(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】ルアー
(51)【国際特許分類】
A01K 85/16 20060101AFI20230920BHJP
【FI】
A01K85/16
(21)【出願番号】P 2019173938
(22)【出願日】2019-09-25
【審査請求日】2022-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】595136494
【氏名又は名称】バスデイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149320
【氏名又は名称】井川 浩文
(74)【代理人】
【識別番号】240000235
【氏名又は名称】弁護士法人柴田・中川法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野本 和裕
【審査官】小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-346601(JP,A)
【文献】特開2001-299150(JP,A)
【文献】特開2002-360125(JP,A)
【文献】特開2002-272320(JP,A)
【文献】特開2005-261385(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109475110(CN,A)
【文献】米国特許第6671996(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0110678(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 85/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に中空領域を有するルアー本体と、前記中空領域において尾部側から頭部側へ向かって直線的に設けられた規制領域と、前記規制領域に沿って移動自在な磁性体による移動型ウエイトと、前記中空領域の少なくとも頭部側において前記移動型ウエイトの移動範囲を制限するストッパ部材と、前記規制領域の頭部側先端の近傍に配置され、前記移動型ウエイトが頭部側の前記ストッパ部材まで移動したとき、該移動型ウエイトの外側表面に対して非接触の状態で磁力を作用させるマグネットとを備え、
前記マグネットは、前記移動型ウエイトの側部との間に所定の間隙を有して対向する対向面を備え、かつ該対向面は、前記移動型ウエイトの軸線方向の長さ寸法と同一またはそれ以下の長さの対向領域を有して構成されるとともに、前記移動型ウエイトが頭部側の前記ストッパ部材まで移動したとき、該対向面の中心が該移動型ウエイトの軸線方向中央の位置よりも頭部側へ偏った位置となるように配置されるものであることを特徴とするルアー。
【請求項2】
内部に中空領域を有するルアー本体と、前記中空領域において尾部側から頭部側へ向かって軸線を配置してなる直線状の非磁性体によるシャフトと、前記シャフトに貫挿されて該シャフトに沿って移動自在な磁性体による移動型ウエイトと、前記中空領域の頭部側および尾部側に前記移動型ウエイトの移動範囲を制限するストッパ部材と、前記シャフトの頭部側のストッパ部材近傍に配置され、前記移動型ウエイトに非接触の状態で磁力を作用させるマグネットとを備え、
前記移動型ウエイトは、軸線方向に所定の長さで構成された棒状の本体部と、軸線と平行に貫設された挿通孔とを備え、該挿通孔によって前記シャフトに貫挿されるものであり、
前記マグネットは、前記移動型ウエイトの側部との間に所定の間隙を有して対向する対向面を備え、かつ該対向面は、前記移動型ウエイトの軸線方向の長さ寸法と同一またはそれ以下の長さの対向領域を有して構成されるとともに、前記移動型ウエイトが頭部側の前記ストッパ部材まで移動したとき、該対向面の中心が該移動型ウエイトの軸線方向中央の位置よりも頭部側へ偏った位置となるように配置されるものであることを特徴とするルアー。
【請求項3】
前記対向面は、磁極となる部分によって構成されるものである請求項2に記載のルアー。
【請求項4】
前記移動型ウエイトの本体部は、円柱形状に構成され、前記対向面は、円形または円環状に構成されており、前記円柱形状の母線のうち対向面に最も接近する母線、前記対向面の円形または円環状の中心線、およびシャフトの軸線が、同一の仮想平面上に配置されているものである請求項2または3に記載のルアー。
【請求項5】
前記中空領域内を移動しない固定型ウエイトをさらに備え、
前記規制領域は、前記ルアー本体の頭部近傍から尾部近傍に至る範囲に設けられ、前記移動型ウエイトを前記ルアー本体の長手方向中央よりも頭部側に移動可能とするものであり、該移動型ウエイトが前記規制領域の頭部側先端まで移動するとき、該移動型ウエイトと前記固定型ウエイトの双方の重量によりルアー本体全体の重心位置を中央よりも頭部側に配置させるものである請求項1に記載のルアー。
【請求項6】
前記中空領域内を移動しない固定型ウエイトをさらに備え、
前記シャフトは、前記ルアー本体の頭部近傍から尾部近傍に至る範囲に設けられ、前記移動型ウエイトを前記ルアー本体の長手方向中央よりも頭部側に移動可能とするものであり、該移動型ウエイト
が前記シャフトの頭部側先端まで移動するとき、該移動型ウエイトと前記固定
型ウエイトの双方の重量によりルアー本体全体の重心位置を中央よりも頭部側に配置させるものである請求項2~
4のいずれかに記載のルアー。
【請求項7】
前記固
定型ウエイトは、少なくともルアー本体の長手方向中央よりも尾部側に設けられるものが含まれている請求項
5または6に記載のルアー。
【請求項8】
前記移動型ウエイトはタングステンと鉄との混合物によって構成されたものである請求項1~7のいずれかに記載のルアー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルアーに関し、特に、中空内部においてウエイトが移動する構造のルアーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
いわゆるプラグと呼ばれるルアーは、外見を小魚に似せて構成された本体の内部にウエイトを移動可能に設けたものがあり(特許文献1参照)、キャスティング時の飛行姿勢を安定させるとともに、リーリング時には、ウエイトを移動させてルアー全体の重心を所定の位置に移動させることを可能としていた。この種のルアーは、ルアー本体の中空内部をウエイトが転動して移動可能とし、所定の位置に設けられた凹部に嵌合することによりウエイト位置を決定させる構成(特許文献1参照)のほか、凹部に代えて磁石によって磁着させる構成ものがあった(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-327708号公報
【文献】特開平11-113449号公報
【文献】特開2001-299150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、ウエイトの転動による移動は、ルアー本体の中空内部が平滑でなければならず、製造時のバリの発生や、使用中に材料の一部が内部で破損したような場合には、転動面の平滑な状態を破壊することとなり、ウエイトの円滑な移動の支障となるものであった。そこで、本願の出願人は、ルアー本体の内部にシャフトを配置し、このシャフトに沿ってウエイトを移動させる構造を開発した(特許文献3参照)。
【0005】
この技術の場合には、磁性体で構成されたウエイトを移動可能とし、このウエイトをマグネットで磁着することにより移動を停止させるものであるが、マグネットは、移動する領域の先端に設けられる構成であるため、ウエイトの移動を停止させる際、マグネットに衝突することとなり、多数回の使用により、衝撃によってマグネットが破損することがあり得た。マグネットの破損が一部であって、本来の位置に留まる場合には使用可能であるが、マグネットが所定位置に留まることができない程度に破損した場合には、ウエイトの移動を停止させることができない事態の発生が懸念されていた。
【0006】
本発明は、上記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、使用回数が多い場合であっても、ウエイトの移動によるマグネットの破損を回避し得るルアーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明は、内部に中空領域を有するルアー本体と、前記中空領域において尾部側から頭部側へ向かって直線的に設けられた規制領域と、前記規制領域に沿って移動自在な磁性体による移動型ウエイトと、前記規制領域の頭部側先端の近傍に配置され、前記移動型ウエイトが頭部側先端まで移動したとき、該移動型ウエイトの外側表面に対して非接触の状態で磁力を作用させるマグネットとを備えることを特徴とする。
【0008】
上記構成の発明によれば、マグネットは、移動型ウエイトに対して非接触の状態で磁力を作用させる構成であり、移動型ウエイトは規制領域に沿って移動するため、マグネットが移動型ウエイトとの接触によって破損することを回避し得る。また、移動型ウエイトが規制領域に沿って移動し、マグネットから適当に離れる位置にある場合には、当該マグネットの磁力の作用を受けることはないが、極めて近接する位置まで移動する場合には、その磁力の作用により移動を停止させることができる。なお、規制領域は、直線状のシャフトによって形成することができるほか、移動空間を設けることによって形成してもよい。移動空間を形成する場合には、全体をチューブ状に構成するものではなく、例えば、横断面において3箇所以上が摺接するレール状の部材によって構成することが好ましい。
【0009】
また、本発明は、内部に中空領域を有するルアー本体と、前記中空領域において尾部側から頭部側へ向かって軸線を配置してなる直線状の非磁性体によるシャフトと、前記シャフトに貫挿されて該シャフトに沿って移動自在な磁性体による移動型ウエイトと、前記中空領域の頭部側および尾部側に前記移動型ウエイトの移動範囲を制限するストッパ部材と、前記シャフトの頭部側のストッパ部材近傍に配置され、前記移動型ウエイトに非接触の状態で磁力を作用させるマグネットとを備え、前記移動型ウエイトは、軸線方向に所定の長さで構成された棒状の本体部と、軸線と平行に貫設された挿通孔とを備え、該挿通孔によって前記シャフトに貫挿されるものであり、前記マグネットは、前記移動型ウエイトの側部との間に所定の間隙を有して対向する対向面を備え、かつ該対向面は、前記移動型ウエイトの軸線方向の長さ寸法と同一またはそれ以下の長さの対向領域を有して構成されるとともに、前記移動型ウエイトが頭部側の前記ストッパ部材まで移動したとき、該対向面の中心が該移動型ウエイトの軸線方向中央の位置またはそれよりも頭部側へ偏った位置となるように配置されるものであることを特徴とする。
【0010】
上記構成の発明によれば、移動型ウエイトは、棒状の本体部によって構成され、その軸線方向に平行に貫設された挿通孔がシャフトに貫挿されることにより、当該シャフトに沿って移動自在に設けられることから、移動型ウエイトの軸線は、シャフトの軸線と平行となり、移動型ウエイトがマグネットの対向面に近接するとき、その側部がマグネットの磁力によって引っ張られて移動を停止することとなる。ここで、マグネットの対向面が、移動型ウエイトの軸線方向の長さ寸法と同一またはそれ以下に構成されることにより、特に、対向面を移動型ウエイトよりも極端に小さく構成することにより、マグネット(対向面)は、移動型ウエイトの軸線方向中央において磁着するように(偏りのない安定した磁力を作用させた状態となるように)、両者の相対的な位置関係を調整しようとする。このとき、本発明は、マグネットの対向面の中心の位置が、頭部側まで移動した移動型ウエイトの軸線方向中央の位置またはそれよりも頭部側へ偏った位置となるように設置されていることから、移動型ウエイトは、その軸線方向中央をマグネットの当接面の中心に最も接近する位置において安定することとなるから、マグネットの位置を頭部側へ誘導することができる。これは、マグネットの対向面の中央位置が頭部方向へ偏っている場合に顕著となる。従って、移動型ウエイトがストッパ部材まで移動した状態(ウエイトの先端面がストッパ部材に当接した状態)で安定させることができる。
【0011】
上記構成の発明において、前記移動型ウエイトの本体部は、円柱形状に構成され、前記対向面は、円形または円環状に構成されており、前記円柱形状の母線のうち対向面に最も接近する母線、前記対向面の円形または円環状の中心線、およびシャフトの軸線が、同一の仮想平面上に配置されているように構成してもよい。
【0012】
上記構成の場合には、円柱形状の移動型ウエイトの本体部と、円形または円環状のマグネットの対向面とが近接する位置において、本体部の母線と対向面の中心線とが、最も長い距離で相互に接近し得ることとなり、また、移動型ウエイトの挿通孔はシャフトが貫挿されているため、シャフトによる反力を最大限に作用させることができる。すなわち、移動型ウエイトに対する移動を停止させるには、マグネットによるウエイトに対する吸引力と、シャフトによる反力とによるものであるから、これらの力が最大限に作用することにより、移動型マグネットは移動が停止された状態で安定することとなる。
【0013】
なお、上記構成の発明の場合、移動型ウエイトの挿通孔は、円柱形状の本体部の中心線上に設けられることが好ましく、本体部の側部と対向面との間隙は均一であることが好ましい。挿通孔が円柱形状の中心線上に設けられることにより、円柱形状の移動型ウエイトがシャフトを中心に回転したとしても、上記のような関係は継続することとなり、本体部の側部と対向面との間隙は均一であることにより、マグネットの磁力が移動型ウエイトに対して、異なる状態で作用することがない。
【0014】
また、前記対向面は、磁極となる部分によって構成されることが好ましく、磁性体による高比重の移動型ウエイトとするために、タングステンと鉄との混合物によって構成することが好ましい。
【0015】
さらに、上記各構成の発明において、前記中空領域内を移動しない固定型ウエイトをさらに備え、前記規制領域または前記シャフトは、前記ルアー本体の頭部近傍から尾部近傍に至る範囲に設けられ、前記移動型ウエイトを前記ルアー本体の長手方向中央よりも頭部側に移動可能とするものであり、該移動型ウエイトが前記規制領域または前記シャフトの頭部側先端まで移動するとき、該移動型ウエイトと前記固定型ウエイトの双方の重量によりルアー本体全体の重心位置を中央よりも頭部側に配置させるものとすることができる。
【0016】
上記構成によれば、ルアー本体の内部には、固定型ウエイトと移動型ウエイトとが存在することとなり、両者の重量バランスによりルアー全体の重心位置を調整することができることとなる。移動型ウエイトをルアー本体の内部で移動させる理由は、前述のとおり、キャスティング時の飛行姿勢の安定と、リーリング時の重心位置の調整のためである。そこで、固定型ウエイトの存在により、ルアー本体の全体の重心位置を極端に変化させるのではなく、例えば、ルアー本体の頭部寄りか、尾部寄りかを区別させるような変更を可能とする。ルアー本体の重心を尾部寄りとする場合には、キャスティング時の姿勢を安定させることとなり、頭部寄りとする場合にはリーリング時の姿勢を調整することができる。
【0017】
上記構成の発明においては、前記固定型ウエイトは、少なくともルアー本体の長手方向中央よりも尾部側に設けられるものとしてよい。固定型ウエイトは、1個に限らず複数設けてもよく、そのうちの少なくとも1個が中央よりも尾部側とし、当該固定型ウエイトによる全体の重心を尾部寄りとすることが好ましい。これは、移動型ウエイトの移動により頭部寄りの重量バランスに変化させることが可能となるからである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、磁性体によって構成されるウエイトと、これを磁着するためのマグネットは非接触の状態が維持されることから、衝突による破損の懸念は解消し、従って、多数回の使用に耐え得ることとなる。また、固定型ウエイトを備える構成の場合には、仮に移動型ウエイトが機能しなくなった場合であっても、固定型ウエイトによる重量バランス、少なくとも上下方向のバランスは維持されることとなり、継続した使用は可能となる。
【0019】
さらに、マグネットの大きさを移動型ウエイトよりも小さく構成し、マグネットの中心位置を、移動型ウエイトが頭部側で停止するときの中央よりも頭部側とすることにより、移動型ウエイトは頭部型へ移動するように誘導されることとなることから、水中におけるルアーの振動(リーリング時の揺れ)等による移動型ウエイトの移動を抑え、ストッパ部材と移動型ウエイトとが、離間と当接を繰り返すことによって生じる衝突音の発生を防ぐこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】実施形態の移動型ウエイトとマグネットとの関係を示す説明図である。
【
図3】実施形態の移動型ウエイトの移動状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態>
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るルアーの全体を示す図である。
図1(a)および(b)はいずれも中心線に沿った縦断面であり、両者は移動型ウエイトの位置が異なること以外は同じ状態を示している。この図に示されているように、本実施形態のルアー1は、ルアー本体2と、その内部に形成される中空領域20において頭部21から尾部22に向かう方向に延出するシャフト3と、このシャフト3に貫挿される移動型ウエイト4と、この移動型ウエイト4に非接触の状態で磁力を作用させることができるマグネット5とを備えるものである。
【0022】
実施形態において例示するルアー1は、リップルアーであり、ルアー本体2には、複数のアイレット11,12,13が装着されるものであり、頭部21の側に設けられるアイレット11はラインアイとして使用され、尾部22の側および中央23の位置に設けられるアイレット12,13はフックアイとして、それぞれフック14,15が装着されるものである。
【0023】
また、ルアー本体2は、一般的には射出成形されたプラスチック材料が使用され、左右対称に形成された1/2部分を個別に作製し、これを中央において接着することにより、一体的なルアー本体2の形状となる。従って、図示において、ルアー本体2の断面を表すハッチング部分は、ルアー本体2の全体における切断部端面であるが、左右対称に形成される1/2部分にあっては、接合すべき表面となる。従って、中空領域20は、成型時においてキャビティ(凹状部)が構成されている部分が利用され、接合によって内部に空間として形成されるものである。また、内部に設置される各要素は、上記キャビティに設置した後、接合により位置決めされるものである。
【0024】
シャフト3は、直線状の棒状部材(線材)によって構成され、その両端は、ルアー本体2の中空領域20に形成される支持部6,7によって支持されている。この支持部6,7は、シャフト3の両端を包囲する末端支持部61,71と、この末端支持部61,71よりもシャフト3の中央寄りに設けられる壁部62,72とを備えている。末端支持部61,71が、シャフト3の両端を包囲することにより、前後方向(頭部21から尾部22への方向)および当該前後方向に直交する方向への移動を制限している。また、壁部62,72は、適宜な面積で設けられており、移動型ウエイト4の当接を受けるものである。すなわち、移動型ウエイトの前側(ルアー本体の頭部側)の端面41は一方の壁部62に当接し、他方の端面(後側の端面)42は、他方の壁部72に当接して、その移動が制限されることとなるのである。従って、当該移動型ウエイト4が移動範囲を確定させるストッパ部材として機能させている。
【0025】
なお、シャフト3は、非磁性体によることが好ましい。これは、後述のように、シャフト3が貫挿される移動型ウエイト4は磁性体で構成され、これがマグネット5の磁力の作用を受けることとなるため、当該磁性体が磁化した場合、シャフト3と移動型ウエイト4とが接触部分において磁着する可能性があるからである。非磁性体としてはステンレス鋼などを使用することができる。非磁性体であることが好ましいが、強い磁性を示さないものであれば、僅かな磁性を示す程度の磁性体であっても使用することは可能である。その意味で、非磁性体とは、強磁性体でないものを意味する。
【0026】
また、シャフト3は、後述のように移動型ウエイト4の移動方向および移動範囲を規制するものであるため、所定範囲において直線的に設けられるものである。この意味において、シャフト3が設けられている範囲が規制領域となる。そこで、このシャフト3に代えて、他の方法により規制領域を形成する場合には、直線状のレール状部材を3本以上配置し、そのレール状部材の先端に3箇所以上において移動型ウエイトが摺接する構成としてもよい。
【0027】
移動型ウエイト4は、適当な長さの棒状に設けられており、その中心線上に挿通孔を有し、この挿通孔にシャフト3が貫挿(遊嵌)されることで、当該シャフトに沿って移動可能としている。シャフト3の貫挿の状態は、僅かな遊びを有する遊嵌状態であるが、極端な遊びを生じさせないように、シャフト3の外径に対し、挿通孔の内径を僅かに大きく穿設したものとなっている。
【0028】
また、移動型ウエイト4は、後述するようにマグネット5の磁力の作用により、シャフト3に沿った移動が制限されるものである。磁力の効果を得るために、移動型ウエイト4は磁性体によって構成されている。このとき、この移動型ウエイト4が、錘として機能するためには、適度な重量、特に高比重なものとして小体積で大重量を得ることが好ましい。そこで、本実施形態では、タングステンと鉄とを混合したものを使用している。タングステンは磁性体でないことから、鉄を混合することにより全体として磁性体としているのである。タングステンと鉄との混合物は、例えば粉末冶金法による製造が可能である。タングステンに限らず他の高比重の金属と、磁性体である他の金属(鉄でなくてもよい)を混合したものを使用してもよい。粉末冶金法による混合物を製造する場合には、移動型ウエイト4の表面にも鉄の成分が広範囲に存在するため、鉄の混合割合が少なくても磁性体として作用させることができる。
【0029】
マグネット5は、頭部21の側に設けられている支持部6の近傍、すなわち、頭部側ストッパ部材(壁部)62の近傍であって、かつ移動型ウエイト4が移動できる範囲内に設けられている。また、移動型ウエイト4がマグネット5に接近した状態においても移動型ウエイト4がマグネット5に接触しない程度の間隙Hを有して配置されている。さらに、詳細は後述するが、マグネット5は、シャフト3の頭部21の側の先端を支持する支持部6に一体に設けられるマグネット保持部63によって保持され、かつ、マグネット5の一部(対向面)51が、移動型ウエイト4に対向する状態で配置されている。
【0030】
なお、マグネット5は、図において、移動型ウエイト4の上方(背部側)に設置したものを例示しているが、移動型ウエイト4の周辺において非接触の状態であれば、下方(腹部側)であってもよく、側方であってもよい。ただし、側方に設ける場合は、左右両側に各1個のマグネットを同様に(対象に)設けるなど、左右の重量バランスを整える必要があり得る。また、マグネット5は、非接触状態において移動型ウエイト4に磁力を作用させるものであるから、磁力の大きい種類が好ましい。例えばネオジム磁石などを使用することができる。
【0031】
ここで、本実施形態に使用されるマグネット5について詳述するとともに、移動型ウエイト4との関係について説明する。
図2は、移動型ウエイト4とマグネット5との関係を示すものである。なお、
図2(a)は両者の斜視による状態を示し、
図2(b)はIIB-IIB線による断面、
図2(c)はIIC-IIC線による断面を示す。
図2(a)に示すように、移動型ウエイト4は、全体として円柱状としている。これに対し、マグネット5は、断面形状を円形とする全体として円板状としている。この円板状としたマグネット5は、上下の両面51,52ともに円形表面であるとともに、下面51が移動型ウエイト4に対向するように配置しており、この下面51が対向面51となるものである。
【0032】
本実施形態では、円柱状とした移動型ウエイト4の最上位に形成される母線40と、円板状としたマグネット5の中心線50とを平行にしており、本実施形態の例示では、マグネット5の中心線50は、移動型ウエイト4の当該母線40の直上に位置させている。この母線40は、シャフト3の軸線30と平行であるから、シャフト3の軸線を含め全て平行になっている。そこで、上記のマグネット5の配置の状態を換言すれば、シャフト3の軸線30、移動型ウエイト4の最上位の母線40およびマグネット5の中心線50は、同一の仮想平面上(特に図中において垂直平面上)に配置された状態となっている。
【0033】
この状態をIIB-IIB線による断面では、
図2(b)のように、鉛直な中心線を境界に左右が対称な状態となっている。この図から明らかなとおり、円柱状とした移動型ウエイト4の最上位(円形断面の上端)と、マグネット5の対向面51の中央(中心点)との間が最も近接する状態となっている。そして、対向面51(および上面52)をN極またはS極のいずれかの磁極とすることにより、強力な磁気を生じさせることができる。その結果として、移動型ウエイト4は、マグネット5に接触していない状態においても、その磁力の影響を強く受けることとなり、特に最も近接する位置において磁着力が強く作用し、移動型ウエイト4の移動を制限させることができる。
【0034】
また、
図2(c)に示しているように、移動型ウエイト4が自重により下降せず、また磁力によって上昇しない状態を仮定すれば、IIC-IIC線による断面において、シャフト3の軸線30と移動型ウエイト4の軸線は同じとなり、その最上位の母線(図中の切断部端面における上端縁)40は、シャフト3の軸線30の直上に位置し、マグネット5の中心線(図中の切断部端面)50も直上に位置することとなる。この状態で、移動型ウエイト4の最上位の母線40とマグネット5の対向面51との間に形成される間隙Hは、マグネット5の径方向に同じ間隙Hとなることから、対向面51が移動型ウエイト4に対向する範囲の全体が同様に磁着力を作用させることとなる。
【0035】
上記のように、移動型ウエイト4およびマグネット5は左右対称に設けることから、
図2(d)に示すように、ルアー本体2の内部においても左右対称な状態では位置され得る。ルアー本体2が1/2部分2a,2bを貼り合わせて構成されることから、この貼り合わせ位置を中心として、シャフト3およびマグネット5を配置(固定)すれば、左右対称なルアー本体2を作製するとともに、内部においても左右対称な構成とすることができる。
【0036】
このとき、
図2(d)において示しているように、円板状としたマグネット5は、中央においてのみ移動型ウエイト4との間隙を最小とするため、左右方向両端部近傍の磁力の作用は小さいことから、当該左右両端縁をルアー本体2の1/2部分とともに両側から保持部63(63a,63b)によって保持させることで、マグネット5を上方において保持し、かつ磁着力が作用するときに、当該マグネット5が移動型ウエイト4に向かって移動しないように維持させている。
【0037】
なお、マグネット5を配置すべき位置は、シャフト3および移動型ウエイト4の直上としたが、左右対称に配置する場合には、直下に位置させてもよい。この場合、対向面51は上向きに配置されることとなる。また、移動型ウエイト4とマグネット5との関係のみに着目すれば、左右方向のいずれか一方に配置してもよく、このとき左右対称とするためには左右両側に対称な位置にそれぞれ各1個配置してもよい。
【0038】
次に、シャフト3の軸線方向(ルアー本体の長手方向)におけるマグネット5の配置状態について説明する。ここでは、
図2に例示したような各要素によることとし、マグネット5は移動型ウエイト4の直上に配置する場合を例示することとする。
図3(a)に示すように、円板状としたマグネット5の対向面51を磁極(例えばN極)とする場合、マグネット5による磁界は、円板状の周辺において均等にループ状に作用する。
【0039】
この磁界(磁着力)が作用する領域に磁性体である移動型ウエイト4が移動すると、磁着力の作用により、移動型ウエイト4が吸着されることとなる。このとき、移動型ウエイト4の一部のみが吸着された状態となって移動を制限するものではなく、当該吸着力により、さらに強力に吸着される。これは、より強く磁界が発生している位置へ誘導されるためであるとともに、磁界のバランスが均等な状態となるように作用するためである。その結果として、
図3(b)に示すように、移動型ウエイト4の長手方向中心線Yは、マグネット5の中心線に一致する状態となる。そして、この状態で磁界のバランスが均等となり、磁着力が安定的に作用することとなる。
【0040】
なお、このような磁界のバランスの均衡・不均衡の状態は、移動型ウエイト4の母線(図中の切断部端面における上端縁)の長さすなわち軸線方向の長さ寸法と、対向面51の直径(長手方向中央の直径方向が対向領域となる)の長さ寸法とが同一であってもよいが、双方の寸法が大きく相違することにおいて顕著に出現することとなる。従って、本実施形態においては、対向面51の対向領域(直径)の寸法は、移動型ウエイト4の母線の長さ寸法の1/2としている。
【0041】
このように、少なくとも、上記のような安定した状態において移動型ウエイト4を停止させるために、上記のように移動型ウエイト4が停止する状態において前側(ルアー本体の頭部側)の端面41が当接し得るように頭部側ストッパ部材(壁部)62を設けることとなる。この状態を
図3(c)に示す。この位置に頭部側ストッパ部材62を設ける理由は、第1に、移動型ウエイト4の停止位置を特定の位置に停止させることにより、ルアー全体の重量バランスを画一的にすることであり、第2に、使用中のルアーの振動等によって移動型ウエイト4が微細に揺れることにより、移動型ウエイト4とストッパ部材62とが衝突することを防ぐためである。
【0042】
上記のように、移動型ウエイト4とストッパ部材62とが衝突することを防ぐことを目的とする場合には、
図3(d)に示すように、移動型ウエイト4の長手方向中心線Y1が、マグネット5の中心線Y2に到達する直前において、当該移動型ウエイト4の移動を停止させるような位置に頭部側ストッパ部材62を設けることが好ましい。これは、前述のように、マグネット5による磁界のバランスを均等に作用させるために、移動型ウエイト4に対し前方(頭部側方向)へ移動させるような磁力が作用するためであり、この磁力の作用により、移動型ウエイト4を頭部側ストッパ部材62に押し付ける状態とすることができるのである。このような押し付け力が作用することにより、ルアーの使用に際し、ルアーが振動等する場合であっても、移動型ウエイト4が容易に頭部側ストッパ部材62から離れることがなく、衝突の発生を極めて僅少なものとすることができる。
【0043】
上述のように、マグネット5の磁力によって移動型ウエイト4を頭部側ストッパ部材62に押圧させるためには、両者の中心線Y1,Y2を偏らせて配置すればよく、前述のように、マグネット5の直径の寸法が移動型ウエイト4の母線の長さ寸法の1/2とする場合、母線の1/4だけ偏った位置に配置することで、マグネット5の頭部側の側面は頭部側ストッパ部材62の表面に一致させて設けることができる。
【0044】
<作動態様>
次に、本実施形態の作動態様について説明する。
図4は、移動型ウエイト4が移動する状態を示すものである。なお、
図4の(a)は移動型ウエイト4が尾部側に位置する状態を示しており、(c)は頭部側に位置する状態、(b)はその中間に位置する状態を、それぞれ示すものである。また、
図4による例示では、シャフト3に対して移動型ウエイト4の挿通孔43を遊嵌させた状態を示しており、このときの両者の間隙の状態が図面上理解しやすいように誇張して示している。
【0045】
図4(a)および(b)に示すように、移動型ウエイト4がマグネット5によって停止されていない状態では、移動型ウエイト4は、シャフト3に沿って移動自在である。シャフト3は直線状であり、円柱状とする移動型ウエイト4の挿通孔43は中心線上に直線的に設けられることから、直線状のシャフト3に沿った移動を自在にしている。しかも、軸回りに対する回転は自在な状態であるが、他の自由度は制限された状態となっている。
【0046】
ところで、シャフト3に対し移動型ウエイト4の挿通孔43は遊嵌された状態であるため、図のように、シャフト3の軸線を横向き(水平)にした場合、移動型ウエイト4は自重によって僅かながら下降して垂下した状態となり、シャフト3の上部表面に移動型ウエイト4の挿通孔の上側部分が摺接し、両者が摺動しつつ移動することとなる。このときの摺接部分は極めて微小であるため、抵抗(摩擦抵抗)の影響を大きく受けることなく、円滑に移動し得ることとなる。また、挿通孔43は、移動型ウエイト4の中心線上に設けられることから、下降する(垂下する)向きが特定されるものではない。敢えて、中心線から逸脱させることによって垂下の状態を一定な向きにすることもできるが、軸回りに回転した際のマグネット5との間隙が不均一となる場合がある。従って、移動型ウエイト4を円柱状とする場合は、挿通孔43を中心線上に設けることが好ましい。
【0047】
このように、マグネット5の磁力が作用しない範囲においては、移動型ウエイト4は、シャフト3の軸線に沿って移動可能であり、その移動が頭部側先端に到達するとき、マグネット5の磁力により吸着されることとなる。
図4(c)に示すように、マグネット5による磁力が作用すると、移動型ウエイト4は、前述のように、その長手方向の中心をマグネット5の中央に達するまで吸引されることとなることから、頭部側ストッパ部材62に近接して設けられるマグネット5によって、移動型ウエイト4は、その前側の端面41を当該頭部側ストッパ部材62に当接する状態まで吸引させられることとなる。
【0048】
このとき、磁力による吸引によって、移動型ウエイト4は、シャフト3と挿通孔43との遊びの範囲で僅かではあるが上昇し、マグネット5との間隙は一層接近した状態となる。この接近により、マグネット5の磁力はさらに強力に作用するから、移動型ウエイト4の移動は大きく制限されることとなる。
【0049】
なお、移動型ウエイト4は、マグネット5と接触していない(非接触)の状態であるため、磁力が大きく作用した状態であっても両者は衝突せず、従って、マグネット5の破損を招来させることがない。また、接触して磁着した状態と比較すると分離させる(離間させる)ことは容易となる。従って、単純に尾部側を下向きにシャフト3を鉛直方向とした程度では、容易に移動型ウエイト4は尾部側へ移動しないものではあるが、そのようなシャフト3の鉛直状態において軽い衝撃を加えることにより、移動型ウエイト4は自重によって尾部側へ落下させることが可能となる。
【0050】
<使用態様>
実際にルアー1を使用する場合には、
図5に示すように、例えばアイレット11に連結されたライン16によって吊下させることにより、ルアー本体2の内部のシャフト3は、尾部22の側の下向きとする略鉛直方向となる。そこで、軽くルアー本体2に衝撃を与えるか、または、キャスティングの動作によって遠心力を与えることにより、移動型ウエイト4は、尾部22の側に自重または遠心力によって移動することとなる(
図5(a)参照)。
【0051】
そして、キャスティングによって着水したルアー1をリーリングすることにより、ルアー1は、水中において姿勢が安定させ、またリップ17の作用などにより頭部21を尾部22よりも下位となる体勢となる。このような頭部21が下位となる姿勢により、ルアー本体2の内部のシャフト3は当該姿勢に応じて傾斜し、その傾斜に沿って移動型ウエイト4は自重により頭部21の側へ移動することとなる。そして、マグネット5の磁力が作用する領域まで到達すると、マグネット5によって吸引され、頭部側ストッパ部材62に到達(当接)した状態で停止することとなる(
図5(b)参照)。この停止された状態において、移動型ウエイト4の位置は安定し、ルアー本体2の全体的な重量バランスが想定された状態となり、ルアーを小魚のように泳がせて対象魚を誘う動作を生じさせることができる。
【0052】
<変形例>
本発明の実施形態は上記のとおりであるが、上記実施形態の変形例について説明する。変形例としては、
図6に示すように、ルアー本体2の内部に固定型ウエイト8,9を設置するような態様である。
図6(a)は、ルアー本体2の腹部に第1の固定型ウエイト8を設ける構成である。腹部に固定型ウエイト8を設置することにより、腹部は背部よりも重くなるため、水中におけるルアー1の姿勢は、腹部が下位となり、背部が上位となることを容易にする。また、全体的な重量バランスとして、ルアー本体2のほぼ中央に固定型ウエイト8が存在するため、移動型ウエイト4が固定型ウエイト8よりも頭部21の側へ移動することにより、頭部寄りの重心となりやすい。さらには、リーリングによってリップ17が受ける抵抗は、固定型ウエイト8を中心として頭部の下向きへ誘導するため、シャフト3の傾斜を迅速に行わせることができる。
【0053】
また、他の変形例として、
図6(b)に示すように、頭部21の近傍に第2の固定型ウエイト9を追加的に設けるものがある。これは、腹部に設けられた第1の固定型ウエイト8との重量バランスの関係で、頭部21の重量を大きくする場合の態様である。予め頭部21の近傍に固定型ウエイト9が存在することにより、重量バランスを前寄り(頭部寄り)にすることで、着水時におけるシャフト3を迅速に傾斜させ、移動型ウエイト4の移動を容易にすることができる。
【0054】
なお、固定型ウエイト8,9の設置・非設置または位置もしくは数は、個々のルアー1の種類に応じて変化させればよい。例えば、リップレスのプラグの場合は、水中におけるルアー1が、前後方向(長手方向)中央を軸として、その前方(頭部側)と後方(尾部側)を左右に振動させるように動作させることから、腹部に固定型ウエイト8を設け、移動型ウエイト4の停止位置も中央寄りとすることを選択し得る。他方、リップルアーの場合には、リップの大きさ(リーリング時の水の抵抗)に応じて、頭部21の深化や振動を招来させる程度が異なるため、頭部21の近傍または尾部22の近傍に固定型ウエイト9を設けて調整することができる。
【0055】
本発明の実施形態および変形例は上記のとおりであるが、本発明がこれらの実施形態等に限定される趣旨ではない。すなわち、上述の実施形態および変形例に示した要素を変更し、または他の要素を追加することは可能である。
【0056】
例えば、上記実施形態および変形例は、シャフト3によって規制領域を形成したが、他の構成によって規制領域を形成してもよい。既に説明しているが、例えば、レール状部材によって移動型ウエイト4の円形断面を3箇所以上で摺接させることで規制領域を形成してもよい。そして、規制領域をレール状部材で構成する場合には、移動型ウエイト4は円柱状に限らず球状に構成することも可能となる。さらに、シャフト3を使用する場合であっても、移動型ウエイト4は円柱状でなくてもよい。球状の錘に対し中心を通過する挿通孔を形成してもよい。また、球状でなくとも一軸の中心軸による回転体形状のものであれば円柱状や球状と同様に使用し得る。
【0057】
また、マグネット5の形状は、円板状としたものを例示したが、マグネット5は、非接触の状態で移動型ウエイト4に磁力を作用させることができるものであれば、その形状を問うものではない。特に、上記実施形態では図中において比較的薄肉に示しているが、これは、他の錘や移動型ウエイト4などによる重量バランスを考慮すると、当該マグネット5が大重量とならないためである。設置すべき位置において所定の重量が必要な場合は、厚肉のマグネット5として重量バランスを調整してもよい。
【0058】
なお、移動型ウエイト4は、極端な場合、重量物を塊状としたものであれば使用可能である。そして、シャフト3の軸回りに回転することによりマグネット5との間隙が変化する場合は、二本の平行なシャフトを使用することも可能である。この場合の2本のシャフトが設けられる領域が規制領域となり得るものである。
【符号の説明】
【0059】
1 ルアー
2 ルアー本体
3 シャフト
4 移動型ウエイト
5 マグネット
6,7 支持部
8 第1の固定型ウエイト
9 第2の固定型ウエイト
11,12,13 アイレット
14,15 フック
16 ライン
17 リップ
21 ルアー本体の頭部
22 ルアー本体の尾部
23 ルアー本体の中央
30 シャフトの軸線
40 移動型ウエイトの最上位の母線
41 移動型ウエイトの前側の端面
42 移動型ウエイトの後側の端面
43 挿通孔
50 マグネットの中心線
51 マグネットの対向面
61,71 末端支持部
62,72 壁部(ストッパ部材)
63 マグネット保持部