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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】基板、基板製造方法及び基板接続方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/11 20060101AFI20230920BHJP
【FI】
H05K1/11 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022018671
(22)【出願日】2022-02-09
(65)【公開番号】P2023116090
(43)【公開日】2023-08-22
【審査請求日】2022-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】保坂 悟
【審査官】齊藤 健一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第3264596(US,A)
【文献】特開2019-134120(JP,A)
【文献】特開2013-4939(JP,A)
【文献】特開2002-111346(JP,A)
【文献】実開昭49-103546(JP,U)
【文献】実開平5-48272(JP,U)
【文献】特開2015-198064(JP,A)
【文献】米国特許第3897126(US,A)
【文献】仏国特許出願公開第2348622(FR,A1)
【文献】米国特許第6227867(US,B1)
【文献】米国特許第7101188(US,B1)
【文献】実開昭52-2253(JP,U)
【文献】実公昭50-3164(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/00―3/46
H01R 12/00―12/91
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プリント配線板と、
前記第1プリント配線板に電気的に接続された第2プリント配線板と、
一端が前記第1プリント配線板に接続されると共に他端が前記第2プリント配線板に接続されることで前記第1プリント配線板と前記第2プリント配線板とを電気的に接続する複数のリードピンと、
を備え、
前記第2プリント配線板は、前記第1プリント配線板よりも板厚寸法が小さくかつコネクタに挿入可能なエッジコネクタ部を有し、
前記第1プリント配線板及び前記第2プリント配線板の一方に前記リードピンが挿入されるビアが設けられ、前記第1プリント配線板及び前記第2プリント配線板の他方に前記リードピンが接合されるパッドが設けられており、
さらに、前記リードピンと前記パッドとを接着する絶縁性の接着層を備え、
前記接着層は、前記リードピンを前記第1プリント配線板及び前記第2プリント配線板に対して接着し、かつ、前記第1プリント配線板と前記第2プリント配線板とを接着する、
基板。
【請求項2】
前記第2プリント配線板の全体が、前記第1プリント配線板よりも板厚寸法が小さい請求項記載の基板。
【請求項3】
第1プリント配線板を作製し、
前記第1プリント配線板よりも板厚寸法が小さいエッジコネクタ部を有する第2プリント配線板を作製し、
前記第1プリント配線板と前記第2プリント配線板とを電気的に接続し、
一端が前記第1プリント配線板に接続されると共に他端が前記第2プリント配線板に接続される複数のリードピンを用いて前記第1プリント配線板と前記第2プリント配線板とを電気的に接続し、
前記第1プリント配線板及び前記第2プリント配線板の一方に前記リードピンが挿入されるビアを設け、前記第1プリント配線板及び前記第2プリント配線板の他方に前記リードピンが接合されるパッドを設け、
前記リードピンと前記パッドとを接着する絶縁性の接着層を用いて、前記リードピンを前記第1プリント配線板及び前記第2プリント配線板に対して接着し、かつ、前記第1プリント配線板と前記第2プリント配線板とを接着する、
基板製造方法。
【請求項4】
第1プリント配線板よりも板厚寸法が小さいエッジコネクタ部を有する第2プリント配線板を介して、前記第1プリント配線板をコネクタに電気的に接続し、
一端が前記第1プリント配線板に接続されると共に他端が前記第2プリント配線板に接続される複数のリードピンを用いて前記第1プリント配線板と前記第2プリント配線板とが電気的に接続され、
前記第1プリント配線板及び前記第2プリント配線板の一方に前記リードピンが挿入されるビアが設けられ、前記第1プリント配線板及び前記第2プリント配線板の他方に前記リードピンが接合されるパッドが設けられており、
前記リードピンと前記パッドとを接着する絶縁性の接着層を用いて、前記リードピンが前記第1プリント配線板及び前記第2プリント配線板に対して接着され、かつ、前記第1プリント配線板と前記第2プリント配線板とが接着されている、
基板接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板、基板製造方法及び基板接続方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、PCIe(Peripheral Component Interconnect Express)カード等の基板は、サーバーのマザーボード等に設置されるコネクタに挿入して使用する。例えば特許文献1に開示されているように、基板の縁部に対してにコネクタに接続するためのエッジコネクタ部が設けられる。このエッジコネクタ部がコネクタに差し込まれることで、基板がコネクタと電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭61-102071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、エッジコネクタ部は、コネクタの規格に合わせた外形である必要がある。このため、エッジコネクタ部の板厚寸法も規格により定められている。このようなエッジコネクタ部は、基板の一部である縁部に形成されている。このため、基板の全体の板厚寸法は、一般的にエッジコネクタ部の板厚寸法に合わせられる。しかしながら、PCIeカード等の大電流かつ多層配線が必要となるような基板では、全体の板厚寸法をエッジコネクタ部に合わせることが困難となる場合がある。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、エッジコネクタ部の板厚寸法を規格に合わせることが可能でかつエッジコネクタ部を含まない部位の板厚寸法を大きくすることが可能な基板、基板製造方法及び基板接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、上記課題を解決するための手段として、基板であって、第1プリント配線板と、上記第1プリント配線板に電気的に接続された第2プリント配線板と、を備え、上記第2プリント配線板が、上記第1プリント配線板よりも板厚寸法が小さくかつコネクタに挿入可能なエッジコネクタ部を有するという構成を採用する。
【0007】
本発明の第2の態様は、上記課題を解決するための手段として、基板製造方法であって、第1プリント配線板を作製し、上記第1プリント配線板よりも板厚寸法が小さいエッジコネクタ部を有する第2プリント配線板を作製し、上記第1プリント配線板と上記第2プリント配線板とを電気的に接続するという構成を採用する。
【0008】
本発明の第3の態様は、上記課題を解決するための手段として、基板接続方法であって、第1プリント配線板よりも板厚寸法が小さいエッジコネクタ部を有する第2プリント配線板を介して、上記第1プリント配線板をコネクタに電気的に接続するという構成を採用する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、エッジコネクタ部の板厚寸法を規格に合わせることが可能でかつエッジコネクタ部を含まない部位の板厚寸法を大きくすることが可能な基板、基板製造方法及び基板接続方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態における基板の概略構成を示す断面図である。
図2】本発明の第1実施形態における基板が備える第1プリント配線板の模式的な平面図である。
図3】本発明の第1実施形態における基板が備える第2プリント配線板の模式的な平面図である。
図4】本発明の第1実施形態における基板の製造方法を説明するための模式図である。
図5】本発明の第1実施形態における基板の製造方法を説明するための模式図である。
図6】本発明の第1実施形態における基板の製造方法を説明するための模式図である。
図7】本発明の第1実施形態における基板の製造方法を説明するための模式図である。
図8】本発明の第1実施形態における基板の製造方法を説明するための模式図である。
図9】本発明の第1実施形態における基板の製造方法を説明するための模式図である。
図10】本発明の第2実施形態における基板の概略構成を示す断面図である。
図11】本発明の第2実施形態における基板の製造方法を説明するための模式図である。
図12】本発明の第2実施形態における基板の製造方法を説明するための模式図である。
図13】本発明の第2実施形態における基板の製造方法を説明するための模式図である。
図14】本発明の第2実施形態における基板の製造方法を説明するための模式図である。
図15】本発明の第2実施形態における基板の製造方法を説明するための模式図である。
図16】本発明の第2実施形態における基板の製造方法を説明するための模式図である。
図17】本発明の第3実施形態における基板の概略構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明に係る基板、基板製造方法及び基板接続方法の一実施形態について説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の基板1の概略構成を示す断面図である。本実施形態の基板1は、例えば、PCIeカード等の電子部品が実装されたプリント基板である。PCIeカードは、サーバーのマザーボードに搭載されるコネクタに挿入して使用する基板である。図1に示すように、本実施形態の基板1は、第1プリント配線板2と、第2プリント配線板3と、複数のリードピン4と、接合部5と、接着層6とを備えている。
【0013】
第1プリント配線板2は、不図示の電子部品が実装されたプリント配線板である。この第1プリント配線板2は、第2プリント配線板3の板厚寸法D2よりも板厚寸法D1が大きい。例えば、第1プリント配線板2は、第2プリント配線板3よりも配線層が多層化されており、第2プリント配線板3よりも配線層に大電流が流される。
【0014】
第1プリント配線板2は、基板設計にて、エッジコネクタ部を有していない外形に設計される。例えば、基板1をPCIeカードとして用いる場合には、第1プリント配線板2には、マイクロコンピュータ等の論理部品やその論理部品を動作させるために必要な電源部品を実装するために必要となる銅箔パッド(不図示)が最適な位置に配置されている。また、第1プリント配線板2には、実装された部品間での通信に必要な信号の配線や、実装部品であるLSI(Large-Scale Integration)等への電力供給用の配線が設けられている。
【0015】
図2は、第1プリント配線板2の模式的な平面図である。図2に示すように、第1プリント配線板2には、第2プリント配線板3と接続するための接続パッド2aが複数設けられている。接続パッド2aは、第1プリント配線板2の第2プリント配線板3側の縁部に対して、直線状に配列されている。これらの接続パッド2aは、第1プリント配線板2の配線層の一部を用いて形成することができ、銅箔で形成されている。なお、図1及び図2においては、接続パッド2aを除いた配線層の部位は省略している。
【0016】
例えば、基板1をPCIeカードとして用いる場合には、第2プリント配線板3のエッジコネクタ部3bには電源、グランドあるいは信号用として用いられる複数の後述する電極パッド3cが設けられる(図3参照)。第1プリント配線板2の接続パッド2aは、例えば電極パッド3cと同数設けられている。第1プリント配線板2の複数の接続パッド2aは、第1プリント配線板2に実装される部品や配線のレイアウトを考慮した上で配置されている。
【0017】
図1に示すように、第1プリント配線板2の接続パッド2aは、板状の第1プリント配線板2の一方側の面(以下、第1面2bと称する)と、他方側の面(以下、第2面2cと称する)との両方に設けられている。ただし、接続パッド2aは、第1面2bと第2面2cとのいずれか一方にのみに設けられていてもよい。
【0018】
第2プリント配線板3は、第1プリント配線板2に電気的に接続されたプリント配線板である。図1に示すように、この第2プリント配線板3の板厚寸法D2は、第1プリント配線板2の板厚寸法D1よりも小さい。つまり、第2プリント配線板3は、全体が板厚寸法D2に形成されている。
【0019】
この第2プリント配線板3は、第1プリント配線板2側の縁部がリードピン4を介して、第1プリント配線板2と接続されている。図3は、第2プリント配線板3の模式的な平面図である。図3に示すように、第2プリント配線板3の第1プリント配線板2側の縁部には、複数のビア3aが設けられている。
【0020】
各々のビア3aは、板状の第2プリント配線板3の一方側の面(以下、第1面3dと称する)から他方側の面(以下、第2面3eと称する)に対して貫通して設けられている。
【0021】
複数のビア3aは、2列に分けて配列されている。各々の列においてビア3aは、直線状に配列されている。これらのビア3aの各々にリードピン4の端部が接続されている。例えば、ビア3aは、第1プリント配線板2の接続パッド2aと同数設けられている。1つのビア3aが、1本のリードピン4を介して、いずれか1つの接続パッド2aに対して接続されている。
【0022】
また、第2プリント配線板3の第1プリント配線板2と反対側の縁部には、エッジコネクタ部3bが設けられている。エッジコネクタ部3bは、第2プリント配線板3の一部である縁部に設けられている。エッジコネクタ部3bは、図1に示すように、外部のコネクタCに対して挿し込まれる。エッジコネクタ部3bがコネクタCに差し込まれることで、基板1がコネクタCと電気的に接続される。
【0023】
エッジコネクタ部3bには、コネクタCと接続するための電極パッド3cが複数設けられている。電極パッド3cは、エッジコネクタ部3bの直線状に配列されている。図1に示すように、エッジコネクタ部3bの電極パッド3cは、エッジコネクタ部3bの一方側の面(第1面3d)と、他方側の面(第2面3e)との両方に設けられている。ただし、電極パッド3cは、第1面3dと第2面3eとのいずれか一方にのみ設けられていてもよい。
【0024】
これらの電極パッド3cは、第2プリント配線板3の配線層の一部を用いて形成することができ、銅箔で形成されている。なお、図1及び図3においては、電極パッド3cを除いた配線層の部位は省略している。また、各々の電極パッド3cは、配線層を介して、ビア3aに電気的に接続されている。例えば、1つの電極パッド3cは、いずれか1つのビア3aに対して接続されている。
【0025】
例えば、基板1をPCIeカードとして用いる場合には、エッジコネクタ部3bは、PCIeの規格に基づいた形状に形成されている。また、エッジコネクタ部3bは、PCIeの規格に基づいて電極パッド3cが設けられている。このようなエッジコネクタ部3b(すなわち第2プリント配線板3)の板厚寸法D2は、PCIeの規格に基づく。一方で、第1プリント配線板2の板厚寸法D1は、エッジコネクタ部3bの板厚寸法D2よりも大きい。すなわち、第1プリント配線板2の形状は、PCIeの規格に基づくことなく形成することができる。
【0026】
なお、図1の模式図においては、第1プリント配線板2の接続パッド2aと、第2プリント配線板3の電極パッド3cとを視認が容易な厚さ寸法にて図示している。しかしながら、第1プリント配線板2の接続パッド2aの厚さ寸法は、第1プリント配線板2の全体の板厚寸法D1に対して無視できる程度に小さい。また、第2プリント配線板3の電極パッド3cの厚さ寸法は、第2プリント配線板3の全体の板厚寸法D2に対して無視できる程度に小さい。本実施形態においては、説明の便宜上、接続パッド2aを除いた第1プリント配線板2の厚さ寸法を板厚寸法D1とし、電極パッド3cを除いた第2プリント配線板3の厚さ寸法を板厚寸法D2として図示している。ただし、接続パッド2aを含む第1プリント配線板2の厚さ寸法を板厚寸法D1とし、電極パッド3cを含む第2プリント配線板3の厚さ寸法を板厚寸法D2としてもよい。
【0027】
各々のリードピン4は、第1プリント配線板2と、第2プリント配線板3とを電気的に接続する。各々のリードピン4は、一端が第1プリント配線板2に接続されると共に他端が第2プリント配線板3に接続されている。リードピン4の一端は、第1プリント配線板2の接続パッド2aにはんだ接合されている。また、リードピン4の他端は、第2プリント配線板3のビア3aに挿入されている。リードピン4の他端は、ビア3aにはんだ接合されてもよい。また、リードピン4の他端は、ビア3aに圧入されても良い。
【0028】
また、図1に示すように、基板1は、第1プリント配線板2の第1面2bと第2プリント配線板3の第1面3dとを接続するリードピン4と、第1プリント配線板2の第2面2cと第2プリント配線板3の第2面3eとを接続するリードピン4とを備えている。
【0029】
接合部5は、第1プリント配線板2の接続パッド2aとリードピン4とを接合する。接合部5は、接続パッド2aとリードピン4との接続箇所の各々に設けられている。各々の接合部5は、導電性の金属を用いて形成されており、例えばはんだを用いて形成されている。つまり、第1プリント配線板2の接続パッド2aとリードピン4とは、はんだ接合されており、電気的に接続されている。
【0030】
接着層6は、リードピン4と第1プリント配線板2の接続パッド2aとを接着する。この接着層6は、例えば、絶縁性の樹脂材料を用いて形成される。接着層6は、接合部5をモールドする。この接着層6が設けられることで、リードピン4と接続パッド2aとの接合強度が増加する。
【0031】
また、図1に示すように、接着層6は、リードピン4を第1プリント配線板2及び第2プリント配線板3に対して接着している。この接着層6が設けられることで、リードピン4と、第1プリント配線板2及び第2プリント配線板3のとの接合強度が増加する。
【0032】
さらに、図1に示すように、接着層6は、第1プリント配線板2と第2プリント配線板3とを接着している。このため、接着層6を設けることで、基板1の強度を増加させることができる。
【0033】
続いて、図4図9を参照して、本実施形態の基板1の製造方法について説明する。図4図9は、本実施形態の基板1の製造方法について説明するための模式図である。
【0034】
まず、図4に示すように、第1プリント配線板2を作製する。第1プリント配線板2は、上述のようにエッジコネクタ部が設けられていない。このため、基板1をPCIeカードとして用いる場合には、PCIeカードとして用いるために必要な形状に設計された第1プリント配線板2が、図4に示す工程で作製される。ここでは、接続パッド2aが設けられた第1プリント配線板2が作製される。
【0035】
続いて、図5に示すように、第2プリント配線板3を作製する。第2プリント配線板3は、上述のようにエッジコネクタ部3bが設けられている。ここでは、第1プリント配線板2の板厚寸法D1よりも、板厚寸法D2が小さい第2プリント配線板3が作製される。基板1をPCIeカードとして用いる場合には、エッジコネクタ部3bがPCIeの規格に基づいて設計された第2プリント配線板3が作製される。また、ここでは、ビア3a及び電極パッド3cが設けられた第2プリント配線板3が作製される。
【0036】
なお、図5に示す第2プリント配線板3の作製は、図4に示す第1プリント配線板2の作製と並行して行ってもよい。また、図5に示す第2プリント配線板3の作製は、図4に示す第1プリント配線板2の作製よりも前に行ってもよい。
【0037】
続いて、図6に示すように、第2プリント配線板3のビア3aに対して、リードピン4を挿入する。リードピン4は、ビア3aに対して例えば半田接合あるいは圧入される。なお、図6においては、既にリードピン4が最終的な形状に合わせて曲げられている。しかしながら、図6に示す工程では、リードピン4は異なる形状であってもよい。
【0038】
続いて、図7に示すように、リードピン4の先端部に第1プリント配線板2の接続パッド2aが当接されるように、第1プリント配線板2を配置する。その後、図8に示すように、リードピン4と接続パッド2aとを接合部5を用いて接合する。例えば、溶融半田を硬化させることで接合部5を形成する。さらに、図9に示すように、接合部5を覆うように接着層6を形成する。例えば、軟化状態の接着剤を塗布して硬化させることで、接着層6を形成する。
【0039】
以上のような本実施形態の基板1は、第1プリント配線板2と、第2プリント配線板3とを備えている。第2プリント配線板3は、第1プリント配線板2に電気的に接続されている。また、第2プリント配線板3は、第1プリント配線板2よりも板厚寸法D2が小さくかつコネクタCに挿入可能なエッジコネクタ部3bを有する。
【0040】
このような本実施形態の基板1によれば、第2プリント配線板3においてエッジコネクタ部3bの板厚寸法D2を規格に合わせて形成することができる。さらに、エッジコネクタ部3bを含まない第1プリント配線板2の板厚寸法D1を上記規格よりも大きくすることが可能になる。このため、例えば、基板1をPCIeカードとして用いる場合には、第1プリント配線板2を、より大電流を流すことができかつより多層化することが可能になる。
【0041】
また、本実施形態の基板1においては、複数のリードピン4を備える。各々のリードピン4は、一端が第1プリント配線板2に接続されると共に他端が第2プリント配線板3に接続されており、第1プリント配線板2と第2プリント配線板3とを電気的に接続している。このような本実施形態の基板1によれば、第1プリント配線板2と第2プリント配線板3との配置位置を設計変更しても、リードピン4の形状を変更することで第1プリント配線板2と第2プリント配線板3とを容易に電気的に接続することができる。このため、第1プリント配線板2と第2プリント配線板3との配置関係の自由度を向上させることができる。
【0042】
また、本実施形態の基板1においては、第1プリント配線板2及び第2プリント配線板3の一方である第2プリント配線板3にリードピン4が挿入されるビア3aが設けられている。また、第1プリント配線板2及び第2プリント配線板3の他方である第1プリント配線板2にリードピン4が接合される接続パッド2aが設けられている。
【0043】
このような本実施形態の基板1によれば、第2プリント配線板3にリードピン4が挿入されるビア3aが設けられている。このため、リードピン4を第2プリント配線板3に対して容易に位置決めすることができる。したがって、例えば、リードピン4を第2プリント配線板3に対して位置決めした状態で、第1プリント配線板2の接続パッド2aに接合することができる。よって、リードピン4と接続パッド2aとの接合を容易に行うことが可能となる。
【0044】
また、本実施形態の基板1は、リードピン4と接続パッド2aとを接着する絶縁性の接着層6を備えている。このため、リードピン4と接続パッド2aとの接合強度を向上させることができる。さらには、基板1の強度を向上させることが可能となる。
【0045】
また、本実施形態の基板1において接着層6は、リードピン4を第1プリント配線板2及び第2プリント配線板3に対して接着している。このため、リードピン4と第1プリント配線板2及び第2プリント配線板3とを固定することができ、リードピン4の接合強度を向上させることが可能となる。さらには、基板1の強度を向上させることが可能となる。
【0046】
また、本実施形態の基板1においては、第2プリント配線板3の全体が、第1プリント配線板2よりも板厚寸法D2が小さい。このような本実施形態の基板1においては、第2プリント配線板3の全体の厚さを均一化することができる。このため、第2プリント配線板3の構造を簡素化することが可能となる。
【0047】
また、本実施形態の基板1の製造方法(基板製造方法)においては、第1プリント配線板2を作製し、第1プリント配線板2よりも板厚寸法D2が小さいエッジコネクタ部3bを有する第2プリント配線板3を作製し、第1プリント配線板2と第2プリント配線板3とを電気的に接続する。
【0048】
このような本実施形態の基板1の製造方法によれば、第2プリント配線板3においてエッジコネクタ部3bの板厚寸法D2を規格に合わせて形成することができる。さらに、エッジコネクタ部3bを含まない第1プリント配線板2の板厚寸法D1を上記規格よりも大きくすることが可能になる。このため、例えば、基板1をPCIeカードとして用いる場合には、第1プリント配線板2を、より大電流を流すことができかつより多層化することが可能になる。
【0049】
また、本実施形態の基板1のコネクタCへの接続方法(基板接続方法)では、第1プリント配線板2よりも板厚寸法D2が小さいエッジコネクタ部3bを有する第2プリント配線板3を介して、第1プリント配線板2をコネクタCに電気的に接続する。
【0050】
このような本実施形態の基板1のコネクタCへの接続方法によれば、第2プリント配線板3においてエッジコネクタ部3bの板厚寸法D2を規格に合わせて形成することができる。さらに、エッジコネクタ部3bを含まない第1プリント配線板2の板厚寸法D1を上記規格よりも大きくすることが可能になる。このため、例えば、基板1をPCIeカードとして用いる場合には、第1プリント配線板2を、より大電流を流すことができかつより多層化することが可能になる。
【0051】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図10図16を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分ついては、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0052】
図10は、本実施形態の基板1Aの概略構成を示す断面図である。本実施形態の基板1Aにおいて第1プリント配線板2には、接続パッド2aが設けられておらず、複数のビア2dが設けられている。各々のビア2dは、板状の第1プリント配線板2の第1面2bから第2面2cに貫通して設けられている。
【0053】
複数のビア2dは、2列に分けて配列されている。各々の列においてビア2dは、直線状に配列されている。例えば、ビア2dは、第2プリント配線板3の後述の接続パッド3fと同数設けられている。1つのビア2dが、1本のリードピン4を介して、いずれか1つの接続パッド3fに対して接続されている。
【0054】
また、本実施形態の基板1Aにおいて第2プリント配線板3には、ビア3aが設けられておらず、複数の接続パッド3fが設けられている。接続パッド3fは、第2プリント配線板3の第1プリント配線板2側の縁部に対して、直線状に配列されている。これらの接続パッド3fは、第2プリント配線板3の配線層の一部を用いて形成することができ、銅箔で形成されている。なお、図10においては、接続パッド3fを除いた配線層の部位は省略している。
【0055】
図10に示すように、第2プリント配線板3の接続パッド3fは、板状の第2プリント配線板3の第1面3dと、第2面3eとの両方に設けられている。ただし、接続パッド3fは、第1面3dと第2面3eとのいずれか一方にのみに設けられていてもよい。
【0056】
リードピン4の一端は、第2プリント配線板3の接続パッド3fにはんだ接合されている。また、リードピン4の他端は、第1プリント配線板2のビア2dに挿入されている。リードピン4の他端は、ビア2dにはんだ接合されてもよい。また、リードピン4の他端は、ビア2dに圧入されても良い。
【0057】
接合部5は、第2プリント配線板3の接続パッド3fとリードピン4とを接合する。接合部5は、接続パッド3fとリードピン4との接続箇所の各々に設けられている。つまり、第2プリント配線板3の接続パッド3fとリードピン4とは、はんだ接合されており、電気的に接続されている。
【0058】
接着層6は、リードピン4と第2プリント配線板3の接続パッド3fとを接着する。接着層6は、接合部5をモールドする。この接着層6が設けられることで、リードピン4と接続パッド3fとの接合強度が増加する。
【0059】
続いて、図11図16を参照して、本実施形態の基板1Aの製造方法について説明する。図11図16は、本実施形態の基板1Aの製造方法について説明するための模式図である。
【0060】
まず、図11に示すように、第1プリント配線板2を作製する。ここでは、ビア2dが設けられた第1プリント配線板2が作製される。続いて、図12に示すように、第2プリント配線板3を作製する。ここでは、接続パッド3f及び電極パッド3cが設けられた第2プリント配線板3が作製される。
【0061】
なお、図12に示す第2プリント配線板3の作製は、図11に示す第1プリント配線板2の作製と並行して行ってもよい。また、図12に示す第2プリント配線板3の作製は、図11に示す第1プリント配線板2の作製よりも前に行ってもよい。
【0062】
続いて、図13に示すように、第1プリント配線板2のビア2dに対して、リードピン4を挿入する。リードピン4は、ビア2dに対して例えば半田接合あるいは圧入される。なお、図13においては、既にリードピン4が最終的な形状に合わせて曲げられている。しかしながら、図13に示す工程では、リードピン4は異なる形状であってもよい。
【0063】
続いて、図14に示すように、リードピン4の先端部に第2プリント配線板3の接続パッド3fが当接されるように、第2プリント配線板3を配置する。その後、図15に示すように、リードピン4と接続パッド3fとを接合部5を用いて接合する。さらに、図16に示すように、接合部5を覆うように接着層6を形成する。
【0064】
以上のような本実施形態の基板1Aにおいても、上記第1実施形態の基板1と同様に、第2プリント配線板3においてエッジコネクタ部3bの板厚寸法D2を規格に合わせて形成することができる。さらに、エッジコネクタ部3bを含まない第1プリント配線板2の板厚寸法D1を上記規格よりも大きくすることが可能になる。このため、例えば、基板1AをPCIeカードとして用いる場合には、第1プリント配線板2を、より大電流を流すことができかつより多層化することが可能になる。
【0065】
また、本実施形態の基板1Aにおいては、第1プリント配線板2及び第2プリント配線板3の一方である第1プリント配線板2にリードピン4が挿入されるビア2dが設けられている。また、第1プリント配線板2及び第2プリント配線板3の他方である第2プリント配線板3にリードピン4が接合される接続パッド3fが設けられている。
【0066】
このような本実施形態の基板1Aによれば、第1プリント配線板2にリードピン4が挿入されるビア2dが設けられている。このため、リードピン4を第1プリント配線板2に対して容易に位置決めすることができる。したがって、例えば、リードピン4を第1プリント配線板2に対して位置決めした状態で、第2プリント配線板3の接続パッド3fに接合することができる。よって、リードピン4と接続パッド3fとの接合を容易に行うことが可能となる。
【0067】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図17を参照して説明する。
【0068】
図17は、本実施形態の基板1Bの概略構成を示す断面図である。この図に示すように、本実施形態の基板1Bは、第1プリント配線板10と、第1プリント配線板10に電気的に接続された第2プリント配線板20と、を備えている。また、第2プリント配線板20は、第1プリント配線板10よりも板厚寸法が小さくかつコネクタCに挿入可能なエッジコネクタ部21を有している。
【0069】
このような本実施形態の基板1Bによれば、第2プリント配線板20においてエッジコネクタ部21の板厚寸法を規格に合わせて形成することができる。さらに、エッジコネクタ部21を含まない第1プリント配線板10の板厚寸法を上記規格よりも大きくすることが可能になる。このため、例えば、基板1BをPCIeカードとして用いる場合には、第1プリント配線板10を、より大電流を流すことができかつより多層化することが可能になる。
【0070】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0071】
例えば、上記実施形態においては、第2プリント配線板3の全体が一定の板厚寸法D2である構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第2プリント配線板3のエッジコネクタ部3bを除く部位の板厚寸法をエッジコネクタ部3bよりも大きくすることも可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 基板
1A 基板
1B 基板
2 第1プリント配線板
2a 接続パッド(パッド)
2b 第1面
2c 第2面
2d ビア
3 第2プリント配線板
3a ビア
3b エッジコネクタ部
3c 電極パッド
3d 第1面
3e 第2面
3f 接続パッド(パッド)
4 リードピン
5 接合部
6 接着層
10 第1プリント配線板
20 第2プリント配線板
21 エッジコネクタ部
C コネクタ
D1 板厚寸法
D2 板厚寸法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17