(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】情報処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G08G 5/04 20060101AFI20230920BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20230920BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
G08G5/04 A
G01C21/26 C
G08G1/13
(21)【出願番号】P 2020166541
(22)【出願日】2020-09-30
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】宮田 亜衣
(72)【発明者】
【氏名】田中 由里香
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 英男
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 寛之
(72)【発明者】
【氏名】大原 克博
(72)【発明者】
【氏名】牧野 友哉
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/105183(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/130973(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/146580(WO,A1)
【文献】特開2019-131332(JP,A)
【文献】特開2019-101765(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 5/04
G08G 1/13
G01C 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信部及び制御部を備える情報処理装置であって、
前記通信部は、障害物の検出に用いられる第1カメラを有する第1無人航空機、及び障害物の検出に用いられ前記第1カメラよりも検出精度が高い第2カメラを有する第2無人航空機と通信し、
前記制御部は、
前記第1無人航空機に関する所定のイベントが発生した場合、前記第2無人航空機を用いて、前記第1無人航空機が目的地へ進行する飛行経路上の対象地点における障害物を検出し、
検出された前記障害物に関する情報を用いて、前記第1無人航空機に前記障害物を迂回させる、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記第2無人航空機を用いて検出された前記障害物に関する前記情報は、前記障害物の座標データを含む、情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記所定のイベントは、前記飛行経路に沿って進行中の前記第1無人航空機が前記目的地への進行を中断するという第1イベントであり、
前記対象地点は、前記第1イベントが発生したときの前記第1無人航空機の位置情報が示す地点である、情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記第1無人航空機は、前記飛行経路に沿って進行中に、前記第1カメラを用いて第1障害物が検出された一方、前記第1障害物に関連する他の障害物として予め定められた第2障害物が検出されない場合、前記目的地への進行を中断し、
前記制御部は、前記第1イベントが発生した場合、前記第2無人航空機を用いて前記対象地点における前記第2障害物を検出する、情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
前記第1障害物は電柱であり、前記第2障害物は電線である、情報処理装置。
【請求項6】
請求項3から5の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記第1無人航空機の位置情報の変化に基づいて前記第1イベントの発生を検出する、情報処理装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記所定のイベントは、前記第1無人航空機の前記飛行経路上に前記対象地点が検出されるという第2イベントであり、
前記対象地点は、地図上の第1エリアよりも多くの障害物が存在する他のエリアとして予め定められた第2エリア内の地点である、情報処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理装置であって、
前記第1エリア及び前記第2エリアは、1台以上の車両によって撮像された車外風景の画像及び前記1台以上の車両の位置情報に基づいて決定される、情報処理装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記第2無人航空機を用いて検出された前記障害物に関する前記情報を用いて前記飛行経路を修正することにより、前記第1無人航空機に前記障害物を迂回させる、情報処理装置。
【請求項10】
請求項7から9の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記第1無人航空機が前記対象地点に到達する前に前記第2イベントの発生を検出する、情報処理装置。
【請求項11】
障害物の検出に用いられる第1カメラを備える第1無人航空機が実行する方法であって、
目的地への飛行経路に沿って進行中に前記目的地への進行を中断するという第1イベントが発生した場合、前記飛行経路上の対象地点における障害物であって第2無人航空機を用いて検出された前記障害物に関する情報を受信すること、及び
検出された前記障害物に関する前記情報を用いて前記障害物を迂回すること
を含み、
前記第2無人航空機は、障害物の検出に用いられ前記第1カメラよりも検出精度が高い第2カメラを備える、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記飛行経路に沿って進行中に、前記第1カメラを用いて第1障害物が検出された一方、前記第1障害物に関連する他の障害物として予め定められた第2障害物が検出されない場合、前記目的地への進行を中断することを更に含み、
前記第1無人航空機は、前記第2無人航空機を用いて検出された前記第2障害物に関する前記情報を用いて、前記第2障害物を迂回する、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、
前記第1障害物は電柱であり、前記第2障害物は電線である、方法。
【請求項14】
請求項11から13の何れか一項に記載の方法であって、
前記第2無人航空機を用いて検出された前記障害物に関する前記情報は、前記障害物の座標データを含む、
方法。
【請求項15】
請求項11から14の何れか一項に記載の方法であって、
前記第1イベントが発生した場合、前記第1イベントの発生を情報処理装置に通知することを更に含む、方法。
【請求項16】
障害物の検出に用いられる第2カメラを備える第2無人航空機が実行する方法であって、
第1無人航空機に関する所定のイベントが発生した場合、情報処理装置から通知された対象地点まで移動すること
、
視点を変えながら前記第2カメラで前記対象地点を撮像した複数の画像を生成すること
、
前記複数の画像に基づいて前記対象地点における障害物を検出すること、及び
検出された前記障害物に関する情報を用いて、前記第1無人航空機に前記障害物を迂回させること
を含み、
前記第1無人航空機は、障害物の検出に用いられ前記第2カメラよりも検出精度が低い第1カメラを備える、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記所定のイベントは、目的地への飛行経路に沿って進行中の前記第1無人航空機が前記目的地への進行を中断するという第1イベントであり、
前記対象地点は、前記第1イベントが発生したときの前記第1無人航空機の位置情報が示す地点である、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、
前記所定のイベントは、前記第1無人航空機が目的地へ進行する飛行経路上に前記対象地点が検出されるという第2イベントであり、
前記対象地点は、地図上の第1エリアよりも多くの障害物が存在する他のエリアとして予め定められた第2エリア内の地点である、方法。
【請求項19】
請求項
18に記載の方法であって、
前記第2カメラで撮像した前記複数の画像を前記情報処理装置へ送信することを更に含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドローン等の無人航空機を制御する技術が知られている。例えば特許文献1には、荷物の配送を行うドローンを管理するドローン管理システムについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、カメラが搭載された無人航空機に、当該カメラを用いて検出された周囲の障害物を回避させることが望まれている。しかしながら、無人航空機に搭載されたカメラの性能によっては、障害物を検出できない可能性がある。したがって、無人航空機を制御する技術には改善の余地があった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、無人航空機を制御する技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
通信部及び制御部を備える情報処理装置であって、
前記通信部は、障害物の検出に用いられる第1カメラを有する第1無人航空機、及び障害物の検出に用いられ前記第1カメラよりも検出精度が高い第2カメラを有する第2無人航空機と通信し、
前記制御部は、
前記第1無人航空機に関する所定のイベントが発生した場合、前記第2無人航空機を用いて、前記第1無人航空機が目的地へ進行する飛行経路上の対象地点における障害物を検出し、
検出された前記障害物に関する情報を用いて、前記第1無人航空機に前記障害物を迂回させる。
【0007】
本開示の一実施形態に係る方法は、
障害物の検出に用いられる第1カメラを備える第1無人航空機が実行する方法であって、
目的地への飛行経路に沿って進行中に前記目的地への進行を中断するという第1イベントが発生した場合、前記飛行経路上の対象地点における障害物であって第2無人航空機を用いて検出された前記障害物に関する情報を受信すること、及び
検出された前記障害物に関する前記情報を用いて前記障害物を迂回すること
を含み、
前記第2無人航空機は、障害物の検出に用いられ前記第1カメラよりも検出精度が高い第2カメラを備える。
【0008】
本開示の一実施形態に係る方法は、
障害物の検出に用いられる第2カメラを備える第2無人航空機が実行する方法であって、
第1無人航空機に関する所定のイベントが発生した場合、情報処理装置から通知された対象地点まで移動すること、及び
視点を変えながら前記第2カメラで前記対象地点を撮像した複数の画像を生成すること
を含み、
前記第1無人航空機は、障害物の検出に用いられ前記第2カメラよりも検出精度が低い第1カメラを備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、無人航空機を制御する技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】第1無人航空機の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】第2無人航空機の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図5】第1実施形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6】第1障害物及び第2障害物の例を示す図である。
【
図7】第1実施形態に係る第1無人航空機の動作を示すフローチャートである。
【
図8】第1実施形態に係る第2無人航空機の動作を示すフローチャートである。
【
図9】第2実施形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
(第1実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の第1実施形態に係るシステム1の概要について説明する。システム1は、第1無人航空機10と、第2無人航空機20と、情報処理装置30と、を備える。システム1が備える第1無人航空機10及び第2無人航空機20それぞれの数は、1以上であればよい。
【0013】
第1無人航空機10は、人が搭乗しない任意の航空機である。例えばドローン又はマルチコプタ等の航空機が、第1無人航空機10として採用可能である。第1無人航空機10は、自律飛行によって又は情報処理装置30と協働することによって、飛行経路に沿って目的地へ進行可能である。例えば第1無人航空機10は、自機に搭載されたカメラを用いて検出された障害物を迂回可能である。障害物の検出には、例えばテンプレートマッチング又は機械学習等、任意の画像認識手法が採用可能である。障害物の検出は、第1無人航空機10が単独で実施してもよく、或いは第1無人航空機10からネットワーク40を介して画像を取得した情報処理装置30が実施してもよい。本実施形態において第1無人航空機10は、自機に取り付けられた荷物を目的地まで配送する物流サービスに利用される。しかしながら第1無人航空機10は、物流サービスに限られず、飛行経路に沿って目的地へ進行する任意のサービスに利用可能である。
【0014】
第2無人航空機20は、人が搭乗しない任意の航空機である。例えばドローン又はマルチコプタ等の航空機が、第2無人航空機20として採用可能である。第2無人航空機20は、自律飛行によって又は情報処理装置30と協働することによって、情報処理装置30から通知された地点まで移動可能である。第2無人航空機20は、後述するように第1無人航空機10よりも障害物の検出精度が高い高性能なカメラを備える。このため第2無人航空機20は、第1無人航空機10よりも精度良く障害物を検出し得る検出し得る。障害物の検出は、第2無人航空機20が単独で実施してもよく、或いは第2無人航空機20からネットワーク40を介して画像を取得した情報処理装置30が実施してもよい。本実施形態において第2無人航空機20は、情報処理装置30から通知された対象地点の障害物の検出に利用される。
【0015】
情報処理装置30は、コンピュータ又はサーバ装置等の情報処理機能を有する装置である。本実施形態において情報処理装置30は、例えばインターネット及び移動体通信網等を含むネットワーク40を介して、第1無人航空機10及び第2無人航空機20のそれぞれと通信可能である。
【0016】
まず、第1実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。情報処理装置30は、第1無人航空機10に関する所定のイベントが発生した場合、第2無人航空機20を用いて、第1無人航空機10が目的地へ進行する飛行経路上の対象地点における障害物を検出する。第1実施形態において所定のイベントは、飛行経路に沿って進行中の第1無人航空機10が目的地への進行を中断するという第1イベントである。そして情報処理装置30は、検出された障害物に関する情報を用いて、第1無人航空機10に当該障害物を迂回させる。
【0017】
第1無人航空機10は、例えば自機に搭載に搭載されたカメラでは障害物を精度良く検出できない等の不都合が発生した場合に、目的地への進行を中断する可能性がある。これに対して第1実施形態によれば、第1無人航空機10は、第2無人航空機20を用いて検出された障害物の情報を用いて、当該障害物を迂回して目的地への進行を継続可能である。このため、例えば荷物の配送を行う全ての第1無人航空機10に、障害物の検出精度が高い高性能なカメラを搭載する必要がない。一般的に、カメラの性能が高くなるほど、カメラのコストが高くなり、又は寸法が大きくなる。したがって第1実施形態によれば、第1無人航空機10のコスト低減又は小型化を実現しつつ、第1無人航空機10が障害物を迂回できる確実性が向上する点で、無人航空機を制御する技術が改善される。
【0018】
次に、システム1の各構成について、詳細に説明する。
【0019】
(第1無人航空機の構成)
図2に示すように、第1無人航空機10は、通信部11と、記憶部12と、測位部13と、第1カメラ14と、制御部15と、を備える。
【0020】
通信部11は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、第1無人航空機10は、通信部11を介して情報処理装置30と通信する。
【0021】
記憶部12は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部12に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、第1無人航空機10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してもよい。記憶部12に記憶された情報は、例えば通信部11を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0022】
測位部13は、衛星測位システムに対応する受信機を含む。当該受信機は、例えばGPS(Global Positioning System)に対応するが、これに限られず、任意の衛星測位システムに対応してもよい。また測位部13は、例えばジャイロセンサ、地磁気センサ、及び気圧センサを含む。本実施形態において第1無人航空機10は、測位部13を用いて自機の位置情報、自機が向いている方角、並びに自機の傾きを取得可能である。位置情報は、緯度及び経度を含む二次元座標データを含んでもよく、緯度及び経度に加えて高度を含む三次元座標データを含んでもよい。
【0023】
第1カメラ14は、第1無人航空機10の周囲に存在する障害物の検出に用いられる。例えば、一定の画角を有するカメラ又は全方位カメラが、第1カメラ14として採用可能である。本実施形態において第1無人航空機10は、第1カメラ14を用いて検出された障害物を迂回可能である。第1カメラ14は、後述するように第2無人航空機20に搭載された第2カメラ24よりも障害物の検出精度が低いカメラであってもよい。具体的には、第1カメラ14は、第2無人航空機20に搭載された第2カメラ24と比較して、例えば解像度が低くてもよく、イメージセンサが小さくてもよく、レンズのF値が大きくてもよく、或いはレンズの枚数が少なくてもよい。また、第2無人航空機20に搭載された第2カメラ24のイメージセンサがCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)である場合、第1カメラ14のイメージセンサはCCD(Charge Coupled Device)であってもよい。
【0024】
制御部15は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるがこれに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるがこれに限られない。制御部15は、第1無人航空機10全体の動作を制御する。制御部15によって制御される第1無人航空機10の動作の詳細については後述する。
【0025】
(第2無人航空機の構成)
図3に示すように、第2無人航空機20は、通信部21と、記憶部22と、測位部23と、第2カメラ24と、制御部25と、を備える。通信部21、記憶部22、測位部23、及び制御部25のハードウェア構成は、第1無人航空機10の通信部11、記憶部12、測位部13、及び制御部15とそれぞれ同様であるため、説明を省略する。
【0026】
第2カメラ24は、第2無人航空機20の周囲に存在する障害物の検出、及び情報処理装置30から通知された対象地点の空撮に用いられる。例えば、一定の画角を有するカメラ又は全方位カメラが、第2カメラ24として採用可能である。本実施形態において第2無人航空機20は、第2カメラ24を用いて検出された障害物を迂回可能である。第2カメラ24は、第1無人航空機10に搭載された第1カメラ14よりも障害物の検出精度が高いカメラである。具体的には、第2カメラ24は、第1無人航空機10に搭載された第1カメラ14と比較して、例えば解像度が高くてもよく、イメージセンサが大きくてもよく、レンズのF値が小さくてもよく、或いはレンズの枚数が多くてもよい。また、第1無人航空機10に搭載された第1カメラ14のイメージセンサがCCDである場合、第2カメラ24のイメージセンサはCMOSであってもよい。本実施形態において、第1無人航空機10の第1カメラ14では検出できない障害物が、第2無人航空機20の第2カメラ24を用いて検出され得る。
【0027】
(情報処理装置の構成)
図4に示すように、情報処理装置30は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、を備える。
【0028】
通信部31は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば有線LAN(Local Area Network)規格又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、情報処理装置30は、通信部31を介して第1無人航空機10及び第2無人航空機20と通信する。
【0029】
記憶部32は、1つ以上のメモリを含む。記憶部32に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部32は、情報処理装置30の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部32は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、及び地図情報等を記憶してもよい。記憶部32に記憶された情報は、例えば通信部31を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0030】
制御部33は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部33は、情報処理装置30全体の動作を制御する。制御部33によって制御される情報処理装置30の動作の詳細については後述する。
【0031】
(情報処理装置の動作フロー)
図5を参照して、第1実施形態に係る情報処理装置30の動作について説明する。
【0032】
ステップS100:制御部33は、第1無人航空機10が目的地へ進行する飛行経路を決定する。
【0033】
具体的には、制御部33は、第1無人航空機10の位置情報と、第1無人航空機10に配送させる荷物の配送先を示す情報と、を取得する。第1無人航空機10の位置情報は、例えば通信部31を介して第1無人航空機10から受信されてもよく、記憶部32に記憶された第1無人航空機10の運行計画から取得されてもよく、或いはオペレータによって入力されてもよい。荷物の配送先を示す情報は、記憶部32に記憶された第1無人航空機10の運行計画から取得されてもよく、或いはオペレータによって入力されてもよい。そして制御部33は、第1無人航空機10の位置情報が示す地点を出発地点とし、荷物の配送先を目的地とする飛行経路を決定する。
【0034】
ステップS101:制御部33は、第1無人航空機10を飛行経路に沿って進行させる。
【0035】
具体的には、制御部33は、ステップS100で決定された飛行経路を第1無人航空機10に通知する。後述するように、飛行経路の通知を受信した第1無人航空機10は、当該飛行経路に沿って目的地へ進行を開始する。ここで制御部33は、飛行経路を進行中の第1無人航空機10の位置情報を監視してもよい。具体的には、制御部33は、通信部31を介して第1無人航空機10から位置情報を繰り返し取得する。
【0036】
ステップS102:制御部33は、第1無人航空機10に関する所定のイベントの発生を検出する。第1実施形態において、当該所定のイベントは、ステップS100で決定された飛行経路に沿って進行中の第1無人航空機10が目的地への進行を中断する、という第1イベントである。
【0037】
なお後述するように、第1無人航空機10は、第1カメラ14を用いて第1障害物が検出された一方、第1障害物に関連する他の障害物として予め定められた第2障害物が検出されない場合に、目的地への進行を中断する。例えば
図6に示すように、電柱が第1障害物として定められてもよい。かかる場合、電柱の近傍に存在する蓋然性が高く且つ電柱に比べて細く視認性が低い電線が第2障害物として定められてもよい。障害物の検出精度が低い第1カメラ14では、電柱に比べて細く視認性の低い電線を鮮明に撮像することができず、画像から電線を必ずしも検出できない。
【0038】
第1イベントの発生の検出には、任意の手法が採用可能である。例えば制御部33は、第1無人航空機10の位置情報の変化に基づいて、所定時間に亘って第1無人航空機10の位置情報が実質的に変化しない場合、第1イベントの発生を検出してもよい。或いは、制御部33は、第1イベントの発生の通知を第1無人航空機10から受信すると、第1イベントの発生を検出してもよい。
【0039】
ステップS103:制御部33は、第1無人航空機10の飛行経路上の対象地点を特定する。第1実施形態において、対象地点は、第1イベントが発生したときの第1無人航空機10の位置情報が示す地点、すなわち第1無人航空機10が目的地への進行を中断した地点である。
【0040】
ステップS104:制御部33は、第2無人航空機20を用いて対象地点における障害物を検出する。
【0041】
具体的には、制御部33は、第2無人航空機20に対象地点を通知する。対象地点の通知には、対象地点を目的地とする飛行経路の情報が含まれてもよい。かかる場合、制御部33は、第2無人航空機20の位置情報を取得する。第1無人航空機10の位置情報は、例えば通信部31を介して第2無人航空機20から受信されてもよく、記憶部32に記憶された第2無人航空機20の運行計画から取得されてもよく、或いはオペレータによって入力されてもよい。制御部33は、第2無人航空機20の位置情報が示す地点を出発地点とし、対象地点を目的地とする飛行経路を決定する。なお後述するように、飛行経路の通知を受信した第2無人航空機20は、当該飛行経路に沿って対象地点まで移動し、空中で視点を変えながら第2カメラ24で対象地点を撮像した複数の画像を生成し、当該複数の画像を情報処理装置30へ送信する。
【0042】
そして制御部33は、第2無人航空機20から受信した当該複数の画像に基づいて、対象地点における障害物を検出する。対象地点における障害物は、少なくとも第2障害物を含む。換言すると制御部33は、少なくとも第2障害物を複数の画像から検出する。かかる場合、制御部33は、複数の画像から第2障害物だけを選択的に検出してもよい。例えば
図6に示すように、第1無人航空機10の第1カメラ14では検出されなかった第2障害物である電線が、第2無人航空機20の第2カメラ24を用いて生成された当該複数の画像から検出され得る。なお第1障害物である電柱も、第2カメラ24を用いて生成された当該複数の画像から検出され得る。
【0043】
ステップS105:制御部33は、第2無人航空機20を用いて検出された障害物に関する情報を生成する。
【0044】
具体的には、制御部33は、第2無人航空機20から受信した対象地点の複数の画像を用いて、例えば三次元測量を行うことにより障害物に関する情報を生成する。
図6に示す例では、制御部33は、少なくとも第2障害物である電線に関する情報を生成する。第1実施形態において、障害物に関する当該情報は、少なくとも当該障害物の座標データを含む。障害物の座標データは、当該障害物の位置を代表する1つの二次元又は三次元座標データであってもよく、複数の二次元又は三次元座標データを含む点群データであってもよい。或いは障害物に関する当該情報は、対象地点全体の二次元又は三次元地形データであってもよい。対象地点全体の地形データには、当該障害物の座標データが含まれる。
【0045】
ステップS106:制御部33は、ステップS105で生成された障害物に関する情報を用いて、第1無人航空機10に障害物を迂回させる。
【0046】
具体的には、制御部33は、障害物に関する情報を第1無人航空機10へ送信する。後述するように、障害物に関する情報を受信した第1無人航空機10は、当該情報に含まれる障害物の座標データに基づいて、自機の周辺に存在する障害物を認識する。
図6に示す例では、第1無人航空機10は、第1カメラ14では検出されなかった第2障害物である電線を、第2障害物に関する情報に含まれる電線の座標データに基づいて認識する。そして第1無人航空機10は、認識した第2障害物である電線を迂回して、目的地への進行を継続する。
【0047】
(第1無人航空機の動作フロー)
図7を参照して、第1実施形態に係る第1無人航空機10の動作について説明する。
【0048】
ステップS200:制御部15は、目的地への飛行経路を取得する。具体的には、制御部15は、通信部11を介して情報処理装置30から飛行経路の通知を受信する。
【0049】
ステップS201:第1無人航空機10は、制御部15による制御に従って、飛行経路に沿って目的地へ進行を開始する。
【0050】
具体的には、制御部15は、ステップS200で取得された飛行経路に沿って目的地への進行を開始するように第1無人航空機10の動作を制御する。第1無人航空機10が飛行経路に沿って進行している間、制御部15は、通信部11を介して情報処理装置30へ第1無人航空機10の位置情報を繰り返し送信してもよい。
【0051】
ステップS202:制御部15は、飛行経路に沿って進行中の第1無人航空機10が目的地への進行を中断するという第1イベントの発生を検出する。
【0052】
具体的には、制御部15は、第1カメラ14を用いて第1障害物が検出された一方、第1障害物に関連する他の障害物として予め定められた第2障害物が検出されない場合に、目的地への進行を中断して、第1イベントの発生を検出する。なお、進行の中断は、第1無人航空機10がホバリング又は旋回等により空中で待機することを含んでもよく、第1無人航空機10が着陸して地上で待機することを含んでもよい。
【0053】
ステップS203:制御部15は、通信部11を介して情報処理装置30に、第1イベントの発生を通知する。ここで制御部15は、第1イベントが発生したときの第1無人航空機10の位置情報を情報処理装置30に通知してもよい。
【0054】
ステップS204:制御部15は、飛行経路上の対象地点における障害物であって第2無人航空機20を用いて検出された障害物に関する情報を受信する。
【0055】
上述したように、第1実施形態において対象地点は、第1イベントが発生したときの第1無人航空機10の位置情報が示す地点、すなわち第1無人航空機10が目的地への進行を中断した地点である。第2無人航空機20を用いて検出された障害物には、少なくとも第2障害物(
図6に示す例では、電線)が含まれる。また上述したように、障害物に関する情報は、当該障害物の座標データを含む。
【0056】
ステップS205:第1無人航空機10は、制御部15による制御に従って、受信された障害物に関する情報を用いて当該障害物を迂回する。具体的には、制御部15は、障害物に関する情報に含まれる座標データが示す当該障害物を迂回するように第1無人航空機10の動作を制御する。
【0057】
ステップS206:第1無人航空機10は、制御部15による制御に従って、飛行経路に沿って目的地への進行を継続する。具体的には、制御部15は、飛行経路に沿って目的地への進行を継続するように第1無人航空機10の動作を制御する。
【0058】
(第2無人航空機の動作フロー)
図8を参照して、第1実施形態に係る第2無人航空機20の動作について説明する。
【0059】
ステップS300:制御部25は、目的地への飛行経路に沿って進行中の第1無人航空機10が目的地への進行を中断するという第1イベントが発生した場合に情報処理装置30から送信される対象地点の通知を、通信部21を介して受信する。
【0060】
上述したように、対象地点は、第1無人航空機10の飛行経路上の地点であって、第1イベントが発生したときの第1無人航空機10の位置情報が示す地点である。また対象地点の通知は、対象地点を目的地とする飛行経路の情報が含まれ得る。
【0061】
ステップS301:第2無人航空機20は、制御部25による制御に従って、対象地点まで移動する。具体的には、制御部25は、対象地点を目的地とする飛行経路に沿って対象地点まで移動するように第2無人航空機20の動作を制御する。当該飛行経路は、制御部25によって決定されてもよく、或いはステップS300で受信した対象地点の通知から取得されてもよい。
【0062】
ステップS302:制御部25は、視点を変えながら第2カメラ24で対象地点を撮像した複数の画像を生成する。
【0063】
ステップS303:制御部25は、通信部21を介して情報処理装置30へ、ステップS302で生成された複数の画像を送信する。上述したように、送信された複数の画像は、情報処理装置30が三次元測量を行うために用いられる。
【0064】
以上述べたように、第1実施形態に係る情報処理装置30は、第1無人航空機10に関する所定のイベントが発生した場合、第2無人航空機20を用いて、第1無人航空機10が目的地へ進行する飛行経路上の対象地点における障害物を検出する。第1実施形態において所定のイベントは、飛行経路に沿って進行中の第1無人航空機10が目的地への進行を中断するという第1イベントである。そして情報処理装置30は、検出された障害物に関する情報を用いて、第1無人航空機10に当該障害物を迂回させる。
【0065】
第1無人航空機10は、障害物の検出精度が比較的低い第1カメラ14では障害物を精度良く検出できない等の不都合が発生した場合に、目的地への進行を中断する可能性がある。これに対して第1実施形態によれば、第1無人航空機10は、障害物の検出精度が比較的高い第2カメラ24を備える第2無人航空機20を用いて検出された障害物の情報を用いて、当該障害物を迂回して目的地への進行を継続可能である。このため、例えば荷物の配送を行う全ての第1無人航空機10に、障害物の検出精度が高い高性能なカメラを搭載する必要がない。一般的に、カメラの性能が高くなるほど、カメラのコストが高くなり、又は寸法が大きくなる。したがって第1実施形態によれば、第1無人航空機10のコスト低減又は小型化を実現しつつ、第1無人航空機10が障害物を迂回できる確実性が向上する点で、無人航空機を制御する技術が改善される。
【0066】
(第2実施形態)
次に本開示の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係るシステム1のハードウェア構成は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。上述した第1実施形態では、第1無人航空機10に関する所定のイベントが第1イベントであり、第1無人航空機10が飛行経路に沿って目的地へ進行中に第1イベントの発生が検出される。これに対して第2実施形態は、第1無人航空機10に関する所定のイベントが第2イベントである点、及び、例えば第1無人航空機10が目的地への進行を開始する前に第2イベントの発生が検出され得る点で、第1実施形態と相違する。
【0067】
第2イベントは、第1無人航空機10の飛行経路上に対象地点が検出されるというイベントである。第2実施形態における対象地点は、上述した第1実施形態とは異なり、地図上の第1エリアよりも多くの障害物が存在する他のエリアとして予め定められた第2エリア内の任意の地点である。詳細には、第2エリアは、第1エリアよりも多くの第1障害物及び第2障害物(例えば、電柱及び電線)が多く存在し得るエリアとして予め定められる。第1エリア及び第2エリアの決定には、任意の手法が採用可能である。
【0068】
例えば、情報処理装置30の制御部33は、電力会社から提供された電柱の位置情報に基づいて、電柱が存在する密度が所定の基準値未満であるエリアを第1エリアとして決定し、当該密度が基準値以上であるエリアを第2エリアとして決定してもよい。
【0069】
また例えば、制御部33は、1台以上の車両によって撮像された車外風景の画像及び当該1台以上の車両の位置情報に基づいて、第1エリア及び第2エリアを決定してもよい。。具体的には、制御部33は、1台以上の車両から、車外風景の画像と、当該画像が撮像されたときの位置情報とを対応付けて取得する。制御部33は、車両から取得された画像から電柱が検出されるか否かを判定する。そして制御部33は、任意の手法で決定されたエリア毎に、例えば画像から電柱が検出される頻度が所定の基準値未満であるエリアを第1エリアとして決定し、当該頻度が基準値未満であるエリアを第2エリアとして決定してもよい。より詳細には、制御部33は、あるエリアで撮像されたn枚の画像のうちm枚の画像から電柱が検出された場合、当該エリアで撮像された画像から電柱が検出される頻度をm/nとして算出する。そして制御部33は、基準値rを用いて、m/n<rである場合、当該エリアを第1エリアとして決定する。一方、制御部33は、r≦m/nである場合、当該エリアを第2エリアとして決定する。しかしながら、車両から取得される画像を用いて第1エリア及び第2エリアを決定する手法は、当該例に限られない。
【0070】
(情報処理装置の動作フロー)
図9を参照して、第2実施形態に係る情報処理装置30の動作について説明する。なお、情報処理装置30の記憶部32には、上述した第1エリア及び第2エリアの情報が記憶されているものとする。
【0071】
ステップS400:制御部33は、第1無人航空機10が目的地へ進行する飛行経路を決定する。本ステップは、第1実施形態に係るステップS100と同様である。
【0072】
ステップS401:制御部33は、第1無人航空機10の飛行経路上に対象地点(すなわち第2エリア内の地点)が存在するか否かを判定する。
【0073】
ステップS402:制御部33は、第1無人航空機10の飛行経路上に対象地点が検出されるという第2イベントの発生を検出する。具体的には、ステップS401において、飛行経路上に対象地点が存在すると判定された場合、制御部33は第2イベントの発生を検出する。
【0074】
ステップS403:制御部33は、第2無人航空機20を用いて、第1無人航空機10の飛行経路上の対象地点における障害物を検出する。本ステップは、第1実施形態に係るステップS104と同様である。
【0075】
ステップS404:制御部33は、第2無人航空機20を用いて検出された障害物に関する情報を生成する。本ステップは、第1実施形態に係るステップS105と同様である。
【0076】
ステップS405:制御部33は、ステップS400で決定された第1無人航空機10の飛行経路を、ステップS404で生成された障害物に関する情報を用いて修正することにより、第1無人航空機10に当該障害物を迂回させる。換言すると、制御部33は、障害物に関する情報を用いて、第1無人航空機10が当該障害物を迂回するように第1無人航空機10の飛行経路を修正する。
【0077】
以上述べたように、第2実施形態に係る情報処理装置30は、第1無人航空機10に関する所定のイベントが発生した場合、第2無人航空機20を用いて、第1無人航空機10が目的地へ進行する飛行経路上の対象地点における障害物を検出する。第2実施形態において所定のイベントは、第1無人航空機10の飛行経路上に対象地点が検出されるという第2イベントである。そして情報処理装置30は、第1無人航空機10の飛行経路を、検出された障害物に関する情報を用いて修正することにより、第1無人航空機10に当該障害物を迂回させる。
【0078】
第2実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様に、第1無人航空機10のコスト低減又は小型化を実現しつつ、第1無人航空機10が障害物を迂回できる確実性が向上する点で、無人航空機を制御する技術が改善される。また、上述した第1実施形態では、飛行経路に沿って目的地へ進行中の第1無人航空機10が目的地への進行を中断するという第1イベントが発生した後に、第2無人航空機20を用いた障害物の検出が実施される。これに対して第2実施形態では、例えば第1無人航空機10が目的地への進行を開始するよりも前に、第2無人航空機20を用いた障害物の検出が実施可能である。このため、第2実施形態によれば、第1無人航空機10が目的地への進行を開始した後に進行を中断する蓋然性が低減するので、第1実施形態と比較して第1無人航空機10が目的地の到着するまでに要する時間が短縮され得る。
【0079】
本発明を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0080】
例えば、上述した実施形態において情報処理装置30が実行する一部又は全部の動作を、第1無人航空機10又は第2無人航空機20が実行する実施形態も可能である。具体的には、第1無人航空機10又は第2無人航空機20を用いた障害物の検出、及び検出された障害物に関する情報の生成は、情報処理装置30ではなく第1無人航空機10又は第2無人航空機20によって実行されてもよい。
【0081】
また、情報処理装置30の構成及び動作を、互いに通信可能な複数の情報処理装置に分散させる実施形態も可能である。
【0082】
また、上述した第1実施形態において、情報処理装置30が障害物に関する情報を生成し、当該情報を第1無人航空機10へ送信することによって第1無人航空機10に障害物を迂回させる例について説明した。しかしながら、情報処理装置30が、第2無人航空機20を介して第1無人航空機10に障害物を迂回させる実施形態も可能である。具体的には、情報処理装置30は、第1イベントが発生した場合、第1無人航空機10が目的地への進行を中断した対象地点を第2無人航空機20に通知する。第2無人航空機20は、対象地点に到着すると、第2カメラ24を用いて対象地点における障害物を検出する。第2無人航空機20は、例えばbluetooth(登録商標)又はWi-Fi(登録商標)等の近距離無線通信を介して、第1無人航空機10との間で通信チャネルを確立する。そして第2無人航空機20は、第1無人航空機10の動作を一時的に制御して、第1無人航空機10に障害物を迂回させる。かかる実施形態によれば、情報処理装置30が障害物に関する情報(例えば、障害物の座標データ)を生成する必要がないので、情報処理装置30の処理負担が軽減され得る。
【0083】
また、上述した第1及び第2実施形態において、情報処理装置30は、対象地点における障害物に関する情報(例えば、対象地点の地形データ)を記憶部32に蓄積してもよい。かかる場合、情報処理装置30は、第1無人航空機10の飛行経路上に存在する地点であって記憶部32に蓄積された地点における障害物に関する情報を、飛行経路の情報とともに第1無人航空機10へ送信する。第1無人航空機10は、飛行経路にそって目的地へ進行中に当該地点に到達すると、当該地点における障害物に関する情報を用いて、当該障害物を迂回する。
【0084】
また、上述した第1及び第2実施形態において、第1障害物が電柱であり、第2障害物が電線である例について説明した。しかしながら、第1障害物及び第2障害物はこれらの例に限られない。例えば比較的細いひも状の障害物又は透明な障害物等、一般的に視認性の低い障害物が、第2障害物として決定されてもよい。また、第2障害物よりも視認性が高く、第2障害物の近傍に存在する蓋然性が高い障害物が、第1障害物として決定されてもよい。
【0085】
また、例えば汎用の無人航空機及び情報処理装置を、上述した実施形態に係る第1無人航空機10、第2無人航空機20、及び情報処理装置30として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る第1無人航空機10、第2無人航空機20、又は情報処理装置30の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用の無人航空機又は情報処理装置のメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本実施形態に係る発明は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【符号の説明】
【0086】
1 システム
10 第1無人航空機
11 通信部
12 記憶部
13 測位部
14 第1カメラ
15 制御部
20 第2無人航空機
21 通信部
22 記憶部
23 測位部
24 第2カメラ
25 制御部
30 情報処理装置
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
40 ネットワーク