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特許7351457遠隔操作制御システム、指示装置、制御装置及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】遠隔操作制御システム、指示装置、制御装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20230920BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
H04Q9/00 301Z
H04M11/00 301
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2023059853
(22)【出願日】2023-04-03
【審査請求日】2023-04-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523119920
【氏名又は名称】株式会社ウィズアース
(74)【代理人】
【識別番号】100184789
【弁理士】
【氏名又は名称】宮▲崎▼ 浩充
(72)【発明者】
【氏名】疋田 智彦
(72)【発明者】
【氏名】高石 幸
(72)【発明者】
【氏名】池田 真
【審査官】前田 健人
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-114701(JP,A)
【文献】特開2015-046950(JP,A)
【文献】特開2009-262134(JP,A)
【文献】特開2016-067575(JP,A)
【文献】特開2018-148461(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水処理装置の動作を制御する制御装置と、ネットワークを介して前記制御装置に対して前記水処理装置の動作の設定を指示可能な指示装置とを有する遠隔操作制御システムであって、
前記指示装置は、
ユーザーによるログイン要求を認証する第1認証手段と、
権限情報に基づいて、前記第1認証手段により認証されたユーザーによる前記水処理装置の操作要求を認証する第2認証手段と、
前記第2認証手段による認証に成功した場合に、前記制御装置のユーザーの操作による前記水処理装置の制御を禁止する遠隔操作指示を、前記制御装置に送信する遠隔操作指示手段と、
前記水処理装置を制御させる制御コマンドを前記制御装置に送信するコマンド送信手段と、
前記遠隔操作指示が送信される場合に、所定のタイミングが到来する毎に加算されるカウント値を前記制御装置に送信するカウント値送信手段と、
を備え、
前記制御装置は、
ユーザーの操作により設定される前記水処理装置の設定指示を受け付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段により受け付けられる前記設定指示に基づいて前記水処理装置を制御可能な通常操作状態と、前記指示装置から受信する前記制御コマンドに基づいて前記水処理装置を制御可能な遠隔操作状態のうち、いずれかの状態に設定可能なモード切換手段と、
前記モード切換手段により設定される状態に応じて、前記水処理装置の動作を制御する装置制御手段と、
前記遠隔操作状態に設定される場合に、所定のタイミングが到来する毎に、記憶手段に格納される前記カウント値を読み出すカウント値読み出し手段と、
前記カウント値読み出し手段により読み出された前記カウント値に基づいて、前記指示装置との通信が確立されているか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記装置制御手段は、前記通常操作状態に設定される場合に、前記操作受付手段により受け付けられる前記設定指示に基づき前記水処理装置の動作を制御し、前記遠隔操作状態に設定される場合に、前記指示装置から受信する前記制御コマンドに基づき前記水処理装置の動作を制御し、
前記モード切換手段は、前記判定手段により前記指示装置との通信が確立されていないと判定される場合に、前記遠隔操作状態から前記通常操作状態に切り換える遠隔操作制御システム。
【請求項2】
前記指示装置は、
前記カウント値を生成する第1インターバル時間を設定する第1インターバル設定手段と、
前記第1インターバル時間が経過すると、前記カウント値を加算して更新するカウント値更新手段と、
をさらに備え、
前記カウント値送信手段は、前記カウント値が更新されると、更新された前記カウント値を送信する請求項1に記載の遠隔操作制御システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記指示装置から取得する前記第1インターバル時間に対応して、前記カウント値を読み出す第2インターバル時間を設定する第2インターバル設定手段、
をさらに備え、
前記カウント値読み出し手段は、前記第2インターバル時間が経過する毎に前記カウント値を読み出す請求項2に記載の遠隔操作制御システム。
【請求項4】
前記判定手段は、前記カウント値が加算されることなく前記第2インターバル時間が経過する場合に、前記指示装置との通信が確立されていないと判定する請求項3に記載の遠隔操作制御システム。
【請求項5】
前記判定手段は、前記カウント値が加算されることなく複数回の前記第2インターバル時間が経過する場合に、前記指示装置との通信が確立されていないと判定する請求項3に記載の遠隔操作制御システム。
【請求項6】
前記第2インターバル設定手段は、前記第1インターバル時間より長い前記第2インターバル時間を設定する請求項3乃至5のいずれかに記載の遠隔操作制御システム。
【請求項7】
前記カウント値読み出し手段は、前記カウント値が加算されることなく前記第2インターバル時間が経過する場合、予め設定される猶予時間がさらに経過すると、前記カウント値を読み出し、
前記判定手段は、前記カウント値が加算されることなく前記猶予時間が経過すると、前記指示装置との通信が確立されていないと判定する請求項3に記載の遠隔操作制御システム。
【請求項8】
水処理装置の動作を制御する制御装置に、ネットワークを介して前記水処理装置の動作の設定を指示する指示装置であって、
ユーザーによるログイン要求を認証する第1認証手段と、
権限情報に基づいて、前記第1認証手段により認証されたユーザーによる前記水処理装置の操作要求を認証する第2認証手段と、
前記第2認証手段による認証に成功した場合に、前記制御装置のユーザーの操作による前記水処理装置の制御を禁止する遠隔操作指示を、前記制御装置に送信する遠隔操作指示手段と、
前記遠隔操作指示が前記制御装置に送信される場合に、所定のタイミングが到来する毎に加算されるカウント値を前記制御装置に送信するカウント値送信手段と、
を備える指示装置。
【請求項9】
前記カウント値を生成する第1インターバル時間を設定する第1インターバル設定手段と、
前記第1インターバル時間が経過すると、前記カウント値を加算して更新するカウント値更新手段と、
をさらに備え、
前記カウント値送信手段は、前記カウント値が更新されると、更新された前記カウント値を送信する請求項8に記載の指示装置。
【請求項10】
水処理装置の動作の設定を指示する指示装置と通信可能であるとともに、前記水処理装置の動作を制御する制御装置であって、
ユーザーの操作により設定される前記水処理装置の設定指示を受け付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段により受け付けられる前記設定指示に基づいて前記水処理装置を制御可能な通常操作状態と、前記指示装置から受信する前記水処理装置の動作に関する制御コマンドに基づいて前記水処理装置を制御可能な遠隔操作状態のうち、いずれかの状態に設定可能なモード切換手段と、
前記モード切換手段により設定される状態に応じて、前記水処理装置の動作を制御する装置制御手段と、
前記遠隔操作状態に設定される場合に、所定のタイミングが到来する毎に、前記指示装置から受信するとともに記憶手段に格納されるカウント値を読み出すカウント値読み出し手段と、
前記カウント値読み出し手段により読み出された前記カウント値に基づいて、前記指示装置との通信が確立されているか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記装置制御手段は、前記通常操作状態に設定される場合に、前記操作受付手段により受け付けられる前記設定指示に応じて前記水処理装置の動作を制御し、前記遠隔操作状態に設定される場合に、前記指示装置から受信する前記制御コマンドに応じて前記水処理装置の動作を制御し、
前記モード切換手段は、前記判定手段により前記指示装置との通信が確立されていないと判定される場合に、前記遠隔操作状態から前記通常操作状態に切り換える制御装置。
【請求項11】
前記カウント値が生成される第1インターバル時間を前記指示装置から取得する場合に、前記第1インターバル時間に応じて、前記カウント値を読み出す第2インターバル時間を設定する第2インターバル設定手段、
をさらに備え、
前記カウント値読み出し手段は、前記第2インターバル時間が経過する毎に前記カウント値を読み出す請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記判定手段は、前記カウント値が加算されることなく前記第2インターバル時間が経過する場合に、前記指示装置との通信が確立されていないと判定する請求項11に記載の制御装置。
【請求項13】
前記判定手段は、前記カウント値が加算されることなく複数回の前記第2インターバル時間が経過する場合に、前記指示装置との通信が確立されていないと判定する請求項11に記載の制御装置。
【請求項14】
前記第2インターバル設定手段は、前記第1インターバル時間より長い第2インターバル時間を設定する請求項11乃至13のいずれかに記載の制御装置。
【請求項15】
前記カウント値読み出し手段は、前記カウント値が加算されることなく前記第2インターバル時間が経過する場合、予め設定される猶予時間がさらに経過すると、前記カウント値を読み出し、
前記判定手段は、前記カウント値が加算されることなく前記猶予時間が経過すると、前記指示装置との通信が確立されていないと判定する請求項11に記載の制御装置。
【請求項16】
コンピュータにおいて実行されることにより、前記コンピュータを、水処理装置の動作を制御する制御装置に対して前記水処理装置の動作の設定を指示する指示装置として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
ユーザーによるログイン要求を認証する第1認証手段、
権限情報に基づいて、前記第1認証手段により認証されたユーザーによる前記水処理装置の操作要求を認証する第2認証手段、
前記第2認証手段による認証に成功した場合に、前記制御装置のユーザーの操作による前記水処理装置の制御を禁止する遠隔操作指示を、前記制御装置に送信する遠隔操作指示手段、
および、
前記遠隔操作指示が前記制御装置に送信される場合に、所定のタイミングが到来する毎に加算されるカウント値を前記制御装置に送信するカウント値送信手段、
として機能させるプログラム。
【請求項17】
前記コンピュータを、
前記カウント値を生成する第1インターバル時間を設定する第1インターバル設定手段、
および、
前記第1インターバル時間が経過すると、前記カウント値を加算して更新するカウント値更新手段、
としてさらに機能させ、
前記カウント値送信手段は、前記カウント値が更新されると、更新された前記カウント値を送信する請求項16に記載のプログラム。
【請求項18】
コンピュータにおいて実行されることにより、前記コンピュータを、水処理装置の動作の設定を指示する指示装置と通信可能であるとともに、前記水処理装置の動作を制御する制御装置として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
ユーザーの操作により設定される前記水処理装置の設定指示を受け付ける操作受付手段、
前記操作受付手段により受け付けられる前記設定指示に基づいて前記水処理装置を制御可能な通常操作状態と、前記指示装置から受信する前記水処理装置の動作に関する制御コマンドに基づいて前記水処理装置を制御可能な遠隔操作状態のうち、いずれかの状態に設定可能なモード切換手段、
前記モード切換手段により設定される状態に応じて、前記水処理装置の動作を制御する装置制御手段、
前記遠隔操作状態に設定される場合に、前記指示装置から受信して記憶手段に格納されるカウント値を、所定のタイミングで読み出すカウント値読み出し手段、
および、
前記カウント値読み出し手段により読み出された前記カウント値に基づいて、前記指示装置との通信が確立されているか否かを判定する判定手段、
として機能させ、
前記装置制御手段は、前記通常操作状態に設定される場合に、前記操作受付手段により受け付けられる前記設定指示に応じて前記水処理装置の動作を制御し、前記遠隔操作状態に設定される場合に、前記指示装置から受信する前記制御コマンドに応じて前記水処理装置の動作を制御し、
前記モード切換手段は、前記判定手段により前記指示装置との通信が確立されていないと判定される場合に、前記遠隔操作状態から前記通常操作状態に切り換えるプログラム。
【請求項19】
前記コンピュータを、
前記カウント値が生成される第1インターバル時間を前記指示装置から取得する場合に、前記第1インターバル時間に応じて、前記カウント値を読み出す第2インターバル時間を設定する第2インターバル設定手段、
としてさらに機能させ、
前記カウント値読み出し手段は、前記第2インターバル時間が経過する毎に前記カウント値を読み出す請求項18に記載のプログラム。
【請求項20】
前記判定手段は、前記カウント値が加算されることなく前記第2インターバル時間が経過する場合に、前記指示装置との通信が確立されていないと判定する請求項19に記載のプログラム。
【請求項21】
前記判定手段は、前記カウント値が加算されることなく複数回の前記第2インターバル時間が経過する場合に、前記指示装置との通信が確立されていないと判定する請求項19に記載のプログラム。
【請求項22】
前記第2インターバル設定手段は、前記第1インターバル時間より長い第2インターバル時間を設定する請求項19乃至21のいずれかに記載のプログラム。
【請求項23】
前記カウント値読み出し手段は、前記カウント値が加算されることなく前記第2インターバル時間が経過する場合、予め設定される猶予時間がさらに経過すると、前記カウント値を読み出し、
前記判定手段は、前記カウント値が加算されることなく前記猶予時間が経過すると、前記指示装置との通信が確立されていないと判定する請求項19に記載のプログラム。
【請求項24】
請求項16乃至21のいずれかに記載されるプログラムが記憶された記憶媒体。
【請求項25】
水処理装置の動作を制御する制御装置と、ネットワークを介して前記制御装置に対して前記水処理装置の動作の設定を指示可能な指示装置とを有する遠隔操作制御システムであって、
前記指示装置は、
ユーザーによるログイン要求を認証する第1認証手段と、
権限情報に基づいて、前記第1認証手段により認証されたユーザーによる前記水処理装置の操作要求を認証する第2認証手段と、
前記第2認証手段による認証に成功した場合に、前記制御装置のユーザーの操作による前記水処理装置の制御を禁止する遠隔操作指示を、前記制御装置に送信する遠隔操作指示手段と、
前記水処理装置を制御させる制御コマンドを前記制御装置に送信するコマンド送信手段と、
前記遠隔操作指示が送信される場合に、所定のタイミングが到来する毎に加算されるカウント値を前記制御装置に送信するカウント値送信手段と、
を備え、
前記制御装置は、
ユーザーの操作により設定される前記水処理装置の設定指示を受け付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段により受け付けられる前記設定指示に基づいて前記水処理装置を制御可能な通常操作状態と、前記指示装置から受信する前記制御コマンドに基づいて前記水処理装置を制御可能な遠隔操作状態のうち、いずれかの状態に設定可能なモード切換手段と、
前記モード切換手段により設定される状態に応じて、前記水処理装置の動作を制御する装置制御手段と、
前記遠隔操作状態に設定される場合に、前記指示装置から送信される前記カウント値の受信を検知する検知手段と、
前記検知手段により前記カウント値の受信が検知されると、受信された前記カウント値に基づいて、前記指示装置との通信が確立されているか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記装置制御手段は、前記通常操作状態に設定される場合に、前記操作受付手段により受け付けられる前記設定指示に基づき前記水処理装置の動作を制御し、前記遠隔操作状態に設定される場合に、前記指示装置から受信する前記制御コマンドに基づき前記水処理装置の動作を制御し、
前記モード切換手段は、前記判定手段により前記指示装置との通信が確立されていないと判定される場合に、前記遠隔操作状態から前記通常操作状態に切り換える遠隔操作制御システム。
【請求項26】
前記判定手段は、所定時間が経過するまでの間に、前記検知手段により前記カウント値の受信が検知されない場合に、前記指示装置との通信が確立されていないと判定する請求項25に記載の遠隔操作制御システム。
【請求項27】
コンピュータにおいて実行されることにより、前記コンピュータを、水処理装置の動作の設定を指示する指示装置と通信可能であるとともに、前記水処理装置の動作を制御する制御装置として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
ユーザーの操作により設定される前記水処理装置の設定指示を受け付ける操作受付手段、
前記操作受付手段により受け付けられる前記設定指示に基づいて前記水処理装置を制御可能な通常操作状態と、前記指示装置から受信する制御コマンドに基づいて前記水処理装置を制御可能な遠隔操作状態のうち、いずれかの状態に設定可能なモード切換手段、
前記モード切換手段により設定される状態に応じて、前記水処理装置の動作を制御する装置制御手段、
および、
前記指示装置により生成され、送信されたカウント値の受信が検知されると、受信された前記カウント値に基づいて、前記指示装置との通信が確立されているか否かを判定する判定手段、
として機能させ、
前記装置制御手段は、前記通常操作状態に設定される場合に、前記操作受付手段により受け付けられる前記設定指示に基づき前記水処理装置の動作を制御し、前記遠隔操作状態に設定される場合に、前記指示装置から受信する前記制御コマンドに基づき前記水処理装置の動作を制御し、
前記モード切換手段は、前記判定手段により前記指示装置との通信が確立されていないと判定される場合に、前記遠隔操作状態から前記通常操作状態に切り換えるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔操作制御システム、指示装置、制御装置及びプログラムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物内の所定場所に設置された装置(保管庫)と、当該装置を遠隔操作により管理するメインコントローラとを備え、管理者の登録情報に基づく認証によりメインコントローラにログインし、メインコントローラからの許可信号を受けて、装置(保管庫)の使用者による操作を許可する管理システムが提供されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-138027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1において開示される管理システムによると、管理者による許可を受けた場合に、使用者による保管庫の操作が許可されるため、装置の管理における一定の安全性が確保される。
【0005】
しかし、上記特許文献1において開示される管理システムは、装置が設置された場所にいる使用者に装置を操作させることは可能であるが、装置の設置場所から離れた場所にいる者による操作又は制御を可能とするものではない。
【0006】
そこで、上記特許文献1における先行技術は、隔地にいる操作者により装置を遠隔制御させるという点において改良の余地がある。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点を解決するべく、隔地にいる操作者による遠隔制御の安全性を向上させる遠隔操作制御システム、指示装置、制御装置、プログラムおよび記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、水処理装置の動作を制御する制御装置と、ネットワークを介して前記制御装置に対して前記水処理装置の動作の設定を指示可能な指示装置とを有する遠隔操作制御システムであって、前記指示装置は、ユーザーによるログイン要求を認証する第1認証手段と、権限情報に基づいて、前記第1認証手段により認証されたユーザーによる前記水処理装置の操作要求を認証する第2認証手段と、前記第2認証手段による認証に成功した場合に、前記制御装置のユーザーの操作による前記水処理装置の制御を禁止する遠隔操作指示を、前記制御装置に送信する遠隔操作指示手段と、前記水処理装置を制御させる制御コマンドを前記制御装置に送信するコマンド送信手段と、前記遠隔操作指示が送信される場合に、所定のタイミングが到来する毎に加算されるカウント値を前記制御装置に送信するカウント値送信手段とを備え、前記制御装置は、ユーザーの操作により設定される前記水処理装置の設定指示を受け付ける操作受付手段と、前記操作受付手段により受け付けられる前記設定指示に基づいて前記水処理装置を制御可能な通常操作状態と、前記指示装置から受信する前記制御コマンドに基づいて前記水処理装置を制御可能な遠隔操作状態のうち、いずれかの状態に設定可能なモード切換手段と、前記モード切換手段により設定される状態に応じて、前記水処理装置の動作を制御する装置制御手段と、前記遠隔操作状態に設定される場合に、所定のタイミングが到来する毎に、記憶手段に格納される前記カウント値を読み出すカウント値読み出し手段と、前記カウント値読み出し手段により読み出された前記カウント値に基づいて、前記指示装置との通信が確立されているか否かを判定する判定手段とを備え、前記装置制御手段は、前記通常操作状態に設定される場合に、前記操作受付手段により受け付けられる前記設定指示に基づき前記水処理装置の動作を制御し、前記遠隔操作状態に設定される場合に、前記指示装置から受信する前記制御コマンドに基づき前記水処理装置の動作を制御し、前記モード切換手段は、前記判定手段により前記指示装置との通信が確立されていないと判定される場合に、前記遠隔操作状態から前記通常操作状態に切り換える遠隔制御システムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明における遠隔操作制御システムによると、隔地にいる操作者による遠隔制御の安全性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態における遠隔操作制御システムの全体の構成の一例を示す図である。
図2】本発明の第1実施形態における指示装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】本発明の第1実施形態におけるメイン画面の表示態様の一例を示す図である。
図4】本発明の第1実施形態における操作画面の表示態様の一例を示す図である。
図5】本発明の第1実施形態における制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図6】本発明の第1実施形態における遠隔操作制御システムにおける処理態様の一例を示すシーケンス図である。
図7】本発明の第1実施形態における遠隔操作制御システムにおける処理態様の一例を示すシーケンス図である。
図8】本発明の第1実施形態における遠隔操作制御システムにおける処理態様の一例を示すシーケンス図である。
図9】本発明の第1実施形態における指示装置において実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
図10】本発明の第1実施形態における指示装置において実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
図11】本発明の第1実施形態における指示装置において実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12】本発明の第1実施形態における指示装置において実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
図13】本発明の第1実施形態における指示装置において実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
図14】本発明の第1実施形態における制御装置において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
図15】本発明の第1実施形態における制御装置において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
図16】本発明の第1実施形態における制御装置において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
図17】本発明の第1実施形態における制御装置において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
図18】本発明の第2実施形態における指示装置において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
図19】本発明の第2実施形態における指示装置において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
図20】本発明の第2実施形態における指示装置において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
図21】本発明の第3実施形態における制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図22】本発明の第3実施形態における制御装置において行われる主要な処理手順の一例を示すフローチャートである。
図23】本発明の第3実施形態における制御装置において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
図24】本発明の第3実施形態における制御装置において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、同一の構成要素又は構成部材に対しては同一の符号を付し、これに関する重複する説明は省略する。
【0012】
(システムの全体の構成)
図1は、第1実施形態における遠隔操作制御システム1の全体の構成の一例を示す図である。第1実施形態における遠隔操作制御システム1は、水処理装置の一例であるポンプ装置5や温度制御装置6の動作を制御する制御装置2と、ネットワーク100を介して制御装置2と通信可能なサービスサーバ3とを備える。
【0013】
水処理装置は、ポンプ装置5や温度制御装置6の他に、浄水装置や貯水装置であってもよい。
【0014】
ユーザーは、制御装置2を操作することにより、ポンプ装置5や温度制御装置6を制御可能である。また、ユーザーは、サービスサーバ3と通信可能な情報処理端末4を操作することにより、サービスサーバ3から制御装置2に制御コマンドを送信し、ポンプ装置5や温度制御装置6を隔地から制御することが可能である。
【0015】
制御装置2は、ポンプ装置5や温度制御装置6に近在し、PLC(Programmable Logic Controller、プログラマブル・ロジック・コントローラ)などにより構成される。制御装置2は、図示しない操作部を備え、ユーザーの操作に応じてポンプ装置5や温度制御装置6など制御対象機器を制御可能である。
【0016】
制御装置2は、サービスサーバ3からネットワーク100を介して受信する制御コマンドに基づき、ポンプ装置5や温度制御装置6など制御対象機器を制御可能である。制御装置2は、操作部からの入力に応じて制御対象機器を制御する通常操作モードと、サービスサーバ3から受信する設定変更コマンドに応じて制御対象機器を制御する遠隔操作モードのいずれかの状態に設定可能である。
【0017】
サービスサーバ3は、ネットワーク100を介して、制御装置2に対してポンプ装置5や温度制御装置6など制御対象機器の動作の設定を指示可能な指示装置として機能する。第1実施形態において例示されるネットワーク100はインターネットである。ただし、ネットワーク100は、これに限られず、専用回線やLAN(Local Area Network、ローカルエリアネットワーク)であってもよい。
【0018】
サービスサーバ3は、ユーザーが操作する情報処理端末4と通信可能である。サービスサーバ3と情報処理端末4とは、インターネットを介して通信可能であってもよいし、ワイファイ方式やBLUETOOTHなど無線通信により通信可能であってもよい。
【0019】
情報処理端末4は、画像表示部を備える端末であり、ユーザーの操作によりサービスサーバ3に対して制御対象機器の制御に関する指示を送信可能な情報処理装置である。一例として、情報処理端末4は、パーソナルコンピュータやスマートフォンであってもよい。
【0020】
サービスサーバ3は、制御装置2から制御対象機器に関する情報を所得し、情報処理端末4にこれら制御対象機器に関する情報を表示させることが可能である。サービスサーバ3は、情報処理端末4から受信する制御対象機器の動作に関する設定要求に基づき、ポンプ装置5や温度制御装置6などの制御対象機器を制御させる設定変更コマンドを生成可能である。
【0021】
サービスサーバ3は、情報処理端末4からのアクセスに対し、認証を行い、認証されたユーザーからの操作入力を受け付ける。認証されたユーザーは、情報処理端末4を操作して、ポンプ装置5や温度制御装置6など制御対象機器を遠隔制御することが可能となる。
【0022】
ユーザーが認証に成功した場合に、サービスサーバ3は、制御装置2に対し、通常操作モードから遠隔操作モードに切り換えるようモード切換コマンドを送信する。
【0023】
制御装置2は、通常操作モードに設定されている場合に、サービスサーバ3からモード切換コマンドを受信すると、通常操作モードから遠隔操作モードに切り換える。遠隔操作モードに切り換えられると、制御装置2の操作部からの入力に基づく制御対象機器の制御が禁止される。
【0024】
サービスサーバ3は、通常操作モードから遠隔操作モードに切り換えるようモード切換コマンドを送信すると、所定のタイミングが到来する毎に加算されるカウント値を制御装置2に送信する。
【0025】
サービスサーバ3は、第1インターバル時間t1が経過する毎にカウント値を1ずつ加算して第1記憶部12に格納する。そして、サービスサーバ3は、加算されたカウント値を制御装置2に送信する。
【0026】
制御装置2は、サービスサーバ3から受信するカウント値を第2記憶部82に格納する。制御装置2は、第2インターバル時間が経過する毎に第2記憶部82からカウント値を読み出し、カウント値が1ずつ加算されている場合には、サービスサーバ3との通信が確立されていると判定する。すなわち、所定時間毎にカウント値を読み出し、読み出されたカウント値が正しい場合には、サービスサーバ3からカウント値を正常に受信していると言えるため、通信状態が維持されていると判断されるのである。
【0027】
これにより、第1実施形態における遠隔操作制御システム1は、制御装置2とサービスサーバ3との通信の状態を監視し、通信の安全性を向上させることが可能となるのである。
【0028】
(サービスサーバの機能構成)
図2は、第1実施形態における遠隔操作制御システム1を構成するサービスサーバ3の機能構成の一例を示すブロック図である。サービスサーバ3は、第1制御プログラム200(図示せず)を実行することにより、CPUを制御部10として機能させる。
【0029】
第1制御プログラム200は、記憶媒体に格納されてもよいし、サービスサーバ3のハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などの記憶装置に格納されてもよい。或いは、第1制御プログラム200は、ネットワーク100を介してダウンロード可能であってもよいし、ストリーミング可能であってもよい。
【0030】
サービスサーバ3は、制御部10と、第1記憶部12とを備える。第1記憶部12は、RAM(Random Access Memory)やハードディスクドライブ(HDD)、或いはソリッドステートドライブ(SSD)により構成されてもよい。
【0031】
制御部10は、認証処理を実行する認証ユニット16と、制御装置2に送信するコマンドを制御するコマンド制御部18と、カウント値を制御する第1カウンタ制御部20と、情報処理端末4に表示させる表示画像を制御する表示制御部22とを備える。
【0032】
認証ユニット16は、情報処理端末4からのアクセスを検知する場合に機能する処理部である。認証ユニット16は、さらに、ユーザーによるログイン要求を認証する第1認証部30と、ポンプ装置5や温度制御装置6などの制御対象機器の操作要求を認証する第2認証部32とを備える。
【0033】
第1認証部30は、パスワード生成部36と、第1判定部38とをさらに備える。パスワード生成部36は、ワンタイムパスワードを生成して情報処理端末4に送信する処理部である。第1実施形態において、ワンタイムパスワードとは、ログイン要求をトリガーとして生成される暫定的なパスワードであり、所定の有効時間を有し、有効時間が経過すると認証処理における効力を喪失するパスワードを示す。
【0034】
パスワード生成部36は、情報処理端末4を操作するユーザーからのログイン要求を検知すると、ワンタイムパスワードを生成し、生成されたワンタイムパスワードを情報処理端末4に送信する。
【0035】
第1判定部38は、ユーザーによる入力がワンタイムパスワードに合致するか否かを判定する処理部である。第1判定部38は、情報処理端末4からユーザーのパスワード入力を受信すると、入力されたパスワードがワンタイムパスワードに合致するか否かを判定する。
【0036】
入力されたパスワードがワンタイムパスワードに合致する場合、第1判定部38は、ユーザーによるログインを認証する。他方、入力されたパスワードがワンタイムパスワードに合致しない場合、第1判定部38は、ユーザーによるログインを認証しない。
【0037】
第1認証部30による第1認証に成功すると、ポンプ装置5や温度制御装置6など制御対象機器の状況を示唆するメイン画面G1が情報処理端末4に表示される。第1認証部30による第1認証に成功することにより、ユーザーは、制御対象機器の状況を認識可能となる。メイン画面G1の構成や機能については後述する。
【0038】
第2認証部32は、第1認証部30により認証されたユーザーによる制御対象機器の操作要求を認証する処理部である。第1実施形態において、ユーザーによる操作要求は、情報処理端末4による操作に応じて、制御装置2にポンプ装置5や温度制御装置6など制御対象機器を制御させる要求を示す。
【0039】
第2認証部32は、権限情報74に基づいて、制御対象機器の操作要求を認証する。権限情報74とは、制御対象機器の操作権限を有するユーザーの情報である。一例として、権限情報74は、ユーザーに対応する情報処理端末4の装置の識別情報と、ユーザーが操作権限を有する制御対象機器とを紐付ける情報を示す。権限情報74は、第1記憶部12に予め格納されてもよい。
【0040】
第2認証部32は、権限情報74を取得する権限情報取得部40と、第2判定部42とをさらに備える。図2に示される例において、権限情報取得部40は、第1記憶部12に予め格納される権限情報74を取得する。これとは異なり、権限情報取得部40は、サービスサーバ3とは異なる認証サーバ(図示せず)に格納される権限情報74を、ネットワーク100を通じて取得してもよい。
【0041】
第2判定部42は、権限情報74を参照して、操作要求を行うユーザーが当該制御対象機器の操作権限を有するか否かを判定する。操作権限を有すると判定される場合、表示制御部22は、情報処理端末4の表示部からメイン画面G1を消去させるとともに、操作画面G2を表示させる。
【0042】
コマンド制御部18は、制御装置2に送信されるコマンドを生成および送信する処理部である。コマンド制御部18は、さらにコマンド生成部46とコマンド送信部48とを備える。
【0043】
コマンド生成部46は、制御装置2に送信されるコマンドを生成する処理部である。コマンド生成部46は、情報処理端末4から受信するユーザーの遠隔操作指示に応じて、制御装置2に通常操作モードから遠隔操作モードへ切り換えさせるモード切換コマンドを生成する。
【0044】
コマンド生成部46は、情報処理端末4から受信する入力に応じて、ポンプ装置5や温度制御装置6など制御対象機器の動作を制御させる制御コマンドを生成する。第1実施形態に示される例において、コマンド生成部46は、情報処理端末4から制御対象機器の設定変更指示を受信する場合に、制御対象機器の動作を設定する設定変更コマンドを生成する。
【0045】
コマンド送信部48は、コマンド生成部46により生成されるコマンドを、制御装置2に送信する処理部である。第1実施形態に示される例において、コマンド送信部48は、コマンド生成部46により生成されるモード切換コマンドや設定変更コマンドを、制御装置2に送信する。
【0046】
第1カウンタ制御部20は、カウント値に関わる処理を制御する処理部である。第1カウンタ制御部20は、さらに第1インターバル時間t1を設定する第1インターバル設定部52と、カウント値を加算処理するカウント値更新部54と、更新されたカウント値等を制御装置2に送信するカウンタ情報送信部56とを備える。
【0047】
第1インターバル設定部52は、カウント値を生成する第1インターバル時間t1を設定する処理部である。第1インターバル設定部52は、第1記憶部12に格納される第1インターバル情報66を参照して、第1インターバル時間t1を設定する。
【0048】
コマンド送信部48により、モード切換コマンドが制御装置2に送信されると、第1インターバル設定部52は、第1記憶部12から第1インターバル情報66を参照する。第1インターバル設定部52は、第1インターバル情報66の初期値68に基づいて第1インターバル時間t1を設定する。
【0049】
或いは、第1インターバル設定部52は、初期値68とは異なる第1インターバル時間t1を設定することが可能である。第1インターバル設定部52により第1インターバル時間t1が設定されると、設定値70に応じてカウント値が生成および更新される。第1インターバル設定部52は、設定値70を第1記憶部12に格納する。
【0050】
カウント値更新部54は、カウント値を生成および更新する処理部である。第1インターバル設定部52により設定される第1インターバル時間t1の計測が開始されると、カウント値更新部54は、カウント値を生成するとともに、第1記憶部12にカウント値情報72として格納する。
【0051】
カウント値更新部54は、第1インターバル時間t1が到来すると、カウント値を1ずつ加算して、加算されたカウント値に基づきカウント値情報72を更新する。
【0052】
カウンタ情報送信部56は、カウント値等を制御装置2に送信する処理部である。第1インターバル設定部52により第1インターバル時間t1が設定され、カウント値更新部54によりカウント値が生成されると、カウンタ情報送信部56は、第1インターバル時間t1とカウント値を制御装置2に送信する。
【0053】
なお、後述するように、カウンタ情報送信部56により送信される第1インターバル時間t1に応じて、制御装置2によりカウント値を読み出す第2インターバル時間t2が設定される。
【0054】
カウンタ情報送信部56は、第1インターバル時間t1が到来してカウント値が加算されて更新されると、更新されたカウント値を制御装置2に送信する。このような構成により、制御装置2とサービスサーバ3との通信が確立されている状態において、更新されたカウント値が所定時間ごとにサービスサーバ3から制御装置2に送信される。
【0055】
表示制御部22は、情報処理端末4における表示画像を制御する。表示制御部22は、装置情報要求部60と、表示更新部62とをさらに備える。
【0056】
装置情報要求部60は、ポンプ装置5や温度制御装置6など制御対象機器の情報を制御装置2に要求する処理部である。装置情報要求部60は、認証ユニット16によるユーザーの認証に成功すると、制御装置2に対して、制御対象機器の現状の設定情報を要求する。制御装置2は、サービスサーバ3からの要求に応じて、ポンプ装置5や温度制御装置6など制御対象機器の情報をサービスサーバ3に送信する。装置情報要求部60は、所定時間が経過する毎に、制御装置2に対して制御対象機器の現状の設定情報を要求してもよい。
【0057】
表示更新部62は、制御装置2から制御対象機器の現状の設定情報を受信すると、設定情報を用いて情報処理端末4に表示させる画面を生成する。表示更新部62は、情報処理端末4を操作するユーザーが第1認証部30による第1認証に成功すると、メイン画面G1を生成して情報処理端末4に送信する。
【0058】
図3は、メイン画面G1の画面構成の一例を示す図である。メイン画面G1は、制御対象機器の設定値を表示する設定値表示R1と、制御装置2を遠隔操作モードから通常操作モードに切り換える切換ボタン表示R3とを有する。
【0059】
設定値表示R1は、メイン画面G1から制御対象機器の動作を設定する操作画面G2に遷移させる遷移ボタン表示R6をさらに備える。情報処理端末4にメイン画面G1が表示されている状態において、ユーザーによる遷移ボタン表示R6の操作が検知されると、表示更新部62は、メイン画面G1を消去させるとともに操作画面G2を表示させる。
【0060】
図4は、操作画面G2の画面構成の一例を示す図である。操作画面G2は、遠隔操作の対象となる制御対象機器の設定を表示する操作受付表示R5を備える。操作受付表示R5は、当該制御対象機器が遠隔操作モードおよび通常操作モードのいずれに設定されているかを示すモード表示を有する。また、操作受付表示R5は、制御対象機器の現在値表示と、ユーザーにより設定される設定値表示とをさらに有する。
【0061】
ユーザーは、情報処理端末4に操作画面G2が表示されている状態において、設定値表示を操作することにより、当該制御対象機器の動作を設定することができる。設定値表示の操作が検知されると、情報処理端末4はサービスサーバ3に操作入力を送信する。
【0062】
図2に戻り、サービスサーバ3が情報処理端末4から操作入力を受信すると、コマンド生成部46は操作入力に応じて設定変更コマンドを生成し、コマンド送信部48は、コマンド生成部46により生成された設定変更コマンドを制御装置2に送信する。
【0063】
サービスサーバ3から設定変更コマンドを受信すると、制御装置2は、設定変更コマンドを実行する。設定変更コマンドが実行されることにより、ポンプ装置5や温度制御装置6など制御対象機器の動作が制御される。
【0064】
(制御装置の機能構成)
図5は、第1実施形態における制御装置2の機能構成の一例を示すブロック図である。制御装置2は、第2制御プログラム202(図示せず)が実行されることにより、CPUを制御部80として機能させる。
【0065】
第2制御プログラム202は、記憶媒体300に格納されてもよいし、サービスサーバ3のハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などの記憶装置に格納されてもよい。或いは、第2制御プログラム202は、ネットワーク100を介してダウンロード可能であってもよいし、ストリーミング可能であってもよい。
【0066】
制御部80は、サービスサーバ3から受信する種々のコマンドを受け付ける受付部84と、操作モードを設定するモード切換部86と、コマンドを実行するコマンド制御部88と、制御対象機器の制御を行う装置制御部90と、カウント値に関する処理を行う第2カウンタ制御部92とを備える。
【0067】
受付部84は、サービスサーバ3から受信するコマンドを受け付ける処理部である。受付部84がサービスサーバ3から送信されたモード切換コマンドを受け付けた場合に、モード切換部86が機能する。受付部84がサービスサーバ3から送信された設定変更コマンドを受け付けた場合に、コマンド制御部88が機能する。
【0068】
モード切換部86は、通常操作モードおよび遠隔操作モードのうち、いずれかの操作モードに設定する処理部である。モード切換部86は、サービスサーバ3から送信されたモード切換コマンドが受け付けられると、操作モードに切り換える。
【0069】
制御装置2が、操作部を操作することにより制御可能な通常操作モードに設定されている場合に、サービスサーバ3から送信されたモード切換コマンドが受け付けられると、モード切換部86は、通常操作モードから遠隔操作モードに切り換える。
【0070】
遠隔操作モードに切り換えられると、操作部を操作することによる制御対象機器の制御が禁止される。そして、制御部80は、サービスサーバ3から送信される設定変更コマンドに応じて制御対象機器の動作を制御する。
【0071】
コマンド制御部88は、操作部からの入力を受け付ける操作受付部110と、コマンドを生成するコマンド生成部112と、生成されたコマンドを実行するコマンド実行部114とをさらに備える。
【0072】
操作受付部110は、制御装置2の操作部をユーザーが操作することにより行われる入力の内容を受け付ける処理部である。制御装置2に近在するユーザーは、制御装置2に配設される操作部を操作することにより、ポンプ装置5や温度制御装置6など制御対象機器の動作を設定することがある。
【0073】
操作受付部110は、モード切換部86により通常操作モードに設定されている場合、操作部の入力を受け付ける。他方、操作受付部110は、モード切換部86により遠隔操作モードに設定されている場合、操作部の入力を受け付けない。
【0074】
すなわち、制御装置2が遠隔操作モードに設定されている場合、制御装置2に近在するユーザーによる制御が禁止され、情報処理端末4を操作するユーザーにより制御対象機器の動作が制御される。
【0075】
コマンド生成部112は、操作受付部110により操作部の入力が受け付けられる場合に、ポンプ装置5や温度制御装置6などの制御対象機器の動作を制御するコマンドを生成する。
【0076】
コマンド実行部114は、ポンプ装置5や温度制御装置6などの制御対象機器の動作を制御するコマンドを実行する処理部である。モード切換部86により通常操作モードに設定されている場合、コマンド実行部114は、コマンド生成部112により生成されるコマンドを実行する。
【0077】
モード切換部86により遠隔操作モードに設定されている場合、受付部84は、サービスサーバ3から送信される設定変更コマンドを受け付ける。受付部84により設定変更コマンドが受け付けられると、コマンド実行部114は、設定変更コマンドを実行する。
【0078】
コマンド実行部114により設定変更コマンドが実行されることにより、ポンプ装置5や温度制御装置6などの制御対象機器の動作が制御される。
【0079】
装置制御部90は、ポンプ装置5や温度制御装置6などの制御対象機器の動作を制御する処理部である。装置制御部90は、ポンプ装置5の動作を制御するポンプ制御部118と、温度制御装置6の動作を制御する温度制御部120とをさらに備える。
【0080】
ポンプ制御部118は、コマンド実行部114により実行されるコマンドに応じてポンプ装置5を動作させる。温度制御部120は、コマンド実行部114により実行されるコマンドに応じて温度制御装置6を動作させる。
【0081】
ポンプ制御部118は、ポンプ装置5の動作の状況を示すパラメータを取得してもよい。温度制御部120は、温度制御装置6の動作の状況を示すパラメータを取得してもよい。ポンプ制御部118および温度制御部120により取得されたパラメータは、サービスサーバ3に送信されてもよい。
【0082】
このような構成により、サービスサーバ3は、制御装置2から受信するパラメータを用いて、ポンプ装置5や温度制御装置6などの制御対象機器の動作の状況を反映させたメイン画面G1および操作画面G2を生成することが可能となる。
【0083】
第2カウンタ制御部92は、カウント値を読み出す第2インターバル時間t2を設定する第2インターバル設定部124と、カウント値を読み出すカウント値読出部126と、読み出されたカウント値に基づき判定を行う第3判定部128と、エラー通報を行う通報部130とをさらに備える。
【0084】
なお、図5に示される例において、第2カウンタ制御部92は通報部130を備えるが、これに限られず、第2カウンタ制御部92は、通報部130を備えなくともよい。
【0085】
第2インターバル設定部124は、第1インターバル時間t1に対応して、カウント値を読み出す第2インターバル時間t2を設定する処理部である。サービスサーバ3から第1インターバル時間t1を受信すると、第2インターバル設定部124は、第1インターバル時間t1に対応する第2インターバル時間t2を設定する。
【0086】
第2インターバル設定部124は、第1インターバル時間t1と同じ長さの第2インターバル時間t2を設定してもよい。このような構成により、サービスサーバ3においてカウント値が加算されるタイミングと、サービスサーバ3から受信するカウント値を読み出すタイミングとが同じに設定される。
【0087】
第2インターバル設定部124は、第1インターバル時間t1より長い第2インターバル時間t2を設定してもよい。このような構成により、サービスサーバ3からカウント値を取得した後に、第2インターバル時間t2が経過してカウント値を読み出される。そうすると、カウント値読出部126は、サービスサーバ3から取得した更新後のカウント値を的確に読み出すことが可能となる。
【0088】
第2インターバル設定部124は、第1インターバル時間t1より短い第2インターバル時間t2を設定してもよい。カウント値読出部126は、第2インターバル時間t2が経過する毎にカウント値を読み出すことにより、サービスサーバ3から取得した更新後のカウント値を的確に読み出すことが可能となる。
【0089】
カウント値読出部126は、モード切換部86により遠隔操作モードに設定される場合に、第2インターバル時間t2が到来する毎に、第2記憶部82に格納されるカウント値情報132を読み出す処理部である。
【0090】
サービスサーバ3からカウント値を受信すると、受付部84は、第2記憶部82にカウント値をカウント値情報132として格納する。カウント値読出部126は、第2インターバル時間t2が経過すると、第2記憶部82からカウント値を読み出す。
【0091】
第3判定部128は、カウント値読出部126により読み出されたカウント値に基づいて、サービスサーバ3との通信が確立されているか否かを判定する処理部である。第3判定部128は、カウント値読出部126により読み出されるカウント値が加算されることなく第2インターバル時間t2が経過した場合に、サービスサーバ3との通信が確立されていないと判定してもよい。
【0092】
サービスサーバ3は、第1インターバル時間t1が経過する毎にカウント値を加算して更新し、更新されたカウント値を制御装置2に送信する。制御装置2は、サービスサーバ3から受信したカウント値をカウント値情報132として第2記憶部82に格納する。
【0093】
カウント値読出部126は、第2インターバル時間t2が経過する毎に、第2記憶部82に格納されているカウント値を読み出す。第3判定部128は、カウント値読出部126により読み出されたカウント値が先のカウント値より加算されている場合に、サービスサーバ3との通信が確立されており、更新されたカウント値を的確に受信していると判定する。
【0094】
或いは、これとは異なり、第3判定部128は、カウント値が加算されることなく複数回の第2インターバル時間t2が経過した場合に、サービスサーバ3との通信が確立されていないと判定してもよい。
【0095】
第3判定部128は、1回目の第2インターバル時間t2が経過したときにカウント値読出部126により読み出されたカウント値が加算されていない場合において、さらに所定回数の第2インターバル時間t2が経過する毎にカウント値読出部126により読み出されるカウント値に基づき判定を行う。
【0096】
そして、所定回数の第2インターバル時間t2が経過する間に読み出されるカウント値が加算されていない場合に、サービスサーバ3との通信が確立されていないと判定する。すなわち、複数回の第2インターバル時間t2が経過する間にカウント値が加算されていない場合には、サービスサーバ3と制御装置2との通信状態が切断されている可能性が高い。
【0097】
そこで、第3判定部128は、カウント値が加算されることなく複数回の第2インターバル時間t2が経過する場合に、サービスサーバ3との通信が確立されていないと判定してもよい。
【0098】
第3判定部128によりサービスサーバ3との通信が確立されていないと判定された場合、モード切換部86は、遠隔操作モードから通常操作モードに切り換える。このような構成により、制御装置2は、サービスサーバ3との通信が不安定な状態において遠隔操作モードを終了させることが可能となる。これにより、制御対象機器の動作の制御を適切に行うことが可能となるのである。
【0099】
通報部130は、サービスサーバ3に対してエラー通報を送信する処理部である。通報部130は、第3判定部128によりサービスサーバ3との通信が確立されていないと判定された場合に、エラー通報を生成する。通報部130は、生成されたエラー通報をサービスサーバ3に対して送信する。
【0100】
(遠隔操作制御システムの処理)
図6乃至図8は、第1実施形態における各装置同士の処理手順の一例を示すシーケンス図である。図6において、制御装置2は、通常操作モードに設定されている場合に、操作部の操作による入力を検知する(プロセスP1)と、入力に応じて制御対象機器の設定を変更するコマンドを実行する(プロセスP3)。
【0101】
一方、ユーザーが情報処理端末4を操作することによるログイン要求の入力が検知されると(プロセスP5)、情報処理端末4は、サービスサーバ3にログイン要求を送信する(プロセスP7)。ログイン要求を受信すると、サービスサーバ3は、ワンタイムパスワードを生成して(プロセスP9)情報処理端末4に送信する(プロセスP11)。
【0102】
サービスサーバ3から受信したワンタイムパスワードと同一のパスワードが情報処理端末4に入力されると(プロセスP13)、入力されたパスワードが情報処理端末4からサービスサーバ3に送信される(プロセスP15)。
【0103】
パスワードを受信すると、サービスサーバ3は、受信したパスワードがワンタイムパスワードと同一か否かを判定する(プロセスP17)。同一であると判定された場合、サービスサーバ3は、メイン画面G1を生成し(プロセスP19)、メイン画面G1の画面情報を情報処理端末4に送信する(プロセスP21)。情報処理端末4は、サービスサーバ3から受信した画面情報を用いて、メイン画面G1を表示部に表示させる(プロセスP23)。
【0104】
メイン画面G1が表示されている状態において、情報処理端末4は、遠隔操作指示の入力を検知すると(プロセスP25)、遠隔操作指示をサービスサーバ3に送信する(プロセスP27)。情報処理端末4から遠隔操作指示を受信すると、サービスサーバ3は、制御対象機器の操作権限を示す権限情報74を参照する(プロセスP29)。
【0105】
権限情報74を参照して、情報処理端末4のユーザーが制御対象機器の操作権限を有すると判定されると、サービスサーバ3は、モード切換コマンドを生成して(プロセスP31)、制御装置2に送信する(プロセスP33)。制御装置2は、モード切換コマンドを受信すると、通常操作モードから遠隔操作モードに操作モードを切り換える(プロセスP35)。
【0106】
モード切換コマンドを制御装置2に送信した後に、サービスサーバ3は、操作画面G2を生成して(プロセスP37)、画面情報を情報処理端末4に送信する(プロセスP39)。サービスサーバ3から画面情報を受信すると、情報処理端末4は、メイン画面G1を消去して、操作画面G2を表示部に表示させる(プロセスP41)。
【0107】
サービスサーバ3は、画面情報を情報処理端末4に送信する(プロセスP39)と、第1インターバル時間t1を設定して(プロセスP43)、第1インターバル時間t1の計測を開始する(プロセスP45)。第1インターバル時間t1の計測を開始する(プロセスP45)と、サービスサーバ3は、カウント値を生成して(プロセスP47)、第1インターバル時間t1とカウント値とを制御装置2に送信する(プロセスP49)。
【0108】
制御装置2は、サービスサーバ3から第1インターバル時間t1とカウント値を受信すると、カウント値を第2記憶部82に格納する(プロセスP51)。制御装置2は、サービスサーバ3から受信した第1インターバル時間t1に応じて第2インターバル時間t2を設定して(プロセスP53)、第2インターバル時間t2の計測を開始する(プロセスP55)。
【0109】
情報処理端末4において、操作画面G2が表示部に表示されている状態で、ユーザーによる設定変更指示の入力を検知すると(プロセスP57)、情報処理端末4は、サービスサーバ3に送信する(プロセスP59)。サービスサーバ3は、設定変更指示を受信すると、設定変更コマンドを生成して(プロセスP61)、制御装置2に送信する(プロセスP63)。サービスサーバ3から設定変更コマンドを受信すると、制御装置2は、設定変更コマンドを実行する(プロセスP65)。
【0110】
サービスサーバ3は、第1インターバル時間t1が経過すると、カウント値をインクリメント処理して(プロセスP67)、インクリメントされたカウント値を制御装置2に送信する(プロセスP69)。サービスサーバ3は、第1インターバル時間t1をリセットして(プロセスP71)、第1インターバル時間t1の計測を開始する(プロセスP73)。
【0111】
制御装置2は、インクリメントされたカウント値をサービスサーバ3から受信すると、第2記憶部82に格納する(プロセスP75)。第2インターバル時間t2が経過すると、第2記憶部82からカウント値を読み出し(プロセスP77)、読み出されたカウント値が先のカウント値に加算されたものか否かを判定する(プロセスP79)。
【0112】
読み出されたカウント値が加算されたものであると判定されると、制御装置2は、第2インターバル時間t2をリセットして(プロセスP81)、第2インターバル時間t2の計測を開始する(プロセスP83)。
【0113】
第1インターバル時間t1が経過すると、サービスサーバ3は、カウント値をインクリメント処理して(プロセスP85)、第1インターバル時間t1をリセットしてから(プロセスP87)、再度第1インターバル時間t1の計測を開始する(プロセスP89)。
【0114】
ここで、サービスサーバ3は、インクリメントされたカウント値を制御装置2に送信するのが通常であるが、通信障害等によりサービスサーバ3と制御装置2との通信が確立されていない事態が起こり得る。
【0115】
このように、サービスサーバ3と制御装置2との通信が確立されていない場合に、第2記憶部82に格納されているカウント値を読み出して(プロセスP91)、当該カウント値が先のカウント値に加算されているか否かを判定する(プロセスP93)と、加算されていないため、通信が確立されていないと判定される。
【0116】
サービスサーバ3と制御装置2との通信が確立されていないと判定されると、制御装置2は、遠隔操作モードから通常操作モードに切り換え(プロセスP95)、エラー通報を生成して(プロセスP97)サービスサーバ3に送信する(プロセスP99)。
【0117】
サービスサーバ3と制御装置2との通信が確立されていない場合、エラー通報はサービスサーバ3に受信されないのが通常である。サービスサーバ3と制御装置2との通信が回復するなどによりエラー通報がサービスサーバ3に受信されると、サービスサーバ3は、メイン画面G1を生成して(プロセスP101)、画面情報を情報処理端末4に送信する(プロセスP103)。
【0118】
メイン画面G1の画面情報を受信すると、情報処理端末4は、操作画面G2を消去させてメイン画面G1を表示部に表示させる(プロセスP105)。
【0119】
(サービスサーバ3の処理手順)
次に、第1実施形態における遠隔操作制御システム1において実行される処理手順の一例を説明する。図9乃至図13は、遠隔操作制御システム1を構成するサービスサーバ3において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0120】
図9は、サービスサーバ3において実行される主要な処理手順の一例を示すフローチャートである。サービスサーバ3は、起動するとまず、情報処理端末4からログイン要求を検知したか否かを判定する(ステップS1)。ログイン要求を検知した場合(ステップS1でYES)、第1認証処理(ステップS3)を実行する。第1認証処理(ステップS3)の具体的な処理手順は後述する。他方、ログイン要求を検知しなかった場合(ステップS1でNO)、第1認証処理(ステップS3)をスキップする。
【0121】
次に、サービスサーバ3は、情報処理端末4の表示部にメイン画面G1を表示中であるか否かを判定する(ステップS5)。情報処理端末4にメイン画面G1を表示中であると判定された場合(ステップS5でYES)、第2認証処理(ステップS7)を実行する。第2認証処理(ステップS7)の具体的な処理手順は後述する。他方、情報処理端末4にメイン画面G1を表示中ではないと判定された場合(ステップS5でNO)、第2認証処理(ステップS7)をスキップする。
【0122】
次に、サービスサーバ3は、情報処理端末4の表示部に操作画面G2を表示中であるか否かを判定する(ステップS9)。操作画面G2を表示中であると判定された場合(ステップS9でYES)、遠隔操作処理(ステップS11)を実行してステップS1に戻り、ステップS1乃至ステップS11を繰り返し実行する。遠隔操作処理の具体的な処理手順は後述する。他方、操作画面G2を表示中ではないと判定された場合(ステップS9でNO)、遠隔操作処理(ステップS11)をスキップして、ステップS1に戻り、ステップS1乃至ステップS11を繰り返し実行する。
【0123】
図10は、第1認証処理(図9のステップS3)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。サービスサーバ3は、ワンタイムパスワードを情報処理端末4に送信する(ステップS20)。次に、情報処理端末4からパスワードの入力を検知したか否かを判定する(ステップS22)。
【0124】
パスワードの入力を検知した場合(ステップS22でYES)、さらに、入力されたパスワードが正しいか否かを判定する(ステップS24)。入力されたパスワードが正しいと判定された場合(ステップS24でYES)、すなわち、ステップS20において情報処理端末4に送信されたワンタイムパスワードと入力されたパスワードとが同じである場合、サービスサーバ3は、メイン画面G1を情報処理端末4に表示させて第1認証処理(ステップS3)を終了させる。
【0125】
他方、情報処理端末4からパスワードの入力を検知しない場合(ステップS22でNO)、さらに所定の待機時間が経過したか否かを判定し(ステップS28)、待機時間が経過していない場合(ステップS28でNO)、ステップS22に戻り、パスワードの入力が検知されるまで処理を待機する。
【0126】
待機時間が経過したと判定された場合(ステップS28でYES)、ログインが失敗したと情報処理端末4の表示部に表示させて(ステップS30)第1認証処理(ステップS3)を終了させる。また、ステップS24で、情報処理端末4から検知したパスワードが正しくないと判定された場合(ステップS24でNO)、上記ステップS30を実行して第1認証処理(ステップS3)を終了させる。
【0127】
図11は、第2認証処理(図9におけるステップS7)の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、サービスサーバ3は、情報処理端末4から遠隔操作指示を検知したか否か判定する(ステップS36)。遠隔操作指示を検知した場合(ステップS36でYES)、権限情報74を参照する(ステップS38)。
【0128】
次に、操作権限を有するか否かを判定する(ステップS40)。操作権限を有すると判定された場合(ステップS40でYES)、サービスサーバ3は、モード切換コマンドを生成して(ステップS42)、生成されたモード切換コマンドを制御装置2に送信する(ステップS44)。
【0129】
さらに、サービスサーバ3は、操作画面G2を情報処理端末4の表示部に表示させる(ステップS46)とともに、予め登録される送信先に対し、操作モードが切り換えることを通知する切換通知メッセージを送信して(ステップS48)第2認証処理(ステップS7)を終了させる。
【0130】
他方、ステップS36において、情報処理端末4から遠隔操作指示を検知しない場合(ステップS36でNO)、所定の待機時間が経過したか否かをさらに判定する(ステップS50)。待機時間が経過していないと判定された場合(ステップS50でNO)、第2認証処理(ステップS7)を終了させる。
【0131】
これに対して、待機時間を経過したと判定された場合(ステップS50でYES)、および、権限情報74を参照して操作権限がないと判定された場合(ステップS40でNO)、遠隔操作モードへの切り換えが失敗したことを情報処理端末4の表示部に表示させて(ステップS52)第2認証処理(ステップS7)を終了させる。
【0132】
図12は、遠隔操作処理(図9におけるステップS11)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理端末4に操作画面G2が表示されている(図9のステップS9でYES)状態において、すなわち、遠隔操作モードにおいて、サービスサーバ3は、情報処理端末4における設定変更操作を検知したか否かを判定する(ステップS56)。
【0133】
設定変更操作を検知したと判定された場合(ステップS56でYES)、サービスサーバ3は、設定変更コマンドを生成して(ステップS58)、生成された設定変更コマンドを制御装置2に送信する(ステップS60)。最後に、サービスサーバ3は、カウント値の制御を行う第1カウント処理(ステップS62)を実行して遠隔操作処理(ステップS11)を終了させる。
【0134】
他方、設定変更操作を検知していない場合(ステップS56でNO)、所定の待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS64)。待機時間を経過していないと判定された場合(ステップS64でNO)、さらに遠隔操作モードを終了させる操作を検知したか否かを判定する(ステップS66)。
【0135】
遠隔操作モードを終了させる操作を検知しなかった場合(ステップS66でNO)、第1カウント処理(ステップS62)を実行する。他方、遠隔操作モードを終了させる操作を検知した場合(ステップS66でYES)、サービスサーバ3は、モード切換コマンドを生成し(ステップS68)、生成された切換コマンドを制御装置2に送信する(ステップS70)。
【0136】
最後に、サービスサーバ3は、カウント値をリセットして(ステップS72)、情報処理端末4に操作画面G2を消去させ、メイン画面G1を表示させる(ステップS74)。
【0137】
図13は、第1カウント処理(図12のステップS62)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。サービスサーバ3は、第1インターバル時間t1を計測中であるか否かを判定し(ステップS80)、計測中である場合(ステップS80でYES)、第1インターバル時間t1が経過したか否かを次に判定する(ステップS82)。第1インターバル時間t1を経過していない場合(ステップS82でNO)、第1カウント処理(図12のステップS62)を終了させる。
【0138】
他方、第1インターバル時間t1を経過した場合(ステップS82)、第1インターバル時間t1をリセットし(ステップS84)、カウント値をインクリメント処理した上で(ステップS86)、制御装置2にカウント値を送信する送信処理(ステップS88)を実行する。
【0139】
最後に、サービスサーバ3は、第1インターバル時間t1の計測を再び開始させて(ステップS90)第1カウント処理(図12でステップS62)を終了させる。
【0140】
(制御装置2の処理手順)
次に、第1実施形態における制御装置2によって実行される処理手順を説明する。図14乃至図17は、制御装置2により実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0141】
図14は、制御装置2において実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートである。まず、制御装置2は、サービスサーバ3からカウント値を受信したか否かを判定する(ステップS100)。
【0142】
カウント値を受信した場合(ステップS100でYES)、制御装置2は、カウント値を第2記憶部82に格納する(ステップS101)。他方、カウント値を受信していない場合(ステップS100でNO)、ステップS101をスキップする。
【0143】
次に、制御装置2は、サービスサーバ3からモード切換コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS103)。モード切換コマンドを受信した場合(ステップS103でYES)、制御装置2は、モード切換処理(ステップS105)を実行する。
【0144】
他方、制御装置2は、サービスサーバ3からモード切換コマンドを受信していない場合(ステップS103でNO)、装置制御処理(ステップS107)を実行する。
【0145】
次に、制御装置2は、第2インターバル時間t2を計測中であるか否かを判定する(ステップS109)。第2インターバル時間t2を計測中である場合(ステップS109でYES)、カウント値に関する第2カウント処理(ステップS110)を実行してステップS100に戻り、以下の処理を繰り返し実行する。第2カウント処理(ステップS110)の具体的な処理手順は後述する。
【0146】
第2インターバル時間t2を計測中でない場合(ステップS109でNO)、第2カウント処理(ステップS110)をスキップしてステップS100に戻り、以下の処理を繰り返し実行する。
【0147】
図15は、モード切換処理(図14におけるステップS105)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、制御装置2は、遠隔操作モードに設定されているか否かを判定する(ステップS113)。
【0148】
遠隔操作モードに設定されていないと判定された場合(ステップS113でNO)、制御装置2は、モード切換コマンドに応じて、通常操作モードを終了させるとともに遠隔操作モードに設定する(ステップS115)。次に、サービスサーバ3から受信する第1インターバル時間t1を参照して(ステップS117)、第2インターバル時間t2を設定して(ステップS119)第2インターバル時間t2の計測を開始して(ステップS121)モード切換処理(ステップS105)を終了させる。
【0149】
他方、遠隔操作モードに設定されていると判定された場合(ステップS113でYES)、遠隔操作モードを終了させて通常操作モードに設定する(ステップS123)。次に、制御装置2は、第2インターバル時間t2の計測を停止させ(ステップS125)、第2記憶部82に格納されているカウント値をクリアして(ステップS105)モード切換処理(ステップS105)を終了させる。
【0150】
図16は、装置制御処理(図14のステップS107)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御装置2は、サービスサーバ3から制御対象装置の動作を制御する設定変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS131)。
【0151】
設定変更コマンドを受信したと判定された場合(ステップS131でYES)、次に、遠隔操作モードに設定されているか否かを判定する(ステップS133)。遠隔操作モードに設定されていると判定された場合(ステップS133でYES)、受信した設定変更コマンドを実行する(ステップS135)。他方、遠隔操作モードに設定されていないと判定された場合(ステップS133でNO)、制御装置2は、エラー通報をサービスサーバ3に送信する(ステップS137)。
【0152】
次に、操作部の操作による設定指示操作を検知したか否かを判定する(ステップS139)。設定指示操作は、制御装置2の操作部(図示せず)を操作することにより行われる。設定指示操作を検知した場合(ステップS139でYES)、次に、通常操作モードに設定されているか否かを判定する(ステップS141)。
【0153】
通常操作モードに設定されていると判定された場合(ステップS141でYES)、制御装置2は、設定操作指示に応じて制御対象機器の動作を制御するコマンドを生成し(ステップS143)、生成されたコマンドを実行して(ステップS145)制御対象機器の動作を制御する。
【0154】
他方、通常操作モードに設定されていないと判定された場合(ステップS141でNO)、操作部を操作するユーザーに対してエラー表示を行い(ステップS147)、操作制御処理(ステップS107)を終了させる。
【0155】
なお、設定指示操作を検知しなかった場合(ステップS139でNO)、以下の処理をスキップして装置制御処理(ステップS107)を終了させる。
【0156】
図17は、第2カウント処理(図14におけるステップS110)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。第2インターバル時間t2を計測中において、制御装置2は、第2インターバル時間t2が経過したか否かを判定する(ステップS151)。第2インターバル時間t2が経過していない場合(ステップS151でNO)、制御装置2は、以下の処理をスキップして第2カウント処理(ステップS110)を終了させる。
【0157】
第2インターバル時間t2が経過した場合(ステップS151でYES)、制御装置2は、第2記憶部82からカウント値を読み出し(ステップS153)、読み出されたカウント値が正しいか否かを判定する(ステップS155)。
【0158】
カウント値が正しいか否かの判定方法の一例として、制御装置2は、第2記憶部82から読み出されたカウント値が、これより以前のカウント値に比べて加算されているか否かを判定する。
【0159】
カウント値が正しいと判定された場合(ステップS155でYES)、制御装置2は、第2記憶部82に記憶されているカウント値を消去するとともに、当該カウント値により更新させる(ステップS157)。
【0160】
そして、制御装置2は、第2インターバル時間t2をリセットし(ステップS159)、再度第2インターバル時間t2の計測を開始して(ステップS161)第2カウント処理(ステップS110)を終了させる。
【0161】
ステップS155において、カウント値が正しくないと判定された場合(ステップS155)、さらに第2インターバル時間t2の計測回数が所定回数に到達したか否かを判定する(ステップS163)。
【0162】
第2インターバル時間t2の計測回数が所定回数に到達している場合(ステップS163でYES)、制御装置2は、遠隔操作モードを終了させて通常操作モードを設定する(ステップS165)。このような構成により、制御装置2は、第2インターバル時間t2を複数回経過してカウント値が正しくない場合に、サービスサーバ3との通信が確立されていないと判断して、通常操作モードに設定する。
【0163】
制御装置2はさらに、第2インターバル時間t2をリセットし(ステップS167)、カウント値をクリアして(ステップS169)から、エラー通報をサービスサーバ3に送信して(ステップS171)第2カウント処理(ステップS110)を終了させる。
【0164】
ステップS163において、第2インターバル時間t2の計測回数が所定回数に到達していないと判定された場合(ステップS163でNO)、以下の処理をスキップして第2カウント処理(ステップS110)を終了させる。
【0165】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態において、遠隔操作制御システム1を構成する制御装置2は、カウント値が加算されることなく第2インターバル時間t2が経過すると、予め設定される猶予時間の計測を行う。
【0166】
第2実施形態において、カウント値読出部126は、第2記憶部82に格納されているカウント値が加算されることになく第2インターバル時間t2が経過した場合、予め設定される猶予時間がさらに経過すると、第2記憶部82に格納されているカウント値を読み出す。
【0167】
第3判定部128は、カウント値が加算されることなく猶予時間が経過すると、サービスサーバ3との通信が確立されていないと判定する。このような第2インターバル時間t2の後に猶予時間をさらに計測し、猶予時間経過後にカウント値を読み出すことにより、通信におけるわずかな不具合に左右されることなく、引き続き遠隔操作モードに設定することが可能となる。
【0168】
(制御装置の処理手順)
第2実施形態において制御装置2にて行われる処理手順を説明する。図18乃至図20は、第2実施形態に示す制御装置2において実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0169】
図18は、第2実施形態における制御装置2が実行する主要な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御装置2は、サービスサーバ3からカウント値を受信したか否かを判定し(ステップS200)、カウント値を受信した場合(ステップS200でYES)、受信したカウント値を第2記憶部82に格納する(ステップS201)。カウント値を受信しなかった場合(ステップS200でNO)、ステップS201をスキップする。
【0170】
次に、制御装置2は、サービスサーバ3からモード切換コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS203)。モード切換コマンドを受信した場合(ステップS203でYES)、モード切換処理(ステップS205)を実行する。他方、モード切換コマンドを受信しなかった場合(ステップS203でNO)、制御対象機器の動作を制御する装置制御処理(ステップS207)を実行する。モード切換処理(S205)および装置制御処理(ステップS207)の具体的な処理手順は、第1実施形態において例示した処理手順と同様である。
【0171】
次に、制御装置2は、第2インターバル時間t2の計測中であるか否かを判定する(ステップS209)。第2インターバル時間t2の計測中である場合(ステップS209でYES)、第2カウント処理(ステップS211)を実行してからステップS200に戻り、以下の処理手順を繰り返し実行する。第2カウント処理(ステップS211)の具体的な処理手順は後述する。
【0172】
他方、第2インターバル時間t2の計測中でない場合(ステップS209でNO)、制御装置2は、さらに猶予時間を計測中であるか否かを判定する(ステップS213)。猶予時間計測中である場合(ステップS213でYES)、猶予カウント処理(ステップS215)を実行する。猶予カウント処理(ステップS215)の具体的な処理手順は後述する。
【0173】
猶予時間の計測中でない場合(ステップS213でNO)、猶予カウント処理(ステップS215)をスキップしてステップS200に戻り、以下の処理手順を繰り返し実行する。
【0174】
図19は、第2カウント処理(図18のステップS201)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御装置2は、第2インターバル時間t2が経過したか否かを判定し(ステップS220)、第2インターバル時間t2が経過していない場合(ステップS220でNO)、第2カウント処理(ステップS201)を終了させる。
【0175】
他方、第2インターバル時間t2が経過していた場合(ステップS220でYES)、制御装置2は、カウント値を第2記憶部82から読み出して(ステップS222)、読み出されたカウント値が正しいか否かを判定する(ステップS224)。
【0176】
一例として、カウント値が直前のカウント値より加算されている場合には正しいと判定し、これ以外の場合には正しくないと判定する。
【0177】
読み出されたカウント値が正しいと判定された場合(ステップS224でYES)、制御装置2は、カウント値を更新して(ステップS226)、第2インターバル時間t2をリセットする(ステップS228)とともに、第2インターバル時間t2の計測を開始して(ステップS230)第2カウント処理(ステップS201)を終了させる。
【0178】
他方、読み出されたカウント値が正しくないと判定された場合(ステップS224でNO)、制御装置2は、第2インターバル時間t2をリセットして(ステップS232)、猶予時間の計測を開始させて(ステップS234)第2カウント処理(S201)を終了させる。
【0179】
このような構成により、第2インターバル時間t2が経過した場合、制御装置2は、予め設定される猶予時間の計測を行い、直ちに通信エラーなどの判定を回避する。
【0180】
図20は、猶予カウント処理(図18のステップS215)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御装置2は、猶予時間が経過したか否かを判定し(ステップS240)、猶予時間が経過していない場合(ステップS240でNO)、猶予カウント処理を終了させる。
【0181】
ステップS240において、猶予時間が経過したと判定された場合(ステップS240でYES)、制御装置2は、第2記憶部82からカウント値を読み出し(ステップS242)、読み出されたカウント値が正しいか否かを判定する(ステップS244)。
【0182】
カウント値が正しいか否かの判定の手法として、第2カウント処理(図18のステップS201)で上述したのと同じ手法による。
【0183】
カウント値が正しいと判定された場合(ステップS244でYES)、カウント値情報132におけるカウント値を更新する(ステップS246)。そして、猶予時間をリセットして(ステップS248)、第2インターバル時間t2の計測を開始して(ステップS250)、猶予カウント処理(ステップS215)を終了させる。
【0184】
ステップS244において、読み出されたカウント値が正しくないと判定された場合(ステップS244でNO)、制御装置2は、遠隔操作モードを終了させて通常操作モードに設定する(ステップS252)。
【0185】
そして、制御装置2は、猶予時間をリセットし(ステップS254)、カウント値をクリアして(ステップS256)エラー通報をサービスサーバ3に送信して(ステップS258)猶予カウント処理を終了させる。
【0186】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態において、制御装置2は、遠隔操作モードに設定される場合に、サービスサーバ3から送信されるカウント値の受信を検知するカウント値検知部152を備える。
【0187】
(制御装置2の機能構成)
図21は、第3実施形態における制御装置2の機能構成の一例を示すブロック図である。制御装置2は、第2制御プログラム202(図示せず)が実行されることにより、CPUを制御部80として機能させる。
【0188】
制御部80は、モード制御部150を備える。モード制御部150は、制御装置2を通常操作モードと遠隔操作モードのいずれかに設定する。モード制御部150は、カウント値検知部152と、第3判定部128と、モード切換部86とをさらに備える。
【0189】
カウント値検知部152は、サービスサーバ3から送信されるカウント値の受信を検知する処理部である。カウント値が受付部84に受け付けられると、カウント値検知部152は、カウント値の受信を検知する。
【0190】
カウント値検知部152がカウント値の受信を検知すると、第3判定部128は、受信されたカウント値が正しいか否かを判定する。すなわち、第3判定部128は、第2記憶部82に記憶されているカウント値情報132を読み出し、受信されたカウント値がカウント値情報132に加算された値であるか否かを判定する。
【0191】
カウント値が正しいと判定されると、第3判定部128は、受信されたカウント値によりカウント値情報132を更新する。第3判定部128は、カウント値が正しい場合に、サービスサーバ3との通信状態が正常に確立されていると判定する。
【0192】
他方、第3判定部128は、カウント値が正しくない場合に、サービスサーバ3との通信状態が正常に確立されていないと判定する。第3判定部128により、サービスサーバ3との通信状態が正常に確立されていないと判定されると、モード切換部86は、遠隔操作モードから通常操作モードに切り換える。
【0193】
受信されたカウント値が正しくない場合、サービスサーバ3から所定時間毎に送信されるカウント値が適切に制御装置2に受信されていない可能性が高い。すなわち、サービスサーバ3と制御装置2との通信状態が正常に確立されていないために、サービスサーバ3から送信されているにもかかわらず、カウント値が制御装置2に受信されなかったとの推認が成立するのである。
【0194】
そこで、第3判定部128は、読み出されたカウント値情報132を参照して、受信されたカウント値が正しくない場合に、サービスサーバ3との通信状態が正常に確立されていないと判定する。
【0195】
第3実施形態において、第3判定手段は、所定時間が経過するまでの間に、カウント値検知部152によりカウント値の受信が検知されない場合に、サービスサーバ3との通信が確立されていないと判定する。
【0196】
制御部80は、カウント値情報132を更新すると、タイマ(図示せず)の計測を開始させる。カウント値検知部152により検知されたカウント値が第3判定部128により正しいと判定されると、制御部80はタイマの計測を中止し、タイマをリセットさせる。
【0197】
カウント値検知部152によりカウント値の受信が検知されることなくタイマが所定時間を計測すると、第3判定部128は、サービスサーバ3との通信が確立されていないと判定する。
【0198】
第3判定部128により通信が確立されていないと判定される計測時間は、第1インターバル時間t1より長い時間に設定される。このような構成により、サービスサーバ3からのカウント値の受信がわずかに遅れた場合に、第3判定部128により通信が確立されていないと判定されるのではなく、依然として通信が確立されていると判定される。そのため、わずかな通信の遅延により遠隔操作モードが終了させられるのを回避可能となる。
【0199】
(制御装置2の処理手順)
次に、第3実施形態における制御装置2により実行される処理手順の一例を説明する。図22は、第3実施形態において制御装置2により実行される主要な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0200】
制御装置2は、サービスサーバ3からモード切換コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS304)。モード切換コマンドを受信したと判定された場合(ステップS304でYES)、制御装置2は、モード切換処理(ステップS306)を実行する。モード切換処理(ステップS306)の具体的な処理手順は後述する。
【0201】
モード切換コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS304でNO)、制御装置2は、装置制御処理(ステップS107)を実行する。装置制御処理(ステップS107)は、第1実施形態において説明したのと同様の処理手順である。
【0202】
次に、制御装置2は、タイマ計測中であるか否かを判定し(ステップS308)、タイマ計測中である場合(ステップS308でYES)、第2カウント処理(ステップS310)を実行する。第2カウント処理(ステップS310)の具体的な処理手順は後述する。他方、タイマ計測中でない場合(ステップS308でNO)、第2カウント処理(ステップS310)をスキップしてステップS304に戻り、以下、上述した処理手順を繰り返し実行する。
【0203】
図23は、モード切換処理(図22のステップS306)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御装置2は、遠隔操作モードに設定されている状態か否かを判定する(ステップS320)。
【0204】
遠隔操作モードに設定されている状態である場合(ステップS320でYES)、遠隔操作モードから通常操作モードに切り換える(ステップS326)。そして、制御装置2は、タイマの計測を停止させ(ステップS328)、第2記憶部82に記憶されているカウント値情報132をクリアして(ステップS330)モード切換処理を終了させる。
【0205】
遠隔操作モードに設定されていない状態である場合(ステップS320でNO)、通常操作モードから遠隔操作モードに切り換え(ステップS322)、タイマの計測を開始させて(ステップS324)モード切換処理を終了させる。
【0206】
図24は、第2カウント処理(図22のステップS310)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御装置2は、カウント値の受信が検知されたか否かを判定する(ステップS334)。
【0207】
カウント値の受信が検知された場合(ステップS334でYES)、次に、カウント値が正しいか否かを判定する(ステップS336)。受信されたカウント値が正しい場合(ステップS336でYES)、カウント値情報132を更新させる(ステップS338)。さらに、制御装置2は、タイマをリセットして(ステップS340)から、タイマの計測を開始させて(ステップS342)第2カウント処理を終了させる。
【0208】
他方、ステップS334に戻り、カウント値の受信が検知されていないと判定された場合(ステップS334でNO)、又は、受信されたカウント値が正しくないと判定された場合(ステップS336でNO)、制御装置2は、タイマによる計測時間が所定時間を経過したか否かを判定する(ステップS344)。
【0209】
所定時間が未経過である場合(ステップS344でNO)、第2カウント処理を終了させる。他方、所定時間が経過した場合(ステップS344でYES)、制御装置2は、遠隔操作モードから通常操作モードに切り換え(ステップS346)、タイマをリセットさせて(ステップS348)からカウント値情報132をクリアして第2カウント処理を終了させる。
【0210】
(初期設定の態様)
次に、本発明の第1実施形態から第3実施形態のいずれにおいても適用可能な初期設定の設定態様の一例を説明する。
【0211】
サービスサーバ3は、メイン画面G1および操作画面G2の両方又はいずれか一方の表示態様をユーザーの操作に応じて設定する初期設定画面を生成し、情報処理端末4に表示させてもよい。
【0212】
初期設定画面において、ユーザーは、これらの画面のボタン表示態様を設定可能である。初期設定画面は、ポンプ装置5や温度制御装置6など制御対象機器の初期値を設定可能であってもよい。
【0213】
初期設定画面が表示された状態で、ユーザーは、情報処理端末4を操作することにより、制御対象機器のパラメータの初期値を設定可能であってもよい。ユーザーによる設定に応じて、サービスサーバ3から制御装置2に設定値が送信され、制御装置2は、制御対象機器の初期値のユーザーによる設定に応じて設定する。
【0214】
サービスサーバ3により生成される初期設定画面は、CSV(Comma Separated Values)形式で生成された画面構成あってもよいし、XML(Extensible Markup Language)形式で生成された画面構成であってもよい。
【0215】
これにより、ユーザーによる画面の初期表示態様および制御対象機器の初期値の設定を効率化させることが可能となる。
【0216】
(変形例)
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0217】
上記各実施形態において、遠隔操作制御システム1において、ユーザーは情報処理端末4を操作してサービスサーバ3に設定変更指示を送信する場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。ユーザーは、サービスサーバ3の操作部を操作して、ポンプ装置5や温度制御装置6などの制御対象機器の動作を制御してもよい。この場合、ユーザーの操作に応じて、サービスサーバ3は設定変更コマンドを制御装置2に送信する。
【0218】
上記各実施形態において、制御対象機器の一例としてポンプ装置5や温度制御装置6などを例示したが、本発明はこれに限られず、種々の機械装置を制御対象機器としてよい。
【0219】
上記各実施形態において、サービスサーバ3からカウント値が制御装置2に送信されるタイミングと、制御装置2においてカウント値を読み出すタイミングとが異なる場合を例示したが、本発明はこれに限られない。例えば、サービスサーバ3からカウント値が制御装置2に所定時間t3毎に送信され、制御装置2においてカウント値を受信する間隔が所定時間t4内である限りにおいて、制御装置2はサービスサーバ3との通信が確立されていると判定してもよい。所定時間t4は、所定時間t3より長く設定される。
【符号の説明】
【0220】
1 遠隔操作制御システム
2 制御装置
3 サービスサーバ(指示装置)
4 情報処理端末
5 ポンプ装置(水処理装置)
6 温度制御装置(水処理装置)
20 第1カウンタ制御部(カウント値送信手段)
30 第1認証部(第1認証手段)
32 第2認証部(第2認証手段)
48 コマンド送信部(遠隔操作指示手段,コマンド送信手段)
52 第1インターバル設定部(第1インターバル設定手段)
54 カウント値更新部(カウント値更新手段)
56 カウンタ情報送信部(カウント値送信手段)
86 モード切換部(モード切換手段)
90 装置制御部(装置制御手段)
100 ネットワーク
110 受付部(操作受付手段)
124 第2インターバル設定部(第2インターバル設定手段)
126 カウント値読出部(カウント値読み出し手段)
128 第3判定部(判定手段)
152 カウント値検知部(検知手段)
300 記憶媒体
t1 第1インターバル時間
t2 第2インターバル時間
【要約】
【課題】隔地にいる操作者による遠隔制御の安全性を向上させる遠隔操作制御システム、指示装置、制御装置、プログラムおよび記憶媒体を提供する。
【解決手段】ポンプ装置5や温度制御装置6など制御対象機器の動作を制御する制御装置2と、ネットワーク100を介して制御装置2に対して制御対象機器の動作の設定を指示可能なサービスサーバ3とを有する遠隔操作制御システム1であって、サービスサーバ3は、ユーザーによるログイン要求を認証する第1認証部30と、権限情報74に基づいて、第1認証部30により認証されたユーザーによる制御対象機器の操作要求を認証する第2認証部32と、第2認証32による認証に成功した場合に、通常操作モードから遠隔操作モードに切り換えるモード切換コマンドを送信するコマンド制御部18と、第1インターバル時間t1が経過する毎にカウント値を制御装置2に送信するカウンタ情報送信部56とを備える構成である。
【選択図】図1
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