した評価値、及び三次元画像を用いて算出した評価値のうち、評価値が高い方を印刷ジョブを印刷装置を選択する評価値に採用してもよいし、二次元画像及び三次元画像の優先順位を予め設定してもよい。また、画像データ毎に印刷ジョブを分割して、各々の印刷ジョブを実行する印刷装置を選択してもよい。
【0136】
その他、上記実施形態で説明したDFE11の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0137】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0138】
なお、上記各実施形態において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、例えば CPU(Central Processing Unit)等の汎用的なプロセッサや、例えばGPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、及びプログラマブル論理デバイス等の専用のプロセッサを含むものである。
【0139】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0140】
また、上記各実施形態では、情報処理のプログラムがROM30Bに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0141】
10 情報処理装置
12 画像形成装置
13 後処理装置
16 収容機構
18 通信回線
20 糊付け部
22 切り出し部
24 圧着部
26 搬送路
30 情報処理部
30A CPU
30B ROM
30C RAM
30D 不揮発性メモリ
30E 入出力インターフェース
30F バス
31 外部装置
32 操作部
34 表示部
36 通信部
38 記憶部
40 ファイル形式変換部
42 ラスタ処理部
44 三次元データ処理部
45 スライス処理部
46 画像データ生成部
47 制御データ生成部
48 制御データ記憶部
50 記録媒体
52 積層部品
53 不要部分
54 切り出し線
56 着色領域
58 糊付け領域
61 取得部
62 評価部
63 選択部
70 評価情報データベース
図1
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