(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】装置、システム、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20230920BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20230920BHJP
H04N 5/77 20060101ALI20230920BHJP
H04N 5/92 20060101ALI20230920BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20230920BHJP
【FI】
H04N7/18 E
G08B25/00 510M
H04N5/77
H04N5/92 010
H04N23/60
H04N7/18 D
(21)【出願番号】P 2020136810
(22)【出願日】2020-08-13
【審査請求日】2022-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 修
(72)【発明者】
【氏名】和田 篤士
【審査官】長谷川 素直
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-135436(JP,A)
【文献】特開2004-117973(JP,A)
【文献】特開2017-151666(JP,A)
【文献】特開2000-059758(JP,A)
【文献】特開2001-143451(JP,A)
【文献】特開平07-298184(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
G08B 25/00
H04N 5/77
H04N 5/92
H04N 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
警備対象の設備に配置されるスタンドアロンの監視カメラ
と協働して前記警備対象の警備を支援する装置であって、
前記監視カメラによる撮影環境で、基準タイミングを示すタイミング信号を生じさせる発信部と、
前記監視カメラで撮影された動画像データを取得する取得部と、
前記動画像データに含まれる前記タイミング信号に基づいて、前記基準タイミングで撮影された画像データを当該動画像データ内で特定する特定部と、
を備える装置。
【請求項2】
前記発信部は、音信号を生じさせる、
請求項
1に記載の装置。
【請求項3】
前記発信部は、光信号を生じさせる、
請求項1
または2に記載の装置。
【請求項4】
前記発信部は、前記監視カメラの視野内の少なくとも一部で前記光信号を生じさせる、請求項
3に記載の装置。
【請求項5】
スタンドアロンの監視カメラ
の視野内の少なくとも一部で、基準タイミングを示すタイミング信号
として光信号を生じさせる発信部と、
前記監視カメラで撮影された動画像データを取得する取得部と、
前記動画像データに含まれる前記タイミング信号に基づいて、前記基準タイミングで撮影された画像データを当該動画像データ内で特定する特定部と、
を備え
、
前記監視カメラは、基準速度で揺動または回転し、
前記発信部は、前記光信号が前記監視カメラの視野内に含まれるタイミングで、前記光信号を生じさせる装置。
【請求項6】
対象領域の異常を検知する検知部を備え、
前記発信部は、前記検知部によって異常が検知されたことに応じて、前記タイミング信号を生じさせる、
請求項1
から5の何れか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記発信部は、現在時刻が基準時刻になる毎に前記タイミング信号を生じさせる、
請求項1
から6の何れか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記特定部は、特定された画像データを示すタグを前記動画像データに付加する付加部を有する、
請求項1から
7の何れか一項に記載の装置。
【請求項9】
他の機器からアクセス可能なファイルサーバに前記動画像データを送信する送信部を備える、
請求項
8に記載の装置。
【請求項10】
スタンドアロンの監視カメラと、
請求項1から9の何れか一項に記載の装置と、
を備えるシステム。
【請求項11】
警備対象の設備に配置されるスタンドアロンの監視カメラ
と協働して前記警備対象の警備を支援する方法であって、
前記監視カメラによる撮影環境で、基準タイミングを示すタイミング信号を生じさせる発信段階と、
前記監視カメラで撮影された動画像データを取得する取得段階と、
前記動画像データに含まれる前記タイミング信号に基づいて、前記基準タイミングで撮影された画像データを当該動画像データ内で特定する特定段階と、
を備える方法。
【請求項12】
スタンドアロンの監視カメラ
の視野内の少なくとも一部で、基準タイミングを示すタイミング信号
として光信号を生じさせる発信段階と、
前記監視カメラで撮影された動画像データを取得する取得段階と、
前記動画像データに含まれる前記タイミング信号に基づいて、前記基準タイミングで撮影された画像データを当該動画像データ内で特定する特定段階と、
を備え
、
前記監視カメラは、基準速度で揺動または回転し、
前記発信段階では、前記光信号が前記監視カメラの視野内に含まれるタイミングで、前記光信号を生じさせる方法。
【請求項13】
警備対象の設備に配置されるスタンドアロンの監視カメラと協働して前記警備対象の警備を支援する装置のコンピュータを、
前記監視カメラによる撮影環境で、基準タイミングを示すタイミング信号を生じさせる発信部と、
前記監視カメラで撮影された動画像データを取得する取得部と、
前記動画像データに含まれる前記タイミング信号に基づいて、前記基準タイミングで撮影された画像データを当該動画像データ内で特定する特定部
として機能させるプログラム。
【請求項14】
コンピュータを、
スタンドアロンの監視カメラ
の視野内の少なくとも一部で、基準タイミングを示すタイミング信号
として光信号を生じさせる発信部と、
前記監視カメラで撮影された動画像データを取得する取得部と、
前記動画像データに含まれる前記タイミング信号に基づいて、前記基準タイミングで撮影された画像データを当該動画像データ内で特定する特定部
として機能させ
、
前記監視カメラは、基準速度で揺動または回転し、
前記発信部は、前記光信号が前記監視カメラの視野内に含まれるタイミングで、前記光信号を生じさせるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置、システム、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視カメラを用いた種々の警備システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
[特許文献1] 特開2015-162232号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、装置が提供される。装置は、スタンドアロンの監視カメラによる撮影環境で、基準タイミングを示すタイミング信号を生じさせる発信部を備えてよい。装置は、監視カメラで撮影された動画像データを取得する取得部を備えてよい。装置は、動画像データに含まれるタイミング信号に基づいて、基準タイミングで撮影された画像データを当該動画像データ内で特定する特定部を備えてよい。
【0004】
装置は、対象領域の異常を検知する検知部を備えてよい。発信部は、検知部によって異常が検知されたことに応じて、タイミング信号を生じさせてよい。
【0005】
発信部は、現在時刻が基準時刻になる毎にタイミング信号を生じさせてよい。
【0006】
特定部は、特定された画像データを示すタグを動画像データに付加する付加部を有してよい。
【0007】
装置は、他の機器からアクセス可能なファイルサーバに動画像データを送信する送信部を備えてよい。
【0008】
発信部は、音信号を生じさせてよい。
【0009】
発信部は、光信号を生じさせてよい。
【0010】
発信部は、監視カメラの視野内の少なくとも一部で光信号を生じさせてよい。
【0011】
監視カメラは、基準速度で揺動または回転してよい。発信部は、光信号が監視カメラの視野内に含まれるタイミングで、光信号を生じさせてよい。
【0012】
本発明の第2の態様においては、システムが提供される。システムは、スタンドアロンの監視カメラを備えてよい。システムは、第1の態様の装置を備えてよい。
【0013】
本発明の第3の態様においては、方法が提供される。方法は、スタンドアロンの監視カメラによる撮影環境で、基準タイミングを示すタイミング信号を生じさせる発信段階を備えてよい。方法は、監視カメラで撮影された動画像データを取得する取得段階を備えてよい。方法は、動画像データに含まれるタイミング信号に基づいて、基準タイミングで撮影された画像データを当該動画像データ内で特定する特定段階を備えてよい。
【0014】
本発明の第4の態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、スタンドアロンの監視カメラによる撮影環境で、基準タイミングを示すタイミング信号を生じさせる発信部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、監視カメラで撮影された動画像データを取得する取得部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、動画像データに含まれるタイミング信号に基づいて、基準タイミングで撮影された画像データを当該動画像データ内で特定する特定部として機能させてよい。
【0015】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図3】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
[1.警備システム1]
図1は、本実施形態に係る警備システム1を示す。
【0019】
警備システム1は、システムの一例であり、監視カメラ2と、装置4と、ファイルサーバ5とを備える。
【0020】
ここで、警備システム1の各構成のうち、装置4と、ファイルサーバ5とは、通信ネットワーク10を介して互いに接続されてよい。通信ネットワーク10は、インターネット、広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク等の各種ネットワークまたはその組み合わせを含んで構成されてよい。通信ネットワーク10は、有線および無線の少なくとも一方による接続ポイントを含んでよい。通信ネットワーク10は、インターネットなどの公衆回線から分離された専用回線により実現されてもよい。
【0021】
[1.1.監視カメラ2]
監視カメラ2は、スタンドアロンの状態に設けられており、警備システム1における装置4やファイルサーバ5と通信せずに動作可能となっている。
【0022】
監視カメラ2は、常時撮影を行って動画像データを生成してよい。監視カメラ2は、一例として30f/sで撮影を行ってよい。監視カメラ2は可視光のカメラであってもよいし、赤外線や紫外線(一例としてX線)のカメラであってもよい。監視カメラ2は、撮影した動画像データを内部の記憶領域(図示せず)に記憶してよい。
【0023】
監視カメラ2に記憶された動画像データは、監視カメラ2から取り出される記憶媒体(一例としてSDカード)から読み取り装置(図示せず)によって読み出されてもよいし、監視カメラ2に外部接続される機器(図示せず)によって読み出されてもよい。読み出された動画像データは、ファイルサーバ5などにアップロードされてよい。
【0024】
監視カメラ2は、警備対象の設備に配置されてよい。本実施形態では一例として、監視カメラ2のカメラ本体は固定されていてよく、監視カメラ2の視野は固定されていてよい。設備は、プラントでもよいし、学校や住宅、駅、博物館、病院、店舗(一例として飲食店)などであってもよい。プラントとしては、化学やバイオ等の工業プラントの他、ガス田や油田等の井戸元やその周辺を管理制御するプラント、水力・火力・原子力等の発電を管理制御するプラント、太陽光や風力等の環境発電を管理制御するプラント、上下水やダム等を管理制御するプラント等が挙げられる。設備の出入り口とは、設備の内側と外側との境界に設けられた出入り口であってもよいし、設備内の一の領域と他の領域との境界に設けられた出入り口であってもよい。
【0025】
[1.2.装置4]
装置4は、監視カメラ2と協働して設備の警備を支援する。装置4は、時刻取得部40と、検知部41と、発信部42と、通信部43と、記憶部44と、特定部45とを有する。なお、これらの構成のうち、少なくとも発信部42、検知部41および時刻取得部40は、監視カメラ2の近傍に配置されてよい。通信部43、記憶部44および特定部45は、発信部42、検知部41および時刻取得部40と一体的に設けられてもよいし、別体に設けられてもよい。
【0026】
[1.2-1.時刻取得部40]
時刻取得部40は、現在時刻を取得する。時刻取得部40は、電波時計であってよく、図示しない送信局からの標準電波を受信して現在時刻を取得してよい。また、時刻取得部40は、GPS受信装置であってもよく、図示しないGPS衛星からの電波に含まれる時刻情報から現在時刻を取得してもよい。時刻取得部40は、現在時刻を発信部42に供給してよい。
【0027】
[1.2-1.検知部41]
検知部41は、対象領域の異常を検知する。検知部41は、異常を検知したことを示す検知信号を発信部42に供給してよい。
【0028】
ここで、対象領域は、監視カメラ2を含んでもよいし、監視カメラ2の視野を含んでもよい。一例として、対象領域は、監視カメラ2が設けられた設備の全体であってもよいし、設備内で監視カメラ2が設けられた空間であってもよい。
【0029】
検知部41は、例えば、対象領域への侵入を検知する侵入検知センサ、対象領域内の人体を検知する人感センサ、対象領域内のドアや窓の開閉を検知する開閉センサ、および、対象領域での熱や煙の発生を検知する火災センサの何れかであってよい。センサは超音波センサや、マイクロ波センサ、赤外線センサ、ワイヤセンサ、トラップセンサ、電界式センサ、マグネットセンサ、温度センサなどであってよい。
【0030】
[1.2-1.発信部42]
発信部42は、監視カメラ2による撮影環境で、基準タイミングを示すタイミング信号を生じさせる。発信部42は、監視カメラ2の視野内に配置されてもよいし、視野外に配置されてもよい。
【0031】
発信部42は、タイミング信号として音信号を生じさせてよい。この場合には監視カメラ2は音声を含む動画像データを撮影可能であってよく、音信号は、監視カメラ2により撮影される動画像データ内で検知可能な音量(音圧とも称する)や、周波数、音色、継続時間、繰返し回数などを有してよい。
【0032】
これに代えて、または、これに加えて、発信部42は、タイミング信号として光信号を生じさせてもよい。発信部42は、監視カメラ2の視野内の少なくとも一部で光信号を生じさせてよい。発信部42が監視カメラ2の視野外に配置される場合には、発信部42は監視カメラ2の視野内を直接的または間接的に照射してよい。光信号は、監視カメラ2により撮影される動画像データ内で検知可能な明るさ(一例として光度、輝度、照度など)や、周波数、継続時間、繰返し回数などを有してよい。
【0033】
発信部42は、現在時刻が基準時刻になる毎にタイミング信号を生じさせてよい。例えば、発信部42は、時刻取得部40から供給される現在時刻が基準時刻になる毎に、タイミング信号を生じさせてよい。基準時刻は、例えば、毎正時(一例として12時0分、13時0分,…)や、毎時30分(一例として12時30分、13時30分,…)などであってよい。
【0034】
これに代えて、または、これに加えて、発信部42は、検知部41によって異常が検知されたことに応じてタイミング信号を生じさせてよい。発信部42は、検知部41から検知信号を受信したことに応じてタイミング信号を生じさせてよい。
【0035】
発信部42は、現在時刻が基準時刻になったことに応じて生じさせるタイミング信号と、異常が検知されたことに応じて生じさせるタイミング信号とを、同じ信号としてもよいし、異なる信号としてもよい。
【0036】
[1.2-1.通信部43]
通信部43は、取得部の一例であり、監視カメラ2で撮影された動画像データを取得する。通信部43は、監視カメラ2から読み出されてファイルサーバ5などにアップロードされた動画像データを、通信ネットワーク10を介して取得してよい。通信部43は、取得した動画像データを記憶部44に供給してよい。
【0037】
通信部43は、送信部の一例であってもよく、ファイルサーバ5に動画像データを送信してよい。ファイルサーバ5に送信される動画像データには、後述の付加部450によりタグが付されてよい。通信部43は、記憶部44内の動画像データを送信してよい。
【0038】
[1.2-1.記憶部44]
記憶部44は、通信部43が取得した動画像データを記憶する。
【0039】
[1.2-1.特定部45]
特定部45は、動画像データに含まれるタイミング信号に基づいて、基準タイミングで撮影された画像データ(基準フレームとも称する)を当該動画像データ内で特定する。
【0040】
特定部45は、記憶部44から動画像データを読み出して、動画像データに含まれるタイミング信号を検出し、その発生タイミングに対応する画像データを基準フレームとして特定してよい。特定部45は、動画像データ内での基準フレームの位置(一例として基準フレームのフレーム番号や、動画像データの先頭から基準フレームまでの再生に要する秒数)をさらに特定してよい。
【0041】
特定部45は、特定された基準フレームを示すタグを動画像データに付加する付加部450を有してよい。タグは、動画像データ内での基準フレームの位置を示してよい。付加部450は、動画像データに対してタグを付加して記憶部44内の動画像データを更新してよい。
【0042】
[1.3.ファイルサーバ5]
ファイルサーバ5は、装置4とは異なる他の機器(一例として監視カメラ2を設置した警備会社)からアクセス可能であり、記憶するファイルを他の機器と共有する。ファイルサーバ5は、複数の機器から同時アクセス可能であってよい。ファイルサーバ5は、監視カメラ2から読み出されてアップロードされた動画像データを記憶してよい。また、ファイルサーバ5は、装置4の通信部43から送信される動画像データを記憶してもよい。
【0043】
[1.4.装置4から得られる効果]
以上の警備システム1における装置4によれば、スタンドアロンの監視カメラ2による撮影環境で基準タイミングを示すタイミング信号が発信され、動画像データに含まれるタイミング信号に基づいて、基準タイミングで撮影された画像データ(基準フレームとも称する)が動画像データ内で特定される。従って、スタンドアロンの監視カメラ2と撮影中に時刻合わせや通信を行うことなく、撮影済みの動画像データから、所望のタイミングで撮影された画像データを容易に抽出することができる。
【0044】
また、対象領域の異常が検知されたことに応じてタイミング信号が発信されるので、異常の発生タイミングで撮影された画像データを動画像データから容易に抽出することができる。
【0045】
また、現在時刻が基準時刻になる毎にタイミング信号が発信されるので、所望の時刻や所望の時間帯に撮影された画像データを動画像データから容易に抽出することができる。
【0046】
また、特定された画像データを示すタグが動画像データに付加されるので、動画像データのタグを参照することで、所望のタイミングで撮影された画像データを容易に抽出することができる。
【0047】
また、特定された画像データを示すタグが付加されて動画像データがファイルサーバ5に送信されるので、動画像データへのアクセスの集中を防止しつつ、所望のタイミングで撮影された画像データの抽出を他の機器に容易に実行させることができる。
【0048】
[2.装置4の動作]
図2は、装置4の動作を示す。装置4は、ステップS11~S17の処理を行うことにより設備の警備を支援する。
【0049】
ステップS11において、発信部42は、監視カメラ2による撮影環境でタイミング信号を生じさせる。発信部42は、現在時刻が基準時刻になる毎にタイミング信号を生じさせてもよいし、検知部41によって異常が検知されたことに応じてタイミング信号を生じさせてもよい。これにより、タイミング信号を含む動画像データが撮影される。
【0050】
ステップS13において通信部43は、撮影された動画像データを取得する。通信部43は、監視カメラ2から読み出された動画像データを通信ネットワーク10を介して取得してよい。
【0051】
ステップS15において特定部45は、動画像データに含まれるタイミング信号に基づいて、基準タイミングで撮影された基準フレームを当該動画像データ内で特定する。また、付加部450は、特定された基準フレームを示すタグを動画像データに付加してよい。
【0052】
ステップS17において通信部43は、ファイルサーバ5に動画像データを送信する。通信部43は、付加部450によりタグが付加された動画像データを送信してよい。
【0053】
[3.変形例]
なお、上記の実施形態においては、監視カメラ2のカメラ本体は固定されていることとして説明したが、基準速度で揺動または回転してよい。一例として、監視カメラ2のカメラ本体は基準速度でパン動作またはチルト動作が可能であってよい。基準速度は任意の速度であってよい。監視カメラ2が揺動または回転する場合に、装置4の発信部42は、光信号が監視カメラ2の視野内に含まれるタイミングで光信号を生じさせてよい。例えば、発信部42は現在時刻が基準時刻となった場合に、光信号が監視カメラ2の視野内に含まれるタイミングで光信号を生じさせてもよいし、検知部41によって異常が検知された場合に、光信号が監視カメラ2の視野内に含まれるタイミングで光信号を生じさせてもよい。
【0054】
警備システム1が単一の監視カメラ2を備えることとして説明したが、複数の監視カメラ2を備えることとしてもよい。この場合に、複数の監視カメラ2は同じ設備に配置されてよい。また、装置4の発信部42は、複数の監視カメラ2のそれぞれの撮影環境で同時にタイミング信号を生じさせてよい。装置4の通信部43は各監視カメラ2により撮影された動画像データを取得してよく、特定部45は基準タイミングで撮影された基準フレームを各動画像データ内で特定してよい。
【0055】
また、装置4は、時刻取得部40と、検知部41とを有することとして説明したが、これらの何れかを有しないこととしてもよい。装置4が時刻取得部40を有しない場合には、発信部42は、内部で計時される現在時刻が基準時刻になる毎にタイミング信号を生じさせてもよいし、検知部41によって異常が検知されたことに応じてタイミング信号を生じさせてもよい。装置4が検知部41を有しない場合には、発信部42は、現在時刻が基準時刻になる毎にタイミング信号を生じさせてよい。
【0056】
また、通信部43は通信ネットワーク10を介して動画像データを取得することとして説明したが、監視カメラ2と外部接続された場合に当該監視カメラ2から動画像データを読み出してもよいし、監視カメラ2から取り出される記憶媒体(一例としてSDカード)から動画像データを読み出してもよい。
【0057】
また、通信部43は監視カメラ2により撮影され付加部450によりタグが付加された動画像データをファイルサーバ5に送信することとして説明したが、基準フレームに基づいて抽出される部分的な動画像データをファイルサーバ5に送信してもよい。例えば、特定部45は、監視カメラ2により撮影された動画像データの全体から、基準フレームを含む一部の動画像データを抽出してよい。一例として特定部45は、異常検知に応じて発信されたタイミング信号により特定される基準フレームを含む基準時間幅(一例として5分間)の動画像データを抽出してよい。通信部43は、特定部45により抽出された動画像データをそれぞれファイルサーバ5に送信してよい。
【0058】
また、通信部43がファイルサーバ5に動画像データを送信することとして説明したが、ファイルサーバ5に動画像データを送信しなくてもよい。この場合には、監視カメラ2で撮影され記憶部44に記憶された画像データは外部の機器からアクセス可能であってよい。また、警備システム1はファイルサーバ5を備えないこととしてもよい。
【0059】
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0060】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0061】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0062】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0063】
図3は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0064】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0065】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0066】
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0067】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0068】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0069】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0070】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0071】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0072】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0073】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0074】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0075】
1 警備システム
2 監視カメラ
4 装置
5 ファイルサーバ
10 通信ネットワーク
40 時刻取得部
41 検知部
42 発信部
43 通信部
44 記憶部
45 特定部
450 付加部
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インタフェース
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード